説明

グリセリルエステルのエステル交換方法

【課題】グリセリルエステルのエステル交換のための向上された方法を提供する。
【解決手段】グリセリルエステルをC−C脂肪族アルコールでエステル交換する方法。この方法は、触媒として、弱酸イオン交換樹脂の形態を使用する。この触媒は、グリセリルエステルおよびC−C脂肪族アルコールを含む反応混合物と接触させられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、グリセリルエステル、特にトリグリセリドをアルコールでエステル交換し、脂肪酸アルキルエステルを生じさせる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高い燃料価格および環境問題は代替燃料、特に再生可能な資源由来の代替燃料の開発を進めている。一般的に「バイオディーゼル」燃料として知られているそのような燃料の1つは、脂肪酸のアルキル(通常はメチル)エステルを含み、ディーゼルエンジンで燃焼される。バイオディーゼル燃料はトリグリセリド、例えば植物油をアルコール、典型的にはメタノールでエステル交換することにより生成される。典型的には、均一塩基性触媒、例えばアルカリ金属アルコキシドがエステル交換触媒として使用されるが、これらの塩は反応の生成物から取り除かれなければならず、精製プロセスの困難性を高めている。先行技術はトリグリセリドのエステル交換のための不均一触媒、例えば、F.Chai et al.,Adv.Synth.Catal.2007,349巻、1057−65ページに開示されるセシウム含有ヘテロポリ酸も開示する。しかし、ヘテロポリ酸触媒は相対的に高価であり、望ましくない重金属、例えばタングステンを含み、水感受性の傾向があり、カラム内の触媒床を形成するために充分に充填されない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】F.Chai et al.,Adv.Synth.Catal.2007,349巻、1057−65ページ
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明により取り組まれる課題は、グリセリルエステルのエステル交換のための向上された方法を見いだすことである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、(a)水素イオンの少なくとも一部分がアルカリ金属イオンで置き換えられている弱酸イオン交換樹脂を含む触媒を提供する工程;並びに(b)(i)グリセリルエステルおよび(ii)C−C脂肪族アルコールまたはジオール;を含む反応混合物と前記触媒を接触させる工程を含む、グリセリルエステルをC−C脂肪族アルコールまたはジオールでエステル交換する方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0006】
他に示されない限りは、全てのパーセンテージは重量パーセンテージであり、全ての温度は℃での温度である。イオン交換樹脂の重量パーセンテージは乾燥樹脂を基準とする。「アルキル」基は、1〜20の炭素原子を有し、直鎖、分岐鎖または環式配置の飽和ヒドロカルビル基である。ある好ましい実施形態においては、アルキル基は非環式である。「グリセリルエステル」は、グリセリンのモノ−、ジ−またはトリ−脂肪酸エステル、例えば、グリセリンモノ−および/またはジ−オレアート;グリセリンモノ−および/またはジ−ココアート;グリセリンモノ−および/またはジ−ステアラート;グリセリンモノ−および/またはジ−パルミタート、並びにこれらの組み合わせである。本発明において使用される「トリグリセリド」は脂肪酸のグリセリントリエステルを含む脂肪または油である。好ましくは、トリグリセリドは植物油の形態であるが、動物脂肪も出発物質として使用されうる。脂肪酸は8〜22の炭素原子を含む非環式脂肪族カルボン酸であり;典型的には、それらは12〜22の炭素原子を含む。炭素−炭素結合に関して、脂肪酸は飽和、1不飽和または多不飽和(典型的には2または3の炭素−炭素二重結合)であることができる。天然脂肪は少量の他のエステル化または遊離脂肪酸を、少量(1−4%)のリン脂質、例えば、レシチン、および非常に少量(1%未満)の他の化合物、例えばトコフェロールと共に、含むこともできる。
【0007】
本明細書において使用される、用語「(メタ)アクリル」は、アクリルまたはメタクリルをいう。用語、「ビニルモノマー」は付加重合に適した、1つの重合可能な炭素−炭素二重結合を有するモノマーをいう。用語「スチレンポリマー」または「スチレン系ポリマー」は少なくとも1種のスチレンモノマー(スチレンまたは置換スチレン)および/または少なくとも1種の架橋剤を含み、スチレンモノマーと架橋剤との合計重量が全モノマー重量の少なくとも50重量%、あるいは少なくとも75重量%、あるいは少なくとも90重量%である、ビニルモノマーまたはビニルモノマーの混合物から重合されたコポリマーを示す。スチレンモノマーには、例えば、スチレン、α−メチルスチレンおよびエチルスチレンが挙げられる。架橋剤は少なくとも2つの重合可能な炭素−炭素二重結合を含むモノマーであり、例えば、ジビニル芳香族化合物、ジ−およびトリ−(メタ)アクリラートエステルおよびエーテル、アルケニル(メタ)アクリラート、並びにジビニルエーテル化合物が挙げられる。好ましくは、架橋剤は2つの重合可能な炭素−炭素二重結合を有し、例えば、ジビニル芳香族架橋剤、例えばジビニルベンゼンである。ある実施形態においては、スチレンポリマーは、少なくとも75%のスチレンおよびジビニル芳香族架橋剤であるモノマーの混合物から、より好ましくは少なくとも90%のスチレンおよびジビニル芳香族架橋剤であるモノマーの混合物から、最も好ましくはスチレンおよび少なくとも1種のジビニル芳香族架橋剤から本質的になるモノマーの混合物から製造される。別の実施形態においては、スチレンポリマーは、少なくとも1種のジビニル芳香族架橋剤から本質的になるモノマー混合物から製造される。用語「アクリルポリマー」は、少なくとも1種の架橋剤と共に、少なくとも1種の(メタ)アクリル酸、エステルまたはアミドを含み、(メタ)アクリル酸またはエステルと架橋剤との合計重量が、合計モノマー重量の少なくとも50重量%;好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも90%であるビニルモノマーの混合物から形成されるコポリマー、最も好ましくは少なくとも1種の(メタ)アクリル酸またはエステルと少なくとも1種の架橋剤、好ましくは、二官能性架橋剤、例えば、ジビニルベンゼンとから本質的になるモノマーの混合物から形成されるコポリマーを示す。
【0008】
弱酸イオン交換樹脂が本発明において使用される。好ましくは、樹脂はカルボキシル基、ホスホン酸基、リン酸基、ホスフィン酸基またはこれらの組み合わせで官能化される。イオン交換樹脂は多エチレン性不飽和モノマー(架橋剤)の重合単位を含む。好ましくは、樹脂中の架橋剤の量は0.1%〜20%、あるいは0.5%〜12%である。ゲル樹脂は好ましくは0.5%〜4%の架橋剤量を有する。巨大網状化(macroreticular)樹脂は、好ましくは3.5%〜12%の架橋剤量を有する。ある実施形態においては、樹脂はアクリル樹脂であり、典型的には、88%〜99.5%の(メタ)アクリル酸のモノマー残基および0.5%〜12%の架橋剤の残基、あるいは88%〜96.5%の(メタ)アクリル酸のモノマー残基および3.5%〜12%の架橋剤の残基、あるいは96%〜99.5%の(メタ)アクリル酸のモノマー残基および0.5%〜4%の架橋剤の残基を含む。樹脂の酸性基は、水素イオンの一部分または全部をアルカリ金属イオンで置き換えることにより、部分的にまたは完全に中和される。本発明のある実施形態においては、アルカリ金属はリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウムおよびセシウムである。本発明の好ましい実施形態においては、アルカリ金属はナトリウム、カリウム、ルビジウムおよびセシウムであり;あるいはカリウム、ルビジウムおよびセシウムであり;あるいはナトリウム、カリウムおよびセシウムであり;あるいはカリウムおよびセシウムであり;あるいはセシウムである。樹脂はアルカリ金属の塩基性塩と接触することにより中和されることができ;ここで、塩基性塩は樹脂官能基のpKaよりも少なくとも1単位高いpKaか、このましくは少なくとも2単位高いpKaを有する。中和は好ましくは水性溶液中で行われるが、極性溶媒、例えば、低級アルコール、例えば、メタノールおよびエタノールも存在することができる。アルカリ金属の塩基性塩には、例えば、水酸化物、アルコキシド、酸化物、炭酸塩および重炭酸塩が挙げられる。好ましくは、樹脂は所望のアルカリ金属の水酸化物塩を用いて中和される。
【0009】
本発明のある実施形態においては、樹脂における水素イオンの少なくとも10%、あるいは少なくとも20%、あるいは少なくとも30%、あるいは少なくとも40%、あるいは少なくとも50%、あるいは少なくとも60%、あるいは少なくとも70%、あるいは少なくとも80%、あるいは少なくとも90%、あるいは少なくとも95%が少なくとも1種のアルカリ金属イオンで置き換えられている。本発明のある実施形態においては、実質的に全ての水素イオンが少なくとも1種のアルカリ金属イオンで置き換えられている。好ましくは、樹脂が完全に中和される場合には、塩基の量は、樹脂の全酸官能基に対して約1当量であり;有意に過剰な、例えば、1.01当量を超える塩基は望まれない。
【0010】
本発明のある実施形態において、中和された樹脂は水または水性溶媒混合物で洗浄されて、残留するアルカリ金属塩を除去する。本発明のある実施形態においては、中和された樹脂は、洗浄の有無にかかわらず、乾燥されて、エステル交換触媒として使用する前に残留する水のほとんどを除く。典型的な残留する水の量は7%〜10%である。乾燥された樹脂はそのままで使用されることができ、またはメタノールでさらに脱水されてもよい。あるいは、樹脂は乾燥の代わりに1以上の段階でメタノールで脱水される。
【0011】
好ましくは、中和された樹脂は、エステル交換に好適な条件下で、反応混合物と接触させられる。本発明のある実施形態においては、反応混合物は触媒と接触した状態で40℃〜226℃の温度範囲に少なくとも10分間加熱される。この範囲の上限は超臨界メタノールの使用に対応する。あるいは、温度は少なくとも50℃、あるいは少なくとも55℃、あるいは少なくとも60℃、あるいは少なくとも70℃である。あるいは、温度は150℃以下、あるいは130℃以下、あるいは110℃以下、あるいは90℃以下、あるいは85℃以下、あるいは80℃以下、あるいは75℃以下である。反応が回分反応器内で行われる場合には、好ましくは反応時間は少なくとも15分、あるいは少なくとも0.5時間、あるいは少なくとも1時間、あるいは少なくとも2時間、あるいは少なくとも3時間、あるいは少なくとも6時間である。あるいは、反応時間は24時間以下、あるいは16時間以下、あるいは10時間以下、あるいは6時間以下である。温度が55−85℃である実施形態においては、反応時間は0.5−6時間である。典型的には、触媒は、ろ過、遠心分離または何らかの他の標準的な固液分離方法によって反応混合物から取り除かれる。反応が連続反応器内で行われる場合には、好ましくは、接触時間は少なくとも20分、あるいは少なくとも30分、あるいは少なくとも45分である。好ましくは、接触時間は6時間以下、あるいは4時間以下、あるいは2時間以下である。
【0012】
本発明のある実施形態においては、グリセリルエステルは4%を超えて、あるいは3%を超えて、あるいは2%を超えて、あるいは1%を超えて、あるいは0.75%を超えて、あるいは0.5%を超えて、あるいは0.3%を超えて、あるいは0.2%を超えて、遊離(エステル化されていない)脂肪酸を含まない。遊離脂肪酸は望ましくない、というのはそれらは反応混合物および/または生成物の遊離脂肪酸での汚染から生じる問題、例えば、反応混合物中の発泡などを引き起こすからである。
【0013】
本発明のある実施形態においては、C−C脂肪族アルコールまたはジオールはC−Cアルコールであり;あるいはそれはメタノール、エタノールまたはn−ブタノールであり;あるいはそれはメタノールまたはエタノールであり;最も好ましくはメタノールである。本発明のある実施形態においては、C−C脂肪族アルコールまたはジオールはC−Cジオール;あるいは、C−Cジオール、例えば、エチレングリコールである。本発明のある実施形態においては、アルコールは、グリセリルエステルに基づいて少なくとも1.1当量、あるいは少なくとも2当量、あるいは少なくとも5当量、あるいは少なくとも10当量、あるいは少なくとも15当量の量で存在する。本発明のある実施形態においては、アルコールは40当量以下、あるいは30当量以下の量で存在する。
【0014】
本発明のある実施形態においては、イオン交換樹脂は巨大網状樹脂であって、ゲル型樹脂ではない。巨大網状樹脂は、25m/g〜200m/gの表面積および50Å〜500Åの平均孔直径;あるいは30m/g〜80m/gの表面積および100Å〜300Åの平均孔直径を有する樹脂である。好適な巨大網状樹脂には、アクリル樹脂、スチレン系樹脂、およびこれらの組み合わせが挙げられる。好ましくは、ゲル樹脂の平均粒子サイズは100μm〜2000μm、より好ましくは200μm〜800μmである。本発明のある実施形態においては、イオン交換樹脂はスチレンおよび架橋剤の重合単位を含み、架橋剤には、例えば、ジビニル芳香族;ジ−、トリ−およびテトラ−(メタ)アクリラートまたは(メタ)アクリルアミド;ジ−、トリ−およびテトラ−アリルエーテルおよびエステル;グリコールおよびポリオールのポリアリルおよびポリビニルエーテルが挙げられる。本発明のある実施形態においては、架橋剤はジエチレン性不飽和、例えば、ジビニルベンゼン(DVB)である。典型的な酸性イオン交換樹脂は、乾燥基準で0.4〜16meq/g、あるいは少なくとも2meq/g、あるいは少なくとも4meq/g、あるいは少なくとも6meq/g、あるいは少なくとも8meq/gの酸官能基を有する。本発明のある実施形態において、酸性イオン交換樹脂は14meq/g以下、あるいは13meq/g以下の酸官能基を有する。本発明のある実施形態において、反応が回分反応器内で行われる場合には、樹脂は、反応混合物の0.1%〜20%(樹脂の乾燥重量に基づく)、あるいは1%〜15%、あるいは2%〜10%の量で存在する。反応は、触媒が反応器、例えば触媒床に閉じこめられた連続反応器内で行われることもできる。
【実施例】
【0015】
実施例1:中和された弱酸樹脂、CsOHの製造
50グラムのAMBERLITE(商標)IRC50イオン交換樹脂が100gのDI水中でスラリーにされた。AMBERLITE(商標)IRC50イオン交換樹脂は弱酸性マクロポーラス(macroporous)アクリルイオン交換樹脂である。それは、メタクリル酸とジビニルベンゼンとのコポリマーである。このスラリーに83.9gのCsOH(水中の50%溶液、全酸官能基に対して1当量)が添加された。得られた混合物は1時間撹拌され、続いて5Lの脱イオン水でカラム洗浄して、残留する塩を除去した。中和された、洗浄された樹脂は、60−70℃の対流式オーブン内で約24時間乾燥された。
【0016】
実施例2:中和された弱酸樹脂、CsCOの製造
15グラムのAMBERLITE(商標)IRC50イオン交換樹脂が200gのDI水中でスラリーにされた。このスラリーに27.4gのCsCO(全酸官能基に対して1当量)が添加された。得られた混合物は1時間撹拌され、続いて10Lの脱イオン水でカラム洗浄して、残留する塩を除去し、上述のように乾燥させた。
【0017】
実施例3:中和された弱酸樹脂、LiOHの製造
40グラムのIONEX(商標)64V樹脂(メタクリル酸樹脂)が100gのDI水中でスラリーにされた。このスラリーに9.6gのLiOH(56%固形分、全酸官能基に対して1当量)が添加された。得られた混合物は1−2時間撹拌され、上述のように仕上げられた。
【0018】
実施例4:Na中和された弱酸樹脂の製造
30グラムのAMBERLITE(商標)PWC11イオン交換樹脂が100gのDI水中でスラリーにされた。AMBERLITE(商標)PWC11イオン交換樹脂は弱酸性マクロポーラスアクリルイオン交換樹脂である。それはメタクリル酸およびジビニルベンゼンのコポリマーである。このスラリーに6.72gのNaOH(水中の50%溶液、全酸官能基に対して1当量)が添加された。得られた混合物は2時間撹拌され、上述のように仕上げられた。
【0019】
実施例5:K中和された弱酸樹脂の製造
30グラムのAMBERLITE(商標)PWC11イオン交換樹脂が100gのDI水中でスラリーにされた。このスラリーに11.1gのKOH(85%ペレット、全酸官能基に対して1当量)が添加された。得られた混合物は2時間撹拌され、上述のように仕上げられた。
【0020】
実施例6:50%Cs中和された弱酸樹脂の製造
30グラムのAMBERLITE(商標)PWC11イオン交換樹脂が100gのDI水中でスラリーにされた。このスラリーに14.1gのCsOH・1水和物(粉体)が添加された。得られた混合物は2時間撹拌され、続いて3Lの脱イオン水でカラム洗浄されて、残留する塩を除去した。
【0021】
実施例7:エステル交換反応
密封ガラス圧力管に5グラムのキャノーラ油(0.04%遊離脂肪酸)、5グラムのメタノールおよび上記実施例のうちの1つからの樹脂触媒1グラムを添加した。混合物は85℃に加熱され、2時間保たれた。サンプルが採取され、ガスクロマトグラフィーで分析されて、パーセント転化率を決定した。実施例1〜6からの触媒についての結果、様々な対照実験からの結果、および追加の実施例が下記の表に提示される。他に特定されない場合には、樹脂の中和の程度は100%である。
【0022】
実施例8:再利用の検討
密封ガラス圧力管に5グラムのキャノーラ油、5グラムのメタノールおよび1グラムの上記実施例1で製造されたのと同じ樹脂触媒を入れた。混合物は85℃で、2時間加熱された。5回の後続の反応の転化率は第1回目と一致した。
【0023】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)水素イオンの少なくとも一部分がアルカリ金属イオンで置き換えられている弱酸イオン交換樹脂を含む触媒を提供する工程;並びに
(b)(i)グリセリルエステル、および(ii)C−C脂肪族アルコールまたはジオール;を含む反応混合物と前記触媒を接触させる工程;
を含む;
グリセリルエステルをC−C脂肪族アルコールまたはジオールでエステル交換する方法。
【請求項2】
−C脂肪族アルコールまたはジオールがメタノールまたはエタノールであり、グリセリルエステルがトリグリセリドである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
イオン交換樹脂がカルボン酸官能基を有し、樹脂における水素イオンの20%〜100%がアルカリ金属イオンで置き換えられている、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
アルカリ金属イオンが、ナトリウム、カリウム、ルビジウムおよびセシウムからなる群から選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
樹脂における水素イオンの40%〜100%がアルカリ金属イオンで置き換えられている、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
トリグリセリドが、1%を超えて遊離脂肪酸を含まない、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
反応混合物が回分反応器内で60℃〜150℃の温度範囲で、少なくとも0.5時間加熱される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
反応混合物が連続反応器内で60℃〜150℃の温度範囲で、少なくとも15分間、触媒と接触した状態にある、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
アルカリ金属イオンが、ナトリウム、カリウム、ルビジウムおよびセシウムからなる群から選択される少なくとも1種のイオンであり;樹脂における水素イオンの20%〜100%がアルカリ金属イオンで置き換えられている、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
−C脂肪族アルコールまたはジオールがメタノールまたはエタノールであり、グリセリルエステルがトリグリセリドであり、イオン交換樹脂がカルボン酸官能基を有する、請求項9に記載の方法。

【公開番号】特開2009−249375(P2009−249375A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−127233(P2008−127233)
【出願日】平成20年5月14日(2008.5.14)
【出願人】(590002035)ローム アンド ハース カンパニー (524)
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
【Fターム(参考)】