説明

グリセロールを含有する添加物の存在下で鉱物質を分粒するための方法、得られた生成物およびこれらの使用

本発明は、グリセロールおよび/または少なくとも1つのポリグリセロールを含む分粒助剤添加物を使用して鉱物質を分粒する方法であって、水性媒体中での用途と適合する分粒された鉱物質を得ながら、空気分粒の効率を増加させる、または添加物を使用しない空気分粒に比較して低下する比分粒エネルギーを含む方法に関する。
本発明はさらに、塗料、プラスチック、ヒトまたは動物が消費することが予定される食品用途、医薬製剤、製紙用パルプまたは紙加工における、この方法で得られた生成物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
鉱物産業は、化学物質を大量に消費する。化学物質は、鉱物質が対象である変換/修飾/加工処理の様々なステップにおいて使用される。部分的にガス状媒質中の鉱物質の分散度に左右される、粒径によって鉱物質を分類するステップは、中でもその汎用性のため天然炭酸カルシウムが代表例であるが、これらのステップの1つを構成する。
【0002】
空気分級機内で鉱物質を分粒するステップを実施する当業者は、非効率的分粒がこの方法全体の生産性を実質的に低下させることを認識している。特に、粒子が1ミクロンの大きさの微細であると分粒される場合は、これらの粒子は空気が大半を占める疎水性環境では結合する傾向があり、従って凝集体を形成する。このような凝集体は該凝集体のサイズと同等のサイズの粒子とともに分粒され、該凝集体を形成する一次粒子と同等のサイズの粒子とともに分粒されないというリスクが存在する。このため当業者は、依然として様々な環境、例えば親水性環境などにおける分粒された生成物の使用を可能にしながら、特に凝集化の現象を防止することによって分粒効率を増加させることのできる添加物を探し求めている。
【0003】
US6,139,960は、フライアッシュを製造する方法であって、空気分級機内で分粒するステップを含み、このとき0.1から5ミクロンの平均径の微細フライアッシュをシラン、ステアレート、アルミネート、チタネートまたはジルコネートによって前処理できる方法について言及している。
【0004】
このような添加物は疎水性特性を与えるので、これらは分粒するステップ後に水性環境内での分粒された材料の使用を可能にする添加物を探し求めている当業者のための解決策を提示していない。
【0005】
さらに、Sabine Niedballaによる「Dispergierung von feinen Partikelfraktionen in Gasstroemungen−Einfluss von Dispergierbeanspruchung und oberflaechenmodifizierenden Zusaetzen」と題する論文(1999,Fakultaet fuer Maschinenbau,Verfahrens− und Energietechnik der Technischen Universitaet Bergakademie Freiberg)では、1μm(マイクロメートル)未満の径を備える一次粒子の場合には、脂肪酸タイプの添加物が空気中の炭酸カルシウム微細粒子の分散度に影響を及ぼさないことが観察されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第6,139,960号明細書
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Sabine Niedballa,「Dispergierung von feinen Partikelfraktionen in Gasstroemungen−Einfluss von Dispergierbeanspruchung und oberflaechenmodifizierenden Zusaetzen」,1999,Fakultaet fuer Maschinenbau,Verfahrens− und Energietechnik der Technischen Universitaet Bergakademie Freiberg
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この課題に直面して、および驚くべき方法で、本出願人は、鉱物質を分粒する方法であって、当業者のこれらの様々な要件、即ち空気分粒の効率を増加させる、または添加物を用いない空気分粒に比較して低い比分粒エネルギーを示しつつ、水性媒体中での用途と適合する分粒された鉱物質を得るという要件を満たす方法を確定することができた。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本方法は、鉱物質を分粒する方法であって、以下のステップを実行することを特徴とする方法からなる:
a)ドロマイト、もしくはタルク、もしくは二酸化チタン、もしくはアルミナ、もしくはカオリン、もしくは炭酸カルシウムまたはこれらのブレンドを含む少なくとも1つの鉱物質を供給するステップ;
b)水性形もしくは純粋形にある、グリセロールおよび/または少なくとも1つのポリグリセロールを含む少なくとも1つの分粒助剤添加物を供給するステップ;
c)1回または数回、ステップa)の該鉱物質を1回以上の乾式破砕および/または乾式混合するステップにおいてステップb)の該分粒助剤添加物と接触させるステップ;
d)異なる平均粒径の粒子の少なくとも2つの画分を得るためにガス環境においてステップc)で得られた該鉱物質の少なくとも1回の乾式分粒するステップを実施するステップ;
e)場合により、ステップd)の結果として生じる該分粒された鉱物質の全部または一部についてステップc)および/またはd)を繰り返すステップ。
【発明を実施するための形態】
【0010】
用語「比分粒」は、1メートルトンの乾燥炭酸カルシウムを分粒するために必要とされるkWhで表示されたエネルギーの総量を表す。
【0011】
グリセロールは、Mathieu Skrzypczak(Ecole Centrale de Lyon,2009)による「Understanding of the physical and chemical mechanisms occurring during dry grinding of calcium carbonate in the presence of a grinding agent」と題する論文に開示されている分粒用添加物として公知である。および、以下の実施例において証明されたように、典型的には鉱業において使用される破砕剤、例えばポリエチレングリコール(PEG)は非効率的分粒をもたらすことが明らかにされている。さらに、この論文は、グリセロールの存在下での0から10μmの微粒子の乾式破砕するステップが非効率である(図IV−4による。)ことを示しており、このことはさらに当業者にグリセロールと微粒子との間で相互作用がほとんど生じないことを示唆している。このため、解決策を探すために分粒助剤の選択の責任を担う当業者は、破砕助剤の中からは、および特に非効率の破砕助剤の中からは何も得られなかった。
【0012】
本発明の第1の目的は、鉱物質を分粒する方法であって、以下のステップを実行することを特徴とする方法にある:
a)ドロマイト、もしくはタルク、もしくは二酸化チタン、もしくはアルミナ、もしくはカオリン、もしくは炭酸カルシウムまたはこれらのブレンドを含む少なくとも1つの鉱物質を供給するステップ;
b)(i)水性形もしくは純粋形にあるグリセロールからなる、または
(ii)グリセロールと1つ以上の以下の作用物質:エチレングリコール、モノプロピレングリコール、トリエチレングリコール、無機酸もしくは無機酸塩、ギ酸もしくはクエン酸またはギ酸塩もしくはクエン酸塩、有機ポリ酸もしくは有機ポリ酸塩、アルカノールアミン、ポリ(エチレンイミン)、200g/molから20,000g/mol、好ましくは600g/molから6,000g/molの分子質量のポリアルキレングリコールポリマー、鉱物質のモード半径以下の旋回半径の二乗平均平方根を有する炭水化物、1つ以上のポリグリセロールからなり、このとき該作用物質は水性形もしくは純粋形にある、または
(iii)グリセロールの非存在下で1つ以上のポリグリセロールを含む、
少なくとも1つの分粒助剤添加物を供給するステップ;
c)1回または数回、ステップa)の該鉱物質を1回以上の乾式破砕および/または乾式混合するステップにおいてステップb)の該分粒助剤添加物と接触させるステップ;
d)異なる平均粒径の粒子の少なくとも2つの画分を得るためにガス環境においてステップc)で得られた該鉱物質の少なくとも1回の分粒するステップを実施するステップ;
e)場合により、ステップd)の結果として生じる該分粒された鉱物質の全部または一部についてステップc)および/またはd)を繰り返すステップ。
【0013】
好ましい変形では、本方法は、ステップd)で得られた粒子の画分の平均粒径が相互に比較して少なくとも0.1μm異なることを特徴とする。
【0014】
また別の好ましい変形では、本方法は、画分がステップd)で得られた場合に、画分の平均粒径が1:1.05から1:150、および好ましくは1:1.1から1:1.15の比率を有することを特徴とする。
【0015】
本方法は、添加物の形態および性質に従って6つの変形の形態を取る可能性がある:
第1変形:純粋形にあるグリセロール
第2変形:水性調製物中のグリセロール
第3変形:水性形もしくは純粋形にある、項目(ii)に規定した少なくとも1つの化合物と組み合わされたグリセロール
第4変形:少なくとも1つのポリグリセロール
第5変形:純粋形にある少なくとも1つのポリグリセロール
第6変形:水性調製物中の少なくとも1つのポリグリセロール
【0016】
この第1変形によると、添加物は、純粋形にあるグリセロールからなる。
【0017】
第2変形では、添加物は、水およびグリセロールからなる。この第2変形によると、添加物が水およびグリセロールからなる場合は、添加物はこれらの添加物の総重量に比較して、好ましくは25重量%から95重量%、より好ましくは45重量%から90重量%、および極めて好ましくは75重量%から85重量%のグリセロールを含有しており、残余は水からなる。
【0018】
第3変形では、添加物は、グリセロールと1つ以上の以下の作用物質:エチレングリコール、モノプロピレングリコール、トリエチレングリコール、無機酸もしくは無機酸塩、ギ酸もしくはクエン酸またはギ酸塩もしくはクエン酸塩、有機ポリ酸もしくは有機ポリ酸塩、アルカノールアミン、ポリ(エチレンイミン)、200g/molから20,000g/mol、好ましくは600g/molから6,000g/molの分子質量のポリアルキレングリコールポリマー、鉱物質のモード半径以下の旋回半径の二乗平均平方根を有する炭水化物、1つ以上のポリグリセロールからなり、このとき該作用物質は水性形もしくは純粋形にある。
【0019】
この第3変形によると、無機酸は、好ましくはリン酸である。
【0020】
この第3変形によると、無機酸は、好ましくはモノ−、ジ−またはトリ−アルカリ塩であり、好ましくは元素周期表の第IまたはII属のカチオンの塩である。
【0021】
この第3変形によると、ギ酸もしくはクエン酸の塩は、好ましくはモノ−、ジ−またはトリ−アルカリ塩であり、より好ましくは元素周期表の第IまたはII属のカチオンの塩である。
【0022】
この第3変形によると、有機ポリ酸は、好ましくは式COOH−(CH−COOH(式中、nは0および7を含む0から7の間の数値を有する整数である。)、または式COOH−(CH−COOH(式中、nは0および7を含む0から7の間の数値を有する整数に等しい。)の有機ポリ酸のモノ−またはジ−アルカリ塩である、または酸形にある、もしくは元素周期表の第IまたはII属の1つ以上のカチオンを用いて部分的もしくは完全に中和されている形態にある以下のモノマー:アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸もしくはイタコン酸の1つ以上のポリマー有機ポリ酸である、および好ましくはシュウ酸、ピメリン酸もしくはアジピン酸である。
【0023】
この第3変形によると、アルカノールアミンは、中和されていてもいなくても、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、トリ−エタノールアミン、N−ブチルジエタノールアミンおよびトリ−イソ−プロパノールアミンの中から選択され、およびより好ましくはギ酸塩もしくはクエン酸塩、または請求項10に記載の有機ポリ酸塩によって中和されているこれらの形態の中から選択される。
【0024】
この第3変形によると、ポリアルキレングリコールポリマーは、好ましくはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、またはランダムもしくはブロックのいずれかであるエチレン−プロピレングリコールコポリマーである。
【0025】
この第3変形によると、鉱物質のモード半径以下の炭水化物の旋回半径の二乗平均平方根を有する該炭水化物は、好ましくはグルコース、フルクトース、スクロース、デンプンまたはセルロースであり、より好ましくはスクロースである。
【0026】
この第3変形によると、ポリグリセロールは、好ましくは、ジ−グリセロール、トリ−グリセロール、テトラ−グリセロール、ペンタ−グリセロール、ヘキサ−グリセロール、ヘプタ−グリセロール、オクタ−グリセロール、ノナ−グリセロールおよびデカ−グリセロールおよびこれらのブレンドの中から、ならびにより好ましくはジ−グリセロールおよびトリ−グリセロールの中から選択される。
【0027】
この第3変形によると、添加物は、これらの添加物の総重量と比較して、好ましくは20重量%から95重量%のグリセロール、1重量%から50重量%の該作用物質および0重量%から65重量%の水、より好ましくは30重量%から90重量%のグリセロール、10重量%から45重量%の該作用物質および0重量%から60重量%の水、ならびに極めて好ましくは35重量%から75重量%のグリセロール、30重量%から40重量%の該作用物質および5重量%から50重量%の水を含有しており、このときグリセロール、該作用物質および水の重量%の合計は各場合において100%と等しい。
【0028】
第4変形では、添加物は、グリセロールの非存在下で1つ以上のポリグリセロールを含んでいる。
【0029】
このポリグリセロールまたはこれらのポリグリセロールは、好ましくは、ジ−グリセロール、トリ−グリセロール、テトラ−グリセロール、ペンタ−グリセロール、ヘキサ−グリセロール、ヘプタ−グリセロール、オクタ−グリセロール、ノナ−グリセロールおよびデカ−グリセロールおよびこれらのブレンドの中から、ならびにより好ましくはジ−グリセロールおよびトリ−グリセロールの中から選択される。
【0030】
第5変形では、添加物は、純粋形にある1つ以上のポリグリセロールからなる。
【0031】
第6変形では、添加物は、水および1つ以上のポリグリセロールからなる。この第6変形によると、添加物は、これらの総重量に比較して、好ましくは25重量%から95重量%、より好ましくは45重量%から90重量%、および極めて好ましくは75重量%から85重量%のポリグリセロールを含有しており、残余は水からなる。
【0032】
本発明の方法では、鉱物質の乾燥重量に比較して、100から5,000ppm、より好ましくは500から3,000ppmのグリセロールもしくはポリグリセロールを使用するのが好ましい。
【0033】
本発明による方法のまた別の変形では、鉱物質各1mに対して、好ましくは0.1から1mg、およびより好ましくは0.2から0.6mgの総乾燥当量のグリセロールまたはポリグリセロールおよび可能性のある各作用物質を使用するのが好ましい。
【0034】
本発明の方法において使用される鉱物質は、ステップd)における空気分級機への供給時に、Sedigraph(商標)5100によって測定して、好ましくは0.5から500μm、より好ましくは1μmから45μm、およびいっそうより好ましくは1μmから10μmの平均径を有する。
【0035】
本発明の方法において使用される鉱物質は、ステップd)における空気分級機への供給時に、Sedigraph(商標)5100によって測定して2μm未満の径を有する、好ましくは5重量%から90重量%、およびより好ましくは10重量%から60重量%の粒子を有する。
【0036】
ステップa)の鉱物質は、好ましくは炭酸カルシウムであり、およびより好ましくは天然炭酸カルシウムである。
【0037】
本発明による方法のステップd)の空気分粒は、好ましくはふるいおよび/またはサイクロン器具を用いる分粒である。
【0038】
ステップd)は、連続または同時に行われる少なくとも2つの分粒するステップを含むことができ、好ましくは3から10の分粒するステップを含む。
【0039】
本発明の方法は、好ましくは連続法である。
【0040】
本発明はさらに、本発明の方法によって得られる生成物にある。当該の生成物は、有益にも塗料、プラスチック、ヒトまたは動物が消費することが予定される食品用途、医薬製剤、製紙用パルプまたは紙加工において使用することができる。
【実施例】
【0041】
[実施例1]
本実施例は、カララ大理石である天然炭酸カルシウムの空気分粒に関する。先行破砕ステップでは、表2に記載した添加物を使用する。
【0042】
ハンマーミル内での予備破砕によって得られた、破砕機内に供給される初期炭酸カルシウムの粒径分布を、表1に表示する。
【0043】
【表1】

【0044】
カララ大理石は、円筒形の形状にある、16mmの平均径を有する8トンのCylpeb(商標)鉄製破砕ビーズを使用して、容積5.7mのボールミル内に:
1.8μm以下の平均径を有する、
2μm以下の径を有する55重量%の粒子
の破砕材料を得る目的で導入した。
【0045】
乾式破砕するステップは連続的に行う。
【0046】
破砕チャンバを離れると、破砕された材料はSELEX(商標)6S型の分級機に運ばれる。分級機の回転速度および空気流量は、所定の数値以下の平均径を有し、最終生成物を構成する粒子の部分を選択できるように、各々5,200回転/分および6,000m/時に設定する。この数値より大きい平均径を有する残りの粒子の部分は、該ボールミル内に再導入する。
【0047】
破砕するステップは、選別機の供給速度が常に4トン/時と等しいように、および該ボールミル内に挿入される新鮮生成物の量が本システムを離れる選択された生成物の量と適合するような方法で行う。
【0048】
乾式分粒助剤は、破砕システム内へ新鮮材料が導入される地点の領域で、破砕のために導入される該新鮮材料に比較して一定量の破砕助剤を維持できるような方法で導入した。
【0049】
【表2】

【0050】
参照として挙げた物質であるPEGは、600g/molと同等の分子質量の75質量%のポリエチレングリコールを含有する水溶液からなり、FLUKA(商標)社から入手した。
【0051】
グリセロールは、75質量%のグリセロールを含有する水溶液を指す。
【0052】
グリセロール+H3PO4は、75質量%のグリセロール/リン酸のブレンド(質量比99/1)を含有する水溶液を指す。
【0053】
各試験は、2,000ppmの活性製剤(または2,667ppmの各水溶液)を使用する。
【0054】
分粒性能のレベルに関して、試験番号2および3について最善の結果が得られることが観察された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉱物質を分粒する方法であって、以下のステップ:
a)ドロマイト、もしくはタルク、もしくは二酸化チタン、もしくはアルミナ、もしくはカオリン、もしくは炭酸カルシウムまたはこれらのブレンドを含む少なくとも1つの鉱物質を供給するステップ;
b)(i)水性形もしくは純粋形にあるグリセロールからなる、または
(ii)グリセロールと以下の作用物質:エチレングリコール、モノプロピレングリコール、トリエチレングリコール、無機酸もしくは無機酸塩、ギ酸もしくはクエン酸またはギ酸塩もしくはクエン酸塩、有機ポリ酸もしくは有機ポリ酸塩、アルカノールアミン、ポリ(エチレンイミン)、200g/molから20,000g/mol、好ましくは600g/molから6,000g/molの分子質量のポリアルキレングリコールポリマー、鉱物質のモード半径以下の旋回半径の二乗平均平方根を有する炭水化物、1つ以上のポリグリセロール(前記作用物質は水性形もしくは純粋形にある)の1つ以上からなる、または
(iii)グリセロールの非存在下で1つ以上のポリグリセロールを含む、
少なくとも1つの分粒助剤添加物を供給するステップ;
c)ステップa)の前記鉱物質を、1回以上の乾式破砕および/または乾式混合するステップにおいてステップb)の前記分粒助剤添加物と、1回または数回接触させるステップ;
d)異なる平均粒径の粒子の少なくとも2つの画分を得るためにガス環境においてステップc)で得られた前記鉱物質の少なくとも1回の分粒するステップを実施するステップ;
e)場合により、ステップd)の結果として生じる前記分粒された鉱物質の全部または一部についてステップc)および/またはd)を繰り返すステップ
を実行することを特徴とする方法。
【請求項2】
ステップd)で得られた粒子の前記複数の画分の平均粒径が相互に比較して少なくとも0.1μm異なることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップd)で複数の画分が得られた場合に、該画分の平均粒径が1:1.05から1:150、および好ましくは1:1.1から1:1.15の比率を有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記添加物は、純粋形にあるグリセロールまたは水およびグリセロールからなることを特徴とする、請求項1または3の一項に記載の方法。
【請求項5】
前記添加物が水およびグリセロールからなる場合、該添加物はこれらの総重量に比較して、25重量%から95重量%、好ましくは45重量%から90重量%、極めて好ましくは75重量%から85重量%のグリセロールを含有しており、残余は水からなることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記添加物は、グリセロールと以下の作用物質:エチレングリコール、モノプロピレングリコール、トリエチレングリコール、無機酸もしくは無機酸塩、ギ酸もしくはクエン酸またはギ酸塩もしくはクエン酸塩、有機ポリ酸もしくは有機ポリ酸塩、アルカノールアミン、ポリ(エチレンイミン)、200g/molから20,000g/mol、好ましくは600g/molから6,000g/molの分子質量のポリアルキレングリコールポリマー、鉱物質のモード半径以下の旋回半径の二乗平均平方根を有する炭水化物、1つ以上のポリグリセロール(前記作用物質は水性形もしくは純粋形にある)の1つ以上からなることを特徴とする、請求項1または3の一項に記載の方法。
【請求項7】
前記無機酸は、リン酸であることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記無機酸は、モノ−、ジ−またはトリ−アルカリ塩であり、および好ましくは元素周期表の第IまたはII属のカチオンの塩であることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記ギ酸もしくはクエン酸の塩は、モノ−、ジ−またはトリ−アルカリ塩であり、および好ましくは元素周期表の第IまたはII属のカチオンの塩であることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記有機ポリ酸は、式COOH−(CH−COOH(式中、nは0および7を含む0から7の間の数値を有する整数である。)、または式COOH−(CH−COOH(式中、nは0および7を含む0から7の間の数値を有する整数に等しい。)の有機ポリ酸のモノ−またはジ−アルカリ塩である、または酸形にある、もしくは元素周期表の第IまたはII属の1つ以上のカチオンを用いて部分的もしくは完全に中和されている形態にある以下のモノマー:アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸もしくはイタコン酸の1つ以上のポリマー有機ポリ酸である、および好ましくはシュウ酸、ピメリン酸もしくはアジピン酸であることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
前記アルカノールアミンは、中和されていてもいなくても、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、トリ−エタノールアミン、N−ブチルジエタノールアミンおよびトリ−イソ−プロパノールアミンの中から選択され、および好ましくはギ酸塩もしくはクエン酸塩、または請求項10に記載の有機ポリ酸塩によって中和されているこれらの形態の中から選択されることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項12】
前記ポリアルキレングリコールポリマーは、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、またはランダムもしくはブロックのいずれかであるエチレン−プロピレングリコールコポリマーであることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項13】
鉱物質のモード半径以下の炭水化物の旋回半径の二乗平均平方根を有する前記炭水化物は、グルコース、フルクトース、スクロース、デンプンまたはセルロースであり、好ましくはスクロースであることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項14】
ポリグリセロールは、ジ−グリセロール、トリ−グリセロール、テトラ−グリセロール、ペンタ−グリセロール、ヘキサ−グリセロール、ヘプタ−グリセロール、オクタ−グリセロール、ノナ−グリセロールおよびデカ−グリセロールならびにこれらのブレンドの中から、および好ましくはジ−グリセロールおよびトリ−グリセロールの中から選択されることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項15】
前記添加物は、これらの添加物の総重量と比較して、20重量%から95重量%のグリセロール、1重量%から50重量%の前記作用物質および0重量%から65重量%の水、好ましくは30重量%から90重量%のグリセロール、10重量%から45重量%の前記作用物質および0重量%から60重量%の水、ならびに好ましくは35重量%から75重量%のグリセロール、30重量%から40重量%の前記作用物質および5重量%から50重量%の水を含有しており、このときグリセロール、前記作用物質および水の重量%の合計は各場合において100%と等しいことを特徴とする、請求項6から14の一項に記載の方法。
【請求項16】
前記添加物は、グリセロールの非存在下で1つ以上のポリグリセロールを含むことを特徴とする、請求項1または3の一項に記載の方法。
【請求項17】
ポリグリセロールは、ジ−グリセロール、トリ−グリセロール、テトラ−グリセロール、ペンタ−グリセロール、ヘキサ−グリセロール、ヘプタ−グリセロール、オクタ−グリセロール、ノナ−グリセロールおよびデカ−グリセロールおよびこれらのブレンドの中から、ならびに好ましくはジ−グリセロールおよびトリ−グリセロールの中から選択されることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記添加物は、純粋形にある1つ以上のポリグリセロールからなることを特徴とする、請求項16から17の一項に記載の方法。
【請求項19】
前記添加物は、水および1つ以上のポリグリセロールからなることを特徴とする、請求項16から17の一項に記載の方法。
【請求項20】
前記添加物は、これらの添加物の総重量に比較して、25重量%から95重量%、好ましくは45重量%から90重量%、および極めて好ましくは75重量%から85重量%のポリグリセロールを含有しており、残余は水からなることを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記鉱物質の乾燥重量に比較して100から5,000ppm、好ましくは500から3,000ppmのグリセロールもしくはポリグリセロールが使用されることを特徴とする、請求項1から20の一項に記載の方法。
【請求項22】
鉱物質各1mに対して、0.1から1mg、および好ましくは0.2から0.6mgの総乾燥当量の前記グリセロールまたは前記ポリグリセロールおよび可能性のある全ての作用物質が使用されることを特徴とする、請求項1から21の一項に記載の方法。
【請求項23】
前記鉱物質は、ステップd)における空気分級機への供給時に、Sedigraph(商標)5100によって測定して0.5から500μm、好ましくは1μmから45μm、およびより好ましくは1μmから10μmの平均径を有することを特徴とする、請求項1から22の一項に記載の方法。
【請求項24】
前記鉱物質は、ステップd)における空気分級機内への供給時に、Sedigraph(商標)5100によって測定して2μm未満の径を有する、5重量%から90重量%、および好ましくは10重量%から60重量%の粒子を有することを特徴とする、請求項1から22の一項に記載の方法。
【請求項25】
前記ステップa)の鉱物質は、炭酸カルシウム、および好ましくは天然炭酸カルシウムであることを特徴とする、請求項1から24の一項に記載の方法。
【請求項26】
空気分粒のステップd)は、ふるいおよび/またはサイクロン器具を使用する分粒であることを特徴とする、請求項1から25の一項に記載の方法。
【請求項27】
ステップd)は、連続または同時に実施される少なくとも2つの分粒するステップを含み、および好ましくは3から10の分粒するステップを含むことを特徴とする、請求項1から26の一項に記載の方法。
【請求項28】
連続法であることを特徴とする、請求項1から27の一項に記載の方法。
【請求項29】
請求項1から28の一項に記載の方法によって得られる生成物。
【請求項30】
塗料、プラスチック、ヒトまたは動物が消費することが予定される食品用途、医薬製剤、製紙用パルプまたは紙加工における請求項29に記載の生成物の使用。

【公表番号】特表2013−512775(P2013−512775A)
【公表日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−542629(P2012−542629)
【出願日】平成22年12月1日(2010.12.1)
【国際出願番号】PCT/IB2010/003084
【国際公開番号】WO2011/070418
【国際公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(505018120)オムヤ・デイベロツプメント・アー・ゲー (31)
【Fターム(参考)】