説明

グリセロール系可塑剤を含む中間層

本発明は、ポリ(ビニルブチラール)およびグリセロール系可塑剤を含む中間層ならびにそうした中間層を含む多層グレージングパネルを含む。グリセロール系可塑剤の添加により、驚くべきことに、広範囲の多層グレージング用途に使用するのに好適な可塑化ポリ(ビニルブチラール)層が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリ(ビニルブチラール)を含むポリマー層および多層グレージングパネルの分野にあり、より詳細には本発明は、可塑化ポリ(ビニルブチラール)を含むポリマー層および多層グレージングパネルの分野にある。
【背景技術】
【0002】
ポリ(ビニルブチラール)(PVB)は、安全ガラスのような光透過性積層体またはポリマー積層体における中間層として使用できるポリマー層の製造に一般に使用される。安全ガラスは、多くの場合、2層のガラス間に配設されたポリ(ビニルブチラール)層を含む透明積層体を指す。安全ガラスは、建築および自動車開口部において透明な障壁を与えるために使用されることが多い。この主要な機能は、開口部を貫通したり、ガラスの破片を散乱させたりすることなく、物体の衝撃により生じるようなエネルギーを吸収することであり、このようにして囲まれた領域内にある物体または人に対する損傷または被害を最小限にする。安全ガラスはまた、音響ノイズを弱め、UVおよび/またはIR光透過を減少させ、ならびに/または窓開口部の外観および審美的魅力のような他の有益な効果を提供するためにも使用できる。
【0003】
ポリ(ビニルブチラール)は、例えば一般に使用されるトリエチレングリコールジ−(2−エチルヘキサノアート)を含む、種々の可塑剤で可塑化できる。他の可塑剤も同様に、ポリ(ビニルブチラール)と共に使用でき、望ましい可塑剤は、コスト、使い易さ、および最終製品における性能の組み合わせによって決定される。
【0004】
従来の可塑剤は、有用であるが、比較的高価な場合がある。さらに、一部の可塑剤は使用するのが困難であるか、または有害であり、または望ましくない廃棄問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そのため当分野において、ポリ(ビニルブチラール)層に使用するためにさらに改善された可塑剤が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ポリ(ビニルブチラール)およびグリセロール系可塑剤を含む中間層ならびにそうした中間層を含む多層グレージングパネルを含む。グリセロール系可塑剤の添加により、驚くべきことに、広範囲の多層グレージング用途に使用するのに好適な可塑化ポリ(ビニルブチラール)層が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は、グリセロール可塑剤およびこれらの中間層での使用およびこれら中間層を含む多層グレージングパネルを含む。本明細書で用いられるとき、「多層グレージング中間層」は、1を超える層、例えば中間層を間に有する2つのガラス窓を有するグレージングに使用できる中間層を意味する。本発明の中間層は、単一のポリ(ビニルブチラール)層または1以上のさらなるポリマー層と合わせたポリ(ビニルブチラール)層からなることができる。グレージングパネルは、例えば自動車のフロントガラスおよび建築用途に使用できる。本明細書に開示されるように、グリセロール可塑剤は、中間層として有用なポリマー層、または多層グレージングパネル用途に使用するための中間層内の層に組み込まれる。以下で詳細に記載するが、本発明の少なくとも1つのポリマー層はポリ(ビニルブチラール)を含む。
【0008】
本発明のグリセロール可塑剤は、式Iに示されるようにグリセロールに基づいている:
【0009】
【化1】

【0010】
グリセロールは、例えばバイオディーゼル生産および石鹸生産の副生成物として利用可能な一般的な有機化合物である。本発明のグリセロール可塑剤は、例えば縮合反応にてグリセロールとカルボン酸とを反応させ、所望の試剤を生成することによってグリセロールから製造できる。もちろん、他の好適な合成を使用することもでき、有用な場合はグリセロール以外の出発物質を使用することもできる。
【0011】
本発明のグリセロール可塑剤は、式IIに示される構造を有するものを含む:
【0012】
【化2】

式中、R、RおよびRは、同一または異なっていてもよく、−OHまたは
【0013】
【化3】

を有するいずれかのカルボン酸であることができ、式中、Rは、水素、または3から14もしくは3から9個の炭素を有する分枝もしくは直鎖の脂肪族もしくは芳香族炭化水素鎖であり、R、RおよびRの炭素全ての合計は12から24である。本発明の種々の実施形態において、R、RおよびRの炭素全ての合計は8から24、12から24、4から16、または4から12である。
【0014】
本発明の種々の実施形態において、Rは、ヘプチル、ヘキシル、ペンチル、ブチル、プロピル、エチル、またはメチル基であるが、他の直鎖および分枝鎖脂肪族ならびに芳香族炭化水素も使用できる。先行するリストに関して、アルキルは、アルキル基のいずれかの炭素にてカルボニル炭素に結合できる。例えば、ペンチルに関して、Rは、ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチルなどであることができる。
【0015】
本発明の種々の実施形態において、R、RおよびRは全て
【0016】
【化4】

であり、式中、Rは、3−ヘプチルであり、グリセロールトリス(2−エチルヘキサノアート)を形成し、式IIIに示される構造を有する:
【0017】
【化5】

【0018】
種々の実施形態において、R、RおよびRは、それぞれブチラートであり、結果としてグリセロールトリブチラートが得られる。
【0019】
本発明の種々の実施形態において、R、RおよびRの1または2つは−OHである。
【0020】
本明細書に提供されるいずれかの実施形態において、グリセロール系可塑剤は、従来の可塑剤と合わせて可塑剤混合物を形成できる。これらの実施形態において、本発明のグリセロール可塑剤は、式IIに示される構造を有するものを含み、このR、R、RおよびRの値は上記で与えられるものである。本発明の種々の実施形態において、本発明の可塑剤混合物は、少なくとも5重量%、20重量%、50重量%、または75重量%のグリセロール系可塑剤を含む。他の実施形態において、グリセロール系可塑剤は、可塑剤混合物の2から99重量%、5から99重量%、5から50重量%、または5から25重量%であることができる。これらの実施形態のいずれかにおいて、従来の可塑剤は、以下に記載されるもののいずれかであることができる。好ましい実施形態において、本発明のグリセロール可塑剤は、トリエチレングリコールジ−(2−エチルヘキサノアート)と組み合わされ、ここでグリセロール可塑剤の重量%はこのパラグラフにて上記で与えられた範囲であることができる。2つの好ましい組み合わせは:トリエチレングリコールジ−(2−エチルヘキサノアート)およびグリセロールトリブチラート、ならびにトリエチレングリコールジ−(2−エチルヘキサノアート)およびグリセロールトリス(2−エチルヘキサノアート)である。
【0021】
単独または混合物のいずれかにてグリセロール系可塑剤を含む本発明の中間層は、重量基準で、樹脂100部あたり、20から60、25から60、20から80、10から70、または10から100部の可塑剤を有することができる。
【0022】
一部のグリセロールトリカルボキシラート剤はポリ(ビニルブチラール)との相溶性が高いので、組み合わせた配合は、ポリ(ビニルブチラール)中間層製品における性能属性を改質する際のフレキシビリティをさらに高めることができる。例えば、残存ポリ(ビニルアルコール)%が高いポリ(ビニルブチラール)樹脂を用いること、またはさらに可塑剤を組み込むことにより中間層製品の性能範囲を変更すること。
【0023】
種々の実施形態において、グリセロール可塑剤は、中間層に組み込まれるポリ(ビニルブチラール)層に含まれる。これらの実施形態において、中間層は、単一のポリ(ビニルブチラール)層だけを含むことができ、またはポリ(ビニルブチラール)層を含む多層中間層であることができる。多層中間層を使用する実施形態は、当分野において既知のものを含み、これらとしては、例えばポリ(ビニルブチラール)層と、1以上の他のポリマー層とを有し、これらが互いに積層されて単一中間層を形成する中間層、およびポリ(ビニルブチラール)層および1以上の他のポリマー層を、以下で詳細に記載される1以上のポリマーフィルムと共に積層した中間層が挙げられるが、これらに限定されない。これら実施形態のいずれかにおいて、グリセロール可塑剤は、少なくとも1つのポリ(ビニルブチラール)層、場合により他の層に含まれる。多層中間層の種々の層は、同一または異なっていてもよい。
【0024】
例示的な多層中間層構成物は次を含む:
(ポリマー層)
(ポリマー層/ポリマーフィルム/ポリマー層)
式中、nは1から10であり、種々の実施形態では5未満であり、pは1から5、種々の実施形態では、3未満であり、ポリマー層の少なくとも1つは、グリセロール可塑剤を有するポリ(ビニルブチラール)層である。
【0025】
本発明の中間層は、多層グレージングパネルに組み込むことができ、種々の実施形態において2層のガラス間に組み込まれる。こうした構成物の用途には、特に、自動車のフロントガラスおよび建築ガラスが含まれる。
【0026】
本発明の他の実施形態において、グリセロール可塑剤を有するポリ(ビニルブチラール)層を含む中間層は、二層で使用される。本明細書で用いられるとき、二層とは、中間層が配設される単一の硬質基材、例えばガラスまたはアクリル系樹脂を有する多層構成物である。典型的な二層構成物は:(ガラス)//(ポリマー層)//(ポリマーフィルム)であり、ここでポリマーフィルムは、平滑で、薄く硬質な基材を供給し、ポリマー層単独で通常得られるものの場合よりも良好な光学特徴が得られる。二層構成物としては、例えば:
(ガラス)//(ポリマー層)//(ポリマーフィルム))
(ガラス)//(ポリマー層)//(ポリマーフィルム)
が挙げられるが、これらに限定されない
式中、hは1から10であり、種々の実施形態では1から3であり、gは1から5であり、種々の実施形態では1から3であり、ポリマー層の少なくとも1つは、グリセロール可塑剤を有するポリ(ビニルブチラール)層である。
【0027】
さらなる実施形態において、ここで記載されたような中間層は、破片保護として作用するために多層グレージングパネルの片側に加えることができ、例えば限定されないが次のようなものである:
(多層グレージングパネル)//((ポリマー層)//(ポリマーフィルム))
(多層グレージングパネル)//(ポリマー層)//(ポリマーフィルム)
式中、hは1から10であり、種々の実施形態では1から3であり、gは1から5であり、種々の実施形態では1から3であり、ポリマー層の少なくとも1つは、グリセロール可塑剤を有するポリ(ビニルブチラール)層であり、全体の厚さは0.1から2.5ミリメートルである。
【0028】
ポリマーフィルム
本明細書で用いられるとき、「ポリマーフィルム」は、性能向上層として機能する比較的薄くて硬質なポリマー層を意味する。ポリマーフィルムは、本明細書で用いられるとき、ポリマーフィルム自体は必須の耐貫通性およびガラス保持特性を多層グレージング構造体に付与するのではなく、赤外線吸収特徴のような性能を改善するという点で、ポリマー層とは異なる。ポリ(エチレンテレフタラート)は、ポリマーフィルムとして最も一般に使用されている。
【0029】
種々の実施形態において、ポリマーフィルム層は、0.013mmから0.20mm、好ましくは0.025mmから0.1mm、または0.04から0.06mmの厚さを有する。ポリマーフィルム層は、場合により、1以上の特性、例えば接着性または赤外線放射反射性を改善するために表面処理またはコーティングできる。これらの機能的性能層は、例えば日光に曝された場合に、太陽の赤外線放射を反射し、可視光を透過させるための多層スタックを含む。この多層スタックは、当分野において既知であり(例えば、WO88/01230およびU.S.Patent 4,799,745を参照のこと)、例えば、1以上のオングストローム厚さの金属層、および1以上の(例えば2つの)順番に堆積された、光学的に協働する誘電体層を含むことができる。また既知であるように、(例えばU.S.Patent 4,017,661およびU.S.Patent 4,786,783を参照のこと)、金属層は、場合により、随伴したガラス層のいずれかの除霜または除霧のために電気抵抗加熱されてもよい。
【0030】
本発明と共に使用できるさらなる種類のポリマーフィルムは、U.S.Patent 6,797,396に記載されており、金属層が引き起こし得る干渉を生じさせることなく赤外線放射を反射する機能を有する多数の非金属層を含む。
【0031】
ポリマーフィルム層は、一部の実施形態において、光学的に透明であり(即ち、層の一方の面に隣接する物体は、他方の面から層を通して見る特定の観察人の目によって問題なく見ることができ)、組成に関係なく、隣接ポリマー層のいずれかよりも通常は大きい、一部の実施形態では非常に大きい引張係数を有する。種々の実施形態において、ポリマーフィルム層は、熱可塑性材料を含む。好適な特性を有する熱可塑性材料は、ナイロン、ポリウレタン、アクリル系樹脂、ポリカーボネート、ポリオレフィン、例えばポリプロピレン、セルロースアセタートおよびトリアセタート、塩化ビニルポリマーおよびコポリマーなどである。種々の実施形態において、ポリマーフィルム層は、記述された特性を有する再延伸熱可塑性フィルムのような材料を含み、この材料は、ポリエステル、例えばポリ(エチレンテレフタラート)およびポリ(エチレンテレフタラート)グリコール(PETG)を含む。種々の実施形態において、ポリ(エチレンテレフタラート)が使用され、種々の実施形態において、ポリ(エチレンテレフタラート)は、強度を改善するために二軸延伸されており、熱安定化されており、高温に供される場合に低い収縮特性をもたらす(例えば、150℃にて30分後、両方向の収縮が2%未満)。
【0032】
本発明で使用できるポリ(エチレンテレフタラート)フィルムのための種々のコーティングおよび表面処理技術は、公開されたEuropean Application No.0157030に開示されている。本発明のポリマーフィルムはまた、当分野において既知であるように、ハードコートおよび/または霧防止層を含むことができる。
【0033】
ポリマー層
次の項目では、本発明のポリマー層を形成できる種々の材料、例えばポリ(ビニルブチラール)を記載する。この項目は、多層中間層に使用されるグリセロール可塑剤のないポリマー層にもこの全体が適用される。グリセロール可塑剤を含むポリ(ビニルブチラール)層であるポリマー層に関して、この項目は、グリセロール可塑剤を含むポリ(ビニルブチラール)層に関して本明細書のいずれかにて具体的に与えられた記載と対立しない程度に適用される。
【0034】
本明細書で用いられるとき、「ポリマー層」は、好適な方法のいずれかにより薄層に形成された熱可塑性ポリマー組成物のいずれかを意味し、この層は、単独でまたは1を超える層のスタックにて、積層されたグレージングパネルに適切な耐貫通性およびガラス保持特性を付与する中間層として使用するのに好適である。可塑化ポリ(ビニルブチラール)がポリマー層を形成するのに最も一般的に使用される。
【0035】
本明細書で用いられるとき、「樹脂」とは、ポリマー前駆体の酸触媒作用および後続の中和から得られる混合物から取り出されたポリマー(例えばポリ(ビニルブチラール))成分を指す。樹脂は、一般に、ポリマーに加えて、アセタート、塩、およびアルコールのような他の成分を有する。本明細書で用いられるとき、「溶融物」とは、樹脂と可塑剤と、場合により他の添加剤との溶融した混合物を指す。
【0036】
本発明のポリマー層は、いずれかの好適なポリマーを含むことができ、好ましい実施形態において、上記で例示したように、ポリマー層は、ポリ(ビニルブチラール)を含む。ポリマー層のポリマー成分としてポリ(ビニルブチラール)を含む本明細書にて与えられる本発明の実施形態のいずれかにおいて、ポリマー成分がポリ(ビニルブチラール)からなる、または本質的になるような別の実施形態を含む。これらの実施形態において、本明細書に開示される可塑剤を含む添加剤におけるいずれかの変形例は、ポリ(ビニルブチラール)からなるまたは本質的になるポリマーを有するポリマー層で使用できる。
【0037】
実施形態の1つでは、ポリマー層は、部分的にアセタール化されたポリ(ビニルアルコール)に基づくポリマーを含む。別の実施形態において、ポリマー層は、ポリ(ビニルブチラール)、ポリウレタン、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(エチレンビニルアセタート)、これらの組み合わせなどから成る群から選択されるポリマーを含む。さらなる実施形態において、ポリマー層はポリ(ビニルブチラール)および1以上の他のポリマーを含む。好適なガラス転位温度を有する他のポリマーも使用できる。好ましい範囲、値、および/または方法がポリ(ビニルブチラール)に関して具体的に与えられる本明細書のいずれかの項目において(例えば、限定ではないが、可塑剤、成分パーセンテージ、厚さ、および特性向上添加剤に関するもの)、これらの範囲はまた、適用可能であれば、ポリマー層に有用な成分として本明細書に開示される他のポリマーおよびポリマーブレンドに適用される。
【0038】
ポリ(ビニルブチラール)を含む実施形態に関して、ポリ(ビニルブチラール)は、当業者に既知であるように、既知のアセタール化プロセスによって製造できる(例えば、U.S.Patent 2,282,057およびU.S.Patent 2,282,026を参照のこと)。実施形態の1つでは、Encyclopedia of Polymer Science & Technology,第3版、第8巻、381−399頁,B.E.Wade(2003)におけるVinyl Acetal Polymersに記載される溶媒方法が使用できる。別の実施形態において、本明細書に記載される水性方法が使用できる。ポリ(ビニルブチラール)は、例えばSolutia Inc.(ミズーリ州セントルイス)からButvar(商標)樹脂として種々の形態で市販されている。
【0039】
本明細書で用いられるとき、残存ヒドロキシル含量(ポリ(ビニルアルコール)(PVOH)として計算されるヒドロキシル基の重量%として)とは、処理が完了した後のポリマー鎖における側鎖基として残るヒドロキシル基の量を指す。例えば、ポリ(ビニルブチラール)は、ポリ(ビニルアセタート)をポリ(ビニルアルコール)に加水分解し、次いでこのポリ(ビニルアルコール)をブチルアルデヒドと反応させて、ポリ(ビニルブチラール)を形成することによって製造できる。ポリ(ビニルアセタート)の加水分解プロセスにおいて、通常全てではないアセタート側鎖基がヒドロキシル基に転換される。さらに、ブチルアルデヒドとの反応は、通常、全てのヒドロキシル基がアセタール基に転換されているのではない。結果として、いずれかの最終的なポリ(ビニルブチラール)において、通常、ポリマー鎖の側鎖基として、残存アセタート基(ビニルアセタート基)および残存ヒドロキシル基(ビニルヒドロキシ基)が存在する。本明細書で用いられるとき、残存ヒドロキシル含量は、ASTM1396により重量%に基づいて測定される。
【0040】
種々の実施形態において、ポリ(ビニルブチラール)を含むポリマー層樹脂は、ポリ(ビニルアルコール)として計算される10から35重量パーセント(重量%)のヒドロキシル基、ポリ(ビニルアルコール)として計算される13から30重量%のヒドロキシル基、またはポリ(ビニルアルコール)として計算される15から22重量%のヒドロキシル基を含む。ポリマー層樹脂はまた、ポリビニルアセタートとして計算される15重量%未満の残存エステル基、13重量%、11重量%、9重量%、7重量%、5重量%、または3重量%未満の残存エステル基を含むことができ、残部はアセタール、好ましくはブチルアルデヒドアセタールであるが、場合により微量で他のアセタール基、例えば、2−エチルヘキサナール基を含む(例えば、U.S.Patent 5,137,954を参照のこと)。
【0041】
種々の実施形態において、ポリマー層は、1モルあたり、少なくとも30,000、40,000、50,000、55,000、60,000、65,000、70,000、120,000、250,000、または少なくとも350,000グラム(g/モルまたはダルトン)の分子量を有するポリ(ビニルブチラール)を含む。少量のジアルデヒドまたはトリアルデヒドも、アセタール化工程中に添加することができ、分子量が1モルあたり少なくとも350,000グラムに増大する(例えば、U.S.Patent 4,902,464;U.S.Patent 4,874,814;U.S.Patent 4,814,529;およびU.S.Patent 4,654,179を参照のこと)。本明細書で用いられるとき、「分子量」という用語は、重量平均分子量を意味する。
【0042】
本発明のポリマー層には、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、およびマグネシウム塩を含む種々の接着制御剤を使用できる。本発明のこれらの実施形態で使用できるマグネシウム塩としては、U.S.Patent 5,728,472号に開示されるもの、例えば、サリチル酸マグネシウム、ニコチン酸マグネシウム、ジ−(2−アミノ安息香酸)マグネシウム、ジ−(3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸(napthoate)マグネシウム、およびビス(2−エチル酪酸)マグネシウム(ケミカルアブストラクト番号79992−76−0)が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の種々の実施形態において、マグネシウム塩は、ビス(2−エチル酪酸)マグネシウムである。
【0043】
他の添加剤は、最終生成物における性能を向上させるためにポリマー層に組み込まれてもよい。こうした添加剤としては、当分野において既知であるように、染料、顔料、安定剤(例えば、紫外線安定剤)、酸化防止剤、ブロッキング防止剤、追加のIR吸収剤、難燃剤、前述の添加剤の組み合わせなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0044】
本発明のポリマー層の種々の実施形態において、ポリマー層は、phr20から60、25から60、20から80、10から70、または10から100部の可塑剤を含むことができる。もちろん、他の量は、特定の用途に関して適宜使用できる。一部の実施形態において、可塑剤は、20より少ない、15より少ない、12より少ない、または10より少ない炭素原子の炭化水素セグメントを有する。
【0045】
本明細書で用いられるとき、ポリマー層における可塑剤の量、またはいずれかの他の成分の量は、重量基準での重量に基づいて、100樹脂(phr)部あたりの部として測定できる。例えば、30グラムの可塑剤を100グラムのポリマー樹脂に添加する場合、得られる可塑化されたポリマーの可塑剤含量は、30phrとなる。本明細書全体で用いられるとき、ポリマー層の可塑剤含量が与えられる場合は、特定ポリマー層の可塑剤含量は、この特定層を生成するために使用された溶融物中の可塑剤のphrを参照して決定される。
【0046】
これらの層中の可塑剤量は、ポリ(ビニルブチラール)層のガラス転位温度(Tg)に影響するように調節できる。一般に、多量の可塑剤を添加するとTgが低下する。本発明のポリ(ビニルブチラール)ポリマー層は、40℃以下、35℃以下、30℃以下、25℃以下、20℃以下、および15℃以下のTgを有することができる。
【0047】
これらの層に使用するのに好適な可塑剤としては、特に多塩基酸または多価アルコールのエステルが挙げられる。好適な可塑剤としては、例えば、トリエチレングリコールジ−(2−エチルブチラート)、トリエチレングリコールジ−(2−エチルヘキサノアート)、トリエチレングリコールジヘプタノアート、テトラエチレングリコールジヘプタノアート、ジヘキシルアジパート、ジオクチルアジパート、ヘキシルシクロヘキシルアジパート、ヘプチルおよびノニルアジパートの混合物、ジイソノニルアジパート、ヘプチルノニルアジパート、ジブチルセバカート、油変性セバシン酸アルキドのような高分子可塑剤、U.S.Pat.No.3,841,890に開示されるもののようなホスファートおよびアジパートの混合物、U.S.Pat.No.4,144,217に開示されるもののようなアジパート、前述の混合物および組み合わせが挙げられる。使用できる他の可塑剤は、U.S.Pat.No.5,013,779に開示されるようなC−CアルキルアルコールおよびシクロC−C10アルコールから製造される混合アジパート、およびC−Cアジパートエステル、例えばヘキシルアジパートである。種々の実施形態において、使用される可塑剤は、トリエチレングリコールジ−(2 エチルヘキサノアート)である。
【0048】
ポリ(ビニルブチラール)ポリマー、可塑剤、およびいずれかの添加剤は、当業者に既知の方法に従って熱処理され、層形態に構成できる。ポリ(ビニルブチラール)層を形成する代表的な方法の1つは、樹脂、可塑剤、および添加剤を含む溶融ポリ(ビニルブチラール)をダイ(例えば、ある寸法が垂直寸法よりも実質的に大きい開口部を有するダイ)に強制的に通すことによって押出成形することを含む。ポリ(ビニルブチラール)層を形成する別の代表的な方法は、ダイからの溶融物をローラ上にキャスティングし、樹脂を固化し、続いて固化した樹脂を層として取り除くことを含む。種々の実施形態において、ポリマー層は、例えば0.1から2.5ミリメートル、0.2から2.0ミリメートル、0.25から1.75ミリメートル、および0.3から1.5ミリメートルの厚さを有することができる。
【0049】
本発明の種々の実施形態において、2以上のポリマー層を共押出成形により中間層に形成するが、この共押出成形は、2以上のポリマー溶融物を同時に押出成形し、2以上の隣接ポリマー層が互いに接触した状態で、後続の積層工程を必要とすることなく、多層中間層を形成するプロセスである。2以上の別個のポリマー層が互いに接触した状態で配設され、続いて単一中間層に積層される本発明の各中間層実施形態に関して、共押出成形された中間層が同じ層配置を有するように形成される実施形態もあるが、これは、本明細書で用いられるとき、個々のポリマー層で形成されていると考えられ、「多層」中間層であると考えられる。
【0050】
ガラス層を含む上述の各実施形態に関して、好適な場合は、ガラスでないグレージングタイプの材料がガラスの代わりに使用されるような別の実施形態がある。こうしたグレージング層の例としては、例えば60℃または70℃を超える高いガラス転位温度を有する硬質プラスチック、例えばポリカーボネートおよびポリアルキルメタクリラート、特にアルキル部分に1から3個の炭素原子を有するものが挙げられる。
【0051】
また、あらゆる組み合わせで、本明細書に開示される本発明のポリマー層および中間層のいずれかのスタックまたはロールも本発明に含まれる。
【0052】
本発明はまた、本発明の中間層のいずれかを含む、フロントガラス、窓、およびその他の最終仕上げグレージング製品を包含する。
【0053】
本発明は、本明細書で記載される本発明のポリマー層のいずれかを用いて本発明の中間層またはグレージングパネルを形成することを含む中間層およびグレージングパネルの製造方法を含む。
【0054】
本発明はさらに、グリセロール可塑剤をポリ(ビニルブチラール)樹脂と混合させて溶融物を形成し、次いで溶融物からポリマー層を形成することを含む、ポリマー層を製造する方法を含む。
【0055】
本発明は、多層グレージング中間層を形成する方法を含み、この方法は、ポリ(ビニルブチラール)樹脂を溶融状態に加熱する工程;本発明のグリセロール可塑剤を添加し溶融物を形成する工程、および前記溶融物を好適な手段のいずれか、例えば溶融物を押出成形するまたはキャスティングすることにより前記中間層に形成する工程を含む。
【0056】
本明細書で用いられるとき、「炭化水素」は、炭素および水素だけからなる分子または分子部分である。
【0057】
ここで、種々のポリマー層および/または積層されたガラス特徴および測定技術について、本発明で使用するために記載する。
【0058】
ポリマー層の透明度は、入射光と対比したサンプルの散乱光の定量化であるヘーズ値を測定することによって決定できる。ヘーズ%は、次の技術に従って測定できる。ヘーズの量を測定するための装置Hazemeter,Model D25は、Hunter Associates(バージニア州Reston)から入手可能であり、2°の観察者角度にて光源Cを用いて、ASTM D1003−61(再認可1977)−手順Aに従って使用できる。本発明の種々の実施形態において、へーズ%は、5%未満、3%未満および1%未満である。
【0059】
パメル(Pummel)接着性は、次の技術に従って測定でき、ここで「パメル」とは、本明細書において、ポリマー層のガラスへの接着性を定量化するために参照され、次の技術がパメルを決定するために使用される。2プライのガラス積層体サンプルは、標準オートクレーブ積層条件を用いて調製される。積層体は約−17℃(0°F)に冷却され、手動でハンマーで打ち付け、ガラスを砕く。次いでポリ(ビニルブチラール)層に接着していない破損ガラスを全て取り除き、ポリ(ビニルブチラール)層に接着されて残ったガラスの量を、標準組と視覚的に比較する。標準は、様々な程度でガラスがポリ(ビニルブチラール)層に残った尺度に対応する。特に、パメル標準が0では、ポリ(ビニルブチラール)層に接着して残ったガラスがない。パメル標準が10では100%のガラスがポリ(ビニルブチラール)層に接着されたままである。本発明の積層ガラスパネルに関して、種々の実施形態は、少なくとも3、少なくとも5、少なくとも8、少なくとも9または10のパメルを有する。他の実施形態は、8から10(これらを含む)のパメルを有する。
【0060】
ポリマー層の「黄色度指数」は、次に従って測定できる:本質的に平面で平行な平滑ポリマー面を有する1cm厚さのポリマー層の透明な成形ディスクを形成する。指数は、ASTM法D1925、「プラスチックの黄色度指数の標準試験方法」に従って、可視スペクトルにおける分光測定光透過率から測定される。値は、測定された試料厚さを用いて1cm厚さにて収集する。
【0061】
実施例
【実施例1】
【0062】
100部のポリ(ビニルブチラール)樹脂(18.7%の残存ヒドロキシル含量)を、30部のグリセロールトリス(2−エチルヘキサノアート)可塑剤と合わせる。樹脂および可塑剤を加熱し、混合して溶融物を形成し、これを次いで38℃のTgを有するシートに形成する。
【実施例2】
【0063】
100部のポリ(ビニルブチラール)樹脂(18.7%の残存ヒドロキシル含量)を35部のグリセロールトリス(2−エチルヘキサノアート)可塑剤と合わせる。樹脂および可塑剤を加熱し、混合して溶融物を形成し、これを次いで33℃のTgを有するシートに形成する。この充填量を超えると、前記可塑剤の浸出により安定な配合ができない。
【実施例3】
【0064】
100部のポリ(ビニルブチラール)樹脂(18.7%の残存ヒドロキシル含量)を50部のグリセロールトリブチラート可塑剤と合わせる。樹脂および可塑剤を加熱し、混合して溶融物を形成し、これを次いで20℃のTgを有するシートに形成する。
【実施例4】
【0065】
100部のポリ(ビニルブチラール)樹脂(18.7%の残存ヒドロキシル含量)を60部のグリセロールトリブチラート可塑剤と合わせる。樹脂および可塑剤を加熱し、混合して溶融物を形成し、これを次いで16℃のTgを有するシートに形成する。
【実施例5】
【0066】
100部のポリ(ビニルブチラール)樹脂(18.7%の残存ヒドロキシル含量)を70部のグリセロールトリブチラート可塑剤と合わせる。樹脂および可塑剤を加熱し、混合して溶融物を形成し、これを次いで13℃のTgを有するシートに形成する。
【実施例6】
【0067】
100部のポリ(ビニルブチラール)樹脂(16%の残存ヒドロキシル含量)を60部のグリセロールトリブチラート可塑剤と合わせる。樹脂および可塑剤を加熱し、混合して溶融物を形成し、これを次いで11℃のTgを有するシートに形成する。
【実施例7】
【0068】
100部のポリ(ビニルブチラール)樹脂(16%の残存ヒドロキシル含量)を70部のグリセロールトリブチラート可塑剤と合わせる。樹脂および可塑剤を加熱し、混合して溶融物を形成し、これを次いで6℃のTgを有するシートに形成する。
【実施例8】
【0069】
100部のポリ(ビニルブチラール)樹脂(16%の残存ヒドロキシル含量)を80部のグリセロールトリブチラート可塑剤と合わせる。樹脂および可塑剤を加熱し、混合して溶融物を形成し、これを次いで3℃のTgを有するシートに形成する。
【実施例9】
【0070】
100部のポリ(ビニルブチラール)樹脂(18.7%の残存ヒドロキシル含量)を38部のトリエチレングリコールジ−(2−エチルヘキサノアート)可塑剤および14部のグリセロールトリブチラート可塑剤と合わせる。樹脂および可塑剤を加熱し、混合して溶融物を形成し、これを次いで21.5℃のTgを有するシートに形成する。
【実施例10】
【0071】
100部のポリ(ビニルブチラール)樹脂(18.7%の残存ヒドロキシル含量)を26部のトリエチレングリコールジ−(2−エチルヘキサノアート)可塑剤および26部のグリセロールトリブチラート可塑剤と合わせる。樹脂および可塑剤を加熱し、混合して溶融物を形成し、これを次いで21.5℃のTgを有するシートに形成する。
【実施例11】
【0072】
実施例1から10にて形成されるシートに浸出試験を行なう。各シートを数週間空気中に掛け、次いで可塑剤浸出について視覚的に検査する。サンプルのいずれも浸出は観察されない。
【0073】
本発明によれば、今般、グリセロール可塑剤で可塑化されたポリ(ビニルブチラール)層を含む中間層を提供することができ、これが驚くほどに有効であり、使用が経済的である。
【0074】
本発明を代表的な実施形態を参照して記載したが、当業者は、本発明の範囲を逸脱することなく、種々の変更を行なうことができ、均等物をこの要素と置き換えることができることを理解する。さらに、多くの変更により、本発明の本質的な範囲から逸脱することなく、本発明の技術に、特定の状況または材料を適用できる。故に、本発明は、本発明を実施するために最良である形態として開示される特定の実施形態に限定されず、本発明は、添付の特許請求の範囲内にあるあらゆる実施形態を含むことを意図する。
【0075】
さらに、本発明の単一成分のいずれかについて与えられた範囲、値、または特徴のいずれかは、本発明の他の成分のいずれかについて与えられた範囲、値、または特徴のいずれかと交換可能に使用でき、適切な場合は、本明細書全体を通して与えられるように、各成分についての規定の値を有する実施形態を形成できることを理解する。例えば、ポリマー層は、所定の範囲のいずれかで残存ヒドロキシル基含量を有するポリ(ビニルブチラール)を含み、さらに所与の範囲のいずれかのグリセロール可塑剤を含むように形成でき、適切な場合には、本発明の範囲内にあるが、列挙するのは煩雑である多くの置換体を形成できる。さらに、グリセロール可塑剤のような属またはカテゴリに与えられた範囲はまた、特に示さない限り、グリセロールトリス(2−エチルヘキサノアート)のようなカテゴリの属または構成要員の範囲内にある種に適用できる。
【0076】
要約書またはいずれかの特許請求の範囲内に与えられた図面の参照番号のいずれかは、例示を目的とするためだけのものであり、いずれかの図に示されるいずれか1つの特定実施形態に本発明を制限するように構成されるべきではない。
【0077】
図面は、特に示さない限り、一定の縮尺ではない。
【0078】
雑誌文献、特許、出願、および書籍を含むそれぞれの参照文献は、この全体を本明細書に参考として組み込む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層グレージング中間層であって
ポリ(ビニルブチラール);および

【化1】

式中、R、RおよびRは、同一または異なっていてもよく、−OHまたは
【化2】

であることができ、式中、Rは、水素、または3から14個の炭素を有する分枝もしくは直鎖の脂肪族もしくは芳香族炭化水素鎖であり、R、RおよびRの炭素全ての合計は下限4から24である可塑剤
を含むポリマー層
を含む、中間層。
【請求項2】
、RおよびRの炭素全ての合計が8から24である、請求項1に記載の中間層。
【請求項3】
、RおよびRの炭素全ての合計が12から24である、請求項1に記載の中間層。
【請求項4】
、RおよびRの炭素全ての合計が4から16である、請求項1に記載の中間層。
【請求項5】
、RおよびRの炭素全ての合計が4から12である、請求項1に記載の中間層。
【請求項6】
が、R、RおよびRのそれぞれについて3から9個の炭素を有する、請求項1に記載の中間層。
【請求項7】
前記可塑剤が、式:
【化3】

を有する、請求項1に記載の中間層。
【請求項8】
前記中間層が、式
【化4】

を有する前記可塑剤および第2の可塑剤を含む可塑剤混合物を含み、

【化5】

を有する前記可塑剤が、前記可塑剤混合物の2から99重量%である、請求項1に記載の中間層。
【請求項9】

【化6】

を有する前記可塑剤が、前記可塑剤混合物の5から25重量%である、請求項8に記載の中間層。
【請求項10】

【化7】

を有する前記可塑剤がグリセロールトリブチラートであり、前記第2の可塑剤がトリエチレングリコールジ−(2−エチルヘキサノアート)である、請求項8に記載の中間層。
【請求項11】
前記第2の可塑剤が、トリエチレングリコールジ−(2−エチルヘキサノアート)である、請求項8に記載の中間層。
【請求項12】
多層グレージングであって:
ポリ(ビニルブチラール);および

【化8】

式中、R、RおよびRは、同一または異なっていてもよく、−OHまたは
【化9】

であることができ、式中、Rは、水素、または3から14個の炭素を有する分枝もしくは直鎖の脂肪族もしくは芳香族炭化水素鎖であり、R、RおよびRの炭素全ての合計は下限4から24である、
を有する可塑剤
を含むポリマー層
を含む多層グレージング中間層
を含む、グレージング。
【請求項13】
、RおよびRの炭素全ての合計が8から24である、請求項12に記載のグレージング。
【請求項14】
、RおよびRの炭素全ての合計が12から24である、請求項12に記載のグレージング。
【請求項15】
、RおよびRの炭素全ての合計が4から16である、請求項12に記載のグレージング。
【請求項16】
、RおよびRの炭素全ての合計が4から12である、請求項12に記載のグレージング。
【請求項17】
が、R、RおよびRのそれぞれについて3から9個の炭素を有する、請求項12に記載のグレージング。
【請求項18】
前記可塑剤が、式
【化10】

を有する、請求項12に記載のグレージング。
【請求項19】
前記中間層が、式
【化11】

を有する前記可塑剤および第2の可塑剤を含む可塑剤混合物を含み、式
【化12】

を有する前記可塑剤が、前記可塑剤混合物の2から99重量%である、請求項12に記載のグレージング。
【請求項20】

【化13】

を有する前記可塑剤が、前記可塑剤混合物の5から99重量%である、請求項19に記載のグレージング。
【請求項21】

【化14】

を有する前記可塑剤がグリセロールトリブチラートであり、前記第2の可塑剤がトリエチレングリコールジ−(2−エチルヘキサノアート)である、請求項19に記載のグレージング。
【請求項22】
前記第2の可塑剤が、トリエチレングリコールジ−(2−エチルヘキサノアート)である、請求項19に記載のグレージング。
【請求項23】
多層グレージング中間層を形成する方法であって:
ポリ(ビニルブチラール)樹脂を溶融状態に加熱すること;

【化15】

式中、R、RおよびRは、同一または異なっていてもよく、−OHまたは
【化16】

であることができ、式中、Rは、水素、または3から14個の炭素を有する分枝もしくは直鎖の脂肪族もしくは芳香族炭化水素であり、R、RおよびRの炭素全ての合計は下限4から24である
を有する可塑剤を添加して溶融物を形成すること;ならびに
前記溶融物を前記中間層に形成すること
を含む、方法。

【公表番号】特表2011−503258(P2011−503258A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−532164(P2010−532164)
【出願日】平成20年10月26日(2008.10.26)
【国際出願番号】PCT/US2008/081243
【国際公開番号】WO2009/061626
【国際公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【出願人】(500276390)ソリユテイア・インコーポレイテツド (43)
【Fターム(参考)】