グリルを備えた加熱調理器
【課題】グリル庫内に上バーナと下バーナとを備えて自動調理が可能なグリルにおいて、上バーナに高ターンダウン比のバーナを使用することなく、上バーナの火力を抑えることができるグリルを備えた加熱調理器を提供する。
【解決手段】グリル庫と、グリル庫内に設けられ被加熱物6が載置される焼き網23と、グリル庫内の焼き網23よりも上方に配設される上バーナ21と、グリル庫内の焼き網23よりも下方に設けられる下バーナ22と、上バーナ21及び下バーナ22の燃焼状態を制御して自動調理を実行する制御部4と、を有するグリル2を備えた加熱調理器である。制御部4は、自動調理の全工程の一部に上バーナ21を停止させて下バーナ22のみを燃焼させる工程を設けた自動調理メニューを実行可能とした。
【解決手段】グリル庫と、グリル庫内に設けられ被加熱物6が載置される焼き網23と、グリル庫内の焼き網23よりも上方に配設される上バーナ21と、グリル庫内の焼き網23よりも下方に設けられる下バーナ22と、上バーナ21及び下バーナ22の燃焼状態を制御して自動調理を実行する制御部4と、を有するグリル2を備えた加熱調理器である。制御部4は、自動調理の全工程の一部に上バーナ21を停止させて下バーナ22のみを燃焼させる工程を設けた自動調理メニューを実行可能とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グリルを備えた加熱調理器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、グリルを備えた加熱調理器が普及している。グリルを備えた加熱調理器は、グリル庫内に焼き網を配置し、グリル庫内に設けたガスバーナによって焼き網上に載置した魚等の被加熱物を加熱してなるグリル調理を行うことができるようになっている。そして近年、従来のように手動で加熱量の調節を行いながらグリル調理を行うのではなく、自動でグリル調理を行うものが普及してきている(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−102847号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のグリルを備えた加熱調理器は、グリル庫と、グリル庫内に設けられ被加熱物が載置される焼き網と、グリル庫内の焼き網よりも上方に配設される上バーナと、グリル庫内の焼き網よりも下方に設けられる下バーナと、上バーナ及び下バーナの燃焼状態を制御して自動調理を実行する制御部と、を有するグリルを備えたものである。そして、自動調理においては、加熱開始からのグリル庫内の温度上昇値により適正な加熱時間を決定しているため、グリル庫の予熱なしでグリル調理を開始する必要がある。この自動調理を実行する場合、焼き網に魚などの被加熱物を直接載置してグリル調理を行うように設定されていて、上述したように下バーナと上バーナとを調理終了まで継続して燃焼させることで良好なグリル調理が行える。しかしながら、調理プレートなどの調理補助具を使用するような設定とななっておらず、調理プレート等を使用する場合には、調理プレートの熱容量の影響を受け、上バーナによる加熱量と下バーナによる加熱量が調理プレートなどの調理補助具を使用しない場合と異なり、加熱開始後において初期の下バーナからの熱は調理プレートの温度上昇に消費されてしまうため、下バーナによる加熱が不充分になってしまうものであった。また、下バーナによる加熱を充分に得るため調理時間を長くするような制御を行うと、上バーナによる加熱が過剰となって、被加熱物の上面側が焦げ付いてしまうことがあった。
【0004】
また、調理プレート等を使用しない場合でも、冷凍食品のように内部までじっくりと加熱する必要がある食材を加熱する場合など、内部を充分に加熱するために調理時間を長くするような制御を行うと、上バーナの加熱により被加熱物の上面側が焦げ付いてしまうことがあり、また、上バーナによる焦げ付きを抑制するために加熱時間を短くするような制御を行うと、内部まで充分に加熱されないこととなってしまうおそれがあった。
【0005】
上記の場合、上バーナの火力を減少させることにより、上バーナと下バーナの加熱量のバランスを程よいものとすることが考えられるが、この場合、上バーナの最大火力を変更せずに最小火力を低減させることができるような絞り比の実現(すなわち高ターンダウン比の実現)は、多大な技術的困難を伴うため、他の方法によるのが望ましいものであった。
【0006】
本発明は上記従来の問題点に鑑みて発明したものであって、その目的とするところは、グリル庫内に上バーナと下バーナとを備えて自動調理が可能なグリルにおいて、上バーナに高ターンダウン比のバーナを使用することなく、上バーナの火力を抑えることができるグリルを備えた加熱調理器を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために請求項1に係る発明は、グリル庫と、グリル庫内に設けられ被加熱物6が載置される焼き網23と、グリル庫内の焼き網23よりも上方の位置に配設される上バーナ21と、グリル庫内の焼き網23よりも下方の位置に設けられる下バーナ22と、上バーナ21及び下バーナ22の燃焼状態を制御して自動調理を実行する制御部4と、を有するグリル2を備えた加熱調理器1であって、制御部4は、自動調理の全工程の一部に上バーナ21を停止させて下バーナ22のみを燃焼させる工程を設けた自動調理メニューを実行可能として成ることを特徴とするものである。
【0008】
このような構成とすることで、簡単な構成で、従来のように、被加熱物6を充分に加熱しようとして上バーナ21により被加熱物6の上面を焦がしてしまったり、あるいは被加熱物6の上面を焦がさないようにして充分な加熱ができなかったりするのを防止することが可能となる。
【0009】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、上バーナ21及び下バーナ22の両方を燃焼させる工程の後に、上バーナ21を停止させて下バーナ22のみを燃焼させる工程を設けた自動調理メニューとして成ることを特徴とするものである。
【0010】
このような構成とすることで、上バーナ21及び下バーナ22の両方が燃焼している状態で上バーナ21を停止させるだけでよいため、制御が容易で確実に行われると共に、点火装置の動作を最小限に抑えることができ、点火装置の耐久性の向上を図ることができる。
【0011】
また、請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る発明において、焼き網23上に調理プレートを設置し、該調理プレートに被加熱物6を載置して自動調理を実行する自動調理メニューにおいて、自動調理の全工程の一部に上バーナ21を停止させて下バーナ22のみを燃焼させる工程を設けて成ることを特徴とするものである。
【0012】
焼き網23上に調理プレートを設置すると下バーナ22による加熱が調理プレートにより妨げられて、被加熱物6を充分に加熱しようとして上バーナ21により被加熱物6の上面を焦がしてしまったり、あるいは被加熱物6の上面を焦がさないようにすると充分な加熱ができない、といったことが顕著に生じるが、この点をより一層効果的に解決することができる。
【0013】
また、請求項4に係る発明は、請求項1又は2に係る発明において、自動調理における上バーナ21又は/及び下バーナ22の加熱時間が所定時間以上である自動調理メニューについては上バーナ21を停止させて下バーナ22のみを燃焼させる工程を設けて成ることを特徴とするものである。
【0014】
このような構成とすることで、長時間の加熱により内部を加熱する必要のある被加熱物の場合でも、内部をよく加熱し上面が焦げるといったことを防止することが可能となる。
【発明の効果】
【0015】
本発明にあっては、上バーナに高ターンダウン比のバーナを使用することなく、簡単な構成により上バーナの火力を抑えて、従来のように、被加熱物を充分に加熱しようとして上バーナにより被加熱物の上面を焦がしてしまったり、あるいは被加熱物の上面を焦がさないようにして充分な加熱ができなかったりするのを防止することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態について添付図面に基づいて説明する。
【0017】
本実施形態のグリルを備えた加熱調理器は、図1及び図5に示すように、こんろ本体10に、加熱手段としてガスバーナからなるグリルバーナ(上バーナ21及び下バーナ22)を備えたグリル2と、加熱手段としてガスバーナからなるこんろバーナを備えたガスこんろ部3と、を備えた、ビルトインタイプのグリル付きガスこんろ1である。
【0018】
グリル付きガスこんろ1の主体を構成するこんろ本体10の内部の左右方向の中央部に、グリル2が配設してあり、こんろ本体10の前面の左右方向の中央部にグリル2のグリル扉25が配置してある。
【0019】
こんろ本体10の上面にはガスこんろ部3が複数配設してあり、添付図面に示す実施形態ではこんろ本体10の上面に3つのガスこんろ部3が配設してあり、3つのガスこんろ部3は上面の手前側の左側、右側、及び上面の後側の左右方向の中央部にそれぞれ配設してあり、また、こんろ本体10の上面のガスこんろ部3が配設されていない部分はトッププレート11により覆われている。ここで、左右に配設したガスこんろ部3は一方がなべ底の温度を検知して燃焼制御を行うようにしたサーミスタからなる温度センサ3dを有する標準火力の温度センサ付きガスこんろ部3aとなっており、左右に配設したガスこんろ部3の他方が高火力ガスこんろ部3bとなっている。添付図面に示す実施形態では左側に温度センサ付きガスこんろ部3aを配設し、右側に高火力ガスこんろ部3bを配設した例が示してある。また、後方上面の後側の左右方向の中央部に配設したガスこんろ部3は小火力ガスこんろ部3cとなっている。各ガスこんろ部3には、鍋等を受け止め支持するための五徳31が配設してある。また、各ガスこんろ部3には、図示しないがこんろバーナに点火する点火装置としての点火プラグと、こんろバーナの着火を検出する着火検出装置としての熱電対が設けられ、グリル2にも同様に、グリルバーナに点火する点火装置としての点火プラグと、グリルバーナの着火を検出する着火検出装置としての熱電対が設けられる。点火プラグは、後述する加熱状態調節部7における点火操作によってマイクロコンピュータからなる制御部4(図2参照)により点火動作が行われ、熱電対において検出された着火(点火)情報は制御部4に認識されて、制御部4により点火プラグでの点火処理を終了する。
【0020】
各こんろバーナ及びグリルバーナには、図2に示すように、都市ガス等のガス燃料を供給する燃料供給路51からそれぞれ分岐する分岐供給路53が接続してある。燃料供給路51には電磁弁52が設けてあると共に、各分岐供給路53には、ガス燃料の供給量の調節を行うためステッピングモータにより駆動されて弁体の開度位置の微調整が可能な流量制御弁54と、前記弁体の開度位置を検出する位置センサ(図示せず)が設けてある。電磁弁52及び流量制御弁54は、制御部4により制御が行われ、位置センサにおける検出情報は制御部4によって認識・処理される。また、流量制御弁54は、対応するこんろバーナ又はグリルバーナが使用されない時には、流量を零にして遮断状態となるように切り換えられる。
【0021】
グリル2は、前面が開口されかつ後面部が閉塞された略箱状の加熱室を形成するグリル庫を備え、グリル庫内の下部にグリル受皿24を設けると共に、グリル受皿24上に、被加熱物6を載置させる載置部としての焼き網23を載置して、その被加熱物6をグリルバーナにて加熱するように構成されている。グリル庫の後方側には、グリルバーナの燃焼排ガスを機外に排気させる排気通路29が上方側に延びる状態で連設され、その排気通路29にてグリルバーナの燃焼排ガスを排気口26に導くように構成されている。グリル2については後で詳述する。
【0022】
こんろ本体10の前面の上部(添付図面に示す実施形態では左側の上部及び右側の上部)にはそれぞれ上記複数のガスこんろ部3の点火、消火、火力調節の操作を行うための加熱状態調節部7が設けてあると共に、前面の上部の右端に、制御部4をはじめ電磁弁52や流量制御弁54、入力部や加熱状態調節部7等の電気機器への通電の入切を行う自動復帰型で押し釦式の電源スイッチ12が設けてある。図1に示す実施形態では前面の左側に温度センサ付きガスこんろ部3aの点火、消火、火力調節の操作を行うための加熱状態調節部7aを配設し、前面の右側に高火力ガスこんろ部3bの点火、消火、火力調節の操作を行うための加熱状態調節部7bと、小火力ガスこんろ部3cの点火、消火、火力調節の操作を行うための加熱状態調節部7cとを配設してある。
【0023】
上記各加熱状態調節部7は添付図面においては前後方向に移動自在な押釦により構成してあり、ガスこんろ部3の使用に当たっては、押釦よりなる加熱状態調節部7を押し操作して点火操作をすることで、後退していた加熱状態調節部7が前方に突出して器具栓がONとなり、流出するガス燃料にスパーク放電がなされてガスこんろ部3に点火される。この押釦よりなる加熱状態調節部7が前方に突出した状態で加熱状態調節部7を指で摘んで回動操作すると、前記回動角度がロータリーエンコーダにより検出されて制御部4に認識され、前記回動角度に応じた開度位置となるようにステッピングモータにより流量制御弁54の弁体が駆動されてガス流量が制御されて、ガスこんろ部3の火力調整ができるようになっている。一方、消火にあたっては、前方に突出している加熱状態調節部7を後方に押し操作することで器具栓がOFFとなってガスこんろ部3が消火される。
【0024】
こんろ本体10の前面の下部には操作パネルが収納自在に設けてある。添付図面に示す実施形態ではこんろ本体10の前面の左右の下部にそれぞれ操作パネルが収納自在に設けてある。
【0025】
こんろ本体10の前面の左右の下部にそれぞれ収納自在に設けた操作パネルのうち、一方の操作パネルにはグリル2に関する操作を行うためのグリル用調理設定入力部が設けてあってこの操作パネルがグリル側操作パネル9となり、他方の操作パネルには温度センサ付きガスこんろ部3aによる調理設定の入力を行うためのガスこんろ部用調理設定入力部が設けてあってこの操作パネルがこんろ部側操作パネル8となっている。
【0026】
図3にはグリル用調理設定入力部一例を示しており、図4にはガスこんろ部用調理設定入力部一例を示している。
【0027】
グリル2による調理設定の入力を行うためのグリル用調理設定入力部は図3に示すように、グリル2の点火・消火操作をするための点火・消火スイッチ91、グリル2による調理時間(焼成時間)を設定するためのタイマスイッチ92、上火、下火の火力を切換るための火力切替スイッチ93、焼成するメニューを選んで該当する焼成物に対応した焼成制御を選択するためのメニュースイッチ94、アラカルトメニュー(後述)を選んで該当するアラカルトメニューに対応した焼成制御を選択するためのアラカルトメニュースイッチ95、上記タイマスイッチ92、火力切替スイッチ93、メニュースイッチ94、アラカルトメニュースイッチ95等を操作して設定した各入力を取り消すための取消しスイッチ96等を備えている。
【0028】
一方、温度センサ付きガスこんろ部3aによる調理設定の入力を行うためのガスこんろ部用調理設定入力部は図4に示すように、温度センサ付きガスこんろ部3aによる調理時間を設定するためのタイマスイッチ81、揚げ物、炊飯、湯沸し等の自動調理のメニューを設定するためのメニュースイッチ82、タイマスイッチ81やメニュースイッチ82を操作して設定した各入力を取り消すための取消しスイッチ83等を備えている。図4の実施形態ではメニュースイッチ82として揚げ物スイッチ82a、炊飯スイッチ82b、湯沸しスイッチ82cが設けてある。そして、揚げ物スイッチ82aを押すことで揚げものを自動調理で行う揚げ物モードとすることができ、揚げ物スイッチ82aを何回押すかで200℃、180℃、160℃といった複数種類の揚げ物の調理の中から目的とする温度の揚げ物調理が設定できるようにしてある。また、炊飯スイッチ82bを押すことで炊飯を自動調理で行う炊飯モードとすることができ、炊飯スイッチ82bを何回押すかでご飯、おかゆといった複数種類の炊飯の調理の中から目的とする炊飯の調理が設定できるようにしてある。また、湯沸しスイッチ82cを押すことで湯沸しを自動調理で行う湯沸しモードとすることができ、湯沸しスイッチ82cを何回押すかで自動消火、5分保温といった湯沸し後にすぐ消火するか、あるいは一定時間保温するかといった湯沸しを選択して設定できるようにしてある。これらのガスこんろ部用調理設定入力部において温度センサ付きガスこんろ部3aにおける調理設定の入力が行われると、制御部4によりあらかじめ設定された制御内容に基づいて温度センサ付きガスこんろ部3aにおける火力調整、調理時間等が制御されるものであり、この場合、なべ底温度を温度センサ付きガスこんろ部3aに設けた温度センサにより検出して、該温度センサ3dで検出したなべ底温度を制御部4に入力してフィードバック制御により火力調整を行うようになっている。
【0029】
ここで、温度センサ付きガスこんろ部3aで自動調理の設定を行う場合は、上記のように押釦よりなる加熱状態調節部7を指で押して加熱状態調節部7を前方に突出させる点火操作を行った後、操作パネルに設けたガスこんろ部用調理設定入力部で目的とする調理設定の入力を行うことで、温度センサ付きガスこんろ部3aによって目的とする調理がなされるように制御部4により火力調整、調理時間等が制御されて自動調理が行われるものである。
【0030】
このように、ガスこんろ部3の使用に当たっては、手動により加熱を行う場合には、こんろ本体10の前面に露出している加熱状態調節部7を直接指で操作して制御部4に指令を与えて点火、火力調整、消火を行うと共に、自動調理を行う場合には、加熱状態調節部7の回動操作位置によらずに制御部4によりガス流量及び火力が調整されるものである。
【0031】
また、自動調理の終了や、タイマ機能や、安全装置により異常が検知されることで、自動消火される場合があり、この場合には点火・消火操作部は器具栓をONとする状態であっても安全弁により燃料ガスが遮断されて消火される。
【0032】
なお、本実施例では各ガスこんろ部3の分岐供給路53にステッピングモータにより駆動される流量制御弁54を設け、加熱状態調節部7を操作することで制御部4を介して電動により火力調整を行っているが、手動により直接弁体を操作する手動式ガス流量調節弁を設けてもよい。この場合、前記手動式ガス流量調節弁と直列にガス流量を制限するための電磁弁52を設けることで自動調理が可能となるが、自動調理を行う場合には使用者が手動で前記手動式ガス流量調節弁を最大ガス流量位置に調節することで、より確実な自動調理が行われるものである。本実施例では、ステッピングモータにより駆動される流量制御弁54のみが設けてあり、自動調理を行う際には前記流量制御弁54を最小から最大の範囲内で任意のガス流量に制御するため、使用者が加熱状態調節部7を操作して手動で加熱を行う際の最大ガス流量に合わせるといった操作が不要である。
【0033】
次に、グリル2を使用する場合につき説明する。グリル用調理設定入力部を有する操作パネルを備えた可動部材の前面上部を押してグリル用調理設定入力部を有する操作パネルをこんろ本体10の前面から前方に突出して図1に示すように上方に露出させ、上方を向いているグリル用調理設定入力部のメニュースイッチ94やアラカルトメニュースイッチ95やタイマスイッチ92を指で押すことで調理メニューやアラカルトメニューや調理時間等のグリル調理の設定入力を行い、次に、点火・消火スイッチ91を指で押して点火入力操作を行ってグリル2に点火するものである。これによって目的とするグリル調理がなされるように制御部4により火力調整、調理時間等が制御されて自動調理が行われるものである。上記調理設定の入力が終わると、当該可動部材の前面上部を押して操作パネルが外部に露出しないように収納するものであり、これによりグリル2による調理中に操作パネルが汚れるのを防止できる。なお、上記グリル2における自動調理中に自動調理を中止したい場合には点火・消火スイッチ91を指で押すことで消火して自動調理を中止できる。
【0034】
メニュースイッチ94により切り替えられるメニューとしては、「姿焼」「切身」「干物」があり、アラカルトメニュースイッチ95としては、「トースト」「ピザ」「焼きおにぎりあたため」の3種類から選択できるようになっている。また、アラカルトメニューの内から、「トースト」または「ピザ」を選択したときは付属品の金属製の調理プレート(図示せず)を焼き網23の上に設置し、この調理プレートの上に食パンやピザ等の被加熱物6を載置して調理を行う旨、取扱説明書で推奨しており、使用者はこれに従い必要に応じて付属品の調理プレートを用い、アラカルトメニュースイッチ95を操作してアラカルトメニュー調理を行うもので、後述する。
【0035】
グリル2は、図5に示すように、被加熱物6を加熱するための略箱状をしたグリル庫内に加熱手段としてのグリルバーナを設けて主体が構成され、グリル庫の後面を開口して上下方向に沿う排気用開口28が形成されている。グリルバーナは、グリル庫の上面に上バーナ21を設けると共に、グリル庫の左右の側壁に沿ってグリル受皿24よりも上方で且つグリル受皿24に載置された焼き網23の網部よりも下方の位置に下バーナ22を設けて構成してある。そして、このグリル庫の後部に、グリルバーナの燃焼により被加熱物6を加熱したときに発生する煙やグリルバーナから発生する燃焼ガス等を含む調理排気を排気口26から排気させるための排気筒27が接続されており、この排気筒27内が排気通路29となっている。排気通路29は、グリル庫の後端部の排気用開口28からトッププレート11の排気口26に至るように後方へ行く程上方に位置する傾斜を有しており、調理排気は温度上昇による自然ドラフトによって排気通路29内を通って排気口26より外部に排出される。また、グリル庫内には二つの温度センサ(サーミスタ)TH1、TH2が設けてある。
【0036】
以下、本発明の調理メニューについて説明する。本発明では、グリル2の自動調理を実行する過程で、全工程の一部に必要に応じ上バーナ21の燃焼を停止し下バーナ22だけの燃焼を行う工程を設けたもので、一実施形態について、図6乃至図8に示すフローチャートに基づいて説明する。
(1−1)まず、アラカルトメニューで「トースト」の自動調理メニューを実行する場合について図6に基づいて説明する。
【0037】
「トースト」を実行する場合、この加熱調理器の付属品である金属製の調理プレート(以下、単に「調理プレート」という)を焼き網23の上に設置し、この調理プレートの上に食パン等の被加熱物6を載置して調理を行うように設計されており、調理プレートを焼き網23上に載置する旨が取扱説明書に記載されている。トーストの場合、焼き網23の上に直接パンを載置すると、焼き網23には魚の臭い成分が付着していてその臭い成分がパンに付着する惧れがあるため、このように調理プレートを設置するもので、後述するピザの場合も同様である。
【0038】
ステップ1において(以下(S1)と記載し、ステップ2以降も同様とする)、アラカルトメニューから「トースト」を選択して設定し、グリル点火操作を行うと(S2)、制御部4はグリル火力調節用のステッピングモータを駆動し、火力を上バーナ21を弱、下バーナ22を強に設定して(S3)、加熱が開始される。
【0039】
次に、アラカルトメニューに応じた所定の火力切替時間(本実施例の「トースト」の場合は200秒)が経過したか否かの判断が行われ(S4)、Yesの場合は、制御部4は火力を上バーナ21を切、下バーナ22を強に設定する(S6)。Noの場合は上バーナ21を弱、下バーナ22を強とした状態を継続し、(S5)に移行する。
【0040】
次に、グリル庫内温度が、アラカルトメニューに応じた所定の火力切替温度(本実施例の「トースト」の場合は加熱開始時の温度+20℃)に到達したか否かの判断が行われ(S5)、Yesの場合は、制御部4は火力を上バーナ21を切、下バーナ22を強に設定する(S6)。Noの場合は上バーナ21を弱、下バーナ22を強とした状態を継続し、アラカルトメニューに応じた所定の火力切替時間が経過したか否かの(S4)の判断ルーチンに戻る。
【0041】
次に、(S6)で制御部4が火力を上バーナ21を切、下バーナ22を強に設定した後も加熱を継続し、アラカルトメニューに応じた所定の加熱時間(消火時間であって、本実施例の「トースト」の場合は260秒)が経過したか否かの判断が行われ(S7)、Yesの場合は上バーナ21及び下バーナ22を消火し調理を終了する(S9)。Noの場合は上バーナ21を切、下バーナ22を強として燃焼を継続し、(S8)に移行する。
【0042】
次に、グリル庫内温度が、アラカルトメニューに応じた所定の消火温度(本実施例の「トースト」の場合は加熱開始時の温度+32℃)に到達したか否かの判断が行われ(S8)、Yesの場合は上バーナ21及び下バーナ22を消火し調理を終了する(S9)。Noの場合は上バーナ21を切、下バーナ22を強として燃焼を継続し、アラカルトメニューに応じた所定の加熱時間(消火時間)を経過したか否かの(S7)の判断ルーチンに戻る。
【0043】
本実施例においては、「トースト」の自動調理の全工程の一部に上バーナ21を停止させて下バーナ22のみを燃焼させる工程を設けたことで、被加熱物6を充分に加熱しようとして上バーナ21により被加熱物6の上面を焦がしてしまったり、あるいは被加熱物6の上面を焦がさないようにして充分な加熱ができなかったりするのを防止することが可能となる。また、高ターンダウン比の上バーナを用いることなく簡単な構成により前記効果を得ることができる。
【0044】
特に、本実施例のように焼き網23上に調理プレートを設置すると下バーナ22による加熱が調理プレートにより妨げられて、被加熱物6を充分に加熱しようとして上バーナ21により被加熱物6の上面を焦がしてしまったり、あるいは被加熱物6の上面を焦がさないようにすると充分な加熱ができない、といったことが顕著に生じる問題があるが、このように調理プレートを載置して実行する自動調理メニュー(本実施例では「トースト」)において上バーナ21を停止させて下バーナ22のみを燃焼させる工程を設けたことで、より一層効果的に前記問題を解決することができる。
【0045】
また、本実施例では、上バーナ21及び下バーナ22の両方を燃焼させる工程(S3)の後に、上バーナ21を停止させて下バーナ22のみを燃焼させる工程(S6)を設けたことで、上バーナ21及び下バーナ22の両方が燃焼している状態で上バーナ21を停止させるだけでよく、制御が容易で確実に行われると共に、点火装置の動作を最小限に抑えることができる。すなわち、仮に、上バーナ21を停止させて下バーナ22のみを燃焼させる工程の後に、上バーナ21及び下バーナ22の両方を燃焼させる工程を設けると、下バーナ22の燃焼中に上バーナ21を点火することとなるが、下バーナ22の燃焼ドラフトの影響により上バーナ21の点火が困難となり、これを回避しようとすると、一旦下バーナ22を消火してから上バーナ21及び下バーナ22を点火することとなって、下バーナ22の消火及び点火の動作が余分に必要となり、制御が複雑化すると共に点火装置の作動回数が多くなってしまう。これに対し、本実施例では、上バーナ21及び下バーナ22の両方が燃焼している状態で上バーナ21を停止させるだけでよく、制御が容易で確実に行われると共に、点火装置の動作を最小限に抑えることができて、耐久性の向上を図ることが可能となる。
(1−2)アラカルトメニューで「ピザ」の自動調理メニューを実行する場合について図7に基づいて説明する。
【0046】
「ピザ」を実行する場合も上記「トースト」の場合と同様に、この加熱調理器の付属品である調理プレートを焼き網23の上に設置し、この調理プレートの上にピザ等の被加熱物6を載置して調理を行うように設計されており、調理プレートを焼き網23上に載置する旨が取扱説明書に記載されている。
【0047】
アラカルトメニューから「ピザ」を選択して設定し(S1)、グリル点火操作を行うと(S2)、制御部4はグリル火力調節用のステッピングモータを駆動し、火力を上バーナ21を弱、下バーナ22を強に設定して(S3)、加熱が開始される。
【0048】
次に、アラカルトメニューに応じた所定の消火時間(本実施例の「ピザ」の場合は450秒)が経過したか否かの判断が行われ(S4)、Yesの場合は上バーナ21及び下バーナ22を消火し調理を終了する(S6)。Noの場合は上バーナ21を弱、下バーナ22を強とした状態を継続し、(S5)に移行する。
【0049】
次に、グリル庫内温度が、アラカルトメニューに応じた所定の消火温度(本実施例の「ピザ」の場合は加熱開始時の温度+45℃)に到達したか否かの判断が行われ(S5)、Yesの場合は上バーナ21及び下バーナ22を消火し調理を終了する(S6)。Noの場合は上バーナ21を弱、下バーナ22を強とした状態を継続し、アラカルトメニューに応じた所定の加熱時間(消火時間)を経過したか否かの(S4)の判断ルーチンに戻る。
【0050】
本実施例の「ピザ」の自動調理の工程では、被加熱物の上面が要する加熱量の比率が高いため、上バーナ21を停止させて下バーナ22のみを燃焼させる工程を設ける必要がなく、本実施例は参考例である。
(1−3)アラカルトメニューで「焼きおにぎりあたため」の自動調理メニューを実行する場合について図8に基づいて説明する。
【0051】
「焼きおにぎりあたため」を実行する場合、この加熱調理器の付属品である調理プレートは使用せず、被加熱物6である冷凍の焼きおにぎりを焼き網23の上に直接載置して調理を行うように設計されており、調理プレートを使用しない旨が取扱説明書に記載されている。また、被加熱物6に冷凍の焼きおにぎりを想定して設計されている旨も取扱説明書に記載されている。
【0052】
アラカルトメニューから「焼きおにぎりあたため」を選択して設定し(S1)、グリル点火操作を行うと(S2)、制御部4はグリル火力調節用のステッピングモータを駆動し、火力を上バーナ21を弱、下バーナ22を強に設定して(S3)、加熱が開始される。
【0053】
次に、アラカルトメニューに応じた所定の火力切替時間(本実施例の「焼きおにぎりあたため」の場合は360秒)が経過したか否かの判断が行われ(S4)、Yesの場合は、制御部4は火力を上バーナ21を切、下バーナ22を強に設定する(S6)。Noの場合は上バーナ21を弱、下バーナ22を強とした状態を継続し、(S5)に移行する。
【0054】
次に、グリル庫内温度が、アラカルトメニューに応じた所定の火力切替温度(本実施例の「焼きおにぎりあたため」の場合は加熱開始時の温度+40℃)に到達したか否かの判断が行われ(S5)、Yesの場合は、制御部4は火力を上バーナ21を切、下バーナ22を強に設定する(S6)。Noの場合は上バーナ21を弱、下バーナ22を強とした状態を継続し、アラカルトメニューに応じた所定の火力切替時間が経過したか否かの(S4)の判断ルーチンに戻る。
【0055】
次に、(S6)で制御部4が火力を上バーナ21を切、下バーナ22を強に設定した後も加熱を継続し、アラカルトメニューに応じた所定の加熱時間(消火時間であって、本実施例の「焼きおにぎりあたため」の場合は580秒)が経過したか否かの判断が行われ(S7)、Yesの場合は上バーナ21及び下バーナ22を消火し調理を終了する(S9)。Noの場合は上バーナ21を切、下バーナ22を強として燃焼を継続し、(S8)に移行する。
【0056】
次に、グリル庫内温度が、アラカルトメニューに応じた所定の消火温度(本実施例の「焼きおにぎりあたため」の場合は加熱開始時の温度+75℃)に到達したか否かの判断が行われ(S8)、Yesの場合は上バーナ21及び下バーナ22を消火し調理を終了する(S9)。Noの場合は上バーナ21を切、下バーナ22を強として燃焼を継続し、アラカルトメニューに応じた所定の加熱時間(消火時間)を経過したか否かの(S7)の判断ルーチンに戻る。
【0057】
本実施例の「焼きおにぎりあたため」においても、自動調理の全工程の一部に上バーナ21を停止させて下バーナ22のみを燃焼させる工程を設けたことで、被加熱物6を充分に加熱しようとして上バーナ21により被加熱物6の上面を焦がしてしまったり、あるいは被加熱物6の上面を焦がさないようにして充分な加熱ができなかったりするのを防止することが可能となり、また、高ターンダウン比の上バーナを用いることなく簡単な構成により前記効果を得ることができる。
【0058】
また、特に焼き網23上に調理プレートを設置する点における効果や、上バーナ21及び下バーナ22の両方を燃焼させる工程(S3)の後に、上バーナ21を停止させて下バーナ22のみを燃焼させる工程(S6)を設ける点における効果についても、上実施形態の(1−1)の「トースト」の実施例の場合と同様の効果がそれぞれ得られるものである。
【0059】
次に、他の実施形態について、図9乃至図11に示すフローチャートに基づいて説明する。
(2−1)まず、アラカルトメニューで「トースト」の自動調理メニューを実行する場合について図9に基づいて説明する。
【0060】
「トースト」を実行する場合、第1の実施形態の場合と同様にこの加熱調理器の付属品である調理プレートを焼き網23の上に設置し、この調理プレートの上に食パン等の被加熱物6を載置して調理を行うように設計されており、調理プレートを焼き網23上に設置する旨が取扱説明書に記載されている。
【0061】
アラカルトメニューから「トースト」を選択して設定し(S1)、グリル点火操作を行い(S2)、消火時間演算処理(S2’)に移行する。
【0062】
消火時間演算処理(S2’)においては、制御部4はグリル火力調節用のステッピングモータを駆動し、火力を上バーナ21を強、下バーナ22を強に設定し、二つの温度センサTH1、TH2によりグリル庫内温度の測定を行い、時間経過に伴うその温度変化から被加熱物6の熱容量、載置状態を判断し、必要な加熱時間を演算する。このとき、時間経過に伴うその温度変化が緩やかな場合は、温度変化が速い場合に比べ必要な加熱時間が長く設定されるように演算処理される。
【0063】
消火時間演算処理(S2’)を終えると、制御部4はグリル火力調節用のステッピングモータを駆動し、火力を上バーナ21を弱、下バーナ22を強に設定し(S3)、加熱を継続する。
【0064】
次に、アラカルトメニューに応じた所定の火力切替時間(本実施例の「トースト」の場合は200秒)が経過したか否かの判断が行われ(S4)、Yesの場合は、制御部4は火力を上バーナ21を切、下バーナ22を強に設定する(S6)。Noの場合は上バーナ21を弱、下バーナ22を強とした状態を継続し、(S5)に移行する。
【0065】
次に、グリル庫内温度が、アラカルトメニューに応じた所定の火力切替温度(本実施例の「トースト」の場合は加熱開始時の温度+20℃)に到達したか否かの判断が行われ(S5)、Yesの場合は、制御部4は火力を上バーナ21を切、下バーナ22を強に設定する(S6)。Noの場合は上バーナ21を弱、下バーナ22を強とした状態を継続し、アラカルトメニューに応じた所定の火力切替時間が経過したか否かの(S4)の判断ルーチンに戻る。
【0066】
次に、(S6)で制御部4が火力を上バーナ21を切、下バーナ22を強に設定した後も加熱を継続し、前記消火時間演算処理で設定された加熱時間が経過したか否かの判断が行われ(S7)、Yesの場合は上バーナ21及び下バーナ22を消火し調理を終了する(S9)。Noの場合は上バーナ21を切、下バーナ22を強として燃焼を継続し、(S8)に移行する。
【0067】
次に、グリル庫内温度が、アラカルトメニューに応じた所定の消火温度(本実施例の「トースト」の場合は加熱開始時の温度+32℃)に到達したか否かの判断が行われ(S8)、Yesの場合は上バーナ21及び下バーナ22を消火し調理を終了する(S9)。Noの場合は上バーナ21を切、下バーナ22を強として燃焼を継続し、消火時間演算処理で設定された加熱時間(消火時間)を経過したか否かの(S7)の判断ルーチンに戻る。
【0068】
本実施形態においても、本実施例のように自動調理の全工程の一部に上バーナ21を停止させて下バーナ22のみを燃焼させる工程を設けたことで、被加熱物6を充分に加熱しようとして上バーナ21により被加熱物6の上面を焦がしてしまったり、あるいは被加熱物6の上面を焦がさないようにして充分な加熱ができなかったりするのを防止することが可能となり、また、高ターンダウン比の上バーナを用いることなく簡単な構成により前記効果を得ることができる。
【0069】
また、特に焼き網23上に調理プレートを設置する点における効果や、上バーナ21及び下バーナ22の両方を燃焼させる工程(S3)の後に、上バーナ21を停止させて下バーナ22のみを燃焼させる工程(S6)を設ける点における効果についても、上実施形態の(1−1)の「トースト」の実施例の場合と同様の効果がそれぞれ得られるものである。
(2−2)アラカルトメニューで「ピザ」の自動調理メニューを実行する場合について図10に基づいて説明する。
【0070】
「ピザ」を実行する場合も、第1の実施形態の場合と同様にこの加熱調理器の付属品である調理プレートを焼き網23の上に設置し、この調理プレートの上にピザ等の被加熱物6を載置して調理を行うように設計されており、調理プレートを焼き網23上に設置する旨が取扱説明書に記載されている。
【0071】
アラカルトメニューから「ピザ」を選択して設定し(S1)、グリル点火操作を行い(S2)、消火時間演算処理(S2’)に移行する。
【0072】
消火時間演算処理(S2’)においては、制御部4はグリル火力調節用のステッピングモータを駆動し、火力を上バーナ21を強、下バーナ22を強に設定し、二つの温度センサTH1、TH2によりグリル庫内温度の測定を行い、時間経過に伴うその温度変化から被加熱物6の熱容量、載置状態が判断され、必要な加熱時間を演算する。このとき、時間経過に伴うその温度変化が緩やかな場合は、温度変化が速い場合に比べ必要な加熱時間が長く設定されるように演算処理される。
【0073】
消火時間演算処理(S2’)を終えると、制御部4はグリル火力調節用のステッピングモータを駆動し、火力を上バーナ21を弱、下バーナ22を強に設定し(S3)、加熱を継続する。
【0074】
その後、前記消火時間演算処理で設定された加熱時間が経過したか否かの判断が行われ(S4)、Yesの場合は上バーナ21及び下バーナ22を消火し調理を終了する(S6)。Noの場合は上バーナ21を弱、下バーナ22を強とした状態を継続し、(S5)に移行する。
【0075】
次に、グリル庫内温度が、アラカルトメニューに応じた所定の火力切替温度(本実施例の「ピザ」の場合は加熱開始時の温度+45℃)に到達したか否かの判断が行われ(S5)、Yesの場合は上バーナ21及び下バーナ22を消火し調理を終了する。Noの場合は上バーナ21を弱、下バーナ22を強とした状態を継続し、消火時間演算処理で設定された加熱時間を経過したか否かの(S4)の判断ルーチンに戻る。
【0076】
本実施例の「ピザ」の自動調理の工程では、被加熱物の上面が要する加熱量の比率が高いため、上バーナ21を停止させて下バーナ22のみを燃焼させる工程を設ける必要がなく、本実施例は参考例である。
(2−3)アラカルトメニューで「焼きおにぎりあたため」の自動調理メニューを実行する場合について図11に基づいて説明する。
【0077】
「焼きおにぎりあたため」を実行する場合、第1の実施形態の場合と同様にこの加熱調理器の付属品である調理プレートは使用せず、被加熱物6である冷凍の焼きおにぎりを焼き網23の上に直接載置して調理を行うように設計されており、調理プレートを使用しない旨が取扱説明書に記載されている。また、被加熱物6に冷凍の焼きおにぎりを想定して設計されている旨も取扱説明書に記載されている。
【0078】
アラカルトメニューから「焼きおにぎりあたため」を選択して設定し(S1)、グリル点火操作を行い(S2)、消火時間演算処理(S2’)に移行する。
【0079】
消火時間演算処理(S2’)においては、制御部4はグリル火力調節用のステッピングモータを駆動し、火力を上バーナ21を強、下バーナ22を強に設定し、二つの温度センサTH1、TH2によりグリル庫内温度の測定を行い、時間経過に伴うその温度変化から被加熱物6の熱容量、載置状態が判断され、必要な加熱時間を演算する。このとき、時間経過に伴うその温度変化が緩やかな場合は、温度変化が速い場合に比べ必要な加熱時間が長く設定されるように演算処理される。
【0080】
消火時間演算処理(S2’)を終えると、制御部4はグリル火力調節用のステッピングモータを駆動し、火力を上バーナ21を弱、下バーナ22を強に設定し(S3)、加熱を継続する。
【0081】
次に、アラカルトメニューに応じた所定の火力切替時間(本実施例の「焼きおにぎりあたため」の場合は360秒)が経過したか否かの判断が行われ(S4)、Yesの場合は、制御部4は火力を上バーナ21を切、下バーナ22を強に設定する(S6)。Noの場合は上バーナ21を弱、下バーナ22を強とした状態を継続し、(S5)に移行する。
【0082】
次に、グリル庫内温度が、アラカルトメニューに応じた所定の火力切替温度(本実施例の「焼きおにぎりあたため」の場合は加熱開始時の温度+40℃)に到達したか否かの判断が行われ(S5)、Yesの場合は、制御部4は火力を上バーナ21を切、下バーナ22を強に設定する(S6)。Noの場合は上バーナ21を弱、下バーナ22を強とした状態を継続し、アラカルトメニューに応じた所定の火力切替時間が経過したか否かの(S4)の判断ルーチンに戻る。
【0083】
次に、(S6)で制御部4が火力を上バーナ21を切、下バーナ22を強に設定した後も加熱を継続し、前記消火時間演算処理で設定された加熱時間が経過したか否かの判断が行われ(S7)、Yesの場合は上バーナ21及び下バーナ22を消火し調理を終了する(S9)。Noの場合は上バーナ21を切、下バーナ22を強として燃焼を継続し、(S8)に移行する。
【0084】
次に、グリル庫内温度が、アラカルトメニューに応じた所定の消火温度(本実施例の「焼きおにぎりあたため」の場合は加熱開始時の温度+75℃)に到達したか否かの判断が行われ(S8)、Yesの場合は上バーナ21及び下バーナ22を消火し調理を終了する(S9)。Noの場合は上バーナ21を切、下バーナ22を強として燃焼を継続し、前記消火時間演算処理で設定された加熱時間(消火時間)を経過したか否かの(S7)の判断ルーチンに戻る。
【0085】
本実施例においても、自動調理の全工程の一部に上バーナ21を停止させて下バーナ22のみを燃焼させる工程を設けたことで、被加熱物6を充分に加熱しようとして上バーナ21により被加熱物6の上面を焦がしてしまったり、あるいは被加熱物6の上面を焦がさないようにして充分な加熱ができなかったりするのを防止することが可能となり、また、高ターンダウン比の上バーナを用いることなく簡単な構成により前記効果を得ることができる。
【0086】
また、特に焼き網23上に調理プレートを設置する点における効果や、上バーナ21及び下バーナ22の両方を燃焼させる工程(S3)の後に、上バーナ21を停止させて下バーナ22のみを燃焼させる工程(S6)を設ける点における効果についても、上実施形態の(1−1)の「トースト」の実施例の場合と同様の効果がそれぞれ得られるものである。
【0087】
また、更に他の実施形態として、図示はしないが、自動調理の全工程の一部に上バーナ21を停止させて下バーナ22のみを燃焼させる工程を設けるにあたり、上バーナ21を停止させて下バーナ22のみを燃焼させる工程の後に、上バーナ21及び下バーナ22の両方を燃焼させる工程を設けてもよい。この場合、上述したように点火装置の作動回数が多くなってしまう欠点があるが、十分に耐久性のある部品を使用すれば使用上は全く問題なく、これにより制御における自由度が増加するという利点が得られる。
【0088】
また、更に他の実施形態として、自動調理における上バーナ21又は/及び下バーナ22の加熱時間が所定時間以上である自動調理メニューについては上バーナ21を停止させて下バーナ22のみを燃焼させる工程を設けるようにしてもよい。
【0089】
これは、メニュースイッチ94において設定可能な「姿焼」「切身」「干物」等のメニューにおいて、二つの温度センサTH1、TH2によりグリル庫内温度の測定を行い、時間経過に伴うその温度変化から被加熱物6の熱容量、載置状態を判断し、必要な加熱時間を演算するような場合、演算により得られた上バーナ21又は/及び下バーナ22の加熱時間が所定の加熱時間以上となった場合に自動的に上バーナ21を停止させて下バーナ22のみを燃焼させる工程を設けるものである。
【0090】
また、上述していないその他のじっくりと加熱する必要のある焼き豚やローストビーフや冷凍食品の温め等のメニューにおいても、上バーナ21又は/及び下バーナ22の加熱時間が所定の加熱時間以上である場合に自動的に上バーナ21を停止させて下バーナ22のみを燃焼させるようにしてもよい。
【0091】
このようにすることで、長時間の加熱により内部を加熱する必要のある被加熱物の場合でも、内部をよく加熱し上面が焦げるといったことを防止することが可能となる。
【0092】
なお、上述した実施形態においては、ビルトインタイプの加熱調理器として説明しているが、テーブル載置型の加熱調理器であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の一実施形態のグリルを備えた加熱調理器の外観斜視図である。
【図2】同上の燃料供給路を説明する説明図である。
【図3】同上のグリル側操作パネルの正面図である。
【図4】同上のガスこんろ部側操作パネルの正面図である。
【図5】同上のグリルの縦断側面図である。
【図6】一実施形態における「トースト」の自動調理のフローチャートである。
【図7】同上の実施形態における「ピザ」の自動調理のフローチャートである。
【図8】同上の実施形態における「焼きおにぎりあたため」の自動調理のフローチャートである。
【図9】他の実施形態における「トースト」の自動調理のフローチャートである。
【図10】同上の実施形態における「ピザ」の自動調理のフローチャートである。
【図11】同上の実施形態における「焼きおにぎりあたため」の自動調理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0094】
1 グリル付きガスこんろ
2 グリル
20 グリル庫
21 上バーナ
22 下バーナ
24 グリル受皿
23 焼き網
3 ガスこんろ部
4 制御部
6 被加熱物
7 加熱状態調節部
8 こんろ部側操作パネル
9 グリル側操作パネル
TH1 温度センサ
TH2 温度センサ
【技術分野】
【0001】
本発明は、グリルを備えた加熱調理器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、グリルを備えた加熱調理器が普及している。グリルを備えた加熱調理器は、グリル庫内に焼き網を配置し、グリル庫内に設けたガスバーナによって焼き網上に載置した魚等の被加熱物を加熱してなるグリル調理を行うことができるようになっている。そして近年、従来のように手動で加熱量の調節を行いながらグリル調理を行うのではなく、自動でグリル調理を行うものが普及してきている(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−102847号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のグリルを備えた加熱調理器は、グリル庫と、グリル庫内に設けられ被加熱物が載置される焼き網と、グリル庫内の焼き網よりも上方に配設される上バーナと、グリル庫内の焼き網よりも下方に設けられる下バーナと、上バーナ及び下バーナの燃焼状態を制御して自動調理を実行する制御部と、を有するグリルを備えたものである。そして、自動調理においては、加熱開始からのグリル庫内の温度上昇値により適正な加熱時間を決定しているため、グリル庫の予熱なしでグリル調理を開始する必要がある。この自動調理を実行する場合、焼き網に魚などの被加熱物を直接載置してグリル調理を行うように設定されていて、上述したように下バーナと上バーナとを調理終了まで継続して燃焼させることで良好なグリル調理が行える。しかしながら、調理プレートなどの調理補助具を使用するような設定とななっておらず、調理プレート等を使用する場合には、調理プレートの熱容量の影響を受け、上バーナによる加熱量と下バーナによる加熱量が調理プレートなどの調理補助具を使用しない場合と異なり、加熱開始後において初期の下バーナからの熱は調理プレートの温度上昇に消費されてしまうため、下バーナによる加熱が不充分になってしまうものであった。また、下バーナによる加熱を充分に得るため調理時間を長くするような制御を行うと、上バーナによる加熱が過剰となって、被加熱物の上面側が焦げ付いてしまうことがあった。
【0004】
また、調理プレート等を使用しない場合でも、冷凍食品のように内部までじっくりと加熱する必要がある食材を加熱する場合など、内部を充分に加熱するために調理時間を長くするような制御を行うと、上バーナの加熱により被加熱物の上面側が焦げ付いてしまうことがあり、また、上バーナによる焦げ付きを抑制するために加熱時間を短くするような制御を行うと、内部まで充分に加熱されないこととなってしまうおそれがあった。
【0005】
上記の場合、上バーナの火力を減少させることにより、上バーナと下バーナの加熱量のバランスを程よいものとすることが考えられるが、この場合、上バーナの最大火力を変更せずに最小火力を低減させることができるような絞り比の実現(すなわち高ターンダウン比の実現)は、多大な技術的困難を伴うため、他の方法によるのが望ましいものであった。
【0006】
本発明は上記従来の問題点に鑑みて発明したものであって、その目的とするところは、グリル庫内に上バーナと下バーナとを備えて自動調理が可能なグリルにおいて、上バーナに高ターンダウン比のバーナを使用することなく、上バーナの火力を抑えることができるグリルを備えた加熱調理器を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために請求項1に係る発明は、グリル庫と、グリル庫内に設けられ被加熱物6が載置される焼き網23と、グリル庫内の焼き網23よりも上方の位置に配設される上バーナ21と、グリル庫内の焼き網23よりも下方の位置に設けられる下バーナ22と、上バーナ21及び下バーナ22の燃焼状態を制御して自動調理を実行する制御部4と、を有するグリル2を備えた加熱調理器1であって、制御部4は、自動調理の全工程の一部に上バーナ21を停止させて下バーナ22のみを燃焼させる工程を設けた自動調理メニューを実行可能として成ることを特徴とするものである。
【0008】
このような構成とすることで、簡単な構成で、従来のように、被加熱物6を充分に加熱しようとして上バーナ21により被加熱物6の上面を焦がしてしまったり、あるいは被加熱物6の上面を焦がさないようにして充分な加熱ができなかったりするのを防止することが可能となる。
【0009】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、上バーナ21及び下バーナ22の両方を燃焼させる工程の後に、上バーナ21を停止させて下バーナ22のみを燃焼させる工程を設けた自動調理メニューとして成ることを特徴とするものである。
【0010】
このような構成とすることで、上バーナ21及び下バーナ22の両方が燃焼している状態で上バーナ21を停止させるだけでよいため、制御が容易で確実に行われると共に、点火装置の動作を最小限に抑えることができ、点火装置の耐久性の向上を図ることができる。
【0011】
また、請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る発明において、焼き網23上に調理プレートを設置し、該調理プレートに被加熱物6を載置して自動調理を実行する自動調理メニューにおいて、自動調理の全工程の一部に上バーナ21を停止させて下バーナ22のみを燃焼させる工程を設けて成ることを特徴とするものである。
【0012】
焼き網23上に調理プレートを設置すると下バーナ22による加熱が調理プレートにより妨げられて、被加熱物6を充分に加熱しようとして上バーナ21により被加熱物6の上面を焦がしてしまったり、あるいは被加熱物6の上面を焦がさないようにすると充分な加熱ができない、といったことが顕著に生じるが、この点をより一層効果的に解決することができる。
【0013】
また、請求項4に係る発明は、請求項1又は2に係る発明において、自動調理における上バーナ21又は/及び下バーナ22の加熱時間が所定時間以上である自動調理メニューについては上バーナ21を停止させて下バーナ22のみを燃焼させる工程を設けて成ることを特徴とするものである。
【0014】
このような構成とすることで、長時間の加熱により内部を加熱する必要のある被加熱物の場合でも、内部をよく加熱し上面が焦げるといったことを防止することが可能となる。
【発明の効果】
【0015】
本発明にあっては、上バーナに高ターンダウン比のバーナを使用することなく、簡単な構成により上バーナの火力を抑えて、従来のように、被加熱物を充分に加熱しようとして上バーナにより被加熱物の上面を焦がしてしまったり、あるいは被加熱物の上面を焦がさないようにして充分な加熱ができなかったりするのを防止することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態について添付図面に基づいて説明する。
【0017】
本実施形態のグリルを備えた加熱調理器は、図1及び図5に示すように、こんろ本体10に、加熱手段としてガスバーナからなるグリルバーナ(上バーナ21及び下バーナ22)を備えたグリル2と、加熱手段としてガスバーナからなるこんろバーナを備えたガスこんろ部3と、を備えた、ビルトインタイプのグリル付きガスこんろ1である。
【0018】
グリル付きガスこんろ1の主体を構成するこんろ本体10の内部の左右方向の中央部に、グリル2が配設してあり、こんろ本体10の前面の左右方向の中央部にグリル2のグリル扉25が配置してある。
【0019】
こんろ本体10の上面にはガスこんろ部3が複数配設してあり、添付図面に示す実施形態ではこんろ本体10の上面に3つのガスこんろ部3が配設してあり、3つのガスこんろ部3は上面の手前側の左側、右側、及び上面の後側の左右方向の中央部にそれぞれ配設してあり、また、こんろ本体10の上面のガスこんろ部3が配設されていない部分はトッププレート11により覆われている。ここで、左右に配設したガスこんろ部3は一方がなべ底の温度を検知して燃焼制御を行うようにしたサーミスタからなる温度センサ3dを有する標準火力の温度センサ付きガスこんろ部3aとなっており、左右に配設したガスこんろ部3の他方が高火力ガスこんろ部3bとなっている。添付図面に示す実施形態では左側に温度センサ付きガスこんろ部3aを配設し、右側に高火力ガスこんろ部3bを配設した例が示してある。また、後方上面の後側の左右方向の中央部に配設したガスこんろ部3は小火力ガスこんろ部3cとなっている。各ガスこんろ部3には、鍋等を受け止め支持するための五徳31が配設してある。また、各ガスこんろ部3には、図示しないがこんろバーナに点火する点火装置としての点火プラグと、こんろバーナの着火を検出する着火検出装置としての熱電対が設けられ、グリル2にも同様に、グリルバーナに点火する点火装置としての点火プラグと、グリルバーナの着火を検出する着火検出装置としての熱電対が設けられる。点火プラグは、後述する加熱状態調節部7における点火操作によってマイクロコンピュータからなる制御部4(図2参照)により点火動作が行われ、熱電対において検出された着火(点火)情報は制御部4に認識されて、制御部4により点火プラグでの点火処理を終了する。
【0020】
各こんろバーナ及びグリルバーナには、図2に示すように、都市ガス等のガス燃料を供給する燃料供給路51からそれぞれ分岐する分岐供給路53が接続してある。燃料供給路51には電磁弁52が設けてあると共に、各分岐供給路53には、ガス燃料の供給量の調節を行うためステッピングモータにより駆動されて弁体の開度位置の微調整が可能な流量制御弁54と、前記弁体の開度位置を検出する位置センサ(図示せず)が設けてある。電磁弁52及び流量制御弁54は、制御部4により制御が行われ、位置センサにおける検出情報は制御部4によって認識・処理される。また、流量制御弁54は、対応するこんろバーナ又はグリルバーナが使用されない時には、流量を零にして遮断状態となるように切り換えられる。
【0021】
グリル2は、前面が開口されかつ後面部が閉塞された略箱状の加熱室を形成するグリル庫を備え、グリル庫内の下部にグリル受皿24を設けると共に、グリル受皿24上に、被加熱物6を載置させる載置部としての焼き網23を載置して、その被加熱物6をグリルバーナにて加熱するように構成されている。グリル庫の後方側には、グリルバーナの燃焼排ガスを機外に排気させる排気通路29が上方側に延びる状態で連設され、その排気通路29にてグリルバーナの燃焼排ガスを排気口26に導くように構成されている。グリル2については後で詳述する。
【0022】
こんろ本体10の前面の上部(添付図面に示す実施形態では左側の上部及び右側の上部)にはそれぞれ上記複数のガスこんろ部3の点火、消火、火力調節の操作を行うための加熱状態調節部7が設けてあると共に、前面の上部の右端に、制御部4をはじめ電磁弁52や流量制御弁54、入力部や加熱状態調節部7等の電気機器への通電の入切を行う自動復帰型で押し釦式の電源スイッチ12が設けてある。図1に示す実施形態では前面の左側に温度センサ付きガスこんろ部3aの点火、消火、火力調節の操作を行うための加熱状態調節部7aを配設し、前面の右側に高火力ガスこんろ部3bの点火、消火、火力調節の操作を行うための加熱状態調節部7bと、小火力ガスこんろ部3cの点火、消火、火力調節の操作を行うための加熱状態調節部7cとを配設してある。
【0023】
上記各加熱状態調節部7は添付図面においては前後方向に移動自在な押釦により構成してあり、ガスこんろ部3の使用に当たっては、押釦よりなる加熱状態調節部7を押し操作して点火操作をすることで、後退していた加熱状態調節部7が前方に突出して器具栓がONとなり、流出するガス燃料にスパーク放電がなされてガスこんろ部3に点火される。この押釦よりなる加熱状態調節部7が前方に突出した状態で加熱状態調節部7を指で摘んで回動操作すると、前記回動角度がロータリーエンコーダにより検出されて制御部4に認識され、前記回動角度に応じた開度位置となるようにステッピングモータにより流量制御弁54の弁体が駆動されてガス流量が制御されて、ガスこんろ部3の火力調整ができるようになっている。一方、消火にあたっては、前方に突出している加熱状態調節部7を後方に押し操作することで器具栓がOFFとなってガスこんろ部3が消火される。
【0024】
こんろ本体10の前面の下部には操作パネルが収納自在に設けてある。添付図面に示す実施形態ではこんろ本体10の前面の左右の下部にそれぞれ操作パネルが収納自在に設けてある。
【0025】
こんろ本体10の前面の左右の下部にそれぞれ収納自在に設けた操作パネルのうち、一方の操作パネルにはグリル2に関する操作を行うためのグリル用調理設定入力部が設けてあってこの操作パネルがグリル側操作パネル9となり、他方の操作パネルには温度センサ付きガスこんろ部3aによる調理設定の入力を行うためのガスこんろ部用調理設定入力部が設けてあってこの操作パネルがこんろ部側操作パネル8となっている。
【0026】
図3にはグリル用調理設定入力部一例を示しており、図4にはガスこんろ部用調理設定入力部一例を示している。
【0027】
グリル2による調理設定の入力を行うためのグリル用調理設定入力部は図3に示すように、グリル2の点火・消火操作をするための点火・消火スイッチ91、グリル2による調理時間(焼成時間)を設定するためのタイマスイッチ92、上火、下火の火力を切換るための火力切替スイッチ93、焼成するメニューを選んで該当する焼成物に対応した焼成制御を選択するためのメニュースイッチ94、アラカルトメニュー(後述)を選んで該当するアラカルトメニューに対応した焼成制御を選択するためのアラカルトメニュースイッチ95、上記タイマスイッチ92、火力切替スイッチ93、メニュースイッチ94、アラカルトメニュースイッチ95等を操作して設定した各入力を取り消すための取消しスイッチ96等を備えている。
【0028】
一方、温度センサ付きガスこんろ部3aによる調理設定の入力を行うためのガスこんろ部用調理設定入力部は図4に示すように、温度センサ付きガスこんろ部3aによる調理時間を設定するためのタイマスイッチ81、揚げ物、炊飯、湯沸し等の自動調理のメニューを設定するためのメニュースイッチ82、タイマスイッチ81やメニュースイッチ82を操作して設定した各入力を取り消すための取消しスイッチ83等を備えている。図4の実施形態ではメニュースイッチ82として揚げ物スイッチ82a、炊飯スイッチ82b、湯沸しスイッチ82cが設けてある。そして、揚げ物スイッチ82aを押すことで揚げものを自動調理で行う揚げ物モードとすることができ、揚げ物スイッチ82aを何回押すかで200℃、180℃、160℃といった複数種類の揚げ物の調理の中から目的とする温度の揚げ物調理が設定できるようにしてある。また、炊飯スイッチ82bを押すことで炊飯を自動調理で行う炊飯モードとすることができ、炊飯スイッチ82bを何回押すかでご飯、おかゆといった複数種類の炊飯の調理の中から目的とする炊飯の調理が設定できるようにしてある。また、湯沸しスイッチ82cを押すことで湯沸しを自動調理で行う湯沸しモードとすることができ、湯沸しスイッチ82cを何回押すかで自動消火、5分保温といった湯沸し後にすぐ消火するか、あるいは一定時間保温するかといった湯沸しを選択して設定できるようにしてある。これらのガスこんろ部用調理設定入力部において温度センサ付きガスこんろ部3aにおける調理設定の入力が行われると、制御部4によりあらかじめ設定された制御内容に基づいて温度センサ付きガスこんろ部3aにおける火力調整、調理時間等が制御されるものであり、この場合、なべ底温度を温度センサ付きガスこんろ部3aに設けた温度センサにより検出して、該温度センサ3dで検出したなべ底温度を制御部4に入力してフィードバック制御により火力調整を行うようになっている。
【0029】
ここで、温度センサ付きガスこんろ部3aで自動調理の設定を行う場合は、上記のように押釦よりなる加熱状態調節部7を指で押して加熱状態調節部7を前方に突出させる点火操作を行った後、操作パネルに設けたガスこんろ部用調理設定入力部で目的とする調理設定の入力を行うことで、温度センサ付きガスこんろ部3aによって目的とする調理がなされるように制御部4により火力調整、調理時間等が制御されて自動調理が行われるものである。
【0030】
このように、ガスこんろ部3の使用に当たっては、手動により加熱を行う場合には、こんろ本体10の前面に露出している加熱状態調節部7を直接指で操作して制御部4に指令を与えて点火、火力調整、消火を行うと共に、自動調理を行う場合には、加熱状態調節部7の回動操作位置によらずに制御部4によりガス流量及び火力が調整されるものである。
【0031】
また、自動調理の終了や、タイマ機能や、安全装置により異常が検知されることで、自動消火される場合があり、この場合には点火・消火操作部は器具栓をONとする状態であっても安全弁により燃料ガスが遮断されて消火される。
【0032】
なお、本実施例では各ガスこんろ部3の分岐供給路53にステッピングモータにより駆動される流量制御弁54を設け、加熱状態調節部7を操作することで制御部4を介して電動により火力調整を行っているが、手動により直接弁体を操作する手動式ガス流量調節弁を設けてもよい。この場合、前記手動式ガス流量調節弁と直列にガス流量を制限するための電磁弁52を設けることで自動調理が可能となるが、自動調理を行う場合には使用者が手動で前記手動式ガス流量調節弁を最大ガス流量位置に調節することで、より確実な自動調理が行われるものである。本実施例では、ステッピングモータにより駆動される流量制御弁54のみが設けてあり、自動調理を行う際には前記流量制御弁54を最小から最大の範囲内で任意のガス流量に制御するため、使用者が加熱状態調節部7を操作して手動で加熱を行う際の最大ガス流量に合わせるといった操作が不要である。
【0033】
次に、グリル2を使用する場合につき説明する。グリル用調理設定入力部を有する操作パネルを備えた可動部材の前面上部を押してグリル用調理設定入力部を有する操作パネルをこんろ本体10の前面から前方に突出して図1に示すように上方に露出させ、上方を向いているグリル用調理設定入力部のメニュースイッチ94やアラカルトメニュースイッチ95やタイマスイッチ92を指で押すことで調理メニューやアラカルトメニューや調理時間等のグリル調理の設定入力を行い、次に、点火・消火スイッチ91を指で押して点火入力操作を行ってグリル2に点火するものである。これによって目的とするグリル調理がなされるように制御部4により火力調整、調理時間等が制御されて自動調理が行われるものである。上記調理設定の入力が終わると、当該可動部材の前面上部を押して操作パネルが外部に露出しないように収納するものであり、これによりグリル2による調理中に操作パネルが汚れるのを防止できる。なお、上記グリル2における自動調理中に自動調理を中止したい場合には点火・消火スイッチ91を指で押すことで消火して自動調理を中止できる。
【0034】
メニュースイッチ94により切り替えられるメニューとしては、「姿焼」「切身」「干物」があり、アラカルトメニュースイッチ95としては、「トースト」「ピザ」「焼きおにぎりあたため」の3種類から選択できるようになっている。また、アラカルトメニューの内から、「トースト」または「ピザ」を選択したときは付属品の金属製の調理プレート(図示せず)を焼き網23の上に設置し、この調理プレートの上に食パンやピザ等の被加熱物6を載置して調理を行う旨、取扱説明書で推奨しており、使用者はこれに従い必要に応じて付属品の調理プレートを用い、アラカルトメニュースイッチ95を操作してアラカルトメニュー調理を行うもので、後述する。
【0035】
グリル2は、図5に示すように、被加熱物6を加熱するための略箱状をしたグリル庫内に加熱手段としてのグリルバーナを設けて主体が構成され、グリル庫の後面を開口して上下方向に沿う排気用開口28が形成されている。グリルバーナは、グリル庫の上面に上バーナ21を設けると共に、グリル庫の左右の側壁に沿ってグリル受皿24よりも上方で且つグリル受皿24に載置された焼き網23の網部よりも下方の位置に下バーナ22を設けて構成してある。そして、このグリル庫の後部に、グリルバーナの燃焼により被加熱物6を加熱したときに発生する煙やグリルバーナから発生する燃焼ガス等を含む調理排気を排気口26から排気させるための排気筒27が接続されており、この排気筒27内が排気通路29となっている。排気通路29は、グリル庫の後端部の排気用開口28からトッププレート11の排気口26に至るように後方へ行く程上方に位置する傾斜を有しており、調理排気は温度上昇による自然ドラフトによって排気通路29内を通って排気口26より外部に排出される。また、グリル庫内には二つの温度センサ(サーミスタ)TH1、TH2が設けてある。
【0036】
以下、本発明の調理メニューについて説明する。本発明では、グリル2の自動調理を実行する過程で、全工程の一部に必要に応じ上バーナ21の燃焼を停止し下バーナ22だけの燃焼を行う工程を設けたもので、一実施形態について、図6乃至図8に示すフローチャートに基づいて説明する。
(1−1)まず、アラカルトメニューで「トースト」の自動調理メニューを実行する場合について図6に基づいて説明する。
【0037】
「トースト」を実行する場合、この加熱調理器の付属品である金属製の調理プレート(以下、単に「調理プレート」という)を焼き網23の上に設置し、この調理プレートの上に食パン等の被加熱物6を載置して調理を行うように設計されており、調理プレートを焼き網23上に載置する旨が取扱説明書に記載されている。トーストの場合、焼き網23の上に直接パンを載置すると、焼き網23には魚の臭い成分が付着していてその臭い成分がパンに付着する惧れがあるため、このように調理プレートを設置するもので、後述するピザの場合も同様である。
【0038】
ステップ1において(以下(S1)と記載し、ステップ2以降も同様とする)、アラカルトメニューから「トースト」を選択して設定し、グリル点火操作を行うと(S2)、制御部4はグリル火力調節用のステッピングモータを駆動し、火力を上バーナ21を弱、下バーナ22を強に設定して(S3)、加熱が開始される。
【0039】
次に、アラカルトメニューに応じた所定の火力切替時間(本実施例の「トースト」の場合は200秒)が経過したか否かの判断が行われ(S4)、Yesの場合は、制御部4は火力を上バーナ21を切、下バーナ22を強に設定する(S6)。Noの場合は上バーナ21を弱、下バーナ22を強とした状態を継続し、(S5)に移行する。
【0040】
次に、グリル庫内温度が、アラカルトメニューに応じた所定の火力切替温度(本実施例の「トースト」の場合は加熱開始時の温度+20℃)に到達したか否かの判断が行われ(S5)、Yesの場合は、制御部4は火力を上バーナ21を切、下バーナ22を強に設定する(S6)。Noの場合は上バーナ21を弱、下バーナ22を強とした状態を継続し、アラカルトメニューに応じた所定の火力切替時間が経過したか否かの(S4)の判断ルーチンに戻る。
【0041】
次に、(S6)で制御部4が火力を上バーナ21を切、下バーナ22を強に設定した後も加熱を継続し、アラカルトメニューに応じた所定の加熱時間(消火時間であって、本実施例の「トースト」の場合は260秒)が経過したか否かの判断が行われ(S7)、Yesの場合は上バーナ21及び下バーナ22を消火し調理を終了する(S9)。Noの場合は上バーナ21を切、下バーナ22を強として燃焼を継続し、(S8)に移行する。
【0042】
次に、グリル庫内温度が、アラカルトメニューに応じた所定の消火温度(本実施例の「トースト」の場合は加熱開始時の温度+32℃)に到達したか否かの判断が行われ(S8)、Yesの場合は上バーナ21及び下バーナ22を消火し調理を終了する(S9)。Noの場合は上バーナ21を切、下バーナ22を強として燃焼を継続し、アラカルトメニューに応じた所定の加熱時間(消火時間)を経過したか否かの(S7)の判断ルーチンに戻る。
【0043】
本実施例においては、「トースト」の自動調理の全工程の一部に上バーナ21を停止させて下バーナ22のみを燃焼させる工程を設けたことで、被加熱物6を充分に加熱しようとして上バーナ21により被加熱物6の上面を焦がしてしまったり、あるいは被加熱物6の上面を焦がさないようにして充分な加熱ができなかったりするのを防止することが可能となる。また、高ターンダウン比の上バーナを用いることなく簡単な構成により前記効果を得ることができる。
【0044】
特に、本実施例のように焼き網23上に調理プレートを設置すると下バーナ22による加熱が調理プレートにより妨げられて、被加熱物6を充分に加熱しようとして上バーナ21により被加熱物6の上面を焦がしてしまったり、あるいは被加熱物6の上面を焦がさないようにすると充分な加熱ができない、といったことが顕著に生じる問題があるが、このように調理プレートを載置して実行する自動調理メニュー(本実施例では「トースト」)において上バーナ21を停止させて下バーナ22のみを燃焼させる工程を設けたことで、より一層効果的に前記問題を解決することができる。
【0045】
また、本実施例では、上バーナ21及び下バーナ22の両方を燃焼させる工程(S3)の後に、上バーナ21を停止させて下バーナ22のみを燃焼させる工程(S6)を設けたことで、上バーナ21及び下バーナ22の両方が燃焼している状態で上バーナ21を停止させるだけでよく、制御が容易で確実に行われると共に、点火装置の動作を最小限に抑えることができる。すなわち、仮に、上バーナ21を停止させて下バーナ22のみを燃焼させる工程の後に、上バーナ21及び下バーナ22の両方を燃焼させる工程を設けると、下バーナ22の燃焼中に上バーナ21を点火することとなるが、下バーナ22の燃焼ドラフトの影響により上バーナ21の点火が困難となり、これを回避しようとすると、一旦下バーナ22を消火してから上バーナ21及び下バーナ22を点火することとなって、下バーナ22の消火及び点火の動作が余分に必要となり、制御が複雑化すると共に点火装置の作動回数が多くなってしまう。これに対し、本実施例では、上バーナ21及び下バーナ22の両方が燃焼している状態で上バーナ21を停止させるだけでよく、制御が容易で確実に行われると共に、点火装置の動作を最小限に抑えることができて、耐久性の向上を図ることが可能となる。
(1−2)アラカルトメニューで「ピザ」の自動調理メニューを実行する場合について図7に基づいて説明する。
【0046】
「ピザ」を実行する場合も上記「トースト」の場合と同様に、この加熱調理器の付属品である調理プレートを焼き網23の上に設置し、この調理プレートの上にピザ等の被加熱物6を載置して調理を行うように設計されており、調理プレートを焼き網23上に載置する旨が取扱説明書に記載されている。
【0047】
アラカルトメニューから「ピザ」を選択して設定し(S1)、グリル点火操作を行うと(S2)、制御部4はグリル火力調節用のステッピングモータを駆動し、火力を上バーナ21を弱、下バーナ22を強に設定して(S3)、加熱が開始される。
【0048】
次に、アラカルトメニューに応じた所定の消火時間(本実施例の「ピザ」の場合は450秒)が経過したか否かの判断が行われ(S4)、Yesの場合は上バーナ21及び下バーナ22を消火し調理を終了する(S6)。Noの場合は上バーナ21を弱、下バーナ22を強とした状態を継続し、(S5)に移行する。
【0049】
次に、グリル庫内温度が、アラカルトメニューに応じた所定の消火温度(本実施例の「ピザ」の場合は加熱開始時の温度+45℃)に到達したか否かの判断が行われ(S5)、Yesの場合は上バーナ21及び下バーナ22を消火し調理を終了する(S6)。Noの場合は上バーナ21を弱、下バーナ22を強とした状態を継続し、アラカルトメニューに応じた所定の加熱時間(消火時間)を経過したか否かの(S4)の判断ルーチンに戻る。
【0050】
本実施例の「ピザ」の自動調理の工程では、被加熱物の上面が要する加熱量の比率が高いため、上バーナ21を停止させて下バーナ22のみを燃焼させる工程を設ける必要がなく、本実施例は参考例である。
(1−3)アラカルトメニューで「焼きおにぎりあたため」の自動調理メニューを実行する場合について図8に基づいて説明する。
【0051】
「焼きおにぎりあたため」を実行する場合、この加熱調理器の付属品である調理プレートは使用せず、被加熱物6である冷凍の焼きおにぎりを焼き網23の上に直接載置して調理を行うように設計されており、調理プレートを使用しない旨が取扱説明書に記載されている。また、被加熱物6に冷凍の焼きおにぎりを想定して設計されている旨も取扱説明書に記載されている。
【0052】
アラカルトメニューから「焼きおにぎりあたため」を選択して設定し(S1)、グリル点火操作を行うと(S2)、制御部4はグリル火力調節用のステッピングモータを駆動し、火力を上バーナ21を弱、下バーナ22を強に設定して(S3)、加熱が開始される。
【0053】
次に、アラカルトメニューに応じた所定の火力切替時間(本実施例の「焼きおにぎりあたため」の場合は360秒)が経過したか否かの判断が行われ(S4)、Yesの場合は、制御部4は火力を上バーナ21を切、下バーナ22を強に設定する(S6)。Noの場合は上バーナ21を弱、下バーナ22を強とした状態を継続し、(S5)に移行する。
【0054】
次に、グリル庫内温度が、アラカルトメニューに応じた所定の火力切替温度(本実施例の「焼きおにぎりあたため」の場合は加熱開始時の温度+40℃)に到達したか否かの判断が行われ(S5)、Yesの場合は、制御部4は火力を上バーナ21を切、下バーナ22を強に設定する(S6)。Noの場合は上バーナ21を弱、下バーナ22を強とした状態を継続し、アラカルトメニューに応じた所定の火力切替時間が経過したか否かの(S4)の判断ルーチンに戻る。
【0055】
次に、(S6)で制御部4が火力を上バーナ21を切、下バーナ22を強に設定した後も加熱を継続し、アラカルトメニューに応じた所定の加熱時間(消火時間であって、本実施例の「焼きおにぎりあたため」の場合は580秒)が経過したか否かの判断が行われ(S7)、Yesの場合は上バーナ21及び下バーナ22を消火し調理を終了する(S9)。Noの場合は上バーナ21を切、下バーナ22を強として燃焼を継続し、(S8)に移行する。
【0056】
次に、グリル庫内温度が、アラカルトメニューに応じた所定の消火温度(本実施例の「焼きおにぎりあたため」の場合は加熱開始時の温度+75℃)に到達したか否かの判断が行われ(S8)、Yesの場合は上バーナ21及び下バーナ22を消火し調理を終了する(S9)。Noの場合は上バーナ21を切、下バーナ22を強として燃焼を継続し、アラカルトメニューに応じた所定の加熱時間(消火時間)を経過したか否かの(S7)の判断ルーチンに戻る。
【0057】
本実施例の「焼きおにぎりあたため」においても、自動調理の全工程の一部に上バーナ21を停止させて下バーナ22のみを燃焼させる工程を設けたことで、被加熱物6を充分に加熱しようとして上バーナ21により被加熱物6の上面を焦がしてしまったり、あるいは被加熱物6の上面を焦がさないようにして充分な加熱ができなかったりするのを防止することが可能となり、また、高ターンダウン比の上バーナを用いることなく簡単な構成により前記効果を得ることができる。
【0058】
また、特に焼き網23上に調理プレートを設置する点における効果や、上バーナ21及び下バーナ22の両方を燃焼させる工程(S3)の後に、上バーナ21を停止させて下バーナ22のみを燃焼させる工程(S6)を設ける点における効果についても、上実施形態の(1−1)の「トースト」の実施例の場合と同様の効果がそれぞれ得られるものである。
【0059】
次に、他の実施形態について、図9乃至図11に示すフローチャートに基づいて説明する。
(2−1)まず、アラカルトメニューで「トースト」の自動調理メニューを実行する場合について図9に基づいて説明する。
【0060】
「トースト」を実行する場合、第1の実施形態の場合と同様にこの加熱調理器の付属品である調理プレートを焼き網23の上に設置し、この調理プレートの上に食パン等の被加熱物6を載置して調理を行うように設計されており、調理プレートを焼き網23上に設置する旨が取扱説明書に記載されている。
【0061】
アラカルトメニューから「トースト」を選択して設定し(S1)、グリル点火操作を行い(S2)、消火時間演算処理(S2’)に移行する。
【0062】
消火時間演算処理(S2’)においては、制御部4はグリル火力調節用のステッピングモータを駆動し、火力を上バーナ21を強、下バーナ22を強に設定し、二つの温度センサTH1、TH2によりグリル庫内温度の測定を行い、時間経過に伴うその温度変化から被加熱物6の熱容量、載置状態を判断し、必要な加熱時間を演算する。このとき、時間経過に伴うその温度変化が緩やかな場合は、温度変化が速い場合に比べ必要な加熱時間が長く設定されるように演算処理される。
【0063】
消火時間演算処理(S2’)を終えると、制御部4はグリル火力調節用のステッピングモータを駆動し、火力を上バーナ21を弱、下バーナ22を強に設定し(S3)、加熱を継続する。
【0064】
次に、アラカルトメニューに応じた所定の火力切替時間(本実施例の「トースト」の場合は200秒)が経過したか否かの判断が行われ(S4)、Yesの場合は、制御部4は火力を上バーナ21を切、下バーナ22を強に設定する(S6)。Noの場合は上バーナ21を弱、下バーナ22を強とした状態を継続し、(S5)に移行する。
【0065】
次に、グリル庫内温度が、アラカルトメニューに応じた所定の火力切替温度(本実施例の「トースト」の場合は加熱開始時の温度+20℃)に到達したか否かの判断が行われ(S5)、Yesの場合は、制御部4は火力を上バーナ21を切、下バーナ22を強に設定する(S6)。Noの場合は上バーナ21を弱、下バーナ22を強とした状態を継続し、アラカルトメニューに応じた所定の火力切替時間が経過したか否かの(S4)の判断ルーチンに戻る。
【0066】
次に、(S6)で制御部4が火力を上バーナ21を切、下バーナ22を強に設定した後も加熱を継続し、前記消火時間演算処理で設定された加熱時間が経過したか否かの判断が行われ(S7)、Yesの場合は上バーナ21及び下バーナ22を消火し調理を終了する(S9)。Noの場合は上バーナ21を切、下バーナ22を強として燃焼を継続し、(S8)に移行する。
【0067】
次に、グリル庫内温度が、アラカルトメニューに応じた所定の消火温度(本実施例の「トースト」の場合は加熱開始時の温度+32℃)に到達したか否かの判断が行われ(S8)、Yesの場合は上バーナ21及び下バーナ22を消火し調理を終了する(S9)。Noの場合は上バーナ21を切、下バーナ22を強として燃焼を継続し、消火時間演算処理で設定された加熱時間(消火時間)を経過したか否かの(S7)の判断ルーチンに戻る。
【0068】
本実施形態においても、本実施例のように自動調理の全工程の一部に上バーナ21を停止させて下バーナ22のみを燃焼させる工程を設けたことで、被加熱物6を充分に加熱しようとして上バーナ21により被加熱物6の上面を焦がしてしまったり、あるいは被加熱物6の上面を焦がさないようにして充分な加熱ができなかったりするのを防止することが可能となり、また、高ターンダウン比の上バーナを用いることなく簡単な構成により前記効果を得ることができる。
【0069】
また、特に焼き網23上に調理プレートを設置する点における効果や、上バーナ21及び下バーナ22の両方を燃焼させる工程(S3)の後に、上バーナ21を停止させて下バーナ22のみを燃焼させる工程(S6)を設ける点における効果についても、上実施形態の(1−1)の「トースト」の実施例の場合と同様の効果がそれぞれ得られるものである。
(2−2)アラカルトメニューで「ピザ」の自動調理メニューを実行する場合について図10に基づいて説明する。
【0070】
「ピザ」を実行する場合も、第1の実施形態の場合と同様にこの加熱調理器の付属品である調理プレートを焼き網23の上に設置し、この調理プレートの上にピザ等の被加熱物6を載置して調理を行うように設計されており、調理プレートを焼き網23上に設置する旨が取扱説明書に記載されている。
【0071】
アラカルトメニューから「ピザ」を選択して設定し(S1)、グリル点火操作を行い(S2)、消火時間演算処理(S2’)に移行する。
【0072】
消火時間演算処理(S2’)においては、制御部4はグリル火力調節用のステッピングモータを駆動し、火力を上バーナ21を強、下バーナ22を強に設定し、二つの温度センサTH1、TH2によりグリル庫内温度の測定を行い、時間経過に伴うその温度変化から被加熱物6の熱容量、載置状態が判断され、必要な加熱時間を演算する。このとき、時間経過に伴うその温度変化が緩やかな場合は、温度変化が速い場合に比べ必要な加熱時間が長く設定されるように演算処理される。
【0073】
消火時間演算処理(S2’)を終えると、制御部4はグリル火力調節用のステッピングモータを駆動し、火力を上バーナ21を弱、下バーナ22を強に設定し(S3)、加熱を継続する。
【0074】
その後、前記消火時間演算処理で設定された加熱時間が経過したか否かの判断が行われ(S4)、Yesの場合は上バーナ21及び下バーナ22を消火し調理を終了する(S6)。Noの場合は上バーナ21を弱、下バーナ22を強とした状態を継続し、(S5)に移行する。
【0075】
次に、グリル庫内温度が、アラカルトメニューに応じた所定の火力切替温度(本実施例の「ピザ」の場合は加熱開始時の温度+45℃)に到達したか否かの判断が行われ(S5)、Yesの場合は上バーナ21及び下バーナ22を消火し調理を終了する。Noの場合は上バーナ21を弱、下バーナ22を強とした状態を継続し、消火時間演算処理で設定された加熱時間を経過したか否かの(S4)の判断ルーチンに戻る。
【0076】
本実施例の「ピザ」の自動調理の工程では、被加熱物の上面が要する加熱量の比率が高いため、上バーナ21を停止させて下バーナ22のみを燃焼させる工程を設ける必要がなく、本実施例は参考例である。
(2−3)アラカルトメニューで「焼きおにぎりあたため」の自動調理メニューを実行する場合について図11に基づいて説明する。
【0077】
「焼きおにぎりあたため」を実行する場合、第1の実施形態の場合と同様にこの加熱調理器の付属品である調理プレートは使用せず、被加熱物6である冷凍の焼きおにぎりを焼き網23の上に直接載置して調理を行うように設計されており、調理プレートを使用しない旨が取扱説明書に記載されている。また、被加熱物6に冷凍の焼きおにぎりを想定して設計されている旨も取扱説明書に記載されている。
【0078】
アラカルトメニューから「焼きおにぎりあたため」を選択して設定し(S1)、グリル点火操作を行い(S2)、消火時間演算処理(S2’)に移行する。
【0079】
消火時間演算処理(S2’)においては、制御部4はグリル火力調節用のステッピングモータを駆動し、火力を上バーナ21を強、下バーナ22を強に設定し、二つの温度センサTH1、TH2によりグリル庫内温度の測定を行い、時間経過に伴うその温度変化から被加熱物6の熱容量、載置状態が判断され、必要な加熱時間を演算する。このとき、時間経過に伴うその温度変化が緩やかな場合は、温度変化が速い場合に比べ必要な加熱時間が長く設定されるように演算処理される。
【0080】
消火時間演算処理(S2’)を終えると、制御部4はグリル火力調節用のステッピングモータを駆動し、火力を上バーナ21を弱、下バーナ22を強に設定し(S3)、加熱を継続する。
【0081】
次に、アラカルトメニューに応じた所定の火力切替時間(本実施例の「焼きおにぎりあたため」の場合は360秒)が経過したか否かの判断が行われ(S4)、Yesの場合は、制御部4は火力を上バーナ21を切、下バーナ22を強に設定する(S6)。Noの場合は上バーナ21を弱、下バーナ22を強とした状態を継続し、(S5)に移行する。
【0082】
次に、グリル庫内温度が、アラカルトメニューに応じた所定の火力切替温度(本実施例の「焼きおにぎりあたため」の場合は加熱開始時の温度+40℃)に到達したか否かの判断が行われ(S5)、Yesの場合は、制御部4は火力を上バーナ21を切、下バーナ22を強に設定する(S6)。Noの場合は上バーナ21を弱、下バーナ22を強とした状態を継続し、アラカルトメニューに応じた所定の火力切替時間が経過したか否かの(S4)の判断ルーチンに戻る。
【0083】
次に、(S6)で制御部4が火力を上バーナ21を切、下バーナ22を強に設定した後も加熱を継続し、前記消火時間演算処理で設定された加熱時間が経過したか否かの判断が行われ(S7)、Yesの場合は上バーナ21及び下バーナ22を消火し調理を終了する(S9)。Noの場合は上バーナ21を切、下バーナ22を強として燃焼を継続し、(S8)に移行する。
【0084】
次に、グリル庫内温度が、アラカルトメニューに応じた所定の消火温度(本実施例の「焼きおにぎりあたため」の場合は加熱開始時の温度+75℃)に到達したか否かの判断が行われ(S8)、Yesの場合は上バーナ21及び下バーナ22を消火し調理を終了する(S9)。Noの場合は上バーナ21を切、下バーナ22を強として燃焼を継続し、前記消火時間演算処理で設定された加熱時間(消火時間)を経過したか否かの(S7)の判断ルーチンに戻る。
【0085】
本実施例においても、自動調理の全工程の一部に上バーナ21を停止させて下バーナ22のみを燃焼させる工程を設けたことで、被加熱物6を充分に加熱しようとして上バーナ21により被加熱物6の上面を焦がしてしまったり、あるいは被加熱物6の上面を焦がさないようにして充分な加熱ができなかったりするのを防止することが可能となり、また、高ターンダウン比の上バーナを用いることなく簡単な構成により前記効果を得ることができる。
【0086】
また、特に焼き網23上に調理プレートを設置する点における効果や、上バーナ21及び下バーナ22の両方を燃焼させる工程(S3)の後に、上バーナ21を停止させて下バーナ22のみを燃焼させる工程(S6)を設ける点における効果についても、上実施形態の(1−1)の「トースト」の実施例の場合と同様の効果がそれぞれ得られるものである。
【0087】
また、更に他の実施形態として、図示はしないが、自動調理の全工程の一部に上バーナ21を停止させて下バーナ22のみを燃焼させる工程を設けるにあたり、上バーナ21を停止させて下バーナ22のみを燃焼させる工程の後に、上バーナ21及び下バーナ22の両方を燃焼させる工程を設けてもよい。この場合、上述したように点火装置の作動回数が多くなってしまう欠点があるが、十分に耐久性のある部品を使用すれば使用上は全く問題なく、これにより制御における自由度が増加するという利点が得られる。
【0088】
また、更に他の実施形態として、自動調理における上バーナ21又は/及び下バーナ22の加熱時間が所定時間以上である自動調理メニューについては上バーナ21を停止させて下バーナ22のみを燃焼させる工程を設けるようにしてもよい。
【0089】
これは、メニュースイッチ94において設定可能な「姿焼」「切身」「干物」等のメニューにおいて、二つの温度センサTH1、TH2によりグリル庫内温度の測定を行い、時間経過に伴うその温度変化から被加熱物6の熱容量、載置状態を判断し、必要な加熱時間を演算するような場合、演算により得られた上バーナ21又は/及び下バーナ22の加熱時間が所定の加熱時間以上となった場合に自動的に上バーナ21を停止させて下バーナ22のみを燃焼させる工程を設けるものである。
【0090】
また、上述していないその他のじっくりと加熱する必要のある焼き豚やローストビーフや冷凍食品の温め等のメニューにおいても、上バーナ21又は/及び下バーナ22の加熱時間が所定の加熱時間以上である場合に自動的に上バーナ21を停止させて下バーナ22のみを燃焼させるようにしてもよい。
【0091】
このようにすることで、長時間の加熱により内部を加熱する必要のある被加熱物の場合でも、内部をよく加熱し上面が焦げるといったことを防止することが可能となる。
【0092】
なお、上述した実施形態においては、ビルトインタイプの加熱調理器として説明しているが、テーブル載置型の加熱調理器であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の一実施形態のグリルを備えた加熱調理器の外観斜視図である。
【図2】同上の燃料供給路を説明する説明図である。
【図3】同上のグリル側操作パネルの正面図である。
【図4】同上のガスこんろ部側操作パネルの正面図である。
【図5】同上のグリルの縦断側面図である。
【図6】一実施形態における「トースト」の自動調理のフローチャートである。
【図7】同上の実施形態における「ピザ」の自動調理のフローチャートである。
【図8】同上の実施形態における「焼きおにぎりあたため」の自動調理のフローチャートである。
【図9】他の実施形態における「トースト」の自動調理のフローチャートである。
【図10】同上の実施形態における「ピザ」の自動調理のフローチャートである。
【図11】同上の実施形態における「焼きおにぎりあたため」の自動調理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0094】
1 グリル付きガスこんろ
2 グリル
20 グリル庫
21 上バーナ
22 下バーナ
24 グリル受皿
23 焼き網
3 ガスこんろ部
4 制御部
6 被加熱物
7 加熱状態調節部
8 こんろ部側操作パネル
9 グリル側操作パネル
TH1 温度センサ
TH2 温度センサ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
グリル庫と、グリル庫内に設けられ被加熱物が載置される焼き網と、グリル庫内の焼き網よりも上方の位置に配設される上バーナと、グリル庫内の焼き網よりも下方の位置に設けられる下バーナと、上バーナ及び下バーナの燃焼状態を制御して自動調理を実行する制御部と、を有するグリルを備えた加熱調理器であって、制御部は、自動調理の全工程の一部に上バーナを停止させて下バーナのみを燃焼させる工程を設けた自動調理メニューを実行可能として成ることを特徴とするグリルを備えた加熱調理器。
【請求項2】
上バーナ及び下バーナの両方を燃焼させる工程の後に、上バーナを停止させて下バーナのみを燃焼させる工程を設けた自動調理メニューとして成ることを特徴とする請求項1記載のグリルを備えた加熱調理器。
【請求項3】
焼き網上に調理プレートを設置し、該調理プレートに被加熱物を載置して自動調理を実行する自動調理メニューにおいて、自動調理の全工程の一部に上バーナを停止させて下バーナのみを燃焼させる工程を設けて成ることを特徴とする請求項1又は2記載のグリルを備えた加熱調理器。
【請求項4】
自動調理における上バーナ又は/及び下バーナの加熱時間が所定時間以上である自動調理メニューについては上バーナを停止させて下バーナのみを燃焼させる工程を設けて成ることを特徴とする請求項1又は2記載のグリルを備えた加熱調理器。
【請求項1】
グリル庫と、グリル庫内に設けられ被加熱物が載置される焼き網と、グリル庫内の焼き網よりも上方の位置に配設される上バーナと、グリル庫内の焼き網よりも下方の位置に設けられる下バーナと、上バーナ及び下バーナの燃焼状態を制御して自動調理を実行する制御部と、を有するグリルを備えた加熱調理器であって、制御部は、自動調理の全工程の一部に上バーナを停止させて下バーナのみを燃焼させる工程を設けた自動調理メニューを実行可能として成ることを特徴とするグリルを備えた加熱調理器。
【請求項2】
上バーナ及び下バーナの両方を燃焼させる工程の後に、上バーナを停止させて下バーナのみを燃焼させる工程を設けた自動調理メニューとして成ることを特徴とする請求項1記載のグリルを備えた加熱調理器。
【請求項3】
焼き網上に調理プレートを設置し、該調理プレートに被加熱物を載置して自動調理を実行する自動調理メニューにおいて、自動調理の全工程の一部に上バーナを停止させて下バーナのみを燃焼させる工程を設けて成ることを特徴とする請求項1又は2記載のグリルを備えた加熱調理器。
【請求項4】
自動調理における上バーナ又は/及び下バーナの加熱時間が所定時間以上である自動調理メニューについては上バーナを停止させて下バーナのみを燃焼させる工程を設けて成ることを特徴とする請求項1又は2記載のグリルを備えた加熱調理器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−22425(P2010−22425A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−184047(P2008−184047)
【出願日】平成20年7月15日(2008.7.15)
【出願人】(301066992)株式会社ハーマンプロ (145)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月15日(2008.7.15)
【出願人】(301066992)株式会社ハーマンプロ (145)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]