説明

グリーン電力システム及びこのグリーン電力システムに用いられる内部通信機器

【課題】自然エネルギーを用いて発電したグリーン電力のうち自家消費した自家消費電力量に関する電力データを簡単に管理することができるようにする。
【解決手段】外部通信機器16は、計測装置13が計測した自家消費電力量に関する電力データの送信指令をネットワークNを介して内部通信機器14に対して行う電力データ要求手段35を備え、内部通信機器14は、計測装置13が計測した自家消費電力量に関する電力データを外部通信機器16からの送信指令に応じてネットワークNを介して外部通信機器16に送信する電力データ送信手段42を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グリーン電力システム及びこのグリーン電力システムに用いられる内部通信機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、化石燃料に代表される石油によるエネルギーは、環境破壊が著しいと共に、地球上では限られた資源であるため、このエネルギーに変わる新たなエネルギーへの開発が期待されている。
例えば、風力、太陽光、バイオマス、マイクロ水力、地熱などの自然エネルギーは、石油によるエネルギーに比べ、環境性が高く、枯渇するという心配もないため、このような自然エネルギーを用いたグリーン電力の期待が高まっている。グリーン電力を促進するためのシステムとして、特許文献1に示すようなものがある。
【0003】
特許文献1の発電設備管理システムは、環境負荷の小さい発電設備と、発電設備の電力情報を管理する管理サーバとからなり、発電設備は電力を発生する電力生成部と、電力生成部によって発生された電力についての発電電力情報を生成する情報制御部と、電力情報を管理サーバへ送信する通信部とを備え、管理サーバが、予め設定された対価情報を用いて発電設備から送信されてきた電力情報に対する対価を決定する情報管理部を備えている。
【特許文献1】特願2006−512761号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の発電設備管理システムは、電力生成部によって発生された電力についての発電電力情報を管理サーバに送信して管理するものであるが、発電電力情報は管理サーバのみでなされているシステムであり、発電電力情報の管理は未だ不十分であった。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、自然エネルギーを用いて発電したグリーン電力のうち自家消費した自家消費電力量に関する電力データを簡単に管理することができるグリーン電力システム及びこのグリーン電力システムに用いられる内部通信機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
すなわち、本発明における課題解決のための技術的手段は、自然エネルギーを用いて発電したグリーン電力のうち自家消費した自家消費電力量に関する電力データを計測可能な計測装置と、ネットワークに接続されていて前記自家消費電力量をユーザ毎に管理する管理サーバと、この管理サーバに計測装置で計測した自家消費電力量をネットワークを介して送信可能な内部通信機器と、前記管理サーバとは別にネットワークを介して前記内部通信機器に接続可能な外部通信機器とを備え、前記外部通信機器は、前記計測装置が計測した自家消費電力量に関する電力データの送信指令をネットワークを介して前記内部通信機器に対して行う電力データ要求手段を備え、前記内部通信機器は、前記計測装置が計測した自家消費電力量に関する電力データを前記外部通信機器からの前記送信指令に応じてネットワークを介して前記外部通信機器に送信する電力データ送信手段を備えている点にある。
【0006】
前記電力データ送信手段は、自家消費電力量に関する電力データとして前記計測装置が計測したグリーン電力の総発電量と、前記計測装置が計測したグリーン電力のうちユーザが外部の機関に売電した売電量とを送信することが好ましい。
前記内部通信機器は、外部通信機器を特定するための特定データを記憶する記憶部を備え、前記外部通信機器の電力データ要求手段は、当該外部通信機器の固有の固有データを電力データの送信指令の送信時に送信するように構成されており、前記電力データ送信手段は、前記記憶部の特定データと前記送信指令により送信された固有データとを照合して
照合が成立した際に、自家消費電力量に関する電力データを前記外部通信機器に送信することが好ましい。
【0007】
本発明の他の技術的手段は、自然エネルギーを用いて発電したグリーン電力のうち自家消費した自家消費電力量に関する電力データを、ネットワークを介してユーザ毎に外部の管理サーバに送信する内部通信機器であって、前記内部通信機器は、前記管理サーバとは別にネットワークを介して接続される外部通信機器に対し、当該外部通信機器による自家消費電力量に関する電力データの送信指令に応じてユーザ毎に前記電力データを送信する電力データ送信手段を備えている点にある。
前記電力データ送信手段は、自家消費電力量に関する電力データとして前記計測装置が計測したグリーン電力の総発電量と、前記計測装置が計測したグリーン電力のうちユーザが外部の機関に売電した売電量とを送信することが好ましい。
【0008】
前記内部通信機器は、外部通信機器を特定するための特定データを記憶する記憶部を備え、前記外部通信機器の電力データ要求手段は、当該外部通信機器の固有の固有データを電力データの送信指令の送信時に送信するように構成されており、前記電力データ送信手段は、外部通信機器を特定するための特定データと前記送信指令により送信された外部通信機器の固有の固有データとを照合して照合が成立した際に、自家消費電力量に関する電力データを前記外部通信機器に送信することが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、自然エネルギーを用いて発電したグリーン電力のうち自家消費した自家消費電力量に関する電力データを簡単に管理することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、グリーン電力システムの全体構成を示したものである。
図1に示すように、グリーン電力システム1は、グリーン電力の発電する発電元2と、この発電元2のグリーン電力に関する様々な管理を行う管理会社3と、グリーン電力に関する認証を行ってグリーン電力証書を発行する認証機関4と、認証機関4が発行したグリーン証書を金銭取引等により協賛企業5とに大別される。
グリーン電力とは、風力、太陽光、バイオマス、マイクロ水力、地熱などの自然エネルギーを利用して発電したものであって、環境負荷を与えない電力である。
【0011】
発電元2は、グリーン電力を発電するための発電装置10(例えば、太陽光発電)を管理会社3から購入又は賃貸(リース)して、例えば、自宅11に設置することで、グリーン電力を発電するユーザである。
ユーザ2は、自宅11の発電装置10によって発電したグリーン電力を自宅11にて自家消費すると共に、グリーン電力の一部は外部の機関12(例えば、電力会社)に売電をする。グリーン電力の売電量やグリーン電力の価格等は、ユーザ2と電力会社等との契約によって決定する。
【0012】
ユーザ2の自宅11等には、発電装置10の他に、計測装置13と、内部通信機器14とが設置されている。
計測装置13は、自宅11の発電装置10が発電したグリーン電力の電力量を計測すると共に、電力会社12に売電した売電量を計測する。ここで、発電装置10が発電したグリーン電力の総発電量と売電量とを考えたとき、グリーン電力の総発電量から電力会社12に売電した電力量を引くと、ユーザ2が自家消費した自家消費電力量となる(自家消費電力=総発電量−売電量)。
【0013】
よって、総発電量と売電量とから自家消費電力を求めることができるため、計測装置13は、ユーザ2が自宅11で消費した自家消費電力量に関する電力データ(総発電量、売電量)を計測できる。
なお、上述した計測装置13に関し、発電装置10が発電した電力(グリーン電力)を計測する部分と、電力会社12に売電した売電量を計測する部分とが別体(別々の機器)によって構成されてもよい。また、上述した計測装置13の一部又は全部の機能が、発電装置10に組み込まれているものであってもよい。
【0014】
さらに、計測装置13は、ユーザ2が自宅11で消費した自家消費電力が求められる電力データを計測できるものであれば良く、直接、自家消費電力を計測するものであればどのようなものでもよい。
以降、説明の便宜上、自家消費電力量に関する電力データを単に電力データということがある。
計測装置13が計測した自家消費電力量に関する電力データは、ネットワークNに接続された内部通信機器14を介して管理会社3に送信される。
【0015】
この管理会社3は、ユーザ2に対して発電装置10、計測装置13、内部通信機器14の提供(レンタル、リース販売を含む)を行う企業である。また、管理会社3は、発電装置10、計測装置13、内部通信機器14の他、外部通信機器16も認証機関4や会社内に提供する。管理会社3は、ユーザ2に装置等を提供後、ユーザ2の電力データの日々の管理や認証機関4から発行されたグリーン電力証書の管理など、様々なグリーン電力システム1に関する管理業務を行う。
管理会社3には、管理業務を行うための管理サーバ15が配置されている。管理サーバ15は、ネットワークNに接続されていて、少なくともユーザ2毎の自家消費電力量を管理する。
【0016】
この管理サーバ15は、コンピュータにより構成され、不揮発性のメモリから構成された記憶部20と、CPU等から構成された制御部21とを備えている。
管理サーバ15の記憶部20は、ユーザ2に関する情報(ユーザ情報ということがある)等を記憶するものである。
例えば、記憶部20は、ユーザ情報として、ユーザ2を特定するためのユーザID、ユーザ2の氏名、住所、ユーザ2の自宅11に設けられた内部通信機器14を特定するための特定情報(例えば、内部通信機器14に接続するためのIPアドレス、内部通信機器14の製造番号)、内部通信機器14から送信された自家消費電力量に関する電力データ(総発電量、売電量)等を記憶する。
【0017】
管理サーバ15の制御部21は、電力データ管理機能22と、データ送信機能23と、証書管理機能24とを有している。
制御部21の電力データ管理機能22は、各ユーザ2の内部通信機器14に対して定期的に接続を行い、内部通信機器14から計測装置13が計測した総発電量と売電量等の電力データの取り込み(受信)を行う。また、電力データ管理機能22は、総発電量と売電量とを受信すると、これらにより、自家消費電力を自動的に計算して、総発電量、売電量、計算した自家消費電力とをユーザ2毎に記憶部20に書き込む作業を行う。
【0018】
制御部21のデータ送信機能23は、ユーザ2毎の自家消費電力に関する電力データを、定期的又は認証機関4の認証サーバ25の要求に応じてユーザ2毎に認証サーバ25に報告(送信)する。また、このデータ送信機能23は、外部通信機器16の自家消費電力量に関する電力データの送信指令に応じて外部通信機器16が指定したユーザ2の内部通信機器14に電力データの送信指令を行い、内部通信機器14から返信された電力データを外部通信機器16へ送信する。
制御部21の証書管理機能24は、認証サーバ25から送信されたグリーン電力証書の保存、協賛企業5へのグリーン電力証書の送信等を行う。
【0019】
認証機関4は、管理会社3から送信された電力データ等に基づいて、グリーン電力に関する認証を行ってグリーン電力証書を発行する。認証機関4の認証サーバ25もユーザ2毎に自家消費電力量の管理をする管理機能26している。この管理機能26によって、管理会社3の管理サーバ15からユーザ2毎の電力データを受信すると、その電力データ(総発電量、売電量及び自家消費電力量)をユーザ2毎に取り込み記憶する。
協賛企業5は、環境破壊の無いグリーン電力(エネルギー)に対して社会的貢献に賛同する企業体である。この協賛企業5は、認証機関4から発行されたグリーン証書を管理会社3を通して受け取り、グリーン証書におけるグリーン電力量に応じた金銭等を管理会社3に払う。なお、管理会社3に支払れた金銭は、ユーザ2であるユーザ2等に還付される。
【0020】
以上のようなグリーン電力システム1によれば、ユーザ2の発電装置10によって、グリーン電力の発電がなされ、そのグリーン電力のうちユーザ2が自家消費した自家消費量に関する電力データをユーザ2側の計測装置13が測定する。そして、ユーザ2側の計測装置13で測定した電力データはユーザ2側の内部通信機器14を介して、管理会社3の管理サーバ15に送信されて、管理会社3の管理サーバ15によってユーザ2毎の電力データ、即ち、自家消費電力量が管理される。
そして、管理会社3の管理サーバ15によってユーザ2毎の自家消費量が認証機関4に報告される。このとき、認証機関4の認証サーバ25によっても自家消費量は管理されることになる。認証機関4は管理会社3から報告された電力データ(自家消費量)に基づき、認証を行ってグリーン証書の発行を行う。
【0021】
このようにグリーン電力システム1においては、管理会社3から認証機関4への電力データに報告により、グリーン証書の発行を行う流れとなっているが、互いの電力データの齟齬が生じないようにすると共に、管理会社3側での電力データとユーザ2側での電力データの整合性等を確認するため、本発明では、外部通信機器16により、電力データのチェックが行えるようになっている。
以下、電力データのチェックについて詳しく説明する。
電力データのチェックは、外部通信機器16と、内部通信機器14と、管理サーバ15とによって行われる。
【0022】
外部通信機器16は、管理会社3の管理サーバ15とは別に内部通信機器14に接続可能なものであって、例えば、携帯電話、モバイルコンピュータ、パーソナルコンピュータ等で構成されている。この外部通信機器16は、管理会社3内や認証機関4など様々な場所に設けられるものであって、この実施形態では、管理会社3と認証機関4とに配布されている。
各外部通信機器16は、不揮発性のメモリから構成された記憶部30と、CPU等から構成された制御部31と、キーボート等の入力部32と、数字や文字等を表示する表示部33とを備えている。
【0023】
外部通信機器16の記憶部30は、当該外部通信機器16の固有の固有データ(例えば、製造番号、PIN番号など)を記憶している。この固有データによって外部通信機器16の特定ができる。
外部通信機器16の制御部31は、所定の内部通信機器14に対して自家消費電力量に関する電力データを送信させるための電力データ要求手段35を備えている。
電力データ要求手段35は、電力データを要求するユーザ2のユーザIDを入力部32によって入力した後、当該ユーザIDを管理会社3の管理サーバ15へ向けて送信するときに、入力されたユーザIDと、当該外部通信機器16の固有データ(製造番号又はPIN番号)と、送信指令とを管理会社3の管理サーバ15へネットワークNを介して送信する。
【0024】
なお、電力データ要求手段35によって、所定の内部通信機器14へ電力データの要求をする際に、上記の説明では、ユーザIDを送信しているが、これに限らず、送信する情報は、ユーザ2や所定の内部通信機器14が特定できる情報であればよく、内部通信機器14の特定情報を送信したり、ユーザ2のユーザ2の氏名、住所等を送信してもよい。
外部通信機器16の表示部33は、内部通信機器14から自家消費電力量に関する電力データを返信がなされると、返信された電力データと、ユーザIDなどのユーザ2を特定するための情報を表示する。
【0025】
内部通信機器14は、ネットワークNを介して管理サーバ15や外部通信機器16に接続可能なものであって、例えば、ルーティング機能(ルータ機能)やモデム機能等を有する通信機器である。
この内部通信機器14は、不揮発性のメモリから構成された記憶部40と、CPU等から構成された制御部41とを備えている。
内部通信機器14の記憶部40は、所定の外部通信機器16を特定するための特定データ(製造番号又はPIN番号)を記憶している。この特定データによって外部通信機器1
6の特定ができる。
【0026】
なお、内部通信機器14の記憶部40への特定データの記憶(登録)は、コンピュータ等を使用して外部通信機器16の製造番号やPIN番号を入力することにより行われる。この実施形態では、1つの内部通信機器14の記憶部40に対して、管理会社3に配布した外部通信機器16における特定データと、認証機関4に配布した外部通信機器16における特定データとの両方が記憶されていて、これにより、1つの内部通信機器14へ管理会社3及び認証機関4の2つの外部通信機器16を接続することができる。
内部通信機器14の制御部41は、電力データ送信手段42を備えている。この電力データ送信手段42は、所定の外部通信機器16からの自家消費電力量に関する電力データの送信指令を受信すると、計測装置13が計測した電力データをネットワークNを介して外部通信機器16へ送信する。
【0027】
さらに、詳しくは、電力データ送信手段42は、管理サーバ15を介して外部通信機器16からの送信指令を受信すると、当該送信指令と同時に送信されてきた外部通信機器16の固有の固有データと、自己の記憶部40に記憶している外部通信機器16の特定データとを照合する。
そして、送信されてきた外部通信機器16の固有の固有データ(例えば、製造番号)と、記憶部40に記憶している外部通信機器16の特定データ(例えば、製造番号)とが一致すると、電力データ送信手段42は、計測装置13に接続して、接続時点での計測装置13が計測したグリーン電力の総発電量と売電量とを読み込み、グリーン電力の総発電量と売電量との電力データを管理サーバ15を介して送信指令を行った外部通信機器16に返信する。
【0028】
一方で、外部通信機器16の固有の固有データ(例えば、製造番号)と、記憶部40に記憶している外部通信機器16の特定データ(例えば、製造番号)とが一致しない場合は、電力データ送信手段42は、エラーメッセージを外部通信機器16に返信する。
このように、内部通信機器14は、電力データ送信手段42によって、管理サーバ15とは別にネットワークNを介して接続される外部通信機器16に対し、当該外部通信機器16による自家消費電力量に関する電力データの送信指令に応じてユーザ2毎に電力データを送信する。
【0029】
管理会社3の管理サーバ15におけるデータ送信機能23は、外部通信機器16からの送信指令を受信すると、まず、記憶部20に記憶されているユーザID、氏名、住所等からユーザ2側の内部通信機器14の特定行う。そして、特定した内部通信機器14に、外部通信機器16からの送信指令及び固有データを送信する。
また、管理会社3の管理サーバ15におけるデータ送信機能23は、内部通信機器14から電力データやエラーメッセージの返信を受けると、送信指令を行った外部通信機器16へ電力データやエラーメッセージの送信をする。このとき、返信した内部通信機器14を所有するユーザ2の氏名やユーザIDなどを、電力データやエラーメッセージに合わせて送信することが好ましい。
【0030】
図2は、電力データのチェックにおける外部通信機器16、内部通信機器14及び管理サーバ15の動作を示したフローチャートである。
電力データチェックを行うには、まず、外部通信機器16の入力部32により、ユーザ2や内部通信機器14を特定するための情報、例えば、ユーザIDを入力し、電力データ要求手段35によってユーザID及び送信指令を管理サーバ15に送信する(S1)。
電力データ要求手段35は、ユーザID及び送信指令を管理サーバ15に送信する際には、ユーザIDを送信した外部通信機器16の固有データも管理サーバ15に送信する(S2)。
【0031】
管理サーバ15は、データ送信機能23により、所定の外部通信機器16からユーザID、固有データ、送信指令を受信すると、ユーザIDから内部通信機器14の特定を行う(S3)。そして、管理サーバ15は、特定した内部通信機器14へ固有データ及び送信指令を送信する(S4)。
内部通信機器14は、管理サーバ15から固有データ及び送信指令を受信すると(S5
)、電力データ送信手段42により、外部通信機器16の固有の固有データと、自己の記憶部40に記憶している外部通信機器16の特定データとを照合する(S6)。固有データと特定データとの照合が成立する(S7、YES)と、電力データ送信手段42により、計測装置13の電力データを読み込み(S8)、その後、管理サーバ15に計測装置13の現時点での電力データを返信する(S9)。
【0032】
一方、固有データと特定データとを照合が不成立である場合(S7、No)は、管理サーバ15に電力データを返信せず、エラーメッセージを管理サーバ15に送信する(S10)。
そして、管理サーバ15は、データ送信機能23により、内部通信機器14から返信された電力データ又はエラーメッセージを送信指令を行った外部通信機器16へ送信する(S11)。なお、管理サーバ15は、返信した内部通信機器14を所有するユーザ2の氏名やユーザIDなどを、電力データやエラーメッセージに合わせて送信する。
【0033】
外部通信機器16は、管理サーバ15から電力データ又はエラーメッセージを受信すると、表示部33により、電力データ又はエラーメッセージを、ユーザ2の氏名やユーザIDと共に表示する(S12)。
以上、本発明のグリーン電力システム1によれば、外部通信機器16は、計測装置13が計測した自家消費電力量に関する電力データの送信指令をネットワークNを介して内部通信機器14に対して行う電力データ要求手段35を備え、内部通信機器14は、計測装置13が計測した自家消費電力量に関する電力データを外部通信機器16からの送信指令に応じてネットワークNを介して外部通信機器16に送信する電力データ送信手段42を備えている。
【0034】
また、本発明のグリーン電力システム1に用いられる内部通信機器14によれば、内部通信機器14は、管理サーバ15とは別にネットワークNを介して接続される外部通信機器16に対し、当該外部通信機器16による自家消費電力量に関する電力データの送信指令に応じてユーザ2毎に電力データを送信する電力データ送信手段42を備えている。
これらの本発明によれば、管理サーバ15が1年に1回(例えば、3月末)、1ヶ月に1回(例えば、月末)など、定期的に内部通信機器14に接続することにより、ユーザ2の自家消費電力量を電力データからチェックすることができる。
【0035】
この管理サーバ15による電力データのチェックとは別に、外部通信機器16を用いて不定期に内部通信機器14に接続することにより、ユーザ2の自家消費電力量を電力データからチェックすることができる。即ち、管理会社3の管理サーバ15におけるユーザ2の自家消費電力量のチェックと、外部通信機器16によるユーザ2の自家消費電力量のチェックとを行うことができ、ダブルチェックを行うことができる。
特に、本発明によれば、管理会社3に配布した外部通信機器16と、認証機関4に配布した外部通信機器16とが、同じ内部通信機器14に接続して電力データの返信を受けることができるため、管理会社3内で外部通信機器16を用いて特定のユーザ2に対し電力データの確認を行うことができると共に、第三者機関である認証機関4が、管理会社3とは別途、同じユーザ2に対して外部通信機器16を用いて電力データの確認を独立して行うことができる。
【0036】
このように、ユーザ2の自家消費電力量において、管理会社3の管理サーバ15による一元管理だけでなく、外部通信機器16を用いた別の管理を行うことができるため、電力データの整合性を簡単に確認することができる。
さらに、内部通信機器14が電力データを返信する際は、計測装置13が計測した電力データを外部通信機器16からの送信指令に応じて送信するようにしているため、常に、計測装置13が計測した最新の電力データを取り出すことができる。特に、本発明では、返信指令に応じたときの計測装置13で計測した電力データを送信することから、一旦、計測装置13から別の機器等へ記憶した電力データを送信するのに比べて、電力データの信頼性が高いという利点もある。
【0037】
内部通信機器14の電力データ送信手段42は、自家消費電力量に関する電力データとして計測装置13が計測したグリーン電力の総発電量と、計測装置13が計測したグリー
ン電力のうちユーザ2が外部の機関に売電した売電量とを送信している。
これによれば、送信される電力データは2種類であるのにも関わらず、管理サーバ15側や外部通信機器16側では、グリーン電力の総発電量と、売電量と、自家消費電力量(自家消費電力量=総発電量−売電量)との3つの情報を知り得ることができ、情報伝達効率が非常に高い。
【0038】
内部通信機器14は、外部通信機器16を特定するための特定データを記憶する記憶部40を備え、外部通信機器16の電力データ要求手段35は、当該外部通信機器16の固有の固有データを電力データの送信指令の送信時に送信するように構成されている。また、電力データ送信手段42は、記憶部40の特定データと送信指令により送信された固有データとを照合して照合が成立した際に、自家消費電力量に関する電力データを外部通信機器16に送信している。
これによれば、特定データと固有データとを照合して照合が成立した際に電力データを送信するという許可機能を内部通信機器14側に設けるという構成になっているため、内部通信機器14に外部通信機器16の固有データと同じ情報を登録しなければ(ユーザ2に許可を得てからでないとユーザ2側の内部通信機器14へ外部通信機器16を接続するための登録ができない)、電力データを読み出すことができないことから、外部通信機器16が内部通信機器14に接続するためのセキュリティが非常に高い。
【0039】
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
上記の実施形態では、内部通信機器14が電力データを送信する際に、内部通信機器14側にて特定データと固有データとを照合していたが、管理サーバ15側において、外部通信機器16の固有データと内部通信機器14の特定情報とを関連づけておき、管理サーバ15が内部通信機器14へ送信指令を行う際に、外部通信機器16の固有データと内部通信機器14の特定情報とを照合するようにしてもよい。即ち、内部通信機器14に具備させていた外部通信機器16の固有データと内部通信機器14の特定情報とを照合する手段を、管理サーバ15に設けて、管理サーバ15による照合成立後に、管理サーバ15が電力データを送信する指令を内部通勤機器14に送信するようにしてもよい。
【0040】
上記の実施形態では、発電装置10が発電したグリーン電力の総発電量と、電力会社12に売電した売電量とを電力データとしていたが、これに代え、ユーザ2が発電した自家消費電力量自体を電力データとしてもよい。
上記の実施形態では、外部通信機器16は管理会社3や認証機関4に配布されていたが、これに限らず、例えば、ユーザ2に配布するようにしてもよい。このようにすれば、ユーザ2が外部通信機器16を用いて電力データの要求を行うことが可能となり、当該外部通信機器16に表示された電力データと、自宅11に配置した計測装置13の電力データ(計測装置13の表示部に表示された電力データ)とを照らし合わせることができる。いわゆる、ユーザ2による通信チェックを行うことができる。
【0041】
また、次のように、管理サーバ15及び外部通信機器16を構成すれば、上述した以外の方法で電力データのチェックを行うことができる。
まず、管理サーバ15の記憶部20に、上述した内部通信機器14と同様に、外部通信機器16を特定するための特定データを記憶させる一方で、外部通信機器16が管理サーバ15に記憶部20に記憶した電力データを要求(データ要求)できるようにしておく。
さらに、管理サーバ15の記憶部20の特定データと、外部通信機器16からのデータ要求と共に送信された固有データとを照合して照合が成立した際に、記憶部20に記憶された電力データを外部通信機器16へ送信する手段を管理サーバ15に具備させておく。
【0042】
このようにしておくと、例えば、ユーザ2等が外部通信機器16を用いて、管理サーバ15へデータ要求を行って、管理サーバ15内の電力データのチェックを行うことができる。
詳しくは、ユーザ2等が所有する外部通信機器16からのデータ要求の際に、管理サー
バ15は、記憶部20の特定データと、外部通信機器16からのデータ要求と共に送信された固有データとを照合して照合が成立すれば、ユーザ2等が所有する外部通信機器16に記憶部20に記憶された電力データを外部通信機器16へ返信することとなる。
【0043】
そして、ユーザ2等は、管理サーバ15から外部通信機器16に返信された電力データ(外部通信機器16の表示部に表示された電力データ)と、計測装置13の表示部に表示された電力データとを照らし合わせることで、電力データの整合性をチェックすることができる。
当然の如く、管理サーバ15における特定データと、外部通信機器16の固有データとの照合が成立しない場合は、管理サーバ15の電力データを外部通信機器16には送信しないため、セキュリティは確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】グリーン電力システムの全体を示す全体構成図である。
【図2】電力データのチェックにおける内部通信機器、外部通信機器、管理サーバの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0045】
1 グリーン電力システム
13 計測装置
14 内部通信機器
15 管理サーバ
16 外部通信機器
35 電力データ要求手段
42 電力データ送信手段
N ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自然エネルギーを用いて発電したグリーン電力のうち自家消費した自家消費電力量に関する電力データを計測可能な計測装置と、ネットワークに接続されていて前記自家消費電力量をユーザ毎に管理する管理サーバと、この管理サーバに計測装置で計測した自家消費電力量をネットワークを介して送信可能な内部通信機器と、前記管理サーバとは別にネットワークを介して前記内部通信機器に接続可能な外部通信機器とを備え、
前記外部通信機器は、前記計測装置が計測した自家消費電力量に関する電力データの送信指令をネットワークを介して前記内部通信機器に対して行う電力データ要求手段を備え、
前記内部通信機器は、前記計測装置が計測した自家消費電力量に関する電力データを前記外部通信機器からの前記送信指令に応じてネットワークを介して前記外部通信機器に送信する電力データ送信手段を備えていることを特徴とするグリーン電力システム。
【請求項2】
前記電力データ送信手段は、自家消費電力量に関する電力データとして前記計測装置が計測したグリーン電力の総発電量と、前記計測装置が計測したグリーン電力のうちユーザが外部の機関に売電した売電量とを送信することを特徴とする請求項1に記載のグリーン電力システム。
【請求項3】
前記内部通信機器は、外部通信機器を特定するための特定データを記憶する記憶部を備え、前記外部通信機器の電力データ要求手段は、当該外部通信機器の固有の固有データを電力データの送信指令の送信時に送信するように構成されており、
前記電力データ送信手段は、前記記憶部の特定データと前記送信指令により送信された固有データとを照合して照合が成立した際に、自家消費電力量に関する電力データを前記外部通信機器に送信することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のグリーン電力システム。
【請求項4】
自然エネルギーを用いて発電したグリーン電力のうち自家消費した自家消費電力量に関する電力データを、ネットワークを介してユーザ毎に外部の管理サーバに送信する内部通信機器であって、
前記内部通信機器は、前記管理サーバとは別にネットワークを介して接続される外部通信機器に対し、当該外部通信機器による自家消費電力量に関する電力データの送信指令に応じてユーザ毎に前記電力データを送信する電力データ送信手段を備えていることを特徴とするグリーン電力システムに用いられる内部通信機器。
【請求項5】
前記電力データ送信手段は、自家消費電力量に関する電力データとして前記計測装置が計測したグリーン電力の総発電量と、前記計測装置が計測したグリーン電力のうちユーザが外部の機関に売電した売電量とを送信することを特徴とする請求項4に記載のグリーン電力システムに用いられる内部通信機器。
【請求項6】
前記内部通信機器は、外部通信機器を特定するための特定データを記憶する記憶部を備え、前記外部通信機器の電力データ要求手段は、当該外部通信機器の固有の固有データを電力データの送信指令の送信時に送信するように構成されており、
前記電力データ送信手段は、外部通信機器を特定するための特定データと前記送信指令により送信された外部通信機器の固有の固有データとを照合して照合が成立した際に、自家消費電力量に関する電力データを前記外部通信機器に送信することを特徴とする請求項4又は請求項5記載のグリーン電力システムに用いられる内部通信機器。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−130730(P2010−130730A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−300025(P2008−300025)
【出願日】平成20年11月25日(2008.11.25)
【出願人】(000104847)三洋ホームズ株式会社 (13)
【出願人】(507344988)慧通信技術工業 株式会社 (2)
【Fターム(参考)】