説明

グルタミン酸脱炭酸酵素の抽出方法およびグルタミン酸脱炭酸酵素抽出液、並びにその抽出液を用いたγ−アミノ酪酸の製造方法およびγ−アミノ酪酸含有食品

【課題】 米胚芽、胚芽を含む米糠または胚芽米中のグルタミン酸脱炭酸酵素を抽出できるようにする。
【解決手段】 カルシウムの塩またはマグネシウムの塩を含む溶液に、米胚芽、胚芽を含む米糠または胚芽米の少なくとも1種を投入し、前記米胚芽、胚芽を含む米糠または胚芽米中のグルタミン酸脱炭酸酵素を前記溶液中に溶出させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グルタミン酸脱炭酸酵素およびγ−アミノ酪酸の製造方法に係り、特に米胚芽に含まれているグルタミン酸脱炭酸酵素を抽出するグルタミン酸脱炭酸酵素の抽出方法およびグルタミン酸脱炭酸酵素抽出液、並びにその抽出液を用いたγ−アミノ酪酸の製造方法およびγ−アミノ酪酸含有食品に関する。
【背景技術】
【0002】
酵素は、生態代謝系で働くだけでなく、それを抽出して使用するとさまざまな化合物の合成、分解に利用できる。酵素反応は、現在、医薬品や機能性食品など、人に有用なさまざまな物質の合成に利用されている。酵素は、生物が作り出す触媒作用を有する化学物質であり、動物や微生物、植物の細胞中に存在する。これらの固体に含まれる酵素を抽出して使用する場合、まず固体を細かく破砕したのち、水などの抽出液で酵素を抽出し、固液分離を行なって酵素含有抽出液を製造する。
【0003】
ところで、カボチャやにんじん、米糠などいくつかの植物や微生物には、グルタミン酸脱炭酸酵素(グルタミン酸デカルボキシラーゼ:Glutamic Acid Decarboxylase、EC4.1.1.15)が含まれることが知られている。この酵素は、グルタミン酸またはグルタミン酸の塩を脱炭酸してγ−アミノ酪酸に転換(転化)する作用を有する。γ−アミノ酪酸(γ−amino butyric acid)は、略してGABAと呼ばれ、血圧を低下させる血圧上昇抑制効果や、自立神経障害・興奮を緩和する精神安定・鎮静作用を有するアミノ酸であり、健康食品成分として注目されている。1987年には、農林水産省野菜・茶業試験場において、茶葉を好気と嫌気状態とを繰り返して茶葉のグルタミン酸脱炭酸酵素反応を促進させ、通常のお茶よりγ−アミノ酪酸の含有量が高い「ギャバロン茶」を開発した。この「ギャバロン茶」は、既に商品化されている。また、発芽した玄米は、発芽時のグルタミン酸脱炭酸酵素の作用によって、通常の米よりもγ−アミノ酪酸が多く含まれており、発芽玄米として商品化されている。
【0004】
γ−アミノ酪酸を製造するには、グルタミン酸脱炭酸酵素を有する植物や微生物を利用する方法がある。例えば、グルタミン酸またはグルタミン酸ナトリウムに酵母またはクロレラを作用させる方法(特許文献1)、脱気、加温した水に米糠を浸漬し、米糠に含まれるγ−アミノ酪酸を抽出する方法(特許文献2)、カボチャの粉砕液を用い、カボチャに含まれているグルタミン酸脱炭酸酵素と、補酵素であるピリドキサルリン酸を利用してグルタミン酸をγ−アミノ酪酸に転換する方法(特許文献3)、米胚芽、胚芽を含む米糠若しくは胚芽米にグルタミン酸脱炭酸酵素を含む溶液に添加し、米胚芽に含まれているグルタミン酸をγ−アミノ酪酸に転換する方法(特許文献4)、グルタミン酸溶液に米糠と酵母とを添加し、米糠に含まれるグルタミン酸脱炭酸酵素と酵母に含まれるピリドキサルリン酸により、グルタミン酸をγ−アミノ酪酸に転換する方法(特許文献5)などがある。
【0005】
この中で、特許文献5のように、米胚芽や米糠に含まれているグルタミン酸脱炭酸酵素を利用する方法は、精米時に出るものを脱炭酸の酵素源として利用しているため、原料費が安価であるとともに、酵素反応時に米胚芽や米糠中の他の栄養分(ビタミン、イノシトール、フィチン酸など)も製品である溶液側に抽出されるなど利点が多い。
【特許文献1】特開平9−238650号公報
【特許文献2】特開平11−155508号公報
【特許文献3】特開2001−252091号公報
【特許文献4】特許第3299726号公報
【特許文献5】特開2003−245093号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これまでの米胚芽や米糠をグルタミン酸脱炭酸酵素の酵素源として用いるγ−アミノ酪酸(GABA)の製造方法においては、γ−アミノ酪酸の原料となるグルタミン酸溶液などに米胚芽や米糠を直接液に投入していた。しかしこの方法では、米胚芽や米糠を貯蔵する設備が必要となり、またγ−アミノ酪酸の製造現場においてγ−アミノ酪酸を含む溶液と米胚芽、米糠とを分離しなければならない。このため、製造設備が大型化し、工程も複雑となる。そこで、米胚芽や米糠からグルタミン酸脱炭酸酵素を抽出できれば、安価な原料からグルタミン酸脱炭酸酵素を得ることができ、グルタミン酸脱炭酸酵素のコストを低減できるとともに、米胚芽または米糠に含まれている酵素を利用してγ−アミノ酪酸の製造を容易に行なえ、製造設備も簡素、小型化、工程の簡素化を図ることができる。また、グルタミン酸脱炭酸酵素を保持していない食品であっても、米胚芽または米糠から抽出したグルタミン酸脱炭酸酵素を含有した液を添加することで、食品がグルタミン酸またはグルタミン酸ナトリウムを保持している場合には、グルタミン酸またはグルタミン酸ナトリウムをγ−アミノ酪酸に転換でき、従来γ−アミノ酪酸が微量しか存在しなかった食品にも米胚芽からの抽出液の添加により、酵素反応でγ−アミノ酪酸を含有されることが可能となる。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、米胚芽、胚芽を含む米糠または胚芽米中のグルタミン酸脱炭酸酵素を抽出できるようにすることを目的としている。
また、本発明は、米胚芽または米糠に含まれているグルタミン酸脱炭酸酵素を利用して容易にγ−アミノ酪酸を製造できるようにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明に係るグルタミン酸脱炭酸酵素の抽出方法は、カルシウムの塩またはマグネシウムの塩を含む溶液に、米胚芽、胚芽を含む米糠または胚芽米の少なくとも1種を投入し、前記米胚芽、胚芽を含む米糠または胚芽米中のグルタミン酸脱炭酸酵素を前記溶液中に溶出させることを特徴としている。
【0009】
また、本発明に係るグルタミン酸脱炭酸酵素抽出液は、上記したグルタミン酸脱炭酸酵素の抽出方法により得た前記グルタミン酸脱炭酸酵素の含有液を、前記米胚芽、胚芽を含む米糠または胚芽米から分離したことを特徴としている。
【0010】
そして、本発明に係るγ−アミノ酪酸の製造方法は、上記のグルタミン酸脱炭酸酵素抽出液をグルタミン酸またはグルタミン酸の塩と反応させてγ−アミノ酪酸を生成することを特徴としている。
【0011】
また、本発明に係るγ−アミノ酪酸含有食品は、上記したグルタミン酸脱炭酸酵素抽出液を食品に添加し、前記食品中のグルタミン酸またはグルタミン酸の塩と反応させてγ−アミノ酪酸を生成することを特徴としている。なお、本発明における食品には、飲料を含んでいる。
【発明の作用及び効果】
【0012】
精米過程で大量に排出される米胚芽、胚芽を含む米糠または胚芽米をグルタミン酸脱炭酸酵素の酵素源とするγ−アミノ酪酸を製造する方法は、安価であるため有効である。そこで、新鮮な米胚芽、胚芽を含む米糠または胚芽米からグルタミン酸脱炭酸酵素を抽出できれば、その酵素を保持していない食品に添加することで、該食品がグルタミン酸またはグルタミン酸の塩を保有していれば、従来γ−アミノ酪酸が存在した食品にも、酵素反応でγ−アミノ酪酸を含有させることが可能となる。また、グルタミン酸脱炭酸酵素を含有した抽出液に、さらに米胚芽、胚芽を含む米糠または胚芽米などを投入することで、酵素濃度をさらに高くすることができ、酵素反応でより高い濃度のγ−アミノ酪酸が得られることが期待できる。また、グルタミン酸脱炭酸酵素の分子量は、数万グラム/モルであることから、分画分子量が10,000望ましくは5,000の限外濾過膜を用いることにより、酵素の濃縮が可能であり、濃縮後の酵素含有液でも高い濃度のγ−アミノ酪酸を得ることが期待できる。
【0013】
米胚芽、胚芽を含む米糠または胚芽米からグルタミン酸脱炭酸酵素を抽出ができれば、米糠の有効利用策であり、前記酵素以外のビタミン、イノシトール、フィチン酸などの有効成分も抽出できる利点がある。しかし、酵素は、動植物の細胞内に在るときが一番安定であり、抽出液の糖や蛋白質などの濃度が細胞内と異なると、化学的な安定性が変化して酵素活性が維持できなくなり、酵素反応が起きなくなることがある。
【0014】
本発明者は、実験によりさまざまな条件で米胚芽からグルタミン酸脱炭酸酵素の水抽出を行なったところ、水のみで抽出したグルタミン酸脱炭酸酵素は、酵素活性を失い、ほとんど反応が起きないことを実験で確認した。しかし、発明者等が鋭意研究し、実験を行なったところ、抽出液である水にカルシウム塩を添加して、米胚芽からグルタミン酸脱炭酸酵素を抽出すると、水のみで抽出した液では起きなかった酵素反応が生じた。このカルシウム塩を加えたグルタミン脱炭酸酵素抽出液は、酵素反応がグルタミン酸脱炭酸酵素の抽出のときに使用したと同量の米胚芽を用いたときに生ずる酵素反応と同じ活性を保持していることを見出した。
【0015】
また、同様に、抽出液である水にマグネシウム塩を添加し米胚芽からグルタミン酸脱炭酸酵素を抽出すると、水のみで抽出した液では起きなかった酵素反応が生じた。そして、マグネシウム塩を加えたグルタミン脱炭酸酵素抽出液は、酵素反応がグルタミン酸脱炭酸酵素の抽出のときに使用したと同量の米胚芽を用いたときに生ずる酵素反応と同じ活性を保持していることが確認できた。
【0016】
したがって、カルシウム塩またはマグネシウム塩を含んだ水により、米胚芽からグルタミン酸脱炭酸酵素を抽出した抽出液の酵素作用により、グルタミン酸またはグルタミン酸ナトリウムなどのグルタミン酸の塩をγ−アミノ酪酸に転換することが可能である。このため、グルタミン酸脱炭酸酵素を保持していない食品に、グルタミン酸脱炭酸酵素を含有する抽出液を添加することにより、その食品が保持するまたはグルタミン酸脱炭酸酵素による酵素反応によって新たに生成されるグルタミン酸がγ−アミノ酪酸に転換される。すなわち、従来γ−アミノ酪酸が存在し得なかった食品(飲料を含む)にもグルタミン酸またはグルタミン酸塩を新たに添加することなしに、前記の酵素抽出液を添加することにより、γ−アミノ酪酸を含有させることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、本発明の実施例について説明する。本実施例は、グルタミン酸脱炭酸酵素を含む米胚芽をカルシウムの塩またはマグネシウムの塩を含む溶液に投入し、米胚芽に含まれているグルタミン酸脱炭酸酵素を、酵素活性を保持したまま溶液側に抽出するものである。また、製造したグルタミン酸脱炭酸酵素含有抽出液を利用して、γ−アミノ酪酸を製造するものである。
【0018】
使用する米胚芽のグルタミン酸脱炭酸酵素の活性は、品種や精米時の状況、精米後の保存方法などで異なるため、あらかじめ酵素活性を検査しておくことが望ましい。酵素活性の検査方法は、pH緩衝液(pH5.5)中で米胚芽とグルタミン酸ナトリウムおよび試薬のピリドキサルリン酸を35〜40℃で反応させて行なう。使用する米胚芽には、米糠が混じっていても良いが米胚芽単独の方が良い。米糠からの米胚芽の分離は、精米時に排出された米胚芽を含む米糠を、サイクロンまたはふるいにかけることによって容易に行なうことができる。
【0019】
添加するカルシウムの塩の量は微量(カルシウムの濃度で0.3ミリモル/リットル以上)で良い。カルシウムの塩としては、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、塩化カルシウム、リン酸カルシウム、クエン酸カルシウム、グリセロリン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、L−グルタミン酸カルシウム、乳酸カルシウム、パントテン酸カルシウム、プロピオン酸カルシウム、ピルビン酸カルシウムがあげられる。また、マグネシウムの塩を添加する場合も微量で良く、マグネシウムの濃度で0.3ミリモル/リットル以上で良い。マグネシウムの塩としては、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、塩化マグネシウム、L−グルタミン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウムがあげられる。
【0020】
抽出時の温度は、5〜45℃、好ましくは40℃が良い。抽出温度が高いと、酵素が米胚芽から液中に溶出してくる時間も早くなるが、抽出時に酵素が熱変性し酵素活性が保てない。したがって、抽出温度と抽出時間との間には関連があり、抽出温度が高い場合は抽出時間を短くする。抽出時間は、1時間以上が良く、抽出温度が40℃の場合、抽出時間は1時間で良い。抽出温度が低い場合は、抽出時間を1時間以上にすることが好ましい。抽出液のpHは、カルシウム塩またはマグネシウム塩を添加した水のなりゆきでかまわないが、望ましくは4.5〜6.5とすると良い。抽出液のpH調整は、塩酸、リン酸などの無機酸で行なうことが好ましい。有機酸は、リンゴ酸のようにグルタミン酸脱炭酸酵素の酵素反応を阻害するものがあり、抽出後におけるグルタミン酸脱炭酸酵素の酵素反応を阻害する可能性がある。
【0021】
また、上述のようにして製造したグルタミン脱炭酸酵素含有液を用いて、γ−アミノ酪酸を生成する酵素反応を起させる場合、補酵素であるピリドキサルリン酸がないと反応が進まない。ピリドキサルリン酸は、補酵素として酵素と結合し、基質であるグルタミン酸と中間体を作ったのちに、脱炭酸してγ−アミノ酪酸を生成する。しかし、ピリドキサルリン酸は、食品添加物として認められていないため、食品素材としてγ−アミノ酪酸を生成する場合、市販の精製品を添加することができない。そこで、γ−アミノ酪酸製造時は、ピリドキサルリン酸の誘導体であるピリドキシン含有物(添加剤A)を添加することで反応が進むため、添加物Aを投入することが好ましい。
【実施例1】
【0022】
40℃の水2.0Lに添加剤A(ピリドキシン含有物)2.0gとグルタミン酸ナトリウム20gを入れて溶解し、その後コシヒカリから調整した米胚芽440gを添加して、24時間反応させた。反応後の液を孔径0.5μmのフィルタで濾過したのち、HPLC(高速クロマトログラフィー)でγ−アミノ酪酸の濃度を分析した。分析したγ−アミノ酪酸の濃度から転換率(投入したグルタミン酸ナトリウムのうち、γ−アミノ酪酸に転換された量の百分率)を計算した。得られた転換率の値は、図1に「米胚芽を用いた場合」として示した。
【0023】
一方、40℃の水2.5Lに添加剤A2.5gとコシヒカリから調整した米胚芽550gを添加して、抽出時間を1時間、5時間、15時間の3通りにしてグルタミン酸脱炭酸酵素の抽出操作を行った。抽出後の液をガーゼで濾過して米胚芽を取り除いたのち、100g(gは、重力加速度)で5分間遠心分離して上清液を得た。得られた上清液2.0Lにグルタミン酸ナトリウム20gを添加して、24時間反応後、γ−アミノ酪酸の濃度を分析し転換率を計算した。得られた転換率の値は、図1に「抽出1時間」、「抽出5時間」、「抽出15時間」として示した。
【実施例2】
【0024】
図2の「米胚芽を用いた場合」と「水抽出1時間」との場合の値は、図1の値と同様である。
一方、40℃の水2.5Lに添加剤A2.5gとコシヒカリから調整した米胚芽550gおよび塩化カルシウム・二水和物0.18gを添加して、1時間グルタミン酸脱炭酸酵素抽出操作を行った。抽出後の液をガーゼで濾過して米胚芽を取り除いたのち、100g(gは、重力加速度)で5分間遠心分離して上清液を得た。得られた上清液2.0Lにグルタミン酸ナトリウム20gを添加し、24時間40℃で反応させたのち、反応後のγ−アミノ酪酸の濃度を分析し転換率を計算した。得られた転換率の値は、図2に「カルシウム塩添加の場合」として示した。
【実施例3】
【0025】
図3の「米胚芽を用いた場合」と「水抽出1時間の場合」との値は、図1の値と同様である。
一方、40℃の水2.5Lに添加剤A2.5gとコシヒカリから調整した米胚芽550gおよび塩化マグネシウム・六水和物0.25gを添加して、1時間グルタミン酸脱炭酸酵素抽出操作を行った。抽出後の液をガーゼで濾過し米胚芽を取り除いたのち、100g(gは、重力加速度)で5分間遠心分離して上清液を得た。得られた上清液2.0Lにグルタミン酸ナトリウム20gを添加して、24時間40℃で反応させたのち、反応後のγ−アミノ酪酸の濃度を分析して転換率を計算した。得られた転換率の値は、図3に「マグネシウム塩添加の場合」として示した。
【産業上の利用可能性】
【0026】
カルシウム塩またはマグネシウム塩を添加した水によって米胚芽、胚芽を含む米糠または胚芽米からグルタミン酸脱炭酸酵素を抽出した酵素含有抽出液を、グルタミン酸脱炭酸酵素を保持していない食品に添加することで、その食品中のグルタミン酸またはグルタミン酸の塩をγ−アミノ酪酸転換でき、γ−アミノ酪酸が存在し得なかった食品にも酵素反応でγ−アミノ酪酸を含有させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】水のみによって米胚芽からグルタミン酸脱炭酸酵素を抽出した抽出液によるグルタミン酸のγ−アミノ酪酸への転換率を示す図である。
【図2】実施の形態に係るカルシウム塩を添加した水によって、米胚芽からグルタミン酸脱炭酸酵素を抽出した抽出液によるグルタミン酸のγ−アミノ酪酸への転換率を示す図である
【図3】実施の形態に係るマグネシウム塩を添加した水によって、米胚芽からグルタミン酸脱炭酸酵素を抽出した抽出液によるグルタミン酸のγ−アミノ酪酸への転換率を示す図である

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カルシウムの塩またはマグネシウムの塩を含む溶液に、米胚芽、胚芽を含む米糠または胚芽米の少なくとも1種を投入し、前記米胚芽、胚芽を含む米糠または胚芽米中のグルタミン酸脱炭酸酵素を前記溶液中に溶出させることを特徴とするグルタミン酸脱炭酸酵素の抽出方法。
【請求項2】
請求項1に記載のグルタミン酸脱炭酸酵素の抽出方法により得た前記グルタミン酸脱炭酸酵素の含有液を、前記米胚芽、胚芽を含む米糠または胚芽米から分離したことを特徴とするグルタミン酸脱炭酸酵素抽出液。
【請求項3】
請求項2に記載のグルタミン酸脱炭酸酵素抽出液をグルタミン酸またはグルタミン酸の塩と反応させてγ−アミノ酪酸を生成することを特徴とするγ−アミノ酪酸の製造方法。
【請求項4】
請求項2に記載のグルタミン酸脱炭酸酵素抽出液を食品に添加し、前記食品中のグルタミン酸またはグルタミン酸の塩と反応させてγ−アミノ酪酸を生成することを特徴とするγ−アミノ酪酸含有食品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−67963(P2006−67963A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−258123(P2004−258123)
【出願日】平成16年9月6日(2004.9.6)
【出願人】(000005452)日立プラント建設株式会社 (1,767)
【出願人】(598094779)たいまつ食品株式会社 (8)
【Fターム(参考)】