説明

グルタロニトリルからジアミノピリジンを合成するための連続液相法

グルタロニトリルから2,6−ジアミノピリジンおよび関連化合物を製造するための液相連続法が提供され、それらは種々の有用な材料の合成における化合物としておよび成分として工業的に用いられる。合成は、脱水素芳香族化方法によって進行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2008年12月18日出願の米国仮特許出願第61/138,792号明細書からの35U.S.C.§119(e)に基づく優先権を主張し、本仮特許出願の利益を主張するものである。この明細書は、その全体がすべての目的のために本明細書の一部として援用される。
【0002】
本発明は、ジアミノピリジンおよび関連化合物の製造、ならびに有用な他の材料の合成のためのジアミノピリジンおよび関連化合物の工業的用途に関する。
【背景技術】
【0003】
以下に示した構造式
【化1】

によって示される化合物2,6−ジアミノピリジン(「DAP」)は、染料、金属配位子、薬剤および殺虫剤の調製のみならず、特許文献1に記載されたような硬質ロッドポリマーのためのモノマーを調製するために有用な出発材料である。
【0004】
有機溶媒中でピリジンをナトリウムアミドと反応させるチチバビンアミノ化反応によってDAPを調製することは周知である。これは複雑な反応であり、ナトリウムアミドを取扱い、この複雑な混合物から所望の生成物を分離するのは商業規模で実行するのが困難である。
【0005】
グルタロニトリルまたはグルタルイミジンからの2,6−ジアミノピリジンおよび関連化合物の合成は、脱水素芳香族化反応を介して進行すると表現してよい。液体アンモニア原液またはアンモニアと極性非プロトン溶媒の混合物中で非環式ジニトリル化合物を化学酸化剤および/または脱水素触媒に接触させ、密閉容器中で反応混合物を加熱することによるグルタロニトリルおよび関連化合物から2,6−ジアミノピリジンおよび関連化合物を調製するバッチ式方法は、特許文献2(以前、国際公開第94/25506号パンフレットとして公開され、米国特許出願公開第20xx/0xxxxxx号明細書として公開された)に記載されている。この特許出願は、参照により、その全体がすべての目的のために本明細書の一部として援用される。
【0006】
液体アンモニア原液またはアンモニアと極性非プロトン溶媒の混合物中でグルタルイミジンを化学酸化剤および/または脱水素触媒に接触させ、密閉容器中で反応混合物を加熱することによるグルタルイミジンおよび関連化合物から2,6−ジアミノピリジンおよび関連化合物を調製するバッチ式方法は、特許文献3(以前、国際公開第2008/82500号パンフレットとして公開され、米国特許出願公開第20xx/0xxxxxx号明細書として公開された)に記載されている。この特許出願は、参照により、その全体がすべての目的のために本明細書の一部として援用される。
【0007】
気体状の非環式ジニトリル化合物を脱水素触媒に接触させ、アンモニアガス、またはアンモニアガスとキャリアガスとの混合物の存在下で加熱することにより、グルタロニトリルおよび関連化合物から2,6−ジアミノピリジンおよび関連化合物を調製するための連続気相方法は、特許文献4(2008年7月8日に出願され、特許公報第20xx/0xxxxxx号明細書として公開されている)において記載されている。この明細書は、参照により、その全体がすべての目的のために本明細書の一部として援用される。
【0008】
アミノピリジンを製造するためのこれらの既存の方法にもかかわらず、アミノピリジン、および特にDAPおよび関連化合物の連続液相調製のための方法が必要とされ続けている。これは、かかる方法の生産性を高め得る、より低い温度および/またはより高い圧力で反応を行うことを可能にするであろう。
【0009】
本明細書で開示される発明は、ジアミノピリジンおよび関連化合物の調製方法、ジアミノピリジンおよび関連化合物を転化できる生成物の調製方法およびかかる方法によって得られた生成物および得ることができる生成物を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】国際公開第94/25506号パンフレット
【特許文献2】米国特許出願第SN12/519,592号明細書(2009年6月17日出願)
【特許文献3】米国特許出願第SN12/516,005号明細書(2009年5月22日出願)
【特許文献4】米国特許出願第12/169,152号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の方法の幾つかの特徴は、種々のそうした特徴を組み合わせている特定の1つ以上の実施形態の文脈において本明細書に記載される。しかしながら本発明の範囲は、いずれかの特定の実施形態内の幾つかの特徴のみの記載によって限定されず、本発明は、(1)記載されたいずれかの実施形態の特徴のすべてよりも少ない下位組み合わせであって、下位組み合わせを形成するために割愛された特徴が存在しないことによって特徴付けられてもよい下位組み合わせ、(2)記載されたいずれかの実施形態の組み合わせ内に個々に含まれる特徴の各々、および(3)本明細書の他の箇所で開示された他の特徴と場合により一緒にして、記載された2つ以上の実施形態の選択された特徴のみをグループに分けることにより形成された特徴の他の組み合わせも包含する。本明細書の方法の特定の実施形態の幾つかは次の通りである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本明細書の一実施形態において、本発明は、以下の式(I)
【化2】

の構造によって表される化合物を合成する連続方法であって、
(a)以下の式(II)
【化3】

(式中、RおよびRはそれぞれ独立してHおよびヒドロカルビル基から選択される)の構造によって表される液状の化合物を提供し、
(b)純液体アンモニア、液体アンモニアと溶媒の混合物、およびアンモニアガスからなる群から選択されたアンモニア成分を提供し、
(c)不均一脱水素触媒を加熱し、
(d)触媒の存在下で式(II)化合物とアンモニア成分を接触させることによって、
式(I)生成物を製造する、方法を提供する。
【0013】
本明細書の別の実施形態において、本発明は、式(I)化合物から化合物(モノマーとして有用な化合物などの)、オリゴマーまたはポリマーを調製するために、式(I)化合物を反応(多工程反応を含む)に供する工程を更に含む、式(I)化合物を調製する上述した通りの方法を提供する。
【0014】
本明細書の方法の有利な特徴は、本方法が連続方式において液相中で行われ、それによって液相法において全体的な反応時間の大幅な短縮をもたらすとともに単離せずに成分再循環を可能にすることである。例えば、本方法は、低温、例えば約160℃の温度で短い反応時間で行ってもよい。こうした特徴は連携して経済的に有利な方法をもたらす。
【0015】
本発明の種々の特徴および/または実施形態を以下に記載の図において例示する。これらの特徴および/または実施形態は例示にすぎず、図面に含めるためのこれらの特徴および/または実施形態の選択は、図に含まれていない主題が本発明を実施するために適さない、または図に含まれていない主題が添付の特許請求の範囲およびその均等物から除外されるということを示すものとして解釈されるべきでない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本明細書の方法において用いてよい反応器の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本明細書に記載された方法において、グルタロニトリルおよび関連化合物からの2,6−ジアミノピリジンおよび関連化合物の液相調製のための連続方法が提供される。
【0018】
本明細書の方法の一実施形態において、[以下で示された式(I)の構造によって表される]ジアミノピリジン化合物は、[以下で示された式(II)の構造によって表される]非環式ジニトリル化合物から、液状の非環式ジニトリル化合物を提供し、純液体アンモニア、液体アンモニアと溶媒の混合物、およびアンモニアガスからなる群から選択されたアンモニア成分を提供し、脱水素触媒を加熱し、加熱された触媒の存在下でジニトリル化合物とアンモニア成分を接触させることによって、所望のジアミノピリジン[式(I)]生成物を製造して、合成してもよい。
【化4】

【化5】

【0019】
式(I)および式(II)において、RおよびRはそれぞれ独立してHおよびヒドロカルビル基から選択される。RまたはRにおいて用いるために適するヒドロカルビル基の例は、
〜C12、C〜C、C〜CまたはC〜C直鎖または分岐、飽和または不飽和、置換または非置換の脂肪族ヒドロカルビル基および
〜C12、C〜CまたはC〜C環式、飽和または不飽和、置換または非置換の脂肪族ヒドロカルビル基
を非限定的に含む。
【0020】
上述した非置換ヒドロカルビル基は炭素と水素以外の原子を含まない。
置換ヒドロカルビル基において、
O、N、SおよびPから選択された1個以上のヘテロ原子は、鎖内(すなわち、非末端)炭素原子または環内炭素原子のいずれか1個以上を場合により置換してよい。但し、各ヘテロ原子が、少なくとも1個、好ましくは2個の炭素原子によって最寄りのヘテロ原子から隔てられ、炭素原子が、2個以上のヘテロ原子に結合されないことを条件とする。および/または
場合により1個以上のハロゲン原子が末端炭素原子に結合されてよい。
【0021】
しかし、更に、置換C〜C12環式ヒドロカルビル基は、環構造中の炭素原子に結合された1個以上のC〜CまたはC〜C直鎖または分岐、飽和または不飽和の脂肪族ヒドロカルビル基を含んでよく、こうした基自体は、場合によりO、N、SおよびPから選択された1個以上のヘテロ原子で置換されており、および/または上述した状態を前提として1個以上のハロゲン原子を含む。
【0022】
本明細書において用いるために適するC〜C12直鎖または分岐、飽和または不飽和、置換または非置換の脂肪族ヒドロカルビル基は、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−オクチル、トリメチルペンチル、アリルおよび/またはプロパルギル基を含んでよい。不飽和脂肪族基は、ジエニル構造またはターペニル構造におけるような1個以上の二重結合もしくはアセチレニル構造におけるような三重結合を含んでよい。本明細書において用いるために適するC〜C12環式、飽和または不飽和、置換または非置換の脂肪族ヒドロカルビル基は、例えば、シクロヘキサン、シクロオクタン、ノルボルナン、ノルボルネン、ペルヒドロ−アントラセン、アダマンタンまたはトリシクロ−[5.2.1.02.6]−デカン基を骨格としてその構造中に含む脂環式官能基を含んでよい。好ましくは、RとRの一方または両方はHである。
【0023】
とRの両方がHであるとき、非環式ジニトリルはグルタロニトリル(「GN」)であり、式(I)化合物は、以下に示した式の構造によって表される2,6−ジアミノピリジン(「DAP」)である。
【化6】

【0024】
本明細書における出発材料として用いるための式(II)の種々の化合物は、当該技術分野において公知の方法によって合成してよいか、またはAlfa Aesar(Ward Hill,Massachusetts)、City Chemical(West Haven,Connecticut)、Fisher Scientific(Fairlawn,New Jersey)、Sigma−Aldrich(St.Louis,Missouri)またはStanford Materials(Aliso Viejo,California)などの供給業者から市販されている。
【0025】
本明細書の方法において、液状の式(II)非環式ジニトリル化合物は、純液体アンモニア、液体アンモニアと溶媒の混合物、およびアンモニアガスからなる群から選択されたアンモニア成分に接触させられる。
【0026】
反応は液相中で行われる。すなわち、反応温度および反応圧力は、選択された反応条件下で反応において用いられる特定の式(II)化合物の沸点より低い温度で運転することにより式(II)化合物リッチ相のための液状態を確保するように選択される。例えば、式(II)化合物がグルタロニトリル(すなわち、RおよびRは両方ともHである)である時、式(II)化合物の沸点は、[Design Institute for Physical Properties(DIPPR(登録商標))2004において記載された通り]大気圧(1atm、0.101MPa)で286℃、2atm(0.203MPa)で319℃、5atm(0.507MPa)で370℃、7atm(0.709MPa)で392℃および10atm(1.01MPa)で417℃である。従って、例えば、2atm(0.203MPa)の圧力で、選択される反応温度は、グルタロニトリル−リッチ相を液体として維持するために319℃より低いであろう。
【0027】
本明細書の方法において、液体状である式(II)の化合物は、不均一脱水素触媒の存在下でアンモニア成分に接触させられる。本明細書の方法において用いるために適する触媒は、それ自体が反応において実質的に消費されずに反応の平衡への接近の速度を高める物質である。本明細書において用いるために適する脱水素触媒は、典型的には、少なくとも1種の金属または金属塩を含み、ここで、触媒中で用いるための金属は、例えば、周期律表の族IVA、VA、VIA、VIIA、VIII、IBおよび/またはIIB[こうした族は、例えば、CottonおよびWilkinsonによるAdvanced Inorganic Chemistry,Interscience,New York,2nd.Ed.(1966年)などの参考文献中の周期律表に記載されている]の元素から選択される。それ自体でまたは金属塩で用いるための特定の金属は、鉄、コバルトおよびニッケルなどの族VIII元素から、および/またはルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウムおよび白金を含む金属の白金族群から選択してよい。金属の白金族群およびそれらの塩が好ましく、より好ましくは、白金およびパラジウムならびにそれらの塩である。Raney(登録商標)鉄、Raney(登録商標)ニッケル、Raney(登録商標)コバルト(Raneyは、W.R.Grace and Companey,(Columbia MD USA)の登録商標である)および同等のスポンジ金属触媒を制限なく含むスポンジ金属触媒も用いてもよい。
【0028】
不均一触媒において、所望の元素の金属または金属塩は、十分に高い表面積を有する任意の担体上に沈着させてよい。従って、不均一触媒は、均一触媒と反応物が、均一である同じ相に存在するとともに、均一触媒が、かかる相中で反応物と共に分子的に分散されているという意味で、担持されていない均一触媒から区別され得る。
【0029】
本明細書において用いられる不均一触媒のための担体は非晶質であっても、または結晶構造を有しても、または非晶部分と結晶部分の両方を含んでもよい。担体は表面−OH基を各々が有する固体金属酸化物または固体非金属酸化物であってもよい。こうした金属酸化物の例は、遷移金属または非遷移金属、もしくはアルミナ、チタニア、酸化コバルト、ジルコニア、セリア、酸化モリブデンおよび酸化タングステンなどのいずれかの希土類であってもよい三価金属または四価金属からの酸化物である。典型的な非金属酸化物の例はシリカである。担体は、分子次元の溝を有する長い網目を作るために酸素原子を通して接続された四面体から構成された構造を有するゼオライト材料またはゼオタイプ材料であってもよい。ゼオライト材料またはゼオタイプ材料は、典型的に、外面または内面上にSiOH基および/またはAlOH基を有する。担体は、活性炭、コークスまたはチャコールであってもよい。好ましくは、担体は、アルミナ、シリカ、シリカライト、セリア、チタニアまたは炭素、より好ましくは、アルミナ、シリカまたは炭素の少なくとも1種である。
【0030】
本明細書の方法の一実施形態において、反応は、液状の反応物として液状の式(II)ジニトリル化合物、および原液、または液体アンモニアと溶媒の混合物における液体アンモニアを所望の触媒が装填されている反応器に注入することにより行われる。式(II)ジニトリル化合物は原液または溶液で供給してよい。式(II)ジニトリル化合物のために適する溶媒は、エタノール、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフランおよびアセトンを制限なく含む。混合溶媒を用いることが可能である。エタノールが式(II)ジニトリル化合物のための溶媒として好ましい。アンモニア成分が液体アンモニアと溶媒の混合物である場合、当該目的のために適する溶媒は、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミドおよびピリジンを制限なく含む。1,4−ジオキサン+ピリジンなどの混合溶媒を用いることも可能である。
【0031】
本明細書の方法の更なる実施形態において、アンモニア成分は気体状である。無水アンモニアとしてのアンモニアは約−33℃の沸点を有し、従って、周囲温度で気体として入手でき、そのままで反応器に注入するために用いてよい。
【0032】
本明細書の反応は液相中で行われる。すなわち、反応温度および反応圧力は、選択された反応条件下で反応において用いられる特定の式(II)化合物の沸点より低い温度で運転することにより式(II)化合物リッチ相のための液状態を確保するように選択される。反応は、適切には、約125℃以上、または約150℃以上、なおかつ約300℃以下または約200℃以下もしくは175℃以下であってよく、または約125℃〜約300℃の範囲内、約125℃〜約200℃の範囲内、もしくは約150℃〜約175℃の範囲内であってよい温度で液相中で行うことが可能である。ここで言及される反応温度は、反応器の触媒域において触媒のために提供された温度である。これらの範囲内の温度は、反応器に対して外部源から、反応器の種々の部分を加熱することにより、特に反応器の触媒域、従って、触媒自体を取り囲むように設計された加熱エレメントから、提供される。選択された温度は、かくして、式(II)ジニトリル化合物とアンモニア成分を触媒の存在下で接触させる時に反応器の触媒域に存在する。
【0033】
反応は、周囲圧力で、もしくは約75atmまでまたは約150atmまで(約7.6MPaまでまたは約15.2MPaまで)の圧力で、または約1〜約10atm(約0.10〜約1.0MPa)の範囲内の圧力で、もしくは約1〜約2atm(約0.10〜約0.20MPa)の範囲内の圧力で行ってもよい。
【0034】
反応は、1分以下の時間の長さ、または約5秒〜約10秒の時間の長さ、もしくは約1秒〜約2秒の時間の長さ、または1秒未満の時間の長さにわたり行ってよい。しかし、すべての場合において、反応は、式(I)ジアミノピリジン反応生成物の液相生産を得るのに十分である温度および圧力で式(I)ジアミノピリジン反応生成物の液相生産を得るのに十分である時間にわたり行われる。
【0035】
種々の実施形態において、反応器に供給されるアンモニアの量は、供給される式(II)ジニトリル化合物のモル当量当たり、約1モル当量以上、または約10モル当量以上、もしくは約25モル当量以上、なおかつ約700モル当量以下、約400モル当量以下、もしくは約300モル当量以下であってよく、または1モル当量〜約700モル当量の範囲内、または約10モル当量〜400モル当量の範囲内、もしくは約25モル当量〜300モル当量の範囲内であってよい。なお他の実施形態において、ジアミノピリジン化合物は、反応において用いられる式(II)ジニトリル化合物のモル当量当たり約1〜約400モル当量の範囲内の濃度で製造してよい。
【0036】
本明細書の方法において用いるために適する反応器には、触媒粒子が所定の位置で保持され、そして固定滞留フレームに対して動かない固定床反応器およびパイプ反応器、チューブラー反応器または他のピストン流れ反応器など、または流動床反応器が挙げられる。反応物は、反応器の下流端で生成物の対応する連続流れを与えるために連続ベースで、これらなどの反応器に流入し、これらなどの反応器を通して流れてよい。これらの反応器および他の適する反応器は、例えば、Fogler,Elements of Chemical Reaction Engineering,2nd Edition,Prentice−Hall Inc.(1992年)においてより詳しく記載されている。本明細書の方法の実施形態において用いられた通りの連続固定床液相反応器の一例を図1に示している。図1に示した通りの反応器において、アンモニア成分(1)およびジニトリル供給材料(2)の流入ラインは、反応物を適する温度に保つためにヒートトレースされ、触媒域(3)の温度はその場所で別個の加熱素子によって制御されている。反応器からの排出液(4)から、ジアミノピリジン生成物が収集される。
【0037】
例えば、上述した方式で製造された後の式(I)化合物(「ピリジン生成物」)は、望みに応じて、分離し、そして回収してよい。しかし、ピリジン生成物は反応混合物からの回収を伴ってまたは回収なしで更なる工程に供して、もう1種の化合物(例えばモノマーとして有用なタイプなど)、またはオリゴマーもしくはポリマーなどのもう1種の生成物にピリジン生成物を転化してもよい。従って、本明細書のもう1つの実施形態は、反応(多工程反応を含む)を通して、もう1つの化合物、またはオリゴマーもしくはポリマーにピリジン生成物を転化するための方法を提供する。ピリジン生成物を、上述したような方法によって製造し、その後、例えば、重合反応に供することにより転化させて、アミド官能基、イミド官能基またはウレア官能基を有するオリゴマーまたはポリマーなどの、ピリジン生成物からオリゴマーまたはポリマー、もしくはピリドビスイミダゾール−2,6−ジイル(2,5−ジヒドロキシ−p−フェニレン)ポリマーを調製してもよい。
【0038】
ジアミノピリジンなどのピリジン生成物は、例えば、反応の条件下で液体であり、二酸(ハロゲン化物)とジアミノピリジンの両方のための溶媒であるとともに、高分子生成物に関して膨潤作用または部分保護作用を有する有機化合物中の溶液中で重合が起きる方法において二酸(または二酸ハロゲン化物)との反応によってポリアミドオリゴマーまたはポリマーに転化させてもよい。この反応は、中程度の温度、例えば、100℃未満で行ってもよく、好ましくは、選択された溶媒に可溶性でもある酸受容体の存在下で行われる。適する溶媒には、メチルエチルケトン、アセトニトリル、N,N−ジメチルアセトアミド、5%塩化リチウムを含有するジメチルホルムアミド、およびメチルトリ−n−ブチルアンモニウムクロリドまたはメチル−トリ−n−プロピルアンモニウムクロリドなどの第四アンモニウムクロリドを含有するN−メチルピロリドンが挙げられる。反応剤成分の組み合わせはかなりの熱の発生を引き起こし、攪拌も熱エネルギーの発生をもたらす。その理由で、所望の温度を維持するために冷却が必要である時、溶媒系および他の材料をプロセス中に常に冷却する。前述の方法に類似の方法は、米国特許第3,554,966号明細書、米国特許第4,737,571号明細書およびCA第2,355,316号明細書に記載されている。
【0039】
同様に、ジアミノピリジンなどのピリジン生成物は、2つの相の界面で重合を引き起こすために第1の溶媒に不混和性である第2の溶媒中で、例えば、溶媒中のジアミノピリジンの溶液を酸受容体の存在下で二酸または二酸クロリドなどの二酸ハロゲン化物の溶液に接触させてもよい方法において二酸(または二酸ハロゲン化物)との反応によってポリアミドオリゴマーまたはポリマーに転化させてもよい。ジアミノピリジンは、例えば、塩基を含有する水に溶解または分散させてもよい。塩基は、重合中に発生した酸を中和させるのに十分な量で用いられる。水酸化ナトリウムを酸受容体として用いてもよい。二酸(ハロゲン化物)のために好ましい溶媒は、テトラクロロエチレン、塩化メチレン、ナフサおよびクロロホルムである。二酸(ハロゲン化物)のための溶媒は、アミド反応生成物のために相対的に非溶媒であるとともにアミン溶媒に相対的に不混和性であるべきである。不混和性の好ましい限界は次の通りである。有機溶媒は、0.01重量%〜1.0重量%以下でアミン溶媒に可溶性であるべきである。ジアミノピリジン、塩基および水を一緒に添加し、激しく攪拌する。スターラーの高い剪断作用は重要である。酸塩化物の溶液を水性スラリーに添加する。接触は、例えば、室温で約1秒〜10分、好ましくは5秒〜5分にわたって0℃〜60℃で一般に行われる。重合は迅速に行われる。前述の方法に類似の方法は、米国特許第3,554,966号明細書および米国特許第5,693,227号明細書に記載されている。
【0040】
同様に、ジアミノピリジンなどのピリジン生成物は、(典型的には、等モル量における)各試薬を共通溶媒に溶解させ、生成物が0.1〜2dL/gの範囲内の粘度を有するまで混合物を100〜250℃の範囲内の温度に加熱する方法において四酸(またはそのハロゲン化物誘導体)または二酸無水物との反応によってポリイミドオリゴマーまたはポリマーに転化させてもよい。適する酸または酸無水物には、ベンズヒドロール3,3,’,4,4’−テトラカルボン酸、1,4−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二酸無水物、および3,3,’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二酸無水物が挙げられる。適する溶媒には、クレゾール、キシロール、ジエチレングリコールジエーテル、ガンマ−ブチロラクトンおよびテトラメチレンスルホンが挙げられる。あるいは、ポリアミド−酸生成物を反応混合物から回収してもよく、無水酢酸とベータピコリンの混合物などの脱水剤と共に加熱することによりポリイミドに進めてもよい。前述の方法に類似の方法は、米国特許第4,153,783号明細書、米国特許第4,736,015号明細書および米国特許第5,061,784号明細書に記載されている。
【0041】
同様に、ジアミノピリジンなどのピリジン生成物は、ポリイソシアネートとの反応によってポリウレアオリゴマーまたはポリマーに転化させてもよい。ポリイソシアネートの代表的な例には、トルエンジイソシアネート、メチレンビス(フェニルイソシアネート)、ヘキサメチレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネートが挙げられる。反応は、周囲温度で激しく攪拌しつつテトラメチレンスルホンとクロロホルムの混合物に両方の試薬を溶解させるなどにより溶液中で行ってもよい。水との分離またはアセトンおよび水との分離によって生成物を生じさせることが可能であり、その後、真空炉内で乾燥させることが可能である。前述の方法に類似の方法は、米国特許第4,451,642号明細書およびKumar,Macromolecules 17,2463(1984)に記載されている。ポリウレア生成反応は、酸受容体または緩衝剤を通常伴う水性液体にジアミノピリジンを溶解させるなどにより界面条件下で行ってもよい。ポリイソシアネートは、ベンゼン、トルエンまたはシクロヘキサンなどの有機液体に溶解させる。ポリマー生成物は、激しく攪拌すると2つの相の界面で生成する。前述の方法に類似の方法は、米国特許第4,110,412号明細書ならびにMillichおよびCarraher,Interfacial Syntheses,Vol.2,Dekker,New York,1977に記載されている。同様に、ジアミノピリジンは、米国特許第2,816,879号明細書に記載された界面プロセスにおけるようにホスゲンとの反応によってポリウレアに転化させてもよい。
【0042】
テトラアミノピリジンなどのピリジン生成物は、米国特許第5,674,969号明細書(参照により、その全体がすべての目的のために本明細書の一部として援用される)において開示されたように、減圧下で180℃に至るまで100℃より上での緩慢加熱下で強ポリリン酸中、2,5−ジヒドロキシテレフタル酸をテトラアミノピリジンの三塩酸塩−一水和物と重合させ、その後、水中に沈殿させることによって、または米国特許出願公開第2006/0287475号明細書(参照により、その全体がすべての目的のために本明細書の一部として援用される)において開示されたように、約50℃〜約110℃、およびその後145℃の温度でモノマーを混合して、オリゴマーを形成し、その後、約160℃〜約250℃の温度でオリゴマーを反応させることによってピリドビスイミダゾール−2,6−ジイル(2,5−ジヒドロキシ−p−フェニレン)ポリマーに転化させてもよい。こうして製造されたピリドビスイミダゾール−2,6−ジイル(2,5−ジヒドロキシ−p−フェニレン)ポリマーは、例えば、ポリ(1,4−(2,5−ジヒドロキシ)フェニレン−2,6−ピリド[2,3−d:5,6−d’]ビスイミダゾール)ポリマーまたはポリ[(1,4−ジヒドロジイミダゾ[4,5−b:4’,5’−e]ピリジン−2,6−ジイル)(2,5−ジヒドロキシ−1,4−フェニレン)]ポリマーであってもよい。しかし、そのピリドビスイミダゾール部分は、ベンゾビスイミダゾール、ベンゾビスチアゾール、ベンゾビスオキサゾール、ピリドビスチアゾールおよびピリドビスオキサゾールのうち、任意の1つまたは複数によって置換されていてもよい。その2,5−ジヒドロキシ−p−フェニレン部分は、イソフタル酸、テレフタル酸,2,5−ピリジンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、2,6−キノリンジカルボン酸および2,6−ビス(4−カルボキシフェニル)ピリドビスイミダゾールの1つ以上の誘導体によって置換されていてもよい。
【実施例】
【0043】
本明細書の方法の有益な特性および効果は、以下に記載した一連の実施例(実施例1〜2)において見ることが可能である。実施例が基づくこれらの方法の実施形態は単なる例示であり、本発明を例示するための実施形態の選択は、これらの実施例に記載されていない条件、レジーム、工程、技術、構成、プロトコル、材料または反応物がこれらの方法を実施するために適切でないということを示すものではなく、またこれらの実施例で記載されなかった主題が添付された特許請求の範囲およびその均等物の範囲から除外されることを示すものでもない。
【0044】
材料
実施例において以下の材料を用いた。グルタロニトリル(99%)、エタノール(99.5%)および2,6−ジアミノピリジン(98%)などの商用試薬をAldrich Chemical Company(Milwaukee,Wisconsin,USA)から購入し、別段に注記がないかぎり受領したまま用いた。パラジウム(1/16インチ丸ビーズとしてアルミナ上で0.5重量%)触媒をEngelhard Corporation(現在は、BASF Catalysts LLC,(Florham Park,New Jersey,USA))から購入し、別段に注記がないかぎり受領したまま用いた。無水アンモニア(99.99%)をMG Industries(Malvern,Pennsylvania,USA)から購入し、受領したまま用いた。
【0045】
方法
これらの実施例において、(特定の実施例の説明において注記された場合を除き)以下のプロトコルを用いた。3/8インチ(0.95cm)316S.S.管材料から製造された特注の固定床液相反応器中で反応を行った(以下の数値参照は、図1に関する)。無水アンモニア(1)と有機反応物の混合物の連続流れ下で反応器を運転した。場合により、有機反応物をエタノールなどの溶媒に溶解し、シリンジポンプ(Isco Model 100DM)(2)によって液体として計量しながら供給し、液体供給材料を加熱された注入器に通し、液体供給材料を加熱されたアンモニアガスと組み合わせることにより反応温度に加熱した。アンモニアを質量流量コントローラ(Brooks Model 5850E)により計量しながら供給した。入口ラインおよび液体注入器を電気加熱テープによりヒートトレースして、触媒反応域(3)に接触させる前に反応器供給材料を予熱した。反応器および触媒反応域を電気管状炉により加熱した。深冷器およびその後注射器針を通して反応器流出液を、排気口のある冷却されたサンプルバイアルに通し、サンプルバイアル内で液体生成物を収集し(4)、装置全体を収容する換気フードに未反応アンモニアを排気した。循環浴を用いて、これらのサンプル回収バイアルを冷却した。
【0046】
実施例において用いられた略号の意味は次の通りである。「bp」は沸点を意味し、「cm」はセンチメートルを意味し、「DAP」は、2,6−ジアミノピリジンを意味し、「g」はグラムを意味し、「GN」はグルタロニトリルを意味し、「LDL」は下部検出限界を意味し、「min」は分を意味し、「mL」はミリリットルを意味し、「MHz」はメガヘルツを意味し、「NMR」は核磁気共鳴分光分析を意味し、「mol」はモルを意味し、「mmol」はミリモルを意味し、「μmol」はマイクロモルを意味し、「Pd/Al」はアルミナ上のパラジウム触媒を意味し、「scc」は標準立方センチメートル(温度および圧力の標準状態での立方センチメートル)を意味し、「temp」は温度を意味し、「TLC」は薄層クロマトグラフィを意味する。
【0047】
実施例1〜2において、TLC(シリカゲル60F254プレート(2.5×7.5cm))および/またはH NMR分光分析によって、DAP生成に関する定性的証拠を、粗生成物混合物を指定された認証材料と比較して決定した。TLCの場合、LDLは1μmol/mL未満であると確認した。反応において生成した2,6−ジアミノピリジン(DAP)の%転化率をH NMRスペクトル積分に基づいて推定し、別段に指定がない限り500MHzで記録した。報告された温度は反応器の触媒域の温度である。
【0048】
実施例1〜2
これらの実施例は、GNのDAPへの定性的固定床液相転化を実証している。
【0049】
反応器域に触媒2gを投入し、反応器域を約160℃に予熱した。反応器入口ラインを約160℃に予熱した。一旦温度が平衡に達すると、無水アンモニア流量を1000sccアンモニア/分に設定した。エタノール(75.0g、1.63モル)中のグルタロニトリル(沸点285〜287℃)(25.0g、265.62ミリモル)の溶液をシリンジポンプに装填し、表1に示した通りの流量および反応器温度で反応域に供給した。指定条件での反応後、各実施例においてTLCおよび/またはH NMR分析によってDAPを検出した。
【0050】
【表1】

【0051】
数値の範囲が本明細書において挙げられる場合、その範囲は、範囲の終点ならびに範囲内のすべての個々の整数および端数を含み、より狭い範囲の各々があたかも明示的に挙げられるかのように、同じ程度に指定範囲内の値のより大きい群の下位群を形成するために終点、内部の整数および端数の種々の可能なすべての組み合わせによって形成されるより狭い範囲の各々もその範囲内に含む。数値の範囲を指定値より大きいとして本明細書において指定する場合、その範囲は、それにもかかわらず有限であり、本明細書に記載された本発明の文脈内で使用できる値によってその上限について制限される。数値の範囲を指定値より小さいとして本明細書において指定する場合、その範囲は、それにもかかわらず非零値によってその下限について制限される。
【0052】
本明細書において、別段に明示的に指定されない限りまたは慣例の文脈によって逆に明示的に指示されない限り、幾つかの特徴またはエレメントを、含む(comprising)、含む(including)、含有する(containing)、有する(having)、から構成される(being composed of)、または、によって(もしくは、から)構成される(being constituted by or of)として本明細書の主題の実施形態を陳述するか、または記載する場合、明示的に陳述または記載された本明細書の主題に加えて1つ以上の特徴またはエレメントが実施形態の中に存在してもよい。しかしながら、本明細書の主題の代替的実施形態は、幾つかの特徴またはエレメントから本質的になる(consisting essentially of)として陳述または記載されてもよく、その実施形態において、動作原理を、あるいは実施形態の際立った特徴を、著しく変更するであろう特徴またはエレメントはそこに存在しない。本明細書の主題の更なる代替的実施形態は、幾つかの特徴またはエレメントからなる(consisting of)として陳述または記載されてもよく、その実施形態において、あるいはその実体のない変形において、明確に陳述または記載された特徴またはエレメントのみが存在する。
【0053】
本明細書において、別段に明示的に指定されない限りまたは慣例の文脈によって逆に明示的に指示されない限り、
(a)特に「約」という用語によって修飾されたとき、本明細書において挙げられた量、サイズ、範囲、配合、パラメータならびに他の量および特性は、正確であってよいが、正確である必要がなく、そして許容差、換算係数、丸めおよび測定誤差など、ならびに指定値に対する機能等価および/または使用可能等価を本発明の文脈内で有する指定値外の値の指定値内の包含を反映して、近似および/または指定されたより(必要に応じて)大きいまたは小さいであってもよい。
(b)部、百分率または比のすべての数量は、重量による部、百分率または比として与えられる。
(c)本発明のエレメントまたは特徴の存在の陳述または記述に対する不定冠詞「a」または「an」の使用は、当該エレメントまたは特徴の存在を数において1つに制限しない。
(d)「include」、「includes」および「including」という単語は、実際にそうでない場合には「without limitation」という句があたかもそれらの後に続くかのように読み、解釈されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式(I)
【化1】

の構造によって表される化合物を合成する方法であって、
(a)以下の式(II)
【化2】

の構造によって表される液状の化合物を備える工程と、
(b)ニート液体アンモニア、液体アンモニアと溶媒の混合物、およびアンモニアガスからなる群から選択されるアンモニア成分を備える工程と、
(c)不均一系脱水素触媒を加熱する工程と、
(d)触媒の存在下で式(II)化合物とアンモニア成分を接触させて、式(I)生成物を製造する工程と
を含み、ここでRおよびRはそれぞれ独立してHおよびヒドロカルビル基から選択され、そして方法は連続方法である、上記方法。
【請求項2】
ヒドロカルビル基が、C〜C12直鎖または分岐、飽和または不飽和、置換または非置換の脂肪族ヒドロカルビル基、およびC〜C12環式、飽和または不飽和、置換または非置換の脂肪族ヒドロカルビル基からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
とRの一方または両方が、C〜C直鎖または分岐、飽和または不飽和、置換または非置換の脂肪族ヒドロカルビル基、およびHから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
とRの両方がHである請求項1に記載の方法。
【請求項5】
触媒が約125℃〜約300℃の範囲内の温度に加熱される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
触媒が約150℃〜約175℃の範囲内の温度に加熱される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
最大で約15.2MPaまでの圧力で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
不均一系脱水素触媒が、少なくとも1つの金属または金属塩および担体を含み、ここで金属または塩の金属が、周期律表の族IVA、VA、VIA、VIIA、VIII、IBおよび/またはIIBの元素から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
金属または塩の金属が、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、銅およびレニウムからなる群の1つまたはそれ以上のメンバーから選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
金属がスポンジ金属触媒である、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
金属または塩の金属が、パラジウムおよび白金からなる群の1つまたはそれ以上のメンバーから選択され、担体が、アルミナ、シリカおよび活性炭からなる群から選択された1つまたはそれ以上の材料を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
担体が、アルミナ、チタニア、酸化コバルト、ジルコニア、セリア、酸化モリブデン、酸化タングステン、シリカ、シリカライト、ゼオライトまたはゼオタイプ材料、活性炭、コークスおよび木炭からなる群から選択された1つまたはそれ以上の材料を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
とRの両方がHであり、不均一系脱水素触媒がパラジウムまたは白金を含み、および/または担体が、アルミナ、シリカおよび活性炭からなる群から選択された1つまたはそれ以上の材料を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
式(II)化合物が溶媒に溶解される、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
1分未満の時間行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
反応器に供給されるアンモニアの量が、供給される式(II)ジニトリル化合物のモル当量当たり約1モル当量〜約700モル当量の範囲内である、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
式(I)化合物を、それから化合物、オリゴマーまたはポリマーを製造するための反応にかける工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
製造されたポリマーが、アミド官能性、イミド官能性またはウレア官能性を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
製造されたポリマーが、ピリドビスイミダゾール−2,6−ジイル(2,5−ジヒドロキシ−p−フェニレン)ポリマーまたはポリ[(1,4−ジヒドロジイミダゾ[4,5−b:4’,5’−e]ピリジン−2,6−ジイル)(2,5−ジヒドロキシ−1,4−フェニレン)]ポリマーを含む、請求項17に記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2012−512889(P2012−512889A)
【公表日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−542427(P2011−542427)
【出願日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際出願番号】PCT/US2009/068435
【国際公開番号】WO2010/080488
【国際公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】