説明

グループ対抗歌合戦システム

【課題】 グループ対抗歌合戦を行う場合に、楽曲の登録操作が容易であるばかりでなく、歌唱する順番に注意を必要とせずに、歌合戦の興趣を十分に味わうことを可能とする。
【解決手段】 マイク51から入力された音声データに基づき利用者毎に声紋データを解析する声紋認識手段2と、解析された声紋データに利用者IDを付与して声紋情報登録部に登録する声紋情報登録手段3と、利用者を任意のグループに区別すると共に利用者IDを付加してグループ登録部に登録するグループ登録手段4と、歌唱された楽曲に対して利用者IDを特定する利用者ID特定手段5と、歌唱採点手段8で採点された当該楽曲の歌唱採点結果に基づき所定のアルゴリズムを用いて取得ポイントを生成してグループ毎に管理する採点結果管理手段6と、グループ間の優劣評価を表示手段53に表示させる管理情報表示手段7と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グループ対抗歌合戦システムに関するものであり、特に声紋認識により歌唱者を特定してグループ分けし、歌唱採点機能を用いてグループ対抗の歌合戦を行うことができるようにしたグループ対抗歌合戦システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年のカラオケ装置は、通常装備として歌唱採点機能が搭載されている。カラオケコンテンツの中には、この歌唱採点機能を利用して、チーム対抗で歌唱採点を競いながら歌合戦を楽しむことができるようにしたものがある。従来、このようなチーム対抗歌合戦に関連した技術が種々提案されている。
【0003】
例えば、複数の歌唱者が紅白に分かれて交互に歌唱して歌合戦を行う技術が開示されている(特許文献1参照)。この特許文献1に記載された技術は、カラオケ演奏をスタートするときに、紅組又は白組のイラストを表示して紅白いずれの組の歌唱曲であるかを表示して、歌う順番を分かりやすくしたものである。また、所定のタイミングで各組の得点を発表して、ゲーム性を高めている。
【0004】
また、グループ分けに伴う予約操作を容易にするための技術が開示されている(特許文献2参照)。この特許文献2に記載された技術は、楽曲ID及びグループIDをセットにして登録することができるリモコンを用いることにより、歌唱対象となる楽曲を予約する際に予約順番に神経を使わずにグループ別の予約操作を行うことができるようにしたものである。
【0005】
【特許文献1】特開平10−161674号公報
【特許文献2】特開平11−95771号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、カラオケ装置が設置されたカラオケボックスやスナック等で歌合戦を行う場合には、参加者毎に歌唱する楽曲を選択し、参加者自ら、あるいは代表者が、選択された楽曲をカラオケ装置に登録してゆく。この際、上記した特許文献1に記載された技術では、グループの区別や予約順番に注意を払いながら楽曲の登録を行わなければならなかった。
【0007】
この点、上記した特許文献2に記載された技術では、予約順番に神経を使わずにグループ別の予約操作を行うことができる。しかしながら、特許文献2に記載された技術では、選曲を行う毎にグループIDを選定しなければならなかったり、複数のリモコンにそれぞれグループIDを設定したりする必要があった。このため、さらに選曲操作を容易に行うことができる技術の開発が望まれていた。
【0008】
このように、従来の技術では、カラオケ装置を用いてグループ対抗の歌合戦を行う場合に、楽曲の登録操作が面倒であると共に、歌唱する順番に注意を必要とするため、歌合戦の興趣を十分に味わうことができない場合もあった。特に、多数の者が参加して行われるグループ対抗の歌合戦では、参加者が入り乱れて混沌とした状況となっており、選曲及び歌唱時に神経を使っていた。
【0009】
本発明は、上述した事情に鑑み提案されたもので、グループ対抗の歌合戦を行う場合に、楽曲の登録操作が容易であるばかりでなく、歌唱する順番に注意を必要とせずに、歌合戦の興趣を十分に味わうことが可能なグループ対抗歌合戦システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のグループ対抗歌合戦システムは、上述した事情に鑑み提案されたもので、以下の特徴点を備えている。
すなわち、本発明のグループ対抗歌合戦システムは、歌唱採点機能を有するカラオケ装置に組み込まれたシステムであり、声紋認識手段と、声紋情報登録手段と、グループ登録手段と、利用者ID特定手段と、採点結果管理手段と、管理情報表示手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
声紋認識手段は、マイクから入力された音声データに基づき利用者毎に声紋データを解析するための手段である。声紋情報登録手段は、利用者毎に解析された声紋データに利用者IDを付与して声紋情報登録部に登録するための手段である。グループ登録手段は、利用者を任意のグループに区別すると共に、声紋情報登録部に登録された利用者IDを付加してグループ登録部に登録するための手段である。利用者ID特定手段は、任意の楽曲が歌唱された際に、声紋認識手段により解析された声紋データと声紋情報登録部に登録された情報とに基づき利用者IDを特定するための手段である。採点結果管理手段は、当該歌唱された楽曲の歌唱採点結果に基づき所定のアルゴリズムを用いて取得ポイントを生成して、特定された利用者IDに基づきグループ毎に管理するための手段である。管理情報表示手段は、管理された取得ポイントに応じたグループ間の優劣評価を所定の表示手段に表示させるための手段である。
【0012】
また、声紋情報登録部は、複数のカラオケ装置にネットワーク接続されたサーバー内に設置することが可能である。
【0013】
このような構成からなるグループ対抗歌合戦システムでは、声紋認識手段で歌唱者の声紋を解析すると共に、声紋情報登録手段で各歌唱者に対して利用者IDを付与し、グループ登録手段で利用者IDを用いてグループ管理を行う。任意の楽曲が歌唱されると、利用者ID特定手段で歌唱者の声紋に基づき利用者IDを特定すると共に、採点結果管理手段で採点結果に基づき取得ポイントを生成してグループ毎に管理する。そして、管理情報表示手段で取得ポイントに応じたグループ間の優劣評価を所定の表示手段に表示させることにより、グループ対抗歌合戦を行うことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明のグループ対抗歌合戦システムによれば、歌唱者の声紋データに基づき歌唱者を特定し、各歌唱者の採点結果に基づき取得ポイントを生成してグループ毎に管理する。そして、取得ポイントに応じたグループ間の優劣評価を所定の表示手段に表示している。
したがって、一旦、利用者IDとグループIDとを関連付ける処理を行うと、選択した楽曲をカラオケ装置に登録する際に、楽曲の識別情報と共にグループ情報を登録する必要がなく、また、楽曲の演奏が開始された際に、グループ分けを意識することなく歌唱を行うことができるので、歌唱者は歌唱に集中して歌合戦の興趣を十分に味わうことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明のグループ対抗歌合戦システムの実施形態を説明する。図1は、本発明の実施形態に係るグループ対抗歌合戦システムの構成を示すブロック図である。なお、図1中、矢印付き二点鎖線及び矢印付き破線は、声紋情報登録を行う場合の各手段等の関係を示すものであり、矢印付き実線は、声紋データを用いてグループ対抗歌合戦を行う場合の各手段等の関係を示すものである。
【0016】
<システムの概要>
本発明の実施形態に係るグループ対抗歌合戦システム1は、図1に示すように、歌唱採点機能を有するカラオケ装置に組み込まれたシステムであり、声紋認識手段2、声紋情報登録手段3、グループ登録手段4、利用者ID特定手段5、採点結果管理手段6、管理情報表示手段7、及び歌唱採点手段8を備えている。
【0017】
上述した各手段は、CPU、ROM、RAM等の機能を備えたコンピュータシステム等により構成されるものであり、ROM等に記憶されたアプリケーションプログラムに従ってCPU等が動作することにより各手段としての機能が発揮されるようになっている。
【0018】
<声紋認識手段>
声紋認識手段2は、マイク51から入力された音声データに基づき利用者毎に声紋データを解析するための手段である。具体的には、マイク51から入力された音声データは、A/Dコンバータ52でA/D変換され、声紋認識手段2で声紋が解析される。
【0019】
ところで、人間の声は様々な周波数からなる音声を含んでいる。そして、音声の時間的推移、音声の周波数、音声の強度をグラフ化したものが声紋と称されており、声紋は個々人によりそれぞれ異なっている。近年、個人を特定するためのバイオメトリクス技術が急速に進歩しており、特に安価かつ容易に個人を特定するために声紋が用いられている。そこで、本発明では、利用者の音声データから声紋を解析して、利用者の特定に用いている。なお、声紋認識を行って個人認証を行うための技術は、例えば特開2003−264857号公報に詳しく記載されている。
【0020】
<声紋情報登録手段>
声紋情報登録手段3は、利用者毎に解析された声紋データに利用者IDを付与して声紋情報登録部に登録するための手段である。具体的には、声紋情報登録手段3は、利用者毎の声紋データに対して利用者IDを紐付けし、声紋データ管理テーブルとして声紋情報登録部に格納するための手段であり、ハードディスク記憶装置等の記憶手段が声紋情報登録部として機能する。
【0021】
ここで、声紋情報登録部は、カラオケ装置毎に設けてもよいし、複数のカラオケ装置にネットワーク接続されたセンターサーバー63(図5参照)内に設置してもよい。特に、声紋情報登録部をセンターサーバー63内に設置した場合には、センターサーバー63にネットワーク接続された複数のカラオケ装置において、利用者の声紋情報を共通して利用することができる。
【0022】
すなわち、一旦、利用者が自らの声紋情報をセンターサーバー63内に設置された声紋情報登録部に登録しておけば、カラオケ装置を設置したチェーン店においてカラオケ装置を利用する度に声紋情報を登録し直す必要がないので、利用者の利便性を高めることができる。また、声紋データを一元管理することができるので、記憶装置等の資源を有効活用して、管理コストを低減することができる。
【0023】
声紋情報登録部に格納されている声紋データ管理テーブルの構成を図2に示す。声紋データ管理テーブルは、図2に示すように、利用者の声紋データと、利用者IDと、その他の利用者属性データとを格納するデータテーブルである。
なお、声紋データ管理テーブルに格納されるデータは、図2に示すものに限定されるものではなく、声紋データの管理に最小限必要なデータのみの構成としてもよいし、さらに他のデータを付加してもよい。
【0024】
<グループ登録手段>
グループ登録手段4は、利用者を任意のグループに区別すると共に、声紋情報登録部に登録された利用者IDを付加してグループ登録部に登録するための手段である。具体的には、グループ登録手段4は、利用者が選択した任意のグループ情報に対して利用者IDを紐付けし、グループ管理テーブルとして記憶する。
【0025】
この際、予め利用者に利用者IDを付与し、この利用者IDを記憶した利用者IDカードを発行することにより、利用者IDの管理を行うことができる。この場合には、カードリーダを用いて利用者IDカードに記憶された利用者IDを読み込んだり、カラオケ端末に設けられたテンキー等の入力手段から利用者ID及びパスワードを入力したりすることにより、利用者を特定することができる。なお、カードリーダやテンキー等の入力手段が、後に詳述する利用者ID取得手段として機能する。
【0026】
また、予め利用者IDカードを発行するのではなく、カラオケ端末を使用する際に、利用者に対して一時的に利用者IDを付与して、利用者IDの管理を行う構成としてもよい。この場合には、声紋情報登録手段3で声紋データを登録する際に、自動的に利用者IDが付与される。
なお、本実施形態では、RAM等の記憶手段がグループ登録部として機能し、このグループ登録部にグループ管理テーブルが格納される。
【0027】
このグループ管理テーブルの構成を図3に示す。グループ管理テーブルは、利用者IDと、歌唱採点結果と、この歌唱採点結果から演算された取得ポイントとを、グループに対応させて区分したデータテーブルであり、図3に示すように、各歌唱者をグループ毎に区分し、各歌唱者の利用者IDと、各歌唱者の歌唱採点結果と、各グループの平均点、総合点、最高点とを格納するようになっている。
なお、グループ管理テーブルに格納されるデータは、図3に示すものに限定されるものではなく、平均点、総合点、及び最高点の全てを格納せずに、必要な得点についてのみ格納してもよいし、さらに他のデータを付加してもよい。
【0028】
<利用者ID特定手段>
利用者ID特定手段5は、任意の楽曲が歌唱された際に、声紋認識手段2により解析された声紋データと声紋情報登録部に登録された情報とに基づき利用者IDを特定するための手段である。具体的には、任意の楽曲が歌唱されると、声紋認識手段2で当該楽曲を歌唱している歌唱者の声紋データが解析され、この声紋データと声紋情報登録部に登録された声紋データとを照合して利用者IDを特定する。
【0029】
<採点結果管理手段>
採点結果管理手段6は、歌唱された楽曲の歌唱採点結果に基づき所定のアルゴリズムを用いて取得ポイントを生成して、特定された利用者IDに基づきグループ毎に管理するための手段である。具体的には、採点結果管理手段6では、各歌唱者の歌唱採点結果から取得ポイントを演算する。そして、この取得ポイントをグループに対応させて区分し、上述したグループ管理テーブルのデータとして格納する。なお、歌唱採点は、後に詳述する歌唱採点手段8で行われる。
【0030】
ここで、所定のアルゴリズムを用いて取得ポイントを作成するとは、グループ毎に、歌唱採点の総計、歌唱採点の平均点、歌唱採点の最高点等を算出することをいう。この場合、全ての歌唱者に対して同様の重み付けで採点を行うのではなく、最後の歌唱者について得点を加算する等、歌唱者に対する採点の重み付けを異ならせてもよい。このように、歌唱者に対する採点の重み付けを異ならせることにより、さらにゲーム性を高めることができる。
【0031】
<管理情報表示手段>
管理情報表示手段7は、管理された取得ポイントに応じたグループ間の優劣評価を所定の表示手段に表示させるための手段である。具体的には、管理情報表示手段7では、液晶表示装置やビデオプロジェクタ等からなる表示手段53の表示画面に、グループ毎の取得ポイントを表示することにより、歌合戦に参加している歌唱者に対してグループ間の優劣評価を認識させる。
【0032】
<グループ対抗歌合戦の手順>
次に、図4を参照して、本発明の実施形態に係るグループ対抗歌合戦システムにおける歌合戦の手順を説明する。図4は、本発明の実施形態に係るグループ対抗歌合戦システムにおける歌合戦の手順を示すフローチャートである。
【0033】
本発明の実施形態に係るグループ対抗歌合戦システムを用いて歌合戦を行うには、図4に示すように、歌合戦が開始されたか否かを判定する(S1)。そして、歌合戦が開始すると、マイクから入力された音声データに基づき利用者毎に声紋データを解析し(S2)、解析された声紋データに利用者IDを付与して声紋情報登録部に登録する(S3)。さらに、利用者IDと関連付けて利用者のグループ分けを行う(S4)。歌合戦の開始は、例えば利用者により歌合戦開始ボタン等が操作されたか否かにより判定する。
【0034】
ここで、予め利用者に利用者IDが付与されている場合には、改めて利用者IDを付与する必要はない。この場合には、利用者IDが付与されていない利用者についてのみ、利用者IDが付与される。
【0035】
続いて、各利用者が歌唱する楽曲の登録を行う(S5)。そして、登録された楽曲が演奏され(S6)、この楽曲に合わせて歌唱している歌唱者の声紋データを解析し(S7)、当該歌唱者の利用者IDを特定する(S8)。なお、現在歌唱している歌唱者の声紋データが声紋情報登録部に登録されていない場合や、利用者IDの特定に失敗した場合には、その旨のエラー表示を行って以降の処理を中断してもよい。
【0036】
また、声紋データの解析処理(S7)及び利用者IDの特定処理(S8)と並行して、歌唱されている楽曲の歌唱採点を行い(S9)、歌唱採点結果を算出する(S10)。そして、歌唱採点結果に基づき所定のアルゴリズムを用いて取得ポイントを生成してグループ別に区分して管理する(S11)。続いて、表示手段の表示画面に取得ポイントをグループに区別して表示する(S12)。そして、歌合戦の終了を判断し(S13)、歌合戦が終了していなければ、楽曲の登録処理(S5)以降の処理を繰り返して行う。
【0037】
表示手段における表示の一例を図6に示す。表示手段の表示画面には、図6に示すように、グループ毎の得点及び順位が表示される。これにより、利用者は、グループ対抗歌合戦の結果を認識することができる。
【0038】
表示手段の表示画面に取得ポイントを表示するタイミングは、各楽曲の歌唱終了毎であってもよいし、所定数の楽曲の歌唱が終了した際であってもよいし、全ての楽曲の歌唱が終了した際であってもよい。特に、中間得点発表、最終得点発表のように、所定数の楽曲毎に区切って取得ポイントを表示することにより、歌合戦のゲーム性を高めて歌合戦の興趣を十分に引き出すことが可能となる。
【0039】
<カラオケ端末の全体構成>
次に、図5を参照して、本発明のグループ対抗歌合戦システムを適用するカラオケ端末の代表的な一例について説明する。図5は、本発明のグループ対抗歌合戦システムを適用するカラオケ端末の一例を示すブロック図である。
【0040】
本発明のグループ対抗歌合戦システムを適用するカラオケ端末は、図5に示すように、バス68を介して相互に接続された制御手段54、ROM55、RAM56、記憶手段57、通信手段58、映像出力手段59、操作制御手段60、音楽曲出力手段61、送受信手段62、A/Dコンバータ52、利用者ID取得手段69、声紋認識手段2、声紋情報登録手段3、グループ登録手段4、利用者ID特定手段5、採点結果管理手段6、管理情報表示手段7、及び歌唱採点手段8を備えている。
【0041】
また、映像出力手段59には表示手段53が接続されており、音楽曲出力手段61にはミキシングアンプ64を介してスピーカ65が接続されている。また、A/Dコンバータ52には、マイク51が接続されている。さらに、マイク51からのアナログ入力は、ミキシングアンプ64にも入力されるようになっている。
【0042】
これらの構成要素のうち、声紋認識手段2、声紋情報登録手段3、グループ登録手段4、利用者ID特定手段5、採点結果管理手段6、管理情報表示手段7、及び歌唱採点手段8は、上述したように、本発明のグループ対抗歌合戦システム1の構成要素となる手段である。
【0043】
制御手段54は、グループ対抗歌合戦システムを総合的に制御するための手段であり、例えばCPU及びその周辺機器により構成されており、CPU等がROM等に記憶されたアプリケーションプログラムに従って動作することにより、制御機能を発揮することができるようになっている。
【0044】
ROM55は、カラオケ端末を構成する各機器を制御するためのアプリケーションプログラムデータや数値データを記憶するための機器で、例えば半導体メモリ等で構成される。また、RAM56は、アプリケーションプログラムや種々のデータを一時的に読み込む一時記憶領域として機能するための機器で、例えば半導体メモリ等で構成される。本実施形態では、RAM56に、グループ管理テーブルが格納されている。
【0045】
記憶手段57は、例えばハードディスク記憶装置等からなり、多数のカラオケ楽曲について、MIDIデータやMP3データからなる伴奏データと、歌詞画像の生成起源となる歌詞描出データとを含むカラオケデータが記憶され、また、背景映像として再生される所定形式の動画データが記憶される。
【0046】
映像出力手段59は、選択された楽曲に基づき、制御手段54から順次転送される選択楽曲に対応する動画データを復号し、また、選択楽曲の歌詞描出データに基づき、伴奏音楽に同期して歌唱すべき箇所が色変わりする歌詞画像を、復号した動画映像にスーパーインポーズ処理して表示手段53に表示出力するための手段である。
【0047】
リモコン装置66はGUI機能を有しており、例えば液晶ディスプレイとタッチセンサとを重畳したインタフェイスが搭載されている。カラオケ端末の利用者は、タッチセンサを用いて楽曲の選択やその他のデータ入力を行うことができる。
操作制御手段60は、リモコン装置66等からの入力データを制御するための手段である。
【0048】
音楽曲出力手段61は、MIDI音源やMP3デコーダからなり、記憶手段57に格納されたカラオケデータの中から選択された楽曲の伴奏データを再生する。そして、ミキシングアンプ64により、再生された伴奏データとマイク51から入力される歌唱音声とをミキシングし、アンプ機能により増幅してスピーカ65から出力する。
【0049】
送受信手段62は、リモコン装置66との間で有線あるいは無線によりデータの授受を行うための手段である。
通信手段58は、通信ネットワーク67上に配置されたセンターサーバー63との間で所定の通信プロトコルに従って通信を行うための手段である。センターサーバー63は、複数のカラオケ端末にネットワーク接続されており、各カラオケ端末に送信するための楽曲データを格納することを主たる機能とした装置である。本実施形態では、センターサーバー63を構成するハードディスク記憶装置等からなる記憶手段の一機能として声紋情報登録部が構成されており、この声紋情報登録部に声紋データ管理テーブルが格納されている。なお、各カラオケ端末を構成するRAM56等を声紋情報登録部として機能させてもよい。
【0050】
歌唱採点手段8は、例えば採点テーブルを備えており、選択された楽曲データに基づき音楽曲出力手段61で再生された楽曲の主旋律のピッチ基準条件と、マイク51より入力され、A/Dコンバータ52により変換された音声データから抽出した歌唱ピッチとを、採点テーブルを参照して比較する。そして、例えば1小節等の区間毎の比較結果を得点化して平均することにより採点結果を得るようになっている。
【0051】
利用者ID取得手段69は、利用者に付与された利用者IDを取得するための手段である。具体的には、利用者に貸与された利用者IDカードに記憶された利用者IDを読み取るカードリーダや、カラオケ端末に設けられたテンキー等が利用者ID取得手段69として機能する。
【0052】
なお、カラオケ端末を構成する機器や手段は上述したものに限定されず、カラオケ端末の設置場所や用途等に応じて、必要な機器や手段のみの構成としたり、適宜他の機器や手段を付加したりすることができる。
【0053】
また、各手段をそれぞれ別個のものとして構成するのではなく、制御手段54の機能として構成できる手段であれば、制御手段54に当該手段の機能を含ませてもよいし、各機能を統合した手段として構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施形態に係るグループ対抗歌合戦システムの概略構成を示すブロック図。
【図2】本発明の実施形態に係るグループ抗歌合戦システムで用いる声紋データ管理テーブルの構成を示す説明図。
【図3】本発明の実施形態に係るグループ抗歌合戦システムで用いるグループ管理テーブルの構成を示す説明図。
【図4】本発明の実施形態に係るグループ対抗歌合戦システムにおける歌合戦の手順を示すフローチャート。
【図5】本発明の実施形態に係るグループ対抗歌合戦システムを適用するカラオケ端末の一例を示すブロック図。
【図6】本発明の実施形態に係るグループ対抗歌合戦システムの表示手段における表示の一例を示す説明図。
【符号の説明】
【0055】
1 グループ対抗歌合戦システム
2 声紋認識手段
3 声紋情報登録手段
4 グループ登録手段
5 利用者ID特定手段
6 採点結果管理手段
7 管理情報表示手段
8 歌唱採点手段
51 マイク
52 A/Dコンバータ
53 表示手段
54 制御手段
55 ROM
56 RAM
57 記憶手段
58 通信手段
59 映像出力手段
60 操作制御手段
61 音楽曲出力手段
62 送受信手段
63 センターサーバー
64 ミキシングアンプ
65 スピーカ
66 リモコン装置
67 通信ネットワーク
68 バス
69 利用者ID取得手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
歌唱採点機能を有するカラオケ装置に組み込まれてなり、声紋認識手段と、声紋情報登録手段と、グループ登録手段と、利用者ID特定手段と、採点結果管理手段と、管理情報表示手段と、を備えたグループ対抗歌合戦システムであって、
前記声紋認識手段は、マイクから入力された音声データに基づき利用者毎に声紋データを解析し、
前記声紋情報登録手段は、利用者毎に解析された声紋データに利用者IDを付与して声紋情報登録部に登録し、
前記グループ登録手段は、利用者を任意のグループに区別すると共に、前記声紋情報登録部に登録された利用者IDを付加してグループ登録部に登録し、
前記利用者ID特定手段は、任意の楽曲が歌唱された際に、前記声紋認識手段により解析された声紋データと前記声紋情報登録部に登録された情報とに基づき利用者IDを特定し、
前記採点結果管理手段は、当該歌唱された楽曲の歌唱採点結果に基づき所定のアルゴリズムを用いて取得ポイントを生成して、前記特定された利用者IDに基づきグループ毎に管理し、
前記管理情報表示手段は、前記管理された取得ポイントに応じたグループ間の優劣評価を所定の表示手段に表示させる、
ことを特徴とするグループ対抗歌合戦システム。
【請求項2】
前記声紋情報登録部は、複数のカラオケ装置にネットワーク接続されたサーバー内に設置されていることを特徴とする請求項1に記載のグループ対抗歌合戦システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−176080(P2008−176080A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−9712(P2007−9712)
【出願日】平成19年1月19日(2007.1.19)
【出願人】(390004710)株式会社第一興商 (537)
【Fターム(参考)】