説明

グレーチング

【課題】ベアリングバーの上表面の面積を大きくして滑り止めのための凹凸が充分に形成されるようにし、またゴミや小石等がベアリングバー間に入りにくゝすると共に、入っても流出して目詰まりを生じにくゝするほか、ベアリングバーの剛性を高くし、しかも重心位置がベアリングバーの上下方向の中央と一致するようにし、製作時の歪みが生じにくゝするグレーチングを提供する。
【解決手段】上端部11aの肉厚tと下側部11bの肉厚tを大に、しかもt>tに形成し、上表面をギザギザの凹凸に形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、橋梁、道路、工場等の床板として或いは溝蓋等として用いられるグレーチングに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のグレーチングは一般に、ベアリングバーと、並列するベアリングバーと直交して配置され、ベアリングバーを連結するクロスバーと、ベアリングバーの端部を連結するエンドプレートよりなっている。この種のグレーチングには、ベアリングバーの上表面に凹凸を形成して滑り止め機能を持たせたものがあるが、ベアリングバーの上表面の表面積が小さい場合、凹凸を形成しにくいことがあった。
【0003】
従来のグレーチングではまた、ベアリングバーが図1に示すように断面がフラットであるか或いは断面I形をなすため、雨水と共に運ばれてきたゴミや小石1等がベアリングバー2、3間に挟まって目詰まりを起こし、これにより排水性能を低下させてしまうことがあった。
【0004】
上記の問題を解消するため下記特許文献1には、ベアリングバーを断面T字状に形成して上表面の面積を大きくし、該表面に凹凸を形成して十分な滑り止め効果を発揮できるようにすると共に、ベアリングバー間の間隔を上表面間では狭く、それより下方では広く形成することにより、ゴミや小石等が入りにくゝし、入っても流出して目詰まりを生じにくゝしたグレーチングが提案されている。
【特許文献1】特開2003−13487号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に示される断面T字状のベアリングバーは、重心位置が上側のフランジ側に偏っているため製作時に歪みができやすい。
上述する特許文献1に開示される瓦ではまた、断面の上下で曲げに対する剛性に差があり、強度的に最適な断面ではなかった。
【0006】
本発明は、滑り止めのための凹凸が十分に形成できるように上表面の面積を大きくすること、ベアリングバー間の間隔を上表面間では狭く、それより下方では広く形成してゴミや小石が入りにくゝし、入っても流出して目詰まりを生じにくゝすることに加えて更に、製作時の歪みが出にくゝすると共に、断面の上下で曲げに対する剛性に差のない形態のベアリングバーを備えたグレーチングを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明はしたがって、ベアリングバーと、並列するベアリングバーと直交して配置され、ベアリングバーを連結するクロスバーを有するグレーチングにおいて、ベアリングバーは下側部を肉厚に形成する一方、上端部を下側部より更に肉厚にして上表面に滑り止めのための凹凸を形成し、重心位置をベアリングバーの上下方向の中央或いはその付近に設けると共に、断面の上下で曲げに対する剛性に差の無い形態にしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明のグレーチングによると、上端部が最も肉厚であることにより上表面の表面積が増し、上表面に形成される凹凸により滑り止め効果を充分に発揮できること、ベアリングバー間の間隔は上表面間で最も狭く、それより下方では広くなるため、ゴミや小石が入りにくゝ、入っても流出して目詰まりを生じにくいこと、ベアリングバーはまた、断面の上下で曲げに対する剛性に差がなく、曲げに対する断面の剛性が最適なものとなるため、グレーチングに必要な強度が得られること、等の効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図3は、本発明に係わるグレーチングにおいて用いられるベアリングバー11の斜視図、図4は断面図である。
【0010】
ベアリングバー11は図示されるように、上端部11aが肉厚で、上表面はギザギザの凹凸12に形成され、また重心が位置するc−c線より下側の下側部11bも肉厚に形成されている。そしてその肉厚tは、上端部11aの肉厚tより小に形成され、重心位置がc−c線上に位置するように形成してある。なお図示するベアリングバー11は、上端部11aの上端が両側に若干突出しているが、突出させなくてもよい。
【0011】
図5は、上述するベアリングバー11を用いたグレーチング14を示すもので、ベアリングバー11と、並列するベアリングバー11と直交して配置され、ベアリングバー11を連結するクロスバー13とよりなっている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】断面がフラットな従来のベアリングバーの断面図。
【図2】断面がI形をなす従来のベアリングバーの断面図。
【図3】本発明に係わるグレーチングにおいて用いられるベアリングバーの斜視図。
【図4】同断面図。
【図5】同ベアリングバーを用いたグレーチングの斜視図。
【符号の説明】
【0013】
11・・ベアリングバー
11a・・上端部
11b・・下側部
12・・凹凸
13クロスバー
14・・グレーチング
c・・中立軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベアリングバーと、並列するベアリングバーと直交して配置され、ベアリングバーを連結するクロスバーを有するグレーチングにおいて、ベアリングバーは下側部を肉厚に形成する一方、上端部を下側部より更に肉厚にして上表面に滑り止めのための凹凸を形成し、重心位置をベアリングバーの上下方向の中央或いはその付近に設けると共に、断面の上下で曲げに対する剛性に差の無い形態にしたことを特徴とするグレーチング。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−124916(P2006−124916A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−310322(P2004−310322)
【出願日】平成16年10月26日(2004.10.26)
【出願人】(000133294)株式会社ダイクレ (65)
【Fターム(参考)】