説明

グレーチング

【課題】メインバーの側端部とサイドバーとをカシメにより接合するグレーチングにあって、生産コストを低減し得るグレーチングを提供する。
【解決手段】メインバー2の側端部に、拡開変形加工後にサイドバー3の肉厚内に収まる長さの接合用突縁5を突成する一方、断面矩形の帯板状のサイドバー3に、メインバー2の接合用突縁5が嵌入される嵌入口7と該嵌入口7の口縁に連成されてサイドバー3の外側面に開口する窪み部8とを備えた接合用口部6をサイドバー3の長手方向に沿って所定間隔で形成し、各嵌入口7に接合用突縁5を嵌入した状態で、該接合用突縁5の端部を加圧部材9で加圧して接合用口部6の窪み部8内で嵌入口7の横幅以上に拡開変形させた拡開変形部11によってメインバー2とサイドバー3とを接合するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、側溝等に被着して使用される金属製のグレーチングに関する。
【背景技術】
【0002】
金属製のグレーチングaは、図18に示すように、所定間隔で並列した複数の短尺状のメインバーbに適数本の長尺状のクロスバーcを直交状に差し渡して格子枠dを構成し、さらに該格子枠dの長手方向に沿う両側縁にサイドバーeを配設してなるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
かかる従来のグレーチングaにあって、サイドバーeと、格子枠dを構成する複数のメインバーbとの接合は、サイドバーeの内側面に各メインバーbの側端部を溶接sによって接合するのが一般的であるが、このような溶接による接合手段にあっては、熱による歪が生じて寸法精度が低下したり、溶接部が目視されることによって美観が悪くなるという問題点がある。
【0004】
そこで、溶接に代わる接合手段として、図19(A)に示すように、各メインバーbの端部に突部g,gを備えた嵌合部fを形成する一方、サイドバーhに、前記嵌合部fを嵌入し得る嵌入孔jをサイドバーhの長手方向に沿って所定間隔で形成し、図19(B)に示すように、各嵌入孔jに前記嵌合部fを嵌入して、図19(C)に示すように、該嵌入孔jから突出する突部g,gを外面側からカシメることにより、図19(D)に示すように、各メインバーbとサイドバーhとを接合する接合手段が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−47561号公報(従来の技術、図4、図5)
【特許文献2】特開2005−68945号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、グレーチングは側溝等の上縁部の両側に配設される一対の受枠に収めて使用されるものであるため、サイドバーhの外側に突起物があるのは好ましくなく、図20(B)に示すように、仮に突起物g’,g’があるグレーチングを製作した場合、受枠mの垂直縁nとサイドバーhとの間隔tが広くなり、ゴミ等が溜まり易いという不具合が生じることとなる。このため、特許文献2のようなカシメによる接合手段に用いるサイドバーhにあっては、突部g,gをカシメた部分g’,g’がサイドバーhの外側に突出しないように、サイドバーhの上下方向の中間部の肉厚を薄くして外面側に凹部p(図19(A)参照)が設けられ、図19(D)に示すように、該凹部p内にカシメた部分g’,g’を収納し得る断面コ字形の板材が用いられている。
【0007】
しかしながら、上記のような断面コ字形の板材をサイドバーhに用いる場合、このような特殊形状の板材は既製品として市販されておらず、これを自社製造する場合でも、鋼材製造元に特別注文する場合でも高価な成形用金型の製作が別途必要な上、該金型のメンテナンスにもコストがかかるため、このような特殊形状の板材を用いるサイドバーhは原価が高くなり、それに伴ってグレーチングの生産コストも高くなってしまうという問題点があった。
【0008】
本発明は、かかる問題点を解消するためになされたものであり、安価な既製品として市販されている断面矩形の帯板材をサイドバーの基材に用い得るようにすることによって、生産コストを低減し得るグレーチングを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、所定間隔で並列した複数の金属製のメインバーと、各メインバーの側端部に沿って差し渡された金属製のサイドバーとを備えてなるグレーチングにおいて、メインバーの側端部に、拡開変形加工後にサイドバーの肉厚内に収まる長さの接合用突縁が突成される一方、断面矩形の帯板状のサイドバーに、前記メインバーの接合用突縁が嵌入される嵌入口と該嵌入口の口縁に連成されてサイドバーの外側面に開口する窪み部とを備えた接合用口部がサイドバーの長手方向に沿って所定間隔で形成されており、各嵌入口に接合用突縁を嵌入し、該接合用突縁の端部を加圧部材で加圧して接合用口部の窪み部内で嵌入口の横幅以上に拡開変形させた拡開変形部によってメインバーとサイドバーとが接合されていることを特徴とするグレーチングである。
【0010】
ここで、メインバーの側端部に突成される接合用突縁は、メインバーの側端部の上下方向の中間位置に突成したり、メインバーの側端部の上下両端位置に一対で突成することができ、メインバーの上下方向の中間位置に接合用突縁を突成する場合には、サイドバーの上下方向の中間位置に接合用口部が形成され、メインバーの側端部の上下両端位置に接合用突縁を一対で突成する場合には、サイドバーの上下両端縁に夫々接合用口部が一対で形成される。また、接合用突縁の端部を拡開変形させる加圧部材には、先端に錐状先鋭端を備えたポンチ状の加圧部材が好適に用いられ得る。
【0011】
また、前記グレーチングにあって、窪み部を、サイドバーの外側面に至るに従って開口が広くなる錐状とした構成が提案される。ここで、窪み部は截頭円錐状または截頭角錐状とすることができる。
【0012】
さらに、メインバーがロールフォーミング成形されていることによって、接合用突縁が厚み方向に二枚重ねとなっている構成が提案される。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、上述したように、メインバーの側端部に、拡開変形加工後にサイドバーの肉厚内に収まる長さの接合用突縁が突成される一方、断面矩形の帯板状のサイドバーに、前記メインバーの接合用突縁が嵌入される嵌入口と該嵌入口の口縁に連成されてサイドバーの外側面に開口する窪み部とを備えた接合用口部がサイドバーの長手方向に沿って所定間隔で形成されており、各嵌入口に接合用突縁を嵌入し、該接合用突縁の端部を加圧部材で加圧して接合用口部の窪み部内で嵌入口の横幅以上に拡開変形させた拡開変形部によってメインバーとサイドバーとを接合するようにしたので、既製品として安価に市販されている断面矩形の帯板材をサイドバーの基材に用いることができる。これにより、従来の既製品にはない特殊形状の板材を用いる場合に比して、サイドバーの原価が安価となり、グレーチングの生産コストを低減することができる。
【0014】
また、前記窪み部を、サイドバーの外側面に至るに従って開口が広くなる錐状とした構成にあっては、接合用突縁の端部を拡開変形させた拡開変形部の外面が、錐状の窪み部の外面に面当たりすることにより、その接合強度をより向上させることができる。
【0015】
さらに、メインバーがロールフォーミング成形されていることによって、接合用突縁が厚み方向に二枚重ねとなっている構成にあっては、その重ね目部分に加圧部材を嵌入させることにより、接合用突縁の端部の拡開変形を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明にかかるグレーチング1の平面図である。
【図2】第一実施例に用いるメインバー2を示し、(A)は正面図、(B)は側面図、(C)は平面図である。
【図3】各種形状のメインバー基材の側断面図である。
【図4】第一実施例に用いるサイドバー3を示し、(A)は正面図、(B)は縦断側面図、(C)は横断平面図である。
【図5】サイドバー3に形成される他の形状の窪み部8を示し、(A)は截頭角錐状の窪み部8を備えたサイドバー3の正面図、(B)はその横断平面図、(C)は垂直に陥没する凹部からなる窪み部8を備えたサイドバー3の正面図、(D)はその横断平面図である。
【図6】メインバー2、サイドバー3、加圧部材9の部分斜視図である。
【図7】メインバー2とサイドバー3の接合工程を示す要部の横断面図である。
【図8】メインバー2とサイドバー3の接合状態を示す説明図である。
【図9】第一実施例の変形実施例に用いるメインバー2を示し、(A)は正面図、(B)は側面図、(C)は平面図である。
【図10】変形実施例におけるメインバー2とサイドバー3の接合工程を示す要部の横断面図である。
【図11】変形実施例におけるメインバー2とサイドバー3の接合状態を示す説明図である。
【図12】第二実施例に用いるメインバー2を示し、(A)は正面図、(B)は側面図、(C)は平面図である。
【図13】第二実施例に用いるサイドバー3を示し、(A)は正面図、(B)は縦断側面図、(C)は平面図である。
【図14】第二実施例のサイドバー3に形成される他の形状の窪み部8を示し、(A)は截頭角錐状の窪み部8を備えたサイドバー3の正面図、(B)はその横断平面図、(C)は垂直に陥没する凹部からなる窪み部8を備えたサイドバー3の正面図、(D)はその横断平面図である。
【図15】第二実施例におけるメインバー2、サイドバー3、加圧部材9の部分斜視図である。
【図16】第二実施例におけるメインバー2とサイドバー3の接合工程を示す説明図である。
【図17】第二実施例におけるメインバー2とサイドバー3の接合状態を示す説明図であり、(A)は横断平面図、(B)は要部の正面図である。
【図18】従来のグレーチングaの平面図である。
【図19】従来のメインバーbとサイドバーhのカシメによる接合手段の説明図である。
【図20】(A)はサイドバーhの外面側に凹部pを設けたグレーチングの使用状態の説明図、(B)はサイドバーhの外側に突起物g’,g’があるグレーチングの使用状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の第一実施例を、図1〜図8に基づいて説明する。
【0018】
本発明にかかるグレーチング1は、図1に示すように、所定間隔で並列した複数のメインバー2と、各メインバー2の両側端部に沿って夫々差し渡された二本のサイドバー3,3と、各メインバー2の両側端部間で各メインバー2に直交状に差し渡された二本のクロスバー4,4とからなる。これらのメインバー2,サイドバー3,クロスバー4を構成する金属材として、スチール,ステンレス,アルミニウムの何れかが用いられる。
【0019】
メインバー2は、図2に示すように、ロールフォーミング成形によって断面略T字形に形成されたTバー(図2(B)参照)からなる長尺なメインバー基材を短尺な所定の長さに切断したものである。各メインバー2の側端部には、後述する拡開変形加工後にサイドバー3の肉厚内に収まる長さの接合用突縁5が、メインバー2の側端部の上下方向の中間位置から側方に向けて突成されている。該接合用突縁5は、その形状を矩形状とし、プレスによる打ち抜き加工によって形成されており、メインバー2がロールフォーミング成形されていることによって、図6に示すように、接合用突縁5が厚み方向に二枚重ねとなっている。
【0020】
尚、メインバー2は、上記のようにロールフォーミング成形されたメインバー基材に代えて、引き抜き成形によって断面略T字形に形成された中実状のTバー(図3(A)参照)や断面縦長矩形の偏平なフラットバー(図3(B)参照)或いは上下両端に夫々広幅部を備えた断面略I字形のIバー(図3(C)参照)をメインバー基材とすることも可能である。
【0021】
一方、サイドバー3は、図4に示すように、圧延成形や引き抜き成形により断面縦長矩形に形成された偏平なフラットバーからなるサイドバー基材を所定の長さに切断して長尺な帯板状にしたものであり、該サイドバー基材には市販の既製品が用いられる。該サイドバー3には、その上下方向の中間位置に、前記メインバー2の接合用突縁5が嵌入される嵌入口7と該嵌入口7の口縁に連成されてサイドバー3の外側面に開口する窪み部8とを備えた複数の接合用口部6がサイドバー3の長手方向に沿って所定間隔で形成されている。ここで、各接合用口部6の嵌入口7は、接合用突縁5の縦断面形状より若干大きな矩形孔となっており、窪み部8はサイドバー3の外側面に至るに従って開口が広くなる截頭円錐状となっている。このサイドバー3に対する嵌入口7及び窪み部8の形成は、嵌入口7の打ち抜き加工と窪み部8の鍛造加工とが一回のプレス加工によって同時に行われる。これにより、寸法精度が出し易く、また、その形成加工を容易に行うことができるようにしている。
【0022】
尚、前記窪み部8は、図5(A),(B)に示すように、サイドバー3の外側面に至るに従って開口が広くなる截頭角錐状としたり、図5(C),(D)に示すように、サイドバー3の外側面に対して垂直に陥没する凹部とすることも可能である。
【0023】
次に、前記メインバー2,サイドバー3及びクロスバー4の接合手順について説明する。まず、複数のメインバー2を、所定間隔に保持して並列させる。この並列操作は、一般的なグレーチングの組付け時に用いられている公知構成の治具によって行うことができる。そして、各メインバー2に形成されている連結孔(図示省略)にクロスバー4を挿通し、該クロスバー4に形成されている切り込み溝(図示省略)を各メインバー2の連結孔に一致させた状態で、該クロスバー4を適宜の治具を用いて略45°回動させることにより各メインバー2とクロスバー4とを接合する。このメインバー2とクロスバー4の接合手段は、本願出願人の発明にかかる特許第3889517号に開示されており、本発明の要旨ではないため詳しい説明を省略する。
【0024】
そして、上記のようにクロスバー4と組付けられた各メインバー2の両側端部にサイドバー3,3を夫々接合する。この接合は、以下のように行われる。即ち、図7(A)に示すように、サイドバー3に形成されている接合用口部6の嵌入口7にメインバー2の側端部に突成されている接合用突縁5を嵌入し、この嵌入状態で、図7(B)に示すように、該接合用突縁5の端部を加圧部材9で加圧する。ここで、該加圧部材9は、先端に錐状先鋭端10を備えたポンチ状のものが用いられ、該錐状先鋭端10を厚み方向に二枚重ねとなっている接合用突縁5の、その重ね目部分に嵌入させることにより、接合用突縁5の端部を窪み部8内で嵌入口7の横幅以上に拡開変形させる。これにより、図7(C),図8に示すように、接合用突縁5の端部が窪み部8内で嵌入口7の横幅以上に拡開変形した拡開変形部11によってメインバー2とサイドバー3とを接合することができる。
【0025】
このように第一実施例の構成によれば、メインバー2の側端部に、拡開変形加工後にサイドバー3の肉厚内に収まる長さの接合用突縁5を突成する一方、断面矩形の帯板状のサイドバー3に、前記メインバー2の接合用突縁5が嵌入される嵌入口7と該嵌入口7の口縁に連成されてサイドバー3の外側面に開口する窪み部8とを備えた接合用口部6をサイドバー3の長手方向に沿って所定間隔で形成し、各嵌入口7に接合用突縁5を嵌入した状態で、該接合用突縁5の端部を加圧部材9で加圧して接合用口部6の窪み部8内で嵌入口7の横幅以上に拡開変形させた拡開変形部11によってメインバー2とサイドバー3とを接合するようにしたので、既製品として安価に市販されている断面矩形の帯板材をサイドバー3の基材に用いることができる。これにより、従来の既製品にはない特殊形状の板材を用いる場合に比して、サイドバー3の原価が安価となり、グレーチング1の生産コストを低減することができる。
【0026】
また、前記窪み部8を、サイドバー3の外側面に至るに従って開口が広くなる錐状とした場合には、接合用突縁5の端部を拡開変形させた拡開変形部11の外面が、錐状の窪み部8の外面に面当たりすることにより、その接合強度をより向上させることができる。
【0027】
さらに、ロールフォーミング成形されたメインバー2を用いることによって、接合用突縁5を厚み方向に二枚重ね状とした場合には、その重ね目部分に加圧部材9を嵌入させることにより、接合用突縁5の端部の拡開変形を容易に行うことができる。
【0028】
図9〜図11は第一実施例の変形実施例を示し、この変形実施例では、断面略T字形に形成された中実状のTバー(図3(A)参照)によってメインバー2が構成されており、該メインバー2の側端部に中実状の接合用突縁5が突成されている。その他、第一実施例と共通する構成部分については、第一実施例と同一の符号を付して重複説明を省略する。
【0029】
かかる構成にあって、メインバー2とサイドバー3とを接合するには、図10(A)に示すように、サイドバー3に形成されている接合用口部6の嵌入口7にメインバー2の側端部の接合用突縁5を嵌入し、図10(B)に示すように、先端に錐状先鋭端10を備えたポンチ状の加圧部材9で接合用突縁5の端部を加圧して部材を流動させることによって、該端部を窪み部8内で嵌入口7の横幅以上に拡開変形させる。これにより、図10(C),図11に示すように、接合用突縁5の端部が窪み部8内で嵌入口7の横幅以上に拡開変形した拡開変形部11によってメインバー2とサイドバー3とを接合することができる。
【0030】
図12〜図17は第二実施例を示し、この第二実施例は、図12に示すように、メインバー2の側端部の上下位置から上下一対の接合用突縁5a,5bが側方に向けて突成されている。該接合用突縁5a,5bは、拡開変形加工後にサイドバー3の肉厚内に収まる長さとなっている。このメインバー2の基材には、第一実施例と同様に、ロールフォーミング成形によって断面略T字形に形成されたTバー(図12(B)参照)が用いられており、図15に示すように、各接合用突縁5a,5bが厚み方向に二枚重ねとなっている。
【0031】
尚、メインバー2のその他の基材としては、図3に示した中実状のTバー(図3(A)参照)や断面縦長矩形の偏平なフラットバー(図3(B)参照)、或いは上下両端に夫々広幅部を備えた断面略I字形のIバー(図3(C)参照)等の引き抜き成形材を用いることも可能である。
【0032】
一方、図13に示すように、サイドバー3には上下両端縁に、前記メインバー2の接合用突縁5a,5bが夫々嵌入される嵌入口7と該嵌入口7の口縁に連成されてサイドバー3の外側面に開口する窪み部8とを備えた上下一対の接合用口部6a,6bがサイドバー3の長手方向に沿って所定間隔で形成されている。ここで、各接合用口部6a,6bの嵌入口7は、接合用突縁5a,5bの縦断面形状より若干大きな溝となっており、窪み部8はサイドバー3の外側面に至るに従って開口が広くなる截頭円錐状となっている。このサイドバー3の基材には、第一実施例と同様に、断面縦長矩形に形成された既製品のフラットバー(図13(B)参照)が用いられている。
【0033】
尚、前記窪み部8は、図14(A),(B)に示すように、サイドバー3の外側面に至るに従って開口が広くなる截頭角錐状としたり、図14(C),(D)に示すように、サイドバー3の外側面に対して垂直に陥没する凹部とすることも可能である。
【0034】
かかる構成にあって、各メインバー2の側端部にサイドバー3を接合するには、図16(A)に示すように、メインバー2の側端部に突成されている接合用突縁5a,5bとサイドバー3に形成されている接合用口部6a,6bとを対向させ、図16(B)に示すように、該接合用口部6a,6bの嵌入口7,7に、メインバー2の接合用突縁5a,5bを夫々嵌入し、図16(C)に示すように、メインバー2の側端部の上下両面に上下方向の変形を防止する金型12a,12bを当接させた状態で、接合用突縁5a,5bの端部を加圧部材9,9で加圧する。ここで、該加圧部材9は、先端に錐状先鋭端10を備えたポンチ状のものが用いられ、該錐状先鋭端10を厚み方向に二枚重ねとなっている接合用突縁5a,5bの、その重ね目部分に夫々嵌入させることにより、接合用突縁5a,5bの端部を窪み部8,8内で嵌入口7の横幅以上に拡開変形させる。これにより、図17(A),(B)に示すように、接合用突縁5a,5bの端部が窪み部8,8内で嵌入口7,7の横幅以上に拡開変形した拡開変形部11a,11bによってメインバー2とサイドバー3とを接合することができる。
【0035】
このように、第二実施例の構成にあっても、既製品として安価に市販されている断面矩形の帯板材をサイドバー3の基材に用いることができるので、従来の既製品にはない特殊形状の板材を用いる場合に比して、サイドバー3の原価が安価となり、グレーチング1の生産コストを低減することができる。また、特にこの第二実施例にあっては、二箇所の拡開変形部11a,11bによってメインバー2とサイドバー3とを接合するようにしたから、第一実施例のものに比して、接合強度をさらに高めることができる。
【符号の説明】
【0036】
1 グレーチング
2 メインバー
3 サイドバー
5,5a,5b 接合用突縁
6,6a,6b 接合用口部
7 嵌入口
8 窪み部
9 加圧部材
11,11a,11b 拡開変形部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定間隔で並列した複数の金属製のメインバーと、各メインバーの側端部に沿って差し渡された金属製のサイドバーとを備えてなるグレーチングにおいて、
メインバーの側端部に、拡開変形加工後にサイドバーの肉厚内に収まる長さの接合用突縁が突成される一方、断面矩形の帯板状のサイドバーに、前記メインバーの接合用突縁が嵌入される嵌入口と該嵌入口の口縁に連成されてサイドバーの外側面に開口する窪み部とを備えた接合用口部がサイドバーの長手方向に沿って所定間隔で形成されており、各嵌入口に接合用突縁を嵌入し、該接合用突縁の端部を加圧部材で加圧して接合用口部の窪み部内で嵌入口の横幅以上に拡開変形させた拡開変形部によってメインバーとサイドバーとが接合されていることを特徴とするグレーチング。
【請求項2】
窪み部を、サイドバーの外側面に至るに従って開口が広くなる錐状としたことを特徴とする請求項1記載のグレーチング。
【請求項3】
メインバーがロールフォーミング成形されていることによって、接合用突縁が厚み方向に二枚重ねとなっていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のグレーチング。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2010−229695(P2010−229695A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−77907(P2009−77907)
【出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【出願人】(592094243)カネソウ株式会社 (73)
【Fターム(参考)】