説明

グロメット

【課題】車体パネルの貫通穴へのグロメットの取付作業性を高めるとともに、遮音性能を高める。
【解決手段】小径筒部11と、該小径筒部11に拡径筒部13を介して連続する大径筒部14とを軸線方向に沿って備え、小径筒部11と拡径筒部13とを連続部(中径筒部12)にU形状の折り返し部20を設ける一方、小径筒部11の外周または折り返し部20の外周より拡径筒部13側に向けて円錐形状に広がるフラップ部19を設け、車体パネル40の貫通穴41への押し込み時に折り返し部20が直線状に伸ばされる一方、大径筒部14の外周面に形成した車体係止凹部18が貫通穴41周縁に係止した状態で折り返し部20が折り返し状に戻ってフラップ部19の先端周縁19aが車体パネル40の車室B側面に当接し、吸音用密閉空間Sを形成する構成としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の車体に設けられた貫通穴に、ワイヤハーネスを挿通した状態で取り付けるグロメットに関し、特に、エンジンルームと車室との間のパネルの貫通孔に装着するグロメットにおいて、エンジンルーム側からの騒音が車室内へ伝わるのを遮断する遮音機能を持たせると共に、車体への取付作業性を改善するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車のエンジンルームと車室とを仕切る車体パネル(ダッシュパネル)に設けた貫通穴にワイヤハーネスを貫通させて配索する場合、ゴムあるいはエストラマー製のグロメットをワイヤハーネスに装着して、貫通孔との間に介在させ、ワイヤハーネスの保護とエンジンルーム側から車室への防水、防音、防塵を図っている。
【0003】
この種のグロメットとして、図6に示すグロメット2が汎用されている。該グロメット2は、小径筒部2aの一端に大径筒部2bを連続させ、これら小径筒部2aと大径筒部2bの軸線に沿った中空部をワイヤハーネス挿通部2cとし、かつ、大径筒部2bの外周面に車体係止凹部2dを形成している。また、車体係止凹部2dの側面先端にリップ2eを設け、該リップ2eを車体1に圧接させてシールするようにしている。
【0004】
前記グロメット2は、エンジンルームAから車室Bへ貫通穴1aを通して挿入するとき、リップ2eが撓んで車体係止凹部2dの底面と貫通穴1aの内周面に噛み込んでグロメットが正確に取り付けられない場合がある。そのため、大径筒部2bの全体を貫通穴1aを通して車室Bへ一旦押し込んだ後に、再度、引き戻して、車体係止凹部2dを貫通穴1aに嵌合させ、リップ2eの噛み込みを防止している。
【0005】
しかしながら、大径筒部2bを貫通穴1aに無理入れで挿通させて車室B側へ押し込むには強い挿入力を要するため、作業性が非常に悪く、取付作業の能率が低下する問題があった。また、この図6に示すグロメットでは、エンジンルーム内からの騒音が車室内に伝わるのを防止、抑制する遮音部が設けられていないため、車室内における静寂性が要求される場合、それに応えることが出来ない問題がある。
【0006】
前記問題に関して、実公平3−9214号(特許文献1)では、図7(A)に示すように、二重シール構造として遮音性を有するグロメット3が提供されている。
該グロメット3は、車室B側に遮音材1bが積層された車体パネル1の貫通穴1aに取り付けられるものであり、該貫通穴1aのエンジンルーム側Aにシールする筒状の第一シール部3dと、貫通穴1aに対応する遮音材1bの開口部をシールするフランジ状の第二シール部3eとを、大径筒部3aの外周面から突設するとともに、該大径筒部3aの両端にワイヤハーネスW/Hを挟持する小径筒部3b、3cを連続させている。前記第二シール部3eの車室B側の面には工具等で把持可能な突起部3fを突設している。
【0007】
前記グロメット3を貫通穴1aに取り付ける際は、図7(B)に示すように、エンジンルームA側から貫通穴1aにワイヤハーネスW/Hとともにグロメット3を挿入し、第一シール部3dを車体パネル1に当接させるとともに、前記第二シール部3eの突起部3fを貫通穴1aから車室B側へと突出させる。そこで、該突起部3fを車室B側から引っ張り、第二シール部3e全体を貫通穴1aから抜き出し、その周縁部を遮音材1bに当接させてシールしている。
【0008】
前記グロメット3は、取り付けに際して前述のような無理な押し込み作業は必要としないが、エンジンルームA側からワイヤハーネスW/Hを押す作業と、車室B側から前記突起部3fを引っ張って第二シール部3eを抜き出す作業との二つの作業を同時に行う必要がある。よって、エンジンルームA側と車室B側にそれぞれ作業者を必要とし、作業性が悪い問題がある
【0009】
【特許文献1】実公平3−9214号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は前記問題に鑑みてなされたもので、遮音部を有するグロメットにおいて、車体への取り付け時に、グロメットの貫通孔への装着および遮音材の車体パネルへの当接作業を一方側からの作業により行えるようにして、一人の作業者による取り付けが可能なグロメットの提供を課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するために、本発明は、小径筒部と、該小径筒部に拡径筒部を介して連続する大径筒部とを軸線方向に沿って備え、これら小径筒部から大径筒部にかけて自動車用ワイヤハーネスを貫通させて取り付けた状態で車体の貫通穴に挿入し、前記大径筒部の外周面に設けた車体係止凹部を、車体パネルの貫通穴周縁に係止するグロメットであって、
前記小径筒部と拡径筒部との連続部にU形状の折り返し部を設ける一方、
前記小径筒部の外周または前記折り返し部の外周より前記拡径筒部側に向けて円錐形状に広がるフラップ部を設け、
前記車体パネルの貫通穴への押し込み時に前記折り返し部が直線状に伸ばされる一方、前記車体係止凹部が前記貫通穴周縁に係止した状態で前記折り返し部が折り返し状に戻って前記フラップ部の先端周縁が車体パネルの車室側面に当接し、吸音用密閉空間を形成する構成としていることを特徴とするグロメットを提供している。
【0012】
前記のように、本発明のグロメットは、車体の貫通穴へ取り付けるときに前記折り返し部を直線状に伸ばすことにより、フラップ部と拡径筒部との間の距離を一時的に拡大でき、貫通穴の周縁部と拡径筒部との間にフラップ部の周縁部を挟み込んでしまうことを防止できる。
また、折り返し部を直線状に伸ばすことにより、大径筒部を貫通孔を通過させるまで押し込まなくても、フラップ部を貫通孔を通過させて車室側へと押し込むことができる。このフラップ部の押し込み後に、貫通孔に押し込む大径筒部の先端側の車体係止凹部を貫通孔に係止することができる。即ち、グロメットの押し込みの一方向動作(所謂、ワンモーション)だけで、フラップ部を車室側面に挿通できると共に車体係止凹部を貫通孔の周縁に係止できる。この状態で、フラップ部を車室側面に当接させるために、グロメットを逆方向に引っ張ればよく、室外側にいる一人の作業員だけでグロメットの貫通孔への取付を行うことができる。このように、車室側からの作業を必要としないため、作業人数を削減できる。
かつ、特許文献1のグロメットでは、フラップ部(遮音材)を貫通させるために大径筒部までを貫通穴から車室側へと強い挿入力で無理に押し込んでいた従来と異なり、低い挿入力でフラップ部を貫通させることができるため、作業者の負担を軽減できる。
【0013】
具体的には、前記小径筒部と拡径筒部との連続部には、小径筒部の外周より前記フラップ部を突設し、該フラップ部の基端側より前記小径筒部より大径とした中径筒部を設け、該中径筒部の先端を外側に向けて軸線方向に折り返して前記U形状の折り返し部を設け、該折り返し部の外周端に前記拡径筒部を連続させている。
【0014】
あるいは、前記小径筒部と拡径筒部との連続部に、軸線方向と直交方向の外側に向けて前記折り返し部を突設していると共に、該折り返し部の外端から前記フラップ部を突設している。
【0015】
前記いずれの場合も、折り返し部が直線状になることによって、フラップ部全体を貫通穴から車室側へ容易に貫通させることができる。
後者の場合、折り返し部をグロメットの軸線方向と直交方向の外側に向けて折り返して設け、その折り返し外端からフラップ部を突設させると、貫通時に直線状に伸びた該折り返し部にフラップ部全体が引っ張られて縮径化し、該フラップ部の先端周縁部も縮径するため、貫通穴の径が小さな場合でもフラップ部をより軽い力で貫通させることができる。
一方、前者の折り返し部を軸線方向に設けて拡径筒部の中空に突出させると、フラップ部の外径を小さくでき、貫通孔の直径が小さい場合に適した形状となる。
【0016】
前記車体パネルの車室側面には吸音板が積層されており、該吸音板に前記フラップ部の周縁を当接させている。
【発明の効果】
【0017】
上述したように、本発明によれば、車体の貫通穴にグロメットを取り付ける際に、ワイヤハーネスを押し込んで折り返し部を直線状に伸ばすことにより、貫通穴の周縁と拡径筒部との間にフラップ部を挟み込むことなく、フラップ部全体を容易に車室側へと貫通させることができる。よって、大径筒部までを貫通穴に無理に押し込んでいた従来に比して挿入力を低減でき、作業者の負担を軽減できると共に、取付作業性を高めることができる
かつ、本発明のグロメットは、車体パネルの室外側から貫通穴に押し込む作業のみによってグロメットを車体に確実に取り付けると共に、フラップ部を車室内に貫通させて位置させることができる。よって、車室側からの作業を必要としないため、作業者は室外側の一人で足り、作業人数を減らして作業性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
いずれの実施形態も、前記従来例と同様に、図5に示すように、自動車のエンジンルームXと車室Yとを仕切る車体パネル40(ダッシュパネル)に設けた貫通穴41に取り付けるグロメットに本発明を適用している。 車体パネル40の車室Y側面には吸音板42を積層し、該吸音板42には車体パネル40の貫通穴41と連通する内側貫通穴43を設けている。
【0019】
図1乃至図3に、本発明の第一実施形態に係るグロメット10を示す。
グロメット10は、ゴムまたはエストラマーからなる一体成形品であり、図1に示すように、小径筒部11と、拡径筒部13と、該拡径筒部の大径側大径筒部14を備えている。前記小径筒部11と拡径筒部13との間に、小径筒部11の外周よりフラップ部19を突設し、該フラップ部19の基端側より小径筒部11より大径とした中径筒部12を設け、該中径筒部12の先端を外側に向けて軸線方向に折り返してU形状の折り返し部20を設け、該折り返し部20の外周端に拡径筒部13を連続させている。さらに、大径筒部14の先端内面からは閉鎖用鍔部15を径方向に突設している。
【0020】
グロメット10は、前記連続して設ける小径筒部11、中径筒部12、拡径筒部13、大径筒部14の同一中心軸線に沿った中空部をワイヤハーネス挿通部16とし、図3に示すように、該ワイヤハーネス挿通部16に挿通したワイヤハーネス30の両端部外周面に、前記小径筒部11と、前記環状鍔部15に設けた貫通穴17とがそれぞれ密嵌する構成としている
【0021】
前記大径筒部14の外周面には、車体係止凹部18を環状に形成している。
前記小径筒部11の外周から拡径筒部13側に向けて円錐形状に広がるフラップ部19は、その外径を拡径筒部13及び大径筒部14の外径よりも大とし、かつ、円錐形状の原形で車体パネル40の貫通孔41よりも大径としている。
また、小径筒部11の開口端からはテープ巻き舌片21を軸線方向に突設している。
【0022】
前記U形状の折り返し部20は、中径筒部12と拡径筒部13との間に軸線方向の折り返した折り返し部20を介在させ、該折り返し部20の折り返し端20aを拡径筒部13の中空部に突出させている。
【0023】
前記構成よりなるグロメット10は、ワイヤハーネス挿通部16にワイヤハーネス30を貫通させ、図2に示すように、テープ巻き舌片21とワイヤハーネス30とをテープ31で一体に巻きつけてグロメット10をワイヤハーネス30に位置決め固定している。
この状態で車体パネル40の貫通穴41に取り付けられる。
【0024】
グロメット10の貫通穴41への取り付けに際しては、まず、図3(A)に示すように、エンジンルームX側にいる一人の作業者が、車室Y側に向かって貫通穴41にワイヤハーネス30を挿入していく。その際、グロメット10は小径筒部11側を矢印で示す挿入方向としている。
【0025】
ついで、図3(B)に示すように、小径筒部11の貫通孔41に挿入される直前に、グロメット10の大径筒部14を手前に引っ張ってワイヤハーネス30を貫通穴41に向かって押すていくことにより、折り返し部20を直線状に伸ばす。
このように折り返し部20を伸ばすことにより、フラップ部19と拡径筒部13との間の距離を拡大することができる。その状態のまま、ワイヤハーネス30と共にグロメット10を貫通穴41内に挿入することにより、図3(C)に示すように、フラップ部19は貫通孔41の通過時に内向きに変形して縮径しながら通過する。よって、先端周縁部19aを貫通穴41の周縁部と拡径筒部13との間に挟み込むことなくスムーズに貫通穴41内に挿入できる。
【0026】
さらに、グロメット10を室内Y側へ押し込むことで、図3(D)に示すように、拡径筒部13を内側へ圧縮変形させて、大径筒部14の車体係止凹部18に貫通孔41の周縁を落し込んで、貫通孔41にグロメット10を係止する。この時、フラップ部19の全体は貫通穴41を完全に通過して車室Yに位置し、貫通孔41の通過時に内向きに変形していた状態から原状に復帰してフラップ部19は広がった状態となる。
【0027】
最後に、図3(E)に示すように、大径筒部14の車体係止凹部18を貫通穴41の周縁に係止した状態で、ワイヤハーネス30をエンジンルームX側に引っ張ると、直線状に伸びていた折り返し部20を元の折り返し状に戻す。これにより、車室Y側へ突出したフラップ部19を引き戻し、その先端周縁部19aを車体パネル40の室内側面に取り付けている吸音板42の表面に、貫通孔41を完全に塞ぐ状態で当接させることができる。この当接により。吸音板42とフラップ部19で密閉された吸音用密閉空間Sを形成することができる。
【0028】
このように、グロメット10は、折り返し部20の伸長により、フラップ部19の先端周縁部19aを拡径筒部13から距離をあけ、貫通穴41の周縁部と拡径筒部13との間に挟み込むことなく、かつ、貫通穴41内に大径筒部14までを貫通させることなく、容易にフラップ部19全体を貫通穴41を貫通させて車室Y側へ位置させることができる。
かつ、フラップ部19が車室Y側に位置させた状態から、さらにグロメット10を押し込んでいくと、拡径筒部13が貫通孔41を通過する時に圧縮変形して、車体係止凹部18に貫通孔41の周縁を落とし込んでグロメット10を車体パネルに係止することができる。即ち、グロメット10を車体パネルに装着するまでは、エンジンルームX側から作業者が押し込んでいくだけのワンモーションで行うことができる。かつ、作業者は低い挿入力で容易にグロメット10を貫通穴41に取り付けることができ、取付作業性を高めることができる。
【0029】
また、グロメット10の車体係止凹部18を貫通孔41の周縁に係止した後、エンジンルームX側にいる作業者がワイヤハーネスを軽く引き戻すだけで、折り返し部20を元の拡径筒部13を囲む状態に戻すことにより、図3(E)に示すように、フラップ部19の先端周縁部19aを吸音板42の表面に当接できる。なお、折り返し部20の元の形状はグロメット10の成形時の形状であるため、この当接状態を持続できる。さらに、エンジンルームX側に引っ張り力が作用した場合、フラップ部19を吸音板42に当接する方向となるため、フラップ部19が吸音板42から外れることはなく遮音性能を保持できる。
【0030】
さらに、前記のように、図3(A)〜(E)に示す一連の取付作業は、エンジンルームX側での作業のみで完了させることができ、車室Y側での作業を必要としないため、エンジンルームX側にいる一人の作業員で行うことができる。
【0031】
図4および図5に、本発明の第二実施形態に係るグロメット10を示す。
該グロメット10の折り返し部20は、図4に示すように、小径筒部11と拡径筒部13の連続部に軸線方向と直交方向の外側に向けて突出させたU形状に折り返して部20を設けている。この折り返し部20の外端の外端の折り返し点20aから拡径筒部13側に向けて円錐形状に突出するフラップ部19を設けている。
その他の構成は、前記第一実施形態と同一であるため、同一符合を付して説明を省略する。
【0032】
グロメット10の貫通穴41への取り付け、前記第一実施形態と同様であり、図5(A)に示すように、エンジンルームX側より貫通孔41へ小径筒部11を向けて挿入していく。図5(B)に示すように、小径筒部11が貫通孔41に挿入する直前に、大径筒部14を手前に引っ張りながらワイヤハーネス30を貫通穴41に向かって押し、折り返し部20を直線状に伸ばすと共に、伸びた折り返し部20に引っ張られたフラップ部19を全体的に縮径させる。
【0033】
図5(C)に示すように、この状態のままワイヤハーネス30と共にグロメット10を貫通孔41内に挿入することにより、フラップ部19の先端周縁部19aを貫通穴41の周縁部と拡径筒部13との間に挟み込むことなくスムーズに貫通孔41内に挿入できる。
さらに、押し込むことにより、図5(D)に示すように、フラップ部19を貫通孔41を完全に通過させて車室Y側を位置させ、フラップ部19を元に広げた状態に復元させる。かつ、グロメット10の車体係止凹部18に貫通孔41の周縁を落とし込んで係止する。
【0034】
最後に、図5(E)に示すように、大径筒部14の車体係止凹部18を貫通穴41の周縁に係止した状態で、ワイヤハーネスを押し込み方向と逆方向に引っ張り、折り返し部20を元の折り返し状に戻して、車室Y側に突出していたフラップ部19を引き戻して、その先端周縁部19aを吸音板42の表面に当接させて貫通孔41を塞いでいる。これにより、第一実施形態と同様に、吸音板42とフラップ部19で密閉された吸音用密閉空間Sを形成することができる。
【0035】
前記第二実施形態のグロメット10は、図5(B)に示すように、伸びた折り返し部20に引っ張られてフラップ部19が一時的に縮径化することにより、貫通穴41の周縁への引っ掛かり代が一時的に小さくなり、貫通穴41を一層容易に通り抜けることができる。従って、径の小さい貫通穴41に対して好適に用いることができる。また、第一実施形態と同様にエンジンルーム側からの作業だけであるため、エンジンルーム側にいる一人の作業者のみでグロメットの装着作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の第一実施形態に係るグロメットを示す断面図である。
【図2】図1に示すグロメットをワイヤハーネスに取り付けた状態を示す側面図である。
【図3】(A)〜(E)は図2に示すグロメットを車体の貫通穴に取り付ける作業手順を示す説明断面図である。
【図4】本発明の第二実施形態に係るグロメットを示す断面図である。
【図5】(A)〜(E)は、ワイヤハーネスに取り付けた図4に示すグロメットを車体の貫通穴に取り付ける作業手順を示す説明断面図である。
【図6】従来例を示す図である。
【図7】他の従来例を示す図である。
【符号の説明】
【0037】
10 グロメット
11 小径筒部
12 中径筒部
13 拡径筒部
14 大径筒部
19 フラップ部
20 折り返し部
30 ワイヤハーネス
40 車体パネル
41 貫通穴
42 吸音板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
小径筒部と、該小径筒部に拡径筒部を介して連続する大径筒部とを軸線方向に沿って備え、これら小径筒部から大径筒部にかけて自動車用ワイヤハーネスを貫通させて取り付けた状態で車体の貫通穴に挿入し、前記大径筒部の外周面に設けた車体係止凹部を、車体パネルの貫通穴周縁に係止するグロメットであって、
前記小径筒部と拡径筒部との連続部にU形状の折り返し部を設ける一方、
前記小径筒部の外周または前記折り返し部の外周より前記拡径筒部側に向けて円錐形状に広がるフラップ部を設け、
前記車体パネルの貫通穴への押し込み時に前記折り返し部が直線状に伸ばされる一方、前記車体係止凹部が前記貫通穴周縁に係止した状態で前記折り返し部が折り返し状に戻って前記フラップ部の先端周縁が車体パネルの車室側面に当接し、吸音用密閉空間を形成する構成としていることを特徴とするグロメット。
【請求項2】
前記小径筒部と拡径筒部との連続部には、小径筒部の外周より前記フラップ部を突設し、該フラップ部の基端側より前記小径筒部より大径とした中径筒部を設け、該中径筒部の先端を外側に向けて軸線方向に折り返して前記U形状の折り返し部を設け、該折り返し部の外周端に前記拡径筒部を連続させている請求項1に記載のグロメット。
【請求項3】
前記小径筒部と拡径筒部との連続部に、軸線方向と直交方向の外側に向けて前記折り返し部を突設していると共に、該折り返し部の外端から前記フラップ部を突設している請求項1に記載のグロメット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−201204(P2009−201204A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−38175(P2008−38175)
【出願日】平成20年2月20日(2008.2.20)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【Fターム(参考)】