説明

ケイ素含有光重合可能組成物による光学結合

ディスプレイパネルを含む光学アセンブリが本明細書で開示される。ディスプレイパネルは、光重合層を使用して、実質的に透明な基材に光学結合される。光重合層は、ケイ素結合水素及び脂肪族不飽和物を含むケイ素含有樹脂と、光重合可能層100万部当たり、プラチナが約0.5部〜30部の量で存在するプラチナ光触媒と、を有する光重合可能層から形成される。本明細書では、光学アセンブリを作製する方法も開示する。光学アセンブリは、携帯端末、テレビ、コンピュータモニタ、ラップトップディスプレイ又はデジタル標示板などの光学デバイスで使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学部品の光学結合に関し、より詳細には、ケイ素含有光重合可能組成物を使用したディスプレイ部品の光学結合に関する。
【背景技術】
【0002】
光学結合は、光学グレード接着剤を使用して、2つの光学素子同士を接着するのに使用することができる。ディスプレイ用途では、光学結合を使用して、ディスプレイパネル、ガラスプレート、タッチパネル、ディフューザ、剛性補償素子、ヒータ、並びに偏光板及び位相差板のようなフレキシブルフィルムなどの光学素子同士を接着することができる。ディスプレイの光学的性能は、内部反射面の数量を最小限にすることにより改善することができ、それとともに、ディスプレイの光学素子間のエアギャップ数をなくすか、又は少なくとも最小限にすることが望ましいことがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本明細書では、ディスプレイパネルを含む光学アセンブリを開示する。一態様では、光学アセンブリは、ディスプレイパネルと、実質的に透明な基材と、ディスプレイパネルと実質的に透明な基材との間に配置された光重合可能層であって、10μm超〜約12mmの厚さを有する光重合可能層と、ケイ素結合水素及び脂肪族不飽和物を含むケイ素含有樹脂と、光重合可能層100万部当たり、プラチナが約0.5部〜約30部の量で存在するプラチナ光触媒と、を含む。一部の実施形態において、ディスプレイパネルは、液晶ディスプレイパネルを含むことができる。一部の実施形態において、実質的に透明な基材は、タッチスクリーンを含むことができる。
【0004】
本明細書では、光学アセンブリを作製する方法も開示する。一態様では、その方法は、ディスプレイパネルを用意する工程と、実質的に透明な基材又は偏光板を含む基材を用意する工程と、光重合可能な組成物をディスプレイパネル及び基材の一方の上に配置する工程であって、光重合可能な組成物は、ケイ素結合水素及び脂肪族不飽和物を含むケイ素含有樹脂と、光重合可能な組成物100万部当たり、プラチナが約0.5部〜約30部の量で存在するプラチナ光触媒と、を含む、工程と、10μm超〜約12mmの厚さを有する光重合可能層が、ディスプレイパネルと基材との間に形成されるように、ディスプレイパネル及び基材の他方を光重合可能な組成物上に配置する工程と、700nm以下の波長を有する化学線を適用することにより光重合可能層を光重合する工程と、を含む。
【0005】
別の態様では、その方法は、ディスプレイパネルを用意する工程と、実質的に透明な基材又は偏光板を含む基材を用意する工程と、ディスプレイパネルと基材との間にセルが形成されるように、ディスプレイパネルと基材との間にシールを形成する工程であって、セルは10μm超〜約12mmの厚さを有する、工程と、光重合可能な組成物をセル内に配置する工程であって、光重合可能な組成物は、ケイ素結合水素及び脂肪族不飽和物を含むケイ素含有樹脂と、光重合可能な組成物100万部当たり、プラチナが約0.5部〜約30部の量で存在するプラチナ光触媒と、を含む、工程と、700nm以下の波長を有する化学線を適用することにより、光重合可能な組成物を光重合する工程を含む。
【0006】
本明細書で開示する光学アセンブリは、例えば、ディスプレイを含む携帯端末、テレビ、コンピュータモニタ、ラップトップディスプレイ又はデジタル標示板(digital sign)を含む光学デバイスで使用することができる。
【0007】
本発明のこれらの態様及び他の態様について以下の「発明を実施するための形態」に記載する。上記の概要は、いかなる場合にも特許請求される発明の主題を限定するものとして解釈されるべきではなく、発明の主題は本明細書に記載される特許請求の範囲によってのみ定義されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明は、以下の「発明を実施するための形態」を以下の図面とともに考慮することでより完全な理解が可能である。
【図1】例示的な光学アセンブリの概略断面図。
【図2】例示的かつ比較用のケイ素含有光重合ディスクの写真。
【発明を実施するための形態】
【0009】
光学結合は、ディスプレイ性能を改善する周知のプロセスである。ディスプレイの接着により、ディスプレイ内のエアギャップをなくして、太陽光での可読性の改善、コントラスト及び輝度の改善、大きな衝撃及び振動に対する堅牢性及び耐性の改善を含む様々な恩恵を受けることができ、ディスプレイパネルとオーバーレイとの間に結露及び湿気が集まるのをなくすことができる。ディスプレイの接着の恩恵を考えると、ディスプレイの接着がまだニッチ市場であり、接着ディスプレイは、ディスプレイのごく一部しか占めず、多くの接着ディスプレイが、アフターマーケット活動として作製されているのは驚きである。
【0010】
ディスプレイ業界が光学結合の幅広い採用に対して抵抗感をもつ主な理由は、光学結合の組成物及びプロセスのどちらに対する選択肢にも、光学特性を十分に長い期間にわたって提供するものがなかったり(例えば、ポリウレタンは、時間とともに深刻な黄変を呈することがある)、又は光学結合組成物の硬化特性が、高速、大量生産に適さなかったりする(RTVシリコーンは好適な光学特性を有するが、硬化するのに高い温度及び/又は長時間を必要とする)ことにある。
【0011】
本明細書に開示する発明では、ケイ素含有光重合可能組成物を使用した光学結合について述べるが、驚いたことに、その組成物は、光重合した場合に、過酷な条件下での優れた光学性能、及び高速大量生産を可能にするために必要な素早い硬化の両方をもたらす。ケイ素含有光重合可能組成物は、ケイ素結合水素及び脂肪族不飽和物を含むケイ素含有樹脂と、組成物100万部当たり、プラチナが約0.5部〜約30部の量で存在するプラチナ光触媒と、を含む。
【0012】
ケイ素含有光重合可能組成物を使用して、本明細書では光重合可能層と称するケイ素含有光重合可能層を形成することができ、この光重合可能層を光学結合用途に使用することができる。光重合層は、1つ以上の利点をもたらすことができる。1つには、光重合可能層は、光安定性及び熱安定性であり得る。本明細書において、光安定性とは、特に着色又は光吸収性分解生成物の形成という観点から、化学線放射に長期間さらされたときに化学的に分解しない材料を指す。本明細書において、熱安定性とは、特に着色又は光吸収性分解生成物の形成という観点から、熱に長期間さらされたときに化学的に分解しない材料を指す。更に、好ましいケイ素含有樹脂は、製造時間を速め、全体的な組み立てコストを削減するために相対的に迅速な硬化機構(例えば、数秒から30分未満)を有するものである。
【0013】
光重合可能層の屈折率は、光学部品の屈折率とほぼ一致するように設計することができる。一般に、隣接する部品間の接合部から反射する光量を最小限にするために、隣接する部品が、可能な限り厳密に一致する屈折率を有することが望ましい。接合部から反射した光により、コントラスト比が低下し、このため、例えば、屋外での視認性に影響を及ぼすことがある。
【0014】
光重合可能層はまた、光学用途に適した透明性を有する。例えば、光重合可能層は、厚さ1ミリメートル当たり、460nmで約85%超の透過率、530nmで約90%超の透過率、及び670nmで約90%超の透過率を有することができる。これらの透過特性により、電磁スペクトルの可視領域全体にわたって均一な光透過率がもたらされ、これは、フルカラーディスプレイで色点を維持するのに重要である。
【0015】
ケイ素含有光重合可能組成物からなる光重合可能層は、エポキシなどの従来の材料からなる層と比べた場合に、接着をより頑強にすることができる。より頑強な接着は、ケイ素含有光重合可能組成物のエラストマー的又はゲル的性質により得ることができる。ケイ素含有光重合可能組成物は軟性かつ可撓性であり、光学アセンブリが大きな熱衝撃を突然受けるか、又は穏やかな温度衝撃を繰り返し受けた場合でも、接着破壊に抗することができる。光学結合組成物が軟性かつ可撓性であることで、視覚的な異常及び輝度の不規則性を引き起こす恐れのある、アセンブリ内の機械的応力を最小限にすることもできる。一部のメーカは、例えば、ディスプレイパネルと他のタイプの光学部品との間に接着層を使用することを避けてきており、その代わりとして、2つの物品を機械的に結合しているため、それらの間にエアギャップが形成される。一方、エアギャップがあると、ディスプレイ内の接合部での反射が増え、これは、ディスプレイの輝度及びコントラストに悪影響を及ぼす。
【0016】
ケイ素含有光重合可能組成物からなる光重合可能層は、光学部品を光学結合するのに用いる様々な方法で使用できるという利点をもたらすこともできる。
【0017】
図1を参照すると、例示的な光学アセンブリの概略断面図が示されている。光学アセンブリ10は、ディスプレイパネル12、実質的に透明な基材14、及びケイ素含有光重合可能層16を含む。ケイ素含有光重合可能層16は、光重合可能層を少なくとも部分的に重合するために化学線を照射される。少なくとも部分的に重合された層は、ディスプレイパネル10と実質的に透明な基材14とを接着して、それらを光学的に互いに結合する。ディスプレイパネル及び実質的に透明な基材は互いに接着されるので、光学アセンブリ10が移動された場合に、ディスプレイパネル及び実質的に透明な基材は、互いに対して実質的に移動しない。
【0018】
光学結合は、透明なオーバレイヤを様々なディスプレイパネル、例えば、液晶ディスプレイパネル、OLEDディスプレイパネル及びプラズマディスプレイパネルに貼り付けるのに有用である。
【0019】
一部の実施形態において、光学アセンブリは、液晶ディスプレイアセンブリを含み、ディスプレイパネルは液晶ディスプレイパネルを含む。液晶ディスプレイパネルは周知であり、通常、ガラス又はポリマー基材などの、2つの実質的に透明な基材間に配置された液晶材料を含む。本明細書において、実質的に透明とは、厚さ1ミリメートル当たり、460nmで約85%超の透過率、530nmで約90%超の透過率、及び670nmで約90%超の透過率を有する基材を指す。実質的に透明な基材の内側面には、電極として機能する透明な導電材料がある。場合によっては、実質的に透明な基材の外側面には、基本的に、ただ1つの偏光状態の光だけを通す偏光フィルムがある。電圧が電極に対して選択的に印加されると、液晶材料は再配向して光の偏光状態を変え、それにより、画像が形成される。液晶ディスプレイパネルはまた、マトリクスパターンで配置された複数の薄膜トランジスタ(TFT)を有するTFTアレイパネルと、共通電極を有する共通電極パネルとの間に配置された液晶材料を含むことができる。
【0020】
一部の実施形態では、光学アセンブリはプラズマディスプレイアセンブリを含み、ディスプレイパネルはプラズマディスプレイパネルを含む。プラズマディスプレイパネルは周知であり、通常、2つのガラスパネル間に位置する多数の小セル内に配置されたネオン及びキセノンなどの希ガスからなる不活性混合物を含む。制御回路は、パネル内の電極を帯電させて、ガスがイオン化され、プラズマを形成するようにし、次いで、プラズマが蛍光体を励起して発光させる。
【0021】
一部の実施形態において、光学アセンブリは有機電界発光アセンブリを含み、ディスプレイパネルは、2つのガラスパネル間に配置された有機発光ダイオード又は発光ポリマーを含む。
【0022】
例えば、E Inkから入手可能なタッチパネルを有する電気泳動ディスプレイなどの他のタイプのディスプレイパネルも、ディスプレイ接着から恩恵を受けることができる。
【0023】
光学アセンブリはまた、厚さ1ミリメートル当たり、460nmで約85%超の透過率、530nmで約90%超の透過率、及び670nmで約90%超の透過率を有する実質的に透明な基材を含む。典型的な液晶ディスプレイアセンブリでは、実質的に透明な基材を前部又は後部カバープレートと称することがある。実質的に透明な基材は、ガラス又はポリマーを含むことができる。有用なガラスには、ホウケイ酸、ソーダ石灰、及び保護カバーとしてディスプレイ用途での使用に適した他のガラスがある。有用なポリマーには、それらに限定するものではないが、PETなどのポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム又はプレート、アクリルプレート、並びにZeon Chemicals L.Pから入手可能なZeonox及びZeonorなどのシクロオレフィンポリマーが挙げられる。実質的に透明な基材は、ディスプレイパネル12及び/又は光重合可能層16の屈折率に近い、例えば、1.45〜1.55の屈折率を有するのが好ましい。実質的に透明な基材は通常、約0.5mm〜約5mmの厚さを有する。
【0024】
一部の実施形態において、実質的に透明な基材はタッチスクリーンを含む。タッチスクリーンは当該技術分野において周知であり、通常、2つの実質的に透明な基材間に配置された透明な導電層を含む。例えば、タッチスクリーンは、ガラス基材とポリマー基材との間に配置された酸化インジウムスズを含むことができる。
【0025】
ケイ素含有光重合可能組成物を使用して光重合可能層を形成し、次いで、この光重合可能層を硬化させて光重合層を形成する。光重合可能層は、10μm超〜約12mm、又は10μm〜約5mmの厚さを有する。例えば、厚さは約254μmとすることができる。光学アセンブリで採用される特定の厚さは、任意の数の因子から求めることができ、例えば、光学アセンブリを使用する光学デバイスの設計では、ディスプレイパネルと実質的に透明な基材との間に特定のギャップを必要とすることがある。下記に説明するように、ディスプレイパネルと実質的に透明な基材との間のギャップは、例えば、2つの間に配置された支持棒によって機械的に調整することができる。
【0026】
上記の理由から、光重合可能層は、ディスプレイパネル及び実質的に透明な基材の屈折率とほぼ一致する屈折率を有するのが好ましい。一部の実施形態において、光重合可能層は光学的にほぼ透明である。例えば、光重合可能層は、厚さ1ミリメートル当たり、460nmで約85%超の透過率、530nmで約90%超の透過率、及び670nmで約90%超の透過率を有することができる。
【0027】
光重合可能層が硬化された後、光重合可能層は、高分子量ガム、ゲル、エラストマー、又は非弾性的固体の形態をとることができる。
【0028】
光重合可能層はケイ素含有樹脂を含む。好ましいケイ素含有樹脂は、このケイ素含有樹脂が熱的及び光化学的に安定である光重合層を提供するように選択される。
【0029】
ケイ素含有樹脂は、ケイ素結合水素及び脂肪族不飽和物を含む。通常、ケイ素含有樹脂は、脂肪族不飽和物及びケイ素結合水素を組み込んでいる基間の、金属触媒によるヒドロシリル化反応を受ける。ケイ素含有樹脂は、モノマー、オリゴマー、ポリマー、又はこれらの混合物を含むことができる。かかる樹脂は、ヒドロシリル化(すなわち、炭素−炭素二重結合又は三重結合に対するケイ素結合水素の付加)を可能にするケイ素結合水素及び脂肪族不飽和物を含む。ケイ素結合水素及び脂肪族不飽和物は、同じ分子中に存在してもよく、又は存在しなくてもよい。更に、脂肪族不飽和物は、ケイ素に直接結合してもよく、又はしていなくてもよい。
【0030】
一部の実施形態において、ケイ素含有樹脂は、オルガノポリシロキサンを含むオルガノシロキサン(すなわち、シリコーン)を含む。すなわち、脂肪族不飽和物及びケイ素結合水素を組み込んでいる基は、オルガノシロキサンに結合することができる。一部の実施形態において、ケイ素含有樹脂は、脂肪族不飽和物を組み込んでいる基が一方のオルガノシロキサンの一部であり、ケイ素結合水素を組み込んでいる基が第2のオルガノシロキサンの一部である少なくとも2つのオルガノシロキサンを含む。
【0031】
一部の実施形態において、ケイ素含有樹脂は、1分子中にケイ素原子に結合した少なくとも2つの脂肪族不飽和物部位(例えば、アルケニル又はアルキニル基)を有するシリコーン構成成分、並びに1分子中にケイ素原子に結合した少なくとも2つの水素原子を有するオルガノハイドロジェンシラン及び/又はオルガノハイドロジェンポリシロキサン構成成分を含む。好ましくは、ケイ素含有樹脂は、ベースポリマー(すなわち、組成物中の主要なオルガノシロキサン構成成分)としてシリコーン含有脂肪族不飽和物とともに、両方の構成成分を含む。
【0032】
一部の実施形態において、ケイ素含有樹脂は、脂肪族不飽和物を含有し、線状、環状、又は分枝状オルガノポリシロキサンであることが好ましいオルガノポリシロキサンを含む。ケイ素含有樹脂は、式、RSiO(4−a−b)/2のユニットを有するオルガノシロキサンを含み、式中、Rは、脂肪族不飽和が無く、1〜18個の炭素原子を有する、一価で、直鎖、分岐状又は環状の、非置換又は置換の炭化水素基であり、Rは、脂肪族不飽和物及び2〜10個の炭素原子を有する一価の炭化水素基であり、aは、0、1、2又は3であり、bは、0、1、2又は3であり、a+bの合計が、0、1、2又は3であり、ただし、1分子当たり、平均で少なくとも1つのRが存在することを条件とする。脂肪族不飽和物を含有するオルガノポリシロキサンは、好ましくは、25℃にて少なくとも5mPa・sの平均粘度を有する。
【0033】
好適なR基の例は、アルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、シクロペンチル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、n−オクチル、2,2,4−トリメチルペンチル、n−デシル、n−ドデシル、及びn−オクタデシル;芳香族基、例えばフェニル又はナフチル;アルカリル基、例えば4−トリル;アラルキル基、例えばベンジル、1−フェニルエチル、及び2−フェニルエチル;並びに置換アルキル基、例えば3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル、1,1,2,2−テトラヒドロペルフルオロ−n−ヘキシル、及び3−クロロ−n−プロピルである。一部の実施形態において、R基の少なくとも90モルパーセントは、メチルである。一部の実施形態において、少なくとも、R基の少なくとも20モルパーセントは、アリール、アラルキル、アルカリル又はそれらの組み合わせであり、例えば、R基はフェニルとすることができる。
【0034】
好適なR基の例は、アルケニル基、例えばビニル、5−ヘキセニル、1−プロペニル、アリル、3−ブテニル、4−ペンテニル、7−オクテニル、及び9−デセニル;並びにアルキニル基、例えばエチニル、プロパルギル及び1−プロピニルである。一部の実施形態において、R基は、ビニル又は5−ヘキセニルである。脂肪族炭素−炭素多重結合を有する基としては、脂環式炭素−炭素多重結合を有する基が挙げられる。
【0035】
一部の実施形態において、ケイ素含有樹脂は、ケイ素結合水素を含有し、線状、環状又は分枝状オルガノポリシロキサンであることが好ましいオルガノポリシロキサンを含む。ケイ素含有樹脂は、式RSiO(4−a−c)/2のユニットを有するオルガノシロキサンを含むことができ、式中、Rは上記で定義した通りであり、aは0、1、2又は3であり、cは0、1又は2であり、a+cの合計は、0、1、2又は3であり、ただし、1分子当たり平均で少なくとも1つのケイ素結合水素原子が存在することを条件とする。ケイ素結合水素を含有するオルガノポリシロキサンは、好ましくは、25℃で少なくとも5mPa・sの平均粘度を有する。一部の実施形態において、R基の少なくとも90モルパーセントは、メチルである。一部の実施形態において、少なくとも、R基の少なくとも20モルパーセントは、アリール、アラルキル、アルカリル又はそれらの組み合わせであり、例えば、R基はフェニルとすることができる。
【0036】
一部の実施形態において、ケイ素含有樹脂は、脂肪族不飽和物及びケイ素結合水素の両方を含有するオルガノポリシロキサンを含む。そのようなオルガノポリシロキサンは、両式、RSiO(4−a−b)/2、及びRSiO(4−a−c)/2のユニットを含むことができる。これらの式において、R、R、a、b及びcは上記で定義した通りであるが、ただし、1分子当たり、平均で少なくとも1つの脂肪族不飽和及び1つのケイ素結合水素原子を含有する基が存在することを条件とする。一実施形態において、R基の少なくとも90モルパーセントは、メチルである。一部の実施形態において、少なくとも、R基の少なくとも20モルパーセントは、アリール、アラルキル、アルカリル又はそれらの組み合わせであり、例えば、R基はフェニルとすることができる。
【0037】
ケイ素含有樹脂(特にオルガノポリシロキサン樹脂)におけるケイ素結合水素原子と脂肪族不飽和物とのモル比は、0.5〜10.0モル/モル、好ましくは0.8〜4.0モル/モル、及びより好ましくは1.0〜3.0モル/モルの範囲であってもよい。
【0038】
一部の実施形態に関しては、R基の大部分がフェニル又はその他のアリール、アラルキル若しくはアルカリルであるような上述されたオルガノポリシロキサン樹脂は、これらの基を組み込むことにより、Rラジカルの全てが、例えばメチルであるような材料よりも高い屈折率を有する材料を提供するので、好ましい。
【0039】
光重合可能層はプラチナ光触媒を含む。一般的に、プラチナ光触媒は、放射線活性化ヒドロシリル化によって、ケイ素含有樹脂の重合を可能にする。化学線によって活性化される触媒を使用してヒドロシリル化を始める利点は、(1)表示デバイス又は存在する他のあらゆる材料を有害な温度に当てることなく光重合可能層を重合できること、(2)長い稼動時間(別名、浴寿命又は保管寿命)を示す一部光重合可能な光組成物を製造できること、(3)ユーザーの裁量で要求に応じて光重合可能層を重合できること、及び(4)一般に、熱的に重合可能なヒドロシリル化組成物に必要なように、二部組成物の必要を避けることによって製造工程を単純化できることを含む。
【0040】
光重合可能層は、ヒドロシリル化反応を促進するのに使用されるプラチナ光触媒を含む。一般に、所定の光重合可能な組成物又は層内において使用されるプラチナ光触媒の量は、放射線源、熱を用いるか否か、時間、温度などに加えて、ケイ素含有樹脂の特有の化学的性質、ケイ素含有樹脂の反応性、光重合可能層中に存在するケイ素含有樹脂の量などのような様々な要因に左右されると言われている。
【0041】
一般に、硬化速度を速めるには、より高い濃度のプラチナ触媒が所望されることが知られている。通常、速い硬化速度は、使用されるプラチナ光触媒の量が、光重合可能組成物100万部当たり、プラチナが少なくとも約50部〜約1000部である場合に得ることができる。しかしながら、このように濃度がより高くなると、例えば、130℃、1000時間といった加速環境試験に曝露した場合、重合組成物が黒化又は黄変する。この黒化は、ディスプレイ用途で使用するのに適さない。
【0042】
驚いたことに、光学用途に適し、十分な厚さを有する光重合層は、極少量のプラチナ光触媒を含む光重合可能層から作製できると分かった。驚いたことに、所定量のプラチナ触媒を使用することで、光重合層は変色しなくなり、それにもかかわらず、層を形成する反応速度は速まる。光重合可能層は、光重合可能層100万部当たり、プラチナが約0.5部〜約30部の量のプラチナ光触媒を含む。プラチナ光触媒はまた、光重合可能層100万部当たり、プラチナの部数が、約0.5ppm〜約20ppm、又は約0.5ppm〜約12ppmの量で使用することができる。図2は、それぞれ厚さが約2.7mmで、ケイ素含有樹脂及びプラチナ光触媒を含む光重合可能な組成物から作製された2つのディスクを並べて比較したものを示す写真である。左のディスクに対してプラチナ10部、右のディスクに対してプラチナ50部の存在下で構成成分のヒドロシリル化を行った。実験手順の詳細は、左右のディスクに対してそれぞれ実施例1及び比較例1に見ることができる。
【0043】
有用なプラチナ光触媒は、例えば、米国特許第7,192,795号(Boardmanら)及びそれに記載された参考文献に開示されている。特定の好ましいプラチナ光触媒は、Pt(II)β−ジケトナート錯体(米国特許第5,145,886号(Oxmanら)に開示されたものなど)、(η−シクロペンタジエニル)トリ(σ−脂肪族)プラチナ錯体(米国特許第4,916,169号(Boardmanら)及び米国特許第4,510,094号(Drahnak)に開示されたものなど)、及びC7〜20−芳香族置換(η−シクロペンタジエニル)トリ(σ−脂肪族)プラチナ錯体(米国特許第6,150,546号(Butts)に開示されたものなど)からなる群から選択される。光重合可能層はまた、共触媒、すなわち2つ以上の金属含有触媒の使用を含むこともできる。
【0044】
波長が700nm以下の化学線を使用して光重合可能層を光重合することができる。化学線はプラチナ光触媒を活性化する。700nm以下の波長を有する化学線は、可視光及び紫外線を含むが、化学線は、好ましくは600nm以下、より好ましくは200〜600nm、更により好ましくは250〜500nmの波長を有する。好ましくは、化学線放射は少なくとも200nm、より好ましくは少なくとも250nmの波長を有する。
【0045】
少なくとも部分的に光重合された層が得られるように、十分な量の化学線が、所定の時間にわたって光重合可能層に適用される。層が部分的に光重合されたことは、少なくとも5モルパーセントの脂肪族不飽和物がヒドロシリル化反応にて消費されたことを意味する。好ましくは、実質的に光重合された層を形成するように、所定の時間にわたって十分な量の化学線放射が光重合層に適用される。層が実質的に光重合されたことは、ケイ素結合水素と脂肪族不飽和種との光活性付加反応の結果として、反応前の反応物質種中に存在する脂肪族不飽和物が、60モルパーセントを超えて消費されたことを意味する。好ましくは、こうした光重合は30分未満、より好ましくは10分未満、更により好ましくは5分未満又は1分未満で発生する。特定の実施形態では、こうした光重合は10秒未満で発生し得る。
【0046】
化学線源の例には、タングステンハロゲンランプ、キセノンアークランプ、水銀アークランプ、白熱灯、殺菌灯、蛍光ランプ、及びレーザが挙げられる。使用できる可能性のある様々な紫外線源がある。1つの種類に低強度、低圧力の水銀球がある。これらには、主に254nmで放射する殺菌電球、ピーク放射がほぼ350nm又は365nmのブラックライト電球、及びブラックライト電球と同様に放射するが400nmを超える光を除去する特別なガラスを使用したブラックライトブルー電球が挙げられる。そのようなシステムは、VWR(West Chester,PA)から入手可能である。他の種類には、Fusion UV Systems(Gaithersburg,Maryland)から入手可能な高強度連続放射システム、XENON Corporation(Wilmington,MA)から入手可能な高強度パルス放射システム、LESCO Corporation(Torrance,CA)から入手可能な高強度スポット硬化システム、及びUV Process Supply,Inc.(Chicago,IL)から入手可能なLEDを基本としたシステムが挙げられる。レーザシステムはまた、光重合可能層で重合を開始するのに使用することができる。
【0047】
接合された部品を製造プロセスの次のステップに運ぶ、又は移動させることができるように、化学線を適用して光重合可能層をゲル化することができる。
【0048】
化学線を適用する前、適用中、及び/又は適用後に、光重合可能層を加熱してもよい。光重合層の形成を促進する、すなわち、光重合時に光重合可能層が化学線に曝露される時間を少なくするために、加熱を行うことができる。加熱はまた、光重合可能層の粘度を低下させて、例えばあらゆる捕捉されたガスの放出を促進するために行われてよい。開示される方法は、有害な温度を回避する限りは特に有利である。好ましくは、開示した方法は、100℃未満、80℃未満、60℃未満の温度で化学線に曝露することを含み、光重合可能層は室温にあるのが最も好ましい。例えば、赤外線ランプ、強制空気オーブン、又は加熱プレートのようないかなる加熱手段も使用可能である。
【0049】
光重合の全体速度を速めるために、オプションとして、光重合可能層内に光重合開始剤を含むことができる。有用な光重合開始剤には、例えば、α−ジケトン又はα−ケトアルデヒドのモノケタール及びアシロイン及びそれらに対応するエーテル(例えば、米国特許第6,376,569号(Oxmanら)に開示されたもの)が挙げられる。有用な量としては、光重合可能層100万部当たり50,000重量部以下であること、より好ましくは5000重量部以下であることが挙げられる。使用される場合、このような光重合開始剤は、光重合可能層100万部当たり、好ましくは少なくとも50重量部、より好ましくは少なくとも100重量部の量で含まれる。光重合開始剤は、加速エージング条件への曝露後、重合した層に過剰な黄変を発生させない範囲でのみ加えることができる。
【0050】
所望により、光重合可能層を形成するのに使用される組成物に触媒阻害物質を含むことができる。触媒阻害物質は、組成物の有効貯蔵寿命を延ばすために使用できるが、硬化速度を遅くすることもできる。一部の実施形態において、触媒阻害物質は、組成物の硬化速度に望ましくない影響を及ぼすことなく、組成物の有効貯蔵寿命を延ばすのに十分な量で使用することができる。一部の実施形態において、光重合可能な組成物は、化学量論的な量がプラチナ光触媒よりも少ない触媒阻害物質を含む。触媒阻害物質は当該技術分野において既知であり、アセチレン性アルコール(例えば、米国特許第3,989,666号(Niemi)及び米国特許第3,445,420号(Kookootsedesら)を参照のこと)、不飽和カルボン酸エステル(例えば、米国特許第4,504,645号(Melancon)、米国特許第4,256,870号(Eckberg)、米国特許第4,347,346号(Eckberg)及び米国特許第4,774,111号(Lo)を参照のこと)、及び特定のオレフィン性シロキサン(例えば、米国特許第3,933,880号(Bergstrom)、米国特許第3,989,666号(Niemi)及び米国特許第3,989,667号(Leeら)を参照のこと)のような物質が挙げられる。
【0051】
一部の実施形態において、光重合可能な組成物は、触媒阻害物質を全く含まない。組成物の照射の際に生成される活性ヒドロシリル化触媒は、上記活性触媒の活性を弱めることのある材料がない場合に作製されるという点で、光重合可能層の硬化速度を最大化するためには、触媒阻害物質として機能し得る材料の量を最小限に抑えることが望ましい場合がある。
【0052】
光重合可能層は、非吸収性金属酸化物粒子、酸化防止剤、紫外線安定剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の添加剤を含むことができる。こうした添加剤は、使用される場合、所望の効果を生み出す量で使用される。実質的に透明な非吸収性金属酸化物粒子を使用することができる。例えば、光重合可能な組成物が混合された非吸収性金属酸化物粒子の厚さ1mmのディスクは、ディスクに入射する光の約15%未満を吸収してもよい。他の場合では、混合物は、ディスクに入射する光の10%未満を吸収してもよい。非吸収性金属酸化物粒子の例には、Al、ZrO、TiO、V、ZnO、SnO、ZnS、SiO、及びこれらの混合物、並びに他の十分に透明な非酸化物セラミック材料が挙げられるが、これらに限定されない。粒子は、光重合可能な組成物内での分散性を改善するために表面処理を施すことができる。こうした表面処理化学物質の例としては、シラン、シロキサン、カルボン酸、ホスホン酸、ジルコン酸塩、チタン酸塩などが挙げられる。こうした表面処理化学物質を適用する技術は既知である。シリカ(SiO)は、比較的低屈折率を有するが、例えば、より高い屈折率の物質から作製される粒子の薄い表面処理としていくつかの用途で有用な場合があり、オルガノシランでより簡単にできる表面処理が可能となる。この点に関して、粒子は、別の種類の材料が付着した1つの材料のコアを有する種を含むことができる。
【0053】
非吸収性金属酸化物粒子は、使用される場合、光重合可能層の全重量を基準にして85重量%以下の量で、光重合可能層に含まれるのが好ましい。非吸収性金属酸化物粒子は、光重合可能層の全重量を基準として好ましくは少なくとも10重量%の量、より好ましくは少なくとも45重量%の量で含まれる。一般に、粒子は、その大きさが1ナノメートル〜1マイクロメートル、好ましくは10ナノメートル〜300ナノメートル、より好ましくは10ナノメートル〜100ナノメートルの範囲とすることができる。この粒径は平均粒径であるが、ここで、粒径は、球状粒子の直径である粒子の最長寸法である。球状粒子がモノモーダル分布であることを考慮すると、金属酸化物粒子の体積パーセントは、74体積パーセントを超えることができないと当業者にはわかるであろう。非吸収性金属酸化物粒子は、望ましくない色又は曇りを付け足さない範囲まででのみ加えることができる。これらの粒子は、例えば、光重合層の屈折率を修正するなど、所望の効果をもたらすように加えることができる。
【0054】
本明細書に開示した光学アセンブリは、互いに接着される2つの部品の2つの表面間に光重合可能な組成物を配置することにより調製することができる。本明細書に開示した光学アセンブリは、ディスプレイパネルを用意する工程と、実質的に透明な基材を含む基材を用意する工程と、光重合可能な組成物をディスプレイパネル及び基材の一方の上に配置する工程であって、光重合可能な組成物は、ケイ素結合水素及び脂肪族不飽和物を含むケイ素含有樹脂と、光重合可能な組成物100万部当たり、プラチナが約0.5部〜約30部の量で存在するプラチナ光触媒と、を含む、工程と、10μm超〜約12mm、又は50μm超〜5mm、又は100μm超〜3mmの厚さを有する光重合可能層が、ディスプレイパネルと基材との間に形成されるように、ディスプレイパネル及び基材の他方を光重合可能な組成物上に配置する工程と、700nm以下の波長を有する化学線を適用することにより光重合可能層を光重合する工程、により、作製することができる。
【0055】
上記の方法の例には、所定量の光重合可能な組成物又はこの組成物の層を、接着されるいずれか一方の部品の表面に配置することが含まれる。次に、実質的に均一な光重合可能層が2つの表面間に形成されるように、もう一方の部品を光重合可能な組成物と接触させて配置する。次いで、2つの部品を所定の位置に確実に保持する。必要に応じて、アセンブリの上面全体にわたって均一な圧力を加えてよい。必要に応じて、ガスケット、支持棒、シム及び/又はスペーサを使用して、部品を互いに対して一定の距離に保持することにより、層の厚さを調整してもよい。あふれ出たものから部品を保護するために、マスキングが必要とされることがある。吸引装置又は他の手段により、封入された空気の空洞を防止するか、又はなくすことができる。次いで、上記のように、化学線を適用して光重合可能層を光重合することができる。
【0056】
接着される2つの部品間にエアギャップ又はセルを形成し、次いで、光重合可能な組成物をセル内に配置することにより、光学アセンブリを作製してもよい。すなわち、その方法は、ディスプレイパネルを用意する工程と、実質的に透明な基材又は偏光板を含む基材を用意する工程と、ディスプレイパネルと基材との間にセルが形成されるように、ディスプレイパネルと基材との間にシールを形成する工程であって、セルは10μm超〜約12mm、又は50μm超〜約5mm、又は100μm超〜3mmの厚さを有する、工程と、光重合可能な組成物をセル内に配置する工程であって、光重合可能な組成物は、ケイ素結合水素及び脂肪族不飽和物を含むケイ素含有樹脂と、光重合可能な組成物100万部当たり、プラチナが約0.5部〜約30部の量で存在するプラチナ光触媒と、を含む、工程と、700nm以下の波長を有する化学線を適用することにより、光重合可能な組成物を光重合する工程を含む。
【0057】
上記の方法の例は、米国特許第6,361,389(B1)号(Hogueら)に記載されており、周囲に沿ったシールがエアギャップ又はセルを形成するように、部品同士を周縁部で接着することを含む。接着は、両面感圧性接着テープ、ガスケット、RTVシールなどの接合テープを使用して行うことができる。次いで、テープ接合した基材の上縁部の開口に沿って、2つの基材間に光重合可能な組成物を注いで、重力によって基材間にゆっくりと浸透させる。あるいは、注射器などの何らかの加圧注入手段により、光重合可能な組成物をエアギャップに注入する。エアギャップが満たされたときに、空気を逃がすことができるようにするために、別の開口が必要である。吸引装置などの排出手段を使用して、そのプロセスを容易にすることができる。次いで、上記のように、化学線を適用して光重合可能層を光重合することができる。
【0058】
米国特許第5,867,241号(Sampicaら)に記載されたようなアセンブリ取付具を使用して光学アセンブリを調製することができる。この方法では、平板を含み、その平板の中にピンを圧入した取付具が提供される。ピンは、ディスプレイパネルとディスプレイパネルに取り付けられる部品との寸法に合致するピン領域を形成するように、所定の形状で配置される。ピンは、ディスプレイパネル及び他の部品がピン領域に降ろされたときに、ディスプレイパネル及び他の部品の4つの各隅部が、ピンによって所定の位置に保持されるように構成される。取付具は、位置合わせ精度を適切に調整して、光学アセンブリの組み立て及び位置合わせに寄与する。Sampicaらにより記載された組み立て方法の別の実施形態も説明する。米国特許第6,388,724(B1)号(Campbellら)に記載されているように、支持棒、シム及び/又はスペーサを使用して、部品を互いに対して一定の距離で保持することができる。
【0059】
本明細書に開示した光学アセンブリは、典型的には層の形態の更なる部品を含むことができる。例えば、酸化インジウムスズ又は他の適切な材料の層を含む加熱源を実質的に透明な基材などの部品の1つに配置することができる。更なる部品が、例えば、米国特許出願公開第2008/0007675(A1)号(Sanelleら)に記載されている。
【0060】
本明細書に開示した光学アセンブリを、それらに限定するものではないが、電話、テレビ、コンピュータモニタ、プロジェクタ又は標示板を含む様々な光学デバイスに使用することができる。光学デバイスは、バックライトを含んでよい。
【実施例】
【0061】
(実験)
500.0gのGelest VQM−135(Gelest,Inc.(Morrisville,PA))と25.0gのDow Corning Syl−Off 7678(Dow Corning(Midland,MI))を1リットルのガラスボトルに加えることによって、脂肪族不飽和物及びケイ素結合水素を有するオルガノシロキサンのシリコーンマスターバッチを作製した。33mgのMeCpPtMe(Alfa Aesar(Ward Hill,MA))を1mLのトルエン中に溶解させることによって、触媒原液を調製した。マスターバッチと触媒溶液を下記のように混合することによって、異なる量のプラチナ触媒を有するシリコーン組成物を調製した。全ての組成物は、500nm未満の波長の光を排除した安全な条件下で調製した。
【0062】
(実施例1)
100mLのアンバージャーに、40.0gのシリコーンマスターバッチと20μLの触媒溶液(10ppmのプラチナ触媒に相当する)を加えた。この溶液を金属へらで十分に混合し、数時間かけて脱気させた。組成物を脱気させたら、その溶液6.2gを、55mmの直径を有するプラスチックのペトリ皿に注いだ。そのシリコーン溶液を澄ませてから、主に254nmで発光する40.6cm(16インチ)のPhilips TUV 15 W/G15 T8 Germicidalバルブを2つ備えたUVP Blak−Ray Lamp Model XX−15Lの下で、15分間照射してから、強制空気オーブン内において80℃で30分間加熱することによって硬化させた。この材料は、1〜2分のうちに不粘着固体まで硬化する。硬化したシリコーンディスクをプラスチックのペトリ皿から外したところ、そのシリコーンディスクの中央の厚みは2.7mmであった。PerkinElmer Lambda 900 UV/VIS Spectrophotometer(PerkinElmer Instruments(Norwalk,CT))を使用して、そのシリコーンの透過スペクトルを測定した。フレネル反射に対して補正していない、400nmにおける試料の透過率は93.8%であった。ほこり及びくずによる汚染から表面を保護するために、試料をガラスのペトリ皿の中に置き、その試料を強制空気オーブン内において130℃で1000時間時効させた。1000時間の時効実験中に測定した400nmにおける試料の透過率のデータは、表1に示されている。1000時間の時効実験中に測定した460nmにおける試料の透過率のデータは、表3に示されている。1000時間の時効実験中に測定した530nmにおける試料の透過率のデータは、表5に示されている。1000時間の時効実験中に測定した670nmにおける試料の透過率のデータは、表7に示されている。
【0063】
(実施例2)
100mLのアンバージャーに、40.0gのシリコーンマスターバッチと30μLの触媒溶液(15ppmのプラチナ触媒に相当する)を加えた。この溶液を金属へらで十分に混合し、数時間かけて脱気させた。組成物を脱気させたら、その溶液6.2gを、55mmの直径を有するプラスチックのペトリ皿に注いだ。そのシリコーン溶液を澄ませてから、主に254nmで発光する40.6cm(16インチ)のPhilips TUV 15 W/G15 T8 Germicidalバルブを2つ備えたUVP Blak−Ray Lamp Model XX−15Lの下で、15分間照射してから、強制空気オーブン内において80℃で30分間加熱することによって硬化させた。硬化したシリコーンディスクをプラスチックのペトリ皿から外したところ、そのシリコーンディスクの中央の厚みは2.7mmであった。PerkinElmer Lambda 900 UV/VIS Spectrophotometer(PerkinElmer Instruments(Norwalk,CT))を使用して、そのシリコーンの透過スペクトルを測定した。フレネル反射に対して補正していない、400nmにおける試料の透過率は93.2%であった。ほこり及びくずによる汚染から表面を保護するために、試料をガラスのペトリ皿の中に置き、その試料を強制空気オーブン内において130℃で1000時間時効させた。1000時間の時効実験中に測定した400nmにおける試料の透過率のデータは、表1に示されている。1000時間の時効実験中に測定した460nmにおける試料の透過率のデータは、表3に示されている。1000時間の時効実験中に測定した530nmにおける試料の透過率のデータは、表5に示されている。1000時間の時効実験中に測定した670nmにおける試料の透過率のデータは、表7に示されている。
【0064】
(実施例3)
100mLのアンバージャーに、40.0gのシリコーンマスターバッチと40μLの触媒溶液(20ppmのプラチナ触媒に相当する)を加えた。この溶液を金属へらで十分に混合し、数時間かけて脱気させた。組成物を脱気させたら、その溶液6.2gを、55mmの直径を有するプラスチックのペトリ皿に注いだ。そのシリコーン溶液を澄ませてから、主に254nmで発光する40.6cm(16インチ)のPhilips TUV 15 W/G15 T8 Germicidalバルブを2つ備えたUVP Blak−Ray Lamp Model XX−15Lの下で、15分間照射してから、強制空気オーブン内において80℃で30分間加熱することによって硬化させた。硬化したシリコーンディスクをプラスチックのペトリ皿から外したところ、そのシリコーンディスクの中央の厚みは2.7mmであった。PerkinElmer Lambda 900 UV/VIS Spectrophotometer(PerkinElmer Instruments(Norwalk,CT))を使用して、そのシリコーンの透過スペクトルを測定した。フレネル反射に対して補正していない、400nmにおける試料の透過率は92.6%であった。ほこり及びくずによる汚染から表面を保護するために、試料をガラスのペトリ皿の中に置き、その試料を強制空気オーブン内において130℃で1000時間時効させた。1000時間の時効実験中に測定した400nmにおける試料の透過率のデータは、表1に示されている。1000時間の時効実験中に測定した460nmにおける試料の透過率のデータは、表3に示されている。1000時間の時効実験中に測定した530nmにおける試料の透過率のデータは、表5に示されている。1000時間の時効実験中に測定した670nmにおける試料の透過率のデータは、表7に示されている。
【0065】
(実施例4)
100mLのアンバージャーに、20.0gのシリコーンマスターバッチと25μLの触媒溶液(25ppmのプラチナ触媒に相当する)を加えた。この溶液を金属へらで十分に混合し、数時間かけて脱気させた。組成物を脱気させたら、その溶液6.2gを、55mmの直径を有するプラスチックのペトリ皿に注いだ。そのシリコーン溶液を澄ませてから、主に254nmで発光する40.6cm(16インチ)のPhilips TUV 15 W/G15 T8 Germicidalバルブを2つ備えたUVP Blak−Ray Lamp Model XX−15Lの下で、15分間照射してから、強制空気オーブン内において80℃で30分間加熱することによって硬化させた。硬化したシリコーンディスクをプラスチックのペトリ皿から外したところ、そのシリコーンディスクの中央の厚みは2.7mmであった。PerkinElmer Lambda 900 UV/VIS Spectrophotometer(PerkinElmer Instruments(Norwalk,CT))を使用して、そのシリコーンの透過スペクトルを測定した。フレネル反射に対して補正していない、400nmにおける試料の透過率は92.3%であった。ほこり及びくずによる汚染から表面を保護するために、試料をガラスのペトリ皿の中に置き、その試料を強制空気オーブン内において130℃で1000時間時効させた。1000時間の時効実験中に測定した400nmにおける試料の透過率のデータは、表1に示されている。1000時間の時効実験中に測定した460nmにおける試料の透過率のデータは、表3に示されている。1000時間の時効実験中に測定した530nmにおける試料の透過率のデータは、表5に示されている。1000時間の時効実験中に測定した670nmにおける試料の透過率のデータは、表7に示されている。実施例1〜4の結果を外挿すると、30ppmのプラチナを含む組成物は、130℃で1000時間置いた後、400nmにおいて少なくとも約85%の透過率パーセントを有すると予想されるだろう。
【0066】
比較例1
100mLのアンバージャーに、20.0gのシリコーンマスターバッチと50μLの触媒溶液(50ppmのプラチナ触媒に相当する)を加えた。この溶液を金属へらで十分に混合し、数時間かけて脱気させた。組成物を脱気させたら、その溶液6.2gを、55mmの直径を有するプラスチックのペトリ皿に注いだ。そのシリコーン溶液を澄ませてから、主に254nmで発光する40.6cm(16インチ)のPhilips TUV 15 W/G15 T8 Germicidalバルブを2つ備えたUVP Blak−Ray Lamp Model XX−15Lの下で、15分間照射してから、強制空気オーブン内において80℃で30分間加熱することによって硬化させた。この材料は、約1分で不粘着固体まで硬化する。硬化したシリコーンディスクをプラスチックのペトリ皿から外したところ、そのシリコーンディスクの中央の厚みは2.7mmであった。PerkinElmer Lambda 900 UV/VIS Spectrophotometer(PerkinElmer Instruments(Norwalk,CT))を使用して、そのシリコーンの透過スペクトルを測定した。フレネル反射に対して補正していない、400nmにおける試料の透過率は88.9%であった。ほこり及びくずによる汚染から表面を保護するために、試料をガラスのペトリ皿の中に置き、その試料を強制空気オーブン内において130℃で1000時間時効させた。1000時間の時効実験中に測定した400nmにおける試料の透過率のデータは、表2に示されている。1000時間の時効実験中に測定した460nmにおける試料の透過率のデータは、表4に示されている。1000時間の時効実験中に測定した530nmにおける試料の透過率のデータは、表6に示されている。1000時間の時効実験中に測定した670nmにおける試料の透過率のデータは、表8に示されている。
【0067】
比較例2
100mLのアンバージャーに、20.0gのシリコーンマスターバッチと100μLの触媒溶液(100ppmのプラチナ触媒に相当する)を加えた。この溶液を金属へらで十分に混合し、数時間かけて脱気させた。組成物を脱気させたら、その溶液6.2gを、55mmの直径を有するプラスチックのペトリ皿に注いだ。そのシリコーン溶液を澄ませてから、主に254nmで発光する40.6cm(16インチ)のPhilips TUV 15 W/G15 T8 Germicidalバルブを2つ備えたUVP Blak−Ray Lamp Model XX−15Lの下で、15分間照射してから、強制空気オーブン内において80℃で30分間加熱することによって硬化させた。硬化したシリコーンディスクをプラスチックのペトリ皿から外したところ、そのシリコーンディスクの中央の厚みは2.7mmであった。PerkinElmer Lambda 900 UV/VIS Spectrophotometer(PerkinElmer Instruments(Norwalk,CT))を使用して、そのシリコーンの透過スペクトルを測定した。フレネル反射に対して補正していない、400nmにおける試料の透過率は84.6%であった。ほこり及びくずによる汚染から表面を保護するために、試料をガラスのペトリ皿の中に置き、その試料を強制空気オーブン内において130℃で1000時間時効させた。1000時間の時効実験中に測定した400nmにおける試料の透過率のデータは、表2に示されている。1000時間の時効実験中に測定した460nmにおける試料の透過率のデータは、表4に示されている。1000時間の時効実験中に測定した530nmにおける試料の透過率のデータは、表6に示されている。1000時間の時効実験中に測定した670nmにおける試料の透過率のデータは、表8に示されている。
【0068】
比較例3
100mLのアンバージャーに、20.0gのシリコーンマスターバッチと200μLの触媒溶液(200ppmのプラチナ触媒に相当する)を加えた。この溶液を金属へらで十分に混合し、数時間かけて脱気させた。組成物を脱気させたら、その溶液6.2gを、55mmの直径を有するプラスチックのペトリ皿に注いだ。そのシリコーン溶液を澄ませてから、主に254nmで発光する40.6cm(16インチ)のPhilips TUV 15 W/G15 T8 Germicidalバルブを2つ備えたUVP Blak−Ray Lamp Model XX−15Lの下で、15分間照射してから、強制空気オーブン内において80℃で30分間加熱することによって硬化させた。硬化したシリコーンディスクをプラスチックのペトリ皿から外したところ、そのシリコーンディスクの中央の厚みは2.7mmであった。PerkinElmer Lambda 900 UV/VIS Spectrophotometer(PerkinElmer Instruments(Norwalk,CT))を使用して、そのシリコーンの透過スペクトルを測定した。フレネル反射に対して補正していない、400nmにおける試料の透過率は79.4%であった。ほこり及びくずによる汚染から表面を保護するために、試料をガラスのペトリ皿の中に置き、その試料を強制空気オーブン内において130℃で1000時間時効させた。1000時間の時効実験中に測定した400nmにおける試料の透過率のデータは、表2に示されている。1000時間の時効実験中に測定した460nmにおける試料の透過率のデータは、表4に示されている。1000時間の時効実験中に測定した530nmにおける試料の透過率のデータは、表6に示されている。1000時間の時効実験中に測定した670nmにおける試料の透過率のデータは、表8に示されている。
【0069】
【表1】

【0070】
【表2】

【0071】
【表3】

【0072】
【表4】

【0073】
【表5】

【0074】
【表6】

【0075】
【表7】

【0076】
【表8】

【0077】
(実施例5)
100mLのアンバージャーに、40.0gのシリコーンマスターバッチと20μLの触媒溶液(10ppmのプラチナ触媒に相当する)を加えた。この溶液を金属へらで十分に混合し、数時間かけて脱気させた。組成物を脱気した後、硬化実験を行い、様々な硬化条件下で形成した場合のゲル化時間及び不粘着時間を測定した。溶液のアリコートをスライドガラスに載せ、様々な条件下でシリコーンに照射した。ゲル化時間及び不粘着時間を測定して3つの硬化条件を評価した。1.2つの40.6cm(16インチ)GE F15T8−BLブラックライト電球を取り付けたUVP Blak−Ray Lamp Model XX−15Lに、主に365nm(約6mW/cm)で放射させて照射し、2.2つの40.6cm(16インチ)GE F15T8−BLブラックライト電球を取り付けたUVP Blak−Ray Lamp Model XX−15Lに、主に365nm(約6mW/cm)で放射させたのに続いて、ホットプレートに載せて80℃で加熱し、3.2cm離れた(LESCO(Torrance,CA)から入手可能な)Super Spot Max Fiber Optic Light sourceから300〜400nmの波長で照射する。光の強度は、シリコーン表面で約1W/cmであった。スライドガラス上のシリコーン表面をピンセットの先端で探って、ゲル化時間及び不粘着時間を特定した。ゲル化時間及び不粘着時間のデータをそれぞれ表9及び表10に示す。
【0078】
(実施例6)
100mLのアンバージャーに、40.0gのシリコーンマスターバッチと40μLの触媒溶液(20ppmのプラチナ触媒に相当する)を加えた。この溶液を金属へらで十分に混合し、数時間かけて脱気させた。組成物を脱気した後、硬化実験を行い、様々な硬化条件下で形成した場合のゲル化時間及び不粘着時間を測定した。溶液のアリコートをスライドガラスに載せ、様々な条件下でシリコーンに照射した。ゲル化時間及び不粘着時間を測定して3つの硬化条件を評価した。1.2つの40.6cm(16インチ)GE F15T8−BLブラックライト電球を取り付けたUVP Blak−Ray Lamp Model XX−15Lに、主に365nm(約6mW/cm)で放射させて照射し、2.2つの40.6cm(16インチ)GE F15T8−BLブラックライト電球を取り付けたUVP Blak−Ray Lamp Model XX−15Lに、主に365nm(約6mW/cm)で放射させたのに続いて、ホットプレートに載せて80℃で加熱し、3.2cm離れた(LESCO(Torrance,CA)から入手可能な)Super Spot Max Fiber Optic Light sourceから300〜400nmの波長で照射する。光の強度は、シリコーン表面で約1W/cmであった。スライドガラス上のシリコーン表面をピンセットの先端で探って、ゲル化時間及び不粘着時間を特定した。ゲル化時間及び不粘着時間のデータをそれぞれ表9及び表10に示す。
【0079】
(実施例7)
100mLのアンバージャーに、40.0gのシリコーンマスターバッチと60μLの触媒溶液(30ppmのプラチナ触媒に相当する)を加えた。この溶液を金属へらで十分に混合し、数時間かけて脱気させた。組成物を脱気した後、硬化実験を行い、様々な硬化条件下で形成した場合のゲル化時間及び不粘着時間を測定した。溶液のアリコートをスライドガラスに載せ、様々な条件下でシリコーンに照射した。ゲル化時間及び不粘着時間を測定して3つの硬化条件を評価した。1.2つの40.6cm(16インチ)GE F15T8−BLブラックライト電球を取り付けたUVP Blak−Ray Lamp Model XX−15Lに、主に365nm(約6mW/cm)で放射させて照射し、2.2つの40.6cm(16インチ)GE F15T8−BLブラックライト電球を取り付けたUVP Blak−Ray Lamp Model XX−15Lに、主に365nm(約6mW/cm)で放射させたのに続いて、ホットプレートに載せて80℃で加熱し、3.2cm離れた(LESCO(Torrance,CA)から入手可能な)Super Spot Max Fiber Optic Light sourceから300〜400nmの波長で照射する。光の強度は、シリコーン表面で約1W/cmであった。スライドガラス上のシリコーン表面をピンセットの先端で探って、ゲル化時間及び不粘着時間を特定した。ゲル化時間及び不粘着時間のデータをそれぞれ表9及び表10に示す。
【0080】
【表9】

【0081】
【表10】

【0082】
比較のために、市販の熱硬化型シリコーンであり、実施例5、6及び7のシリコーンと同様の粘度、ショアA硬度及び機械特性を有する(Dow Corningから入手可能な)SYLGARD 184の技術データシートを見ると、推奨硬化スケジュールは、23℃で24時間、65℃で4時間、又は100℃で1時間となっている(SYLGARD 184 Silicone Elastomer Technical Data Sheetから抜粋したデータ)。
【0083】
本発明の多数の実施形態を記載してきた。しかし、本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく、様々な変更が行われてもよいと理解されるであろう。したがって、その他の実施形態も、以下の特許請求の範囲の範疇にある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学アセンブリであって、
ディスプレイパネルと、
実質的に透明な基材と、
前記ディスプレイパネルと前記実質的に透明な基材との間に配置された光重合可能層であって、10μm超〜約12mmの厚さを有する光重合可能層と、
ケイ素結合水素及び脂肪族不飽和物を含むケイ素含有樹脂と、
前記光重合可能層100万部当たり、プラチナが約0.5部〜約30部の量で存在するプラチナ光触媒と、を含む、光学アセンブリ。
【請求項2】
前記光重合可能層には触媒阻害物質がない、請求項1に記載の光学アセンブリ。
【請求項3】
前記光重合可能層が、化学量論的量が前記プラチナ光触媒よりも少ない触媒阻害物質を含む、請求項1に記載の光学アセンブリ。
【請求項4】
前記ケイ素含有樹脂がオルガノシロキサンを含む、請求項1に記載の光学アセンブリ。
【請求項5】
前記ケイ素含有樹脂が、次式のユニットを有する第1のオルガノシロキサンを含み、
SiO(4−a−c)/2
式中、
は、脂肪族不飽和物が無く、1〜18個の炭素原子を有する、一価で、直鎖、分岐状又は環状の、非置換又は置換の炭化水素基であり、
aは、0、1、2又は3であり、
cは、0、1又は2であり、
a+cの合計は、0、1、2又は3であり、
ただし、1分子当たり、平均で少なくとも1つのケイ素結合水素が存在することを条件とする、請求項1に記載の光学アセンブリ。
【請求項6】
前記R基の少なくとも90モルパーセントがメチルである、請求項5に記載の光学アセンブリ。
【請求項7】
前記R基の少なくとも20モルパーセントが、アリール、アラルキル、アルカリル、又はそれらの組み合わせである、請求項5に記載の光学アセンブリ。
【請求項8】
前記R基がフェニルである、請求項7に記載の光学アセンブリ。
【請求項9】
前記ケイ素含有樹脂が第2のオルガノシロキサンを有し、前記第2のオルガノシロキサンが次式のユニットを有し、
SiO(4−a−b)/2
式中、
は、脂肪族不飽和物が無く、1〜18個の炭素原子を有する、一価で、直鎖、分岐状又は環状の、非置換又は置換の炭化水素基であり、
は、脂肪族不飽和物及び2〜10個の炭素原子を有する一価の炭化水素基であり、
aは、0、1、2又は3であり、
bは、0、1、2又は3であり、
a+bの合計は、0、1、2又は3であり、
ただし、1分子当たり、平均で少なくとも1つのRが存在することを条件とする、請求項1に記載の光学アセンブリ。
【請求項10】
前記R基の少なくとも90モルパーセントがメチルである、請求項9に記載の光学アセンブリ。
【請求項11】
前記R基の少なくとも20モルパーセントが、アリール、アラルキル、アルカリル、又はそれらの組み合わせである、請求項9に記載の光学アセンブリ。
【請求項12】
前記R基がフェニルである、請求項11に記載の光学アセンブリ。
【請求項13】
前記プラチナ光触媒が、Pt(II)β−ジケトナート錯体、(η−シクロペンタジエニル)トリ(σ−脂肪族)プラチナ錯体、C1〜20−脂肪族置換(η−シクロペンタジエニル)トリ(σ−脂肪族)プラチナ錯体、及びC7〜20−脂肪族置換(η−シクロペンタジエニル)トリ(σ−脂肪族)プラチナ錯体からなる群から選択される、請求項1に記載の光学アセンブリ。
【請求項14】
前記プラチナ光触媒が、(η−シクロペンタジエニル)トリ(σ−脂肪族)プラチナ錯体及びC1〜20−脂肪族置換(η−シクロペンタジエニル)トリ(σ−脂肪族)プラチナ錯体からなる群から選択される、請求項1に記載の光学アセンブリ。
【請求項15】
前記光重合可能層が10μm超〜約5mmの厚さを有する、請求項1に記載の光学アセンブリ。
【請求項16】
前記ディスプレイパネルが液晶ディスプレイパネルを含む、請求項1に記載の光学アセンブリ。
【請求項17】
前記実質的に透明な基材がタッチスクリーンを含む、請求項1に記載の光学アセンブリ。
【請求項18】
光学アセンブリを作製する方法であって、
ディスプレイパネルを用意する工程と、
実質的に透明な基材又は偏光板を含む基材を用意する工程と、
光重合可能な組成物を前記ディスプレイパネル及び前記基材の一方の上に配置する工程であって、前記光重合可能な組成物は、
ケイ素結合水素及び脂肪族不飽和物を含むケイ素含有樹脂と、
前記光重合可能な組成物100万部当たり、プラチナが約0.5部〜約30部の量で存在するプラチナ光触媒と、を含む、工程と、
10μm超〜約12mmの厚さを有する光重合可能層が前記ディスプレイパネルと前記基材との間に形成されるように、前記ディスプレイパネル及び前記基材の他方を前記光重合可能な組成物上に配置する工程と、700nm以下の波長を有する化学線を適用することにより前記光重合可能層を光重合する工程と、を含む、方法。
【請求項19】
光学アセンブリを作製する方法であって、
ディスプレイパネルを用意する工程と、
実質的に透明な基材又は偏光板を含む基材を用意する工程と、
前記ディスプレイパネルと前記基材との間にセルが形成されるように、前記ディスプレイパネルと前記基材との間にシールを形成する工程であって、前記セルは10μm超〜約12mmの厚さを有する、工程と、
光重合可能な組成物を前記セル内に配置する工程であって、前記光重合可能な組成物は、
ケイ素結合水素及び脂肪族不飽和物を含むケイ素含有樹脂と、
前記光重合可能な組成物100万部当たり、プラチナが約0.5部〜約30部の量で存在するプラチナ光触媒と、を含む、工程と、
700nm以下の波長を有する化学線を適用することにより、前記光重合可能な組成物を光重合する工程を含む、方法。
【請求項20】
請求項18に記載の方法に従って作製された光学アセンブリ。
【請求項21】
請求項19に記載の方法に従って作製された光学アセンブリ。
【請求項22】
請求項20に記載の光学アセンブリを含む光学デバイスであって、ディスプレイを含む携帯端末、テレビ、コンピュータモニタ、ラップトップディスプレイ又はデジタル標示板を含む、光学デバイス。
【請求項23】
請求項21の光学アセンブリを含む光学デバイスであって、ディスプレイを含む携帯端末、テレビ、コンピュータモニタ、ラップトップディスプレイ又はデジタル標示板を含む、光学デバイス。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2011−525298(P2011−525298A)
【公表日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−508535(P2011−508535)
【出願日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際出願番号】PCT/US2009/040000
【国際公開番号】WO2009/137220
【国際公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】