説明

ケミカルフィルタ及びその製造方法

【課題】 圧損の増大や、イオン交換機能の劣化のないケミカルフィルタとその製造方法を提供する。
【解決手段】 三次元網状骨格構造を有する基材面にのみ、加熱により溶融する樹脂粉末6を付着後、この樹脂粉末6を溶融させて樹脂溶融膜7を形成し、この樹脂溶融膜7に吸着剤3を付着させ、その後、前記樹脂溶融膜7を固化させて前記吸着剤3を固着して、三次元網状骨格構造を有する基材1に、前記基材面のみに形成された接着剤層2を介して吸着剤3を付着させたケミカルフィルタを得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体・液晶等の製造環境や、脱臭を要求される一般環境において、ガス状汚染物質を除去する目的で用いられるケミカルフィルタ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ケミカルフィルタの基材としてはポリウレタンフォーム、不織布のハニカム構造体や積層体などが使用されているが、特に通気性に優れかつ吸着剤を多量保持でき、ガス吸着量が大となる理由でポリウレタンフォームが使用されていた。
【0003】
ポリウレタンフォーム基材を用いた先行技術としては、例えば、特許文献1に記載の通り、イオン交換容量が大きく、かつ、圧力損失をあまり増大させずにフィルタとしての寿命を長くできるイオン交換フィルタを提供することを目的として、大径連続気孔を有する網状ポリウレタンフォームからなるシート状の骨格基材に、アクリル系、ウレタン系、酢酸ビニル系のいずれかの接着剤を含浸させ、前記骨格基材表面のほぼ全域に接着剤を付着させ、前記大径連続空孔の孔径の2%以上50%以下の粒径を有し水分率30%以下に乾燥させたイオン交換樹脂粒子を、前記骨格基材に付着することなく、厚み方向に通過するまで、前記大径連続気孔に過剰量注入し、その後、前記骨格基材に接着することなく前記大径連続気孔内に保持されているイオン交換樹脂粒子を除去することにより、大径連続気孔を有する網状ポリウレタンフォームからなる骨格基材に、前記大径連続空孔の孔径の2%以上50%以下の粒径を有するイオン交換樹脂粒子を接着させたイオン交換フィルタを得ることが開示されている。
【0004】
また、別のポリウレタンフォーム基材を用いる先行技術としては、特許文献2に記載の通り、フィルタ基材から吸着剤が脱離せず且つ吸着効率が高いケミカルフィルタ及びその製造方法を開発することを目的として、三次元網状骨格構造を有するフィルタ基材にヒートシール型接着剤を塗布又は含浸させ、このヒートシール型接着剤を塗布又は含浸させたフィルタ基材を小粒子状の吸着剤が入った容器内に埋め込んだ状態で、ヒートシール型接着剤を加熱し、加熱によって接着性を取り戻したヒートシール型接着剤により吸着剤をフィルタ基材に固着させることにより、三次元網状骨格構造を有するフィルタ基材に、小粒子状の吸着剤をヒートシール型接着剤により固着したケミカルフィルタを得ることが開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開11−226338号公報
【特許文献2】特開2000−210523号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に開示されたケミカルフィルタは、主要部拡大平面図である図3を参照して説明すると、図3(a)に示すポリウレタンフォーム基材11に、液状の接着剤12を含浸により付着すると、図3(b)に示す通り、基材11格子の連続気孔14が、膜化した接着剤12で塞がれ、この段階で圧損を大きくしてしまう要因が生じる問題があった。更に、図3(c)に示す通り、膜化した接着剤12の上に吸着剤13が付着して、連続気孔14を更に塞いでケミカルフィルタとしてより圧損が大きくなるという問題があった。
また、上記特許文献2に開示されたケミカルフィルタは、前記文献1に開示されたものと同様に、連続気孔が膜化した接着剤に塞がれるという問題があるばかりでなく、吸着剤がアニオン交換樹脂の場合、予め付着処理したヒートシール型接着剤を加熱し、この加熱によって接着性を取り戻した状態を維持するため、長時間、高温状態に保持する必要があることから、イオン交換機能が劣化するという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、従前の問題点である通気性基材に接着剤を介して吸着剤を付着することで圧損が著しく増大するというようなことがなく、また、接着剤を高温保持することでイオン交換樹脂吸着剤のイオン交換機能が劣化するということのないケミカルフィルタとその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するべく、本発明のケミカルフィルタは、請求項1記載の通り、三次元網状骨格構造を有する基材に、前記基材面のみに形成された接着剤層を介して吸着剤を付着させたことを特徴とする。
また、本発明のケミカルフィルタの製造方法は、請求項2記載の通り、三次元網状骨格構造を有する基材に、前記基材面のみに形成された接着剤層を介して吸着剤を付着させたケミカルフィルタの製造方法であって、前記三次元網状骨格構造を有する基材面にのみ、加熱により溶融する樹脂粉末を付着後、この樹脂粉末を溶融させて樹脂溶融膜を形成し、この樹脂溶融膜に吸着剤を付着させ、その後、前記樹脂溶融膜を固化させて前記吸着剤を固着するようにしたことを特徴とする。
また、請求項3記載のケミカルフィルタの製造方法は、請求項2記載のケミカルフィルタの製造方法において、前記樹脂粉末の前記基材面への付着は、前記基材面を湿潤状態にして前記樹脂粉末を散布することにより行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明のケミカルフィルタは、基材を三次元網状骨格構造を有するものとしたため、通気性に優れかつ吸着剤を多量保持でき、しかも吸着剤が接着剤で覆われたりすることがないので、ガス吸着量が大きく、長寿命のものが得られる。
また、本発明のケミカルフィルタは、前記基材面のみに形成された接着剤層を介して吸着剤を付着させるようにしたため、アクリル系、ウレタン系、酢酸ビニル系の液状接着剤と違って、膜化付着によって基材格子の開口を塞ぐことがないので、ケミカルフィルタの圧力損失を増大させることがない。また、接着剤膜化部分に吸着剤が付着して、更に基材格子の開口を塞ぐことがないので、更に低圧力損失のケミカルフィルタが得られる。
また、本発明の製造方法によれば、前記ケミカルフィルタを簡単な製造プロセスで製造することができる。また、前記樹脂粉末の前記基材面への付着を、前記基材面を湿潤状態にして前記樹脂粉末を散布することにより行う場合、製造プロセスが容易で、コストも低廉なものとなる。特に、前記基材の湿潤状態の形成を前記基材への水分の含浸で行う場合、前記樹脂粉末の溶融時に水分が飛散除去され、接着剤の成分に悪影響を及ぼさない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明のケミカルフィルタの好適な実施の形態を添付図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は本発明のケミカルフィルタの主要部拡大平面図で、図2は本発明のケミカルフィルタの製造方法における各工程のケミカルフィルタの状態断面図である。
【0011】
本発明のケミカルフィルタは、図1(a)に示すポリウレタンフォーム基材1に、図1(b)に示す通り、その表面にのみ接着剤層2が均一に形成されているので、格子状基材1の連続気孔4が、膜化した接着剤で塞がれることがなく、接着剤を付着処理した基材段階では圧損を増大させる要因が生じることはない。
また、図1(c)に示す通り、吸着剤3は前記接着剤層2を介して付着され、前記連続気孔4を塞ぐことなく前記基材1の表面にのみ均一に担持されている。このように、基材1と接触した吸着剤3以外の吸着剤3同士は接触して気孔4内にとどまることはないので、加熱により吸着剤3同士が接着して前記連続気孔4を塞ぐことはない。
【0012】
次に、図2を用いて、本発明ケミカルフィルタの製造方法につき、具体的に説明する。
製造工程は、基材前処理工程、粒状接着剤散布工程、接着剤溶融工程、吸着剤散布工程、仕上げ工程から構成される。
基材前処理工程では、ポリウレタンフォーム基材1に水を含浸させ、図2(a)に示す通り、基材1の表面を湿潤状態に保つ湿潤層5を形成する。その際にエアを供給して余剰な水を吹き飛ばし均一で薄い湿潤層5に形成する。
次に、粒状接着剤散布工程では、湿潤層5を設けた基材1にホットメルトパウダー6を散布して、図2(b)に示す通り、湿潤層5を介して前記ホットメルトパウダー6を一時的に付着させる。その際に湿潤状態であるため、前記ホットメルトパウダー6がこぼれ落ちることなく無駄なく付着させることができる。
次に、接着剤溶融工程では、前記ホットメルトパウダー6を加熱することにより、図2(c)に示す通り、まず、前記湿潤層5が乾燥されてなくなり同時に前記ホットメルトパウダー6が溶融してホットメルト溶融膜7が前記ポリウレタンフォーム基材1の表面に形成される。その状態は、前記ポリウレタンフォーム基材1を芯部とし前記ホットメルト溶融膜7を鞘部とした芯鞘構造となる。
次に、吸着剤散布工程では、粒状吸着剤3を加熱状態の下で散布することにより、図2(d)に示す通り、前記粒状吸着剤3を前記ポリウレタンフォーム基材1の表面に均一に無駄なく担持させることができる。この状態は、図1(c)で説明した通り、格子状基材1の連続気孔4を塞ぐことなく通気性を阻害することがない。
最後に、仕上げ工程では、特に図示しないが、自然冷却して、前記ホットメルト溶融膜7を固化して形成された接着剤層を介して、前記粒状吸着剤3を確実に担持させ、ケミカルフィルタを得る。
【0013】
前記ポリウレタンフォームとしては、厚さ1〜100mm、気孔数4〜50個/inchのものが好ましい。尚、本発明に用いる基材としては、前記説明では樹脂フォーム(ポリウレタンフォーム)を例としたが、これに限定されることなく、不織布や織布、ハニカム構造など三次元網状骨格構造を有する基材であれば使用することができる。また、材質も、ポリウレタン以外にポリオレフィン系やポリスチレン系などの有機物、或いは、セラミックやガラスなどの無機物を使用することもできる。
【0014】
本発明で必要とされる前記基材面のみに形成される接着剤層の形成手段としての、例えば、湿潤状態を形成するために用いる湿潤剤としては、前記説明では水としたがこれに限定されることなく、例えば、酢酸ビニル系やアクリル系などのエマルジョン溶液を使用することができる。
【0015】
本発明に用いる加熱により溶融液化する樹脂粉末としては、平均粒径0.01〜1000mmのポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの樹脂粉末を使用することができる。特に、150℃以下の低温で溶融できる樹脂粉末が好ましい。
また、前記加熱により溶融液化する樹脂粉末を溶融した後の樹脂溶融膜は、厚さ1mm以下とすることが好ましい。
【0016】
本発明に用いる吸着剤としては、酸性用、アルカリ用、有機ガス用のイオン交換樹脂、或いは、薬剤添着した活性炭を使用することができる。但し、これらに限定されることなく、ガス状物質を吸着できるものであれば使用することができる。
また、前記イオン交換樹脂としては、陽イオン交換樹脂として、ポリスチレン製で粒径0.3〜1.2mm、絶乾時イオン交換容量2.0meq/g以上のイオン交換樹脂、また、陰イオン交換樹脂として、ポリスチレン製で粒径0.3〜1.2mm、イオン交換容量2.0meq/g以上のイオン交換樹脂を使用することができる。
前記イオン交換樹脂は長時間、高温(実際温度60℃以上で時間30分以上)に曝されるとイオン交換機能が劣化するので、そのコントロールがフィルタ性能に直結するのでイオン交換樹脂を失活化させないようにコントロールすることが重要である。
また、イオン交換樹脂のイオン交換機能の劣化防止のため、50℃以下の低温度で長時間の乾燥が必要であるが、特に、アニオン交換樹脂は耐熱性が低く、最大使用温度が60℃のものが一般的であるので、この長時間の乾燥とともに、アニオン交換樹脂のアニオン交換基が脱離しやすくなり、アミン臭の発生の原因となる場合があるので、最大使用温度が100℃の耐熱性のあるアニオン交換樹脂を使用することが好ましい。
また、イオン交換樹脂は予め乾燥したもの(水分率20%程)が好ましい。水分率50%以上の湿潤したものであると、樹脂溶融膜にイオン交換樹脂が均一に付着することが難しいという問題があるからである。
【0017】
また、前記薬剤添着した活性炭としては、添着剤が炭酸カリウム、リン酸、アミン系などで、粒径1mm以下、イオン交換容量2.0meq/g以上のものを使用することができる。
また、前記イオン交換樹脂、或いは、前記薬剤添着した活性炭は、付着量50〜300kg/mとすることが好ましい。
【実施例】
【0018】
以下に本発明の実施例を比較例とともに説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0019】
(実施例)
基材として、長さ300mm×幅300mm×厚さ10mmのポリウレタンフォーム(イノアック製 MF−8 8セル/inch)、加熱により溶融軟化する樹脂粉末(ホットメルトパウダー)として、ポリエステル樹脂粉末(東京インキ製 PRG100K 平均500mm)、吸着剤として水分率20%のアニオン交換樹脂(三菱化学製 SAT10 平均720mm)を用いた。
まず、前記基材を水に浸した後、エアを供給して余剰の水を吹き飛ばし、基材の骨格表面に水膜からなる湿潤層を形成した。次に、前記湿潤層を形成した基材に樹脂粉末を散布して湿潤層を介して一時的に付着させた。これを130℃に加熱して樹脂粉末を溶融させた接着剤層を形成した。接着剤層の温度を60℃まで下げ、その状態を保持しながら、吸着剤を散布した。更に、真空オーブンに入れ60℃加熱し、その後、放冷することにより、基材に接着剤層を介して吸着剤を固着させた。得られた製品の吸着剤量は150kg/mで、アニオン交換樹脂の水分率は18%であった。なお、全工程において、吸着剤にかける温度を60℃以下、時間を30分以下にコントロールして吸着剤が失活しないようにした。
【0020】
(比較例1)
基材のウレタンフォームに酢酸ビニル系の接着剤を含浸させ、これを吸着剤のアニオン交換樹脂が入った容器内に埋め込んだ状態で、酢酸ビニル系の接着剤を60℃で30分間加熱して、加熱によって接着性を取り戻した酢酸ビニル系の接着剤により、吸着剤のアニオン交換樹脂をウレタンフォームに固着させた。得られた製品の吸着剤量は150kg/mで、アニオン交換樹脂の水分率は18%であった。尚、60℃、30分という長時間の高温加熱により、吸着剤のアニオン交換樹脂が一部失活してしまい、本来の担持量に見合ったガス除去効果がだせないものとなっていた。
【0021】
(比較例2)
基材として、長さ300mm×幅300mm×厚さ10mmのポリウレタンフォーム(イノアック製 MF−8 8セル/inch)、加熱により溶融軟化する樹脂粉末(ホットメルトパウダー)として、ポリエステル樹脂粉末(東京インキ製 PRG100K 平均500mm)、吸着剤として水分率20%のアニオン交換樹脂(三菱化学製 SAT10 平均720mm)を用いた。
まず、基材に樹脂粉末を散布して一時的に付着させた。これを130℃に加熱して樹脂粉末を溶融させ、この加熱状態を保持しながら、吸着剤を散布したのち自然冷却して、基材に接着層を介して吸着剤を固着させた。本比較例では、実施例と異なり湿潤層が形成されておらず、樹脂粉末の担持量が少なかったため、得られた製品の吸着剤量は30kg/mと少なく、アニオン交換樹脂の水分率は18%であった。
【0022】
(従来例)
基材のポリウレタンフォームに酢酸ビニル系の接着剤を含浸させ、吸着剤のアニオン交換樹脂を付着させた。得られた製品の吸着剤量は150kg/mで、アニオン交換樹脂の水分率は18%であった。この従来では、吸着剤がポリウレタンフォームの骨格表面に付着すると同時に、吸着剤同士も互いに接着しあい、また、接着剤によって表面が覆われた吸着剤もあり、本来の担持量に見合ったガス除去効果がだせないものとなっていた。
【0023】
次に、このようにして得られた実施例、比較例1、2、及び従来例の各ケミカルフィルタに対し、圧力損失、寿命、初期効率の各特性についての試験を行った。湿潤の有無、吸着剤、基材、接着剤の付着方法、種類等とともに、各試験の結果を表1に示す。
【0024】
【表1】

【0025】
各特性については、次のようにして試験して、評価した。
1)圧力損失:JACA No.38−2002「クリーンルーム用ケミカルエアフィルタ性能試験方法指針」により試験した結果を、従来例を100として相対比較し、90未満であれば○、90以上であれば×と評価した。
2)寿命比:JACA No.38−2002「クリーンルーム用ケミカルエアフィルタ性能試験方法指針」により試験した結果を、従来例を100として相対比較し、100以上であれば○、100未満であれば×と評価した。
3)初期効率:JACA No.38−2002「クリーンルーム用ケミカルエアフィルタ性能試験方法指針」により試験した結果を、絶対値で比較し、80%以上であれば○、80%未満であれば×と評価した。
【0026】
(評価)
表1から分かるように、実施例は圧損、寿命、初期効率で優れ、ガス状汚染物質を効率よく除去する効果が得られるものであった。それに比べ、比較例1は寿命が極端に短く、また、比較例2は寿命と初期効率が劣り、また、従来例は圧損が高く寿命が比較的短いため、所望の効果が得られないものであった。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明のケミカルフィルタは、ガス状汚染物質を効率よく除去する効果に優れるため、産業上の利用可能性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明のケミカルフィルタの主要部拡大平面図
【図2】本発明のケミカルフィルタの製造方法における各工程のケミカルフィルタの状態断面図
【図3】従来例のケミカルフィルタの主要部拡大平面図
【符号の説明】
【0029】
1 基材
2 接着剤層
3 吸着剤
4 連続気孔
5 湿潤層
6 ホットメルトパウダー
7 ホットメルト溶融膜
11 基材
12 接着剤
13 吸着剤
14 連続気孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
三次元網状骨格構造を有する基材に、前記基材面のみに形成された接着剤層を介して吸着剤を付着させたことを特徴とするケミカルフィルタ。
【請求項2】
三次元網状骨格構造を有する基材に、前記基材面のみに形成された接着剤層を介して吸着剤を付着させたケミカルフィルタの製造方法であって、前記三次元網状骨格構造を有する基材面にのみ、加熱により溶融する樹脂粉末を付着後、この樹脂粉末を溶融させて樹脂溶融膜を形成し、この樹脂溶融膜に吸着剤を付着させ、その後、前記樹脂溶融膜を固化させて前記吸着剤を固着するようにしたことを特徴とするケミカルフィルタの製造方法。
【請求項3】
前記樹脂粉末の前記基材面への付着は、前記基材面を湿潤状態にして前記樹脂粉末を散布することにより行うことを特徴とする請求項2記載のケミカルフィルタの製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2008−142097(P2008−142097A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−328832(P2006−328832)
【出願日】平成18年12月5日(2006.12.5)
【出願人】(000232760)日本無機株式会社 (104)
【出願人】(505425340)有限会社フィルコーポレーション (1)
【Fターム(参考)】