説明

ケーシング要素、および、識別子をケーシング要素に割り当てるための装置と方法

【課題】コンクリート型枠として用いられるケーシング要素の配送、保管等の管理を容易とするRFIDタグを備えた型枠を提供する。
【解決手段】コンクリート型枠として用いるケーシング要素10は、ケーシングフレーム12と、ケーシングフレーム12の少なくとも1つの開口部16をまたがっているケーシングシェル18とを含む。RFIDタグ20,22は、ケーシングフレーム12の開口部16をまたがっているケーシングシェル18の裏面の一部に、あるいは、範囲内に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、割り当てられた識別子を有するケーシング要素、および、識別子をケーシング要素に割り当てるための装置と方法に関する。
【背景技術】
【0002】
設置型の産業とは対照的に、建設部門は、ほとんどの場合、後の使用の位置で、生み出される、すなわち構築される固定された製品を取扱う。プロジェクト特有の製造フローは、管理されなければならず、通常、特定のプロジェクトまたは建設に適用できるだけである。対応して柔軟な方法で、ケーシング要素、すなわち、建設ケーシングなどのリソースは、特定のプロジェクトまたは建設現場に割り当てられる。
【0003】
例えば個々の部品の膨大さおよび多様さ、同時に、困難な識別性のため、ケーシング要素などの建設装置は、管理するのに費用がかかる。そこにおいて、複数のケーシング部品は、大きな建設現場で、および、小さなプロジェクトにおいて使用される。
【0004】
ケーシング要素は、液体のコンクリートなどの現場コンクリートをライニングするのに使用される。ここで、ケーシング要素は、後に液体のコンクリートで満たされるであろう穴をシールするのに役立つ。このことにより、特別に製造されたケーシングあるいは標準ケーシング要素は、使用できる。標準ケーシングは、スチールフレーム、および、プラスチックまたは木のコーティング、すなわちケーシングシェルから成る。標準ケーシングは、保管場所に返されて、新たな使用に備える。
【0005】
高い投入経費のため、建設請負人は一般に限られた数の建設装置を保持するだけである。そこにおいて、会社の作業負荷に応じて、建設装置は加えて、特定のプロジェクトのために賃借される。すべてのリソースの様に、建設装置もまた、中央計画される。そこにおいて、計画により賃借された建設装置および会社に属している建設装置は建設現場に配送される。そこで、それらは、使用され、後に賃借人または会社の保管場所に戻される。自分の建設装置と賃借された建設装置との間の識別を可能にするために、ケーシング要素などの建設装置のための自動識別を供給することが知られている。
【0006】
ケーシング要素を識別することが可能であるために、2つの解決策が、RFID技術の分野において、現在試験または適用される。会社パーシャル(Paschal)、ケーシング賃借業者は、高周波数のRFIDタグを用いたRFID解決案を開発して、ケーシングの金属フレームの内側にそれを取り付ける。この解決策は、ドイツ国特許出願公開明細書DE―102007008303―A1において説明される。しかし、そこに記載された解決策の不利な点は、使用された技術の低範囲のため、RFIDタグを読み出すことが非常に短い距離からしか可能でないことである。このように、積み重ねたものの検出が、有意な潜在的利点として起こりえない。このことにより、記載されている技術は、建設現場での非常に興味深い処理であるというよりは、むしろ保管場所における処理をサポートする。
【0007】
RFID技術を使用することの別の解決策は、スロットアンテナを用いたUHFタグを付けることである。この技術は、金属フレームにおいて小さなギャップを必要とし、かなりの距離からタグを読み出すことを可能にする。この種の使用の付加機能は、ミュンヘンの技術大学における調査プロジェクトForBauおよびヴッペルタール大学におけるARGE RFIDにおいて現在調査される。しかし、ケーシングフレームにスロットを取り付けるときに、静的調整に関する問題のためというだけでなく、スロットアンテナの限られた動作のため、ここで、限られた積み重ねたものの検出しか可能ではない。
【0008】
両方の説明されたRFIDアプローチは加えて、重要な経済的な疑問を引き起こす。というのは、ケーシング要素の現存の在庫を改造する問題が不明なままだからである。HF技術を使用するとき、そして、スロットアンテナを有するタグを取り付けるときの両方のときに、ケーシングフレームのマニピュレーションは必要である。このように、現存のケーシングの在庫を改造することは、経済的な考慮の観点から困難である。それは、建設請負人が、すなわち識別を有するおよび識別を有さないケーシングの在庫をパラレルにする傾向になければならないだろうという影響を有し、それはほとんど受け入れられない解決策である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ケーシング要素、および、積み重ねたものにおいてもケーシング要素の識別を可能にする装置および方法を供給することが、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、請求項1に記載のケーシング要素、請求項7に記載の装置、および、請求項10に記載の方法によって解決される。
【0011】
本発明の実施形態は、以下を含むケーシング要素を供給する。
ケーシングフレーム、
ケーシングフレームの少なくとも1つの開口部をまたがっているケーシングシェル、
ケーシングフレームの開口部をまたがっているケーシングシェルの一部に、あるいは、範囲内に取り付けたRFIDタグ。
【0012】
本発明の実施形態は、識別子をケーシング要素に割り当てるための装置を供給し、それは、自由に入手できるメモリだけでなく、フレーム識別子およびカレントケーシングシェル識別子が複数のケーシング要素の各々に対して記憶されるメモリを含む。そこにおいて、その装置は、ケーシング要素のケーシングシェルが交換されるときに、新しいカレントケーシングシェル識別子とカレントケーシングシェル識別子を交換するように実装される。
【0013】
本発明の実施形態は、識別子をケーシング要素に割り当てるための方法を供給し、それは、複数のケーシング要素の各々に対してフレーム識別子およびカレントケーシングシェル識別子をメモリに記憶するステップ、および、ケーシング要素のケーシングシェルが交換されるときに、新しいカレントケーシングシェル識別子とカレントケーシングシェル識別子を交換するステップを含む。
【0014】
本発明の実施形態において、RFIDタグは、UHF―RFIDタグである。UHF―RFID技術は、基本的に、同時にいくつかのタグの検出を可能にし、それ故、カウント処理をサポートする。加えて、UHFを用いれば、かなりの距離から読み出すことは可能であり、そのことは、建設現場での処理を大幅に単純化する。同様に、保管場所における使用は、可能である。
【0015】
このように、本発明の実施形態は、ケーシング要素の自動識別を可能にし、それは、例えば、自身のケーシングと賃借したケーシングの識別を大幅に単純化し、手でする労力を省く。異なる建設現場でのケーシング要素の柔軟で移動性のある使用をはるかに効率的に実行できるように、本発明の実施形態は、連続的な在庫管理を可能にする。このように、本発明の実施形態は、ケーシング要素の現在の在庫および使用の現在の場所についての情報を与え、それは、ケーシング要素の急送を容易にする。
【0016】
本発明によって、RFIDタグは、標準ケーシング要素でありうるケーシング要素のケーシングフレームに取り付けられないが、ケーシングフレームの少なくとも1つの開口部をまたがっているケーシングシェルに、または、範囲内に取り付けられる。これは、ケーシング要素を識別するためのUHF技術の使用を可能にする。RFIDタグをそれぞれ取り付けることで、通常金属のフレーム、例えば測定におけるケーシング要素の大きくて重いスチールフレームの憂慮すべき影響は、低減され、そうすると、また、積み重ねられたケーシング要素の識別も可能である。このように、本発明の実施形態は、積み重ねて配置されたケーシング要素の検出を可能にし、そのことは、建設現場にケーシングを運ぶとき、および、保管場所への返送前の両方で、ケーシング要素をカウントすることおよび識別することを可能にする。このように、ケーシング要素は、完全性のために点検できる。これは、手でするカウントと比較して、手間の削減を可能にし、さらに、エラーの多発性を極めて削減する。このように、本発明の実施形態は、建設現場と保管場所の両方におけるケーシングの流出と流入の完全な文書化を可能にし、そのことは、ケーシング要素のロスの有効な低減につながることができる。
【0017】
通常、標準ケーシング要素は何回か使用した後、オーバーホールされる。そこにおいて、例えば、木のケーシングシェルまたはプラスチックのケーシングシェルは交換される。急送のため、ケーシング要素の状態は、必ずしも明白ではない、あるいは、さらなる労力を持ってしか、例えば、保管場所に行くことによって、あるいは、建設現場に電話することによってしか明白ではない。本発明の実施形態は、ケーシングのライフサイクルの文書化、メンテナンス記録および/または個々の要素に関する状態情報が利用できるように、ケーシング要素の使用に関するデータの保管を可能にし、メンテナンス作業の単純な構成が可能となる。
【0018】
このように、本発明の実施形態は、ケーシング要素において、特に標準ケーシングにおいて、RFID技術の使用を可能にし、そのことは、手動動作の有意な削減、処理におけるエラーの回避、保管の透明性の増加、ロスの回避だけでなく、リソース使用の増加を可能にする。
【0019】
本発明の好ましい実施形態について、添付図面を参照に後述する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、本発明の一実施形態によるケーシング要素の概略斜視図である。
【図2】図2は、ケーシング要素のスタックの識別子を検出するための装置の略図である。
【図3】図3は、識別子をケーシング要素に割り当てるための装置の実施形態である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
用語「RFIDタグ」は、その一般的な意味で、ここで使用される。本発明の実施形態において、RFIDタグは、マイクロチップ、アンテナ、および、RFIDタグがその物体に、または、範囲内に取り付けられる運搬容器またはハウジング、すなわち、ケーシング要素を含む。本発明の実施形態において、トランスポンダは、受動トランスポンダである。
【0022】
RFIDタグが読み出し装置のアンテナの読み出し領域に達するときに、RFIDタグに記憶された識別子を読み出すことができる。本発明の実施形態において、RFIDタグは、UHF範囲の周波数用に設計されたUHF RFIDタグである。ここで、UHF範囲は、約0.3GHzから3GHzまでの周波数バンドを意味し、そこにおいて、標準RFIDタグは、例えば、ヨーロッパでは433MHzおよび868MHz、USAでは915MHz、そして、日本では950MHzという典型的周波数で動作する。
【0023】
発明のケーシング要素10の実施形態は、図1に示される。ケーシング要素10は、標準ケーシング要素の形状および寸法を有することができる。標準ケーシング要素の典型的な寸法は、54×14×120cmまたは64×14×120cmである。ケーシング要素10は、例えば、スチールなどの金属からなるケーシングフレーム12を含む。ケーシングフレーム12は、4つの開口部16がケーシングフレーム12で形成されるように横のブレーシング14を含む。これらの開口部16をケーシングシェル18はまたがる。そして、それは、図1のイラストのプラスチックフレーム12の後ろ側に付けられる。ケーシングシェル18は、例えば、プラスチック板、複合板または木の板によって形成できる。その範囲において、図1に示されたケーシング要素は、標準ケーシング要素に対応する。
【0024】

【0025】
2つのRFIDタグを有するケーシング要素が図1に示される一方で、より少ないまたはより多くのRFIDタグが供給できることは当業者にとって明らかである。そこにおいて、また、当業者にとって明らかな様に、より多くのRFIDタグは、正常に読み出す確率にプラスの効果を及ぼすことができる。
【0026】
RFIDタグは、水平にケーシング要素を積み重ねるときに読み出し装置によってRFIDタグを読み出すことが可能であるように配置される。というのは、更なるケーシングシェルは各RFIDタグと読み出し装置との間に配置されるが、読み出しに使用された放射線または電波に対して伝達可能でないケーシングフレームではないためである。
【0027】
10個の積み重なったケーシング要素10の積み重ねたものが図2に示される。そこにおいて、同じまたは等しい要素は同じ参照番号を供給される。図2に示されたケーシング要素において、RFIDタグは、それぞれ、影付きの開口部16をまたがっているケーシングシェル18の領域に配置される。図2において、ケーシング要素10のスタックは、読み出し装置30のアンテナ32と34との間に配置される。読み出し装置は、例えば、SIRIT Infinity510という名で利用可能なRFIDリーダでありうる。そこにおいて、アンテナ32および34は会社WIMOのパッチアンテナでありうる。
【0028】
図示された構成を用いた測定は、各スタックの全てのケーシング要素10を検出できることを示した。これらの測定は、特にそのスタックがダイナミックにアンテナ32と34との間を通過するときに、全てのケーシング要素を検出することが可能であったことを示した。このように、本発明の実施形態において、読み出し装置は、ケーシング要素の積み重ねたものを通過することを可能にするように対応して実行できる。そこにおいて、上部および下部アンテナ32、34は、そのスタックの上部または下部までの適当な距離に配置される。
【0029】
少数のケーシング要素を有するスタックを検出するために、そのスタックの一面だけにアンテナを供給することも十分でありうる。水平に配置されたケーシング要素の場合、アンテナ32、34は、スタックの下および/または上に供給される。互いのそばに立っているように配置されたケーシング要素の積み重ねたものに関して、アンテナはまた、読み出しに必要な放射線が、複数のケーシング要素のケーシングシェルを貫通することができるように積み重ねたもののそばの一方または両側に配置できる。図2に示した実施形態において、側面からの測定は可能でない。というのは、ケーシング要素の大きくて重いスチールフレームは電波で貫通できないためである。
【0030】
述べられた試験測定は、水平なスタックの一面に2つのアンテナを有する静的測定に関して、読み出しが6つのケーシング要素の積み重ねた高さまで実行できることを示した。アンテナを水平なスタックの各面に配置するとき、静的測定の可読性は結果として増加した。静的測定は、より中央に配置されたRFIDタグがより良く読み出せることを示す。ケーシング要素のスタックがアンテナを通過した動的測定は、検出率が動的測定により、改善できたことを示した。特に、動的測定を用いることにより、更に外側に配置されたRFIDタグも、より良く検出できた。上部および下部のアンテナのアンテナゲートを介して、説明された種類の10個のケーシング要素のスタックの通過の間に、全てのケーシング要素が検出できたことが示された。このことにより、アンテナは、スタックの上部または下部の端から20cmの距離に配置された。アンテナ距離を増加させることは、より中央に配置されたRFIDタグが、依然として読み出すことができることを示したが、ここで、外側に配置されたRFIDタグの検出率は、より速く減少した。
【0031】
本発明の実施形態において、ケーシングフレームは、外側のおよび内側の開口部を含んでいる複数の開口部を含む。そこにおいて、RFIDタグまたは複数のRFIDタグのうちの1つは、内側の開口部をまたがっているケーシングシェルの一部に、または、範囲内に配置される。
【0032】
要約すると、実行された試験測定が、本発明の実施形態がRFID技術によって積み重ねた複数のケーシング要素の識別を可能とすることを示したと述べられなければならない。本発明の実施形態は、積み重ねたケーシング要素配列のアイデンティティを検出するための方法に関する。そこにおいて、その積み重ねたものは、動かせないまたは移動性のある読み出し装置の読み出し領域を通してダイナミックに動かされる。ケーシング構造におけるケーシング要素のアイデンティティを検出することも可能である。そこにおいて、移動可能な読み出し装置は、ダイナミックな読み出しフィールドを生成するためのケーシング構造に沿って動かされる。実施形態において、あらゆるケーシング要素は、検出信頼性を増加するためにいくつかのRFIDタグを供給される。
【0033】
本発明の実施形態において、RFIDタグは、ケーシング要素のケーシングシェルに取り付けられる。通常、標準ケーシングのケーシングシェルは、定期的に交換される。このように、連続的な在庫管理および急送を可能にするために、本発明の実施形態は、ケーシングシェルを交換するときでさえも連続的な識別を可能にする、識別子をケーシング要素に割り当てる装置および方法を供給する。この種の装置の実施形態は、フレーム識別子および少なくとも1つのカレントケーシングシェル識別子が複数のケーシング要素の各々に対して記憶されるメモリを含む。
【0034】
装置は、ケーシング要素のケーシングシェルが交換されるときに、新しいカレントケーシングシェル識別子とカレントケーシングシェル識別子を交換するように実行される。この種の装置の実施形態は、図式的に図3に示される。装置は、メモリ54と連結した読み出し装置52と連結したアンテナ50を含む。メモリ54は、例えば、連続的な在庫管理およびケーシング要素の急送のために使用された従来のコンピュータのメモリでありうる。
【0035】
本発明の実施形態において、ケーシングシェルは、異なる識別子を有するいくつかのRFIDタグを含むことができる。このような場合、複数のケーシングシェル識別子は、記憶され、割り当てられたケーシング要素のためにそれぞれ交換できる。
【0036】
ケーシング要素10のケーシングシェル18が交換される場合、読み出し装置52が割り当てられたケーシングシェル識別子を検出するように、交換されるケーシングシェル(すなわち、古いもの)は、アンテナ50の読み出し領域に持ってこられる。それに基づいて、メモリのケーシング要素は、識別できる。その後、新しいケーシングシェルは、アンテナ50の読み出し領域に持ってこられる。そうすると、読み出し装置52が新しいケーシングシェルのケーシングシェル識別子を検出し、メモリの新しいケーシングシェルのケーシングシェル識別子と、識別されたケーシング要素に割り当てられたケーシングシェル識別子を交換する。
【0037】
このように、いわば、仮想アイデンティティは、メモリ54のケーシングフレームに割り当てられる。そこにおいて、カレントケーシングシェルのケーシングシェル識別子は、ケーシングフレームのこの仮想アイデンティティに割り当てられる。メモリのケーシングシェル識別子(IDs)の動作記録を記憶することもまた可能である。ここにおいて、最後の、すなわち、カレントケーシングシェル識別子は、ケーシングIDの代表である。ケーシング要素に割り当てられたこのケーシングシェル識別子によって、ケーシング要素は、識別できる。
【0038】
本発明の実施形態において、メモリは、ケーシング要素に割り当てられたデータセットにおいて、ケーシング要素に割り当てられたケーシングシェル識別子の動作記録を記憶するように実行できる。実施形態において、メモリはケーシング要素のメンテナンス動作記録および/または状態情報をデータセットに記憶するように更に実行できる。そうすると、この種の記憶データに基づいて、ケーシングシェルの交換は始動できる、または、実行できる。
【0039】
このように、本発明の実施形態において、それらが、例えば、メモリ54に記憶されるとき、ケーシングシェルの交換は割り当てられたシステムのデータセットによって同期させられる。
【0040】
本発明の実施形態は、ケーシングシェルを変えるときに、対応して割り当てられたデータセットをアップデートするように識別子をケーシング要素に割り当てるための装置に命令するための各ソフトウェアに関する。
【0041】
このように、本発明の実施形態は、ケーシングシェルに取り付けられたID番号などの識別子を介して、ケーシング要素または標準ケーシングの識別を提供する。そこにおいて、ケーシングへのシステムのデータセットの一意な割り当ては、フレーム識別子およびケーシングシェル識別子を各データセットにおいてケーシングに割り当てることによって確実にできる。
【0042】
このように、本発明によって、ケーシングフレームではなく、ケーシングシェルがRFIDタグで識別される。これは、一方で、積み重ねて配置された複数のケーシング要素を検出することを可能にする。他方で、ケーシングシェルが通常定期的に(だいたい10回目のアプリケーションごとに)交換されなければならないので、これは、都合よく改造の問題を解決する。このように、RFIDタグを供給されたケーシングシェルを使用することにより、例えば1〜2年以内に、ケーシングの全部の在庫をRFID技術に変換することは可能である。これは大幅な手動労力を生じさせない。ケーシングシェルにRFIDタグを備え付けるための追加の労力はまた、約0.12ユーロのRFIDタグごとの価格で、制限される。
【0043】
特定の実現要求に応じて、本発明の実施形態は、ハードウェアにおいて、または、ソフトウェアにおいて実行できる。例えば、読み出し装置30、32およびメモリ54は、連続的な在庫管理および急送のシステムの一部でありうる。
【0044】
通常、本発明の実施形態はまた、プログラムコードを有するコンピュータ・プログラム製品として実行もできる。そこにおいて、コンピュータ・プログラム製品がコンピュータ上で動作するときに、プログラムコードは本発明による方法を実行するのに効果的である。プログラムコードは、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、DVD、ブルーレイ・ディスク、CD、ROMまたはPROMのようなEPROM、EEPROMまたはFLASHメモリ、ハードディスクまたは他の磁気または光メモリなどの機械で読み取り可能なキャリアに記憶できる。この種のコンピュータ・プログラム製品は、コンピュータに発明の方法の実施形態を実行するように、すなわち、複数のケーシング要素の各々に対してフレーム識別子およびカレントケーシングシェル識別子を記憶するように命令できる。そこにおいて、ケーシングシェルを交換するときに、カレントケーシングシェル識別子は新しいケーシングシェルのケーシングシェル識別子と交換される。
【符号の説明】
【0045】
10 ケーシング要素
12 ケーシングフレーム
14 横のブレーシング
16 開口部
18 ケーシングシェル
20、22 RFIDタグ
30 読み出し装置
32、34 アンテナ
50 アンテナ
52 読み出し装置
54 メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシングフレーム(12)、
前記ケーシングフレーム(12)の少なくとも1つの開口部(16)をまたがっているケーシングシェル(18)、および、
前記ケーシングフレーム(12)の前記開口部(16)をまたがっている前記ケーシングシェル(18)の一部に、または、範囲内に取り付けられたRFIDタグ(20、22)、を含むこと、を特徴とする、ケーシング要素(10)。
【請求項2】
前記RFIDタグ(20、22)が、受信に関して最適化された態様に従って前記開口部(16)上に配置されること、を特徴とする、請求項1に記載のケーシング要素。
【請求項3】
前記RFIDタグ(20、22)が、UHF周波数範囲のために実装されること、を特徴とする、請求項1または請求項2に記載のケーシング要素。
【請求項4】
前記同じ識別子を有するいくつかのRFIDタグ(20、22)が、前記ケーシングフレーム(12)の1つまたはいくつかの開口部(16)をまたがっている前記ケーシングシェル(18)の部分に、または、範囲内に形成されること、を特徴とする、請求項1〜請求項3のうちの1つに記載のケーシング要素。
【請求項5】
前記ケーシングフレーム(12)が、外側および内側の開口部を含む複数の開口部(16)を含むことを特徴とし、少なくとも1つのRFIDタグ(20、22)は、内側の開口部をまたがっている前記ケーシングシェル(18)の一部に、または、範囲内に配置されること、を特徴とする、請求項1〜請求項4のうちの1つに記載のケーシング要素。
【請求項6】
前記ケーシングシェル(18)を交換できること、を特徴とする、請求項1〜請求項5のうちの1つに記載のケーシング要素。
【請求項7】
識別子をケーシング要素(10)に割り当てるための装置であって、
フレーム識別子およびカレントケーシングシェル識別子が複数のケーシング要素(10)の各々に対して記憶されるメモリ(54)を含み、
前記装置は、ケーシングシェル要素(10)の前記ケーシングシェル(18)が交換されるときに、前記カレントケーシングシェル識別子を新しいカレントケーシングシェル識別子と交換するために実装されること、を特徴とする、装置。
【請求項8】
交換されるケーシングシェルからケーシングシェル識別子を受け取り、前記メモリにアクセスすることにより前記割り当てられたケーシング要素を識別し、新しいケーシングシェルのケーシングシェル識別子を受け取り、そして、前記識別されたケーシング要素の前記カレントケーシングシェル識別子を前記新しいケーシングシェル識別子と交換するために実装される、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記メモリが、前記ケーシング要素の前記使用に関してデータを記憶するために更に実装されること、を特徴とする、請求項7または請求項8に記載の装置。
【請求項10】
識別子をケーシング要素に割り当てるための方法であって、
フレーム識別子およびカレントケーシングシェル識別子を複数のケーシング要素の各々に対してメモリに記憶するステップ、および、
ケーシング要素の前記ケーシングシェルが交換されるとき、前記カレントケーシングシェル識別子を新しいカレントケーシングシェル識別子と交換するステップ、を含むこと、を特徴とする、方法。
【請求項11】
コンピュータ・プログラム製品がコンピュータ上で動作するとき、請求項10に記載の方法を実行するのに効率的であるプログラムコードを有する前記コンピュータ・プログラム製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−36717(P2012−36717A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−143634(P2011−143634)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(591037214)フラウンホッファー−ゲゼルシャフト ツァ フェルダールング デァ アンゲヴァンテン フォアシュンク エー.ファオ (259)
【Fターム(参考)】