説明

ケース及び電池パック

【課題】板状部品を支持する部品を一体に、不具合なく形成することができ、板状部品を良好に支持することができ、外観品位が良好であるケース、及び該ケースに電池を収容してなる電池パックを提供する。
【解決手段】電池パック1は、電池2、及び電池3を、スペーサ5を介在させて上下方向に積み重ねた状態で、上ケース14、及び下ケース13に収容してなる。上ケース14の1つの側板部14aには基板保持部14cが連設されている。基板保持部14cは、側板部14aに横設された横板部14dと、横板部14dを支持するように並設された脚部14e,14e,…と、横板部14dに立設された縦板部14fと、縦板部14fを支持する支持板部14g,14g,…とを備える。電池3の一側面、及び電池パック1の一側面の一部に沿うように保護回路基板6が配され、保護回路基板6の上側端部が縦板部14fと側板部14aとの間に挟持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、側板部との間で板状部品を挟持することができる合成樹脂製のケース、及びビデオカメラ,モバイルコンピュータ,携帯電話機等の主として携帯電子機器の電源として利用される充放電可能な非水電解質二次電池等の電池を前記ケースに収容してなる電池パックに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、急速に普及しているビデオカメラ,モバイルコンピュータ,携帯電話機等の携帯電子機器の電源としては、充放電可能な直方体状の非水電解質二次電池、例えばリチウムイオン二次電池等が主として用いられている。リチウムイオン二次電池(電池)は、正極及び負極を、セパレータを介して巻回した電極群、及び非水電解質を、例えばアルミニウム又はアルミニウム合金製であり、直方体状をなすケースに収納して構成される。
【0003】
前記電池の一側面に、過充電及び過放電を防止するために電池電圧を制御する保護回路、及び電池から外部へ電力を取り出し、又は外部から電力を取り込むための出力端子を有する保護回路基板が配されて組電池が構成される。保護回路基板と電池との間は接続用のリードにより電気的に接続されている。
前記組電池の四側面を、絶縁性を有する、例えば合成樹脂製の外装枠で覆い、又は組電池を例えば合成樹脂製の外装ケースに収納して電池コアが得られる。さらに、この電池コアの両平面と、外装枠又は外装ケースとを外装ラベルで覆うことで電池パックが得られ、この電池パックが携帯電子機器に装着される。
【0004】
特許文献1には、保護回路基板を、箱体状を有し、合成樹脂製のトップカバーの底板部に収容し、合成樹脂製のホルダをトップカバーの開口側からに嵌合して、保護回路基板をトップカバーとホルダとで挟持した状態で、該トップカバーを電池の開口に嵌合して構成される電池パックの発明が開示されている。この電池パックにおいては、保護回路基板の支持、及び組み立て時のリードの曲げの安定化が図られている。
【特許文献1】特開2005−166644号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の電池パックにおいては、合成樹脂の成形品を3個要するので、部品点数が増加し、組み立て工程が煩雑になってコストが高くなるという問題があった。
【0006】
一方、ビデオカメラ等の電源であり、例えば2個の直方体状の電池を上下に積み重ねて構成される電池パックにおいては、保護回路基板が下側の電池の一側面、及び上側の電池の一部に沿うように配され、保護回路基板の上端部を上ケースに設けた基板保持部で支持した状態で、上側の電池を上ケースに収容し、下側の電池及び保護回路基板の残部を下ケースで覆うように構成されたものがある。
【0007】
図5は、この電池パックを収容する上ケース24を示す断面図である。
上ケース24は底板部24bに側板部を周設してなる。
上ケース24において、保護回路基板を支持する基板保持部24cは、上ケース24の1つの側板部24aに連設されている。
基板保持部24cは、底板部24bの一部を所定長、内側に凹ませて形成された支持台24dと、側板部24aと所定間隔を隔てて、前記支持台24dに立設された支持リブ24eとを備えている。この側板部24aと支持リブ24eとの間に、保護回路基板が挟持される。この電池パックにおいては、上ケース24の支持台24dが凹んでいるので、電池パックの外観品位が悪いという問題がある。
【0008】
前記上ケースの底板部を内側に凹ませることなく、上ケースの内側に保護回路基板の基板保持部を設ける場合、平板状の底板部に支持リブを立設することが考えられる。しかし、保護回路基板の上下寸法は、例えば、上下に積み重ねた電池の厚み合計の2/3であり、底板部と保護回路基板の下端部との距離が長いため、前記下端部を支持するために、支持リブの上下寸法が大きくなる。従って、金型構造における抜き勾配により、先端部の厚みが非常に薄くなり、このように先端部の厚みが薄く、上下寸法が大きい支持リブは、上ケースの離型持に抜きにくくなる、先端部がショートする等の不具合が生じる可能性が高くなり、上ケースの生産性が悪くなるという問題がある。
【0009】
上述の不具合を解消するために、支持リブの下部根元の厚み寸法を大きくすることが考えられるが、該厚み寸法を大きくした場合、上ケースの底板部(母材)の肉厚との関係で、ヒケ、偏肉等の成形不具合が生じ、外観品位が悪くなるという問題がある。
【0010】
また、保護回路基板の上下寸法を大きくして、支持リブの上下寸法を小さくすることも考えられるが、好ましい構造とはいえず、コストメリットがない。
【0011】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、板状部品を支持する部品を一体に、不具合なく形成することができ、前記板状部品の動きを抑制して良好に支持することができるとともに、底板部に凹部(底上げ部分)を有しないので、外観品位が良好であるケースを提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、ケース内に良好に端子基板を支持した状態で容易に組み立てることができ、落下等の衝撃が加わった場合に、電池が移動して端子基板と接触するのが良好に抑制されるとともに、外観品位が良好である電池パックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
第1発明に係るケースは、底板部に側板部を周設してなる合成樹脂製のケースにおいて、前記側板部に、内側に突出するように横設された横板部と、前記横板部を支持するように、前記底板部に立設された支持部と、前記側板部と所定間隔を隔てて、前記横板部に立設された縦板部とを備えることを特徴とする。
【0014】
本発明においては、横板部、支持部、及び縦板部をケースに一体に、容易に成形することができる。
そして、縦板部が立設された横板部は、支持部の高さ分、底板部より上側に配されるので、ケースの底板部に凹部を設ける必要がなく、外観品位が良好である。一端側が側板部に連設された横板部を支持部で支持するので、横板部の縦板部を支持する強度は良好である。また、支持部の上下寸法を大きくすることができるので、被支持部品の上下寸法を小さくすることが可能である。
さらに、上下に一続きの支持部品を底板部に立設する場合のように、先細になって離型時に抜きにくくなる、先端部がショートする等の成形不具合が生じることがない。
そして、母材の厚みに対する、横板部、支持部、及び縦板部の厚みの割合を適宜の割合とすることで、成形時に、ヒケ、偏肉等の成形不具合が発生するのを抑制することができる。
【0015】
第2発明に係るケースは、第1発明において、前記支持部は、それぞれが前記側板部に連なり、前記側板部の延びる方向に並設された複数の脚部からなることを特徴とする。
【0016】
本発明においては、支持部の厚みを薄くした場合でも、横板部の支持強度を強くすることができ、ケースの上下方向の押圧に対する耐圧性も良好である。さらに、成形時に、ヒケが発生するのを良好に抑制することができる。
【0017】
第3発明に係るケースは、第1又は第2発明において、前記縦板部は、前記横板部の突出する方向の中途部に立設されており、それぞれが前記縦板部に連なるように、前記横板部の突出する方向の端部側に並設された複数の支持板部を備えることを特徴とする。
【0018】
本発明においては、縦板部の厚みを薄くした場合でも、縦板部の支持強度を強くすることができ、縦板部の面に垂直な方向の押圧に対する耐圧性も良好である。さらに、成形時に、ヒケが発生するのを良好に抑制することができる。
【0019】
第4発明に係る電池パックは、電池と、出力端子を有し、前記電池の一側面に配される端子基板と、第1乃至第3発明のいずれかのケースとを備え、前記端子基板は、前記ケースの前記側板部と前記縦板部との間に挟持されるように構成されていることを特徴とする。
【0020】
本発明においては、簡単な構造で、端子基板を良好に支持することができる。また、電池パックに落下等の衝撃が加わった場合に、電池が電池パック内で移動して端子基板と接触するのが、支持部により良好に抑制されている。
そして、横板部、支持部、及び縦板部をケースに一体に成形することができるので、電池パックの部品数が増加することがなく、簡単に電池パックを組み立てることができる。 そして、ケースの成形時には不具合が生じない。
さらに、ケースの底板部に凹部がないので、外観品位が良好である。
【0021】
第5発明に係る電池パックは、第4発明において、前記端子基板に保護回路を実装してあることを特徴とする。
【0022】
本発明においては、端子基板が良好に支持され、端子基板の移動、及び電池との接触が抑制されているので、保護回路が良好に保護される。
【0023】
第6発明に係る電池パックは、第4又は第5発明において、前記電池は直方体状をなし、該電池を積み重ねる状態で2個有し、前記端子基板は、一方の電池の一側面、及び他方の電池の前記一側面に並ぶ側面の一部に沿うように配され、前記他方の電池は、前記端子基板の該電池側の端部が、前記側板部と前記縦板部との間に挟持される状態で、前記ケースに収容され、前記一方の電池、及び前記端子基板の残部を覆う状態で、前記ケースに嵌め合わされる蓋体を備えることを特徴とする。
【0024】
本発明においては、電池の厚みが厚く、ケースの底板部と端子基板の下端部との距離が長くなる場合に、前記底板部に凹部を設ける必要がないので、外観品位が良好であり、端子基板の上下寸法を小さくすることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明のケースによれば、横板部、支持部、及び縦板部を本体と一体に、容易に、安価に成形することができる。
そして、縦板部が立設された横板部は、支持部の高さ分、底板部より上側に配されるので、横板部の支持強度が良好であるとともに、ケースの底板部に凹部を設ける必要がなく、外観品位が良好である。また、支持部の上下寸法を大きくすることができるので、被支持部品の上下寸法を小さくすることが可能である。
さらに、上下に一続きの支持部品を底板部に立設する場合のように、先細になって離型時に抜きにくくなる、先端部がショートする等の成形不具合が生じることがない。
そして、母材の厚みに対して、横板部、支持部、及び縦板部の厚みを適宜の厚みとすることで、成形時にヒケ、偏肉等の成形不具合が発生するのを抑制することができ、この観点からも外観品位が良好になる。
【0026】
本発明の電池パックによれば、良好に端子基板を支持することができ、電池パックに落下等の衝撃が加わった場合に、端子基板の移動、及び電池の移動による端子基板との接触が、支持部により良好に抑制される。
また、横板部、支持部、及び縦板部からなる、端子基板の支持部品をケースに一体に成形することができるので、電池パックの部品数が増加することがなく、組み立ても簡単であり、電池パックを安価に製造することができる。ケースの成形時には不具合が生じない。
さらに、電池の厚みが厚く、ケースの底板部と端子基板の下端部との距離が長くなる場合に、底板部に凹部を設ける必要がないので、外観品位が良好である。端子基板の上下寸法も小さくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
本実施の形態においては、本発明に係るケースを、電池を収容するケースに適用し、該ケースに電池を収容して電池パックを構成する場合について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る電池パック1を示す分解斜視図、図2は、電池パック1を示す一部破断断面図である。
【0028】
電池パック1は、例えばビデオカメラ等の電源として用いられるものであり、電池2と電池3とが上下方向に積み重ねられ、直列に接続されている。
電池2,3は直方体状であり、その内部に、銅集電体に負極合剤を塗布してなる負極、及びアルミニウム集電体に正極合剤を塗布してなる正極がセパレータを介して巻回された扁平巻状の電極群(図示せず)と、非水電解液(図示せず)とを含む非水電解質二次電池、具体的には例えばリチウムイオン二次電池等の二次電池であり、発電要素をアルミニウム又はアルミニウム合金製のケースに収納してなる。
電池2,3それぞれの一側面には、負極端子2a,3aが、絶縁された状態で、該一側面を貫通するように設けられている。また、それぞれの一側面には正極端子2b,3bが設けられている。
【0029】
図中、41,42,43,及び44は絶縁テープである。
絶縁テープ41は、開口部から負極端子3aを露出させた状態で、電池3の前記一側面及び平面に貼着され、該平面にスペーサ5,5を介在させた状態で、電池3の上側に、電池2が配される。
絶縁テープ42は、開口部から負極端子2aを露出させた状態で、電池2の前記一側面に貼着される。
【0030】
電池2,3の前記一側面側には保護回路基板6が配される。
保護回路基板6の表面には、外部へ電力を取り出し、また、逆に充電のために外部から電力を取り込むための正極端子、負極端子、温度端子、及び充電制御端子である出力端子6a,6a,6a,6aが金メッキにより設けられており、保護回路基板6の裏面には、電池2,3の過充電及び過放電等を防止するための保護回路6b(図2参照)が実装されている。
【0031】
電池3の正極端子3bと保護回路基板6のプラス側の接続端子とは、中間リード7により接続されている。
PTC素子8の一方のリード8aは電池3の負極端子3aと接続され、PTC素子8の他方のリード8bは保護回路基板6のマイナス側の接続端子と接続されている。PTC素子8は、短絡電流等の過大電流が流れたとき、及び電池3の温度が上昇したときに、充放電回路の電流を制限する感熱素子である。
【0032】
電池2の正極端子2bは、中間リード11を介し、保護回路基板6のプラス側の接続端子6c(図2参照)と接続されている。
PTC素子9の一方のリード9aは電池2の負極端子2aと接続され、PTC素子9の他方のリード9bは、中間リード10を介し、保護回路基板6のマイナス側の接続端子と接続されている。
【0033】
絶縁テープ43は、PTC素子8、及び正極端子3bを露出させた状態で、電池3の前記一側面を覆い、該絶縁テープ43の外側に中間リード10,11が沿わされる。
絶縁テープ44は、電池2の平面の一端部に貼着された上で折り曲げられ、電池2の前記一側面、及び電池3の前記一側面の上部を覆うように貼着される。
【0034】
下ケース(蓋体)13は、底板部13cに側板部を周設してなる、例えばポリカーボネート(PC)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)等の合成樹脂製の箱体であり、側板部13aには出力端子6a,6a,6a,6aを露出させる端子窓13b,13b,13b,13bが設けられている。
下ケース13の底板部13cに、固定テープ12,12により固定された状態で、電池3が収容される。
【0035】
上ケース(ケース)14は、例えばPC、ABS等の合成樹脂製であり、底板部14bに側板部を周設してなる。上ケース14の側板部14aの内側に、基板保持部14c(図1においては図示せず)が設けられている。上ケース14が下ケース13に嵌め合わされて、電池パック1が構成される。
【0036】
図3は、上ケース14を内側から見た斜視図、図4は図3のIV−IV線断面図である。
上ケース14の側板部14aの一端部側に、基板保持部14cが設けられている。
基板保持部14cは、横板部14dと、脚部(支持部)14e,14e,…と、縦板部14fと、支持板部14g,14g,…とからなる。
横板部14dは、側板部14aに、側板部14aの延びる方向に沿って、かつ、内側に突出するように横設されている。
脚部14e,14e,…は、板状を有し、それぞれが側板部14aに連なり、側板部14aの延びる方向に並設され、横板部14dを支持する。
縦板部14fは、側板部14aと所定間隔を隔てて、横板部14dに立設されている。 支持板部14g,14g,…は、略三角形状を有し、それぞれが縦板部14fに連なるように横板部14dの突出方向の端部側に並設されている。
以上の構造を有する基板保持部14cは、上ケース14に一体的に形成されている。
【0037】
側板部14aの他端部側には、ストッパ14hが一体に設けられている。
ストッパ14hは、底板部14bに立設された縦板部14iと、それぞれが縦板部14iに連なるように側板部14a側に並設され、縦板部14iを支持する支持板部14j,14j,…とからなる。
【0038】
前記保護回路基板6は、上下方向の、出力端子6a,6a,6a,6aが設けられている側と反対側の端部が、側板部14aと縦板部14fとの間に挟まれる状態で、基板保持部14cに支持される。
【0039】
本実施の形態においては、横板部14dは、保護回路基板6が電池2,3の厚み方向にずれるのを抑制し、縦板部14fは、出力端子6a側からの押圧に対して保護回路基板6を支持する。
脚部14e,14e,…は、横板部14dを強度良好に支持し、電池パック1に落下等の衝撃が加わった場合に、電池2,3が移動して保護回路基板6と接触するのを抑制する。
【0040】
また、本実施の形態においては、基板保持部14cが上ケース14に、一体に形成されているので、特許文献1の電池パックのように保護回路基板を支持するためのホルダを用いる必要がなく、電池パック1の部品数が増加することがない。上ケース14の成形時に不具合が生じず、電池パック1を容易に組み立てることができる。そして、脚部14e,14e,…を有するので、上ケース14の底板部14bに凹部を設ける必要がなく、基板保持部14cの各部の厚みを母材の厚みの半分程度にすることができ、ヒケ等が生じないことと相まって、外観品位が良好である。
【0041】
なお、前記実施の形態においては、上ケース14を下ケース13に嵌め合わせて電池パック1を構成する場合につき説明しているがこれに限定されるものではなく、ケースの上下は逆であってもよい。
また、基板保持部14cが、横板部14dと、脚部14e,14e,…と、縦板部14fと、支持板部14g,14g,…とからなる場合につき説明しているが、この構造に限定されるものではない。基板保持部は、ケースの側板部に、内側に突出するように横設された横板部と、該横板部を支持するようにケースの底板部に立設された支持部と、側板部と所定間隔を隔てて横板部に立設された縦板部とを備えるものであればよい。基板保持部14cの構造の場合、基板保持部14cの厚みを母材の厚みの半分程度にすることができ、良好な強度を有しつつ、ヒケ等が生じないので、外観品位が良好になる。
【0042】
また、前記実施の形態においては、保護回路基板6が、プラス側の接続端子、及びマイナス側の接続端子を2対有し、電池2,3が各1対の接続端子に接続されており、4個の出力端子6aを有する場合につき説明しているがこれに限定されるものではない。保護回路基板が備える接続端子は合計3個であり、出力端子は合計3個であってもよい。
【0043】
そして、前記実施の形態においては、電池パック1が2個の電池2,3を有する場合に限定されるものではなく、電池パックが1個の電池を有する場合においても、3個以上有する場合においても、本発明のケースを適用することができる。
また、電池2及び3を直列に接続した場合につき説明しているがこれに限定されるものではなく、並列に接続するものであってもよい。
【0044】
さらに、前記実施の形態においては、電池2,3がリチウムイオン二次電池である場合につき説明しているがこれに限定されるものではなく、ニッケル・水素二次電池、ニッケル・カドミウム二次電池等の他の二次電池であってもよく、一次電池であってもよい。
【0045】
そして、前記実施の形態においては、上ケース14の基板保持部14cに保護回路基板6が支持される場合につき説明しているがこれに限定されるものではなく、保護回路6bが実装されていない端子基板が支持されるものであってもよい。
さらに、本発明に係る上ケース14の構成は、携帯電子機器の電源としての電池パック1に対して好適であることから、前記実施の形態においては、本発明に係る上ケース14に電池パック1を収容し、基板保持部14cにより保護回路基板6を支持する場合につき説明しているがこれに限定されるものではなく、本発明に係る上ケース14は、他の部品を収容し、基板保持部14cは他の板状部品を支持するものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施の形態に係る電池パックを示す分解斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る電池パックを示す一部破断断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る上ケースを内側から見た斜視図である。
【図4】図3のIV−IV線断面図である。
【図5】従来の電池パックを収容する上ケースを示す断面図である。
【符号の説明】
【0047】
1 電池パック
2、3 電池
2a、3a 負極端子
2b、3b 正極端子
5 スペーサ
6 保護回路基板
6a 出力端子
6b 保護回路
6c 接続端子
7、10、11 中間リード
8、9 PTC素子
8a、8b、9a、9b リード
12 固定テープ
13 下ケース
13a、14a 側板部
13b 端子窓
13c、14b 底板部
14 上ケース
14c 基板保持部
14d 横板部
14e 脚部(支持部)
14f、14i 縦板部
14g、14j 支持板部
14h ストッパ
41、42、43、44 絶縁テープ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底板部に側板部を周設してなる合成樹脂製のケースにおいて、
前記側板部に、内側に突出するように横設された横板部と、
前記横板部を支持するように、前記底板部に立設された支持部と、
前記側板部と所定間隔を隔てて、前記横板部に立設された縦板部と
を備えることを特徴とするケース。
【請求項2】
前記支持部は、それぞれが前記側板部に連なり、前記側板部の延びる方向に並設された複数の脚部からなる請求項1に記載のケース。
【請求項3】
前記縦板部は、前記横板部の突出する方向の中途部に立設されており、
それぞれが前記縦板部に連なるように、前記横板部の突出する方向の端部側に並設された複数の支持板部を備える請求項1又は2に記載のケース。
【請求項4】
電池と、
出力端子を有し、前記電池の一側面に配される端子基板と、
請求項1乃至3のいずれかに記載のケースと
を備え、
前記端子基板は、前記ケースの前記側板部と前記縦板部との間に挟持されるように構成されていることを特徴とする電池パック。
【請求項5】
前記端子基板に保護回路を実装してある請求項4に記載の電池パック。
【請求項6】
前記電池は直方体状をなし、
該電池を積み重ねる状態で2個有し、
前記端子基板は、一方の電池の一側面、及び他方の電池の前記一側面に並ぶ側面の一部に沿うように配され、
前記他方の電池は、前記端子基板の該電池側の端部が、前記側板部と前記縦板部との間に挟持される状態で、前記ケースに収容され、
前記一方の電池、及び前記端子基板の残部を覆う状態で、前記ケースに嵌め合わされる蓋体を備える請求項4又は5に記載の電池パック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−231115(P2009−231115A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−76396(P2008−76396)
【出願日】平成20年3月24日(2008.3.24)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(597176832)三洋ジーエスソフトエナジー株式会社 (94)
【Fターム(参考)】