説明

ケーブルクランプ

コネクタハウジング、およびコネクタハウジング内のコンタクトに端末接続されたワイヤを含むケーブルに張力緩和を提供するためのケーブルクランプを有する電気コネクタが開示される。ケーブルクランプは、中間ピース、ケーブル保持フィンガーおよび回転クランプを有する。回転クランプは、概して半径方向くさびの形状を有するケーブル締め付けランプを有し、ケーブル締め付けランプは、回転クランプが中間ピースに堅固に取り付けられる際にケーブル保持フィンガーに力を加え、ケーブルに張力緩和を提供する。ケーブル保持フィンガーは中間ピースの一体化された部分であってよく、または独立した要素の一部として提供されてよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に電気コネクタに関する。より具体的には、本発明は、コネクタ内に収容されているコンタクト(または接触部)に接続されたワイヤに張力緩和を提供するクランプを有する電気コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
個別の電気伝導体(ワイヤまたはケーブル等)のグループを機械的および電気的に相互接続させるための電気コネクタがよく知られている。ワイヤは、コネクタ内のコンタクトに端末接続(または終端)される。多数の用途において、例えばコネクタを取り外す際に、ワイヤに張力が加えられることがあり、これはコネクタに悪影響を及ぼし得る。張力によって、1若しくはそれより多くのワイヤがコンタクトから引っ張られ得、かつ/またはコネクタから外れ得る。
【0003】
ワイヤまたはケーブルにおける応力を最小にするために、ワイヤ又はケーブルを端末接続する電気コネクタに対して張力緩和(または張力緩和装置)を用いることが、当該技術分野においてよく知られている。ワイヤが切れる(または外れる)又は損傷を受けることを防ぐために、張力緩和は、ワイヤに加えられる力が、ワイヤを端末接続するコンタクトに伝えられるのを防ぐ。
【0004】
通常、張力緩和装置は、ハウジングおよびワイヤの周りで固定可能な個別の部材を有する。個別の部材は、外部ハードウェアまたはインターロック機能等の種々の方法によって一緒に固定してよい。コネクタへの張力緩和装置の取り付けは、コネクタおよびワイヤを張力緩和部材の1つに設置し、次いで、張力緩和装置の個別の部材を一緒に固定することを必要とする。
【発明の概要】
【0005】
従って、本発明の目的は、製造および装着が簡単かつ安価であるが、ワイヤに加えられる力がコンタクトに伝達されるのを防止するのに極めて有効である張力緩和装置を有する電気コネクタを提供することである。本発明の更なる目的は、張力緩和装置がコネクタに対して軸方向移動しないように張力緩和装置を締結し、それによって、張力緩和装置とコネクタの間に滑らかな(または平坦な)界面(または接触面)を提供することである。加えて、更なる目的は、張力緩和装置の要素間で滑らかな外部遷移を保持しながら、同じ張力緩和要素を用いて様々な直径のケーブルに対する張力緩和を提供することである。
【0006】
ケーブル内に収容されているワイヤを端末接続するための電気コネクタは、コンタクトを含むハウジングおよびハウジングに取り付けられたケーブルクランプを有する。ケーブルクランプは、中間ピース(midpiece)、中間ピースに堅固に取り付けられた回転クランプ、および回転クランプ内に配置されたケーブル保持フィンガーを有する。ケーブル保持フィンガーは、中間ピースと一体化してよく、または独立した要素として提供してよい。回転クランプは、ケーブル保持フィンガーに力を加えるように構成され、ケーブル保持フィンガーはケーブルに張力緩和を提供し、それによって、公称操作条件下でワイヤが物理的および電気的にコンタクトから外れる(または切れる)ことが防止される。
【0007】
中間ピース、中間ピースに堅固に取り付けられた回転クランプ、および回転クランプ内に配置されたケーブル保持フィンガーを有する張力緩和クランプが開示される。ケーブル保持フィンガーは中間ピースと一体化されてよく、またはケーブル保持フィンガーは独立した要素として提供してよい。回転クランプはケーブル保持フィンガーに力を加えるように構成され、ケーブル保持フィンガーはケーブルに張力緩和を提供して、公称操作条件下でワイヤが物理的および電気的にコンタクトから切れる(または外れる)のを防止する。
【0008】
本発明の方法およびシステムの更なる特徴を本明細書において開示する。当業者は、下記の詳細な説明および図面から、上述の特徴ならびに本発明の他の特徴および利点を認識および理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明の例示的電気コネクタの上面斜視図を示す。
【図2】図2は、図1の線2−2に沿って得られる電気コネクタの断面図を示す。
【図3】図3は、図1の電気コネクタの分解図を示す。
【図4A】図4Aは、本発明の一の態様による例示的中間ピースの等角図を示す。
【図4B】図4Bは、図4Aの例示的中間ピースの上面正投影図を示す。
【図4C】図4Cは、図4Aの例示的中間ピースの側面正投影図を示す。
【図4D】図4Dは、図4Aの例示的中間ピースの正面正投影図を示す。
【図5A】図5Aは、本発明の一の態様による回転クランプの上面斜視図を示す。
【図5B】図5Bは、図5Dの線5B−5Bに沿って得られる回転クランプの断面図を示す。
【図5C】図5Cは、図5Dの線5C−5Cに沿って得られる回転クランプの断面図を示す。
【図5D】図5Dは、図5Aの回転クランプの正面正投影図を示す。
【図6】図6は、本発明のもう1つの例示的態様による電気コネクタの断面図を示す。
【図7】図7は、本発明のケーブルクランプの別の態様の分解図を示す。
【図8A】図8Aは、例示的ケーブル保持要素の上面斜視図を示す。
【図8B】図8Bは、図8Aのケーブル保持要素の側面正投影図を示す。
【図9A】図9Aは、本発明の回転クランプの別の態様の上面斜視図を示す。
【図9B】図9Bは、図9Dの線9B−9Bに沿って得られる回転クランプの断面図を示す。
【図9C】図9Cは、図9Dの線9C−9Cに沿って得られる回転クランプの垂直断面図を示す。
【図9D】図9Dは、図9Aの回転クランプの正面正投影図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
可能な限り、同じ又は同様の部品を指すために、同じ参照番号を図面全体にわたって使用する。
【0011】
本発明を、添付の図面を参照して以下により十分に説明し、図面において、本発明の好ましい態様を示す。尤も、本発明は、多数の異なる形態で具体化されてよく、また、本明細書に記載されている態様に限定されると解釈されるべきでなく、むしろ、これらの態様は、この開示事項が詳細かつ完全であり、本発明の範囲が当業者に十分に伝えられるように提供されるものである。
【0012】
図1および2を参照して、ケーブル40のワイヤ35を端末接続するための電気コネクタ10の例示的態様を開示する。電気コネクタ10は、ハウジング15およびケーブルクランプ17を有する。ハウジング15はコンタクト30を含み、コンタクト30はケーブル40のワイヤ35を端末接続する。ワイヤ35およびコンタクト30の数は、コネクタ10の寸法および用途に応じて様々であってよい。ケーブルクランプ17は、中間ピース20および回転クランプ25を有する。ハウジング15およびケーブルクランプ17は概して長方形の断面を有するように示されるが、ハウジング15およびケーブルクランプ17の断面が正方形、円形または他のいずれの形状であってもよいことは、当業者に明らかであるべきである。
【0013】
コネクタ10の分解図を図3に示す。図3において理解できるように、ハウジング15は、中間ピース20のコネクタ位置合わせ(または整列)部320における突起部315を受容するように構成された凹部310を有する。コネクタ位置合わせ部320は、ハウジング15の内部に収容されるような寸法で作製される。コネクタ位置合わせ部320をハウジング15の中に挿入すると、凹部310において突起部315が係合することによって、ハウジング15と中間ピース20とが共に堅固に接合される。
【0014】
図4A、4B、4Cおよび4Dは、中間ピース20の例示的態様を示す。図4A〜Dにおいて理解できるように、中間ピース20は、コネクタ位置合わせ部320、中間ピースボディ410、スリーブ420、溝430、保持リング440およびケーブル保持フィンガー450を有する。保持リング440はスロット441を有する。
【0015】
コネクタ位置合わせ部320は、中間ピース20をハウジング15に堅固に取り付けるのに役立つ2つの突起部を有するが、当業者に明らかであるように、別の態様において、突起部315の数、構造および位置は様々であってよい。本発明の別の態様において、コネクタ位置合わせ部320は、突起部315の位置に別の及び/又は追加の構造物を有してよく、それに従って、更にまた当業者に明らかであるように、ハウジング15をそのような別の及び/又は追加の構造物と係合するように変形させて、中間ピース20をハウジング15に堅固に取り付けるのに役立ててよい。更に、コネクタ位置合わせ部320および中間ピースボディ410は概して長方形の断面を有するように示されるが、別の態様において、それらの要素のいずれか又は両方の断面は、正方形、円形または他のいずれの形状であってもよい。
【0016】
スリーブ420はスリーブ歯421を有し、スリーブ420はスリーブ420の外面の周りに等間隔に配置された4つのスリーブ歯421を有するように示されるが、任意の数のスリーブ歯421を、スリーブ420の外面の周りに任意の間隔配列で配置してよい。
【0017】
スリーブ420と保持リング440との間に溝430が配置され、保持リング440が溝430の規定面を形成する。保持リング440は、半径方向に(または放射状に)配置されたスロット441を有する。別の態様において、1つまたは2つより多いスロット441を有してよい。
【0018】
ケーブル保持フィンガー450は保持リング440から延びている。この例示的態様において、ケーブル保持フィンガー450は中間ピース20の一部として一体に形成されている。ケーブル保持フィンガー450は、図4Dにおいて最も良く示されるように、テーパー状(または先細)の断面形状を有する。ケーブル保持フィンガー450は、ケーブル締め付け面452を含む内部面451を有する。この例示的態様において、ケーブル締め付け面452は、内部面451の中に形成された溝であるが、他の態様において、ケーブル締め付け面452は、隆起部、ハッチング、または対向する面と摩擦係合するための他の同様の面であってよい。この例示的態様において、中間ピースボディ410は2つのケーブル保持フィンガー450を有するが、別の態様において、1つ、3つ、4つまたはそれより多くのケーブル保持フィンガー450を有してよい。
【0019】
図5A、5B、5Cおよび5Dは、回転クランプ25の例示的態様を示す。回転クランプ25は、内部面510、第1開口部512、第2開口部516および外部面520を有する。この例示的態様において、外部面520は、テーパー状の円筒形状を有する概して円形の断面を有し、実質的に滑らかである。別の態様において、外部面520は、長方形、正方形、または他の平行四辺形を含む他の任意の断面、例えば星型八角形(または八芒星、octagram)もしくは星型十角形(または十芒星、decagram)等のを有してよいが、これらに限定されず、また、テーパー状であってよく又はテーパー状でなくてよく、使用者または装着者による回転クランプ25の物理的係合および回転を改良するために、リブ、ハッチング、溝等の摩擦機能、または他の同様の機能を有してよく、または有しなくてよい。他の別の態様において、回転クランプ25の外部形状は、ツール、レンチまたは他の種類の回転ツールを受容することができる側面で構成されてよい。外部面520は、回転クランプ25を回転ツールと係合させるのに役立てるために使用し得る開口部522を有するが、別の態様において、開口部522は除いてよい。
【0020】
図5A〜Dに示すように、内部面510は概して円形の断面、および概してテーパー状の円筒形状を有する。内部面510は、前部面527および中央部519を有する。内部面510は、回転歯511、キー514およびケーブル締め付けランプ(または傾斜、ramp)518も有する。前部面517は、回転歯511およびキー514を有する。中央部519は、前部面517とケーブル締め付けランプ518との間でテーパー状の形状を有する。本発明の別の態様において、中央部519はテーパー状でなくてよく、または階段状のテーパー状であってよい。回転歯511は、内部面510に沿って第1開口部512に隣接して半径方向に(または放射状に)配置される。回転歯511は、中間ピース20のスリーブ420の歯421(図4A〜D)と係合するように構成され、その結果、回転クランプ25と中間ピース20とを堅固に取り付ける際に、中間ピース20に対する回転クランプ25の1方向での回転のみが許容される。
【0021】
図5A〜Dに更に示すように、キー514は、内部面510において回転歯511に隣接して配置される。キー514は、回転クランプ25と中間ピース20(図4A〜D)とを堅固に取り付ける際に、中間ピース20の保持リング440におけるスロット441を通り抜けるように構成される。換言すれば、キー514およびスロット441は、回転クランプ25を中間ピース20に堅固に取り付けるために位置決めされなければならない。
【0022】
回転クランプ25を中間ピース20に堅固に取り付けるために、回転クランプ25を中間ピース20に対して1方向に回転させ、それによって、回転クランプ25が中間ピース20に堅固に取り付けられてキー514が溝430の中の最終位置に配置されるまで、キー514がそれに対応して溝430(図4A〜D)の周りを回転する。溝430におけるキー514の最終位置はスロット441とずれており、従って、回転クランプ25が中間ピース20に軸方向に堅固に取り付けられ、回転クランプ25と中間ピース20とが外れることが防止される。更に、回転クランプ25の回転歯511の、中間ピース20のスリーブ420の歯421との係合によって、キー514が取り付け回転方向と反対の方向に回転することが防止され、それによって、回転クランプ25と中間ピース20とがしっかり取り付けられた後に、キー514とスロット411とのの位置が合うこと(またはキー514およびスロット411が整列すること)が防止される。
【0023】
図5B〜Dに更に示すように、ケーブル締め付けランプ518が、内部面510において第2開口部516に隣接して配置される。ケーブル締め付けランプ518は、回転クランプ25と中間ピース20とを堅固に取り付ける際に、ケーブル保持フィンガー450とスライド可能であるように係合されるように配置され、このケーブル締め付けランプ518は、回転クランプ25と中間ピース20とが取り付けられている際に、回転クランプ25が中間ピース20に対して回転すると、中間ピース20(図5A〜D)のケーブル保持フィンガー450(図5A〜D)において、増加する内側方向の力が加えられるように構成される。
【0024】
図5A〜5Dに示すように、ケーブル締め付けランプ518は、薄い端531および厚い端531を有する概して半径方向くさびの形状を有する。キー514は、内部面510において半径方向に(または放射状に)配置され、その結果、キー514がスロット411(図4A、4B、4D)に入ってまず溝430の中に入る際に、ケーブル保持フィンガー450(図4A〜D)は、ケーブル締め付けランプ518の薄い端531に沿って隣接しており、且つそれに沿ってスライド可能であるように係合される。その後、回転クランプ25は、回転クランプ25を中間ピース20に対して1方向に回転させることによって、中間ピース20(図4A〜D)に更に堅固に取り付けられ、これがケーブル締め付けランプ518をケーブル保持フィンガー450の周りで厚い端532に向かってスライド可能に回転させ、それにより、回転クランプ25が中間ピース20に対して堅固に取り付けられた位置に達するまで、増加する内側方向の圧縮力がケーブル保持フィンガー450に加えられる。要素が、反対方向の回転によって回転クランプ25を中間ピース20に堅固に取り付けるように構成され得ることは、当業者に明らかであるべきである。
【0025】
ケーブルクランプ17を形成する回転クランプ25および中間ピース20の堅固に取り付けられた最終的な位置を、図2を参照することによって更に説明し得る。図2において理解できるように、回転クランプ25を中間ピース20に堅固に取り付けると、ケーブル保持フィンガー450がケーブル40に堅固に接続して張力緩和を提供する。回転クランプ25および対応するケーブル保持フィンガー45の寸法は特定の寸法のケーブル40に対して選択され、それによって、コンタクト30に接続されるワイヤ35に対して張力緩和を提供するのに十分な力をケーブル保持フィンガー45がケーブル40に加えることが確保される。それによって、ケーブルクランプ17は、妥当な予測し得る操作条件下でケーブル40に加えられ得る応力の下で、ワイヤ35が物理的および電気的にコンタクト30から切れる(または外れる)ことを実質的に防止する。
【0026】
ケーブル40のワイヤ35を端末接続するための電気コネクタ600の別の例示的態様を図6に示す。電気コネクタ600は、ハウジング15およびケーブルクランプ605を有する。ハウジング15はコンタクト30を含み、このコンタクト30がワイヤ35を端末接続する。ワイヤ35およびコンタクト30の数は、コネクタ600の用途に応じて様々であってよい。ケーブルクランプ605は、中間ピース620、回転クランプ625およびケーブル保持要素622を有する。ハウジング15およびケーブルクランプ605は概して長方形の断面を有するように示されるが、ハウジング15およびケーブルクランプ605の断面が正方形、円形または他のいずれの形状であってもよいことは、当業者に明らかであるべきである。
【0027】
中間ピース620、回転クランプ625およびケーブル保持要素622を有するケーブルクランプ605の分解図を図7に示す。図7において理解できるように、中間ピース620は、突起部722を有するコネクタ位置合わせ部720を有する。コネクタ位置合わせ部720は、ハウジング15(図3)の内部に収容されるような寸法で作製される。コネクタ位置合わせ部720がハウジング15(図3)の内部に十分に収容されると、突起部722が凹部310(図3)に収容されて、中間ピース620とハウジング15とが共に堅固に取り付けられる。
【0028】
コネクタ位置合わせ部720は2つの突起部722(コネクタ位置合わせ部720の反対側において突起部は存在するが示されていない)を有するが、別の態様において、突起部722の数および位置は様々であってよい。本発明の別の態様において、コネクタ位置合わせ部720は、突起部722の位置に別の及び/又は追加の構造物を有してよく、それに従って、更にまた当業者に明らかであるように、ハウジング15をそのような別の及び/又は追加の構造物と係合するように変形させて、中間ピース620をハウジング15に堅固に取り付けるのに役立ててよい。更に、コネクタ位置合わせ部720および中間ピース620は概して長方形の断面を有するように示されるが、別の態様において、それらの要素のいずれか又は両方の断面は、正方形、円形または他のいずれの形状であってもよい。
【0029】
図7において更に理解できるように、中間ピース620は、中間ピースボディ735、スリーブ740、溝745および保持リング750も有する。スリーブ740はスリーブ歯741を有し、スリーブ740は、スリーブ740の周りに等間隔に配置された4つのスリーブ歯741(2つは示されており、2つは示されていないが、等間隔に且つ向かい合って配置されている)を有するが、任意の数のスリーブ歯741を、スリーブ740の周りに任意の間隔で配置してよい。
【0030】
図7にも示すように、保持リング750はスロット751を有する。スリーブ740と保持リング750との間に溝745が配置され、保持リング750が溝745の規定面を形成する。
【0031】
中間ピース620は第1面760を更に有する。第1面760は、中間ピース620と回転クランプ625とを図6に示すように堅固に取り付ける際にケーブル保持要素622の回転を防ぐための突起部761を有する。
【0032】
ケーブル保持要素622を、図8Aおよび8Bに非常に詳細に示す。図8Aおよび8Bにおいて理解できるように、ケーブル保持要素622はケーブル保持フィンガー651および基部653を有する。基部653は、中間ピース620(図7)の突起部761(図7)を受容するように構成されたスロット655を有する。スロット655は、係合されたときに、中間ピース620に対するケーブル保持要素622の回転を実質的に防ぐために、突起部761(図7)に緊密に嵌合するべきである。
【0033】
図8Aおよび8Bに示すように、ケーブル保持フィンガー651は基部653と一体に形成され、基部653から延びている。この例示的態様において、4つのケーブル保持フィンガー651が提供されるが、別の態様において、2つのケーブル保持フィンガー651を、前の態様のケーブル保持フィンガー450(図4A)と同様の構成で使用してよい。更に、1つ、3つ、または4つより多くのケーブル保持フィンガーを使用してよい。図8A、Bに示すように、4つのケーブル保持フィンガー651が、長さの異なる2対の反対方向に向かい合うケーブル保持フィンガー651として提供される。
【0034】
図8A、Bに更に示すように、ケーブル保持フィンガー651はテーパー状の断面形状を有する。ケーブル保持フィンガー651は、ケーブル締め付け面670を有する内部面660を有する。この例示的態様において、ケーブル締め付け面670は、突起部671、および突起部671の中に形成される溝672を有するが、別の態様において、ケーブル締め付け面670は、隆起部、ハッチングもしくは突起部671の中に形成される他の同様の面を有してよく、またはケーブル締め付け面は、内部面660上に直接形成してよい。ケーブル締め付け面670は、ケーブル40(図6)と摩擦係合する。
【0035】
図9A、9B、9Cおよび9Dは、回転クランプ625の例示的態様を示す。回転クランプ625は、内部面910、第1開口部912、第2開口部916および外部面920を有する。外部面920は、テーパー状の円筒形状を有する概して円形の断面を有し、実質的に滑らかである。別の態様において、外部面920は、長方形、正方形、または星型八角形もしくは星型十角形等の他の平行四辺形を含む任意の他の断面を有してよいが、これらに限定されず、テーパー状であってよく、またはテーパー状でなくてよく、使用者または装着者による回転クランプ625の物理的係合および回転を改良するために、リブ、ハッチング、溝等の摩擦機能、または他の同様の機能を有してよく、または有しなくてよい。他の別の態様において、回転クランプ625の外部形状は、ツール、レンチまたは他の種類の回転ツールを受容することができる側面で構成されてよい。外部面920は、回転クランプ625を回転ツールと係合させるのに役立てるために使用し得る開口部922を有するが、別の態様において、開口部922は除いてよい(または省略してよい)。
【0036】
図9A〜Dに示すように、内部面910は概して円形の断面を有し、概してテーパー状の円筒形状を有する。内部面910は、前部面917および中央部919を有する。内部面910は、回転歯911、キー914、およびケーブル締め付けランプ918も有する。前部面917は、回転歯911およびキー914を有する。中央部919は、前部面917とケーブル締め付けランプ918との間でテーパー状の形状を有する。本発明の別の態様において、中央部919はテーパー状でなくてよく、または階段状のテーパー状であってよい。回転歯911は、前部面917に沿って第1開口部912に隣接して半径方向に(または放射状に)配置される。回転歯911は、前の態様の回転歯511(図5A〜D)および歯421(図4A〜D)の構成と同様に、回転クランプ625と中間ピース620とを堅固に取り付ける際に、中間ピース620(図7)のスリーブ740の歯741と係合するように構成され、それによって、中間ピース620に対する回転クランプ625の1方向での回転のみが許容される。
【0037】
図9A〜Dに更に示すように、キー914は、内部面910において回転歯911に隣接して配置される。キー914は、回転クランプ625および中間ピース620(図6)をまず一緒にして回転クランプ625を中間ピース620に堅固に取り付ける際に、中間ピース620の保持リング750におけるスロット751(図7)を通り抜けるように構成される。回転クランプ625を中間ピース620に更に堅固に取り付けるために、回転クランプ625を中間ピース620の周りで回転させ、それに対応して、回転クランプ625が中間ピース620に堅固に取り付けられてキー914が溝745の内部の堅固に取り付けられた最終的位置に配置されるまで、キー914が溝745(図7)の周りを回転する。溝745における堅固に取り付けられたキーの位置は、スロット751とずれており、従って、回転クランプ625が中間ピース620に対して軸方向に固定され(または締め付けられ)、回転クランプ625と中間ピース620とが外れることが防止される。更に、回転クランプ625の歯911の、中間ピース620のスリーブ740の歯741との係合によって、キー914が溝745において反対方向に回転することが防止され、それによって、回転クランプ625と中間ピース620とが外れることが防止される。要素が、反対方向の回転によって回転クランプ625を中間ピース620に堅固に取り付けるように構成され得ることは、当業者に明らかであるべきである。
【0038】
図9B〜Dに更に示すように、ケーブル締め付けランプ918は、内部面917において第2開口部916に隣接して配置される。2対のケーブル締め付けランプ918が、第2開口部916に隣接して異なる間隔で設けられ、異なる長さのケーブル保持フィンガー651(図8A、B)に接続するように構成される。ケーブル締め付けランプ918は、回転クランプ625と中間ピース620とが堅固に取り付けられている状態で回転クランプ625が中間ピース620において回転すると、増加する力がケーブル保持要素622(図6)のケーブル保持フィンガー651(図8A、B)に加えられるように構成される。
【0039】
図9Bおよび9Dに示すように、ケーブル締め付けランプ918は、薄い端931および厚い端932を有する概して半径方向くさびの形状を有する。キー914は、内部面910において半径方向に(または放射状に)配置され、その結果、キー914が最初に溝745(図7)に配置されるまでキー914をスロット751(図7)に入れることによって回転クランプ625を最初に中間ピース620(図7)に取り付ける場合、ケーブル保持フィンガー651(図8A、B)は薄い端931に隣接している。その後、回転クランプ625を中間ピース620に対して回転させ、これがケーブル締め付けランプ918を、ケーブル保持フィンガー651の周りでスライド可能な係合にて回転させ、それにより、図6に示すように回転クランプ625が堅固に取り付けられた最終的位置に達するまで、増加する内側方向の圧縮力がケーブル保持フィンガー651に加えられる。
【0040】
ケーブルクランプ605を形成する回転クランプ625、中間ピース620およびケーブル保持要素622の堅固に取り付けられた最終的位置を、図6を参照して更に説明し得る。図6において理解できるように、回転クランプ625が中間ピース620に堅固に取り付けられる場合、ケーブル保持フィンガー651はケーブル40に接続している。回転クランプ625の形状は特定の寸法のケーブル40に対して選択され、それによって、コンタクト30に接続されるワイヤ35に対して張力緩和を提供するのに十分な力をケーブル保持フィンガー651がケーブル40に加えることが確保され、特に、ケーブル締め付け面670の形状は、張力緩和を提供するのに十分な力をケーブル40に加えるように選択してよい。それによって、ケーブルクランプ605は、妥当な予測し得る操作条件下でケーブル40に加えられ得る応力の下で、ワイヤ35が物理的および電気的にコンタクト30から切れる(または外れる)ことを実質的に防止する。
【0041】
好ましい態様を参照して本発明を説明してきたが、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく種々の変更を行ってよいこと、および本発明の構成要素を均等物で置き換えてよいことを理解するだろう。更に、本発明の本質的な範囲から逸脱することなく特定の状態または材料を本発明の教示事項に適合させるために、多数の変形を行ってよい。従って、本発明は、本発明を実施するために考慮されたベストモードとして開示された特定の態様に限定されず、本発明が添付の特許請求の範囲に入る全ての態様を包含することが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブル内に収容されているワイヤを端末接続するための電気コネクタであって、
コンタクトを含むハウジング、並びに
ハウジングに取り付けられたケーブルクランプであって、
中間ピース、
中間ピースに堅固に取り付けられた回転クランプ、および
回転クランプ内に配置されたケーブル保持フィンガー
を有するケーブルクランプ
を有する電気コネクタであって、回転クランプは、ケーブル保持フィンガーに力を加えるように構成されており、ケーブル保持フィンガーはケーブルに張力緩和を提供し、それによって、公称操作条件下でワイヤが物理的および電気的にコンタクトから外れることが防止される、電気コネクタ。
【請求項2】
ケーブル保持フィンガーが中間ピースの一部として一体に形成されている、請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項3】
2つのケーブル保持フィンガーが中間ピースの一部として一体に形成されている、請求項2に記載の電気コネクタ。
【請求項4】
4つのケーブル保持フィンガーが中間ピースの一部として一体に形成されている、請求項2に記載の電気コネクタ。
【請求項5】
ケーブル保持フィンガーが、中間ピースから独立したケーブル保持要素の一体化された部分である、請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項6】
2つのケーブル保持フィンガーが、中間ピースから独立したケーブル保持要素の一体化された部分である、請求項5に記載の電気コネクタ。
【請求項7】
4つのケーブル保持フィンガーが、中間ピースから独立したケーブル保持要素の一体化された部分である、請求項5に記載の電気コネクタ。
【請求項8】
4つのケーブル保持フィンガーが、2対のケーブル保持フィンガーとして設けられ、第1長さを有する4つのケーブル保持フィンガーの第1対と、第1長さより短い第2長さを有する4つのケーブル保持フィンガーの第2対とを含む、請求項7に記載の電気コネクタ。
【請求項9】
回転クランプが、回転クランプが中間ピースに取り付けられている状態で、回転クランプが中間ピースにおいて回転すると、増加する力がケーブル保持フィンガーに加えられるように構成されるランプを有する、請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項10】
ランプが、ケーブル保持クランプ内に配置された、半径方向に形成されたくさびである、請求項9に記載の電気コネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【公表番号】特表2011−511426(P2011−511426A)
【公表日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−545863(P2010−545863)
【出願日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際出願番号】PCT/US2009/000408
【国際公開番号】WO2009/102394
【国際公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【出願人】(399132320)タイコ・エレクトロニクス・コーポレイション (234)
【氏名又は名称原語表記】Tyco Electronics Corporation
【Fターム(参考)】