説明

ケーブル固定構造及び現金自動預払機

【課題】装置の作動信頼性を向上させるとともに、配線レイアウトを容易に決定できるケーブル固定構造を提供する。
【解決手段】信号系ケーブル群31と、電源系ケーブル群32とから構成されるケーブル3を固定するためのケーブル固定構造Aであって、支持部材1と、支持部材1に取り付けられ、信号系ケーブル群31が挿通保持されるケーブル挿通孔21eが形成された第一のケーブルクランプ2Aと、支持部材1に取り付けられ、電源系ケーブル群32が挿通保持されるケーブル挿通孔21eが形成され、第一のケーブルクランプ2Aに対してケーブル3の軸方向に交差する方向に離間配置された第二のケーブルクランプ2Bとを備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブルを固定するためのケーブル固定構造及びこのケーブル固定構造を備えた現金自動預払機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ケーブル固定構造として、底部から開口部に向けて内側へ傾斜したテーパ面を有し且つ軸方向に延在する配線溝と、この配線溝内に挿入され且つ弾性変形可能なカバーと、を備えた技術が開示されている(特許文献1参照)。そして、配線溝の底部にケーブルを載置するとともに、カバーを配線溝内に挿入して、カバーの両端部が配線溝のテーパ面に係合することによって、ケーブルが底部に押し付けられて固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−154325号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記特許文献1に記載のケーブル固定構造では、例えば、信号系ケーブルと電源系ケーブルとを配線溝内に配置する場合には、これらのケーブルが同一の配線溝内において互いに接触して配置されるため、信号系ケーブルと電源系ケーブルとの電磁干渉が発生して、装置の誤作動を招く虞があった。
また、複数の信号系ケーブル及び複数の電源系ケーブルを配置する場合には、これらのケーブルが同一の配線溝内に配置されるため、すべてのケーブルの接続先を考慮しつつ、配線レイアウトを定める必要があった。その結果、配線レイアウトが決まりにくく、作業者の手間になるため、組み立て時や保守時における作業性が悪いという問題があった。また、配線レイアウトが決まりにくく、各作業者が経験や勘に基づいて任意に決めることになるため、配線レイアウトのばらつきが生じやすいという問題があった。
【0005】
本発明はこのような観点から創案されたものであり、装置の作動信頼性を向上させるとともに、配線レイアウトを容易に決定できるケーブル固定構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため本発明は、信号系ケーブル群と、電源系ケーブル群とから構成されるケーブルを固定するためのケーブル固定構造であって、支持部材と、前記支持部材に取り付けられ、前記信号系ケーブル群が挿通保持されるケーブル挿通孔が形成された第一のケーブルクランプと、前記支持部材に取り付けられ、前記電源系ケーブル群が挿通保持されるケーブル挿通孔が形成され、前記第一のケーブルクランプに対して前記ケーブルの軸方向に交差する方向に離間配置された第二のケーブルクランプと、を備えたことを特徴とする。
【0007】
なお、信号系ケーブル群とは、「少なくとも2本以上の信号系ケーブルから成る集合体」のことをいい、電源系ケーブル群とは、「少なくとも2本以上の電源系ケーブルからなる集合体」のことをいう。
また、離間配置とは、「信号系ケーブル群と電源系ケーブル群とから発生する電磁波が、相互に干渉し合わないように並べて配置される状態」のことをいう。
【0008】
本発明によれば、ケーブルが信号系ケーブル群と電源系ケーブル群とから構成され、それぞれ別々のケーブルクランプに挿通保持されて、離間配置されることによって、信号系ケーブル群と電源系ケーブル群との電磁干渉を抑制し、装置の作動信頼性を向上させることができる。
また、信号系ケーブル群と電源系ケーブル群とに分けて、それぞれ一括して保持することによって、信号系ケーブル群と電源系ケーブル群とに大別してから組み付けることができるため、従来構造に比べると、ケーブルが集中する箇所における配線レイアウトが容易に決まる。したがって、作業者が試行錯誤する手間を省くことができ、組み立て時や保守時における作業性がよく、さらに、配線レイアウトのばらつきを抑制することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、装置の作動信頼性を向上させるとともに、配線レイアウトを容易に決定できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第一の実施形態に係るケーブル固定構造の全体構成を示す分解斜視図である。
【図2】図1の正面図である。
【図3】第二の実施形態に係るケーブル固定構造の構成を示す正面図である。
【図4】第三の実施形態に係るケーブル固定構造の全体構成を示す斜視図である。
【図5】図4の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を用いて詳細に説明する。なお、説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0012】
(第一の実施形態)
ケーブル固定構造Aは、例えば、現金自動預払機(ATM)などの自動機の筐体内に配設されるケーブルを固定するための構造である。
図1に示すように、第一の実施形態に係るケーブル固定構造Aは、クランプブラケット1と、ケーブルクランプ2と、ケーブル3と、ベースカバー4と、ベースブラケット5と、補強ブラケット6と、から主に構成されている。
なお、説明において、「ケーブルの軸方向」とは、「ケーブルの長さ方向」と同義である。
【0013】
支持部材としてのクランプブラケット1は、図1に示すように、平面視矩形状を呈する薄板状の部材であり、ケーブル3が膨らんで(撓んで)内蔵ユニット(図示省略)に接触することを防止する役割を果たしている。クランプブラケット1の短手方向両端側には、ケーブルクランプ2を取り付けるための複数の取付孔1a,1a・・・が貫通形成されている(図2参照)。また、クランプブラケット1の長手方向両端側には、複数のねじ挿通孔1b,1b・・・が貫通形成されている。このねじ挿通孔1bには、クランプブラケット1をベースカバー4及びベースブラケット5に締着するためのねじNが挿通される。
【0014】
ケーブルクランプ2は、弾力性のある絶縁性部材(例えば、合成樹脂など)で形成されている。ケーブルクランプ2は、図1及び図2に示すように、四角筒状の保持部21と、保持部21の外面に突設され且つ一体的に形成された取付部22と、から構成されている。
【0015】
保持部21は、図2に示すように、クランプブラケット1の内面に当接する側壁21aと、この側壁21aから離間し且つ平行に配置された側壁21bと、側壁21aと側壁21bの両端部同士を繋ぐ側壁21c,21dと、から構成されており、その中央部には断面視長方形状のケーブル挿通孔21eがケーブル3の軸方向に貫通形成されている。ケーブル挿通孔21eのクランプブラケット1に平行な辺は、法線方向の辺(クランプブラケット1に鉛直な辺)より長く形成されている。取付部22は、側壁21aの外面からクランプブラケット1に向かって突出した円柱状の軸部22aと、軸部22aの先端に連続して形成された円板状の頭部22bと、から構成されている。軸部22aは、図2に示すように、取付孔1a内に挿入され、頭部22bは、ケーブルクランプ2がクランプブラケット1から外れないように、ケーブルクランプ2の外面(表面)に係合している。
【0016】
前記構成から成るケーブルクランプ2は、図1に示すように、クランプブラケット1に複数個(例えば、横2列×縦2列、合計4個)取り付けられている。換言すると、ケーブルクランプ2は、一対の第一のケーブルクランプ2A,2Aと、この第一のケーブルクランプ2Aに対してケーブル3の軸方向に交差する方向(直交する方向)に所定間隔で離間して並置された一対の第二のケーブルクランプ2B,2Bと、から構成されている。第一のケーブルクランプ2A,2Aは、ケーブル3の軸方向に間隔を空けて直線状に配置され、信号系ケーブル群31を挿通保持している(一括して束ねている)。また、第二のケーブルクランプ2B,2Bは、ケーブル3の軸方向に間隔を空けて直線状に配置され、電源系ケーブル群32を挿通保持している。以下の説明においては、第一のケーブルクランプ2A及び第二のケーブルクランプ2Bの各ケーブルクランプを単にケーブルクランプ2ともいう。
【0017】
なお、ケーブルクランプ2の数は、前記個数に限定されることなく、ケーブル3の軸方向に少なくとも1つのケーブルクランプ2を取り付けるとともに、ケーブル3の軸方向に交差する方向に少なくとも2列(合計2個)取り付ければよい。また、ケーブル挿通孔21eの開口面積は、ケーブル3の数や段数に合わせて適宜設定すればよい。
【0018】
ケーブル3の外皮(被覆)は、弾性体で形成されている。ケーブル3は、図1及び図2に示すように、複数の信号系ケーブルから成る信号系ケーブル群31と、複数の電源系ケーブルから成る電源系ケーブル群32と、から構成され、これらが二分(分離)するように配置されている。すなわち、信号系ケーブル群31は、第一のケーブルクランプ2Aのケーブル挿通孔21e内に挿通保持され、電源系ケーブル群32は、第二のケーブルクランプ2Bのケーブル挿通孔21e内に挿通保持されており、互いに接触しないように離間配置されている。また、信号系ケーブル群31は、第一のケーブルクランプ2Aを介して、クランプブラケット1上に固定され、電源系ケーブル群32は、第二のケーブルクランプ2Bを介して、クランプブラケット1上に固定されている。
【0019】
なお、信号系ケーブル群31及び電源系ケーブル群32は、軸方向への動きが許容された状態で、ケーブル挿通孔21e内に挿通されてもよいし、軸方向及び径方向の動きが規制された状態で、ケーブル挿通孔21e内に挿通されても構わない。また、本実施形態のケーブル3は、ケーブルクランプ2のケーブル挿通孔21e内に二段に重ねられて配置されているが、これに限定されることなく、例えば、ケーブル3を一段にして配置してもよい。
【0020】
ベースカバー4は、図1及び図2に示すように、一枚の板をプレス成形して形成されており、ケーブルクランプ2の内面(裏面)を覆うように配置されている。ベースカバー4は、クランプブラケット1の内面に沿って延在する固定部41と、固定部41から離間し且つ平行に配置されたカバー部42と、固定部41とカバー部42の端部同士を繋ぐ連結部43と、から構成されている。固定部41は、クランプブラケット1の長手方向一端側に配置されており、ねじ挿通孔1bに対応する位置に雌ねじ孔41aが貫通形成されている。この雌ねじ孔41aには、クランプブラケット1をベースカバー4に締着するためのねじNが螺合される。また、カバー部42は、連結部43によって、クランプブラケット1から離間した状態で保持されている。
【0021】
ベースブラケット5は、図1及び図2に示すように、一枚の板をプレス成形して形成されており、ベースカバー4の強度を高める役割を果たしている。ベースブラケット5は、図2に示すように、断面視略クランク状を呈し、ケーブルクランプ2を挟んでベースカバー4の固定部41及び連結部43と反対側に配置されているとともに、クランプブラケット1とカバー部42との間に介設されている。ベースブラケット5は、クランプブラケット1の内面に沿って延在する固定部51と、固定部51から離間し且つ平行に配置された接合部52と、固定部51と接合部52の端部同士を繋ぐ連結部53と、から構成されている。
【0022】
固定部51の基端側は、図2に示すように、クランプブラケット1の長手方向他端側に配置されており、その先端側は、クランプブラケット1より外側に延出している。固定部51には、ねじ挿通孔1bに対応する位置に雌ねじ孔51aが貫通形成されている。この雌ねじ孔51aには、クランプブラケット1をベースブラケット5に締着するためのねじNが螺合される。接合部52は、カバー部42の内面に沿って延在しており、例えば、溶接などでカバー部42に固定されている。なお、ベースブラケット5をベースカバー4に固定する手段は、これに限定されることなく、例えば、ねじや接着剤などを用いてもよい。
【0023】
補強ブラケット6は、図1及び図2に示すように、一枚の板をプレス成形して形成されており、ケーブル3がベースカバー4側に膨らむ(撓む)ことを防止する役割を果たしている。補強ブラケット6は、断面視ハット状を呈し、ケーブル3とカバー部42との間に介設されている。補強ブラケット6は、ベースカバー4の内面に沿って延在し且つ互いに離間配置された一対の接合部61,61と、一対の接合部61,61の内縁部からクランプブラケット1側に突き出した突出部62と、から構成されている。
【0024】
接合部61は、図2に示すように、例えば、溶接などでカバー部42に固定されている。なお、補強ブラケット6をベースカバー4に固定する手段は、これに限定されることなく、例えば、ねじや接着剤などを用いてもよい。突出部62の先端には、クランプブラケット1と平行な平面部62aが形成されている。平面部62aは、水平面に形成され、ケーブル3に近接している。
【0025】
次に、ケーブル固定構造Aの組み立て作業の一例について、図1及び図2を参照して説明する。
【0026】
まず、クランプブラケット1の取付孔1a内にケーブルクランプ2の取付部22を挿入する。取付部22を取付孔1a内に挿入すると、取付部22の頭部22bがその弾性力によって中心方向に縮んでいき、頭部22bが取付孔1aを通過すると、元の状態に復帰してクランプブラケット1の外面に係合する。
【0027】
次に、第一のケーブルクランプ2A,2Aに信号系ケーブル群31を挿通するとともに、第二のケーブルクランプ2B,2Bに電源系ケーブル群32を挿通する。これによって、信号系ケーブル群31及び電源系ケーブル群32は、ケーブルクランプ2を介して、クランプブラケット1に固定される。
【0028】
そして、ベースカバー4の雌ねじ孔41a及びベースブラケット5の雌ねじ孔51aと、クランプブラケット1のねじ挿通孔1bとが連通するようにクランプブラケット1を配置する。そして、クランプブラケット1のねじ挿通孔1bにねじNを挿通するとともに、ベースカバー4の雌ねじ孔41a及びベースブラケット5の雌ねじ孔51aにねじNを螺入して、ねじNを締めこむ。これによって、クランプブラケット1がベースブラケット5に固定される。
【0029】
以上説明した第一の実施形態に係るケーブル固定構造Aによれば、ケーブル3が信号系ケーブル群31と、電源系ケーブル群32とに分けられ、それぞれ別々のケーブルクランプ2に挿通保持されて、互いに離間して配置されることによって、信号系ケーブル群31と電源系ケーブル群32との電磁干渉を抑制し、自動機の作動信頼性を向上させることができる。
また、信号系ケーブル群31と電源系ケーブル群32とに分けて、それぞれ一括して保持することによって、信号系ケーブル群31と電源系ケーブル群32とに大別してから組み付けることができるため、従来構造に比べると、ケーブルが集中する箇所における配線レイアウトが容易に決まる。したがって、作業者が試行錯誤する手間を省くことができ、組み立て時や保守時における作業性がよく、また、配線レイアウトのばらつきを抑制することができる。
【0030】
また、信号系ケーブル群31及び電源系ケーブル群32が、軸方向への動きが許容された状態でケーブル挿通孔21e内に挿通されるとともに、ケーブル挿通孔21eのクランプブラケット1に平行な辺が、法線方向の辺より長いため、圧縮によって、信号系ケーブル群31及び電源系ケーブル群32が曲げられたときの長尺方向の弾性変形量を、短尺方向の弾性変形量より小さくすることができる。したがって、信号系ケーブル群31と電源系ケーブル群32とが、接触することなく一定の間隔を空けた状態で保持される。
さらに、信号系ケーブル群31及び電源系ケーブル群32が、それぞれクランプブラケット1に対する軸方向及び径方向への動きが規制された状態で、ケーブルクランプ2のケーブル挿通孔21e内に挿通されることによって、信号系ケーブル群31と電源系ケーブル群32とが、接触することなく一定の間隔を空けた状態で、クランプブラケット1に確実に保持(固定)される。
【0031】
(第二の実施形態)
次に、本発明の第二の実施形態について、図3を参照して説明する。説明においては、第一の実施形態と相違する点について詳しく説明し、第一の実施形態と同一の要素については、第一の実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。なお、第二の実施形態は、補強ブラケット6を省略して、クランプブラケット1がフランジ部11,11と突出部12とから構成されている点が、前記した第一の実施形態と異なっている。
【0032】
クランプブラケット1は、図3に示すように、一枚の板をプレス成形して形成されており、断面視ハット状を呈する。クランプブラケット1は、長手方向両端の全長に亘って形成された一対のフランジ部11,11と、一対のフランジ部11,11の内縁部からベースカバー4側に突き出した突出部12と、から構成されている。
【0033】
フランジ部11,11には、複数のねじ挿通孔1b,1b・・・がそれぞれ貫通形成されている。このねじ挿通孔1bには、クランプブラケット1をベースカバー4及びベースブラケット5に締着するためのねじNが挿通される。突出部12には、ケーブル3の軸方向両端側に、ケーブルクランプ2を取り付けるための複数の取付孔1a,1a・・・が貫通形成されている。また、突出部12の先端には、カバー部42と平行になるとともに、ケーブルクランプ2が取り付けられる平面部12aが形成されている。平面部12aは、水平面に形成されている。ケーブル3は、突出部12が形成されることによって、カバー部42に近接している。
【0034】
以上説明した第二の実施形態に係るケーブル固定構造Aによれば、ベースカバー4側に突き出した突出部12をクランプブラケット1に形成することによって、ケーブル3がベースカバー4のカバー部42に近接し、このカバー部42で、ケーブル3がベースカバー4側に膨らむ(撓む)ことを防止することが可能となり、補強ブラケット6を設ける必要がないため、第一の実施形態に比べ、部品点数を削減することができる。
【0035】
(第三の実施形態)
次に、本発明の第三の実施形態について、図4及び図5を参照して説明する。説明においては、第一の実施形態及び第二の実施形態と相違する点について詳しく説明し、第一の実施形態及び第二の実施形態と同一の要素については、第一の実施形態及び第二の実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。なお、第三の実施形態は、クランプブラケット1のねじ挿通孔1b、ベースカバー4及びベースブラケット5を省略し、結束バンド7でケーブル3を結束した点が、前記した第一の実施形態及び第二の実施形態と異なっている。
【0036】
結束バンド7は、例えば、合成樹脂などで形成されている。結束バンド7は、図4に示すように、信号系ケーブル群31及び電源系ケーブル群32を、それぞれ2箇所で結束している。すなわち、結束バンド7は、ケーブルクランプ2よりケーブル3の軸方向外側(突出部12の端縁側)に位置し、信号系ケーブル群31及び電源系ケーブル群32をそれぞれ一体的に束ねている。
【0037】
以上説明した第三の実施形態に係るケーブル固定構造Aによれば、結束バンド7を使用することによって、信号系ケーブル群31及び電源系ケーブル群32をそれぞれより一層強固に束ねることができる。
【0038】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して実施できるのはいうまでもない。本実施形態のケーブル固定構造Aを、自動機の筐体に適用したが、これに限定されることなく、系統が異なる複数のケーブルが配設される他の装置に適用してもよい。
【符号の説明】
【0039】
1 クランプブラケット(支持部材)
12 突出部
2 ケーブルクランプ
2A 第一のケーブルクランプ
2B 第二のケーブルクランプ
21e ケーブル挿通孔
3 ケーブル
31 信号系ケーブル群
32 電源系ケーブル群
4 ベースカバー
42 カバー部
5 ベースブラケット
6 補強ブラケット
7 結束バンド
A ケーブル固定構造


【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号系ケーブル群と、電源系ケーブル群とから構成されるケーブルを固定するためのケーブル固定構造であって、
支持部材と、
前記支持部材に取り付けられ、前記信号系ケーブル群が挿通保持されるケーブル挿通孔が形成された第一のケーブルクランプと、
前記支持部材に取り付けられ、前記電源系ケーブル群が挿通保持されるケーブル挿通孔が形成され、前記第一のケーブルクランプに対して前記ケーブルの軸方向に交差する方向に離間配置された第二のケーブルクランプと、を備えたことを特徴とするケーブル固定構造。
【請求項2】
前記ケーブル挿通孔は、断面視長方形状に形成されるとともに、前記ケーブル挿通孔の前記支持部材に平行な辺が法線方向の辺より長いことを特徴とする請求項1に記載のケーブル固定構造。
【請求項3】
前記信号系ケーブル群及び前記電源系ケーブル群をそれぞれ結束する結束バンドをさらに備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のケーブル固定構造。
【請求項4】
前記第一のケーブルクランプ及び前記第二のケーブルクランプを挟んで前記支持部材と反対側に配置されるカバー部が形成されたベースカバーをさらに備え、
前記支持部材は、前記ベースカバー側に突き出した突出部を有し、
前記第一のケーブルクランプ及び前記第二のケーブルクランプは、前記突出部に取り付けられており、
前記信号系ケーブル群及び前記電源系ケーブル群は、前記ベースカバーに近接していることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のケーブル固定構造。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のケーブル固定構造を備えた現金自動預払機。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−54816(P2011−54816A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−203339(P2009−203339)
【出願日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【出願人】(591089556)株式会社 沖情報システムズ (276)
【Fターム(参考)】