説明

ケーブル挿通部のシール構造

【課題】 部品点数の増加を招くことなく、電装ケーブルに対して車体側ケーブル挿通孔とボックス側ケーブル挿通孔の各周縁部を容易にかつ確実に密閉できるケーブル挿通部のシール構造を提供する。
【解決手段】 電装ボックス16を車体フロア19の上方側に隙間をもって配置し、車体フロア19と電装ボックス16を貫通したケーブル17,18の端部を同ボックス16内の機器に接続する。車体フロア19に取り付けるグロメット26には、電装ケーブル17,18を貫通状態で保持するケーブル保持部29と、車体側ケーブル挿通孔22の周縁部に密接する環状の第1シール部33を形成する。グロメット26の第1シール部33の径方向内側位置には、ケーブル保持部29を囲繞するように環状に隆起する第2シール部34を形成する。第2シール部34は、車体側ケーブル挿通孔22を貫通してボックス側ケーブル挿通孔23の下面側周縁部に弾性をもって密接する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電力ケーブル等のケーブルが車体フロアの下面側から挿通される車両におけるケーブル挿通部のシール構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気自動車や所謂ハイブリッド車両等においては、バッテリーやモータ駆動用のインバータ、電圧変換用のコンバータ等の発熱を伴う多く電装機器を搭載している。この種の車両の多くは、上記の電装機器が電装ボックス内に配置され、電装ボックス内で放熱された電装機器の熱をファンによって車外に排出するようになっている。
また、前記電装ボックスがリヤシートの後部等に配置される場合には、電装ボックス内の電装機器とエンジンルーム内のモータ等を接続するために、これらを接続する電装ケーブルが車体フロアの下面側に敷設されることがある。
【0003】
この場合、電装ケーブルの車体後方側の端部は車体フロアと電装ボックスを貫通して電装部品に接続されるが、図9に示すように、車体フロア101と電装ボックス102の各ケーブル挿通孔103,104は夫々別々のグロメット105,106によって電装ケーブル107との間を密閉されている。つまり、車体側ケーブル挿通孔103は、車体下面側からの泥水や埃が浸入しないように第1のグロメット105によって電装ケーブル107との間を密閉され、ボックス側ケーブル挿通孔104は、ファンによる吸い込み圧が電装ボックス102内の通路108から逃げないように第2のグロメット106によって電装ケーブル107との間を密閉されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−156150号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、この従来のケーブル挿通部のシール構造は、車体側ケーブル挿通孔103と電装ケーブル107の間と、さらにボックス側ケーブル挿通孔104と電装ケーブル107の間を夫々別々のグロメット105,106によって密閉するようにしているため、部品点数の増加によって製造コストの高騰を招くうえ、各ケーブル挿通孔103,104に対するグロメット105,106の組み付けや、グロメット105,106に対する電装ケーブル107の嵌入作業が煩雑になるという問題がある。
【0005】
そこでこの発明は、部品点数の増加を招くことなく、電装ケーブルに対して車体側ケーブル挿通孔とボックス側ケーブル挿通孔の各周縁部を容易にかつ確実に密閉できるようにして、組付けの容易化とコストの低減を図ることのできるケーブル挿通部のシール構造を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、電装機器(例えば、後述の実施形態におけるモータ用インバータ8、コンプレッサ用インバータ10、バッテリ50)を収容する電装ボックス(例えば、後述の実施形態における電装ボックス50)が車体フロア(例えば、後述の実施形態における車体フロア19)の上方側に隙間をもって配置され、前記車体フロアと電装ボックスに車体側ケーブル挿通孔(例えば、後述の実施形態における車体側ケーブル挿通孔22)とボックス側ケーブル挿通孔(例えば、後述の実施形態におけるボックス側ケーブル挿通孔23)が夫々形成されるとともに、車体フロアの下面側に敷設された電装ケーブル(例えば、後述の実施形態におけるモータ用電力ケーブル17、コンプレッサ用電力ケーブル18)の端部が、前記車体側ケーブル挿通孔とボックス側ケーブル挿通孔に挿入されて電装ボックス内に配線される車両にあって、前記電装ケーブルと各ケーブル挿通孔の間がグロメット(例えば、後述の実施形態におけるグロメット26)によって密閉されるケーブル挿通部のシール構造において、車体フロアに取り付けられるグロメットに、電装ケーブルを貫通状態で保持するケーブル保持部(例えば、後述の実施形態におけるケーブル保持部29)と、前記車体側ケーブル挿通孔の周縁部に密接する環状の第1シール部(例えば、後述の実施形態における第1シール部33)と、前記ケーブル保持部を囲繞するように前記第1シール部の径方向内側位置から環状に隆起し、車体側ケーブル挿通孔を貫通して前記電装ボックスの車体フロア側面のボックス側ケーブル挿通孔の周縁部に弾性をもって密接する第2シール部(例えば、後述の実施形態における第2シール部34)と、を設けるようにした。
【0007】
これにより、グロメットは、ケーブル保持部で電装ケーブルを保持し、第1シール部を車体側ケーブル挿通孔の周縁部に密接させた状態において車体フロアに取り付けられる。このとき、車体側ケーブル挿通孔を貫通した環状の第2シール部はボックス側ケーブル挿通孔の周縁部に車体フロア側から密接する。第2シール部は車体フロア側から弾性をもって密接するため、ボックス側ケーブル挿通孔に対するグロメットの組み付けが不要になるとともに、車体フロアに対する電装ボックスの位置的な誤差等も第2シール部の弾性によって吸収することが可能になる。したがって、電装ケーブルは、車体側ケーブル挿通孔とボックス側ケーブル挿通孔の各周縁部に対して、単一のグロメットによって密閉状態が維持される。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記ケーブル保持部に、複数の電装ケーブルを夫々嵌入する複数の貫通孔(例えば、後述の実施形態における貫通孔30a〜30c,31a〜31c)を設け、この各貫通孔の内周面に、電装ケーブルを保持する保持リップ(例えば、後述の実施形態における保持リップ35a〜35c,36a〜36c)を形成するとともに、隣接する貫通孔同士の前記保持リップの形成位置を軸方向にオフセットさせるようにした。
【0009】
この場合、複数の電装ケーブルがケーブル保持部の各貫通孔に保持リップを介して支持されるが、隣接する貫通孔同士の保持リップの形成位置が軸方向にオフセットされているため、保持リップの内側に電装ケーブルが嵌入された際に生じる貫通孔周壁の径方向外側への膨らみが隣接位置で起こらなくなり、その結果、電装ケーブルを保持した状態におけるケーブル保持部の径方向外側の膨らみを抑制することが可能になる。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、ケーブル保持部に電装ケーブルを保持させたグロメットを、第1シール部で車体側ケーブル挿通孔を密閉するように車体フロアに取り付け、その状態で車体側ケーブル挿通孔を貫通した環状の第2シール部がボックス側ケーブル挿通孔の周縁部に車体フロア側から密接するようにしたため、単一のグロメットによって電装ケーブルを車体側ケーブル挿通孔とボックス側ケーブル挿通孔の各周縁部に対して容易にかつ確実に密閉状態に維持することができる。したがって、この発明によれば、組付けの容易化とコストの低減を図ることができる。
【0011】
また、請求項2に記載の発明によれば、ケーブル保持部の各貫通孔に形成する保持リップを、隣接する貫通孔のもの同士で軸方向にオフセットするように設定したため、電装ケーブルを保持した状態おけるケーブル保持部の径方向外側への膨らみを抑え、ケーブル保持部の小径化、延いては車体側ケーブル挿通孔やボックス側ケーブル挿通孔の小径化をも図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、この発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。なお、以下の説明における前後左右等の向きは、特に記載が無ければ車両における向きと同一とする。また、図中矢印FRは車両前方を示し、矢印LHは車両左方を夫々指向している。
【0013】
図1,図2において、符号1は、所謂パラレル型のハイブリッド車両を示す。このハイブリッド車両の車体前部のエンジンルーム2には、エンジン3、モータジェネレータ4(モータ)、及びオートマチックトランスミッション5が直列に設けられ、これらによってパワーユニット6が構成されている。モータジェネレータ4は三相のDCブラシレスモータによって構成されている。このモータジェネレータ4とエンジン3の動力はオートマチックトランスミッション5を介して駆動輪である前輪7に伝達される。
【0014】
また、このハイブリッド車両は、減速時等に前輪7からモータジェネレータ4に駆動力が伝達されると、モータジェネレータ4が発電機として機能してエネルギーを所謂回生制動力として回収する。回収された電気エネルギーは、モータ用インバータ8(電装機器)を介してバッテリ50に充電される。
【0015】
また、パワーユニット6には、エアコン(空調装置)用コンプレッサ9が設けられている。このコンプレッサ9は図示しないモータによって駆動される。このモータは三相モータであり、駆動時にコンプレッサ用インバータ10(電装機器)から電力を供給される。
【0016】
エンジンルーム2の後方には、フロントシート11とリヤシート12が配置された車室13が設けられ、車室後方側のトランクルーム14とリヤシート12のシートバックの間の空間部には箱型の電装ボックス16が配置されている。電装ボックス16は、略直方体状に形成され、その内部にバッテリ50が収容されるとともに、モータ用インバータ8とコンプレッサ用インバータ10とその他の電装機器を集合配置した電装ユニット15が収容されている。なお、モータ用インバータ8とコンプレッサ用インバータ10は、バッテリ50から直流電流を得るとともに、直流電流を三相交流電流に変換し、その電流をモータジェネレータ4やエアコン用コンプレッサ9に供給してこれらを駆動する。また、電装ボックス16は、リヤシート12の背部の車体フレーム(図示せず)に取り付けられ、車体フロア19との間には隙間が設けられている。
【0017】
また、図2に示すようにモータジェネレータ4とモータ用インバータ8は三相のモータ用電力ケーブル(電装ケーブル)17U,17V,17Wによって接続され、同様に、エアコン用コンプレッサ9とコンプレッサ用インバータ10は三相のコンプレッサ用電力ケーブル(電装ケーブル)18U,18V,18Wによって接続されている。以下、特に相を区別して説明する必要のない場合には、モータ用電力ケーブルは符号17で記し、コンプレッサ用電力ケーブルは符号18で記す。
【0018】
各電力ケーブル17,18は、図1に示すようにエンジンルーム2から車体フロア19の下面を通って敷設され、リヤシート12の裏面側位置にて車体フロア19と電装ボックス16を貫通し、電装ボックス16内においてモータ用インバータ8とコンプレッサ用インバータ10に夫々接続されている。なお、車体フロア19の下面側に配置される電力ケーブル17,18の中間領域は一体にまとめられ、金属製の保護チューブ21によって覆われている。車体フロア19と電装ボックス16には、図4に示すように、電力ケーブル17,18の端部が挿入される車体側ケーブル挿通孔22とボックス側ケーブル挿通孔23が夫々形成されている。ボックス側ケーブル挿通孔23は、車体側ケーブル挿通孔22よりも小径に形成され、かつ、電装ボックス16を車体に取り付けた状態において車体側ケーブル挿通孔22の直上部に位置されている。また、電力ケーブル17,18を囲繞する保護チューブ21の端部には、フランジ状の取付ブラケット24の軸部25が嵌合固定され、そのブラケット24の軸部25から電力ケーブル17,18の各端部が突出している。そして、取付ブラケット24の上面側には、ゴム材料等の弾性部材から成るグロメット26が保持されている。
【0019】
グロメット26は、図4〜図8に示すように取付ブラケット24の窪み部27内に嵌合状態で配置されるベース部28が略楕円の円板状に形成され、このベース部28の略中心位置に、電力ケーブル17,18を貫通状態で保持するケーブル保持部29が設けられている。このケーブル保持部29は、ベース部28の上面に対して設定高さ隆起するようにして形成され、各電力ケーブル17,18を嵌入するための複数の貫通孔30a〜30c,31a〜31cが相互に密集するようにして形成されている。このケーブル保持部29については後に詳述する。
【0020】
ブラケット24は、図4に示すように、車体フロア19との間にグロメット26を挟み込んだ状態において車体フロア19の下面側にボルト・ナット32によって結合されるが、グロメット26のベース部28の上面側外周縁には二条の環状突起から成る第1シール部33が形成され、この第1シール部33によって車体側ケーブル挿通孔22の周縁部を密閉するようになっている。また、ベース部28の上面の第1シール部33よりも径方向内側位置にはケーブル保持部29を囲繞するように蛇腹状の第2シール部34が一体に形成されている。この第2シール部34は、グロメット26が車体フロア19に取り付けられた状態において車体側ケーブル挿通孔22を通して上方に突出し、図3,図4に示すように電装ボックス16の下面(車体フロア19側面)のボックス側ケーブル挿通孔22の周縁部に弾性をもって密接する。第2シール部34は蛇腹状に形成され、電装ボックス16の下面に弾接して柔軟に追従するため、車体フロア19と電装ボックス16の間に高さ方向の誤差や、ボックス側ケーブル挿通孔23の位置のずれがあってもこれらを確実に吸収することができる。
【0021】
ここで、モータ用電力ケーブル17は、高電圧が印加されることからその線径が大きく、比較的印加電圧の低いコンプレッサ用電力ケーブル18に対して大径とされている。グロメット26のケーブル保持部29には、図6に示すようにモータ用とコンプレッサ用の各3つの貫通孔30a〜30c,31a〜31cが形成されているが、これらは電力ケーブル17,18の各外径に対応する内径に形成されている。そして、モータ用の大径の貫通孔30a,30b,30cは夫々が正三角形の頂部をなすようにケーブル保持部29の軸心回りに密集して配置され、コンプレッサ用の小径の貫通孔31a,31b,31cは、ケーブル保持部29のうちの、貫通孔30b,30c間、30a,30c間、30a,30b間の各外側の隙間に、これらが三角形状の頂部をなすように配置されている。したがって、径の異なる二種の貫通孔30a〜30c,31a〜31cはこのようにしてケーブル保持部29の軸心近くに密集して配置されている。なお、大径の3つの貫通孔35a〜35cは軸心側で密集して配置されているために総てが相互に隣接している。
【0022】
そして、前記各貫通孔30a〜30c,31a〜31cの内周面には、図4と図7,図8に示すように対応する電力ケーブル17,18を密閉状態で嵌合保持するための環状の保持リップ35a〜35c,36a〜36cが夫々形成されている。大径の貫通孔30a〜30c内に形成される保持リップ35a〜35cは軸方向に相互にオフセットして配置され、同様に小径の貫通孔31a〜31c内に形成される保持リップ36a〜36cも軸方向に相互にオフセットして配置されている。この実施形態の場合、図8(E)に示すように貫通孔30a,31a内の保持リップ35a,36aは中間高さ(ケーブル保持部29の軸方向略中間位置)に配置されており、これに対し、貫通孔30b,31b内の保持リップ35b,36bは、図8(F)に示すように上方位置に配置され、貫通孔30c,31c内の保持リップ35c,36cは、図8(D)に示すように下方位置に配置されている。したがって、このケーブル保持部29の場合、隣接する貫通孔(35a〜35c,36a〜36c)内の保持リップ(35a〜35c)は総て軸方向にオフセットしている。
【0023】
以上のようにこのシール構造においては、電力ケーブル17,18を保持した単一のグロメット26をブラケット24を介して車体フロア19に取り付けるだけで、電力ケーブル17,18を車体側ケーブル挿通孔22とボックス側ケーブル挿通孔23に対して容易にかつ確実に密閉状態にすることができる。即ち、電力ケーブル17,18を保持したグロメット26がブラケット24とともに車体フロア19に取り付けられると、グロメット26の第1シール部33によって車体側ケーブル挿通孔22の周縁部が密閉されるとともに、ベース部28から上方に環状に立ち上がった第2シール部34が電装ボックス16の下面のボックス側ケーブル挿通孔23の周縁部に密接し、それによってボックス側ケーブル挿通孔23の周縁部が密閉される。
なお、グロメット26の第2シール部34は、電装ボックス16に対して弾性をもって下面側から当接するだけであるが、この部分のシールは、電装ボックス16内の冷却ファンによる吸気圧を逃がさないようにするものであって電装ボックス16内から正圧が作用するものではないため、冷却ファンの作動中には、第2シール部34によって確実に密閉状態を維持することができる。
【0024】
したがって,このシール構造を採用した場合、単一のグロメット26で両挿通孔22,23を密閉できることから、部品点数の削減によるコストの低減と、組み付けの容易化を図ることができる。
【0025】
また、この実施形態の場合、電装ボックス16に対して下面側から密接する第2シール部34は、軸方向と径方向の比較的大きな弾性変形を許容し得る蛇腹構造となっているため、車体フロア19と電装ボックス16の間に若干の位置ずれがあっても蛇腹構造がその位置ずれを柔軟に吸収し、ボックス側ケーブル挿通孔23の周縁部を確実に密閉状態に維持することができる。
【0026】
また、電力ケーブル17,18を貫通状態で保持するグロメット26のケーブル保持部29は、隣接する貫通孔(30a〜30c,31a〜31c)内の保持リップ(35a〜35c,36a〜36c)が相互に軸方向にオフセットして形成されているため、電力ケーブル17,18が貫通孔35a〜35c,36a〜36cに嵌合された際に生じる貫通孔周壁の径方向外側への膨らみが隣接位置で生じなくなる。このため、保持リップ35a〜35c,36a〜36cによる径方向の膨らみはケーブル保持部29の内部の弾性によって吸収され、ケーブル保持部29の軸方向の一部が径方向外側に大きく膨出変形する不具合は生じない。したがって、ケーブル保持部29の小径化と、それによるボックス側ケーブル挿通孔23や車体側ケーブル挿通孔22の小径化を図ることができる。
【0027】
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば、上記の実施形態では、車体フロアと電装ボックスを貫通する電装ケーブルがモータ用とコンプレッサ用の電力ケーブルである場合について説明したが、この電装ケーブルはモータ用とコンプレッサ用の電力ケーブルに限らず、他の機器の電力ケーブルや制御用の信号ケーブル等であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】この発明の一実施形態を示すものであり、車両を側面側から見た構成説明図。
【図2】同実施形態を示すものであり、車両を上面側から見た構成説明図。
【図3】同実施形態を示すものであり、図1のA部に相当するケーブル挿通部を電装ボックスの内側から見た斜視図。
【図4】同実施形態を示す図3のB−B断面に対応する断面図。
【図5】同実施形態を示すものであり、図3の電装ボックスを一部破断したケーブル挿通部の斜視図。
【図6】同実施形態を示すものであり、ブラケットにグロメットを取り付けた状態の平面図。
【図7】同実施形態を示す図6のC−C断面に対応する断面図。
【図8】同実施形態を示すものであり、図6のD−D断面、E−E断面、F−F断面に夫々対応する断面図(D)〜(F)を併せて記載した図。
【図9】従来の技術を示すケーブル挿通部の断面図。
【符号の説明】
【0029】
8…モータ用インバータ(電装機器)
10…コンプレッサ用電インバー(電装機器)
16…電装ボックス
17…モータ用電力ケーブル(電装ケーブル)
18…コンプレッサ用電力ケーブル(電装ケーブル)
19…車体フロア
22…車体側ケーブル挿通孔
23…ボックス側ケーブル挿通孔
26…グロメット
29…ケーブル保持部
30a〜30c,31a〜31c…貫通孔
33…第1シール部
34…第2シール部
35a〜35c,36a〜36c…保持リップ
50…バッテリ(電装機器)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
電装機器を収容する電装ボックスが車体フロアの上方側に隙間をもって配置され、前記車体フロアと電装ボックスに車体側ケーブル挿通孔とボックス側ケーブル挿通孔が夫々形成されるとともに、車体フロアの下面側に敷設された電装ケーブルの端部が、前記車体側ケーブル挿通孔とボックス側ケーブル挿通孔に挿入されて電装ボックス内に配線接続される車両にあって、
前記電装ケーブルと各ケーブル挿通孔の間がグロメットによって密閉されるケーブル挿通部のシール構造において、
車体フロアに取り付けられるグロメットに、
電装ケーブルを貫通状態で保持するケーブル保持部と、
前記車体側ケーブル挿通孔の周縁部に密接する環状の第1シール部と、
前記ケーブル保持部を囲繞するように前記第1シール部の径方向内側位置から環状に隆起し、車体側ケーブル挿通孔を貫通して前記電装ボックスの車体フロア側面のボックス側ケーブル挿通孔の周縁部に弾性をもって密接する第2シール部と、
を設けたことを特徴とするケーブル挿通部のシール構造。
【請求項2】
前記ケーブル保持部に、複数の電装ケーブルを夫々嵌入する複数の貫通孔を設け、この各貫通孔の内周面に、電装ケーブルを保持する保持リップを形成するとともに、隣接する貫通孔同士の前記保持リップの形成位置を軸方向にオフセットさせたことを特徴とする請求項1に記載のケーブル挿通部のシール構造。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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