説明

ケーブル相互接続システム用のシールド型カセット

【課題】高密度に配列されたシールド型コネクタを有するカセットの提供。
【解決手段】カセット(420)は、シェル(428)の前部及び後部間を延びる複数のシールドされた通路を有するシェルを具備する。シールドされた通路には通信モジュール(444)が挿入される。通信モジュールは、対応する第1プラグと嵌合するよう構成された前側嵌合インタフェースと、対応する第2プラグと嵌合するよう構成された後側嵌合インタフェースとを有する。通信モジュールは、互いから個別にシールドされるように、対応するシールドされた通路に挿入される。任意であるが、シェルは、前部及び後部間を延びてシールドされた通路を区画する内部壁を有してもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブル相互接続システムに関し、特にシールド型プラグ収容室を有するカセットに関する。
【背景技術】
【0002】
公知のコネクタ組立体は、共通のハウジングに複数のリセプタクルコネクタを有して存在し、このようなリセプタクルコネクタをコンパクトに配置する。このようなコネクタ組立体は、複数の接続ポートを提供するのに役立つ。従って、このようなコネクタ組立体はマルチプルポートコネクタ組立体と称される。このようなコネクタ組立体用の一用途は、デスクトップ又は他の機器が最新式配線を経由してサーバ又は他のネットワーク部品に相互接続されたコンピュータネットワークの分野である。このようなネットワークは、同軸ケーブル、光ファイバケーブル及び電話線を含む多様なデータ伝送媒体を有する。このようなネットワークは、極めて多数の分配された接続部を提供するために要求事項があるけれども、最適の場合、接続部を収容する空間が殆どないことが要求される。
【0003】
一つのタイプのコネクタ組立体は、いわゆる「スタックされた(積み重ねられた)ジャック」タイプのコネクタ組立体である。スタックされたジャックタイプのコネクタ組立体の一例は、特許文献1に開示されている。この特許は、2列のリセプタクル、すなわちプラグ収容室を有する絶縁ハウジングを開示する。リセプタクルは、共通ハウジング内で上下列に横並びで配列され、ハウジング長さを長くすることなく、リセプタクルの数を倍増する利点がある。絶縁ハウジングは、ユニットを取り囲む外部シールドを有する。スタックされたジャックは、ネットワーク内で複数のリセプタクルをコンパクトな配置で結合する利点を有する。しかし、代表的なスタックされたジャックは、互いに隣接するコネクタ組立体等のシステム内で他の部品からコネクタ組立体を電気的に分離するために外部をシールドするだけである。リセプタクルの各々の間には、シールドは設けられていない。コネクタ組立体がより高い性能の方向へ推進されるにつれて、公知のコネクタ組立体に設けられたシールドは効果がないことが証明されつつある。
【0004】
別のタイプのコネクタ組立体は、インタフェースコネクタを形成するためにハウジング内に実装された複数の個別モジュラジャックを有する。各モジュラジャックは、プラグ収容室を区画するジャックハウジングと、プラグ収容室内の複数のコンタクトとを有する。多数のモジュラジャックを含むインタフェースコネクタは、対応するネットワーク部品に実装することができる。この種の公知のコネクタ組立体のうち少なくともいくつかは、シールド型モジュラジャックを利用する。ここで、各モジュラジャックは、別々にシールドされると共にハウジング内に取り付けられている。インタフェースコネクタはネットワーク部品内で単一の配置で複数のモジュラジャックを結合させる利点を有するのに対し、組み合わされた個別のモジュラジャックは密度が制限されるという問題を有する。密度の問題は、嵩張るおそれがある分離したジャックハウジングを有する各モジュラジャックから生ずる。密度の問題は、シールド型モジュラジャックが非シールド型モジュラジャックよりも一層大きくなるにつれ、シールド型モジュラジャックが使用される際に強調される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6655988号明細書
【特許文献2】米国特許第6364707号明細書
【特許文献3】米国特許第6608764号明細書
【特許文献4】米国特許第6988914号明細書
【特許文献5】米国特許第7300307号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2006/246784号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
公知のコネクタ組立体に伴う少なくとも一つの問題は、現在のネットワークがより高密度の接続部を要することである。さらに、性能の要求事項を満たすために、互いに隣接するプラグ収容室間に、近接配置されたシールドを要する。シールド型コネクタ組立体の中には、所定長さ当たりの密度を減少し、嵩張るものとして知られたものがある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
課題を解決するために手段は、シェルの前部及び後部間を延びる複数のシールドされた通路を有するシェルを具備するカセットにより提供される。これらシールドされた通路には通信モジュールが挿入される。通信モジュールは、対応する第1プラグと嵌合するよう構成された前側嵌合インタフェースと、対応する第2プラグと嵌合するよう構成された後側嵌合インタフェースとを有する。通信モジュールは、それら通信モジュールが互いから個別にシールドされるように、対応するシールドされた通路に挿入される。任意であるが、シェルは、前部及び後部間を延びてシールドされた通路を区画する内部壁を有してもよい。
【0008】
別の一実施形態において、カセットは、前部及び後部を有するシェルを具備する。シェルは、接地されたパネルの開口内に受容されるよう構成されている。シェルは、前部及び後部間に延びる複数のシールドされた通路を有する。シールドされた通路は、シェルの内部壁により隣接するシールドされた通路から分離されている。通信モジュールは、シールドされた通路内に挿入される。通信モジュールは、前側嵌合インタフェース及び後側嵌合インタフェースを有すると共に、通信モジュールが内部壁により互いに個別にシールドされるように、対応するシールドされた通路に挿入される。接合バーがシェルに結合されている。接合バーは、接地されたパネル及びシェル間に接地経路を形成するために接地されたパネルに電気的に接続されるよう構成されている。
【0009】
さらに別の一実施形態において、ケーブル相互接続システムはパッチパネルを有し、パッチパネルは、第1カセット又は第2カセットを内部に選択的に受容する開口を有する。第1カセットはシェルを有し、シェルは、その前部及び後部の間に延びる複数のシールドされた通路と、シールドされた通路に挿入される通信モジュールとを有する。通信モジュールは、前側嵌合インタフェース及び後側嵌合インタフェースを有すると共に、通信モジュールが互いに個別にシールドされるように、対応するシールドされた通路に挿入される。第2カセットはシェルを有し、シェルは、その前部及び後部の間に延びる複数のシールドされた通路と、シールドされた通路に挿入される通信モジュールとを有する。通信モジュールは、前側嵌合インタフェース及び後側嵌合インタフェースを有し、第2カセットの通信モジュールの前側嵌合インタフェース及び後側嵌合インタフェースのうち少なくとも一方は、第1カセットの通信モジュールの前側嵌合インタフェース及び後側嵌合インタフェースとは異なる。第2カセットの通信モジュールは、通信モジュールが互いに個別にシールドされるように、対応するシールドされた通路に挿入される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】パネルに実装された複数のカセットを組み込むケーブル相互接続システムの一部を前方から見た斜視図である。
【図2】図1に示されたパネル及びカセットの分解斜視図である。
【図3】カセットがパネルに実装された状態のケーブル相互接続システム用の別のパネルを前方から見た斜視図である。
【図4】図1に示されたカセットを後方から見た斜視図である。
【図5】図4に示されたカセットを後方から見た分解斜視図である。
【図6】図4に示されたカセットのコンタクト副組立体を示す斜視図である。
【図7】図4に示されたハウジングを前方から見た斜視図である。
【図8】図7に示されたハウジングを後方から見た斜視図である。
【図9】図4に示された、組立中のカセットを後方から見た斜視図である。
【図10】図4に示されたカセットを部分側断面した斜視図である。
【図11】図4に示されたカセットの側断面図である。
【図12】カセットと、カセット用の接合バーとを示す分解斜視図である。
【図13】カセットに接合バーが実装された状態のカセットを下方から見た分解斜視図である。
【図14】カセット及び接合バーの一部を示す拡大斜視図である。
【図15】シールド部材とシールド部材に電気接続された接合バーとを有する、カセット用の別のハウジングを示す図である。
【図16】図1に示されたケーブル相互接続システム用の別のカセットを示す分解斜視図である。
【図17】図16に示されたカセットのシェルの断面図である。
【図18】図16に示されたカセットのシェルの断面図である。
【図19】図1に示されたケーブル相互接続システム用の別のカセットを後方から見た斜視図である。
【図20】図19に示されたカセット用の通信モジュールを示す斜視図である。
【図21】別のカセット用の別の通信モジュールを示す斜視図である。
【図22】図1に示されたケーブル相互接続システム用のさらに別のカセットを示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して本発明を例示により説明する。
【0012】
図1は、パネル12、パネル12に実装された複数のカセット20、及びモジュラプラグ14を示すケーブル相互接続システム10の一部を前方から見た斜視図である。カセット20は、モジュラプラグ14を受容するためのリセプタクル16の配列を有する。
【0013】
ケーブル相互接続システム10は、種々の機器、部品、装置(device)を互いに相互接続するために利用される。図1は、ケーブル62を介してカセット20に接続された第1装置60を概略的に示す。モジュラプラグ14は、ケーブル62の端部に取り付けられている。また、図1は、ケーブル66を介してカセット20に接続された第2装置64を示す。カセット20は、第1装置60及び第2装置64を相互接続する。典型的な一実施形態において、第1装置60は、カセット20から離れて配置されたコンピュータであってもよい。第2装置64はネットワークスイッチであってもよい。第2装置64は、同一の機器室等においてカセット20近傍に配置されてもよく、或いは、カセット20から離れて配置されてもよい。ケーブル相互接続システム10は、パネル12及びカセット20を支持するために、図1に部分的に示される支持構造物68を有してもよい。例えば、支持構造物68は、ネットワークシステムの機器ラックであってもよい。パネル12は、機器ラックに実装されたパッチパネルであってもよい。別の実施形態において、パッチパネルではなく、パネル12が、カセット20と、インタフェースモジュール、スタックされたジャック又は他の個別のモジュラジャック等の他のコネクタの組立体との一方又は双方を支持するネットワークシステムと共に使用される別のタイプのネットワーク部品であってもよい。例えば、パネル12は、壁、又は部品の他の構造部材であってもよい。図1に示されたケーブル相互接続システム10は、モジュラジャック、モジュラプラグ又は他のタイプのコネクタを使用する通信ケーブルを相互接続するための典型的なシステムや部品を例示するに過ぎないことに留意されたい。任意であるが、第2装置64は支持構造物68に実装されてもよい。
【0014】
図2は、パネル12及びカセット20の分解斜視図である。カセット20は、パネル12の開口22内に実装される。これらの開口22は周囲壁24により区画されている。典型的な一実施形態において、パネル12は、複数のカセット20を受容するための複数の開口22を有する。パネル12は平坦な前面25を有し、カセット20は前面25に当接して実装されている。パネル12は、支持構造物68(図1参照)に実装するためにパネル12の両側に実装タブ26を有する。例えば、実装タブ26は、標準的な機器ラック又は他のキャビネットシステムに実装するためにパネル12の両側に設けられてもよい。任意であるが、パネル12及び実装タブ26は、1U高さの要求事項に適合する。
【0015】
カセット20は、その外周を画定するシェル28を有する。典型的な一実施形態において、シェル28は、ハウジング30と、ハウジング30に結合可能なカバー32とを有する2体設計である。ハウジング30及びカバー32は、滑らかな外面を画定するために互いに入れ子構造となるよう同様の寸法(例えば、高さ及び幅)を有してもよい。また、ハウジング30及びカバー32は、シェル28のほぼ中央に嵌合するように、同様の長さを有してもよい。或いは、ハウジング30はシェル28のほぼ全てを画定し、カバー32はほぼ平坦であってハウジング30の一端に結合されてもよい。他の実施形態においては、カバー32が無くてもよい。
【0016】
ハウジング30は、前部34及び後部36を有する。カバー32は、前部38及び後部40を有する。ハウジング30の前部34はカセット20の前部を画定し、カバー32の後部40はカセット20の後部を画定する。典型的な一実施形態において、カバー32は、ハウジング30の後部36がカバー32の前部38に当接するように、ハウジング30に結合される。
【0017】
ハウジング30は、モジュラプラグ14(図1参照)を受容するためにハウジング30の前部34で開放する複数のプラグ収容室42を有する。プラグ収容室42はリセプタクル16の一部を画定する。典型的な一実施形態において、プラグ収容室42は、その第1列44及び第2列46にスタックされた構成で配列されている。複数のプラグ収容室42は、第1列44及び第2列46の各々に配列されている。図示の実施形態において、6個のプラグ収容室42が第1列44及び第2列46の各々に配列されているので、各カセット20には合計12個のプラグ収容室42が設けられる。4個のカセット20がパネル12に実装されるので、合計48個のプラグ収容室42が設けられる。このような配列は、1U高さの要求事項に適合するパネル12内で48個のモジュラプラグ14を受容する48個のプラグ収容室42を提供する。カセット20は、1列又は3列以上に配列された11個以下又は13個以上のプラグ収容室42を有してもよいことを明確に理解されたい。また、パネル12に実装するために、3個以下又は5個以上のカセット20を設けてもよいことを明確に理解されたい。
【0018】
カセット20は、パネル12にカセット20を固定するために、カセット20の1個以上の側面にラッチ部材48を有する。ラッチ部材48は、小さなフォームファクタを維持するために、カセット20の側面に密接して保持されてもよい。別の実施形態においては、別の実装手段を利用してもよい。ラッチ部材48は、ハウジング30及びカバー32の一方又は双方から分離して設けられてもよい。或いは、ラッチ部材48は、ハウジング30及びカバー32の一方又は双方と一体に形成されてもよい。
【0019】
組立の間、カセット20は、図2に矢印Aで示される挿入方向のように、パネル12の前部からパネル12の開口22内へ挿入される。カセット20の外周は、カセット20が開口22内にぴったりと嵌まるように、開口22を区画する周囲壁24の寸法及び形状とほぼ同様であってもよい。ラッチ部材48は、パネル12にカセット20を固定するために使用される。典型的な一実施形態において、カセット20は、ハウジング30の前部34に前フランジ50を有する。前フランジ50は、カセット20が開口22内に挿入される際にパネル12の前面25に係合する後係合面52を有する。ラッチ部材48は前方を向くパネル係合面54を有しており、カセット20が開口22内に挿入される際に、パネル係合面54がパネルの後部54と係合する。パネル12は、前フランジ50の後係合面52とラッチ部材48のパネル係合面54との間に捕捉される。
【0020】
図3は、カセット20が実装された状態の、ケーブル相互接続システム10用の別のパネル58を前方から見た斜視図である。パネル58は、カセット20が異なる方向に傾くようにV字構成を有する。別の実施形態では、別のパネル構成も可能である。カセット20は、パネル12(図1参照)にカセット20が実装されるのと同様な方法でパネル58に実装されてもよい。パネル58は、1U高さの要求事項に適合してもよい。
【0021】
図4は、複数の後部嵌合コネクタ70を示す、1個のカセット20を後方から見た斜視図である。後部嵌合コネクタ70は、ケーブル組立体が他の装置又はケーブル相互接続システム10(図1参照)の部品に繋がれる、相手ケーブルコネクタを有するケーブル組立体と嵌合するよう構成されている。例えば、ケーブルコネクタは、パネル12の背後においてネットワークスイッチング又は他のネットワーク部品に繋がれるケーブルの端部に設けられてもよい。任意であるが、後部嵌合コネクタ70の一部は、カバー32の後部40の開口72を貫通してもよい。図示の実施形態において、後部嵌合コネクタ70は基板実装型MRJ−21コネクタに代表される。しかし、MRJ−21型コネクタではなく、他のタイプのコネクタを使用してもよいことを明確に理解されたい。例えば、別の実施形態において、後部嵌合コネクタ70は、別タイプの銅ベースのモジュラコネクタ、光ファイバコネクタ、或いはeSATAコネクタ、HDMIコネクタ、USBコネクタ、FireWireコネクタ等の他のタイプのコネクタであってもよい。
【0022】
以下に詳細に説明するように、後部嵌合コネクタ70は高密度コネクタである。すなわち、各後部嵌合コネクタ70は、複数のモジュラプラグ14(図1参照)と、後部嵌合コネクタ70に嵌合するケーブルコネクタとの間の通信を可能にするために、2個以上のリセプタクル16(図1参照)に電気接続される。後部嵌合コネクタ70は、カセット20の後部に接続するケーブル組立体の数を減らすために、2個以上のリセプタクル16に電気接続される。別の実施形態では、1個又は3個以上の後部嵌合コネクタ70を設けてもよいことを明確に理解されたい。
【0023】
図5は、カバー32がハウジング30から取り外された状態を示す、カセット20を後方から見た分解斜視図である。カセット20は、ハウジング30に挿入されたコンタクト副組立体100により代表される通信モジュールを有する。典型的な一実施形態において、ハウジング30は、その後部36に後部室102を有する。コンタクト副組立体100は、後部室102に少なくとも部分的に受容される。コンタクト副組立体100は、回路基板104と、回路基板104に実装された1個以上の電気コネクタ106とを有する。典型的な一実施形態において、電気コネクタ106はカードエッジコネクタである。電気コネクタ106は、少なくとも1個の開口108と、開口108内の1個以上のコンタクト110とを有する。図示の実施形態において、開口108は細長のスロットであり、このスロット内に複数のコンタクト110が配列されている。コンタクト110は、スロットの片側又は両側に設けられてもよい。コンタクト110は回路基板104に電気接続されてもよい。
【0024】
カセット20はインタフェースコネクタ組立体120を有し、インタフェースコネクタ組立体120は後部嵌合コネクタ70を有する。インタフェースコネクタ組立体120は、電気コネクタ106と嵌合するよう構成されている。典型的な一実施形態において、インタフェースコネクタ組立体120は回路基板122を有する。後部嵌合コネクタ70は、回路基板122の一側面124に実装されている。典型的な一実施形態において、回路基板122は、その一縁128に沿って複数のエッジコンタクト126を有する。エッジコンタクト126は、回路基板122の縁128を電気コネクタ106の開口108内に差し込むことにより、コンタクト副組立体100のコンタクト110と嵌合してもよい。エッジコンタクト126は、回路基板122を介して後部嵌合コネクタ70に電気接続されている。例えば、回路基板122の表面又は内部に、エッジコンタクト126を後部嵌合コネクタ70に相互接続するパターンを設けてもよい。エッジコンタクト126は、回路基板122の1個以上の辺に設けてもよい。エッジコンタクト126は、回路基板122上に形成されたコンタクトパッドであってもよい。或いは、エッジコンタクト126は、回路基板122の表面及び縁128のうち少なくとも一方から延びてもよい。別の実施形態において、インタフェースコネクタ組立体120は、コンタクト副組立体100の電気コネクタ106と嵌合するために、エッジコンタクト126を使用するのではなく、縁128に又は縁128近傍に電気コネクタを有してもよい。
【0025】
図6は、カセット20(図4参照)のコンタクト副組立体100を示す斜視図である。コンタクト副組立体100の回路基板104は、前側140及び後側142を有する。電気コネクタ106は後側142に実装される。回路基板104の前側140からは、複数のコンタクト144が延びる。コンタクト144は、回路基板104に電気接続されると共に回路基板104を介して電気コネクタ106に電気接続される。
【0026】
コンタクト144は、各コンタクト組(contact set)146が異なるリセプタクル16(図1参照)の一部を画定する状態でコンタクト組146に配列されている。例えば、図示の実施形態において、8個のコンタクト144が、コンタクト組146の各々を定めるコンタクト配列として構成されている。コンタクト144は、RJ−45モジュラプラグのプラグコンタクトと嵌合するよう構成されたコンタクト配列を構成してもよい。コンタクト144は、別の実施形態において、異なるタイプのプラグと嵌合するための異なる構成を有してもよい。別の実施形態において、7個以下又は9個以上のコンタクト144を設けてもよい。図示の実施形態において、スタックされた構成の2列の各々に6組のコンタクト組146が配列されているので、コンタクト副組立体100用に合計12組のコンタクト組146が設けられる。任意であるが、コンタクト組146は、各列内で互いにほぼ整列してもよいし、別のコンタクト組146の上又は下に整列してもよい。例えば、上側コンタクト組146は、回路基板104の下面150の比較的近くに配置される下側コンタクト組146と比較して、回路基板104の上面148の比較的近くに配置されてもよい。
【0027】
典型的な一実施形態において、コンタクト副組立体100は、回路基板104の前側140から延びる複数のコンタクト支持部152を有する。コンタクト支持部152は、各コンタクト組146に対して近接して配置される。任意であるが、各コンタクト支持部152は、異なるコンタクト組146のコンタクト144を支持する。図示の実施形態において、2列のコンタクト支持部152が設けられている。間隙154がコンタクト支持部152を分離する。任意であるが、間隙154は、回路基板104の上面148及び下面150間のほぼ中心に位置してもよい。
【0028】
組立の間、コンタクト副組立体100は、コンタクト組146及びコンタクト支持部152が対応するプラグ収容室42(図2参照)内に挿入されるように、ハウジング30(図2参照)内に挿入される。典型的な一実施形態において、ハウジング30の一部は1列内で互いに隣接するコンタクト支持部152間を延び、ハウジング30の一部はコンタクト支持部152間の間隙154内に延びる。
【0029】
図7及び図8は、カセット20(図1参照)のハウジング30をそれぞれ前方から見た斜視図及び後方から見た斜視図である。ハウジング30は、互いに隣接するプラグ収容室42間を延びる複数の内部壁160を有する。壁160は、ハウジング30の前部34及び後部36間を少なくとも部分的に延びてもよい。壁160は、前面162(図7参照)及び後面164(図8参照)を有する。任意であるが、前面162は、ハウジング30の前面34に、或いは前面34近傍に配置されてもよい。後面164は、ハウジング30の後部36に対して離間して、又は後部36から凹んで配置されてもよい。ハウジング30は、プラグ収容室42の第1列44及び第2列46間を延びる一つの壁160により代表される突部166を有する。任意であるが、内部壁160はハウジング30と一体に形成されてもよい。
【0030】
典型的な一実施形態において、ハウジング30は、その後部36に後部室102(図8参照)を有する。後部室102は各プラグ収容室42に開放している。任意であるが、後部室102は、ハウジング30の後部36から壁160の後面164まで延びる。後部室102は、ハウジング30の後部36で開放している。図示の実施形態において、後部室102はほぼ箱型である。しかし、後部室102は、特定の用途、後部室102を埋める部品の寸法及び形状により、他の形状を有してもよい。
【0031】
典型的な一実施形態において、プラグ収容室42は、シールド部材172によって隣接するプラグ収容室42から分離されている。シールド部材172は、ハウジング30の内部壁160及び外部壁174の一方又は双方により区画されてもよい。例えば、ハウジング30は、金属材料で作られた内部壁160及び外部壁174の一方又は双方を有する金属材料で作られてもよい。典型的な一実施形態において、ハウジング30は、アルミニウム又はアルミニウム合金等の金属又は合金を使用してダイカスト成形される。ハウジング30全体が金属製の場合、プラグ収容室42間のハウジング30の一部(例えば、内部壁160)及びプラグ収容室42を覆うハウジング30の部分(例えば、外部壁174)を含むハウジング30は、プラグ収容室42の周囲にシールドを設けるよう機能する。このような実施形態において、ハウジング30自体はシールド部材172を画定する。プラグ収容室42は、シールド部材172により完全に包囲され(例えば、全周が取り囲まれ)てもよい。
【0032】
各コンタクト組146(図6参照)が異なるプラグ収容室42内に配列されているので、シールド部材172は、互いに隣接するコンタクト組146間をシールドする。このため、シールド部材172は、各プラグ収容室42に受容されたコンタクト組146の電気性能を強化するよう、互いに隣接するコンタクト組146間を分離する。互いに隣接するプラグ収容室42間にシールド部材172を配置することにより、ケーブル相互接続システム10(図1参照)に良好なシールド有効性が提供される。良好なシールド有効性により、互いに隣接するプラグ収容室42間をシールドしない部品を使用するシステムにおける電気性能を強化できる。例えば、所与の列44,46内で互いに隣接するプラグ収容室42間にシールド部材172を配置することは、コンタクト組146の電気性能を強化する。また、プラグ収容室42の列44,46間にシールド部材172を配置することは、コンタクト組146の電気性能を強化できる。シールド部材172は、特定のカセット20内で互いに隣接するコンタクト組146間の異質クロストークを低減できるか、異なるカセット20のコンタクト組146との又はカセット20に近接する他の電気部品との異質クロストークを低減できる。また、シールド部材は、EMIシールドを設けること、又は結合減衰に作用すること等の他の方法で、カセット20の電気性能を強化できる。
【0033】
別の一実施形態において、ハウジング30は、金属材料で作るのではなく、少なくとも部分的に誘電性材料で作ってもよい。任意であるが、ハウジング30は、シールド部材172を画定する金属層が形成された部分と共に選択的に金属層が形成されてもよい。例えば、プラグ収容室42間のハウジング30の少なくとも一部は、プラグ収容室42間にシールド部材172を画定するよう金属層が形成されてもよい。内部壁160の部分及び外部壁174の部分の一方又は双方に金属層を形成してもよい。金属層が形成された表面はシールド部材172を画定する。このように、シールド部材172は、内部壁160及び外部壁174の一方又は双方に設けられる。或いは、シールド部材172は、別体のシールド部材172をめっきする、又は内部壁160及び外部壁174の一方又は双方に別体のシールド部材172を結合させる等の異なる方法で、内部壁160及び外部壁174の一方又は双方に設けられてもよい。シールド部材172は、モジュラプラグ14がプラグ収容室42内に挿入される際に少なくともいくつかのシールド部材172がモジュラプラグ14に係合するように、プラグ収容室42を画定する面に沿って配列されてもよい。他の実施形態において、内部壁160及び外部壁174の一方又は双方を、内部壁160及び外部壁174の一方又は双方の内側又は表面に設けられた金属フィラー材料、或いは内部壁160及び外部壁174の一方又は双方の内側又は表面に設けられた金属ファイバにより、少なくとも部分的に形成してもよい。
【0034】
別の実施形態において、ハウジング30の壁にシールド部材172を設けることに代えるか、又は加えて、シールド部材172をハウジング30の壁の内側に設けてもよい。例えば、内部壁160及び外部壁174の一方又は双方は、シールド部材172が開口176内に挿入できるように、後部36及び前部34の一方又は双方に開放する開口176を有してもよい。シールド部材172は、板等の開口176内に挿入される別体の金属部品であってもよい。これらの開口176及びシールド部材172は、互いに隣接するコンタクト組146間をシールドするためにプラグ収容室42間に配置される。
【0035】
図9は、部分的に組み立てられたカセット20を後方から見た斜視図である。組立の間、コンタクト副組立体100は、後部36を通ってハウジング30の後部室102内に挿入される。任意であるが、回路基板104は後部室102をほぼ埋めてもよい。コンタクト副組立体100は、電気コネクタ106がハウジング30の後部36を向くように、後部室102内に挿入される。電気コネクタ106は後部室102に少なくとも部分的に受容されてもよく、電気コネクタ106の少なくとも一部は後部室102から後部36を超えて延びてもよい。
【0036】
組立の間、インタフェースコネクタ組立体120は電気コネクタ106と嵌合する。任意であるが、インタフェースコネクタ組立体120は、コンタクト副組立体100がハウジング30内に挿入された後、電気コネクタ106と嵌合してもよい。或いは、コンタクト副組立体100及びインタフェースコネクタ組立体120の双方は、1ユニットとしてハウジング30内に挿入されてもよい。任意であるが、インタフェースコネクタ組立体120の一部又は全部は、ハウジング30の後方に配置されてもよい。
【0037】
カバー32は、コンタクト副組立体100及びインタフェースコネクタ組立体120がハウジング30に対して配置された後、ハウジング30に結合される。カバー32は、インタフェースコネクタ組立体120及びコンタクト副組立体100の一方又は双方をカバー32が取り囲むように、ハウジング30に結合されている。典型的な一実施形態において、カバー32及びハウジング30は、互いに結合すると、協働して内部室170(図10及び図11参照)を形成する。ハウジング30の後部室102は内部室170の一部を画定し、カバー32の中空の内部は内部室170の一部を画定する。インタフェースコネクタ組立体120及びコンタクト副組立体100は、内部室170内に受容されると共にカバー32及びハウジング30により外部環境から保護される。任意であるが、カバー32及びハウジング30は、内部室170内に収容された部品のためにシールドしてもよい。後部嵌合コネクタ70は、カバー32がハウジング30に結合すると、カバー32を貫通してもよい。このように、後部嵌合コネクタ70は、内部室170から少なくとも部分的に延びてもよい。
【0038】
図10は、カセット20を部分的に側断面した斜視図である。図11は、カセット20の断面図である。図10及び図11は、カバー32がハウジング30に結合された状態の、内部室170内に配置されたコンタクト副組立体100及びインタフェースコネクタ組立体120を示す。コンタクト副組立体100は、回路基板104の前側140が壁160の後面164をほぼ向くか、後面164に当接するように、後部室102内に挿入される。任意であるが、前側140は、壁160の後面164、或いは、コンタクト副組立体100をハウジング30内に配置するためにハウジング30から延びるリブ又はタブ等の、ハウジング30の構造物に当接してもよい。コンタクト副組立体100が後部室102内に挿入されると、コンタクト144及びコンタクト支持部152は、対応するプラグ収容室42内に挿入される。
【0039】
組立の際、プラグ収容室42及びコンタクト組146は協働して、モジュラプラグ14(図1参照)と嵌合するためのリセプタクル16を区画する。ハウジング30の壁160はリセプタクル16の壁を画定し、モジュラプラグ14は、プラグ収容室42内に挿入されると壁160に係合する。コンタクト144は、モジュラプラグ14のプラグコンタクトと嵌合するためにプラグ収容室42内に現れる。典型的な一実施形態において、コンタクト副組立体100がハウジング30内に挿入されると、コンタクト支持部152は、プラグ収容室42内に露出すると共に、プラグ収容室42を画定する箱状の収容室の一側面を画定する。
【0040】
各コンタクト144は、先端180及び基部182間をコンタクト平面184(図11参照)にほぼ沿って延びる。先端180及び基部182間のコンタクト144の一部は、嵌合インタフェース185を画定する。コンタクト平面184は、プラグ軸178にほぼ沿って延びる、図11に矢印Bで示されるモジュラプラグ挿入方向と平行に延びる。任意であるが、先端180は、プラグ収容室42内にモジュラプラグ14を挿入する間、先端180がモジュラプラグ14と干渉しないように、コンタクト平面184に対して傾斜してもよい。先端180は、コンタクト支持部152に向って傾斜、コンタクト支持部152と係合のいずれか又は両方であってもよい。任意であるが、基部182は、基部182が所定位置で回路基板104に接続されるように、コンタクト平面184に対して傾斜してもよい。先端180及び基部182を含むコンタクト144は、クロストーク等のコンタクト144間の電気特性を制御するために、互いに対して配向されてもよい。典型的な一実施形態において、コンタクト組146内の先端180の各々は、互いにほぼ整列している。互いに隣接するコンタクト144の基部182は、同一方向か、互いに異なる方向に延びてもよい。例えば、少なくともいくつかの基部182は回路基板104の上面148の方へ延びているのに対し、基部182のいくつかは回路基板104の下面150の方へ延びている。
【0041】
典型的な一実施形態において、回路基板104は、コンタクト平面184及びプラグ軸178に対してほぼ直交する。回路基板104の上面148はハウジング30の上側186付近に配置されるのに対し、回路基板104の下面150はハウジング30の下側188に配置される。回路基板104は、コンタクト144及びハウジング30の後部36の間等の、コンタクト144のほぼ背後に配置される。回路基板104は、コンタクト副組立体100が後部室102内に挿入される際に、各プラグ収容室42の後部をほぼ覆う。典型的な一実施形態において、回路基板104は、各コンタクト144の嵌合インタフェース185からほぼ等距離の位置に配置される。このように、嵌合インタフェース185及び回路基板104間のコンタクト長は、各コンタクト144についてほぼ同じである。このため、各コンタクト144は同様の電気特性を示すことができる。任意であるが、コンタクト長は、嵌合インタフェース185及び回路基板104間の距離が適度に短くなるように選択されてもよい。さらに、プラグ収容室42の上列44(図2参照)のコンタクト144のコンタクト長は、プラグ収容室42の下列46(図2参照)のコンタクト144のコンタクト長とほぼ同じである。
【0042】
電気コネクタ106は、回路基板104の後側142に設けられる。電気コネクタ106は、1組以上のコンタクト組146のコンタクト144に電気接続される。インタフェースコネクタ組立体120は電気コネクタ106と嵌合する。例えば、インタフェースコネクタ組立体120の回路基板122は、電気コネクタ106の開口108内に挿入される。回路基板122に実装された後部嵌合コネクタ70は、回路基板122、電気コネクタ106及び回路基板104を介してコンタクト組146の所定コンタクト144に電気接続される。後部嵌合コネクタ70をリセプタクル16のコンタクト44に相互接続する他の構成も可能である。
【0043】
図12は、カセット20と、カセット20用の接合バー(bond bar)300とを示す、カセット20の分解斜視図である。接合バー300は、ほぼ平坦な本体302と、本体302から延びる複数の可撓梁304とを有する。接合バー300は金属製であり導電性である。接合バー300は、本体302の両端から延びるタブ306を有する。タブ306は、カセット20のハウジング30に接合バー300を結合するために使用される。典型的な一実施形態において、タブ306は、ハウジング30から外方へ延びるリブ310にラッチ係合するスロット308を有する。リブ310は、圧入等によりスロット308に受容される。別の実施形態においては、ハウジング30に接合バー300を固定するために、他の固定手段又は部品を設けてもよい。
【0044】
接合バー300は、本体302の一側にカセット接合面312を、本体302の反対側にパネル接合面314を有する。カセット接合面312は、ハウジング30にほぼ正対する向き等の内方を向く。カセット接合面312は、カセット30に係合すると共に電気接続するよう構成されている。任意であるが、カセット接合面312はハウジング30に係合する。パネル接合面314は、ハウジング30から離れる向き等の外方を向く。パネル接合面314は、可撓梁304及び本体302の一方又は双方により画定されてもよい。パネル接合面314は、パネル12(図1参照)に係合すると共に電気接続するよう構成されている。接合バー300は、パネル12及びカセット20間に導電経路を形成する。
【0045】
図13は、接合バー300が実装された状態のカセット20を下から見た分解斜視図である。カセット接合面312はハウジング30に係合する。可撓梁304は、ハウジング30からほぼ離れる向きに本体302から片持ち梁状に形成される。可撓梁304は、固定端316から自由端318に延びる。典型的な一実施形態において、可撓梁304は、固定端316で本体302から外方へ延びる。自由端318は、本体302に向かって戻る向きに湾曲する。このため、可撓梁304は、可撓梁304に沿った或る点に頂上320を有する。頂上320は、自由端318に近接して、又は自由端318に配置されてもよい。
【0046】
可撓梁304は、カセット20がパネル12内に取り付け・実装される際に、ほぼ内方へ付勢されてもよい。例えば、パネル開口22内へのカセット20の挿入の間、可撓梁304はパネル12に係合する。可撓梁304は、カセット20がパネル12に実装される際にパネル12に対して法線方向の力を与えるように、ばね状部材を画定してもよい。パネル12は、可撓梁304を平らにするよう付勢する。可撓梁304は、弾性を有するので、開口22の周壁24に対して付勢する。このため、可撓梁304はパネル12との接触を維持する。任意であるが、パネル12は、接合バー300の本体302と付加的に係合してもよい。
【0047】
カセット20、接合バー300及びパネル12が導電性金属であるので、接合バー300は、パネル12及びカセット20間に結合経路すなわちインタフェースを提供する。結合経路は部品間を電気接続する。任意であるが、部品の一つ(例えば、パネル12)を接地(例えば、電気的に接地)すると、結合経路は部品間に接地経路を形成する。接合バー300は、可撓梁304を使用することにより、パネル12及びカセット20間に確実な機械的及び電気的な接続部を形成する。典型的な一実施形態において、シールド部材172(図7及び図8参照)がプラグ収容室42(図7及び図8参照)間に用いられると、接合バー300は、シールド部材172が接合バー300に電気接続されるように、シールド部材172に電気接続されてもよい。このように、接合バー300が電気的に接地されると、シールド部材172は同様に電気的に接地される。シールド部材172は、ハウジング30が金属である場合か、ハウジング30に金属層が形成されている場合等、ハウジング30を介して接合バー300に電気接続されてもよい。或いは、シールド部材172は、互いの直接係合等により、接合バー300に直接的に電気接続されてもよい。接合バー300は、結合面を形成し、カセット20をパネル12に相互接続してカセット20及びパネル12間に結合経路及び接地された経路を形成するために使用される導電性構造部材の一例に過ぎないことを明確に理解されたい。接合バー300或いはその等価物は、カセット20及びパネル12を相互接続する多くの異なる形状、寸法及び構成を有してもよい。
【0048】
図14は、図13の仮想線で示されたカセット20及び接合バー300の一部を示す拡大図である。図14に示されるように、ハウジング30は、接合バー300の一部を受容するためのスロット330を有する。例えば、接合バー300の前縁はスロット330に受容されてもよい。スロット330は、ハウジング30への接合バー300の固定を補助してもよい。例えば、スロット330は、リブ310と協働して接合バー300をハウジング30に固定してもよい。また、ハウジング30は切欠332を有する。これらの切欠332は、スロット330に対して開放してもよい。切欠332は、可撓梁304と整列し、可撓梁304を受容するよう構成される。切欠332は、パネル12(図13参照)によって平らにされる際に可撓梁304を収容する空間を形成してもよい。
【0049】
図15は、シールド部材342と、これらシールド部材342に電気接続された接合バー344とを有する別のハウジング340を示す。図示の実施形態において、ハウジング340は、プラスチック材料等の非導電性材料製の誘電性ハウジングである。ハウジング340は、シールド部材342を受容する開口346を有する。
【0050】
シールド部材342は、ハウジング340の互いに隣接するプラグ収容室348間に配置されるよう構成された複数の板である。任意であるが、各シールド部材342は、開口346に挿入される一体品構造の一部として互いに一体的に形成されてもよい。或いは、シールド部材342は、互いに別体であり、開口346に別々に挿入されてもよい。別体のシールド部材342は互いに電気接続されてもよい。シールド部材342は、接合バー344に接触して接合バー344をシールド部材342に電気接続する。任意であるが、接合バー344は、シールド部材342と係合してシールド部材342との接触を維持する可撓指部350を有してもよい。
【0051】
図16は、図1に示されたケーブル相互接続システム10用の別のカセット420を示す分解斜視図である。カセット420は、いくつかの点でカセット20(図1参照)に類似するものの、カセット20と異なる後側嵌合インタフェース422を有する。カセット420の前側嵌合インタフェース424は、カセット20の前側嵌合インタフェースに類似する。カセット420はカセット20の代わりに使用されてもよい。例えば、カセット420は、パネル12(図1参照)に挿入できるように、カセット20と同様の寸法を有する。接合バー300(図12参照)をカセット420に結合させてもよい。このように、接合バー300は、カセット420及びパネル12間に設けられてパネル12及びカセット420間に接合経路を提供してもよい。
【0052】
カセット420は、その外周を画定するシェル428を有する。典型的な一実施形態において、シェル428は、ハウジング430と、ハウジング430に結合できるカバー432とを有する2部品設計である。ハウジング430及びカバー432は、滑らかな外面を形成するために互いに入れ子構造となる同様の寸法(例えば、高さ及び幅)を有してもよい。
【0053】
シェル428は前部434及び後部436を有し、ハウジング430が前部434に位置し、カバー432が後部436に位置する。前側嵌合インタフェース424は、ハウジング430の構造物、モジュラプラグ14(図1参照)等のプラグを受容するためにハウジング430に形成された複数のプラグ収容室442、プラグと嵌合するためにシェル428内に配置された通信モジュール444により画定される。プラグ収容室442は、プラグを受容するリセプタクルを画定する。通信モジュール444は、プラグがプラグ収容室442に挿入される際にプラグに直接的に電気接続されるよう構成される。通信モジュール444は、カセット420を通して信号を伝送する。プラグ収容室442及び通信モジュール444は、或るタイプのプラグを受容するよう構成された特定嵌合インタフェースを画定するよう協働する。図示の実施形態において、プラグ収容室442及び通信モジュール444は、RJ−45プラグ等の8極8コンタクト(8P8C)型プラグ、又は別の銅ベースのモジュラプラグタイプのコネクタを受容するよう構成されている。或いは、プラグ収容室442及び通信モジュール444は、光ファイバタイプのプラグ等の異なるタイプのプラグを受容するよう構成されてもよい。典型的な一実施形態において、プラグ収容室442は、第1列及び第2列にスタックされた構成で配列される。複数のプラグ収容室442は、第1列及び第2列の各々に配列される。
【0054】
後側嵌合インタフェース422は、カバー432の構造物、モジュラプラグ14(図1参照)等のプラグを受容するためにカバー432に形成された複数のプラグ収容室446、プラグと嵌合するためにシェル428内に配置された通信モジュール444により画定される。プラグ収容室446は、プラグを受容するリセプタクルを画定する。通信モジュール444は、カセット420の内部からプラグ収容室446内に挿入される。通信モジュール444は、プラグがプラグ収容室446に挿入される際にプラグに直接的に電気接続されるよう構成される。プラグ収容室446及び通信モジュール444は、或るタイプのプラグを受容するよう構成された特定嵌合インタフェースを画定するよう協働する。図示の実施形態において、プラグ収容室446及び通信モジュール444は、プラグ収容室442,446が同じタイプのプラグを受容するように、プラグ収容室442と同じ寸法及び形状に設定されている。
【0055】
カセット420は、パネル12にカセット420を固定するために、カセット420の一以上の側面にラッチ部材448を有する。ラッチ部材448は、より小さなフォームファクタを維持するためにカセット420の両側に密接して保持されてもよい。別の実施形態において、別の実装手段を使用してもよい。ラッチ部材448は、ハウジング430及びカバー432の一方又は双方とは別体に設けられてもよい。或いは、ラッチ部材448は、ハウジング430及びカバー432の一方又は双方と一体的に形成されてもよい。ラッチ部材448は、ハウジング430及びカバー432を一緒に結合するために付加的に使用されてもよい。
【0056】
ハウジング430は、互いに隣接するプラグ収容室442間を延びる複数の内部壁450を有する。内部壁450は、隣接するプラグ収容室442間にシールド部材を画定する。これらのシールド部材は、対応するプラグ収容室442に受容された通信モジュール444間をシールドする。内部壁450はプラグ収容室442を画定する。内部壁450は、ハウジング430の前部及び後部間を少なくとも部分的に延びていてもよい。いくつかの内部壁450は、同じ列の互いに隣接するプラグ収容室442間を垂直方向に延びている。いくつかの内部壁450は、異なる列の互いに隣接するプラグ収容室442間を水平方向に延びている。任意であるが、内部壁450はハウジング430と一体的に形成されてもよい。
【0057】
カバー432は、互いに隣接するプラグ収容室446間を延びる複数の内部壁452を有する。内部壁452は、隣接するプラグ収容室446間にシールド部材を画定する。これらのシールド部材は、対応するプラグ収容室446に受容された通信モジュール444間をシールドする。内部壁452はプラグ収容室446を画定する。内部壁452は、カバー432の前部及び後部間を少なくとも部分的に延びていてもよい。いくつかの内部壁452は、同じ列の互いに隣接するプラグ収容室446間を垂直方向に延びている。いくつかの内部壁452は、異なる列の互いに隣接するプラグ収容室446間を水平方向に延びている。任意であるが、内部壁452はカバー432と一体的に形成されてもよい。
【0058】
典型的な一実施形態において、ハウジング430及びカバー432は金属材料から製作される。内部壁450,452も金属材料から製作される。任意であるが、ハウジング430は、アルミニウム又はアルミニウム合金等の金属又は合金を使用してダイカストで鋳造されてもよい。ハウジング430全体が金属であるので、ハウジング430のプラグ収容室442間の部分(例えば、内部壁450)及びハウジング430のプラグ収容室442を覆う部分(例えば、外部壁454)を含むハウジング430は、プラグ収容室442の周囲をシールドするよう機能する。プラグ収容室442は、ハウジング430のシールド部材(例えば、内部壁450及び外部壁454)により完全に囲まれても(全周が取り囲まれても)よい。同様に、カバー432はダイカストで鋳造されてもよい。カバー全体432が金属であるので、カバー432のプラグ収容室446間の部分(例えば、内部壁452)及びカバー432のプラグ収容室446を覆う部分(例えば、外部壁456)を含むカバー432は、プラグ収容室446の周囲をシールドするよう機能する。プラグ収容室446は、カバー432のシールド部材(例えば、内部壁452及び外部壁456)により完全に囲まれても(全周が取り囲まれても)よい。
【0059】
組立時に、ハウジング430及びカバー432のプラグ収容室442,446は、シールドされた通路460(図17及び図18参照)を画定するようそれぞれ協働する。通信モジュール444は、シールドされた通路460に受容される。シールドされた通路460は、シェル428の前部434及び後部436間を延びる。内部壁450,452は、互いに整列すると共にシールドされた通路460を画定するよう協働する。典型的な一実施形態において、内部壁450,452は、シールドされた通路460を画定する内部壁が前部434及び後部436間で連続するように、互いに当接する。このように、通路460は、前部434及び後部436間で通路460の全長に沿ってシールドされる。
【0060】
異なるシールドされた通路内に各通信モジュール444が配置されるので、シェル428は、互いに隣接する通信モジュール444間を電磁シールドする。このため、シェル428は、互いに隣接する通信モジュール444間を電気的に分離し、シールドされた各通路460に受容された通信モジュール444の電気性能を向上させる。互いに隣接するシールドされた通路460間にシールド部材を設けることにより、カセット420に良好なシールド効果を提供し、内部をシールドしない部品を使用するシステム全体の電気性能を向上させることができる。例えば、所定の列内で互いに隣接するシールドされた通路460間にシールド部材を設けることにより、通信モジュール444の電気性能を向上させる。さらに、シールドされた通路460の列間にシールド部材を設けることにより、通信モジュール444の電気性能を向上させることができる。内部壁450,452は、特定のカセット420における互いに隣接する通信モジュール444間のクロストークを低減することができる。内部壁450,452及び外部壁454,456の一方又は双方は、異なるカセット420の通信モジュール444又はカセット420近傍の他の電気部品とのクロストークを低減することができる。また、シールド部品は、EMIシールドを与える又は結合減衰に作用する等の他の方法でカセット420の電気性能を向上させてもよい。
【0061】
典型的な一実施形態において、ハウジング430及びカバー432は、金属材料から製作されるのではなく、少なくとも部分的に誘電性材料から製作されてもよい。任意であるが、ハウジング430及びカバー432には選択的に金属層が形成され、金属層部分がシールド部材を形成してもよい。例えば、通路460を画定する壁の少なくとも一部は、通路460間にシールド部材を形成するよう金属層が形成されてもよい。金属層が形成された面はシールド部材を形成する。或いは、シールド部材は、めっきにより、又は内部壁450,452及び外部壁454,456の一方又は双方に別々のシールド部材を結合させることにより、異なる方法で内部壁450,452及び外部壁454,456の一方又は双方に設けてもよい。他の実施形態において、内部壁450,452及び外部壁454,456の一方又は双方は、その内部又はその表面に設けられた金属フィラー材料又は金属ファイバにより、少なくとも部分的に形成されてもよい。
【0062】
図17は、カセット420のシェル428の縦断面図である。図18は、カセット420のシェル428の断面図である。通信モジュール444(図16参照)は、明瞭にするために取り除かれている。図17及び図18は、シールドされた通路460を区画する内部壁450,452及び外部壁454,456を示す。
【0063】
ハウジング430の各内部壁450は、前部470及び後部472間を延びている。ハウジング430の各外部壁454は、前部474及び後部476間を延びている。前部470,474は、シェル428の前部434で互いにほぼ整列している。外部壁454の後部476は、内部壁450の後部472よりもさらに後方へ延びている。また、後部472,476は互いにほぼ整列してもよい。
【0064】
カバー432の各内部壁452は、前部480及び後部482間を延びている。カバー432の各外部壁456は、前部484及び後部486間を延びている。前部480,484は、シェル428の後部436で互いにほぼ整列している。外部壁456の後部486は、内部壁450の後部482よりもさらに後方へ延びている。また、後部482,486は互いにほぼ整列してもよい。
【0065】
組立時に、カバー432の前部480,484は、ハウジング430の後部472,476に結合される。任意であるが、前部480,484は、内部壁450,452がシェル428の前部434及び後部436間でほぼ連続するように、且つ外部壁454,456が前部434及び後部436間でほぼ連続するように、後部472,476に当接してもよい。このように、シールドされた通路460は、通路460の通路軸488に沿った通路460の全長に沿ってシールドされる。内部壁450,452及び外部壁454,456は、通路460の長さに沿って通路460の全周を取り囲む。例えば、内部壁450,452及び外部壁454,456は、通路軸488から放射方向外方に通路460の全周を取り囲む。上述したように、通路460は、プラグを受容するプラグ収容室442,446を画定するために前部434及び後部436で開放する。図18は、シェル428の外部に実装された接合バー300を示す。
【0066】
図19は、ケーブル相互接続システム10(図1参照)用の別のカセット620を後方から見た斜視図である。カセット620は、いくつかの点でカセット420(図16参照)に類似するものの、異なる後側嵌合インタフェース622を有する。カセット620はカセット420の代わりに使用されてもよい。例えば、カセット620は、パネル12(図1参照)に挿入できるように、カセット420と同様の寸法を有する。接合バー300をカセット620に結合させてもよい。このように、接合バー300は、カセット620及びパネル12間に設けられてパネル12及びカセット620間に接合経路を提供してもよい。
【0067】
カセット620は、カセット420の前側嵌合インタフェース424に類似する前側嵌合インタフェース624を有する。カセット620は、後側嵌合インタフェース622及び前側嵌合インタフェース624間を延びる複数のシールドされた通路626を有する。シールドされた通路626は、対応するプラグを受容する、カセット620のプラグ収容室628を画定する。シールドされた通路626は、シールドされた通路460(図17及び図18参照)に類似する寸法及び形状に設定されてもよい。通信モジュール630は、プラグがプラグ収容室628に挿入される際にプラグと嵌合するために、シールドされた通路626に受容される。通信モジュール630は図20に図示されている。
【0068】
図示の実施形態において、通信モジュール630及び後側嵌合インタフェース622におけるプラグ収容室628は、4個タイプのプラグコネクタを受容するよう構成された4個タイプの嵌合インタフェースに代表される。各通信モジュール630はコンタクト632を有する。これらのコンタクト632は、プラグ収容室628の異なる四分の一区分に複数対で配列されている。壁部分634はプラグ収容室628を四分の一に分割し、各四分の一区分は1対のコンタクト632を受容する。任意であるが、壁部分634は、互いに隣接する四分の一区分をシールドしてもよい。カセット620は、シールドされた通路626及びプラグ収容室628を画定する内部壁636を有する。任意であるが、壁部分634は、内部壁636と一体的に形成されてもよい。或いは、壁部分634は、内部壁636とは別体であって内部壁636に結合されてもよい。
【0069】
図20は、通信モジュール630に代表されるコンタクト副組立体を示す。通信モジュール630は、回路基板640、コンタクト支持部642、及びコンタクト組として配列された複数のコンタクト644を有する。コンタクト支持部642及びコンタクト644は、回路基板640の前側から延びている。コンタクト支持部642及びコンタクト644は、カセット420(図16参照)の嵌合インタフェースに類似する嵌合インタフェースを画定する。例えば、コンタクト支持部642及びコンタクト644は、RJ−45タイプのプラグと接触するよう構成されている。
【0070】
通信モジュール630は、回路基板640の後側に実装されると共に回路基板640の後側から延びる複数の支持塔646を有する。支持塔646はコンタクト632を保持する。各コンタクト632は、回路基板640を介して対応する1個のコンタクト644に電気接続される。コンタクト632の配列はコンタクト644とは異なる。例えば、コンタクト644は1列に配列されるのに対し、コンタクト632は四分の一区分に複数対で配列される。回路基板640を含む通信モジュール630は、対応するシールドされた通路626(図19参照)内に受容される。通信モジュール630は、シールドされた通路626により他の通信モジュール630から分離されている。例えば、内部壁636(図19参照)は、隣接する通信モジュール630を互いに分離する。
【0071】
図21は、別のカセット(図示せず)で使用するための別の通信モジュール660を示す。通信モジュール660は前部662及び後部664を有する。通信モジュール660がカセット内に配列されると、前部662はカセットの前側嵌合インタフェースを形成し、後部664はカセットの後側嵌合インタフェースを形成する。
【0072】
典型的な一実施形態において、通信モジュール660は、カセット620(図19参照)の後側嵌合インタフェース622(図19参照)に類似する嵌合インタフェースの一部を形成する。例えば、通信モジュール660は、4個タイプのプラグコネクタと嵌合するよう構成されている。4個の通信モジュール660は、単一の4個タイプのプラグコネクタと嵌合するために一団となって配列されている。各通信モジュール660間にはシールドが設けられていてもよい。例えば、シールドされた壁部分634(図19参照)に類似するシールドされた壁部分は、カセットの1個のシールドされた通路を四分の一に分割してもよい。シールドされた壁部分は、シールドされた通路の全長に沿ってカセットの前部及び後部間を延びてもよい。壁部分が互いに隣接する通信モジュール660間をシールドするのに対し、シールドされた通路は、通信モジュール660の互いに隣接する組から4個の通信モジュール660の組をシールドする。
【0073】
通信モジュール660は、本体668により保持された1対のコンタクト665を有する。コンタクト665は、前部662及び後部664間を延びる。各コンタクト665は、前部662及び後部664間に一体の本体を有する。或いは、前側コンタクト及び後側コンタクトを設け、互いに結合させるか、間に回路基板を介して結合させてもよい。
【0074】
図22は、ケーブル相互接続システム10(図1参照)用の更に別のカセット720を示す分解図である。カセット720は、いくつかの点でカセット420(図16参照)に類似するものの、カセット420と異なる後側嵌合インタフェース722及び前側嵌合インタフェース724を有する。カセット720はカセット420の代わりに使用されてもよい。例えば、カセット720は、パネル12(図1参照)に挿入できるように、カセット420と同様の寸法を有する。接合バー300をカセット720に結合させてもよい。このように、接合バー300は、カセット720及びパネル12間に設けられてパネル12及びカセット720間に接合経路を提供してもよい。
【0075】
図示の実施形態において、カセット720は、後側嵌合インタフェース722及び前側嵌合インタフェース724に光ファイバタイプの嵌合インタフェースを有する。カセット720は、後側嵌合インタフェース722及び前側嵌合インタフェース724で光ファイバタイプのプラグコネクタと嵌合するよう構成されている。或いは、後側嵌合インタフェース722及び前側嵌合インタフェース724のいずれかが、RJ−45タイプのインタフェース又は4個タイプの嵌合インタフェース等の銅ベースの嵌合インタフェースであってもよい。このように、カセット720は、光ファイバ信号及び銅タイプ間で信号を変換するハイブリッドタイプのカセットである。カセット720は、信号変換に使用されるアクティブトランシーバ装置を内部に有してもよい。
【0076】
カセット720は複数の通信モジュール726を有する。各通信モジュール726は前部728及び後部730を有する。通信モジュール726がカセット720内に配置されると、前部728は、対応するプラグと嵌合するためにカセット720の前側嵌合インタフェース724に配置される。通信モジュール726がカセット720内に配置されると、後部730は、対応するプラグと嵌合するためにカセット720の後側嵌合インタフェース722に配置される。図示の実施形態において、通信モジュール726は、前部728及び後部730の双方で光ファイバプラグと嵌合するよう構成されている。或いは、通信モジュール726は、前部728及び後部730のいずれかがRJ−45プラグ又は4個タイププラグと嵌合するよう構成されたハイブリッド通信モジュールであってもよい。通信モジュール726は回路基板を有してもよい。この回路基板には、異なるタイプの信号が回路基板で変換できるように、異なる2タイプのリセプタクルが接続される。
【0077】
カセット720はシェル732を有し、ハウジング734がシェル732の前部に位置し、カバー736がシェル732の後部に位置する。ハウジング734は複数のプラグ収容室738を画定する。カバー736は複数のプラグ収容室740を画定する。ハウジング734及びカバー736が組み立てられると、プラグ収容室738,740は、互いに整列し、シェル732の前部及び後部間を延びるシールドされた通路742の両端を区画する。組立の間、通信モジュール726がハウジング734の対応するシールドされた通路742に挿入され、次に、通信モジュール726がカバー736の対応するシールドされた通路742に受容されるように、カバー736がハウジング734に嵌合する。或いは、通信モジュール726がカバー736の対応するシールドされた通路742に挿入され、次に、通信モジュール726がハウジング734の対応するシールドされた通路742に受容されるように、カバー736がハウジング734に嵌合する。通信モジュール726は、プラグ収容室738,740に挿入された対応するプラグと嵌合するために、カセット720内に配列される。
【0078】
このように、パネルの開口を通ってパネルに実装できるカセットが提供される。任意であるが、本明細書で説明された各カセットは総じて、同一のパネル開口に嵌まるように同様の外周を有する。パネルは接地に電気接続されてもよい。任意であるが、接合バー300は、パネル及び対応するカセット間に接合経路を設けるために、パネル及び任意のカセット間に設けられてもよい。パネルが接地されると、次に、カセットが接地される。カセットは、モジュラプラグを内部に受容するよう構成された複数のリセプタクルを有する。カセットと嵌合するプラグのタイプは、カセットの嵌合インタフェースのタイプによる。例えば、嵌合インタフェースは、RJ−45ジャックタイプのインタフェース又は4個タイプのインタフェース等の銅タイプの嵌合インタフェースであってもよいし、或いは、光ファイバタイプの嵌合インタフェース、又は別のタイプの嵌合インタフェース内の嵌合インタフェースであってもよい。カセットは、その前部及び後部を延びるシールドされた通路を画定する内部壁及び外部壁を有する。特定の前側嵌合インタフェース及び後側嵌合インタフェースを有する通信モジュールは、個別にシールドされた通路内に受容される。このため、通信モジュールを内部壁により他の通信モジュールから分離し、カセットの性能を向上させることができる。例えば、互いに隣接するシールドされた通路間にシールド部材を設けることにより、シールド有効性を増大させることができる。さらに、互いに隣接する通信モジュール間で、外部クロストークを低減することができる。
【0079】
上述の説明は、例示であり、限定することを意図したものではないことを理解されたい。例えば、上述の実施形態(及びその側面)は、互いに結合して使用してもよい。加えて、本発明の技術的範囲を逸脱することなく、本発明の教示に対して特定の状況又は材料を適応させて多くの変形例を設けてもよい。寸法、材料のタイプ、さまざまな部品の方向性、及び本明細書に説明されたさまざまな部品の数及び位置は、或る実施形態のパラメータを定めることを意図しており、限定するものでは決してなく、単に例示的な実施形態である。特許請求の範囲の真髄の範囲内で他の多くの実施形態及び変形例は、上述の説明を精査すると当業者には明白であろう。従って、本発明の範囲は、等価物の全範囲と共に、特許請求の範囲の記載に基づいて決定されるべきである。特許請求の範囲において、「第1」、「第2」、「第3」等の用語は単に符号に過ぎず、その目的物に数的要求事項を課すことを意図したものではない。
【符号の説明】
【0080】
20,420,620,720 カセット
28,428,732 シェル
30 ハウジング
32 カバー
300,344 接合バー
422,622,722 後側嵌合インタフェース
424,624,724 前側嵌合インタフェース
444,630,660,726 通信モジュール
450,636 内部壁
460,626,742 シールドされた通路
640 回路基板
642 コンタクト支持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シェルの前部及び後部間を延びる複数のシールドされた通路を有する前記シェルと、前記シールドされた通路に挿入される通信モジュールとを具備するカセットであって、
前記通信モジュールは、対応する第1プラグと嵌合するよう構成された前側嵌合インタフェースと、対応する第2プラグと嵌合するよう構成された後側嵌合インタフェースとを有し、前記通信モジュールが互いから個別にシールドされるように、対応する前記シールドされた通路に挿入されることを特徴とするカセット。
【請求項2】
前記シェルは、前記前部及び前記後部間を延びて前記シールドされた通路を区画する内部壁を有することを特徴とする請求項1記載のカセット。
【請求項3】
前記シールドされた通路は、通路軸に沿って延びており、該通路軸に沿った前記シェルの壁によって全周が取り囲まれていることを特徴とする請求項1記載のカセット。
【請求項4】
前記通信モジュールは、前記前側嵌合インタフェース及び前記後側嵌合インタフェース間で前記シールドされた通路により全周が取り囲まれていることを特徴とする請求項1記載のカセット。
【請求項5】
前記シェルは、前記前部及び前記後部間を延びる内部壁を有し、
前記通信モジュールは、少なくとも1個の前記内部壁により他の通信モジュールから分離されていることを特徴とする請求項1記載のカセット。
【請求項6】
前記シェルは、前記前部にハウジングを、前記後部にカバーを有し、
前記ハウジング及び前記カバーは、互いに別体であって互いに結合され、
前記ハウジング及び前記カバーの双方は、互いに整列すると共に前記シールドされた通路を画定するよう協働する通路部分を有することを特徴とする請求項1項記載のカセット。
【請求項7】
前記シールドされた通路は、前記通信モジュールへのアクセスを提供するよう前記前部及び前記後部で開放していると共に、前記第1プラグ及び前記第2プラグを受容するよう構成されていることを特徴とする請求項1記載のカセット。
【請求項8】
前記シェルは、前記シールドされた通路の各々を互いから分離する内部壁を有し、
前記内部壁は、互いに隣接する通信モジュール間をシールドするために電気的に接地されていることを特徴とする請求項1記載のカセット。
【請求項9】
前記シールドされた通路は、2列以上且つ2行以上に配列されていることを特徴とする請求項1記載のカセット。
【請求項10】
前記前側嵌合インタフェース及び前記後側嵌合インタフェースは共に、同じタイプのプラグと嵌合するよう構成されていることを特徴とする請求項1記載のカセット。
【請求項11】
前記通信モジュールは、第1側及び第2側を有する回路基板を有し、
前記第1側から、複数の第1コンタクトが延びており、
前記第2側から、複数の第2コンタクトが延びており、
前記第1コンタクトは、前記回路基板により前記第2コンタクトに電気接続されており、
前記第1コンタクトは前記前側嵌合インタフェースを画定し、
前記第2コンタクトは前記後側嵌合インタフェースを画定し、
前記第1コンタクトに近接する前記第1側から、前記第1コンタクトを支持する第1コンタクト支持部が延びており、
前記第2コンタクトに近接する前記第2側から、前記第2コンタクトを支持する第2コンタクト支持部が延びていることを特徴とする請求項1記載のカセット。
【請求項12】
前記通信モジュールの各々は、四分の一区分に配列された複数のコンタクトモジュールを有し、
前記コンタクトモジュールの各々は、1対のコンタクトを保持する基部を有し、
前記通信モジュールは、シールドされた壁部分が前記コンタクトモジュールの各々を互いから分離するように、前記シールドされた通路内に配置されていることを特徴とする請求項1記載のカセット。
【請求項13】
前記通信モジュールは、該通信モジュールの前記前側嵌合インタフェース及び前記後側嵌合インタフェースのうちの少なくとも一方に、光ファイバタイプのプラグを受容するよう構成された光ファイバコネクタを形成することを特徴とする請求項1記載のカセット。
【請求項14】
前記カセットは、前記シェルに結合された接合バーをさらに具備し、
前記接合バーは、接地された部品に電気接続されるよう構成されて、前記シェル及び前記接地された部品間に接地経路を形成することを特徴とする請求項1記載のカセット。
【請求項15】
前部、後部、並びに前記前部及び前記後部間に延びる複数のシールドされた通路を有し、接地されたパネルの開口内に受容されるよう構成されたシェルと、前記シールドされた通路に挿入された通信モジュールと、前記シェルに結合された接合バーとを具備するカセットであって、
前記シールドされた通路は、前記シェルの内部壁により隣接する前記シールドされた通路から分離され、
前記通信モジュールは、前側嵌合インタフェース及び後側嵌合インタフェースを有すると共に、前記通信モジュールが前記内部壁により互いに個別にシールドされるように、対応する前記シールドされた通路に挿入され、
前記接合バーは、前記接地されたパネル及び前記シェル間に接地経路を形成するために前記接地されたパネルに電気的に接続されるよう構成されていることを特徴とするカセット。
【請求項16】
前記接合バーは、該接合バーから延びる複数の可撓梁を有し、
前記可撓梁は、前記パネルと係合する際に該パネルにより撓んで該パネルとの接触を維持するよう構成されていることを特徴とする請求項15記載のカセット。
【請求項17】
前記接合バーは、前記シェルを介して前記内部壁に電気的に接続されていることを特徴とする請求項15記載のカセット。
【請求項18】
第1カセット又は第2カセットを内部に選択的に受容する開口を有するパッチパネルを具備するケーブル相互接続システムであって、
前記第1カセットはシェルを有し、
該シェルは、該シェルの前部及び後部の間に延びる複数のシールドされた通路と、該シールドされた通路に挿入される通信モジュールとを有し、
該通信モジュールは、前側嵌合インタフェース及び後側嵌合インタフェースを有すると共に、前記通信モジュールが互いに個別にシールドされるように、対応する前記シールドされた通路に挿入され、
前記第2カセットはシェルを有し、
該シェルは、該シェルの前部及び後部の間に延びる複数のシールドされた通路と、該シールドされた通路に挿入される通信モジュールとを有し、
該通信モジュールは、前側嵌合インタフェース及び後側嵌合インタフェースを有し、
前記第2カセットの前記通信モジュールの前記前側嵌合インタフェース及び前記後側嵌合インタフェースのうち少なくとも一方は、前記第1カセットの前記通信モジュールの前記前側嵌合インタフェース及び前記後側嵌合インタフェースとは異なっており、
前記第2カセットの前記通信モジュールは、前記通信モジュールが互いに個別にシールドされるように、対応する前記シールドされた通路に挿入されていることを特徴とするケーブル相互接続システム。
【請求項19】
前記第1カセットは、第1タイプのプラグと嵌合するよう構成された第1タイプであり、
前記第2カセットは、第1タイプのプラグとは異なる第2タイプのプラグと嵌合するよう構成された第2タイプであることを特徴とする請求項18記載のケーブル相互接続システム。
【請求項20】
前記第1カセットの前記通信モジュールは、対応するプラグと嵌合するために所定配列に配列された銅コンタクトを有し、
前記第2カセットの前記通信モジュールは、光ファイバプラグと嵌合するよう配列された光ファイバコネクタを有することを特徴とする請求項18記載のケーブル相互接続システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2011−29152(P2011−29152A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−96121(P2010−96121)
【出願日】平成22年4月19日(2010.4.19)
【出願人】(399132320)タイコ・エレクトロニクス・コーポレイション (234)
【氏名又は名称原語表記】Tyco Electronics Corporation
【Fターム(参考)】