ゲル状組成物包装体及びその製造方法
【課題】皿状容器の収容凹部内でのゲル状組成物の移動、それに伴うゲル状組成物の損傷等を確実に防止できると共に,簡単な構造で容易且つ安価に実施できるようにする。
【解決手段】収容凹部10の中間に開口部用の突起部13〜15が設けられた皿状容器2に、突起部13〜15に嵌合する開口部を有するゲル状組成物を収容し、収容凹部10の開口側外周のシール部18で皿状容器2に易剥離可能に密封シートを固着して開口を密封し、突起部13〜15の上面に密封シートを易剥離可能に固着する。
【解決手段】収容凹部10の中間に開口部用の突起部13〜15が設けられた皿状容器2に、突起部13〜15に嵌合する開口部を有するゲル状組成物を収容し、収容凹部10の開口側外周のシール部18で皿状容器2に易剥離可能に密封シートを固着して開口を密封し、突起部13〜15の上面に密封シートを易剥離可能に固着する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲル状組成物包装体及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
口唇及びその周辺等の顔面の所要部位をパックする際に使用するパック材には、シート状のゲル状組成物に薬用成分及び/又は化粧用成分を配合したものが使用されている。この種のゲル状組成物には、収容凹部の中間に突起部を有する皿状容器を用い、その収容凹部にゲル状組成物の溶液を注入しゲル化した後、開口側外周のシール部で密封シートを皿状容器に易剥離可能に固着し密封して1個のゲル状組成物包装体としたものがある(特許文献1)。
【特許文献1】特開2005−120043号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このようなゲル状組成物包装体は、製造工程において皿状容器に溶液を入れてゲル化することにより、所定形状のゲル状組成物を簡便に製造できるだけでなく、皿状容器に入ったゲル状組成物を包装袋等に入れて密封する場合に比して、包装袋等を使用する必要がなく材料の無駄を省き製造コストを低減できる利点がある。
【0004】
しかし、従来は、収容凹部内のゲル状組成物が薄いシートであるにも拘わらず、開口の外周側のシール部で密封シートを皿状容器に固着しただけの構造であるため、物流その他での取り扱い時に、密封シート側が凹むように皿状容器が湾曲すれば、収容凹部内でゲル状組成物が移動して変形したり、ゲル状組成物が片側に移動してその一部にシワができたりする等の惧れがある。特に顔パック用等のような大きなゲル状組成物の場合にはその傾向が顕著であり、慎重に取り扱う必要があった。
【0005】
本発明は、このような従来の問題点に鑑み、皿状容器の収容凹部内でのゲル状組成物の移動、それに伴うゲル状組成物の損傷等を確実に防止できると共に,簡単な構造で容易且つ安価に実施することができるゲル状組成物包装体及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、収容凹部10の中間に開口部5〜7用の突起部13〜15が設けられた皿状容器2に、前記突起部13〜15に嵌合する開口部5〜7を有するゲル状組成物1を収容し、前記収容凹部10の開口側外周のシール部18で前記皿状容器2に易剥離可能に密封シート3を固着して前記開口を密封したゲル状組成物包装体において、前記突起部13〜15の上面に前記密封シート3を易剥離可能に固着したものである。
【0007】
また別の本発明は、収容凹部10の中間に上側へと突出する突起部13〜15を有する皿状容器2の前記収容凹部10内に、分散して配置された複数個の注入口37からパック用のゲル状組成物1の溶液を注入する注入工程と、皿状容器2内の溶液をゲル化して前記ゲル状組成物1を成型する成型工程と、その後に前記収容凹部10の開口側外周の全周及び前記突起部13〜15の上面に密封シート3を易剥離可能に固着して密封する密封工程とを含むものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明では、皿状容器2の収容凹部10内でのゲル状組成物1の移動、それに伴うゲル状組成物1の損傷等を確実に防止できると共に,簡単な構造で容易且つ安価に実施でき、またその製造も容易にできる。る
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。図1は顔面の略全体を対象として使用する顔パック用のゲル状組成物1を皿状容器2に入れて、その開口側を密封シート3で密封したゲル状組成物包装体4を示し、図4はそのゲル状組成物1の形状を示す。
【0010】
ゲル状組成物1は人の顔面に対応する大きさ、形状を有するシート状であって、例えば略円形状に形成されている。このゲル状組成物1は薬剤成分及び/又は化粧成分、例えば保湿剤、その他のパック用化粧液と共に皿状容器2に入れて密封シート3により密封されている。そして、使用に際しては、密封シート3を剥がして化粧液が付着した状態のゲル状組成物1を皿状容器2から取り出して顔面に貼着する。
【0011】
ゲル状組成物1は例えば水溶性ゲル基材により構成され、図4に示すように、中央上部に顔面の目に対応する左右一対の開口部5が横方向に、下部に口に対応する開口部6が左右方向の下向き円弧状又は横方向に夫々形成され、その両者間の略中央に鼻の下側から左右両側に対応する開口部7が略U字状に形成されている。なお、鼻に対応する開口部7はスリット状でも良い。また外周側には、左右の頬に対応する切り欠き部8と、顎の左右両側に対応する切り欠き部9とが略放射方向に夫々形成されている。
【0012】
皿状容器2は所定の保形性を有する透明、半透明又は不透明な合成樹脂シート材を使用して、この合成樹脂シート材を熱成型等により偏平な皿状に成型したものである。そして、この皿状容器2は図1〜図3に示すように、ゲル状組成物1及び化粧液を収容する収容凹部10と、収容凹部10を取り囲む周縁部11と、収容凹部10内の中間部分にゲル状組成物1の各開口部5〜7に対応して形成された複数個の突起部13〜15と、ゲル状組成物1の各切り欠き部8,9に対応して周縁部11に連続するように収容凹部10内に形成された突起部16,17とを有する。各突起部13〜17は収容凹部10の底面から上側へと突出し、その上面は周縁部11の上面と略同一高さの平坦面となっている。なお、突起部13〜17の上面は周縁部11の上面よりも若干高くするか、又は若干低くしても良い。
【0013】
密封シート3はイージーピールフィルム等の単体フィルム、アルミ泊にイージーピールフィルムをラミネートした複合フィルム等の密封性を有する合成樹脂シートにより構成されている。そして、この密封シート3は皿状容器2の開口側の外周近傍の周縁部11に対して周方向の全周のシール部18(図1の点線部分を参照)で易剥離可能に固着され、また複数個の突起部13〜15の内、その目用及び口用の開口部5,6に対応する突起部13,14の上面に対して固着部13a,14a(図1に×印で示す)で易剥離可能に固着されている。なお、密封シート3の外周側は、周方向の複数個の固着部20a(図1に×印で示す)で易剥離可能に接着してもよい。なお、外周側の固着部20aは、摘まみ部を残して周方向の全周に設けても良い。
【0014】
密封シート3の上面には、顔パックの商品名、使用方法、原材料、注意事項、製造元等の必要事項が印刷されている。また皿状容器2の下面にも必要事項を印刷しても良い。なお、皿状容器2、密封シート3の少なくとも一方に、内部のゲル状組成物1を透視可能な透視窓を設けることが望ましい。例えば、皿状容器2を透明な合成樹脂シート材で構成した場合には、収容凹部10に対応する部分の全体を透視窓としても良いし、透視窓となる一部を残して他の部分を不透明なインクにより印刷しても良い。
【0015】
このような構成のゲル状組成物包装体4では、次のような利点がある。即ち、このゲル状組成物包装体4では、収容凹部10の開口側外周近傍のシール部18で密封シート3を皿状容器2の周縁部11に固着するだけでなく、収容凹部10の中間部分にある突起部13,14の上面に固着部13a,14aで固着しているため、密封シート3側が凹むように皿状容器2が変形した場合でも、密封シート3の中央部分が浮き上がるようなことがない。
【0016】
従って、ゲル状組成物1が顔パック用のように大きな場合でも、収容凹部10内でのゲル状組成物1の移動、それに伴うゲル状組成物1の損傷、変形等を未然に防止でき、その取り扱いも容易にできる。特に後述のように柔軟性に優れた水溶性ゲル基材によりゲル状組成物1を構成した場合でも、そのゲル状組成物1の損傷等を確実に防止できる。
【0017】
また突起部13,14はゲル状組成物1の開口部5,6用であり、その突起部13,14の上面に密封シート3を固着部13a,14aで固着すれば良いので、構造的にも非常に簡単である。また密封シート3は本来、収容凹部10の開口側外周のシール部18で周縁部11に易剥離可能にシールするものであり、そのシール部18と同様に固着部13a,14aで突起部13,14の上面に易剥離可能に固着すれば良いので、容易且つ安価に製造できると共に、密封シート3を剥離しての開封も容易にできる。
【0018】
しかも、顔パック用のゲル状組成物1の場合、左右一対の目、鼻及び口に夫々対応する開口部5〜7があり、また皿状容器2にもその各開口部5〜7に対応して複数個の突起部13〜15があるため、その複数個の突起部13〜15の何れかの上面に密封シート3を固着すれば良く、密封シート3の突起部13〜15に対する固着位置を任意に選択することができる。
【0019】
例えば、各目用の開口部5に対応する突起部13と、口用の開口部6に対応する突起部14は、収容凹部10の中央部に適当な間隔で分散して配置されているため、その各突起部13,14の上面に密封シート3を固着することにより、密封シート3の浮き上がり等を確実に防止できる。
【0020】
なお、収容凹部10内には周壁部11から離れて複数個の4個の突起部13〜15があるので、実施例に例示するように3個の突起部13,14に対して密封シート3を固着する他、その全ての突起部13〜15に対して密封シート3を固着しても良いし、突起部13〜15の何れか1個又は2個に対して密封シート3を固着しても良い。また固着部13a,14aは密封シート3の浮き上がり等を防止できれば良いので、スポット的な固着で十分であるが、点線状に間欠的、又は線状に連続的に固着しても良い。
【0021】
ゲル状組成物1を構成する水溶性ゲル基材は、例えばカラギーナン1.0〜1.5重量%、ローカストビーンガム0.4〜0.6重量%、水80.0重量%以上、多価アルコール5.0重量%以上を含有し、そのカラギーナンとローカストビーンガムとの合計配合量が2.0重量%以下とすることにより、保形性及び柔軟性に優れたものとすることができる。
【0022】
カラギーナンは、海藻である紅藻類から抽出・精製した水溶性の天然多糖類である。このカラギーナンは単独でゲル化能を有しているため、ゲル化材の基材として広く利用されている。しかし、カラギーナン単独での配合ではゲル化力が弱く、固くて脆いゲルができてしまい、保形性、柔軟性に乏しいものとなる。
【0023】
ローカストビーンガムは、豆科の多年性の常緑樹であるカブロ樹の種子の胚乳から得られた水溶性の天然高分子多糖類である。このローカストビーンガムは、単独でのゲル化能はないが、カラギーナンと併用することによって、カラギーナンのゲル化力を上げ、保形性を有するようになる。また増粘剤として利用されるため、水溶性ゲル基材の粘度を上げ柔軟性を有するものにできる。
【0024】
多価アルコールは、濃グリセリン、1,3−ブチレングリコール、1,3−プロピレングリコール等のことを云い、離水防止のためにも保水、保湿性物質として機能し、ゲル強度を出すことができる。
【0025】
なお、保湿剤、防腐剤、薬剤等の所要配合剤の添加は、溶液のゲル化により水溶性ゲル基材ができた後でもよい。保湿剤としては、水分を蓄えることのできるヒアルロン酸、水溶性コラーゲン、アミノ酸等を20%程度まで、また防腐剤としては、抗菌・抗カビ剤として働くパラベン、フェノキシエタノール等を0.3%程度まで、薬剤としては、抗酸化成分であるビタミンC誘導体等を5%程度まで夫々配合することが可能である。
【0026】
次に実験結果を図5及び図6に示す。図5の表はカラギーナンとローカストビーンガムとの合計配合量を2.0重量%とし、水及び多価アルコールの配合割合を変えて、水と多価アルコールとの関係を調べた結果を示す。図6の表は水80.0重量%以上、多価アルコール5.0重量%以上とし、カラギーナンとローカストビーンガムとの配合割合を変えて、カラギーナンとローカストビーンガムとの関係を調べた結果を示す。
【0027】
図5の表に示す割合で水と多価アルコールとを配合したが、水が79.0重量%以下ではカラギーナン、ローカストビーンガムは溶けず、溶液が固まらなかった。従って、カラギーナン、ローカストビーンガムを溶くためには、80.0重量%以上の水を配合する必要がある。
【0028】
多価アルコールは4.0重量%以下のときにはゲルが柔らかく伸びすぎてしまい、ゲル状組成物1用の水溶性ゲル基材として必要な保形性がなく、5.0重量%以上のときに所定の保形性が得られた。また水が80.0重量%を切らない程度までであれば、5.0重量%以上の多価アルコールを配合することが可能であった。
【0029】
そして、図5の表からも判るように、カラギーナンとローカストビーンガムとの配合量を2.0重量%とした場合には、水は80.0〜93.0重量%、多価アルコールは5.0〜18.0重量%のときに保形性、柔軟性に優れた水溶性ゲル基材が得られた。
【0030】
カラギーナンは単独で1.0重量%未満では溶液が固まらず、逆に1.5重量%を超えると、ローカストビーンガムを配合しても固く脆いゲルのままであった。またカラギーナンは1.0重量%未満でもローカストビーンガムの配合量によってはゲル化したが、ゲルが柔らかく、形を保つことができなかった。一方、カラギーナンは1.0〜1.5重量%のときに、所定のローカストビーンガムを配合することによりゲル状組成物1用の水溶性ゲル基材として必要な保形性、柔軟性が得られた。
【0031】
ローカストビーンガムはカラギーナン1.0〜1.5重量%に0.4〜0.6重量%を配合したときに、水溶性ゲル基材としての保形性、柔軟性を得ることができた。しかし、カラギーナンが1.0重量%未満のときは、ゲル化してもゲルが柔らかく、形を保つことができなかった。またローカストビーンガムを0.6重量%よりも多くすると、非常に溶け難かった。
【0032】
従って、カラギーナンとローカストビーンガムは、図6の表に示すように、水80.0重量%以上、多価アルコール5.0重量%以上のときには、カラギーナン1.0〜1.5重量%、ローカストビーンガム0.4〜0.6重量%の割合で配合することにより、水溶性ゲル基材として必要な保形性、柔軟性を得ることができた。またカラギーナンとローカストビーンガムとの合計配合量が2.0重量%を超えると溶け難くなった。
【0033】
この実験によれば、カラギーナン1.0〜1.5重量%、ローカストビーンガム0.4〜0.6重量%、水80.0重量%以上、多価アルコール5.0重量%以上を配合し、しかもカラギーナンとローカストビーンガムとの合計配合量を2.0重量%以下とすれば、保形性、柔軟性に優れた水溶性ゲル基材となることを確認できた。
【0034】
従って、このような配合割合の水溶性ゲル基材をゲル状組成物1に使用することにより、凹凸のある顔面等の固着部位でも、その凹凸形状に沿ってゲル状組成物1を密着状に固着でき、またその取り扱いも容易に行える利点がある。
【0035】
図7〜図11はゲル状組成物包装体4を製造する製造装置を例示する。この製造装置は、図7(A)(B)に示すように、搬送コンベア21に沿ってその上手側から下手側へと皿状容器材供給手段22、溶液注入手段23、保温トンネル24、冷却トンネル25、化粧液注入手段26、シート材案内手段27、シール手段28、切り取り手段29、排出コンベア30等が設けられている。
【0036】
搬送コンベア21は駆動輪と従動輪とに跨がって巻き掛けられた左右一対の搬送チェーン31を備え、その上に略等間隔おきに供給された皿状容器材32を間欠的に下手側へと搬送するようになっている。搬送チェーン31の搬送側は図8、図9に示すように、側枠35に固定された案内レール33により案内されている。また搬送チェーン31には、周方向に略等間隔をおいて送り爪34が設けられ、この送り爪34により皿状容器材32を係止するようになっている。
【0037】
皿状容器材32は図8、図9に示すように、左右の搬送チェーン31間に跨がる長さを有する長方形状であり、この皿状容器材32にはその長手方向に2個分の皿状容器2が熱成型等により予め成型されている。
【0038】
皿状容器材供給手段22は搬送コンベア21の停止時に、送り爪34の前側で左右の搬送チェーン31間に跨がって皿状容器材32を供給するためのもので、搬送コンベア21の上手側方に多数の皿状容器材32を積み重ねておき、その皿状容器材32を上側から1個ずつ取り出して搬送コンベア21上に供給するように構成されている。
【0039】
溶液注入手段23は、搬送コンベア21の停止時に搬送コンベア21上の皿状容器材32の各収容凹部10に対してゲル状組成物1用の溶液を注入するためのものである。そして、この溶液注入手段23は図10、図11に示すように、溶液が入る中空体36の下面側に、皿状容器材32の各収容凹部10に対応して複数個(多数個)の注入口37が形成され、その注入口37から各収容凹部10へと溶液をシャワー状に注入するようになっている。
【0040】
中空体36は左右両側又は片側の配管38、開閉弁39を介して溶液供給源40に接続されている。注入口37は図1に二点鎖線で示すように、各皿状容器2の収容凹部10に対応して複数個が略均等に分散して配置されており、その複数個の注入口37から収容凹部10へと溶液を滴下させて注入するようになっている。
【0041】
中空体36内には、各収容凹部10毎に注入口37を開閉する弁体42が昇降自在に設けられている。弁体42は昇降体43と、この昇降体43の下面に装着され且つ各注入口37に対応して突部44が形成されたゴム等の弾性体45とを備え、下降時に突部44で注入口37を塞ぐようになっている。昇降体43はシリンダ46のピストンロッド47の下端に固定され、またシリンダ46はピストンロッド47を介して昇降体43を昇降駆動するように中空体36上に上下方向に固定されている。なお、溶液注入手段23には、溶液を80℃程度に保温又は加温するためのヒータ48が、中空体36の上側でシリンダ46の左右両側等の適当箇所に設けられている。
【0042】
保温トンネル24は溶液注入手段23の下手側に搬送コンベア21を取り囲むように設けられており、温風発生機50からの温風により、注入後の溶液が収容凹部10の全体に均等に行き渡るまで搬送コンベア21上の皿状容器材32、溶液等を所定温度に加温又は保温するようになっている。なお、溶液注入手段23は、この保温トンネル24内の上手側に配置しても良い。また溶液注入手段23用の保温トンネル24は、それ専用として別に設けても良い。
【0043】
冷却トンネル25は搬送コンベア21を取り囲むように設けられており、皿状容器材32が冷却トンネル25を通過する間に、冷却機51からの冷風により溶液をゲル化させてゲル状組成物1となるようにしている。
【0044】
化粧液注入手段26はゲル状組成物1の上から収容凹部10へと所定量の化粧液を注入するためのものであり、溶液注入手段23と同様に構成されている。なお、化粧液注入手段26では、溶液の注入時のようにヒータ48等は不要である。また注入口は突起部13〜15の位置を避けて複数個設けることが望ましいが、その数は溶液注入手段23の注入口37よりも少なくても良い。
【0045】
シート材案内手段27は密封シート3用のシート材52を案内する案内ローラ53を有し、化粧液の注入後の皿状容器材32上に案内ローラ53を介してシート材52を重ね合わせるようになっている。シール手段28は上下一対のシールローラ54を有し、皿状容器材32とシート材52とを上下両側から挟んでシール部18及び固着部13a,14a,20aでシート材52を皿状容器材32に固着するようになっている。
【0046】
切り取り手段29は上下一対の切り取りローラ55を有し、皿状容器材32とシート材52とを上下両側から挟んで各ゲル状組成物包装体4毎に皿状容器材32及びシート材52を切り取るようになっている。切り取り後のトリム56は上側に回収され、またゲル状組成物包装体4は製品として排出コンベア30により排出されて行く。
【0047】
なお、各手段22,23,26〜29は搬送コンベア21の間欠動作と同期して作動し、皿状容器材供給手段22、溶液注入手段23、化粧液注入手段26は搬送コンベア21の停止時に皿状容器材32の供給、溶液の注入、化粧液の注入を夫々行い、またシート材案内手段27、シール手段28、切り取り手段29は搬送コンベア21の送り時にシート材52の案内、シール部18等のシール、ゲル状組成物包装体4の切り取りを行う。
【0048】
ゲル状組成物包装体4の製造に際しては、先ずゲル状組成物1の溶液を準備する。この溶液は例えば濃グリセリン、1,3−ブチレングリコール、1,3−プロピレングリコール等の多価アルコールを略80℃に加熱し、これにカラギーナン及びローカストビーンガムの全量を徐々に加えながら、ダマができないように水の半分ほどを徐々に加え、その後に保湿剤(又は化粧液)、防腐剤、薬剤等の所定の配合剤を順次加えて、最後に残った水を加える等して作る。
【0049】
おな、カラギーナン、ローカストビーンガムは予め混ぜておいてもよい。また水は先の水添加工程で全量を加え、その後に配合剤を順次加えてもよい。これらの作業は、常に略80℃に加熱し攪拌しながら行う。またカラギーナン、ローカストビーンガム等が全部溶けて透明になった溶液を使用する。
【0050】
一方、皿状容器材供給手段22により搬送コンベア21上に供給された皿状容器材32を順次間欠的に送りながら、溶液供給手段23の直下で停止した皿状容器材32の各収容凹部10に対して複数の注入口37から溶液をシャワー状に注入する(溶液注入工程)。そして、保温トンネル24で溶液の温度を保ちながら、皿状容器材32が保温トンネル24を通過するまでの間に、収容凹部10内の全体に溶液を略均等にならして行く(ならし工程)。
【0051】
このように溶液注入手段23の注入口37を収容凹部10の全体に分散して複数個配置し、その各注入口37から収容凹部10へと溶液をシャワー状に注入することにより、所定量の溶液を短時間でスムーズに注入でき、しかも収容凹部10が浅いにも拘わらず注入時の溶液のこぼれ等も防止できる。
【0052】
また複数個の注入口37が略均等に分散しているため、収容凹部10内に複数個の突起部があるにも拘らず、その突起部に関係なく溶液を比較的短時間で全体に行き渡らせることができる。しかも溶液の注入後に皿状容器材32が保温トンネル24を通過する間、溶液を加温又は保温するため、溶液をより均一にならすことができる。
【0053】
収容凹部10内の溶液が均一化した後、冷却トンネル25を通過する間に溶液をゲル化する(冷却、成型工程)。これによって開口部5〜7、切り欠き部8,9を有する顔パック用のシート状のゲル状組成物1を成型できる。次に化粧液注入手段26により、ゲル状組成物1上から収容凹部10内に所定量の化粧液をシャワー状に注入する(化粧液注入工程)。
【0054】
続いてシート材案内手段27において、その案内ローラ53を経てシート材52を皿状容器材32上に重ね合わせた後、シール手段28の一対のシールローラ54によりシール部18及び固着部13a,14a,20aでシート材52を皿状容器材32にシールし固着する(密封工程)。そして、切り取り手段29の一対の切り取りローラ55によりゲル状組成物包装体4の外周側で皿状容器材32及びシート材を切り取る(切り取り工程)。これによって皿状容器2の収容凹部10内にゲル状組成物1、化粧液が収容され、その開口側が密封シート3で密封されたゲル状組成物包装体4を製造でき、そのゲル状組成物包装体4を製品として排出コンベア30により排出する。
【0055】
図12は本発明の別の実施例を例示する。このゲル状組成物1には、その一側面の略全面に細かい凹凸部1aが形成されている。このようにすれば、パックに際してゲル状組成物1の凹凸部1a側を顔面に当てることにより、ゲル状組成物1の顔面からの滑り落ちを防止できる。またゲル状組成物1の顔面に当てる側に凹凸部1aあり、その表面積が大になっているため、ゲル状組成物1に対する保湿剤等の付着量もそれだけ多くできる。
【0056】
更にゲル状組成物1は、図1に二点鎖線で示すように、収容凹部10の底面の略全域に、溝10a,10bで区画された角錐状の突部10cを設ける等、多数の凹凸部10dが形成された皿状容器2を使用し、その収容凹部10に所定の溶液を流し込んでゲル化させることによって容易に製造できる。
【0057】
以上、本発明の実施例について詳述したが、この実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、実施例では顔面の略全体を対象とする顔パック用のゲル状組成物1を例示しているが、ゲル状組成物1は顔面の一部分を対象とするパック用は勿論のこと、顔以外の部分を対象とするパック用でも良い。
【0058】
またゲル状組成物1は、例えばカラギーナン1.0〜1.5重量%、ローカストビーンガム0.4〜0.6重量%、水80.0重量%以上、多価アルコール5.0重量%以上を含有し、そのカラギーナンとローカストビーンガムとの合計配合量が2.0重量%以下とした水溶性ゲル基材を例示しているが、水溶性以外のものでも良い。
【0059】
実施例では2個の皿状容器2を有する皿状容器材32を例示しているが、皿状容器材32に3個以上の皿状容器2を設けても良いし、皿状容器材32の皿状容器2を1個としても良い。また製造装置は合成樹脂シート材の原反を用いて皿状容器2を成型し、その皿状容器2の収容凹部10に溶液を注入するようにしても良い。
【0060】
製造ラインは、皿状容器材32を間欠的に搬送するものの他、皿状容器材32を連続的に搬送するものでも良い。その場合、溶液注入手段23、化粧液注入手段26は皿状容器材32の搬送に同期して回転しながら溶液、化粧液を注入するように構成すれば良い。また間欠式の場合にも、シール手段28、切り取り手段29は実施例に例示の回転式の他、上下一対の金型を備えたレシプロ式のものでも良い。更にゲル状組成物1の溶液と一緒に化粧液を配合し、溶液注入手段23その両者を一緒に収容凹部10に注入しても良い。
【0061】
更に実施例では、パック用ゲル状組成物1を皿状容器2、密封シート3により包装したパック用ゲル状組成物包装体4について例示したが、開口部を有するゲル状組成物1を皿状容器2、密封シート3により包装したものであれば、パック用の他、食用のゲル状組成物等でも同様に実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の一実施例を示すゲル状組成物包装体の平面図である。
【図2】図1のX−X線断面図である。
【図3】図1のY−Y線断面図である。
【図4】本発明の一実施例を示すゲル状組成物の平面図である。
【図5】本発明の一実施例を示す水と多価アルコールとの関係の表である。
【図6】本発明の一実施例を示すカラギーナンとローカストビーンガムとの関係の表である。
【図7】(A)は本発明の一実施例を示す製造装置の概略平面図、(B)はその概略正面図である。
【図8】本発明の一実施例を示す皿状容器材及び搬送コンベア等の平面図である。
【図9】本発明の一実施例を示す皿状容器材及び搬送コンベア等の断面図である。
【図10】本発明の一実施例を示す溶液注入手段、保温トンネル等の側面図である。
【図11】本発明の一実施例を示す溶液注入手段の断面図である。
【図12】本発明の別の実施例を示すゲル状組成物の断面図である。
【符号の説明】
【0063】
1 ゲル状組成物組成物
2 皿状容器
3 密封シート
4 ゲル状組成物包装体
5〜7 開口部
10 収容凹部
13〜15 突起部
18 シール部
37 注入口
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲル状組成物包装体及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
口唇及びその周辺等の顔面の所要部位をパックする際に使用するパック材には、シート状のゲル状組成物に薬用成分及び/又は化粧用成分を配合したものが使用されている。この種のゲル状組成物には、収容凹部の中間に突起部を有する皿状容器を用い、その収容凹部にゲル状組成物の溶液を注入しゲル化した後、開口側外周のシール部で密封シートを皿状容器に易剥離可能に固着し密封して1個のゲル状組成物包装体としたものがある(特許文献1)。
【特許文献1】特開2005−120043号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このようなゲル状組成物包装体は、製造工程において皿状容器に溶液を入れてゲル化することにより、所定形状のゲル状組成物を簡便に製造できるだけでなく、皿状容器に入ったゲル状組成物を包装袋等に入れて密封する場合に比して、包装袋等を使用する必要がなく材料の無駄を省き製造コストを低減できる利点がある。
【0004】
しかし、従来は、収容凹部内のゲル状組成物が薄いシートであるにも拘わらず、開口の外周側のシール部で密封シートを皿状容器に固着しただけの構造であるため、物流その他での取り扱い時に、密封シート側が凹むように皿状容器が湾曲すれば、収容凹部内でゲル状組成物が移動して変形したり、ゲル状組成物が片側に移動してその一部にシワができたりする等の惧れがある。特に顔パック用等のような大きなゲル状組成物の場合にはその傾向が顕著であり、慎重に取り扱う必要があった。
【0005】
本発明は、このような従来の問題点に鑑み、皿状容器の収容凹部内でのゲル状組成物の移動、それに伴うゲル状組成物の損傷等を確実に防止できると共に,簡単な構造で容易且つ安価に実施することができるゲル状組成物包装体及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、収容凹部10の中間に開口部5〜7用の突起部13〜15が設けられた皿状容器2に、前記突起部13〜15に嵌合する開口部5〜7を有するゲル状組成物1を収容し、前記収容凹部10の開口側外周のシール部18で前記皿状容器2に易剥離可能に密封シート3を固着して前記開口を密封したゲル状組成物包装体において、前記突起部13〜15の上面に前記密封シート3を易剥離可能に固着したものである。
【0007】
また別の本発明は、収容凹部10の中間に上側へと突出する突起部13〜15を有する皿状容器2の前記収容凹部10内に、分散して配置された複数個の注入口37からパック用のゲル状組成物1の溶液を注入する注入工程と、皿状容器2内の溶液をゲル化して前記ゲル状組成物1を成型する成型工程と、その後に前記収容凹部10の開口側外周の全周及び前記突起部13〜15の上面に密封シート3を易剥離可能に固着して密封する密封工程とを含むものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明では、皿状容器2の収容凹部10内でのゲル状組成物1の移動、それに伴うゲル状組成物1の損傷等を確実に防止できると共に,簡単な構造で容易且つ安価に実施でき、またその製造も容易にできる。る
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。図1は顔面の略全体を対象として使用する顔パック用のゲル状組成物1を皿状容器2に入れて、その開口側を密封シート3で密封したゲル状組成物包装体4を示し、図4はそのゲル状組成物1の形状を示す。
【0010】
ゲル状組成物1は人の顔面に対応する大きさ、形状を有するシート状であって、例えば略円形状に形成されている。このゲル状組成物1は薬剤成分及び/又は化粧成分、例えば保湿剤、その他のパック用化粧液と共に皿状容器2に入れて密封シート3により密封されている。そして、使用に際しては、密封シート3を剥がして化粧液が付着した状態のゲル状組成物1を皿状容器2から取り出して顔面に貼着する。
【0011】
ゲル状組成物1は例えば水溶性ゲル基材により構成され、図4に示すように、中央上部に顔面の目に対応する左右一対の開口部5が横方向に、下部に口に対応する開口部6が左右方向の下向き円弧状又は横方向に夫々形成され、その両者間の略中央に鼻の下側から左右両側に対応する開口部7が略U字状に形成されている。なお、鼻に対応する開口部7はスリット状でも良い。また外周側には、左右の頬に対応する切り欠き部8と、顎の左右両側に対応する切り欠き部9とが略放射方向に夫々形成されている。
【0012】
皿状容器2は所定の保形性を有する透明、半透明又は不透明な合成樹脂シート材を使用して、この合成樹脂シート材を熱成型等により偏平な皿状に成型したものである。そして、この皿状容器2は図1〜図3に示すように、ゲル状組成物1及び化粧液を収容する収容凹部10と、収容凹部10を取り囲む周縁部11と、収容凹部10内の中間部分にゲル状組成物1の各開口部5〜7に対応して形成された複数個の突起部13〜15と、ゲル状組成物1の各切り欠き部8,9に対応して周縁部11に連続するように収容凹部10内に形成された突起部16,17とを有する。各突起部13〜17は収容凹部10の底面から上側へと突出し、その上面は周縁部11の上面と略同一高さの平坦面となっている。なお、突起部13〜17の上面は周縁部11の上面よりも若干高くするか、又は若干低くしても良い。
【0013】
密封シート3はイージーピールフィルム等の単体フィルム、アルミ泊にイージーピールフィルムをラミネートした複合フィルム等の密封性を有する合成樹脂シートにより構成されている。そして、この密封シート3は皿状容器2の開口側の外周近傍の周縁部11に対して周方向の全周のシール部18(図1の点線部分を参照)で易剥離可能に固着され、また複数個の突起部13〜15の内、その目用及び口用の開口部5,6に対応する突起部13,14の上面に対して固着部13a,14a(図1に×印で示す)で易剥離可能に固着されている。なお、密封シート3の外周側は、周方向の複数個の固着部20a(図1に×印で示す)で易剥離可能に接着してもよい。なお、外周側の固着部20aは、摘まみ部を残して周方向の全周に設けても良い。
【0014】
密封シート3の上面には、顔パックの商品名、使用方法、原材料、注意事項、製造元等の必要事項が印刷されている。また皿状容器2の下面にも必要事項を印刷しても良い。なお、皿状容器2、密封シート3の少なくとも一方に、内部のゲル状組成物1を透視可能な透視窓を設けることが望ましい。例えば、皿状容器2を透明な合成樹脂シート材で構成した場合には、収容凹部10に対応する部分の全体を透視窓としても良いし、透視窓となる一部を残して他の部分を不透明なインクにより印刷しても良い。
【0015】
このような構成のゲル状組成物包装体4では、次のような利点がある。即ち、このゲル状組成物包装体4では、収容凹部10の開口側外周近傍のシール部18で密封シート3を皿状容器2の周縁部11に固着するだけでなく、収容凹部10の中間部分にある突起部13,14の上面に固着部13a,14aで固着しているため、密封シート3側が凹むように皿状容器2が変形した場合でも、密封シート3の中央部分が浮き上がるようなことがない。
【0016】
従って、ゲル状組成物1が顔パック用のように大きな場合でも、収容凹部10内でのゲル状組成物1の移動、それに伴うゲル状組成物1の損傷、変形等を未然に防止でき、その取り扱いも容易にできる。特に後述のように柔軟性に優れた水溶性ゲル基材によりゲル状組成物1を構成した場合でも、そのゲル状組成物1の損傷等を確実に防止できる。
【0017】
また突起部13,14はゲル状組成物1の開口部5,6用であり、その突起部13,14の上面に密封シート3を固着部13a,14aで固着すれば良いので、構造的にも非常に簡単である。また密封シート3は本来、収容凹部10の開口側外周のシール部18で周縁部11に易剥離可能にシールするものであり、そのシール部18と同様に固着部13a,14aで突起部13,14の上面に易剥離可能に固着すれば良いので、容易且つ安価に製造できると共に、密封シート3を剥離しての開封も容易にできる。
【0018】
しかも、顔パック用のゲル状組成物1の場合、左右一対の目、鼻及び口に夫々対応する開口部5〜7があり、また皿状容器2にもその各開口部5〜7に対応して複数個の突起部13〜15があるため、その複数個の突起部13〜15の何れかの上面に密封シート3を固着すれば良く、密封シート3の突起部13〜15に対する固着位置を任意に選択することができる。
【0019】
例えば、各目用の開口部5に対応する突起部13と、口用の開口部6に対応する突起部14は、収容凹部10の中央部に適当な間隔で分散して配置されているため、その各突起部13,14の上面に密封シート3を固着することにより、密封シート3の浮き上がり等を確実に防止できる。
【0020】
なお、収容凹部10内には周壁部11から離れて複数個の4個の突起部13〜15があるので、実施例に例示するように3個の突起部13,14に対して密封シート3を固着する他、その全ての突起部13〜15に対して密封シート3を固着しても良いし、突起部13〜15の何れか1個又は2個に対して密封シート3を固着しても良い。また固着部13a,14aは密封シート3の浮き上がり等を防止できれば良いので、スポット的な固着で十分であるが、点線状に間欠的、又は線状に連続的に固着しても良い。
【0021】
ゲル状組成物1を構成する水溶性ゲル基材は、例えばカラギーナン1.0〜1.5重量%、ローカストビーンガム0.4〜0.6重量%、水80.0重量%以上、多価アルコール5.0重量%以上を含有し、そのカラギーナンとローカストビーンガムとの合計配合量が2.0重量%以下とすることにより、保形性及び柔軟性に優れたものとすることができる。
【0022】
カラギーナンは、海藻である紅藻類から抽出・精製した水溶性の天然多糖類である。このカラギーナンは単独でゲル化能を有しているため、ゲル化材の基材として広く利用されている。しかし、カラギーナン単独での配合ではゲル化力が弱く、固くて脆いゲルができてしまい、保形性、柔軟性に乏しいものとなる。
【0023】
ローカストビーンガムは、豆科の多年性の常緑樹であるカブロ樹の種子の胚乳から得られた水溶性の天然高分子多糖類である。このローカストビーンガムは、単独でのゲル化能はないが、カラギーナンと併用することによって、カラギーナンのゲル化力を上げ、保形性を有するようになる。また増粘剤として利用されるため、水溶性ゲル基材の粘度を上げ柔軟性を有するものにできる。
【0024】
多価アルコールは、濃グリセリン、1,3−ブチレングリコール、1,3−プロピレングリコール等のことを云い、離水防止のためにも保水、保湿性物質として機能し、ゲル強度を出すことができる。
【0025】
なお、保湿剤、防腐剤、薬剤等の所要配合剤の添加は、溶液のゲル化により水溶性ゲル基材ができた後でもよい。保湿剤としては、水分を蓄えることのできるヒアルロン酸、水溶性コラーゲン、アミノ酸等を20%程度まで、また防腐剤としては、抗菌・抗カビ剤として働くパラベン、フェノキシエタノール等を0.3%程度まで、薬剤としては、抗酸化成分であるビタミンC誘導体等を5%程度まで夫々配合することが可能である。
【0026】
次に実験結果を図5及び図6に示す。図5の表はカラギーナンとローカストビーンガムとの合計配合量を2.0重量%とし、水及び多価アルコールの配合割合を変えて、水と多価アルコールとの関係を調べた結果を示す。図6の表は水80.0重量%以上、多価アルコール5.0重量%以上とし、カラギーナンとローカストビーンガムとの配合割合を変えて、カラギーナンとローカストビーンガムとの関係を調べた結果を示す。
【0027】
図5の表に示す割合で水と多価アルコールとを配合したが、水が79.0重量%以下ではカラギーナン、ローカストビーンガムは溶けず、溶液が固まらなかった。従って、カラギーナン、ローカストビーンガムを溶くためには、80.0重量%以上の水を配合する必要がある。
【0028】
多価アルコールは4.0重量%以下のときにはゲルが柔らかく伸びすぎてしまい、ゲル状組成物1用の水溶性ゲル基材として必要な保形性がなく、5.0重量%以上のときに所定の保形性が得られた。また水が80.0重量%を切らない程度までであれば、5.0重量%以上の多価アルコールを配合することが可能であった。
【0029】
そして、図5の表からも判るように、カラギーナンとローカストビーンガムとの配合量を2.0重量%とした場合には、水は80.0〜93.0重量%、多価アルコールは5.0〜18.0重量%のときに保形性、柔軟性に優れた水溶性ゲル基材が得られた。
【0030】
カラギーナンは単独で1.0重量%未満では溶液が固まらず、逆に1.5重量%を超えると、ローカストビーンガムを配合しても固く脆いゲルのままであった。またカラギーナンは1.0重量%未満でもローカストビーンガムの配合量によってはゲル化したが、ゲルが柔らかく、形を保つことができなかった。一方、カラギーナンは1.0〜1.5重量%のときに、所定のローカストビーンガムを配合することによりゲル状組成物1用の水溶性ゲル基材として必要な保形性、柔軟性が得られた。
【0031】
ローカストビーンガムはカラギーナン1.0〜1.5重量%に0.4〜0.6重量%を配合したときに、水溶性ゲル基材としての保形性、柔軟性を得ることができた。しかし、カラギーナンが1.0重量%未満のときは、ゲル化してもゲルが柔らかく、形を保つことができなかった。またローカストビーンガムを0.6重量%よりも多くすると、非常に溶け難かった。
【0032】
従って、カラギーナンとローカストビーンガムは、図6の表に示すように、水80.0重量%以上、多価アルコール5.0重量%以上のときには、カラギーナン1.0〜1.5重量%、ローカストビーンガム0.4〜0.6重量%の割合で配合することにより、水溶性ゲル基材として必要な保形性、柔軟性を得ることができた。またカラギーナンとローカストビーンガムとの合計配合量が2.0重量%を超えると溶け難くなった。
【0033】
この実験によれば、カラギーナン1.0〜1.5重量%、ローカストビーンガム0.4〜0.6重量%、水80.0重量%以上、多価アルコール5.0重量%以上を配合し、しかもカラギーナンとローカストビーンガムとの合計配合量を2.0重量%以下とすれば、保形性、柔軟性に優れた水溶性ゲル基材となることを確認できた。
【0034】
従って、このような配合割合の水溶性ゲル基材をゲル状組成物1に使用することにより、凹凸のある顔面等の固着部位でも、その凹凸形状に沿ってゲル状組成物1を密着状に固着でき、またその取り扱いも容易に行える利点がある。
【0035】
図7〜図11はゲル状組成物包装体4を製造する製造装置を例示する。この製造装置は、図7(A)(B)に示すように、搬送コンベア21に沿ってその上手側から下手側へと皿状容器材供給手段22、溶液注入手段23、保温トンネル24、冷却トンネル25、化粧液注入手段26、シート材案内手段27、シール手段28、切り取り手段29、排出コンベア30等が設けられている。
【0036】
搬送コンベア21は駆動輪と従動輪とに跨がって巻き掛けられた左右一対の搬送チェーン31を備え、その上に略等間隔おきに供給された皿状容器材32を間欠的に下手側へと搬送するようになっている。搬送チェーン31の搬送側は図8、図9に示すように、側枠35に固定された案内レール33により案内されている。また搬送チェーン31には、周方向に略等間隔をおいて送り爪34が設けられ、この送り爪34により皿状容器材32を係止するようになっている。
【0037】
皿状容器材32は図8、図9に示すように、左右の搬送チェーン31間に跨がる長さを有する長方形状であり、この皿状容器材32にはその長手方向に2個分の皿状容器2が熱成型等により予め成型されている。
【0038】
皿状容器材供給手段22は搬送コンベア21の停止時に、送り爪34の前側で左右の搬送チェーン31間に跨がって皿状容器材32を供給するためのもので、搬送コンベア21の上手側方に多数の皿状容器材32を積み重ねておき、その皿状容器材32を上側から1個ずつ取り出して搬送コンベア21上に供給するように構成されている。
【0039】
溶液注入手段23は、搬送コンベア21の停止時に搬送コンベア21上の皿状容器材32の各収容凹部10に対してゲル状組成物1用の溶液を注入するためのものである。そして、この溶液注入手段23は図10、図11に示すように、溶液が入る中空体36の下面側に、皿状容器材32の各収容凹部10に対応して複数個(多数個)の注入口37が形成され、その注入口37から各収容凹部10へと溶液をシャワー状に注入するようになっている。
【0040】
中空体36は左右両側又は片側の配管38、開閉弁39を介して溶液供給源40に接続されている。注入口37は図1に二点鎖線で示すように、各皿状容器2の収容凹部10に対応して複数個が略均等に分散して配置されており、その複数個の注入口37から収容凹部10へと溶液を滴下させて注入するようになっている。
【0041】
中空体36内には、各収容凹部10毎に注入口37を開閉する弁体42が昇降自在に設けられている。弁体42は昇降体43と、この昇降体43の下面に装着され且つ各注入口37に対応して突部44が形成されたゴム等の弾性体45とを備え、下降時に突部44で注入口37を塞ぐようになっている。昇降体43はシリンダ46のピストンロッド47の下端に固定され、またシリンダ46はピストンロッド47を介して昇降体43を昇降駆動するように中空体36上に上下方向に固定されている。なお、溶液注入手段23には、溶液を80℃程度に保温又は加温するためのヒータ48が、中空体36の上側でシリンダ46の左右両側等の適当箇所に設けられている。
【0042】
保温トンネル24は溶液注入手段23の下手側に搬送コンベア21を取り囲むように設けられており、温風発生機50からの温風により、注入後の溶液が収容凹部10の全体に均等に行き渡るまで搬送コンベア21上の皿状容器材32、溶液等を所定温度に加温又は保温するようになっている。なお、溶液注入手段23は、この保温トンネル24内の上手側に配置しても良い。また溶液注入手段23用の保温トンネル24は、それ専用として別に設けても良い。
【0043】
冷却トンネル25は搬送コンベア21を取り囲むように設けられており、皿状容器材32が冷却トンネル25を通過する間に、冷却機51からの冷風により溶液をゲル化させてゲル状組成物1となるようにしている。
【0044】
化粧液注入手段26はゲル状組成物1の上から収容凹部10へと所定量の化粧液を注入するためのものであり、溶液注入手段23と同様に構成されている。なお、化粧液注入手段26では、溶液の注入時のようにヒータ48等は不要である。また注入口は突起部13〜15の位置を避けて複数個設けることが望ましいが、その数は溶液注入手段23の注入口37よりも少なくても良い。
【0045】
シート材案内手段27は密封シート3用のシート材52を案内する案内ローラ53を有し、化粧液の注入後の皿状容器材32上に案内ローラ53を介してシート材52を重ね合わせるようになっている。シール手段28は上下一対のシールローラ54を有し、皿状容器材32とシート材52とを上下両側から挟んでシール部18及び固着部13a,14a,20aでシート材52を皿状容器材32に固着するようになっている。
【0046】
切り取り手段29は上下一対の切り取りローラ55を有し、皿状容器材32とシート材52とを上下両側から挟んで各ゲル状組成物包装体4毎に皿状容器材32及びシート材52を切り取るようになっている。切り取り後のトリム56は上側に回収され、またゲル状組成物包装体4は製品として排出コンベア30により排出されて行く。
【0047】
なお、各手段22,23,26〜29は搬送コンベア21の間欠動作と同期して作動し、皿状容器材供給手段22、溶液注入手段23、化粧液注入手段26は搬送コンベア21の停止時に皿状容器材32の供給、溶液の注入、化粧液の注入を夫々行い、またシート材案内手段27、シール手段28、切り取り手段29は搬送コンベア21の送り時にシート材52の案内、シール部18等のシール、ゲル状組成物包装体4の切り取りを行う。
【0048】
ゲル状組成物包装体4の製造に際しては、先ずゲル状組成物1の溶液を準備する。この溶液は例えば濃グリセリン、1,3−ブチレングリコール、1,3−プロピレングリコール等の多価アルコールを略80℃に加熱し、これにカラギーナン及びローカストビーンガムの全量を徐々に加えながら、ダマができないように水の半分ほどを徐々に加え、その後に保湿剤(又は化粧液)、防腐剤、薬剤等の所定の配合剤を順次加えて、最後に残った水を加える等して作る。
【0049】
おな、カラギーナン、ローカストビーンガムは予め混ぜておいてもよい。また水は先の水添加工程で全量を加え、その後に配合剤を順次加えてもよい。これらの作業は、常に略80℃に加熱し攪拌しながら行う。またカラギーナン、ローカストビーンガム等が全部溶けて透明になった溶液を使用する。
【0050】
一方、皿状容器材供給手段22により搬送コンベア21上に供給された皿状容器材32を順次間欠的に送りながら、溶液供給手段23の直下で停止した皿状容器材32の各収容凹部10に対して複数の注入口37から溶液をシャワー状に注入する(溶液注入工程)。そして、保温トンネル24で溶液の温度を保ちながら、皿状容器材32が保温トンネル24を通過するまでの間に、収容凹部10内の全体に溶液を略均等にならして行く(ならし工程)。
【0051】
このように溶液注入手段23の注入口37を収容凹部10の全体に分散して複数個配置し、その各注入口37から収容凹部10へと溶液をシャワー状に注入することにより、所定量の溶液を短時間でスムーズに注入でき、しかも収容凹部10が浅いにも拘わらず注入時の溶液のこぼれ等も防止できる。
【0052】
また複数個の注入口37が略均等に分散しているため、収容凹部10内に複数個の突起部があるにも拘らず、その突起部に関係なく溶液を比較的短時間で全体に行き渡らせることができる。しかも溶液の注入後に皿状容器材32が保温トンネル24を通過する間、溶液を加温又は保温するため、溶液をより均一にならすことができる。
【0053】
収容凹部10内の溶液が均一化した後、冷却トンネル25を通過する間に溶液をゲル化する(冷却、成型工程)。これによって開口部5〜7、切り欠き部8,9を有する顔パック用のシート状のゲル状組成物1を成型できる。次に化粧液注入手段26により、ゲル状組成物1上から収容凹部10内に所定量の化粧液をシャワー状に注入する(化粧液注入工程)。
【0054】
続いてシート材案内手段27において、その案内ローラ53を経てシート材52を皿状容器材32上に重ね合わせた後、シール手段28の一対のシールローラ54によりシール部18及び固着部13a,14a,20aでシート材52を皿状容器材32にシールし固着する(密封工程)。そして、切り取り手段29の一対の切り取りローラ55によりゲル状組成物包装体4の外周側で皿状容器材32及びシート材を切り取る(切り取り工程)。これによって皿状容器2の収容凹部10内にゲル状組成物1、化粧液が収容され、その開口側が密封シート3で密封されたゲル状組成物包装体4を製造でき、そのゲル状組成物包装体4を製品として排出コンベア30により排出する。
【0055】
図12は本発明の別の実施例を例示する。このゲル状組成物1には、その一側面の略全面に細かい凹凸部1aが形成されている。このようにすれば、パックに際してゲル状組成物1の凹凸部1a側を顔面に当てることにより、ゲル状組成物1の顔面からの滑り落ちを防止できる。またゲル状組成物1の顔面に当てる側に凹凸部1aあり、その表面積が大になっているため、ゲル状組成物1に対する保湿剤等の付着量もそれだけ多くできる。
【0056】
更にゲル状組成物1は、図1に二点鎖線で示すように、収容凹部10の底面の略全域に、溝10a,10bで区画された角錐状の突部10cを設ける等、多数の凹凸部10dが形成された皿状容器2を使用し、その収容凹部10に所定の溶液を流し込んでゲル化させることによって容易に製造できる。
【0057】
以上、本発明の実施例について詳述したが、この実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、実施例では顔面の略全体を対象とする顔パック用のゲル状組成物1を例示しているが、ゲル状組成物1は顔面の一部分を対象とするパック用は勿論のこと、顔以外の部分を対象とするパック用でも良い。
【0058】
またゲル状組成物1は、例えばカラギーナン1.0〜1.5重量%、ローカストビーンガム0.4〜0.6重量%、水80.0重量%以上、多価アルコール5.0重量%以上を含有し、そのカラギーナンとローカストビーンガムとの合計配合量が2.0重量%以下とした水溶性ゲル基材を例示しているが、水溶性以外のものでも良い。
【0059】
実施例では2個の皿状容器2を有する皿状容器材32を例示しているが、皿状容器材32に3個以上の皿状容器2を設けても良いし、皿状容器材32の皿状容器2を1個としても良い。また製造装置は合成樹脂シート材の原反を用いて皿状容器2を成型し、その皿状容器2の収容凹部10に溶液を注入するようにしても良い。
【0060】
製造ラインは、皿状容器材32を間欠的に搬送するものの他、皿状容器材32を連続的に搬送するものでも良い。その場合、溶液注入手段23、化粧液注入手段26は皿状容器材32の搬送に同期して回転しながら溶液、化粧液を注入するように構成すれば良い。また間欠式の場合にも、シール手段28、切り取り手段29は実施例に例示の回転式の他、上下一対の金型を備えたレシプロ式のものでも良い。更にゲル状組成物1の溶液と一緒に化粧液を配合し、溶液注入手段23その両者を一緒に収容凹部10に注入しても良い。
【0061】
更に実施例では、パック用ゲル状組成物1を皿状容器2、密封シート3により包装したパック用ゲル状組成物包装体4について例示したが、開口部を有するゲル状組成物1を皿状容器2、密封シート3により包装したものであれば、パック用の他、食用のゲル状組成物等でも同様に実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の一実施例を示すゲル状組成物包装体の平面図である。
【図2】図1のX−X線断面図である。
【図3】図1のY−Y線断面図である。
【図4】本発明の一実施例を示すゲル状組成物の平面図である。
【図5】本発明の一実施例を示す水と多価アルコールとの関係の表である。
【図6】本発明の一実施例を示すカラギーナンとローカストビーンガムとの関係の表である。
【図7】(A)は本発明の一実施例を示す製造装置の概略平面図、(B)はその概略正面図である。
【図8】本発明の一実施例を示す皿状容器材及び搬送コンベア等の平面図である。
【図9】本発明の一実施例を示す皿状容器材及び搬送コンベア等の断面図である。
【図10】本発明の一実施例を示す溶液注入手段、保温トンネル等の側面図である。
【図11】本発明の一実施例を示す溶液注入手段の断面図である。
【図12】本発明の別の実施例を示すゲル状組成物の断面図である。
【符号の説明】
【0063】
1 ゲル状組成物組成物
2 皿状容器
3 密封シート
4 ゲル状組成物包装体
5〜7 開口部
10 収容凹部
13〜15 突起部
18 シール部
37 注入口
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容凹部(10)の中間に開口部(5〜7)用の突起部(13〜15)が設けられた皿状容器(2)に、前記突起部(13〜15)に嵌合する開口部(5〜7)を有するゲル状組成物(1)を収容し、前記収容凹部(10)の開口側外周のシール部(18)で前記皿状容器(2)に易剥離可能に密封シート(3)を固着して前記開口を密封したゲル状組成物包装体において、前記突起部(13〜15)の上面に前記密封シート(3)を易剥離可能に固着したことを特徴とするゲル状組成物包装体。
【請求項2】
前記ゲル状組成物(1)は左右一対の目、鼻及び口に夫々対応して前記開口部(5〜7)が形成された顔パック用であり、前記皿状容器(2)は前記各開口部(5〜7)に対応する形状の複数個の前記突起部(13〜15)を有し、該複数個の突起部(13〜15)の何れかの上面に前記密封シート(3)を易剥離可能に固着したことを特徴とする請求項1に記載のゲル状組成物包装体。
【請求項3】
少なくとも前記各目用の前記開口部(5)に対応する突起部(13)と、前記口用の前記開口部(6)に対応する突起部(14)との上面に前記密封シート(3)を易剥離可能に固着したことを特徴とする請求項2に記載のゲル状組成物包装体。
【請求項4】
収容凹部(10)の中間に上側へと突出する突起部(13〜15)を有する皿状容器(2)の前記収容凹部(10)内に、分散して配置された複数個の注入口(37)からパック用のゲル状組成物(1)の溶液を注入する注入工程と、皿状容器(2)内の溶液をゲル化して前記ゲル状組成物(1)を成型する成型工程と、その後に前記収容凹部(10)の開口側外周の全周及び前記突起部(13〜15)の上面に密封シート(3)を易剥離可能に固着して密封する密封工程とを含むことを特徴とするゲル状組成物包装体の製造方法。
【請求項5】
前記ゲル状組成物(1)の溶液を充填した後、温熱下で前記収容凹部(10)内の前記溶液をならすならし工程と、その後に冷却して前記溶液をゲル化する冷却工程とを含むことを特徴とする請求項4に記載のゲル状組成物包装体の製造方法。
【請求項1】
収容凹部(10)の中間に開口部(5〜7)用の突起部(13〜15)が設けられた皿状容器(2)に、前記突起部(13〜15)に嵌合する開口部(5〜7)を有するゲル状組成物(1)を収容し、前記収容凹部(10)の開口側外周のシール部(18)で前記皿状容器(2)に易剥離可能に密封シート(3)を固着して前記開口を密封したゲル状組成物包装体において、前記突起部(13〜15)の上面に前記密封シート(3)を易剥離可能に固着したことを特徴とするゲル状組成物包装体。
【請求項2】
前記ゲル状組成物(1)は左右一対の目、鼻及び口に夫々対応して前記開口部(5〜7)が形成された顔パック用であり、前記皿状容器(2)は前記各開口部(5〜7)に対応する形状の複数個の前記突起部(13〜15)を有し、該複数個の突起部(13〜15)の何れかの上面に前記密封シート(3)を易剥離可能に固着したことを特徴とする請求項1に記載のゲル状組成物包装体。
【請求項3】
少なくとも前記各目用の前記開口部(5)に対応する突起部(13)と、前記口用の前記開口部(6)に対応する突起部(14)との上面に前記密封シート(3)を易剥離可能に固着したことを特徴とする請求項2に記載のゲル状組成物包装体。
【請求項4】
収容凹部(10)の中間に上側へと突出する突起部(13〜15)を有する皿状容器(2)の前記収容凹部(10)内に、分散して配置された複数個の注入口(37)からパック用のゲル状組成物(1)の溶液を注入する注入工程と、皿状容器(2)内の溶液をゲル化して前記ゲル状組成物(1)を成型する成型工程と、その後に前記収容凹部(10)の開口側外周の全周及び前記突起部(13〜15)の上面に密封シート(3)を易剥離可能に固着して密封する密封工程とを含むことを特徴とするゲル状組成物包装体の製造方法。
【請求項5】
前記ゲル状組成物(1)の溶液を充填した後、温熱下で前記収容凹部(10)内の前記溶液をならすならし工程と、その後に冷却して前記溶液をゲル化する冷却工程とを含むことを特徴とする請求項4に記載のゲル状組成物包装体の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−66061(P2009−66061A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−235582(P2007−235582)
【出願日】平成19年9月11日(2007.9.11)
【出願人】(507304616)有限会社SPC (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月11日(2007.9.11)
【出願人】(507304616)有限会社SPC (3)
【Fターム(参考)】
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