説明

ゲートウェイ装置および回答情報収集システム

【課題】電話回線を使用せず、且つ、電話機を使用して、設問に対する回答情報を収集可能にする。
【解決手段】ゲートウェイ装置(GW)4は、設問に対する回答の内容を示す回答情報を収集するセンタ装置に回答情報を送信するゲートウェイ装置4であって、回答情報が記憶される回答情報記憶手段(調査案件DB461)と、ゲートウェイ装置4に割り当てられた電話機7を呼び出し、該電話機7に設問の音声を送信し、該電話機7から送信される回答情報を回答情報記憶手段(調査案件DB461)に記憶させる回答情報取得手段(制御部41)と、回答情報記憶手段から回答情報を読み出し、該回答情報を前記センタ装置に送信する回答情報送信手段(制御部41)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話回線を使用せず、且つ、電話機を使用して、設問に対する回答情報を収集可能にする技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来にあって、例えば、旅行会社に電話をかけ、旅行会社の音声自動応答装置から送信される音声の設問に対し、電話機のボタンを押して回答していけば、チケットの予約等が行えようになっている。
【0003】
また、音声自動応答装置は、電話による調査にも利用される。例えば、調査会社の管理の下に運用されるセンタ装置は、自動発信装置と音声自動応答装置を備え、自動発信装置から、一般の家庭に暮らす人(以下、協力者という)に電話をかけ、音声自動応答装置から送信される音声の設問に対し、協力者が電話機のボタンを押して回答していけば、センタ装置に回答情報が蓄積される。回答情報は、調査を依頼した依頼者に報告される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−217617号公報
【特許文献2】特開2002−64637号公報
【特許文献3】特開2002−133065号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、通常は、電話回線数は協力者数よりも少なく、電話回線はラウンドロビンに使用されるため、電話回線が空くまでの待ち合わせ時間が生じ、大量の協力者に電話をかけるには、長時間を要する。なお、時間短縮を図るべく、多数の電話回線を使用しても、自動発信装置の性能が高くないため、同時発信数を多くできず、時間短縮が困難である。また、依頼者などが協力者の電話番号を調べ、自動発信装置に登録する必要がある。また、電話料金が生じ、これを依頼者が支払うことで、依頼者の負担が増える。
【0006】
また、自動発信装置は、協力者の都合の悪い時間に発信してしまい、電話に出てもらえないことがある。
【0007】
また、利用者は、回答中に急な用事などがあっても、回答を一旦中断し、用事が済んでから再開することができない。
【0008】
また、例えば、20代女性のような特定の協力者に協力してもらうために、依頼者などがそのような協力者の電話番号を調べ、調査会社に報告して、自動発信装置に登録してもらう必要がある。
【0009】
すなわち、回答情報の収集に電話回線を使用すると、様々な問題がある一方、電話機はパーソナルコンピュータなどよりも使いやすく、その利点は大きい。
【0010】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的は、電話回線を使用せず、且つ、電話機を使用して、設問に対する回答情報を収集可能にする技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するために、本発明に係るゲートウェイ装置は、設問に対する回答の内容を示す回答情報を収集するセンタ装置に前記回答情報を送信するゲートウェイ装置であって、前記回答情報が記憶される回答情報記憶手段と、前記ゲートウェイ装置に割り当てられた電話機を呼び出し、該電話機に前記設問の音声を送信し、該電話機から送信される回答情報を前記回答情報記憶手段に記憶させる回答情報取得手段と、前記回答情報記憶手段から回答情報を読み出し、該回答情報を前記センタ装置に送信する回答情報送信手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る回答情報収集システムは、設問に対する回答の内容を示す回答情報を収集するセンタ装置と該センタ装置に前記回答情報を送信する複数のゲートウェイ装置とを含む回答情報収集システムであって、前記センタ装置は、前記各ゲートウェイ装置に割り当てられた電話機を使用する協力者に関する協力者情報が記憶される協力者情報記憶手段と、前記協力者情報記憶手段から所定の条件を満たす協力者情報を検索する協力者情報検索手段と、前記検索された協力者情報に対応する協力者に使用される電話機を割り当てられたゲートウェイ装置に前記設問の内容を通知する設問通知手段とを備え、前記ゲートウェイ装置は、前記回答情報が記憶される回答情報記憶手段と、前記設問の内容を通知されたなら、前記ゲートウェイ装置に割り当てられた電話機を呼び出し、該電話機に前記設問の音声を送信し、該電話機から送信される回答情報を前記回答情報記憶手段に記憶させる回答情報取得手段と、前記回答情報記憶手段から回答情報を読み出し、該回答情報を前記センタ装置に送信する回答情報送信手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、電話回線を使用せず、且つ、電話機を使用して、設問に対する回答情報を収集することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施の形態に係る回答情報収集システムの構成図である。
【図2】センタ装置1の構成を示すブロック図である。
【図3】各GW4の構成を示すブロック図である。
【図4】基本情報462の一例を示す図である。
【図5】調査実施情報463の一例を示す図である。
【図6】調査案件DB461に記憶される情報の一例を示す図である。
【図7】本実施の形態に係る回答情報システムの動作を示すシーケンス図である。
【図8】GW4の動作の一部を示すフローチャートである。
【図9】GW4の動作の一部を示すフローチャートである。
【図10】GW4の動作の一部を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0016】
図1は、本実施の形態に係る回答情報収集システムの構成図である。
【0017】
この回答情報収集システムは、例えば企業などの依頼者の依頼に基づいて、例えば調査会社などが、一般の家庭に暮らす人(以下、協力者という)に設問を設定し、趣向などを回答してもらい、その回答の内容を示す回答情報を収集し、依頼者に報告するために使用される。
【0018】
センタ装置1、センタ端末2は、例えば調査会社の管理の下に運用されるものであり、センタ端末2は、センタ装置1に接続され、センタ装置1は、インターネットなどの通信網3に接続されている。通信網3には、例えば各家庭などに設置されたゲートウェイ装置(以下、GWという)4が接続されている。GW4は、構内通信網(LAN)5を介して、GW4に割り当てられた通信端末(以下、協力者端末という)6に接続されている。また、各GW4は、協力者が使用する電話機7に接続されている。
【0019】
図2は、センタ装置1の構成を示すブロック図である。
【0020】
センタ装置1は、通信機能を有するコンピュータである。センタ装置1は、センタ装置1内の動作を制御する制御部11と、通信網3との通信のインタフェースである通信インタフェース(以下、インタフェースをIFと略す)12と、センタ端末2との通信のインタフェースである通信IF13と、各種情報を記憶する記憶部14を備える。記憶部14は、協力者データベース(以下、データベースをDBと略す)141と、調査案件DB142と、調査結果DB143を備える。制御部11は、本発明の協力者情報検索手段と設問通知手段に該当するものである。
【0021】
協力者DB141には、各GW4から送信される基本情報が格納される。協力者DB141は、本発明の協力者情報記憶手段に該当するものである。
【0022】
調査案件DB142には、調査の案件ごとに、(1)この調査を示す案件IDや依頼者(例では生活雑貨メーカ)などを示す基本情報、(2)調査の内容(例では首都圏に住む20代女性の休日の過ごし方)などを示す調査情報、(3)検索された各基本情報462に対応づけられたGWIDからなる配信先情報、(4)シナリオ、(5)ガイダンスデータを含む調査案件情報が格納される。
【0023】
調査結果DB143には、調査の案件ごとに、(1)集計情報と(2)協力者情報とからなる調査結果情報が格納される。
【0024】
図3は、各GW4の構成を示すブロック図である。
【0025】
GW4は、通信機能を有するコンピュータである。GW4は、GW4内の動作を制御する制御部41と、通信網3との通信のインタフェースである通信IF42と、構内通信網(LAN)5との通信のインタフェースである通信IF43と、電話機7との通信のインタフェースである通信IF44と、文章を音声に変換する文章音声変換部45と、各種情報を記憶する記憶部46を備える。記憶部46は、調査案件DB461を備え、基本情報462と、調査実施情報463を記憶している。制御部41は、本発明の回答情報取得手段、回答情報送信手段に該当するものである。
【0026】
図4は、基本情報462の一例を示す図である。
【0027】
基本情報462は、(1)電話機7の電話番号、(2)協力者の属性を示す属性情報、(3)協力者を特定するための個人情報を含む。(2)属性情報は、性別、年齢、職種などを含む。(3)個人情報は、住所、氏名などを含む。属性情報と個人情報は、本発明の協力者情報に該当するものである。
【0028】
図5は、調査実施情報463の一例を示す図である。
【0029】
調査実施情報463は、(1)GW4で実行されるコンピュータプログラム(以下、ゲートウェイプログラムという)を起動する時刻を示す起動時刻、(2)ゲートウェイプログラムを起動する周期を示す起動周期、(3)GW4に接続された電話機7を呼び出す、つまり鳴動させるときの鳴動の継続時間の長さを示す呼出継続時間、(4)電話機7を呼び出す周期を示す呼出周期、(5)電話機7を呼び出す最大の回数を示す呼出回数、(6)属性情報をセンタ装置1に送信して良い場合は「可」、そうでない場合は「不可」に設定される属性情報送信可否情報、(7)個人情報をセンタ装置1に送信して良い場合は「可」、そうでない場合は「不可」に設定される個人情報送信可否情報などを含む。調査実施情報463は、協力者の生活の態様などに応じて設定される。例えば、(1)起動時刻は、協力者が忙しくしていない時間に設定される。(1)起動時刻は、本発明のタイミング情報に該当するものであり、調査実施情報463は、本発明のタイミング情報記憶手段い該当するものである。
【0030】
図6は、調査案件DB461に記憶される情報の一例を示す図である。
【0031】
調査案件DB461には、1以上の調査案件情報が記憶される。各調査案件情報は、(1)対応する調査を示す案件識別情報(以下、案件IDという)、(2)対応する調査の状況を示す調査状況、(3)この調査案件情報がセンタ装置1に送信されたか否かを示す登録状況、(4)対応する調査において行われる各設問に対応づけて回答番号が格納される回答記憶情報を含む。回答番号は、回答の内容を示すものであり、本発明の回答情報に該当するものである。調査案件DB461は、本発明の回答情報記憶手段に該当するものである。
【0032】
調査状況は、調査を開始していないことを示す「未開始」、調査の途中であることを示す「途中」、調査が完了したことを示す「完了」、協力者が調査に協力せず、調査が実施されなかったことをを示す「未実施」のいずれかに設定される。
【0033】
登録状況は、調査案件情報がセンタ装置1に送信されたことを示す「登録済」、調査案件情報がセンタ装置1に送信されていないことを示す「未登録」のいずれかに設定される。
【0034】
図7は、本実施の形態に係る回答情報システムの動作を示すシーケンス図である。
【0035】
ステップS1:各協力者は、協力者端末6を操作して、基本情報462に格納されることとなる(1)電話番号、(2)属性情報および(3)個人情報、調査実施情報463に格納されることとなる(1)起動時刻〜(7)個人情報送信可否情報を入力し、GW4に送信させる。
【0036】
ステップS3:各GW4の制御部11は、これらを基本情報462、調査実施情報463に格納する。
【0037】
ステップS5:各GW4の制御部11は、調査実施情報463の(6)属性情報送信可否情報、(7)個人情報送信可否情報に応じて、例えば、電話番号と属性情報からなる基本情報、または、電話番号と属性情報と個人情報とからなる基本情報を、GW4を示す識別情報(以下、GWIDという)とともにセンタ装置1に送信する。
【0038】
ここでは、例えばGW4が、まず電話番号をセンタ装置1に送信し、センタ装置1が電話番号を記憶する。次に、センタ装置1が残りの基本情報をGW4に要求し、これに応じて、GW4が属性情報または属性情報と個人情報をセンタ装置1に送信する。
【0039】
なお、センタ装置1からの要求により、GW4は属性情報と個人情報を取得し、そしてセンタ装置1に送信してもよい。この際、センタ装置1は、属性情報と個人情報を取得するためのシナリオやガイダンスデータ(後述の回答情報を取得するためのシナリオ等と同様のもの)をGW4に送信し、GW4は、送信されたシナリオ等を使用して属性情報と個人情報を取得してもよい。
【0040】
また、協力者の年齢、職種、住所、忙しくしていない時間等は変わることがあるので、基本情報462、調査実施情報463は、変更可能とするのが好ましい。GW4の制御部11は、例えば、前述のような情報取得用のシナリオ等を使用して、年齢等を取得し、この年齢等が、基本情報462等に記憶された情報と違っていれば、取得した年齢等を基本情報462等に格納する。これにより、基本情報462等の内容変更が行える。
【0041】
また、例えば、依頼者によっては、通勤時間や1ヶ月の雑誌購入数等の追加情報を属性情報に含ませ、これにより、協力者を詳細に絞り込みたい場合がある。この場合、やはりGW4の制御部11は、例えば、依頼者からの依頼により作成されてセンタ装置1から送信された情報取得用のシナリオ等を使用して、通勤時間や1ヶ月の雑誌購入数等を取得し、これら情報を基本情報462等に格納する。これにより、例えば、依頼者により、属性情報への情報追加が行える。
【0042】
ステップS7:センタ装置1の制御部11は、各GW4から送信された基本情報をGWIDに対応づけて協力者DB141に格納する。これにより、
ステップS9:以下は例であるが、調査会社のオペレータは、依頼者である生活雑貨メーカから首都圏に住む20代女性の休日の過ごし方に関する調査の依頼があると、「首都圏に住む20代女性」という条件をセンタ端末2からセンタ装置1に入力し、センタ装置1では、制御部11が、条件に合致する基本情報462を協力者DB141から検索する。このとき、制御部11は、協力者情報検索手段として機能するのである。例えば、「首都圏」に住むか否かは、個人情報の住所または電話番号をもとに判定することができる。
【0043】
ステップS11:例えば、調査会社のシステムエンジニアは、「休日の過ごし方」に関する複数の設問の内容や順番などを規定するコンピュータプログラム(以下、シナリオという)をセンタ端末2で作成し、センタ装置1に送信する。
【0044】
ステップS13:例えば、調査会社のシステムエンジニアは、シナリオが実行されたときに再生される音声ファイルや音声ファイルに変換される文章ファイル(いずれのファイルであっても、以下において、ガイダンスデータという)をセンタ端末2で生成し、センタ装置1に送信する。
【0045】
ステップS15:センタ装置1の制御部11は、(1)この調査を示す案件IDや依頼者(例では生活雑貨メーカ)などを示す基本情報、(2)調査の内容(例では首都圏に住む20代女性の休日の過ごし方)などを示す調査情報、(3)検索された各基本情報462に対応づけられたGWIDからなる配信先情報、(4)シナリオ、(5)ガイダンスデータを含む調査案件情報を生成し、調査案件DB142に格納する。
【0046】
ステップS17:センタ装置1の制御部11は、配信先情報内のGWIDに対応する各GW4に対し、基本情報内の案件ID、シナリオおよびガイダンスデータを送信する。前述のように、シナリオは設問を含んでおり、つまり、ここでは制御部11が、設問通知手段として機能するのである。
【0047】
ステップS19:送信先の各GW4(以下、単にGW4という)の制御部41は、調査案件情報を生成し、調査案件DB461に格納する。この調査案件情報は、(1)送信された案件ID、(2)「未開始」に設定された調査状況、(3)「未登録」に設定された登録状況、(4)回答番号が含まれない回答記憶情報からなる。また、GW4は、この調査案件情報に、送信されたシナリオおよびガイダンスデータを対応づけて記憶させる。
【0048】
ステップS21:GW4の制御部41は、調査実施情報463の(1)起動時刻になるとゲートウェイプログラムを起動する。なお、制御部41は、前回の起動日を記憶しておき、起動日から調査実施情報463の(2)起動周期が経過している場合に限り、ゲートウェイプログラムを起動する。
【0049】
図8、図9、図10は、それぞれはゲートウェイプログラムやシナリオによって行われるGW4の動作の一部を示し、トータルで動作の全体を示すフローチャートである。なお、ゲートウェイプログラムによって行われる処理の主体をメイン処理部といい、シナリオにによって行われる処理の主体をシナリオ処理部という。メイン処理部、シナリオ処理部は、実際には制御部41であるが、ここでは、メイン処理部、シナリオ処理部ということにする。
【0050】
図8に示すように、まず、メイン処理部は、調査案件DB461に(2)調査状況が「途中」または「未開始」に設定され、且つ、(3)登録状況が「未登録」に設定されている調査案件情報があるか否かを判定する(T1)。メイン処理部は、該当の調査案件情報がないなら、ゲートウェイプログラムを終了する。
【0051】
メイン処理部は、該当の調査案件情報があるなら、通信IF44を制御して、基本情報462の(1)電話番号に発呼し、電話機7を呼び出す(T3)。なお、メイン処理部は、呼び出すときの鳴動の継続時間は、最長でも、調査実施情報463の(3)呼出継続時間までとする。また、メイン処理部は、電話機7が応答しなかったなら、調査実施情報463の(4)呼出周期と同じ時間だけ待機し、再び電話機7を呼び出す。また、メイン処理部は、呼出の回数が調査実施情報463の(5)呼出回数に等しくなったなら、次の呼び出しを中止する。
【0052】
また、メイン処理部は、該当の調査案件情報があるなら、調査案件DB461に(2)調査状況が「途中」に設定され、且つ、(3)登録状況が「未登録」に設定されている調査案件情報があるか否かを判定する(T5)。メイン処理部は、該当の調査案件情報があるなら、1つの該当の調査案件情報に対応づけられたシナリオを読み出し、シナリオを起動する(T7)。
【0053】
一方、メイン処理部は、該当の調査案件情報がないなら、調査案件DB461において(2)調査状況が「未開始」に設定され、且つ、(3)登録状況が「未登録」に設定されている調査案件情報があることになるので、その1つに対応づけられたシナリオを読み出し、シナリオを起動する(T9)。
【0054】
なお、ステップT3の呼び出しに対し、協力者が電話機7をオフフックし、電話機7が呼び出しに応答したこととする。
【0055】
ステップT7の次に、メイン処理部は、「途中中断した調査依頼があります。調査を継続する場合は「1*」を、終了する場合は「2*」を押して下さい。」という音声を電話機7に送信する(図9:K1)。
【0056】
協力者は、「1*」または「2*」を押す。これにより、押した文字に対応する信号が電話機7からGW4に送信される。
【0057】
メイン処理部は、送信された信号が「1*」に対応するもの(調査を継続する)か、または「2*」に対応するもの(調査を終了する)かを判定する(K3)。
【0058】
メイン処理部は、送信された信号が「2*」に対応するものなら、「調査を終了します。調査を途中中断する場合は「1*」を、調査を実施しない場合は「2*」を押して下さい。」という音声を電話機7に送信する(K5)。
【0059】
協力者は、「1*」または「2*」を押す。これにより、押した文字に対応する信号が電話機7からGW4に送信される。
【0060】
メイン処理部は、送信された信号が「1*」に対応するものなら、シナリオを終了し(K7)、送信された信号が「2*」に対応するものなら、シナリオを終了し、シナリオを削除し、調査案件情報の(2)調査状況に「未実施」を設定する(K9)。
【0061】
ステップK7またはK9を終えると、図8において、メイン処理部は、調査案件DB461に(2)調査状況が「途中」または「未開始」に設定され、且つ、(3)登録状況が「未登録」に設定されている調査案件情報があるか否かを判定する(T11)。メイン処理部は、該当の調査案件情報がないなら、ゲートウェイプログラムを終了する。メイン処理部は、該当の調査案件情報があるなら、制御をステップT5に移す。
【0062】
さて、図9において、メイン処理部は、ステップK3の判定で、送信された信号が「1*」に対応するものと判定したなら、シナリオ処理部に処理を依頼する。
【0063】
シナリオ処理部は、シナリオに対応する調査案件情報の(4)回答記憶情報を参照し、回答番号が対応づけられていない設問の内の最初の設問を検出し、その設問から処理を再開する。例えば、それが4番目の設問Dなら、シナリオ処理部は、「設問Dです。ガイダンスに従い、回答番号を入力して下さい。」という音声と、シナリオに対応するガイダンス(音声ファイル)の内の設問Dに対応する部分を再生した音声、またはシナリオに対応するガイダンス(文章ファイル)の内の設問Dに対応する部分を文章音声変換部45で音声に変換したもの(設問Dのガイダンス)を電話機7に送信する(LD)。
【0064】
協力者は、設問Dのガイダンスを聞き、回答番号を入力する。これにより、回答番号が電話機7からGW4に送信される。
【0065】
シナリオ処理部は、送信された回答番号が予めシナリオに定められたものか否かを判定する(LD1)。送信された回答番号が予めシナリオに定められたものでないなら、メイン処理部は、「入力された回答番号は登録されていません。再度入力される場合は「1*」を、終了する場合は「2*」を押して下さい。」という音声を電話機7に送信する(LH)。
【0066】
協力者は、「1*」または「2*」を押す。これにより、押した文字に対応する信号が電話機7からGW4に送信される。
【0067】
シナリオ処理部は、送信された信号が「1*」に対応するものなら、同じ設問の音声を電話機7に送信する。一方、送信された信号が「2*」に対応するものなら、シナリオ処理部は、制御をステップK5に移す。
【0068】
シナリオ処理部は、ステップLD1の判定で、送信された回答番号が予めシナリオに定められたものと判定したなら、回答番号を、対応する設問に対応づけて調査案件情報の(4)回答記憶情報に記憶させる(LD2)。こうして、シナリオ処理部(制御部41)は、回答情報取得手段として機能するのである。
【0069】
シナリオ処理部は、同様に、以降の設問についても、このような処理を行う。そして、全ての設問の回答を受け付けたなら、シナリオ処理部は、「すべての設問の回答を受け付けました。回答を変更する場合は「1*」を、回答を登録する場合は「2*」を押して下さい。」という音声を電話機7に送信する(LI)。
【0070】
協力者は、「1*」または「2*」を押す。これにより、押した文字に対応する信号が電話機7からGW4に送信される。
【0071】
メイン処理部は、送信された信号が「1*」に対応するものなら、調査案件情報の(4)回答記憶情報から回答番号を全て削除し、制御を後述のステップMA(図10)に移す。
【0072】
一方、送信された信号が「2*」に対応するものなら、メイン処理部は、シナリオを終了し、シナリオを削除し、調査案件情報の(2)調査状況に「完了」を設定する(LJ)。
【0073】
次に、メイン処理部は、「回答の登録が完了しました。調査のご協力ありがとうございました。引き続き、他の調査を実施する場合は「1*」を、終了する場合は「2*」を押して下さい。」という音声を電話機7に送信する(LK)。
【0074】
協力者は、「1*」または「2*」を押す。これにより、押した文字に対応する信号が電話機7からGW4に送信される。また、協力者は、「2*」を押した後、電話機7をオンフックする。
【0075】
メイン処理部は、送信された信号が「1*」に対応するものなら、制御をステップT11(図8)に移す。一方、送信された信号が「2*」に対応するものなら、ゲートウェイプログラムを終了する。
【0076】
さて、図8のステップT9の次に、メイン処理部は、「新規の調査依頼があります。調査を実施する場合は「1*」を、終了する場合は「2*」を押して下さい。」という音声を電話機7に送信する(図10:M1)。
【0077】
協力者は、「1*」または「2*」を押す。これにより、押した文字に対応する信号が電話機7からGW4に送信される。
【0078】
メイン処理部は、送信された信号が「1*」に対応するもの(調査を継続する)か、または「2*」に対応するもの(調査を終了する)かを判定する(M3)。送信された信号が「2*」に対応するものなら、メイン処理部は、制御をステップK5に移す。
【0079】
メイン処理部は、ステップK3の判定で、送信された信号が「1*」に対応するものと判定したなら、シナリオ処理部に処理を依頼する。
【0080】
シナリオ処理部は、シナリオに対応する調査案件情報の(4)回答記憶情報を参照し、最初の設問を検出し、その設問について、前述のステップLD等と同様の処理を行う(MA)。以降の処理は、ステップLD1以降の処理と同様なので、説明を省略する。
【0081】
図7に戻り、フローチャートの説明の繰り返しになるが、GW4のメイン処理部は、電話機7を呼び出す(T3)。協力者は電話機7をオフフックし、電話機7が呼び出しに応答する。
【0082】
GW4のメイン処理部は、シナリオを起動する(T7)。シナリオ処理部は、設問の音声を電話機7に送信する(LD、…)。
【0083】
協力者は、電話機7に文字を入力する。文字に対応する信号が電話機7からGW4に送信される。
【0084】
シナリオ処理部は、信号に応じた回答番号を調査案件情報に記憶させる(LD2、…)。
【0085】
メイン処理部は、このような処理が繰り返されるように制御を行い、それが終わると、「調査のご協力ありがとうございました。」等の音声を電話機7に送信する(LK、…)。
【0086】
協力者による電話機7の操作により、例えば、次のシナリオの処理が開始される。
【0087】
一方、終了の操作により、ゲートウェイプログラムが終了し、協力者は電話機7をオンフックする。
【0088】
各GW4は、例えば、予め定められた時刻になると、調査案件DB461から調査状況が「完了」に設定されている調査案件情報と、「未実施」に設定されている調査案件情報を読み出し、それらの調査案件情報からなる調査結果を生成する(Z1)。なお、GW4は、それらの調査案件情報の(3)登録状況を「登録済」に設定する。
【0089】
センタ装置1は、予め定められた時刻になると、各GW4に、調査結果を送信するように要求する(Z2)。
【0090】
これに対し、各GW4では、制御部41が、センタ装置1に調査結果を送信する(Z3)。ここでは、制御部41が、回答情報送信手段として機能するのである。
【0091】
センタ装置1は、送信された各調査結果をまとめた集計情報を生成する(Z4)。そして、センタ装置1は、ステップS5で検索した各基本情報462からなる協力者情報を生成し、集計情報と協力者情報とからなる調査結果情報を生成し、調査結果DB143に記憶させる(Z5)。
【0092】
調査会社のオペレータは、センタ端末2からセンタ装置1に接続し、調査結果情報を編集して報告書を作成する(Z6)。報告書は、依頼者に提供される。
【0093】
以上説明したように、本実施の形態によれば、ゲートウェイ装置4は、設問に対する回答の内容を示す回答情報を収集するセンタ装置に回答情報を送信するゲートウェイ装置4であって、回答情報が記憶される回答情報記憶手段(調査案件DB461)と、ゲートウェイ装置4に割り当てられた電話機7を呼び出し(T3)、該電話機7に設問の音声を送信し(LD、…)、該電話機7から送信される回答情報を回答情報記憶手段(調査案件DB461)に記憶させる回答情報取得手段(制御部41)と、回答情報記憶手段から回答情報を読み出し、該回答情報を前記センタ装置に送信する回答情報送信手段(制御部41)とを備え、すなわち、割り当てられた電話機7を呼び出し、電話機7から回答情報を得るので、センタ装置1への回答情報の送信は、電話回線を使用しないで行うことができる。また、センタ装置1は、収容された電話回線をラウンドロビンに使用することがなく、電話回線が空き状態になるまでの待ち合わせ時間も生じず、大量の協力者から回答情報を短時間で収集することができる。また、センタ装置1への回答情報の送信には電話料金が生じず、依頼者にその電話料金が課されないようにできる。また、ゲートウェイ装置4は、割り当てられた電話機7を呼び出すので、センタ装置1への電話番号の登録の必要がない。また、調査会社は、自動発信装置、音声自動応答装置、電話回線を用意する必要がない。また、電話機7を使用することで、コンピュータを使用できない高齢の協力者などからも回答情報を収集できる。また、電話機7を使用することで、電子メールなどと違い、協力者へ依頼の旨を確実に知らせることができる。
【0094】
また、ゲートウェイ装置4は、電話機7を使用する協力者にとって設問の音声を聞き電話機7を操作して回答情報がゲートウェイ装置4に送信されるようにするのに好都合なタイミングを示すタイミング情報(起動時刻)が記憶されるタイミング情報記憶手段(調査実施情報463)を備え、前記回答情報取得手段は、タイミング情報記憶手段に記憶されたタイミング情報によって示されるタイミングに電話機7を呼び出すので、すなわち、都合の良いタイミングに電話機7が呼び出されるので、協力者が電話に出て、これにより、回答情報を取得できる確率を高めることができる。
【0095】
また、設問は複数あり、回答情報取得手段は、回答情報を1つづつ取得するものであり、且つ、電話機7を使用する協力者による当該電話機7への操作によって回答情報の取得が中断したときまでに取得した回答情報を該回答情報に対応する設問に対応づけて回答情報記憶手段に記憶させ、且つ、電話機7を再び呼び出し、回答情報記憶手段に記憶されてない回答情報に対応する設問の音声を電話機に送信し(LD、…)、取得した回答情報を該回答情報に対応する設問に対応づけて回答情報記憶手段に記憶させる(LD、…)ので、すなわち、協力者が回答を中断しても、電話機7が再び呼び出され、中断したところから回答を行えるので、協力者の都合により回答を中断、再開できる。また、再開の際の回答は、全ての回答よりも短時間で行え、迅速化が図れる。
【0096】
また、本実施の形態に係る回答情報収集システムは、設問に対する回答の内容を示す回答情報を収集するセンタ装置1と該センタ装置1に回答情報を送信する複数のゲートウェイ装置4とを含む回答情報収集システムであって、センタ装置1は、各ゲートウェイ装置4に割り当てられた電話機を使用する協力者に関する協力者情報が記憶される協力者情報記憶手段(協力者DB141)と、協力者情報記憶手段から所定の条件を満たす協力者情報を検索する(S9)協力者情報検索手段(制御部11)と、検索された協力者情報に対応する協力者に使用される電話機を割り当てられたゲートウェイ装置に前記設問の内容を通知する(S17)設問通知手段(制御部11)とを備え、ゲートウェイ装置4は、回答情報が記憶される回答情報記憶手段(調査案件DB461)と、設問の内容を通知されたなら(S17)、設問に対する回答の内容を示す回答情報を収集するセンタ装置に回答情報を送信するゲートウェイ装置4であって、回答情報が記憶される回答情報記憶手段(調査案件DB461)と、ゲートウェイ装置4に割り当てられた電話機7を呼び出し(T3)、該電話機7に設問の音声を送信し(LD、…)、該電話機7から送信される回答情報を回答情報記憶手段(調査案件DB461)に記憶させる回答情報取得手段(制御部41)と、回答情報記憶手段から回答情報を読み出し、該回答情報を前記センタ装置に送信する回答情報送信手段(制御部41)とを備え、すなわち、センタ装置1が協力者情報を検索するので、依頼者などが協力者の電話番号を調べ、調査会社に報告して、登録してもらう必要がなくなる。また、条件に該当しない協力者からの回答を集計する必要がない。また、事前に協力者の情報を得るべく、協力者に問い合わせを行う必要がない。また、回答したものの、その協力者が条件に該当しないことが後から分かってしまうことがなく、そのような無駄や協力者の負担増を回避することができる。
【符号の説明】
【0097】
1…センタ装置
2…センタ端末
3…通信網
4…ゲートウェイ装置(GW)
6…通信端末(協力者端末)
7…電話機
11、41…制御部
12、13、42、43、44…通信IF
14、46…記憶部
141…協力者データベース(DB)
142…調査案件データベース(DB)
143…調査結果データベース(DB)
45…文章音声変換部
461…調査案件データベース(DB)
462…基本情報
463…調査実施情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
設問に対する回答の内容を示す回答情報を収集するセンタ装置に前記回答情報を送信するゲートウェイ装置であって、
前記回答情報が記憶される回答情報記憶手段と、
前記ゲートウェイ装置に割り当てられた電話機を呼び出し、該電話機に前記設問の音声を送信し、該電話機から送信される回答情報を前記回答情報記憶手段に記憶させる回答情報取得手段と、
前記回答情報記憶手段から回答情報を読み出し、該回答情報を前記センタ装置に送信する回答情報送信手段と
を備えることを特徴とするゲートウェイ装置。
【請求項2】
前記電話機を使用する協力者にとって前記設問の音声を聞き前記電話機を操作して前記回答情報が前記ゲートウェイ装置に送信されるようにするのに好都合なタイミングを示すタイミング情報が記憶されるタイミング情報記憶手段を備え、
前記回答情報取得手段は、
前記タイミング情報記憶手段に記憶されたタイミング情報によって示されるタイミングに前記電話機を呼び出す
ことを特徴とする請求項1記載のゲートウェイ装置。
【請求項3】
前記設問が複数あり、
前記回答情報取得手段は、
前記回答情報を1つづつ取得するものであり、
且つ、前記電話機を使用する協力者による当該電話機への操作によって回答情報の取得が中断したときまでに取得した回答情報を該回答情報に対応する設問に対応づけて前記回答情報記憶手段に記憶させ、
且つ、前記電話機を再び呼び出し、前記回答情報記憶手段に記憶されてない回答情報に対応する設問の音声を前記電話機に送信し、取得した回答情報を該回答情報に対応する設問に対応づけて前記回答情報記憶手段に記憶させる
ことを特徴とする請求項1または2記載のゲートウェイ装置。
【請求項4】
設問に対する回答の内容を示す回答情報を収集するセンタ装置と該センタ装置に前記回答情報を送信する複数のゲートウェイ装置とを含む回答情報収集システムであって、
前記センタ装置は、
前記各ゲートウェイ装置に割り当てられた電話機を使用する協力者に関する協力者情報が記憶される協力者情報記憶手段と、
前記協力者情報記憶手段から所定の条件を満たす協力者情報を検索する協力者情報検索手段と、
前記検索された協力者情報に対応する協力者に使用される電話機を割り当てられたゲートウェイ装置に前記設問の内容を通知する設問通知手段とを備え、
前記ゲートウェイ装置は、
前記回答情報が記憶される回答情報記憶手段と、
前記設問の内容を通知されたなら、前記ゲートウェイ装置に割り当てられた電話機を呼び出し、該電話機に前記設問の音声を送信し、該電話機から送信される回答情報を前記回答情報記憶手段に記憶させる回答情報取得手段と、
前記回答情報記憶手段から回答情報を読み出し、該回答情報を前記センタ装置に送信する回答情報送信手段と
を備えることを特徴とする回答情報収集システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−66688(P2011−66688A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−215666(P2009−215666)
【出願日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【出願人】(399041158)西日本電信電話株式会社 (215)
【出願人】(399040405)東日本電信電話株式会社 (286)
【Fターム(参考)】