説明

ゲームシステム、ゲーム方法、および、ゲームプログラム

【課題】ゲーム中、ユーザがサイコロに相当するリモコンを振る間のリモコン自体の動きをゲームの進行に反映させて、ゲームの興趣性を向上できるようにすることを課題とする。
【解決手段】ゲームシステム1のリモコン2Aでは、振動および方位検出部13を用いてダイスカップの振り情報を取得し、制御ボタン12の押下でシェイクして、リモコン2Aの振動パターンが許容範囲内になると気合いパラメータをカウントアップする。また、操作ボタン12の押下解除でロール状態に移行すると、リモコン1の振動パターンが許容範囲内になるとパラメータをゲーム装置本体に送信する。ゲームシステム1の本体2Bは、パラメータを用いてゲーム進行を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームシステム、ゲーム方法、および、ゲームプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ビデオゲーム装置の発展にともなって、トランプ等のゲームや玩具までもがビデオゲーム化されている。また、最近は、任天堂のWii(登録商標)のように、加速度センサを搭載したリモコンとゲーム装置本体とで構成されるゲームシステムが登場している。
【0003】
この種のゲームシステムにおいては、リモコンの動きをそのリモコンに搭載される加速度センサが検知して、その動きをゲーム装置本体に送信し、ゲームを進行させるのが特徴となっている。
【0004】
また、今日、サイコロに相当する装置内に加速度センサを内蔵して、装置を実際に転がすことでサイコロの出目判定を行うサイコロゲーム機が登場している。この場合、実際のサイコロを振っている感覚を享受できるので、リアル性の高いゲームを再現することができる。
【0005】
そこで、最近、転動可能な玩具本体をもち、回転及び振動センサで感知した姿勢及び振動に応じて玩具本体に告知を表示させる装置が提案されている(特許文献1)。さらに、方位センサのキャリブレーションをアプリケーションゲームの回転操作として取得する携帯電話機が提案されている(特許文献2)。
【0006】
【特許文献1】特許第3825440号公報
【特許文献2】特開2006−271715号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した従来例においては、装置自体を実際に転がして当該装置から回転や振動といった物理量を取得するようにしたので、装置自体の動きだけに結果が依存していた。また、装置自体(携帯電話機)を転がさず、ユーザが装置を持ったままで装置の回転動作をサイコロの振る動作に対応させるようにしたので、この場合にも装置自体の動きだけに結果が依存していた。それゆえ、ユーザが装置(サイコロ)を放つまでの間はゲームとしての興趣性はなく、その間のゲーム性が期待されていた。
【0008】
本発明の目的は、ゲーム中、ユーザがサイコロに相当する装置を振る間の装置自体の動きをゲームの進行に反映させて、ゲームの興趣性を向上させることが可能なゲームシステム、ゲーム方法、および、ゲームプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、上記目的を達成するため、本発明の請求項1に係るゲームシステムは、ゲームシステムであって、振動および方位の物理量を検出する物理量検出手段と、ユーザのボタン操作を検出するボタン操作検出手段と、前記物理量検出手段で物理量が検出されたときの前記ボタン操作検出手段で検出されるユーザのボタン操作に応答してゲーム進行を制御するゲーム進行制御手段と、を備えることを特徴とするものである。
【0010】
また、請求項2の発明に係るゲームシステムは、ゲームシステムであって、振動および方位の物理量を検出する物理量検出手段と、ユーザの操作を検出する操作検出手段と、前記物理量検出手段で検出された物理量に基づいて振動パターンを判断し、当該振動パターンがあらかじめ用意された許容範囲内か否かを判断する判断手段と、前記判断手段で許容範囲内という判断結果が得られた場合、前記操作検出手段により検出されるユーザの操作に応答して、パラメータを変化させるパラメータ変化手段と、前記操作検出手段により検出されるユーザの操作に応答して、前記パラメータ制御手段により変化したパラメータを用いてゲーム進行を制御するゲーム進行制御手段と、を備えることを特徴とするものである。
【0011】
また、請求項3の発明に係るゲームシステムは、ゲームシステムであって、加速度センサ、および、制御ボタンを有するリモコンと、前記リモコンと通信を行うとともにゲーム進行を制御するゲーム装置本体と、を備え、前記リモコンは、前記加速度センサを用いて振動および方位の物理量を取得する物理量取得手段と、前記制御ボタンに対するユーザのボタン操作に基づいて制御情報を取得する制御情報取得手段と、前記物理量取得手段で取得された物理量に基づいて前記リモコンの振動パターンを判断し、当該振動パターンがあらかじめ用意された許容範囲内か否かを判断する判断手段と、前記判断手段で許容範囲内という判断結果が得られた場合、前記制御情報取得手段により取得された制御情報にしたがってパラメータを変化させるパラメータ変化手段と、前記制御情報取得手段により取得された制御情報にしたがって前記パラメータ制御手段により変化したパラメータを前記ゲーム装置本体に送信する送信手段と、を備え、前記ゲーム装置本体は、前記送信手段で送信されたパラメータを受信する受信手段と、前記受信手段で受信されたパラメータを用いてゲーム進行を制御するゲーム進行制御手段と、を備えることを特徴とするものである。
【0012】
また、請求項4の発明に係るゲームシステムは、バックギャモンのゲームシステムであって、加速度センサ、および、制御ボタンを有するリモコンと、前記リモコンと通信を行うとともにゲーム進行を制御するゲーム装置本体と、を備え、前記リモコンは、前記加速度センサを用いてダイスカップの振り情報を取得する振り情報取得手段と、前記制御ボタンに対するユーザのボタン操作に基づいてシェイク状態かロール状態かを判断する状態判断手段と、前記判断手段でシェイク状態が判断された場合、前記振り情報取得手段で取得された振り情報に基づいて前記リモコンの振動パターンを判断し、当該振動パターンがあらかじめ用意されたシェイクに関する振動パターンの許容範囲内か否かを判断するシェイク判断手段と、前記判断手段で許容範囲内という判断結果が得られた場合、前記振り情報取得手段により取得された振り情報にしたがってパラメータを変化させるパラメータ変化手段と、前記シェイク判断手段でロール状態が判断された場合、前記振り情報取得手段で取得された振り情報に基づいて前記リモコンの振動パターンを判断し、当該振動パターンがあらかじめ用意されたロールに関する振動パターンの許容範囲内か否かを判断するロール判断手段と、前記ロール判断手段で許容範囲内という判断結果が得られた場合、前記パラメータ制御手段により変化したパラメータを前記ゲーム装置本体に送信する送信手段と、を備え、前記ゲーム装置本体は、前記送信手段で送信されたパラメータを受信する受信手段と、前記受信手段で受信されたパラメータを用いてゲーム進行を制御するゲーム進行制御手段と、を備えることを特徴とするものである。
【0013】
また、請求項5の発明に係るゲーム方法は、ゲーム方法であって、振動および方位の物理量を検出する物理量検出ステップと、ユーザのボタン操作を検出するボタン操作検出ステップと、前記物理量検出ステップで物理量が検出されたときの前記ボタン操作検出ステップで検出されるユーザのボタン操作に応答してゲーム進行を制御するゲーム進行制御ステップと、を含むことを特徴とするものである。
【0014】
また、請求項6の発明に係るゲーム方法は、ゲーム方法であって、振動および方位の物理量を検出する物理量検出ステップと、ユーザの操作を検出する操作検出ステップと、前記物理量検出ステップで検出された物理量に基づいて振動パターンを判断し、当該振動パターンがあらかじめ用意された許容範囲内か否かを判断する判断ステップと、前記判断ステップで許容範囲内という判断結果が得られた場合、前記操作検出ステップにより検出されるユーザの操作に応答して、パラメータを変化させるパラメータ変化ステップと、前記操作検出ステップにより検出されるユーザの操作に応答して、前記パラメータ制御ステップにより変化したパラメータを用いてゲーム進行を制御するゲーム進行制御ステップと、を含むことを特徴とするものである。
【0015】
また、請求項7の発明に係るゲーム方法は、加速度センサ、および、制御ボタンを有するリモコンと、前記リモコンと通信を行うとともにゲーム進行を制御するゲーム装置本体と、を備えたゲームシステムのゲーム方法であって、前記加速度センサを用いて振動および方位の物理量を取得する物理量取得ステップと、前記制御ボタンに対するユーザのボタン操作に基づいて制御情報を取得する制御情報取得ステップと、前記物理量取得ステップで取得された物理量に基づいて前記リモコンの振動パターンを判断し、当該振動パターンがあらかじめ用意された許容範囲内か否かを判断する判断ステップと、前記判断ステップで許容範囲内という判断結果が得られた場合、前記制御情報取得ステップにより取得された制御情報にしたがってパラメータを変化させるパラメータ変化ステップと、前記リモコンと前記ゲーム装置本体との間において、前記制御情報取得ステップにより取得された制御情報にしたがって前記パラメータ制御ステップにより変化したパラメータを前記リモコンから前記ゲーム装置本体に通信する通信ステップと、前記ゲーム装置本体において、前記通信ステップで通信されたパラメータを用いてゲーム進行を制御するゲーム進行制御ステップと、を含むことを特徴とするものである。
【0016】
また、請求項8の発明に係るゲーム方法は、加速度センサ、および、制御ボタンを有するリモコンと、前記リモコンと通信を行うとともにゲーム進行を制御するゲーム装置本体と、を備えたゲームシステムによるバックギャモンのゲーム方法であって、前記加速度センサを用いてダイスカップの振り情報を取得する振り情報取得ステップと、前記制御ボタンに対するユーザのボタン操作に基づいてシェイク状態かロール状態かを判断する状態判断ステップと、前記判断ステップでシェイク状態が判断された場合、前記振り情報取得手段ステップで取得された振り情報に基づいて前記リモコンの振動パターンを判断し、当該振動パターンがあらかじめ用意されたシェイクに関する振動パターンの許容範囲内か否かを判断するシェイク判断ステップと、前記判断ステップで許容範囲内という判断結果が得られた場合、前記振り情報取得ステップにより取得された振り情報にしたがってパラメータを変化させるパラメータ変化ステップと、前記シェイク判断ステップでロール状態が判断された場合、前記振り情報取得ステップで取得された振り情報に基づいて前記リモコンの振動パターンを判断し、当該振動パターンがあらかじめ用意されたロールに関する振動パターンの許容範囲内か否かを判断するロール判断ステップと、前記リモコンと前記ゲーム装置本体との間において、前記ロール判断ステップで許容範囲内という判断結果が得られた場合、前記パラメータ制御手段により変化したパラメータを前記ゲーム装置本体に通信する通信ステップと、前記ゲーム装置本体において、前記通信ステップで通信されたパラメータを用いてゲーム進行を制御するゲーム進行制御ステップと、を含むことを特徴とするものである。
【0017】
また、請求項9の発明に係るゲームプログラムは、コンピュータにより実行可能なゲームプログラムであって、前記コンピュータに、振動および方位の物理量を検出する物理量検出ステップと、ユーザの操作を検出する操作検出ステップと、前記物理量検出ステップで検出された物理量に基づいて振動パターンを判断し、当該振動パターンがあらかじめ用意された許容範囲内か否かを判断する判断ステップと、前記判断ステップで許容範囲内という判断結果が得られた場合、前記操作検出ステップにより検出されるユーザの操作に応答して、パラメータを変化させるパラメータ変化ステップと、前記操作検出ステップにより検出されるユーザの操作に応答して、前記パラメータ制御ステップにより変化したパラメータを用いてゲーム進行を制御するゲーム進行制御ステップと、を実行させることを特徴とするものである。
【0018】
また、請求項10の発明に係るゲームプログラムは、加速度センサ、および、制御ボタンを有するリモコンと、前記リモコンと通信を行うとともにゲーム進行を制御するゲーム装置本体と、を備えたゲームシステムにより実行可能なゲームプログラムであって、前記ゲームシステムに、前記加速度センサを用いて振動および方位の物理量を取得する物理量取得ステップと、前記制御ボタンに対するユーザのボタン操作に基づいて制御情報を取得する制御情報取得ステップと、前記物理量取得ステップで取得された物理量に基づいて前記リモコンの振動パターンを判断し、当該振動パターンがあらかじめ用意された許容範囲内か否かを判断する判断ステップと、前記判断ステップで許容範囲内という判断結果が得られた場合、前記制御情報取得ステップにより取得された制御情報にしたがってパラメータを変化させるパラメータ変化ステップと、前記リモコンと前記ゲーム装置本体との間において、前記制御情報取得ステップにより取得された制御情報にしたがって前記パラメータ制御ステップにより変化したパラメータを前記リモコンから前記ゲーム装置本体に通信する通信ステップと、前記ゲーム装置本体において、前記通信ステップで通信されたパラメータを用いてゲーム進行を制御するゲーム進行制御ステップと、を実行させることを特徴とするものである。
【0019】
また、請求項11の発明に係るゲームプログラムは、加速度センサ、および、制御ボタンを有するリモコンと、前記リモコンと通信を行うとともにゲーム進行を制御するゲーム装置本体と、を備えたゲームシステムにより実行可能なバックギャモンのゲームプログラムであって、前記ゲームシステムに、前記加速度センサを用いてダイスカップの振り情報を取得する振り情報取得ステップと、前記制御ボタンに対するユーザのボタン操作に基づいてシェイク状態かロール状態かを判断する状態判断ステップと、前記判断ステップでシェイク状態が判断された場合、前記振り情報取得手段ステップで取得された振り情報に基づいて前記リモコンの振動パターンを判断し、当該振動パターンがあらかじめ用意されたシェイクに関する振動パターンの許容範囲内か否かを判断するシェイク判断ステップと、前記判断ステップで許容範囲内という判断結果が得られた場合、前記振り情報取得ステップにより取得された振り情報にしたがってパラメータを変化させるパラメータ変化ステップと、前記シェイク判断ステップでロール状態が判断された場合、前記振り情報取得ステップで取得された振り情報に基づいて前記リモコンの振動パターンを判断し、当該振動パターンがあらかじめ用意されたロールに関する振動パターンの許容範囲内か否かを判断するロール判断ステップと、前記リモコンと前記ゲーム装置本体との間において、前記ロール判断ステップで許容範囲内という判断結果が得られた場合、前記パラメータ制御手段により変化したパラメータを前記ゲーム装置本体に通信する通信ステップと、前記ゲーム装置本体において、前記通信ステップで通信されたパラメータを用いてゲーム進行を制御するゲーム進行制御ステップと、を実行させることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、ゲーム中、ユーザがサイコロに相当する装置を振る間の装置自体の動きをゲームの進行に反映させて、ゲームの興趣性を向上させることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る一実施の形態について詳細に説明する。以下に説明する実施形態では、ゲームとしてバックギャモンを例に挙げるが本発明はこれに限定されるものではなく、装置を振ってゲームを進行させるものであればサイコロを用いたゲームに限定されず他のゲームにも適用可能である。
【0022】
まず、構成について図1、図2および図3を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態によるゲームシステムを示すブロック図、図2は本実施形態による振動パターンを説明する図、そして、図3は本実施形態による乱数テーブルを説明する図である。
【0023】
ゲームシステム1は、たとえば図1に示したように、リモコン2Aおよびゲーム装置本体(以下、本体という)2Bにより構成される。リモコン2Aは、制御ボタン12を含むボタン、スイッチ等を有する操作部11、たとえば3軸加速度センサ等により構成される振動および方位検出部13、通信部14等を備えている。なお、このリモコン2Aにおいて、CPUを含む制御部を構成してもよい。
【0024】
ここで、操作部11は、ユーザによるボタン12等の操作を検出するものである。振動および方位検出部13は、振動すなわち振りのスピードを検出するとともに、そのときの方位も検出するものである。この振動および方位検出部13は、検出した信号をそのまま本体2Bに送ってもよく、あるいは、各種ゲームのアプリケーションに対応させて適切なパラメータに変換して本体2Bに送るようにしてもよい。通信部14は、操作部11の操作情報や振動および方位検出部13で検出される振動と方位の情報を本体2Bとの通信により送信するものである。この通信部14は、本体2Bから情報を受信して制御部を設けているときは制御部に伝達する。
【0025】
本体2Bは、リモコン2Aから送られてくる操作情報や振動および方位の情報に基づいてゲーム進行を制御するものである。この本体2Bは、ディスプレイ21、制御部22、通信部23、操作部24、記憶部25、ゲームプログラム26、振動パターン記憶部27、乱数テーブル28等を備えており、内部バス29を解して制御信号、アドレス信号、データを交信する。
【0026】
まず、ディスプレイ21は、ゲーム進行に合わせて表示画面を形成するものである。制御部22は、図示せぬCPU、ROM、RAMを備えており、OSや各種プログラムにしたがって装置全体の制御を司るとともに、ゲームプログラム26等の各種アプリケーション処理を制御する。
【0027】
通信部23は、リモコン2Aの通信部14と交信して信号やデータの授受を行うものである。操作部24は、電源投入等のほかに、たとえば、ゲームによって本体2B側でユーザの操作を必要とする場合にユーザの操作に応じて操作情報を入力するものである。記憶部25は、ゲーム進行に必要な各種ログや各種動作に必要なデータを記憶するものである。
【0028】
ゲームプログラム26は、たとえばバックギャモンのゲームを処理するためのプログラムである。振動パターン記憶部27は、たとえば図2に示したように、ダイスカップの振動パターンとしてシェイクとロールの2つを挙げ、それぞれに関する物理量(一例として、2つ)をあらかじめ決められた許容範囲として定義するものである。シェイク(振動パターン)の場合は、物理量1を振り幅とし、物理量2を振り速度としている。また、ロール(振動パターン)の場合は、物理量1を回転角とし、物理量2を振り速度としている。なお、シェイク、ロールの各物理量については、あらかじめ用意されるサンプル値を適用したり、ゲームプレイ前にユーザが任意に決められるものとする。
【0029】
乱数テーブル28は、たとえば図3に示したように、ダイスカップの振り、すなわち、リモコン2Aの適切な振り(シェイク時の往復動作)を認めたときにカウントして得られるカウント値を示す気合いパラメータとダイスカップ内で振られるサイコロ(バックギャモンの場合は、サイコロは2個使用となる)出目との関係を示すものである。たとえば、気合いパラメータが「1」のとき、出目「1」の出る確率は4/18となる。また、気合いパラメータが「7」のとき、出目「6」の出る確率は4/18となる。さらに、気合いパラメータが「8」のとき、出目「3」の出る確率は3/18となる。いずれの確率もN(自然数)/18となる。
【0030】
つづいて、動作について図4、図5、および、図6を参照して説明する。図4は本実施形態による動作を説明するフローチャート、図5は本実施形態による動作を説明するフローチャート、そして、図6は本実施形態による表示例を説明する図である。以下に説明する動作は、リモコン2Aと本体Bとの協動による処理をわかりやすく示すものである。
【0031】
まず、リモコン2Aにおいて制御ボタン12が押下されると、その押下信号が通信部14を介して本体2Bの通信部23に送られ、ゲームプログラム26においてボタン押下が検出される(ステップS101のYESルート)。ここで、ボタン押下が検出されるまでは、ステップS101の処理が繰り返し実行される。
【0032】
制御ボタン12の押下が検出されると、リモコン2Aによる振動および方位の検出が開始される(ステップS102)。ここでは、たとえば一定時間の間隔で振動および方位が検出され、その検出された値のたとえば平均値に基づいて振動パターンが取得される(ステップS103)。そして、制御ボタン12の押下状態が保持されているか否か判断される(ステップS104)。
【0033】
ここで、ステップS105における振動パターンのマッチングであるが、図2に示すように、シェイクの物理量1および2が参照される。すなわち、シェイクなので、ダイスカップに相当するリモコン2Aの振り幅(往復)とその振っているときの振り速度が参照される。なお、振動パターンを平均値でも求める例を挙げているが、本発明はこれに限定されず、最大値もしくは最小値を適用してもよい。その際、ユーザのレベルに応じてハンディを与えたりしてもよい。この場合には、レベルの高いユーザは平均値や最小値をとり、一方、レベルの低いユーザは最大値をとるようにしてもよい。
【0034】
その結果、保持状態が確認されると(ステップS104のYESルート)、振動パターンのマッチング(シェイク)が実行される。また、その際、図6(A)に示すように、盤上でダイスカップを振るゲーム画面が形成され、ディスプレイ21に表示される(ステップS105)。すなわち、振動パターン記憶部27に記憶されている振動パターン(許容範囲)内にステップS103で検出された振動パターンが収まっている場合には、振動パターンは許容範囲内という判断結果が得られ、一方、収まっていない場合には、許容範囲外という判断結果が得られる。
【0035】
許容範囲内の場合には、処理は、ステップS107に移行して気合いパラメータがインクリメント(たとえば、値を1つカウントアップ)し、ステップS103に戻る。また、許容範囲外の場合には、処理は、そのままステップS103に戻る。
【0036】
また、前述のステップS104において、制御ボタン12の押下状態が解除された場合には、処理はステップS108に移行する。今度は、ロールに関する振動のパターンマッチングが実行される。このステップS108における振動パターンのマッチングであるが、図2に示すように、ロールの物理量1および2が参照される。
【0037】
すなわち、ロールなので、ダイスカップに相当するリモコン2Aの回転角とその振り速度が参照される。このロールは、ダイスカップからサイコロ(2個)を放出する動作となるため、シェイクのときとは異なってリモコン2Aのひと振りが重要となる。一例としては、90度くらいの回転角が理想であるが、この場合にもユーザのレベルに応じてハンディを与えたりしてもよい。たとえば、レベルの高いユーザは所定の回転角との誤差を最小限としたり、一方、レベルの低いユーザはできるだけ大きな誤差を認めるようにしてもよい。
【0038】
そして、ロールの振動パターンが許容範囲内の場合には、処理は、ステップS110に移行して、図3の乱数テーブル28が参照され、気合いパラメータに基づいて乱数生成が実行される。また、その際、図6(B)に示すように、盤上でダイスカップからサイコロが正しく放出されたゲーム画面が形成され、ディスプレイ21に表示される。そして、ゲーム進行が処理される(ステップS111)。ここで、ステップS110とS111によりゲーム進行が制御されることになる。
【0039】
一方、ロールの振動パターンが許容範囲外の場合には、処理は、ステップS112に移行して暴発のゲーム画面が形成され(図6(C)参照)、さらに、ロールのやり直しをメッセージとして伝えるゲーム画面が形成される(図6(D)参照)。いずれのゲーム画面もディスプレイ21に表示される。そして、処理はステップS103に戻る。
【0040】
以上説明したように、本実施形態によれば、ゲーム中、ユーザがサイコロに相当するリモコンを振る間のリモコン自体の動きをゲームの進行に反映させて、リモコンの振りとリモコンのボタン操作との連携からサイコロの動きを再現させるので、ゲームの興趣性を向上させることが可能である。
【0041】
また、リモコンをダイスカップにみたてそのダイスカップの動きや姿勢をサイコロを用いたゲームの進行に反映させることができる。とくに、ダイスカップ内でサイコロを振っている間にパラメータを変化させ、そのパラメータを利用してサイコロを放出したときの結果に反映させることができる。
【0042】
また、ダイスカップ内でサイコロを振っているとき、サイコロを放出するとき、盤上でサイコロをころがすときの3態様を処理として連携させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、家電製品等の業種においても産業上有用である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の一実施形態によるゲームシステムを示すブロック図である。
【図2】本実施形態による振動パターンを説明する図である。
【図3】本実施形態による乱数テーブルを説明する図である。
【図4】本実施形態による動作を説明するフローチャートである。
【図5】本実施形態による動作を説明するフローチャートである。
【図6】本実施形態による表示例を説明する図である。
【符号の説明】
【0045】
1 ゲームシステム
2A リモコン
2B 本体
11 操作部
12 制御ボタン
13 振動および方位検出部
14 通信部
21 ディスプレイ
22 制御部
23 通信部
24 操作部
25 記憶部
26 ゲームプログラム
27 振動パターン記憶部
28 乱数テーブル
29 内部バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームシステムであって、
振動および方位の物理量を検出する物理量検出手段と、
ユーザのボタン操作を検出するボタン操作検出手段と、
前記物理量検出手段で物理量が検出されたときの前記ボタン操作検出手段で検出されるユーザのボタン操作に応答してゲーム進行を制御するゲーム進行制御手段と、
を備えることを特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
ゲームシステムであって、
振動および方位の物理量を検出する物理量検出手段と、
ユーザの操作を検出する操作検出手段と、
前記物理量検出手段で検出された物理量に基づいて振動パターンを判断し、当該振動パターンがあらかじめ用意された許容範囲内か否かを判断する判断手段と、
前記判断手段で許容範囲内という判断結果が得られた場合、前記操作検出手段により検出されるユーザの操作に応答して、パラメータを変化させるパラメータ変化手段と、
前記操作検出手段により検出されるユーザの操作に応答して、前記パラメータ制御手段により変化したパラメータを用いてゲーム進行を制御するゲーム進行制御手段と、
を備えることを特徴とするゲームシステム。
【請求項3】
ゲームシステムであって、
加速度センサ、および、制御ボタンを有するリモコンと、
前記リモコンと通信を行うとともにゲーム進行を制御するゲーム装置本体と、
を備え、
前記リモコンは、
前記加速度センサを用いて振動および方位の物理量を取得する物理量取得手段と、
前記制御ボタンに対するユーザのボタン操作に基づいて制御情報を取得する制御情報取得手段と、
前記物理量取得手段で取得された物理量に基づいて前記リモコンの振動パターンを判断し、当該振動パターンがあらかじめ用意された許容範囲内か否かを判断する判断手段と、
前記判断手段で許容範囲内という判断結果が得られた場合、前記制御情報取得手段により取得された制御情報にしたがってパラメータを変化させるパラメータ変化手段と、
前記制御情報取得手段により取得された制御情報にしたがって前記パラメータ制御手段により変化したパラメータを前記ゲーム装置本体に送信する送信手段と、
を備え、
前記ゲーム装置本体は、
前記送信手段で送信されたパラメータを受信する受信手段と、
前記受信手段で受信されたパラメータを用いてゲーム進行を制御するゲーム進行制御手段と、
を備えることを特徴とするゲームシステム。
【請求項4】
バックギャモンのゲームシステムであって、
加速度センサ、および、制御ボタンを有するリモコンと、
前記リモコンと通信を行うとともにゲーム進行を制御するゲーム装置本体と、
を備え、
前記リモコンは、
前記加速度センサを用いてダイスカップの振り情報を取得する振り情報取得手段と、
前記制御ボタンに対するユーザのボタン操作に基づいてシェイク状態かロール状態かを判断する状態判断手段と、
前記判断手段でシェイク状態が判断された場合、前記振り情報取得手段で取得された振り情報に基づいて前記リモコンの振動パターンを判断し、当該振動パターンがあらかじめ用意されたシェイクに関する振動パターンの許容範囲内か否かを判断するシェイク判断手段と、
前記判断手段で許容範囲内という判断結果が得られた場合、前記振り情報取得手段により取得された振り情報にしたがってパラメータを変化させるパラメータ変化手段と、
前記シェイク判断手段でロール状態が判断された場合、前記振り情報取得手段で取得された振り情報に基づいて前記リモコンの振動パターンを判断し、当該振動パターンがあらかじめ用意されたロールに関する振動パターンの許容範囲内か否かを判断するロール判断手段と、
前記ロール判断手段で許容範囲内という判断結果が得られた場合、前記パラメータ制御手段により変化したパラメータを前記ゲーム装置本体に送信する送信手段と、
を備え、
前記ゲーム装置本体は、
前記送信手段で送信されたパラメータを受信する受信手段と、
前記受信手段で受信されたパラメータを用いてゲーム進行を制御するゲーム進行制御手段と、
を備えることを特徴とするゲームシステム。
【請求項5】
ゲーム方法であって、
振動および方位の物理量を検出する物理量検出ステップと、
ユーザのボタン操作を検出するボタン操作検出ステップと、
前記物理量検出ステップで物理量が検出されたときの前記ボタン操作検出ステップで検出されるユーザのボタン操作に応答してゲーム進行を制御するゲーム進行制御ステップと、
を含むことを特徴とするゲーム方法。
【請求項6】
ゲーム方法であって、
振動および方位の物理量を検出する物理量検出ステップと、
ユーザの操作を検出する操作検出ステップと、
前記物理量検出ステップで検出された物理量に基づいて振動パターンを判断し、当該振動パターンがあらかじめ用意された許容範囲内か否かを判断する判断ステップと、
前記判断ステップで許容範囲内という判断結果が得られた場合、前記操作検出ステップにより検出されるユーザの操作に応答して、パラメータを変化させるパラメータ変化ステップと、
前記操作検出ステップにより検出されるユーザの操作に応答して、前記パラメータ制御ステップにより変化したパラメータを用いてゲーム進行を制御するゲーム進行制御ステップと、
を含むことを特徴とするゲーム方法。
【請求項7】
加速度センサ、および、制御ボタンを有するリモコンと、前記リモコンと通信を行うとともにゲーム進行を制御するゲーム装置本体と、を備えたゲームシステムのゲーム方法であって、
前記加速度センサを用いて振動および方位の物理量を取得する物理量取得ステップと、
前記制御ボタンに対するユーザのボタン操作に基づいて制御情報を取得する制御情報取得ステップと、
前記物理量取得ステップで取得された物理量に基づいて前記リモコンの振動パターンを判断し、当該振動パターンがあらかじめ用意された許容範囲内か否かを判断する判断ステップと、
前記判断ステップで許容範囲内という判断結果が得られた場合、前記制御情報取得ステップにより取得された制御情報にしたがってパラメータを変化させるパラメータ変化ステップと、
前記リモコンと前記ゲーム装置本体との間において、前記制御情報取得ステップにより取得された制御情報にしたがって前記パラメータ制御ステップにより変化したパラメータを前記リモコンから前記ゲーム装置本体に通信する通信ステップと、
前記ゲーム装置本体において、前記通信ステップで通信されたパラメータを用いてゲーム進行を制御するゲーム進行制御ステップと、
を含むことを特徴とするゲーム方法。
【請求項8】
加速度センサ、および、制御ボタンを有するリモコンと、前記リモコンと通信を行うとともにゲーム進行を制御するゲーム装置本体と、を備えたゲームシステムによるバックギャモンのゲーム方法であって、
前記加速度センサを用いてダイスカップの振り情報を取得する振り情報取得ステップと、
前記制御ボタンに対するユーザのボタン操作に基づいてシェイク状態かロール状態かを判断する状態判断ステップと、
前記判断ステップでシェイク状態が判断された場合、前記振り情報取得手段ステップで取得された振り情報に基づいて前記リモコンの振動パターンを判断し、当該振動パターンがあらかじめ用意されたシェイクに関する振動パターンの許容範囲内か否かを判断するシェイク判断ステップと、
前記判断ステップで許容範囲内という判断結果が得られた場合、前記振り情報取得ステップにより取得された振り情報にしたがってパラメータを変化させるパラメータ変化ステップと、
前記シェイク判断ステップでロール状態が判断された場合、前記振り情報取得ステップで取得された振り情報に基づいて前記リモコンの振動パターンを判断し、当該振動パターンがあらかじめ用意されたロールに関する振動パターンの許容範囲内か否かを判断するロール判断ステップと、
前記リモコンと前記ゲーム装置本体との間において、前記ロール判断ステップで許容範囲内という判断結果が得られた場合、前記パラメータ制御手段により変化したパラメータを前記ゲーム装置本体に通信する通信ステップと、
前記ゲーム装置本体において、前記通信ステップで通信されたパラメータを用いてゲーム進行を制御するゲーム進行制御ステップと、
を含むことを特徴とするゲーム方法。
【請求項9】
コンピュータにより実行可能なゲームプログラムであって、
前記コンピュータに、
振動および方位の物理量を検出する物理量検出ステップと、
ユーザの操作を検出する操作検出ステップと、
前記物理量検出ステップで検出された物理量に基づいて振動パターンを判断し、当該振動パターンがあらかじめ用意された許容範囲内か否かを判断する判断ステップと、
前記判断ステップで許容範囲内という判断結果が得られた場合、前記操作検出ステップにより検出されるユーザの操作に応答して、パラメータを変化させるパラメータ変化ステップと、
前記操作検出ステップにより検出されるユーザの操作に応答して、前記パラメータ制御ステップにより変化したパラメータを用いてゲーム進行を制御するゲーム進行制御ステップと、
を実行させることを特徴とするゲームプログラム。
【請求項10】
加速度センサ、および、制御ボタンを有するリモコンと、前記リモコンと通信を行うとともにゲーム進行を制御するゲーム装置本体と、を備えたゲームシステムにより実行可能なゲームプログラムであって、
前記ゲームシステムに、
前記加速度センサを用いて振動および方位の物理量を取得する物理量取得ステップと、
前記制御ボタンに対するユーザのボタン操作に基づいて制御情報を取得する制御情報取得ステップと、
前記物理量取得ステップで取得された物理量に基づいて前記リモコンの振動パターンを判断し、当該振動パターンがあらかじめ用意された許容範囲内か否かを判断する判断ステップと、
前記判断ステップで許容範囲内という判断結果が得られた場合、前記制御情報取得ステップにより取得された制御情報にしたがってパラメータを変化させるパラメータ変化ステップと、
前記リモコンと前記ゲーム装置本体との間において、前記制御情報取得ステップにより取得された制御情報にしたがって前記パラメータ制御ステップにより変化したパラメータを前記リモコンから前記ゲーム装置本体に通信する通信ステップと、
前記ゲーム装置本体において、前記通信ステップで通信されたパラメータを用いてゲーム進行を制御するゲーム進行制御ステップと、
を実行させることを特徴とするゲームプログラム。
【請求項11】
加速度センサ、および、制御ボタンを有するリモコンと、前記リモコンと通信を行うとともにゲーム進行を制御するゲーム装置本体と、を備えたゲームシステムにより実行可能なバックギャモンのゲームプログラムであって、
前記ゲームシステムに、
前記加速度センサを用いてダイスカップの振り情報を取得する振り情報取得ステップと、
前記制御ボタンに対するユーザのボタン操作に基づいてシェイク状態かロール状態かを判断する状態判断ステップと、
前記判断ステップでシェイク状態が判断された場合、前記振り情報取得手段ステップで取得された振り情報に基づいて前記リモコンの振動パターンを判断し、当該振動パターンがあらかじめ用意されたシェイクに関する振動パターンの許容範囲内か否かを判断するシェイク判断ステップと、
前記判断ステップで許容範囲内という判断結果が得られた場合、前記振り情報取得ステップにより取得された振り情報にしたがってパラメータを変化させるパラメータ変化ステップと、
前記シェイク判断ステップでロール状態が判断された場合、前記振り情報取得ステップで取得された振り情報に基づいて前記リモコンの振動パターンを判断し、当該振動パターンがあらかじめ用意されたロールに関する振動パターンの許容範囲内か否かを判断するロール判断ステップと、
前記リモコンと前記ゲーム装置本体との間において、前記ロール判断ステップで許容範囲内という判断結果が得られた場合、前記パラメータ制御手段により変化したパラメータを前記ゲーム装置本体に通信する通信ステップと、
前記ゲーム装置本体において、前記通信ステップで通信されたパラメータを用いてゲーム進行を制御するゲーム進行制御ステップと、
を実行させることを特徴とするゲームプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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