ゲームシステム、サーバ
【課題】既存のシステムを利用して、利用時間の制限なく対戦ゲームを実行できるようにする。
【解決手段】鉄道等における改札機と改札機によって乗車券から読み取られたデータをネットワークを通じて受信するサーバとを含む既存のシステムを利用する。サーバは、乗車券に記録されたデータのそれぞれについて、対戦ゲームの勝敗を判定する際に参照されるパラメータを設定して記録すると共に、対戦待ちエントリを登録しておく。サーバは、対戦待ちエントリから対戦ゲームの対象を選択し、この選択された対戦待ちエントリに対応するパラメータをもとに対戦ゲームの勝敗を判定して勝敗結果を記憶する。サーバは、改札機から受信された降車改札時に読み取られたデータに対応する勝敗結果をデータの送信元とする改札機に送信して出力させる。
【解決手段】鉄道等における改札機と改札機によって乗車券から読み取られたデータをネットワークを通じて受信するサーバとを含む既存のシステムを利用する。サーバは、乗車券に記録されたデータのそれぞれについて、対戦ゲームの勝敗を判定する際に参照されるパラメータを設定して記録すると共に、対戦待ちエントリを登録しておく。サーバは、対戦待ちエントリから対戦ゲームの対象を選択し、この選択された対戦待ちエントリに対応するパラメータをもとに対戦ゲームの勝敗を判定して勝敗結果を記憶する。サーバは、改札機から受信された降車改札時に読み取られたデータに対応する勝敗結果をデータの送信元とする改札機に送信して出力させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対戦ゲームを実行するゲームシステム、同ゲームシステムにおいて対戦ゲームを制御するサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カードに記録されたカードデータを読み取り、このカードデータを利用して対戦ゲームを実行するゲーム機が広く普及している。例えば、ユーザが用意したカードを用いて、他のユーザやコンピュータと対戦を行うゲームなどがある。この種、ゲーム機では、1ゲームを実行するのに伴って、新たなカードがユーザに対して供給される。ユーザは、新たに取得したカードを収集して、次回以降のゲームに利用することができる。
【0003】
例えば、特許文献1には、カードをプレイフィールド上に並べることによりカードの裏面に記憶されたカードデータを自動的に読み取って、プレイフィールド上に載置されたカードデータの組合せに応じたゲーム内容で所定のビデオゲームを進行させるよう構成されたカードゲーム機について記載されている。
【特許文献1】特開2002−301264号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
カードを利用して対戦ゲームを実行するゲーム機は、装置の開発元により異なるシステムを採用しているので、各開発元において専用のゲーム筐体やプログラムなどを設計、製造、流通させる必要があった。また、従来のゲーム機は、カードベンダー(カード供給装置)と一体化して構成されているため、ゲームアプリケーションプログラムにコイン収受の関係やカード払い出しの関係の処理を含める必要があり、開発の負担増大を招いていた。
【0005】
また、ゲーム機がゲームセンタなどの風俗営業法が適用される遊技施設に設置されている場合、ユーザの年令によってゲーム機を利用して遊ぶ時間が制限されてしまう。特に、低年齢層のユーザでは、遊ぶ時間が大幅に制限されていた。
【0006】
本発明は前述した事情に考慮してなされたもので、その目的は、既存のシステムを利用して、利用時間の制限なく対戦ゲームを実行することが可能なゲームシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、乗車券に記録されたデータを読み取る複数の改札機と、前記複数の改札機によって前記乗車券から読み取られたデータを受信するサーバとを含むゲームシステムであって、前記サーバは、前記乗車券に記録されたデータをもとに、対戦ゲームの勝敗を判定する際に参照されるパラメータを設定するための付加情報が記憶される第1の記憶手段と、前記複数の改札機から受信された乗車改札時に読み取られたデータのそれぞれについて、前記第1の記憶手段に記憶された付加情報をもとに前記パラメータを設定して前記データと対応付けて記録するパラメータ記録処理手段と、前記複数の改札機から受信されたデータのそれぞれに対応する対戦待ちエントリを記録する対戦キュー手段と、前記対戦キュー手段により記録された対戦待ちエントリから対戦ゲームの対象を選択し、この選択された対戦待ちエントリに対応する前記データについて前記パラメータ記録手段により記録された前記パラメータをもとに対戦ゲームの勝敗を判定する対戦処理手段と、前記対戦処理手段により判定された勝敗結果を前記パラメータと前記データとに対応付けて記憶する第2の記憶手段と、前記改札機から受信された降車改札時に読み取られたデータに対応する前記勝敗結果を、前記データの送信元とする改札機に送信する勝敗結果送信手段とを具備し、前記改札機は、乗車改札時に前記乗車券から読み取られたデータを前記サーバに送信する第1の送信手段と、降車改札時に前記乗車券から読み取られたデータを前記サーバに送信する第2の送信手段と、前記第2の送信手段によるデータの送信に対して、前記サーバから対戦ゲームについての勝敗結果を受信して出力する出力手段とを具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、鉄道等の交通機関で使用される改札機と同改札機によって乗車券から読み取られたデータをネットワークを通じて受信するサーバとを含む既存のシステムを利用し、乗車券から読み取られたデータをもとに設定されたパラメータをもとに対戦ゲームを実行するので、風俗営業法の適用を受けずに低年齢層のユーザであっても利用時間の制限なくゲームに参加することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態におけるゲームシステムの構成を示すブロック図である。本実施形態におけるゲームシステムは、鉄道等の交通機関で使用される乗車券を対戦ゲームで使用するカードとしても利用するものである。本ゲームシステムでは、乗車券を利用して改札機を通過することで乗車券に記録されたゲームデータが読み取られて対戦ゲームにエントリされ、他の同じように改札機を通過した人との対戦が実行される。対戦ゲームの結果は、改札機を出る際に、改札機に設けられた表示装置において表示させることにより利用者に通知する。
【0010】
図1に示すサーバ(バトルサーバ)10は、例えば鉄道網の各駅に設置された改札機によって読み取られたデータを管理するためので、専用のネットワーク12を介して複数の改札機14〜20と接続される。サーバ10は、通常機能として、乗車券から読み取られたデータをもとに乗車記録を管理する。また、本実施形態におけるゲームシステムでは、サーバ10は、乗車券から読み取られたデータをもとに対戦ゲームを管理するバトルサーバとして機能する。以下の説明では、対戦ゲームを管理するバトルサーバ10として説明する。
【0011】
図1において、バトルサーバ10は、渋谷駅(JR線)に設置された改札機14、渋谷駅(東京メトロ銀座線)に設置された改札機15、代官山駅に設置された改札機16、中目黒駅に設置された改札機17と接続されていることを示している。改札機14〜17については、各駅について1台のみ図示しているが、実際には1つの駅には複数の改札機が設置されている。図1においては、例えば新宿駅には、複数の改札機18,19,20が設置されていることを示している。各改札機18,19,20には改札機番号が付されており、この改札機番号をもとに個別に管理される。各改札機14〜20には、乗車券に記録されたデータを読み取りネットワーク12を介して送信する機能、乗車券から読み取られたデータ等を表示する機能などが実装されている。
【0012】
また、バトルサーバ10は、インターネット等を含むネットワーク30を介して、ゲームサーバ31、ゲーム機32、パソコンピュータ33、携帯電話機34等と接続される。
【0013】
ゲームサーバ31は、バトルサーバ10から乗車券を利用した対戦ゲームに関するデータ(戦歴や対戦ゲームの勝敗を決定するための参照されるパラメータなど)を取得して、ネットワーク30を介して接続されたパーソナルコンピュータ33や携帯電話機34によって閲覧させたり、あるいはネットワーク30を介して接続されたゲーム機32で実施される対戦ゲームに提供するサービスなどを実施する。
【0014】
複数のゲーム機32は、例えばゲームセンタなどの遊戯施設に設置されるもので、カードに記録されたカードデータを読み取り、このカードデータを利用して対戦ゲームを実行する。また、ゲーム機32は、ゲーム用乗車券のカードIDをもとにして、バトルサーバ10あるいはゲームサーバ31から乗車券を利用した対戦ゲームに関するデータを受信し、このデータを利用して対戦ゲームを実行することもできる。
【0015】
図2は、バトルサーバ10の詳細な機能構成を示すブロック図である。
バトルサーバ10には、通信部40、記録処理部41、データベース42(路線番号テーブル43、駅番号テーブル44、改札機番号テーブル45、券種番号テーブル46、キャラクタテーブル47、ユーザ情報テーブル48)、対戦キュー部50、対戦処理部51、通信処理部52、及びユーザ情報提供部53の各機能が設けられる。
【0016】
通信部40は、ネットワーク12を介して接続された、各駅に設置された複数の改札機との間でデータを送受信する。
【0017】
記録処理部41は、通信部40を通じて複数の改札機から受信されたデータ(後述するエントリ情報)のそれぞれについて、データベース42に登録された付加情報をもとに、対戦ゲームの勝敗を判定する際に参照されるパラメータをゲーム用乗車券(乗車券に付されるカードID(識別情報))毎に設定してデータベース42(ユーザ情報テーブル48)に記録する。対戦ゲームの勝敗を判定する際に参照されるパラメータとしては、例えば「固有攻撃力」「固有回避力」「固有的中率」「行動特性」が含まれているものとする。付加情報は、ゲーム用乗車券が使用(乗降改札、降車改札)された路線、駅、改札機や、ゲーム用乗車券の券種に応じて、パラメータ「固有攻撃力」「固有回避力」「固有的中率」「行動特性」をどのように変更するかを示す情報である(詳細については後述する)。パラメータは、同じ乗車券が複数回使用される場合には、その使用に合わせて順次更新される。また、記録処理部41は、乗車券から読み取られる識別情報(以下、カードIDと称する)と対応付けてパラメータを記録しておき、利用者が乗車券(例えば定期券)を交換しながら継続利用する場合に、乗車券を交換するのに合わせてカードIDを変更することでパラメータを対戦ゲームで継続使用できるようにする。
【0018】
データベース42は、ゲームシステムにおいて対戦ゲームを実行するための各種データが記録されるもので、対戦ゲームの勝敗を判定する際に参照されるパラメータを設定するための情報が記憶されている各種テーブル(路線番号テーブル43、駅番号テーブル44、改札機番号テーブル45、券種番号テーブル46、キャラクタテーブル47)、パラメータと対戦ゲームの結果、及び改札機から受信されたデータとがカードIDと対応付けて記憶されるユーザ情報テーブル48が含まれている。以下、各テーブルの詳細について説明する。
【0019】
路線番号テーブル43は、ゲーム用乗車券が使用(乗降改札、降車改札)される各路線に対応する路線番号と対応付けて、路線名称、付加情報のデータが設定されている。
【0020】
図3には、路線番号テーブル43に設定されるデータの具体例を示している。例えば、路線番号0に対して、路線名称「東急東横」、付加情報「普通券300円以上で攻撃力+5」が設定されている。このデータは、ゲーム用乗車券が「東急東横線」で使用され、普通券300円以上であった場合には、ゲーム用乗車券に対するパラメータの「固有攻撃力」を+5することを示している。
【0021】
駅番号テーブル44は、ゲーム用乗車券が使用(乗降改札、降車改札)される各駅に対応する駅番号と対応付けて、駅名称、付加情報のデータが設定されている。
【0022】
図4には、駅番号テーブル44に設定されるデータの具体例を示している。例えば、駅番号0に対して、駅名称「渋谷」、付加情報「渋谷駅発行の券で的中率+2」が設定されている。このデータは、ゲーム用乗車券が「渋谷駅」で使用され、渋谷駅で発券されている場合には、ゲーム用乗車券に対するパラメータの「固有的中率」を+2することを示している。
【0023】
改札機番号テーブル45は、ゲーム用乗車券が使用(乗降改札、降車改札)される各改札機に対応する改札機番号と対応付けて、改札機名称、付加情報のデータが設定されている。
【0024】
図5には、改札機番号テーブル45に設定されるデータの具体例を示している。例えば、改札機番号0に対して、改札機名称「西口1」、付加情報「攻撃重視型の行動」が設定されている。このデータは、ゲーム用乗車券が例えば「新宿駅」の「西口1」の改札機で使用された場合には、ゲーム用乗車券に対するパラメータの「行動特性」を「行動重視型の行動」にすることを示している。
【0025】
券種番号テーブル46は、ゲーム用乗車券の券種に対応する券種番号と対応付けて、券種名称、付加情報のデータが設定されている。
【0026】
図6には、券種番号テーブル46に設定されるデータの具体例を示している。例えば、券種番号0に対して、券種名称「周遊券」、付加情報「他の全券種に対して先制攻撃」が設定されている。このデータは、ゲーム用乗車券が「周遊券」の場合には、ゲーム用乗車券に対するパラメータの「行動特性」を「他の全券種に対して先制攻撃」にすることを示している。
【0027】
キャラクタテーブル47は、ゲーム用乗車券の券面に付された絵柄(図柄)に用いられたキャラクタに対応するキャラクタ番号と対応付けて、キャラクタ名称、基礎攻撃力、基礎回復力、基礎的中率のデータが設定されている。
【0028】
図7には、キャラクタテーブル47に設定されるデータの具体例を示している。例えば、キャラクタ番号0に対して、キャラクタ名称「イルカ」、基礎攻撃力「10」、基礎回復力「10」、基礎的中率「10」が設定されている。このデータは、ゲーム用乗車券の券面に付されたキャラクタが「イルカ」であり、このゲーム用乗車券に対して設定されるパラメータ「固有攻撃力」「固有回避力」「固有的中率」の初期値をそれぞれ「10」「10」「10」とすることを示している。すなわち、ゲーム用乗車券の券面に付された絵柄(キャラクタ)を参照することによって、ゲーム用乗車券の対戦ゲームにおける基本的な強さが分かるようになっている。
【0029】
ユーザ情報テーブル48は、記録処理部41により設定されたパラメータと対戦処理部51により処理される対戦ゲームの結果、及び改札機から受信されたデータとがカードIDと対応付けて記憶される。
【0030】
図8には、ユーザ情報テーブル48に記憶されるデータの具体例を示している。例えば、カードから読み出されたカードID「A00010」に対して、改札機から受信されたデータとして発行路線番号「8」、発行駅番号「22」、キャラクタ番号「2」、「乗降車駅履歴」(利用した路線と駅(乗り継ぎを含む)の履歴)が記憶され、パラメータとして固有攻撃力「20」、固有回避力「30」、固有的中率「40」、及び行動特性(行動情報)が記憶され、対戦ゲームの結果として戦歴情報が記憶される。
【0031】
対戦キュー部50は、複数の改札機から受信されたデータ(エントリ情報)のそれぞれに対応する対戦待ちエントリを記録するためのもので、記録処理部41によってエントリ情報をもとにパラメータが生成されてユーザ情報テーブル48に記録されるのに伴って、対戦待ちエントリが登録(キューイング)される。
【0032】
対戦処理部51は、対戦キュー部50に登録(キューイング)された対戦待ちエントリから対戦ゲームの対象を選択し、この選択された対戦待ちエントリに対応するデータ(エントリ情報)についてユーザ情報テーブル48により記録されたパラメータをもとに対戦ゲームの勝敗を判定し、勝敗結果をユーザ情報テーブル48に戦歴情報として記憶させる。
【0033】
通信処理部52は、通信部40を通じて降車改札時に読み取られたデータ(エントリ情報)が改札機から受信された場合に、このデータに対応する対戦ゲームについての勝敗結果をユーザ情報テーブル48から読み出し、通信部40を通じてデータの送信元とする改札機に送信する。すなわち、図2に示す改札機36によって乗車改札されてエントリ情報がバトルサーバ10に送信されると、利用者が鉄道等によって移動している間にバトルサーバ10においてエントリ情報をもとに対戦ゲームが実行され、改札機37において降車改札される際に対戦ゲームの結果が確認される。
【0034】
ユーザ情報提供部53は、データベース42のユーザ情報テーブル48に登録されたゲーム結果を、ネットワーク30を介してゲームサーバ31やゲーム機32などの外部の他の情報機器に提供する。
【0035】
次に、本実施形態におけるゲームシステムで使用される乗車券について説明する。
本ゲームシステムで使用される乗車券は、普通券、定期券、周遊券や一日乗車券などの特殊乗車券、パスネット(商標登録)などのプリペイド式カード、Suica(登録商標)やPASMO(登録商標)などのICカードなどが含まれるものとする。本ゲームシステムにおいて利用する場合には、一般的な乗車券として利用するためのデータの他に、対戦ゲームを実行する上で必要となるデータ(エントリ情報)が乗車券に記録され、改札機によって読み取ることが可能であるものとする。また、各乗車券は、それぞれを識別するための固有のカードIDが付されており、改札機により読み取ることが可能であるものとする。
【0036】
図9は、改札機によってゲーム用乗車券が読み取られた場合に、バトルサーバ10に対して送信されるエントリ情報のフォーマットを示している。エントリ情報には、ゲーム用乗車券から読み取られるデータとして、カードID、券種番号、発行線路番号、発行駅番号、キャラクタ番号が含まれており、改札機によって付加されるデータとして、路線番号、駅番号、改札機番号が含まれているものとする。
【0037】
バトルサーバ10は、エントリ情報に含まれる各データをキーとしてデータベース42に記録された各テーブルにアクセスして、対戦ゲームを制御する。
【0038】
図10は、本ゲームシステムで使用される乗車券(ゲーム用乗車券)を販売する券売機の外観を示す図である。
図10に示す券売機は、一般的な乗車券を発券することができるだけでなく、操作パネルに設けられたゲーム用発券ボタンが押された場合に、ゲームシステムにおける対戦ゲームにも使用することが可能なゲーム用乗車券を発券する機能が設けられている。券売機によって発券される乗車券には、前述したように、例えば定期券、特殊乗車券、プリペイド式カード、ICカードなどが含まれていても良い。
【0039】
既存の券売機には、料金収受や発券(カード払い出し)のための機構が基本的な構成として設けられているため、本実施形態におけるゲームシステムで使用されるゲーム用乗車券を発券するための機能を容易に追加することができる。
【0040】
図11には、券売機によって発券されたゲーム用乗車券の一例として特殊乗車券(周遊券)を示している。
図11に示す特殊乗車券には、通常の乗車券としての情報として発行日付や出発駅/到着駅名などが記録されている。また、ゲーム用乗車券(カード)には、絵柄(例えば、動物、恐竜、ロボットなどのキャラクタ)やQR(Quick response)コードが印刷されている。ゲーム用乗車券は、本実施形態におけるゲームシステムで実行される対戦ゲームで使用するが、降車改札の後に取得することでゲームセンタなどの遊技施設に設置されたゲーム機(カードゲーム機)においても利用することができる(ゲーム用乗車券については、降車改札の際にも改札機によって回収されないようにする)。
【0041】
)。ゲーム用乗車券に印刷されたQRコードは、カード種類に応じたカードデータを示しており、ゲーム機によって光学的に読み取られることにより対戦ゲームに利用することができる。
【0042】
なお、図11に示すゲーム用乗車券は、QRコードが付された例を示しているが、ゲーム機に設けられたカードデータを読み取るための機能に応じたその他の方式によりカードデータが記録されていても良い。例えば、光学的に読み取ることができるデータとして、QRコードの他に二次元バーコードを印刷しても良い。また、磁気的にカードデータを記録しても良いし、RFID(Radio Frequency Identification)の技術を利用してデータの送受信が可能なICタグがゲーム用乗車券に付されていても良い。
【0043】
また、ゲーム用乗車券に付される絵柄やQRコードなどは、券売機に絵柄等を印刷可能な印刷機構を搭載することによって発券時に印刷するようにしても良いし、乗車券とする台紙に予め印刷されていても良い。
【0044】
また、特殊な券種などを対象として、絵柄やゲーム用乗車券に記録されるカードデータが特殊なゲーム用乗車券、すなわちレアカードを低い確率で発券できるようにすることで、一般のカードゲーム機で使用されるカードと同様に希少価値を付加することができる。特殊な券種としては、例えば子供用乗車券、期間限定プリペイド式カード、一日周遊券などを対象とし、特殊な限定デザインにしてレアカードとする。
【0045】
次に、本実施形態におけるゲームシステムの動作について、図12、図13、及び図14に示すフローチャートを参照しながら説明する。
図12(a)は、乗車改札を行う改札機36により実行される改札機処理(入口)を示している。
【0046】
改札機36は、読み込まれた乗車券から記録されたデータ(カード情報)を読み取る(ステップA1)。この結果、乗車券に記録されたカードID、券種番号、キャラクタ番号等からゲーム用乗車券であることが検出されると、エントリ情報(図9参照)をネットワーク12を通じてバトルサーバ10に送信する(ステップA2)。なお、通常の乗車券と同様の処理については別途実行するものとする。
【0047】
図13(a)は、バトルサーバ10における記録処理を示している。
【0048】
バトルサーバ10は、通信部40によって改札機36からエントリ情報を受信する(ステップC1)。
記録処理部41は、エントリ情報中のカードIDがデータベース42のユーザ情報テーブル48に既に記録されている場合、このカードIDと対応付けられた乗降車駅履歴情報に、エントリ情報に含まれる路線番号、駅番号、改札機番号の各データを追加記録する(ステップC2)。また、記録処理部41は、エントリ情報中のカードIDがデータベース42のユーザ情報テーブル48に記録されていない場合には、カードIDを追加記録すると共に、このカードIDと対応付けてエントリ情報に含まれる路線番号、駅番号、改札機番号の各データを記録する(ステップC2)。
【0049】
また、記録処理部41は、エントリ情報に含まれる各データをキーにして、データベース42の各テーブル43〜47(図3〜図7)にアクセスし、該当する付加情報をもとにしてパラメータ(「固有攻撃力」「固有回避力」「固有的中率」)を求めて、カードIDと対応付けてユーザ情報テーブル48に記録する。
【0050】
なお、ユーザ情報テーブル48に新規にカードIDが記録された場合には、エントリ情報のキャラクタ番号をもとにキャラクタテーブル47にアクセスし、該当するキャラクタ番号に対応付けてキャラクタテーブル47に設定された「基礎攻撃力」「基礎回復力」「基礎的中率」の各データをパラメータの初期値として記憶させる。
【0051】
パラメータは、例えば以下のようにして求める。
攻撃力=固有攻撃力+各テーブルから求めた加算値
回避力=固有回避力+各テーブルから求めた加算値
的中率=固有的中率+各テーブルから求めた加算値
記録処理部41は、パラメータをユーザ情報テーブル48に記録させると、このパラメータに対応して対戦待ちエントリ(例えばカードID)を対戦キュー部50に登録(キューイング)する(ステップC3)。また、記録処理部41は、対戦キュー部50に登録された対戦待ちエントリの数を示すキュー残数を加算(+1)して対戦キュー部50に設定する(ステップC4)。
【0052】
すなわち、記録処理部41は、複数の改札機から受信されるエントリ情報に対して、順次、エントリ情報中の各データをもとにパラメータを生成してユーザ情報テーブル48に記録すると共に、対戦キュー部50に対戦待ちエントリを登録していく。
【0053】
図14は、バトルサーバ10における対戦処理を示している。
【0054】
対戦処理部51は、対戦キュー部50に設定された対戦キュー(対戦待ちエントリ)の残数をチェックし(ステップE1)、残数が2以上であった場合には、対戦ゲームが実施可能であると判別する(ステップE2、Yes)。
【0055】
この場合、対戦処理部51は、対戦キュー部50に登録された対戦待ちエントリから、FIFOにより2つのエントリを対戦ゲームの対象として選択して取り出す(ステップE3)。対戦処理部51は、キュー残数を減算(−2)して対戦キュー部50に設定する(ステップE4)。
【0056】
対戦処理部51は、対戦キュー部50から取り出した対戦待ちエントリ(カードID)に対応するパラメータを、ユーザ情報テーブル48から取得する。そして、2つのパラメータをもとにして、対戦の勝敗を判定する対戦処理を実行する(ステップE6)。すなわち、パラメータ「固有攻撃力」「固有回避力」「固有的中率」と「行動特性」として記録された「先制攻撃」や「守備型行動」などの指示等を加味したシミュレーションを実行して勝者を判定する。
【0057】
対戦処理部51は、ユーザ情報テーブル48の対戦ゲームの対象となった2つのエントリに対応する戦歴情報のそれぞれに、勝敗結果(勝ちあるいは負け)を記録する(ステップE7)。
【0058】
図12(b)は、降車改札を行う改札機37により実行される改札機処理(出口)を示し、図13(b)は、バトルサーバ10における通知処理を示している。ている。
【0059】
改札機37は、読み込まれた乗車券から記録されたデータ(カード情報)を読み取る(ステップB1)。この結果、乗車券に記録されたカードID、券種番号、キャラクタ番号等からゲーム用乗車券であることが検出されると、エントリ情報(図9参照)をネットワーク12を通じてバトルサーバ10に送信する(ステップB2)。
【0060】
バトルサーバ10は、通信部40によって改札機37からエントリ情報を受信する(ステップD1)。記録処理部41は、ユーザ情報テーブル48のエントリ情報中のカードIDと対応する乗降車駅履歴情報に、エントリ情報に含まれる路線番号、駅番号、改札機番号の各データを追加記録する(ステップD2)。
【0061】
一方、通信処理部52は、改札機37から受信されたエントリ情報中のカードIDをもとに、ユーザ情報テーブル48の該当する戦歴情報にアクセスして、最新の勝敗結果を取得する。そして、通信部40を通じて選り情報の送信元の改札機37に対して送信する(ステップD4)。
【0062】
改札機37は、バトルサーバ10から勝敗結果(対戦結果)を受信すると(ステップB3)、この対戦結果を出力する(ステップB4)。
【0063】
図15には、対戦ゲームの結果がモニタ画面に表示出力された例を示している。改札機37は、通常の乗車券と同様の処理については別途実行しており、その処理結果として料金(利用運賃)と残金を表示すると共に(プリペイド式カードによるゲーム用乗車券の例)、対戦結果として例えば勝ちを表す「○」を表示する(負けを表す場合には「×」を表示する)。
【0064】
なお、勝敗結果の出力は、「○」「×」以外であっても良く、モニタの表示色により通知したり、音声によって通知するようにしても良い。
【0065】
なお、ユーザ情報テーブル48に記録されたパラメータは、ネットワーク30を介してゲームサーバ31あるいはゲーム機32において利用することができる。ユーザ情報提供部53は、ゲームサーバ31あるいはゲーム機32からカードIDをログインコードとしてアクセスされた場合、このカードIDに対応するパラメータ(その他の戦歴情報などを含めても良い)を読み出してダウンロードする。ゲームサーバ31は、バトルサーバ10からダウンロードしたデータを利用して、例えばカードゲームを実行することができる。
【0066】
このようにして、本実施形態におけるゲームシステムでは、鉄道網等で使用されている既存のシステムを利用してゲームシステムを構成するので、開発側の技術的、時間的負担を軽減することができる。また、コイン管理やカード払い出しといった業務用ゲーム特有の処理をゲームのアプリケーションから分離できるので、開発を容易にすることができる。また、風俗営業法の対象外となるので、鉄道等を利用可能な時間であれば、年令に関係なく誰もがゲームに参加することができる。さらに、乗車券をゲームセンタに設置されたカードゲーム機においても使用できるようにしたので、ゲームセンタへの新たな顧客誘導も期待できる。
【0067】
また、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本実施形態におけるゲームシステムの構成を示すブロック図。
【図2】バトルサーバ10の詳細な機能構成を示すブロック図。
【図3】路線番号テーブル43に設定されるデータの具体例を示す図。
【図4】駅番号テーブル44に設定されるデータの具体例を示す図。
【図5】改札機番号テーブル45に設定されるデータの具体例を示す図。
【図6】券種番号テーブル46に設定されるデータの具体例を示す図。
【図7】キャラクタテーブル47に設定されるデータの具体例を示す図。
【図8】ユーザ情報テーブル48に記憶されるデータの具体例を示す図。
【図9】改札機からバトルサーバ10に対して送信されるエントリ情報のフォーマットを示す図。
【図10】本実施形態におけるゲームシステムで使用される乗車券(ゲーム用乗車券)を販売する券売機の外観を示す図。
【図11】券売機によって発券されたゲーム用乗車券の一例として特殊乗車券(周遊券)を示す図。
【図12】本実施形態における改札機処理を説明するためのフローチャート。
【図13】本実施形態におけるバトルサーバ10の記録処理と通知処理を説明するためのフローチャート。
【図14】バトルサーバ10における対戦処理を説明するためのフローチャート。
【図15】対戦ゲームの結果がモニタ画面に表示出力された例を示す図。
【符号の説明】
【0069】
10…サーバ、12…ネットワーク、14〜20…改札機、30…ネットワーク、31…ゲームサーバ、32…ゲーム機、33…パーソナルコンピュータ、34…携帯電話機、40…通信部、41…記録処理部、42…データベース、43…路線番号テーブル、44…駅番号テーブル、45…改札機番号テーブル、46…券種番号テーブル、47…キャラクタテーブル、48…ユーザ情報テーブル、50…対戦キュー部、51…対戦処理部、52…通信処理部、53…ユーザ情報提供部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、対戦ゲームを実行するゲームシステム、同ゲームシステムにおいて対戦ゲームを制御するサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カードに記録されたカードデータを読み取り、このカードデータを利用して対戦ゲームを実行するゲーム機が広く普及している。例えば、ユーザが用意したカードを用いて、他のユーザやコンピュータと対戦を行うゲームなどがある。この種、ゲーム機では、1ゲームを実行するのに伴って、新たなカードがユーザに対して供給される。ユーザは、新たに取得したカードを収集して、次回以降のゲームに利用することができる。
【0003】
例えば、特許文献1には、カードをプレイフィールド上に並べることによりカードの裏面に記憶されたカードデータを自動的に読み取って、プレイフィールド上に載置されたカードデータの組合せに応じたゲーム内容で所定のビデオゲームを進行させるよう構成されたカードゲーム機について記載されている。
【特許文献1】特開2002−301264号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
カードを利用して対戦ゲームを実行するゲーム機は、装置の開発元により異なるシステムを採用しているので、各開発元において専用のゲーム筐体やプログラムなどを設計、製造、流通させる必要があった。また、従来のゲーム機は、カードベンダー(カード供給装置)と一体化して構成されているため、ゲームアプリケーションプログラムにコイン収受の関係やカード払い出しの関係の処理を含める必要があり、開発の負担増大を招いていた。
【0005】
また、ゲーム機がゲームセンタなどの風俗営業法が適用される遊技施設に設置されている場合、ユーザの年令によってゲーム機を利用して遊ぶ時間が制限されてしまう。特に、低年齢層のユーザでは、遊ぶ時間が大幅に制限されていた。
【0006】
本発明は前述した事情に考慮してなされたもので、その目的は、既存のシステムを利用して、利用時間の制限なく対戦ゲームを実行することが可能なゲームシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、乗車券に記録されたデータを読み取る複数の改札機と、前記複数の改札機によって前記乗車券から読み取られたデータを受信するサーバとを含むゲームシステムであって、前記サーバは、前記乗車券に記録されたデータをもとに、対戦ゲームの勝敗を判定する際に参照されるパラメータを設定するための付加情報が記憶される第1の記憶手段と、前記複数の改札機から受信された乗車改札時に読み取られたデータのそれぞれについて、前記第1の記憶手段に記憶された付加情報をもとに前記パラメータを設定して前記データと対応付けて記録するパラメータ記録処理手段と、前記複数の改札機から受信されたデータのそれぞれに対応する対戦待ちエントリを記録する対戦キュー手段と、前記対戦キュー手段により記録された対戦待ちエントリから対戦ゲームの対象を選択し、この選択された対戦待ちエントリに対応する前記データについて前記パラメータ記録手段により記録された前記パラメータをもとに対戦ゲームの勝敗を判定する対戦処理手段と、前記対戦処理手段により判定された勝敗結果を前記パラメータと前記データとに対応付けて記憶する第2の記憶手段と、前記改札機から受信された降車改札時に読み取られたデータに対応する前記勝敗結果を、前記データの送信元とする改札機に送信する勝敗結果送信手段とを具備し、前記改札機は、乗車改札時に前記乗車券から読み取られたデータを前記サーバに送信する第1の送信手段と、降車改札時に前記乗車券から読み取られたデータを前記サーバに送信する第2の送信手段と、前記第2の送信手段によるデータの送信に対して、前記サーバから対戦ゲームについての勝敗結果を受信して出力する出力手段とを具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、鉄道等の交通機関で使用される改札機と同改札機によって乗車券から読み取られたデータをネットワークを通じて受信するサーバとを含む既存のシステムを利用し、乗車券から読み取られたデータをもとに設定されたパラメータをもとに対戦ゲームを実行するので、風俗営業法の適用を受けずに低年齢層のユーザであっても利用時間の制限なくゲームに参加することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態におけるゲームシステムの構成を示すブロック図である。本実施形態におけるゲームシステムは、鉄道等の交通機関で使用される乗車券を対戦ゲームで使用するカードとしても利用するものである。本ゲームシステムでは、乗車券を利用して改札機を通過することで乗車券に記録されたゲームデータが読み取られて対戦ゲームにエントリされ、他の同じように改札機を通過した人との対戦が実行される。対戦ゲームの結果は、改札機を出る際に、改札機に設けられた表示装置において表示させることにより利用者に通知する。
【0010】
図1に示すサーバ(バトルサーバ)10は、例えば鉄道網の各駅に設置された改札機によって読み取られたデータを管理するためので、専用のネットワーク12を介して複数の改札機14〜20と接続される。サーバ10は、通常機能として、乗車券から読み取られたデータをもとに乗車記録を管理する。また、本実施形態におけるゲームシステムでは、サーバ10は、乗車券から読み取られたデータをもとに対戦ゲームを管理するバトルサーバとして機能する。以下の説明では、対戦ゲームを管理するバトルサーバ10として説明する。
【0011】
図1において、バトルサーバ10は、渋谷駅(JR線)に設置された改札機14、渋谷駅(東京メトロ銀座線)に設置された改札機15、代官山駅に設置された改札機16、中目黒駅に設置された改札機17と接続されていることを示している。改札機14〜17については、各駅について1台のみ図示しているが、実際には1つの駅には複数の改札機が設置されている。図1においては、例えば新宿駅には、複数の改札機18,19,20が設置されていることを示している。各改札機18,19,20には改札機番号が付されており、この改札機番号をもとに個別に管理される。各改札機14〜20には、乗車券に記録されたデータを読み取りネットワーク12を介して送信する機能、乗車券から読み取られたデータ等を表示する機能などが実装されている。
【0012】
また、バトルサーバ10は、インターネット等を含むネットワーク30を介して、ゲームサーバ31、ゲーム機32、パソコンピュータ33、携帯電話機34等と接続される。
【0013】
ゲームサーバ31は、バトルサーバ10から乗車券を利用した対戦ゲームに関するデータ(戦歴や対戦ゲームの勝敗を決定するための参照されるパラメータなど)を取得して、ネットワーク30を介して接続されたパーソナルコンピュータ33や携帯電話機34によって閲覧させたり、あるいはネットワーク30を介して接続されたゲーム機32で実施される対戦ゲームに提供するサービスなどを実施する。
【0014】
複数のゲーム機32は、例えばゲームセンタなどの遊戯施設に設置されるもので、カードに記録されたカードデータを読み取り、このカードデータを利用して対戦ゲームを実行する。また、ゲーム機32は、ゲーム用乗車券のカードIDをもとにして、バトルサーバ10あるいはゲームサーバ31から乗車券を利用した対戦ゲームに関するデータを受信し、このデータを利用して対戦ゲームを実行することもできる。
【0015】
図2は、バトルサーバ10の詳細な機能構成を示すブロック図である。
バトルサーバ10には、通信部40、記録処理部41、データベース42(路線番号テーブル43、駅番号テーブル44、改札機番号テーブル45、券種番号テーブル46、キャラクタテーブル47、ユーザ情報テーブル48)、対戦キュー部50、対戦処理部51、通信処理部52、及びユーザ情報提供部53の各機能が設けられる。
【0016】
通信部40は、ネットワーク12を介して接続された、各駅に設置された複数の改札機との間でデータを送受信する。
【0017】
記録処理部41は、通信部40を通じて複数の改札機から受信されたデータ(後述するエントリ情報)のそれぞれについて、データベース42に登録された付加情報をもとに、対戦ゲームの勝敗を判定する際に参照されるパラメータをゲーム用乗車券(乗車券に付されるカードID(識別情報))毎に設定してデータベース42(ユーザ情報テーブル48)に記録する。対戦ゲームの勝敗を判定する際に参照されるパラメータとしては、例えば「固有攻撃力」「固有回避力」「固有的中率」「行動特性」が含まれているものとする。付加情報は、ゲーム用乗車券が使用(乗降改札、降車改札)された路線、駅、改札機や、ゲーム用乗車券の券種に応じて、パラメータ「固有攻撃力」「固有回避力」「固有的中率」「行動特性」をどのように変更するかを示す情報である(詳細については後述する)。パラメータは、同じ乗車券が複数回使用される場合には、その使用に合わせて順次更新される。また、記録処理部41は、乗車券から読み取られる識別情報(以下、カードIDと称する)と対応付けてパラメータを記録しておき、利用者が乗車券(例えば定期券)を交換しながら継続利用する場合に、乗車券を交換するのに合わせてカードIDを変更することでパラメータを対戦ゲームで継続使用できるようにする。
【0018】
データベース42は、ゲームシステムにおいて対戦ゲームを実行するための各種データが記録されるもので、対戦ゲームの勝敗を判定する際に参照されるパラメータを設定するための情報が記憶されている各種テーブル(路線番号テーブル43、駅番号テーブル44、改札機番号テーブル45、券種番号テーブル46、キャラクタテーブル47)、パラメータと対戦ゲームの結果、及び改札機から受信されたデータとがカードIDと対応付けて記憶されるユーザ情報テーブル48が含まれている。以下、各テーブルの詳細について説明する。
【0019】
路線番号テーブル43は、ゲーム用乗車券が使用(乗降改札、降車改札)される各路線に対応する路線番号と対応付けて、路線名称、付加情報のデータが設定されている。
【0020】
図3には、路線番号テーブル43に設定されるデータの具体例を示している。例えば、路線番号0に対して、路線名称「東急東横」、付加情報「普通券300円以上で攻撃力+5」が設定されている。このデータは、ゲーム用乗車券が「東急東横線」で使用され、普通券300円以上であった場合には、ゲーム用乗車券に対するパラメータの「固有攻撃力」を+5することを示している。
【0021】
駅番号テーブル44は、ゲーム用乗車券が使用(乗降改札、降車改札)される各駅に対応する駅番号と対応付けて、駅名称、付加情報のデータが設定されている。
【0022】
図4には、駅番号テーブル44に設定されるデータの具体例を示している。例えば、駅番号0に対して、駅名称「渋谷」、付加情報「渋谷駅発行の券で的中率+2」が設定されている。このデータは、ゲーム用乗車券が「渋谷駅」で使用され、渋谷駅で発券されている場合には、ゲーム用乗車券に対するパラメータの「固有的中率」を+2することを示している。
【0023】
改札機番号テーブル45は、ゲーム用乗車券が使用(乗降改札、降車改札)される各改札機に対応する改札機番号と対応付けて、改札機名称、付加情報のデータが設定されている。
【0024】
図5には、改札機番号テーブル45に設定されるデータの具体例を示している。例えば、改札機番号0に対して、改札機名称「西口1」、付加情報「攻撃重視型の行動」が設定されている。このデータは、ゲーム用乗車券が例えば「新宿駅」の「西口1」の改札機で使用された場合には、ゲーム用乗車券に対するパラメータの「行動特性」を「行動重視型の行動」にすることを示している。
【0025】
券種番号テーブル46は、ゲーム用乗車券の券種に対応する券種番号と対応付けて、券種名称、付加情報のデータが設定されている。
【0026】
図6には、券種番号テーブル46に設定されるデータの具体例を示している。例えば、券種番号0に対して、券種名称「周遊券」、付加情報「他の全券種に対して先制攻撃」が設定されている。このデータは、ゲーム用乗車券が「周遊券」の場合には、ゲーム用乗車券に対するパラメータの「行動特性」を「他の全券種に対して先制攻撃」にすることを示している。
【0027】
キャラクタテーブル47は、ゲーム用乗車券の券面に付された絵柄(図柄)に用いられたキャラクタに対応するキャラクタ番号と対応付けて、キャラクタ名称、基礎攻撃力、基礎回復力、基礎的中率のデータが設定されている。
【0028】
図7には、キャラクタテーブル47に設定されるデータの具体例を示している。例えば、キャラクタ番号0に対して、キャラクタ名称「イルカ」、基礎攻撃力「10」、基礎回復力「10」、基礎的中率「10」が設定されている。このデータは、ゲーム用乗車券の券面に付されたキャラクタが「イルカ」であり、このゲーム用乗車券に対して設定されるパラメータ「固有攻撃力」「固有回避力」「固有的中率」の初期値をそれぞれ「10」「10」「10」とすることを示している。すなわち、ゲーム用乗車券の券面に付された絵柄(キャラクタ)を参照することによって、ゲーム用乗車券の対戦ゲームにおける基本的な強さが分かるようになっている。
【0029】
ユーザ情報テーブル48は、記録処理部41により設定されたパラメータと対戦処理部51により処理される対戦ゲームの結果、及び改札機から受信されたデータとがカードIDと対応付けて記憶される。
【0030】
図8には、ユーザ情報テーブル48に記憶されるデータの具体例を示している。例えば、カードから読み出されたカードID「A00010」に対して、改札機から受信されたデータとして発行路線番号「8」、発行駅番号「22」、キャラクタ番号「2」、「乗降車駅履歴」(利用した路線と駅(乗り継ぎを含む)の履歴)が記憶され、パラメータとして固有攻撃力「20」、固有回避力「30」、固有的中率「40」、及び行動特性(行動情報)が記憶され、対戦ゲームの結果として戦歴情報が記憶される。
【0031】
対戦キュー部50は、複数の改札機から受信されたデータ(エントリ情報)のそれぞれに対応する対戦待ちエントリを記録するためのもので、記録処理部41によってエントリ情報をもとにパラメータが生成されてユーザ情報テーブル48に記録されるのに伴って、対戦待ちエントリが登録(キューイング)される。
【0032】
対戦処理部51は、対戦キュー部50に登録(キューイング)された対戦待ちエントリから対戦ゲームの対象を選択し、この選択された対戦待ちエントリに対応するデータ(エントリ情報)についてユーザ情報テーブル48により記録されたパラメータをもとに対戦ゲームの勝敗を判定し、勝敗結果をユーザ情報テーブル48に戦歴情報として記憶させる。
【0033】
通信処理部52は、通信部40を通じて降車改札時に読み取られたデータ(エントリ情報)が改札機から受信された場合に、このデータに対応する対戦ゲームについての勝敗結果をユーザ情報テーブル48から読み出し、通信部40を通じてデータの送信元とする改札機に送信する。すなわち、図2に示す改札機36によって乗車改札されてエントリ情報がバトルサーバ10に送信されると、利用者が鉄道等によって移動している間にバトルサーバ10においてエントリ情報をもとに対戦ゲームが実行され、改札機37において降車改札される際に対戦ゲームの結果が確認される。
【0034】
ユーザ情報提供部53は、データベース42のユーザ情報テーブル48に登録されたゲーム結果を、ネットワーク30を介してゲームサーバ31やゲーム機32などの外部の他の情報機器に提供する。
【0035】
次に、本実施形態におけるゲームシステムで使用される乗車券について説明する。
本ゲームシステムで使用される乗車券は、普通券、定期券、周遊券や一日乗車券などの特殊乗車券、パスネット(商標登録)などのプリペイド式カード、Suica(登録商標)やPASMO(登録商標)などのICカードなどが含まれるものとする。本ゲームシステムにおいて利用する場合には、一般的な乗車券として利用するためのデータの他に、対戦ゲームを実行する上で必要となるデータ(エントリ情報)が乗車券に記録され、改札機によって読み取ることが可能であるものとする。また、各乗車券は、それぞれを識別するための固有のカードIDが付されており、改札機により読み取ることが可能であるものとする。
【0036】
図9は、改札機によってゲーム用乗車券が読み取られた場合に、バトルサーバ10に対して送信されるエントリ情報のフォーマットを示している。エントリ情報には、ゲーム用乗車券から読み取られるデータとして、カードID、券種番号、発行線路番号、発行駅番号、キャラクタ番号が含まれており、改札機によって付加されるデータとして、路線番号、駅番号、改札機番号が含まれているものとする。
【0037】
バトルサーバ10は、エントリ情報に含まれる各データをキーとしてデータベース42に記録された各テーブルにアクセスして、対戦ゲームを制御する。
【0038】
図10は、本ゲームシステムで使用される乗車券(ゲーム用乗車券)を販売する券売機の外観を示す図である。
図10に示す券売機は、一般的な乗車券を発券することができるだけでなく、操作パネルに設けられたゲーム用発券ボタンが押された場合に、ゲームシステムにおける対戦ゲームにも使用することが可能なゲーム用乗車券を発券する機能が設けられている。券売機によって発券される乗車券には、前述したように、例えば定期券、特殊乗車券、プリペイド式カード、ICカードなどが含まれていても良い。
【0039】
既存の券売機には、料金収受や発券(カード払い出し)のための機構が基本的な構成として設けられているため、本実施形態におけるゲームシステムで使用されるゲーム用乗車券を発券するための機能を容易に追加することができる。
【0040】
図11には、券売機によって発券されたゲーム用乗車券の一例として特殊乗車券(周遊券)を示している。
図11に示す特殊乗車券には、通常の乗車券としての情報として発行日付や出発駅/到着駅名などが記録されている。また、ゲーム用乗車券(カード)には、絵柄(例えば、動物、恐竜、ロボットなどのキャラクタ)やQR(Quick response)コードが印刷されている。ゲーム用乗車券は、本実施形態におけるゲームシステムで実行される対戦ゲームで使用するが、降車改札の後に取得することでゲームセンタなどの遊技施設に設置されたゲーム機(カードゲーム機)においても利用することができる(ゲーム用乗車券については、降車改札の際にも改札機によって回収されないようにする)。
【0041】
)。ゲーム用乗車券に印刷されたQRコードは、カード種類に応じたカードデータを示しており、ゲーム機によって光学的に読み取られることにより対戦ゲームに利用することができる。
【0042】
なお、図11に示すゲーム用乗車券は、QRコードが付された例を示しているが、ゲーム機に設けられたカードデータを読み取るための機能に応じたその他の方式によりカードデータが記録されていても良い。例えば、光学的に読み取ることができるデータとして、QRコードの他に二次元バーコードを印刷しても良い。また、磁気的にカードデータを記録しても良いし、RFID(Radio Frequency Identification)の技術を利用してデータの送受信が可能なICタグがゲーム用乗車券に付されていても良い。
【0043】
また、ゲーム用乗車券に付される絵柄やQRコードなどは、券売機に絵柄等を印刷可能な印刷機構を搭載することによって発券時に印刷するようにしても良いし、乗車券とする台紙に予め印刷されていても良い。
【0044】
また、特殊な券種などを対象として、絵柄やゲーム用乗車券に記録されるカードデータが特殊なゲーム用乗車券、すなわちレアカードを低い確率で発券できるようにすることで、一般のカードゲーム機で使用されるカードと同様に希少価値を付加することができる。特殊な券種としては、例えば子供用乗車券、期間限定プリペイド式カード、一日周遊券などを対象とし、特殊な限定デザインにしてレアカードとする。
【0045】
次に、本実施形態におけるゲームシステムの動作について、図12、図13、及び図14に示すフローチャートを参照しながら説明する。
図12(a)は、乗車改札を行う改札機36により実行される改札機処理(入口)を示している。
【0046】
改札機36は、読み込まれた乗車券から記録されたデータ(カード情報)を読み取る(ステップA1)。この結果、乗車券に記録されたカードID、券種番号、キャラクタ番号等からゲーム用乗車券であることが検出されると、エントリ情報(図9参照)をネットワーク12を通じてバトルサーバ10に送信する(ステップA2)。なお、通常の乗車券と同様の処理については別途実行するものとする。
【0047】
図13(a)は、バトルサーバ10における記録処理を示している。
【0048】
バトルサーバ10は、通信部40によって改札機36からエントリ情報を受信する(ステップC1)。
記録処理部41は、エントリ情報中のカードIDがデータベース42のユーザ情報テーブル48に既に記録されている場合、このカードIDと対応付けられた乗降車駅履歴情報に、エントリ情報に含まれる路線番号、駅番号、改札機番号の各データを追加記録する(ステップC2)。また、記録処理部41は、エントリ情報中のカードIDがデータベース42のユーザ情報テーブル48に記録されていない場合には、カードIDを追加記録すると共に、このカードIDと対応付けてエントリ情報に含まれる路線番号、駅番号、改札機番号の各データを記録する(ステップC2)。
【0049】
また、記録処理部41は、エントリ情報に含まれる各データをキーにして、データベース42の各テーブル43〜47(図3〜図7)にアクセスし、該当する付加情報をもとにしてパラメータ(「固有攻撃力」「固有回避力」「固有的中率」)を求めて、カードIDと対応付けてユーザ情報テーブル48に記録する。
【0050】
なお、ユーザ情報テーブル48に新規にカードIDが記録された場合には、エントリ情報のキャラクタ番号をもとにキャラクタテーブル47にアクセスし、該当するキャラクタ番号に対応付けてキャラクタテーブル47に設定された「基礎攻撃力」「基礎回復力」「基礎的中率」の各データをパラメータの初期値として記憶させる。
【0051】
パラメータは、例えば以下のようにして求める。
攻撃力=固有攻撃力+各テーブルから求めた加算値
回避力=固有回避力+各テーブルから求めた加算値
的中率=固有的中率+各テーブルから求めた加算値
記録処理部41は、パラメータをユーザ情報テーブル48に記録させると、このパラメータに対応して対戦待ちエントリ(例えばカードID)を対戦キュー部50に登録(キューイング)する(ステップC3)。また、記録処理部41は、対戦キュー部50に登録された対戦待ちエントリの数を示すキュー残数を加算(+1)して対戦キュー部50に設定する(ステップC4)。
【0052】
すなわち、記録処理部41は、複数の改札機から受信されるエントリ情報に対して、順次、エントリ情報中の各データをもとにパラメータを生成してユーザ情報テーブル48に記録すると共に、対戦キュー部50に対戦待ちエントリを登録していく。
【0053】
図14は、バトルサーバ10における対戦処理を示している。
【0054】
対戦処理部51は、対戦キュー部50に設定された対戦キュー(対戦待ちエントリ)の残数をチェックし(ステップE1)、残数が2以上であった場合には、対戦ゲームが実施可能であると判別する(ステップE2、Yes)。
【0055】
この場合、対戦処理部51は、対戦キュー部50に登録された対戦待ちエントリから、FIFOにより2つのエントリを対戦ゲームの対象として選択して取り出す(ステップE3)。対戦処理部51は、キュー残数を減算(−2)して対戦キュー部50に設定する(ステップE4)。
【0056】
対戦処理部51は、対戦キュー部50から取り出した対戦待ちエントリ(カードID)に対応するパラメータを、ユーザ情報テーブル48から取得する。そして、2つのパラメータをもとにして、対戦の勝敗を判定する対戦処理を実行する(ステップE6)。すなわち、パラメータ「固有攻撃力」「固有回避力」「固有的中率」と「行動特性」として記録された「先制攻撃」や「守備型行動」などの指示等を加味したシミュレーションを実行して勝者を判定する。
【0057】
対戦処理部51は、ユーザ情報テーブル48の対戦ゲームの対象となった2つのエントリに対応する戦歴情報のそれぞれに、勝敗結果(勝ちあるいは負け)を記録する(ステップE7)。
【0058】
図12(b)は、降車改札を行う改札機37により実行される改札機処理(出口)を示し、図13(b)は、バトルサーバ10における通知処理を示している。ている。
【0059】
改札機37は、読み込まれた乗車券から記録されたデータ(カード情報)を読み取る(ステップB1)。この結果、乗車券に記録されたカードID、券種番号、キャラクタ番号等からゲーム用乗車券であることが検出されると、エントリ情報(図9参照)をネットワーク12を通じてバトルサーバ10に送信する(ステップB2)。
【0060】
バトルサーバ10は、通信部40によって改札機37からエントリ情報を受信する(ステップD1)。記録処理部41は、ユーザ情報テーブル48のエントリ情報中のカードIDと対応する乗降車駅履歴情報に、エントリ情報に含まれる路線番号、駅番号、改札機番号の各データを追加記録する(ステップD2)。
【0061】
一方、通信処理部52は、改札機37から受信されたエントリ情報中のカードIDをもとに、ユーザ情報テーブル48の該当する戦歴情報にアクセスして、最新の勝敗結果を取得する。そして、通信部40を通じて選り情報の送信元の改札機37に対して送信する(ステップD4)。
【0062】
改札機37は、バトルサーバ10から勝敗結果(対戦結果)を受信すると(ステップB3)、この対戦結果を出力する(ステップB4)。
【0063】
図15には、対戦ゲームの結果がモニタ画面に表示出力された例を示している。改札機37は、通常の乗車券と同様の処理については別途実行しており、その処理結果として料金(利用運賃)と残金を表示すると共に(プリペイド式カードによるゲーム用乗車券の例)、対戦結果として例えば勝ちを表す「○」を表示する(負けを表す場合には「×」を表示する)。
【0064】
なお、勝敗結果の出力は、「○」「×」以外であっても良く、モニタの表示色により通知したり、音声によって通知するようにしても良い。
【0065】
なお、ユーザ情報テーブル48に記録されたパラメータは、ネットワーク30を介してゲームサーバ31あるいはゲーム機32において利用することができる。ユーザ情報提供部53は、ゲームサーバ31あるいはゲーム機32からカードIDをログインコードとしてアクセスされた場合、このカードIDに対応するパラメータ(その他の戦歴情報などを含めても良い)を読み出してダウンロードする。ゲームサーバ31は、バトルサーバ10からダウンロードしたデータを利用して、例えばカードゲームを実行することができる。
【0066】
このようにして、本実施形態におけるゲームシステムでは、鉄道網等で使用されている既存のシステムを利用してゲームシステムを構成するので、開発側の技術的、時間的負担を軽減することができる。また、コイン管理やカード払い出しといった業務用ゲーム特有の処理をゲームのアプリケーションから分離できるので、開発を容易にすることができる。また、風俗営業法の対象外となるので、鉄道等を利用可能な時間であれば、年令に関係なく誰もがゲームに参加することができる。さらに、乗車券をゲームセンタに設置されたカードゲーム機においても使用できるようにしたので、ゲームセンタへの新たな顧客誘導も期待できる。
【0067】
また、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本実施形態におけるゲームシステムの構成を示すブロック図。
【図2】バトルサーバ10の詳細な機能構成を示すブロック図。
【図3】路線番号テーブル43に設定されるデータの具体例を示す図。
【図4】駅番号テーブル44に設定されるデータの具体例を示す図。
【図5】改札機番号テーブル45に設定されるデータの具体例を示す図。
【図6】券種番号テーブル46に設定されるデータの具体例を示す図。
【図7】キャラクタテーブル47に設定されるデータの具体例を示す図。
【図8】ユーザ情報テーブル48に記憶されるデータの具体例を示す図。
【図9】改札機からバトルサーバ10に対して送信されるエントリ情報のフォーマットを示す図。
【図10】本実施形態におけるゲームシステムで使用される乗車券(ゲーム用乗車券)を販売する券売機の外観を示す図。
【図11】券売機によって発券されたゲーム用乗車券の一例として特殊乗車券(周遊券)を示す図。
【図12】本実施形態における改札機処理を説明するためのフローチャート。
【図13】本実施形態におけるバトルサーバ10の記録処理と通知処理を説明するためのフローチャート。
【図14】バトルサーバ10における対戦処理を説明するためのフローチャート。
【図15】対戦ゲームの結果がモニタ画面に表示出力された例を示す図。
【符号の説明】
【0069】
10…サーバ、12…ネットワーク、14〜20…改札機、30…ネットワーク、31…ゲームサーバ、32…ゲーム機、33…パーソナルコンピュータ、34…携帯電話機、40…通信部、41…記録処理部、42…データベース、43…路線番号テーブル、44…駅番号テーブル、45…改札機番号テーブル、46…券種番号テーブル、47…キャラクタテーブル、48…ユーザ情報テーブル、50…対戦キュー部、51…対戦処理部、52…通信処理部、53…ユーザ情報提供部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗車券に記録されたデータを読み取る複数の改札機と、
前記複数の改札機によって前記乗車券から読み取られたデータを受信するサーバとを含むゲームシステムであって、
前記サーバは、
前記乗車券に記録されたデータをもとに、対戦ゲームの勝敗を判定する際に参照されるパラメータを設定するための付加情報が記憶される第1の記憶手段と、
前記複数の改札機から受信された乗車改札時に読み取られたデータのそれぞれについて、前記第1の記憶手段に記憶された付加情報をもとに前記パラメータを設定して前記データと対応付けて記録するパラメータ記録処理手段と、
前記複数の改札機から受信されたデータのそれぞれに対応する対戦待ちエントリを記録する対戦キュー手段と、
前記対戦キュー手段により記録された対戦待ちエントリから対戦ゲームの対象を選択し、この選択された対戦待ちエントリに対応する前記データについて前記パラメータ記録手段により記録された前記パラメータをもとに対戦ゲームの勝敗を判定する対戦処理手段と、
前記対戦処理手段により判定された勝敗結果を前記パラメータと前記データとに対応付けて記憶する第2の記憶手段と、
前記改札機から受信された降車改札時に読み取られたデータに対応する前記勝敗結果を、前記データの送信元とする改札機に送信する勝敗結果送信手段とを具備し、
前記改札機は、
乗車改札時に前記乗車券から読み取られたデータを前記サーバに送信する第1の送信手段と、
降車改札時に前記乗車券から読み取られたデータを前記サーバに送信する第2の送信手段と、
前記第2の送信手段によるデータの送信に対して、前記サーバから対戦ゲームについての勝敗結果を受信して出力する出力手段とを具備したことを特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
改札機において乗車券から読み取られたデータをネットワークを通じて受信するサーバであって、
前記乗車券に記録されたデータをもとに、対戦ゲームの勝敗を判定する際に参照されるパラメータを設定するための付加情報が記憶される第1の記憶手段と、
前記改札機から受信された乗車改札時に読み取られたデータのそれぞれについて、前記第1の記憶手段に記憶された付加情報をもとに前記パラメータを設定して前記データと対応付けて記録するパラメータ記録処理手段と、
複数の前記改札機から受信されたデータのそれぞれに対応する対戦待ちエントリを記録する対戦キュー手段と、
前記対戦キュー手段により記録された対戦待ちエントリから対戦ゲームの対象を選択し、この選択された対戦待ちエントリに対応する前記データについて前記パラメータ記録手段により記録された前記パラメータをもとに対戦ゲームの勝敗を判定する対戦処理手段と、
前記対戦処理手段により判定された勝敗結果を前記パラメータと前記データとに対応付けて記憶する第2の記憶手段と、
前記改札機から受信された降車改札時に読み取られたデータに対応する前記勝敗結果を、前記データの送信元とする前記改札機に送信する勝敗結果送信手段とを具備したことを特徴とするサーバ。
【請求項3】
前記第1の記憶手段に記憶された付加情報は、路線、駅、改札機の少なくとも何れか1つを対象として、前記乗車券が使用された場所によって異なる内容となっていることを特徴とする請求項2記載のサーバ。
【請求項4】
前記乗車券から読み出されるデータには前記乗車券を識別する識別情報を含み、
前記パラメータ記録処理手段は、前記識別情報と対応付けて前記パラメータを記録しておき、前記改札機から乗車改札時に読み取られたデータが受信される毎に前記パラメータを更新することを特徴とする請求項2記載のサーバ。
【請求項5】
前記パラメータ記録処理手段は、前記パラメータと対応付けられた第1の乗車券の識別情報を、第2の乗車券の識別情報に変更する変更手段とを含むことを特徴とする請求項4記載のサーバ。
【請求項6】
前記パラメータ記録処理手段によって前記第1の記憶手段に記憶されたパラメータを、他の情報機器に対して提供する情報提供手段をさらに具備したことを特徴とする請求項4記載のサーバ。
【請求項1】
乗車券に記録されたデータを読み取る複数の改札機と、
前記複数の改札機によって前記乗車券から読み取られたデータを受信するサーバとを含むゲームシステムであって、
前記サーバは、
前記乗車券に記録されたデータをもとに、対戦ゲームの勝敗を判定する際に参照されるパラメータを設定するための付加情報が記憶される第1の記憶手段と、
前記複数の改札機から受信された乗車改札時に読み取られたデータのそれぞれについて、前記第1の記憶手段に記憶された付加情報をもとに前記パラメータを設定して前記データと対応付けて記録するパラメータ記録処理手段と、
前記複数の改札機から受信されたデータのそれぞれに対応する対戦待ちエントリを記録する対戦キュー手段と、
前記対戦キュー手段により記録された対戦待ちエントリから対戦ゲームの対象を選択し、この選択された対戦待ちエントリに対応する前記データについて前記パラメータ記録手段により記録された前記パラメータをもとに対戦ゲームの勝敗を判定する対戦処理手段と、
前記対戦処理手段により判定された勝敗結果を前記パラメータと前記データとに対応付けて記憶する第2の記憶手段と、
前記改札機から受信された降車改札時に読み取られたデータに対応する前記勝敗結果を、前記データの送信元とする改札機に送信する勝敗結果送信手段とを具備し、
前記改札機は、
乗車改札時に前記乗車券から読み取られたデータを前記サーバに送信する第1の送信手段と、
降車改札時に前記乗車券から読み取られたデータを前記サーバに送信する第2の送信手段と、
前記第2の送信手段によるデータの送信に対して、前記サーバから対戦ゲームについての勝敗結果を受信して出力する出力手段とを具備したことを特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
改札機において乗車券から読み取られたデータをネットワークを通じて受信するサーバであって、
前記乗車券に記録されたデータをもとに、対戦ゲームの勝敗を判定する際に参照されるパラメータを設定するための付加情報が記憶される第1の記憶手段と、
前記改札機から受信された乗車改札時に読み取られたデータのそれぞれについて、前記第1の記憶手段に記憶された付加情報をもとに前記パラメータを設定して前記データと対応付けて記録するパラメータ記録処理手段と、
複数の前記改札機から受信されたデータのそれぞれに対応する対戦待ちエントリを記録する対戦キュー手段と、
前記対戦キュー手段により記録された対戦待ちエントリから対戦ゲームの対象を選択し、この選択された対戦待ちエントリに対応する前記データについて前記パラメータ記録手段により記録された前記パラメータをもとに対戦ゲームの勝敗を判定する対戦処理手段と、
前記対戦処理手段により判定された勝敗結果を前記パラメータと前記データとに対応付けて記憶する第2の記憶手段と、
前記改札機から受信された降車改札時に読み取られたデータに対応する前記勝敗結果を、前記データの送信元とする前記改札機に送信する勝敗結果送信手段とを具備したことを特徴とするサーバ。
【請求項3】
前記第1の記憶手段に記憶された付加情報は、路線、駅、改札機の少なくとも何れか1つを対象として、前記乗車券が使用された場所によって異なる内容となっていることを特徴とする請求項2記載のサーバ。
【請求項4】
前記乗車券から読み出されるデータには前記乗車券を識別する識別情報を含み、
前記パラメータ記録処理手段は、前記識別情報と対応付けて前記パラメータを記録しておき、前記改札機から乗車改札時に読み取られたデータが受信される毎に前記パラメータを更新することを特徴とする請求項2記載のサーバ。
【請求項5】
前記パラメータ記録処理手段は、前記パラメータと対応付けられた第1の乗車券の識別情報を、第2の乗車券の識別情報に変更する変更手段とを含むことを特徴とする請求項4記載のサーバ。
【請求項6】
前記パラメータ記録処理手段によって前記第1の記憶手段に記憶されたパラメータを、他の情報機器に対して提供する情報提供手段をさらに具備したことを特徴とする請求項4記載のサーバ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図7】
【図8】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2008−295959(P2008−295959A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−148422(P2007−148422)
【出願日】平成19年6月4日(2007.6.4)
【出願人】(306019111)株式会社タイトー (475)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月4日(2007.6.4)
【出願人】(306019111)株式会社タイトー (475)
【Fターム(参考)】
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