ゲームシステムおよびゲームプログラム
【課題】走行中のルートをはずれた場合であっても、処理負担をかけずに次のルートを検索するゲームシステムを提供する。
【解決手段】所定の目的値への経路が設定された各ルートR1、R2、R3について、リルート地点Lrに新ルートが設定されたリルートテーブルMTと、現在ルートRを決定するルート決定部40dと、移動体CAの位置を決定する位置決定部40aと、リルートテーブルMTを参照して、移動体CAの位置が現在ルートに設定されたリルート地点Lrに到達したか否かを判断するリルート判断部40eと、を備え、ルート決定部40dは、移動体CAがリルート地点Lrに到達した場合に、リルートテーブルMTを参照してリルート地点Lrに設定された新ルートを現在ルートに決定する。
【解決手段】所定の目的値への経路が設定された各ルートR1、R2、R3について、リルート地点Lrに新ルートが設定されたリルートテーブルMTと、現在ルートRを決定するルート決定部40dと、移動体CAの位置を決定する位置決定部40aと、リルートテーブルMTを参照して、移動体CAの位置が現在ルートに設定されたリルート地点Lrに到達したか否かを判断するリルート判断部40eと、を備え、ルート決定部40dは、移動体CAがリルート地点Lrに到達した場合に、リルートテーブルMTを参照してリルート地点Lrに設定された新ルートを現在ルートに決定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定のルート上で操作対象の移動体を走行させるゲームに関するゲームシステム及びゲームプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
所定のルート上に仮想車を走行させ、ラップタイプのカウントや他の車とのカーレースが行われるゲームシステムは周知である。このようなゲームシステムにおいて、ルートにおける自車の位置を確認するための手段としてレーダー画面を表示させることも周知である(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特許3475470号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来のカーゲームシステムでは、ゲーム開始前に選択されたルートを操作対象の仮想車を走行させ、当該ルート以外の道を走行できるようには構成されていない。また、一般の車向けのカーナビシステムには、目的地までのルートが決定された後、当該ルートから外れると、目的地までの次のルートを検索し直す機能が備わっているが、当該処理には時間もかかり、またメモリ使用量も大きく処理負担が大きい。
【0004】
そこで、走行中のルートをはずれた場合であっても、処理負担をかけずに次のルートを検索するゲームシステム及びゲームプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下の手段により上述した課題を解決する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0006】
本発明のゲームシステム(1)は、プレイヤの操作を受け付ける操作入力部(10)と、仮想領域内(TN)に張り巡らされた複数の移動路(GR)を通って共通の目的地に到達するように構成された複数のルート(R1、R2、R3)が用意され、いずれか1つのルートに従って操作対象である移動体(CA)が前記目的地に到達するように、前記ルートを構成する移動路が案内されるゲームを制御するゲーム制御部(40)と、前記移動体が前記ルートを移動するようすが表示される表示部(30)と、が備えられたゲームシステムであって、前記複数のルートのそれぞれを前記プレイヤに案内するための情報であるルート情報を記憶するルート情報記憶部(MapI)と、前記各ルートについて、前記ルートから外れた各移動路に設定されたリルート地点に、前記外れた移動路で構成される他のルート又は前記外れた移動路につながる他のルートを、新ルートとして設定されたリルートテーブルと、を更に備え、前記ゲーム制御部は、前記複数のルートのうち、前記移動体を移動させるルートである現在ルートを決定するルート決定部(40d)と、前記プレイヤの操作に応じて前記移動体の位置を決定する位置決定部(40a)と、前記位置決定部にて決定された前記移動体の位置と前記現在ルートのルート情報に基づいて前記現在ルートを前記プレイヤに案内するルート案内部(40c)と、前記リルートテーブルを参照して、前記位置決定部にて決定された前記移動体の位置が、前記現在ルートに設定されたリルート地点と所定の関係になったか否かを判断するリルート判断部(40e)と、を備え、前記ルート決定部は、前記リルート判断部において前記所定の関係になったと判断された場合に、前記リルートテーブルを参照して前記リルート地点に設定された新ルートを前記現在ルートに決定することにより、上記の課題を解決する。
【0007】
本発明のゲームシステムでは、移動体を移動させるルートは複数の移動路から構成されているため、移動体は進むべき移動路以外の移動路にも進行することができてしまうので、進むべき方向や移動路をプレイヤに知らせるべく、ルート決定部にて決定される現在ルートがルート案内部によってプレイヤに案内される。そして、現在ルートから外れた移動路に入ってしまった場合は、リルート判断部によって移動体がリルート地点と所定の関係になったと判断されると、ルート決定部によってリルートテーブルが参照される。リルートテーブルには、現在ルートから外れた移動路に設定された各リルート地点に次の現在ルートとして設定されるべき新ルートが設定されている。これにより、ルート決定部は、現在ルートに対応するリルートテーブルを参照して、移動体と所定の関係にあるリルート地点に設定された新ルートを現在ルートに設定する。
【0008】
これにより、現在ルートは新ルートに切り替えられ、ルート案内部によって案内されるルートは切替え後の現在ルート、即ち新ルートとなる。全てのルートは共通の目的地に到達するように構成されているため、ルートが切替えられても、切替え後の現在ルートに従って進めば目的地に到達することができる。従って、現在ルートを外れた場合であっても、外れた位置から目的地までのルートを再構成する必要はなく、現在ルートを切り替えるだけでリルート処理を行うことができる。これにより、処理負担及び処理時間をかけずに所定の目的地に到達するまでのルートをリルートすることができる。
【0009】
なお、「リルート地点との所定の関係」には、移動体の位置がリルート地点から所定距離内の場合、リルート地点である場合、リルート地点を通過した場合等を含む。また、リルートテーブルは、各ルート毎にリルート地点と新ルートが対応付けられたテーブルであってもよいし、リルート地点に対して、現在ルートと新ルートとが対応付けられたテーブルであってもよい。ルート案内部による案内は、特定のルートをプレイヤに案内する従来既知の方法を採用すればよく、例えば、一般車のナビゲーションシステムにおけるナビゲーション画面のように、識別可能に表示された現在ルートにおける移動体の位置を示すことにより案内する方法や、進むべき方向が適宜表示される方法等がある。
【0010】
本発明において各ルートのスタート地点は共通である場合と共通でない場合とを含む。移動路は道や線路など物理的に存在するものである場合と、水路や空路など物理的に存在しない場合とを含む。移動体は移動路を移動するものであれば足り、実存するものを模したものでもよいし、架空のものでもよい。ゲーム開始時の現在ルートは、プレイヤの選択によって決定されてもよいし、プレイヤのプレイレベルやプレイ回数等に基づいてゲームシステムによって決定されてもよいし、ランダムに決定されてもよい。
【0011】
前記各ルートのルート情報は、前記共通の目的地をスタート地点とする周回ルートとなるように構成されていてもよい。これにより、移動体が仮想領域を周回するゲームを実行することができる。
【0012】
前記ルート情報は、前記仮想領域において各ルートが識別されるように設定されたマップ情報であり、前記ルート案内部は、前記移動体の位置を基準にした前記現在ルートの少なくとも一部の画像が示されるナビゲーション画面を前記表示部に表示してもよい。これにより、一般自動車のナビゲーションシステムのナビゲーション画面のように、現在ルート全体における現在の移動体の位置を示す画面をプレイヤに提示することができる。
【0013】
前記各移動路に設定された複数の案内地点のそれぞれに、進行可能な方向を案内する案内情報が設定された案内テーブル(MT)が更に設けられ、前記ルート案内部は、前記位置決定部にて決定された前記移動体の位置が、前記案内地点と所定の関係になった時に、前記案内テーブルを参照して、前記案内地点に設定された案内情報を前記表示部に表示してもよい。案内情報を進行可能な方向を示す標識として設定すれば、一般道路の道路標識の雰囲気を提供することができる。また、進行すると危険な方向や逆走する方向には移動体を進行させないようにすることができる。
【0014】
前記仮想領域における前記各リルート地点及び前記各案内地点を識別する処理マーカー(L)が前記各リルート地点及び前記各案内地点に付与され、前記案内テーブル及び前記リルートテーブルは、前記各案内地点に付与された処理マーカーには対応する前記案内情報が設定され、前記各リルート地点に付与された処理マーカーには、前記リルート地点に対応するルートを現在ルートとして前記新ルートとともに設定された処理テーブル(MT)として構成されていてもよい。これにより、ゲーム制御部は1つの処理テーブルを参照して処理を行うことができる。
【0015】
前記案内テーブルは、前記各ルート毎に用意され、前記複数の案内地点は対応するルート上に設けられ、前記案内情報は前記対応するルートの進行方向を示すように設定され、前記ルート案内部は、前記現在ルートの案内テーブルを参照して、前記位置決定部にて決定された前記移動体の位置が、前記案内地点と所定の関係になった時に、前記案内地点に設定された案内情報を前記表示部に表示してもよい。これにより、例えば、移動体が案内地点に到達した時に、現在ルートの進行方向が表示されるので、プレイヤが迷いそうな地点あるいは分岐地点等に案内地点を設定すれば、移動体が現在ルートから外れることを回避することができる。
【0016】
前記新ルートとして設定された各ルートの案内テーブルにおいて、前記ルートへつながる移動路に前記案内地点が更に設けられ、前記案内地点には、前記移動体を前記ルートに案内するための案内情報が対応付けられていてもよい。これにより、ルートからはずれた移動路から新ルートとして決定されたルートに入る際に、進むべき方向が表示されるので、例えば、新ルート以外の移動路に入ることや新ルートとして決定されたルートに入る際に逆方向に進むことを回避することができる。
【0017】
前記各仮想領域における前記各リルート地点及び前記各案内地点を識別する処理マーカーが前記各リルート地点及び前記各案内地点に付与され、前記各ルートに関する前記案内テーブル及び前記リルートテーブルは、前記各ルートに対して設定された各案内地点及び各リルート地点に付与された前記処理マーカーが設定され、前記各案内地点に付与された処理マーカーには前記各案内情報に対応する案内情報が設定され、前記各リルート地点に付与された処理マーカーには前記リルート地点に対して設定された前記新ルートが設定された、1つの処理テーブルとして構成されていてもよい。これにより、ゲーム制御部は各コースにおける処理を1つの処理テーブルを参照するだけで行うことができる。
【0018】
音声を出力する音声出力部(20)を更に備え、前記案内テーブルの各案内地点には、対応する案内情報を音声で案内する音声案内情報が更に設定され、前記ルート案内部は、前記案内地点に設定された案内情報を表示する際に、前記案内地点に設定された音声案内情報によって前記音声出力部より音声案内を出力してもよい。これにより、案内情報の表示とともに、音声案内情報によってプレイヤに現在ルートを案内することができる。
【0019】
前記仮想領域における張り巡らされた移動路は所定の市街地における少なくとも一部の一般道を模したものであり、前記移動体は走行体であってもよい。これにより、例えば、行ったことのない街を走行する感覚をプレイヤに与えることができ、ゲームの興趣を高めることができる。
【0020】
本発明のゲームプログラム(GP)は、プレイヤの操作を受け付ける操作入力部(10)と、仮想領域内に張り巡らされた複数の移動路(GR)を通って共通の目的地に到達するように構成された複数のルート(R1、R2、R3)が用意され、いずれか1つのルートに従って操作対象である移動体が前記目的地に到達するように、前記ルートを構成する移動路が案内されるゲームを制御するゲーム制御部(40)と、前記移動体が前記ルートを移動するようすが表示される表示部(30)と、前記複数のルートのそれぞれを前記プレイヤに案内するための情報であるルート情報を記憶するルート情報記憶部(MapI)と、前記各ルートについて、前記ルートから外れた各移動路に設定されたリルート地点に、前記外れた移動路で構成される他のルート又は前記外れた移動路につながる他のルートを、新ルートとして設定されたリルートテーブルと、を備えるコンピュータを機能させるゲームプログラムであって、前記ゲーム制御部を、前記複数のルートのうち、前記移動体を移動させるルートである現在ルートを決定するルート決定部(40d)と、前記プレイヤの操作に応じて前記移動体の位置を決定する位置決定部(40a)と、前記位置決定部にて決定された前記移動体の位置と前記現在ルートのルート情報に基づいて前記現在ルートを前記プレイヤに案内するルート案内部(40c)と、前記リルートテーブルを参照して、前記位置決定部にて決定された前記移動体の位置が、前記現在ルートに設定されたリルート地点と所定の関係になったか否かを判断するリルート判断部(40e)と、をして機能させ、前記ルート決定部は、前記リルート判断部において前記所定の関係になったと判断された場合に、前記リルートテーブルを参照して前記リルート地点に設定された新ルートを前記現在ルートに決定するように構成されたことにより、上記の課題を解決する。本発明のゲームプログラムをコンピュータに機能させることにより、本発明のゲームシステムが実現される。
【発明の効果】
【0021】
上述したように、本発明によれば、 各ルートについて、リルート地点に新ルートが設定されたリルートテーブルを備え、現在ルートを決定するルート決定部と、移動体の位置を決定する位置決定部と、移動体の位置と現在ルートのルート情報に基づいて現在ルートをプレイヤに案内するルート案内部と、リルートテーブルを参照して、移動体の位置が、リルート地点と所定の関係になったか否かを判断するリルート判断部と、を備え、ルート決定部は、リルート判断部において所定の関係になったと判断された場合に、リルート地点に設定された新ルートを現在ルートに決定する、ことにより、走行中のルートをはずれた場合であっても、処理負担をかけずに次のルートを検索するゲームシステム等を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1は、本形態のゲームシステムによって提供されるゲームのゲーム画面GIを示す図である。本形態のゲームシステムでは、プレイヤの操作対象である移動体としての車CAに所定の周回ルートを3回周回させ、そのラップタイムを競うゲームが提供される。ゲーム画面GIは、車CAが道路を走行するようすを示すメイン画面MIと、周回ルートにおける車CAの現在位置を確認するためのナビゲーション画面NI(以下、「ナビ画面NI」という。)とで構成され、メイン画面MIには、車CAが進むべき進行方向を示す標識Sym、車CAの速度や走行距離等を示すメーター類MD、及びスタート後の経過時間を示す経過タイムLT等が表示される。
【0023】
本形態の周回ルートは、図2に示すような仮想領域、例えばイギリス市街地TNに実際に張り巡らされている複数の一般道GRから作成される。このように、本発明の仮想領域は実際に存在する街の一部であることが望ましい。なお、一般道GRとは、実際に存在する道路であればよく高速道路や有料道路を含む。ゲームで使用される一般道GRは、イギリス市街地TNに実際に存在する全一般道のうち、本形態のゲームにおいて車CAが走行可能な道として設定されたものである。本形態では、図3に示すようなルートR1、ルートR2、及びルートR3の3つの周回ルートが図2の一般道GRから作成されている。以下、ルートR1、ルートR2、及びルートR3を区別する必要のない時は「ルートR」という。
【0024】
全てのルートR1、R2、R3においては同じ位置にスタート地点SPが設定されている。各ルートRにおいては、スタート地点SPを目的地点としてイギリス市街地TNを周回するように一般道GRが選択されている。3つのルートRのうちいずれか1つのルートRがプレイヤによって選択されると、ゲーム画面GIには、選択されたルートRを進行するように、進むべき進行方向を示す標識Symが車CAの移動に伴って適宜表示される。また、標識Symの表示とともに音声案内も出力される。更に、ナビ画面NIには、一般自動車のナビゲーションシステムにおけるナビゲーション画面と同様に、イギリス市街地TNの地図上に車CAの位置と選択されたルートRの経路が識別可能に表示される。標識Sym及びナビ画面NIにより、プレイヤは張り巡らされた一般道GRの中を、選択されたルートRに従って進行することができる。以下、標識Symの表示及び音声案内を総称して「ルート案内」という。
【0025】
一方、車CAが選択されたルートRから外れた一般道GRに入ってしまった時は、スタート地点SPまでの経路がリルートされ、リルートされた経路に基づいたルート案内が再開される。この結果、車CAは目的地点としてのスタート地点SPに到達することができる。本形態では、リルートされるルートRはルートR1、R2、R3のうちいずれかのルートRに設定される。例えば、ルートR1を走行中にルートR1から外れた一般道GRに入ってしまった時は、ルートR2又はルートR3にリルートされる。このように、本形態では、従うべきルートRとして現在設定されている現在ルートRを他のルートRに切り替える処理が、リルート処理として行われる。
【0026】
これにより、一般道GRを車CAで走行する感覚を提供することができるとともに、現在ルートRからはずれた一般道GRに入ってしまった時であっても、他のルートRにリルートされるので、必ずスタート地点SPに戻ってくることができる。しかも、予め用意されたルートRの切り替えによってリルート処理を実現するように構成されているため、処理負担も処理時間も少なくて済む。
【0027】
本形態のゲームシステム1におけるリルートの実現方法について具体的に説明する。まず、本形態のゲームシステム1のハードウェア構成について図4を用いて説明する。ゲームシステム1は、操作入力部10、スピーカ20、モニタ30、ゲーム制御ユニット40で構成される。操作入力部10は、プレイヤの操作を受け付ける構成であり、本形態ででは、ゲーム用ハンドル、ゲーム用アクセルペダル、ゲーム用ブレーキペダル等が含まれる。スピーカ20はゲームにおける各種擬音や音声案内を出力する。モニタ30には主にゲーム画面GIが表示される。ゲーム制御ユニット40は、CPU及びその動作に必要な記憶域50で構成され、コンピュータとして機能する。ゲーム制御部ユニット40は、後述のゲームプログラムPGを稼働することにより、位置決定部40a。状況更新部40b、ルート案内部40c、ルート決定部40d、リルート判断部40e、音声生成部40f、メイン画面生成部40g、ナビ画面生成部40hとして機能する。
【0028】
音声生成部40fはスピーカ20から出力される擬音や音声案内等の音声情報を生成する。メイン画面生成部40f及びナビ画面生成部40hのそれぞれは、車CAの現在の状況に応じてメイン画面MI及びナビ画面NIのそれぞれに表示される画像を生成する。位置決定部40aはプレイヤの操作に応じて車CAの現在位置を決定する。本形態では、イギリス市街地TNの所定地点を原点とする座標にて各種位置を特定する。状況更新部40bは、経過時間や走行距離等、車CAの位置の変化に伴う状況の変化を判断して更新する。ルート案内部40cは、車CAの位置に基づいてルートRに基づいた進行方向を示したり、ナビ画面NIに表示する画像を決定する。リルート判断部40eはリルート処理を行うか否かを判断し、ルート決定部40dはゲームスタート時及びリルート処理が行われた場合に現在ルートRを決定する。
【0029】
記憶域50には、マーカーテーブルMT、マップ情報MapI、参照テーブルRT及び本発明を実現するためのゲームプログラムGPが記憶されている。参照テーブルRTはルートRの種類にかかわりなくゲームシステム1内にて共通に参照されるテーブルであり、本形態では、座標テーブルCooT、標識テーブルSymT、音声テーブルSndTが含まれる。マーカーテーブルMT及びマップ情報MapIは、各ルートR毎に用意される。マーカーテーブルMTは対応するルートRを走行中に行われる処理について設定されたテーブルであり、マップ情報MapIは、ナビ画面NIにおいて、対応するルートRをイギリス市街地TNの地図において識別可能に表示されるように構成されたマップ情報である。
【0030】
以下、ルートR1に対応するものをマーカーテーブルMT1及びマップ情報MapI1といい、ルートR2に対応するものをマーカーテーブルMT2及びマップ情報MapI2といい、ルートR3に対応するものをマーカーテーブルMT3及びマップ情報MapI3という。リルート時には、現在ルートRとしてのルートRが切り替わるのに伴って、ゲーム中に参照されるマーカーテーブルMT及びマップ情報MapIも、図5に示すように切り替わる。以下、参照されるマーカーテーブルMTをマーカー参照テーブルといい、参照されるマップ情報MapIを参照マップ情報という。
【0031】
マーカーテーブルMTの具体的な設定内容について図6〜図10を用いて説明する。イギリス市街地TNにおいて車CAが走行可能な一般道GRに、図6に示すようなマーカーL1〜L46が付されている。以下、マーカーL1〜L46を区別する必要のない時は「マーカーL」という。「走行可能な一般道GR」は、イギリス市街地TNにおける全一般道GRのうち走行可能な一般道GRとして適宜設定すればよい。一般道GRは、実際の道路の場合、有料道路、高速道路、地下道GRgdを問わずいずれの道路でもよく、更に、実際には道路ではない道路GRadを追加してもよい。
【0032】
各マーカーLの位置座標は、図7に示す座標テーブルCooTに設定されている。車CAがいずれかのマーカーLに到達すると、そのマーカーLに対して対応付けられた処理が行われる。マーカーテーブルMTには、各マーカーLに対してその位置に関連して行われる処理が設定されている。
【0033】
本形態では、各一般道GRにおいて車CAが図6に示すように一定方向にのみ走行可能なように設定されている。一般道GRの走行可能な方向を一定方向に設定することで、例えば、逆方向に進行した場合に「逆走」として判断される等の通常のレースゲームと同様のゲーム態様を設定できる。但し、本形態では、ロータリーのコース以外の部分においては、回転方向と異なる方向に進場合を逆走と判断しないように設定されている。各マーカーLの位置に関して行われる具体的な処理について、ルートR1のマーカーテーブルMT1を例にして説明する。なお、ゲームシステム1においては、ゲーム画面GIに表示される各標識Symは図8に示す標識テーブルSymTにて対応付けられている標識IDで管理され、スピーカ20から出力される音声案内は図9に示す音声テーブルSndTにて対応付けられている音声IDで管理される。
【0034】
マーカーテーブルMT1には、図10に示すように、ルートR1に関係するマーカーLが設定されている。ルートR1に関係するマーカーLは、案内地点に設定されたマーカーLgと、リルート地点に設定されたマーカーLrと、新ルート案内地点に設定されたマーカーLnとで構成される。マーカーLgは、ルートR1上に設定され、車CAがマーカーLgに到達すると、ルートR1としての進行方向を案内するルート案内が実行される。マーカーLrが設定されるリルート地点とは、リルート処理が行われる地点であり、ルートR1から外れた一般道GR上であって、ルートR1から外れてからすぐの地点である。車CAがマーカーLrに到達すると、リルート処理が行われる。
【0035】
マーカーLnが設定される新ルート案内地点とは、ルートR1上ではなく他のルートRとルートR1とをつなぐ一般道GR上であって、ルートR1に入る直前地点である。車CAがマーカーLnに到達すると、ルートR1に入るための進行方向を案内するルート案内が実行される。以上のように、マーカーテーブルMT1において、ルートR1からはずれたリルート地点Lrに、リルート処理により新しい現在ルートRとなる新ルートNrとが対応付けられた部分はリルートテーブルとして機能する。また、マーカーテーブルMT1において、案内地点Lg及び新ルート案内地点Lnに対して、ルート案内の内容が設定された部分は案内テーブルとして機能する。これにより、マーカーテーブルMT1は処理テーブルとして機能する。
【0036】
マーカーテーブルMT1において、マーカーLgには、ルート案内として表示すべき標識Symとその標識Symに準じた音声案内SndGが設定されている。マーカーLrには、ルートR1から現在ルートRとして切り替えられる新ルートNrと、リルートを通知する音声案内SndGが設定されている。新ルートNrには、現在走行中の一般道GRがつながるルートRが設定される。マーカーLnには、そのマーカーLnが設定された一般道GRからルートR1に入れるようにルート案内するための標識Sym及び音声案内SndGが設定されている。なお、スタート地点SPに設定されたマーカーL22には、スタート時とゴール時の音声案内SndGのみが設定されている。
【0037】
図10の例では、例えば、スタート地点SPから出発した車CAが案内地点LgとしてのマーカーL01に到達すると、直進(SY1)を示す標識Symがゲーム画面GIに表示されるとともに、「直進します」(SD1)の音声案内SndGがスピーカ20から出力される。そして、直進すべきところを、車CAが右折してリルート地点LrとしてのマーカーL03に到達すると、「リルートします」(SD4)の音声案内SndGが出力され、かつ、現在ルートRがルートR1から新ルートNrに設定されたルートR2に切り替わる。一方、一般道GRaをルートR1に向かって走行する車CAが新ルート案内地点LnとしてのマーカーL25に到達すると、ルートR1に案内するために左折の標識Sym(SY2)がゲーム画面GIに表示され、「左折です」(SD2)の音声案内が出力される。
【0038】
ルートR2及びルートR3のマーカーテーブルMT2、MT3についても、マーカーテーブルMT1と同じ要領でマーカーLg、Lr、Lnを設定し、音声案内SndG、標識Sym及び新ルートNrを適宜設定すればよい。例えば、ルートR3を外れた一般道GRa上のマーカーL26は、ルートR3に関するリルート地点LrとしてマーカーテーブルMT3に設定され、新ルートNrには一般道GRaがつながるルートR1が設定される。各マーカーテーブルMT2、MT3においても、マーカーテーブルMT1と同様に、リルート地点Lrに関する部分はリルートテーブルとして機能し、案内地点Lg及び新ルート案内地点Lnに関する部分は案内テーブルとして機能する。これにより、各マーカーテーブルMT2、MT3は処理テーブルとして機能する。
【0039】
以上のように設定されたマーカーテーブルMTに基づいて、ルートR3を走行中の車CAが一般道GRaに入り、現在ルートRがルートR3からルートR1にリルートされる際に、ゲーム制御ユニット40によって行われる処理について図11を用いて説明する。まず、現在ルートRがルートR3に設定された状態では、マーカー参照テーブルにはマーカーテーブルMT3が設定され、参照マップ情報にはマップ情報MapI3が設定されている。ナビ画面NIにはマップ情報MapI3に基づいて車CAの位置を基準としたルートR3の経路が識別可能に表示される。
【0040】
車CAがルートR3から一般道GRaに入り、リルート地点LrであるマーカーL26に到達すると、マーカーテーブルMT3を参照してマーカーL26に関する処理が行われる。上述したようにマーカーL26には新ルートNrにルートR1が設定されているので、現在ルートRをルートR1に切り替えるルート切替処理がリルート処理として行われる。リルート処において、マーカー参照テーブルはマーカーテーブルMT1に設定され、参照マップ情報はマップ情報MapI1に設定される。これにより、ルートR3を走行中の車CAが一般道GRaに入ると、マーカーL26にてリルート処理が実行され、新しい現在ルートRとしてルートR1が設定される。なお、リルート処理においては、マーカーL26に設定された音声案内SndG(「リルートします」)も出力される。
【0041】
そして、車CAがマーカーL25に到達すると、マーカー参照テーブルであるマーカーテーブルMT1を参照してマーカーL25に関する処理が行われる。マーカーテーブルMT1において、マーカーL25には、左折を案内するように標識Sym及び音声案内SndGが設定されているので、左折を案内するルート案内が実行される。車CAがルート案内に従って左折すればルートR1に入ることができる。そして、ルートR1に従って車CAを走行させることにより、即ちマーカーテーブルMT1に基づいたルート案内及びマップ情報MapI1に基づいたナビ画面NIに従うことにより、車CAをスタート地点SPに戻らせることができる。これにより、ラップタイムが計時される。なお、リルート処理により現在ルートRがルートR1に設定された場合、本形態では、次にリルート処理があるまでルートR1が現在ルートRとして設定される。
【0042】
ゲーム開始から終了までにゲーム制御ユニット40によって制御されるゲーム処理について図12に示すフローチャートに従って説明する。ゲーム処理はゲーム制御周ニット40cによって制御される。まず、ステップS100にてプレイヤに3つのルートR1〜R3からゲームで使用するルートRを選択させる。本形態では、ルートR1が選択された場合について説明する。続いてステップS105にて、選択されたルートR1は現在ルートR1として設定され、マーカーテーブルMT1がマーカー参照テーブルとして設定され、ルートR1のマップ情報が参照マップ情報として設定される。
【0043】
次に、ステップS110に進み、スタート前処理が行われる。スタート前処理では、車CAの位置座標がスタート地点SP(L22)に設定され、車CAに対応するラップカウント値が1に設定される。また、プレイヤの操作対象である車CAがスタート地点SPに配置するようすがモニタ30に表示され、ナビ画面NIには、現在ルートR1のスタート地点SPに車CAの位置が表示される。続いて、ステップS115にてスタート操作待ち状態となる。プレイヤによってスタート操作がされると、ステップS120へ進み、車CAの走行に伴う処理である走行処理が開始される。
【0044】
走行処理において、位置決定部40aは走行する車CAの位置を決定し、状況更新部40bは走行タイマの計時及び走行距離メーターの計測を開始すると共に適宜更新し、ルート案内部40cは、マップ情報MapI1に基づいて、車CAの位置を基準したルートR1を示すナビ画面NIをナビ画面生成部40hを介してモニタ30に表示する。走行処理は車CAがゴールするまで続行される。なお、車CAの発信時には車CAが発信するようすがモニタ30に表示され、マーカーL22のスタート時用に設定された音声案内sndG(SD8「音声案内を開始します」)が生成されてスピーカ20から出力される。
【0045】
走行処理が開始されるとステップS125に進み、マーカー参照テーブルであるマーカーテーブルMT1を参照して、車CAのマーカーLへの到達待ち状態となる。本形態では、車CAの位置座標がマーカーLの座標値の所定範囲内に入った時に、そのマーカーLに到達したと判断する。以下、車CAが到達したマーカーLを「到達マーカーL」という。いずれかのマーカーLに到達したと判断されると、ステップS130へ進み、到達マーカーLはスタート地点SP、即ちマーカーL22であるか否かが判断される。スタート地点SPでない場合はステップS135へ進み、到達マーカーLはリルート地点Lrか否かが判断される。
【0046】
マーカーテーブルT1において、到達マーカーLに新ルートNrが設定されている場合、リルート処理と判断する。これにより、ゲーム制御ユニット40はリルート判断部40eとして機能する。ステップS135にて、リルート処理と判断された場合は、ステップS140に進み、到達マーカーLに対応付けられた音声案内SndG(SD4「リルートします」)を生成してスピーカ20から出力し、続くステップS145にてリルート処理が行われる。リルート処理においては、現在ルートRの切り替えが行われる。即ち、新ルートNrが現在ルートRに設定され、新しく設定された現在ルートRに対応するマーカーテーブルMTがマーカー参照テーブルとして設定され、新しい現在ルートRのマップ情報MapIが参照マップ情報として設定される。これにより、ゲーム制御ユニット40はルート決定部40dとして機能する。
【0047】
リルート処理の後、次のマーカーLに関する処理のためステップS125へ戻る。一方、ステップS135にて、リルート処理ではないと判断された場合、ステップS150へ進む。ステップS150では、到達マーカーLに設定された標識Sym(例えば、直進標識)がゲーム画面GIに表示され、到達マーカーLに設定された音声案内SndG(例えば「直進します」)が生成されてスピーカ20から出力される。ステップS150における処理後、次のマーカーLに関する処理のためにステップS125へ戻る。
【0048】
また、ステップS130にて到達マーカーLがスタート地点SPであると判断された場合、ステップS155へ進む。ステップS155では、ゴールか否かが判断される。ラップカウント値=3である時、ゴールと判断される。ゴールではないと判断された時、即ちラップカウント値<3の時は、ステップS160へ進み、ラップカウント値に1を加算し、次のラップに関する処理を行うためにステップS125へ戻る。
【0049】
ステップS155にてゴールであると判断された場合、ステップS165へ進み、ゴール処理が行われる。ゴール処理では、車CAがゴールしたようすがモニタ30に表示され、マーカーL22に設定されたゴール時用の音声案内SndG(SD7「お疲れ様でした」)が生成されてスピーカ20から出力される。その他、例えば、計時されたラップタイムや走行距離に基づいたゲーム結果の表示や当該ゲーム結果に基づいてプレイヤに関する各種パラメータが更新される。ゴール処理の終了後、ゲーム処理を終了する。
【0050】
上記形態では、ナビ画面NIにおいても標識Symにおいても、現在ルートRに従った方向のみを案内するように構成されているが、例えば、ルート案内おいては、実際の往路標識と同様に進行可能な方向を全て示すように構成してもよい。これにより、プレイヤにとっては進むべき方向の選択肢が増え、現在ルートRとしての進行方向を選択する判断が困難となり、より高度なプレイスキルが要求されることになる。以下、ルート案内において、現在ルートR以外の進行方向も案内するように構成された形態を「上級形態」という。
【0051】
上級形態では、上記形態と同様に、マップ情報MapIはルートR毎に設けられ、現在ルートRの種類に参照マップ情報に設定されるが、マーカーテーブルMTは3つのルートR1〜R3に共通する上級マーカーテーブルMThiが設けられ、現在ルートRの種類にかかわらず常に上級マーカーテーブルMThiがマーカー参照テーブルとなる。上級マーカーテーブルMThiについて、図13及び図14を用いて説明する。なお、図13におけるマーカーL1〜L46と各一般道GRに示されている進行方向は図6と同じである。
【0052】
上級マーカーテーブルMThiにおける各マーカーLの設定内容は、各マーカーテーブルMTにおける設定内容と同様の要領で設定すればよい。マーカーテーブルMTの設定と異なる点について、案内地点Lg、リルート地点Lr及び新ルート案内地点Lnのそれぞれに分けて説明する。まず、案内地点LgであるマーカーLの場合、マーカーLの標識symには、いずれの一般道GRにも進行できるように標識symを設定する。例えば、案内地点LgとしてのマーカーL01は、いずれのルートR1〜R3に進めるように、ルートR1及びルートR3としての直進方向、及びルートR2としての右折方向を示す、即ち直進及び右折を示す標識sym(SY4)が設定される。
【0053】
また、マーカーL10を通るルート3から右折する一般道GRbはどのルートRも構成しないが、走行可能な一般道GRであるので、マーカーL10においては、直進及び右折が可能であることを示す標識sym(SY4)が設定される。本形態では2方向が案内される場合に音声案内は設定されていないが、例えば、マーカーL10に「直進または右折です」といった音声案内sndGを設定してもよい。
【0054】
各マーカーテーブルMTにおいてリルート地点Lrとして設定されているマーカーLの場合、リルート地点Lrとなり得る各マーカーLに、新ルートNrに加えて現在ルートPrがリルート条件として設定される。現在ルートPrは、マーカーLがリルート地点Lrとして設定されているマーカーテーブルMTに対応するルートRである。例えば、ルートR2上のマーカーL03の場合、現在ルートRがルートR1又はルートR3の時にのみリルート地点Lrとされるように、現在ルートPrにはルートR1及びルートR3が設定され、新ルートNrにはルートR2が設定される。新ルートNrとなり得るルートRが複数存在する場合は、いずれか1つのルートRを新ルートNrとして設定すればよい。
【0055】
新ルート案内地点Lnとして設定されているマーカーLについては、上述した形態と同様に、車CAが新ルート案内移転Lnに到達した時点で現在ルートRとして設定されているルートRに入るように、進行方向を案内する標識sym及び音声案内SndGを設定すればよい。なお、上級マーカーテーブルMThiは処理テーブルとして機能し、上述したマーカーテーブルMTと同様に、リルート地点Lrに関する部分はリルートテーブルとして機能し、案内地点Lg及び新ルート案内地点Lnに関する部分は案内テーブルとして機能する。
【0056】
現在ルートRの切り替えに伴って、参照される上級マーカーテーブルMThi及びマップ情報MapIが切り替えられる態様を図15に示す。図15に示すように、現在ルートRの切り替えに伴って参照マップ情報は切り替わるが、上級マーカーテーブルMThiはいずれのルートRであっても参照される。次に、上級形態におけるゲーム処理について説明する。上級形態におけるゲーム処理は上述した形態のゲーム処理と同様の処理が行われるので、異なる部分のみ説明する。
【0057】
ステップS105にて、現在ルートRがいずれのルートRであっても、マーカー参照テーブルは上級マーカーテーブルMThiに設定される。ステップS135にて、到達マーカーLがリルート地点Lrか否かの判断は、到達マーカーに対して、現在ルートRとして設定されているルートRが現在マーカーPrに設定されている場合に、リルート地点Lrと判断される。ステップS145のルート切り替え処理では、参照マップ情報が切り替えられた現在ルートRに対応するマップ情報MapIに設定されるが、マーカー参照テーブルは上級マーカーテーブルMThiのままでよい。
【0058】
本発明は上述の形態に限らず種々の形態にて実施されてよい。例えば、本発明のルートは、スタート地点SPを共通とする周回ルートではなく、共通の目的地へ向かうルートであってもよい。また、共通の目的地が設定される場合は、スタート地点SPは共通でなくてもよい。各ルートR毎にマーカーテーブルMTを用意する形態において、各ルートRに対応するマーカーテーブルMTにリルートテーブルに対応する部分が設定されているが、1つのリルートテーブルとして構成してもよい。その場合は、上級態様におけるリルート地点Lrと同様に構成すれびょい。なお、ルートRの数は3つに限らず、複数であればよい。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本形態におけるゲームのゲーム画面の一例を示す図。
【図2】本形態において車が走行可能な一般道を示す図。
【図3】図2に示される一般道に基づいて設定された3つのルートを示す図。
【図4】本形態のゲームシステムのハードウェア構成の概略を示す図。
【図5】現在ルート及び参照情報が切り替わるようすを示す図。
【図6】図2に示される一般道にマーカーが付されたようすを示す図。
【図7】図4に示される座標テーブルの一例を示す図。
【図8】図4に示される標識テーブルの一例を示す図。
【図9】図4に示される音声テーブルの一例を示す図。
【図10】図4に示されるマーカーテーブルの一例を示す図。
【図11】リルートされる際の処理と車の動きとルート設定状況とを対応付けた図。
【図12】ゲーム処理において実行される処理を示すフローチャート。
【図13】図6を上級形態の説明用に変更した図。
【図14】上級形態におけるマーカーテーブルの一例を示す図。
【図15】上級形態において現在ルートの切り替えに伴う参照情報の状態を示す図。
【符号の説明】
【0060】
R1、R2、R3 ルート
MT1、MT2、MT3 マーカーテーブル
MapI1、MapI2、MapI3 マップ情報
GR 一般道
40 ゲーム制御ユニット
40a 位置決定部
40c ルート案内部
40d ルート決定部
40e リルート判断部
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定のルート上で操作対象の移動体を走行させるゲームに関するゲームシステム及びゲームプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
所定のルート上に仮想車を走行させ、ラップタイプのカウントや他の車とのカーレースが行われるゲームシステムは周知である。このようなゲームシステムにおいて、ルートにおける自車の位置を確認するための手段としてレーダー画面を表示させることも周知である(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特許3475470号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来のカーゲームシステムでは、ゲーム開始前に選択されたルートを操作対象の仮想車を走行させ、当該ルート以外の道を走行できるようには構成されていない。また、一般の車向けのカーナビシステムには、目的地までのルートが決定された後、当該ルートから外れると、目的地までの次のルートを検索し直す機能が備わっているが、当該処理には時間もかかり、またメモリ使用量も大きく処理負担が大きい。
【0004】
そこで、走行中のルートをはずれた場合であっても、処理負担をかけずに次のルートを検索するゲームシステム及びゲームプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下の手段により上述した課題を解決する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0006】
本発明のゲームシステム(1)は、プレイヤの操作を受け付ける操作入力部(10)と、仮想領域内(TN)に張り巡らされた複数の移動路(GR)を通って共通の目的地に到達するように構成された複数のルート(R1、R2、R3)が用意され、いずれか1つのルートに従って操作対象である移動体(CA)が前記目的地に到達するように、前記ルートを構成する移動路が案内されるゲームを制御するゲーム制御部(40)と、前記移動体が前記ルートを移動するようすが表示される表示部(30)と、が備えられたゲームシステムであって、前記複数のルートのそれぞれを前記プレイヤに案内するための情報であるルート情報を記憶するルート情報記憶部(MapI)と、前記各ルートについて、前記ルートから外れた各移動路に設定されたリルート地点に、前記外れた移動路で構成される他のルート又は前記外れた移動路につながる他のルートを、新ルートとして設定されたリルートテーブルと、を更に備え、前記ゲーム制御部は、前記複数のルートのうち、前記移動体を移動させるルートである現在ルートを決定するルート決定部(40d)と、前記プレイヤの操作に応じて前記移動体の位置を決定する位置決定部(40a)と、前記位置決定部にて決定された前記移動体の位置と前記現在ルートのルート情報に基づいて前記現在ルートを前記プレイヤに案内するルート案内部(40c)と、前記リルートテーブルを参照して、前記位置決定部にて決定された前記移動体の位置が、前記現在ルートに設定されたリルート地点と所定の関係になったか否かを判断するリルート判断部(40e)と、を備え、前記ルート決定部は、前記リルート判断部において前記所定の関係になったと判断された場合に、前記リルートテーブルを参照して前記リルート地点に設定された新ルートを前記現在ルートに決定することにより、上記の課題を解決する。
【0007】
本発明のゲームシステムでは、移動体を移動させるルートは複数の移動路から構成されているため、移動体は進むべき移動路以外の移動路にも進行することができてしまうので、進むべき方向や移動路をプレイヤに知らせるべく、ルート決定部にて決定される現在ルートがルート案内部によってプレイヤに案内される。そして、現在ルートから外れた移動路に入ってしまった場合は、リルート判断部によって移動体がリルート地点と所定の関係になったと判断されると、ルート決定部によってリルートテーブルが参照される。リルートテーブルには、現在ルートから外れた移動路に設定された各リルート地点に次の現在ルートとして設定されるべき新ルートが設定されている。これにより、ルート決定部は、現在ルートに対応するリルートテーブルを参照して、移動体と所定の関係にあるリルート地点に設定された新ルートを現在ルートに設定する。
【0008】
これにより、現在ルートは新ルートに切り替えられ、ルート案内部によって案内されるルートは切替え後の現在ルート、即ち新ルートとなる。全てのルートは共通の目的地に到達するように構成されているため、ルートが切替えられても、切替え後の現在ルートに従って進めば目的地に到達することができる。従って、現在ルートを外れた場合であっても、外れた位置から目的地までのルートを再構成する必要はなく、現在ルートを切り替えるだけでリルート処理を行うことができる。これにより、処理負担及び処理時間をかけずに所定の目的地に到達するまでのルートをリルートすることができる。
【0009】
なお、「リルート地点との所定の関係」には、移動体の位置がリルート地点から所定距離内の場合、リルート地点である場合、リルート地点を通過した場合等を含む。また、リルートテーブルは、各ルート毎にリルート地点と新ルートが対応付けられたテーブルであってもよいし、リルート地点に対して、現在ルートと新ルートとが対応付けられたテーブルであってもよい。ルート案内部による案内は、特定のルートをプレイヤに案内する従来既知の方法を採用すればよく、例えば、一般車のナビゲーションシステムにおけるナビゲーション画面のように、識別可能に表示された現在ルートにおける移動体の位置を示すことにより案内する方法や、進むべき方向が適宜表示される方法等がある。
【0010】
本発明において各ルートのスタート地点は共通である場合と共通でない場合とを含む。移動路は道や線路など物理的に存在するものである場合と、水路や空路など物理的に存在しない場合とを含む。移動体は移動路を移動するものであれば足り、実存するものを模したものでもよいし、架空のものでもよい。ゲーム開始時の現在ルートは、プレイヤの選択によって決定されてもよいし、プレイヤのプレイレベルやプレイ回数等に基づいてゲームシステムによって決定されてもよいし、ランダムに決定されてもよい。
【0011】
前記各ルートのルート情報は、前記共通の目的地をスタート地点とする周回ルートとなるように構成されていてもよい。これにより、移動体が仮想領域を周回するゲームを実行することができる。
【0012】
前記ルート情報は、前記仮想領域において各ルートが識別されるように設定されたマップ情報であり、前記ルート案内部は、前記移動体の位置を基準にした前記現在ルートの少なくとも一部の画像が示されるナビゲーション画面を前記表示部に表示してもよい。これにより、一般自動車のナビゲーションシステムのナビゲーション画面のように、現在ルート全体における現在の移動体の位置を示す画面をプレイヤに提示することができる。
【0013】
前記各移動路に設定された複数の案内地点のそれぞれに、進行可能な方向を案内する案内情報が設定された案内テーブル(MT)が更に設けられ、前記ルート案内部は、前記位置決定部にて決定された前記移動体の位置が、前記案内地点と所定の関係になった時に、前記案内テーブルを参照して、前記案内地点に設定された案内情報を前記表示部に表示してもよい。案内情報を進行可能な方向を示す標識として設定すれば、一般道路の道路標識の雰囲気を提供することができる。また、進行すると危険な方向や逆走する方向には移動体を進行させないようにすることができる。
【0014】
前記仮想領域における前記各リルート地点及び前記各案内地点を識別する処理マーカー(L)が前記各リルート地点及び前記各案内地点に付与され、前記案内テーブル及び前記リルートテーブルは、前記各案内地点に付与された処理マーカーには対応する前記案内情報が設定され、前記各リルート地点に付与された処理マーカーには、前記リルート地点に対応するルートを現在ルートとして前記新ルートとともに設定された処理テーブル(MT)として構成されていてもよい。これにより、ゲーム制御部は1つの処理テーブルを参照して処理を行うことができる。
【0015】
前記案内テーブルは、前記各ルート毎に用意され、前記複数の案内地点は対応するルート上に設けられ、前記案内情報は前記対応するルートの進行方向を示すように設定され、前記ルート案内部は、前記現在ルートの案内テーブルを参照して、前記位置決定部にて決定された前記移動体の位置が、前記案内地点と所定の関係になった時に、前記案内地点に設定された案内情報を前記表示部に表示してもよい。これにより、例えば、移動体が案内地点に到達した時に、現在ルートの進行方向が表示されるので、プレイヤが迷いそうな地点あるいは分岐地点等に案内地点を設定すれば、移動体が現在ルートから外れることを回避することができる。
【0016】
前記新ルートとして設定された各ルートの案内テーブルにおいて、前記ルートへつながる移動路に前記案内地点が更に設けられ、前記案内地点には、前記移動体を前記ルートに案内するための案内情報が対応付けられていてもよい。これにより、ルートからはずれた移動路から新ルートとして決定されたルートに入る際に、進むべき方向が表示されるので、例えば、新ルート以外の移動路に入ることや新ルートとして決定されたルートに入る際に逆方向に進むことを回避することができる。
【0017】
前記各仮想領域における前記各リルート地点及び前記各案内地点を識別する処理マーカーが前記各リルート地点及び前記各案内地点に付与され、前記各ルートに関する前記案内テーブル及び前記リルートテーブルは、前記各ルートに対して設定された各案内地点及び各リルート地点に付与された前記処理マーカーが設定され、前記各案内地点に付与された処理マーカーには前記各案内情報に対応する案内情報が設定され、前記各リルート地点に付与された処理マーカーには前記リルート地点に対して設定された前記新ルートが設定された、1つの処理テーブルとして構成されていてもよい。これにより、ゲーム制御部は各コースにおける処理を1つの処理テーブルを参照するだけで行うことができる。
【0018】
音声を出力する音声出力部(20)を更に備え、前記案内テーブルの各案内地点には、対応する案内情報を音声で案内する音声案内情報が更に設定され、前記ルート案内部は、前記案内地点に設定された案内情報を表示する際に、前記案内地点に設定された音声案内情報によって前記音声出力部より音声案内を出力してもよい。これにより、案内情報の表示とともに、音声案内情報によってプレイヤに現在ルートを案内することができる。
【0019】
前記仮想領域における張り巡らされた移動路は所定の市街地における少なくとも一部の一般道を模したものであり、前記移動体は走行体であってもよい。これにより、例えば、行ったことのない街を走行する感覚をプレイヤに与えることができ、ゲームの興趣を高めることができる。
【0020】
本発明のゲームプログラム(GP)は、プレイヤの操作を受け付ける操作入力部(10)と、仮想領域内に張り巡らされた複数の移動路(GR)を通って共通の目的地に到達するように構成された複数のルート(R1、R2、R3)が用意され、いずれか1つのルートに従って操作対象である移動体が前記目的地に到達するように、前記ルートを構成する移動路が案内されるゲームを制御するゲーム制御部(40)と、前記移動体が前記ルートを移動するようすが表示される表示部(30)と、前記複数のルートのそれぞれを前記プレイヤに案内するための情報であるルート情報を記憶するルート情報記憶部(MapI)と、前記各ルートについて、前記ルートから外れた各移動路に設定されたリルート地点に、前記外れた移動路で構成される他のルート又は前記外れた移動路につながる他のルートを、新ルートとして設定されたリルートテーブルと、を備えるコンピュータを機能させるゲームプログラムであって、前記ゲーム制御部を、前記複数のルートのうち、前記移動体を移動させるルートである現在ルートを決定するルート決定部(40d)と、前記プレイヤの操作に応じて前記移動体の位置を決定する位置決定部(40a)と、前記位置決定部にて決定された前記移動体の位置と前記現在ルートのルート情報に基づいて前記現在ルートを前記プレイヤに案内するルート案内部(40c)と、前記リルートテーブルを参照して、前記位置決定部にて決定された前記移動体の位置が、前記現在ルートに設定されたリルート地点と所定の関係になったか否かを判断するリルート判断部(40e)と、をして機能させ、前記ルート決定部は、前記リルート判断部において前記所定の関係になったと判断された場合に、前記リルートテーブルを参照して前記リルート地点に設定された新ルートを前記現在ルートに決定するように構成されたことにより、上記の課題を解決する。本発明のゲームプログラムをコンピュータに機能させることにより、本発明のゲームシステムが実現される。
【発明の効果】
【0021】
上述したように、本発明によれば、 各ルートについて、リルート地点に新ルートが設定されたリルートテーブルを備え、現在ルートを決定するルート決定部と、移動体の位置を決定する位置決定部と、移動体の位置と現在ルートのルート情報に基づいて現在ルートをプレイヤに案内するルート案内部と、リルートテーブルを参照して、移動体の位置が、リルート地点と所定の関係になったか否かを判断するリルート判断部と、を備え、ルート決定部は、リルート判断部において所定の関係になったと判断された場合に、リルート地点に設定された新ルートを現在ルートに決定する、ことにより、走行中のルートをはずれた場合であっても、処理負担をかけずに次のルートを検索するゲームシステム等を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1は、本形態のゲームシステムによって提供されるゲームのゲーム画面GIを示す図である。本形態のゲームシステムでは、プレイヤの操作対象である移動体としての車CAに所定の周回ルートを3回周回させ、そのラップタイムを競うゲームが提供される。ゲーム画面GIは、車CAが道路を走行するようすを示すメイン画面MIと、周回ルートにおける車CAの現在位置を確認するためのナビゲーション画面NI(以下、「ナビ画面NI」という。)とで構成され、メイン画面MIには、車CAが進むべき進行方向を示す標識Sym、車CAの速度や走行距離等を示すメーター類MD、及びスタート後の経過時間を示す経過タイムLT等が表示される。
【0023】
本形態の周回ルートは、図2に示すような仮想領域、例えばイギリス市街地TNに実際に張り巡らされている複数の一般道GRから作成される。このように、本発明の仮想領域は実際に存在する街の一部であることが望ましい。なお、一般道GRとは、実際に存在する道路であればよく高速道路や有料道路を含む。ゲームで使用される一般道GRは、イギリス市街地TNに実際に存在する全一般道のうち、本形態のゲームにおいて車CAが走行可能な道として設定されたものである。本形態では、図3に示すようなルートR1、ルートR2、及びルートR3の3つの周回ルートが図2の一般道GRから作成されている。以下、ルートR1、ルートR2、及びルートR3を区別する必要のない時は「ルートR」という。
【0024】
全てのルートR1、R2、R3においては同じ位置にスタート地点SPが設定されている。各ルートRにおいては、スタート地点SPを目的地点としてイギリス市街地TNを周回するように一般道GRが選択されている。3つのルートRのうちいずれか1つのルートRがプレイヤによって選択されると、ゲーム画面GIには、選択されたルートRを進行するように、進むべき進行方向を示す標識Symが車CAの移動に伴って適宜表示される。また、標識Symの表示とともに音声案内も出力される。更に、ナビ画面NIには、一般自動車のナビゲーションシステムにおけるナビゲーション画面と同様に、イギリス市街地TNの地図上に車CAの位置と選択されたルートRの経路が識別可能に表示される。標識Sym及びナビ画面NIにより、プレイヤは張り巡らされた一般道GRの中を、選択されたルートRに従って進行することができる。以下、標識Symの表示及び音声案内を総称して「ルート案内」という。
【0025】
一方、車CAが選択されたルートRから外れた一般道GRに入ってしまった時は、スタート地点SPまでの経路がリルートされ、リルートされた経路に基づいたルート案内が再開される。この結果、車CAは目的地点としてのスタート地点SPに到達することができる。本形態では、リルートされるルートRはルートR1、R2、R3のうちいずれかのルートRに設定される。例えば、ルートR1を走行中にルートR1から外れた一般道GRに入ってしまった時は、ルートR2又はルートR3にリルートされる。このように、本形態では、従うべきルートRとして現在設定されている現在ルートRを他のルートRに切り替える処理が、リルート処理として行われる。
【0026】
これにより、一般道GRを車CAで走行する感覚を提供することができるとともに、現在ルートRからはずれた一般道GRに入ってしまった時であっても、他のルートRにリルートされるので、必ずスタート地点SPに戻ってくることができる。しかも、予め用意されたルートRの切り替えによってリルート処理を実現するように構成されているため、処理負担も処理時間も少なくて済む。
【0027】
本形態のゲームシステム1におけるリルートの実現方法について具体的に説明する。まず、本形態のゲームシステム1のハードウェア構成について図4を用いて説明する。ゲームシステム1は、操作入力部10、スピーカ20、モニタ30、ゲーム制御ユニット40で構成される。操作入力部10は、プレイヤの操作を受け付ける構成であり、本形態ででは、ゲーム用ハンドル、ゲーム用アクセルペダル、ゲーム用ブレーキペダル等が含まれる。スピーカ20はゲームにおける各種擬音や音声案内を出力する。モニタ30には主にゲーム画面GIが表示される。ゲーム制御ユニット40は、CPU及びその動作に必要な記憶域50で構成され、コンピュータとして機能する。ゲーム制御部ユニット40は、後述のゲームプログラムPGを稼働することにより、位置決定部40a。状況更新部40b、ルート案内部40c、ルート決定部40d、リルート判断部40e、音声生成部40f、メイン画面生成部40g、ナビ画面生成部40hとして機能する。
【0028】
音声生成部40fはスピーカ20から出力される擬音や音声案内等の音声情報を生成する。メイン画面生成部40f及びナビ画面生成部40hのそれぞれは、車CAの現在の状況に応じてメイン画面MI及びナビ画面NIのそれぞれに表示される画像を生成する。位置決定部40aはプレイヤの操作に応じて車CAの現在位置を決定する。本形態では、イギリス市街地TNの所定地点を原点とする座標にて各種位置を特定する。状況更新部40bは、経過時間や走行距離等、車CAの位置の変化に伴う状況の変化を判断して更新する。ルート案内部40cは、車CAの位置に基づいてルートRに基づいた進行方向を示したり、ナビ画面NIに表示する画像を決定する。リルート判断部40eはリルート処理を行うか否かを判断し、ルート決定部40dはゲームスタート時及びリルート処理が行われた場合に現在ルートRを決定する。
【0029】
記憶域50には、マーカーテーブルMT、マップ情報MapI、参照テーブルRT及び本発明を実現するためのゲームプログラムGPが記憶されている。参照テーブルRTはルートRの種類にかかわりなくゲームシステム1内にて共通に参照されるテーブルであり、本形態では、座標テーブルCooT、標識テーブルSymT、音声テーブルSndTが含まれる。マーカーテーブルMT及びマップ情報MapIは、各ルートR毎に用意される。マーカーテーブルMTは対応するルートRを走行中に行われる処理について設定されたテーブルであり、マップ情報MapIは、ナビ画面NIにおいて、対応するルートRをイギリス市街地TNの地図において識別可能に表示されるように構成されたマップ情報である。
【0030】
以下、ルートR1に対応するものをマーカーテーブルMT1及びマップ情報MapI1といい、ルートR2に対応するものをマーカーテーブルMT2及びマップ情報MapI2といい、ルートR3に対応するものをマーカーテーブルMT3及びマップ情報MapI3という。リルート時には、現在ルートRとしてのルートRが切り替わるのに伴って、ゲーム中に参照されるマーカーテーブルMT及びマップ情報MapIも、図5に示すように切り替わる。以下、参照されるマーカーテーブルMTをマーカー参照テーブルといい、参照されるマップ情報MapIを参照マップ情報という。
【0031】
マーカーテーブルMTの具体的な設定内容について図6〜図10を用いて説明する。イギリス市街地TNにおいて車CAが走行可能な一般道GRに、図6に示すようなマーカーL1〜L46が付されている。以下、マーカーL1〜L46を区別する必要のない時は「マーカーL」という。「走行可能な一般道GR」は、イギリス市街地TNにおける全一般道GRのうち走行可能な一般道GRとして適宜設定すればよい。一般道GRは、実際の道路の場合、有料道路、高速道路、地下道GRgdを問わずいずれの道路でもよく、更に、実際には道路ではない道路GRadを追加してもよい。
【0032】
各マーカーLの位置座標は、図7に示す座標テーブルCooTに設定されている。車CAがいずれかのマーカーLに到達すると、そのマーカーLに対して対応付けられた処理が行われる。マーカーテーブルMTには、各マーカーLに対してその位置に関連して行われる処理が設定されている。
【0033】
本形態では、各一般道GRにおいて車CAが図6に示すように一定方向にのみ走行可能なように設定されている。一般道GRの走行可能な方向を一定方向に設定することで、例えば、逆方向に進行した場合に「逆走」として判断される等の通常のレースゲームと同様のゲーム態様を設定できる。但し、本形態では、ロータリーのコース以外の部分においては、回転方向と異なる方向に進場合を逆走と判断しないように設定されている。各マーカーLの位置に関して行われる具体的な処理について、ルートR1のマーカーテーブルMT1を例にして説明する。なお、ゲームシステム1においては、ゲーム画面GIに表示される各標識Symは図8に示す標識テーブルSymTにて対応付けられている標識IDで管理され、スピーカ20から出力される音声案内は図9に示す音声テーブルSndTにて対応付けられている音声IDで管理される。
【0034】
マーカーテーブルMT1には、図10に示すように、ルートR1に関係するマーカーLが設定されている。ルートR1に関係するマーカーLは、案内地点に設定されたマーカーLgと、リルート地点に設定されたマーカーLrと、新ルート案内地点に設定されたマーカーLnとで構成される。マーカーLgは、ルートR1上に設定され、車CAがマーカーLgに到達すると、ルートR1としての進行方向を案内するルート案内が実行される。マーカーLrが設定されるリルート地点とは、リルート処理が行われる地点であり、ルートR1から外れた一般道GR上であって、ルートR1から外れてからすぐの地点である。車CAがマーカーLrに到達すると、リルート処理が行われる。
【0035】
マーカーLnが設定される新ルート案内地点とは、ルートR1上ではなく他のルートRとルートR1とをつなぐ一般道GR上であって、ルートR1に入る直前地点である。車CAがマーカーLnに到達すると、ルートR1に入るための進行方向を案内するルート案内が実行される。以上のように、マーカーテーブルMT1において、ルートR1からはずれたリルート地点Lrに、リルート処理により新しい現在ルートRとなる新ルートNrとが対応付けられた部分はリルートテーブルとして機能する。また、マーカーテーブルMT1において、案内地点Lg及び新ルート案内地点Lnに対して、ルート案内の内容が設定された部分は案内テーブルとして機能する。これにより、マーカーテーブルMT1は処理テーブルとして機能する。
【0036】
マーカーテーブルMT1において、マーカーLgには、ルート案内として表示すべき標識Symとその標識Symに準じた音声案内SndGが設定されている。マーカーLrには、ルートR1から現在ルートRとして切り替えられる新ルートNrと、リルートを通知する音声案内SndGが設定されている。新ルートNrには、現在走行中の一般道GRがつながるルートRが設定される。マーカーLnには、そのマーカーLnが設定された一般道GRからルートR1に入れるようにルート案内するための標識Sym及び音声案内SndGが設定されている。なお、スタート地点SPに設定されたマーカーL22には、スタート時とゴール時の音声案内SndGのみが設定されている。
【0037】
図10の例では、例えば、スタート地点SPから出発した車CAが案内地点LgとしてのマーカーL01に到達すると、直進(SY1)を示す標識Symがゲーム画面GIに表示されるとともに、「直進します」(SD1)の音声案内SndGがスピーカ20から出力される。そして、直進すべきところを、車CAが右折してリルート地点LrとしてのマーカーL03に到達すると、「リルートします」(SD4)の音声案内SndGが出力され、かつ、現在ルートRがルートR1から新ルートNrに設定されたルートR2に切り替わる。一方、一般道GRaをルートR1に向かって走行する車CAが新ルート案内地点LnとしてのマーカーL25に到達すると、ルートR1に案内するために左折の標識Sym(SY2)がゲーム画面GIに表示され、「左折です」(SD2)の音声案内が出力される。
【0038】
ルートR2及びルートR3のマーカーテーブルMT2、MT3についても、マーカーテーブルMT1と同じ要領でマーカーLg、Lr、Lnを設定し、音声案内SndG、標識Sym及び新ルートNrを適宜設定すればよい。例えば、ルートR3を外れた一般道GRa上のマーカーL26は、ルートR3に関するリルート地点LrとしてマーカーテーブルMT3に設定され、新ルートNrには一般道GRaがつながるルートR1が設定される。各マーカーテーブルMT2、MT3においても、マーカーテーブルMT1と同様に、リルート地点Lrに関する部分はリルートテーブルとして機能し、案内地点Lg及び新ルート案内地点Lnに関する部分は案内テーブルとして機能する。これにより、各マーカーテーブルMT2、MT3は処理テーブルとして機能する。
【0039】
以上のように設定されたマーカーテーブルMTに基づいて、ルートR3を走行中の車CAが一般道GRaに入り、現在ルートRがルートR3からルートR1にリルートされる際に、ゲーム制御ユニット40によって行われる処理について図11を用いて説明する。まず、現在ルートRがルートR3に設定された状態では、マーカー参照テーブルにはマーカーテーブルMT3が設定され、参照マップ情報にはマップ情報MapI3が設定されている。ナビ画面NIにはマップ情報MapI3に基づいて車CAの位置を基準としたルートR3の経路が識別可能に表示される。
【0040】
車CAがルートR3から一般道GRaに入り、リルート地点LrであるマーカーL26に到達すると、マーカーテーブルMT3を参照してマーカーL26に関する処理が行われる。上述したようにマーカーL26には新ルートNrにルートR1が設定されているので、現在ルートRをルートR1に切り替えるルート切替処理がリルート処理として行われる。リルート処において、マーカー参照テーブルはマーカーテーブルMT1に設定され、参照マップ情報はマップ情報MapI1に設定される。これにより、ルートR3を走行中の車CAが一般道GRaに入ると、マーカーL26にてリルート処理が実行され、新しい現在ルートRとしてルートR1が設定される。なお、リルート処理においては、マーカーL26に設定された音声案内SndG(「リルートします」)も出力される。
【0041】
そして、車CAがマーカーL25に到達すると、マーカー参照テーブルであるマーカーテーブルMT1を参照してマーカーL25に関する処理が行われる。マーカーテーブルMT1において、マーカーL25には、左折を案内するように標識Sym及び音声案内SndGが設定されているので、左折を案内するルート案内が実行される。車CAがルート案内に従って左折すればルートR1に入ることができる。そして、ルートR1に従って車CAを走行させることにより、即ちマーカーテーブルMT1に基づいたルート案内及びマップ情報MapI1に基づいたナビ画面NIに従うことにより、車CAをスタート地点SPに戻らせることができる。これにより、ラップタイムが計時される。なお、リルート処理により現在ルートRがルートR1に設定された場合、本形態では、次にリルート処理があるまでルートR1が現在ルートRとして設定される。
【0042】
ゲーム開始から終了までにゲーム制御ユニット40によって制御されるゲーム処理について図12に示すフローチャートに従って説明する。ゲーム処理はゲーム制御周ニット40cによって制御される。まず、ステップS100にてプレイヤに3つのルートR1〜R3からゲームで使用するルートRを選択させる。本形態では、ルートR1が選択された場合について説明する。続いてステップS105にて、選択されたルートR1は現在ルートR1として設定され、マーカーテーブルMT1がマーカー参照テーブルとして設定され、ルートR1のマップ情報が参照マップ情報として設定される。
【0043】
次に、ステップS110に進み、スタート前処理が行われる。スタート前処理では、車CAの位置座標がスタート地点SP(L22)に設定され、車CAに対応するラップカウント値が1に設定される。また、プレイヤの操作対象である車CAがスタート地点SPに配置するようすがモニタ30に表示され、ナビ画面NIには、現在ルートR1のスタート地点SPに車CAの位置が表示される。続いて、ステップS115にてスタート操作待ち状態となる。プレイヤによってスタート操作がされると、ステップS120へ進み、車CAの走行に伴う処理である走行処理が開始される。
【0044】
走行処理において、位置決定部40aは走行する車CAの位置を決定し、状況更新部40bは走行タイマの計時及び走行距離メーターの計測を開始すると共に適宜更新し、ルート案内部40cは、マップ情報MapI1に基づいて、車CAの位置を基準したルートR1を示すナビ画面NIをナビ画面生成部40hを介してモニタ30に表示する。走行処理は車CAがゴールするまで続行される。なお、車CAの発信時には車CAが発信するようすがモニタ30に表示され、マーカーL22のスタート時用に設定された音声案内sndG(SD8「音声案内を開始します」)が生成されてスピーカ20から出力される。
【0045】
走行処理が開始されるとステップS125に進み、マーカー参照テーブルであるマーカーテーブルMT1を参照して、車CAのマーカーLへの到達待ち状態となる。本形態では、車CAの位置座標がマーカーLの座標値の所定範囲内に入った時に、そのマーカーLに到達したと判断する。以下、車CAが到達したマーカーLを「到達マーカーL」という。いずれかのマーカーLに到達したと判断されると、ステップS130へ進み、到達マーカーLはスタート地点SP、即ちマーカーL22であるか否かが判断される。スタート地点SPでない場合はステップS135へ進み、到達マーカーLはリルート地点Lrか否かが判断される。
【0046】
マーカーテーブルT1において、到達マーカーLに新ルートNrが設定されている場合、リルート処理と判断する。これにより、ゲーム制御ユニット40はリルート判断部40eとして機能する。ステップS135にて、リルート処理と判断された場合は、ステップS140に進み、到達マーカーLに対応付けられた音声案内SndG(SD4「リルートします」)を生成してスピーカ20から出力し、続くステップS145にてリルート処理が行われる。リルート処理においては、現在ルートRの切り替えが行われる。即ち、新ルートNrが現在ルートRに設定され、新しく設定された現在ルートRに対応するマーカーテーブルMTがマーカー参照テーブルとして設定され、新しい現在ルートRのマップ情報MapIが参照マップ情報として設定される。これにより、ゲーム制御ユニット40はルート決定部40dとして機能する。
【0047】
リルート処理の後、次のマーカーLに関する処理のためステップS125へ戻る。一方、ステップS135にて、リルート処理ではないと判断された場合、ステップS150へ進む。ステップS150では、到達マーカーLに設定された標識Sym(例えば、直進標識)がゲーム画面GIに表示され、到達マーカーLに設定された音声案内SndG(例えば「直進します」)が生成されてスピーカ20から出力される。ステップS150における処理後、次のマーカーLに関する処理のためにステップS125へ戻る。
【0048】
また、ステップS130にて到達マーカーLがスタート地点SPであると判断された場合、ステップS155へ進む。ステップS155では、ゴールか否かが判断される。ラップカウント値=3である時、ゴールと判断される。ゴールではないと判断された時、即ちラップカウント値<3の時は、ステップS160へ進み、ラップカウント値に1を加算し、次のラップに関する処理を行うためにステップS125へ戻る。
【0049】
ステップS155にてゴールであると判断された場合、ステップS165へ進み、ゴール処理が行われる。ゴール処理では、車CAがゴールしたようすがモニタ30に表示され、マーカーL22に設定されたゴール時用の音声案内SndG(SD7「お疲れ様でした」)が生成されてスピーカ20から出力される。その他、例えば、計時されたラップタイムや走行距離に基づいたゲーム結果の表示や当該ゲーム結果に基づいてプレイヤに関する各種パラメータが更新される。ゴール処理の終了後、ゲーム処理を終了する。
【0050】
上記形態では、ナビ画面NIにおいても標識Symにおいても、現在ルートRに従った方向のみを案内するように構成されているが、例えば、ルート案内おいては、実際の往路標識と同様に進行可能な方向を全て示すように構成してもよい。これにより、プレイヤにとっては進むべき方向の選択肢が増え、現在ルートRとしての進行方向を選択する判断が困難となり、より高度なプレイスキルが要求されることになる。以下、ルート案内において、現在ルートR以外の進行方向も案内するように構成された形態を「上級形態」という。
【0051】
上級形態では、上記形態と同様に、マップ情報MapIはルートR毎に設けられ、現在ルートRの種類に参照マップ情報に設定されるが、マーカーテーブルMTは3つのルートR1〜R3に共通する上級マーカーテーブルMThiが設けられ、現在ルートRの種類にかかわらず常に上級マーカーテーブルMThiがマーカー参照テーブルとなる。上級マーカーテーブルMThiについて、図13及び図14を用いて説明する。なお、図13におけるマーカーL1〜L46と各一般道GRに示されている進行方向は図6と同じである。
【0052】
上級マーカーテーブルMThiにおける各マーカーLの設定内容は、各マーカーテーブルMTにおける設定内容と同様の要領で設定すればよい。マーカーテーブルMTの設定と異なる点について、案内地点Lg、リルート地点Lr及び新ルート案内地点Lnのそれぞれに分けて説明する。まず、案内地点LgであるマーカーLの場合、マーカーLの標識symには、いずれの一般道GRにも進行できるように標識symを設定する。例えば、案内地点LgとしてのマーカーL01は、いずれのルートR1〜R3に進めるように、ルートR1及びルートR3としての直進方向、及びルートR2としての右折方向を示す、即ち直進及び右折を示す標識sym(SY4)が設定される。
【0053】
また、マーカーL10を通るルート3から右折する一般道GRbはどのルートRも構成しないが、走行可能な一般道GRであるので、マーカーL10においては、直進及び右折が可能であることを示す標識sym(SY4)が設定される。本形態では2方向が案内される場合に音声案内は設定されていないが、例えば、マーカーL10に「直進または右折です」といった音声案内sndGを設定してもよい。
【0054】
各マーカーテーブルMTにおいてリルート地点Lrとして設定されているマーカーLの場合、リルート地点Lrとなり得る各マーカーLに、新ルートNrに加えて現在ルートPrがリルート条件として設定される。現在ルートPrは、マーカーLがリルート地点Lrとして設定されているマーカーテーブルMTに対応するルートRである。例えば、ルートR2上のマーカーL03の場合、現在ルートRがルートR1又はルートR3の時にのみリルート地点Lrとされるように、現在ルートPrにはルートR1及びルートR3が設定され、新ルートNrにはルートR2が設定される。新ルートNrとなり得るルートRが複数存在する場合は、いずれか1つのルートRを新ルートNrとして設定すればよい。
【0055】
新ルート案内地点Lnとして設定されているマーカーLについては、上述した形態と同様に、車CAが新ルート案内移転Lnに到達した時点で現在ルートRとして設定されているルートRに入るように、進行方向を案内する標識sym及び音声案内SndGを設定すればよい。なお、上級マーカーテーブルMThiは処理テーブルとして機能し、上述したマーカーテーブルMTと同様に、リルート地点Lrに関する部分はリルートテーブルとして機能し、案内地点Lg及び新ルート案内地点Lnに関する部分は案内テーブルとして機能する。
【0056】
現在ルートRの切り替えに伴って、参照される上級マーカーテーブルMThi及びマップ情報MapIが切り替えられる態様を図15に示す。図15に示すように、現在ルートRの切り替えに伴って参照マップ情報は切り替わるが、上級マーカーテーブルMThiはいずれのルートRであっても参照される。次に、上級形態におけるゲーム処理について説明する。上級形態におけるゲーム処理は上述した形態のゲーム処理と同様の処理が行われるので、異なる部分のみ説明する。
【0057】
ステップS105にて、現在ルートRがいずれのルートRであっても、マーカー参照テーブルは上級マーカーテーブルMThiに設定される。ステップS135にて、到達マーカーLがリルート地点Lrか否かの判断は、到達マーカーに対して、現在ルートRとして設定されているルートRが現在マーカーPrに設定されている場合に、リルート地点Lrと判断される。ステップS145のルート切り替え処理では、参照マップ情報が切り替えられた現在ルートRに対応するマップ情報MapIに設定されるが、マーカー参照テーブルは上級マーカーテーブルMThiのままでよい。
【0058】
本発明は上述の形態に限らず種々の形態にて実施されてよい。例えば、本発明のルートは、スタート地点SPを共通とする周回ルートではなく、共通の目的地へ向かうルートであってもよい。また、共通の目的地が設定される場合は、スタート地点SPは共通でなくてもよい。各ルートR毎にマーカーテーブルMTを用意する形態において、各ルートRに対応するマーカーテーブルMTにリルートテーブルに対応する部分が設定されているが、1つのリルートテーブルとして構成してもよい。その場合は、上級態様におけるリルート地点Lrと同様に構成すれびょい。なお、ルートRの数は3つに限らず、複数であればよい。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本形態におけるゲームのゲーム画面の一例を示す図。
【図2】本形態において車が走行可能な一般道を示す図。
【図3】図2に示される一般道に基づいて設定された3つのルートを示す図。
【図4】本形態のゲームシステムのハードウェア構成の概略を示す図。
【図5】現在ルート及び参照情報が切り替わるようすを示す図。
【図6】図2に示される一般道にマーカーが付されたようすを示す図。
【図7】図4に示される座標テーブルの一例を示す図。
【図8】図4に示される標識テーブルの一例を示す図。
【図9】図4に示される音声テーブルの一例を示す図。
【図10】図4に示されるマーカーテーブルの一例を示す図。
【図11】リルートされる際の処理と車の動きとルート設定状況とを対応付けた図。
【図12】ゲーム処理において実行される処理を示すフローチャート。
【図13】図6を上級形態の説明用に変更した図。
【図14】上級形態におけるマーカーテーブルの一例を示す図。
【図15】上級形態において現在ルートの切り替えに伴う参照情報の状態を示す図。
【符号の説明】
【0060】
R1、R2、R3 ルート
MT1、MT2、MT3 マーカーテーブル
MapI1、MapI2、MapI3 マップ情報
GR 一般道
40 ゲーム制御ユニット
40a 位置決定部
40c ルート案内部
40d ルート決定部
40e リルート判断部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤの操作を受け付ける操作入力部と、
仮想領域内に張り巡らされた複数の移動路を通って共通の目的地に到達するように構成された複数のルートが用意され、いずれか1つのルートに従って操作対象である移動体が前記目的地に到達するように、前記ルートを構成する移動路が案内されるゲームを制御するゲーム制御部と、
前記移動体が前記ルートを移動するようすが表示される表示部と、が備えられたゲームシステムであって、
前記複数のルートのそれぞれを前記プレイヤに案内するための情報であるルート情報を記憶するルート情報記憶部と、
前記各ルートについて、前記ルートから外れた各移動路に設定されたリルート地点に、前記外れた移動路で構成される他のルート又は前記外れた移動路につながる他のルートを、新ルートとして設定されたリルートテーブルと、を更に備え、
前記ゲーム制御部は、
前記複数のルートのうち、前記移動体を移動させるルートである現在ルートを決定するルート決定部と、
前記プレイヤの操作に応じて前記移動体の位置を決定する位置決定部と、
前記位置決定部にて決定された前記移動体の位置と前記現在ルートのルート情報に基づいて前記現在ルートを前記プレイヤに案内するルート案内部と、
前記リルートテーブルを参照して、前記位置決定部にて決定された前記移動体の位置が、前記現在ルートに設定されたリルート地点と所定の関係になったか否かを判断するリルート判断部と、を備え、
前記ルート決定部は、前記リルート判断部において前記所定の関係になったと判断された場合に、前記リルートテーブルを参照して前記リルート地点に設定された新ルートを前記現在ルートに決定する、ことを特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
前記各ルートのルート情報は、前記共通の目的地をスタート地点とする周回ルートとなるように構成されている、ことを特徴とする請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記ルート情報は、前記仮想領域において各ルートが識別されるように設定されたマップ情報であり、
前記ルート案内部は、前記移動体の位置を基準にした前記現在ルートの少なくとも一部の画像が示されるナビゲーション画面を前記表示部に表示する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記各移動路に設定された複数の案内地点のそれぞれに、進行可能な方向を案内する案内情報が設定された案内テーブルが更に設けられ、
前記ルート案内部は、前記位置決定部にて決定された前記移動体の位置が、前記案内地点と所定の関係になった時に、前記案内テーブルを参照して、前記案内地点に設定された案内情報を前記表示部に表示する、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のするゲームシステム。
【請求項5】
前記仮想領域における前記各リルート地点及び前記各案内地点を識別する処理マーカーが前記各リルート地点及び前記各案内地点に付与され、
前記案内テーブル及び前記リルートテーブルは、
前記各案内地点に付与された処理マーカーには対応する前記案内情報が設定され、
前記各リルート地点に付与された処理マーカーには、前記リルート地点に対応するルートを現在ルートとして前記新ルートとともに設定された処理テーブルとして構成されている、ことを特徴とする請求項4に記載のゲームシステム。
【請求項6】
前記案内テーブルは、前記各ルート毎に用意され、前記複数の案内地点は対応するルート上に設けられ、前記案内情報は前記対応するルートの進行方向を示すように設定され、
前記ルート案内部は、前記現在ルートの案内テーブルを参照して、前記位置決定部にて決定された前記移動体の位置が、前記案内地点と所定の関係になった時に、前記案内地点に設定された案内情報を前記表示部に表示する、ことを特徴とする請求項4に記載のゲームシステム。
【請求項7】
前記新ルートとして設定された各ルートの案内テーブルにおいて、前記ルートへつながる移動路に前記案内地点が更に設けられ、前記案内地点には、前記移動体を前記ルートに案内するための案内情報が対応付けられている、ことを特徴とする請求項6に記載のゲームシステム。
【請求項8】
前記各仮想領域における前記各リルート地点及び前記各案内地点を識別する処理マーカーが前記各リルート地点及び前記各案内地点に付与され、
前記各ルートに関する前記案内テーブル及び前記リルートテーブルは、前記各ルートに対して設定された各案内地点及び各リルート地点に付与された前記処理マーカーが設定され、前記各案内地点に付与された処理マーカーには前記各案内情報に対応する案内情報が設定され、前記各リルート地点に付与された処理マーカーには前記リルート地点に対して設定された前記新ルートが設定された、1つの処理テーブルとして構成される、ことを特徴とする請求項7に記載のゲームシステム。
【請求項9】
音声を出力する音声出力部を更に備え、
前記案内テーブルの各案内地点には、対応する案内情報を音声で案内する音声案内情報が更に設定され、
前記ルート案内部は、前記案内地点に設定された案内情報を表示する際に、前記案内地点に設定された音声案内情報によって前記音声出力部より音声案内を出力する、ことを特徴とする請求項4〜8のいずれか1項に記載のゲームシステム。
【請求項10】
前記仮想領域に張り巡らされた前記複数の移動路は所定の市街地における少なくとも一部の一般道を模したものであり、移動体は走行体である、ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のゲームシステム。
【請求項11】
プレイヤの操作を受け付ける操作入力部と、
仮想領域内に張り巡らされた複数の移動路を通って共通の目的地に到達するように構成された複数のルートが用意され、いずれか1つのルートに従って操作対象である移動体が前記目的地に到達するように、前記ルートを構成する移動路が案内されるゲームを制御するゲーム制御部と、
前記移動体が前記ルートを移動するようすが表示される表示部と、
前記複数のルートのそれぞれを前記プレイヤに案内するための情報であるルート情報を記憶するルート情報記憶部と、
前記各ルートについて、前記ルートから外れた各移動路に設定されたリルート地点に、前記外れた移動路で構成される他のルート又は前記外れた移動路につながる他のルートを、新ルートとして設定されたリルートテーブルと、を備えるコンピュータを機能させるゲームプログラムであって、
前記ゲーム制御部を、
前記複数のルートのうち、前記移動体を移動させるルートである現在ルートを決定するルート決定部と、
前記プレイヤの操作に応じて前記移動体の位置を決定する位置決定部と、
前記位置決定部にて決定された前記移動体の位置と前記現在ルートのルート情報に基づいて前記現在ルートを前記プレイヤに案内するルート案内部と、
前記リルートテーブルを参照して、前記位置決定部にて決定された前記移動体の位置が、前記現在ルートに設定されたリルート地点と所定の関係になったか否かを判断するリルート判断部と、をして機能させ、、
前記ルート決定部は、前記リルート判断部において前記所定の関係になったと判断された場合に、前記リルートテーブルを参照して前記リルート地点に設定された新ルートを前記現在ルートに決定するように構成されたことを特徴とするゲームプログラム。
【請求項1】
プレイヤの操作を受け付ける操作入力部と、
仮想領域内に張り巡らされた複数の移動路を通って共通の目的地に到達するように構成された複数のルートが用意され、いずれか1つのルートに従って操作対象である移動体が前記目的地に到達するように、前記ルートを構成する移動路が案内されるゲームを制御するゲーム制御部と、
前記移動体が前記ルートを移動するようすが表示される表示部と、が備えられたゲームシステムであって、
前記複数のルートのそれぞれを前記プレイヤに案内するための情報であるルート情報を記憶するルート情報記憶部と、
前記各ルートについて、前記ルートから外れた各移動路に設定されたリルート地点に、前記外れた移動路で構成される他のルート又は前記外れた移動路につながる他のルートを、新ルートとして設定されたリルートテーブルと、を更に備え、
前記ゲーム制御部は、
前記複数のルートのうち、前記移動体を移動させるルートである現在ルートを決定するルート決定部と、
前記プレイヤの操作に応じて前記移動体の位置を決定する位置決定部と、
前記位置決定部にて決定された前記移動体の位置と前記現在ルートのルート情報に基づいて前記現在ルートを前記プレイヤに案内するルート案内部と、
前記リルートテーブルを参照して、前記位置決定部にて決定された前記移動体の位置が、前記現在ルートに設定されたリルート地点と所定の関係になったか否かを判断するリルート判断部と、を備え、
前記ルート決定部は、前記リルート判断部において前記所定の関係になったと判断された場合に、前記リルートテーブルを参照して前記リルート地点に設定された新ルートを前記現在ルートに決定する、ことを特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
前記各ルートのルート情報は、前記共通の目的地をスタート地点とする周回ルートとなるように構成されている、ことを特徴とする請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記ルート情報は、前記仮想領域において各ルートが識別されるように設定されたマップ情報であり、
前記ルート案内部は、前記移動体の位置を基準にした前記現在ルートの少なくとも一部の画像が示されるナビゲーション画面を前記表示部に表示する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記各移動路に設定された複数の案内地点のそれぞれに、進行可能な方向を案内する案内情報が設定された案内テーブルが更に設けられ、
前記ルート案内部は、前記位置決定部にて決定された前記移動体の位置が、前記案内地点と所定の関係になった時に、前記案内テーブルを参照して、前記案内地点に設定された案内情報を前記表示部に表示する、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のするゲームシステム。
【請求項5】
前記仮想領域における前記各リルート地点及び前記各案内地点を識別する処理マーカーが前記各リルート地点及び前記各案内地点に付与され、
前記案内テーブル及び前記リルートテーブルは、
前記各案内地点に付与された処理マーカーには対応する前記案内情報が設定され、
前記各リルート地点に付与された処理マーカーには、前記リルート地点に対応するルートを現在ルートとして前記新ルートとともに設定された処理テーブルとして構成されている、ことを特徴とする請求項4に記載のゲームシステム。
【請求項6】
前記案内テーブルは、前記各ルート毎に用意され、前記複数の案内地点は対応するルート上に設けられ、前記案内情報は前記対応するルートの進行方向を示すように設定され、
前記ルート案内部は、前記現在ルートの案内テーブルを参照して、前記位置決定部にて決定された前記移動体の位置が、前記案内地点と所定の関係になった時に、前記案内地点に設定された案内情報を前記表示部に表示する、ことを特徴とする請求項4に記載のゲームシステム。
【請求項7】
前記新ルートとして設定された各ルートの案内テーブルにおいて、前記ルートへつながる移動路に前記案内地点が更に設けられ、前記案内地点には、前記移動体を前記ルートに案内するための案内情報が対応付けられている、ことを特徴とする請求項6に記載のゲームシステム。
【請求項8】
前記各仮想領域における前記各リルート地点及び前記各案内地点を識別する処理マーカーが前記各リルート地点及び前記各案内地点に付与され、
前記各ルートに関する前記案内テーブル及び前記リルートテーブルは、前記各ルートに対して設定された各案内地点及び各リルート地点に付与された前記処理マーカーが設定され、前記各案内地点に付与された処理マーカーには前記各案内情報に対応する案内情報が設定され、前記各リルート地点に付与された処理マーカーには前記リルート地点に対して設定された前記新ルートが設定された、1つの処理テーブルとして構成される、ことを特徴とする請求項7に記載のゲームシステム。
【請求項9】
音声を出力する音声出力部を更に備え、
前記案内テーブルの各案内地点には、対応する案内情報を音声で案内する音声案内情報が更に設定され、
前記ルート案内部は、前記案内地点に設定された案内情報を表示する際に、前記案内地点に設定された音声案内情報によって前記音声出力部より音声案内を出力する、ことを特徴とする請求項4〜8のいずれか1項に記載のゲームシステム。
【請求項10】
前記仮想領域に張り巡らされた前記複数の移動路は所定の市街地における少なくとも一部の一般道を模したものであり、移動体は走行体である、ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のゲームシステム。
【請求項11】
プレイヤの操作を受け付ける操作入力部と、
仮想領域内に張り巡らされた複数の移動路を通って共通の目的地に到達するように構成された複数のルートが用意され、いずれか1つのルートに従って操作対象である移動体が前記目的地に到達するように、前記ルートを構成する移動路が案内されるゲームを制御するゲーム制御部と、
前記移動体が前記ルートを移動するようすが表示される表示部と、
前記複数のルートのそれぞれを前記プレイヤに案内するための情報であるルート情報を記憶するルート情報記憶部と、
前記各ルートについて、前記ルートから外れた各移動路に設定されたリルート地点に、前記外れた移動路で構成される他のルート又は前記外れた移動路につながる他のルートを、新ルートとして設定されたリルートテーブルと、を備えるコンピュータを機能させるゲームプログラムであって、
前記ゲーム制御部を、
前記複数のルートのうち、前記移動体を移動させるルートである現在ルートを決定するルート決定部と、
前記プレイヤの操作に応じて前記移動体の位置を決定する位置決定部と、
前記位置決定部にて決定された前記移動体の位置と前記現在ルートのルート情報に基づいて前記現在ルートを前記プレイヤに案内するルート案内部と、
前記リルートテーブルを参照して、前記位置決定部にて決定された前記移動体の位置が、前記現在ルートに設定されたリルート地点と所定の関係になったか否かを判断するリルート判断部と、をして機能させ、、
前記ルート決定部は、前記リルート判断部において前記所定の関係になったと判断された場合に、前記リルートテーブルを参照して前記リルート地点に設定された新ルートを前記現在ルートに決定するように構成されたことを特徴とするゲームプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2010−131080(P2010−131080A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−307883(P2008−307883)
【出願日】平成20年12月2日(2008.12.2)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月2日(2008.12.2)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】
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