ゲームシステム
【課題】遊技者に対して遊技用物品を多様な供給態様で供給することができるゲームシステムを提供する。
【解決手段】本発明に係るゲームシステム8においては、ゲームマシン1の通信処理部22からフィギア供給装置6Bの通信処理部130に排出指示を送信することで、遊技者からフィギア購入指示を受け付けてフィギア40を販売するときだけでなく、迷宮対戦ゲーム上において所定条件が成立したときなど、多様な供給態様でフィギア40を供給することができる。
【解決手段】本発明に係るゲームシステム8においては、ゲームマシン1の通信処理部22からフィギア供給装置6Bの通信処理部130に排出指示を送信することで、遊技者からフィギア購入指示を受け付けてフィギア40を販売するときだけでなく、迷宮対戦ゲーム上において所定条件が成立したときなど、多様な供給態様でフィギア40を供給することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィギアやカード、カセットといった遊技用物品を使用する遊技を行えるゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、フィギアやカード、カセットといった遊技に用いられる遊技用物品を使用して遊技を行える遊技機が知られている。例えば、特許文献1には、プレイフィールド上に載置された複数のカードのデータを読み取る手段(読取手段)と、読み取ったデータに応じた画像を表示する手段とを有し、遊技者が並べた複数のカードの組合せに応じた画像を表示して、チームプレーをシミュレーションできるカードゲーム装置が開示されている。このカードゲーム装置では、遊技(試合)終了後に新しいカードが遊技者に提供される。
【0003】
ところが、このように遊技用物品が遊技終了後に提供される場合には、初めてその遊技機で遊ぶ遊技者は、遊技を始めるにあたって、予め遊技用物品をどこかで入手しておく必要があった。そのため、遊技用物品の入手方法や入手場所を知らない場合には、遊技者は遊技を行うことができない。
【0004】
そこで、特許文献2には、ディスプレイ装置を備えたゲーム機(遊技機)とカプセルベンダー(遊技用物品供給装置)とが併設されたゲームシステムが開示されている。このゲームシステムにおいては、遊技者は、遊技機で遊技用物品を用いた遊技を行うにあたり、遊技機に併設された遊技用物品供給装置からフィギア(遊技用物品)入りのカプセルを購入することができる。
【特許文献1】特開2002−301264号公報
【特許文献2】特開2002−153675号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来のゲームシステムには、以下のような問題があった。すなわち、従来のゲームシステムの遊技用物品供給装置は、単なる販売しか行っておらず、遊技者が遊技用物品を手に入れるためには、遊技者はその遊技用物品供給装置から遊技用物品を購入するしか方法がなかった。
【0006】
そこで、本発明は上記課題を解決するためになされたもので、遊技者に対して遊技用物品を多様な供給態様で供給することができるゲームシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るゲームシステムは、識別情報を記憶する遊技用物品を格納する格納ユニットおよび遊技用物品を排出する排出ユニットを有する遊技用物品供給装置と、遊技用物品から識別情報を読み取ると共に、遊技用物品に対応する遊技画像を用いた画像遊技を行える遊技機とを備え、遊技機は、遊技用物品供給装置に対して遊技用物品の排出指示を送信する送信手段を有し、遊技用物品供給装置は、遊技機から排出指示を受信する受信手段と、受信手段が排出指示を受信したときに、排出ユニットに遊技用物品を排出させる排出制御手段とを有することを特徴とする。
【0008】
このゲームシステムにおいては、遊技機の送信手段は、遊技用物品供給装置に対して遊技用物品の排出指示を送信する。この排出指示を遊技用物品供給装置の受信手段が受信すると、遊技用物品供給装置の排出制御手段が、排出ユニットに遊技用物品を排出させる。従って、例えば、遊技機が遊技者から所定の指示を受け付けた場合や、遊技進行上の所定条件が成立した場合などに、送信手段から排出指示を遊技用物品供給装置に対して送信することで、遊技用物品供給装置から遊技用物品を排出することができ、遊技用物品の多様な供給態様を実現することができる。
【0009】
また、遊技機は、遊技者からの遊技用物品の供給指示を受け付ける受付手段をさらに有し、遊技機の送信手段は、受付手段が供給指示を受け付けたことに基づいて、排出指示を遊技用物品供給装置に対して送信することが好ましい。こうすると、遊技機において供給指示が行われると、排出指示が遊技用物品供給装置に送信されて遊技用物品が供給されるようになる。
【0010】
また、遊技機は、画像遊技の進行を制御する遊技進行制御手段をさらに備え、遊技進行制御手段は、遊技進行上の所定条件が成立したことに基づいて、遊技用物品の供給指示を示す指示情報を送信手段に入力し、送信手段は、遊技進行制御手段から指示情報が入力されたことに基づいて、排出指示を遊技用物品供給装置に対して送信することが好ましい。こうすると、遊技者が画像遊技を行い、遊技進行上の所定条件が成立すると、その特典として、遊技者に遊技用物品が供給されるようになる。
【0011】
そして、遊技機は、画像遊技の進行を制御する遊技進行制御手段を更に有し、その遊技進行制御手段は、遊技用物品を排出させる排出条件が遊技進行中に成立したことに基づいて、遊技用物品の所属グループを示すグループコードを含み、遊技用物品の供給指示を示す指示情報を前記送信手段に入力し、送信手段は、遊技進行制御手段から指示情報が入力されたことに基づいて、排出指示を遊技用物品供給装置に対して送信し、遊技用物品供給装置は、受信手段によって受信された排出指示に含まれているグループコードに基づいて排出ユニットに排出させる遊技用物品を格納した格納部を特定する特定手段を更に有するゲームシステムとすることもできる。
【0012】
このゲームシステムでは、遊技機からグループコードを含む排出指示が遊技用物品供給装置に送信されると、排出指示に含まれるグループコードに基づいて格納部が特定される。
【0013】
また、上記ゲームシステムの場合、遊技進行制御手段は、所定条件または排出条件よりも成立し難く、かつ希少性の高い遊技用物品を排出させる特定排出条件が遊技進行中に成立したときは、前記希少性の高い遊技用物品の所属グループを示すグループコードを含む指示情報を送信手段に入力するようにすることもできる。
【0014】
こうすると、遊技進行中に特定排出条件が成立すると、希少性の高い遊技用物品が排出されるようになる。
【0015】
さらに、上記各ゲームシステムの場合、遊技機が無線によるデータの送受信を実行する無線通信手段を更に有し、遊技用物品供給装置は、無線通信手段を備えた遊技機から送信された排出指示を受信手段が受信したときに排出ユニットに遊技用物品を排出させるための排出許可データを生成する排出許可データ生成手段と、その排出許可データ生成手段により生成された排出許可データを無線通信手段を備えた遊技機に送信させる送信制御手段とを更に有し、排出制御手段は、無線通信手段を備えた遊技機から排出許可データ生成手段により生成された排出許可データを受信したときに排出ユニットに遊技用物品を排出させることもできる。
【0016】
このようにした場合、無線通信手段を有する遊技機から排出指示が送信されると、遊技用物品供給装置が排出許可データを生成して無線通信手段を有する遊技機に送信し、遊技用物品供給装置は無線通信手段を有する遊技機から排出許可データを受信したときに遊技用物品を排出するようになる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、遊技者に対して遊技用物品を多様な供給態様で供給することができるゲームシステムが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して本発明に係るゲームシステムを実施するにあたり最良と思われる形態について詳細に説明する。なお、同一又は同等の要素については同一の符号を付し、説明が重複する場合にはその説明を省略する。
【0019】
第1の実施の形態
(ネットワークシステムの全体構成)
図1は、本発明に係るゲームマシン1を複数備えたネットワークシステム100のシステム構成図、図2は複数のゲームマシン1とカード販売機6Aとフィギア供給装置(遊技用物品供給装置)6Bを示す斜視図である。ネットワークシステム100は、2つの遊技店舗A,Bにそれぞれ1台および2台設置された合計3台の店舗サーバ2と、専用回線3を介して通信可能に接続された複数(本実施の形態では8台)のゲームマシン1、カード販売機6Aおよびフィギア供給装置6Bと、遊技店舗A,Bに設置された店舗内ルータ7と、店舗内ルータ7、通信回線4aおよびインターネット4を介して接続されたセンターサーバ群5とを有している。
【0020】
各遊技店舗A,Bでは、店舗サーバ2と、ゲームマシン1、カード販売機6Aおよびフィギア供給装置6Bが専用回線3により接続されて店舗内LAN(Local Area Network)が形成されており、この店舗内LANが店舗内ルータ7を介してインターネット4に接続されている。なお、図2に示すように、これら通信可能に接続されたゲームマシン1と、フィギア供給装置6Bとによって本発明に係るゲームシステム8が構成されている。
【0021】
(ゲームマシンの構成)
ゲームマシン1は、本発明の実施形態に係る遊技機であって、遊技に用いられる遊技画像として、遊技者の操作に応じて行動するキャラクタ(詳しくは後述する)を示すキャラクタ画像を表示する画像表示手段を有し、遊技者の操作に応じた動作をキャラクタに行わせる画像遊技を行えるように構成されている。本実施の形態におけるゲームマシン1では、遊技者の選択したルートに沿ってキャラクタが迷宮内を移動しながら、自分以外の別キャラクタ(他の遊技者の選択にしたがい動作を行うプレイヤーキャラクタや、ゲームマシンが動作を行わせるノンプレイヤーキャラクタ)と対戦して、キャラクタが持つアイテム(本実施の形態では宝珠)を奪い合い、そのアイテムをすべて集めた上で最終目標のキャラクタを倒すゲーム(以下、「迷宮対戦ゲーム」という)を行えるようになっている。この迷宮対戦ゲームでは、対戦結果やゲームの進行状況に合わせて各キャラクタの持点(本実施の形態では「ライフ」という)が昇降し、その持点が無くなったキャラクタが敗者となるようになっている。
【0022】
ゲームマシン1は、図3に示すように、筐体10の正面に、液晶表示装置を備えたメインディスプレイ11を有している。また、メインディスプレイ11の上側部分に同じく液晶表示装置を備えたサブディスプレイ12を有し、その左右両側に遊技の演出に用いられる音声を出力するスピーカ13L,13Rが配置されている。
【0023】
メインディスプレイ11は、遊技の各段階に応じた遊技画像(例えば、後述する迷宮画像160など)が表示されるようになっている。サブディスプレイ12は、遊技の特定の段階における画像(例えば、後述する対戦画像180)が表示されるようになっている。
【0024】
また、ゲームマシン1はメインディスプレイ11の下側に操作パネル14を有し、この操作パネル14の左側に認証ユニット15が配置され、右側にゲームを実行するときなどに必要なコイン(硬貨、遊技用メダルなどの遊技媒体)を投入するコイン投入口16と、IDカード17を挿入するためのカードスロット18とを有し、操作ボタンなどを備えた操作ユニット19を有している。
【0025】
認証ユニット15は、操作パネル14の表面に固定された台座装着部15aと、読取部15bとを有している。この台座装着部15aは、後述するフィギア40(図7参照)における台座部41の形状に対応した厚肉円板状の窪みを内側に有し、その窪みに台座部41を嵌め込み装着することができるようになっている。読取部15bは台座装着部15aの窪みに配置されていて、図示しないICチップリーダを有し、そのICチップリーダにより、装着されたフィギア40の台座部41に内蔵されているICチップ44から、記録されている情報を読み取るようになっている。なお、認証ユニット15はLEDを有し、後述するフィギア40の読み取り動作中にそのフィギアに光を照射するようになっている。
【0026】
ネットワークシステム100を構成している各ゲームマシン1には、自機固有のマシンIDが付与されている。このマシンIDは、各店舗サーバ2に固有のサーバIDと、各ゲームマシン1に固有のIDとを有し、例えば、店舗Aに設置されている各ゲームマシン1の場合、A01,A02,A03・・・のようになっている。
【0027】
図4は内部の構成を中心に示すゲームマシン1のブロック図である。ゲームマシン1は、マイクロコンピュータ31を中心に複数の構成要素を有している。
【0028】
マイクロコンピュータ31は、メインCPU(Central Processing Unit)32と、RAM(Random Access Memory)33と、ROM(Read Only Memory)34とを有している。メインCPU32は、ROM34に記憶されているプログラムにしたがって作動し、I/Oポート39を介して、操作パネル14に設けられた各構成要素から信号を入力する一方、他の構成要素との信号の入出力を行い、ゲームマシン1全体の動作制御を行う。RAM33はメインCPU32が作動する際に用いるデータやプログラム(本実施の形態では、後述するアプリケーションデータやゲームデータ)が記憶される。ROM34には、メインCPU32が実行する制御プログラムと、恒久的なデータが記憶されている。
【0029】
また、ゲームマシン1は、乱数発生器35と、サンプリング回路36と、クロックパルス発生回路37と、分周器38とを有している。乱数発生器35は、メインCPU32の指示にしたがい作動して、一定範囲の乱数を発生させる。サンプリング回路36は、メインCPU32の指示にしたがい、乱数発生器35が発生させた乱数の中から任意の乱数を抽出し、その抽出した乱数をメインCPU32に入力する。クロックパルス発生回路37は、メインCPU32を作動させるための基準クロックを発生させ、分周器38はその基準クロックを一定周期で分周した信号をメインCPU32に入力する。
【0030】
さらに、ゲームマシン1は、タッチパネル11aと、コインセンサ16aと、カードリーダ18aと、通信制御部21および通信処理部(送信手段)22とを有し、さらに、画像制御回路71と、音制御回路72を有している。
【0031】
タッチパネル11aは、メインディスプレイ11の表示画面を覆うように設けられていて、遊技者の指が触れた箇所の位置を検出し、その検出した位置に対応した位置信号をメインCPU32に入力する。遊技者はこのタッチパネル11aを用いてキャラクタの動作を決めるための操作入力を行う。例えば、タッチパネル11aは、長方形の透明板表面に導電物質を塗布しており、その透明板の四角に配置された電極から電圧をかけ、遊技者の指が触れることによる微弱な電流変化を電極で検知して、遊技者の指が触れた箇所の位置を検出する。
【0032】
コインセンサ16aは、コイン投入口16から投入されたコインを検出し、その検出に対応する検出信号をメインCPU32に出力する。カードリーダ18aは、カードスロット18に挿入されたIDカード17に記録されている遊技者ID等のカード情報を読み取り、その読み取ったカード情報をメインCPU32に入力する。
【0033】
通信制御部21は、メインCPU32の指示にしたがい作動して、店舗サーバ2と通信を行うための回線の接続および切断を制御する。通信処理部22は通信制御部21の指示にしたがい作動して、専用回線3を介して行われるデータの送受信を実行する。
【0034】
画像制御回路71は、メインディスプレイ11、サブディスプレイ12のそれぞれにおける画像表示を制御して、キャラクタを示す画像等の各種の画像をメインディスプレイ11、サブディスプレイ12に表示させる。
【0035】
この画像制御回路71は、図5に示すように、画像制御CPU71a、ワークRAM71b、プログラムROM71c、画像ROM71d、ビデオRAM71eおよびVDP(Video Display Processor)71fを有している。画像制御CPU71aは、マイクロコンピュータ31で設定されたパラメータに基づき、プログラムROM71cに予め記憶されている(メインディスプレイ11、サブディスプレイ12での表示に関する)画像制御プログラムに従い、メインディスプレイ11、サブディスプレイ12に表示される画像を決定する。ワークRAM71bは、画像制御CPU71aが画像制御プログラムを実行するときの一時記憶手段として構成されている。
【0036】
プログラムROM71cは、画像制御プログラムや各種選択テーブルなどを記憶している。画像ROM71dは、画像を形成するためのドットデータを記憶している。ビデオRAM71eは、VDP71fにより画像を形成するときの一時記憶手段として構成されている。VDP71fは制御RAM71gを有し、画像制御CPU71aで決定されたメインディスプレイ11、サブディスプレイ12の表示内容に応じた画像を形成し、その形成された各画像をメインディスプレイ11、サブディスプレイ12に出力する。
【0037】
音制御回路72はスピーカ13L、13Rから音声を出力するための音声信号をスピーカ13L、13Rに入力する。スピーカ13L、13Rからは、例えば、ゲーム開始後、適当な時期にゲームを盛り上げるための音声が出力される。
【0038】
(店舗サーバ、カード販売機、店舗内ルータの構成)
店舗サーバ2は図6に示すように、CPU201、ROM202、RAM203、通信処理部(通信手段)204、通信制御部205およびアプリケーションデータを記憶しているデータ記憶部206を有している。そして、CPU201がROM202に記憶されているプログラムにしたがいRAM203にデータを読み書きしながら作動し、一方、通信制御部205がCPU201の指示にしたがい通信処理部204を作動させる。そして、店舗サーバ2は、各遊技店舗A,Bに設置されている各ゲームマシン1、カード販売機6Aおよびフィギア供給装置6Bと専用回線3を介してデータの送受信を行い、各ゲームマシン1へのアプリケーションデータの送信(ダウンロード)や、各ゲームマシン1同士およびセンターサーバ群5とにおけるデータ送受信の中継を行う。アプリケーションデータは、ゲームマシン1で行われる迷宮対戦ゲームの実行に用いられる各種データ(ゲーム用の画像データ)と、ボード用データ(操作ユニット19に備えられている操作ボタンを迷宮対戦ゲームに対応させる設定用のプログラム)が含まれている。
【0039】
カード販売機6Aは、遊技者が個人情報の入力操作を行う操作部と、カード発行手段とを有し、その操作部を用いた所定の入力操作によって、カード発行手段が各遊技者固有の遊技者IDを含むカード情報を記憶させてIDカード17を発行する。
【0040】
店舗内ルータ7は各遊技店舗A,Bに形成されている店舗内LANと、通信回線4aおよびインターネット4を介してセンターサーバ群5に形成されているLANとを接続している。
【0041】
(フィギアの構成)
ここで、フィギア供給装置6Bの説明に先立ち、フィギア供給装置6Bが供給するフィギア40について、図7を参照しつつ説明する。ここで図7は、フィギア40の構成を示す分解斜視図である。フィギア40は、台座部41と、迷宮対戦ゲームに登場する各キャラクタの立体形状を表したフィギア本体部42とを有している。
【0042】
台座部41は台座装着部15aの窪みに対応した大きさを有し、中空の厚肉円板状に形成されている。この台座部41は、天頂部43aを有する有底円筒状の台座本体部43とICチップ44とを有し、台座本体部43の開放端部にICチップ44が嵌め込み固定された構成を有している。また、台座本体部43の天頂部43aの略中央に突起部43bを有している。ICチップ44は、フィギア本体部42に対応するキャラクタに固有のフィギアIDを記憶している。フィギアIDは各フィギアを識別可能なように、フィギア40に対してユニーク(固有)であって、各フィギアの所属グループとしてのフィギアグループA〜Hを示すグループコードが含まれている。例えば、フィギアグループAに属するフィギアのフィギアIDは、“A001”、“A002”、“A003”・・・・のようになっていて、先頭の1桁のコードがフィギアグループを示し、下3桁がフィギアを特定するためのコードとなっている。
【0043】
フィギア本体部42は、突起部43bに対応する凹部46aを有する脚座部46と、脚座部46から2本足で直立するように形成され、迷宮対戦ゲームに登場する各キャラクタをかたどった人形部47とを有し、凹部46aに突起部43bが嵌め込まれ、台座部41の天頂部43aに固定されている。また、フィギア40は、同じキャラクタでも微妙に色を変え、又は各キャラクタを特徴付けるキャラクタ固有のデータを変える等してキャラクタの固有性を表現し、遊技者の収集意欲を促進するようにしている。このフィギア40は後述するカプセル57に入れてフィギア供給装置6Bの後述する格納ユニット53に納められるようになっている(図9参照)。この格納ユニット53に納められているカプセル57入りのフィギア40は格納済遊技用物品となる。フィギア40はフィギア本体部42の形状によって、遊技者が区別可能であり、フィギアIDによって、ゲームマシン1が区別可能になっている。このフィギアIDは、異なるフィギア40に対してユニーク(固有)とし、ネットワークシステム100における同一フィギアの多重登録を禁止するようにしている。
【0044】
カプセル57は、2つに分割可能かつ一体化して球状体にすることが可能な2つの半球殻状部を有し、この2つの半球殻状部を一体化すると、直径約7cmの中空球状体が得られ、中にフィギア40が納められるようになっている。
【0045】
(フィギア供給装置の構成)
続いて、フィギア供給装置6Bについて、図8〜10を参照しつつ説明する。図8は、フィギア供給装置6Bの全体構成を示す斜視図である。図9はフィギア供給装置6Bの一部を破断して示す斜視図であり、図10はフィギア供給装置6Bの要部を模式的に示す側面図である。このフィギア供給装置6Bは、フィギア40の入ったカプセル57を排出して、そのカプセル57に入ったフィギア40を遊技者に供給できるような構成を有している。
【0046】
フィギア供給装置6Bは、筐体52と、上述したフィギア40の入ったカプセル57を適量数格納した複数の格納部60(本実施の形態では8つ)を備えた格納ユニット53と、カプセル57を各格納部60から排出する排出ユニット54とを備えている。なお、格納部60に格納されたカプセル57の中にはそれぞれフィギア40が1ずつ収められている。各フィギア40は、上述のとおり遊技者の操作に応じた動作をキャラクタに行わせるような画像遊技を行えるゲームマシン1で用いられるものである。
【0047】
筐体52は、フィギア供給装置6Bの正面下側部分を構成する正面パネル52aと、側面パネル52b,52cと、背面パネル52dと、天面パネル52e及び下面パネル52fを有している。また、筐体52は、正面パネル52aの上側部分と、側面パネル52b,52cおよび天面パネル52eとの間に後述する透明パネル61が取付けられていて、概ね直方体形状を呈している。そして、筐体52は上下方向略中央に配置されるようにして、正面パネル52aと透明パネル61との間の部分に、手前側に張出す操作パネル55を有している。また、正面パネル52aにカプセル取出口56が形成されている。さらに、筐体52は、後述する背面板63と、背面パネル52dとの間に排出路66が確保されている。
【0048】
カプセル取出口56は、図10に示すように、手前側に引き上げて開閉可能な開閉扉56aと、格納部60から排出されたカプセル57を受ける受部56bとを有している。このカプセル取出口56は、遊技者が開閉扉56aを筐体52の外側から手前側に引き上げることにより、受部56bに収められたカプセル57を取り出せるようになっている。
【0049】
操作パネル55は、ディスプレイ59を備えており、このディスプレイ59は液晶表示装置を備えている。このディスプレイ59には、フィギア供給装置6Bの動作状況を示す情報等が表示される。
【0050】
格納ユニット53は図9および図10に示すように、仕切板62により、大きく上下2段に分かれ、かつ4つに区分けされた合計8つの格納部60が各段それぞれ4つずつ左右に並べられている。各格納部60はいずれもカプセル57を複数格納し得る大きさに区分けされている。また、各格納部60の前面側部分がアクリル、ガラス等の透明素材からなり、図示しないヒンジにより開閉可能な透明パネル61によって覆われており、中に納められているカプセル57が正面側から視認可能となっている。なお、仕切板62は背面パネル52d寄りの部分が背面側に向かって下る下り傾斜のスロープ62aになっている。
【0051】
各格納部60は、透明パネル61を開放して、フィギア供給装置6Bの表側からカプセル57の補充や入れ替え等の操作を行える。また、各格納部60には、各フィギア40が8つにグループ分けされたうちの1つのグループに属するフィギアが納められるようになっている(本実施の形態では、フィギア40はゲームマシン1に登場する8種類のキャラクタを表していて、各グループ(フィギアグループ)に属するフィギア40は、キャラクタは同じであるが、身に付けているコスチュームや武器などが相違している)。すなわち、同じグループに属するフィギア40は同じ格納部60に納められ、フィギアグループの異なるフィギア40は別の格納部60に納められている。そして、納められているフィギア40のフィギアグループを示すマークや名称が仕切板62や背面板63に示されており、遊技場の係員等がそのマークや名称を参照して、該当するフィギア40の補充や入替え等ができるようになっている。なお、本実施の形態では、各フィギアは、8つのフィギアグループA〜Hのいずれかに属するものとしている。特に、フィギアグループHには、後述する特定排出条件が成立したときにしか供給されないいわゆるレアフィギアと呼ばれる希少性の高いフィギアが属している(フィギアグループHはレアフィギアの所属グループを示している)。
【0052】
そして、格納ユニット53は各格納部60の背面側にほぼ垂直に起立した背面板63を有し、この背面板63によってカプセル57の背面方向への移動を規制している。背面板63は、各格納部60に対応した8つの吐出口64を有している。各吐出口64は、後述する遮断板65によって通常は閉鎖され、カプセル57を排出するときに遮断板65が動いて開放され、排出路66に接続されるようになっている。排出路66は、背面板63と背面パネル52dとの間の筐体52内における背面板63よりも背面側に確保されている収集路66aと、収集路66aからカプセル取出口56までをつなぐ共通路66bとを有している。
【0053】
排出ユニット54は、各格納部60に対応して設けられている8つの遮断板65(651〜658)と、各遮断板65を駆動させる駆動装置70(図11参照)とを有している。各遮断板65は、各吐出口64を閉鎖可能な大きさを有し、駆動装置70により、それぞれが図示しないガイドレールに沿って個別にスライドして、開閉するようになっている。
【0054】
ここで、図11は内部の構成を中心に示すフィギア供給装置6Bのブロック図である。フィギア供給装置6Bは、マイクロコンピュータ120を中心に複数の構成要素を有している。
【0055】
マイクロコンピュータ120は、メインCPU121と、RAM122と、ROM123とを有している。メインCPU121は、ROM123に記憶されているプログラムに従い作動して、I/Oポート124を介して、フィギア供給装置6Bの各構成要素の制御を行う。RAM122には、メインCPU121が作動する際に用いるデータやプログラムが記憶されている。ROM123には、メインCPU121が実行する制御プログラムと、恒久的なデータが記憶されている。
【0056】
また、フィギア供給装置6Bは、乱数発生器125と、サンプリング回路126と、クロックパルス発生回路127と、分周器128とを有している。乱数発生器125は、メインCPU121の指示に従い作動して、一定範囲の乱数を発生させる。サンプリング回路126は、メインCPU121の指示に従い、乱数発生器125が発生させた乱数の中から任意の乱数を抽出し、その抽出した乱数をメインCPU121に入力する。クロックパルス発生回路127はメインCPU121を作動させるための基準クロックを発生させ、分周器128はその基準クロックを一定周期で分周した信号をメインCPU121に入力する。
【0057】
さらに、フィギア供給装置6Bは、駆動装置70を有している。この駆動装置70は、各遮断板65(651〜658)をガイドレールに沿ってスライドさせるための動力を生成するモータM1〜M8と、モータM1〜M8の動力を各遮断板65に伝達する駆動機構(図示せず)とを有し、さらに駆動制御回路70aを有している。モータM1〜M8は、それぞれ駆動制御回路70aから出力される駆動信号により作動して駆動機構に動力を入力する。駆動機構はモータM1〜M8から入力される動力を各遮断板651〜658に伝達し、各遮断板651〜658をガイドレールに沿ってスライドさせる。駆動制御回路70aは、メインCPU121から出力された制御信号にしたがい、対応するモータM1〜M8に駆動信号を出力する。
【0058】
また、フィギア供給装置6Bは、メインCPU121の指示にしたがって作動し、店舗サーバ2と通信を行うための回線の接続および切断を制御する通信制御部129および通信制御部129の指示にしたがい作動して、専用回線3を介して行われるデータの送受信を実行する通信処理部130とを有している。
【0059】
(センターサーバ群の構成)
センターサーバ群5は、ゲームごとに対応して設置された複数のゲームサーバ(図1では、2台のゲームサーバ101、102)と、データベースサーバ103とを有し、各ゲームサーバが専用回線104を介して接続されてLANを形成し、そのLANが図示しないルータを介してインターネット4に接続されている。
【0060】
ゲームサーバ101は、迷宮対戦ゲームを実行するために設置されていて、図12に示すように、CPU301、ROM302、RAM303、通信処理部304、通信制御部305およびデータ記憶部306を有している。そして、ゲームサーバ101では、CPU301がROM302に記憶されているプログラムにしたがいRAM303にデータを読み書きしながら作動し、一方、通信制御部305がCPU301の指示にしたがい通信処理部304を作動させる。
【0061】
ゲームサーバ101は、各店舗サーバ2とインターネット4を介してデータの送受信を行う。そして、各ゲームマシン1から送信される後述するエントリーデータを受信して遊技者の迷宮対戦ゲームへの参加(エントリー)受付および遊技者の参加情報の更新を行い、対戦相手となる遊技者を決定し、その結果をデータベースサーバ103に送信する。
【0062】
ゲームサーバ102は別のゲームを実行するために設置されたもので、ゲームサーバ101と比較して記憶しているデータやプログラムが異なるが、同じ構成を有している。
【0063】
データベースサーバ103は、CPU401、ROM402、RAM403、通信処理部404、通信制御部405およびデータ記憶部406を有している。そして、データベースサーバ103では、CPU401がROM402に記憶されているプログラムにしたがいRAM403にデータを読み書きしながら作動し、一方、通信制御部405がCPU401の指示にしたがい通信処理部404を作動させ、各店舗サーバ2とインターネット4を介してデータの送受信を行う。データ記憶部406には遊技者ID、遊技者の認証に用いられるパスワード、ゲームの種別およびゲームデータが記憶されている。遊技者IDは、ゲームマシン1により、IDカード17から読み取って送信されたものである。
【0064】
また、後述するとおり、データベースサーバ103には、各遊技者がゲームマシン1において、自己の使用するフィギア40を認証ユニット15にセットし、フィギアIDを読み取らせたことによって、その読み取らせたフィギア40に対応するフィギアIDがゲームマシン1から送信されるようになっている。データベースサーバ103は、ゲームマシン1から送信される1つの遊技者IDに対して、対応する複数のフィギアIDを関連付けて記憶可能なID管理ファイルがデータ記憶部406に形成されている。このID管理ファイルによって、遊技者およびその遊技者が使用するフィギアを管理するようにしている。このID管理ファイルは後述する遊技者の認証およびフィギアの認証で用いられる。
【0065】
ゲームデータは、迷宮対戦ゲームに登場する複数のキャラクタについて、各キャラクタを特徴づけるキャラクタ固有のデータ(各キャラクタのコスチューム、コスチュームカラーや、防御パラメータ、攻撃パラメータおよび攻撃範囲を含むキャラクタ能力値、特殊能力などを示す情報、以下「フィギア情報」という)と、各遊技者による迷宮対戦ゲームの履歴を示すデータが含まれている。このゲームデータは、データベースサーバ103からゲームマシン1に送信され、迷宮対戦ゲームで用いられる。
【0066】
(ゲームマシンの動作内容)
次に、以上の構成を有するゲームマシン1の動作内容について、図13〜図19に示すフローチャートを参照して説明する。なお、以下の説明では、遊技店舗Aに設置されている8台のゲームマシン1のうちの4台のゲームマシン1を、それぞれの遊技者が操作して同じ迷宮対戦ゲームを行う場合を例にとって説明する。
【0067】
図13は各ゲームマシン1におけるゲームの開始から終了までのゲーム処理の動作手順を示すフローチャートである。なお、図13および後述する図14〜図22ではステップをSと略記している。以下の説明では、4人の遊技者が操作するうちの1台のゲームマシン1を例にとって説明している。
【0068】
ゲームマシン1は電源投入時に店舗サーバ2に対してアプリケーションデータのダウンロード要求を送信し(後述するステップ100)、一方、店舗サーバ2がダウンロード要求を受信すると、ダウンロード要求を送信してきたゲームマシン1にアプリケーションデータを送信する(図20参照)。
【0069】
ゲームマシン1は、アプリケーションデータを受信すると、そのアプリケーションデータをRAM33に記憶させる。そして、ゲームマシン1では、メインCPU32がアプリケーションデータを読み込むと、本発明における遊技進行制御手段として作動して、遊技者の操作入力に応じて迷宮対戦ゲームを進行させる。各ゲームマシン1は店舗サーバ2およびセンターサーバ群5を介して互いに同期をとりながら、メインディスプレイ11に遊技画像を表示するようになっている。
【0070】
このとき、各ゲームマシン1は、ゲーム処理を開始すると、ステップ1に進んでコイン投入、IDカードの挿入、キャラクタ生成処理を含む後述のゲーム開始処理を行う。ステップ2では、ゲーム開始処理の結果から、後述するフィギア有りフラグに所定のデータがセットされている(セット有り)か否かを判定し、その判定結果に応じてステップ3、4に処理を分岐させて(フィギア有りフラグのセット有りのときはステップ3、そうでないときはステップ4)、いずれかの処理を行いステップ3に続くステップ5でフィギア有りフラグをクリアした上でステップ6に進み、対戦成績などのゲーム結果(対戦結果)の表示を行うとともに、後述する特定排出条件の成否判定を行う一方、データベースサーバ103において、ゲームデータを更新させるため、対戦結果を示すデータを店舗サーバ2を経由してデータベースサーバ103に送信する後処理を行い、処理を終了する。
【0071】
このように、ゲームマシン1では、フィギア有りモードと、フィギア無しモードのいずれかのモードで迷宮対戦ゲームを行えるようになっている。ただし、フィギア有りモードでは、フィギア無しモードよりもゲーム内容が遊技者にとって有益になるようになっている(詳しくは後述する)。
【0072】
(フィギア有りゲーム処理)
ゲームマシン1は図14、図15に示すフローチャートに沿って、それぞれフィギア有りゲーム処理、フィギア無しゲーム処理を行う。図14、図15はそれぞれフィギア有りモードにおけるゲーム処理(フィギア有りゲーム処理)、フィギア無しモードにおけるゲーム処理(フィギア無しゲーム処理)の動作手順を示すフローチャートである。
【0073】
ゲームマシン1はフィギア有りゲーム処理を開始すると、図14に示すステップ11に進み、店舗サーバ2からゲームデータを受信するまで待機して、そのゲームデータを受信すると、一旦RAM33に記憶させてから、ステップ11に進み、メインCPU32が遊技者の使用するフィギア40のフィギアIDに対応するフィギア情報を抽出する。こうして、抽出されたフィギア情報を用いてフィギア有りモードにおけるゲーム処理が行われるようにしている。続いて、ステップ12に進み、コスチューム、ダンジョン等の選択処理を行う。
【0074】
ここでは、メインCPU32がメインディスプレイ11において、以下の項目についての選択範囲をフィギア無しゲーム処理よりも広く設定している。この場合、メインディスプレイ11には図示しない選択画面が表示され、以下の項目を遊技者が選択できるようになっている。すなわち、新たにセッティングして認証された(または既に認証済みの)フィギア40に対応するキャラクタの属性(本実施の形態ではキャラクタが身に着けるコスチューム)と、迷宮対戦ゲームで用いるダンジョンを遊技者が選択できるようになっている。
【0075】
遊技者がメインディスプレイ11に指を触れて所望のコスチュームおよびダンジョンを選択すると、タッチパネル11aからその選択を示す情報がメインCPU32に入力される。ステップ12は、フィギア有りモードにおける処理なので、コスチュームは複数種類(例えば3種類)から選択でき、ダンジョンは通常形状および特殊形状の2通りから選択できる。これに対し、フィギア無しゲーム処理では、ステップ12に相当する処理がなく、前者はキャラクタごとに定められたデフォルトコスチュームのみの設定、後者は通常形状だけの設定になっている。
【0076】
続いてステップ13に進んで権利者決定処理を行う。ここでは、迷宮対戦ゲームに参加する遊技者(本実施の形態では4人の遊技者)のいずれかを後述する迷宮のずらしを行える遊技者(ずらし権利者)に決める。各遊技者は順番にずらし権利者に決定される。
【0077】
後続のステップ14ではずらしフェイズ処理を行う。ずらしフェイズ処理は図16に示すフローチャートに沿って行われる。ずらしフェイズ処理を開始すると、メインCPU32はステップ31に進み、画像制御回路71に指示してメインディスプレイ11に図24に示すような迷宮画像150を表示させる。この迷宮画像150は、4人の遊技者のずらし権利の有無や、攻撃の優先順位などを表示する遊技者表示部(Player1,2,3,4)150aと、複数の壁部により構成される迷路の画像を表示する迷路表示部150bとを有し、その迷路内に複数のキャラクタ51の画像が表示されている。また、入力促進画像として、設定時間と後述する第1の経過時間とを用いた残り時間の表示を含み、遊技者に操作入力を促すためのタイマー表示部150cを有し、さらにライフ表示部150dと、壁部の移動方法の説明を示す説明表示部150eとを有している。タイマー表示部150cは、メインCPU32がメインディスプレイ11に表示させており、第1の経過時間の時間が増えるにしたがい、表示される数値が減るようになっている。
【0078】
次に、ステップ32に進み、メインCPU32が第1の経過時間の計測を開始する。第1の経過時間は、遊技者が画面上で位置をずらす対象となる壁部(ずらし壁部)を決定したことを示す操作入力(進行操作入力または決定操作入力)をおこなえるようになった時刻(入力開始時刻)から、遊技者が所望の矢印aにタッチして、進行操作入力または決定操作入力を行うまでの時間経過を示している。続くステップ33では、メインCPU32がずらし壁部の決定が行われたか否かを判定し、ずらし壁部の決定が行われるとステップ36、行われなければステップ37に進む。ステップ36では、メインCPU32が決定された壁部をずらし壁部に設定して、キャラクタの動作(壁をずらす)を決める。
【0079】
一方、ステップ33からステップ37に進むと、第1の経過時間が、ずらし決定の制限時間(本実施の形態では15秒)以内であるか否かを判定し、第1の経過時間がずらし決定の制限時間以内であればステップ33に戻り、そうでなければステップ38に進んで、サンプリング回路36から抽出した乱数を用いるなどして、いずれかの壁部をランダムにずらし壁部に設定する。そして、ステップ39に進んでずらした後の迷宮画像を表示すると、ずらしフェイズ処理が終了する。
【0080】
続いて、ステップ15に進んで移動フェイズ処理が行われる。移動フェイズ処理は図17に示すフローチャートに沿って行われる。なお、この移動フェイズ処理は、同じ迷宮対戦ゲームを行う全てのゲームマシン1で同時に実行される処理である。
【0081】
移動フェイズ処理を開始すると、メインCPU32はステップ41に進み、画像制御回路71に指示して、メインディスプレイ11に図25に示すような移動フェイズの迷宮画像160を表示させる。
【0082】
次に、ステップ42に進み、メインCPU32が第2の経過時間の計測を開始する。第2の経過時間は、遊技者が自己のキャラクタの移動先を指定するための操作入力(移動先の指定)を行えるようになった時刻から、遊技者が移動先を指定した上で、移動先指定表示部160eにタッチし、遊技を進行させるための操作入力(進行操作入力または決定操作入力)を行うまでの時間経過を示している。続くステップ43では、メインCPU32が移動先の指定が行われたか否かを判定し、移動先の指定が行われるとステップ44、行われなければステップ48に進む。ステップ44に進むと、移動先までの床面の表示色を変更した画像(図示せず)を表示して移動先を明らかにしてステップ45に進む。そして、遊技者が移動先指定表示部160eの決定ボタンにタッチ(移動先の決定を行う)したか否かを判定し、タッチしたらステップ49に進み、タッチしていなければステップ48に進む。
【0083】
ステップ48に進むと、第2の経過時間が移動先決定の制限時間(本実施の形態では30秒)以内であるか否かを判定し、第2の経過時間が移動先決定の制限時間以内であればステップ43に戻り、そうでなければ後述する店舗サーバ2からの指示を待って移動フェイズ処理が終了する(この場合、キャラクタは移動せずに元の居場所に待機している)。また、ステップ49では、それまでのステップでの決定にしたがいキャラクタの動作(迷路内の移動)を決め、キャラクタを移動させた画像を表示させる。すると、移動フェイズ処理が終了する。なお、フィギア有りモードにおける移動フェイズ処理では、フィギア無しモードでは得られない報酬として、特殊カード(ランダムな移動ができるテレポートカードや、壁抜けができる壁抜けカードなど)を使用できるようになっている。
【0084】
ここで、図14に戻り、移動フェイズ処理に続くステップ16に進むと、メインCPU32が戦闘発生か否かを判定する。ここで、戦闘発生の場合(迷宮上における攻撃可能範囲内に複数のキャラクタが存在する場合)はステップ17に進むが、戦闘発生でなければステップ20に進む。
【0085】
ステップ17では戦闘選択フェイズ処理を行う。ここでは、メインCPU32が画像制御回路71に指示して、メインディスプレイ11に図26に示すような戦闘選択画像170を表示させる。この戦闘選択画像170を参照しながら、各遊技者(本実施の形態では4人)が攻撃相手の選択を行い、キャラクタの技を示す技カードの使用有無および使用する技カードの選択を行う。なお、各キャラクタによる攻撃の順番はずらし権利者を基準としている。
【0086】
続くステップ18では対戦処理を行う。すなわち、各キャラクタはフィギア情報によって、それぞれの攻撃力および防御力が特定され、攻撃範囲も設定されるので、対戦するキャラクタにおける攻撃パラメータと防御パラメータとを比較して、各キャラクタの勝敗を決める。この場合、サブディスプレイ12には、図27に示すように、キャラクタ181a,181bが対戦する様子を示した対戦画像180が表示される。
【0087】
そして、ステップ19では戦闘終了および持点計算処理を行う。ここでは、ステップ18の対戦処理の結果(対戦相手になったキャラクタの種別および勝敗結果)に応じて、ライフの加算または減算を行い、キャラクタに対する称号、宝珠の付与または剥奪を行う(フィギア有りモードでは、キャラクタの行動に応じて、「覇者」、「主」、「達人」など様々な称号が付与される)。続くステップ20では、終了条件の成否を判定し、終了条件が成立している場合(持点が0以下)はフィギア有りゲーム処理を終了し、そうでなければ(持点>0)ステップ13に戻って上記の処理を繰り返す。持点が0以下になった遊技者については迷宮対戦ゲームが終了し、代わりにメインCPU32が別のキャラクタとして参戦する。なお、図示はしないが、ライフがなくなった遊技者は回復カードの使用またはコイン投入によって、ライフが一定量回復する。
【0088】
(フィギア無しゲーム処理)
図15に示すフィギア無しゲーム処理では、図14に示すフィギア有りゲーム処理とほぼ同様のフローチャートに沿って処理が行われる。フィギア無しゲーム処理はフィギア有りゲーム処理と比較すると、ステップ12がない点で異なっている。
【0089】
フィギア無しモードでは、フィギアを用いないでゲームを進行させるが、ゲームデータを受信してRAM33に記憶させ、応答信号にフィギアIDが含まれているとき(認証済みのフィギアがあるとき)はそのフィギアIDに対応するフィギア情報の抽出を行う。
【0090】
また、ステップ12を実行しないので、上述したとおり、フィギア有りモードとは違ってコスチュームとダンジョンの選択の余地がなく、フィギア有りモードにおける迷宮対戦ゲームと比較して、ゲーム内容が制限されたものとなっている。さらに、ステップ15で選択可能な各種カード、ステップ17で選択可能な技カードの選択範囲も制限されている。
【0091】
そして、ステップ19でキャラクタに対して対戦結果に応じた称号の付与を行うが、フィギア無しモードでは、対戦結果がよくても「浪人」の称号しか付与されないようになっている。
【0092】
このように、ゲームマシン1では、フィギア40を用いる場合だけでなく、フィギア40を用いない場合でもゲームを進行することができる。また、フィギア40を用いると、用いない場合には得られない利益が得られるようになっているため、フィギアに対する収集意欲を抱かせることができ、迷宮対戦ゲーム本来の特徴を活かした面白みを提供することができる。特に、フィギア40を用いて迷宮対戦ゲームを行うと、ゲームの進行内容によって、そのフィギアに対応するキャラクタの持点が増えたり、攻撃力や防御力がアップしたり、称号が付与されるといった利点があるため、フィギアを繰返し使用しようとする気持ちを抱かせ、遊技者に満足感を与えることができる。
【0093】
(ゲーム開始処理)
ステップ1のゲーム開始処理は図18に示すフローチャートに沿って行われる。図18はゲーム開始処理の動作手順を示すフローチャート、図19はキャラクタ生成処理の動作手順を示すフローチャートである。
【0094】
メインCPU32はゲーム開始処理を開始するとステップ61に進み、メッセージ出力処理を行い、画像制御回路71に指示してメインディスプレイ11に所定のメッセージ(コイン投入要求、IDカードの挿入要求およびパスワードの入力要求)を表示させる。続いて、ステップ62,63と処理を実行する。
【0095】
遊技者は、ゲームを開始するためには、コインをコイン投入口6から投入するとともに、IDカード17をカードスロット18に挿入し、操作ユニット19を用いてパスワードを入力する。すると、投入されたコインの検出信号がコインセンサ16aからメインCPU32に入力され、カードリーダ18aからはIDカード17に記憶されているカード情報が入力される。さらに、操作ユニット19からパスワードが入力され、これらすべての入力があるとステップ63に進み、メインCPU32が通信制御部21に指示して通信処理部22を作動させ、読み取ったカード情報および入力されたパスワードを店舗サーバ2に送信する。
【0096】
続くステップ64では、後述する応答信号をセンターサーバ5から受信するまで待機して、その応答信号を受信するとステップ65に進む。ステップ65では、フィギアの有り、無しと、応答信号から認証(登録)済みか否かを区別して、選択可能な各種キャラクタのいずれかを選択させる選択画面の表示をメインディスプレイ11で行うための指示を行い、続くステップ66では、タッチパネル11aのタッチがあるまで待機して、タッチがあるとステップ67に進み、ステップ65でフィギア有りを選択したか否かを判定する。ここで、フィギア有りを選択した場合はステップ68に進み、そうでなければステップ69に進む。ステップ68に進むと、後述するキャラクタ生成処理を行い、ステップ69ではフィギア不使用によるキャラクタ生成指示(ノンフィギアのキャラクタ生成指示)データを後述するエントリーデータにセットし、いずれも後続のステップ70に進む。詳しくは、ステップ67では、初めてフィギアを用いるときおよび既に認証済みのフィギアがあり、その認証済みのフィギアとは別のフィギアを用いるときのいずれにおいても、遊技者によってフィギア有りが選択されると、ステップ68に進み、キャラクタ生成処理が行われる。また、初めからフィギアを用いないときおよび既に認証済みのフィギアがあるのにそのフィギアを用いないときは、遊技者によってフィギア無しが選択されると、ステップ69に進む。
【0097】
そして、ステップ68に進むと、メインCPU32は図19に示すフローチャートに沿ってキャラクタ生成処理を行う。この処理を開始すると、ステップ81に進み、フィギアのセット要求メッセージ出力処理を行う。ここでは、メインCPU32が画像制御回路71に指示してメインディスプレイ11に、フィギア40を認証ユニット15に装着し、フィギアIDを読み取るセッティングを要求するメッセージ(例えば、“フィギアの台座を操作パネル上の認証ユニットにセットしてください。フィギアの認証が始まると、認証ユニットが明るく点灯しますので、明かりが消えるまでフィギアをはずさないで下さい”)を表示させ、続くステップ82では、フィギアIDの読み取りが終わるまで待機する。遊技者が表示されるメッセージにしたがいフィギア40を認証ユニット15にセットすると、認証ユニット50がフィギア40のICチップ44に記憶されているフィギアIDを読み取り、メインCPU32に入力する。すると、ステップ71に進み、メインCPU32が読み取ったフィギアIDを含むキャラクタ生成指示データをエントリーデータにセットし、続くステップ84では、認証ユニット15によるフィギア40のフィギアIDの読取(フィギアのセッティング)が行われたことを示すフィギア有りフラグに所定のデータ(本実施の形態では“1”)をセットし、ステップ84を実行すると、キャラクタ生成処理が終了する。
【0098】
ステップ70に進むと、メインCPU32が通信制御部21に指示して通信処理部22を作動させ、エントリーデータを店舗サーバ2に送信する。ステップ70が終了すると、ゲーム開始処理が終了する。
【0099】
このように、ゲームマシン1は、フィギアのセッティングが行われたときにフィギア有りフラグに所定のデータをセットするようにしている。一旦、フィギアのセッティングを行うと、キャラクタ生成指示データを含むエントリーデータが店舗サーバ2を介してデータベースサーバ103に送信され、データベースサーバ103においてそのフィギアIDがそのセッティングを行った遊技者固有の遊技者IDに関連付けてID管理ファイルに記憶され、そのフィギアを認証済か否かの判断に用いられる。また、ID管理ファイルによるフィギアの認証済か否かの判定結果が応答信号として、データベースサーバ103から送信されるので、遊技者は認証済みのフィギアに対応するキャラクタを選択して迷宮対戦ゲームを行える。ただし、フィギアのセッティングを行わないと、フィギア有りフラグのセットが行われないので、たとえフィギアの認証済みでも、迷宮対戦ゲームをフィギア有りモードで行うには、フィギア40を認証ユニット15にセットしてフィギアIDの読取を行う必要がある。
【0100】
そして、セッティングを行うと、読み取ったフィギアIDに対応するフィギア情報がデータベースサーバ103で生成され、フィギア40のセッティングを繰返し行わなくても迷宮対戦ゲームを行えるようになっている。
【0101】
一方、ゲームマシン1、店舗サーバ2およびセンターサーバ群5では、上述の処理に対応して、図20に示す順序で処理が実行されている。図20は、ゲームマシン1、店舗サーバ2およびセンターサーバ群5の間で行われる動作シーケンスを示すシーケンスチャートである。
【0102】
ゲームマシン1では、ステップ100において、店舗サーバ2にダウンロード要求を送信してアプリケーションデータをダウンロードし、上述のとおりステップ63でカード情報等を送信する。すると、センターサーバ群5では、ステップ301に進んで、データベースサーバ103におけるCPU401がゲームマシン1から送信されたカード情報およびパスワードを用い、ID管理ファイルを参照するなどして遊技者およびフィギアが登録されているか否かを判断する認証処理を行い、登録済の場合は認証済としてステップ302に進み、その認証結果を示す応答信号をゲームマシン1に送信する。この場合、データベースサーバ103では、各店舗A,Bに8台ずつ設置されているゲームマシン1に対して、同様の認証処理を行う。
【0103】
また、ゲームマシン1では、上述のステップ68に示したエントリーデータの送信を行う。すると、センターサーバ群5では、ステップ303に進んでゲームサーバ101により、各ゲームマシン1からのエントリーデータを用いて、遊技者のエントリー受付を行う。さらに、後続のステップ304では遊技者の参加情報の更新およびキャラクタ生成指示データに対応するフィギアID(このフィギアIDには、認証されていない新規登録のフィギアと、認証済みで再度認証するフィギアの双方のフィギアIDが含まれる)を用いてID管理ファイルへのフィギアの登録または更新と、フィギア情報の生成または更新を行い、続くステップ305で対戦相手となる遊技者(本実施の形態では4名)を決定する。また、ステップ306では、データベースサーバ103が対戦相手になる各遊技者のゲームデータを抽出してステップ307に進み、抽出したゲームデータを店舗サーバ2に送信する。店舗サーバ2では、ゲームデータを受信すると、それを各ゲームマシン1に送信する。
【0104】
以上で詳細に説明したゲームマシン1の動作中において、メインCPU32は、迷宮対戦ゲームのゲーム進行における所定条件(フィギア40をフィギア供給装置6Bに排出させる排出条件)が成立したタイミングで(排出条件が迷宮対戦ゲームの進行中に成立している)、フィギア40の供給指示を示す指示情報を通信処理部22に入力する。通信処理部22に、この指示情報が入力されると、通信処理部22は、指示情報が入力されたタイミングで、フィギア供給装置6Bに対してフィギア40の排出指示を送信する。ここで、ゲーム進行における所定条件とは、例えば、特定の戦闘相手に勝利したり、所定個数の宝珠を入手したり、ゲームで得た得点やゲームの達成度等のゲーム進行度が一定以上になったりすること等である。なお、フィギア40の供給指示を示す指示情報には、上述したグループコードが格納部識別情報として含まれており、そのグループコードを含む排出指示が、ゲームマシン1からフィギア供給装置6Bに送られる。
【0105】
そして、メインCPU32は、迷宮対戦ゲームの進行中に特定排出条件(排出条件よりも成立し難く、レアフィギアを排出させるための条件)が成立したときにフィギアグループHのグループコードを含む排出指示をフィギア供給装置6Bに対して送信する。ここで、特定排出条件は、遊技者が最終目標となるキャラクタをごく短時間で倒した場合(例えば3分以内)、遊技者の持点(ライフ)が、獲得が極めて困難とされる特定の点数(例えば1000点)に到達した場合、最終目標となるキャラクタを倒すまでに繰り返したゲームの実行回数が極めて少ない場合(例えば3回)に成立するようになっている。
【0106】
(フィギア供給装置の動作内容)
フィギア供給装置6Bがゲームマシン1から排出指示を受信すると、メインCPU121は、排出ユニット54から1個のカプセル57を排出させる。
【0107】
図21を参照しつつより具体的に説明すると、フィギア供給装置6Bは、まずステップ401において、通信処理部(受信手段)130でゲームマシン1からの排出指示を受信すると、メインCPU121は、ステップ402で、その排出指示に含まれるグループコードを抽出し、続くステップ403において、8つの格納部60の中からそのグループコードに対応する格納部60を特定する(ここで特定される格納部60はグループコードによって特定(識別)されるグループのフィギアが格納されている)。そして、ステップ404において、メインCPU121は本発明における排出制御手段として作動し、特定した対象格納部60の格納済みフィギアを排出するように、対象格納部60の遮断板65(例えば、対象格納部60の排出用グループコードが“B”で、遮断板652の場合)を開放させるための開放制御信号を駆動制御回路70aに出力する。すると、駆動制御回路70aはその開放制御信号に対応するモータ(例えば、モータM2)を駆動して遮断板652を開放させる。すると、スロープ62aにおける遮断板652の最も近くに位置しているカプセル57が吐出口64から転がり出て、図10に示すように、排出路66を通ってカプセル取出口56に排出される。
【0108】
以上で詳細に説明したように、ゲームシステム8(すなわち、ゲームマシン1およびフィギア供給装置6B)においては、ゲームマシン1のメインCPU32は、迷宮対戦ゲームのゲーム進行における所定条件が成立すると、ゲームマシン1の通信処理部22からフィギア供給装置6Bにフィギア40の排出指示を送信する。そして、この排出指示がフィギア40の通信処理部130によって受信されると、フィギア40のメインCPU121(排出制御手段)は、排出ユニット54からフィギア40入りのカプセル57を排出させる。すなわち、ゲームシステム8は、迷宮対戦ゲーム上の所定条件が成立した場合に、フィギア40を遊技者に提供することができるため、販売しか行えない従来のゲームとは異なったフィギア40の供給態様を実現している。このように、迷宮対戦ゲームの所定条件の成立によってフィギア40を供給することで、遊技者に対して、ゲームの特典としてフィギア40を提供することができる。
【0109】
特に、迷宮対戦ゲームの実行中に特定排出条件が成立すると、フィギアグループHのグループコードを含む排出指示が送信され、フィギア供給装置6Bからレアフィギアが排出されるので、遊技者が最終目標となるキャラクタをごく短時間で倒すなど、迷宮対戦ゲームで大勝、楽勝した場合には、そのことの特典としてレアフィギアが供給される。レアフィギアは迷宮対戦ゲームで大勝、楽勝したとき以外には手に入らない希少性の高いフィギアであるから、遊技者にとっては、それを保有することが一種のステイタスのようになる。そのため、ゲームシステム8は遊技者に対して、レアフィギアを獲得しようとする意欲を持たせることができ、遊技の興趣を高めることができる。
【0110】
なお、ゲームマシン1からフィギア供給装置6Bへ排出指示が送られるのは、迷宮対戦ゲームのゲーム進行における所定条件が成立した際だけでなく、排出指示は遊技者がゲームマシン1を用いてフィギア40を購入する際にも送信される。より具体的には、図18に示したゲーム開始処理中の所定のステップにおいて、ゲームマシン1は、遊技者からのフィギア購入指示(供給指示)をタッチパネル(受付手段)11aによって受け付ける。そして、タッチパネル11aによってフィギア購入指示が受け付けられると、直ちにゲームマシン1の通信処理部22からフィギア供給装置6Bにフィギア40の排出指示が送信される。このようにすると、ゲームシステム8では、フィギア40の購入を希望する遊技者に対して、所定条件が成立したとき以外にもフィギア40を提供することもできる。なお、フィギア購入指示および排出指示には、上述した供給指示と同様にフィギア40のグループコードが含まれており、遊技者が所望するグループのフィギア40が、フィギア供給装置6Bの排出ユニット73から選択的に排出される。
【0111】
このように、ゲームシステム8においては、ゲームマシン1の通信処理部22からフィギア供給装置6Bの通信処理部130に排出指示を送信することで、遊技者からフィギア購入指示を受け付けてフィギア40を販売するときだけでなく、迷宮対戦ゲーム上において所定条件が成立したときなど、多様な供給態様でフィギア40を供給することができる。そして、上述したように排出指示にグループコードが含まれる場合には、フィギア供給装置6Bは、特定グループのフィギア40を選択的に遊技者に提供することができる。
【0112】
上述した実施形態では、排出指示にグループコードが含まれる態様を示したが、排出指示は必ずしもグループコードを含まなくてもよい。図22を参照しつつより具体的に説明すると、フィギア供給装置6Bは、まずステップ501において、通信処理部130でゲームマシン1からグループコードを含まない排出指示を受信すると、メインCPU121は、ステップ502において、抽選手段として作動して乱数発生器125に指示して乱数(本実施の形態では1〜80)を発生させてサンプリング回路126に指示し、乱数発生器125が発生させた乱数の中から任意の乱数を抽出する乱数抽選を行う。そして、続くステップ503において、メインCPU121は、特定手段として作動して、乱数抽選の結果に基づいて格納部60を特定する。すなわち、メインCPU121は、ステップ502で抽出した乱数をサーチキーに設定し、図23に示す乱数とグループコードとを関連付けて記憶しているグループコードテーブル(ROM123に記憶されている)をサーチして、乱数に対応するグループコードを取得し、また、取得したグループコードに対応する格納部60を特定する。続いて、上述したステップ404と同様にして、特定された格納部60に格納されたカプセル57をカプセル取出口56から排出させる。
【0113】
そして、図30に示すように、ステップ401とステップ402の間にステップ505を設けてステップ505の判定結果したがい処理を分岐させ、ステップ402,403、ステップ404と順次実行するか、ステップ502,503、504、404と順次実行するようにしてもよい。ステップ505では、通信処理部130で受信した排出指示がグループコードを含むか否かが判定され、グループコードを含むときはステップ402に進み、含まれていないときはステップ502に進む。こうすると、排出指示にグループコードが含まれていたときは特定手段として作動するメインCPU121によりそのグループコードにしたがい格納部60が特定されるが、排出指示にグループコードが含まれていないときはメインCPU121により乱数抽選の結果に基づいて格納部60が特定されるようになる。
【0114】
なお、ゲームシステム8では、遊技用物品としてフィギア40を例にとって説明しているが、本発明は、フィギア40とは異なる遊技用物品を用いる場合にも適用がある。例えば、キャラクタに対応する絵や図柄とともに、ID情報などを記憶しているバーコードが描かれた遊技用カード(トレーディングカードともいう)のようなカード状の遊技用物品を用いてもよいし、カセットを用いてもよい。また、迷宮対戦ゲームを行えるゲームマシン1を例にとって説明しているが、他の画像遊技を行えるゲーム機についても適用がある。例えば、野球、サッカーなど複数の選手を登場させるゲームで、各選手に対応するフィギアやカセットを用いてチームプレーをシミュレーションできるゲーム機などである。また、ゲームマシン1では、遊技画像を表示するメインディスプレイ11、サブディスプレイ12を備えていたが、メインディスプレイ11、サブディスプレイ12を別体としてもよい。さらに、格納部の数は、8つに限定されず、適宜増減することが可能である。
【0115】
第2の実施の形態
(ゲームシステムの構成)
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図28は、本発明の第2の実施の形態に係るゲームシステム200のシステム構成図、図29は、ゲームシステム200を構成する携帯電話機111の内部構成を他の主要な構成要素とともに示すブロック図である。ゲームシステム200は、上述したネットワークシステム100と同様の構成に加え、さらに、携帯電話機111、基地局110および家庭用ゲーム機112を有している。
【0116】
携帯電話機111は、無線によるインターネット4への接続環境を備え、基地局110を介してゲームサーバ101および店舗サーバ2と通信を行うことによって、上述したゲームマシン1と略同様の動作を実現できるようになっている。また、携帯電話機111は、無線によるインターネット4への接続環境を備えているため、ゲームマシン1とは異なり、遊技店舗A,B以外の場所でも迷宮対戦ゲームが行える。
【0117】
そして、携帯電話機111は、図示しない制御局の管理下にある一斉呼出エリア内に設置された基地局110がカバーする無線ゾーンに在圏して他の携帯電話機(図示せず)とともに移動通信システムを構成し、基地局110を介して無線通信を行いつつ互いに音声による通信を行える。
【0118】
携帯電話機111は、図29に示すようにCPU501、ROM502、RAM503、操作入力部504、液晶表示部505を有している。また、携帯電話機111は、データ記憶部506、音声変換処理部507、通信制御部508、無線通信部509、スピーカ510およびマイク511を有している。CPU501は、ROM502に記憶されているプログラムにしたがって作動し、携帯電話機111全体の動作制御を司る。ROM502はCPU501が実行するプログラム、例えば、携帯電話機111が無線通信を行うための通信制御プログラムが記憶されている。RAM503には、迷宮対戦ゲームの実行を制御するゲーム制御プログラムや、上述したゲームデータなどのCPU501によるプログラムの実行に必要なデータが記憶される。
【0119】
操作入力部504は複数の操作入力ボタンを有し、各操作入力ボタンの入力操作により入力されたデータをCPU501に入力する。例えば、操作入力部504は、複数の文字入力ボタン、発信ボタン、着信ボタン、受信メールの確認操作ボタン、インターネット4への接続操作ボタンなどを有している。液晶表示部505は、LCD(Liquid Crystal Display)とその駆動部を有し、文字、図形、記号などの画像表示を行う画像表示手段である。例えば、発信する際の相手先の電話番号や、現在時刻、着信履歴、受信メール、待受画像、さらには、ゲームサーバ101から提供される種々のゲームを行うときのゲーム実行画面等の画像を表示する。
【0120】
データ記憶部506は種々のデータが記憶される。携帯電話機111は、ゲームマシン1のように、認証ユニット15、コイン投入口16、カードスロット18を有していないので、コインの投入、IDカード17の挿入さらにはフィギア40のICチップ44からの読取を行うことができない。そのため、コイン投入を行うことなく迷宮対戦ゲームが行えるようにするため、遊技者によって事前に行われた入金処理に基づく入金情報がゲームサーバ101で管理されていて、その入金情報の残高情報がデータ記憶部506に記憶されている。また、データ記憶部506には、IDカード17に記憶されるカード情報や、ゲームマシン1を用いた読取が行われ、迷宮対戦ゲームでの使用実績のあるフィギアに対応する情報(対応フィギア情報)が記憶されている。対応フィギア情報には、フィギア40のICチップ44に記憶されるフィギアID,フィギア40(特に人形部47)を示すフィギア画像を液晶表示部505に表示させるためのフィギア画像情報が含まれている。携帯電話機111は、データ記憶部506にこのような情報を記憶することにより、迷宮対戦ゲームをゲームマシン1で実行するときのようにIDカード17やフィギア40そのものを用いなくても、迷宮対戦ゲームが行えるようになっている。
【0121】
データ記憶部506に記憶される対応フィギア情報は、迷宮対戦ゲームでの使用実績のあるフィギアに対応する情報であるため、携帯電話機111を用いて上述したフィギア有りモードと同等の条件下で迷宮対戦ゲームを行うには、一度遊技店舗A、Bにおいてゲームマシン1でフィギア40の認証を行うなどして迷宮対戦ゲームを行い、データベースサーバ103のID管理ファイルに必要な情報を記憶させておく必要がある。ID管理ファイルに必要な情報を記憶させた後は、遊技店舗A、B以外の場所でも、携帯電話機111により、対応フィギア情報を用いることによってフィギアそのものを用いなくても、フィギア有りモードと同等の条件下で迷宮対戦ゲームを行えることとなる。なお、データベースサーバ103が携帯電話機111からのアクセスに応じて所定の処理を行い、ID管理ファイルに必要な情報を記憶させることによって、遊技者がゲームマシン1でフィギア40の認証を行うなどして迷宮対戦ゲームを行わなくても、携帯電話機111によりフィギア40を用いずに迷宮対戦ゲームを行えるようにしてもよい。
【0122】
音声変換処理部507は、音声データを伸張してスピーカ510に出力する一方、マイク511から入力するアナログ音声信号をデジタルの音声データに変換および圧縮して、無線通信部509に入力する。通信制御部508はCPU501の指示を受けて作動し、基地局110と通信を行うための回線の接続および切断を制御する。無線通信部509は通信制御部508の制御にしたがい、無線によるデータの送受信を実行する無線通信手段である。すなわち、基地局110に送信すべき情報を移動体通信網で扱われる信号に変換した後、電波に重畳して送信する一方、基地局110から電波を受信し、その受信した電波に重畳されている信号から情報を取り出す。スピーカ510は、通話相手の会話やゲーム実行中の音声を出力する音声出力手段であり、マイク511は利用者の会話内容等の音声を入力し、電気信号に変換する。
【0123】
家庭用ゲーム機112は、インターネット4に接続可能な動作環境を備えた遊技者個人が所有するまたは借り受けるなどして保有する家庭用ゲーム専用機である。この家庭用ゲーム機112は、上述したゲームマシン1と略同様の動作を実現できるようにゲームマシン1と略同様の構成を有している。
【0124】
(ゲームシステムの動作内容)
次に、ゲームシステム200の動作内容について、主に携帯電話機111の動作を中心に説明する。携帯電話機111は、基本的には上述したゲームマシン1と同様にしてゲーム処理を行う。しかし、携帯電話機111は、ゲームマシン1と異なり、認証ユニット15、コイン投入口16、カードスロット18を有していないので、ゲーム開始処理におけるステップ62が異なり(コインの投入、カード情報の入力に相当するデータ処理が行われる)、タッチパネル11aを有していないので、ステップ66では、操作入力部504を用いたボタン操作が行われるまで待機する。さらに、キャラクタ生成処理におけるステップ81、82でも異なる処理が行われる(それぞれ、対応フィギア情報を受信する旨のメッセージ出力処理と、対応フィギア情報の受信終了まで待機する処理が行われる)。そのほか、携帯電話機111は、データ記憶部506に記憶されている入金情報の残高情報、カード情報および対応フィギア情報を参照しながらゲーム処理を行う。
【0125】
そして、CPU501は、迷宮対戦ゲームのゲーム進行における所定条件が成立したタイミングで、通信制御部508に指示して無線通信部509を作動させ、フィギア40の排出指示を基地局110、インターネット4および店舗サーバ2を介してフィギア供給装置6Bに送信する。フィギア供給装置6Bは、携帯電話機111からの排出指示を受信すると、第1の実施の形態と同様の処理を行い、フィギア40入りのカプセル57を排出させる。そのため、ゲームシステム200も、上述したゲームシステム8と同様に、迷宮対戦ゲーム上の所定条件が成立すると、フィギア40を遊技者に供給可能となる。そのため、ゲームシステム200は販売しか行えない従来のゲームシステムとは異なったフィギア40の供給態様を実現し、フィギア40の多様な供給形態を実現可能となっている。
【0126】
しかしながら、携帯電話機111は、無線で店舗サーバ2と通信を行え、屋外でもゲームを行えるため、遊技者が迷宮対戦ゲームを必ずしも遊技店舗A,B内で行っているとは限らず、むしろ、自宅や喫茶店、駅のホームといった遊技店舗A,B以外の場所で行っていることが多いと考えられる。その場合、携帯電話機111から排出指示を送信したことによって、フィギア供給装置6Bが遊技者本人の不在のままフィギア40入りのカプセル57を排出させると、せっかくのフィギア40を本人以外の他人が取得してしまうおそれがある。
【0127】
したがって、フィギア供給装置6Bは、通信処理部130が携帯電話機111から送信された排出指示を受信したときは、直ちにフィギア40を排出せずに、以下のようにするとよい。すなわち、メインCPU121が排出許可データ生成手段として作動して、フィギア40を排出させるための排出許可データを生成する一方、送信制御手段として作動して通信制御部129に指示し、その生成された排出許可データを通信処理部130によって携帯電話機111宛に送信させることが望ましい。
【0128】
そして、排出許可データが送信されると、携帯電話機111はその排出許可データを受信し、CPU501が受信した排出許可データをデータ記憶部506に記憶させる。また、遊技者が携帯電話機111を携帯して遊技店舗A,Bにまで足を運び所定の操作を行うと、CPU501が無線通信部509を作動させてデータ記憶部506に記憶させた排出許可データをフィギア供給装置6Bに送信させる。一方、フィギア供給装置6Bでは、携帯電話機111から排出許可データを受信したときに排出制御手段として作動するメインCPU121が排出ユニット54にフィギア40を排出させる。こうすることによって、フィギア40を遊技者本人が取得可能となり、他人が取得してしまうおそれを排除することができる。
【0129】
なお、上述した実施形態では、ゲーム進行における所定条件が成立したタイミングで、メインCPUが通信処理部に指示情報を入力する態様を示したが、指示情報の入力のタイミングは、ゲーム性や演出等を考慮して、ゲーム終了のタイミングや、その他の所定条件が成立した後のタイミングなど、所定のタイムラグを設けることができる。同様に、通信処理部がフィギア供給装置に対して排出指示を送信するタイミングについても、指示情報の入力直後に限らず、ゲーム性や演出等を考慮して所定のタイムラグを設けることが可能である。また、ゲームマシンが遊技者からフィギア購入情報をタッチパネルによって受け付けた際に、通信処理部がフィギア供給装置に対して排出指示を送信するタイミングも、やはりゲーム性や演出等を考慮して所定のタイムラグを設けることが可能である。
【0130】
上述の各実施形態では、フィギア供給装置6Bは遊技店舗に1台ずつ備えられ、複数のゲームマシン1で共有して用いられているが、各ゲームマシン1に個別に備えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0131】
【図1】本発明によるゲームマシンを複数備えたネットワークシステムのシステム構成図である。
【図2】複数のゲームマシンとカード販売機とフィギア供給装置とを示す斜視図である。
【図3】ゲームマシンの全体構成を示す斜視図である。
【図4】内部の構成を中心に示すゲームマシンのブロック図である。
【図5】画像制御回路の内部構成の一例を示すブロック図である。
【図6】店舗サーバを示すブロック図である。
【図7】フィギアの構成を示す分解斜視図である。
【図8】フィギア供給装置の全体構成を示す斜視図である。
【図9】フィギア供給装置の一部を破断して示す斜視図である。
【図10】フィギア供給装置の要部を模式的に示す側面図である。
【図11】内部の構成を中心に示すフィギア供給装置のブロック図である。
【図12】ゲームサーバおよびデータベースサーバを示すブロック図である。
【図13】ゲームマシンにおけるゲームの開始から終了までのゲーム処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図14】フィギア有りゲーム処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図15】フィギア無しゲーム処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図16】ずらしフェイズ処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図17】移動フェイズ処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図18】ゲーム開始処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図19】キャラクタ生成処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図20】ゲームマシン、店舗サーバおよびセンターサーバの間で行われる動作シーケンスを示すシーケンスチャートである。
【図21】フィギア供給装置の動作内容を示すフローチャートである。
【図22】フィギア供給装置の動作内容を示すフローチャートである。
【図23】グループコードテーブルを示した図である。
【図24】迷宮画像を示す図である。
【図25】別の迷宮画像を示す図である。
【図26】戦闘選択画像を示す図である。
【図27】対戦画像を示す図である。
【図28】第2の実施の形態に係るゲームシステムのシステム構成図である。
【図29】図28に示したゲームシステムを構成する携帯電話機の内部構成を他の主要な構成要素とともに示すブロック図である。
【図30】フィギア供給装置の別の動作内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0132】
1…ゲームマシン、2…店舗サーバ
6B…フィギア供給装置、8…ゲームシステム
11a…タッチパネル、12…サブディスプレイ
21,129…通信制御部
22,130…通信処理部
31…マイクロコンピュータ、32…メインCPU
33…RAM、34…ROM、40…フィギア
57…カプセル、53…格納ユニット
54…排出ユニット、100…ネットワークシステム
111…携帯電話機、121…メインCPU
501…CPU、509…無線通信部
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィギアやカード、カセットといった遊技用物品を使用する遊技を行えるゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、フィギアやカード、カセットといった遊技に用いられる遊技用物品を使用して遊技を行える遊技機が知られている。例えば、特許文献1には、プレイフィールド上に載置された複数のカードのデータを読み取る手段(読取手段)と、読み取ったデータに応じた画像を表示する手段とを有し、遊技者が並べた複数のカードの組合せに応じた画像を表示して、チームプレーをシミュレーションできるカードゲーム装置が開示されている。このカードゲーム装置では、遊技(試合)終了後に新しいカードが遊技者に提供される。
【0003】
ところが、このように遊技用物品が遊技終了後に提供される場合には、初めてその遊技機で遊ぶ遊技者は、遊技を始めるにあたって、予め遊技用物品をどこかで入手しておく必要があった。そのため、遊技用物品の入手方法や入手場所を知らない場合には、遊技者は遊技を行うことができない。
【0004】
そこで、特許文献2には、ディスプレイ装置を備えたゲーム機(遊技機)とカプセルベンダー(遊技用物品供給装置)とが併設されたゲームシステムが開示されている。このゲームシステムにおいては、遊技者は、遊技機で遊技用物品を用いた遊技を行うにあたり、遊技機に併設された遊技用物品供給装置からフィギア(遊技用物品)入りのカプセルを購入することができる。
【特許文献1】特開2002−301264号公報
【特許文献2】特開2002−153675号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来のゲームシステムには、以下のような問題があった。すなわち、従来のゲームシステムの遊技用物品供給装置は、単なる販売しか行っておらず、遊技者が遊技用物品を手に入れるためには、遊技者はその遊技用物品供給装置から遊技用物品を購入するしか方法がなかった。
【0006】
そこで、本発明は上記課題を解決するためになされたもので、遊技者に対して遊技用物品を多様な供給態様で供給することができるゲームシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るゲームシステムは、識別情報を記憶する遊技用物品を格納する格納ユニットおよび遊技用物品を排出する排出ユニットを有する遊技用物品供給装置と、遊技用物品から識別情報を読み取ると共に、遊技用物品に対応する遊技画像を用いた画像遊技を行える遊技機とを備え、遊技機は、遊技用物品供給装置に対して遊技用物品の排出指示を送信する送信手段を有し、遊技用物品供給装置は、遊技機から排出指示を受信する受信手段と、受信手段が排出指示を受信したときに、排出ユニットに遊技用物品を排出させる排出制御手段とを有することを特徴とする。
【0008】
このゲームシステムにおいては、遊技機の送信手段は、遊技用物品供給装置に対して遊技用物品の排出指示を送信する。この排出指示を遊技用物品供給装置の受信手段が受信すると、遊技用物品供給装置の排出制御手段が、排出ユニットに遊技用物品を排出させる。従って、例えば、遊技機が遊技者から所定の指示を受け付けた場合や、遊技進行上の所定条件が成立した場合などに、送信手段から排出指示を遊技用物品供給装置に対して送信することで、遊技用物品供給装置から遊技用物品を排出することができ、遊技用物品の多様な供給態様を実現することができる。
【0009】
また、遊技機は、遊技者からの遊技用物品の供給指示を受け付ける受付手段をさらに有し、遊技機の送信手段は、受付手段が供給指示を受け付けたことに基づいて、排出指示を遊技用物品供給装置に対して送信することが好ましい。こうすると、遊技機において供給指示が行われると、排出指示が遊技用物品供給装置に送信されて遊技用物品が供給されるようになる。
【0010】
また、遊技機は、画像遊技の進行を制御する遊技進行制御手段をさらに備え、遊技進行制御手段は、遊技進行上の所定条件が成立したことに基づいて、遊技用物品の供給指示を示す指示情報を送信手段に入力し、送信手段は、遊技進行制御手段から指示情報が入力されたことに基づいて、排出指示を遊技用物品供給装置に対して送信することが好ましい。こうすると、遊技者が画像遊技を行い、遊技進行上の所定条件が成立すると、その特典として、遊技者に遊技用物品が供給されるようになる。
【0011】
そして、遊技機は、画像遊技の進行を制御する遊技進行制御手段を更に有し、その遊技進行制御手段は、遊技用物品を排出させる排出条件が遊技進行中に成立したことに基づいて、遊技用物品の所属グループを示すグループコードを含み、遊技用物品の供給指示を示す指示情報を前記送信手段に入力し、送信手段は、遊技進行制御手段から指示情報が入力されたことに基づいて、排出指示を遊技用物品供給装置に対して送信し、遊技用物品供給装置は、受信手段によって受信された排出指示に含まれているグループコードに基づいて排出ユニットに排出させる遊技用物品を格納した格納部を特定する特定手段を更に有するゲームシステムとすることもできる。
【0012】
このゲームシステムでは、遊技機からグループコードを含む排出指示が遊技用物品供給装置に送信されると、排出指示に含まれるグループコードに基づいて格納部が特定される。
【0013】
また、上記ゲームシステムの場合、遊技進行制御手段は、所定条件または排出条件よりも成立し難く、かつ希少性の高い遊技用物品を排出させる特定排出条件が遊技進行中に成立したときは、前記希少性の高い遊技用物品の所属グループを示すグループコードを含む指示情報を送信手段に入力するようにすることもできる。
【0014】
こうすると、遊技進行中に特定排出条件が成立すると、希少性の高い遊技用物品が排出されるようになる。
【0015】
さらに、上記各ゲームシステムの場合、遊技機が無線によるデータの送受信を実行する無線通信手段を更に有し、遊技用物品供給装置は、無線通信手段を備えた遊技機から送信された排出指示を受信手段が受信したときに排出ユニットに遊技用物品を排出させるための排出許可データを生成する排出許可データ生成手段と、その排出許可データ生成手段により生成された排出許可データを無線通信手段を備えた遊技機に送信させる送信制御手段とを更に有し、排出制御手段は、無線通信手段を備えた遊技機から排出許可データ生成手段により生成された排出許可データを受信したときに排出ユニットに遊技用物品を排出させることもできる。
【0016】
このようにした場合、無線通信手段を有する遊技機から排出指示が送信されると、遊技用物品供給装置が排出許可データを生成して無線通信手段を有する遊技機に送信し、遊技用物品供給装置は無線通信手段を有する遊技機から排出許可データを受信したときに遊技用物品を排出するようになる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、遊技者に対して遊技用物品を多様な供給態様で供給することができるゲームシステムが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して本発明に係るゲームシステムを実施するにあたり最良と思われる形態について詳細に説明する。なお、同一又は同等の要素については同一の符号を付し、説明が重複する場合にはその説明を省略する。
【0019】
第1の実施の形態
(ネットワークシステムの全体構成)
図1は、本発明に係るゲームマシン1を複数備えたネットワークシステム100のシステム構成図、図2は複数のゲームマシン1とカード販売機6Aとフィギア供給装置(遊技用物品供給装置)6Bを示す斜視図である。ネットワークシステム100は、2つの遊技店舗A,Bにそれぞれ1台および2台設置された合計3台の店舗サーバ2と、専用回線3を介して通信可能に接続された複数(本実施の形態では8台)のゲームマシン1、カード販売機6Aおよびフィギア供給装置6Bと、遊技店舗A,Bに設置された店舗内ルータ7と、店舗内ルータ7、通信回線4aおよびインターネット4を介して接続されたセンターサーバ群5とを有している。
【0020】
各遊技店舗A,Bでは、店舗サーバ2と、ゲームマシン1、カード販売機6Aおよびフィギア供給装置6Bが専用回線3により接続されて店舗内LAN(Local Area Network)が形成されており、この店舗内LANが店舗内ルータ7を介してインターネット4に接続されている。なお、図2に示すように、これら通信可能に接続されたゲームマシン1と、フィギア供給装置6Bとによって本発明に係るゲームシステム8が構成されている。
【0021】
(ゲームマシンの構成)
ゲームマシン1は、本発明の実施形態に係る遊技機であって、遊技に用いられる遊技画像として、遊技者の操作に応じて行動するキャラクタ(詳しくは後述する)を示すキャラクタ画像を表示する画像表示手段を有し、遊技者の操作に応じた動作をキャラクタに行わせる画像遊技を行えるように構成されている。本実施の形態におけるゲームマシン1では、遊技者の選択したルートに沿ってキャラクタが迷宮内を移動しながら、自分以外の別キャラクタ(他の遊技者の選択にしたがい動作を行うプレイヤーキャラクタや、ゲームマシンが動作を行わせるノンプレイヤーキャラクタ)と対戦して、キャラクタが持つアイテム(本実施の形態では宝珠)を奪い合い、そのアイテムをすべて集めた上で最終目標のキャラクタを倒すゲーム(以下、「迷宮対戦ゲーム」という)を行えるようになっている。この迷宮対戦ゲームでは、対戦結果やゲームの進行状況に合わせて各キャラクタの持点(本実施の形態では「ライフ」という)が昇降し、その持点が無くなったキャラクタが敗者となるようになっている。
【0022】
ゲームマシン1は、図3に示すように、筐体10の正面に、液晶表示装置を備えたメインディスプレイ11を有している。また、メインディスプレイ11の上側部分に同じく液晶表示装置を備えたサブディスプレイ12を有し、その左右両側に遊技の演出に用いられる音声を出力するスピーカ13L,13Rが配置されている。
【0023】
メインディスプレイ11は、遊技の各段階に応じた遊技画像(例えば、後述する迷宮画像160など)が表示されるようになっている。サブディスプレイ12は、遊技の特定の段階における画像(例えば、後述する対戦画像180)が表示されるようになっている。
【0024】
また、ゲームマシン1はメインディスプレイ11の下側に操作パネル14を有し、この操作パネル14の左側に認証ユニット15が配置され、右側にゲームを実行するときなどに必要なコイン(硬貨、遊技用メダルなどの遊技媒体)を投入するコイン投入口16と、IDカード17を挿入するためのカードスロット18とを有し、操作ボタンなどを備えた操作ユニット19を有している。
【0025】
認証ユニット15は、操作パネル14の表面に固定された台座装着部15aと、読取部15bとを有している。この台座装着部15aは、後述するフィギア40(図7参照)における台座部41の形状に対応した厚肉円板状の窪みを内側に有し、その窪みに台座部41を嵌め込み装着することができるようになっている。読取部15bは台座装着部15aの窪みに配置されていて、図示しないICチップリーダを有し、そのICチップリーダにより、装着されたフィギア40の台座部41に内蔵されているICチップ44から、記録されている情報を読み取るようになっている。なお、認証ユニット15はLEDを有し、後述するフィギア40の読み取り動作中にそのフィギアに光を照射するようになっている。
【0026】
ネットワークシステム100を構成している各ゲームマシン1には、自機固有のマシンIDが付与されている。このマシンIDは、各店舗サーバ2に固有のサーバIDと、各ゲームマシン1に固有のIDとを有し、例えば、店舗Aに設置されている各ゲームマシン1の場合、A01,A02,A03・・・のようになっている。
【0027】
図4は内部の構成を中心に示すゲームマシン1のブロック図である。ゲームマシン1は、マイクロコンピュータ31を中心に複数の構成要素を有している。
【0028】
マイクロコンピュータ31は、メインCPU(Central Processing Unit)32と、RAM(Random Access Memory)33と、ROM(Read Only Memory)34とを有している。メインCPU32は、ROM34に記憶されているプログラムにしたがって作動し、I/Oポート39を介して、操作パネル14に設けられた各構成要素から信号を入力する一方、他の構成要素との信号の入出力を行い、ゲームマシン1全体の動作制御を行う。RAM33はメインCPU32が作動する際に用いるデータやプログラム(本実施の形態では、後述するアプリケーションデータやゲームデータ)が記憶される。ROM34には、メインCPU32が実行する制御プログラムと、恒久的なデータが記憶されている。
【0029】
また、ゲームマシン1は、乱数発生器35と、サンプリング回路36と、クロックパルス発生回路37と、分周器38とを有している。乱数発生器35は、メインCPU32の指示にしたがい作動して、一定範囲の乱数を発生させる。サンプリング回路36は、メインCPU32の指示にしたがい、乱数発生器35が発生させた乱数の中から任意の乱数を抽出し、その抽出した乱数をメインCPU32に入力する。クロックパルス発生回路37は、メインCPU32を作動させるための基準クロックを発生させ、分周器38はその基準クロックを一定周期で分周した信号をメインCPU32に入力する。
【0030】
さらに、ゲームマシン1は、タッチパネル11aと、コインセンサ16aと、カードリーダ18aと、通信制御部21および通信処理部(送信手段)22とを有し、さらに、画像制御回路71と、音制御回路72を有している。
【0031】
タッチパネル11aは、メインディスプレイ11の表示画面を覆うように設けられていて、遊技者の指が触れた箇所の位置を検出し、その検出した位置に対応した位置信号をメインCPU32に入力する。遊技者はこのタッチパネル11aを用いてキャラクタの動作を決めるための操作入力を行う。例えば、タッチパネル11aは、長方形の透明板表面に導電物質を塗布しており、その透明板の四角に配置された電極から電圧をかけ、遊技者の指が触れることによる微弱な電流変化を電極で検知して、遊技者の指が触れた箇所の位置を検出する。
【0032】
コインセンサ16aは、コイン投入口16から投入されたコインを検出し、その検出に対応する検出信号をメインCPU32に出力する。カードリーダ18aは、カードスロット18に挿入されたIDカード17に記録されている遊技者ID等のカード情報を読み取り、その読み取ったカード情報をメインCPU32に入力する。
【0033】
通信制御部21は、メインCPU32の指示にしたがい作動して、店舗サーバ2と通信を行うための回線の接続および切断を制御する。通信処理部22は通信制御部21の指示にしたがい作動して、専用回線3を介して行われるデータの送受信を実行する。
【0034】
画像制御回路71は、メインディスプレイ11、サブディスプレイ12のそれぞれにおける画像表示を制御して、キャラクタを示す画像等の各種の画像をメインディスプレイ11、サブディスプレイ12に表示させる。
【0035】
この画像制御回路71は、図5に示すように、画像制御CPU71a、ワークRAM71b、プログラムROM71c、画像ROM71d、ビデオRAM71eおよびVDP(Video Display Processor)71fを有している。画像制御CPU71aは、マイクロコンピュータ31で設定されたパラメータに基づき、プログラムROM71cに予め記憶されている(メインディスプレイ11、サブディスプレイ12での表示に関する)画像制御プログラムに従い、メインディスプレイ11、サブディスプレイ12に表示される画像を決定する。ワークRAM71bは、画像制御CPU71aが画像制御プログラムを実行するときの一時記憶手段として構成されている。
【0036】
プログラムROM71cは、画像制御プログラムや各種選択テーブルなどを記憶している。画像ROM71dは、画像を形成するためのドットデータを記憶している。ビデオRAM71eは、VDP71fにより画像を形成するときの一時記憶手段として構成されている。VDP71fは制御RAM71gを有し、画像制御CPU71aで決定されたメインディスプレイ11、サブディスプレイ12の表示内容に応じた画像を形成し、その形成された各画像をメインディスプレイ11、サブディスプレイ12に出力する。
【0037】
音制御回路72はスピーカ13L、13Rから音声を出力するための音声信号をスピーカ13L、13Rに入力する。スピーカ13L、13Rからは、例えば、ゲーム開始後、適当な時期にゲームを盛り上げるための音声が出力される。
【0038】
(店舗サーバ、カード販売機、店舗内ルータの構成)
店舗サーバ2は図6に示すように、CPU201、ROM202、RAM203、通信処理部(通信手段)204、通信制御部205およびアプリケーションデータを記憶しているデータ記憶部206を有している。そして、CPU201がROM202に記憶されているプログラムにしたがいRAM203にデータを読み書きしながら作動し、一方、通信制御部205がCPU201の指示にしたがい通信処理部204を作動させる。そして、店舗サーバ2は、各遊技店舗A,Bに設置されている各ゲームマシン1、カード販売機6Aおよびフィギア供給装置6Bと専用回線3を介してデータの送受信を行い、各ゲームマシン1へのアプリケーションデータの送信(ダウンロード)や、各ゲームマシン1同士およびセンターサーバ群5とにおけるデータ送受信の中継を行う。アプリケーションデータは、ゲームマシン1で行われる迷宮対戦ゲームの実行に用いられる各種データ(ゲーム用の画像データ)と、ボード用データ(操作ユニット19に備えられている操作ボタンを迷宮対戦ゲームに対応させる設定用のプログラム)が含まれている。
【0039】
カード販売機6Aは、遊技者が個人情報の入力操作を行う操作部と、カード発行手段とを有し、その操作部を用いた所定の入力操作によって、カード発行手段が各遊技者固有の遊技者IDを含むカード情報を記憶させてIDカード17を発行する。
【0040】
店舗内ルータ7は各遊技店舗A,Bに形成されている店舗内LANと、通信回線4aおよびインターネット4を介してセンターサーバ群5に形成されているLANとを接続している。
【0041】
(フィギアの構成)
ここで、フィギア供給装置6Bの説明に先立ち、フィギア供給装置6Bが供給するフィギア40について、図7を参照しつつ説明する。ここで図7は、フィギア40の構成を示す分解斜視図である。フィギア40は、台座部41と、迷宮対戦ゲームに登場する各キャラクタの立体形状を表したフィギア本体部42とを有している。
【0042】
台座部41は台座装着部15aの窪みに対応した大きさを有し、中空の厚肉円板状に形成されている。この台座部41は、天頂部43aを有する有底円筒状の台座本体部43とICチップ44とを有し、台座本体部43の開放端部にICチップ44が嵌め込み固定された構成を有している。また、台座本体部43の天頂部43aの略中央に突起部43bを有している。ICチップ44は、フィギア本体部42に対応するキャラクタに固有のフィギアIDを記憶している。フィギアIDは各フィギアを識別可能なように、フィギア40に対してユニーク(固有)であって、各フィギアの所属グループとしてのフィギアグループA〜Hを示すグループコードが含まれている。例えば、フィギアグループAに属するフィギアのフィギアIDは、“A001”、“A002”、“A003”・・・・のようになっていて、先頭の1桁のコードがフィギアグループを示し、下3桁がフィギアを特定するためのコードとなっている。
【0043】
フィギア本体部42は、突起部43bに対応する凹部46aを有する脚座部46と、脚座部46から2本足で直立するように形成され、迷宮対戦ゲームに登場する各キャラクタをかたどった人形部47とを有し、凹部46aに突起部43bが嵌め込まれ、台座部41の天頂部43aに固定されている。また、フィギア40は、同じキャラクタでも微妙に色を変え、又は各キャラクタを特徴付けるキャラクタ固有のデータを変える等してキャラクタの固有性を表現し、遊技者の収集意欲を促進するようにしている。このフィギア40は後述するカプセル57に入れてフィギア供給装置6Bの後述する格納ユニット53に納められるようになっている(図9参照)。この格納ユニット53に納められているカプセル57入りのフィギア40は格納済遊技用物品となる。フィギア40はフィギア本体部42の形状によって、遊技者が区別可能であり、フィギアIDによって、ゲームマシン1が区別可能になっている。このフィギアIDは、異なるフィギア40に対してユニーク(固有)とし、ネットワークシステム100における同一フィギアの多重登録を禁止するようにしている。
【0044】
カプセル57は、2つに分割可能かつ一体化して球状体にすることが可能な2つの半球殻状部を有し、この2つの半球殻状部を一体化すると、直径約7cmの中空球状体が得られ、中にフィギア40が納められるようになっている。
【0045】
(フィギア供給装置の構成)
続いて、フィギア供給装置6Bについて、図8〜10を参照しつつ説明する。図8は、フィギア供給装置6Bの全体構成を示す斜視図である。図9はフィギア供給装置6Bの一部を破断して示す斜視図であり、図10はフィギア供給装置6Bの要部を模式的に示す側面図である。このフィギア供給装置6Bは、フィギア40の入ったカプセル57を排出して、そのカプセル57に入ったフィギア40を遊技者に供給できるような構成を有している。
【0046】
フィギア供給装置6Bは、筐体52と、上述したフィギア40の入ったカプセル57を適量数格納した複数の格納部60(本実施の形態では8つ)を備えた格納ユニット53と、カプセル57を各格納部60から排出する排出ユニット54とを備えている。なお、格納部60に格納されたカプセル57の中にはそれぞれフィギア40が1ずつ収められている。各フィギア40は、上述のとおり遊技者の操作に応じた動作をキャラクタに行わせるような画像遊技を行えるゲームマシン1で用いられるものである。
【0047】
筐体52は、フィギア供給装置6Bの正面下側部分を構成する正面パネル52aと、側面パネル52b,52cと、背面パネル52dと、天面パネル52e及び下面パネル52fを有している。また、筐体52は、正面パネル52aの上側部分と、側面パネル52b,52cおよび天面パネル52eとの間に後述する透明パネル61が取付けられていて、概ね直方体形状を呈している。そして、筐体52は上下方向略中央に配置されるようにして、正面パネル52aと透明パネル61との間の部分に、手前側に張出す操作パネル55を有している。また、正面パネル52aにカプセル取出口56が形成されている。さらに、筐体52は、後述する背面板63と、背面パネル52dとの間に排出路66が確保されている。
【0048】
カプセル取出口56は、図10に示すように、手前側に引き上げて開閉可能な開閉扉56aと、格納部60から排出されたカプセル57を受ける受部56bとを有している。このカプセル取出口56は、遊技者が開閉扉56aを筐体52の外側から手前側に引き上げることにより、受部56bに収められたカプセル57を取り出せるようになっている。
【0049】
操作パネル55は、ディスプレイ59を備えており、このディスプレイ59は液晶表示装置を備えている。このディスプレイ59には、フィギア供給装置6Bの動作状況を示す情報等が表示される。
【0050】
格納ユニット53は図9および図10に示すように、仕切板62により、大きく上下2段に分かれ、かつ4つに区分けされた合計8つの格納部60が各段それぞれ4つずつ左右に並べられている。各格納部60はいずれもカプセル57を複数格納し得る大きさに区分けされている。また、各格納部60の前面側部分がアクリル、ガラス等の透明素材からなり、図示しないヒンジにより開閉可能な透明パネル61によって覆われており、中に納められているカプセル57が正面側から視認可能となっている。なお、仕切板62は背面パネル52d寄りの部分が背面側に向かって下る下り傾斜のスロープ62aになっている。
【0051】
各格納部60は、透明パネル61を開放して、フィギア供給装置6Bの表側からカプセル57の補充や入れ替え等の操作を行える。また、各格納部60には、各フィギア40が8つにグループ分けされたうちの1つのグループに属するフィギアが納められるようになっている(本実施の形態では、フィギア40はゲームマシン1に登場する8種類のキャラクタを表していて、各グループ(フィギアグループ)に属するフィギア40は、キャラクタは同じであるが、身に付けているコスチュームや武器などが相違している)。すなわち、同じグループに属するフィギア40は同じ格納部60に納められ、フィギアグループの異なるフィギア40は別の格納部60に納められている。そして、納められているフィギア40のフィギアグループを示すマークや名称が仕切板62や背面板63に示されており、遊技場の係員等がそのマークや名称を参照して、該当するフィギア40の補充や入替え等ができるようになっている。なお、本実施の形態では、各フィギアは、8つのフィギアグループA〜Hのいずれかに属するものとしている。特に、フィギアグループHには、後述する特定排出条件が成立したときにしか供給されないいわゆるレアフィギアと呼ばれる希少性の高いフィギアが属している(フィギアグループHはレアフィギアの所属グループを示している)。
【0052】
そして、格納ユニット53は各格納部60の背面側にほぼ垂直に起立した背面板63を有し、この背面板63によってカプセル57の背面方向への移動を規制している。背面板63は、各格納部60に対応した8つの吐出口64を有している。各吐出口64は、後述する遮断板65によって通常は閉鎖され、カプセル57を排出するときに遮断板65が動いて開放され、排出路66に接続されるようになっている。排出路66は、背面板63と背面パネル52dとの間の筐体52内における背面板63よりも背面側に確保されている収集路66aと、収集路66aからカプセル取出口56までをつなぐ共通路66bとを有している。
【0053】
排出ユニット54は、各格納部60に対応して設けられている8つの遮断板65(651〜658)と、各遮断板65を駆動させる駆動装置70(図11参照)とを有している。各遮断板65は、各吐出口64を閉鎖可能な大きさを有し、駆動装置70により、それぞれが図示しないガイドレールに沿って個別にスライドして、開閉するようになっている。
【0054】
ここで、図11は内部の構成を中心に示すフィギア供給装置6Bのブロック図である。フィギア供給装置6Bは、マイクロコンピュータ120を中心に複数の構成要素を有している。
【0055】
マイクロコンピュータ120は、メインCPU121と、RAM122と、ROM123とを有している。メインCPU121は、ROM123に記憶されているプログラムに従い作動して、I/Oポート124を介して、フィギア供給装置6Bの各構成要素の制御を行う。RAM122には、メインCPU121が作動する際に用いるデータやプログラムが記憶されている。ROM123には、メインCPU121が実行する制御プログラムと、恒久的なデータが記憶されている。
【0056】
また、フィギア供給装置6Bは、乱数発生器125と、サンプリング回路126と、クロックパルス発生回路127と、分周器128とを有している。乱数発生器125は、メインCPU121の指示に従い作動して、一定範囲の乱数を発生させる。サンプリング回路126は、メインCPU121の指示に従い、乱数発生器125が発生させた乱数の中から任意の乱数を抽出し、その抽出した乱数をメインCPU121に入力する。クロックパルス発生回路127はメインCPU121を作動させるための基準クロックを発生させ、分周器128はその基準クロックを一定周期で分周した信号をメインCPU121に入力する。
【0057】
さらに、フィギア供給装置6Bは、駆動装置70を有している。この駆動装置70は、各遮断板65(651〜658)をガイドレールに沿ってスライドさせるための動力を生成するモータM1〜M8と、モータM1〜M8の動力を各遮断板65に伝達する駆動機構(図示せず)とを有し、さらに駆動制御回路70aを有している。モータM1〜M8は、それぞれ駆動制御回路70aから出力される駆動信号により作動して駆動機構に動力を入力する。駆動機構はモータM1〜M8から入力される動力を各遮断板651〜658に伝達し、各遮断板651〜658をガイドレールに沿ってスライドさせる。駆動制御回路70aは、メインCPU121から出力された制御信号にしたがい、対応するモータM1〜M8に駆動信号を出力する。
【0058】
また、フィギア供給装置6Bは、メインCPU121の指示にしたがって作動し、店舗サーバ2と通信を行うための回線の接続および切断を制御する通信制御部129および通信制御部129の指示にしたがい作動して、専用回線3を介して行われるデータの送受信を実行する通信処理部130とを有している。
【0059】
(センターサーバ群の構成)
センターサーバ群5は、ゲームごとに対応して設置された複数のゲームサーバ(図1では、2台のゲームサーバ101、102)と、データベースサーバ103とを有し、各ゲームサーバが専用回線104を介して接続されてLANを形成し、そのLANが図示しないルータを介してインターネット4に接続されている。
【0060】
ゲームサーバ101は、迷宮対戦ゲームを実行するために設置されていて、図12に示すように、CPU301、ROM302、RAM303、通信処理部304、通信制御部305およびデータ記憶部306を有している。そして、ゲームサーバ101では、CPU301がROM302に記憶されているプログラムにしたがいRAM303にデータを読み書きしながら作動し、一方、通信制御部305がCPU301の指示にしたがい通信処理部304を作動させる。
【0061】
ゲームサーバ101は、各店舗サーバ2とインターネット4を介してデータの送受信を行う。そして、各ゲームマシン1から送信される後述するエントリーデータを受信して遊技者の迷宮対戦ゲームへの参加(エントリー)受付および遊技者の参加情報の更新を行い、対戦相手となる遊技者を決定し、その結果をデータベースサーバ103に送信する。
【0062】
ゲームサーバ102は別のゲームを実行するために設置されたもので、ゲームサーバ101と比較して記憶しているデータやプログラムが異なるが、同じ構成を有している。
【0063】
データベースサーバ103は、CPU401、ROM402、RAM403、通信処理部404、通信制御部405およびデータ記憶部406を有している。そして、データベースサーバ103では、CPU401がROM402に記憶されているプログラムにしたがいRAM403にデータを読み書きしながら作動し、一方、通信制御部405がCPU401の指示にしたがい通信処理部404を作動させ、各店舗サーバ2とインターネット4を介してデータの送受信を行う。データ記憶部406には遊技者ID、遊技者の認証に用いられるパスワード、ゲームの種別およびゲームデータが記憶されている。遊技者IDは、ゲームマシン1により、IDカード17から読み取って送信されたものである。
【0064】
また、後述するとおり、データベースサーバ103には、各遊技者がゲームマシン1において、自己の使用するフィギア40を認証ユニット15にセットし、フィギアIDを読み取らせたことによって、その読み取らせたフィギア40に対応するフィギアIDがゲームマシン1から送信されるようになっている。データベースサーバ103は、ゲームマシン1から送信される1つの遊技者IDに対して、対応する複数のフィギアIDを関連付けて記憶可能なID管理ファイルがデータ記憶部406に形成されている。このID管理ファイルによって、遊技者およびその遊技者が使用するフィギアを管理するようにしている。このID管理ファイルは後述する遊技者の認証およびフィギアの認証で用いられる。
【0065】
ゲームデータは、迷宮対戦ゲームに登場する複数のキャラクタについて、各キャラクタを特徴づけるキャラクタ固有のデータ(各キャラクタのコスチューム、コスチュームカラーや、防御パラメータ、攻撃パラメータおよび攻撃範囲を含むキャラクタ能力値、特殊能力などを示す情報、以下「フィギア情報」という)と、各遊技者による迷宮対戦ゲームの履歴を示すデータが含まれている。このゲームデータは、データベースサーバ103からゲームマシン1に送信され、迷宮対戦ゲームで用いられる。
【0066】
(ゲームマシンの動作内容)
次に、以上の構成を有するゲームマシン1の動作内容について、図13〜図19に示すフローチャートを参照して説明する。なお、以下の説明では、遊技店舗Aに設置されている8台のゲームマシン1のうちの4台のゲームマシン1を、それぞれの遊技者が操作して同じ迷宮対戦ゲームを行う場合を例にとって説明する。
【0067】
図13は各ゲームマシン1におけるゲームの開始から終了までのゲーム処理の動作手順を示すフローチャートである。なお、図13および後述する図14〜図22ではステップをSと略記している。以下の説明では、4人の遊技者が操作するうちの1台のゲームマシン1を例にとって説明している。
【0068】
ゲームマシン1は電源投入時に店舗サーバ2に対してアプリケーションデータのダウンロード要求を送信し(後述するステップ100)、一方、店舗サーバ2がダウンロード要求を受信すると、ダウンロード要求を送信してきたゲームマシン1にアプリケーションデータを送信する(図20参照)。
【0069】
ゲームマシン1は、アプリケーションデータを受信すると、そのアプリケーションデータをRAM33に記憶させる。そして、ゲームマシン1では、メインCPU32がアプリケーションデータを読み込むと、本発明における遊技進行制御手段として作動して、遊技者の操作入力に応じて迷宮対戦ゲームを進行させる。各ゲームマシン1は店舗サーバ2およびセンターサーバ群5を介して互いに同期をとりながら、メインディスプレイ11に遊技画像を表示するようになっている。
【0070】
このとき、各ゲームマシン1は、ゲーム処理を開始すると、ステップ1に進んでコイン投入、IDカードの挿入、キャラクタ生成処理を含む後述のゲーム開始処理を行う。ステップ2では、ゲーム開始処理の結果から、後述するフィギア有りフラグに所定のデータがセットされている(セット有り)か否かを判定し、その判定結果に応じてステップ3、4に処理を分岐させて(フィギア有りフラグのセット有りのときはステップ3、そうでないときはステップ4)、いずれかの処理を行いステップ3に続くステップ5でフィギア有りフラグをクリアした上でステップ6に進み、対戦成績などのゲーム結果(対戦結果)の表示を行うとともに、後述する特定排出条件の成否判定を行う一方、データベースサーバ103において、ゲームデータを更新させるため、対戦結果を示すデータを店舗サーバ2を経由してデータベースサーバ103に送信する後処理を行い、処理を終了する。
【0071】
このように、ゲームマシン1では、フィギア有りモードと、フィギア無しモードのいずれかのモードで迷宮対戦ゲームを行えるようになっている。ただし、フィギア有りモードでは、フィギア無しモードよりもゲーム内容が遊技者にとって有益になるようになっている(詳しくは後述する)。
【0072】
(フィギア有りゲーム処理)
ゲームマシン1は図14、図15に示すフローチャートに沿って、それぞれフィギア有りゲーム処理、フィギア無しゲーム処理を行う。図14、図15はそれぞれフィギア有りモードにおけるゲーム処理(フィギア有りゲーム処理)、フィギア無しモードにおけるゲーム処理(フィギア無しゲーム処理)の動作手順を示すフローチャートである。
【0073】
ゲームマシン1はフィギア有りゲーム処理を開始すると、図14に示すステップ11に進み、店舗サーバ2からゲームデータを受信するまで待機して、そのゲームデータを受信すると、一旦RAM33に記憶させてから、ステップ11に進み、メインCPU32が遊技者の使用するフィギア40のフィギアIDに対応するフィギア情報を抽出する。こうして、抽出されたフィギア情報を用いてフィギア有りモードにおけるゲーム処理が行われるようにしている。続いて、ステップ12に進み、コスチューム、ダンジョン等の選択処理を行う。
【0074】
ここでは、メインCPU32がメインディスプレイ11において、以下の項目についての選択範囲をフィギア無しゲーム処理よりも広く設定している。この場合、メインディスプレイ11には図示しない選択画面が表示され、以下の項目を遊技者が選択できるようになっている。すなわち、新たにセッティングして認証された(または既に認証済みの)フィギア40に対応するキャラクタの属性(本実施の形態ではキャラクタが身に着けるコスチューム)と、迷宮対戦ゲームで用いるダンジョンを遊技者が選択できるようになっている。
【0075】
遊技者がメインディスプレイ11に指を触れて所望のコスチュームおよびダンジョンを選択すると、タッチパネル11aからその選択を示す情報がメインCPU32に入力される。ステップ12は、フィギア有りモードにおける処理なので、コスチュームは複数種類(例えば3種類)から選択でき、ダンジョンは通常形状および特殊形状の2通りから選択できる。これに対し、フィギア無しゲーム処理では、ステップ12に相当する処理がなく、前者はキャラクタごとに定められたデフォルトコスチュームのみの設定、後者は通常形状だけの設定になっている。
【0076】
続いてステップ13に進んで権利者決定処理を行う。ここでは、迷宮対戦ゲームに参加する遊技者(本実施の形態では4人の遊技者)のいずれかを後述する迷宮のずらしを行える遊技者(ずらし権利者)に決める。各遊技者は順番にずらし権利者に決定される。
【0077】
後続のステップ14ではずらしフェイズ処理を行う。ずらしフェイズ処理は図16に示すフローチャートに沿って行われる。ずらしフェイズ処理を開始すると、メインCPU32はステップ31に進み、画像制御回路71に指示してメインディスプレイ11に図24に示すような迷宮画像150を表示させる。この迷宮画像150は、4人の遊技者のずらし権利の有無や、攻撃の優先順位などを表示する遊技者表示部(Player1,2,3,4)150aと、複数の壁部により構成される迷路の画像を表示する迷路表示部150bとを有し、その迷路内に複数のキャラクタ51の画像が表示されている。また、入力促進画像として、設定時間と後述する第1の経過時間とを用いた残り時間の表示を含み、遊技者に操作入力を促すためのタイマー表示部150cを有し、さらにライフ表示部150dと、壁部の移動方法の説明を示す説明表示部150eとを有している。タイマー表示部150cは、メインCPU32がメインディスプレイ11に表示させており、第1の経過時間の時間が増えるにしたがい、表示される数値が減るようになっている。
【0078】
次に、ステップ32に進み、メインCPU32が第1の経過時間の計測を開始する。第1の経過時間は、遊技者が画面上で位置をずらす対象となる壁部(ずらし壁部)を決定したことを示す操作入力(進行操作入力または決定操作入力)をおこなえるようになった時刻(入力開始時刻)から、遊技者が所望の矢印aにタッチして、進行操作入力または決定操作入力を行うまでの時間経過を示している。続くステップ33では、メインCPU32がずらし壁部の決定が行われたか否かを判定し、ずらし壁部の決定が行われるとステップ36、行われなければステップ37に進む。ステップ36では、メインCPU32が決定された壁部をずらし壁部に設定して、キャラクタの動作(壁をずらす)を決める。
【0079】
一方、ステップ33からステップ37に進むと、第1の経過時間が、ずらし決定の制限時間(本実施の形態では15秒)以内であるか否かを判定し、第1の経過時間がずらし決定の制限時間以内であればステップ33に戻り、そうでなければステップ38に進んで、サンプリング回路36から抽出した乱数を用いるなどして、いずれかの壁部をランダムにずらし壁部に設定する。そして、ステップ39に進んでずらした後の迷宮画像を表示すると、ずらしフェイズ処理が終了する。
【0080】
続いて、ステップ15に進んで移動フェイズ処理が行われる。移動フェイズ処理は図17に示すフローチャートに沿って行われる。なお、この移動フェイズ処理は、同じ迷宮対戦ゲームを行う全てのゲームマシン1で同時に実行される処理である。
【0081】
移動フェイズ処理を開始すると、メインCPU32はステップ41に進み、画像制御回路71に指示して、メインディスプレイ11に図25に示すような移動フェイズの迷宮画像160を表示させる。
【0082】
次に、ステップ42に進み、メインCPU32が第2の経過時間の計測を開始する。第2の経過時間は、遊技者が自己のキャラクタの移動先を指定するための操作入力(移動先の指定)を行えるようになった時刻から、遊技者が移動先を指定した上で、移動先指定表示部160eにタッチし、遊技を進行させるための操作入力(進行操作入力または決定操作入力)を行うまでの時間経過を示している。続くステップ43では、メインCPU32が移動先の指定が行われたか否かを判定し、移動先の指定が行われるとステップ44、行われなければステップ48に進む。ステップ44に進むと、移動先までの床面の表示色を変更した画像(図示せず)を表示して移動先を明らかにしてステップ45に進む。そして、遊技者が移動先指定表示部160eの決定ボタンにタッチ(移動先の決定を行う)したか否かを判定し、タッチしたらステップ49に進み、タッチしていなければステップ48に進む。
【0083】
ステップ48に進むと、第2の経過時間が移動先決定の制限時間(本実施の形態では30秒)以内であるか否かを判定し、第2の経過時間が移動先決定の制限時間以内であればステップ43に戻り、そうでなければ後述する店舗サーバ2からの指示を待って移動フェイズ処理が終了する(この場合、キャラクタは移動せずに元の居場所に待機している)。また、ステップ49では、それまでのステップでの決定にしたがいキャラクタの動作(迷路内の移動)を決め、キャラクタを移動させた画像を表示させる。すると、移動フェイズ処理が終了する。なお、フィギア有りモードにおける移動フェイズ処理では、フィギア無しモードでは得られない報酬として、特殊カード(ランダムな移動ができるテレポートカードや、壁抜けができる壁抜けカードなど)を使用できるようになっている。
【0084】
ここで、図14に戻り、移動フェイズ処理に続くステップ16に進むと、メインCPU32が戦闘発生か否かを判定する。ここで、戦闘発生の場合(迷宮上における攻撃可能範囲内に複数のキャラクタが存在する場合)はステップ17に進むが、戦闘発生でなければステップ20に進む。
【0085】
ステップ17では戦闘選択フェイズ処理を行う。ここでは、メインCPU32が画像制御回路71に指示して、メインディスプレイ11に図26に示すような戦闘選択画像170を表示させる。この戦闘選択画像170を参照しながら、各遊技者(本実施の形態では4人)が攻撃相手の選択を行い、キャラクタの技を示す技カードの使用有無および使用する技カードの選択を行う。なお、各キャラクタによる攻撃の順番はずらし権利者を基準としている。
【0086】
続くステップ18では対戦処理を行う。すなわち、各キャラクタはフィギア情報によって、それぞれの攻撃力および防御力が特定され、攻撃範囲も設定されるので、対戦するキャラクタにおける攻撃パラメータと防御パラメータとを比較して、各キャラクタの勝敗を決める。この場合、サブディスプレイ12には、図27に示すように、キャラクタ181a,181bが対戦する様子を示した対戦画像180が表示される。
【0087】
そして、ステップ19では戦闘終了および持点計算処理を行う。ここでは、ステップ18の対戦処理の結果(対戦相手になったキャラクタの種別および勝敗結果)に応じて、ライフの加算または減算を行い、キャラクタに対する称号、宝珠の付与または剥奪を行う(フィギア有りモードでは、キャラクタの行動に応じて、「覇者」、「主」、「達人」など様々な称号が付与される)。続くステップ20では、終了条件の成否を判定し、終了条件が成立している場合(持点が0以下)はフィギア有りゲーム処理を終了し、そうでなければ(持点>0)ステップ13に戻って上記の処理を繰り返す。持点が0以下になった遊技者については迷宮対戦ゲームが終了し、代わりにメインCPU32が別のキャラクタとして参戦する。なお、図示はしないが、ライフがなくなった遊技者は回復カードの使用またはコイン投入によって、ライフが一定量回復する。
【0088】
(フィギア無しゲーム処理)
図15に示すフィギア無しゲーム処理では、図14に示すフィギア有りゲーム処理とほぼ同様のフローチャートに沿って処理が行われる。フィギア無しゲーム処理はフィギア有りゲーム処理と比較すると、ステップ12がない点で異なっている。
【0089】
フィギア無しモードでは、フィギアを用いないでゲームを進行させるが、ゲームデータを受信してRAM33に記憶させ、応答信号にフィギアIDが含まれているとき(認証済みのフィギアがあるとき)はそのフィギアIDに対応するフィギア情報の抽出を行う。
【0090】
また、ステップ12を実行しないので、上述したとおり、フィギア有りモードとは違ってコスチュームとダンジョンの選択の余地がなく、フィギア有りモードにおける迷宮対戦ゲームと比較して、ゲーム内容が制限されたものとなっている。さらに、ステップ15で選択可能な各種カード、ステップ17で選択可能な技カードの選択範囲も制限されている。
【0091】
そして、ステップ19でキャラクタに対して対戦結果に応じた称号の付与を行うが、フィギア無しモードでは、対戦結果がよくても「浪人」の称号しか付与されないようになっている。
【0092】
このように、ゲームマシン1では、フィギア40を用いる場合だけでなく、フィギア40を用いない場合でもゲームを進行することができる。また、フィギア40を用いると、用いない場合には得られない利益が得られるようになっているため、フィギアに対する収集意欲を抱かせることができ、迷宮対戦ゲーム本来の特徴を活かした面白みを提供することができる。特に、フィギア40を用いて迷宮対戦ゲームを行うと、ゲームの進行内容によって、そのフィギアに対応するキャラクタの持点が増えたり、攻撃力や防御力がアップしたり、称号が付与されるといった利点があるため、フィギアを繰返し使用しようとする気持ちを抱かせ、遊技者に満足感を与えることができる。
【0093】
(ゲーム開始処理)
ステップ1のゲーム開始処理は図18に示すフローチャートに沿って行われる。図18はゲーム開始処理の動作手順を示すフローチャート、図19はキャラクタ生成処理の動作手順を示すフローチャートである。
【0094】
メインCPU32はゲーム開始処理を開始するとステップ61に進み、メッセージ出力処理を行い、画像制御回路71に指示してメインディスプレイ11に所定のメッセージ(コイン投入要求、IDカードの挿入要求およびパスワードの入力要求)を表示させる。続いて、ステップ62,63と処理を実行する。
【0095】
遊技者は、ゲームを開始するためには、コインをコイン投入口6から投入するとともに、IDカード17をカードスロット18に挿入し、操作ユニット19を用いてパスワードを入力する。すると、投入されたコインの検出信号がコインセンサ16aからメインCPU32に入力され、カードリーダ18aからはIDカード17に記憶されているカード情報が入力される。さらに、操作ユニット19からパスワードが入力され、これらすべての入力があるとステップ63に進み、メインCPU32が通信制御部21に指示して通信処理部22を作動させ、読み取ったカード情報および入力されたパスワードを店舗サーバ2に送信する。
【0096】
続くステップ64では、後述する応答信号をセンターサーバ5から受信するまで待機して、その応答信号を受信するとステップ65に進む。ステップ65では、フィギアの有り、無しと、応答信号から認証(登録)済みか否かを区別して、選択可能な各種キャラクタのいずれかを選択させる選択画面の表示をメインディスプレイ11で行うための指示を行い、続くステップ66では、タッチパネル11aのタッチがあるまで待機して、タッチがあるとステップ67に進み、ステップ65でフィギア有りを選択したか否かを判定する。ここで、フィギア有りを選択した場合はステップ68に進み、そうでなければステップ69に進む。ステップ68に進むと、後述するキャラクタ生成処理を行い、ステップ69ではフィギア不使用によるキャラクタ生成指示(ノンフィギアのキャラクタ生成指示)データを後述するエントリーデータにセットし、いずれも後続のステップ70に進む。詳しくは、ステップ67では、初めてフィギアを用いるときおよび既に認証済みのフィギアがあり、その認証済みのフィギアとは別のフィギアを用いるときのいずれにおいても、遊技者によってフィギア有りが選択されると、ステップ68に進み、キャラクタ生成処理が行われる。また、初めからフィギアを用いないときおよび既に認証済みのフィギアがあるのにそのフィギアを用いないときは、遊技者によってフィギア無しが選択されると、ステップ69に進む。
【0097】
そして、ステップ68に進むと、メインCPU32は図19に示すフローチャートに沿ってキャラクタ生成処理を行う。この処理を開始すると、ステップ81に進み、フィギアのセット要求メッセージ出力処理を行う。ここでは、メインCPU32が画像制御回路71に指示してメインディスプレイ11に、フィギア40を認証ユニット15に装着し、フィギアIDを読み取るセッティングを要求するメッセージ(例えば、“フィギアの台座を操作パネル上の認証ユニットにセットしてください。フィギアの認証が始まると、認証ユニットが明るく点灯しますので、明かりが消えるまでフィギアをはずさないで下さい”)を表示させ、続くステップ82では、フィギアIDの読み取りが終わるまで待機する。遊技者が表示されるメッセージにしたがいフィギア40を認証ユニット15にセットすると、認証ユニット50がフィギア40のICチップ44に記憶されているフィギアIDを読み取り、メインCPU32に入力する。すると、ステップ71に進み、メインCPU32が読み取ったフィギアIDを含むキャラクタ生成指示データをエントリーデータにセットし、続くステップ84では、認証ユニット15によるフィギア40のフィギアIDの読取(フィギアのセッティング)が行われたことを示すフィギア有りフラグに所定のデータ(本実施の形態では“1”)をセットし、ステップ84を実行すると、キャラクタ生成処理が終了する。
【0098】
ステップ70に進むと、メインCPU32が通信制御部21に指示して通信処理部22を作動させ、エントリーデータを店舗サーバ2に送信する。ステップ70が終了すると、ゲーム開始処理が終了する。
【0099】
このように、ゲームマシン1は、フィギアのセッティングが行われたときにフィギア有りフラグに所定のデータをセットするようにしている。一旦、フィギアのセッティングを行うと、キャラクタ生成指示データを含むエントリーデータが店舗サーバ2を介してデータベースサーバ103に送信され、データベースサーバ103においてそのフィギアIDがそのセッティングを行った遊技者固有の遊技者IDに関連付けてID管理ファイルに記憶され、そのフィギアを認証済か否かの判断に用いられる。また、ID管理ファイルによるフィギアの認証済か否かの判定結果が応答信号として、データベースサーバ103から送信されるので、遊技者は認証済みのフィギアに対応するキャラクタを選択して迷宮対戦ゲームを行える。ただし、フィギアのセッティングを行わないと、フィギア有りフラグのセットが行われないので、たとえフィギアの認証済みでも、迷宮対戦ゲームをフィギア有りモードで行うには、フィギア40を認証ユニット15にセットしてフィギアIDの読取を行う必要がある。
【0100】
そして、セッティングを行うと、読み取ったフィギアIDに対応するフィギア情報がデータベースサーバ103で生成され、フィギア40のセッティングを繰返し行わなくても迷宮対戦ゲームを行えるようになっている。
【0101】
一方、ゲームマシン1、店舗サーバ2およびセンターサーバ群5では、上述の処理に対応して、図20に示す順序で処理が実行されている。図20は、ゲームマシン1、店舗サーバ2およびセンターサーバ群5の間で行われる動作シーケンスを示すシーケンスチャートである。
【0102】
ゲームマシン1では、ステップ100において、店舗サーバ2にダウンロード要求を送信してアプリケーションデータをダウンロードし、上述のとおりステップ63でカード情報等を送信する。すると、センターサーバ群5では、ステップ301に進んで、データベースサーバ103におけるCPU401がゲームマシン1から送信されたカード情報およびパスワードを用い、ID管理ファイルを参照するなどして遊技者およびフィギアが登録されているか否かを判断する認証処理を行い、登録済の場合は認証済としてステップ302に進み、その認証結果を示す応答信号をゲームマシン1に送信する。この場合、データベースサーバ103では、各店舗A,Bに8台ずつ設置されているゲームマシン1に対して、同様の認証処理を行う。
【0103】
また、ゲームマシン1では、上述のステップ68に示したエントリーデータの送信を行う。すると、センターサーバ群5では、ステップ303に進んでゲームサーバ101により、各ゲームマシン1からのエントリーデータを用いて、遊技者のエントリー受付を行う。さらに、後続のステップ304では遊技者の参加情報の更新およびキャラクタ生成指示データに対応するフィギアID(このフィギアIDには、認証されていない新規登録のフィギアと、認証済みで再度認証するフィギアの双方のフィギアIDが含まれる)を用いてID管理ファイルへのフィギアの登録または更新と、フィギア情報の生成または更新を行い、続くステップ305で対戦相手となる遊技者(本実施の形態では4名)を決定する。また、ステップ306では、データベースサーバ103が対戦相手になる各遊技者のゲームデータを抽出してステップ307に進み、抽出したゲームデータを店舗サーバ2に送信する。店舗サーバ2では、ゲームデータを受信すると、それを各ゲームマシン1に送信する。
【0104】
以上で詳細に説明したゲームマシン1の動作中において、メインCPU32は、迷宮対戦ゲームのゲーム進行における所定条件(フィギア40をフィギア供給装置6Bに排出させる排出条件)が成立したタイミングで(排出条件が迷宮対戦ゲームの進行中に成立している)、フィギア40の供給指示を示す指示情報を通信処理部22に入力する。通信処理部22に、この指示情報が入力されると、通信処理部22は、指示情報が入力されたタイミングで、フィギア供給装置6Bに対してフィギア40の排出指示を送信する。ここで、ゲーム進行における所定条件とは、例えば、特定の戦闘相手に勝利したり、所定個数の宝珠を入手したり、ゲームで得た得点やゲームの達成度等のゲーム進行度が一定以上になったりすること等である。なお、フィギア40の供給指示を示す指示情報には、上述したグループコードが格納部識別情報として含まれており、そのグループコードを含む排出指示が、ゲームマシン1からフィギア供給装置6Bに送られる。
【0105】
そして、メインCPU32は、迷宮対戦ゲームの進行中に特定排出条件(排出条件よりも成立し難く、レアフィギアを排出させるための条件)が成立したときにフィギアグループHのグループコードを含む排出指示をフィギア供給装置6Bに対して送信する。ここで、特定排出条件は、遊技者が最終目標となるキャラクタをごく短時間で倒した場合(例えば3分以内)、遊技者の持点(ライフ)が、獲得が極めて困難とされる特定の点数(例えば1000点)に到達した場合、最終目標となるキャラクタを倒すまでに繰り返したゲームの実行回数が極めて少ない場合(例えば3回)に成立するようになっている。
【0106】
(フィギア供給装置の動作内容)
フィギア供給装置6Bがゲームマシン1から排出指示を受信すると、メインCPU121は、排出ユニット54から1個のカプセル57を排出させる。
【0107】
図21を参照しつつより具体的に説明すると、フィギア供給装置6Bは、まずステップ401において、通信処理部(受信手段)130でゲームマシン1からの排出指示を受信すると、メインCPU121は、ステップ402で、その排出指示に含まれるグループコードを抽出し、続くステップ403において、8つの格納部60の中からそのグループコードに対応する格納部60を特定する(ここで特定される格納部60はグループコードによって特定(識別)されるグループのフィギアが格納されている)。そして、ステップ404において、メインCPU121は本発明における排出制御手段として作動し、特定した対象格納部60の格納済みフィギアを排出するように、対象格納部60の遮断板65(例えば、対象格納部60の排出用グループコードが“B”で、遮断板652の場合)を開放させるための開放制御信号を駆動制御回路70aに出力する。すると、駆動制御回路70aはその開放制御信号に対応するモータ(例えば、モータM2)を駆動して遮断板652を開放させる。すると、スロープ62aにおける遮断板652の最も近くに位置しているカプセル57が吐出口64から転がり出て、図10に示すように、排出路66を通ってカプセル取出口56に排出される。
【0108】
以上で詳細に説明したように、ゲームシステム8(すなわち、ゲームマシン1およびフィギア供給装置6B)においては、ゲームマシン1のメインCPU32は、迷宮対戦ゲームのゲーム進行における所定条件が成立すると、ゲームマシン1の通信処理部22からフィギア供給装置6Bにフィギア40の排出指示を送信する。そして、この排出指示がフィギア40の通信処理部130によって受信されると、フィギア40のメインCPU121(排出制御手段)は、排出ユニット54からフィギア40入りのカプセル57を排出させる。すなわち、ゲームシステム8は、迷宮対戦ゲーム上の所定条件が成立した場合に、フィギア40を遊技者に提供することができるため、販売しか行えない従来のゲームとは異なったフィギア40の供給態様を実現している。このように、迷宮対戦ゲームの所定条件の成立によってフィギア40を供給することで、遊技者に対して、ゲームの特典としてフィギア40を提供することができる。
【0109】
特に、迷宮対戦ゲームの実行中に特定排出条件が成立すると、フィギアグループHのグループコードを含む排出指示が送信され、フィギア供給装置6Bからレアフィギアが排出されるので、遊技者が最終目標となるキャラクタをごく短時間で倒すなど、迷宮対戦ゲームで大勝、楽勝した場合には、そのことの特典としてレアフィギアが供給される。レアフィギアは迷宮対戦ゲームで大勝、楽勝したとき以外には手に入らない希少性の高いフィギアであるから、遊技者にとっては、それを保有することが一種のステイタスのようになる。そのため、ゲームシステム8は遊技者に対して、レアフィギアを獲得しようとする意欲を持たせることができ、遊技の興趣を高めることができる。
【0110】
なお、ゲームマシン1からフィギア供給装置6Bへ排出指示が送られるのは、迷宮対戦ゲームのゲーム進行における所定条件が成立した際だけでなく、排出指示は遊技者がゲームマシン1を用いてフィギア40を購入する際にも送信される。より具体的には、図18に示したゲーム開始処理中の所定のステップにおいて、ゲームマシン1は、遊技者からのフィギア購入指示(供給指示)をタッチパネル(受付手段)11aによって受け付ける。そして、タッチパネル11aによってフィギア購入指示が受け付けられると、直ちにゲームマシン1の通信処理部22からフィギア供給装置6Bにフィギア40の排出指示が送信される。このようにすると、ゲームシステム8では、フィギア40の購入を希望する遊技者に対して、所定条件が成立したとき以外にもフィギア40を提供することもできる。なお、フィギア購入指示および排出指示には、上述した供給指示と同様にフィギア40のグループコードが含まれており、遊技者が所望するグループのフィギア40が、フィギア供給装置6Bの排出ユニット73から選択的に排出される。
【0111】
このように、ゲームシステム8においては、ゲームマシン1の通信処理部22からフィギア供給装置6Bの通信処理部130に排出指示を送信することで、遊技者からフィギア購入指示を受け付けてフィギア40を販売するときだけでなく、迷宮対戦ゲーム上において所定条件が成立したときなど、多様な供給態様でフィギア40を供給することができる。そして、上述したように排出指示にグループコードが含まれる場合には、フィギア供給装置6Bは、特定グループのフィギア40を選択的に遊技者に提供することができる。
【0112】
上述した実施形態では、排出指示にグループコードが含まれる態様を示したが、排出指示は必ずしもグループコードを含まなくてもよい。図22を参照しつつより具体的に説明すると、フィギア供給装置6Bは、まずステップ501において、通信処理部130でゲームマシン1からグループコードを含まない排出指示を受信すると、メインCPU121は、ステップ502において、抽選手段として作動して乱数発生器125に指示して乱数(本実施の形態では1〜80)を発生させてサンプリング回路126に指示し、乱数発生器125が発生させた乱数の中から任意の乱数を抽出する乱数抽選を行う。そして、続くステップ503において、メインCPU121は、特定手段として作動して、乱数抽選の結果に基づいて格納部60を特定する。すなわち、メインCPU121は、ステップ502で抽出した乱数をサーチキーに設定し、図23に示す乱数とグループコードとを関連付けて記憶しているグループコードテーブル(ROM123に記憶されている)をサーチして、乱数に対応するグループコードを取得し、また、取得したグループコードに対応する格納部60を特定する。続いて、上述したステップ404と同様にして、特定された格納部60に格納されたカプセル57をカプセル取出口56から排出させる。
【0113】
そして、図30に示すように、ステップ401とステップ402の間にステップ505を設けてステップ505の判定結果したがい処理を分岐させ、ステップ402,403、ステップ404と順次実行するか、ステップ502,503、504、404と順次実行するようにしてもよい。ステップ505では、通信処理部130で受信した排出指示がグループコードを含むか否かが判定され、グループコードを含むときはステップ402に進み、含まれていないときはステップ502に進む。こうすると、排出指示にグループコードが含まれていたときは特定手段として作動するメインCPU121によりそのグループコードにしたがい格納部60が特定されるが、排出指示にグループコードが含まれていないときはメインCPU121により乱数抽選の結果に基づいて格納部60が特定されるようになる。
【0114】
なお、ゲームシステム8では、遊技用物品としてフィギア40を例にとって説明しているが、本発明は、フィギア40とは異なる遊技用物品を用いる場合にも適用がある。例えば、キャラクタに対応する絵や図柄とともに、ID情報などを記憶しているバーコードが描かれた遊技用カード(トレーディングカードともいう)のようなカード状の遊技用物品を用いてもよいし、カセットを用いてもよい。また、迷宮対戦ゲームを行えるゲームマシン1を例にとって説明しているが、他の画像遊技を行えるゲーム機についても適用がある。例えば、野球、サッカーなど複数の選手を登場させるゲームで、各選手に対応するフィギアやカセットを用いてチームプレーをシミュレーションできるゲーム機などである。また、ゲームマシン1では、遊技画像を表示するメインディスプレイ11、サブディスプレイ12を備えていたが、メインディスプレイ11、サブディスプレイ12を別体としてもよい。さらに、格納部の数は、8つに限定されず、適宜増減することが可能である。
【0115】
第2の実施の形態
(ゲームシステムの構成)
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図28は、本発明の第2の実施の形態に係るゲームシステム200のシステム構成図、図29は、ゲームシステム200を構成する携帯電話機111の内部構成を他の主要な構成要素とともに示すブロック図である。ゲームシステム200は、上述したネットワークシステム100と同様の構成に加え、さらに、携帯電話機111、基地局110および家庭用ゲーム機112を有している。
【0116】
携帯電話機111は、無線によるインターネット4への接続環境を備え、基地局110を介してゲームサーバ101および店舗サーバ2と通信を行うことによって、上述したゲームマシン1と略同様の動作を実現できるようになっている。また、携帯電話機111は、無線によるインターネット4への接続環境を備えているため、ゲームマシン1とは異なり、遊技店舗A,B以外の場所でも迷宮対戦ゲームが行える。
【0117】
そして、携帯電話機111は、図示しない制御局の管理下にある一斉呼出エリア内に設置された基地局110がカバーする無線ゾーンに在圏して他の携帯電話機(図示せず)とともに移動通信システムを構成し、基地局110を介して無線通信を行いつつ互いに音声による通信を行える。
【0118】
携帯電話機111は、図29に示すようにCPU501、ROM502、RAM503、操作入力部504、液晶表示部505を有している。また、携帯電話機111は、データ記憶部506、音声変換処理部507、通信制御部508、無線通信部509、スピーカ510およびマイク511を有している。CPU501は、ROM502に記憶されているプログラムにしたがって作動し、携帯電話機111全体の動作制御を司る。ROM502はCPU501が実行するプログラム、例えば、携帯電話機111が無線通信を行うための通信制御プログラムが記憶されている。RAM503には、迷宮対戦ゲームの実行を制御するゲーム制御プログラムや、上述したゲームデータなどのCPU501によるプログラムの実行に必要なデータが記憶される。
【0119】
操作入力部504は複数の操作入力ボタンを有し、各操作入力ボタンの入力操作により入力されたデータをCPU501に入力する。例えば、操作入力部504は、複数の文字入力ボタン、発信ボタン、着信ボタン、受信メールの確認操作ボタン、インターネット4への接続操作ボタンなどを有している。液晶表示部505は、LCD(Liquid Crystal Display)とその駆動部を有し、文字、図形、記号などの画像表示を行う画像表示手段である。例えば、発信する際の相手先の電話番号や、現在時刻、着信履歴、受信メール、待受画像、さらには、ゲームサーバ101から提供される種々のゲームを行うときのゲーム実行画面等の画像を表示する。
【0120】
データ記憶部506は種々のデータが記憶される。携帯電話機111は、ゲームマシン1のように、認証ユニット15、コイン投入口16、カードスロット18を有していないので、コインの投入、IDカード17の挿入さらにはフィギア40のICチップ44からの読取を行うことができない。そのため、コイン投入を行うことなく迷宮対戦ゲームが行えるようにするため、遊技者によって事前に行われた入金処理に基づく入金情報がゲームサーバ101で管理されていて、その入金情報の残高情報がデータ記憶部506に記憶されている。また、データ記憶部506には、IDカード17に記憶されるカード情報や、ゲームマシン1を用いた読取が行われ、迷宮対戦ゲームでの使用実績のあるフィギアに対応する情報(対応フィギア情報)が記憶されている。対応フィギア情報には、フィギア40のICチップ44に記憶されるフィギアID,フィギア40(特に人形部47)を示すフィギア画像を液晶表示部505に表示させるためのフィギア画像情報が含まれている。携帯電話機111は、データ記憶部506にこのような情報を記憶することにより、迷宮対戦ゲームをゲームマシン1で実行するときのようにIDカード17やフィギア40そのものを用いなくても、迷宮対戦ゲームが行えるようになっている。
【0121】
データ記憶部506に記憶される対応フィギア情報は、迷宮対戦ゲームでの使用実績のあるフィギアに対応する情報であるため、携帯電話機111を用いて上述したフィギア有りモードと同等の条件下で迷宮対戦ゲームを行うには、一度遊技店舗A、Bにおいてゲームマシン1でフィギア40の認証を行うなどして迷宮対戦ゲームを行い、データベースサーバ103のID管理ファイルに必要な情報を記憶させておく必要がある。ID管理ファイルに必要な情報を記憶させた後は、遊技店舗A、B以外の場所でも、携帯電話機111により、対応フィギア情報を用いることによってフィギアそのものを用いなくても、フィギア有りモードと同等の条件下で迷宮対戦ゲームを行えることとなる。なお、データベースサーバ103が携帯電話機111からのアクセスに応じて所定の処理を行い、ID管理ファイルに必要な情報を記憶させることによって、遊技者がゲームマシン1でフィギア40の認証を行うなどして迷宮対戦ゲームを行わなくても、携帯電話機111によりフィギア40を用いずに迷宮対戦ゲームを行えるようにしてもよい。
【0122】
音声変換処理部507は、音声データを伸張してスピーカ510に出力する一方、マイク511から入力するアナログ音声信号をデジタルの音声データに変換および圧縮して、無線通信部509に入力する。通信制御部508はCPU501の指示を受けて作動し、基地局110と通信を行うための回線の接続および切断を制御する。無線通信部509は通信制御部508の制御にしたがい、無線によるデータの送受信を実行する無線通信手段である。すなわち、基地局110に送信すべき情報を移動体通信網で扱われる信号に変換した後、電波に重畳して送信する一方、基地局110から電波を受信し、その受信した電波に重畳されている信号から情報を取り出す。スピーカ510は、通話相手の会話やゲーム実行中の音声を出力する音声出力手段であり、マイク511は利用者の会話内容等の音声を入力し、電気信号に変換する。
【0123】
家庭用ゲーム機112は、インターネット4に接続可能な動作環境を備えた遊技者個人が所有するまたは借り受けるなどして保有する家庭用ゲーム専用機である。この家庭用ゲーム機112は、上述したゲームマシン1と略同様の動作を実現できるようにゲームマシン1と略同様の構成を有している。
【0124】
(ゲームシステムの動作内容)
次に、ゲームシステム200の動作内容について、主に携帯電話機111の動作を中心に説明する。携帯電話機111は、基本的には上述したゲームマシン1と同様にしてゲーム処理を行う。しかし、携帯電話機111は、ゲームマシン1と異なり、認証ユニット15、コイン投入口16、カードスロット18を有していないので、ゲーム開始処理におけるステップ62が異なり(コインの投入、カード情報の入力に相当するデータ処理が行われる)、タッチパネル11aを有していないので、ステップ66では、操作入力部504を用いたボタン操作が行われるまで待機する。さらに、キャラクタ生成処理におけるステップ81、82でも異なる処理が行われる(それぞれ、対応フィギア情報を受信する旨のメッセージ出力処理と、対応フィギア情報の受信終了まで待機する処理が行われる)。そのほか、携帯電話機111は、データ記憶部506に記憶されている入金情報の残高情報、カード情報および対応フィギア情報を参照しながらゲーム処理を行う。
【0125】
そして、CPU501は、迷宮対戦ゲームのゲーム進行における所定条件が成立したタイミングで、通信制御部508に指示して無線通信部509を作動させ、フィギア40の排出指示を基地局110、インターネット4および店舗サーバ2を介してフィギア供給装置6Bに送信する。フィギア供給装置6Bは、携帯電話機111からの排出指示を受信すると、第1の実施の形態と同様の処理を行い、フィギア40入りのカプセル57を排出させる。そのため、ゲームシステム200も、上述したゲームシステム8と同様に、迷宮対戦ゲーム上の所定条件が成立すると、フィギア40を遊技者に供給可能となる。そのため、ゲームシステム200は販売しか行えない従来のゲームシステムとは異なったフィギア40の供給態様を実現し、フィギア40の多様な供給形態を実現可能となっている。
【0126】
しかしながら、携帯電話機111は、無線で店舗サーバ2と通信を行え、屋外でもゲームを行えるため、遊技者が迷宮対戦ゲームを必ずしも遊技店舗A,B内で行っているとは限らず、むしろ、自宅や喫茶店、駅のホームといった遊技店舗A,B以外の場所で行っていることが多いと考えられる。その場合、携帯電話機111から排出指示を送信したことによって、フィギア供給装置6Bが遊技者本人の不在のままフィギア40入りのカプセル57を排出させると、せっかくのフィギア40を本人以外の他人が取得してしまうおそれがある。
【0127】
したがって、フィギア供給装置6Bは、通信処理部130が携帯電話機111から送信された排出指示を受信したときは、直ちにフィギア40を排出せずに、以下のようにするとよい。すなわち、メインCPU121が排出許可データ生成手段として作動して、フィギア40を排出させるための排出許可データを生成する一方、送信制御手段として作動して通信制御部129に指示し、その生成された排出許可データを通信処理部130によって携帯電話機111宛に送信させることが望ましい。
【0128】
そして、排出許可データが送信されると、携帯電話機111はその排出許可データを受信し、CPU501が受信した排出許可データをデータ記憶部506に記憶させる。また、遊技者が携帯電話機111を携帯して遊技店舗A,Bにまで足を運び所定の操作を行うと、CPU501が無線通信部509を作動させてデータ記憶部506に記憶させた排出許可データをフィギア供給装置6Bに送信させる。一方、フィギア供給装置6Bでは、携帯電話機111から排出許可データを受信したときに排出制御手段として作動するメインCPU121が排出ユニット54にフィギア40を排出させる。こうすることによって、フィギア40を遊技者本人が取得可能となり、他人が取得してしまうおそれを排除することができる。
【0129】
なお、上述した実施形態では、ゲーム進行における所定条件が成立したタイミングで、メインCPUが通信処理部に指示情報を入力する態様を示したが、指示情報の入力のタイミングは、ゲーム性や演出等を考慮して、ゲーム終了のタイミングや、その他の所定条件が成立した後のタイミングなど、所定のタイムラグを設けることができる。同様に、通信処理部がフィギア供給装置に対して排出指示を送信するタイミングについても、指示情報の入力直後に限らず、ゲーム性や演出等を考慮して所定のタイムラグを設けることが可能である。また、ゲームマシンが遊技者からフィギア購入情報をタッチパネルによって受け付けた際に、通信処理部がフィギア供給装置に対して排出指示を送信するタイミングも、やはりゲーム性や演出等を考慮して所定のタイムラグを設けることが可能である。
【0130】
上述の各実施形態では、フィギア供給装置6Bは遊技店舗に1台ずつ備えられ、複数のゲームマシン1で共有して用いられているが、各ゲームマシン1に個別に備えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0131】
【図1】本発明によるゲームマシンを複数備えたネットワークシステムのシステム構成図である。
【図2】複数のゲームマシンとカード販売機とフィギア供給装置とを示す斜視図である。
【図3】ゲームマシンの全体構成を示す斜視図である。
【図4】内部の構成を中心に示すゲームマシンのブロック図である。
【図5】画像制御回路の内部構成の一例を示すブロック図である。
【図6】店舗サーバを示すブロック図である。
【図7】フィギアの構成を示す分解斜視図である。
【図8】フィギア供給装置の全体構成を示す斜視図である。
【図9】フィギア供給装置の一部を破断して示す斜視図である。
【図10】フィギア供給装置の要部を模式的に示す側面図である。
【図11】内部の構成を中心に示すフィギア供給装置のブロック図である。
【図12】ゲームサーバおよびデータベースサーバを示すブロック図である。
【図13】ゲームマシンにおけるゲームの開始から終了までのゲーム処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図14】フィギア有りゲーム処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図15】フィギア無しゲーム処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図16】ずらしフェイズ処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図17】移動フェイズ処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図18】ゲーム開始処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図19】キャラクタ生成処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図20】ゲームマシン、店舗サーバおよびセンターサーバの間で行われる動作シーケンスを示すシーケンスチャートである。
【図21】フィギア供給装置の動作内容を示すフローチャートである。
【図22】フィギア供給装置の動作内容を示すフローチャートである。
【図23】グループコードテーブルを示した図である。
【図24】迷宮画像を示す図である。
【図25】別の迷宮画像を示す図である。
【図26】戦闘選択画像を示す図である。
【図27】対戦画像を示す図である。
【図28】第2の実施の形態に係るゲームシステムのシステム構成図である。
【図29】図28に示したゲームシステムを構成する携帯電話機の内部構成を他の主要な構成要素とともに示すブロック図である。
【図30】フィギア供給装置の別の動作内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0132】
1…ゲームマシン、2…店舗サーバ
6B…フィギア供給装置、8…ゲームシステム
11a…タッチパネル、12…サブディスプレイ
21,129…通信制御部
22,130…通信処理部
31…マイクロコンピュータ、32…メインCPU
33…RAM、34…ROM、40…フィギア
57…カプセル、53…格納ユニット
54…排出ユニット、100…ネットワークシステム
111…携帯電話機、121…メインCPU
501…CPU、509…無線通信部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別情報を記憶する遊技用物品を格納する格納ユニットおよび前記遊技用物品を排出する排出ユニットを有する遊技用物品供給装置と、前記遊技用物品から前記識別情報を読み取ると共に、前記遊技用物品に対応する遊技画像を用いた画像遊技を行える遊技機とを備え、
前記遊技機は、
前記遊技用物品供給装置に対して前記遊技用物品の排出指示を送信する送信手段を有し、
前記遊技用物品供給装置は、
前記遊技機から前記排出指示を受信する受信手段と、
前記受信手段が前記排出指示を受信したときに、前記排出ユニットに前記遊技用物品を排出させる排出制御手段とを有するゲームシステム。
【請求項2】
前記遊技機は、遊技者からの前記遊技用物品の供給指示を受け付ける受付手段をさらに有し、
前記遊技機の送信手段は、前記受付手段が前記供給指示を受け付けたことに基づいて、前記排出指示を前記遊技用物品供給装置に対して送信する、請求項1記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記遊技機は、前記画像遊技の進行を制御する遊技進行制御手段をさらに備え、
前記遊技進行制御手段は、遊技進行上の所定条件が成立したことに基づいて、前記遊技用物品の供給指示を示す指示情報を前記送信手段に入力し、
前記送信手段は、前記遊技進行制御手段から前記指示情報が入力されたことに基づいて、前記排出指示を前記遊技用物品供給装置に対して送信する、請求項1又は2記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記遊技機は、前記画像遊技の進行を制御する遊技進行制御手段を更に有し、
該遊技進行制御手段は、前記遊技用物品を排出させる排出条件が遊技進行中に成立したことに基づいて、前記遊技用物品の所属グループを示すグループコードを含み、前記遊技用物品の供給指示を示す指示情報を前記送信手段に入力し、
前記送信手段は、前記遊技進行制御手段から前記指示情報が入力されたことに基づいて、前記排出指示を前記遊技用物品供給装置に対して送信し、
前記遊技用物品供給装置は、前記受信手段によって受信された前記排出指示に含まれている前記グループコードに基づいて前記排出ユニットに排出させる前記遊技用物品を格納した格納部を特定する特定手段を更に有することを特徴とする請求項1または2記載のゲームシステム。
【請求項5】
前記遊技進行制御手段は、前記所定条件または排出条件よりも成立し難く、かつ希少性の高い前記遊技用物品を排出させる特定排出条件が遊技進行中に成立したときは、前記希少性の高い遊技用物品の所属グループを示すグループコードを含む前記指示情報を前記送信手段に入力することを特徴とする請求項3または4記載のゲームシステム。
【請求項6】
前記遊技機が無線によるデータの送受信を実行する無線通信手段を更に有し、
前記遊技用物品供給装置は、前記無線通信手段を備えた前記遊技機から送信された前記排出指示を前記受信手段が受信したときに前記排出ユニットに前記遊技用物品を排出させるための排出許可データを生成する排出許可データ生成手段と、
該排出許可データ生成手段により生成された前記排出許可データを前記無線通信手段を備えた前記遊技機に送信させる送信制御手段とを更に有し、
前記排出制御手段は、前記無線通信手段を備えた前記遊技機から前記排出許可データ生成手段により生成された前記排出許可データを受信したときに前記排出ユニットに前記遊技用物品を排出させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載のゲームシステム。
【請求項1】
識別情報を記憶する遊技用物品を格納する格納ユニットおよび前記遊技用物品を排出する排出ユニットを有する遊技用物品供給装置と、前記遊技用物品から前記識別情報を読み取ると共に、前記遊技用物品に対応する遊技画像を用いた画像遊技を行える遊技機とを備え、
前記遊技機は、
前記遊技用物品供給装置に対して前記遊技用物品の排出指示を送信する送信手段を有し、
前記遊技用物品供給装置は、
前記遊技機から前記排出指示を受信する受信手段と、
前記受信手段が前記排出指示を受信したときに、前記排出ユニットに前記遊技用物品を排出させる排出制御手段とを有するゲームシステム。
【請求項2】
前記遊技機は、遊技者からの前記遊技用物品の供給指示を受け付ける受付手段をさらに有し、
前記遊技機の送信手段は、前記受付手段が前記供給指示を受け付けたことに基づいて、前記排出指示を前記遊技用物品供給装置に対して送信する、請求項1記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記遊技機は、前記画像遊技の進行を制御する遊技進行制御手段をさらに備え、
前記遊技進行制御手段は、遊技進行上の所定条件が成立したことに基づいて、前記遊技用物品の供給指示を示す指示情報を前記送信手段に入力し、
前記送信手段は、前記遊技進行制御手段から前記指示情報が入力されたことに基づいて、前記排出指示を前記遊技用物品供給装置に対して送信する、請求項1又は2記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記遊技機は、前記画像遊技の進行を制御する遊技進行制御手段を更に有し、
該遊技進行制御手段は、前記遊技用物品を排出させる排出条件が遊技進行中に成立したことに基づいて、前記遊技用物品の所属グループを示すグループコードを含み、前記遊技用物品の供給指示を示す指示情報を前記送信手段に入力し、
前記送信手段は、前記遊技進行制御手段から前記指示情報が入力されたことに基づいて、前記排出指示を前記遊技用物品供給装置に対して送信し、
前記遊技用物品供給装置は、前記受信手段によって受信された前記排出指示に含まれている前記グループコードに基づいて前記排出ユニットに排出させる前記遊技用物品を格納した格納部を特定する特定手段を更に有することを特徴とする請求項1または2記載のゲームシステム。
【請求項5】
前記遊技進行制御手段は、前記所定条件または排出条件よりも成立し難く、かつ希少性の高い前記遊技用物品を排出させる特定排出条件が遊技進行中に成立したときは、前記希少性の高い遊技用物品の所属グループを示すグループコードを含む前記指示情報を前記送信手段に入力することを特徴とする請求項3または4記載のゲームシステム。
【請求項6】
前記遊技機が無線によるデータの送受信を実行する無線通信手段を更に有し、
前記遊技用物品供給装置は、前記無線通信手段を備えた前記遊技機から送信された前記排出指示を前記受信手段が受信したときに前記排出ユニットに前記遊技用物品を排出させるための排出許可データを生成する排出許可データ生成手段と、
該排出許可データ生成手段により生成された前記排出許可データを前記無線通信手段を備えた前記遊技機に送信させる送信制御手段とを更に有し、
前記排出制御手段は、前記無線通信手段を備えた前記遊技機から前記排出許可データ生成手段により生成された前記排出許可データを受信したときに前記排出ユニットに前記遊技用物品を排出させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載のゲームシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【公開番号】特開2006−122670(P2006−122670A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−286761(P2005−286761)
【出願日】平成17年9月30日(2005.9.30)
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月30日(2005.9.30)
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)
【Fターム(参考)】
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