ゲームシステム
【課題】 複数のプレイヤーが参加するゲームにおいて、プレイヤーに関する主観的データに基づいてプレイヤー同士が組合わされるゲームシステムを提供する。
【解決手段】 ゲーム機G1は、そのゲーム機を操作するプレイヤーP1とサーバSによって組合わせが決定されたプレイヤーP4が操作するゲーム機G4と共に行うゲームを制御するゲーム制御手段G70と、プレイヤーP1によるプレイヤーP4についての、評価である評価データを取得する評価取得手段G70と、プレイヤーP1の評価データを取得すると前記評価データに基づく情報によってプレイヤーP1のプレイヤー情報40に含まれる履歴評価情報42を更新する履歴評価更新手段(G70)と、を有し、サーバSは、履歴評価情報42に基づいて、ゲームに参加するゲーム機G1…G4の組合せを決定する組合せ決定手段S30と、を有する。
【解決手段】 ゲーム機G1は、そのゲーム機を操作するプレイヤーP1とサーバSによって組合わせが決定されたプレイヤーP4が操作するゲーム機G4と共に行うゲームを制御するゲーム制御手段G70と、プレイヤーP1によるプレイヤーP4についての、評価である評価データを取得する評価取得手段G70と、プレイヤーP1の評価データを取得すると前記評価データに基づく情報によってプレイヤーP1のプレイヤー情報40に含まれる履歴評価情報42を更新する履歴評価更新手段(G70)と、を有し、サーバSは、履歴評価情報42に基づいて、ゲームに参加するゲーム機G1…G4の組合せを決定する組合せ決定手段S30と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1つのゲームに参加するゲーム機の組合せがサーバによって決定されるゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
通信回線で接続された複数のゲーム機間で行われるゲームにおいて、例えば、対戦ゲームの場合、サーバによって対戦するゲーム機の組合せが決定されるゲームシステムは周知である。また、プレイヤーが他のプレイヤーのプレイについて評価するゲームシステムも知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−281142号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来のゲームシステムにおいては、ゲームに関して適切なプレイヤー同士を組合わせるために、過去のゲーム結果に基づく勝率やゲームの利用回数、プロフィール等、各プレイヤーの客観的なデータに基づいて組合せが決定される。このような客観的なデータから、プレイヤーの主観的な要素、例えばゲームに対する嗜好性を判断することは困難な場合があり、1つのゲームに対して異なる嗜好性を有するプレイヤー同士が組合わされると、どちらのプレイヤーもプレイを十分に楽しめない問題があった。一方、プレイヤーの主観的データに基づいてサーバがプレイヤーの組合せを決定するゲームシステムは存在しない。
【0004】
そこで、本発明は、複数のプレイヤーが参加するゲームにおいて、プレイヤーに関する主観的データに基づいてプレイヤー同士が組合わされるゲームシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下の手段により上述した課題を解決する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0006】
本発明のゲームシステム(GS)は、通信回線を介してデータの送受信が可能なサーバ(S)と、複数のゲーム機(G1…G4)と、前記複数のゲーム機のそれぞれを操作するプレイヤー(P1…P4)を互いに識別するプレイヤー識別情報(41)にそのプレイヤーに関する情報(40)が対応付けられて記憶されたプレイヤー情報記憶手段(D)と、を有し、前記サーバは、前記プレイヤーに関する情報に基づいて、1つのゲームに参加するゲーム機の組合わせを決定し、その組合わされたゲーム機間で前記ゲームが実行される、ゲームシステムであって、前記ゲーム機(G1)は、そのゲーム機を操作するプレイヤー(P1)と前記サーバによって組合せが決定された他のプレイヤー(P4)が操作するゲーム機(G4)と共に行う前記ゲームを制御するゲーム制御手段(G70)と、前記そのゲーム機を操作するプレイヤーによる前記他のプレイヤーについての評価である評価データを取得する評価取得手段(G70)と、そのゲーム機を操作するプレイヤーの評価データを取得すると前記評価データに基づく情報によって前記そのゲーム機を操作するプレイヤーの前記プレイヤー情報に含まれる履歴評価情報を更新する履歴評価更新手段(G70)と、を有し、前記サーバは、前記履歴評価情報に基づいて、前記1つのゲームに参加するゲーム機の組合せを決定する組合せ決定手段(S30)と、を有することにより、上記の課題を解決する。
【0007】
本発明のゲームシステムによれば、各ゲーム機においてゲーム機に対応するプレイヤーによる、組合わされたプレイヤーの評価を評価データとして取得して、その評価データによって更新される履歴評価情報に基づいてプレイヤーの組合せが決定される。評価データは各プレイヤーの主観データであり、この主観データに基づいて履歴評価情報を更新することにより、特定のプレイヤーの履歴評価情報を各プレイヤーの主観データを統合させた評価とすることができる。即ち、常に他のプレイヤーから低い評価を与えられるプレイヤーは履歴評価が低くなり、常に高い評価を与えられるプレイヤーは履歴評価が高くなる。
【0008】
従って、履歴評価情報にはプレイヤーの総意が反映させられることになり、本発明によれば、その総意に基づいてプレイヤーの組合せを決定することができる。これにより、ゲームの勝敗等の客観的なデータとは関係なく、各プレイヤーの主観データに基づいて、プレイヤー同士を組み合わせることができる。本発明のゲームシステムにおいて実行されるゲームは、組合わされたプレイヤー同士が仲間となって行動するゲームである場合と、組合わされたプレイヤーは対戦相手となる対戦ゲームである場合とを含む。
【0009】
「評価データに基づく情報」には、評価データそのものである場合と評価データが他のデータによって加工された情報である場合とがある。また、履歴評価更新手段で扱う「評価データ」は、自己の評価取得手段によって取得された評価データである場合と、他のゲーム機の評価取得手段によって取得された評価データである場合とを含む。「履歴評価情報に基づいて」とは、履歴評価情報のみを使用する場合と、履歴評価情報と他の情報を組み合わせて使用する場合とがある。
【0010】
本発明の前記ゲーム機は、前記そのゲーム機を操作するプレイヤーのプレイヤー情報に含まれる履歴評価情報を、前記そのゲーム機を操作するプレイヤーのプレイヤー識別情報に対応付けて前記サーバへ送信する履歴評価通信手段(G30)を有し、前記組合せ決定手段は、所定の時間内に前記履歴評価通信手段から送信された前記履歴評価情報に基づいて、組合せを決定してもよい。これにより、サーバは所定の時間内にゲーム機から受信した履歴評価情報のみを対象にして、プレイヤーの組合せを決定することができる。
【0011】
また、本発明の前記ゲームは、所定の基準に従ってそのゲーム機を操作するプレイヤーのスキルに関するスキル評価が行われ、そのスキル評価に基づくゲーム成績をそのゲーム機を操作するプレイヤーに提示するゲームであってもよい。プレイヤーのゲームに関するスキルを示すスキル評価は公平性を重視するため客観的データによって行われるが、本発明のゲームシステムによれば、当該客観的データであるスキル評価とは異なる他のプレイヤーの主観的な評価である評価データに基づいて、プレイヤーの組合せが決定される。
【0012】
また、前記ゲーム機は、前記他のプレイヤーが操作するゲーム機から前記評価データを取得すると、前記他のプレイヤーの前記履歴評価情報に基づいた補正評価を作成する補正評価作成手段(G70)を有し、前記履歴評価更新手段は、前記補正評価および前記評価データを用いた評価データに基づく情報によって、前記そのゲーム機を操作するプレイヤーの履歴評価情報を更新してもよい。
【0013】
これにより、取得された評価データにその評価をしたプレイヤーの履歴評価情報も加味された補正評価が作成され、その補正評価に基づいて履歴評価情報が更新される。従って、例えば、履歴評価の低いプレイヤーによる評価と高いプレイヤーによる評価とで、取り扱いを異なるようにすることができる。即ち、評価したプレイヤー自身の評価も加味することにより、より公平な評価を補正評価として得ることができる。
【0014】
前記ゲーム機は、前記評価データを、そのゲーム機を操作するプレイヤーのプレイヤー識別情報と対応付けて前記他のプレイヤーが操作するゲーム機へ送信する評価データ送信手段(G30)を有し、前記補正評価作成手段は、前記他のプレイヤーが操作するゲーム機の前記評価データ送信手段から送信された評価データを受信すると、その評価データを、その評価データに対応付けられた前記他のプレイヤーのプレイヤー識別情報に対応する前記履歴評価情報に基づいた補正評価を作成し、前記履歴評価更新手段は、前記補正評価および前記他のプレイヤーが操作するゲーム機の前記評価データ送信手段から送信された評価データを用いた評価データに基づく情報によって、前記そのゲーム機を操作するプレイヤーの履歴評価情報を更新してもよい。これにより、各ゲーム機は自己に対応するプレイヤーについての他のプレイヤーによる評価データを一括して処理することができる。
【0015】
また、前記履歴評価情報は、前記他のプレイヤーが操作するゲーム機の前記評価データ作成手段から送信された評価データを前記補正評価に含まれる補正値によって補正した評価値を有するものであって、前記補正評価は、前記他のプレイヤーのプレイヤー履歴情報の評価値の大きさに応じたものであってもよい。これにより、履歴評価が高いプレイヤーによる評価は、評価されたプレイヤーの履歴評価情報の更新に大きく影響し、履歴評価が低いプレイヤーによる評価は、評価されたプレイヤーの履歴評価情報の更新にあまり影響しないようにすることができる。
【0016】
また、本発明の前記評価取得手段は、前記ゲームに関する特定の嗜好性について、前記組合されたプレイヤーはその嗜好性が強いか否かを段階的に評価する評価文とその評価文に対応する数値とが対応付けられた複数の選択肢を前記操作するプレイヤーに提示し、そのプレイヤーによって選択された選択肢に対応付けられた数値を前記評価データとして取得してもよい。これにより、プレイヤーに選択肢を選択させるだけで、他のプレイヤーの特定の嗜好性に対する強弱を示す評価データを取得することができる。
【発明の効果】
【0017】
上述したように、本発明によれば、他のプレイヤーの評価である評価データを取得し、その評価データによって更新される履歴評価情報に基づいてプレイヤーの組合せを決定することにより、複数のプレイヤーが参加するゲームにおいて、プレイヤーに関する主観的データに基づいてプレイヤー同士が組合わされるゲームシステムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1は、本発明のゲームシステムGSの一例を示す図である。ゲームシステムGSは通信ネットワークNを介して複数のゲーム機G1、G2、G3、G4とサーバ機Sとがデータの送受信可能に接続されている。ゲームに関する各データが記憶されているゲームデータ記憶装置Dはサーバ機Sに接続されている。複数のゲーム機G1、G2、G3、G4のそれぞれをプレイヤーP1、P2、P3、P4が操作する。以下、ゲーム機G1、G2、G3、G4及びプレイヤーP1、P2、P3、P4を特に区別する必要のない時は、単に「ゲーム機G」及び「プレイヤーP」という。
【0019】
また、ゲーム機Gとそのゲーム機Gを操作するプレイヤーPとの関係を、「ゲーム機Gに対応するプレイヤーP」または「プレイヤーPに対応するゲーム機G」という。本発明におけるゲームシステムGSにおいては、2つのゲーム機Gのそれぞれに対応するプレイヤーPが対戦相手として組合わされてプロレスゲームが行われる。本形態の通信ネットワークNはインターネット等の公衆回線を使用したものであり、各ゲーム機及びサーバは固有のIPアドレスを有し、IPアドレスを使用してデータの送受信が行われる。
【0020】
サーバ機Sは、後述のマッチング処理を行う他、ゲーム機Gからの要求に応じてゲームデータ記憶装置Dに記憶されているデータの送受信を行う。サーバ機Sの概略構成図を図2に示す。サーバ機Sは、ゲーム機Gとデータの送受信を行う通信部S10と、ゲームデータ記憶装置Dとのデータを入出力する入出力部S20と、サーバ機Sの各部を制御する制御部S30とを有する。制御部S30はCPUS31及びその動作に必要なRAMS32、ROMS33等の各種周辺回路を備えたコンピュータとして構成され、主に組合せ決定手段として機能する。
【0021】
ゲーム機Gは、サーバ機Sによって組合わされた他のゲーム機Gとプロレスゲームを行い、ゲーム終了後に後述の評価処理を行う。ゲーム機Gの概略構成図を図3に示す。ゲーム機Gは、プレイヤーPが操作する各種レバーやボタン等を含む操作部G10と、プレイヤーがゲームプレイ中に適宜使用するカードのデータを読み取るカード読取部G20と、エントリー時に使用するエントリーカードを差し込むエントリーカード入力部G21と、サーバ機S及び他のゲーム機Gとのデータの送信および受信を行う履歴評価通信手段及び評価データ送信手段としての通信部G30と、ゲームに関する各種データを記憶する記憶部G40と、ゲームの進行状況や各種メッセージをプレイヤーに提示するモニタG50と、各種効果音を出力する音声出力部G60と、ゲーム機Gにおける各部の動作の制御を行う制御部G70と、を有する。
【0022】
制御部G70はCPUG71及びその動作に必要なRAMG72、ROMG73等の各種周辺回路を備えたコンピュータとして構成され、主にゲーム制御手段と、評価取得手段と、履歴評価更新手段として機能する。尚、操作部G10には、後述するフォールを指定するフォールボタン及び受身状態を指定する受身ボタンが備えられている。
【0023】
ゲームデータ記憶装置Dには、ゲームシステムGS共通のデータとして各レスラーに関する情報であるレスラー情報20及び各技に関する情報である技情報30が記憶されている。レスラー情報20は、図4(a)に示すように、各レスラーに固有のレスラーID21に、そのレスラーの対戦パラメータであるパワー22、スピード23、テクニック24、タフ25、及びライフポイント26の各値が対応付けられている。技情報30は、図4(b)に示すように、各技に固有の技ID31に、その技の技パラメータであるパワー32、スピード33、テクニック34、及び最大ダメージ度35の各値が対応付けられている。
【0024】
更に、ゲームデータ記憶装置Dはプレイヤー情報記憶手段として機能し、プレイヤーPに関する情報を記憶する。ゲームデータ記憶装置Dに記憶されているプレイヤー情報40の構成の一例を図5に示す。プレイヤー情報40には、プレイヤーPに固有のプレイヤー識別情報としてのプレイヤーID41と、そのプレイヤーPに関する情報が対応付けられている。プレイヤーPに関する情報はプレイヤーPの履歴評価情報42と、ゲームに参加した回数である参加回数43と、ゲームの勝率44と、レスラーID21、技ID31、及び経験値45とが含まれる。経験値45とは、プレイヤーPがレスラーID21に技ID31をかけさせる場合に対戦相手に最大ダメージの何%のダメージを与えられるかを示すパラメータである。
【0025】
尚、経験値45はプレイヤーPがレスラーIDのレスラーに技ID31の技をトレーニングさせることによって変化させることができるが、トレーニングに関する記載は省略する。履歴評価情報42はプレイヤーPに対する評価の履歴情報であり、本形態では−500〜+500の範囲の評価値である。履歴評価情報42の求め方については後述する。
【0026】
本形態においては、プレイヤーPは予め図6に示すような数種のレスラーカードR1…Rn及び技カードW1…Wmを所有している。以下、レスラーカードR1…Rn及び技カードW1…Wmを特に区別する必要がない場合は単に「レスラーカードR」及び「技カードW」という。プレイヤーPはレスラーカードRを使用して対戦させるレスラーを指定し、技カードWを使用してかける技を指定する。
【0027】
レスラーカードRにはカードに描かれたレスラーのレスラーID21が記憶されている。ゲーム機Gのカード読取部G20にレスラーカードRを読み取らせると、レスラーID21をキーにしてレスラー情報20を使用できる。技カードWには技ID31が記憶され、カード読取部G20に読み取らせることによって、技ID31をキーにして技情報30を使用できる。
【0028】
以下、プレイヤーPが実際にゲームシステムGSによって提供されるプロレスゲームに参加して評価が行われるまでの各種処理について説明する。まず、最初にプロレスゲームが開始される前に行われるエントリー処理及びマッチング処理について、ゲーム機G1を操作するプレイヤーP1の場合を例に図7に従って説明する。まず、エントリー処理(ステップS100)について説明する。プレイヤーP1は、エントリー処理としてゲーム機G1に所定のエントリー操作を行う。本形態では、プレイヤーP1のプレイヤーID41が記憶されているエントリーカードをエントリーカード入力部G21より、ゲームに参加させるレスラーのレスラーカードR及びゲームで使用する技の技カードWをカード読取部G20よりゲーム機G1に読み込ませる。
【0029】
また、プレイヤーPは興行重視のゲームを行うか勝敗重視のゲームを行うかを選択する。興行重視か勝敗重視かはプロレスゲームに関するプレイヤーの嗜好性を示すものである。興行重視とは勝敗よりもプロレスとしてのショー性を重視したゲームを行うことを重視することをいい、勝敗重視とはゲームの勝敗を重視することをいう。本形態では、興行重視のゲームを行うと選択された場合について説明する。
【0030】
エントリーカードによってプレイヤーP1のプレイヤーID41が、レスラーカードRによってゲームに参加するレスラーのレスラーID21が、技カードWによって、ゲームで使用される技の技ID31がそれぞれゲーム機G1に読み取られる。ゲーム機G1は読み込まれたプレイヤーID41、レスラーID21及び技ID31が含まれたエントリー情報をサーバ機Sへ送信する。
【0031】
サーバ機Sは、エントリー情報を受信すると、ゲームデータ記憶装置Dから、エントリー情報に含まれたプレイヤーID41に対応付けられたプレイヤー情報40、レスラーID21に対応付けられたレスラー情報20、及び技ID31に対応付けられた技情報30を抽出してゲーム機G1へ送信する。以下、エントリー処理にてサーバ機Sからゲーム機Gへ送信されるプレイヤー情報40、レスラー情報20及び技情報30を併せて対戦データという。ゲーム機G1は受信した対戦データを記憶部G40に記憶する。この時、受信した対戦データに含まれるレスラー情報20及び技情報30にはそれぞれプレイヤーP1のプレイヤーID41が対応付けられる。以下、プレイヤーP1のプレイヤーID41が対応付けられた各種データを「プレイヤーP1の対戦データ」という。以上でエントリー処理は終了する。
【0032】
ゲーム機G1はプレイヤーP1のプレイヤー情報40を受信すると、そのプレイヤー情報40の履歴評価情報42とプレイヤーP1のプレイヤーID41とを含むマッチング要求をサーバ機Sへ送信する(ステップS110)。マッチング要求を受信したサーバ機Sは、マッチング処理を行う(ステップS120)。マッチング処理については図8に示すフローチャートに従って説明する。マッチング処理はサーバ機Sの制御部S30によって実行される。これにより、制御部S30は組合せ決定手段として機能する。
【0033】
各ゲーム機Gから送信されるマッチング要求を、所定の長さのエントリータイムのタイマカウント中受け付ける(ステップS121)。受信したマッチング要求に含まれる履歴評価情報42とプレイヤーID41と送信元を示すIPアドレスとを互いに対応付けて例えば、RAMS32に保存する。エントリータイムのタイマがタイムアップしたか否かを判断し(ステップS122)、タイプアップしていない場合はステップS121へ戻ってマッチング要求の受け付けを続行する。
【0034】
タイムアップした場合は、マッチングを行う(ステップS123)。具体的には、エントリータイム中に受け付けた複数のマッチング要求のそれぞれに含まれる履歴評価情報42を比較して、履歴評価情報42が等しい又は近いプレイヤーP同士を組み合わせる。本形態では、履歴評価情報42の評価値が取り得る範囲−500〜+500を、評価値が高い順に評価A、B、C、D、E、Fの6段階に分け、図9に示す規則に従って、マッチング要求をした各プレイヤーPをマッチング、即ち組合わせる。
【0035】
各プレイヤーPのマッチングが終了すると、各プレイヤーPに、組合わされたプレイヤーPのIPアドレスを対戦相手のIPアドレスとして含むマッチング結果通知を送信する(ステップS124)。本形態では、マッチングによってプレイヤーP1にプレイヤーP4が組合わされた場合について説明する。この場合、プレイヤーP4のゲーム機G4のIPアドレスを含むマッチング結果通知がゲーム機G1へ送信される。以下プレイヤーP4を対戦相手P4という時がある。
【0036】
図7に戻って、ゲーム機G1はマッチング結果通知を受信すると(ステップS130)、受信したマッチング結果通知に含まれる対戦相手P4のIPアドレスへ自己の対戦データを送信する(ステップS140)。また、対戦相手P4から送信されてきた対戦相手P4の対戦データを受信し、その対戦データを記憶部G40に記憶する(ステップS150)。その後、対戦ゲーム処理へ進む。対戦相手P4のゲーム機G4においても同様のエントリー処理が行われる。対戦ゲーム処理については、図10に示すフローチャートに従って説明する。対戦ゲーム処理は各ゲーム機Gの制御部G70によって行われる。これにより、制御部G70はゲーム制御手段として機能する。本形態では、対戦するゲーム機同士G1、G4で調停し合って、ゲーム機G1がゲームサーバとなり、ゲーム機G4がゲームクライアントとなって対戦ゲームを進行する。尚、ゲーム機G1の対戦処理とゲーム機G4の対戦処理は、従来既知の方法によって適宜同期がとられる。
【0037】
以下特に断りのない場合は、ゲーム機G1においてプレイヤーP1の対戦データに含まれる各データを使用する場合は、ゲーム機G1の記憶部G40に記憶されたプレイヤーP1のプレイヤーID41をキーにしてそのプレイヤーID41に対応付けられた各データを使用し、ゲーム機G1において対戦相手P4の対戦データに含まれる各データを使用する場合は、ゲーム機G1の記憶部G40に記憶された対戦相手P4のプレイヤーID41をキーにしてそのプレイヤーID41に対応付けられた各データを使用する。
【0038】
対戦処理開始後、ゲーム機G1及びゲーム機G4にて技の指定が可能な技指定タイミングであるか否かが判断され(S200、S300)、技指定タイミングであると判断された場合は、技指定があったか否かが判断される(S210、S310)。尚、技指定タイミングのタイマが適宜作動し、そのタイマカウント中である場合は技指定タイミングであると判断される。また、プレイヤーP1、P4が、技カードWを各ゲーム機G1、G4のカード読取部G20に読み取らせた場合に技指定があったと判断される。ゲーム機G4にてプレイヤーP4による技の指定があった場合、その技ID31をゲーム機G1へ送信する(ステップS320)。ゲーム機G1はゲーム機G4より送信された技ID31を受信する(ステップS220)。
【0039】
尚、プレイヤーP1、P4は技指定タイミング中に技を指定する代わりに、操作部G10の受身ボタンを押すことによって受身状態を指定することもできる。この場合は技IDとして受身状態を示すデータを送信すればよい。以下、受身状態の指定も技指定の1つとして説明する。また、技指定タイミング中に技の指定がない場合は自動的に所定の技が選択され、その技が指定されたことになる。
【0040】
それぞれの技情報30に基づいてどちらの技が決まったのかを判定するための技結果処理が行われる(ステップS230)。技結果処理については後述する。技結果処理が終了すると、対戦中に使用した全パラメータをゲーム機G1からゲーム機G4へ送信し(ステップS240)、ゲーム機G4はゲーム機G1から送信された全パラメータを受信する(ステップS340)。全パラメータの送受信後、各ゲーム機G1、G4にてフォールが成立したか否かが判断され(S250、S340)、フォールが成立していないと判断された場合は対戦ゲームが続行、即ち再び技が指定できる状態に戻る。一方、フォールが成立したと判断された場合は、フォールが成功したプレイヤーPをプレイヤーP1である場合は、プレイヤーP1が「勝ち」、プレイヤーP4を「負け」と決定し、勝敗結果を各ゲーム機G1、G4のモニタG50に表示して、対戦ゲームを終了する(ステップS260、S350)。
【0041】
技結果処理について図11のフローチャートに従って説明する。まず、プレイヤーP1が指定した技W1及び対戦相手P4が指定した技W2のそれぞれの最大ダメージ度35からそれぞれの実ダメージ度を算出する。実ダメージ度とは、最大ダメージ度35以外のパラメータを考慮して最終的に相手に与えられるダメージ度である。実ダメージ度を算出するには、後述の基本ダメージ度及び修正ダメージ度を算出する必要がある。各算出方法はプレイヤーP1の技W1についても対戦相手P4の技W2についても同様であるので、プレイヤーP1の技W1の場合についてのみ説明する。
【0042】
まず、プレイヤーP1がレスラーR1を対戦させている時に指定した技W1の基本ダメージ度を算出する(ステップS241)。この基本ダメージ度は、技W1の最大ダメージ度35と経験値45によって算出される。技W1の最大ダメージ度35は、プレイヤーP1の対戦データの技情報30から取得し、レスラーR1の技W1に関する経験値45は、プレイヤーP1の対戦データから、レスラーR1のレスラーID21及び技W1の技ID31をキーにしてプレイヤー情報40から取得する。例えば、技W1の最大ダメージ度を100とし、経験値45を99とした場合、基本ダメージ度は100×99%=99として算出される。
【0043】
次に、修正ダメージ率を算出する(ステップS242)。この修正ダメージ率によって技W1をかけた状況を加味して基本ダメージ度を修正できる。本形態における修正ダメージ率は状況倍率及び経験値45を使用して算出される。状況倍率には、技W1をかけた時の状況に応じた倍率が選択される。例えば、ラッシュ中の場合は150%、対戦相手P4のレスラーが受身状態の場合は70%、ラッシュ中に対戦相手P4のレスラーが受身状態の場合は105%。その他の場合は100%とする。尚、「ラッシュ状態」とは、ゲーム中にレスラーの闘争心の変化を示すパラメータ「スピリット」が最大値の状態をいう。「スピリット」の変化はレスラー情報やその他のパラメータに基づいて決定すればよい。
【0044】
本形態の修正ダメージ率は、((状況倍率/2)×経験値/300+(状況倍率/2))によって得られる。状況倍率を100%とすれば、本形態の修正ダメージ率は66.5%となる。次に、実ダメージ度を算出する(ステップS243)。実ダメージ度は算出された修正ダメージ率及び基本ダメージ度に基づいて算出される。本形態では、(基本ダメージ度×修正ダメージ率/100×20)/対戦相手のタフ値)によって得られる。対戦相手P4のタフ25の値は、対戦相手P4のレスラーのレスラーIDをキーにしてレスラー情報20から得ればよい。本形態ではこの対戦相手P4のタフ25を33とする。この場合、実ダメージ度=99×66.5/100×20/33=39.9となる。
【0045】
上記のように本形態では、技Wを指定したことによって最終的に相手に与えることができるダメージを、技を指定した時の状況や対戦相手P4のタフ25等のパラメータも加味して総合的に判断されて決定される。技W1及び技W2のそれぞれの実ダメージ度が算出された後、どちらの技が決まったかを判定する(ステップS244)。本形態では算出された実ダメージ度の大きい方の技Wが決まったと判定される。従って、技W1の実ダメージ度が39.9で技W2の実ダメージ度が30の場合、プレイヤーP1の技W1が決まったと判定される。
【0046】
次に、技を決められた対戦相手P4のレスラーのライフポイント26を更新する(ステップS245)。具体的には、対戦相手P4のライフポイント26から技W1について算出された実ダメージ度を減じた値を更新後のライフポイント26とする。次に、技を決めたプレイヤーP1がフォールの指定をしたか否か判断される(ステップS246)。技を決めたプレイヤーP1が技指定タイミング中にゲーム機G1の操作部G10のフォールボタンを押していた場合にフォールの指定があったものと判断される。尚、「フォール」とは3カウントを奪うことを狙うことを言う。
【0047】
フォールの指定があった場合は、フォールが成立したか否かについて判断するフォール処理が行われる(ステップS247)。フォールの成立については次のように判断する。まず、ランダム値を算出し、技を決められてフォールされているレスラーの更新されたライフポイント26―ランダム値<0の場合にフォール成功とし、それ以外は失敗とする。例えば、フォールに関するパラメータを用意してフォール成功の時は1とし、失敗の時は0に設定する。これにより、フォールに関するパラメータが1か0かによってフォールが成功したか否かが判断できる。フォールの指定があった場合は、以上で技結果処理を終了する。一方、フォールの指定がない場合は、ステップS247はスキップして技結果処理を終了する。
【0048】
対戦ゲーム終了後に行われる評価処理については図12のフローチャートに従って説明する。評価処理は各ゲーム機Gの制御部G70によって行われる。対戦するプレイヤーP1、P4のそれぞれのゲーム機G1、G4にて行われる評価処理は同様であるので、ゲーム機G1にて行われる評価処理について説明する。まず、対戦相手P4の評価を表わした複数の選択肢をモニタG50に表示させる(ステップS400)。これにより、制御部G70は評価取得手段として機能する。本形態では、図13に示すように、rankA〜rankEまで5つの選択肢が用意され、各選択肢には5段階の評価文が表示される。各評価文には数値が対応付けられている。本形態では、「最高だったよ」は+2、「なかなかだったよ」は+1、「ふつうだな」は+0、「あんまりだな」は−1、「最悪だ」は−2がそれぞれ対応付けられている。
【0049】
プレイヤーP1によって1つの評価文が選択されると、その評価文に対応付けられた数値を評価データとし、その評価データと評価文とを含めた評価選択情報を対戦相手P4のゲーム機G4へ通信部G30に送信させる(ステップS410)。一方、対戦相手P4がプレイヤーP1の評価として選択した評価選択情報が対戦相手P4からも送信される。この対戦相手P4からの評価選択情報を受信すると(ステップS420)、受信した評価文を対戦相手P4による評価としてモニタG50に表示する(ステップS430)。なお、対戦相手P4による評価が必ずしも良い評価とは限らず、後述するように受信した評価が今後のマッチングに影響することから、プレイヤーP1がこの評価を見ることができないようにするために、モニタG50に表示するステップS430を省いてもよい。また、補正処理を行って補正評価を算出する(ステップS440)。これによって、制御部G70は補正評価作成手段として機能する。
【0050】
本形態の補正評価は補正値として、「受信した評価データ」に「対戦相手P4の履歴評価情報42に基づく係数」を乗じた値であり、補正値と評価データを用いた評価データに基づく情報となる。履歴評価情報42に基づく係数は、履歴評価情報42がとり得る数値範囲と係数がとり得る数値範囲とを線形に対応させることによって求められる。即ち、X軸方向を履歴評価情報42の値、Y軸方向を係数の値とする直線から係数を求められる。例えば、履歴評価情報42の数値範囲を−500〜+500、係数の数値範囲を0〜2とした場合、(−500、0)と(+500、2)の2点を結ぶ直線によって、履歴評価情報42の数値に対応する係数を取得することができる。対戦相手P4の履歴評価情報42が高い評価である場合、すなわち過去の対戦相手からの評価データにrankAが多い時は+500に近く、低い評価である場合、すなわち過去の対戦相手からの評価データにrankEが多い時は−500に近くなる。
【0051】
以上のように係数を求めて、補正評価が算出されると、その補正評価をプレイヤーP1の履歴評価情報42に加算した値に、記憶部G40の履歴評価情報42を更新する(ステップS450)。これにより、制御部G70は履歴評価更新手段として機能する。履歴評価情報42が0の時に係数は1であり、履歴評価情報42がマイナス値の場合は係数は1より小さくなり、従って補正評価は評価データより小さくなる。一方、履歴評価情報42がプラス値の場合は係数は1より大きい。従って、補正評価は評価データより大きくなる。
【0052】
これにより、履歴評価の低いプレイヤーPによる評価データは履歴評価情報42の更新に対する影響を小さく、履歴評価の高いプレイヤーPによる評価データは履歴評価情報42に対する影響を大きくすることができる。これにより、評価データの公正性を図ることができる。尚、本形態では、更新後の履歴評価情報42が−500より小さくなる場合は−500とし、+500より大きくなる場合は+500として、履歴評価情報42の範囲が常に−500〜+500となるようにする。更に、参加回数43等のプレイヤー情報40の他のパラメータも適宜更新する。プレイヤー情報40の更新後、記憶部G40のプレイヤーP1のプレイヤー情報40をサーバ機Sへ送信して(ステップS460)、評価処理を終了する。
【0053】
プレイヤー情報40を受信したサーバ機Sは、そのプレイヤー情報40をゲームデータ記憶装置Dに保存する。これによって、ゲームデータ記憶装置Dにおけるプレイヤー情報40は更新される。このように、履歴評価情報42はプレイヤーPに対する対戦相手の評価の蓄積である。本形態において行われるゲームは興行重視のゲームであるため、履歴評価の高いプレイヤーPは興行重視のゲームプレイヤーとして適切であることを示し、履歴評価の低いプレイヤーPは興行重視のゲームには適切でないプレイヤーとして振り分けることができる。そして、この履歴評価情報42によってマッチング処理が行われるため、興行重視で行われるプロレスゲームにおいてより適切な対戦相手を組み合わせることができる。
【0054】
本発明は上述した形態に限らず、様々な形態にて実施して良い。例えば、上述した形態では、興行重視のプレイヤーとしての評価についてのみ説明したが、他の嗜好性についての評価も併せて行い、多元的な評価を行っても良い。また、通信ネットワークNは、LAN等の専用回線を使用したものであってもよい。通信回線の無線有線は問わない。また、ゲームデータ記憶装置Dのデータの送受信を行うサーバ機と別にマッチング処理を専用に行うマッチングサーバ機を設けてもよい。
【0055】
本形態では、各ゲーム機が直接通信ネットワークに接続されているが、数台のゲーム機ずつ1つの店舗内サーバに接続し、店舗内サーバを経由して通信ネットワークNに接続されてもよい。この場合は各店舗内サーバにIPアドレスを与え、各店舗内サーバには装置番号を与えることにより、各ゲーム機はIPアドレス及び装置番号と通信ネットワークN内で識別される。
【0056】
また、ゲームに組合わされるプレイヤーは2人とは限らず、2人以上でもよい。評価処理における各選択肢に対応付けられた評価文及び数値は適宜変更可能である。また、選択肢の数は、5つに限定されず複数あればよい。対戦ゲーム処理及び評価処理における他のゲーム機とのデータの送受信の前後は問わない。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明のゲームシステムGSの一例を示す図。
【図2】サーバ機の構成概略図。
【図3】ゲーム機の構成概略図。
【図4】(a)はレスラー情報を示す図であり、(b)は技情報を示す図。
【図5】プレイヤー情報を示す図。
【図6】プレイヤーが予め所持しているレスラーカード及び技カードを示す図。
【図7】エントリー処理時及びマッチング処理時のゲーム機とサーバ機とのデータの送受信を示すシーケンス図。
【図8】サーバ機にて行われるマッチング処理の流れを示すフローチャート。
【図9】本形態における組合わされるプレイヤーの規則を示す対応表。
【図10】ゲーム機にて行われる対戦ゲーム処理の流れを示すフローチャート。
【図11】ゲーム機にて行われる技結果処理の流れを示すフローチャート。
【図12】ゲーム機にて行われる評価処理の流れを示すフローチャート。
【図13】ゲーム機に表示される複数の選択肢の一例を示す図。
【符号の説明】
【0058】
GS ゲームシステム
G ゲーム機
S サーバ機
D ゲームデータ記憶部
N 通信ネットワーク
20 レスラー情報
30 技情報
40 プレイヤー情報
41 プレイヤーID
42 履歴評価情報
【技術分野】
【0001】
本発明は、1つのゲームに参加するゲーム機の組合せがサーバによって決定されるゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
通信回線で接続された複数のゲーム機間で行われるゲームにおいて、例えば、対戦ゲームの場合、サーバによって対戦するゲーム機の組合せが決定されるゲームシステムは周知である。また、プレイヤーが他のプレイヤーのプレイについて評価するゲームシステムも知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−281142号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来のゲームシステムにおいては、ゲームに関して適切なプレイヤー同士を組合わせるために、過去のゲーム結果に基づく勝率やゲームの利用回数、プロフィール等、各プレイヤーの客観的なデータに基づいて組合せが決定される。このような客観的なデータから、プレイヤーの主観的な要素、例えばゲームに対する嗜好性を判断することは困難な場合があり、1つのゲームに対して異なる嗜好性を有するプレイヤー同士が組合わされると、どちらのプレイヤーもプレイを十分に楽しめない問題があった。一方、プレイヤーの主観的データに基づいてサーバがプレイヤーの組合せを決定するゲームシステムは存在しない。
【0004】
そこで、本発明は、複数のプレイヤーが参加するゲームにおいて、プレイヤーに関する主観的データに基づいてプレイヤー同士が組合わされるゲームシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下の手段により上述した課題を解決する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0006】
本発明のゲームシステム(GS)は、通信回線を介してデータの送受信が可能なサーバ(S)と、複数のゲーム機(G1…G4)と、前記複数のゲーム機のそれぞれを操作するプレイヤー(P1…P4)を互いに識別するプレイヤー識別情報(41)にそのプレイヤーに関する情報(40)が対応付けられて記憶されたプレイヤー情報記憶手段(D)と、を有し、前記サーバは、前記プレイヤーに関する情報に基づいて、1つのゲームに参加するゲーム機の組合わせを決定し、その組合わされたゲーム機間で前記ゲームが実行される、ゲームシステムであって、前記ゲーム機(G1)は、そのゲーム機を操作するプレイヤー(P1)と前記サーバによって組合せが決定された他のプレイヤー(P4)が操作するゲーム機(G4)と共に行う前記ゲームを制御するゲーム制御手段(G70)と、前記そのゲーム機を操作するプレイヤーによる前記他のプレイヤーについての評価である評価データを取得する評価取得手段(G70)と、そのゲーム機を操作するプレイヤーの評価データを取得すると前記評価データに基づく情報によって前記そのゲーム機を操作するプレイヤーの前記プレイヤー情報に含まれる履歴評価情報を更新する履歴評価更新手段(G70)と、を有し、前記サーバは、前記履歴評価情報に基づいて、前記1つのゲームに参加するゲーム機の組合せを決定する組合せ決定手段(S30)と、を有することにより、上記の課題を解決する。
【0007】
本発明のゲームシステムによれば、各ゲーム機においてゲーム機に対応するプレイヤーによる、組合わされたプレイヤーの評価を評価データとして取得して、その評価データによって更新される履歴評価情報に基づいてプレイヤーの組合せが決定される。評価データは各プレイヤーの主観データであり、この主観データに基づいて履歴評価情報を更新することにより、特定のプレイヤーの履歴評価情報を各プレイヤーの主観データを統合させた評価とすることができる。即ち、常に他のプレイヤーから低い評価を与えられるプレイヤーは履歴評価が低くなり、常に高い評価を与えられるプレイヤーは履歴評価が高くなる。
【0008】
従って、履歴評価情報にはプレイヤーの総意が反映させられることになり、本発明によれば、その総意に基づいてプレイヤーの組合せを決定することができる。これにより、ゲームの勝敗等の客観的なデータとは関係なく、各プレイヤーの主観データに基づいて、プレイヤー同士を組み合わせることができる。本発明のゲームシステムにおいて実行されるゲームは、組合わされたプレイヤー同士が仲間となって行動するゲームである場合と、組合わされたプレイヤーは対戦相手となる対戦ゲームである場合とを含む。
【0009】
「評価データに基づく情報」には、評価データそのものである場合と評価データが他のデータによって加工された情報である場合とがある。また、履歴評価更新手段で扱う「評価データ」は、自己の評価取得手段によって取得された評価データである場合と、他のゲーム機の評価取得手段によって取得された評価データである場合とを含む。「履歴評価情報に基づいて」とは、履歴評価情報のみを使用する場合と、履歴評価情報と他の情報を組み合わせて使用する場合とがある。
【0010】
本発明の前記ゲーム機は、前記そのゲーム機を操作するプレイヤーのプレイヤー情報に含まれる履歴評価情報を、前記そのゲーム機を操作するプレイヤーのプレイヤー識別情報に対応付けて前記サーバへ送信する履歴評価通信手段(G30)を有し、前記組合せ決定手段は、所定の時間内に前記履歴評価通信手段から送信された前記履歴評価情報に基づいて、組合せを決定してもよい。これにより、サーバは所定の時間内にゲーム機から受信した履歴評価情報のみを対象にして、プレイヤーの組合せを決定することができる。
【0011】
また、本発明の前記ゲームは、所定の基準に従ってそのゲーム機を操作するプレイヤーのスキルに関するスキル評価が行われ、そのスキル評価に基づくゲーム成績をそのゲーム機を操作するプレイヤーに提示するゲームであってもよい。プレイヤーのゲームに関するスキルを示すスキル評価は公平性を重視するため客観的データによって行われるが、本発明のゲームシステムによれば、当該客観的データであるスキル評価とは異なる他のプレイヤーの主観的な評価である評価データに基づいて、プレイヤーの組合せが決定される。
【0012】
また、前記ゲーム機は、前記他のプレイヤーが操作するゲーム機から前記評価データを取得すると、前記他のプレイヤーの前記履歴評価情報に基づいた補正評価を作成する補正評価作成手段(G70)を有し、前記履歴評価更新手段は、前記補正評価および前記評価データを用いた評価データに基づく情報によって、前記そのゲーム機を操作するプレイヤーの履歴評価情報を更新してもよい。
【0013】
これにより、取得された評価データにその評価をしたプレイヤーの履歴評価情報も加味された補正評価が作成され、その補正評価に基づいて履歴評価情報が更新される。従って、例えば、履歴評価の低いプレイヤーによる評価と高いプレイヤーによる評価とで、取り扱いを異なるようにすることができる。即ち、評価したプレイヤー自身の評価も加味することにより、より公平な評価を補正評価として得ることができる。
【0014】
前記ゲーム機は、前記評価データを、そのゲーム機を操作するプレイヤーのプレイヤー識別情報と対応付けて前記他のプレイヤーが操作するゲーム機へ送信する評価データ送信手段(G30)を有し、前記補正評価作成手段は、前記他のプレイヤーが操作するゲーム機の前記評価データ送信手段から送信された評価データを受信すると、その評価データを、その評価データに対応付けられた前記他のプレイヤーのプレイヤー識別情報に対応する前記履歴評価情報に基づいた補正評価を作成し、前記履歴評価更新手段は、前記補正評価および前記他のプレイヤーが操作するゲーム機の前記評価データ送信手段から送信された評価データを用いた評価データに基づく情報によって、前記そのゲーム機を操作するプレイヤーの履歴評価情報を更新してもよい。これにより、各ゲーム機は自己に対応するプレイヤーについての他のプレイヤーによる評価データを一括して処理することができる。
【0015】
また、前記履歴評価情報は、前記他のプレイヤーが操作するゲーム機の前記評価データ作成手段から送信された評価データを前記補正評価に含まれる補正値によって補正した評価値を有するものであって、前記補正評価は、前記他のプレイヤーのプレイヤー履歴情報の評価値の大きさに応じたものであってもよい。これにより、履歴評価が高いプレイヤーによる評価は、評価されたプレイヤーの履歴評価情報の更新に大きく影響し、履歴評価が低いプレイヤーによる評価は、評価されたプレイヤーの履歴評価情報の更新にあまり影響しないようにすることができる。
【0016】
また、本発明の前記評価取得手段は、前記ゲームに関する特定の嗜好性について、前記組合されたプレイヤーはその嗜好性が強いか否かを段階的に評価する評価文とその評価文に対応する数値とが対応付けられた複数の選択肢を前記操作するプレイヤーに提示し、そのプレイヤーによって選択された選択肢に対応付けられた数値を前記評価データとして取得してもよい。これにより、プレイヤーに選択肢を選択させるだけで、他のプレイヤーの特定の嗜好性に対する強弱を示す評価データを取得することができる。
【発明の効果】
【0017】
上述したように、本発明によれば、他のプレイヤーの評価である評価データを取得し、その評価データによって更新される履歴評価情報に基づいてプレイヤーの組合せを決定することにより、複数のプレイヤーが参加するゲームにおいて、プレイヤーに関する主観的データに基づいてプレイヤー同士が組合わされるゲームシステムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1は、本発明のゲームシステムGSの一例を示す図である。ゲームシステムGSは通信ネットワークNを介して複数のゲーム機G1、G2、G3、G4とサーバ機Sとがデータの送受信可能に接続されている。ゲームに関する各データが記憶されているゲームデータ記憶装置Dはサーバ機Sに接続されている。複数のゲーム機G1、G2、G3、G4のそれぞれをプレイヤーP1、P2、P3、P4が操作する。以下、ゲーム機G1、G2、G3、G4及びプレイヤーP1、P2、P3、P4を特に区別する必要のない時は、単に「ゲーム機G」及び「プレイヤーP」という。
【0019】
また、ゲーム機Gとそのゲーム機Gを操作するプレイヤーPとの関係を、「ゲーム機Gに対応するプレイヤーP」または「プレイヤーPに対応するゲーム機G」という。本発明におけるゲームシステムGSにおいては、2つのゲーム機Gのそれぞれに対応するプレイヤーPが対戦相手として組合わされてプロレスゲームが行われる。本形態の通信ネットワークNはインターネット等の公衆回線を使用したものであり、各ゲーム機及びサーバは固有のIPアドレスを有し、IPアドレスを使用してデータの送受信が行われる。
【0020】
サーバ機Sは、後述のマッチング処理を行う他、ゲーム機Gからの要求に応じてゲームデータ記憶装置Dに記憶されているデータの送受信を行う。サーバ機Sの概略構成図を図2に示す。サーバ機Sは、ゲーム機Gとデータの送受信を行う通信部S10と、ゲームデータ記憶装置Dとのデータを入出力する入出力部S20と、サーバ機Sの各部を制御する制御部S30とを有する。制御部S30はCPUS31及びその動作に必要なRAMS32、ROMS33等の各種周辺回路を備えたコンピュータとして構成され、主に組合せ決定手段として機能する。
【0021】
ゲーム機Gは、サーバ機Sによって組合わされた他のゲーム機Gとプロレスゲームを行い、ゲーム終了後に後述の評価処理を行う。ゲーム機Gの概略構成図を図3に示す。ゲーム機Gは、プレイヤーPが操作する各種レバーやボタン等を含む操作部G10と、プレイヤーがゲームプレイ中に適宜使用するカードのデータを読み取るカード読取部G20と、エントリー時に使用するエントリーカードを差し込むエントリーカード入力部G21と、サーバ機S及び他のゲーム機Gとのデータの送信および受信を行う履歴評価通信手段及び評価データ送信手段としての通信部G30と、ゲームに関する各種データを記憶する記憶部G40と、ゲームの進行状況や各種メッセージをプレイヤーに提示するモニタG50と、各種効果音を出力する音声出力部G60と、ゲーム機Gにおける各部の動作の制御を行う制御部G70と、を有する。
【0022】
制御部G70はCPUG71及びその動作に必要なRAMG72、ROMG73等の各種周辺回路を備えたコンピュータとして構成され、主にゲーム制御手段と、評価取得手段と、履歴評価更新手段として機能する。尚、操作部G10には、後述するフォールを指定するフォールボタン及び受身状態を指定する受身ボタンが備えられている。
【0023】
ゲームデータ記憶装置Dには、ゲームシステムGS共通のデータとして各レスラーに関する情報であるレスラー情報20及び各技に関する情報である技情報30が記憶されている。レスラー情報20は、図4(a)に示すように、各レスラーに固有のレスラーID21に、そのレスラーの対戦パラメータであるパワー22、スピード23、テクニック24、タフ25、及びライフポイント26の各値が対応付けられている。技情報30は、図4(b)に示すように、各技に固有の技ID31に、その技の技パラメータであるパワー32、スピード33、テクニック34、及び最大ダメージ度35の各値が対応付けられている。
【0024】
更に、ゲームデータ記憶装置Dはプレイヤー情報記憶手段として機能し、プレイヤーPに関する情報を記憶する。ゲームデータ記憶装置Dに記憶されているプレイヤー情報40の構成の一例を図5に示す。プレイヤー情報40には、プレイヤーPに固有のプレイヤー識別情報としてのプレイヤーID41と、そのプレイヤーPに関する情報が対応付けられている。プレイヤーPに関する情報はプレイヤーPの履歴評価情報42と、ゲームに参加した回数である参加回数43と、ゲームの勝率44と、レスラーID21、技ID31、及び経験値45とが含まれる。経験値45とは、プレイヤーPがレスラーID21に技ID31をかけさせる場合に対戦相手に最大ダメージの何%のダメージを与えられるかを示すパラメータである。
【0025】
尚、経験値45はプレイヤーPがレスラーIDのレスラーに技ID31の技をトレーニングさせることによって変化させることができるが、トレーニングに関する記載は省略する。履歴評価情報42はプレイヤーPに対する評価の履歴情報であり、本形態では−500〜+500の範囲の評価値である。履歴評価情報42の求め方については後述する。
【0026】
本形態においては、プレイヤーPは予め図6に示すような数種のレスラーカードR1…Rn及び技カードW1…Wmを所有している。以下、レスラーカードR1…Rn及び技カードW1…Wmを特に区別する必要がない場合は単に「レスラーカードR」及び「技カードW」という。プレイヤーPはレスラーカードRを使用して対戦させるレスラーを指定し、技カードWを使用してかける技を指定する。
【0027】
レスラーカードRにはカードに描かれたレスラーのレスラーID21が記憶されている。ゲーム機Gのカード読取部G20にレスラーカードRを読み取らせると、レスラーID21をキーにしてレスラー情報20を使用できる。技カードWには技ID31が記憶され、カード読取部G20に読み取らせることによって、技ID31をキーにして技情報30を使用できる。
【0028】
以下、プレイヤーPが実際にゲームシステムGSによって提供されるプロレスゲームに参加して評価が行われるまでの各種処理について説明する。まず、最初にプロレスゲームが開始される前に行われるエントリー処理及びマッチング処理について、ゲーム機G1を操作するプレイヤーP1の場合を例に図7に従って説明する。まず、エントリー処理(ステップS100)について説明する。プレイヤーP1は、エントリー処理としてゲーム機G1に所定のエントリー操作を行う。本形態では、プレイヤーP1のプレイヤーID41が記憶されているエントリーカードをエントリーカード入力部G21より、ゲームに参加させるレスラーのレスラーカードR及びゲームで使用する技の技カードWをカード読取部G20よりゲーム機G1に読み込ませる。
【0029】
また、プレイヤーPは興行重視のゲームを行うか勝敗重視のゲームを行うかを選択する。興行重視か勝敗重視かはプロレスゲームに関するプレイヤーの嗜好性を示すものである。興行重視とは勝敗よりもプロレスとしてのショー性を重視したゲームを行うことを重視することをいい、勝敗重視とはゲームの勝敗を重視することをいう。本形態では、興行重視のゲームを行うと選択された場合について説明する。
【0030】
エントリーカードによってプレイヤーP1のプレイヤーID41が、レスラーカードRによってゲームに参加するレスラーのレスラーID21が、技カードWによって、ゲームで使用される技の技ID31がそれぞれゲーム機G1に読み取られる。ゲーム機G1は読み込まれたプレイヤーID41、レスラーID21及び技ID31が含まれたエントリー情報をサーバ機Sへ送信する。
【0031】
サーバ機Sは、エントリー情報を受信すると、ゲームデータ記憶装置Dから、エントリー情報に含まれたプレイヤーID41に対応付けられたプレイヤー情報40、レスラーID21に対応付けられたレスラー情報20、及び技ID31に対応付けられた技情報30を抽出してゲーム機G1へ送信する。以下、エントリー処理にてサーバ機Sからゲーム機Gへ送信されるプレイヤー情報40、レスラー情報20及び技情報30を併せて対戦データという。ゲーム機G1は受信した対戦データを記憶部G40に記憶する。この時、受信した対戦データに含まれるレスラー情報20及び技情報30にはそれぞれプレイヤーP1のプレイヤーID41が対応付けられる。以下、プレイヤーP1のプレイヤーID41が対応付けられた各種データを「プレイヤーP1の対戦データ」という。以上でエントリー処理は終了する。
【0032】
ゲーム機G1はプレイヤーP1のプレイヤー情報40を受信すると、そのプレイヤー情報40の履歴評価情報42とプレイヤーP1のプレイヤーID41とを含むマッチング要求をサーバ機Sへ送信する(ステップS110)。マッチング要求を受信したサーバ機Sは、マッチング処理を行う(ステップS120)。マッチング処理については図8に示すフローチャートに従って説明する。マッチング処理はサーバ機Sの制御部S30によって実行される。これにより、制御部S30は組合せ決定手段として機能する。
【0033】
各ゲーム機Gから送信されるマッチング要求を、所定の長さのエントリータイムのタイマカウント中受け付ける(ステップS121)。受信したマッチング要求に含まれる履歴評価情報42とプレイヤーID41と送信元を示すIPアドレスとを互いに対応付けて例えば、RAMS32に保存する。エントリータイムのタイマがタイムアップしたか否かを判断し(ステップS122)、タイプアップしていない場合はステップS121へ戻ってマッチング要求の受け付けを続行する。
【0034】
タイムアップした場合は、マッチングを行う(ステップS123)。具体的には、エントリータイム中に受け付けた複数のマッチング要求のそれぞれに含まれる履歴評価情報42を比較して、履歴評価情報42が等しい又は近いプレイヤーP同士を組み合わせる。本形態では、履歴評価情報42の評価値が取り得る範囲−500〜+500を、評価値が高い順に評価A、B、C、D、E、Fの6段階に分け、図9に示す規則に従って、マッチング要求をした各プレイヤーPをマッチング、即ち組合わせる。
【0035】
各プレイヤーPのマッチングが終了すると、各プレイヤーPに、組合わされたプレイヤーPのIPアドレスを対戦相手のIPアドレスとして含むマッチング結果通知を送信する(ステップS124)。本形態では、マッチングによってプレイヤーP1にプレイヤーP4が組合わされた場合について説明する。この場合、プレイヤーP4のゲーム機G4のIPアドレスを含むマッチング結果通知がゲーム機G1へ送信される。以下プレイヤーP4を対戦相手P4という時がある。
【0036】
図7に戻って、ゲーム機G1はマッチング結果通知を受信すると(ステップS130)、受信したマッチング結果通知に含まれる対戦相手P4のIPアドレスへ自己の対戦データを送信する(ステップS140)。また、対戦相手P4から送信されてきた対戦相手P4の対戦データを受信し、その対戦データを記憶部G40に記憶する(ステップS150)。その後、対戦ゲーム処理へ進む。対戦相手P4のゲーム機G4においても同様のエントリー処理が行われる。対戦ゲーム処理については、図10に示すフローチャートに従って説明する。対戦ゲーム処理は各ゲーム機Gの制御部G70によって行われる。これにより、制御部G70はゲーム制御手段として機能する。本形態では、対戦するゲーム機同士G1、G4で調停し合って、ゲーム機G1がゲームサーバとなり、ゲーム機G4がゲームクライアントとなって対戦ゲームを進行する。尚、ゲーム機G1の対戦処理とゲーム機G4の対戦処理は、従来既知の方法によって適宜同期がとられる。
【0037】
以下特に断りのない場合は、ゲーム機G1においてプレイヤーP1の対戦データに含まれる各データを使用する場合は、ゲーム機G1の記憶部G40に記憶されたプレイヤーP1のプレイヤーID41をキーにしてそのプレイヤーID41に対応付けられた各データを使用し、ゲーム機G1において対戦相手P4の対戦データに含まれる各データを使用する場合は、ゲーム機G1の記憶部G40に記憶された対戦相手P4のプレイヤーID41をキーにしてそのプレイヤーID41に対応付けられた各データを使用する。
【0038】
対戦処理開始後、ゲーム機G1及びゲーム機G4にて技の指定が可能な技指定タイミングであるか否かが判断され(S200、S300)、技指定タイミングであると判断された場合は、技指定があったか否かが判断される(S210、S310)。尚、技指定タイミングのタイマが適宜作動し、そのタイマカウント中である場合は技指定タイミングであると判断される。また、プレイヤーP1、P4が、技カードWを各ゲーム機G1、G4のカード読取部G20に読み取らせた場合に技指定があったと判断される。ゲーム機G4にてプレイヤーP4による技の指定があった場合、その技ID31をゲーム機G1へ送信する(ステップS320)。ゲーム機G1はゲーム機G4より送信された技ID31を受信する(ステップS220)。
【0039】
尚、プレイヤーP1、P4は技指定タイミング中に技を指定する代わりに、操作部G10の受身ボタンを押すことによって受身状態を指定することもできる。この場合は技IDとして受身状態を示すデータを送信すればよい。以下、受身状態の指定も技指定の1つとして説明する。また、技指定タイミング中に技の指定がない場合は自動的に所定の技が選択され、その技が指定されたことになる。
【0040】
それぞれの技情報30に基づいてどちらの技が決まったのかを判定するための技結果処理が行われる(ステップS230)。技結果処理については後述する。技結果処理が終了すると、対戦中に使用した全パラメータをゲーム機G1からゲーム機G4へ送信し(ステップS240)、ゲーム機G4はゲーム機G1から送信された全パラメータを受信する(ステップS340)。全パラメータの送受信後、各ゲーム機G1、G4にてフォールが成立したか否かが判断され(S250、S340)、フォールが成立していないと判断された場合は対戦ゲームが続行、即ち再び技が指定できる状態に戻る。一方、フォールが成立したと判断された場合は、フォールが成功したプレイヤーPをプレイヤーP1である場合は、プレイヤーP1が「勝ち」、プレイヤーP4を「負け」と決定し、勝敗結果を各ゲーム機G1、G4のモニタG50に表示して、対戦ゲームを終了する(ステップS260、S350)。
【0041】
技結果処理について図11のフローチャートに従って説明する。まず、プレイヤーP1が指定した技W1及び対戦相手P4が指定した技W2のそれぞれの最大ダメージ度35からそれぞれの実ダメージ度を算出する。実ダメージ度とは、最大ダメージ度35以外のパラメータを考慮して最終的に相手に与えられるダメージ度である。実ダメージ度を算出するには、後述の基本ダメージ度及び修正ダメージ度を算出する必要がある。各算出方法はプレイヤーP1の技W1についても対戦相手P4の技W2についても同様であるので、プレイヤーP1の技W1の場合についてのみ説明する。
【0042】
まず、プレイヤーP1がレスラーR1を対戦させている時に指定した技W1の基本ダメージ度を算出する(ステップS241)。この基本ダメージ度は、技W1の最大ダメージ度35と経験値45によって算出される。技W1の最大ダメージ度35は、プレイヤーP1の対戦データの技情報30から取得し、レスラーR1の技W1に関する経験値45は、プレイヤーP1の対戦データから、レスラーR1のレスラーID21及び技W1の技ID31をキーにしてプレイヤー情報40から取得する。例えば、技W1の最大ダメージ度を100とし、経験値45を99とした場合、基本ダメージ度は100×99%=99として算出される。
【0043】
次に、修正ダメージ率を算出する(ステップS242)。この修正ダメージ率によって技W1をかけた状況を加味して基本ダメージ度を修正できる。本形態における修正ダメージ率は状況倍率及び経験値45を使用して算出される。状況倍率には、技W1をかけた時の状況に応じた倍率が選択される。例えば、ラッシュ中の場合は150%、対戦相手P4のレスラーが受身状態の場合は70%、ラッシュ中に対戦相手P4のレスラーが受身状態の場合は105%。その他の場合は100%とする。尚、「ラッシュ状態」とは、ゲーム中にレスラーの闘争心の変化を示すパラメータ「スピリット」が最大値の状態をいう。「スピリット」の変化はレスラー情報やその他のパラメータに基づいて決定すればよい。
【0044】
本形態の修正ダメージ率は、((状況倍率/2)×経験値/300+(状況倍率/2))によって得られる。状況倍率を100%とすれば、本形態の修正ダメージ率は66.5%となる。次に、実ダメージ度を算出する(ステップS243)。実ダメージ度は算出された修正ダメージ率及び基本ダメージ度に基づいて算出される。本形態では、(基本ダメージ度×修正ダメージ率/100×20)/対戦相手のタフ値)によって得られる。対戦相手P4のタフ25の値は、対戦相手P4のレスラーのレスラーIDをキーにしてレスラー情報20から得ればよい。本形態ではこの対戦相手P4のタフ25を33とする。この場合、実ダメージ度=99×66.5/100×20/33=39.9となる。
【0045】
上記のように本形態では、技Wを指定したことによって最終的に相手に与えることができるダメージを、技を指定した時の状況や対戦相手P4のタフ25等のパラメータも加味して総合的に判断されて決定される。技W1及び技W2のそれぞれの実ダメージ度が算出された後、どちらの技が決まったかを判定する(ステップS244)。本形態では算出された実ダメージ度の大きい方の技Wが決まったと判定される。従って、技W1の実ダメージ度が39.9で技W2の実ダメージ度が30の場合、プレイヤーP1の技W1が決まったと判定される。
【0046】
次に、技を決められた対戦相手P4のレスラーのライフポイント26を更新する(ステップS245)。具体的には、対戦相手P4のライフポイント26から技W1について算出された実ダメージ度を減じた値を更新後のライフポイント26とする。次に、技を決めたプレイヤーP1がフォールの指定をしたか否か判断される(ステップS246)。技を決めたプレイヤーP1が技指定タイミング中にゲーム機G1の操作部G10のフォールボタンを押していた場合にフォールの指定があったものと判断される。尚、「フォール」とは3カウントを奪うことを狙うことを言う。
【0047】
フォールの指定があった場合は、フォールが成立したか否かについて判断するフォール処理が行われる(ステップS247)。フォールの成立については次のように判断する。まず、ランダム値を算出し、技を決められてフォールされているレスラーの更新されたライフポイント26―ランダム値<0の場合にフォール成功とし、それ以外は失敗とする。例えば、フォールに関するパラメータを用意してフォール成功の時は1とし、失敗の時は0に設定する。これにより、フォールに関するパラメータが1か0かによってフォールが成功したか否かが判断できる。フォールの指定があった場合は、以上で技結果処理を終了する。一方、フォールの指定がない場合は、ステップS247はスキップして技結果処理を終了する。
【0048】
対戦ゲーム終了後に行われる評価処理については図12のフローチャートに従って説明する。評価処理は各ゲーム機Gの制御部G70によって行われる。対戦するプレイヤーP1、P4のそれぞれのゲーム機G1、G4にて行われる評価処理は同様であるので、ゲーム機G1にて行われる評価処理について説明する。まず、対戦相手P4の評価を表わした複数の選択肢をモニタG50に表示させる(ステップS400)。これにより、制御部G70は評価取得手段として機能する。本形態では、図13に示すように、rankA〜rankEまで5つの選択肢が用意され、各選択肢には5段階の評価文が表示される。各評価文には数値が対応付けられている。本形態では、「最高だったよ」は+2、「なかなかだったよ」は+1、「ふつうだな」は+0、「あんまりだな」は−1、「最悪だ」は−2がそれぞれ対応付けられている。
【0049】
プレイヤーP1によって1つの評価文が選択されると、その評価文に対応付けられた数値を評価データとし、その評価データと評価文とを含めた評価選択情報を対戦相手P4のゲーム機G4へ通信部G30に送信させる(ステップS410)。一方、対戦相手P4がプレイヤーP1の評価として選択した評価選択情報が対戦相手P4からも送信される。この対戦相手P4からの評価選択情報を受信すると(ステップS420)、受信した評価文を対戦相手P4による評価としてモニタG50に表示する(ステップS430)。なお、対戦相手P4による評価が必ずしも良い評価とは限らず、後述するように受信した評価が今後のマッチングに影響することから、プレイヤーP1がこの評価を見ることができないようにするために、モニタG50に表示するステップS430を省いてもよい。また、補正処理を行って補正評価を算出する(ステップS440)。これによって、制御部G70は補正評価作成手段として機能する。
【0050】
本形態の補正評価は補正値として、「受信した評価データ」に「対戦相手P4の履歴評価情報42に基づく係数」を乗じた値であり、補正値と評価データを用いた評価データに基づく情報となる。履歴評価情報42に基づく係数は、履歴評価情報42がとり得る数値範囲と係数がとり得る数値範囲とを線形に対応させることによって求められる。即ち、X軸方向を履歴評価情報42の値、Y軸方向を係数の値とする直線から係数を求められる。例えば、履歴評価情報42の数値範囲を−500〜+500、係数の数値範囲を0〜2とした場合、(−500、0)と(+500、2)の2点を結ぶ直線によって、履歴評価情報42の数値に対応する係数を取得することができる。対戦相手P4の履歴評価情報42が高い評価である場合、すなわち過去の対戦相手からの評価データにrankAが多い時は+500に近く、低い評価である場合、すなわち過去の対戦相手からの評価データにrankEが多い時は−500に近くなる。
【0051】
以上のように係数を求めて、補正評価が算出されると、その補正評価をプレイヤーP1の履歴評価情報42に加算した値に、記憶部G40の履歴評価情報42を更新する(ステップS450)。これにより、制御部G70は履歴評価更新手段として機能する。履歴評価情報42が0の時に係数は1であり、履歴評価情報42がマイナス値の場合は係数は1より小さくなり、従って補正評価は評価データより小さくなる。一方、履歴評価情報42がプラス値の場合は係数は1より大きい。従って、補正評価は評価データより大きくなる。
【0052】
これにより、履歴評価の低いプレイヤーPによる評価データは履歴評価情報42の更新に対する影響を小さく、履歴評価の高いプレイヤーPによる評価データは履歴評価情報42に対する影響を大きくすることができる。これにより、評価データの公正性を図ることができる。尚、本形態では、更新後の履歴評価情報42が−500より小さくなる場合は−500とし、+500より大きくなる場合は+500として、履歴評価情報42の範囲が常に−500〜+500となるようにする。更に、参加回数43等のプレイヤー情報40の他のパラメータも適宜更新する。プレイヤー情報40の更新後、記憶部G40のプレイヤーP1のプレイヤー情報40をサーバ機Sへ送信して(ステップS460)、評価処理を終了する。
【0053】
プレイヤー情報40を受信したサーバ機Sは、そのプレイヤー情報40をゲームデータ記憶装置Dに保存する。これによって、ゲームデータ記憶装置Dにおけるプレイヤー情報40は更新される。このように、履歴評価情報42はプレイヤーPに対する対戦相手の評価の蓄積である。本形態において行われるゲームは興行重視のゲームであるため、履歴評価の高いプレイヤーPは興行重視のゲームプレイヤーとして適切であることを示し、履歴評価の低いプレイヤーPは興行重視のゲームには適切でないプレイヤーとして振り分けることができる。そして、この履歴評価情報42によってマッチング処理が行われるため、興行重視で行われるプロレスゲームにおいてより適切な対戦相手を組み合わせることができる。
【0054】
本発明は上述した形態に限らず、様々な形態にて実施して良い。例えば、上述した形態では、興行重視のプレイヤーとしての評価についてのみ説明したが、他の嗜好性についての評価も併せて行い、多元的な評価を行っても良い。また、通信ネットワークNは、LAN等の専用回線を使用したものであってもよい。通信回線の無線有線は問わない。また、ゲームデータ記憶装置Dのデータの送受信を行うサーバ機と別にマッチング処理を専用に行うマッチングサーバ機を設けてもよい。
【0055】
本形態では、各ゲーム機が直接通信ネットワークに接続されているが、数台のゲーム機ずつ1つの店舗内サーバに接続し、店舗内サーバを経由して通信ネットワークNに接続されてもよい。この場合は各店舗内サーバにIPアドレスを与え、各店舗内サーバには装置番号を与えることにより、各ゲーム機はIPアドレス及び装置番号と通信ネットワークN内で識別される。
【0056】
また、ゲームに組合わされるプレイヤーは2人とは限らず、2人以上でもよい。評価処理における各選択肢に対応付けられた評価文及び数値は適宜変更可能である。また、選択肢の数は、5つに限定されず複数あればよい。対戦ゲーム処理及び評価処理における他のゲーム機とのデータの送受信の前後は問わない。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明のゲームシステムGSの一例を示す図。
【図2】サーバ機の構成概略図。
【図3】ゲーム機の構成概略図。
【図4】(a)はレスラー情報を示す図であり、(b)は技情報を示す図。
【図5】プレイヤー情報を示す図。
【図6】プレイヤーが予め所持しているレスラーカード及び技カードを示す図。
【図7】エントリー処理時及びマッチング処理時のゲーム機とサーバ機とのデータの送受信を示すシーケンス図。
【図8】サーバ機にて行われるマッチング処理の流れを示すフローチャート。
【図9】本形態における組合わされるプレイヤーの規則を示す対応表。
【図10】ゲーム機にて行われる対戦ゲーム処理の流れを示すフローチャート。
【図11】ゲーム機にて行われる技結果処理の流れを示すフローチャート。
【図12】ゲーム機にて行われる評価処理の流れを示すフローチャート。
【図13】ゲーム機に表示される複数の選択肢の一例を示す図。
【符号の説明】
【0058】
GS ゲームシステム
G ゲーム機
S サーバ機
D ゲームデータ記憶部
N 通信ネットワーク
20 レスラー情報
30 技情報
40 プレイヤー情報
41 プレイヤーID
42 履歴評価情報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信回線を介してデータの送受信が可能なサーバと、複数のゲーム機と、前記複数のゲーム機のそれぞれを操作するプレイヤーを互いに識別するプレイヤー識別情報にそのプレイヤーに関する情報が対応付けられて記憶されたプレイヤー情報記憶手段と、を有し、
前記サーバは、前記プレイヤーに関する情報に基づいて、1つのゲームに参加するゲーム機の組合わせを決定し、その組合わされたゲーム機間で前記ゲームが実行される、ゲームシステムであって、
前記ゲーム機は、
そのゲーム機を操作するプレイヤーと前記サーバによって組合わせが決定された他のプレイヤーが操作するゲーム機と共に行う前記ゲームを制御するゲーム制御手段と、
前記そのゲーム機を操作するプレイヤーによる前記他のプレイヤーについての評価である評価データを取得する評価取得手段と、
そのゲーム機を操作するプレイヤーの評価データを取得すると前記評価データに基づく情報によって前記そのゲーム機を操作するプレイヤーの前記プレイヤー情報に含まれる履歴評価情報を更新する履歴評価更新手段と、
を有し、
前記サーバは、
前記履歴評価情報に基づいて、前記1つのゲームに参加するゲーム機の組合せを決定する組合せ決定手段と、を有すること、
を特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
前記ゲーム機は、
前記そのゲーム機を操作するプレイヤーのプレイヤー情報に含まれる履歴評価情報を、前記そのゲーム機を操作するプレイヤーのプレイヤー識別情報に対応付けて前記サーバへ送信する履歴評価通信手段を有し、
前記組合せ決定手段は、
所定の時間内に前記履歴評価通信手段から送信された前記履歴評価情報に基づいて、組合せを決定すること、を特徴とする請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記ゲームは、所定の基準に従ってそのゲーム機を操作するプレイヤーのスキルに関するスキル評価が行われ、そのスキル評価に基づくゲーム成績をそのゲーム機を操作するプレイヤーに提示するゲームであること、を特徴とする請求項1又は2に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記ゲーム機は、
前記他のプレイヤーが操作するゲーム機から前記評価データを取得すると、前記他のプレイヤーの前記履歴評価情報に基づいた補正評価を作成する補正評価作成手段を有し、
前記履歴評価更新手段は、前記補正評価および前記評価データを用いた評価データに基づく情報によって、前記そのゲーム機を操作するプレイヤーの履歴評価情報を更新すること、を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のゲームシステム。
【請求項5】
前記ゲーム機は、
前記評価データを、そのゲーム機を操作するプレイヤーのプレイヤー識別情報と対応付けて前記他のプレイヤーが操作するゲーム機へ送信する評価データ送信手段を有し、
前記補正評価作成手段は、前記他のプレイヤーが操作するゲーム機の前記評価データ送信手段から送信された評価データを取得すると、その評価データを、その評価データに対応付けられた前記他のプレイヤーのプレイヤー識別情報に対応する前記履歴評価情報に基づいた前記補正評価を作成し、
前記履歴評価更新手段は、前記補正評価および前記他のプレイヤーが操作するゲーム機の前記評価データ送信手段から送信された評価データを用いた評価データに基づく情報によって、前記そのゲーム機を操作するプレイヤーの履歴評価情報を更新すること、を特徴とする請求項4に記載のゲームシステム。
【請求項6】
前記履歴評価情報は、前記他のプレイヤーが操作するゲーム機の前記評価データ送信手段から送信された評価データを前記補正評価に含まれる補正値によって補正した評価値を有するものであって、前記補正評価は、前記他のプレイヤーのプレイヤー履歴評価情報の評価値の大きさに応じたものである、ことを特徴とする請求項4又は5に記載のゲームシステム。
【請求項7】
前記評価取得手段は、前記ゲームに関する特定の嗜好性について、前記組合されたプレイヤーはその嗜好性が強いか否かを段階的に評価する評価文とその評価文に対応する数値とが対応付けられた複数の選択肢を前記操作するプレイヤーに提示し、
そのプレイヤーによって選択された選択肢に対応付けられた数値を前記評価データとして取得する、ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のゲームシステム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信回線を介してデータの送受信が可能なサーバと、複数のゲーム機と、前記複数のゲーム機のそれぞれを操作するプレイヤーを互いに識別するプレイヤー識別情報にそのプレイヤーに関する情報が対応付けられて記憶されたプレイヤー情報記憶手段と、を有し、
前記サーバは、前記プレイヤーに関する情報に基づいて、1つのゲームに参加するゲーム機の組合せを決定し、その組合わされたゲーム機間で前記ゲームが実行される、ゲームシステムであって、
前記ゲーム機は、
そのゲーム機を操作するプレイヤーと前記サーバによって組合せが決定された他のプレイヤーが操作するゲーム機と共に行う前記ゲームを制御するゲーム制御手段と、
そのゲーム機を操作するプレイヤーによる前記他のプレイヤーについての評価を示す評価データを、そのゲーム機を操作するプレイヤーの操作によって取得する評価取得手段と、
そのゲーム機を操作するプレイヤーについての評価を示す評価データを前記他のプレイヤーが操作するゲーム機から取得すると、前記評価データに基づく情報によって、前記そのゲーム機を操作するプレイヤーの前記プレイヤーに関する情報に含まれ、そのゲーム機を操作するプレイヤーに対する前記評価の履歴情報である履歴評価情報を更新する履歴評価更新手段と、
そのゲーム機を操作するプレイヤーの前記プレイヤーに関する情報に含まれる履歴評価情報を、前記そのゲーム機を操作するプレイヤーのプレイヤー識別情報に対応付けて前記サーバへ送信する履歴評価通信手段とを有し、
前記サーバは、
前記各ゲーム機の前記履歴評価通信手段から送信された前記履歴評価情報が所定の関係を有するゲーム機を、前記1つのゲームに参加するゲーム機の組合せとして決定する組合せ決定手段と、を有すること、
を特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
前記組合せ決定手段は、
所定の時間内に前記ゲーム機の前記履歴評価通信手段から送信された前記履歴評価情報が前記所定の関係を有する場合に、前記ゲーム機の組合せを決定すること、を特徴とする請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記ゲームでは、所定の基準に従ってそのゲーム機を操作するプレイヤーのスキルに関するスキル評価が行われ、そのスキル評価に基づくゲーム成績がそのゲーム機を操作するプレイヤーに提示されること、を特徴とする請求項1又は2に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記ゲーム機は、
前記他のプレイヤーの前記履歴評価情報を取得する手段と、
前記他のプレイヤーが操作するゲーム機から前記評価データを取得すると、その取得した前記評価データを、前記他のプレイヤーの前記履歴評価情報が示す前記評価の履歴が高い程、前記履歴評価情報の更新に対する影響が大きくなるように補正して、補正評価を作成する補正評価作成手段とを有し、
前記履歴評価更新手段は、前記補正評価によって、前記そのゲーム機を操作するプレイヤーの履歴評価情報を更新すること、を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のゲームシステム。
【請求項5】
前記評価データ及び前記履歴評価情報は数値データであり、
前記ゲーム機は、
前記そのゲーム機を操作するプレイヤーの前記プレイヤーに関する情報を前記プレイヤー情報記憶手段から取得し、前記そのゲーム機を操作するプレイヤーの前記履歴評価情報を前記プレイヤー識別情報に対応付けて、組合された前記他のゲーム機へ送信する手段と、
前記評価データを、そのゲーム機を操作するプレイヤーのプレイヤー識別情報と対応付けて前記他のプレイヤーが操作するゲーム機へ送信する評価データ送信手段とを有し、
前記履歴評価情報を取得する手段は、組合された前記他のプレイヤーが操作するゲーム機から、前記プレイヤー識別情報を対応付けて送信された前記他のプレイヤーの履歴評価情報を取得し、
前記補正評価作成手段は、前記他のプレイヤーが操作するゲーム機の前記評価データ送信手段から送信された評価データを取得すると、その取得した評価データに対応付けられた前記他のプレイヤーのプレイヤー識別情報に対応する前記履歴評価情報の高低に比例する補正値を求め、前記取得した評価データを前記補正値によって補正して前記補正評価を作成すること、を特徴とする請求項4に記載のゲームシステム。
【請求項6】
前記履歴評価情報は前記補正評価が加算された評価値である、ことを特徴とする請求項5に記載のゲームシステム。
【請求項7】
前記評価取得手段は、前記ゲームに関する特定の嗜好性について、前記組合されたプレイヤーはその嗜好性が強いか否かを段階的に評価する評価文とその評価に対応する数値とが対応付けられた複数の選択肢を、前記そのゲーム機を操作するプレイヤーに提示し、そのプレイヤーによって選択された選択肢に対応付けられた数値を前記評価データとして取得する、ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のゲームシステム。
【請求項1】
通信回線を介してデータの送受信が可能なサーバと、複数のゲーム機と、前記複数のゲーム機のそれぞれを操作するプレイヤーを互いに識別するプレイヤー識別情報にそのプレイヤーに関する情報が対応付けられて記憶されたプレイヤー情報記憶手段と、を有し、
前記サーバは、前記プレイヤーに関する情報に基づいて、1つのゲームに参加するゲーム機の組合わせを決定し、その組合わされたゲーム機間で前記ゲームが実行される、ゲームシステムであって、
前記ゲーム機は、
そのゲーム機を操作するプレイヤーと前記サーバによって組合わせが決定された他のプレイヤーが操作するゲーム機と共に行う前記ゲームを制御するゲーム制御手段と、
前記そのゲーム機を操作するプレイヤーによる前記他のプレイヤーについての評価である評価データを取得する評価取得手段と、
そのゲーム機を操作するプレイヤーの評価データを取得すると前記評価データに基づく情報によって前記そのゲーム機を操作するプレイヤーの前記プレイヤー情報に含まれる履歴評価情報を更新する履歴評価更新手段と、
を有し、
前記サーバは、
前記履歴評価情報に基づいて、前記1つのゲームに参加するゲーム機の組合せを決定する組合せ決定手段と、を有すること、
を特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
前記ゲーム機は、
前記そのゲーム機を操作するプレイヤーのプレイヤー情報に含まれる履歴評価情報を、前記そのゲーム機を操作するプレイヤーのプレイヤー識別情報に対応付けて前記サーバへ送信する履歴評価通信手段を有し、
前記組合せ決定手段は、
所定の時間内に前記履歴評価通信手段から送信された前記履歴評価情報に基づいて、組合せを決定すること、を特徴とする請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記ゲームは、所定の基準に従ってそのゲーム機を操作するプレイヤーのスキルに関するスキル評価が行われ、そのスキル評価に基づくゲーム成績をそのゲーム機を操作するプレイヤーに提示するゲームであること、を特徴とする請求項1又は2に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記ゲーム機は、
前記他のプレイヤーが操作するゲーム機から前記評価データを取得すると、前記他のプレイヤーの前記履歴評価情報に基づいた補正評価を作成する補正評価作成手段を有し、
前記履歴評価更新手段は、前記補正評価および前記評価データを用いた評価データに基づく情報によって、前記そのゲーム機を操作するプレイヤーの履歴評価情報を更新すること、を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のゲームシステム。
【請求項5】
前記ゲーム機は、
前記評価データを、そのゲーム機を操作するプレイヤーのプレイヤー識別情報と対応付けて前記他のプレイヤーが操作するゲーム機へ送信する評価データ送信手段を有し、
前記補正評価作成手段は、前記他のプレイヤーが操作するゲーム機の前記評価データ送信手段から送信された評価データを取得すると、その評価データを、その評価データに対応付けられた前記他のプレイヤーのプレイヤー識別情報に対応する前記履歴評価情報に基づいた前記補正評価を作成し、
前記履歴評価更新手段は、前記補正評価および前記他のプレイヤーが操作するゲーム機の前記評価データ送信手段から送信された評価データを用いた評価データに基づく情報によって、前記そのゲーム機を操作するプレイヤーの履歴評価情報を更新すること、を特徴とする請求項4に記載のゲームシステム。
【請求項6】
前記履歴評価情報は、前記他のプレイヤーが操作するゲーム機の前記評価データ送信手段から送信された評価データを前記補正評価に含まれる補正値によって補正した評価値を有するものであって、前記補正評価は、前記他のプレイヤーのプレイヤー履歴評価情報の評価値の大きさに応じたものである、ことを特徴とする請求項4又は5に記載のゲームシステム。
【請求項7】
前記評価取得手段は、前記ゲームに関する特定の嗜好性について、前記組合されたプレイヤーはその嗜好性が強いか否かを段階的に評価する評価文とその評価文に対応する数値とが対応付けられた複数の選択肢を前記操作するプレイヤーに提示し、
そのプレイヤーによって選択された選択肢に対応付けられた数値を前記評価データとして取得する、ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のゲームシステム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信回線を介してデータの送受信が可能なサーバと、複数のゲーム機と、前記複数のゲーム機のそれぞれを操作するプレイヤーを互いに識別するプレイヤー識別情報にそのプレイヤーに関する情報が対応付けられて記憶されたプレイヤー情報記憶手段と、を有し、
前記サーバは、前記プレイヤーに関する情報に基づいて、1つのゲームに参加するゲーム機の組合せを決定し、その組合わされたゲーム機間で前記ゲームが実行される、ゲームシステムであって、
前記ゲーム機は、
そのゲーム機を操作するプレイヤーと前記サーバによって組合せが決定された他のプレイヤーが操作するゲーム機と共に行う前記ゲームを制御するゲーム制御手段と、
そのゲーム機を操作するプレイヤーによる前記他のプレイヤーについての評価を示す評価データを、そのゲーム機を操作するプレイヤーの操作によって取得する評価取得手段と、
そのゲーム機を操作するプレイヤーについての評価を示す評価データを前記他のプレイヤーが操作するゲーム機から取得すると、前記評価データに基づく情報によって、前記そのゲーム機を操作するプレイヤーの前記プレイヤーに関する情報に含まれ、そのゲーム機を操作するプレイヤーに対する前記評価の履歴情報である履歴評価情報を更新する履歴評価更新手段と、
そのゲーム機を操作するプレイヤーの前記プレイヤーに関する情報に含まれる履歴評価情報を、前記そのゲーム機を操作するプレイヤーのプレイヤー識別情報に対応付けて前記サーバへ送信する履歴評価通信手段とを有し、
前記サーバは、
前記各ゲーム機の前記履歴評価通信手段から送信された前記履歴評価情報が所定の関係を有するゲーム機を、前記1つのゲームに参加するゲーム機の組合せとして決定する組合せ決定手段と、を有すること、
を特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
前記組合せ決定手段は、
所定の時間内に前記ゲーム機の前記履歴評価通信手段から送信された前記履歴評価情報が前記所定の関係を有する場合に、前記ゲーム機の組合せを決定すること、を特徴とする請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記ゲームでは、所定の基準に従ってそのゲーム機を操作するプレイヤーのスキルに関するスキル評価が行われ、そのスキル評価に基づくゲーム成績がそのゲーム機を操作するプレイヤーに提示されること、を特徴とする請求項1又は2に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記ゲーム機は、
前記他のプレイヤーの前記履歴評価情報を取得する手段と、
前記他のプレイヤーが操作するゲーム機から前記評価データを取得すると、その取得した前記評価データを、前記他のプレイヤーの前記履歴評価情報が示す前記評価の履歴が高い程、前記履歴評価情報の更新に対する影響が大きくなるように補正して、補正評価を作成する補正評価作成手段とを有し、
前記履歴評価更新手段は、前記補正評価によって、前記そのゲーム機を操作するプレイヤーの履歴評価情報を更新すること、を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のゲームシステム。
【請求項5】
前記評価データ及び前記履歴評価情報は数値データであり、
前記ゲーム機は、
前記そのゲーム機を操作するプレイヤーの前記プレイヤーに関する情報を前記プレイヤー情報記憶手段から取得し、前記そのゲーム機を操作するプレイヤーの前記履歴評価情報を前記プレイヤー識別情報に対応付けて、組合された前記他のゲーム機へ送信する手段と、
前記評価データを、そのゲーム機を操作するプレイヤーのプレイヤー識別情報と対応付けて前記他のプレイヤーが操作するゲーム機へ送信する評価データ送信手段とを有し、
前記履歴評価情報を取得する手段は、組合された前記他のプレイヤーが操作するゲーム機から、前記プレイヤー識別情報を対応付けて送信された前記他のプレイヤーの履歴評価情報を取得し、
前記補正評価作成手段は、前記他のプレイヤーが操作するゲーム機の前記評価データ送信手段から送信された評価データを取得すると、その取得した評価データに対応付けられた前記他のプレイヤーのプレイヤー識別情報に対応する前記履歴評価情報の高低に比例する補正値を求め、前記取得した評価データを前記補正値によって補正して前記補正評価を作成すること、を特徴とする請求項4に記載のゲームシステム。
【請求項6】
前記履歴評価情報は前記補正評価が加算された評価値である、ことを特徴とする請求項5に記載のゲームシステム。
【請求項7】
前記評価取得手段は、前記ゲームに関する特定の嗜好性について、前記組合されたプレイヤーはその嗜好性が強いか否かを段階的に評価する評価文とその評価に対応する数値とが対応付けられた複数の選択肢を、前記そのゲーム機を操作するプレイヤーに提示し、そのプレイヤーによって選択された選択肢に対応付けられた数値を前記評価データとして取得する、ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のゲームシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−149425(P2006−149425A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−340270(P2004−340270)
【出願日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(000105637)コナミ株式会社 (106)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(000105637)コナミ株式会社 (106)
【Fターム(参考)】
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