説明

ゲームプログラム、ゲームプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、及び、ゲーム装置

【課題】 セリフの表示中に、そのセリフを割り当てられたキャラクタを移動させた場合に、セリフを判読し難くすることなく、かつ、どのキャラクタのセリフなのかを分かり易く表示する。
【解決手段】 テキストボックス部と、当該テキストボックス部からセリフを割り当てられたキャラクタに向けて延びるポインタ部とから構成される吹き出し画像を画像表示装置に表示させる処理と、テキストボックス部にセリフを表示させる処理とを実行し、セリフが表示されている間に、そのセリフを割り当てられたキャラクタが移動した場合には、テキストボックス部を移動させることなく、キャラクタの移動に追随してポインタ部を移動、又は、変形させる処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のキャラクタが登場するビデオゲームであって、ゲームの進行中に、登場キャラクタのうちの少なくとも一部のキャラクタが、そのキャラクタに割り当てられたセリフを発言する場面が設定されているゲームプログラム、ゲームプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、及び、ゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ロールプレイングゲームやアドベンチャーゲーム、アクションゲームなどにおいては、ゲームに登場するキャラクタが、他のキャラクタと「会話」を行うことで、ゲームが進行し、或いは、ゲーム進行上のヒントが与えられるようになっているものがあるが、この種のゲームにおける「会話」の場面は、それぞれのキャラクタに割り当てられたセリフを文字(テキスト)として画像表示装置上に表示することにより行われている。
【0003】
そして、表示されるそれぞれのセリフがどのキャラクタに割り当てられたものかをプレーヤーに示すための手法としては、セリフに付記する形で該当するキャラクタの名称を表示する方法が採られている場合が多い。
【0004】
しかし、プレイヤーは、必ずしもゲームに登場する全てのキャラクタの名称を覚えている訳ではないので、この従来の手法では、特に多数のキャラクタが登場するゲームの場合、画像表示装置に表示されているどのキャラクタのセリフなのかをプレーヤーが理解し難くなるという問題がある。
【0005】
このため、セリフを該当するキャラクタの近くに表示することで、セリフを割り当てられたキャラクタを視覚的に理解できるようにしたゲームも知られている。
【0006】
しかし、この方法は、セリフが表示されている間に該当するキャラクタを画像表示装置上で移動させた場合に問題を生じ、キャラクタとともにセリフの表示位置を移動させるようにするとテキストが読みづらくなり、また、セリフの表示位置を固定したままキャラクタを移動させると、キャラクタとセリフとの関連性が分かりづらくなってしまう。
【特許文献1】特開2001−351125号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記課題を解決し、プレーヤーが判読し易く、かつ、どのキャラクタのセリフなのかをプレーヤーが理解し易い態様でセリフ表示を行うことができるゲームプログラム、その記録媒体、又は、ゲーム装置を提供することをその課題とする。
【0008】
また、本発明は、セリフの表示中に、そのセリフを割り当てられたキャラクタを移動させた場合でも、セリフを判読し難くすることなく、かつ、セリフと、そのセリフを割り当てられたキャラクタの関係を明瞭に理解できる態様で、セリフ表示を行うことができるゲームプログラム、その記録媒体、又は、ゲーム装置を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決したものであり、ゲームの展開に応じて、ゲームに登場するキャラクタに割り当てられたセリフを画像表装置上に表示させるゲームプログラムであって、前記ゲームプログラムは、コンピュータに、テキストボックス部と、当該テキストボックス部からセリフを割り当てられた前記キャラクタに向けて延びるポインタ部とから構成される吹き出し画像を前記画像表示装置に表示させる処理と、前記テキストボックス部に前記セリフを表示させる処理とを実行させ、前記セリフが表示されている間に、当該セリフを割り当てられた前記キャラクタが移動した場合には、前記テキストボックス部を移動させることなく、当該キャラクタの移動に追随して前記ポインタ部を移動、又は、変形させる処理を実行させることを特徴とするゲームプログラム、これを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、或いは、ゲームの展開に応じて、ゲームに登場するキャラクタに割り当てられたセリフを画像表示装置上に表示させるゲーム装置であって、テキストボックス部と、当該テキストボックス部からセリフを割り当てられた前記キャラクタに向けて延びるポインタ部とから構成される吹き出し画像を前記画像表示装置に表示させる吹き出し画像表示手段と、前記テキストボックス部内に前記セリフを表示させるセリフ表示手段とを備え、前記セリフが表示されている間に、当該セリフを割り当てられた前記キャラクタが移動した場合には、前記吹き出し画像表示手段は、前記テキストボックス部を移動させることなく、当該キャラクタの移動に追随して前記ポインタ部を移動、又は、変形させることを特徴とするゲーム装置である。
【0010】
即ち、本発明では、セリフを表示するテキストボックス部と、そのセリフを割り当てられたキャラクタを示すためのポインタ部とから構成される吹き出し画像を表示し、当該ポインタ部を、テキストボックス部からセリフを割り当てられたキャラクタに向けて延びる形態の図形とすることで、表示される各セリフがどのキャラクタに割り当てられたものかをプレーヤーが容易に理解できるようにしたものである。
【0011】
また、本発明では、セリフの表示中に、当該セリフを割り当てられたキャラクタを移動させた場合には、ポインタ部をキャラクタに追随して移動、変形させることにより、キャラクタの移動中においてもキャラクタとセリフの関係をプレーヤーに明示することができる一方で、セリフが表示されるテキストボックス部の移動は行われないため、セリフの判読が困難になるという不都合も生じない。
【0012】
本発明におけるポインタ部は、その形状やサイズに特別の限定はないが、テキストボックス部中のセリフと、そのセリフを割り当てられたキャラクタとの関連を分かり易く表示する意味では、テキストボックス部からキャラクタの方向に向かって延びる線状の図形、特に、キャラクタに近付くにつれて、直線的に、或いは、曲線的に幅狭となる線状の図形とすることが好ましい。
【0013】
また更に、図形の単純化によりポインタ部の描画処理のための負荷を軽減する意味では、例えば、ポインタ部の形状を、テキストボックス部に接する基部を底辺とし、セリフを割り当てられたキャラクタの例えば、頭部の近辺などの特定位置を上記底辺に対向する頂点とする三角形形状とすることが好ましく、この場合には、セリフを割り当てられたキャラクタが移動した際には、上記底辺を固定したままで、上記頂点をキャラクタに追随して移動させて、ポインタ部の三角形形状を変化させていくことで、移動中、移動後のキャラクタを分かり易く指し示すようにすることができる。
【0014】
また、本発明のテキストボックス部の形状やサイズに特別の制限はないが、セリフのテキスト表示を行う十分なスペースを確保する意味では、その形状は、四角形状やバルーン形状などにすることが適切である。
【0015】
また、セリフを割り当てられたキャラクタや、セリフが表示されるシチュエーション(画像表示装置上におけるキャラクタやその他のオブジェクトの配置)に応じて、テキストボックス部を表示する画像表示装置上の位置やその形状を変更しても良いが、全てのキャラクタに割り当てられた全てのセリフについて、テキストボックス部を画像表示装置上における同一の位置に表示し、或いは、同一の形状で表示することが、ゲーム画面の見易さを向上させる意味で特に好ましい。
【0016】
また、テキストボックス部とポインタ部よりなる吹き出し画像は、必ずしも連続した単一の図形として描かれる必要はないが、テキストボックス部中のセリフと、該当するキャラクタとの関連性を理解し易くする意味では、テキストボックス部とポインタ部を連続した単一の図形として描画することが特に好ましい。
【0017】
また、テキストボックス部やポインタ部、或いは、テキストボックス部とポインタ部よりなる吹き出し画像は、必ずしも、その外周に境界線を描画することで画像としての輪郭を明瞭にすることは必要ではなく、例えば、境界線を描画することなく、テキストボックス部、及び、ポインタ部を特定色に着色することで吹き出し画像の形状を現すようにしても構わない。
【0018】
また、テキストボックス部において、キャラクタに割り当てられたセリフを表示する際に、そのキャラクタの名称を付記して表示することが特に好ましく、この場合には、キャラクタの名称とポインタ部により指し示されるキャラクタの画像が対応付けられてプレーヤーに表示されるために、プレーヤーが各キャラクタの名称を覚え易くなり、より深くゲームを楽しむことができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、プレーヤーにより操作されるプレーヤーキャラクタ(以下、「PC」という)が、ゲーム空間内の他のキャラクタ(以下、「NPC」という)との対話により謎解きをしながら、適宜襲い掛かってくるモンスターキャラクタ(以下、「MC」という)と戦いながらゴールをめざすことを内容とするアクションゲームを実行するためのゲームプログラム、これを記録した記録媒体、及び、当該アクションゲームを実行するゲーム装置を例として本発明の実施形態を説明する。
【0020】
まず、本発明のゲーム装置の例示的な装置構成、乃至は、本発明のゲームプログラムの実行に好適なゲーム装置の例示的な装置構成について説明する。
【0021】
図1は、当該ゲーム装置1の全体構成を示す説明図であり、図2は、当該ゲーム装置1が備える操作手段であるコントローラ3の説明図であり、図3は、当該ゲーム装置1のハードウェア構成を示す説明図である。
【0022】
図示されるように、上記ゲーム装置1は、主として家庭用ゲーム機2、コントローラ3、テレビモニタ4から構成されている。
【0023】
家庭用ゲーム機2は、電源ボタン11、リセットボタン12、複数のコントローラ3を接続するための複数のコネクター部13、メモリーカードの挿入口14、及び、本発明のゲームプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であるDVD−ROM16の挿入口15を備えている。
【0024】
また、家庭用ゲーム機2は、その内部にゲーム装置全体の制御を行う中央処理装置(CPU)21、ROM22、RAM23、ハードディスク24などの記録装置、DVD−ROM16やメモリーカードなどの読み取り、或いは、書き込みのための外部記録媒体ドライブ25、CPU21が行う各種演算により生成されるデータに基づいて画像信号、音声信号を合成する画像合成IC26、音声合成IC27、コントローラ3などとの間での信号の授受を行うためのI/Oポート28を有するコンピュータであり、これらの各装置は、バスライン29により相互に接続されている。
【0025】
また、コントローラ3には、STARTボタン31、SELECTボタン32の他、△ボタン33、□ボタン34、○ボタン35、×ボタン36などの押しボタン式の操作部材、及び、方向キー37やジョイスティック38、38などの方向指示を入力するための操作部材が設けられている。
【0026】
また、テレビモニタ4は、画像表示装置41、及び、スピーカー42を備え、画像合成IC26、音声合成IC27により合成された画像信号、音声信号をケーブル5から受信して、再生する。
【0027】
図4は、上記ゲーム装置において、CPU21が、DVD−ROM16に記録された本実施形態のゲームプログラムをRAM23等に設定された作業領域にキャッシュし、これをコントローラ3から入力される操作信号に応答して実行することにより実現される機能構成を示す説明図である。
【0028】
図示されるように、このゲーム装置は、主として制御部50と記憶部55から構成されている。
【0029】
制御部50は、コントローラ3からの操作信号や、記憶部55に記録される各種のゲーム情報に基づいて種々のゲーム処理を実行するものであり、例えば、ゲーム空間の設定、ゲーム空間へのPC、NPC、MCを含む各種のオブジェクトの配置や移動、ゲームポイントの計算、各種のゲームイベントの実行などを行うように構成されている。
【0030】
また、図中、PC制御手段51は、主としてコントローラ3からの操作信号に基づいてPCの移動、動作を制御し、そのゲーム空間内における時々刻々の座標や姿勢などを更新するものであり、NPC制御手段52は、予め定められた設定に従って、複数のNPCそれぞれの移動、動作を制御し、そのゲーム空間内における時々刻々の座標や姿勢などを更新するものである。
【0031】
また、会話制御手段53は、予め定められた会話イベントの実行条件が成立したか否かを判断し、成立している場合には、後述の会話イベントを実行するものであり、当該条件が成立した場合には、吹き出し画像生成手段53aが吹き出し画像データを生成し、更に、セリフ生成手段53bが記憶部55に記録される会話データ56を読み出して、吹き出し画像生成手段53aが生成する吹き出し画像中に表示させるセリフ等のテキスト情報を作成する。
【0032】
また、画像信号生成手段54は、PC制御手段51、NPC制御手段52が更新したPCやNPCの座標や姿勢、或いは、会話制御手段53が生成した吹き出し画像データやテキスト情報に基づいて、ゲーム空間内で行動するPCやNPCの図柄、及び、これに重ね合わせて表示される吹き出し画像などから構成されるゲーム画面の画像信号を生成する。
【0033】
記憶部55は、DVD−ROM16、RAM23、ハードディスク24などの情報記憶部材を使用して実現される機能ブロックであり、ゲーム実行に必要な各種のプログラムや会話データ56を含む各種ゲーム情報を記録している。
【0034】
図5は、上記会話データ56の内容の一部を示す説明図である。
【0035】
図示されるように、会話データ56は、対象NPC56a、ステータス番号56b、セリフデータ56c、及び、割当キャラクタ56dの各データから構成されており、対象NPC56aは、それぞれ異なる態様の会話シーンが展開される複数の会話イベントのそれぞれに関連付けられたNPC(PCが所定距離まで接近したNPCなど)を規定するものであり、セリフデータ56cは、会話イベントにおいてセリフとして表示されるテキストデータであり、割当キャラクタ56dは、当該セリフを割り当てられたキャラクタ(当該セリフの発言者であるPC、又は、NPC)を表している。
【0036】
また、ステータス番号56bは、ゲームの進行度合い表すパラメータであり、会話イベント実行時におけるゲームの進行度合いに対応するステータス番号56bが付与された会話データが読み出されるようにすることにより、同一のNPCに関連付けられた会話イベントであっても、ゲームの進行度合いによって異なるセリフの表示が行われるようにされている。
【0037】
次に、図6に示されるフローチャートに従って、本発明のアクションゲームにおいて実行される処理について説明する。
【0038】
本発明のゲームプログラムを格納したDVD−ROM16を挿入口15に挿入した状態で電源ボタン11を投入し、又は、リセットボタン12を操作することにより、ゲーム処理が開始され(ステップS1)、新規ゲームかコンティニューかの選択(ステップS2)が受け付けられた後、新規ゲームの場合は初期データに従って、コンティニューの場合は、メモリーカードから読み込まれたデータに従って、PCや複数のNPCを始めとする各種オブジェクトが配置されたゲーム空間を設定する処理(ステップS3)が行われ、その後、ステップS4〜S12のメインのゲーム処理が実行される。
【0039】
メインのゲーム処理においては、まず、コントローラ3から△ボタン33の操作が入力されたか否かの判断(ステップS4)が行われ、「Yes」の場合は、画像表示装置41上においてメニュー画面の表示(ステップS5)が行われ、システム設定の変更やゲームの途中経過のメモリーカードへの記録などの受け付けが行われるようになっている。
【0040】
続いて、コントローラ3から○ボタン35の操作が入力されたか否かの判断(ステップS6)が行われ、「Yes」の場合、会話イベントの実行条件が成立しているか否かの判断(ステップS7)が実行される。
【0041】
このステップでは、PC制御手段51、及び、NPC制御手段52において時々更新されるPC、及び、NPCのゲーム空間内における座標が調べられ、PCから所定距離範囲内にいずれかのNPCが存在する場合には、会話イベントの実行条件が成立しているとの判断が行われ、その場合、当該所定範囲内のNPCのうち、最もPCからの距離の近いNPCに関連づけられた会話イベント(ステップS8)が実行され、PCから所定距離範囲内にNPCが存在しない場合には、会話イベントを実行することなく、処理はステップS9に移行する。
【0042】
図7は、当該会話イベントにおいて画像表示装置41上に表示されるゲーム画面60の一例を示す説明図である。
【0043】
図7(a)に示されるように、ゲーム画面60には、人物を模したキャラクタであるPC61、及び、NPC62a、bが表示されており、この場合、PC61(「ラスティ」の名称を付されたキャラクタであるものとする)から所定距離範囲に存在するNPCのうち、最も距離の近いNPC62a(「マリー」の名称を付されたキャラクタであるものとする)に関連付けられた会話イベントが実施される。
【0044】
なお、図7に表示される場面でのゲームの進行度合いは、ステータス番号が「1」の状態であるものとする。
【0045】
この会話イベントでは、図7(a)に示されるように、吹き出し画像生成手段53aにより生成される、方形のテキストボックス部63a、及び、ポインタ部63bよりなる吹き出し画像が表示され、更に、当該テキストボックス部63a内には、会話データ56から読み出された、NPC62aに関連づけられたステイタス番号が「1」のセリフデータ56cのうちの第1列目のもの(「初めまして、ラスティです。」)がセリフ64aとして表示され、また、当該セリフデータ56cに対応する割当キャラクタ56d(「ラスティ」)がキャラクタ名64bとして表示されている。
【0046】
また、このとき、ポインタ部63bは、テキストボックス部63aの上辺の一部を底辺63cとし、テキストボックス部63aに表示されるセリフ64aを割り当てれらたキャラクタである「ラスティ」(PC61)の頭部から所定距離の位置をこれに対向する頂点63dとする三角形形状の図形(テキストボックス部63aからセリフ64aを割り当てられたキャラクタPC61に近付くに従って直線的に幅が狭くなる線状の図形)とされており、これにより、テキストボックス部63a内のセリフ64aを割り当てられたキャラクタがPC61であることが視覚的に理解できるようにされている。
【0047】
なお、図7(a)の状態で、コントローラ3の方向キー37、或いは、ジョイスティック38を操作することにより、PC61の位置をゲーム画面60内で移動させることも可能であり、この場合は、例えば図7(b)に示されるように、PC61の移動に追随して頂点63dが移動することでポインタ部63bの形状が変形し、移動中、及び、移動後においても、テキストボックス部63a内のセリフがPC61に割り当てられたものであることを視覚的に理解できる態様で示されるようになっており、その一方、テキストボックス部63aは移動することなくそのままの位置に表示され、セリフの判読が困難になる等の問題を生じないようにされている。
【0048】
図7(a)(又は、図7(b))のゲーム画面60において、コントローラ3から○ボタン35の操作が行われると、ゲーム画面60は、図7(c)に示す状態に切り替えられ、その後、NPC62aが、NPC制御手段52の制御により自動的にゲーム画面60上を移動して、図7(d)の状態に至るようになっている。
【0049】
図7(c)のゲーム画面60においても、図7(a)と同様のテキストボックス部63aが表示されているが、当該テキストボックス部63aには、セリフ64aとして、NPC62aに関連づけられたステイタス番号が「1」のセリフデータ56c中、第2列目のもの(「こんにちは。わたしはマリーです。」)が表示され、また、キャラクタ名64bとしては、当該セリフデータ56cに対応する割当キャラクタ56d(「マリー」)が表示されている。
【0050】
また、図7(c)におけるポインタ部63bは、テキストボックス部63aの図7(a)と同一の部分を底辺63cとし、NPC62aの頭部近傍の所定位置を頂点63dとする三角形形状の図形とされることで、テキストボックス部63aのセリフ64aがNPC62aに割り当てられたものであることが視覚的に理解できる態様で示されている。
【0051】
また、NPC62aがゲーム画面60上を移動して、図7(c)から図7(d)の状態に至る過程においては、頂点63dがNPC62aに追随して移動することでポインタ部63bの形状が変化し、これにより、NPC62aの移動中、移動後においても、テキストボックス部中のセリフ64aがNPC62aに割り当てられたものであることが示される一方で、この間、テキストボックス部63aは移動することなく、そのままの位置に表示されているために、セリフの判読が困難になるという問題は生じない。
【0052】
なお、図7(c)、(d)のテキストボックス部63aの右側に示される「☆」は、同一のキャラクタ(NPC62a)に割り当てられたセリフ64aに続きがあることを表示するマークであり、プレーヤーが、図7(c)、(d)におけるセリフ64a(「こんにちは。わたしはマリーです。」)を読み終わった後にコントローラ3の○ボタン35を操作すると、NPC62aに関連づけられたステイタス番号が「1」のセリフデータ56c中、第3列目のもの(「教会へご案内します。」)が表示されるようになっている。
【0053】
上記のような会話イベント(ステップS8)の実行が完了すると、処理はステップS9に移行し、予め定められた戦闘イベントの実行条件が成立しているか否かが判断され、成立している場合は、PCがMCとの戦いを行う戦闘イベント(ステップS10)が実行された後、成立していない場合は、戦闘イベントを実行することなく、処理はステップS11に移行する。
【0054】
ステップS11では、PC制御手段51、NPC制御手段52により、PC、及び、各NPCの移動処理が実行され、その後、予め定められたゲーム終了条件が成立しているか否かの判断(ステップS12)が実行され、ゲーム終了条件が成立している場合には、エンディングシーンの表示やゲームオーバーの表示等を内容とするゲーム終了処理(ステップS13)が実行され、ゲーム終了条件が成立していない場合には、処理はステップS4に戻される。
【0055】
以上、本発明を一実施形態に係るゲームプログラム、これを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、及び、ゲーム装置を例に説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の範囲において、種々の改変が可能である。
【0056】
例えば、本発明は、コンピュータ、コントローラ、モニタなどが単一の筐体に組み込まれたいわゆるアーケード用のゲーム装置として実現することも可能である。
【0057】
また、本発明は、アクションゲームに限らず、ゲームの展開中に、ゲームに登場するキャラクタに割り当てられたセリフの表示が行われるロールプレイングゲームや、アドベンチャーゲーム、シミュレーションゲームなど他の種類のゲームにも適用することができる。
【0058】
また、本発明における吹き出し画像は、図7に示した態様に限らず、種々の形状とすることが可能であり、例えば、図8(a)〜(c)に示すように、ポインタ部を直線で表示し、テキストボックス部からセリフを割り当てられたキャラクタに近付くに従って、幅が曲線的に狭くなっていく図形とし、或いは、テキストボックス部と分離した図形とすることも可能である。
【0059】
また、テキストボックス部についても、図8(d)に示すように、バルーン状の図形とするなど形状等は任意に変更することがでる。
【0060】
また、図8(e)に示すように、吹き出し画像に任意の色彩を施し、或いは、図8(f)に示すように、吹き出し画像の輪郭線を描くことなく、吹き出し画像に任意の着色を施すことでその形状を現すようにすることも可能である。
【0061】
また、上記した実施形態では、セリフの表示中に当該セリフを割り当てられたキャラクタが移動した場合には、当該移動に追随してポインタ部の形状が変形する場合について説明したが、図9(a)、(b)に示されるように、ポインタ部の表示位置がキャラクタの移動に追随して移動するものであっても良く、或いは、移動と同時に変形するものであっても良い。
【0062】
また、図7、図8、図9(a)、(b)には、吹き出し画像が不透明な画像として描画され、吹き出し画像の位置には、ゲーム空間内のオブジェクトが表示されない場合のゲーム画面を例示したが、例えば、図9(c)、(d)に示すように、吹き出し画像(或いは、その一部)を透明、乃至、半透明(白色半透明、有色半透明など)にして、吹き出し画像(或いは、その一部)の位置に、ゲーム空間内のオブジェクトを重ね合わせて表示するようにしても構わない。
【0063】
また、上記した実施形態では、テキストボックス部をゲーム画面下方に表示する場合について説明したが、本発明におけるテキストボックス部の表示位置に特段の制限はなく、ゲーム画面の上方や左サイド、右サイドなどの任意の位置に表示することができる。
【0064】
また、上記実施の形態においては、PCのセリフがNPCやステータス番号に関連付けて定義されている場合について説明したが、これは単なる例として示したものであり、PC、及び、NPC毎にセリフを定義するなど、任意の方法で会話データを作成することが可能である。
【0065】
また、上記した実施形態における会話イベントの具体的な実行条件や、会話イベント中におけるコントローラからのPCやNPCの操作の可否、ゲームに登場するキャラクタの種類、会話イベントにおいてセリフを割り当てられるキャラクタの種類などは単なる例として示したものであり、これらは、ゲームの内容や必要とされる演出の種類などに応じて適宜変更することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の一実施形態に係るゲーム装置の全体構成を示す説明図。
【図2】本発明の一実施形態に係るゲーム装置が備えるコントローラの説明図。
【図3】本発明の一実施形態に係るゲーム装置のハードウェア構成を示す説明図。
【図4】本発明の一実施形態に係るゲーム装置において実現される機能構成を示す説明図。
【図5】本発明の一実施形態における会話データの一部を示す説明図。
【図6】本発明の一実施形態に係るゲーム装置の動作を示すフローチャート。
【図7】本発明の会話イベントにおいて表示されるゲーム画面の一例を示す説明図。
【図8】本発明の会話イベントにおいて表示されるゲーム画面の他の例を示す説明図。
【図9】本発明の会話イベントにおいて表示されるゲーム画面の他の例を示す説明図。
【符号の説明】
【0067】
1 ゲーム装置
2 家庭用ゲーム機
3 コントローラ
4 テレビモニタ
21 CPU
22 ROM
23 RAM
24 ハードディスク
25 外部記録媒体ドライブ
26 画像合成IC
27 音声合成IC
28 I/Oポート
29 バスライン
41 画像表示装置
42 スピーカー
50 制御部
51 NPC制御手段
52 NPC制御手段
53 会話制御手段
53a 吹き出し画像生成手段
53b セリフ生成手段
54 画像信号生成手段
55 記憶部
56 会話データ
56a 対象NPC
56c セリフデータ
56b ステータス番号
56d 割当キャラクタ
60 ゲーム画面
61 PC(プレイヤーキャラクタ)
62a、b NPC(ノンプレーヤーキャラクタ)
63a テキストボックス部
63b ポインタ部
63d 頂点
63c 底辺
64a セリフ
64b キャラクタ名

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームの展開に応じて、ゲームに登場するキャラクタに割り当てられたセリフを画像表示装置上に表示させるゲームプログラムであって、
前記ゲームプログラムは、コンピュータに、
テキストボックス部と、当該テキストボックス部からセリフを割り当てられた前記キャラクタに向けて延びるポインタ部とから構成される吹き出し画像を前記画像表示装置に表示させる処理と、
前記テキストボックス部に前記セリフを表示させる処理とを実行させ、
前記セリフが表示されている間に、当該セリフを割り当てられた前記キャラクタが移動した場合には、前記テキストボックス部を移動させることなく、当該キャラクタの移動に追随して前記ポインタ部を移動、又は、変形させる処理を実行させることを特徴とするゲームプログラム。
【請求項2】
前記ポインタ部は、前記セリフを割り当てられた前記キャラクタに近付くにつれて幅狭となる線状の図形であることを特徴とする請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記ポインタ部は、前記テキストボックス部に接する基部を底辺とし、前記セリフを割り当てられたキャラクタに関連づけられた特定位置を前記底辺に対向する頂点とする略三角形形状の図形であることを特徴とする請求項1又は2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記セリフが表示されている間に、当該セリフを割り当てられた前記キャラクタが移動した場合には、前記基部を変化させることなく、前記キャラクタの移動に追随して前記頂点を移動させることにより、前記三角形形状が変形することを特徴とする請求項3に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
全てのキャラクタに割り当てられた全てのセリフについて、前記テキストボックス部が、前記画像表示装置上における同一の位置に表示されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
全てのキャラクタに割り当てられた全てのセリフについて、前記テキストボックス部が、同一の形状で表示されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項7】
前記テキストボックス部には、前記セリフとともに、当該セリフを割り当てられたキャラクタの名称が表示されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項8】
ゲームの展開に応じて、ゲームに登場するキャラクタに割り当てられたセリフを画像表示装置上に表示させるゲームプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
前記ゲームプログラムは、コンピュータに、
テキストボックス部と、当該テキストボックス部からセリフを割り当てられた前記キャラクタに向けて延びるポインタ部とから構成される吹き出し画像を前記画像表示装置に表示させる処理と、
前記テキストボックス部に前記セリフを表示させる処理とを実行させ、
前記セリフが表示されている間に、当該セリフを割り当てられた前記キャラクタが移動した場合には、前記テキストボックス部を移動させることなく、当該キャラクタの移動に追随して前記ポインタ部を移動、又は、変形させる処理を実行させることを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項9】
ゲームの展開に応じて、ゲームに登場するキャラクタに割り当てられたセリフを画像表示装置上に表示させるゲーム装置であって、
テキストボックス部と、当該テキストボックス部からセリフを割り当てられた前記キャラクタに向けて延びるポインタ部とから構成される吹き出し画像を前記画像表示装置に表示させる吹き出し画像表示手段と、
前記テキストボックス部内に前記セリフを表示させるセリフ表示手段とを備え、
前記セリフが表示されている間に、当該セリフを割り当てられた前記キャラクタが移動した場合には、前記吹き出し画像表示手段は、前記テキストボックス部を移動させることなく、当該キャラクタの移動に追随して前記ポインタ部を移動、又は、変形させることを特徴とするゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−6429(P2006−6429A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−184452(P2004−184452)
【出願日】平成16年6月23日(2004.6.23)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【Fターム(参考)】