ゲームプログラム、ゲーム装置、およびゲーム制御方法
【課題】野球ゲームにおいて、ストライクゾーンを外れたボールを打つことが可能なゲームプログラム、ゲーム装置、およびゲーム制御方法を提供する。
【解決手段】投手キャラクタからボールキャラクタを送出する送出機能と、前記ボールキャラクタがストライクゾーンを通過したことを判定するストライク判定機能と、前記打者キャラクタが前記ボールキャラクタを打撃できる領域に対応するミートフレームを、前記ストライクゾーンとは別に生成するミートフレーム生成機能と打者キャラクタの打撃操作タイミングとに基づき、前記ボールキャラクタの打撃結果を判定する打撃判定機能と、前記プレイヤによる第1操作に基づいて、前記ストライクゾーンと重複する位置を初期位置として、前記ミートフレームの位置を移動するミートフレーム移動機能とを実現させる。
【解決手段】投手キャラクタからボールキャラクタを送出する送出機能と、前記ボールキャラクタがストライクゾーンを通過したことを判定するストライク判定機能と、前記打者キャラクタが前記ボールキャラクタを打撃できる領域に対応するミートフレームを、前記ストライクゾーンとは別に生成するミートフレーム生成機能と打者キャラクタの打撃操作タイミングとに基づき、前記ボールキャラクタの打撃結果を判定する打撃判定機能と、前記プレイヤによる第1操作に基づいて、前記ストライクゾーンと重複する位置を初期位置として、前記ミートフレームの位置を移動するミートフレーム移動機能とを実現させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プレイヤが打者キャラクタを操作して打撃操作を行う野球ゲームを実行するゲームプログラム、ゲーム装置、およびゲーム制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
DVD(digital versatile disc)などに記録されたゲームソフトを用いてゲームをプレイするTVゲーム機が普及している。野球ゲームにおいて、ユーザであるプレイヤは、コントローラを操作することによって打者キャラクタを動かし、投手キャラクタが投げたボールを打つ。
【0003】
従来の野球ゲームプログラムにおいて、投手キャラクタはストライクゾーンを基準として投球する。打者キャラクタは、投げられたボールにミートカーソルを合わせるようにコントローラを操作し、バットを振る。ミートカーソルは、打撃カーソル(特許文献1を参照)と呼ばれたり、バットカーソル(特許文献2を参照)と呼ばれたりする。ミートカーソルは、打者キャラクタが振るバットキャラクタのうち、打撃に実質的に影響する部分を表す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3561517号明細書
【特許文献2】特許第3822222号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来のゲームプログラムでは、ストライクゾーンを外れたボールを打とうとすると空振りとなるか、仮に演出上、ボールを打ち返せたとしても、ヒット等にはならないように設定されていた。
【0006】
しかし、現実の野球においては、ストライクゾーン以外のボールであっても、打者があえてそのコースを狙いに行き、打ち返してヒットにするケースがある。それは例えば、打者がそれまでのボールカウントから見て、恐らく投手は次の投球ではこのコースを狙いに来るだろうと判断するような場合である。しかしながら、従来の野球ゲームでは、このような設定までを考慮しておらず、ストライクゾーンをボールが通るかどうかがヒットになるかどうかの絶対的な基準のひとつであった。従って、従来ゲームの打撃のシステムは、初心者等にとってはシンプルな構成であり、適当であったとも言える半面、ゲームに慣れてきたプレイヤ等にとっては、物足らない仕様でもあり、現実の野球のような十分なリアル感を与えるものではなかった。
【0007】
そこで、本発明は、プレイヤの意図に応じて、ストライクゾーンを外れたボールを狙って打つことも可能なゲームプログラム、ゲーム装置、およびゲーム制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のある実施形態によれば、ゲーム空間内に設定された投手キャラクタ、打者キャラクタ、およびボールキャラクタをモニタに表示し、プレイヤが操作部を介して前記打者キャラクタを操作することによって前記ボールの打撃操作を行う野球ゲームを実行可能なコンピュータに、前記投手キャラクタから前記ボールキャラクタを送出する送出機能と、前記ボールキャラクタがストライクゾーンを通過したことを判定するストライク判定機能と、前記打者キャラクタが前記ボールキャラクタを打撃できる領域に対応するミートフレームを、前記ストライクゾーンとは別に生成するミートフレーム生成機能と、前記ミートフレームが生成され、且つ前記ボールキャラクタが前記ミートフレームを通過した場合、前記ミートフレーム内を移動可能な、打撃ポイントの目標を示すミートカーソルの位置と、前記ボールキャラクタの通過位置と、前記打者キャラクタの打撃操作タイミングとに基づき、前記ボールキャラクタの打撃結果を判定する打撃判定機能と、前記プレイヤによる第1操作に基づいて、前記ストライクゾーンと重複する位置を初期位置として、前記ミートフレームの位置を移動するミートフレーム移動機能とを実現させる。
【0009】
上記構成においては、プレイヤの操作(すなわち、プレイヤの意図)に応じて、ストライクゾーンとは別に、ボール打撃が可能なミートフレームの位置を任意に設定できるようにした。これによって、従来であれば、ボールの打撃可能な領域はストライクゾーンに固定されていたが、本実施形態では、別途、打撃可能な領域を設けているので、ストライクゾーンから外れたボールであっても、打撃することが可能となる。なお、プレイヤの意図的な操作がない限り、ミートフレームの位置設定は行われず、従来通り、ストライクゾーンが表示されているのみであり、ボールが当たる範囲はストライクゾーンに固定される。
【0010】
また、上記ミートフレームはストライクゾーンと重複する位置を初期位置として移動されるので、プレイヤはストライクゾーンからどの方向にどれだけずれた領域までを打撃範囲として狙うのかを、自ら明確に認識しながら設定することができる。すなわち、より具体的な野球ゲームのイメージで言えば、打者としてのプレイヤが、投手は次の投球で外角高めのボール気味の箇所を狙ってくると判断すれば、ストライクゾーンとは別にミートフレームを外角高めの方向に向かって設定することになるが、この際、ミートフレームはストライクゾーンを基準としてずらせる形で位置設定するので、自分が所望する打撃範囲を明確に判断、設定できる。
【0011】
また、前記ミートフレーム生成機能は、前記プレイヤによる前記第1操作の前に行われる前記プレイヤによる第2操作に基づいて前記ミートフレームを生成するのが望ましい。
【0012】
上記構成においては、ミートフレームの生成自体もプレイヤの操作に依存する。すなわち、プレイヤによる第2操作、例えば、ゲームコントローラの所定のボタンを押すことによって初めて、ストライクゾーンに重複するようミートフレームが生成される。従って、プレイヤがストライクゾーン外を含めて打撃しようと意図したときのみ、ミートフレームが生成されるので、例えば初心者の操作の誤り等によって不用意にミートフレームが生成され、意図しない打撃範囲が設定されてしまう、といった誤操作が回避される。
【0013】
また、前記ミートフレーム移動機能は、前記ミートカーソルを、移動された前記ミートフレームの中心に位置させることが望ましい。
【0014】
上記構成においては、ミートカーソルの位置変更の初期位置を常に一定にすることができるので、プレイヤの操作性が向上する。すなわち、ミートフレームを生成しない場合については、従来通り、ミートカーソルはストライクゾーンの中心に配置されており、一方、ミートフレームを生成し、この位置を移動したときにも、ミートカーソルは移動後のミートフレームの中心に配置されている。そして、いずれの場合も、プレイヤはこの中心位置からミートカーソルを投球されたボールに合わせて移動させることになる。従って、プレイヤにとっては、ミートフレームの有無にかかわらず、ミートカーソルの移動は打撃領域の中心部から開始すればよいので、操作の統一性を図れる。
【0015】
また、前記ストライクゾーンは、マス目状に等分割されてなり、且つ、前記ミートフレーム生成機能は、前記ミートフレームを、その大きさおよび内部が前記ストライクゾーンと同一となるように生成し、前記ミートフレーム移動機能は、前記第1操作に基づいて、前記ミートフレームを前記マス目の1単位毎に移動させるようにすることが望ましい。
【0016】
上記構成においては、ミートフレームをストライクゾーンと同一の大きさ、形状にするとともに、ミートフレームの移動単位を、マス目1単位後毎に移動させるようにしているので、無断階で移動可能とする場合に比べて、視認性に優れ、移動のレベルの把握を容易にでき、操作性の向上を図れる。すなわち、無断階で移動可能とした場合には、移動距離等を目視では把握することは困難であり、この結果、プレイヤにとっての学習効果が期待できない。つまり、無断階で移動可能とした場合には、どの程度、移動させたときにどのような打撃結果となったかといった情報のフィードバックを得ることができないが、上記構成のように移動単位をあえて固定することによって、自分のプレイの学習効果を向上することができる。
【0017】
また、前記打撃判定機能は、移動された前記ミートフレームと重ならない前記ストライクゾーン内の打撃の確率を、前記ミートフレームと重なる前記ストライクゾーン内の打撃の確率よりも低く設定することが望ましい。
【0018】
上記構成によれば、ミートフレームを生成、移動させた場合に、プレイヤがストライクゾーン外のボールを打撃できるというメリットが生じる一方で、本来であれば、通常通り、打撃できるはずの領域での打撃の確率が低くなってしまうというデメリットも生じるようにしている。具体的には、例えば、ストライクゾーンの外角高めのボール領域をカバーするようにミートカーソルを移動させた結果、その対角線上において、ミートカーソルがストライクゾーンと重複しなくなる、ストライクゾーンの内角低めの領域では打撃の確率を低く設定している。
【0019】
この結果、プレイヤはメリットを享受するだけでなく、ストライクゾーン外でも打撃可能となる仕様を採用した場合にはデメリットも生じることになるため、遊技に緊張感が伴うこととなり、より遊戯性を向上することができる。
【0020】
また、前記ミートフレーム移動機能は、前記ストライクゾーン上から離間する前記ミートフレームの移動量を、前記打者キャラクタの打者能力を表すパラメータに基づいて設定することが望ましい。
【0021】
上記構成によれば、例えば打撃能力に優れた打者キャラクタの場合には、普通の能力の打者キャラクタよりも移動量を大きくすることによって、打者キャラクタの能力に応じた種々のバリエーションを提供することができる。例えば、ミートフレームの内部がマス目状に等分割されている場合において、普通の能力の打者キャラクタが1マスしか移動できないのに対して、打撃能力に優れた打者キャラクタは1マス移動できるようにするといった設定にすることもできる。
【0022】
また、前記ミートフレーム移動機能は、前記ストライクゾーン上から離間する前記ミートフレームの移動方向を、前記打者キャラクタの打者能力を表すパラメータに基づいて設定することが望ましい。
【0023】
上記構成によれば、打者キャラクタの能力に応じた種々のバリエーションを提供することができる。例えば、ある打者キャラクタが外角のボールについては強いが、内角は弱いとずれば、ミートフレームはストライクゾーンから外にずれることは可能であるが、内側にはずれないよう規制するといった対応を行うことができる。この結果、プレイヤは各打者キャラクタの能力を知っておく必要が生じ、より深いゲーム性を楽しむことができるようになる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、ストライクゾーンを外れたボールを打つことが可能な野球ゲームのゲームプログラム、ゲーム装置、およびゲーム制御方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明のある実施形態によるゲームプログラムを用いるシステムを示す図である。
【図2】ゲーム装置によって生成されるゲーム画像を示す図である。
【図3】ゲーム装置によって生成されるゲーム画像を示す図である。
【図4】ゲーム装置によって生成されるゲーム画像を示す図である。
【図5】本発明のある実施形態によるゲームプログラムのフローを示す図である。
【図6】ストライクゾーンに対するミートフレームの移動を示す図である。
【図7】本発明のある実施形態によるゲームプログラムを用いるシステムを示す図である。
【図8】本発明のある実施形態によるゲームプログラムを用いるシステムの変形例を示す図である。
【図9】本発明のある実施形態によるゲームプログラムを用いるシステムを示す図である。
【図10】システムのハードウェアを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の例示的実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。図面において同一又は同様の機能を有する構成要素は、同じ参照符号によって表される。
【0027】
(システムの概略)
本発明の野球ゲームによれば従来の固定されたストライクゾーンとは別に、ミートフレームを生成し、このミートフレームをストライクゾーンに対して移動させる。ここで、ミートフレームとは、打者が打撃を狙える範囲を示すものである。従来は、固定されているストライクゾーンのどこかをボールが通過するタイミングでバットをスイングすることで打撃が可能であったが、それ以外の領域で打撃しヒット等を狙うということはできなかった。そこで、本発明では、ストライクゾーンとは別に、上記の「ミートフレーム」という概念を導入することで、現実の野球のように、あえてボールコースを狙いに行く、といった操作を可能とするものである。なお、ミートカーソルは、従来のストライクゾーンで任意に移動させることが可能であったのと同様、この移動されたミートフレームの中でも自由に移動できる。そのためストライクゾーンではない領域にミートカーソルを置き、ボールを打撃することが可能になる。
【0028】
図1は、本発明のある実施形態によるゲームプログラムを用いるシステム100を示す図である。
【0029】
システム100は、典型的にはゲーム装置110、コントローラ130、およびディスプレイ140を含む。ゲーム装置110は、記録媒体120からデータを読み出すドライブ112を備える。ゲーム装置110は、仮想的なゲーム空間内にキャラクタを生成し、ゲームのルールに従ってキャラクタを動かす。ゲームプログラムは、ゲーム空間、ゲームキャラクタ、およびゲームルールなどを記述する。
【0030】
例えば野球ゲームのゲームプログラムであれば、ゲーム空間は、野球場を模擬する空間である。ゲームキャラクタには、例えば、投手キャラクタ、ボールキャラクタ、打者キャラクタ、バットキャラクタ、および野手キャラクタがある。ゲームルールには、例えば、ボールが打者に打たれることなくストライクゾーンを通過すると、ストライクとみなすルールなど、野球ゲームを規定するさまざまなルールがある。
【0031】
記録媒体120は、本発明によるゲームプログラムを記録した任意の適切なコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、例えばDVD−ROM(read only memory)である。しかし記録媒体120はこれには限られず、BD(Blu-ray disc)−ROM、CD(compact disc)−ROM、半導体メモリなどであってもよい。
【0032】
プレイヤ(操作者、ユーザとも呼ばれる)は、コントローラ130を操作することによって、ゲーム空間内のキャラクタを動かすことができる。例えば野球ゲームの場合は、ゲーム空間内に投手キャラクタ、打者キャラクタ、野手キャラクタなどが配置される。プレイヤは、コントローラ130が備えるボタンを押すことによって、キャラクタを操作できる。例えばプレイヤは、打者キャラクタがバットを振る時の、バットの打撃部分の位置、バットを振る力の強さ、バットを振るタイミングなどをコントローラのボタンを押すことによって制御できる。このような制御によってプレイヤは、打者にボールを打たせる操作を行うことができる。
【0033】
コントローラ130は、典型的には、L1ボタン131、および十字キー132(十字ボタン、方向キーとも呼ばれる)を備えるが、これだけではなく他のさまざまなボタンを備えてもよい。コントローラ130は、例えば有線でゲーム装置110と結合されるが、これには限られず無線で結合されてもよい。
【0034】
ゲーム装置110は、ゲームプログラムに基づいて、さまざまなゲームを実行する。典型的にはゲーム装置110は、TVゲーム機と呼ばれる、ゲームプログラムを実行するための専用のハードウェアである。これには限られずゲーム装置110は、ゲームプログラムを実行することが可能なパーソナルコンピュータであり得る。
【0035】
図1のシステム100の代替として、ゲーム装置110、記録媒体120、コントローラ130、およびディスプレイ140が小型の筐体に収められた携帯型ゲーム機がゲームプログラムを実行してもよい。
【0036】
ゲーム装置110は、記録媒体120からゲームプログラムなどを読み込むためのドライブ112を有する。ドライブ112は、記録媒体120に対応する任意のドライブであり、例えばDVDドライブ、BDドライブ、CDドライブであり得る。記録媒体120として半導体メモリが用いられる時は、ドライブ112の代わりに、メモリデバイスとゲーム装置110とを電気的に結合するコネクタが用いられる。
【0037】
ディスプレイ140は、ゲーム装置110によって生成されたゲーム空間内のさまざまなキャラクタをプレイヤに表示する。ディスプレイ140は、液晶テレビ、プラズマテレビなどであり得る。ディスプレイ140は、ゲーム装置110とは、典型的には有線で結合され、例えばHDMI(high-definition multimedia interface)ケーブルが用いられる。
【0038】
図2、図3、および図4は、それぞれゲーム装置110によって生成されるゲーム画像200,300,および400を示す図である。ゲーム画像200,300,および400は、ゲーム装置110によって生成される仮想的なゲーム空間を反映する。ゲーム画像200,300,および400は、ゲーム装置110がCPU(central processing unit)対戦モードにある時の画像の例である。CPU対戦モードでは、打者キャラクタ210は、プレイヤによってコントローラ130を介して操作され、投手キャラクタ220は、ゲーム装置110のCPUによって実行されるゲームプログラムで操作される。すなわちCPU対戦モードでは、プレイヤはゲーム装置110を相手に対戦する。CPU対戦モードでは典型的には、打者キャラクタ210の目線からの画面だけがディスプレイ140に表示される。
【0039】
(ゲームプログラムのフロー)
図5は、本発明のある実施形態によるゲームプログラムのフロー500,590を示す図である。フロー500のステップ502〜ステップ532は、投手キャラクタ220が1投するあいだの、打者キャラクタ210の処理に対応する。フロー590のステップ592〜ステップ596は、投手キャラクタ220が1投するあいだの、投手キャラクタ220の処理に対応する。したがってフロー500および590は、野球ゲームを実行するゲームプログラムのうちの一部である。典型的には打者キャラクタ210がバッターボックスに入ると、フロー500および590は、それぞれステップ502および592から開始される。
【0040】
本明細書のフロー図は、所望のデータ処理を行うプロセスを表す。そのようなプロセスは、典型的には複数のステップ群(すなわち機能群)を含む。ステップ群は、プロセスを実現するためのアクト(行為)に対応する。このようなステップは、典型的にはソフトウェアで実現される。代替としてブロックは、ハードウェア、又はソフトウェア及びハードウェアの組み合わせで実現されてもよい。図5のフロー500,590は、ゲーム装置110の備えるCPUが、CPUに関連付けられたメモリに記憶されるゲームプログラムを実行することによって実現される。
【0041】
図5に示すさまざまなステップは、ゲーム装置110のデータ処理部1000(図10を参照して後述する)によって実行される。具体的には、データ処理部1000によって実行されるステップは、ゲーム装置110が備えるCPU1002が、RAM1004やCPU1002のキャッシュに記憶された命令群を実行することによって実現される。ゲーム装置710,711の動作および機能は、ゲーム装置110と同様である。
【0042】
ステップ504において、図2に示されるようにゲーム装置110は、ストライクゾーン250に加えて、打者キャラクタ210、バットキャラクタ215、投手キャラクタ220、ボールキャラクタ225を含むゲーム画像200をディスプレイ140上に表示する。ストライクゾーン250は、投手キャラクタ220が投げたボールキャラクタ225がストライクであるか否かを判定するために用いられる。ゲーム空間内において打者キャラクタ210の近傍には、打撃判定のためのヒッティング面が設定される。ボールキャラクタ225がこのヒッティング面においてストライクゾーン250内を通過し、かつバットキャラクタ215によって打撃されない場合は、ストライクと判定される。
【0043】
ステップ506において、ゲーム装置110は、プレイヤがミートフレーム370をディスプレイ140上に表示させたいか否かを判定する。ゲーム装置110は、プレイヤがコントローラ130に設けられた、例えばL1ボタン131を押したか否かを判定する。ゲーム装置110がボタンの押下を検出するなら(判定がYESなら)、プロセスはステップ508に進み、検出しないなら(判定がNOなら)ステップ516に進む。
【0044】
代替としてステップ506は省略されてもよい。例えばゲーム装置110は、ストライクゾーン250を表示するのと同時に、ミートフレーム370を表示してもよい。
【0045】
ステップ508において、図3に示されるようにゲーム装置110は、ミートフレーム370をディスプレイ140上に表示する。図3に示されるようにミートフレーム370は、ストライクゾーン250と重なるように表示される。換言すればミートフレーム370の初期位置は、ストライクゾーン250と同じである。
【0046】
ミートフレーム370は、打者キャラクタ210がボールキャラクタ225を打つことができる範囲に対応する。ゲーム装置110はミートフレーム370の中心にミートカーソル360を表示する。ミートカーソル360は、バットキャラクタ215のうちボールキャラクタ225を打撃できる部分に対応する。プレイヤは、十字キー132を操作することによって、ミートカーソル360をミートフレーム370内で移動させることができる。例えば十字キー132のボタンのうち、上方向に対応するボタンを押せば、ミートカーソル360はミートフレーム370内で上に移動する。ミートカーソル360がミートフレーム370の上辺の境界に達した時は、上辺の上で止まる。
【0047】
ミートカーソル360は、滑らかに移動する。つまり十字キー132の押下時間に応じて、ミートカーソル360の移動量は連続的に変化する。ミートカーソル360は、バットキャラクタ215の打撃部分に対応する形状を有するが、その具体的な形状は、細長い台形には限定されず任意の形状であり得る。
【0048】
ストライクゾーン250およびミートフレーム370のそれぞれは、同一の大きさ、形状であって、典型的には、縦方向に3分割され、横方向に3分割されることによって、9分割されている。すなわちストライクゾーン250およびミートフレーム370は、9つの「マス」を有するが、これには限られず任意の分割方式により、任意の個数のマスを有し得る。
【0049】
ミートフレームは、ストライクゾーンに対して1マス単位で移動される。9分割の場合は、過度な移動を回避するために、1マスのみの移動のみとする。すなわち2マス以上の移動を禁止する。これは、ミートフレームがストライクゾーンからあまりに離間するのは現実的ではないためである。もちろん、例えば16分割等にした場合には、1マスの大きさが小さくなるので、2マスの移動を可能としてもよい。なお、本実施形態では、ミートフレーム370をストライクゾーン250と同一の大きさ、形状にするとともに、ミートフレーム370の移動単位を、マス目1単位後毎に移動させるようにしているので、無断階で移動可能とする場合に比べて、視認性に優れ、移動のレベルの把握を容易にでき、操作性の向上を図れる。すなわち、無断階で移動可能とした場合には、移動距離等を目視では把握することは困難であり、この結果、プレイヤにとっての学習効果が期待できない。つまり、無断階で移動可能とした場合には、どの程度、移動させたときにどのような打撃結果となったかといった情報のフィードバックを得ることができないが、上記構成のように移動単位をあえて1マスに固定することによって、プレイヤは自分のプレイの学習効果を向上することができる。
【0050】
ストライクゾーン250と区別するために、ミートフレーム370は、異なる色、線種によってディスプレイ140上で表示され得る。ストライクゾーン250およびミートフレーム370は、周囲の枠だけでなく、その内部が異なる色に塗られることによって、区別されてもよい。
【0051】
本願の図面で、ストライクゾーンは、右上から左下に走る密な斜線によって示され、ミートフレームは、左上から右下に走る粗な斜線によって示される。
【0052】
後述のデータ処理部1000は、ステップ508を実行することによって、ミートフレーム生成機能を実現する。換言すればデータ処理部1000は、ハードウェアおよびソフトウェアによってミートフレーム生成手段を構成する。
【0053】
ステップ510において、ゲーム装置110は、コントローラ130からの入力(例えば十字キー132の押下)があるか否かをモニタする。もしコントローラ130からの入力が検出されるなら、ゲーム装置110は、コントローラ130からの入力に基づいて、ミートフレーム370をストライクゾーン250に対して移動させる。このときストライクゾーン250自体は打者キャラクタ210に対して移動しない。すなわちゲーム空間内でのストライクゾーン250の位置は、固定されている。
【0054】
ゲーム画像400には、打者キャラクタ210、バットキャラクタ215、投手キャラクタ220、ボールキャラクタ225、ストライクゾーン250、ミートフレーム470、およびミートカーソル460が含まれる。図4ではミートフレーム470は、ストライクゾーン250から1マスだけ左上に移動されている。
【0055】
具体的な実施形態では、例えばコントローラ130のL1ボタン131を押下しながら十字キー132を押すことによって、プレイヤは、ミートフレーム470をストライクゾーン250に対して上、左上、左、左下、下、右下、右、右上の8方向のうちの1つの方向に1マスだけ移動できる。このミートフレーム470の移動にはジョイスティックを用いてもよい。
【0056】
ステップ510におけるミートフレーム470の移動は、ある実施形態では(i)プレイヤがミートフレーム470を確定する時、および(ii)投手キャラクタ220がボールキャラクタ225を投げる(リリースする)時のうち、いずれか早いほうの時まで可能である。しかしこれには限られず、他のタイミングまでミートフレームの移動を許してもよい。
【0057】
ストライクゾーン250と、プレイヤが位置を設定したミートフレーム470とは一部が重複されて表示され得る。例えば半透明のミートフレーム470をストライクゾーン250の上に重ねて描画することによって、ミートフレーム470とストライクゾーン250とを区別しながらも同時に表示できる。
【0058】
後述のデータ処理部1000は、ステップ510を実行することによって、ミートフレーム移動機能を実現する。換言すればデータ処理部1000は、ハードウェアおよびソフトウェアによってミートフレーム移動手段を構成する。
【0059】
ステップ512においてゲーム装置110は、(i)プレイヤによるミートフレーム470の確定、または(ii)ボールキャラクタ225の送出のいずれかを検出したか判定する。ゲーム装置110がいずれかを検出するなら(判定がYESなら)、プロセスはステップ514に進み、検出しないなら(判定がNOなら)ステップ510に戻る。条件(i)について具体的にはゲーム装置110は、プレイヤがコントローラ130のL1ボタン131を離す時にミートフレーム470の位置を確定する。代替としてゲーム装置110は、プレイヤがコントローラ130のL1ボタン131および十字キー132の2つを離す時にミートフレーム470の位置を確定する。条件(ii)についてゲーム装置110は、投手キャラクタ220がボールキャラクタ225を送出(リリース)する時にミートフレーム470の位置を確定する。これは、送出後にもミートフレーム470の位置を変えることが可能ならば、打者キャラクタ210が非常に有利になってしまうためである。
【0060】
ゲーム装置110がミートフレーム470の位置を確定するまでは、ゲーム装置110は、プレイヤによるミートフレーム470の移動操作を、コントローラ130を介して受け取る。すなわちミートフレーム470が確定するまでは、プレイヤは、ミートフレーム470の位置を十字キー132を用いて自由に変えることができる。例えばプレイヤが、どの位置で打撃すべきか逡巡するときは、投手キャラクタ220がボールキャラクタ225を投げる直前まで、ミートフレーム470の位置を自由に変更できる。
【0061】
フロー590においては、投手キャラクタ220に関する一連のプロセスが処理される。
【0062】
ステップ594においてゲーム装置110は、ボールキャラクタ225を投手キャラクタ220から送出させる。ステップ594においてボールキャラクタ225が送出されると、ボールキャラクタの送出を表す情報はステップ512において条件(ii)として用いられる。
【0063】
上の処理により、ゲーム装置110は、プレイヤによる確定と併せて、ボールキャラクタの送出によっても、ミートフレーム470の位置を確定する。すなわち、投手キャラクタ220がボールキャラクタ225を送出するまでにプレイヤがミートフレーム470の位置を確定しない場合は、ゲーム装置110は、投手キャラクタ220がボールキャラクタ225をリリースする瞬間にミートフレーム470が存在する位置を、確定されたミートフレーム470の位置として以後の処理で用いる。
【0064】
後述のデータ処理部1000は、ステップ594を実行することによって、ボールキャラクタを送出する送出機能を実現する。換言すればデータ処理部1000は、ハードウェアおよびソフトウェアによってボールキャラクタを送出する送出手段を構成する。
【0065】
ステップ514においてゲーム装置110は、ミートフレーム470の位置を確定(固定)する。プレイヤの意図に依存して、ミートフレーム370は、ストライクゾーン250に対して移動された位置(ミートフレーム470)で確定されてもよく、ストライクゾーン250と同じ位置(ミートフレーム370)で確定されてもよい。
【0066】
ステップ516においてゲーム装置110は、コントローラ130を介したプレイヤの操作に基づいて、確定したミートフレーム470内でミートカーソル460を移動させる。ステップ508について説明したように、プレイヤは、十字キー132を操作することによって、ミートカーソル460をミートフレーム470内で滑らかに移動させることができる。
【0067】
ステップ518においてゲーム装置110は、ボールキャラクタ225がヒッティング面を通過する位置と、ミートカーソル460の位置と、打者キャラクタ210の打撃操作のタイミングとに基づき、ボールキャラクタ225の打撃結果を判定する。例えばボールキャラクタ225の通過位置がミートカーソル460の位置に十分近く、かつ打撃操作のタイミングも適切であれば、打者キャラクタ210が安打や本塁打を打ったと判定する。逆に、ボールキャラクタ225の通過位置がミートカーソル460の位置から遠く、または打撃操作のタイミングが不適切であれば、打者キャラクタ210は空振りをしたと判定する。上述の判定には限られず、ステップ518における打撃判定は、さまざまな従来技術を用いてゲーム装置110によって実現され得る。
【0068】
後述のデータ処理部1000は、ステップ518を実行することによって、打撃判定機能を実現する。換言すればデータ処理部1000は、ハードウェアおよびソフトウェアによって打撃判定手段を構成する。
【0069】
ステップ520においてゲーム装置110は、ボールキャラクタ225がストライクゾーン250を通過したか否かを判定する。プレイヤが打撃操作をせず、かつボールキャラクタ225がストライクゾーン250を通過したなら、打者キャラクタ210はストライクをとられたと判定する。上述の判定には限られず、ステップ520におけるストライク判定は、さまざまな従来技術を用いてゲーム装置110によって実現され得る。
【0070】
後述のデータ処理部1000は、ステップ520を実行することによって、ストライク判定機能を実現する。換言すればデータ処理部1000は、ハードウェアおよびソフトウェアによってストライク判定手段を構成する。
【0071】
ステップ530においてゲーム装置110は、ボールがキャッチされた時、または打撃された時にミートフレーム470を消去する。しかしこれには限られず、ミートフレーム470の消去は他のタイミングで行われてもよい。
【0072】
ステップ532においてフロー500は終了する。ボールのカウントがまだ残っている場合は、フロー500は再びステップ502へ戻る。
【0073】
(ミートフレームの移動の詳細)
図6は、ストライクゾーン250に対するミートフレーム370の移動を示す図である。ミートフレーム370が移動される前(すなわちステップ508の前)では、図3と同様に、ストライクゾーン250と、初期状態のミートフレーム370とは、重なるように表示されている。
【0074】
ストライクゾーン250に対してミートフレーム370が上に移動すると、ミートフレーム671は、ストライクゾーン651と重なる6つのマスs4〜s9(打てるストライクゾーン)と、ストライクゾーン651と重ならない3つのマスb1〜b3(打てるボールゾーン)とを有する。したがってミートフレーム370を上に1マス移動させることによって、打てなくなるストライクゾーンn7〜n9が生じるが、一方で、打てるボールゾーンb1〜b3が生じる。
【0075】
具体的な実施形態において、打てなくなるストライクゾーンとは、本来、ストライクゾーンであるにもかかわらず打撃できない(すなわち安打などにつながらない、またはゲームの設計によっては空振りとなる)領域をいう。
【0076】
ストライクゾーン250に対してミートフレーム370が左上に移動すると、ミートフレーム672は、ストライクゾーン652と重なる4つのマスs5,s6,s8,s9(打てるストライクゾーン)と、ストライクゾーン652と重ならない5つのマスb1〜b3,b4,b7(打てるボールゾーン)とを有する。したがってミートフレーム370を左上に1マス移動させることによって、打てなくなるストライクゾーンn3,n6,n7〜n9が生じるが、一方で、打てるボールゾーンb1〜b3,b4,b7が生じる。
【0077】
ストライクゾーン250に対してミートフレーム370が左に移動すると、ミートフレーム673は、ストライクゾーン653と重なる6つのマスs2,s3,s5,s6,s8,s9(打てるストライクゾーン)と、ストライクゾーン653と重ならない3つのマスb1,b4,b7(打てるボールゾーン)とを有する。したがってミートフレーム370を左に1マス移動させることによって、打てなくなるストライクゾーンn3,n6,n9が生じるが、一方で、打てるボールゾーンb1,b4,b7が生じる。
【0078】
ストライクゾーン250に対してミートフレーム370が左下に移動すると、ミートフレーム674は、ストライクゾーン654と重なる4つのマスs2,s3,s5,s6(打てるストライクゾーン)と、ストライクゾーン654と重ならない5つのマスb1,b4,b7〜b9(打てるボールゾーン)とを有する。したがってミートフレーム370を左下に1マス移動させることによって、打てなくなるストライクゾーンn1〜n3,n6,n9が生じるが、一方で、打てるボールゾーンb1,b4,b7〜b9が生じる。
【0079】
ストライクゾーン250に対してミートフレーム370が下に移動すると、ミートフレーム675は、ストライクゾーン655と重なる6つのマスs1〜s6(打てるストライクゾーン)と、ストライクゾーン655と重ならない3つのマスb7〜b9(打てるボールゾーン)とを有する。したがってミートフレーム370を下に1マス移動させることによって、打てなくなるストライクゾーンn1〜n3が生じるが、一方で、打てるボールゾーンb7〜b9が生じる。
【0080】
ストライクゾーン250に対してミートフレーム370が右下に移動すると、ミートフレーム676は、ストライクゾーン656と重なる4つのマスs1,s2,s4,s5(打てるストライクゾーン)と、ストライクゾーン656と重ならない5つのマスb3,b6,b7〜b9(打てるボールゾーン)とを有する。したがってミートフレーム370を右下に1マス移動させることによって、打てなくなるストライクゾーンn1〜n3,n4,n7が生じるが、一方で、打てるボールゾーンb3,b6,b7〜b9が生じる。
【0081】
ストライクゾーン250に対してミートフレーム370が右に移動すると、ミートフレーム677は、ストライクゾーン657と重なる6つのマスs1,s2,s4,s5,s7,s8(打てるストライクゾーン)と、ストライクゾーン657と重ならない3つのマスb3,b6,b9(打てるボールゾーン)とを有する。したがってミートフレーム370を右に1マス移動させることによって、打てなくなるストライクゾーンn1,n4,n7が生じるが、一方で、打てるボールゾーンb3,b6,b9が生じる。
【0082】
ストライクゾーン250に対してミートフレーム370が右上に移動すると、ミートフレーム678は、ストライクゾーン658と重なる4つのマスs4,s5,s7,s8(打てるストライクゾーン)と、ストライクゾーン657と重ならない5つのマスb1〜b3,b6,b9(打てるボールゾーン)とを有する。したがってミートフレーム370を右上に1マス移動させることによって、打てなくなるストライクゾーンn1,n4,n7〜n9が生じるが、一方で、打てるボールゾーンb1〜b3,b6,b9が生じる。
【0083】
(ミートフレームの移動による効果)
本発明によるゲーム装置110は、打者によるボールコースの「読み」(投球予測)を反映させるために、ミートフレームをストライクゾーンから離間させる。これによりボールがストライクゾーンを外れても打者は打つことができる。すなわちゲーム装置110は、ストライクゾーンとは別にミートフレームを生成し、プレイヤがストライクゾーンに対してミートフレームを所定距離(例えば1マス)だけ移動させることを可能にする。これによりストライクゾーンであるにもかかわらず、バットを振ると空振りになる領域(打てなくなるストライクゾーン)が新たに生じるが、逆にボール球でもヒットにできる領域(打てるボールゾーン)も生じる。したがってバッターとピッチャーとの駆け引きがより複雑になり、興趣を向上させることができる。
【0084】
例えば図6を参照して説明すると、まず、プレイヤが右打ちの打者の外角高めにボールが来ると予測して、ミートフレーム672をストライクゾーン652に対して左上に移動させた場合、その打者は、外角高めのボールに対して強くなる。つまりミートフレームが移動していなければ本来は打撃できない(つまり安打などにつながらない、またはゲームによっては空振りとなる)位置(例えばボールゾーンb1(外角高め),b2,b3,b4,b7)にボールが来ても、打撃できる可能性が出てくる。逆にその予測に反して、ミートフレームが移動していなければ本来、打撃できた位置(例えばストライクゾーンn9(内角低め),n3,n6〜n8)にボールが来ると、打撃できなくなる。
【0085】
本発明によれば、打者(プレイヤ)の投球予測がより重要になる。もちろんプレイヤがこのような投球予測によるリスクを好まないのであれば、ミートフレームのシフトを行わずに通常通り、投打の勝負をすればよい。打者が、例えば相手投手が勝負カウント(例えば2−3)になると外角高めの誘い球を投げる癖があると判断するなら、ミートフレームを外角高めにシフトして、ボール球でも打ちに行く、という戦略が取れる。あるいは満塁という打者が有利な状況において、投手が低めに投げてくる傾向を予測できれば、ストライクゾーンを下方にシフトして、やはりボール球であっても打ちにいく、という戦略が考えられる。
【0086】
従来技術によるゲームであれば、投手はストライクゾーン以外に球を投げれば、少なくともヒットされることはなかった。本発明によればボール球でも打たれる可能性が出てくる。そのため投手にとっても打者との駆け引きがより重要になる。前述の例で言えば、常識的には低めにボールを投げる満塁の状況においても、打者がストライクゾーンを低めに設定している可能性を想定し、あえて高めのボールを投げることによって、打者のシフトされたミートフレームから外れる領域(打てなくなるストライクゾーン)を狙う、という戦略が考えられる。
【0087】
本発明のある具体的な実施形態によれば、(i)プレイヤがボールコースの「読み」を行おうと意図して、所定ボタンを押した時に、ゲーム装置110は、初めてミートフレームを生成し、(ii)ゲーム装置110は、ストライクゾーンを初期位置としてミートフレームを移動することができ、かつ(iii)ゲーム装置110は、ミートフレームが生成されると、ミートカーソルをストライクゾーンの中心からミートフレームの中心に移動する。ゲーム装置110がこのように動作することにより、プレイヤはボールを打つ点(ミートカーソルの位置)を2段階で操作できる。すなわちプレイヤは、まずミートカーソルを移動させることで、おおまかにどの位置で打撃するかを決定し、次に移動されたミートフレーム内で細かくミートカーソルを動かすことができる。換言すればプレイヤは、まずミートフレームの移動により打撃位置を大局的に決定し、次にミートカーソルの移動により打撃位置を局所的に決定できる。本発明は、このような2段階の打撃位置設定によって、より広範囲のボールを打つことができるという効果を有する。
【0088】
(ミートフレームの移動の変形例)
ミートフレーム470は、9分割ではなく、例えば16分割(縦方向に4分割、横方向に4分割)されてもよく、この場合は、ゲーム装置110は、プレイヤのコントローラ130を介した操作によって、ミートフレーム470を上述の8方向に1マスまたは2マスの2段階で移動するものとしてもよい。ゲーム装置110は、一度のコントローラ操作によって、ディスプレイ140上で1マス単位でミートフレーム470を移動させる。
【0089】
ある実施形態では、デフォールトのミートフレーム470の移動量は、1マスであるが、能力が高い打者の場合はゲーム装置110は、移動量を2マスに増す。例えば低めのボールに強い打者の場合は、ゲーム装置110は、ミートフレーム470が下に2マス移動することを許す。高めのボールに強い打者の場合は、ゲーム装置110は、ミートフレーム470が右上に1マスおよび右に1マス移動することを許す。すなわちゲーム装置110は、打者キャラクタ210の打者パラメータを参照して、ミートフレーム470の移動量を決定できる。
【0090】
移動量だけでなく、ゲーム装置110は、ミートフレーム470が移動できる方向に制限を加えてもよい。すなわち打者キャラクタ210の得意・不得意領域に応じて、ミートフレーム470が移動できない領域を設けてもよい。例えばある打者キャラクタ210が低めを打つのは得意だが、高めは打つのは不得意な場合、ゲーム装置110は、ミートフレーム470の上への移動を禁止する。この場合、プレイヤがそのようなミートフレーム470の移動を行おうとしてもゲーム装置110はコントローラ130からの入力を受け付けない。
【0091】
上述のミートフレームの移動は、タッチパネルを用いたプレイヤによる入力に基づいて制御することもできる。したがってディスプレイ140としてタッチパネルを有する携帯電話を含む携帯電子機器に本発明を適用することもできる。この場合、ゲーム装置110は、例えばタッチパネルへのタップを打撃として、タッチパネル上でのスライドを強振として解釈する。
【0092】
図6を用いた実施形態では、「打てなくなるストライクゾーン」は、安打などにつながらない、完全に「打てない」領域として説明した。しかしこれには限られず、「打てなくなるストライクゾーン」は、安打になる確率を低く設定してもよい。換言すれば、打撃判定ステップ516は、移動されたミートフレームと重ならないストライクゾーン(「打てなくなるストライクゾーン」)内の打撃の確率を、ミートフレームと重なるストライクゾーン(「打てるストライクゾーン」)内の打撃の確率よりも低く設定してもよい。この場合、「打てなくなるストライクゾーン」内の打撃の確率は、ゼロではなく、「打てるストライクゾーン」内の打撃の確率よりもある程度、低ければよい。
【0093】
(対戦モードの例)
図7は、本発明のある実施形態によるゲームプログラムを用いるシステム700を示す図である。システム700は、2組のシステム100をネットワーク715を通して接続することによって、ネットワーク対戦モードにおけるプレイヤ1およびプレイヤ2の対戦を実現する。
【0094】
ゲーム装置710,711は、それぞれゲーム装置110に対応する。プレイヤ1が操作するコントローラ730、およびゲーム画像を表示するディスプレイ740は、ゲーム装置710に接続される。プレイヤ2が操作するコントローラ731、およびゲーム画像を表示するディスプレイ741は、ゲーム装置711に接続される。ディスプレイ740,741は、それぞれゲーム装置710およびゲーム装置711によって生成される仮想的なゲーム空間を反映する。
【0095】
ネットワーク対戦モードでは、ゲーム装置710,711は互いにネットワーク715を通して接続される。ネットワーク715は、任意の適切なネットワークであり、例えばLAN(ローカルエリアネットワーク)、インターネットなどである。ネットワーク対戦モードを実現するために、ゲーム装置710,711は、ネットワーク715を介して、互いにゲームプログラムの実行に必要なデータをやりとりする。
【0096】
ネットワーク対戦モードでは、プレイヤ1はコントローラ730を介して打者キャラクタ750を操作し、プレイヤ2によって操作される投手キャラクタ780を相手に対戦する。プレイヤ2はコントローラ731を介して投手キャラクタ781を操作し、プレイヤ1によって操作される打者キャラクタ751を相手に対戦する。ゲーム装置710は、打者キャラクタ750の目線からの画面をディスプレイ740に表示する。ゲーム装置711は、投手キャラクタ781の目線からの画面をディスプレイ741に表示する。
【0097】
プレイヤ1はディスプレイ740を見ながら打者キャラクタ750を操作するので、ゲーム装置710は、ストライクゾーン760、本発明によるゲームプログラムによって生成された移動されたミートフレーム770、およびミートカーソル772をディスプレイ740上に表示する。一方、プレイヤ2はディスプレイ741を見ながら投手キャラクタ781を操作するので、ゲーム装置711は、ストライクゾーン761だけをディスプレイ741上に表示する。これにより投手キャラクタ781を操作するプレイヤ2には、プレイヤ1によるミートフレーム770の移動、およびミートフレーム770内でのミートカーソル772の位置が見えない。
【0098】
図8は、本発明のある実施形態によるゲームプログラムを用いるシステム700の変形例であるシステム800を示す図である。システム700と同様に、システム800もネットワーク対戦モードにおけるプレイヤ1およびプレイヤ2の対戦を実現する。システム800の構成は、システム700の構成と同様であるが、ゲーム装置711が生成するゲーム画像が、打者キャラクタ753の目線からの画面である点がシステム700と異なる。システム700と同様に、プレイヤ2はディスプレイ741を見ながら投手キャラクタ783を操作するので、ゲーム装置711は、ストライクゾーン763だけをディスプレイ741上に表示する。これにより投手キャラクタ783を操作するプレイヤ2には、プレイヤ1によるミートフレーム770の移動、およびミートフレーム770内でのミートカーソル772の位置が見えない。
【0099】
図9は、本発明のある実施形態によるゲームプログラムを用いるシステム900を示す図である。システム900は、2P対戦モードにおけるプレイヤ1およびプレイヤ2の対戦を実現する。システム900のゲーム装置910は、2つのコントローラ930,931を介してプレイヤ1およびプレイヤ2の操作を処理する。システム900の構成は、システム100の構成と同様であるが、ゲーム装置910が2つのコントローラ930,931に接続される点が異なる。
【0100】
2P対戦モードでは、プレイヤ1はコントローラ930を介して打者キャラクタ950を操作し、プレイヤ2によって操作される投手キャラクタ980を相手に対戦する。プレイヤ2はコントローラ931を介して投手キャラクタ980を操作し、プレイヤ1によって操作される打者キャラクタ950を相手に対戦する。ゲーム装置910は、打者キャラクタ950の目線からの画面をディスプレイ940に表示する。
【0101】
プレイヤ1およびプレイヤ2は、同じディスプレイ940を見ながら対戦する。したがってゲーム装置910は、ゲーム空間内にミートフレームおよびミートカーソルを生成はするが、ディスプレイ940上にミートフレームおよびミートカーソルを表示しない。プレイヤ1は、コントローラ930を操作することによって、不可視であるミートフレームおよびミートカーソルを勘で移動させる。ゲーム装置910は、プレイヤ1が動かしたミートカーソルがミートフレームの範囲を超える時、コントローラ930に設けられたモータによって振動を発生し、プレイヤ1にミートカーソルの範囲逸脱を知らせてもよい。
【0102】
図10は、システム100のハードウェアを示すブロック図である。システム100は、ゲーム装置110、コントローラ130、およびディスプレイ140を含む。ゲーム装置110は、ネットワーク715を介して他のゲーム装置711と接続される。
【0103】
CPU1002は、ゲーム装置110の各構成要素と接続され、制御信号やデータをやりとりすることによって、その全体の動作を制御する。CPU1002は、RAM1004に記憶されたゲームプログラムを構成するステップ群を実行することによって、所望の機能を実現する。具体的にはCPU1002は、図5に示されるステップ群を実行することによって、ステップ群が規定する所望の機能群を実現する。
【0104】
CPU1002は、レジスタに対してALU(Arithmetic Logic Unit)を用いて加減乗除等の算術演算や、論理和、論理積、論理否定等の論理演算、ビット和、ビット積、ビット反転、ビットシフト、ビット回転等のビット演算などを行うことができる。CPU1002は、マルチメディア処理のための加減乗除などの飽和演算、および三角関数などベクトル演算を高速に行えるように構成されてもよい。CPU1002は、演算を高速に行うためにコプロセッサを備えてもよい。
【0105】
記録媒体120は、任意の適切なコンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、本発明によるゲームプログラム、およびゲームに付随する画像データおよび音声データを記録する。ドライブ112は、CPU1002の制御によって、記録媒体120からゲームプログラムおよび付随するデータを読み出す。CPU1002は、読み出されたプログラムおよびデータをバス1006を介して、RAM1004に転送し、一時的に記憶する。
【0106】
RAM1004は、データやプログラムを一時的に記憶する。RAM1004は、記録媒体120から読み出したゲームプログラム、ゲームプログラムに付随するデータ、ネットワーク対戦モードにおける他のプレイヤに関連するデータ、通信に関連するデータなどを記憶する。CPU1002は、RAM1004に変数領域を設け、変数領域に格納された値に対して直接に演算を行ってもよい。CPU1002は、RAM1004に記憶された値をいったんレジスタに格納してからレジスタに対して演算を行い、演算結果をメモリに書き戻してもよい。
【0107】
ROM1008は、電源投入直後に実行されるIPL(initial program loader)を記憶する。CPU1002は、IPLを実行することによって、記録媒体120に記録されたゲームプログラムを読み出す。CPU1002は、読み出されたゲームプログラムをRAM1004に記憶させ、ゲームプログラムの実行に必要な処理を行う。ROM1008は、ゲーム装置110の制御に必要なオペレーティングシステムのプログラムおよび各種データを記録する。
【0108】
インタフェース1010は、コントローラ130によって検出されたプレイヤの操作に関連付けられたデータをバス1006を介してCPU1002などに送る。信号処理プロセッサ1012および画像処理プロセッサ1014は、バス1006を通してCPU1002と接続される。CPU1002は、ゲームプログラムからの命令を解釈し、各種のデータ処理および制御を行う。例えば、CPU1002は、信号処理プロセッサ1012に対して、画像データを画像処理プロセッサに供給するように命令する。信号処理プロセッサ1012は、例えばゲーム空間内におけるさまざまなキャラクタの計算、ゲーム空間からディスプレイ画面への座標変換計算、光源計算、および画像および音声データの生成を行う。
【0109】
画像処理プロセッサ1014は、2次元画像の重ね合わせ演算、αブレンディングなどの透過演算、各種の飽和演算などを高速に実行する。仮想3次元空間であるゲーム空間内には、各種のテクスチャ情報が付加されたポリゴンとして表現される、さまざまなキャラクタが配置される。画像処理プロセッサ1014は、このポリゴンをZバッファ法によってレンダリングする。画像処理プロセッサ1014は、ゲーム空間内に配置されたポリゴンを、所定の視点位置から所定の視線方向へ俯瞰したレンダリング画像を得るための演算を高速に実行できる。
【0110】
CPU1002は、画像演算プロセッサ1014と協調して、文字の形状を定義するフォント情報にしたがって、文字列を2次元画像としてフレームメモリへ描画したり、各ポリゴン表面へ描画したりする。
【0111】
データ処理部1000は、典型的にはCPU1002、RAM1004、ROM1008、信号処理プロセッサ1012、および画像処理プロセッサ1014によって構成される。データ処理部1000は、図5を参照して説明したさまざまなステップをCPU1002によって実行することにより、それぞれのステップに対応する機能をゲーム装置110に実現させる。具体的には、データ処理部1000は、ステップ508に対応するミートフレーム生成手段、ステップ510に対応するミートフレーム移動手段、ステップ518に対応する打撃判定手段、ステップ520に対応するストライク判定手段、およびステップ594に対応するボールキャラクタを送出する送出手段を少なくとも構成する。
【0112】
データ処理部1000は、上述の構成要素に加えて他のハードウェアまたはソフトウェアの要素をさらに備えてもよい。例えばデータ処理部1000は、単一のCPU1002の代わりに複数のCPUを用いることによって並列処理を行い、計算速度を高速化してもよい。
【0113】
逆に、データ処理部1000は、上述の構成要素の一部を含まなくてもよい。例えば、CPU1002の性能が十分に高いときは、信号処理プロセッサ1012を用いることなく、図5のステップを実行してもよい。この場合、データ処理部1000は、CPU1002、RAM1004、ROM1008、および画像処理プロセッサ1014によって構成されることになる。
【0114】
画像出力部1016は、典型的にはデジタルアナログ変換器、フレームメモリを有する。このフレームメモリは、例えば画像処理プロセッサ1014によって処理された画像データを記憶する。画像出力部1016は、画像データを所定の同期タイミングでビデオ信号に変換し、ディスプレイ140へ出力する。
【0115】
音声出力部1018は、典型的にはデジタルアナログ変換器を有する。音声出力部1018は、記録媒体120から読み出された音声データをアナログ信号に変換し、出力する。ディスプレイ140は、変換されたアナログ信号を、例えばHDMIケーブルなどを通して受け取り、内蔵のスピーカから音声として出力する。CPU1002は、ゲームの実行中において、効果音および楽曲データを生成し、音声信号として出力してもよい。音声出力部1018は、記録媒体120に記録された音声データがMIDI(musical instrument digital interface)データである時は、関連付けられた音源データを参照することによって、MIDIデータをPCMデータに変換する。音声出力部1018は、音声データがADPCM(adaptive differential pulse code modulation)形式やOgg Vorbis形式などで圧縮されている時には、圧縮されたデータを展開してPCMデータに変換する。音声出力部1018は、PCMデータに対して、そのサンプリング周波数に応じたタイミングでデジタルアナログ変換を行って、出力する。
【0116】
ネットワークインタフェース1020は、ネットワーク715を通して他のゲーム装置711と通信するのに用いられる。例えばネットワーク対戦モードで自分が用いる、相手のチームに関連するさまざまなデータは、ネットワークインタフェース1020によって、ネットワーク715を通して受け取られる。逆に、ネットワーク対戦モードで相手が用いる、自分のチームに関連するさまざまなデータは、ネットワークインタフェース1020によって、ネットワーク715を通して相手のゲーム装置711に送られる。これによりネットワーク対戦モードで、遠隔地におけるプレイヤどうしでゲームの対戦が可能になる。システム100は、ネットワーク715に接続することなく、ゲーム装置110単体でゲームプログラムを実行してもよい。
【0117】
本発明によるゲームプログラムは、典型的には記録媒体120からゲーム装置110にロードされる。しかしこれには限られず、本発明によるゲームプログラムの全部または一部が、ネットワーク715を介して、遠隔地にあるコンピュータ(例えばサーバ)からロードされてもよい。また本発明によるゲームプログラムに関連して用いられるデータの全部または一部が、ネットワーク715を介して、遠隔地にあるコンピュータ(例えばサーバ)からロードされてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0118】
本発明によれば、野球ゲームにおいて、固定されたストライクゾーンとは別に、ミートフレームを生成し、このミートフレームをストライクゾーンに対して移動させる。ミートカーソルは、この移動されたミートフレームの中で自由に移動できる。そのためストライクゾーンではない領域にミートカーソルを置き、ボールを打撃することが可能になる。したがって打撃の興趣を向上することができるゲームプログラム、ゲーム装置、およびゲーム制御方法が提供でき、有用である。
【符号の説明】
【0119】
500 ゲームプログラムのフロー
508 ミートフレーム生成ステップ
510 ミートフレーム移動ステップ
518 打撃判定ステップ
520 ストライク判定ステップ
590 ゲームプログラムのフロー
594 ボールキャラクタ送出ステップ
【技術分野】
【0001】
本開示は、プレイヤが打者キャラクタを操作して打撃操作を行う野球ゲームを実行するゲームプログラム、ゲーム装置、およびゲーム制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
DVD(digital versatile disc)などに記録されたゲームソフトを用いてゲームをプレイするTVゲーム機が普及している。野球ゲームにおいて、ユーザであるプレイヤは、コントローラを操作することによって打者キャラクタを動かし、投手キャラクタが投げたボールを打つ。
【0003】
従来の野球ゲームプログラムにおいて、投手キャラクタはストライクゾーンを基準として投球する。打者キャラクタは、投げられたボールにミートカーソルを合わせるようにコントローラを操作し、バットを振る。ミートカーソルは、打撃カーソル(特許文献1を参照)と呼ばれたり、バットカーソル(特許文献2を参照)と呼ばれたりする。ミートカーソルは、打者キャラクタが振るバットキャラクタのうち、打撃に実質的に影響する部分を表す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3561517号明細書
【特許文献2】特許第3822222号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来のゲームプログラムでは、ストライクゾーンを外れたボールを打とうとすると空振りとなるか、仮に演出上、ボールを打ち返せたとしても、ヒット等にはならないように設定されていた。
【0006】
しかし、現実の野球においては、ストライクゾーン以外のボールであっても、打者があえてそのコースを狙いに行き、打ち返してヒットにするケースがある。それは例えば、打者がそれまでのボールカウントから見て、恐らく投手は次の投球ではこのコースを狙いに来るだろうと判断するような場合である。しかしながら、従来の野球ゲームでは、このような設定までを考慮しておらず、ストライクゾーンをボールが通るかどうかがヒットになるかどうかの絶対的な基準のひとつであった。従って、従来ゲームの打撃のシステムは、初心者等にとってはシンプルな構成であり、適当であったとも言える半面、ゲームに慣れてきたプレイヤ等にとっては、物足らない仕様でもあり、現実の野球のような十分なリアル感を与えるものではなかった。
【0007】
そこで、本発明は、プレイヤの意図に応じて、ストライクゾーンを外れたボールを狙って打つことも可能なゲームプログラム、ゲーム装置、およびゲーム制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のある実施形態によれば、ゲーム空間内に設定された投手キャラクタ、打者キャラクタ、およびボールキャラクタをモニタに表示し、プレイヤが操作部を介して前記打者キャラクタを操作することによって前記ボールの打撃操作を行う野球ゲームを実行可能なコンピュータに、前記投手キャラクタから前記ボールキャラクタを送出する送出機能と、前記ボールキャラクタがストライクゾーンを通過したことを判定するストライク判定機能と、前記打者キャラクタが前記ボールキャラクタを打撃できる領域に対応するミートフレームを、前記ストライクゾーンとは別に生成するミートフレーム生成機能と、前記ミートフレームが生成され、且つ前記ボールキャラクタが前記ミートフレームを通過した場合、前記ミートフレーム内を移動可能な、打撃ポイントの目標を示すミートカーソルの位置と、前記ボールキャラクタの通過位置と、前記打者キャラクタの打撃操作タイミングとに基づき、前記ボールキャラクタの打撃結果を判定する打撃判定機能と、前記プレイヤによる第1操作に基づいて、前記ストライクゾーンと重複する位置を初期位置として、前記ミートフレームの位置を移動するミートフレーム移動機能とを実現させる。
【0009】
上記構成においては、プレイヤの操作(すなわち、プレイヤの意図)に応じて、ストライクゾーンとは別に、ボール打撃が可能なミートフレームの位置を任意に設定できるようにした。これによって、従来であれば、ボールの打撃可能な領域はストライクゾーンに固定されていたが、本実施形態では、別途、打撃可能な領域を設けているので、ストライクゾーンから外れたボールであっても、打撃することが可能となる。なお、プレイヤの意図的な操作がない限り、ミートフレームの位置設定は行われず、従来通り、ストライクゾーンが表示されているのみであり、ボールが当たる範囲はストライクゾーンに固定される。
【0010】
また、上記ミートフレームはストライクゾーンと重複する位置を初期位置として移動されるので、プレイヤはストライクゾーンからどの方向にどれだけずれた領域までを打撃範囲として狙うのかを、自ら明確に認識しながら設定することができる。すなわち、より具体的な野球ゲームのイメージで言えば、打者としてのプレイヤが、投手は次の投球で外角高めのボール気味の箇所を狙ってくると判断すれば、ストライクゾーンとは別にミートフレームを外角高めの方向に向かって設定することになるが、この際、ミートフレームはストライクゾーンを基準としてずらせる形で位置設定するので、自分が所望する打撃範囲を明確に判断、設定できる。
【0011】
また、前記ミートフレーム生成機能は、前記プレイヤによる前記第1操作の前に行われる前記プレイヤによる第2操作に基づいて前記ミートフレームを生成するのが望ましい。
【0012】
上記構成においては、ミートフレームの生成自体もプレイヤの操作に依存する。すなわち、プレイヤによる第2操作、例えば、ゲームコントローラの所定のボタンを押すことによって初めて、ストライクゾーンに重複するようミートフレームが生成される。従って、プレイヤがストライクゾーン外を含めて打撃しようと意図したときのみ、ミートフレームが生成されるので、例えば初心者の操作の誤り等によって不用意にミートフレームが生成され、意図しない打撃範囲が設定されてしまう、といった誤操作が回避される。
【0013】
また、前記ミートフレーム移動機能は、前記ミートカーソルを、移動された前記ミートフレームの中心に位置させることが望ましい。
【0014】
上記構成においては、ミートカーソルの位置変更の初期位置を常に一定にすることができるので、プレイヤの操作性が向上する。すなわち、ミートフレームを生成しない場合については、従来通り、ミートカーソルはストライクゾーンの中心に配置されており、一方、ミートフレームを生成し、この位置を移動したときにも、ミートカーソルは移動後のミートフレームの中心に配置されている。そして、いずれの場合も、プレイヤはこの中心位置からミートカーソルを投球されたボールに合わせて移動させることになる。従って、プレイヤにとっては、ミートフレームの有無にかかわらず、ミートカーソルの移動は打撃領域の中心部から開始すればよいので、操作の統一性を図れる。
【0015】
また、前記ストライクゾーンは、マス目状に等分割されてなり、且つ、前記ミートフレーム生成機能は、前記ミートフレームを、その大きさおよび内部が前記ストライクゾーンと同一となるように生成し、前記ミートフレーム移動機能は、前記第1操作に基づいて、前記ミートフレームを前記マス目の1単位毎に移動させるようにすることが望ましい。
【0016】
上記構成においては、ミートフレームをストライクゾーンと同一の大きさ、形状にするとともに、ミートフレームの移動単位を、マス目1単位後毎に移動させるようにしているので、無断階で移動可能とする場合に比べて、視認性に優れ、移動のレベルの把握を容易にでき、操作性の向上を図れる。すなわち、無断階で移動可能とした場合には、移動距離等を目視では把握することは困難であり、この結果、プレイヤにとっての学習効果が期待できない。つまり、無断階で移動可能とした場合には、どの程度、移動させたときにどのような打撃結果となったかといった情報のフィードバックを得ることができないが、上記構成のように移動単位をあえて固定することによって、自分のプレイの学習効果を向上することができる。
【0017】
また、前記打撃判定機能は、移動された前記ミートフレームと重ならない前記ストライクゾーン内の打撃の確率を、前記ミートフレームと重なる前記ストライクゾーン内の打撃の確率よりも低く設定することが望ましい。
【0018】
上記構成によれば、ミートフレームを生成、移動させた場合に、プレイヤがストライクゾーン外のボールを打撃できるというメリットが生じる一方で、本来であれば、通常通り、打撃できるはずの領域での打撃の確率が低くなってしまうというデメリットも生じるようにしている。具体的には、例えば、ストライクゾーンの外角高めのボール領域をカバーするようにミートカーソルを移動させた結果、その対角線上において、ミートカーソルがストライクゾーンと重複しなくなる、ストライクゾーンの内角低めの領域では打撃の確率を低く設定している。
【0019】
この結果、プレイヤはメリットを享受するだけでなく、ストライクゾーン外でも打撃可能となる仕様を採用した場合にはデメリットも生じることになるため、遊技に緊張感が伴うこととなり、より遊戯性を向上することができる。
【0020】
また、前記ミートフレーム移動機能は、前記ストライクゾーン上から離間する前記ミートフレームの移動量を、前記打者キャラクタの打者能力を表すパラメータに基づいて設定することが望ましい。
【0021】
上記構成によれば、例えば打撃能力に優れた打者キャラクタの場合には、普通の能力の打者キャラクタよりも移動量を大きくすることによって、打者キャラクタの能力に応じた種々のバリエーションを提供することができる。例えば、ミートフレームの内部がマス目状に等分割されている場合において、普通の能力の打者キャラクタが1マスしか移動できないのに対して、打撃能力に優れた打者キャラクタは1マス移動できるようにするといった設定にすることもできる。
【0022】
また、前記ミートフレーム移動機能は、前記ストライクゾーン上から離間する前記ミートフレームの移動方向を、前記打者キャラクタの打者能力を表すパラメータに基づいて設定することが望ましい。
【0023】
上記構成によれば、打者キャラクタの能力に応じた種々のバリエーションを提供することができる。例えば、ある打者キャラクタが外角のボールについては強いが、内角は弱いとずれば、ミートフレームはストライクゾーンから外にずれることは可能であるが、内側にはずれないよう規制するといった対応を行うことができる。この結果、プレイヤは各打者キャラクタの能力を知っておく必要が生じ、より深いゲーム性を楽しむことができるようになる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、ストライクゾーンを外れたボールを打つことが可能な野球ゲームのゲームプログラム、ゲーム装置、およびゲーム制御方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明のある実施形態によるゲームプログラムを用いるシステムを示す図である。
【図2】ゲーム装置によって生成されるゲーム画像を示す図である。
【図3】ゲーム装置によって生成されるゲーム画像を示す図である。
【図4】ゲーム装置によって生成されるゲーム画像を示す図である。
【図5】本発明のある実施形態によるゲームプログラムのフローを示す図である。
【図6】ストライクゾーンに対するミートフレームの移動を示す図である。
【図7】本発明のある実施形態によるゲームプログラムを用いるシステムを示す図である。
【図8】本発明のある実施形態によるゲームプログラムを用いるシステムの変形例を示す図である。
【図9】本発明のある実施形態によるゲームプログラムを用いるシステムを示す図である。
【図10】システムのハードウェアを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の例示的実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。図面において同一又は同様の機能を有する構成要素は、同じ参照符号によって表される。
【0027】
(システムの概略)
本発明の野球ゲームによれば従来の固定されたストライクゾーンとは別に、ミートフレームを生成し、このミートフレームをストライクゾーンに対して移動させる。ここで、ミートフレームとは、打者が打撃を狙える範囲を示すものである。従来は、固定されているストライクゾーンのどこかをボールが通過するタイミングでバットをスイングすることで打撃が可能であったが、それ以外の領域で打撃しヒット等を狙うということはできなかった。そこで、本発明では、ストライクゾーンとは別に、上記の「ミートフレーム」という概念を導入することで、現実の野球のように、あえてボールコースを狙いに行く、といった操作を可能とするものである。なお、ミートカーソルは、従来のストライクゾーンで任意に移動させることが可能であったのと同様、この移動されたミートフレームの中でも自由に移動できる。そのためストライクゾーンではない領域にミートカーソルを置き、ボールを打撃することが可能になる。
【0028】
図1は、本発明のある実施形態によるゲームプログラムを用いるシステム100を示す図である。
【0029】
システム100は、典型的にはゲーム装置110、コントローラ130、およびディスプレイ140を含む。ゲーム装置110は、記録媒体120からデータを読み出すドライブ112を備える。ゲーム装置110は、仮想的なゲーム空間内にキャラクタを生成し、ゲームのルールに従ってキャラクタを動かす。ゲームプログラムは、ゲーム空間、ゲームキャラクタ、およびゲームルールなどを記述する。
【0030】
例えば野球ゲームのゲームプログラムであれば、ゲーム空間は、野球場を模擬する空間である。ゲームキャラクタには、例えば、投手キャラクタ、ボールキャラクタ、打者キャラクタ、バットキャラクタ、および野手キャラクタがある。ゲームルールには、例えば、ボールが打者に打たれることなくストライクゾーンを通過すると、ストライクとみなすルールなど、野球ゲームを規定するさまざまなルールがある。
【0031】
記録媒体120は、本発明によるゲームプログラムを記録した任意の適切なコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、例えばDVD−ROM(read only memory)である。しかし記録媒体120はこれには限られず、BD(Blu-ray disc)−ROM、CD(compact disc)−ROM、半導体メモリなどであってもよい。
【0032】
プレイヤ(操作者、ユーザとも呼ばれる)は、コントローラ130を操作することによって、ゲーム空間内のキャラクタを動かすことができる。例えば野球ゲームの場合は、ゲーム空間内に投手キャラクタ、打者キャラクタ、野手キャラクタなどが配置される。プレイヤは、コントローラ130が備えるボタンを押すことによって、キャラクタを操作できる。例えばプレイヤは、打者キャラクタがバットを振る時の、バットの打撃部分の位置、バットを振る力の強さ、バットを振るタイミングなどをコントローラのボタンを押すことによって制御できる。このような制御によってプレイヤは、打者にボールを打たせる操作を行うことができる。
【0033】
コントローラ130は、典型的には、L1ボタン131、および十字キー132(十字ボタン、方向キーとも呼ばれる)を備えるが、これだけではなく他のさまざまなボタンを備えてもよい。コントローラ130は、例えば有線でゲーム装置110と結合されるが、これには限られず無線で結合されてもよい。
【0034】
ゲーム装置110は、ゲームプログラムに基づいて、さまざまなゲームを実行する。典型的にはゲーム装置110は、TVゲーム機と呼ばれる、ゲームプログラムを実行するための専用のハードウェアである。これには限られずゲーム装置110は、ゲームプログラムを実行することが可能なパーソナルコンピュータであり得る。
【0035】
図1のシステム100の代替として、ゲーム装置110、記録媒体120、コントローラ130、およびディスプレイ140が小型の筐体に収められた携帯型ゲーム機がゲームプログラムを実行してもよい。
【0036】
ゲーム装置110は、記録媒体120からゲームプログラムなどを読み込むためのドライブ112を有する。ドライブ112は、記録媒体120に対応する任意のドライブであり、例えばDVDドライブ、BDドライブ、CDドライブであり得る。記録媒体120として半導体メモリが用いられる時は、ドライブ112の代わりに、メモリデバイスとゲーム装置110とを電気的に結合するコネクタが用いられる。
【0037】
ディスプレイ140は、ゲーム装置110によって生成されたゲーム空間内のさまざまなキャラクタをプレイヤに表示する。ディスプレイ140は、液晶テレビ、プラズマテレビなどであり得る。ディスプレイ140は、ゲーム装置110とは、典型的には有線で結合され、例えばHDMI(high-definition multimedia interface)ケーブルが用いられる。
【0038】
図2、図3、および図4は、それぞれゲーム装置110によって生成されるゲーム画像200,300,および400を示す図である。ゲーム画像200,300,および400は、ゲーム装置110によって生成される仮想的なゲーム空間を反映する。ゲーム画像200,300,および400は、ゲーム装置110がCPU(central processing unit)対戦モードにある時の画像の例である。CPU対戦モードでは、打者キャラクタ210は、プレイヤによってコントローラ130を介して操作され、投手キャラクタ220は、ゲーム装置110のCPUによって実行されるゲームプログラムで操作される。すなわちCPU対戦モードでは、プレイヤはゲーム装置110を相手に対戦する。CPU対戦モードでは典型的には、打者キャラクタ210の目線からの画面だけがディスプレイ140に表示される。
【0039】
(ゲームプログラムのフロー)
図5は、本発明のある実施形態によるゲームプログラムのフロー500,590を示す図である。フロー500のステップ502〜ステップ532は、投手キャラクタ220が1投するあいだの、打者キャラクタ210の処理に対応する。フロー590のステップ592〜ステップ596は、投手キャラクタ220が1投するあいだの、投手キャラクタ220の処理に対応する。したがってフロー500および590は、野球ゲームを実行するゲームプログラムのうちの一部である。典型的には打者キャラクタ210がバッターボックスに入ると、フロー500および590は、それぞれステップ502および592から開始される。
【0040】
本明細書のフロー図は、所望のデータ処理を行うプロセスを表す。そのようなプロセスは、典型的には複数のステップ群(すなわち機能群)を含む。ステップ群は、プロセスを実現するためのアクト(行為)に対応する。このようなステップは、典型的にはソフトウェアで実現される。代替としてブロックは、ハードウェア、又はソフトウェア及びハードウェアの組み合わせで実現されてもよい。図5のフロー500,590は、ゲーム装置110の備えるCPUが、CPUに関連付けられたメモリに記憶されるゲームプログラムを実行することによって実現される。
【0041】
図5に示すさまざまなステップは、ゲーム装置110のデータ処理部1000(図10を参照して後述する)によって実行される。具体的には、データ処理部1000によって実行されるステップは、ゲーム装置110が備えるCPU1002が、RAM1004やCPU1002のキャッシュに記憶された命令群を実行することによって実現される。ゲーム装置710,711の動作および機能は、ゲーム装置110と同様である。
【0042】
ステップ504において、図2に示されるようにゲーム装置110は、ストライクゾーン250に加えて、打者キャラクタ210、バットキャラクタ215、投手キャラクタ220、ボールキャラクタ225を含むゲーム画像200をディスプレイ140上に表示する。ストライクゾーン250は、投手キャラクタ220が投げたボールキャラクタ225がストライクであるか否かを判定するために用いられる。ゲーム空間内において打者キャラクタ210の近傍には、打撃判定のためのヒッティング面が設定される。ボールキャラクタ225がこのヒッティング面においてストライクゾーン250内を通過し、かつバットキャラクタ215によって打撃されない場合は、ストライクと判定される。
【0043】
ステップ506において、ゲーム装置110は、プレイヤがミートフレーム370をディスプレイ140上に表示させたいか否かを判定する。ゲーム装置110は、プレイヤがコントローラ130に設けられた、例えばL1ボタン131を押したか否かを判定する。ゲーム装置110がボタンの押下を検出するなら(判定がYESなら)、プロセスはステップ508に進み、検出しないなら(判定がNOなら)ステップ516に進む。
【0044】
代替としてステップ506は省略されてもよい。例えばゲーム装置110は、ストライクゾーン250を表示するのと同時に、ミートフレーム370を表示してもよい。
【0045】
ステップ508において、図3に示されるようにゲーム装置110は、ミートフレーム370をディスプレイ140上に表示する。図3に示されるようにミートフレーム370は、ストライクゾーン250と重なるように表示される。換言すればミートフレーム370の初期位置は、ストライクゾーン250と同じである。
【0046】
ミートフレーム370は、打者キャラクタ210がボールキャラクタ225を打つことができる範囲に対応する。ゲーム装置110はミートフレーム370の中心にミートカーソル360を表示する。ミートカーソル360は、バットキャラクタ215のうちボールキャラクタ225を打撃できる部分に対応する。プレイヤは、十字キー132を操作することによって、ミートカーソル360をミートフレーム370内で移動させることができる。例えば十字キー132のボタンのうち、上方向に対応するボタンを押せば、ミートカーソル360はミートフレーム370内で上に移動する。ミートカーソル360がミートフレーム370の上辺の境界に達した時は、上辺の上で止まる。
【0047】
ミートカーソル360は、滑らかに移動する。つまり十字キー132の押下時間に応じて、ミートカーソル360の移動量は連続的に変化する。ミートカーソル360は、バットキャラクタ215の打撃部分に対応する形状を有するが、その具体的な形状は、細長い台形には限定されず任意の形状であり得る。
【0048】
ストライクゾーン250およびミートフレーム370のそれぞれは、同一の大きさ、形状であって、典型的には、縦方向に3分割され、横方向に3分割されることによって、9分割されている。すなわちストライクゾーン250およびミートフレーム370は、9つの「マス」を有するが、これには限られず任意の分割方式により、任意の個数のマスを有し得る。
【0049】
ミートフレームは、ストライクゾーンに対して1マス単位で移動される。9分割の場合は、過度な移動を回避するために、1マスのみの移動のみとする。すなわち2マス以上の移動を禁止する。これは、ミートフレームがストライクゾーンからあまりに離間するのは現実的ではないためである。もちろん、例えば16分割等にした場合には、1マスの大きさが小さくなるので、2マスの移動を可能としてもよい。なお、本実施形態では、ミートフレーム370をストライクゾーン250と同一の大きさ、形状にするとともに、ミートフレーム370の移動単位を、マス目1単位後毎に移動させるようにしているので、無断階で移動可能とする場合に比べて、視認性に優れ、移動のレベルの把握を容易にでき、操作性の向上を図れる。すなわち、無断階で移動可能とした場合には、移動距離等を目視では把握することは困難であり、この結果、プレイヤにとっての学習効果が期待できない。つまり、無断階で移動可能とした場合には、どの程度、移動させたときにどのような打撃結果となったかといった情報のフィードバックを得ることができないが、上記構成のように移動単位をあえて1マスに固定することによって、プレイヤは自分のプレイの学習効果を向上することができる。
【0050】
ストライクゾーン250と区別するために、ミートフレーム370は、異なる色、線種によってディスプレイ140上で表示され得る。ストライクゾーン250およびミートフレーム370は、周囲の枠だけでなく、その内部が異なる色に塗られることによって、区別されてもよい。
【0051】
本願の図面で、ストライクゾーンは、右上から左下に走る密な斜線によって示され、ミートフレームは、左上から右下に走る粗な斜線によって示される。
【0052】
後述のデータ処理部1000は、ステップ508を実行することによって、ミートフレーム生成機能を実現する。換言すればデータ処理部1000は、ハードウェアおよびソフトウェアによってミートフレーム生成手段を構成する。
【0053】
ステップ510において、ゲーム装置110は、コントローラ130からの入力(例えば十字キー132の押下)があるか否かをモニタする。もしコントローラ130からの入力が検出されるなら、ゲーム装置110は、コントローラ130からの入力に基づいて、ミートフレーム370をストライクゾーン250に対して移動させる。このときストライクゾーン250自体は打者キャラクタ210に対して移動しない。すなわちゲーム空間内でのストライクゾーン250の位置は、固定されている。
【0054】
ゲーム画像400には、打者キャラクタ210、バットキャラクタ215、投手キャラクタ220、ボールキャラクタ225、ストライクゾーン250、ミートフレーム470、およびミートカーソル460が含まれる。図4ではミートフレーム470は、ストライクゾーン250から1マスだけ左上に移動されている。
【0055】
具体的な実施形態では、例えばコントローラ130のL1ボタン131を押下しながら十字キー132を押すことによって、プレイヤは、ミートフレーム470をストライクゾーン250に対して上、左上、左、左下、下、右下、右、右上の8方向のうちの1つの方向に1マスだけ移動できる。このミートフレーム470の移動にはジョイスティックを用いてもよい。
【0056】
ステップ510におけるミートフレーム470の移動は、ある実施形態では(i)プレイヤがミートフレーム470を確定する時、および(ii)投手キャラクタ220がボールキャラクタ225を投げる(リリースする)時のうち、いずれか早いほうの時まで可能である。しかしこれには限られず、他のタイミングまでミートフレームの移動を許してもよい。
【0057】
ストライクゾーン250と、プレイヤが位置を設定したミートフレーム470とは一部が重複されて表示され得る。例えば半透明のミートフレーム470をストライクゾーン250の上に重ねて描画することによって、ミートフレーム470とストライクゾーン250とを区別しながらも同時に表示できる。
【0058】
後述のデータ処理部1000は、ステップ510を実行することによって、ミートフレーム移動機能を実現する。換言すればデータ処理部1000は、ハードウェアおよびソフトウェアによってミートフレーム移動手段を構成する。
【0059】
ステップ512においてゲーム装置110は、(i)プレイヤによるミートフレーム470の確定、または(ii)ボールキャラクタ225の送出のいずれかを検出したか判定する。ゲーム装置110がいずれかを検出するなら(判定がYESなら)、プロセスはステップ514に進み、検出しないなら(判定がNOなら)ステップ510に戻る。条件(i)について具体的にはゲーム装置110は、プレイヤがコントローラ130のL1ボタン131を離す時にミートフレーム470の位置を確定する。代替としてゲーム装置110は、プレイヤがコントローラ130のL1ボタン131および十字キー132の2つを離す時にミートフレーム470の位置を確定する。条件(ii)についてゲーム装置110は、投手キャラクタ220がボールキャラクタ225を送出(リリース)する時にミートフレーム470の位置を確定する。これは、送出後にもミートフレーム470の位置を変えることが可能ならば、打者キャラクタ210が非常に有利になってしまうためである。
【0060】
ゲーム装置110がミートフレーム470の位置を確定するまでは、ゲーム装置110は、プレイヤによるミートフレーム470の移動操作を、コントローラ130を介して受け取る。すなわちミートフレーム470が確定するまでは、プレイヤは、ミートフレーム470の位置を十字キー132を用いて自由に変えることができる。例えばプレイヤが、どの位置で打撃すべきか逡巡するときは、投手キャラクタ220がボールキャラクタ225を投げる直前まで、ミートフレーム470の位置を自由に変更できる。
【0061】
フロー590においては、投手キャラクタ220に関する一連のプロセスが処理される。
【0062】
ステップ594においてゲーム装置110は、ボールキャラクタ225を投手キャラクタ220から送出させる。ステップ594においてボールキャラクタ225が送出されると、ボールキャラクタの送出を表す情報はステップ512において条件(ii)として用いられる。
【0063】
上の処理により、ゲーム装置110は、プレイヤによる確定と併せて、ボールキャラクタの送出によっても、ミートフレーム470の位置を確定する。すなわち、投手キャラクタ220がボールキャラクタ225を送出するまでにプレイヤがミートフレーム470の位置を確定しない場合は、ゲーム装置110は、投手キャラクタ220がボールキャラクタ225をリリースする瞬間にミートフレーム470が存在する位置を、確定されたミートフレーム470の位置として以後の処理で用いる。
【0064】
後述のデータ処理部1000は、ステップ594を実行することによって、ボールキャラクタを送出する送出機能を実現する。換言すればデータ処理部1000は、ハードウェアおよびソフトウェアによってボールキャラクタを送出する送出手段を構成する。
【0065】
ステップ514においてゲーム装置110は、ミートフレーム470の位置を確定(固定)する。プレイヤの意図に依存して、ミートフレーム370は、ストライクゾーン250に対して移動された位置(ミートフレーム470)で確定されてもよく、ストライクゾーン250と同じ位置(ミートフレーム370)で確定されてもよい。
【0066】
ステップ516においてゲーム装置110は、コントローラ130を介したプレイヤの操作に基づいて、確定したミートフレーム470内でミートカーソル460を移動させる。ステップ508について説明したように、プレイヤは、十字キー132を操作することによって、ミートカーソル460をミートフレーム470内で滑らかに移動させることができる。
【0067】
ステップ518においてゲーム装置110は、ボールキャラクタ225がヒッティング面を通過する位置と、ミートカーソル460の位置と、打者キャラクタ210の打撃操作のタイミングとに基づき、ボールキャラクタ225の打撃結果を判定する。例えばボールキャラクタ225の通過位置がミートカーソル460の位置に十分近く、かつ打撃操作のタイミングも適切であれば、打者キャラクタ210が安打や本塁打を打ったと判定する。逆に、ボールキャラクタ225の通過位置がミートカーソル460の位置から遠く、または打撃操作のタイミングが不適切であれば、打者キャラクタ210は空振りをしたと判定する。上述の判定には限られず、ステップ518における打撃判定は、さまざまな従来技術を用いてゲーム装置110によって実現され得る。
【0068】
後述のデータ処理部1000は、ステップ518を実行することによって、打撃判定機能を実現する。換言すればデータ処理部1000は、ハードウェアおよびソフトウェアによって打撃判定手段を構成する。
【0069】
ステップ520においてゲーム装置110は、ボールキャラクタ225がストライクゾーン250を通過したか否かを判定する。プレイヤが打撃操作をせず、かつボールキャラクタ225がストライクゾーン250を通過したなら、打者キャラクタ210はストライクをとられたと判定する。上述の判定には限られず、ステップ520におけるストライク判定は、さまざまな従来技術を用いてゲーム装置110によって実現され得る。
【0070】
後述のデータ処理部1000は、ステップ520を実行することによって、ストライク判定機能を実現する。換言すればデータ処理部1000は、ハードウェアおよびソフトウェアによってストライク判定手段を構成する。
【0071】
ステップ530においてゲーム装置110は、ボールがキャッチされた時、または打撃された時にミートフレーム470を消去する。しかしこれには限られず、ミートフレーム470の消去は他のタイミングで行われてもよい。
【0072】
ステップ532においてフロー500は終了する。ボールのカウントがまだ残っている場合は、フロー500は再びステップ502へ戻る。
【0073】
(ミートフレームの移動の詳細)
図6は、ストライクゾーン250に対するミートフレーム370の移動を示す図である。ミートフレーム370が移動される前(すなわちステップ508の前)では、図3と同様に、ストライクゾーン250と、初期状態のミートフレーム370とは、重なるように表示されている。
【0074】
ストライクゾーン250に対してミートフレーム370が上に移動すると、ミートフレーム671は、ストライクゾーン651と重なる6つのマスs4〜s9(打てるストライクゾーン)と、ストライクゾーン651と重ならない3つのマスb1〜b3(打てるボールゾーン)とを有する。したがってミートフレーム370を上に1マス移動させることによって、打てなくなるストライクゾーンn7〜n9が生じるが、一方で、打てるボールゾーンb1〜b3が生じる。
【0075】
具体的な実施形態において、打てなくなるストライクゾーンとは、本来、ストライクゾーンであるにもかかわらず打撃できない(すなわち安打などにつながらない、またはゲームの設計によっては空振りとなる)領域をいう。
【0076】
ストライクゾーン250に対してミートフレーム370が左上に移動すると、ミートフレーム672は、ストライクゾーン652と重なる4つのマスs5,s6,s8,s9(打てるストライクゾーン)と、ストライクゾーン652と重ならない5つのマスb1〜b3,b4,b7(打てるボールゾーン)とを有する。したがってミートフレーム370を左上に1マス移動させることによって、打てなくなるストライクゾーンn3,n6,n7〜n9が生じるが、一方で、打てるボールゾーンb1〜b3,b4,b7が生じる。
【0077】
ストライクゾーン250に対してミートフレーム370が左に移動すると、ミートフレーム673は、ストライクゾーン653と重なる6つのマスs2,s3,s5,s6,s8,s9(打てるストライクゾーン)と、ストライクゾーン653と重ならない3つのマスb1,b4,b7(打てるボールゾーン)とを有する。したがってミートフレーム370を左に1マス移動させることによって、打てなくなるストライクゾーンn3,n6,n9が生じるが、一方で、打てるボールゾーンb1,b4,b7が生じる。
【0078】
ストライクゾーン250に対してミートフレーム370が左下に移動すると、ミートフレーム674は、ストライクゾーン654と重なる4つのマスs2,s3,s5,s6(打てるストライクゾーン)と、ストライクゾーン654と重ならない5つのマスb1,b4,b7〜b9(打てるボールゾーン)とを有する。したがってミートフレーム370を左下に1マス移動させることによって、打てなくなるストライクゾーンn1〜n3,n6,n9が生じるが、一方で、打てるボールゾーンb1,b4,b7〜b9が生じる。
【0079】
ストライクゾーン250に対してミートフレーム370が下に移動すると、ミートフレーム675は、ストライクゾーン655と重なる6つのマスs1〜s6(打てるストライクゾーン)と、ストライクゾーン655と重ならない3つのマスb7〜b9(打てるボールゾーン)とを有する。したがってミートフレーム370を下に1マス移動させることによって、打てなくなるストライクゾーンn1〜n3が生じるが、一方で、打てるボールゾーンb7〜b9が生じる。
【0080】
ストライクゾーン250に対してミートフレーム370が右下に移動すると、ミートフレーム676は、ストライクゾーン656と重なる4つのマスs1,s2,s4,s5(打てるストライクゾーン)と、ストライクゾーン656と重ならない5つのマスb3,b6,b7〜b9(打てるボールゾーン)とを有する。したがってミートフレーム370を右下に1マス移動させることによって、打てなくなるストライクゾーンn1〜n3,n4,n7が生じるが、一方で、打てるボールゾーンb3,b6,b7〜b9が生じる。
【0081】
ストライクゾーン250に対してミートフレーム370が右に移動すると、ミートフレーム677は、ストライクゾーン657と重なる6つのマスs1,s2,s4,s5,s7,s8(打てるストライクゾーン)と、ストライクゾーン657と重ならない3つのマスb3,b6,b9(打てるボールゾーン)とを有する。したがってミートフレーム370を右に1マス移動させることによって、打てなくなるストライクゾーンn1,n4,n7が生じるが、一方で、打てるボールゾーンb3,b6,b9が生じる。
【0082】
ストライクゾーン250に対してミートフレーム370が右上に移動すると、ミートフレーム678は、ストライクゾーン658と重なる4つのマスs4,s5,s7,s8(打てるストライクゾーン)と、ストライクゾーン657と重ならない5つのマスb1〜b3,b6,b9(打てるボールゾーン)とを有する。したがってミートフレーム370を右上に1マス移動させることによって、打てなくなるストライクゾーンn1,n4,n7〜n9が生じるが、一方で、打てるボールゾーンb1〜b3,b6,b9が生じる。
【0083】
(ミートフレームの移動による効果)
本発明によるゲーム装置110は、打者によるボールコースの「読み」(投球予測)を反映させるために、ミートフレームをストライクゾーンから離間させる。これによりボールがストライクゾーンを外れても打者は打つことができる。すなわちゲーム装置110は、ストライクゾーンとは別にミートフレームを生成し、プレイヤがストライクゾーンに対してミートフレームを所定距離(例えば1マス)だけ移動させることを可能にする。これによりストライクゾーンであるにもかかわらず、バットを振ると空振りになる領域(打てなくなるストライクゾーン)が新たに生じるが、逆にボール球でもヒットにできる領域(打てるボールゾーン)も生じる。したがってバッターとピッチャーとの駆け引きがより複雑になり、興趣を向上させることができる。
【0084】
例えば図6を参照して説明すると、まず、プレイヤが右打ちの打者の外角高めにボールが来ると予測して、ミートフレーム672をストライクゾーン652に対して左上に移動させた場合、その打者は、外角高めのボールに対して強くなる。つまりミートフレームが移動していなければ本来は打撃できない(つまり安打などにつながらない、またはゲームによっては空振りとなる)位置(例えばボールゾーンb1(外角高め),b2,b3,b4,b7)にボールが来ても、打撃できる可能性が出てくる。逆にその予測に反して、ミートフレームが移動していなければ本来、打撃できた位置(例えばストライクゾーンn9(内角低め),n3,n6〜n8)にボールが来ると、打撃できなくなる。
【0085】
本発明によれば、打者(プレイヤ)の投球予測がより重要になる。もちろんプレイヤがこのような投球予測によるリスクを好まないのであれば、ミートフレームのシフトを行わずに通常通り、投打の勝負をすればよい。打者が、例えば相手投手が勝負カウント(例えば2−3)になると外角高めの誘い球を投げる癖があると判断するなら、ミートフレームを外角高めにシフトして、ボール球でも打ちに行く、という戦略が取れる。あるいは満塁という打者が有利な状況において、投手が低めに投げてくる傾向を予測できれば、ストライクゾーンを下方にシフトして、やはりボール球であっても打ちにいく、という戦略が考えられる。
【0086】
従来技術によるゲームであれば、投手はストライクゾーン以外に球を投げれば、少なくともヒットされることはなかった。本発明によればボール球でも打たれる可能性が出てくる。そのため投手にとっても打者との駆け引きがより重要になる。前述の例で言えば、常識的には低めにボールを投げる満塁の状況においても、打者がストライクゾーンを低めに設定している可能性を想定し、あえて高めのボールを投げることによって、打者のシフトされたミートフレームから外れる領域(打てなくなるストライクゾーン)を狙う、という戦略が考えられる。
【0087】
本発明のある具体的な実施形態によれば、(i)プレイヤがボールコースの「読み」を行おうと意図して、所定ボタンを押した時に、ゲーム装置110は、初めてミートフレームを生成し、(ii)ゲーム装置110は、ストライクゾーンを初期位置としてミートフレームを移動することができ、かつ(iii)ゲーム装置110は、ミートフレームが生成されると、ミートカーソルをストライクゾーンの中心からミートフレームの中心に移動する。ゲーム装置110がこのように動作することにより、プレイヤはボールを打つ点(ミートカーソルの位置)を2段階で操作できる。すなわちプレイヤは、まずミートカーソルを移動させることで、おおまかにどの位置で打撃するかを決定し、次に移動されたミートフレーム内で細かくミートカーソルを動かすことができる。換言すればプレイヤは、まずミートフレームの移動により打撃位置を大局的に決定し、次にミートカーソルの移動により打撃位置を局所的に決定できる。本発明は、このような2段階の打撃位置設定によって、より広範囲のボールを打つことができるという効果を有する。
【0088】
(ミートフレームの移動の変形例)
ミートフレーム470は、9分割ではなく、例えば16分割(縦方向に4分割、横方向に4分割)されてもよく、この場合は、ゲーム装置110は、プレイヤのコントローラ130を介した操作によって、ミートフレーム470を上述の8方向に1マスまたは2マスの2段階で移動するものとしてもよい。ゲーム装置110は、一度のコントローラ操作によって、ディスプレイ140上で1マス単位でミートフレーム470を移動させる。
【0089】
ある実施形態では、デフォールトのミートフレーム470の移動量は、1マスであるが、能力が高い打者の場合はゲーム装置110は、移動量を2マスに増す。例えば低めのボールに強い打者の場合は、ゲーム装置110は、ミートフレーム470が下に2マス移動することを許す。高めのボールに強い打者の場合は、ゲーム装置110は、ミートフレーム470が右上に1マスおよび右に1マス移動することを許す。すなわちゲーム装置110は、打者キャラクタ210の打者パラメータを参照して、ミートフレーム470の移動量を決定できる。
【0090】
移動量だけでなく、ゲーム装置110は、ミートフレーム470が移動できる方向に制限を加えてもよい。すなわち打者キャラクタ210の得意・不得意領域に応じて、ミートフレーム470が移動できない領域を設けてもよい。例えばある打者キャラクタ210が低めを打つのは得意だが、高めは打つのは不得意な場合、ゲーム装置110は、ミートフレーム470の上への移動を禁止する。この場合、プレイヤがそのようなミートフレーム470の移動を行おうとしてもゲーム装置110はコントローラ130からの入力を受け付けない。
【0091】
上述のミートフレームの移動は、タッチパネルを用いたプレイヤによる入力に基づいて制御することもできる。したがってディスプレイ140としてタッチパネルを有する携帯電話を含む携帯電子機器に本発明を適用することもできる。この場合、ゲーム装置110は、例えばタッチパネルへのタップを打撃として、タッチパネル上でのスライドを強振として解釈する。
【0092】
図6を用いた実施形態では、「打てなくなるストライクゾーン」は、安打などにつながらない、完全に「打てない」領域として説明した。しかしこれには限られず、「打てなくなるストライクゾーン」は、安打になる確率を低く設定してもよい。換言すれば、打撃判定ステップ516は、移動されたミートフレームと重ならないストライクゾーン(「打てなくなるストライクゾーン」)内の打撃の確率を、ミートフレームと重なるストライクゾーン(「打てるストライクゾーン」)内の打撃の確率よりも低く設定してもよい。この場合、「打てなくなるストライクゾーン」内の打撃の確率は、ゼロではなく、「打てるストライクゾーン」内の打撃の確率よりもある程度、低ければよい。
【0093】
(対戦モードの例)
図7は、本発明のある実施形態によるゲームプログラムを用いるシステム700を示す図である。システム700は、2組のシステム100をネットワーク715を通して接続することによって、ネットワーク対戦モードにおけるプレイヤ1およびプレイヤ2の対戦を実現する。
【0094】
ゲーム装置710,711は、それぞれゲーム装置110に対応する。プレイヤ1が操作するコントローラ730、およびゲーム画像を表示するディスプレイ740は、ゲーム装置710に接続される。プレイヤ2が操作するコントローラ731、およびゲーム画像を表示するディスプレイ741は、ゲーム装置711に接続される。ディスプレイ740,741は、それぞれゲーム装置710およびゲーム装置711によって生成される仮想的なゲーム空間を反映する。
【0095】
ネットワーク対戦モードでは、ゲーム装置710,711は互いにネットワーク715を通して接続される。ネットワーク715は、任意の適切なネットワークであり、例えばLAN(ローカルエリアネットワーク)、インターネットなどである。ネットワーク対戦モードを実現するために、ゲーム装置710,711は、ネットワーク715を介して、互いにゲームプログラムの実行に必要なデータをやりとりする。
【0096】
ネットワーク対戦モードでは、プレイヤ1はコントローラ730を介して打者キャラクタ750を操作し、プレイヤ2によって操作される投手キャラクタ780を相手に対戦する。プレイヤ2はコントローラ731を介して投手キャラクタ781を操作し、プレイヤ1によって操作される打者キャラクタ751を相手に対戦する。ゲーム装置710は、打者キャラクタ750の目線からの画面をディスプレイ740に表示する。ゲーム装置711は、投手キャラクタ781の目線からの画面をディスプレイ741に表示する。
【0097】
プレイヤ1はディスプレイ740を見ながら打者キャラクタ750を操作するので、ゲーム装置710は、ストライクゾーン760、本発明によるゲームプログラムによって生成された移動されたミートフレーム770、およびミートカーソル772をディスプレイ740上に表示する。一方、プレイヤ2はディスプレイ741を見ながら投手キャラクタ781を操作するので、ゲーム装置711は、ストライクゾーン761だけをディスプレイ741上に表示する。これにより投手キャラクタ781を操作するプレイヤ2には、プレイヤ1によるミートフレーム770の移動、およびミートフレーム770内でのミートカーソル772の位置が見えない。
【0098】
図8は、本発明のある実施形態によるゲームプログラムを用いるシステム700の変形例であるシステム800を示す図である。システム700と同様に、システム800もネットワーク対戦モードにおけるプレイヤ1およびプレイヤ2の対戦を実現する。システム800の構成は、システム700の構成と同様であるが、ゲーム装置711が生成するゲーム画像が、打者キャラクタ753の目線からの画面である点がシステム700と異なる。システム700と同様に、プレイヤ2はディスプレイ741を見ながら投手キャラクタ783を操作するので、ゲーム装置711は、ストライクゾーン763だけをディスプレイ741上に表示する。これにより投手キャラクタ783を操作するプレイヤ2には、プレイヤ1によるミートフレーム770の移動、およびミートフレーム770内でのミートカーソル772の位置が見えない。
【0099】
図9は、本発明のある実施形態によるゲームプログラムを用いるシステム900を示す図である。システム900は、2P対戦モードにおけるプレイヤ1およびプレイヤ2の対戦を実現する。システム900のゲーム装置910は、2つのコントローラ930,931を介してプレイヤ1およびプレイヤ2の操作を処理する。システム900の構成は、システム100の構成と同様であるが、ゲーム装置910が2つのコントローラ930,931に接続される点が異なる。
【0100】
2P対戦モードでは、プレイヤ1はコントローラ930を介して打者キャラクタ950を操作し、プレイヤ2によって操作される投手キャラクタ980を相手に対戦する。プレイヤ2はコントローラ931を介して投手キャラクタ980を操作し、プレイヤ1によって操作される打者キャラクタ950を相手に対戦する。ゲーム装置910は、打者キャラクタ950の目線からの画面をディスプレイ940に表示する。
【0101】
プレイヤ1およびプレイヤ2は、同じディスプレイ940を見ながら対戦する。したがってゲーム装置910は、ゲーム空間内にミートフレームおよびミートカーソルを生成はするが、ディスプレイ940上にミートフレームおよびミートカーソルを表示しない。プレイヤ1は、コントローラ930を操作することによって、不可視であるミートフレームおよびミートカーソルを勘で移動させる。ゲーム装置910は、プレイヤ1が動かしたミートカーソルがミートフレームの範囲を超える時、コントローラ930に設けられたモータによって振動を発生し、プレイヤ1にミートカーソルの範囲逸脱を知らせてもよい。
【0102】
図10は、システム100のハードウェアを示すブロック図である。システム100は、ゲーム装置110、コントローラ130、およびディスプレイ140を含む。ゲーム装置110は、ネットワーク715を介して他のゲーム装置711と接続される。
【0103】
CPU1002は、ゲーム装置110の各構成要素と接続され、制御信号やデータをやりとりすることによって、その全体の動作を制御する。CPU1002は、RAM1004に記憶されたゲームプログラムを構成するステップ群を実行することによって、所望の機能を実現する。具体的にはCPU1002は、図5に示されるステップ群を実行することによって、ステップ群が規定する所望の機能群を実現する。
【0104】
CPU1002は、レジスタに対してALU(Arithmetic Logic Unit)を用いて加減乗除等の算術演算や、論理和、論理積、論理否定等の論理演算、ビット和、ビット積、ビット反転、ビットシフト、ビット回転等のビット演算などを行うことができる。CPU1002は、マルチメディア処理のための加減乗除などの飽和演算、および三角関数などベクトル演算を高速に行えるように構成されてもよい。CPU1002は、演算を高速に行うためにコプロセッサを備えてもよい。
【0105】
記録媒体120は、任意の適切なコンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、本発明によるゲームプログラム、およびゲームに付随する画像データおよび音声データを記録する。ドライブ112は、CPU1002の制御によって、記録媒体120からゲームプログラムおよび付随するデータを読み出す。CPU1002は、読み出されたプログラムおよびデータをバス1006を介して、RAM1004に転送し、一時的に記憶する。
【0106】
RAM1004は、データやプログラムを一時的に記憶する。RAM1004は、記録媒体120から読み出したゲームプログラム、ゲームプログラムに付随するデータ、ネットワーク対戦モードにおける他のプレイヤに関連するデータ、通信に関連するデータなどを記憶する。CPU1002は、RAM1004に変数領域を設け、変数領域に格納された値に対して直接に演算を行ってもよい。CPU1002は、RAM1004に記憶された値をいったんレジスタに格納してからレジスタに対して演算を行い、演算結果をメモリに書き戻してもよい。
【0107】
ROM1008は、電源投入直後に実行されるIPL(initial program loader)を記憶する。CPU1002は、IPLを実行することによって、記録媒体120に記録されたゲームプログラムを読み出す。CPU1002は、読み出されたゲームプログラムをRAM1004に記憶させ、ゲームプログラムの実行に必要な処理を行う。ROM1008は、ゲーム装置110の制御に必要なオペレーティングシステムのプログラムおよび各種データを記録する。
【0108】
インタフェース1010は、コントローラ130によって検出されたプレイヤの操作に関連付けられたデータをバス1006を介してCPU1002などに送る。信号処理プロセッサ1012および画像処理プロセッサ1014は、バス1006を通してCPU1002と接続される。CPU1002は、ゲームプログラムからの命令を解釈し、各種のデータ処理および制御を行う。例えば、CPU1002は、信号処理プロセッサ1012に対して、画像データを画像処理プロセッサに供給するように命令する。信号処理プロセッサ1012は、例えばゲーム空間内におけるさまざまなキャラクタの計算、ゲーム空間からディスプレイ画面への座標変換計算、光源計算、および画像および音声データの生成を行う。
【0109】
画像処理プロセッサ1014は、2次元画像の重ね合わせ演算、αブレンディングなどの透過演算、各種の飽和演算などを高速に実行する。仮想3次元空間であるゲーム空間内には、各種のテクスチャ情報が付加されたポリゴンとして表現される、さまざまなキャラクタが配置される。画像処理プロセッサ1014は、このポリゴンをZバッファ法によってレンダリングする。画像処理プロセッサ1014は、ゲーム空間内に配置されたポリゴンを、所定の視点位置から所定の視線方向へ俯瞰したレンダリング画像を得るための演算を高速に実行できる。
【0110】
CPU1002は、画像演算プロセッサ1014と協調して、文字の形状を定義するフォント情報にしたがって、文字列を2次元画像としてフレームメモリへ描画したり、各ポリゴン表面へ描画したりする。
【0111】
データ処理部1000は、典型的にはCPU1002、RAM1004、ROM1008、信号処理プロセッサ1012、および画像処理プロセッサ1014によって構成される。データ処理部1000は、図5を参照して説明したさまざまなステップをCPU1002によって実行することにより、それぞれのステップに対応する機能をゲーム装置110に実現させる。具体的には、データ処理部1000は、ステップ508に対応するミートフレーム生成手段、ステップ510に対応するミートフレーム移動手段、ステップ518に対応する打撃判定手段、ステップ520に対応するストライク判定手段、およびステップ594に対応するボールキャラクタを送出する送出手段を少なくとも構成する。
【0112】
データ処理部1000は、上述の構成要素に加えて他のハードウェアまたはソフトウェアの要素をさらに備えてもよい。例えばデータ処理部1000は、単一のCPU1002の代わりに複数のCPUを用いることによって並列処理を行い、計算速度を高速化してもよい。
【0113】
逆に、データ処理部1000は、上述の構成要素の一部を含まなくてもよい。例えば、CPU1002の性能が十分に高いときは、信号処理プロセッサ1012を用いることなく、図5のステップを実行してもよい。この場合、データ処理部1000は、CPU1002、RAM1004、ROM1008、および画像処理プロセッサ1014によって構成されることになる。
【0114】
画像出力部1016は、典型的にはデジタルアナログ変換器、フレームメモリを有する。このフレームメモリは、例えば画像処理プロセッサ1014によって処理された画像データを記憶する。画像出力部1016は、画像データを所定の同期タイミングでビデオ信号に変換し、ディスプレイ140へ出力する。
【0115】
音声出力部1018は、典型的にはデジタルアナログ変換器を有する。音声出力部1018は、記録媒体120から読み出された音声データをアナログ信号に変換し、出力する。ディスプレイ140は、変換されたアナログ信号を、例えばHDMIケーブルなどを通して受け取り、内蔵のスピーカから音声として出力する。CPU1002は、ゲームの実行中において、効果音および楽曲データを生成し、音声信号として出力してもよい。音声出力部1018は、記録媒体120に記録された音声データがMIDI(musical instrument digital interface)データである時は、関連付けられた音源データを参照することによって、MIDIデータをPCMデータに変換する。音声出力部1018は、音声データがADPCM(adaptive differential pulse code modulation)形式やOgg Vorbis形式などで圧縮されている時には、圧縮されたデータを展開してPCMデータに変換する。音声出力部1018は、PCMデータに対して、そのサンプリング周波数に応じたタイミングでデジタルアナログ変換を行って、出力する。
【0116】
ネットワークインタフェース1020は、ネットワーク715を通して他のゲーム装置711と通信するのに用いられる。例えばネットワーク対戦モードで自分が用いる、相手のチームに関連するさまざまなデータは、ネットワークインタフェース1020によって、ネットワーク715を通して受け取られる。逆に、ネットワーク対戦モードで相手が用いる、自分のチームに関連するさまざまなデータは、ネットワークインタフェース1020によって、ネットワーク715を通して相手のゲーム装置711に送られる。これによりネットワーク対戦モードで、遠隔地におけるプレイヤどうしでゲームの対戦が可能になる。システム100は、ネットワーク715に接続することなく、ゲーム装置110単体でゲームプログラムを実行してもよい。
【0117】
本発明によるゲームプログラムは、典型的には記録媒体120からゲーム装置110にロードされる。しかしこれには限られず、本発明によるゲームプログラムの全部または一部が、ネットワーク715を介して、遠隔地にあるコンピュータ(例えばサーバ)からロードされてもよい。また本発明によるゲームプログラムに関連して用いられるデータの全部または一部が、ネットワーク715を介して、遠隔地にあるコンピュータ(例えばサーバ)からロードされてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0118】
本発明によれば、野球ゲームにおいて、固定されたストライクゾーンとは別に、ミートフレームを生成し、このミートフレームをストライクゾーンに対して移動させる。ミートカーソルは、この移動されたミートフレームの中で自由に移動できる。そのためストライクゾーンではない領域にミートカーソルを置き、ボールを打撃することが可能になる。したがって打撃の興趣を向上することができるゲームプログラム、ゲーム装置、およびゲーム制御方法が提供でき、有用である。
【符号の説明】
【0119】
500 ゲームプログラムのフロー
508 ミートフレーム生成ステップ
510 ミートフレーム移動ステップ
518 打撃判定ステップ
520 ストライク判定ステップ
590 ゲームプログラムのフロー
594 ボールキャラクタ送出ステップ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム空間内に設定された投手キャラクタ、打者キャラクタ、およびボールキャラクタをモニタに表示し、プレイヤが操作部を介して前記打者キャラクタを操作することによって前記ボールの打撃操作を行う野球ゲームを実行可能なコンピュータに、
前記投手キャラクタから前記ボールキャラクタを送出する送出機能と、
前記ボールキャラクタがストライクゾーンを通過したことを判定するストライク判定機能と、
前記打者キャラクタが前記ボールキャラクタを打撃できる領域に対応するミートフレームを、前記ストライクゾーンとは別に生成するミートフレーム生成機能と、
前記ミートフレームが生成され、且つ前記ボールキャラクタが前記ミートフレームを通過した場合、前記ミートフレーム内を移動可能な、打撃ポイントの目標を示すミートカーソルの位置と、前記ボールキャラクタの通過位置と、前記打者キャラクタの打撃操作タイミングとに基づき、前記ボールキャラクタの打撃結果を判定する打撃判定機能と、
前記プレイヤによる第1操作に基づいて、前記ストライクゾーンと重複する位置を初期位置として、前記ミートフレームの位置を移動するミートフレーム移動機能と
を実現させるゲームプログラム。
【請求項2】
前記ミートフレーム生成機能は、前記プレイヤによる前記第1操作の前に行われる前記プレイヤによる第2操作に基づいて前記ミートフレームを生成する
請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記ミートフレーム移動機能は、前記ミートカーソルを、移動された前記ミートフレームの中心に位置させる請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記ストライクゾーンは、マス目状に等分割されてなり、且つ、
前記ミートフレーム生成機能は、前記ミートフレームを、その大きさおよび内部が前記ストライクゾーンと同一となるように生成し、
前記ミートフレーム移動機能は、前記第1操作に基づいて、前記ミートフレームを前記マス目の1単位毎に移動させる
請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記打撃判定機能は、移動された前記ミートフレームと重ならない前記ストライクゾーン内の打撃の確率を、前記ミートフレームと重なる前記ストライクゾーン内の打撃の確率よりも低く設定する請求項1に記載されるゲームプログラム。
【請求項6】
前記ミートフレーム移動機能は、前記ストライクゾーン上から離間する前記ミートフレームの移動量を、前記打者キャラクタの打者能力を表すパラメータに基づいて設定する請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項7】
前記ミートフレーム移動機能は、前記ストライクゾーン上から離間する前記ミートフレームの移動方向を、前記打者キャラクタの打者能力を表すパラメータに基づいて設定する請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項8】
ゲーム空間内に設定された投手キャラクタ、打者キャラクタ、およびボールキャラクタをモニタに表示し、プレイヤが操作部を介して前記打者キャラクタを操作することによって前記ボールの打撃操作を行う野球ゲームを実行するゲーム装置であって、
前記投手キャラクタから前記ボールキャラクタを送出する送出手段と、
前記ボールキャラクタがストライクゾーンを通過したことを判定するストライク判定手段と、
前記打者キャラクタが前記ボールキャラクタを打撃できる領域に対応するミートフレームを、前記ストライクゾーンとは別に生成するミートフレーム生成手段と、
前記ミートフレームが生成され、且つ前記ボールキャラクタが前記ミートフレームを通過した場合、前記ミートフレーム内を移動可能な、打撃ポイントの目標を示すミートカーソルの位置と、前記ボールキャラクタの通過位置と、前記打者キャラクタの打撃操作タイミングとに基づき、前記ボールキャラクタの打撃結果を判定する打撃判定手段と、
前記プレイヤによる第1操作に基づいて、前記ストライクゾーンと重複する位置を初期位置として、前記ミートフレームの位置を移動するミートフレーム移動手段と
を備えるゲーム装置。
【請求項9】
ゲーム空間内に設定された投手キャラクタ、打者キャラクタ、およびボールキャラクタをモニタに表示し、プレイヤが操作部を介して前記打者キャラクタを操作することによって前記ボールの打撃操作を行う野球ゲームを制御する方法であって、
前記投手キャラクタから前記ボールキャラクタを送出する送出ステップと、
前記ボールキャラクタがストライクゾーンを通過したことを判定するストライク判定ステップと、
前記打者キャラクタが前記ボールキャラクタを打撃できる領域に対応するミートフレームを、前記ストライクゾーンとは別に生成するミートフレーム生成ステップと、
前記ミートフレームが生成され、且つ前記ボールキャラクタが前記ミートフレームを通過した場合、前記ミートフレーム内を移動可能な、打撃ポイントの目標を示すミートカーソルの位置と、前記ボールキャラクタの通過位置と、前記打者キャラクタの打撃操作タイミングとに基づき、前記ボールキャラクタの打撃結果を判定する打撃判定ステップと、
前記プレイヤによる第1操作に基づいて、前記ストライクゾーンと重複する位置を初期位置として、前記ミートフレームの位置を移動するミートフレーム移動ステップと
を備えるゲーム制御方法。
【請求項1】
ゲーム空間内に設定された投手キャラクタ、打者キャラクタ、およびボールキャラクタをモニタに表示し、プレイヤが操作部を介して前記打者キャラクタを操作することによって前記ボールの打撃操作を行う野球ゲームを実行可能なコンピュータに、
前記投手キャラクタから前記ボールキャラクタを送出する送出機能と、
前記ボールキャラクタがストライクゾーンを通過したことを判定するストライク判定機能と、
前記打者キャラクタが前記ボールキャラクタを打撃できる領域に対応するミートフレームを、前記ストライクゾーンとは別に生成するミートフレーム生成機能と、
前記ミートフレームが生成され、且つ前記ボールキャラクタが前記ミートフレームを通過した場合、前記ミートフレーム内を移動可能な、打撃ポイントの目標を示すミートカーソルの位置と、前記ボールキャラクタの通過位置と、前記打者キャラクタの打撃操作タイミングとに基づき、前記ボールキャラクタの打撃結果を判定する打撃判定機能と、
前記プレイヤによる第1操作に基づいて、前記ストライクゾーンと重複する位置を初期位置として、前記ミートフレームの位置を移動するミートフレーム移動機能と
を実現させるゲームプログラム。
【請求項2】
前記ミートフレーム生成機能は、前記プレイヤによる前記第1操作の前に行われる前記プレイヤによる第2操作に基づいて前記ミートフレームを生成する
請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記ミートフレーム移動機能は、前記ミートカーソルを、移動された前記ミートフレームの中心に位置させる請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記ストライクゾーンは、マス目状に等分割されてなり、且つ、
前記ミートフレーム生成機能は、前記ミートフレームを、その大きさおよび内部が前記ストライクゾーンと同一となるように生成し、
前記ミートフレーム移動機能は、前記第1操作に基づいて、前記ミートフレームを前記マス目の1単位毎に移動させる
請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記打撃判定機能は、移動された前記ミートフレームと重ならない前記ストライクゾーン内の打撃の確率を、前記ミートフレームと重なる前記ストライクゾーン内の打撃の確率よりも低く設定する請求項1に記載されるゲームプログラム。
【請求項6】
前記ミートフレーム移動機能は、前記ストライクゾーン上から離間する前記ミートフレームの移動量を、前記打者キャラクタの打者能力を表すパラメータに基づいて設定する請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項7】
前記ミートフレーム移動機能は、前記ストライクゾーン上から離間する前記ミートフレームの移動方向を、前記打者キャラクタの打者能力を表すパラメータに基づいて設定する請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項8】
ゲーム空間内に設定された投手キャラクタ、打者キャラクタ、およびボールキャラクタをモニタに表示し、プレイヤが操作部を介して前記打者キャラクタを操作することによって前記ボールの打撃操作を行う野球ゲームを実行するゲーム装置であって、
前記投手キャラクタから前記ボールキャラクタを送出する送出手段と、
前記ボールキャラクタがストライクゾーンを通過したことを判定するストライク判定手段と、
前記打者キャラクタが前記ボールキャラクタを打撃できる領域に対応するミートフレームを、前記ストライクゾーンとは別に生成するミートフレーム生成手段と、
前記ミートフレームが生成され、且つ前記ボールキャラクタが前記ミートフレームを通過した場合、前記ミートフレーム内を移動可能な、打撃ポイントの目標を示すミートカーソルの位置と、前記ボールキャラクタの通過位置と、前記打者キャラクタの打撃操作タイミングとに基づき、前記ボールキャラクタの打撃結果を判定する打撃判定手段と、
前記プレイヤによる第1操作に基づいて、前記ストライクゾーンと重複する位置を初期位置として、前記ミートフレームの位置を移動するミートフレーム移動手段と
を備えるゲーム装置。
【請求項9】
ゲーム空間内に設定された投手キャラクタ、打者キャラクタ、およびボールキャラクタをモニタに表示し、プレイヤが操作部を介して前記打者キャラクタを操作することによって前記ボールの打撃操作を行う野球ゲームを制御する方法であって、
前記投手キャラクタから前記ボールキャラクタを送出する送出ステップと、
前記ボールキャラクタがストライクゾーンを通過したことを判定するストライク判定ステップと、
前記打者キャラクタが前記ボールキャラクタを打撃できる領域に対応するミートフレームを、前記ストライクゾーンとは別に生成するミートフレーム生成ステップと、
前記ミートフレームが生成され、且つ前記ボールキャラクタが前記ミートフレームを通過した場合、前記ミートフレーム内を移動可能な、打撃ポイントの目標を示すミートカーソルの位置と、前記ボールキャラクタの通過位置と、前記打者キャラクタの打撃操作タイミングとに基づき、前記ボールキャラクタの打撃結果を判定する打撃判定ステップと、
前記プレイヤによる第1操作に基づいて、前記ストライクゾーンと重複する位置を初期位置として、前記ミートフレームの位置を移動するミートフレーム移動ステップと
を備えるゲーム制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2011−72481(P2011−72481A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−226144(P2009−226144)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】
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