説明

ゲームプログラム、ゲーム装置及びゲーム制御方法

【課題】キャラクタに対する命令を容易に指示することができるようにする。
【解決手段】本ゲームプログラムでは、キャラクタに対する複数の命令が、制御部1に認識される。そして、コントローラ17の傾きセンサに検知される傾斜角度データと複数の命令それぞれとの対応関係を示す対応関係データが、制御部1に認識される。そして、コントローラ17の傾きセンサに検知された傾斜角度データが、制御部1に認識される。そして、対応関係データに基づいて、制御部1に認識された傾斜角度データに対応する命令が、制御部1に認識される。そして、傾斜角度データに対応する命令の強弱の程度を示す程度データが制御部1に認識される。そして、傾斜角度データに対応する命令の強弱の程度を示す程度表示子70が、画像表示部3に表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム、特に、入力部に内蔵された傾きセンサに検知された傾斜角度データに基づいてキャラクタに対する命令を設定可能なコンピュータにおいてゲームを実現するためのゲームプログラムに関する。また、このゲームプログラムにより実現されるゲームを実行可能なゲーム装置、およびこのゲームプログラムにより実現されるゲームをコンピュータにより制御可能なゲーム制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から様々なビデオゲームが提案されている。これらビデオゲームは、ゲーム装置において実行されるようになっている。たとえば、一般的なゲーム装置は、モニタと、モニタとは別体のゲーム機本体と、ゲーム機本体とは別体の入力部たとえばコントローラとを有している。コントローラには、複数の入力釦が配置されている。
【0003】
このようなゲーム装置によって実現されるゲームの1つとして、たとえば、野球ゲームが知られている(非特許文献1を参照)。このような野球ゲームでは、プレイヤがコントローラを操作することにより、各選手キャラクタに命令を指示することができるようになっている。たとえば、投手キャラクタに命令を指示する場合、まず、プレイヤがコントローラの十字ボタンを操作することにより、操作された十字ボタンに割り当てられた球種を選択することができる。次に、プレイヤが投球開始用のボタンを操作することにより、投手キャラクタが投球動作を開始する状態をモニタに表示することができる。続いて、投手キャラクタの投球動作中に、プレイヤが左スティックを操作することにより、投球コースを決定することができる。最後に、プレイヤがリリース用のボタンを操作することにより、投手キャラクタにボールをリリースさせることができる。
【非特許文献1】プロ野球スピリッツ3、コナミデジタルエンタテインメント、PS2版、2006年4月6日
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の野球ゲームでは、プレイヤがコントローラを操作することにより、投手キャラクタに各種の命令を指示することができるようになっていた。たとえば、プレイヤが右投手キャラクタに球種を指示する場合、十字ボタンの右方向キーを操作することによりシュートが選択され、十字ボタンの左方向キーを操作することによりスライダが選択される。また、同様に、十字ボタンの下方向キーを操作することによりフォークが選択され、十字ボタンの上方向キーを操作することによりストレートが選択される。このようにプレイヤが投手キャラクタに球種を指示するときには、プレイヤは、十字ボタンの全ての方向キーを押してみることによって、どのボタンにどの球種が割り当てられているのかを確認することが多い。このため、球種を確認する回数が増えれば増えるほど十字ボタンを操作する回数が増えてしまい、投手キャラクタに球種を指示するときのボタン操作にプレイヤはストレスを感じるおそれがある。このことから、プレイヤにストレスを与えないような操作形態を確立することが期待されている。
【0005】
本発明の目的は、キャラクタに対する命令を容易に指示することができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係るゲームプログラムは、入力部に内蔵された傾きセンサに検知された傾斜角度データに基づいて、キャラクタに対する命令が設定されるゲームを実現可能なコンピュータに、以下の機能を実現させるためのプログラムである。
(1)キャラクタに対する複数の命令を制御部に認識させる命令認識機能。
(2)入力部の傾きセンサに検知される傾斜角度データと複数の命令それぞれとの対応関係を示す対応関係データを制御部に認識させる対応関係認識機能。
(3)入力部の傾きセンサに検知された傾斜角度データを制御部に認識させる傾斜角度データ認識機能。
(4)対応関係データに基づいて、制御部に認識された傾斜角度データに対応する命令を制御部に認識させる命令認識機能。
【0007】
このゲームプログラムでは、命令認識機能において、キャラクタに対する複数の命令が、制御部に認識される。対応関係認識機能においては、入力部の傾きセンサに検知される傾斜角度データと複数の命令それぞれとの対応関係を示す対応関係データが、制御部に認識される。傾斜角度データ認識機能においては、入力部の傾きセンサに検知された傾斜角度データが、制御部に認識される。命令認識機能においては、対応関係データに基づいて、制御部に認識された傾斜角度データに対応する命令が、制御部に認識される。
【0008】
たとえば、このゲームプログラムが野球ゲームにおいて実行された場合、投手キャラクタに対して球種を指示するための複数の命令(球種用命令)が、制御部に認識される。そして、入力部の傾きセンサに検知される傾斜角度データと複数の球種用命令それぞれとの対応関係を示す対応関係データが、制御部に認識される。そして、入力部の傾きセンサに検知された傾斜角度データが制御部に認識されると、対応関係データに基づいて、制御部に認識された傾斜角度データに対応する球種用命令が、制御部に認識される。
【0009】
この場合、プレイヤが入力部を傾斜させたときに、入力部の傾きセンサに検知された傾斜角度データが制御部に認識されると、対応関係データたとえば対応テーブルに基づいて、制御部に認識された傾斜角度データに対応する球種用命令が、制御部に認識される。これにより、プレイヤは、入力部を傾斜させるだけで、投手キャラクタに対して球種用命令を指示することができる。すなわち、投手キャラクタに対する球種用命令を容易に指示することができる。このため、プレイヤが球種を確認する機会が増えるようなことがあったとしても、ボタン操作によるストレスが少なくなるような操作形態を提供することができる。一般的に表現すると、キャラクタに対する命令を容易に指示することができ、ストレスの少ない操作形態を提供することができる。
【0010】
請求項2に係るゲームプログラムは、請求項1に係るゲームプログラムにおいて、コンピュータに、以下の機能をさらに実現させるためのプログラムである。
(5)入力部の姿勢が静止状態から傾斜状態に変化したときに、傾斜角度データの変化量を制御部に認識させる角度用変化量データ認識機能。
(6)傾斜角度データの変化量に基づいて、傾斜角度データに対応する命令の強弱の程度を示す程度データを制御部に認識させる程度データ認識機能。
【0011】
このゲームプログラムでは、角度用変化量データ認識機能において、入力部の姿勢が静止状態から傾斜状態に変化したときに、傾斜角度データの変化量が、制御部に認識される。程度データ認識機能においては、傾斜角度データの変化量に基づいて、傾斜角度データに対応する命令の強弱の程度を示す程度データが、制御部に認識される。
【0012】
たとえば、このゲームプログラムが野球ゲームにおいて実行された場合、入力部の姿勢が静止状態から傾斜状態に変化したときに、傾斜角度データの変化量が、制御部に認識される。そして、傾斜角度データの変化量に基づいて、傾斜角度データに対応する球種用命令の強弱の程度を示す程度データが、制御部に認識される。
【0013】
この場合、プレイヤが入力部を静止状態から傾斜状態に変化させたときに、プレイヤが入力部を傾斜させたときの傾斜角度を示す傾斜角度データの変化量に基づいて、傾斜角度データに対応する球種用命令の強弱の程度を示す程度データが、制御部に認識される。これにより、入力部の傾斜角度の変化量に応じた程度データを、制御部に認識させることができる。これにより、傾斜角度の変化量に応じた程度データ、たとえば投手キャラクタに対する球種の変化量を、制御部に認識させることができる。たとえば、プレイヤが入力部を傾斜させたときの傾斜角度が大きくなればなるほど、傾斜角度データに対応する程度データが大きくなり、投手キャラクタに対する球種の変化量を大きくすることができる。すなわち、キャラクタに対する命令の強弱の程度を容易に指示することができる。
【0014】
請求項3に係るゲームプログラムは、請求項1に係るゲームプログラムにおいて、コンピュータに、以下の機能をさらに実現させるためのプログラムである。
(7)入力部の姿勢が静止状態から傾斜状態に変化したときに、入力部の姿勢が傾斜状態で経過した経過時間を計算する処理を制御部に実行させ、経過時間を経過時間データとして制御部に認識させる経過時間認識機能。
(8)経過時間データに基づいて、傾斜角度データに対応する命令の強弱の程度を示す程度データを制御部に認識させる程度データ認識機能。
【0015】
このゲームプログラムでは、経過時間認識機能において、入力部の姿勢が静止状態から傾斜状態に変化したときに、入力部の姿勢が傾斜状態で経過した経過時間を計算する処理が、制御部により実行される。そして、この経過時間が、経過時間データとして制御部に認識される。程度データ認識機能においては、この経過時間データに基づいて、傾斜角度データに対応する命令の強弱の程度を示す程度データが、制御部に認識される。
【0016】
たとえば、このゲームプログラムが野球ゲームにおいて実行された場合、入力部の姿勢が静止状態から傾斜状態に変化したときに、入力部の姿勢が傾斜状態で経過した経過時間を計算する処理が、制御部により実行される。そして、この経過時間が、経過時間データとして制御部に認識される。そして、この経過時間データに基づいて、傾斜角度データに対応する球種用命令の強弱の程度を示す程度データが、制御部に認識される。
【0017】
この場合、入力部の姿勢が静止状態から傾斜状態に変化したときに、経過時間データに基づいて、傾斜角度データに対応する球種用命令の強弱の程度を示す程度データが、制御部に認識される。これにより、入力部が傾斜しつづけている時間すなわち傾斜経過時間に応じた程度データを、制御部に認識させることができる。これにより、傾斜経過時間に応じた程度データ、たとえば投手キャラクタに対する球種の変化量を、制御部に認識させることができる。たとえば、プレイヤが入力部を傾斜させた状態の時間が長くなればなるほど、傾斜経過時間に対応する程度データが大きくなり、投手キャラクタに対する球種の変化量を大きくすることができる。すなわち、キャラクタに対する命令の強弱の程度を容易に指示することができる。
【0018】
請求項4に係るゲームプログラムは、請求項2又は3に係るゲームプログラムにおいて、コンピュータに、以下の機能をさらに実現させるためのプログラムである。
(9)キャラクタに対する命令の設定を確定するための入力部からの入力信号が制御部に認識されたときに、傾斜角度データに対応する命令の認識処理および程度データの認識処理を終了する命令を制御部に発行させる終了命令発行機能。
【0019】
このゲームプログラムでは、終了命令発行機能において、キャラクタに対する命令の設定を確定するための入力部からの入力信号が制御部に認識されたときに、傾斜角度データに対応する命令の認識処理および程度データの認識処理を終了する命令が、制御部から発行される。
【0020】
たとえば、このゲームプログラムが野球ゲームにおいて実行された場合、投手キャラクタに対する球種用命令の設定を確定するための入力部からの入力信号が制御部に認識されたときに、傾斜角度データに対応する球種用命令の認識処理および程度データの認識処理を終了する命令が、制御部から発行される。
【0021】
この場合、投手キャラクタに対する球種用命令の設定を確定するために、入力部の所定のボタン(命令確定用ボタン)が操作されると、この命令確定用ボタンからの入力信号が制御部に認識される。このときに、傾斜角度データに対応する球種用命令の認識処理および程度データの認識処理を終了する命令が、制御部から発行される。これにより、たとえば、投手キャラクタに対する球種用命令や球種の変化量を連続的に変更しているときに、命令確定用ボタンを押すことにより、所望の球種用命令や所望の球種の変化量を確定することができる。
【0022】
請求項5に係るゲームプログラムは、請求項1から4のいずれかに係るゲームプログラムにおいて、コンピュータに、以下の機能をさらに実現させるためのプログラムである。
(10)傾斜角度データに対応する命令の強弱の程度を示す程度表示子を、程度表示子用の画像データを用いて画像表示部に表示する処理を、制御部に実行させる程度表示子表示機能。
【0023】
このゲームプログラムでは、程度表示子表示機能において、傾斜角度データに対応する命令の強弱の程度を示す程度表示子を、程度表示子用の画像データを用いて画像表示部に表示する処理が、制御部により実行される。
【0024】
たとえば、このゲームプログラムが野球ゲームにおいて実行された場合、傾斜角度データに対応する球種用命令の強弱の程度を示す変化量表示子を、変化量表示子用の画像データを用いて画像表示部に表示する処理が、制御部により実行される。
【0025】
この場合、傾斜角度データに対応する球種用命令の強弱の程度を示す変化量表示子が画像表示部に表示されるので、プレイヤは傾斜角度データに対応する球種用命令の強弱の程度を視覚的に認識することができる。
【0026】
たとえば、変化量表示子たとえば変化量メータを表示するときの一例として、傾斜角度データの変化量が最大のときに球種用命令の強弱の程度が最大になるように傾斜角度データの変化量と球種用命令の強弱の程度とが対応づけられている場合、入力部の傾斜角度に連動して変化する変化量メータが画像表示部に表示される。また、この場合、入力部の傾斜角度の変化量が最大になったときに、変化量メータが、ゼロから最大値に向けて徐々に大きくなっていくように画像表示部に表示されるようにしても良い。
【0027】
請求項6に係るゲームプログラムでは、請求項1から6のいずれかに係るゲームプログラムにおいて、傾斜角度を規定するための基準軸を示す軸データを含む傾斜角度データと複数の命令それぞれとの対応関係を示す対応関係データが、制御部に認識される(対応関係認識機能)。そして、傾斜角度を規定するための基準軸を示す軸データを含む傾斜角度データが制御部に認識される(傾斜角度データ認識機能)。
【0028】
たとえば、このゲームプログラムが野球ゲームにおいて実行された場合、軸データを含む傾斜角度データと複数の球種用命令それぞれとの対応関係を示す対応関係データが、制御部に認識され、この傾斜角度データが制御部に認識される。
【0029】
この場合、傾斜角度データには軸データが含まれているので、傾斜角度データを制御部に認識させることにより、基準軸の数に対応する入力部の傾斜角度が規定されることになる。たとえば、傾きセンサが2軸の傾きセンサである場合、基準軸は2軸になる。そして、各基準軸まわりの傾斜角度に対応する傾斜角度データすなわち2組みの傾斜角度データが、制御部に認識される。このように傾きセンサが複数の基準軸を有している場合でも、傾斜角度データが軸データを含むようにしておけば、基準軸の軸数に応じた傾斜角度を規定することができる。
【0030】
請求項7に係るゲーム装置は、入力部に内蔵された傾きセンサに検知された傾斜角度データに基づいて、キャラクタに対する命令が設定されるゲームを実行可能なゲーム装置である。このゲーム装置は、キャラクタに対する複数の命令を制御部に認識させる命令認識手段と、入力部の傾きセンサに検知される傾斜角度データと複数の命令それぞれとの対応関係を示す対応関係データを制御部に認識させる対応関係認識手段と、入力部の傾きセンサに検知された傾斜角度データを制御部に認識させる傾斜角度データ認識手段と、対応関係データに基づいて、制御部に認識された傾斜角度データに対応する命令を制御部に認識させる命令認識手段と、を備えている。
【0031】
請求項8に係るゲーム制御方法は、入力部に内蔵された傾きセンサに検知された傾斜角度データに基づいて、キャラクタに対する命令が設定されるゲームをコンピュータにより制御可能なゲーム制御方法である。このゲーム制御方法は、キャラクタに対する複数の命令を制御部に認識させる命令認識ステップと、入力部の傾きセンサに検知される傾斜角度データと複数の命令それぞれとの対応関係を示す対応関係データを制御部に認識させる対応関係認識ステップと、入力部の傾きセンサに検知された傾斜角度データを制御部に認識させる傾斜角度データ認識ステップと、対応関係データに基づいて、制御部に認識された傾斜角度データに対応する命令を制御部に認識させる命令認識ステップと、を備えている。
【発明の効果】
【0032】
本発明では、プレイヤが入力部を傾斜させたときに、制御部に認識された傾斜角度データに対応する命令が、制御部に認識される。これにより、プレイヤは、入力部を傾斜させるだけで、キャラクタに対して命令を指示することができる。すなわち、キャラクタに対する命令を容易に指示することができる。このため、プレイヤが命令を確認する機会が増えるようなことがあったとしても、ストレスの少ない操作形態を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
〔ゲーム装置の構成と動作〕
図1は、本発明の一実施形態によるゲーム装置の基本構成を示している。ここでは、ビデオゲーム装置の一例として、家庭用ビデオゲーム装置を対象として説明を行うこととする。家庭用ビデオゲーム装置は、家庭用ゲーム機本体および家庭用テレビジョンを備える。家庭用ゲーム機本体には、記録媒体10が装填可能となっており、記録媒体10からゲームデータが適宜読み出されてゲームが実行される。このようにして実行されるゲーム内容が家庭用テレビジョンに表示される。
【0034】
家庭用ビデオゲーム装置のゲームシステムは、制御部1と、記憶部2と、画像表示部3と、音声出力部4と、操作入力部5、通信部23とからなっており、それぞれがバス6を介して接続される。このバス6は、アドレスバス、データバス、およびコントロールバスなどを含んでいる。ここで、制御部1、記憶部2、音声出力部4および操作入力部5は、家庭用ビデオゲーム装置の家庭用ゲーム機本体に含まれており、画像表示部3は家庭用テレビジョンに含まれている。
【0035】
制御部1は、主に、ゲームプログラムに基づいてゲーム全体の進行を制御するために設けられている。制御部1は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)7と、信号処理プロセッサ8と、画像処理プロセッサ9とから構成されている。CPU7と信号処理プロセッサ8と画像処理プロセッサ9とは、それぞれがバス6を介して互いに接続されている。CPU7は、ゲームプログラムからの命令を解釈し、各種のデータ処理や制御を行う。たとえば、CPU7は、信号処理プロセッサ8に対して、画像データを画像処理プロセッサに供給するように命令する。信号処理プロセッサ8は、主に、3次元空間上における計算と、3次元空間上から擬似3次元空間上への位置変換計算と、光源計算処理と、3次元空間上又は擬似3次元空間上で実行された計算結果に基づいた画像および音声データの生成加工処理とを行っている。画像処理プロセッサ9は、主に、信号処理プロセッサ8の計算結果および処理結果に基づいて、描画すべき画像データをRAM12に書き込む処理を行っている。また、CPU7は、信号処理プロセッサ8に対して、各種データを処理するように命令する。信号処理プロセッサ8は、主に、3次元空間上における各種データに対応する計算と、3次元空間上から擬似3次元空間上への位置変換計算とを行っている。
【0036】
記憶部2は、主に、プログラムデータや、プログラムデータで使用される各種データなどを格納しておくために設けられている。記憶部2は、たとえば、記録媒体10と、インターフェース回路11と、RAM(Random Access Memory)12とから構成されている。記録媒体10には、インターフェース回路11が接続されている。そして、インターフェース回路11とRAM12とはバス6を介して接続されている。記録媒体10は、オペレーションシステムのプログラムデータや、画像データ、音声データ並びに各種プログラムデータからなるゲームデータなどを記録するためのものである。この記録媒体10は、たとえば、ROM(Read Only Memory)カセット、光ディスク、およびフレキシブルディスクなどであり、オペレーティングシステムのプログラムデータやゲームデータなどが記憶される。なお、記録媒体10にはカード型メモリも含まれており、このカード型メモリは、主に、ゲームを中断するときに中断時点での各種ゲームパラメータを保存するために用いられる。RAM12は、記録媒体10から読み出された各種データを一時的に格納したり、制御部1からの処理結果を一時的に記録したりするために用いられる。このRAM12には、各種データとともに、各種データの記憶位置を示すアドレスデータが格納されており、任意のアドレスを指定して読み書きすることが可能になっている。
【0037】
画像表示部3は、主に、画像処理プロセッサ9によってRAM12に書き込まれた画像データや、記録媒体10から読み出される画像データなどを画像として出力するために設けられている。この画像表示部3は、たとえば、テレビジョンモニタ20と、インターフェース回路21と、D/Aコンバータ(Digital-To-Analogコンバータ)22とから構成されている。テレビジョンモニタ20にはD/Aコンバータ22が接続されており、D/Aコンバータ22にはインターフェース回路21が接続されている。そして、インターフェース回路21にバス6が接続されている。ここでは、画像データが、インターフェース回路21を介してD/Aコンバータ22に供給され、ここでアナログ画像信号に変換される。そして、アナログ画像信号がテレビジョンモニタ20に画像として出力される。
【0038】
ここで、画像データには、たとえば、ポリゴンデータやテクスチャデータなどがある。ポリゴンデータはポリゴンを構成する頂点の座標データのことである。テクスチャデータは、ポリゴンにテクスチャを設定するためのものであり、テクスチャ指示データとテクスチャカラーデータとからなっている。テクスチャ指示データはポリゴンとテクスチャとを対応づけるためのデータであり、テクスチャカラーデータはテクスチャの色を指定するためのデータである。ここで、ポリゴンデータとテクスチャデータとには、各データの記憶位置を示すポリゴンアドレスデータとテクスチャアドレスデータとが対応づけられている。このような画像データでは、信号処理プロセッサ8により、ポリゴンアドレスデータの示す3次元空間上のポリゴンデータ(3次元ポリゴンデータ)が、画面自体(視点)の移動量データおよび回転量データに基づいて座標変換および透視投影変換されて、2次元空間上のポリゴンデータ(2次元ポリゴンデータ)に置換される。そして、複数の2次元ポリゴンデータでポリゴン外形を構成して、ポリゴンの内部領域にテクスチャアドレスデータが示すテクスチャデータを書き込む。このようにして、各ポリゴンにテクスチャが貼り付けられた物体つまり各種キャラクタを表現することができる。
【0039】
音声出力部4は、主に、記録媒体10から読み出される音声データを音声として出力するために設けられている。音声出力部4は、たとえば、スピーカ13と、増幅回路14と、D/Aコンバータ15と、インターフェース回路16とから構成されている。スピーカ13には増幅回路14が接続されており、増幅回路14にはD/Aコンバータ15が接続されており、D/Aコンバータ15にはインターフェース回路16が接続されている。そして、インターフェース回路16にバス6が接続されている。ここでは、音声データが、インターフェース回路16を介してD/Aコンバータ15に供給され、ここでアナログ音声信号に変換される。このアナログ音声信号が増幅回路14によって増幅され、スピーカ13から音声として出力される。音声データには、たとえば、ADPCM(Adaptive Differential Pulse Code Modulation)データやPCM(Pulse Code Modulation)データなどがある。ADPCMデータの場合、上述と同様の処理方法で音声をスピーカ13から出力することができる。PCMデータの場合、RAM12においてPCMデータをADPCMデータに変換しておくことで、上述と同様の処理方法で音声をスピーカ13から出力することができる。
【0040】
操作入力部5は、主に、コントローラ17と、操作情報インターフェース回路18と、インターフェース回路19とから構成されている。コントローラ17には、操作情報インターフェース回路18が接続されており、操作情報インターフェース回路18にはインターフェース回路19が接続されている。そして、インターフェース回路19にバス6が接続されている。
【0041】
コントローラ17は、プレイヤが種々の操作命令を入力するために使用する操作装置であり、プレイヤの操作に応じた操作信号をCPU7に送出する。コントローラ17には、第1ボタン17a、第2ボタン17b、第3ボタン17c、第4ボタン17d、上方向キー17U、下方向キー17D、左方向キー17L、右方向キー17R、L1ボタン17L1、L2ボタン17L2、R1ボタン17R1、R2ボタン17R2、スタートボタン17e、セレクトボタン17f、左スティック17SL及び右スティック17SRが設けられている。
【0042】
上方向キー17U、下方向キー17D、左方向キー17L及び右方向キー17Rは、例えば、キャラクタやカーソルをテレビジョンモニタ20の画面上で上下左右に移動させるコマンドをCPU7に与えるために使用される。
【0043】
スタートボタン17eは、記録媒体10からゲームプログラムをロードするようにCPU7に指示するときなどに使用される。
【0044】
セレクトボタン17fは、記録媒体10からロードされたゲームプログラムに対して、各種選択をCPU7に指示するときなどに使用される。
【0045】
左スティック17SL及び右スティック17SRは、いわゆるジョイスティックとほぼ同一構成のスティック型コントローラである。このスティック型コントローラは、直立したスティックを有している。このスティックは、支点を中心として直立位置から前後左右を含む360°方向に亘って、傾倒可能な構成になっている。左スティック17SL及び右スティック17SRは、スティックの傾倒方向及び傾倒角度に応じて、直立位置を原点とするx座標及びy座標の値を、操作信号として操作情報インターフェース回路18とインターフェース回路19とを介してCPU7に送出する。
【0046】
第1ボタン17a、第2ボタン17b、第3ボタン17c、第4ボタン17d、L1ボタン17L1、L2ボタン17L2、R1ボタン17R1及びR2ボタン17R2には、記録媒体10からロードされるゲームプログラムに応じて種々の機能が割り振られている。
【0047】
なお、左スティック17SL及び右スティック17SRを除くコントローラ17の各ボタン及び各キーは、外部からの押圧力によって中立位置から押圧されるとオンになり、押圧力が解除されると中立位置に復帰してオフになるオンオフスイッチになっている。
【0048】
通信部23は、通信制御回路24および通信インターフェース25を有している。通信制御回路24および通信インターフェース25は、ゲーム機をサーバや他のゲーム機等に接続するために用いられる。通信制御回路20および通信インターフェース21は、バス16を介してCPU11に接続されている。通信制御回路20および通信インターフェース21は、CPU11からの命令に応じて、ゲーム機をインターネットに接続するための接続信号を制御し発信する。また、通信制御回路20および通信インターフェース21は、インターネットを介してゲーム機をサーバや他のゲーム機に接続するための接続信号を制御し発信する。
【0049】
以上のような構成からなる家庭用ビデオゲーム装置の概略動作を、以下に説明する。電源スイッチ(図示省略)がオンにされゲームシステム1に電源が投入されると、CPU7が、記録媒体10に記憶されているオペレーティングシステムに基づいて、記録媒体10から画像データ、音声データ、およびプログラムデータを読み出す。読み出された画像データ、音声データ、およびプログラムデータの一部若しくは全部は、RAM12に格納される。そして、CPU7が、RAM12に格納されたプログラムデータに基づいて、RAM12に格納された画像データや音声データを画像や音声としてテレビジョンモニタ20やスピーカ13に出力するためのコマンドを発行する。
【0050】
画像データの場合、CPU7からのコマンドに基づいて、まず、信号処理プロセッサ8が、3次元空間上におけるキャラクタの位置計算および光源計算などを行う。次に、画像処理プロセッサ9が、信号処理プロセッサ8の計算結果に基づいて、描画すべき画像データのRAM12への書き込み処理などを行う。そして、RAM12に書き込まれた画像データが、インターフェース回路21を介してD/Aコンバータ22に供給される。ここで、画像データがD/Aコンバータ22でアナログ映像信号に変換される。そして、画像データはテレビジョンモニタ20に供給され画像として表示される。
【0051】
音声データの場合、まず、信号処理プロセッサ8が、CPU7からのコマンドに基づいて音声データの生成および加工処理を行う。ここでは、音声データに対して、たとえば、ピッチの変換、ノイズの付加、エンベロープの設定、レベルの設定及びリバーブの付加などの処理が施される。次に、音声データは、信号処理プロセッサ8から出力されて、インターフェース回路16を介してD/Aコンバータ15に供給される。ここで、音声データがアナログ音声信号に変換される。そして、音声データは増幅回路14を介してスピーカ13から音声として出力される。

〔ゲーム装置における各種処理概要〕
本ゲーム機において実行されるゲームは、たとえば野球ゲームである。本ゲーム機は、コントローラ17に内蔵された傾きセンサに検知された傾斜角度データに基づいて、投手キャラクタに対する球種用命令を設定可能になっている。以下では、コントローラ17に2軸の傾きセンサが内蔵されているものとして説明を行う。図2は、本発明で主要な役割を果たす機能を説明するための機能ブロック図である。
【0052】
命令認識手段50は、投手キャラクタに対する複数の球種用命令をCPU7に認識させる機能を備えている。命令認識手段50では、投手キャラクタに対する複数の球種用命令が、CPU7に認識される。
【0053】
この手段では、記憶部2たとえばRAM12に格納された、投手キャラクタに対する複数の球種用命令が、CPU7に認識される。これら複数の球種用命令は、ゲームプログラムのロード時に、記録媒体10からRAM12にロードされ、RAM12に格納されている。
【0054】
対応関係認識手段51は、操作入力部5たとえばコントローラ17の傾きセンサに検知される傾斜角度データと複数の球種用命令それぞれとの対応関係を示す対応関係データをCPU7に認識させる機能を備えている。詳細には、対応関係認識手段51は、傾斜角度を規定するための基準軸を示す軸データを含む傾斜角度データと複数の球種用命令それぞれとの対応関係を示す対応関係データをCPU7に認識させる機能を備えている。
【0055】
対応関係認識手段51では、コントローラ17の傾きセンサに検知される傾斜角度データと複数の球種用命令それぞれとの対応関係を示す対応関係データが、CPU7に認識される。詳細には、対応関係認識手段51では、傾斜角度を規定するための基準軸を示す軸データを含む傾斜角度データと複数の球種用命令それぞれとの対応関係を示す対応関係データが、CPU7に認識される。
【0056】
この手段では、傾斜角度データと複数の球種用命令それぞれとの対応関係を示す対応関係データたとえば対応テーブルデータが、CPU7に認識される。この対応テーブルデータを構成する傾斜角度データには、コントローラ17の傾斜角度を規定するための基準軸を示す軸データが含まれている。このような対応テーブルデータは、ゲームプログラムのロード時に、記録媒体10からRAM12にロードされ、RAM12に格納されている。
【0057】
ここでは、2軸の傾きセンサがコントローラ17に内蔵されているので、傾斜角度データには、第1基準軸又は第2基準軸を示す軸データが含まれることになる。たとえば、傾きセンサにおいて、コントローラ17の左右方向に伸びる軸が第1基準軸に設定され、、コントローラ17の前後方向に伸びる軸が第2基準軸に設定されている場合、第1基準軸を示す軸データには数値「1」が割り当てられ、第2基準軸を示す軸データには数値「2」が割り当てられる。たとえば、第1基準軸まわりの傾斜角度が30度である場合、傾斜角度データは「(基準軸値,傾斜角度値)=(1,30)」となる。同様に、第2基準軸まわりの傾斜角度が30度である場合、傾斜角度データは「(基準軸値,傾斜角度値)=(2,30)」となる。ここで、たとえば、基準軸値をK1で表し傾斜角度をK2で表すと、傾斜角度データを(K1,K2)と表すことができる。
【0058】
傾斜角度データ認識手段52は、コントローラ17の傾きセンサに検知された傾斜角度データをCPU7に認識させる機能を備えている。詳細には、傾斜角度データ認識手段52は、傾斜角度を規定するための基準軸を示す軸データを含む傾斜角度データをCPU7に認識させる機能を備えている。
【0059】
傾斜角度データ認識手段52では、コントローラ17の傾きセンサに検知された傾斜角度データがCPU7に認識される。詳細には、傾斜角度データ認識手段52では、傾斜角度を規定するための基準軸を示す軸データを含む傾斜角度データがCPU7に認識される。
【0060】
この手段では、コントローラ17の傾きセンサに検知された傾斜角度データが、CPU7に認識される。ここでは、2軸の傾きセンサがコントローラ17に内蔵されているので、傾斜角度を規定するための第1基準軸又は第2基準軸を示す軸データを含む傾斜角度データが、CPU7に認識される。具体的には、コントローラ17が第1基準軸まわりに傾斜した場合、たとえばコントローラ17の前部が下方に移動した場合、(1,+K2)のような傾斜角度データが、コントローラ17から家庭用ゲーム機本体に供給される。そして、この傾斜角度データがRAM12に格納される。このときに、この傾斜角度データがCPU7に認識される。同様に、コントローラ17が第2基準軸まわりに傾斜した場合、たとえばコントローラ17の右部が下方に移動した場合、(2,+K2)のような傾斜角度データが、コントローラ17から家庭用ゲーム機本体に供給される。そして、この傾斜角度データがRAM12に格納される。このときに、この傾斜角度データがCPU7に認識される。
【0061】
なお、ここでCPU7に認識される傾斜角度データの傾斜角度の値は、コントローラ17の静止状態を基準として、傾きセンサに検知される。すなわち、コントローラ17の姿勢が静止状態から傾斜状態に変化したときに、コントローラ17の基準軸および傾斜角度を示す傾斜角度データが、傾きセンサに検出される。コントローラ17の姿勢が静止状態から傾斜状態に変化した後には、所定の時間間隔たとえば1/60(sec)の時間間隔で、傾きセンサにより検出された傾斜角度データが、コントローラ17から家庭用ゲーム機本体に連続的に供給される。
【0062】
命令認識手段53は、対応関係データに基づいて、CPU7に認識された傾斜角度データに対応する球種用命令をCPU7に認識させる機能を備えている。命令認識手段53では、対応関係データに基づいて、CPU7に認識された傾斜角度データに対応する球種用命令がCPU7に認識される。
【0063】
この手段では、記憶部2に格納された対応関係データに基づいて、CPU7に認識された傾斜角度データに対応する球種用命令がCPU7に認識される。たとえば、RAM12に格納された対応テーブルデータに基づいて、CPU7に認識された傾斜角度データに対応する球種用命令がCPU7に認識される。
【0064】
具体的には、投手キャラクタが右投げである場合、傾斜角度データが(1,1)〜(1,180)までの範囲である場合、対応テーブルデータに基づいて、投手キャラクタが投球するボールの球種をストレートに設定するための球種用命令が、CPU7に認識される。また、傾斜角度データが(1,−180)〜(1,−1)までの範囲である場合、対応テーブルデータに基づいて、投手キャラクタが投球するボールの球種をフォークに設定するための球種用命令が、CPU7に認識される。同様に、傾斜角度データが(2,1)〜(2,180)までの範囲である場合、対応テーブルデータに基づいて、投手キャラクタが投球するボールの球種をシュートに設定するための球種用命令が、CPU7に認識される。また、傾斜角度データが(2,−180)〜(2,−1)までの範囲である場合、対応テーブルデータに基づいて、投手キャラクタが投球するボールの球種をカーブに設定するための球種用命令が、CPU7に認識される。
【0065】
角度用変化量データ認識手段54は、コントローラ17の姿勢が静止状態から傾斜状態に変化したときに傾斜角度データの変化量をCPU7に認識させる機能を備えている。角度用変化量データ認識手段54では、コントローラ17の姿勢が静止状態から傾斜状態に変化したときに、傾斜角度データの変化量が、CPU7に認識される。
【0066】
この手段では、コントローラ17の姿勢が静止状態から傾斜状態に変化したときに、傾斜角度データの変化量が、CPU7に認識される。たとえば、コントローラ17の姿勢が静止状態から傾斜状態に変化し、傾斜角度データの認識がCPU7により開始された時点を基準として、傾斜角度データの変化量が、CPU7に認識される。具体的には、1/60(sec)ごとにCPU7に認識される第n番目(nは自然数)の傾斜角度データの傾斜角度の値をコントローラ17の姿勢が静止状態から傾斜状態に変化した瞬間の第1番目の傾斜角度データの傾斜角度の値から減算する計算をCPU7に実行させることにより、傾斜角度データの変化量が算出される。そして、この傾斜角度データの変化量が、RAM12に格納され、CPU7に認識される。
【0067】
経過時間認識手段55は、コントローラ17の姿勢が静止状態から傾斜状態に変化したときに、コントローラ17の姿勢が傾斜状態で経過した経過時間を計算する処理をCPU7に実行させ、経過時間を経過時間データとしてCPU7に認識させる機能を備えている。経過時間認識手段55では、コントローラ17の姿勢が静止状態から傾斜状態に変化したときに、コントローラ17の姿勢が傾斜状態で経過した経過時間を計算する処理が、CPU7により実行される。そして、この経過時間が、経過時間データとしてCPU7に認識される。
【0068】
この手段では、コントローラ17の姿勢が静止状態から傾斜状態に変化したときに、コントローラ17の姿勢が傾斜状態で経過した経過時間を計算する処理が、CPU7により実行される。そして、この経過時間が、経過時間データとしてCPU7に認識される。たとえば、コントローラ17の姿勢が静止状態から傾斜状態に変化し、傾斜角度データの認識がCPU7により開始された時点を基準として、この時点からの経過時間を計算する処理が、CPU7により実行される。そして、この経過時間が、経過時間データとしてCPU7に認識される。具体的には、第n番目(nは自然数)の傾斜角度データがCPU7に認識された時点の時間から第1番目の傾斜角度データがCPU7に認識された時点の時間を減算する計算が、CPU7により実行される。そして、この計算結果すなわち経過時間が、経過時間データとしてCPU7に認識される。
【0069】
程度データ認識手段56は、傾斜角度データの変化量に基づいて、傾斜角度データに対応する球種用命令の強弱の程度を示す程度データをCPU7に認識させる機能を備えている。また、程度データ認識手段56は、経過時間データに基づいて、傾斜角度データに対応する球種用命令の強弱の程度を示す程度データをCPU7に認識させる機能を備えている。
【0070】
程度データ認識手段56では、傾斜角度データの変化量に基づいて、傾斜角度データに対応する球種用命令の強弱の程度を示す程度データがCPU7に認識される。また、程度データ認識手段56では、経過時間データに基づいて、傾斜角度データに対応する球種用命令の強弱の程度を示す程度データが、CPU7に認識される。
【0071】
この手段では、プレイヤがコントローラ17を静止状態から傾斜状態に変化させたときにCPU7に認識された傾斜角度データの変化量に基づいて、球種の強弱の程度を示す球種強度データが、CPU7に認識される。なお、傾斜角度データの変化量と球種強度データとの対応関係を示すデータは、ゲームプログラムにおいて予め規定されている。このデータは、ゲームプログラムのロード時に、記録媒体10からRAM12にロードされ、RAM12に格納されている。
【0072】
また、この手段では、プレイヤがコントローラ17を静止状態から傾斜状態に変化させたときにCPU7に認識された経過時間データに基づいて、球種の強弱の程度を示す球種強度データが、CPU7に認識される。なお、経過時間データと球種強度データとの対応関係を示すデータは、ゲームプログラムにおいて予め規定されている。このデータは、ゲームプログラムのロード時に、記録媒体10からRAM12にロードされ、RAM12に格納されている。
【0073】
程度表示子表示手段57は、傾斜角度データに対応する球種用命令の強弱の程度を示す程度表示子を、程度表示子用の画像データを用いてテレビジョンモニタ20に表示する処理を、CPU7に実行させる機能を備えている。程度表示子表示手段57では、傾斜角度データに対応する球種用命令の強弱の程度を示す程度表示子を、程度表示子用の画像データを用いてテレビジョンモニタ20に表示する処理が、CPU7により実行される。
【0074】
この手段では、球種の強度を示す強度表示子を、強度表示子用の画像データを用いてテレビジョンモニタ20に表示する処理が、CPU7により実行される。これにより、球種の強度を示す強度表示子が、テレビジョンモニタ20に表示される。たとえば、球種がストレートである場合、ストレートのスピードの速さを示す表示子が、テレビジョンモニタ20に表示される。また、球種が変化球(カーブ、シュート、フォーク等)である場合、変化球の変化量を示す表示子が、テレビジョンモニタ20に表示される。詳細には、強度表示子を強度表示子用の画像データを用いてテレビジョンモニタ20に表示する処理が、球種強度データに基づいて、CPU7により実行される。具体的には、球種がストレートである場合、球種強度データの値に応じて、ストレートのスピードの速さを示すメータが変化する状態が、テレビジョンモニタ20に表示される。また、球種が変化球(カーブ、シュート、フォーク等)である場合、球種強度データの値に応じて、変化球の変化量を示すメータが変化する状態が、テレビジョンモニタ20に表示される。
【0075】
終了命令発行手段58は、投手キャラクタに対する球種用命令の設定を終了するためのコントローラ17からの入力信号がCPU7に認識されたときに、傾斜角度データに対応する球種用命令の認識処理および程度データの認識処理を終了する命令をCPU7に発行させる機能を備えている。終了命令発行手段58では、投手キャラクタに対する球種用命令の設定を終了するためのコントローラ17からの入力信号がCPU7に認識されたときに、傾斜角度データに対応する球種用命令の認識処理および程度データの認識処理を終了する命令が、CPU7から発行される。
【0076】
この手段では、投手キャラクタに対する球種用命令の設定を終了するために、コントローラ17の所定のボタンが操作されると、投手キャラクタに対する球種用命令の設定を終了するための入力信号がコントローラ17から発行される。そして、この入力信号がCPU7に認識されると、傾斜角度データに対応する球種用命令の認識処理および程度データの認識処理を終了するための命令が、CPU7から発行される。すなわち、投手キャラクタに対する球種および球種の強度に関する処理を終了する命令が、CPU7から発行される。
【0077】
〔野球ゲームにおける球種設定システムの処理フローと説明〕
次に、野球ゲームにおける球種設定システムの具体的な内容について説明する。また、図10に示す球種設定システムに関するフローについても同時に説明する。
【0078】
まず、ゲーム機の電源が投入されゲーム機が起動されると、ゲームプログラムたとえば野球ゲームプログラムが、記録媒体10からRAM12にロードされ格納される(S1)。このときには、野球ゲームを実行する上で必要となる各種の基本ゲームデータが、記録媒体10からRAM12にロードされ格納される(S2)。
【0079】
たとえば、基本ゲームデータには3次元ゲーム空間用の画像データが含まれており、RAM12に格納された、3次元ゲーム空間用の画像データ、たとえば、スタジアム用の画像データおよび選手キャラクタ用の画像データ等が、CPU7に認識される。また、基本ゲームデータには3次元ゲーム空間用の画像データを3次元ゲーム空間に配置するための位置座標データが含まれており、この位置座標データもCPU7に認識される。また、基本ゲームデータには、各選手キャラクタの各種の情報や能力を示すデータが含まれており、このデータもCPU7に認識される。
【0080】
さらに、基本ゲームデータには、投手キャラクタに対する複数の球種用命令が含まれており、RAM12に格納された複数の球種用命令がCPU7に認識される(S3)。また、基本ゲームデータには、図3に示すように、傾斜角度データと複数の球種用命令それぞれとの対応関係を示す第1対応テーブルデータが含まれており、これらのデータがCPU7に認識される(S4)。この第1対応テーブルデータを構成する傾斜角度データは、コントローラ17の傾斜角度を規定するための基準軸を示す基準軸値と傾斜角度値とから構成されている。このような第1対応テーブルデータがRAM12に格納されたときに、第1対応テーブルデータを構成する各データ、たとえば、傾斜角度データ(基準軸値および傾斜角度値)および傾斜角度データに対応する球種用命令が、CPU7に認識される。言い換えると、傾斜角度データと球種用命令との対応関係が、CPU7に認識される。
【0081】
続いて、RAM12に格納された野球ゲームプログラムが、基本ゲームデータに基づいて、CPU7により実行される。すると、チームの選択および選手キャラクタの選択等を行うための選択画面が、テレビジョンモニタ20に表示される。この選択画面において、コントローラ17が操作されることにより、チームの選択および選手キャラクタの選択等が行われる。また、この選択画面においては、球種強度データの設定をコントローラ17の傾斜角度データの変化量に基づいて実行するのか、球種強度データの設定をコントローラ17の傾斜時間データに基づいて実行するのかを判断する分岐処理が、CPU7により実行される。ここでは、たとえば、図4に示すように、「傾斜角度」項目および「傾斜時間」項目がテレビジョンモニタ20に表示される。そして、これら2つの項目のいずれか一方の項目がコントローラ17を操作することにより選択されると、選択された項目に対応するデータ(傾斜角度データの変化量又は傾斜時間データ)に基づいて球種強度データの設定を実行する処理経路がCPU7により選択される(S5)。
【0082】
続いて、たとえば「傾斜角度」項目が選択されると(S5でYes)、野球ゲームにおいて試合を開始するための命令(試合開始命令)がCPU7から発行される(S6)。すると、RAM12に格納された3次元ゲーム空間用の画像データ、たとえば、スタジアム用の画像データ等がCPU7に認識される。すると、スタジアム用の画像データを用いて、スタジアム画像がテレビジョンモニタ20に表示される。
【0083】
続いて、プレイヤより命令が指示されるチーム(味方チーム)、および他のプレイヤ又はAIプログラム(Artificial Intelligence プログラム)により命令が指示されるチーム(相手チーム)のいずれか一方の選手キャラクタが守備位置に配置された状態が、選手用画像データを用いて、テレビジョンモニタ20に表示される。また、味方チームの選手キャラクタおよび相手チームの選手キャラクタのいずれか他方の選手キャラクタが打席位置に配置された状態が、選手用画像データを用いて、テレビジョンモニタ20に表示される。この状態において、たとえばプレイヤおよび他のプレイヤがコントローラ17を操作することにより、ゲーム空間すなわちスタジアムにおいて動作する味方チームの選手キャラクタおよび相手チームの選手キャラクタに対して、各種の命令が指示される。ここでは、味方チームが後攻(守備側)で相手チームが先攻(攻撃側)である場合を例として、説明を行う。
【0084】
続いて、味方チームの選手キャラクタおよび相手チームの選手キャラクタがテレビジョンモニタ20に表示された状態において対戦ゲームを実行するためには、プレイヤが、投手キャラクタに投球に関する命令を指示することになる。ここで、プレイヤが、コントローラ17の姿勢を静止状態から傾斜状態に変更すると、変更されたコントローラ17の姿勢の状態に応じて、コントローラ17の傾きセンサに検知された傾斜角度データが、CPU7に認識される(S7)。
【0085】
具体的には、図5に示すように、コントローラ17が第1基準軸A1まわりに傾斜した場合、たとえばコントローラ17の前部が後部より下方に傾倒した場合(M11の方向に傾倒した場合)、「(基準軸値,傾斜角度値)=(1,+K12)」のような傾斜角度データが、所定の時間間隔たとえば1/60(sec)の時間間隔で、コントローラ17から家庭用ゲーム機本体に連続的に供給される。そして、この傾斜角度データがRAM12に格納される。このときに、この傾斜角度データがCPU7に認識される。一方で、たとえばコントローラ17の前部が後部より上方に傾倒した場合(M12の方向に傾倒した場合)、「(基準軸値,傾斜角度値)=(1,−K12)」のような傾斜角度データが、1/60(sec)の時間間隔で、コントローラ17から家庭用ゲーム機本体に連続的に供給される。そして、この傾斜角度データがRAM12に格納される。このときに、この傾斜角度データがCPU7に認識される。
【0086】
同様に、コントローラ17が第2基準軸A2まわりに傾斜した場合、たとえばコントローラ17の右部が左部より下方に傾倒した場合(M21の方向に傾倒した場合)、「(基準軸値,傾斜角度値)=(2,+K22)」のような傾斜角度データが、1/60(sec)の時間間隔で、コントローラ17から家庭用ゲーム機本体に連続的に供給される。そして、この傾斜角度データがRAM12に格納される。このときに、この傾斜角度データがCPU7に認識される。一方で、たとえばコントローラ17の右部が左部より上方に傾倒した場合(M22の方向に傾倒した場合)、「(基準軸値,傾斜角度値)=(2,−K22)」のような傾斜角度データが、1/60(sec)の時間間隔で、コントローラ17から家庭用ゲーム機本体に連続的に供給される。そして、この傾斜角度データがRAM12に格納される。このときに、この傾斜角度データがCPU7に認識される。なお、上記に示した、傾斜角度値を示す記号K12,K22は、変数を示すものであり、定数を示す物ではない。
【0087】
なお、コントローラ17の姿勢が、所定の時間たとえば5(sec)の間、静止状態である場合には、コントローラ17の傾斜角度値を0度に設定する処理が、CPU7により実行されるようになっている。
【0088】
続いて、RAM12に格納された第1対応テーブルデータに基づいて、CPU7に認識された傾斜角度データに対応する球種用命令がCPU7に認識される(S8)。そして、この球種用命令がCPU7から発行され、投手キャラクタに対して投球するボールの球種が指示される。
【0089】
ここでは、投手キャラクタが右投げである場合を例として説明を行う。たとえば、CPU7に認識された傾斜角度データの基準軸値が「1」であり、傾斜角度データの傾斜角度値が「1(度)以上180(度)以下」である場合、第1対応テーブルデータに基づいて、投手キャラクタが投球するボールの球種をストレートに設定するための球種用命令が、CPU7に認識される。また、CPU7に認識された傾斜角度データの基準軸値が「1」であり、傾斜角度データの傾斜角度値が「−180(度)以上0(度)未満」である場合、第1対応テーブルデータに基づいて、投手キャラクタが投球するボールの球種をフォークに設定するための球種用命令が、CPU7に認識される。同様に、CPU7に認識された傾斜角度データの基準軸値が「2」であり、傾斜角度データの傾斜角度値が「1(度)以上180(度)以下」である場合、第1対応テーブルデータに基づいて、投手キャラクタが投球するボールの球種をシュートに設定するための球種用命令が、CPU7に認識される。また、CPU7に認識された傾斜角度データの基準軸値が「2」であり、傾斜角度データの傾斜角度値が「−180(度)以上0(度)未満」である場合、第1対応テーブルデータに基づいて、投手キャラクタが投球するボールの球種をカーブに設定するための球種用命令が、CPU7に認識される。そして、このような球種用命令がCPU7から発行され、投手キャラクタが投球するボールの球種の設定が行われる。
【0090】
続いて、コントローラ17の姿勢が傾斜状態にあるときの傾斜角度データの変化量を算出する処理がCPU7により実行され、この処理結果(傾斜角度データの変化量)がCPU7に認識される(S9)。たとえば、コントローラ17の姿勢が静止状態から傾斜状態に変化を開始した時点、すなわち傾斜角度データの認識がCPU7により開始された時点を基準として、傾斜角度データの傾斜角度値の変化量が、CPU7により算出され、CPU7に認識される。たとえば、時系列データとしてCPU7に認識される第n番目(nは自然数)の傾斜角度データの傾斜角度値を、コントローラ17の姿勢が静止状態から傾斜状態に変化した時点の第1番目の傾斜角度データの傾斜角度値から減算する計算を、CPU7に実行させることにより、傾斜角度データの傾斜角度値の変化量が算出される。具体的には、1/60(sec)ごとにCPU7に認識される第n番目の傾斜角度データの傾斜角度値を、コントローラ17の姿勢が静止状態から傾斜状態に変化した瞬間の第1番目の傾斜角度データの傾斜角度値から減算する計算を、1/60(sec)ごとにCPU7に実行させることにより、傾斜角度データの傾斜角度値の変化量が算出される。そして、この傾斜角度データの変化量が、RAM12に格納され、CPU7に認識される。
【0091】
続いて、CPU7に認識された傾斜角度データの変化量に基づいて、球種の強弱の程度を示す球種強度データが、第2対応テーブルに基づいて、CPU7に認識される(S10)。図6に示すように、第2対応テーブルでは、傾斜角度データの傾斜角度の変化量が「1(度)以上51(度)未満」の範囲内にある場合は、球種強度データの値が「1」から「10(最大値)」までのいずれか値となるように設定されている。そして、傾斜角度データの傾斜角度の変化量が「51(度)以上180(度)以下」の範囲内にある場合は、球種強度データの値が「10(最大値)」となるように設定されている。これにより、傾斜角度データの変化量がCPU7に連続的に認識されると、この傾斜角度データの変化量に対応する球種強度データが、第2対応テーブルに基づいて、CPU7に連続的に認識される。
【0092】
すると、球種強度データに基づいて、投手キャラクタが投球するボールの球種の強弱の程度、たとえばボールの速さ又は変化球の変化量が、CPU7により設定される(S11)。たとえば、ボールの球種がストレートである場合は、球種強度データが示す値が、ゲームにおけるボールの速さを示す指標となっている。この球種強度データが示す値に対応するボールの速さは、図7に示すように、ゲームプログラムにおいて予め規定されている。また、ボールの球種が変化球(カーブ、シュート、フォーク等)である場合は、球種強度データが示す値が、ゲームにおけるボールの変化率を示す指標となっている。この球種強度データが示す値に対応するボールの変化率は、図7に示すように、ゲームプログラムにおいて予め規定されている。ここに示したボールの変化率は、変化球の最大変化量に対する変化球の実変化量の比(実変化量/最大変化量)を表している。このボールの変化率に最大変化量を乗じる計算をCPU7に実行させることにより、ボールの変化量を算出することができる。なお、変化球の最大変化量は、投手キャラクタごとに能力データにおいて固有の値が予め規定されている。
【0093】
一方で、たとえば「傾斜時間」項目が選択された場合も(S5でNo)、野球ゲームにおいて試合を開始するための命令(試合開始命令)がCPU7から発行される(S12)。すると、RAM12に格納された3次元ゲーム空間用の画像データ、たとえば、スタジアム用の画像データ等がCPU7に認識される。すると、スタジアム用の画像データを用いて、スタジアム画像がテレビジョンモニタ20に表示される。
【0094】
続いて、プレイヤより命令が指示されるチーム(味方チーム)、および他のプレイヤ又はAIプログラム(Artificial Intelligence プログラム)により命令が指示されるチーム(相手チーム)のいずれか一方の選手キャラクタが守備位置に配置された状態が、選手用画像データを用いて、テレビジョンモニタ20に表示される。また、味方チームの選手キャラクタおよび相手チームの選手キャラクタのいずれか他方の選手キャラクタが打席位置に配置された状態が、選手用画像データを用いて、テレビジョンモニタ20に表示される。この状態において、たとえばプレイヤおよび他のプレイヤがコントローラ17を操作することにより、ゲーム空間すなわちスタジアムにおいて動作する味方チームの選手キャラクタおよび相手チームの選手キャラクタに対して、各種の命令が指示される。ここでは、味方チームが後攻(守備側)で相手チームが先攻(攻撃側)である場合を例として、説明を行う。
【0095】
続いて、味方チームの選手キャラクタおよび相手チームの選手キャラクタがテレビジョンモニタ20に表示された状態において対戦ゲームを実行するためには、プレイヤが、投手キャラクタに投球に関する命令を指示することになる。まず、プレイヤが、コントローラ17の姿勢を静止状態から傾斜状態に変更すると、変更されたコントローラ17の姿勢の状態に応じて、コントローラ17の傾きセンサに検知された傾斜角度データが、CPU7に認識される(S13)。
【0096】
具体的には、図5に示すように、コントローラ17が第1基準軸A1まわりに傾斜した場合、たとえばコントローラ17の前部が下方に移動した場合、「(基準軸値,傾斜角度値)=(1,+K12)」のような傾斜角度データが、所定の時間間隔たとえば1/60(sec)の時間間隔で、コントローラ17から家庭用ゲーム機本体に連続的に供給される。そして、この傾斜角度データがRAM12に格納される。このときに、この傾斜角度データがCPU7に認識される。一方で、たとえばコントローラ17の前部が上方に移動した場合、「(基準軸値,傾斜角度値)=(1,−K12)」のような傾斜角度データが、1/60(sec)の時間間隔で、コントローラ17から家庭用ゲーム機本体に連続的に供給される。そして、この傾斜角度データがRAM12に格納される。このときに、この傾斜角度データがCPU7に認識される。
【0097】
同様に、コントローラ17が第2基準軸A2まわりに傾斜した場合、たとえばコントローラ17の右部が下方に移動した場合、「(基準軸値,傾斜角度値)=(2,+K22)」のような傾斜角度データが、1/60(sec)の時間間隔で、コントローラ17から家庭用ゲーム機本体に連続的に供給される。そして、この傾斜角度データがRAM12に格納される。このときに、この傾斜角度データがCPU7に認識される。一方で、たとえばコントローラ17の右部が上方に移動した場合、「(基準軸値,傾斜角度値)=(2,−K22)」のような傾斜角度データが、1/60(sec)の時間間隔で、コントローラ17から家庭用ゲーム機本体に連続的に供給される。そして、この傾斜角度データがRAM12に格納される。このときに、この傾斜角度データがCPU7に認識される。なお、上記に示した、傾斜角度値を示す記号K12,K22は、変数を示すものであり、定数を示す物ではない。
【0098】
続いて、RAM12に格納された第1対応テーブルデータに基づいて、CPU7に認識された傾斜角度データに対応する球種用命令がCPU7に認識される(S14)。そして、この球種用命令がCPU7から発行され、投手キャラクタに対して投球するボールの球種が指示される。
【0099】
ここでは、投手キャラクタが右投げである場合を例として説明を行う。たとえば、CPU7に認識された傾斜角度データの基準軸値が「1」であり、傾斜角度データの傾斜角度値が「1(度)以上180(度)以下」である場合、第1対応テーブルデータに基づいて、投手キャラクタが投球するボールの球種をストレートに設定するための球種用命令が、CPU7に認識される。また、CPU7に認識された傾斜角度データの基準軸値が「1」であり、傾斜角度データの傾斜角度値が「−180(度)以上0(度)未満」である場合、第1対応テーブルデータに基づいて、投手キャラクタが投球するボールの球種をフォークに設定するための球種用命令が、CPU7に認識される。同様に、CPU7に認識された傾斜角度データの基準軸値が「2」であり、傾斜角度データの傾斜角度値が「1(度)以上180(度)以下」である場合、第1対応テーブルデータに基づいて、投手キャラクタが投球するボールの球種をシュートに設定するための球種用命令が、CPU7に認識される。また、CPU7に認識された傾斜角度データの基準軸値が「2」であり、傾斜角度データの傾斜角度値が「−180(度)以上0(度)未満」である場合、第1対応テーブルデータに基づいて、投手キャラクタが投球するボールの球種をカーブに設定するための球種用命令が、CPU7に認識される。このような球種用命令がCPU7から発行され、投手キャラクタが投球するボールの球種の設定が行われる。
【0100】
続いて、コントローラ17の姿勢が傾斜状態にあるときの傾斜時間を計算する処理がCPU7により実行され、この処理結果(傾斜時間データ)がCPU7に認識される(S15)。たとえば、コントローラ17の姿勢が静止状態から傾斜状態に変化を開始した時点、すなわち傾斜角度データの認識がCPU7により開始された時点を基準として、傾斜時間を計算する処理が、CPU7により実行される。そして、この傾斜時間が、傾斜時間データとしてCPU7に認識される。具体的には、ここでは、第1番目の傾斜角度データがCPU7に認識された時点の時間を、基準時間ToとしてCPU7に認識させることにより、傾斜時間Tは以下のように算出される。たとえば、第n番目(nは自然数)の傾斜角度データがCPU7に認識された時点の時間Tn(=To+n/60(sec))から第1番目の傾斜角度データがCPU7に認識された時点の時間T1(To+1/60(sec))を減算する計算(Tn−T1)が、CPU7により実行される。そして、この計算結果すなわち傾斜時間dT(n)(=(n−1)/60(sec))が、傾斜時間データとしてCPU7に認識される。この傾斜時間データdT(n)は、1/60(sec)の時間間隔で、RAM12に連続的に格納される。そして、このときに、この傾斜時間データdT(n)がCPU7に認識される。
【0101】
続いて、CPU7に認識された傾斜時間データに基づいて、球種の強弱の程度を示す球種強度データが、第3対応テーブルに基づいて、CPU7に認識される(S16)。図8に示すように、第3対応テーブルでは、傾斜時間データの値が「1(sec)以上5(sec)以下」の範囲内にある場合は、球種強度データの値が「1」から「10(最大値)」までのいずれか値となるように設定されている。そして、傾斜時間データの値が「5.0(sec)を越える範囲」にある場合は、球種強度データの値が「10(最大値)」となるように設定されている。これにより、傾斜時間データの値がCPU7に連続的に認識されると、この傾斜時間データの値に対応する球種強度データが、第3対応テーブルに基づいて、CPU7に連続的に認識される。
【0102】
すると、球種強度データに基づいて、投手キャラクタが投球するボールの球種の強弱の程度、たとえばボールの速さ又は変化球の変化量が、CPU7により設定される(S11)。たとえば、ボールの球種がストレートである場合は、球種強度データが示す値が、ゲームにおけるボールの速さを示す指標となっている。この球種強度データが示す値に対応するボールの速さは、図7に示したように、ゲームプログラムにおいて予め規定されている。また、ボールの球種が変化球(カーブ、シュート、フォーク等)である場合は、球種強度データが示す値が、ゲームにおけるボールの変化率を示す指標となっている。この球種強度データが示す値に対応するボールの変化率は、図7に示すように、ゲームプログラムにおいて予め規定されている。ここに示したボールの変化率は、変化球の最大変化量に対する変化球の実変化量の比(実変化量/最大変化量)を表している。このボールの変化率に最大変化量を乗じる計算をCPU7に実行させることにより、ボールの変化量を算出することができる。なお、変化球の最大変化量は、投手キャラクタごとに能力データにおいて固有の値が予め規定されている。
【0103】
続いて、投手キャラクタが投球するボールの球種の強弱の程度が連続的にCPU7に認識されると、ボールの球種の強度を示す強度表示子70をテレビジョンモニタ20に表示する処理が、CPU7により実行される。これにより、球種の強度を示す強度表示子70が、図9に示すように、強度表示子用の画像データを用いて、テレビジョンモニタ20に表示される(S17)。たとえば、球種がストレートである場合、ストレートの速さを示す表示子70aが、テレビジョンモニタ20に表示される。また、球種が変化球(カーブ、シュート、フォーク等)である場合、変化球の変化率を示す表示子70bが、テレビジョンモニタ20に表示される。具体的には、球種がストレートである場合、球種強度データの値に応じて、ストレートの速さを示すメータが変化する状態が、テレビジョンモニタ20に表示される。ここでは、球種強度データの値が大きくなればなるほど、ストレートの速さを示すメータが長くなる状態が、テレビジョンモニタ20に表示される(図9、実線表示)。また、球種が変化球(カーブ、シュート、フォーク等)である場合、球種強度データの値に応じて、変化球の変化量を示すメータが変化する状態が、テレビジョンモニタ20に表示される。ここでは、球種強度データの値が大きくなればなるほど、ストレートの場合と同様に、変化球の変化率を示すメータが長くなる状態が、テレビジョンモニタ20に表示される(図9、シュート:破線表示)。
【0104】
なお、ここでは、コントローラ17を傾けたときに、球種強度データが連続的にCPU7に認識され、この球種強度データの認識に連動して、強度表示子70がテレビジョンモニタ20に表示される場合を示した。しかしながら、強度表示子70をテレビジョンモニタ20に表示する形態は、前記実施形態に限定されず、どのようにしても良い。
【0105】
たとえば、第1番目の球種強度データがCPU7に認識された後(S10又はS16の後)、所定の時間たとえば3(sec)経過したときに、第1番目から第n番目の球種強度データに連動して、強度表示子70がテレビジョンモニタ20に連続的に表示されるようにしても良い。
【0106】
また、次のように、強度表示子70を表示するようにしても良い。たとえば、第1番目の球種強度データがCPU7に認識された後、所定の時間たとえば1(sec)経過したときに、第1番目の球種強度データに対応する強度表示子70がテレビジョンモニタ20に表示されるようにする。続いて、第n番目の球種強度データがCPU7に認識された後、所定の時間たとえば1(sec)経過したときに、第n番目の球種強度データに対応する強度表示子70がテレビジョンモニタ20に表示されるようにする。なお、ここで用いたnは、2以上の自然数である。
【0107】
このように強度表示子70を表示すると、プレイヤがコントローラ17を急激に傾けるようなことがあったとしても、強度表示子70が一定の時間経過後(ex.3sec後)又は緩やかな速度(ex.1sec間隔)で変化する状態がテレビジョンモニタ20に表示されるので、プレイヤは、安心して命令を指示することができる。
【0108】
この場合は、ステップ10又はステップ16の処理が実行された後に、強度表示子70をテレビジョンモニタ20に表示する処理を待機させる命令がCPU7から発行される。そして、ステップ10又はステップ16の処理が実行された時点から待機時間をカウントする処理が、CPU7により実行される。そして、CPU7によりカウントされた待機時間が、所定の時間たとえば3(sec)に一致したか否かがCPU7により判断される。そして、待機時間が3(sec)に一致したとCPU7に判断された場合に、強度表示子70の表示処理(ステップ17の処理)がCPU7により実行される。
【0109】
続いて、投手キャラクタに対する球種用命令の設定を終了するために、コントローラ17の所定のボタンたとえば第3ボタン17cが操作されると、投手キャラクタに対する球種用命令の設定を終了するための入力信号がコントローラ17から発行される。そして、この入力信号がCPU7に認識されると、傾斜角度データに対応する球種用命令の認識処理および球種強度データの認識処理を終了するための命令が、CPU7から発行される。すなわち、投手キャラクタに対する球種および球種の強度に関する処理を終了する命令が、CPU7から発行される(S18)。
【0110】
そして、球種およびボールの強度(ストレートの速さおよび変化球の変化量)に関する処理が終了すると、投手キャラクタに投球動作を開始させる命令がCPU7から発行される。すると、投手キャラクタが投球動作を行う状態が、投手用画像データを用いて、テレビジョンモニタ20に表示される(S19)。この状態において、投球コースを設定するためにコントローラ17たとえば左スティック17SLが操作されると、左スティック17SLの傾倒量に応じて、投球コースを示す丸印マークを左スティック17SLの傾倒方向に移動させる命令が、CPU7から発行される。すると、投球コースを示す丸印マークがコントローラ17の傾倒方向に移動する状態が、マーク用画像データを用いて、テレビジョンモニタ20に表示される。このときには、投球コースを示す丸印マークの位置座標を示す位置座標データをCPU7に連続的に認識させることにより、投球コースの設定が行われている(S20)。そして、リリースタイミングを決定するためにコントローラ17たとえば第3ボタン17cが操作されると、投手キャラクタにボールをリリースさせるための命令が、CPU7から発行される(S21)。すると、投手キャラクタからリリースされたボールキャラクタが、上記の球種およびボールの強度(ストレートの速さおよび変化球の変化量)で投球コースに向けて移動する状態が、ボール用画像データを用いて、テレビジョンモニタ20に表示される(S22)。
【0111】
上記のような一連の処理を投球ごとに制御部に実行させることにより、野球ゲームにおける球種設定システムを実現することができる。
【0112】
〔他の実施形態〕
(a)前記実施形態では、ゲームプログラムを適用しうるコンピュータの一例としての家庭用ビデオゲーム装置を用いた場合の例を示したが、ゲーム装置は、前記実施形態に限定されず、モニタが別体に構成されたゲーム装置、モニタが一体に構成されたゲーム装置、ゲームプログラムを実行することによってゲーム装置として機能するパーソナルコンピュータやワークステーションなどにも同様に適用することができる。また、ゲーム装置は、前記実施形態に限定されず、携帯型コンピュータ、携帯型ゲーム装置などにも同様に適用することができる。
【0113】
(b)本発明には、前述したようなゲームを実行するプログラムおよびこのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も含まれる。この記録媒体としては、カートリッジ以外に、たとえば、コンピュータ読み取り可能なフレキシブルディスク、半導体メモリ、CD−ROM、DVD、MO、ROMカセット、その他のものが挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】本発明の一実施形態によるビデオゲーム装置の基本構成図。
【図2】前記ゲーム装置の機能ブロック図。
【図3】傾斜角度データと球種用命令との対応関係を示す第1対応テーブル。
【図4】「傾斜角度」項目および「傾斜時間」項目を説明するための図。
【図5】コントローラの基準軸および傾斜角度を説明するための図。
【図6】傾斜角度の変化量と球種強度データとの対応関係を示す第2対応テーブル。
【図7】球種強度データと球種の強度との対応関係を示すテーブル。
【図8】傾斜時間データと球種強度データとの対応関係を示す第3対応テーブル。
【図9】球種の強度を示す強度表示子を説明するための図。
【図10A】球種設定システムに関するフローを説明するための図。
【図10B】球種設定システムに関するフローを説明するための図。
【符号の説明】
【0115】
1 制御部
2 記憶部
3 画像表示部
4 音声出力部
5 操作入力部
7 CPU
12 RAM
17 コントローラ
20 テレビジョンモニタ
23 通信部
50 命令認識手段
51 対応関係認識手段
52 傾斜角度データ認識手段
53 命令認識手段
54 角度用変化量データ認識手段
55 経過時間認識手段
56 程度データ認識手段
57 程度表示子表示手段
58 終了命令発行手段
70 強度表示子
A1 第1基準軸
A2 第2基準軸
K1 基準軸値
K2,K12,K22 傾斜角度
M11,M12,M21,M22 傾倒方向


【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力部に内蔵された傾きセンサに検知された傾斜角度データに基づいて、キャラクタに対する命令が設定されるゲームを実現可能なコンピュータに、
前記キャラクタに対する複数の命令を制御部に認識させる命令認識機能と、
入力部の前記傾きセンサに検知される傾斜角度データと複数の前記命令それぞれとの対応関係を示す対応関係データを制御部に認識させる対応関係認識機能と、
入力部の前記傾きセンサに検知された傾斜角度データを制御部に認識させる傾斜角度データ認識機能と、
前記対応関係データに基づいて、制御部に認識された前記傾斜角度データに対応する命令を制御部に認識させる命令認識機能と、
を実現させるためのゲームプログラム。
【請求項2】
前記コンピュータに、
入力部の姿勢が静止状態から傾斜状態に変化したときに、前記傾斜角度データの変化量を制御部に認識させる角度用変化量データ認識機能と、
前記傾斜角度データの変化量に基づいて、前記傾斜角度データに対応する前記命令の強弱の程度を示す程度データを制御部に認識させる程度データ認識機能と、
をさらに実現させるための請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記コンピュータに、
入力部の姿勢が静止状態から傾斜状態に変化したときに、入力部の姿勢が傾斜状態で経過した経過時間を計算する処理を制御部に実行させ、前記経過時間を経過時間データとして制御部に認識させる経過時間認識機能と、
前記経過時間データに基づいて、前記傾斜角度データに対応する前記命令の強弱の程度を示す程度データを制御部に認識させる程度データ認識機能と、
をさらに実現させるための請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記コンピュータに、
前記キャラクタに対する前記命令の設定を終了するための入力部からの入力信号が制御部に認識されたときに、前記傾斜角度データに対応する前記命令の認識処理および前記程度データの認識処理を終了する命令を制御部に発行させる終了命令発行機能、
をさらに実現させるための請求項2又は3に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記コンピュータに、
前記傾斜角度データに対応する前記命令の強弱の程度を示す程度表示子を、程度表示子用の画像データを用いて画像表示部に表示する処理を、制御部に実行させる程度表示子表示機能、
をさらに実現させるための請求項1から4のいずれかに記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記対応関係認識機能では、傾斜角度を規定するための基準軸を示す軸データを含む前記傾斜角度データと複数の前記命令それぞれとの対応関係を示す対応関係データが、制御部に認識され、
前記傾斜角度データ認識機能では、傾斜角度を規定するための基準軸を示す軸データを含む傾斜角度データが制御部に認識される、
請求項1から5のいずれかに記載のゲームプログラム。
【請求項7】
入力部に内蔵された傾きセンサに検知された傾斜角度データに基づいて、キャラクタに対する命令が設定されるゲームを実行可能なゲーム装置であって、
前記キャラクタに対する複数の命令を制御部に認識させる命令認識手段と、
入力部の前記傾きセンサに検知される傾斜角度データと複数の前記命令それぞれとの対応関係を示す対応関係データを制御部に認識させる対応関係認識手段と、
入力部の前記傾きセンサに検知された傾斜角度データを制御部に認識させる傾斜角度データ認識手段と、
前記対応関係データに基づいて、制御部に認識された前記傾斜角度データに対応する命令を制御部に認識させる命令認識手段と、
を備えるゲーム装置。
【請求項8】
入力部に内蔵された傾きセンサに検知された傾斜角度データに基づいて、キャラクタに対する命令が設定されるゲームをコンピュータにより制御可能なゲーム制御方法であって、
前記キャラクタに対する複数の命令を制御部に認識させる命令認識ステップと、
入力部の前記傾きセンサに検知される傾斜角度データと複数の前記命令それぞれとの対応関係を示す対応関係データを制御部に認識させる対応関係認識ステップと、
入力部の前記傾きセンサに検知された傾斜角度データを制御部に認識させる傾斜角度データ認識ステップと、
前記対応関係データに基づいて、制御部に認識された前記傾斜角度データに対応する命令を制御部に認識させる命令認識ステップと、
を備えるゲーム制御方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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