説明

ゲームプログラムおよびゲーム装置

【課題】 プレイヤが変更できない時間データに基づいてタイマ制御を行うゲームプログラムおよびゲーム装置を提供する。
【解決手段】 CPU30は、RTC内蔵の外部メモリカード5が装着されている場合(S1)、外部メモリカード5と光ディスク4との間の認証コードの確認を行う(S2)。CPU30は、外部メモリカード5から出力された絶対時刻を示すデータに基づいて、ゲーム装置3が使用されている地方標準時における時刻をゲーム装置3のRTC42にコピーし(S3)、セット完了フラグをONに設定する(S4)。CPU30は、RTC42の時刻に応じたゲーム(ムービ再生)処理を行う(S5)。そして、CPU30は、ゲーム(ムービ再生)処理の終了(S6)、OPENスイッチの押下(S7)、および電源OFF(S8)のいずれかに応じて、セット完了フラグをOFFする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラムおよびゲーム装置に関し、より特定的には、正確な現在時刻に基づいて、ゲーム処理を行うゲームプログラムおよびゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゲーム装置本体に設けられたタイマの値に応じて、ゲーム処理の内容を変化させるテレビゲーム装置がある(例えば、特許文献1参照)。上記テレビゲーム装置は、カレンダタイマを搭載しており、当該カレンダタイマの時刻に応じて、ゲーム内容の進行具合が決定される。ここで、ゲーム装置に搭載される上記カレンダタイマ等のタイマは、その設定値が当該ゲーム装置のプレイヤ自身によって設定可能に構成されているものが一般的である。
【特許文献1】特許第2770015号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、ゲーム装置本体のタイマがプレイヤによって再設定することが可能となるため、プレイヤが現在時刻と異なった時刻に当該タイマを設定した場合、本来の意図とは異なった内容でゲームが進行することがある。
【0004】
例えば、ゲーム装置本体のタイマが示す時刻をトリガとして動くアプリケーションのタイミングは、全てプレイヤが当該タイマに設定した時刻に委ねられる。例えば、上記タイマの時刻が過去や未来の日時等にプレイヤが設定した場合、本来なら見ることができない(提供者側が意図しない)イベントを無理やり発生させることが可能である。具体的には、プレイヤが上記タイマをクリスマスやお正月の日に設定したとき、ゲーム内容としてクリスマスプレゼントやお年玉のイベントが発生し、その設定を繰り返すことによってこれらのイベントが何度も起こってしまうことが容易に行うことができる。
【0005】
それ故に、本発明の目的は、プレイヤが変更できない時間データに基づいたタイマ制御を行うゲームプログラムおよびゲーム装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号やステップ番号(ステップ番号のみを記載する)等は、本発明の理解を助けるために後述する実施形態との対応関係を示したものであって、本発明の範囲を何ら限定するものではない。
【0007】
第1の発明は、計時データ(RTC)に基づいた処理を行うゲーム装置(3)のコンピュータ(30)に実行されるゲームプログラムである。ゲームプログラムは、計時設定データ取得ステップ(S3)、計時データ設定ステップ(S3)、第1処理ステップ(S5)、および第2処理ステップ(S5)をコンピュータに実行させる。計時設定データ取得ステップは、ゲーム装置に装着される着脱自在の計時装置(5)が計時する計時設定データ(RTC)を取得する。計時データ設定ステップは、ゲーム装置に内蔵された計時部(42)が計時する計時データ(RTC)を、計時設定データ取得ステップが取得した計時設定データに基づいて設定する。第1処理ステップは、計時データ設定ステップが計時データを設定していないとき(S1でNo)に第1のゲーム内容で処理を進行する(S15、S26、S46、S55)。第2処理ステップは、計時データ設定ステップが計時データを設定したとき(S1でYes)に計時部が計時する計時データに基づいて(S12〜S14、S22〜S24、S43、S44、S52、S53)第1のゲーム内容とは異なる第2のゲーム内容で処理を進行する(S16、S17、S29、S32、S45、S54)。ここで、第1および第2処理ステップで行う処理は、計時データに応じてゲーム内容の進行が変化するゲーム処理や計時データに応じて再生されるゲーム内容が異なる映像再生処理などが含まれる。また、ゲームプログラムが光ディスクなどの記録媒体に格納され、当該記録媒体がゲーム装置で読み出される場合、計時装置がゲームプログラムを格納する記録媒体とは別のハードウエアによって構成させる。例えば、計時装置は、ゲーム装置に着脱自在なメモリカードなどで構成される。
【0008】
第2の発明は、上記第1の発明において、ゲームプログラムおよび計時装置に内蔵されたメモリの少なくとも一方には仕向地を示す仕向地情報(認証コード)が記述されている。ゲームプログラムは、仕向地情報抽出ステップ(S2)を、さらにコンピュータに実行させる。仕向地情報抽出ステップは、仕向地情報を抽出してその仕向地情報が示す仕向地の地域別標準時間帯(タイムゾーン)を決定する。計時データ設定ステップは、計時設定データを用いて仕向地情報抽出ステップが決定した地域別標準時間帯で用いられる共通の標準時に基づいた時刻を演算し、その時刻を計時部が計時する計時データに設定する。
【0009】
第3の発明は、上記第1の発明において、ゲームプログラムおよび計時装置に内蔵されたメモリにはそれぞれ認証コードが記述されている。ゲームプログラムは、認証確認ステップ(S2)をさらにコンピュータに実行させる。認証確認ステップは、認証コードをそれぞれ抽出してそれら認証コードの一致を判断する。計時データ設定ステップは、認証確認ステップが認証コードの一致を確認したときのみ計時設定データに基づいて計時部が計時する計時データを設定する。
【0010】
第4の発明は、上記第1の発明において、第1処理ステップは、第1のゲーム内容を示す第1映像(図6のムービA、図8のムービA2)を再生する(S11でNo、S21でNo)。第2処理ステップは、計時データ設定ステップが計時データを設定した後に計時部が計時する計時データが所定日以後を示すとき(S13でYes、S14でYes、S23でYes、S24でYes;期間b、c)、第2のゲーム内容として第2映像(図6のムービB、C、図8のムービB2、C2)を再生する。第2処理ステップは、計時データ設定ステップが計時データを設定した後に計時部が計時する計時データが所定日より前を示すとき(S14でNo、S24でNo;期間a)、第1映像を再生する。なお、第1映像および第2映像で再生されるゲーム内容は、互いに全てが異なってもいいし、その一部が異なってもよい。
【0011】
第5の発明は、上記第1の発明において、 第2処理ステップは、計時データ設定ステップが計時データを設定した後に計時部が計時する計時データが所定の期間内を示すとき(S44でYes、S53でYes)、その期間特有のイベント(特殊イベント)が発生する第2のゲーム内容でゲーム処理を進行させる(S45、S54)。第2処理ステップは、計時データ設定ステップが計時データを設定した後に計時部が計時する計時データが期間外を示すとき(S44でNo)、イベントが発生しない(S46、S55)第1のゲーム内容でゲーム処理を進行させる。第1処理ステップは、第1のゲーム内容でゲーム処理を進行させる(S42でNo、S51でNo)。なお、期間特有のイベントは、プレイヤが選択しなくても当該期間において自動的に発生する特殊イベントでもいいし、当該期間中にプレイヤが選択することによって発生が可能となる特殊イベントでもかまわない。
【0012】
第6の発明は、計時データに基づいた処理を行うゲーム装置のコンピュータに実行されるゲームプログラムである。ゲームプログラムは、計時データ取得ステップ(S3)、第1処理ステップ、および第2処理ステップをコンピュータに実行させる。計時データ取得ステップは、ゲーム装置に装着される着脱自在の計時装置が計時する計時データを取得する。第1処理ステップは、計時装置がゲーム装置に未装着のとき第1のゲーム内容で処理を進行する。第2処理ステップは、計時装置がゲーム装置に装着されているとき計時データ取得ステップで取得する計時データに基づいて第1のゲーム内容とは異なる第2のゲーム内容で処理を進行する。
【0013】
第7の発明は、販売デモを行うための映像(図6のムービA〜C、図8のムービA1〜A3、B2、C2)を再生する再生装置(3)のコンピュータに実行されるプログラムである。プログラムは、計時設定データ取得ステップ、計時データ設定ステップ、第1処理ステップ、および第2処理ステップをコンピュータに実行させる。計時設定データ取得ステップは、再生装置に装着される着脱自在の計時装置が計時する計時設定データを取得する。計時データ設定ステップは、再生装置に内蔵された計時部が計時する計時データを、計時設定データ取得ステップが取得した計時設定データに基づいて設定する。第1処理ステップは、計時データ設定ステップが計時データを設定していないとき、または計時データ設定ステップが計時データを設定した後に計時部が計時する計時データが所定日より前を示すとき、第1映像を再生する。第2処理ステップは、計時データ設定ステップが計時データを設定した後に計時部が計時する計時データが所定日以後を示すとき、第1映像とは異なる第2映像を再生する。
【0014】
第8の発明は、計時データに基づいた処理を行うゲーム装置である。ゲーム装置は、計時部、計時設定データ取得手段、計時データ設定手段、第1処理手段と、および第2処理手段を備える。計時部は、計時データを計時する。計時設定データ取得手段は、ゲーム装置に装着される着脱自在の計時装置が計時する計時設定データを取得する。計時データ設定手段は、計時部が計時する計時データを、計時設定データ取得手段が取得した計時設定データに基づいて設定する。第1処理手段は、計時データ設定手段が計時データを設定していないときに第1のゲーム内容で処理を進行する。第2処理手段は、計時データ設定手段が計時データを設定したときに計時部が計時する計時データに基づいて第1のゲーム内容とは異なる第2のゲーム内容で処理を進行する。
【0015】
第9の発明は、計時データに基づいた処理を行うゲーム装置である。ゲーム装置は、計時データ取得手段、第1処理手段、および第2処理手段を備える。計時データ取得手段は、ゲーム装置に装着される着脱自在の計時装置が計時する計時データを取得する。第1処理手段は、計時装置がゲーム装置に未装着のとき第1のゲーム内容で処理を進行する。第2処理手段は、計時装置がゲーム装置に装着されているとき計時データ取得手段で取得する計時データに基づいて第1のゲーム内容とは異なる第2のゲーム内容で処理を進行する。
【0016】
第10の発明は、計時データに基づいた処理を行う情報処理装置のコンピュータに実行されるプログラムである。プログラムは、計時設定データ取得ステップ、計時データ設定ステップ、第1処理ステップ、および第2処理ステップをコンピュータに実行させる。計時設定データ取得ステップは、情報処理装置に装着される着脱自在の計時装置が計時する計時設定データを取得する。計時データ設定ステップは、情報処理装置に内蔵された計時部が計時する計時データを、計時設定データ取得ステップが取得した計時設定データに基づいて設定する。第1処理ステップは、計時データ設定ステップが計時データを設定していないときに第1の処理内容で処理を進行する。第2処理ステップは、計時データ設定ステップが計時データを設定したときに計時部が計時する計時データに基づいて第1の処理内容とは異なる第2の処理内容で処理を進行する。
【0017】
第11の発明は、計時データに基づいた処理を行う情報処理装置のコンピュータに実行されるプログラムである。プログラムは、計時データ取得ステップ、第1処理ステップ、および第2処理ステップをコンピュータに実行させる。計時データ取得ステップは、情報処理装置に装着される着脱自在の計時装置が計時する計時データを取得する。第1処理ステップは、計時装置が情報処理装置に未装着のとき第1の処理内容で処理を進行する。第2処理ステップは、計時装置が情報処理装置に装着されているとき計時データ取得ステップで取得する計時データに基づいて第1の処理内容とは異なる第2の処理内容で処理を進行する。
【0018】
第12の発明は、ゲーム装置に対して着脱自在のメモリカード(5)である。メモリカードは、記憶部(512)、計時部(52、53)、および時刻情報出力部(51)を備える。記憶部は、仕向地を示す仕向地情報を格納する。計時部は、仕向地に応じた時刻を計時する。時刻情報出力部は、ゲーム装置に装着された際、そのゲーム装置からの要求に応じて計時部が計時する時刻情報をそのゲーム装置へ出力する。
【発明の効果】
【0019】
第1の発明によれば、ゲーム装置に対して着脱自在の計時装置が計時する計時設定データに基づいて、当該ゲーム装置に内蔵された計時部が計時する計時データが設定される。そして、計時部が計時する計時データに基づいたゲーム内容で処理が進行し、計時データがゲーム装置とは別の計時装置から得られるものであるため、利用者が不正に計時データを変更することが困難となる。したがって、ゲームプログラムの作成者が意図する時機に適切なゲーム内容でゲーム処理や映像再生処理を進行することができる。また、1つの計時装置で複数のゲーム装置の時間的な同期をとって処理を実行することができる。
【0020】
第2の発明によれば、ゲームプログラムまたは計時装置のメモリに記述されている仕向地に応じて、その仕向地の地方標準時に準じた時刻を計時データに設定することができる。
【0021】
第3の発明によれば、ゲームプログラムごとに適切な計時データを設定することができる。
【0022】
第4の発明によれば、ゲーム装置に内蔵されている計時部が計時する計時データで、再生される映像を制御することができる。例えば、店頭販売促進用に設置されているゲーム装置(再生装置)によって販売促進用デモ映像を再生する場合、その発売日に応じて店頭で再生されるプロモーション映像で示されるゲーム内容を制御することができる。ここで、これらの映像の再生には、ゲーム装置に内蔵されている計時部に外部の計時装置が計時した計時設定データに基づいた計時データが設定されていることが前提となり、ゲーム装置の使用者が計時部の計時データを任意に設定することができない。したがって、使用者が計時部を現在時刻とは異なった設定をして不正に映像を再生することができないため、公開規制の掛かっている映像などのコンテンツを保護することができる。
【0023】
第5の発明によれば、ゲーム装置に内蔵されている計時部の計時データで、ゲーム処理の内容を変化させることができる。ここで、特定期間特有のイベントを発生させるには、ゲーム装置に内蔵されている計時部に外部の計時装置が計時した計時設定データに基づいた計時データが設定されていることが前提となり、ゲーム装置の使用者が計時部の計時データを任意に設定することができない。したがって、使用者が計時部を現在時刻とは異なった設定をして不正なゲーム進行を企てることができないため、ゲーム作者の意図に沿った内容でゲーム進行を規制することができる。また、プレイヤが容易に特殊イベントを発生させることができなくなるため、当該特殊イベント自体の特典性が高まる。
【0024】
第6の発明によれば、ゲーム装置に対して着脱自在の計時装置が当該ゲーム装置に装着された状態で計時する計時データに基づいたゲーム内容で処理が進行する。つまり、計時データがゲーム装置とは別の計時装置から得られるものであるため、利用者が不正に計時データを変更することが困難となる。したがって、ゲームプログラムの作成者が意図する時機に適切なゲーム内容でゲーム処理や映像再生処理を進行することができる。また、計時装置が装着されている場合と未装着の場合とでゲーム内容の差別化を図られるため、計時装置の存在価値を高めることができる。
【0025】
また、本発明のゲーム装置、プログラム、およびメモリカードによれば、上述したゲームプログラムと同様の効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
図1を参照して、本発明の一実施形態に係るゲームシステム1について説明する。なお、図1は、当該ゲームシステム1を説明するための外観図である。以下、据置型ゲーム装置を一例にして、本発明のゲームシステム1について説明する。
【0027】
図1において、当該ゲームシステム1は、家庭用テレビジョン受像機等のスピーカ2aを備えたCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ(以下、モニタと記載する)2に、接続コードを介して接続される据置型ゲーム装置(以下、単にゲーム装置と記載する)3によって構成される。ゲーム装置3は、接続コードを介してゲーム装置3と接続されるコントローラ6およびゲーム装置3に対して交換可能に用いられる情報記憶媒体の一例の光ディスク4を含む。ゲーム装置3の上部主面には、当該ゲーム装置3の電源ON/OFFスイッチ、ゲーム処理のリセットスイッチ、およびゲーム装置3上部の蓋を開くOPENスイッチが設けられている。ここで、プレイヤがOPENスイッチを押下することによって上記蓋が開き、光ディスク4の脱着が可能となる。
【0028】
また、ゲーム装置3には、セーブデータ等を固定的に記憶するバックアップメモリ等を搭載する外部メモリカード5が必要に応じて着脱自在に装着される。ゲーム装置3は、光ディスク4に記憶されたゲームプログラムなどを実行することによって、その結果をゲーム画像やムービ映像としてモニタ2に表示する。さらに、ゲーム装置3は、外部メモリカード5に記憶されたセーブデータを用いて、過去に実行されたゲーム状態を再現して、ゲーム画像をモニタ2に表示することもできる。そして、ゲーム装置3のプレイヤは、モニタ2に表示されたゲーム画像を見ながら、コントローラ6を操作することによって、ゲーム進行を楽しむことができる。また、ゲーム装置3のプレイヤは、モニタ2に表示されたムービ映像を楽しむことができる。
【0029】
また、ゲーム装置3には、リアルタイムクロック(RTC)およびマイコンを搭載した外部メモリカード5が必要に応じて着脱自在に装着される。そして、ゲーム装置3は、外部メモリカード5に内蔵されるRTCを読み出して、当該RTCに基づいたゲーム処理やムービ再生処理を行って、ゲーム画像やムービ映像をモニタ2に表示することもできる。
【0030】
コントローラ6は、上述したように接続コードを介してゲーム装置3に接続され、その接続コードは、ゲーム装置3に対して着脱自在である。コントローラ6は、主にモニタ2に表示されるゲーム空間に登場するプレイヤオブジェクトを操作するための操作手段であり、複数の操作ボタン、キー、およびスティック等の入力部を備えている。具体的には、コントローラ6には、プレイヤによって各々把持されるグリップ部が形成される。そして、コントローラ6は、プレイヤの左手の親指等によって操作可能なメインスティック61および十字キー67と、右手の親指等によって操作可能なCスティック68、Aボタン62、Bボタン63、Xボタン64、Yボタン65、およびスタート−ポーズボタン69を含む。さらに、コントローラ6には、プレイヤの左右の人差し指等によってそれぞれ操作可能なRボタン66aおよびLボタン66bを備える。なお、これらの入力部は、後述するゲーム進行に応じてそれぞれ用いられるが、本発明の説明とは直接関連しないため詳細な説明を省略する。
【0031】
次に、図2を参照して、ゲーム装置3の構成について説明する。なお、図2は、ゲーム装置3の機能ブロック図である。
【0032】
図2において、ゲーム装置3は、各種プログラムを実行する例えばリスク(RISC)CPU(セントラルプロセッシングユニット)30を備える。CPU30は、図示しないブートROMに記憶された起動プログラムを実行し、メインメモリ33等のメモリの初期化等を行った後、光ディスク4に記憶されているゲームプログラムの実行し、そのゲームプログラムに応じたゲーム処理やムービ再生を行うものである。CPU30には、メモリコントローラ31を介して、GPU(Graphics Processing Unit)32、メインメモリ33、DSP(Digital Signal Processor)34、およびARAM(Audio RAM)35が接続される。また、メモリコントローラ31には、所定のバスを介して、コントローラI/F(インターフェース)36、ビデオI/F37、外部メモリI/F38、オーディオI/F39、およびディスクI/F41が接続され、それぞれコントローラ6、モニタ2、外部メモリカード5、スピーカ2a、およびディスクドライブ40が接続されている。さらに、メモリコントローラ31には、所定のバスを介して、リアルタイムクロック(RTC)42が接続されている。
【0033】
GPU32は、CPU30の命令に基づいて画像処理を行うものあり、例えば、3Dグラフィックスの表示に必要な計算処理を行う半導体チップで構成される。GPU32は、図示しない画像処理専用のメモリやメインメモリ33の一部の記憶領域を用いて画像処理を行う。GPU32は、これらを用いてモニタ2に表示すべきゲーム画像データやムービ映像を生成し、適宜メモリコントローラ31およびビデオI/F37を介してモニタ2に出力する。
【0034】
メインメモリ33は、CPU30で使用される記憶領域であって、CPU30の処理に必要なゲームプログラム等を適宜記憶する。例えば、メインメモリ33は、CPU30によって光ディスク4から読み出されたゲームプログラムや各種データ等を記憶する。このメインメモリ33に記憶されたゲームプログラムや各種データ等がCPU30によって実行される。
【0035】
DSP34は、ゲームプログラム実行時にCPU30において生成されるサウンドデータ等を処理するものであり、そのサウンドデータ等を記憶するためのARAM35が接続される。ARAM35は、DSP34が所定の処理(例えば、先読みしておいたゲームプログラムやサウンドデータの記憶)を行う際に用いられる。DSP34は、ARAM35に記憶されたサウンドデータを読み出し、メモリコントローラ31およびオーディオI/F39を介してモニタ2に備えるスピーカ2aに出力させる。
【0036】
メモリコントローラ31は、データ転送を統括的に制御するものであり、上述した各種I/Fが接続される。コントローラI/F36は、例えば4つのコントローラI/F36a〜36dで構成され、それらが有するコネクタを介して嵌合可能な外部機器とゲーム装置3とを通信可能に接続する。例えば、コントローラ6は、接続コードを介して上記コネクタと嵌合し、コントローラI/F36を介してゲーム装置3と接続される。ビデオI/F37には、モニタ2が接続される。外部メモリI/F38には、外部メモリカード5が接続され、その外部メモリカード5に設けられたバックアップメモリやマイコンとアクセス可能となる。オーディオI/F39にはモニタ2に内蔵されるスピーカ2aが接続され、DSP34がARAM35から読み出したサウンドデータやディスクドライブ40から直接出力されるサウンドデータをスピーカ2aから出力可能に接続される。ディスクI/F41には、ディスクドライブ40が接続される。ディスクドライブ40は、所定の読み出し位置に配置された光ディスク4に記憶されたデータを読み出し、ゲーム装置3のバスやオーディオI/F39に出力する。
【0037】
RTC42は、所定の周波数に基づいて計時を行う時間をカウントするタイマである。RTC42のカウント値(時刻)は、所定の条件下(例えば、光ディスク4が未装着)でプレイヤによって設定可能である。また、後述により明らかとなるが、RTC内蔵の外部メモリカード5のマイコンから出力されるRTCを示すデータに応じて、当該データに基づいた現在時刻をRTC42のカウント値にコピーすることができる。
【0038】
次に、図3を参照して、RTC内蔵の外部メモリカード5について説明する。なお、図3は、RTC内蔵の外部メモリカード5の機能ブロック図である。
【0039】
図3において、RTC内蔵の外部メモリカード5は、マイクロコンピュータ(マイコン)51、RTCモジュール52、クロック部53、および電源部54を備えている。マイコン51は、RAM511およびROM512を有している。
【0040】
マイコン51は、RTCモジュール52およびクロック部53で構成される計時機能の制御と、ゲーム装置3との通信制御を行う。そして、ROM512には後述する認証コードが格納され、RAM511にはRTCモジュール52が計時する絶対時刻が書き込まれる。そして、マイコン51は、外部メモリカード5がゲーム装置3に接続されたとき、ゲーム装置3(CPU30)と通信してRAM511に書き込まれた絶対時刻を示すデータを出力する。また、ゲーム装置3(CPU30)から認証コードを出力する要請があった際、ROM512に格納された認証コードをゲーム装置3へ出力する。なお、ゲーム装置3のCPU30が上述した通信制御を行う場合やゲーム装置3がRTCモジュール52等を直接アクセスして時刻データを読み出す場合、マイコン51は外部メモリカード5になくてもかまわない。この場合、RTCモジュール52、クロック部53、および電源部54に加えて、RAM511およびROM512などの記憶手段が設けられる。
【0041】
クロック部53は、所定周波数の信号をRTCモジュール52に供給する。RTCモジュール52は、クロック部53から供給された周波数に基づいて、計時を行う。具体的には、RTCモジュール52は、プレイヤによって変更不可の絶対時刻を計時するモジュールである。そして、RTCモジュール52およびクロック部53は、外部メモリカード5がゲーム装置3に装着されている際にゲーム装置3から電源供給を受け、外部メモリカード5が単体で存在する際に電源部54から電源供給を受けて動作をする。電源部54は、外部メモリカード5に内蔵される電池などで構成され、外部メモリカード5が単体で存在する際に外部メモリカード5の各部へ電源供給する。
【0042】
次に、図4〜図10を参照して、ゲーム装置3によって実行される処理について説明する。なお、図4は、ゲーム装置3によって実行される処理の全体処理を示すフローチャートである。図5は、図4のステップS5におけるムービ再生処理の詳細な動作の一例を示すサブルーチンである。図6は、図5のサブルーチンに基づいた動作によって再生されるムービ映像の一例である。図7は、図4のステップS5におけるムービ再生処理の詳細な動作の他の例を示すサブルーチンである。図8は、図7のサブルーチンに基づいた動作によって再生されるムービ映像の一例である。図9は、図4のステップS5におけるゲーム処理の詳細な動作の一例を示すサブルーチンである。図10は、図4のステップS5におけるゲーム処理の詳細な動作の他の例を示すサブルーチンである。
【0043】
ゲーム装置3の電源が投入されると、ゲーム装置3のCPU30は、図示しないブートROMに記憶されている起動プログラムを実行し、メインメモリ33等の各ユニットが初期化される。そして、光ディスク4に格納されたゲームプログラムがメインメモリ33に読み込まれ、CPU30がそのゲームプログラムの実行が開始される。
【0044】
図4において、CPU30は、ゲーム装置3にRTC内蔵の外部メモリカード5が装着されているか否かを判断する(ステップS1)。そして、CPU30は、ゲーム装置3にRTC内蔵の外部メモリカード5が装着されている場合、処理を次のステップS2に進める。一方、CPU30は、ゲーム装置3にRTC内蔵の外部メモリカード5が装着されていない場合、処理を次のステップS5に進める。
【0045】
ステップS2〜S4は、RTC内蔵の外部メモリカード5がゲーム装置3に装着されている場合に行われる前処理である。ステップS2において、CPU30は、外部メモリカード5と光ディスク4との間の認証コードの確認を行う。ここで、外部メモリカード5および光ディスク4の少なくとも一方には、互いの認証を目的とした認証コードが付与されている。例えば、認証コードは、仕向地などのグループコードである。
【0046】
ここで、ゲーム装置3のRTC42を時間単位で正確に設定したい場合、そのゲーム装置3が使用されているタイムゾーン(地域別標準時間帯)を把握する必要がある。上記タイムゾーンは、共通の標準時(地方標準時)を使う地域全体を示している。例えば、外部メモリカード5が全世界共通の仕様で展開され、世界標準時に基づいた時刻を計時しているとする。この場合、CPU30は、光ディスク4に付与されている認証コードで使用されているタイムゾーンを判断する。一方、外部メモリカード5が各タイムゾーン別の仕様で展開され、それぞれタイムゾーンで使用される地方標準時に基づいた時刻を計時しているとする。この場合、CPU30は、外部メモリカード5に格納されている認証コードで使用されているタイムゾーンを判断する。さらに、外部メモリカード5および光ディスク4が共に各タイムゾーン別の仕様で展開され、外部メモリカード5がそれぞれタイムゾーンで使用される地方標準時に基づいた時刻を計時しているとする。この場合、CPU30は、それぞれの認証コードが示すタイムゾーンの一致を確認し、一致するときにそのタイムゾーンでゲーム装置3が使用されていると判断する。なお、タイムゾーンの一致を確認する場合、不一致の際、その旨を示すエラー情報をモニタ2に表示してもかまわない。
【0047】
なお、認証コードの一致を確認する場合、それら認証コードが仕向地やタイムゾーンなどの位置情報を示すものでなくてもかまわない。例えば、単にゲームプログラムとRTC内蔵の外部メモリカード5との組み合わせを確認するための認証コードでもよい。この場合、ゲームプログラムごとに適切な外部メモリカード5を選択することができ、後述で明らかとなるが、ゲーム装置3のRTC42をゲームプログラムごとに適切な時刻に設定することができる。
【0048】
次に、CPU30は、外部メモリカード5から出力された絶対時刻を示すデータに基づいて、ゲーム装置3が使用されているタイムゾーンの地方標準時における時刻を演算し、当該時刻をゲーム装置3のRTC42にコピーする(ステップS3)。例えば、外部メモリカード5が全世界共通の仕様で展開されている場合、CPU30は、外部メモリカード5から出力された絶対時刻を示すデータに基づいて、光ディスク4に付与された認証コードが示すタイムゾーンの地方標準時における時刻を演算し、当該時刻をRTC42にコピーする。また、外部メモリカード5が各タイムゾーン別の仕様で展開され、それぞれタイムゾーンで使用される地方標準時に基づいた時刻を計時している場合、CPU30は、外部メモリカード5から出力された絶対時刻を示すデータに基づいて、当該絶対時刻をRTC42にそのままコピーする。そして、CPU30は、セット完了フラグをONに設定し(ステップS4)、処理を次のステップS5に進める。
【0049】
ステップS5において、CPU30は、RTC42にコピーされた時刻に応じたゲーム処理やムービ再生処理を行う。なお、このステップS5におけるゲーム処理やムービ再生処理の詳細な動作は、複数の例を用いて後述する。
【0050】
ステップS5の処理の後、CPU30は、ゲーム処理またはムービ再生処理が終了したか否か(ステップS6)、ディスクドライブ40の蓋が開かれた(OPENスイッチが押下された)か否か(ステップS7)、およびゲーム装置3の電源がOFFされたか否か(ステップS8)を判断する。そして、CPU30は、ステップS6〜S8における全ての判断が「No」の場合、上記ステップS5に戻って処理を継続する。一方、CPU30は、ステップS6〜S8におけるいずれかの判断が「Yes」の場合、セット完了フラグをOFFに設定し(ステップS9)、当該フローチャートによる処理を終了する。つまり、CPU30は、ゲーム処理やムービ再生処理の終了、OPENスイッチが押下、および電源OFFのいずれかに応じて、セット完了フラグをOFFする。
【0051】
図5を参照して、上記ステップS5における処理の第1の例としてムービ再生処理の一例を説明する。なお、第1の例は、RTC42の時刻を基準に再生するムービを選択する例であり、例えば、公開規制のかかったムービを選択再生する態様である。以下、説明を具体的にするために、日時を3つの期間a〜cに分け、それぞれの期間a〜cに応じて再生可能な販売促進用のムービを変更する一例を用いて説明する。なお、後述する全てのムービは、同一の光ディスク4内に格納されており、モニタ2に各ムービが再生されることによってムービ映像が表現される。
【0052】
図5において、CPU30は、セット完了フラグがONに設定されているか否かを判断する(ステップS11)。そして、CPU30は、セット完了フラグがONに設定されている場合、処理を次のステップS12に進める。一方、CPU30は、セット完了フラグがOFFに設定されている場合、処理を次のステップS15に進める。
【0053】
ステップS12において、CPU30は、RTC42が示している現在の時刻を確認する。次に、CPU30は、上記ステップS12で確認した時刻が期間cに含まれるか否か(ステップS13)、および期間bに含まれるか否か(ステップS14)を判断する。そして、CPU30は、上記ステップS12で確認した時刻が期間cに含まれる場合(ステップS13でYes)、ムービCを再生して(ステップS17)、当該サブルーチンによる処理を終了する。また、CPU30は、上記ステップS12で確認した時刻が期間bに含まれる場合(ステップS14でYes)、ムービBを再生して(ステップS16)、当該サブルーチンによる処理を終了する。さらに、CPU30は、上記ステップS12で確認した時刻が期間aに含まれる場合(ステップS13およびS14がいずれもNo)、デフォルトのムービAを再生して(ステップS15)、当該サブルーチンによる処理を終了する。なお、CPU30は、セット完了フラグがOFFに設定されている場合(ステップS11でNo)も、デフォルトのムービAを再生して(ステップS15)、当該サブルーチンによる処理を終了する。
【0054】
図6を参照して、上記期間a〜cおよびムービA〜Cの一例を説明する。例えば、期間a〜cは、発売日(公開日)を基準に設定され、期間aが発売日から2日前より以前の期間全て、期間bが発売日1日前の1日間、期間cが発売日以降の期間全てとなる。そして、期間aで再生されるムービAは、「○月○日発売!!」というような発売を予告する内容が含まれ、他の映像も期間aに設けられた公開規制に応じた内容となる。期間bで再生されるムービBは、「あと1日」というような発売が翌日に迫っていることを予告する内容が含まれ、他の映像も期間bに設けられた公開規制に応じた内容となる。そして、期間cで再生されるムービCは、「好評発売中」というような発売中であることを示す内容が含まれ、他の映像は公開規制を考慮しない内容となる。なお、RTC内蔵の外部メモリカード5で計時した絶対時刻に応じた時刻が、RTC42にコピーされていない場合、デフォルトのムービAのみ再生が可能となる。
【0055】
図7を参照して、上記ステップS5における処理の第2の例としてムービ再生処理の他の例を説明する。なお、第2の例は、RTC42の時刻を基準に再生するムービの一部を差し替える例であり、例えば、公開までの残り日数に応じてムービの一部を差し替えて再生する態様である。以下、説明を具体的にするために、日時を3つの期間a〜cに分け、それぞれの期間a〜cに応じて販売促進用のムービの一部を変更する一例を用いて説明する。なお、後述する全てのムービは、同一の光ディスク4内に格納されており、モニタ2に各ムービが再生されることによってムービ映像が表現される。
【0056】
図7において、CPU30は、セット完了フラグがONに設定されているか否かを判断する(ステップS21)。そして、CPU30は、セット完了フラグがONに設定されている場合、処理を次のステップS22に進める。一方、CPU30は、セット完了フラグがOFFに設定されている場合、処理を次のステップS25に進める。
【0057】
ステップS22において、CPU30は、RTC42が示している現在の時刻を確認する。次に、CPU30は、上記ステップS22で確認した時刻が期間cに含まれるか否か(ステップS23)、および期間bに含まれるか否か(ステップS24)を判断する。そして、CPU30は、上記ステップS22で確認した時刻が期間cに含まれる場合(ステップS23でYes)、デフォルトのムービA1(ステップS31)、ムービC2(ステップS32)、およびデフォルトのムービA3(ステップS33)をそれぞれシームレスに連続再生して、当該サブルーチンによる処理を終了する。また、CPU30は、上記ステップS22で確認した時刻が期間bに含まれる場合(ステップS24でYes)、ムービA1(ステップS28)、ムービB2(ステップS29)、およびムービA3(ステップS30)をそれぞれシームレスに連続再生して、当該サブルーチンによる処理を終了する。さらに、CPU30は、上記ステップS22で確認した時刻が期間aに含まれる場合(ステップS23およびS24がいずれもNo)、ムービA1(ステップS25)、デフォルトのムービA2(ステップS26)、およびムービA3(ステップS27)をそれぞれシームレスに連続再生して、当該サブルーチンによる処理を終了する。なお、CPU30は、セット完了フラグがOFFに設定されている場合(ステップS21でNo)も、ムービA1(ステップS25)、ムービA2(ステップS26)、およびムービA3(ステップS27)をそれぞれシームレスに連続再生して、当該サブルーチンによる処理を終了する。
【0058】
図8を参照して、上記期間a〜cおよびムービA1〜A3、ムービB2、およびムービC2の一例を説明する。例えば、期間a〜cは、上記第1の例と同様に、発売日(公開日)を基準に設定され、期間aが発売日から2日前より以前の期間全て、期間bが発売日1日前の1日間、期間cが発売日以降の期間全てとなる。そして、ムービA1およびA3は、期間a〜cにおいて共通に再生されるデフォルトのムービであり、ムービA1とA3との間で再生されるムービが各期間a〜cで差し替えられる。期間aでムービA1とA3との間で再生されるムービA2はデフォルトのムービであり、「○月○日発売!!」というような発売を予告する内容が含まれる。期間bで再生されるムービB2は、ムービA2を差し替えて再生されるムービであり、「あと1日」というような発売が翌日に迫っていることを予告する内容が含まれる。そして、期間cで再生されるムービC2は、ムービA2を差し替えて再生されるムービであり、「好評発売中」というような発売中であることを示す内容が含まれる。なお、RTC内蔵の外部メモリカード5で計時した絶対時刻に応じた時刻が、RTC42にコピーされていない場合、デフォルトのムービA1〜A3のみ再生が可能となる。
【0059】
このように、上述した第1および第2の例によれば、ゲーム装置3に内蔵されているRTC42の時刻(日時)で、再生されるムービを制御することができる。例えば、店頭販売促進用に設置されているゲーム装置3によって販売促進用デモディスクを再生する場合、その発売日に応じて店頭で再生されるプロモーションムービを制御することができる。ここで、これらのムービの再生には、ゲーム装置3に内蔵されているRTC42にRTC内蔵の外部メモリカード5が計時したデータに基づいた時刻がコピーされていることが前提となり、ゲーム装置3の使用者がRTC42の時刻を任意に設定することができない。したがって、使用者がRTC42を現在時刻とは異なった設定をして不正にムービを再生することができないため、公開規制の掛かっているムービなどのコンテンツを保護することができる。
【0060】
図9を参照して、上記ステップS5における処理の第3の例としてゲーム処理の一例を説明する。なお、第3の例は、RTC42の時刻を基準にゲーム進行において発生する特殊イベントを制御する態様である。例えば、特殊イベントとして、プレイヤがゲーム装置3を用いてプレイする日時が1月1日0時0分から3日間においてのみ、ゲーム進行上でお年玉を要求すればお年玉をもらうことができるなどの特殊イベントが発生する。
【0061】
図9において、CPU30は、光ディスク4に格納されたゲームプログラムの実行を開始して、モニタ2にゲーム画像が表現されることによって、ゲームが開始されている。そして、CPU30は、ゲーム処理中にプレイヤから特殊イベントの要求を待つ(ステップS41)。そして、プレイヤから特殊イベントの要求があった場合、CPU30は、セット完了フラグがONに設定されているか否かを判断する(ステップS42)。そして、CPU30は、セット完了フラグがONに設定されている場合、処理を次のステップS43に進める。一方、CPU30は、セット完了フラグがOFFに設定されている場合、特殊イベントを未発生にして(ステップS46)、当該サブルーチンによる処理を終了する。
【0062】
ステップS43において、CPU30は、RTC42が示している現在の時刻を確認する。次に、CPU30は、上記ステップS43で確認した時刻が特殊イベントを発生させる有効期間に含まれるか否か(ステップS44)を判断する。そして、CPU30は、上記ステップS43で確認した時刻が上記有効期間に含まれる場合、特殊イベントを発生させて(ステップS45)、当該サブルーチンによる処理を終了する。一方、CPU30は、上記ステップS43で確認した時刻が上記有効期間以外である場合、特殊イベントを未発生にして(ステップS46)、当該サブルーチンによる処理を終了する。
【0063】
図10を参照して、上記ステップS5における処理の第4の例としてゲーム処理の他の例を説明する。なお、第4の例は、RTC42の時刻を基準に特定の期間が来ると、自動的にゲーム進行において特殊イベントが発生する態様である。例えば、プレイヤがゲーム装置3を用いてプレイしている際、日時が毎週日曜夜7時になると自動的に特殊イベントが発生する。
【0064】
図10において、CPU30は、光ディスク4に格納されたゲームプログラムの実行を開始して、モニタ2にゲーム画像が表現されることによって、ゲームが開始されている。そして、CPU30は、セット完了フラグがONに設定されているか否かを判断する(ステップS51)。そして、CPU30は、セット完了フラグがONに設定されている場合、処理を次のステップS52に進める。一方、CPU30は、セット完了フラグがOFFに設定されている場合、特殊イベントを未発生にして(ステップS55)、当該サブルーチンによる処理を終了する。
【0065】
ステップS52において、CPU30は、RTC42が示している現在の時刻を確認する。次に、CPU30は、上記ステップS52で確認した時刻が特殊イベントを発生させる有効期間に含まれるか否か(ステップS53)を判断し、当該有効期間となるまでステップS52およびS53を繰り返す。そして、CPU30は、上記ステップS53で確認した時刻が上記有効期間に含まれる場合、特殊イベントを発生させて(ステップS54)、当該サブルーチンによる処理を終了する。
【0066】
このように、上述した第3および第4の例によれば、ゲーム装置3に内蔵されているRTC42の時刻(日時)で、ゲーム処理の内容を変化させることができる。ここで、上記特殊イベントを発生させるには、ゲーム装置3に内蔵されているRTC42にRTC内蔵の外部メモリカード5が計時したデータに基づいた時刻がコピーされていることが前提となり、ゲーム装置3の使用者がRTC42の時刻を任意に設定することができない。したがって、使用者がRTC42を現在時刻とは異なった設定をして不正なゲーム進行を企てることができないため、ゲーム作者の意図に沿った内容でゲーム進行を規制することができる。また、プレイヤが容易に特殊イベントを発生させることができなくなるため、当該特殊イベント自体の特典性が高まる。
【0067】
また、上述した前処理におけるステップS2およびS3では、外部メモリカード5および/または光ディスク4に付与された認証コードを用いて、ゲーム装置3が使用されているタイムゾーンを把握する。そして、把握したタイムゾーンの地方標準時に応じた現在時刻にRTC42を設定している。つまり、RTC内蔵の外部メモリカード5でRTC42が設定されたゲーム装置3に対して所定のタイマで動作させることが可能となり、タイムゾーンなどの仕向地による時差を考慮しながら、当該時差別でのタイマ制御を行うことができる。
【0068】
なお、図4に示したフローチャートでは、前処理(ステップS2〜S4)以降、ムービ再生およびゲーム処理においてRTC内蔵の外部メモリカード5をゲーム装置3から取り外してもセット完了フラグがON状態での処理が継続される。つまり、前処理時にRTC内蔵の外部メモリカード5を装着していれば、常に当該外部メモリカード5を装着しなくても上記タイマ制御が行われたムービ再生やゲーム処理を行うことができる。したがって、店頭販売促進用に設置されているゲーム装置3が複数あっても、それらの利用者が1つのRTC内蔵の外部メモリカード5を所持していれば、複数のゲーム装置3に対して上記タイマ制御が行われたムービ再生やゲーム処理を複数同時に行うことができる。
【0069】
しかしながら、このような効果を期待しない場合、RTC内蔵の外部メモリカード5がゲーム装置3から取り外された時点でセット完了フラグをOFF状態にしてもかまわない。この場合、上記タイマ制御が行われたムービ再生やゲーム処理を実行するには、必ずゲーム装置3にRTC内蔵の外部メモリカード5を装着していなければならない。このような制御を行うのであれば、RTC内蔵の外部メモリカード5の時刻データに基づいたコピー処理(ステップS3)を行わなくてもかまわない。つまり、上記タイマ制御が行われたムービ再生やゲーム処理を実行する際、適宜CPU30が外部メモリカード5のマイコン51に対して絶対時刻を示すデータの出力を要請して、当該絶対時刻に基づく処理を行えば、上記コピー処理を行わなくても同様のタイマ制御が可能となる。
【0070】
また、ゲーム装置3がRTC内蔵メモリカード対応の光ディスク4をRTC内蔵の外部メモリカード5が装着されていない状態で実行された場合、モニタ2にRTC内蔵の外部メモリカード5の装着が必要である旨の情報を表示したり、警告音をスピーカ2aから発生させたりして、利用者に対する警告を出してもかまわない。
【0071】
また、上記実施例では、ムービの内容やゲーム内容を変化させるゲーム装置3を用いて説明しているが、RTC内蔵の別の計時装置が着脱自在の一般的なパーソナルコンピュータなどの情報処理装置でもかまわない。この場合、この情報処理装置のコンピュータが実行するプログラムは、典型的にゲームに用いられるゲームプログラムに限らず、上述した方式で情報処理内容が変化する汎用的なプログラムである。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明に係るゲームプログラムおよびゲーム装置は、利用者が変更できない時間データに基づいたタイマ制御が可能であり、ムービ再生やゲーム処理におけるタイマ制御の他に、公開規制の掛かっているコンテンツの保護や情報処理装置に対してタイムゾーンに基づく絶対的な時間を設定する手段等の用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の一実施形態に係るゲームシステム1を説明するための外観図
【図2】図1のゲーム装置3の機能ブロック図
【図3】図1におけるRTC内蔵の外部メモリカード5の機能ブロック図
【図4】図1のゲーム装置3によって実行される処理の全体処理を示すフローチャート
【図5】図4のステップS5におけるムービ再生処理の詳細な動作の一例を示すサブルーチン
【図6】図5のサブルーチンに基づいた動作によって再生されるムービ映像の一例
【図7】図4のステップS5におけるムービ再生処理の詳細な動作の他の例を示すサブルーチン
【図8】図7のサブルーチンに基づいた動作によって再生されるムービ映像の一例
【図9】図4のステップS5におけるゲーム処理の詳細な動作の一例を示すサブルーチン
【図10】図4のステップS5におけるゲーム処理の詳細な動作の他の例を示すサブルーチン
【符号の説明】
【0074】
1…ゲームシステム
2…モニタ
2b…スピーカ
3…ゲーム装置
30…CPU
31…メモリコントローラ
32…GPU
33…メインメモリ
34…DSP
35…ARAM
36…コントローラI/F
37…ビデオI/F
38…外部メモリI/F
39…オーディオI/F
40…ディスクドライブ
41…ディスクI/F
42…RTC
4…光ディスク
5…外部メモリカード
51…マイコン
511…RAM
512…ROM
52…RTCモジュール
53…クロック部
54…電源部
6…コントローラ
61…メインスティック
62…Aボタン
63…Bボタン
64…Xボタン
65…Yボタン
66a…Rボタン
66b…Lボタン
67…十字キー
68…Cスティック
69…スタート−ポーズボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
計時データに基づいた処理を行うゲーム装置のコンピュータに実行されるゲームプログラムであって、
前記ゲーム装置に装着される着脱自在の計時装置が計時する計時設定データを取得する計時設定データ取得ステップと、
前記ゲーム装置に内蔵された計時部が計時する計時データを、前記計時設定データ取得ステップが取得した計時設定データに基づいて設定する計時データ設定ステップと、
前記計時データ設定ステップが前記計時データを設定していないときに第1のゲーム内容で処理を進行する第1処理ステップと、
前記計時データ設定ステップが前記計時データを設定したときに前記計時部が計時する計時データに基づいて前記第1のゲーム内容とは異なる第2のゲーム内容で処理を進行する第2処理ステップとを、前記コンピュータに実行させる、ゲームプログラム。
【請求項2】
前記ゲームプログラムおよび前記計時装置に内蔵されたメモリの少なくとも一方には仕向地を示す仕向地情報が記述されており、
前記ゲームプログラムは、前記仕向地情報を抽出して当該仕向地情報が示す仕向地の地域別標準時間帯を決定する仕向地情報抽出ステップを、さらに前記コンピュータに実行させ、
前記計時データ設定ステップは、前記計時設定データを用いて前記仕向地情報抽出ステップが決定した地域別標準時間帯で用いられる共通の標準時に基づいた時刻を演算し、当該時刻を前記計時部が計時する計時データに設定することを特徴とする、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記ゲームプログラムおよび前記計時装置に内蔵されたメモリにはそれぞれ認証コードが記述されており、
前記ゲームプログラムは、前記認証コードをそれぞれ抽出して当該認証コードの一致を判断する認証確認ステップを、さらに前記コンピュータに実行させ、
前記計時データ設定ステップは、前記認証確認ステップが認証コードの一致を確認したときのみ前記計時設定データに基づいて前記計時部が計時する計時データを設定することを特徴とする、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記第1処理ステップは、前記第1のゲーム内容を示す第1映像を再生し、
前記第2処理ステップは、
前記計時データ設定ステップが前記計時データを設定した後に前記計時部が計時する計時データが所定日以後を示すとき、前記第2のゲーム内容として第2映像を再生し、
前記計時データ設定ステップが前記計時データを設定した後に前記計時部が計時する計時データが前記所定日より前を示すとき、前記第1映像を再生することを特徴とする、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記第2処理ステップは、
前記計時データ設定ステップが前記計時データを設定した後に前記計時部が計時する計時データが所定の期間内を示すとき、当該期間特有のイベントが発生する前記第2のゲーム内容でゲーム処理を進行させ、
前記計時データ設定ステップが前記計時データを設定した後に前記計時部が計時する計時データが前記期間外を示すとき、前記イベントが発生しない前記第1のゲーム内容でゲーム処理を進行させ、
前記第1処理ステップは、前記第1のゲーム内容でゲーム処理を進行させることを特徴とする、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
計時データに基づいた処理を行うゲーム装置のコンピュータに実行されるゲームプログラムであって、
前記ゲーム装置に装着される着脱自在の計時装置が計時する計時データを取得する計時データ取得ステップと、
前記計時装置が前記ゲーム装置に未装着のとき第1のゲーム内容で処理を進行する第1処理ステップと、
前記計時装置が前記ゲーム装置に装着されているとき前記計時データ取得ステップで取得する計時データに基づいて前記第1のゲーム内容とは異なる第2のゲーム内容で処理を進行する第2処理ステップとを、前記コンピュータに実行させる、ゲームプログラム。
【請求項7】
販売デモを行うための映像を再生する再生装置のコンピュータに実行されるプログラムであって、
前記再生装置に装着される着脱自在の計時装置が計時する計時設定データを取得する計時設定データ取得ステップと、
前記再生装置に内蔵された計時部が計時する計時データを、前記計時設定データ取得ステップが取得した計時設定データに基づいて設定する計時データ設定ステップと、
前記計時データ設定ステップが前記計時データを設定していないとき、または前記計時データ設定ステップが前記計時データを設定した後に前記計時部が計時する計時データが所定日より前を示すとき、第1映像を再生する第1処理ステップと、
前記計時データ設定ステップが前記計時データを設定した後に前記計時部が計時する計時データが前記所定日以後を示すとき、前記第1映像とは異なる第2映像を再生する第2処理ステップとを、前記コンピュータに実行させる、プログラム。
【請求項8】
計時データに基づいた処理を行うゲーム装置であって、
計時データを計時する計時部と、
前記ゲーム装置に装着される着脱自在の計時装置が計時する計時設定データを取得する計時設定データ取得手段と、
前記計時部が計時する計時データを、前記計時設定データ取得手段が取得した計時設定データに基づいて設定する計時データ設定手段と、
前記計時データ設定手段が前記計時データを設定していないときに第1のゲーム内容で処理を進行する第1処理手段と、
前記計時データ設定手段が前記計時データを設定したときに前記計時部が計時する計時データに基づいて前記第1のゲーム内容とは異なる第2のゲーム内容で処理を進行する第2処理手段とを備える、ゲーム装置。
【請求項9】
計時データに基づいた処理を行うゲーム装置であって、
前記ゲーム装置に装着される着脱自在の計時装置が計時する計時データを取得する計時データ取得手段と、
前記計時装置が前記ゲーム装置に未装着のとき第1のゲーム内容で処理を進行する第1処理手段と、
前記計時装置が前記ゲーム装置に装着されているとき前記計時データ取得手段で取得する計時データに基づいて前記第1のゲーム内容とは異なる第2のゲーム内容で処理を進行する第2処理手段とを備える、ゲーム装置。
【請求項10】
計時データに基づいた処理を行う情報処理装置のコンピュータに実行されるプログラムであって、
前記情報処理装置に装着される着脱自在の計時装置が計時する計時設定データを取得する計時設定データ取得ステップと、
前記情報処理装置に内蔵された計時部が計時する計時データを、前記計時設定データ取得ステップが取得した計時設定データに基づいて設定する計時データ設定ステップと、
前記計時データ設定ステップが前記計時データを設定していないときに第1の処理内容で処理を進行する第1処理ステップと、
前記計時データ設定ステップが前記計時データを設定したときに前記計時部が計時する計時データに基づいて前記第1の処理内容とは異なる第2の処理内容で処理を進行する第2処理ステップとを、前記コンピュータに実行させる、プログラム。
【請求項11】
計時データに基づいた処理を行う情報処理装置のコンピュータに実行されるプログラムであって、
前記情報処理装置に装着される着脱自在の計時装置が計時する計時データを取得する計時データ取得ステップと、
前記計時装置が前記情報処理装置に未装着のとき第1の処理内容で処理を進行する第1処理ステップと、
前記計時装置が前記情報処理装置に装着されているとき前記計時データ取得ステップで取得する計時データに基づいて前記第1の処理内容とは異なる第2の処理内容で処理を進行する第2処理ステップとを、前記コンピュータに実行させる、プログラム。
【請求項12】
ゲーム装置に対して着脱自在のメモリカードであって、
仕向地を示す仕向地情報を格納する記憶部と、
前記仕向地に応じた時刻を計時する計時部と、
前記ゲーム装置に装着された際、当該ゲーム装置からの要求に応じて前記計時部が計時する時刻情報を当該ゲーム装置へ出力する時刻情報出力部とを備える、メモリカード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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