説明

ゲームプログラムおよびゲーム装置

【課題】プレイヤ自身が描いた絵柄などがプレイヤキャラクタの動作に影響を与えるゲームを実現するゲームプログラムおよびゲーム装置を提供する。
【解決手段】第2表示画面12aに示されるゲームフィールドGFに与える入力の変化に応じて、障害物オブジェクトOBを出現させる。ゲームプログラムは、二画面を利用して所定の重力が設定された同じゲームフィールドGFを表示させるものであり、第1表示画面11aには、重力によって自由落下するプレイヤキャラクタPCを含むゲームフィールドGFが表示される。第2表示画面12aには、第1表示画面11aに表示されるゲーム空間に対して下方向に位置するゲーム空間が表示される。障害物オブジェクトOBは、プレイヤキャラクタPCの移動を阻害することができ、障害物オブジェクトOBに接触するプレイヤキャラクタPCの移動方向に基づいて、その移動方向が変更される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラムおよびゲーム装置に関し、より特定的には、タッチパネルに覆われた表示画面を備えるゲーム装置のコンピュータで実行されることによって、表示画面に対する入力の変化に応じてゲーム画像を変化させるゲームプログラムおよびそのゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タッチパネルを用いてプレイヤが手書きして入力した情報に基づいて、ゲームの内容を変化させるゲームがある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1で開示されたゲーム装置は、手書き入力装置2に入力した手書き情報の形状が予め登録されたアイテムと一致した場合に、当該アイテムに基づいてゲームの内容を変化させている。
【0003】
また、プレイヤが自由に描いた絵を、ゲーム空間において操作できるゲームがある(例えば、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−328414号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】”ラクガキができるまで”、[online]、株式会社タイトー/ガラクタスタジオ、[平成16年4月22日検索]、インターネット<URL:http://www.garakuta−studio.com/3d/dekirumade/non_flash_1.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1で開示されたゲーム装置は、アイテムと類似の形をタッチパネルに手書き入力して、その形とアイテムの形状とが一致するかを判定するだけである。つまり、プレイヤが特定の形を手書き入力したときのみ、その形に一致するアイテムがゲームの進行に反映されるため、自由にプレイヤが描き込んだ形によってゲームの内容が変化するような、プレイヤ自身が直接広範に渡ってゲーム世界に関わっている楽しさを味わうことができない。
【0007】
また、非特許文献1で開示されたゲームでは、ゲーム画面中に自由にプレイヤが描き込んだ絵をキャラクタとしてプレイヤが操作することができる。しかしながら、プレイヤが描き込んだ絵をプレイヤが操作するだけなので、プレイヤが描き込んだ絵がゲーム空間に存在する多くのキャラクタに影響を与えるような、プレイヤ自身が直接広範に渡ってゲーム世界に関わっている楽しさを味わうことができない。
【0008】
それ故に、本発明の目的は、プレイヤ自身が描いた絵柄などがプレイヤキャラクタの動作に影響を与えるゲームを実現するゲームプログラムおよびゲーム装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号、ステップ番号(ステップをSと略称しステップ番号のみを記載する)、および補足説
明などは、本発明の理解を助けるために後述する実施形態との対応関係を示したものであって、本発明の範囲を何ら限定するものではない。
【0010】
第1の発明は、プレイヤの操作対象であるプレイヤキャラクタを含むゲーム空間の少なくとも一部を表示画面に表示出力するためにゲーム装置のコンピュータによって実行されるゲームプログラムである。ゲームプログラムは、プレイヤキャラクタ移動ステップ、表示領域設定ステップ、表示出力ステップ、座標検出ステップ、位置算出ステップ、オブジェクト出現ステップ、およびプレイヤキャラクタ移動方向変更ステップを、コンピュータに実行させる。プレイヤキャラクタ移動ステップは、ゲーム空間に対してプレイヤキャラクタを相対的に移動させる。表示領域設定ステップは、ゲーム空間におけるプレイヤキャラクタを含んだ表示領域を設定する。表示出力ステップは、表示領域設定ステップで設定された表示領域内におけるゲーム空間の様子を表示画面に表示出力する。座標検出ステップは、プレイヤによって指示された表示画面上の座標を検出する。位置算出ステップは、座標検出ステップで検出された座標に基づいて、その検出された時点で表示画面に表示されているゲーム空間内の位置座標を算出する。オブジェクト出現ステップは、位置算出ステップで算出されたゲーム空間の位置座標に、その位置座標を固定してそのゲーム空間にオブジェクトを出現させる。プレイヤキャラクタ移動方向変更ステップは、ゲーム空間内でオブジェクトとプレイヤキャラクタとが接触するとき、そのオブジェクトに対するそのプレイヤキャラクタの相対的な移動方向に基づいて、プレイヤキャラクタ移動ステップがそのプレイヤキャラクタを相対的に移動させる移動方向を変更する。なお、座標検出ステップにおけるプレイヤによる指示は、例えばタッチパネルをタッチすることによる直接的な表示画面上の指示や、マウスなどの操作によるカーソルによる指示や、音声認識による指示などが考えられる。
【0011】
第2の発明は、第1表示画面とタッチパネルに覆われた第2表示画面とを備えるゲーム装置のコンピュータによって実行されるゲームプログラムである。ゲームプログラムは、プレイヤキャラクタ移動ステップ、第1表示領域設定ステップ、第2表示領域設定ステップ、表示出力ステップ、座標検出ステップ、位置算出ステップ、オブジェクト出現ステップ、およびプレイヤキャラクタ移動方向変更ステップを、コンピュータに実行させる。プレイヤキャラクタ移動ステップは、ゲーム空間に対してプレイヤの操作対象であるプレイヤキャラクタを相対的に移動させる。第1表示領域設定ステップは、プレイヤキャラクタを含むようにゲーム空間の一部を第1表示領域として設定する。第2表示領域設定ステップは、第1表示領域に基づいて、その第1表示領域とは異なるゲーム空間の一部を第2表示領域として設定する。表示出力ステップは、第1表示領域設定ステップで設定された第1表示領域内の様子を第1表示画面に表示出力するとともに、第2表示領域設定ステップで設定された第2表示領域内の様子を第2表示画面に表示出力する。座標検出ステップは、タッチパネルに対するプレイヤの入力指示に応じて出力される座標を検出する。位置算出ステップは、座標検出ステップで検出された座標に基づいて、その検出された時点で第2表示画面に表示されているゲーム空間内の位置座標を算出する。オブジェクト出現ステップは、位置算出ステップで算出されたゲーム空間の位置座標に、その位置座標を固定してそのゲーム空間にオブジェクトを出現させる。プレイヤキャラクタ移動方向変更ステップは、ゲーム空間内でオブジェクトとプレイヤキャラクタとが接触するとき、そのオブジェクトに対するそのプレイヤキャラクタの相対的な移動方向に基づいて、プレイヤキャラクタ移動ステップがそのプレイヤキャラクタを相対的に移動させる移動方向を変更する。
【0012】
第3の発明は、上記第1または第2の発明において、プレイヤキャラクタ移動ステップは、ゲーム空間に対して所定の方向に向かって働く重力に基づいて、プレイヤキャラクタを相対的に移動させる。オブジェクト出現ステップは、プレイヤキャラクタの移動を阻害する障害物オブジェクトをゲーム空間に出現させる。そして、プレイヤキャラクタ移動方向変更ステップは、ゲーム空間内で障害物オブジェクトとプレイヤキャラクタとが接触す
るとき、そのプレイヤキャラクタがその障害物オブジェクトで移動を阻害されて反射するように移動方向を変更する。
【0013】
第4の発明は、上記第3の発明において、キャラクタ移動ステップおよびキャラクタ移動方向変更ステップを、さらにコンピュータに実行させる。キャラクタ移動ステップは、ゲーム空間に対してプレイヤキャラクタとは異なるキャラクタを相対的に移動させる。キャラクタ移動方向変更ステップは、ゲーム空間内で障害物オブジェクトと異なるキャラクタとが接触するとき、その異なるキャラクタがその障害物オブジェクトで移動を阻害されて反射するようにキャラクタ移動ステップがその異なるキャラクタを相対的に移動させる移動方向を変更する。
【0014】
第5の発明は、上記第1または第2の発明において、プレイヤキャラクタ移動ステップは、ゲーム空間に対して設定された経路に沿ってプレイヤキャラクタを相対的に移動させる。オブジェクト出現ステップは、プレイヤキャラクタの移動方向を導く誘導オブジェクトをゲーム空間に出現させる。そして、プレイヤキャラクタ移動方向変更ステップは、ゲーム空間内で誘導オブジェクトとプレイヤキャラクタとが接触するとき、そのプレイヤキャラクタがその誘導オブジェクトに沿って移動するように移動方向を変更する。
【0015】
第6の発明は、上記第1または第2の発明において、オブジェクト出現ステップは、所定の時間間隔毎に位置算出ステップで算出されたゲーム空間の位置座標をそれぞれ取得し、それら位置座標に応じて複数のオブジェクトを出現させる。
【0016】
第7の発明は、上記第1または第2の発明において、オブジェクト消滅ステップを、さらにコンピュータに実行させる。オブジェクト消滅ステップは、オブジェクト出現ステップがオブジェクトを出現させた後、一定時間が経過するとそのオブジェクトをゲーム空間から消滅させる。
【0017】
第8の発明は、上記第2の発明において、プレイヤキャラクタ移動ステップは、ゲーム空間に対して所定の方向に向かうようにプレイヤキャラクタを相対的に移動させる。そして、第2表示領域設定ステップは、第1表示領域に対して所定の方向に位置するゲーム空間の一部を第2表示領域として設定する。
【0018】
第9の発明は、プレイヤの操作対象であるプレイヤキャラクタを含むゲーム空間の少なくとも一部を表示画面に表示出力するゲーム装置である。ゲーム装置は、プレイヤキャラクタ移動手段、表示領域設定手段、表示出力手段、座標検出手段、位置算出手段、オブジェクト出現手段、およびプレイヤキャラクタ移動方向変更手段を備える。プレイヤキャラクタ移動手段は、ゲーム空間に対してプレイヤキャラクタを相対的に移動させる。表示領域設定手段は、ゲーム空間におけるプレイヤキャラクタを含んだ表示領域を設定する。表示出力手段は、表示領域設定ステップで設定された表示領域内におけるゲーム空間の様子を表示画面に表示出力する。座標検出手段は、プレイヤによって指示された表示画面上の座標を検出する。位置算出手段は、座標検出手段で検出された座標に基づいて、その検出された時点で表示画面に表示されているゲーム空間内の位置座標を算出する。オブジェクト出現手段は、位置算出手段で算出されたゲーム空間の位置座標に、その位置座標を固定してそのゲーム空間にオブジェクトを出現させる。プレイヤキャラクタ移動方向変更手段は、ゲーム空間内でオブジェクトとプレイヤキャラクタとが接触するとき、そのオブジェクトに対するそのプレイヤキャラクタの相対的な移動方向に基づいて、プレイヤキャラクタ移動手段がそのプレイヤキャラクタを相対的に移動させる移動方向を変更する。
【0019】
第10の発明は、タッチパネル、第1表示画面、第2表示画面、プレイヤキャラクタ移動手段、第1表示領域設定手段、第2表示領域設定手段、表示出力手段、座標検出手段、
位置算出手段、オブジェクト出現手段、およびプレイヤキャラクタ移動方向変更手段を備えるゲーム装置である。第2表示画面は、タッチパネルに覆われている。プレイヤキャラクタ移動手段は、ゲーム空間に対してプレイヤの操作対象であるプレイヤキャラクタを相対的に移動させる。第1表示領域設定手段は、プレイヤキャラクタを含むようにゲーム空間の一部を第1表示領域として設定する。第2表示領域設定手段は、第1表示領域に基づいて、その第1表示領域とは異なるゲーム空間の一部を第2表示領域として設定する。表示出力手段は、第1表示領域設定手段で設定された第1表示領域内の様子を第1表示画面に表示出力するとともに、第2表示領域設定手段で設定された第2表示領域内の様子を第2表示画面に表示出力する。座標検出手段は、タッチパネルに対するプレイヤの入力指示に応じて出力される座標を検出する。位置算出手段は、座標検出手段で検出された座標に基づいて、その検出された時点で第2表示画面に表示されているゲーム空間内の位置座標を算出する。オブジェクト出現手段は、位置算出手段で算出されたゲーム空間の位置座標に、その位置座標を固定してそのゲーム空間にオブジェクトを出現させる。プレイヤキャラクタ移動方向変更手段は、ゲーム空間内でオブジェクトとプレイヤキャラクタとが接触するとき、そのオブジェクトに対するそのプレイヤキャラクタの相対的な移動方向に基づいて、プレイヤキャラクタ移動手段がそのプレイヤキャラクタを相対的に移動させる移動方向を変更する。
【発明の効果】
【0020】
上記第1の発明によれば、ゲーム画面中をプレイヤの操作とは無関係に移動するプレイヤキャラクタが登場し、オブジェクトをゲームフィールド内に描き込んでプレイヤキャラクタを間接的に操作することができる。したがって、プレイヤが描いたオブジェクトがプレイヤキャラクタの動作に影響を与えるため、プレイヤは自身が直接広範に渡ってゲーム世界に関わっているような楽しさを得ることができる。
【0021】
上記第2の発明によれば、プレイヤキャラクタを表示する第1表示領域とオブジェクトを生成する第2表示領域を別々に分けているため、プレイヤはプレイヤキャラクタに対して表示領域の異なった位置にオブジェクトを描画することになる。したがって、オブジェクトがプレイヤキャラクタの移動に影響を与えるまでのゲーム空間上の距離が必要となり、プレイヤキャラクタが移動してオブジェクトの位置に到達するまでのプレイヤキャラクタの動きや周囲の状況を推測してオブジェクトを描画しなければならず、上記第1の発明の効果に加えて、より戦略性を高めて間接的にプレイヤキャラクタを操作する楽しさを味わうことができる。
【0022】
上記第3の発明によれば、プレイヤキャラクタの動作を阻害する障害物をゲームフィールド内に描き込んでプレイヤキャラクタを間接的に操作することができる。
【0023】
上記第4の発明によれば、障害物をゲームフィールド内に描き込んでプレイヤキャラクタ以外のキャラクタ(敵キャラクタなど)の移動を間接的に阻害することができる。
【0024】
上記第5の発明によれば、プレイヤキャラクタの動作を誘導するオブジェクトをゲームフィールド内に描き込んでプレイヤキャラクタを間接的に操作することができる。
【0025】
上記第6の発明によれば、1度の操作でゲーム空間上に複数のオブジェクトを続々と生成させる特殊な感覚をプレイヤに与えることができる。
【0026】
上記第7の発明によれば、オブジェクトが一定時間経過後に消去されるため、描き込んだオブジェクトによってゲーム画面が埋まってしまうことがない。また、プレイヤキャラクタがオブジェクトによって動作が阻害された状態で停止しても、やがてオブジェクトが消滅するため、プレイヤキャラクタは、引き続いてゲーム空間を移動する動作を行うこと
ができる。
【0027】
上記第8の発明によれば、プレイヤキャラクタを表示する第1表示領域とオブジェクトを生成する第2表示領域を別々に分け、生成したオブジェクトが第2表示領域からプレイヤキャラクタが配置された第1表示領域へスクロールしていくため、プレイヤはプレイヤキャラクタに対して遠方の位置にオブジェクトを描画することになる。したがって、オブジェクトがプレイヤキャラクタの移動に影響を与えるまでに時間が必要となり、オブジェクトがスクロールしてプレイヤキャラクタの位置に到達するまでのプレイヤキャラクタの動きや周囲の状況を推測してオブジェクトを描画しなければならず、より戦略性を高めて間接的にプレイヤキャラクタを操作する楽しさを味わうことができる。
【0028】
また、本発明のゲーム装置によれば、上述したゲームプログラムと同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施形態に係るゲーム装置1の外観図
【図2】図1のゲーム装置1の構成を示すブロック図
【図3】ゲームフィールドGFと第1表示領域および第2表示領域との関係を示す図
【図4】図1の第1表示画面11aおよび第2表示画面12aにそれぞれ表示されるゲーム画像の一画面例
【図5】図1の第2表示画面12aに入力の変化を与えた場合に、第2表示画面12aに表示されるゲームフィールドGFに障害物オブジェクトOBが出現する一画面例
【図6】図1の第2表示画面12aに表示されるゲームフィールドGFに出現した障害物オブジェクトOBが、第1表示画面11aに表示される一画面例
【図7】障害物オブジェクトOBによってゲームフィールドGFにおけるプレイヤキャラクタPCの移動方向が変化する一画面例
【図8】障害物オブジェクトOBによってゲームフィールドGFにおける敵キャラクタECの移動方向が変化する一画面例
【図9】障害物オブジェクトOBによってゲームフィールドGFにおける敵キャラクタECの移動が停止する一画面例
【図10】本発明のゲームプログラムによって実行される処理を示すフローチャート
【図11】図10のステップ33における障害物オブジェクトの描画・消去処理の詳細な処理を示すサブルーチン
【図12】図10のステップ34におけるプレイヤキャラクタ処理の詳細を示すサブルーチン
【図13】図10のステップ35における敵キャラクタ処理の詳細を示すサブルーチン
【図14】第1表示画面11aに表示される第1表示領域、第2表示画面12aに表示される第2表示領域、およびタッチパネル13の座標系の概念を示す図
【図15】障害物オブジェクトOBと接触した場合にプレイヤキャラクタPCの移動方向が変化する一例を示す図
【図16】障害物オブジェクトOBと接触した場合に敵キャラクタECの移動方向が変化する一例を示す図
【図17】単一の表示装置を備えて左右に二分割して利用するゲーム装置の変形例を示す外観図
【図18】図17のゲーム装置の第1表示画面100Rおよび第2表示画面100Lにそれぞれ表示されるゲーム画像の一画面例
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の一実施形態に係るゲームプログラムを実行するコンピュータを搭載する
携帯型ゲーム装置について説明する。なお、本実施形態に係るゲーム装置として、物理的に二つの表示画面を有し一方の表示画面がタッチパネルに覆われている携帯型ゲーム装置を一例に上げて説明する。例えば、ゲーム装置として、据置型ビデオゲーム装置、アーケードゲーム装置、携帯端末装置、携帯電話、またはパーソナルコンピュータなどにも適用することができる。なお、本発明のゲーム装置は、物理的に一つの表示画面を一画面で使用して、少なくとも一部の表示画面がタッチパネルに覆われているゲーム装置であってもよい。また、ソフトウェアによって物理的に一つの表示画面を二画面に分けて使用し、少なくとも一方の表示画面がタッチパネルに覆われているゲーム装置であってもよい。
【0031】
図1は、本発明の一実施形態に係る携帯型ゲーム装置1の外観図である。図1に示すように、携帯型ゲーム装置1(以下、単に「ゲーム装置1」と記載する)は、第1表示画面11aを有する第1液晶表示装置(以下、「LCD」という)11と、第2表示画面12aを有する第2LCD12とを備えている。第2表示画面12aの表面は、タッチパネル13によって覆われている。また、第2表示画面12aの右側には、プレイヤの右手によって操作可能なAボタン14a、Bボタン14b、およびRスイッチ14cと、ゲーム音楽や音声を出力するためのスピーカ15とが設けられている。一方、第2表示画面12aの左側には、プレイヤの左手によって操作可能な十字キー14d、スタートボタン14e、セレクトボタン14f、およびLスイッチ14gが設けられている。なお、Aボタン14a、Bボタン14b、Rスイッチ14c、十字キー14d、スタートボタン14e、セレクトボタン14f、およびLスイッチ14gを総称して、操作キー14と記載する。
【0032】
また、ゲーム装置1には、タッチパネル13に対する入力を行うためのスタイラス16が含まれ、当該スタイラス16は着脱自在に収納される。さらに、ゲーム装置1には、本発明のゲームプログラムを記憶した記憶媒体であるゲームカートリッジ17(以下、単にカートリッジ17と記載する)が着脱自在に装着される。なお、タッチパネル13の位置検出精度が高い場合にはスタイラス16を利用することが有効であるが、位置検出精度が低い場合にはスタイラス16を利用する必要がなく、例えばプレイヤの指によってタッチパネル13の入力を行うことも可能である。また、タッチパネル13は、抵抗膜式、光学式、超音波式、静電容量式、電磁誘導式などのいずれの方式でもよく、特に抵抗膜式が低コストであるため有利である。また、検出方式は、その構成によりマトリクス方式(デジタル)および抵抗値検出方式(アナログ)のいずれであってもかまわない。
【0033】
図2は、ゲーム装置1の構成を示すブロック図である。図2に示すように、ゲーム装置1は、ゲームプログラムを実行するためのコンピュータの一例であるCPUコア21等を備える。CPUコア(中央処理装置)21には、WRAM(作業用記憶装置)22、第1GPU(画像処理装置)24、第2GPU26、およびI/F(インターフェイス)回路27が所定のバスを介して電気的に接続される。WRAM22は、CPUコア21によって実行されるゲームプログラムやCPUコア21の演算結果などを一次的に記憶するメモリである。第1GPU24は、第1表示領域のゲーム空間をCPUコア21からの指示に応じて第1LCD11に表示出力して第1VRAM(ビデオRAM)23に描画し、描画した当該第1表示領域のゲーム空間の画像を第1LCD11の第1表示画面11aに表示させる。第2GPU26は、第2表示領域のゲーム空間をCPUコア21からの指示に応じて第2LCD12に表示出力して第2VRAM25に描画し、描画した当該第2表示領域のゲーム空間の画像を第2表示画面12aに表示させる。I/F回路27は、タッチパネル13、操作キー14、およびスピーカ15などの外部入出力装置とCPUコア21との間のデータの受け渡しを行う回路である。
【0034】
タッチパネル13(タッチパネル用のデバイスドライバを含む)は、第2VRAM25の座標系に対応する座標系を有し、スタイラス16やプレイヤの指などによって入力(指示)された位置に対応する位置座標のデータを出力するものである。なお、本実施形態で
は、表示画面の解像度は192dot×256dotであり、タッチパネル13の検出精度も表示画面に対応した192dot×256dotとして説明するが、タッチパネル13の検出精度は表示画面の解像度よりも低いものであってもよい。
【0035】
さらに、CPUコア21にはコネクタ28が電気的に接続されており、当該コネクタ28にはカートリッジ17が着脱可能に接続される。カートリッジ17は、ゲームプログラムを格納するための記憶媒体であり、具体的には、ゲームプログラムを記憶するROM17aとバックアップデータを書き換え可能に記憶するRAM17bとを搭載する。カートリッジ17のROM17aに記憶されたゲームプログラムは、WRAM22にロードされ、当該WRAM22にロードされたゲームプログラムがCPUコア21によって実行される。
【0036】
以下、当該ゲームプログラムに基づいて実行されるゲームについて説明する。まず、本ゲームプログラムによる詳細なフローを説明する前に、本発明の理解を容易にするために、その概要について説明する。本実施形態では、第2表示画面12aに示されるゲーム空間に与える入力の変化に応じて、当該ゲーム空間にオブジェクトを出現させる。具体的には、ゲームプログラムは、二画面を利用して所定の重力が設定された同じゲーム空間を表示させるものであり、第1表示画面11aには、プレイヤの操作とは無関係に上記重力によって自由落下するプレイヤキャラクタPCを含むゲーム空間が表示される。そして、第2表示画面12aには、第1表示画面11aに表示されるゲーム空間に対して下方向に位置するゲーム空間が表示される。また、第1表示画面11aおよび第2表示画面12aに表示されるゲーム空間には、第2表示画面12aに示されるゲーム空間に与える入力の変化に応じて障害物オブジェクトOBが出現する。障害物オブジェクトOBは、プレイヤキャラクタPCの移動を阻害することができ、障害物オブジェクトOBに接触するプレイヤキャラクタPCの移動方向に基づいて、当該プレイヤキャラクタPCの移動方向が変更される。なお、本実施例では、ゲーム空間としてゲームフィールドGFを用いる。
【0037】
次に、図3〜図9を参照して、ゲームの具体例について説明する。図3は、ゲームフィールドGFと第1表示領域および第2表示領域との関係を示す図である。図4は、当該ゲームプログラムによって第1表示画面11aおよび第2表示画面12aにそれぞれ表示されるゲーム画像の一画面例である。図5は、第2表示画面12aに入力の変化を与えた場合に、第2表示画面12aに表示されるゲームフィールドGFに障害物オブジェクトOBが出現する一画面例である。図6は、第2表示画面12aに表示されるゲームフィールドGFに出現した障害物オブジェクトOBが、第1表示画面11aに表示される一画面例である。図7は、障害物オブジェクトOBによってゲームフィールドGFにおけるプレイヤキャラクタPCの移動方向が変化する一画面例である。図8は、障害物オブジェクトOBによってゲームフィールドGFにおける敵キャラクタECの移動方向が変化する一画面例である。図9は、障害物オブジェクトOBによってゲームフィールドGFにおける敵キャラクタECの移動が停止する一画面例である。
【0038】
図3に示すように、ゲームフィールドGFの全体マップには背景画像が設けられており、ゲームフィールド座標(x、y)が設定されている。なお、ゲームフィールドGFに設定されている自由落下の方向をy軸方向とし、y軸方向に垂直な横方向をx軸方向とする。後述するプレイヤキャラクタPC、障害物オブジェクトOB、および敵キャラクタECは、それぞれゲームフィールド座標(x、y)に基づいて、ゲームフィールドGF内に配置される。
【0039】
また、ゲームフィールドGFの一部が第1表示領域および第2表示領域に設定される。そして、第1表示領域に含まれるゲームフィールドGFが第1表示画面11aに表示され、第2表示領域に含まれるゲームフィールドGFが第2表示画面12aに表示される。第
1表示領域は、その左上位置に表示基準座標(x1、y1)が設定されており、当該表示基準座標(x1、y1)に応じてゲームフィールド座標平面に配置される。第2表示領域は、その左上位置に表示基準座標(x2、y2)が設定されており、当該表示基準座標(x2、y2)に応じてゲームフィールド座標平面に配置される。
【0040】
後述により明らかとなるが、第1表示領域は、その所定位置にプレイヤキャラクタPCが位置するように設定される。つまり、第1表示領域の表示基準座標(x1、y1)は、ゲームフィールドGFにおけるプレイヤキャラクタPCの配置位置に応じて設定され、プレイヤキャラクタPCの移動に応じて第1表示領域もゲームフィールドGF内を移動する。なお、プレイヤキャラクタPCの配置位置と表示基準座標(x1、y1)との関係は、後述の説明では常に一定(つまり、プレイヤキャラクタPCが第1表示領域内で固定された位置となる)であるが、プレイヤキャラクタPCの移動動作に応じて、その位置関係をオフセットしてもかまわない。
【0041】
一方、第2表示領域は、ゲームフィールドGF内で第1表示領域と一対となった配置位置に設定される。具体的には、第2表示領域は、常に一定の間隔を開けて第1表示領域の真下方向に設けられる。つまり、第2表示領域の表示基準座標(x2、y2)は、x2=x1、y2=y1+aで設定される。ここで、aは、定数である。
【0042】
図4に示すように、ゲーム装置1の第1表示画面11aには第1表示領域のゲームフィールドGFの様子を示すゲーム画像が表示される。そして、ゲーム装置1の第2表示画面12aには第2表示領域のゲームフィールドGFの様子を示すゲーム画像が表示される。ゲームフィールドGFに登場するプレイヤキャラクタPCは、プレイヤの操作とは無関係にゲームフィールドGFを所定の速度で自由落下する主人公キャラクタである。一方、敵キャラクタEC(図4においては、その一例として敵キャラクタEC1およびEC2を表示)は、ゲームフィールドGFを自由に移動して、プレイヤキャラクタPCを攻撃するキャラクタである。
【0043】
上述したように第1表示画面11aには、常にプレイヤキャラクタPCが表示される第1表示領域のゲームフィールドGFが表示される。したがって、プレイヤキャラクタPCが所定の速度でゲームフィールドGFを自由落下するに伴って、第1表示画面11aに表示される第1表示領域もゲームフィールドGFを下方向にスクロールする。また、第2表示画面12aに表示される第2表示領域も、第1表示領域と一対に設定されるためゲームフィールドGFを下方向に同様にスクロールする。したがって、第1表示画面11aおよび第2表示画面12aでは、プレイヤキャラクタPCに対して、ゲームフィールドGFに配置された敵キャラクタECや背景画像Bが相対的に上方向に移動するようなゲーム画像が表現される。図4においては、現在の敵キャラクタECおよび背景画像Bを実線で示しており、所定時間前の敵キャラクタECおよび背景画像Bを破線で示しており、所定時間の経過によって全て上方向に移動している。また、プレイヤキャラクタPCは、現在および所定時間前共に同じ実線で示しており、第1表示領域内で固定された位置に配置される。つまり、プレイヤキャラクタPCを第1表示画面11aのある程度固定した位置に配置して表示し、他の画像を相対的に上方向に移動させて表示することによって、プレイヤキャラクタPCがゲームフィールドGFを自由落下する様子を表現している。
【0044】
図5に示すように、第2表示画面12aの表面に覆われたタッチパネル13を用いて与えられる入力に応じたゲームフィールドGF上の位置に、障害物オブジェクトOBが出現する。第2表示画面12aは、タッチパネル13に覆われているので、第2表示画面12aに表示されるゲームフィールドGFに対応するタッチパネル13の入力を検出することによって、ゲームフィールドGFに与えられる入力の変化を検出することができる。
【0045】
例えば、プレイヤがスタイラス16によって第2表示画面12aを覆うタッチパネル13に対する入力を行う。換言すれば、第2表示画面12aに表示されるゲームフィールドGFに対する入力の指示が行われる。ゲーム装置1では、この入力をリアルタイムに検出することによって、所定時間毎のタッチパネル座標を得てそれぞれゲームフィールド座標(x、y)に換算する。そして、それぞれのゲームフィールド座標(x、y)に応じて、障害物オブジェクトOBがゲームフィールドGF上に配置される。本実施例では、第2表示画面12aにのみタッチパネル13が設けられているため、障害物オブジェクトOBは、第2表示領域に設定されるゲームフィールドGFで出現可能となる。そして、障害物オブジェクトOBは、それぞれ出現したゲームフィールド座標(x、y)に固定してゲームフィールドGFに配置される。
【0046】
図6に示すように、第1表示画面11aおよび第2表示画面12aでは、プレイヤキャラクタPCに対して、ゲームフィールドGFに配置された障害物オブジェクトOBも相対的に上方向に移動するようなゲーム画像が表現される。図6においては、現在の障害物オブジェクトOBを実線で示しており、所定時間前の障害物オブジェクトOBを破線で示しており、所定時間の経過によって全て上方向に移動している。また、プレイヤキャラクタPCは、現在および所定時間前共に同じ実線で示しており、第1表示領域内で固定された位置に配置される。つまり、第2表示領域に設定されるゲームフィールドGFに出現した障害物オブジェクトOBは、第1表示領域および第2表示領域のスクロールによって、第1表示領域内となり、第1表示画面11aで表示されるプレイヤキャラクタPCや敵キャラクタECの近傍に接近する。また、障害物オブジェクトOBは、一定時間が経過すると、それぞれゲームフィールドGFから消滅する。
【0047】
図7に示すように、プレイヤキャラクタPCが障害物オブジェクトOBと接触した場合、障害物オブジェクトOBがプレイヤキャラクタPCの移動を阻害して、ゲームフィールドGFにおけるプレイヤキャラクタPCの移動方向や移動速度が変化する。例えば、障害物オブジェクトOBと接触するとその接触した辺に対して反射するように移動して、プレイヤキャラクタPCは自由落下方向だけでなく、ゲームフィールドGFの左右方向や重力に逆らった上方向にも移動する。このように、プレイヤが描き込んだ障害物オブジェクトOBによって、プレイヤキャラクタPCの移動を間接的に操作できる。図7においては、現在の障害物オブジェクトOBおよび背景画像Bを実線で示しており、所定時間前の障害物オブジェクトOBおよび背景画像Bを破線で示しており、所定時間の経過によって全て右上方向に移動している。また、プレイヤキャラクタPCは、現在および所定時間前共に同じ実線で示しており、第1表示領域内で固定された位置に配置される。このように、プレイヤキャラクタPCが左右方向に移動しても、第1表示画面11aに表示される第1表示領域が反対方向にスクロールして、常にプレイヤキャラクタPCがその中心位置に表示される。
【0048】
図8および図9に示すように、敵キャラクタECが障害物オブジェクトOBと接触した場合、障害物オブジェクトOBが敵キャラクタECの移動を阻害して、ゲームフィールドGFにおける敵キャラクタPCの移動方向や移動速度が変化する。例えば、図8に示すように、敵キャラクタECが障害物オブジェクトOBと接触すると、その接触した障害物オブジェクトOBの辺に対して反射するように移動する。また、図9に示すように、敵キャラクタECが障害物オブジェクトOBと接触すると、その接触した障害物オブジェクトOBによって一時的に移動が停止する。このように、プレイヤが描き込んだ障害物オブジェクトOBによって、敵キャラクタECの移動を邪魔することができる。図8および図9においては、現在の障害物オブジェクトOBおよび敵キャラクタECを実線で示しており、所定時間前の敵キャラクタECを破線で示している。そして、図8においては、敵キャラクタECは、障害物オブジェクトOBに反射してゲームフィールドGFを移動している。また、図8においては、敵キャラクタECは、障害物オブジェクトOBによってゲームフ
ィールドGFにおける移動を停止している。
【0049】
次に、図10〜図16を参照して、当該ゲームプログラムによって実行される処理を具体的に説明する。なお、図10は、当該ゲームプログラムによって実行される処理を示すフローチャートである。図11は、図10のステップ33における障害物オブジェクトの描画・消去処理の詳細な処理を示すサブルーチンである。図12は、図10のステップ34におけるプレイヤキャラクタ処理の詳細を示すサブルーチンである。図13は、図10のステップ35における敵キャラクタ処理の詳細を示すサブルーチンである。図14(a)は第1表示画面11aに表示される第1表示領域の座標系の概念を示す図であり、図14(b)は第2表示画面12aに表示される第2表示領域の座標系の概念を示す図であり、図14(c)はタッチパネル13の座標系の概念を示す図である。図15は、障害物オブジェクトOBと接触した場合にプレイヤキャラクタPCの移動方向が変化する一例を示す図である。図16は、障害物オブジェクトOBと接触した場合に敵キャラクタECの移動方向が変化する一例を示す図である。
【0050】
まず、ゲーム装置1の電源(図示せず)がONされると、CPUコア21によってブートプログラム(図示せず)が実行され、これによりカートリッジ17に格納されているゲームプログラムがWRAM22にロードされる。当該ロードされたゲームプログラムがCPUコア21に実行されることによって、図10に示すステップ(図10では「S」と略称する)が実行される。
【0051】
まず、CPUコア21は、ゲームフィールドGFにおけるプレイヤキャラクタPCの移動方向および移動速度を示す移動ベクトルや配置位置などのデフォルト値を設定する(ステップ31)。そして、CPUコア21は、ゲームフィールドGFにおける複数の敵キャラクタECの移動方向および移動速度を示す移動ベクトルや配置位置などのデフォルト値を、それぞれランダムに設定し(ステップ32)、処理を次のステップに進める。
【0052】
次に、CPUコア21は、障害物オブジェクトOBの描画・消去処理を行い(ステップ33)、プレイヤキャラクタPC(ステップ34)および敵キャラクタEC(ステップ35)に関する処理を行う。これらステップ33〜ステップ35の詳細な処理に内容については、後述する。
【0053】
次に、CPUコア21の命令によって第1GPU24および第2GPU26が動作し、ゲームプログラムに含まれる背景画像B、障害物オブジェクトOB、プレイヤキャラクタPC、敵キャラクタECなどの各種画像データが読み出され、第1VRAM23に第1表示領域のゲームフィールドGFが描画され、第2VRAM25に第2表示領域のゲームフィールドGFが描画される(ステップ36)。そして、ゲーム装置1の第1表示画面11aには第1表示領域のゲームフィールドGFの様子を示すゲーム画像が表示され、第2表示画面12aには第2表示領域のゲームフィールドGFの様子を示すゲーム画像が表示される。
【0054】
後述により明らかになるが、上記ステップ33〜ステップ35の処理によって、ゲームフィールドGFにおける障害物オブジェクトOB、プレイヤキャラクタPCおよび敵キャラクタECの配置位置(ゲームフィールド座標(x、y))がそれぞれ設定されている。そして、CPUコア21は、第1表示領域の表示基準座標(x1、y1)を、第1表示領域の所定位置(例えば、中央)にプレイヤキャラクタPCが配置されるように設定する。さらに、CPUコア21は、第2表示領域の表示基準座標(x2、y2)を、第2表示領域が常に一定の間隔を開けて第1表示領域の真下方向に設けられるように設定する。
【0055】
なお、プレイヤキャラクタPCの配置位置と表示基準座標(x1、y1)との関係が常
に一定であるが、プレイヤキャラクタPCの移動動作に応じて、その位置関係をオフセットしてもかまわない。また、ゲームフィールドGFに対して第1表示領域および第2表示領域に応じた仮想カメラをそれぞれ設定して、それらの仮想カメラの視点を移動させることによって、第1表示領域および第2表示領域のゲームフィールドGFの様子を示すゲーム画像をそれぞれ描画してもかまわない。
【0056】
次に、CPUコア21は、ゲームを終了するか否かを判断し(ステップ37)、ゲームを継続する場合に上記ステップ33に戻って処理を繰り返す。一方、CPUコア21は、ゲームを終了する場合、当該フローチャートによる処理を終了する。例えば、後述するゲームオーバ処理が行われていたり、プレイヤキャラクタPCがゲームフィールドGFにおける目標地点に到達したり、プレイヤがゲームを終了する操作を行ったりした場合に、CPUコア21は、ゲームを終了すると判断する。
【0057】
次に、図11を参照して、上記ステップ33における障害物オブジェクトの描画・消去処理の詳細な処理について説明する。まず、CPUコア21は、タッチパネル13に対する入力の検出を開始する(ステップ41)。次に、CPUコア21は、タッチパネル13からの入力があったか否かを判断する(ステップ42)。そして、CPUコア21は、タッチパネル13からの入力があった場合、処理を次のステップ43に進める。一方、CPUコア21は、タッチパネル13からの入力がない場合、処理を次のステップ48に進める。
【0058】
ステップ43において、CPUコア21は、入力されたタッチパネル座標を検出する。図14(c)に示すように、タッチパネル13は、第2表示画面12aに表示される第2表示領域の座標系に対応する座標系(タッチパネル座標)を有し、スタイラス16やプレイヤの指などによって入力(指示)された位置に対応する位置座標のデータを出力する。つまり、ステップ43では、CPUコア21がタッチパネル13(タッチパネル13を制御するデバイスドライバを含む)から出力される位置座標を検出する。
【0059】
次に、CPUコア21は、検出したタッチパネル座標を図14(b)に示すような第2表示領域の座標系に変換して、第2表示領域の表示基準座標からのオフセットを演算する(ステップ44)。そして、CPUコア21は、ゲームフィールド座標(x、y)に対して設定されている第2表示領域の表示基準座標(x2、y2)を検出し(ステップ45)、上記ステップ44で演算されたオフセットに対するゲームフィールド座標を演算する(ステップ46)。ここで、第1表示領域には図14(a)で示すような座標系が設定されており、第2表示領域には図14(b)で示すような座標系が設定されている。そして、第1表示領域の表示基準座標(図14(a)で示す座標(0、0))は、ゲームフィールドGF上で第1表示領域の所定位置にプレイヤキャラクタPCが配置されるように設定される。また、第2表示領域の表示基準座標(図14(b)で示す座標(0、0))は、ゲームフィールドGF上で第2表示領域が常に一定の間隔を開けて第1表示領域の真下方向に設けられるように設定される。つまり、CPUコア21は、プレイヤキャラクタPCのゲームフィールド座標に基づいて第1表示領域の表示基準座標を設定し、当該第1表示領域の表示基準座標に基づいて第2表示領域の表示基準座標を設定する。このように、ステップ43〜ステップ46の処理によって、上記ステップ43で検出されたタッチパネル座標が、当該タッチパネル座標に対応するゲームフィールド座標(x、y)に座標変換される。
【0060】
次に、CPUコア21は、ステップ46で演算されたゲームフィールド座標(x、y)の位置に障害物オブジェクトOBを生成して、ゲームフィールドGF上に配置し(ステップ47)、処理を次のステップ48に進める。なお、障害物オブジェクト描画・消去処理は、一定の時間毎に処理されるサブルーチンであり、プレイヤがタッチパネル13を用い
た入力を継続しているとき上記ステップ43〜ステップ47も一定時間毎に繰り返される。したがって、障害物オブジェクトOBは、所定時間毎にゲームフィールドGFに出現することになり、入力を継続する時間に応じて複数の障害物オブジェクトOBが生成される(図5参照)。なお、障害物オブジェクトOBは、他の態様でもかまわない。例えば、プレイヤがタッチパネル13を用いて行った入力の始点および終点を検出し、それら始点および終点を結ぶ棒状のオブジェクトを障害物オブジェクトOBとして出現させてもかまわない。
【0061】
ステップ48において、CPUコア21は、ゲームフィールドGFに出現後、一定時間経過した障害物オブジェクトOBがあるか否かを判断する。ゲーム装置1には、上記一定時間を計測するためのタイマーを有しており、CPUコア21は、当該タイマーに基づいて一定時間経過を判断する。そして、CPUコア21は、一定時間経過した障害物オブジェクトOBをゲームフィールドGFから消去して(ステップ49)、当該サブルーチンを終了する。一方、CPUコア21は、一定時間経過した障害物オブジェクトOBがなければ、ゲームフィールドGFの障害物オブジェクトOBをそのまま固定配置して、当該サブルーチンを終了する。
【0062】
上記ステップ48およびステップ49の処理によって、ゲームフィールドGFに出現した障害物オブジェクトOBは、一定時間経過するとゲームフィールドGFから消去される。したがって、プレイヤキャラクタPCがゲームフィールドGF上で障害物オブジェクトOBに動作が阻害された状態で停止しても、やがて障害物オブジェクトOBが消去されるため、プレイヤキャラクタPCは、引き続いてゲームフィールドGFを自由落下する動作を行うことができる。
【0063】
次に、図12を参照して、上記ステップ34におけるプレイヤキャラクタ処理の詳細な処理について説明する。まず、CPUコア21は、ゲームフィールドGF上におけるプレイヤキャラクタPCと障害物オブジェクトOBとの接触を判定し(ステップ51)、それらが接触しているか否かを判断する(ステップ52)。
【0064】
プレイヤキャラクタPCと障害物オブジェクトOBとが接触している場合、CPUコア21は、接触した座標位置における障害物オブジェクトOBの辺の傾きを演算する(ステップ53)。例えば、図15に示すようにプレイヤキャラクタPCが移動ベクトルV1で球状の障害物オブジェクトOBにおける外縁上の点TPで接触したとする。この場合、点TPが接触した座標位置となり、点TPを含む障害物オブジェクトOBの外縁を示す円の接線Sが接触した座標位置における障害物オブジェクトOBの辺となる。図15の例では、辺の傾きは、約45°の左下下がりである。
【0065】
次に、CPUコア21は、プレイヤキャラクタPCの移動ベクトルと辺の傾きとに応じて、新たなプレイヤキャラクタPCの移動ベクトルを演算し(ステップ54)、処理を次のステップ56に進める。例えば、新たなプレイヤキャラクタPCの移動ベクトルは、後述する敵キャラクタECと同様に、上記辺に対して反射するように演算される。図15の例では、移動ベクトルV1が接線Sと点TPで反射するように、新たな移動ベクトルV2が演算される。
【0066】
一方、上記ステップ52でプレイヤキャラクタPCと障害物オブジェクトOBとが接触していないと判断した場合、CPUコア21は、プレイヤキャラクタPCの移動ベクトルをゲームフィールドGFにおける自由落下法則に基づいて、新たなプレイヤキャラクタPCの移動ベクトルを演算し(ステップ55)、処理を次のステップ56に進める。例えば、図15の移動ベクトルV3で示すように、プレイヤキャラクタPCが横方向に移動していても、自由落下法則によって徐々に下方向に移動方向を変えていく。
【0067】
ステップ56において、CPUコア21は、ステップ54またはステップ55で演算された新たな移動ベクトルに基づいて、ゲームフィールドGFにおいてプレイヤキャラクタPCの位置を移動させ、プレイヤキャラクタPCに対する新たなゲームフィールド座標(x、y)を設定する。次に、CPUコア21は、ゲームフィールドGF上でプレイヤキャラクタPCと敵キャラクタECとが接触したか否かを判断する(ステップ57)。CPUコア21は、プレイヤキャラクタPCと敵キャラクタECとが接触した場合、ゲームオーバに設定して(ステップ58)、当該サブルーチンを終了する。一方、CPUコア21は、プレイヤキャラクタPCと敵キャラクタECとが接触していない場合、そのまま当該サブルーチンを終了する。
【0068】
次に、図13を参照して、上記ステップ35における敵キャラクタ処理の詳細な処理について説明する。まず、CPUコア21は、ゲームフィールドGF上において選択した敵キャラクタPCと障害物オブジェクトOBとの接触を判定し(ステップ61)、それらが接触しているか否かを判断する(ステップ62)。そして、CPUコア21は、プレイヤキャラクタPCと障害物オブジェクトOBとが接触している場合に処理を次のステップ63に進める。一方、CPUコア21は、プレイヤキャラクタPCと障害物オブジェクトOBとが接触していない場合に処理を次のステップ66に進める。
【0069】
ステップ63において、プレイヤキャラクタPCと障害物オブジェクトOBとが接触している場合、CPUコア21は、接触した座標位置における障害物オブジェクトOBの辺の傾きを演算する。例えば、図16に示すように敵キャラクタECが移動ベクトルV1で球状の障害物オブジェクトOBにおける外縁上の点TPで接触したとする。この場合、点TPが接触した座標位置となり、点TPを含む障害物オブジェクトOBの外縁を示す円の接線Sが接触した座標位置における障害物オブジェクトOBの辺となる。図16の例では、辺の傾きは、約45°の左下下がりである。
【0070】
次に、CPUコア21は、接触した座標位置を中心に上記辺に垂直な直線を演算する(ステップ64)。そして、CPUコア21は、現在設定されている移動ベクトルに対して、ステップ64で演算した直線を線対称の軸とし方向を反転させることによって、新たな移動ベクトルを演算して(ステップ65)、処理を次のステップ66に進める。例えば、図16の例では、上記ステップ64によって、直線Lが接触した座標位置を中心に上記辺に垂直な直線として演算される。そして、移動ベクトルV1に対して、直線Lを線対称の軸とし方向を反転させた移動ベクトルV2が新たに演算される。なお、図16において、破線の敵キャラクタECが障害物オブジェクトOBと接触前の状態を示し、実線の敵キャラクタECが障害物オブジェクトOBと点TPで接触した後の状態を示している。
【0071】
ステップ66において、CPUコア21は、現在の移動ベクトルに基づいて、ゲームフィールドGFにおいて敵キャラクタECの位置を移動させ、プレイヤキャラクタPCに対する新たなゲームフィールド座標(x、y)を設定する。次に、CPUコア21は、上記ステップ66で移動した敵キャラクタECのゲームフィールドGF上の位置が、第1表示領域より上部側へ外れたか否かを判断する(ステップ67)。第1表示領域より上部側へ外れた位置とは、第1表示領域がゲームフィールドGFの現在の設定位置から左右または下にスクロールしたとしても、当該第1表示領域に含まれることのない位置であり、再びゲーム画像として表現されることのない領域に外れた位置を意味する。そして、CPUコア21は、第1表示領域より上部側へ外れている場合、当該敵キャラクタECをゲームフィールドGFから消去して(ステップ68)、処理を次のステップ69に進める。一方、CPUコア21は、第1表示領域より上部側へ外れていない場合、そのまま処理を次のステップ69に進める。
【0072】
ステップ69において、CPUコア21は、第1表示領域および第2表示領域が設定されているゲームフィールド座標が、敵キャラクタ出現座標に到達したか否かを判断する。そして、敵キャラクタ出現座標に到達した場合、CPUコア21は、第2表示領域より下部側へ外れた領域に新たな敵キャラクタECを出現させて設定し(ステップ70)、処理を次のステップ71に進める。第2表示領域より下部側へ外れた領域とは、第1表示領域および/または第2表示領域がゲームフィールドGFの現在の設定位置から下にスクロールしたとき、いずれ当該第1表示領域および/または第2表示領域に含まれる予定の位置であり、ゲームを継続することによってゲーム画像として表現される可能性のある領域を意味する。一方、敵キャラクタ出現座標に到達していない場合、CPUコア21は、そのまま処理を次のステップ71に進める。
【0073】
ステップ71において、CPUコア21は、ゲームフィールドGFに配置されている全ての敵キャラクタECに対して処理したか否かを判断する。そして、未処理の敵キャラクタECが残っている場合、上記ステップ61に戻って新たな敵キャラクタECを選択して処理を繰り返す。一方、全ての敵キャラクタECに対して処理された場合、当該サブルーチンによる処理を終了する。
【0074】
なお、上述した実施形態では、図1に示したように、物理的に2つの表示装置である第1LCD11の第1表示画面11aに第1表示領域のゲーム画像を、第2LCD12の第2表示画面12aに第2表示領域のゲーム画像を表示するゲーム装置1について説明したが、本発明はこのようなゲーム装置1に実行されるゲームプログラムに限定されない。例えば、単一の物理的な表示装置を備えるゲーム装置であって、当該表示装置の表示画面を上下や左右に二分割して利用してもよい。この単一の表示装置を備えて左右に二分割して利用するゲーム装置の変形例を図17に示す。なお、上述した実施例と同じ構成には同一符号を付しその詳細な説明を省略する。
【0075】
図17に示すように、ゲーム装置1は、上述した第1LCD11および第2LCD12の代わりに単一のLCD100を備える。LCD100の画面は、ゲームプログラムまたはモニタプログラムによって第1表示画面100Lおよび第2表示画面100Rの少なくとも2つの表示画面に分割される。そして、第2表示画面100Rは、タッチパネル18に覆われている。
【0076】
図18は、当該ゲームプログラムによって第1表示画面100Lおよび第2表示画面100Rにそれぞれ表示されるゲーム画像の一画面例である。上述した実施例では、ゲームフィールドGFの一部の上下に設定された第1表示領域および第2表示領域がゲーム画像として表示された。この変形例では、図18に示すように、ゲームフィールドGFの一部の左右に連続する第1表示領域および第2表示領域がそれぞれ設定される。そして、第1表示領域に含まれるゲームフィールドGFが第1表示画面100Lに表示され、第2表示領域に含まれるゲームフィールドGFが第2表示画面100Rに表示される。そして、上述した実施例では、プレイヤキャラクタPCの自由落下に基づいて、基本的にゲームフィールドGF上を下方向へ移動してゲーム進行した。これに対して、本変形例では、プレイヤキャラクタPCが画面下方向に働く重力に従いながら、基本的に経路R上を転がって画面右方向へ移動してゲーム進行する。
【0077】
本変形例のゲームフィールドGFに登場するプレイヤキャラクタPCは、プレイヤの操作とは無関係にゲームフィールドGFを所定の速度で右方向に転がる主人公キャラクタである。そして、ゲームフィールドGFには経路Rが設定され、プレイヤキャラクタPCが経路Rに沿って画面右方向へ転がっていく。そして、第1表示画面100Lには、常にプレイヤキャラクタPCが表示される第1表示領域のゲームフィールドGFが表示される。したがって、プレイヤキャラクタPCが所定の速度でゲームフィールドGFを移動するに
伴って、第1表示画面100Lおよび第2表示画面100Rに表示されるゲーム画面もゲームフィールドGFを右方向にスクロールする(図18(a))。
【0078】
図18(b)に示すように、第2表示画面100Rの表面に覆われたタッチパネル18を用いて与えられる入力に応じたゲームフィールドGF上の位置に、オブジェクトが出現する。本変形例では、タッチパネル18を用いて与えられる入力に応じたゲームフィールドGF上の位置にフリーハンドの線分として誘導オブジェクトOBが出現する。本変形例では、第2表示画面100Rにのみタッチパネル18が設けられているため、誘導オブジェクトOBは、第2表示領域に設定されるゲームフィールドGFで出現可能となる。そして、誘導オブジェクトOBは、出現したゲームフィールド座標に固定してゲームフィールドGFに配置される。そして、プレイヤキャラクタPCは、誘導オブジェクトOBに沿って転がってゲームフィールドGF上を移動する(図18(c))。
【0079】
例えば、図18(a)に示すように、経路Rと経路R1およびR2との間には隙間が形成されており、プレイヤは、このままプレイヤキャラクタPCが経路R上を転がり続ければ当該隙間からプレイヤキャラクタPCが落下することを予想する。また、図18(a)および図18(b)に示すように、経路R2上には敵キャラクタECが配置されおり、プレイヤは、プレイヤキャラクタPCを経路R2に導けば、プレイヤキャラクタPCが敵キャラクタECと遭遇することを予想する。したがって、プレイヤは、図18(b)に示すように、敵キャラクタECとの遭遇を避けながらプレイヤキャラクタPCの移動を続けるために、経路R〜経路R1を接続する誘導オブジェクトOBを作成する。やがて、図18(c)に示すように、プレイヤが作成した誘導オブジェクトOBの位置にプレイヤキャラクタPCが到達すると、プレイヤキャラクタPCは誘導オブジェクトOBに沿って経路Rから経路R1に誘導される。
【0080】
また、プレイヤキャラクタPCと誘導オブジェクトOBとが接触した場合、プレイヤキャラクタPCは、プレイヤが描いた線分の形状に応じて「加速」「減速」「跳ねる」などのリアクションが表現される。つまり、プレイヤが描くフリーハンドの線分である誘導オブジェクトOBも他の経路Rと同様に、リアルタイムに地形として処理される。
【0081】
なお、本変形例の誘導オブジェクトOBも上述した実施例と同様に一定時間が経過すると消滅させてもかまわない。例えば、誘導オブジェクトOBを描いた開始点から終了点に向かって徐々に消えてもいいし、当該開始点から終了点まで同時に消滅してもかまわない。
【0082】
このように、ゲーム画面中をプレイヤの操作とは無関係に移動するプレイヤキャラクタが登場し、障害物や誘導物となるオブジェクトをゲームフィールド内に描き込んでプレイヤキャラクタを間接的に操作することができる。したがって、プレイヤが描いた絵柄などがプレイヤキャラクタの動作に影響を与えるため、プレイヤは自身が直接広範に渡ってゲーム世界に関わっているような楽しさを得ることができる。なお、画面は常に一定方向にスクロールしており、一定時間経過などによってオブジェクトが自動的に消去されるため、描き込んだ絵柄によってゲーム画面が埋まってしまうこともない。
【0083】
また、プレイヤキャラクタを表示する第1表示領域とオブジェクトを生成する第2表示領域を別々に分け、生成したオブジェクトが第2表示領域から第1表示領域へスクロールしていくため、プレイヤはプレイヤキャラクタに対して遠方の位置にオブジェクトを描画することになる。したがって、オブジェクトがプレイヤキャラクタの移動に影響を与えるまでに時間が必要となり、オブジェクトがスクロールしてプレイヤキャラクタの位置に到達するまでのプレイヤキャラクタの動きや周囲の状況を推測してオブジェクトを描画しなければならず、より戦略性を高めて間接的にプレイヤキャラクタを操作する楽しさを味わ
うことができる。
【0084】
なお、このような効果を期待しない場合、タッチパネルに覆われた物理的に1つの表示装置の表示画面にゲーム画像を表示するゲーム装置でもかまわない。この場合、表示画面には上述した第1表示領域および第2表示領域を共に含んだゲームフィールドが表示される。そして、プレイヤは、上記表示画面に表示されたゲームフィールドに対してタッチパネルを用いた入力が可能となり、プレイヤキャラクタの表示位置近傍においてもオブジェクトの生成が可能となる。
【0085】
また、本発明は、タッチパネルを用いることによってプレイヤが直接広範に渡ってゲーム空間に関わるような感覚を得ることができるが、このような効果を期待しない場合、タッチパネルが設けられていないゲーム装置においても適用可能である。例えば、マウスや十字キーなどを操作することによってプレイヤがゲーム空間における位置を指定し、当該位置にオブジェクトを生成するようにすれば、同様のゲームを実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明は、プレイヤが描いた絵柄などがプレイヤキャラクタの動作に影響を与えるゲームを実現することができ、タッチパネルなどの操作装置と少なくとも1つの表示画面とを備えたゲーム装置などにゲームを進行させるゲームプログラムおよびそのゲーム装置として有用である。
【符号の説明】
【0087】
1…ゲーム装置
11…第1LCD
11a、100L…第1表示画面
12…第2LCD
12a、100R…第2表示画面
13、18…タッチパネル
14…操作キー
15…スピーカ
16…スタイラス
17…カートリッジ
21…CPUコア
22…WRAM
23…第1VRAM
24…第1GPU
25…第2VRAM
26…第2GPU
27…I/F回路
28…コネクタ
100…LCD

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤの操作対象であるプレイヤキャラクタを含むゲーム空間の少なくとも一部を表示画面に表示出力するためにゲーム装置のコンピュータによって実行されるゲームプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記ゲーム空間に対して前記プレイヤキャラクタを相対的に移動させるプレイヤキャラクタ移動ステップ、
前記ゲーム空間における前記プレイヤキャラクタを含んだ表示領域を設定する表示領域設定ステップ、
前記表示領域設定ステップで設定された表示領域内におけるゲーム空間の様子を前記表示画面に表示出力する表示出力ステップ、
プレイヤによって指示された前記表示画面上の座標を検出する座標検出ステップ、
前記座標検出ステップで検出された座標に基づいて、当該検出された時点で前記表示画面に表示されているゲーム空間内の位置座標を算出する位置算出ステップ、
前記位置算出ステップで算出された前記ゲーム空間の位置座標に、当該位置座標を固定して当該ゲーム空間にオブジェクトを出現させるオブジェクト出現ステップ、および
前記ゲーム空間内で前記オブジェクトと前記プレイヤキャラクタとが接触するとき、当該オブジェクトに対する当該プレイヤキャラクタの相対的な移動方向に基づいて、前記プレイヤキャラクタ移動ステップが当該プレイヤキャラクタを相対的に移動させる移動方向を変更するプレイヤキャラクタ移動方向変更ステップを実行させることを特徴とする、ゲームプログラム。
【請求項2】
第1表示画面とタッチパネルに覆われた第2表示画面とを備えるゲーム装置のコンピュータによって実行されるゲームプログラムであって、
前記コンピュータに、
ゲーム空間に対してプレイヤの操作対象であるプレイヤキャラクタを相対的に移動させるプレイヤキャラクタ移動ステップ、
前記プレイヤキャラクタを含むようにゲーム空間の一部を第1表示領域として設定する第1表示領域設定ステップ、
前記第1表示領域に基づいて、当該第1表示領域とは異なる前記ゲーム空間の一部を第2表示領域として設定する第2表示領域設定ステップ、
前記第1表示領域設定ステップで設定された第1表示領域内の様子を前記第1表示画面に表示出力するとともに、前記第2表示領域設定ステップで設定された第2表示領域内の様子を前記第2表示画面に表示出力する表示出力ステップ、
前記タッチパネルに対するプレイヤの入力指示に応じて出力される座標を検出する座標検出ステップ、
前記座標検出ステップで検出された座標に基づいて、当該検出された時点で前記第2表示画面に表示されているゲーム空間内の位置座標を算出する位置算出ステップ、
前記位置算出ステップで算出された前記ゲーム空間の位置座標に、当該位置座標を固定して当該ゲーム空間にオブジェクトを出現させるオブジェクト出現ステップ、および
前記ゲーム空間内で前記オブジェクトと前記プレイヤキャラクタとが接触するとき、当該オブジェクトに対する当該プレイヤキャラクタの相対的な移動方向に基づいて、前記プレイヤキャラクタ移動ステップが当該プレイヤキャラクタを相対的に移動させる移動方向を変更するプレイヤキャラクタ移動方向変更ステップを実行させることを特徴とする、ゲームプログラム。
【請求項3】
前記プレイヤキャラクタ移動ステップは、前記ゲーム空間に対して所定の方向に向かって働く重力に基づいて、前記プレイヤキャラクタを相対的に移動させ、
前記オブジェクト出現ステップは、前記プレイヤキャラクタの移動を阻害する障害物オ
ブジェクトを前記ゲーム空間に出現させ、
前記プレイヤキャラクタ移動方向変更ステップは、前記ゲーム空間内で前記障害物オブジェクトと前記プレイヤキャラクタとが接触するとき、当該プレイヤキャラクタが当該障害物オブジェクトで移動を阻害されて反射するように移動方向を変更することを特徴とする、請求項1または2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記ゲーム空間に対して前記プレイヤキャラクタとは異なるキャラクタを相対的に移動させるキャラクタ移動ステップ、および
前記ゲーム空間内で前記障害物オブジェクトと前記異なるキャラクタとが接触するとき、当該異なるキャラクタが当該障害物オブジェクトで移動を阻害されて反射するように前記キャラクタ移動ステップが当該異なるキャラクタを相対的に移動させる移動方向を変更するキャラクタ移動方向変更ステップを、さらに前記コンピュータに実行させることを特徴とする、請求項3に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記プレイヤキャラクタ移動ステップは、前記ゲーム空間に対して設定された経路に沿って前記プレイヤキャラクタを相対的に移動させ、
前記オブジェクト出現ステップは、前記プレイヤキャラクタの移動方向を導く誘導オブジェクトを前記ゲーム空間に出現させ、
前記プレイヤキャラクタ移動方向変更ステップは、前記ゲーム空間内で前記誘導オブジェクトと前記プレイヤキャラクタとが接触するとき、当該プレイヤキャラクタが当該誘導オブジェクトに沿って移動するように移動方向を変更することを特徴とする、請求項1または2に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記オブジェクト出現ステップは、所定の時間間隔毎に前記位置算出ステップで算出された前記ゲーム空間の位置座標をそれぞれ取得し、当該位置座標に応じて複数のオブジェクトを出現させることを特徴とする、請求項1または2に記載のゲームプログラム。
【請求項7】
前記オブジェクト出現ステップがオブジェクトを出現させた後、一定時間が経過すると当該オブジェクトを前記ゲーム空間から消滅させるオブジェクト消滅ステップを、さらに前記コンピュータに実行させることを特徴とする、請求項1または2に記載のゲームプログラム。
【請求項8】
前記プレイヤキャラクタ移動ステップは、前記ゲーム空間に対して所定の方向に向かうように前記プレイヤキャラクタを相対的に移動させ、
前記第2表示領域設定ステップは、前記第1表示領域に対して前記所定の方向に位置する前記ゲーム空間の一部を前記第2表示領域として設定することを特徴とする、請求項2に記載のゲームプログラム。
【請求項9】
プレイヤの操作対象であるプレイヤキャラクタを含むゲーム空間の少なくとも一部を表示画面に表示出力するゲーム装置であって、
前記ゲーム空間に対して前記プレイヤキャラクタを相対的に移動させるプレイヤキャラクタ移動手段と、
前記ゲーム空間における前記プレイヤキャラクタを含んだ表示領域を設定する表示領域設定手段と、
前記表示領域設定ステップで設定された表示領域内におけるゲーム空間の様子を前記表示画面に表示出力する表示出力手段と、
プレイヤによって指示された前記表示画面上の座標を検出する座標検出手段と、
前記座標検出手段で検出された座標に基づいて、当該検出された時点で前記表示画面に表示されているゲーム空間内の位置座標を算出する位置算出手段と、
前記位置算出手段で算出された前記ゲーム空間の位置座標に、当該位置座標を固定して
当該ゲーム空間にオブジェクトを出現させるオブジェクト出現手段と、
前記ゲーム空間内で前記オブジェクトと前記プレイヤキャラクタとが接触するとき、当該オブジェクトに対する当該プレイヤキャラクタの相対的な移動方向に基づいて、前記プレイヤキャラクタ移動手段が当該プレイヤキャラクタを相対的に移動させる移動方向を変更するプレイヤキャラクタ移動方向変更手段とを備えることを特徴とする、ゲーム装置。
【請求項10】
タッチパネルと、
第1表示画面と、
前記タッチパネルに覆われた第2表示画面と、
ゲーム空間に対してプレイヤの操作対象であるプレイヤキャラクタを相対的に移動させるプレイヤキャラクタ移動手段と、
前記プレイヤキャラクタを含むようにゲーム空間の一部を第1表示領域として設定する第1表示領域設定手段と、
前記第1表示領域に基づいて、当該第1表示領域とは異なる前記ゲーム空間の一部を第2表示領域として設定する第2表示領域設定手段と、
前記第1表示領域設定手段で設定された第1表示領域内の様子を前記第1表示画面に表示出力するとともに、前記第2表示領域設定手段で設定された第2表示領域内の様子を前記第2表示画面に表示出力する表示出力手段と、
前記タッチパネルに対するプレイヤの入力指示に応じて出力される座標を検出する座標検出手段と、
前記座標検出手段で検出された座標に基づいて、当該検出された時点で前記第2表示画面に表示されているゲーム空間内の位置座標を算出する位置算出手段と、
前記位置算出手段で算出された前記ゲーム空間の位置座標に、当該位置座標を固定して当該ゲーム空間にオブジェクトを出現させるオブジェクト出現手段と、
前記ゲーム空間内で前記オブジェクトと前記プレイヤキャラクタとが接触するとき、当該オブジェクトに対する当該プレイヤキャラクタの相対的な移動方向に基づいて、前記プレイヤキャラクタ移動手段が当該プレイヤキャラクタを相対的に移動させる移動方向を変更するプレイヤキャラクタ移動方向変更手段とを備えることを特徴とする、ゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2009−154023(P2009−154023A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−100258(P2009−100258)
【出願日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【分割の表示】特願2004−137535(P2004−137535)の分割
【原出願日】平成16年5月6日(2004.5.6)
【出願人】(000233778)任天堂株式会社 (1,115)
【Fターム(参考)】