説明

ゲームプログラム及びゲーム機

【課題】キャラクタの操作を困難にしてプレイの面白さを向上するゲームのゲームプログラム及びゲーム機を提供する。
【解決手段】ゲームプログラム21は、ゲーム機1を、マップ情報で表されるフィールドFを記憶するマップ情報テーブル23と、マップ情報テーブル23に記憶されたフィールドFを進行方向Hに移動するキャラクタ33を表示する表示手段11と、キャラクタ33を、所定のタイミングごとに進行方向Hとは直交する方向である左右方向Xにランダムに移動させる第1移動手段13と、プレイヤPの操作を受け付ける操作部5と、操作部5の操作に対応して、第1移動手段13により左右方向Xに移動しているキャラクタ33を、さらに左右方向Xに移動させる第2移動手段14と、して機能させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の時間以内に、所定のコースを進行するキャラクタをゴールまで移動させるゲームのゲームプログラム及びゲーム機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、所定の時間以内に、所定のコースを進行する自動車をゴールまで移動させるカーレースゲーム機が提案されている(例えば、特許文献1)。特許文献1に記載のカーレースゲーム機は、プレイヤが、ハンドルやアクセル、ブレーキといった運転操作を行うことにより、その操作に対応して動作する画面上の自動車を、ゴールにいち早く移動させて、タイムを競うものであった。
【特許文献1】特開2002−143553号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1に記載のカーレースゲーム機は、プレイヤの操作に応じて自動車をプレイヤの意思に合わせて操作するものでしかなかった。
【0004】
本発明の課題は、キャラクタの操作を困難にしてプレイの面白さを向上するゲームのゲームプログラム及びゲーム機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。また、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
【0006】
請求項1の発明は、コンピュータ(1)を、仮想領域(F)を記憶する仮想領域記憶手段(23)と、前記仮想領域記憶手段に記憶された前記仮想領域を進行方向(H)に移動するキャラクタ(33)を表示する表示手段(11)と、前記キャラクタを、所定のタイミングごとに前記進行方向とは直交する方向である左右方向(X)にランダムに移動させる第1移動手段(13)と、プレイヤ(P)の操作を受け付ける操作手段(5)と、前記操作手段の操作に対応して、前記第1移動手段により前記左右方向に移動している前記キャラクタを、さらに前記左右方向に移動させる第2移動手段(14)と、して機能させること、を特徴とするゲームプログラム(21)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載のゲームプログラム(21)において、前記コンピュータ(1)を、ゲームの難易度を決定する難易度決定手段(12)として機能させ、前記第1移動手段(13)を、前記難易度決定手段により決定された前記ゲームの難易度に応じて前記左右方向(X)の移動幅を決定して、前記移動幅の範囲内で前記キャラクタ(33)を前記左右方向にランダムに移動させるように機能させること、を特徴とするゲームプログラムである。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載のゲームプログラム(21)において、前記コンピュータ(1)を、ゲームの難易度を決定する難易度決定手段(12)として機能させ、前記第1移動手段(13)を、前記難易度決定手段により決定された前記ゲームの難易度に応じて前記所定のタイミングの時間間隔を決定して、前記キャラクタ(33)を前記左右方向(X)にランダムに移動させるように機能させること、を特徴とするゲームプログラムである。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のゲームプログラム(21)において、前記第2移動手段(14)を、前記操作手段(5)の操作を受け付けてから所定の応答時間の経過後に、前記キャラクタ(33)を前記左右方向(X)に移動させるように機能させること、を特徴とするゲームプログラムである。
請求項5の発明は、請求項4に記載のゲームプログラム(21)において、前記第2移動手段(14)を、前記プレイヤ(P)による前記操作手段(5)への連続操作の度合いに応じて前記所定の応答時間を変化して、前記キャラクタ(33)を前記左右方向(X)に移動させるように機能させること、を特徴とするゲームプログラムである。
請求項6の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のゲームプログラム(21)において、前記操作手段(5)を、前記キャラクタ(33)の左右方向(X)の移動に対応させて左右に配置された2つの操作部材(5L,5R)からの操作を受け付けるように機能させ、前記第2移動手段(14)を、前記プレイヤ(P)による前記操作部材への連続操作の度合いに応じて、前記キャラクタの左右方向の移動幅を大きく変更して移動させるように機能させること、を特徴とするゲームプログラムである。
請求項7の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のゲームプログラム(21)において、前記コンピュータ(1)を、前記キャラクタ(33)を表示画面(32)の所定の位置に配置し、前記第1移動手段(13)及び前記第2移動手段(14)による前記キャラクタの前記仮想領域(F)の移動に対応させて背景画像を変化させる背景移動手段(16)として機能させること、を特徴とするゲームプログラムである。
請求項8の発明は、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載のゲームプログラム(21)において、前記表示手段(11)を、オブジェクト(41〜45,46L,46R)が配置された前記仮想領域(F)を背景画像として表示するように機能させ、前記コンピュータ(1)を、前記キャラクタ(33)が前記オブジェクトに接触したことに応じて、前記キャラクタの進行度合いを変化させる第3移動手段(15)として機能させること、を特徴とするゲームプログラムである。
請求項9の発明は、請求項8に記載のゲームプログラム(21)において、前記表示手段(11)を、複数の種類の前記オブジェクト(41〜45,46L,46R)が配置された前記仮想領域(F)を背景画像として表示するように機能させ、前記第3移動手段(15)を、前記キャラクタ(33)が前記オブジェクトに接触したことに応じて、前記オブジェクトの種類に対応して前記キャラクタの進行度合いを変化させるように機能させること、を特徴とするゲームプログラムである。
請求項10の発明は、請求項8又は請求項9に記載のゲームプログラム(21)において、前記表示手段(11)を、前記キャラクタ(33)を人物を模して表示するように機能させ、前記第3移動手段(15)を、前記キャラクタが前記オブジェクト(41〜45,46L,46R)に接触したことに応じて、前記キャラクタが前記オブジェクトに対して話しかけるように演出し、前記キャラクタの進行を話しかけている時間停止させるように機能させること、を特徴とするゲームプログラムである。
【0007】
請求項11の発明は、請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載のゲームプログラム(21)を記憶する記憶手段(20)と、前記操作手段(5)と、前記操作手段の操作に応じて、前記記憶手段に記憶された前記ゲームプログラムを実行する制御手段(10)と、を備えたゲーム機(1)である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本発明は、仮想領域を進行方向に移動するキャラクタであって、所定のタイミングごとに進行方向とは直交する方向である左右方向にランダムに移動するキャラクタを表示し、操作手段の操作によりキャラクタの左右の移動を制御する。よって、プレイヤの意思によらずに左右方向に気まぐれに動くキャラクタを、プレイヤが操作して、キャラクタの動作を制御することができる。よって、プレイヤが繰り返しプレイしても、キャラクタの動きが単調ではなく、キャラクタの動作を予想しづらくすることができるので、プレイヤがいつでも新鮮味をもってプレイできるゲームを提供できる。
【0009】
(2)本発明は、ゲームの難易度を決定して、難易度に応じて左右方向へのキャラクタの移動幅を決定する。よって、プレイヤの意思によらずに左右方向へランダムに動くキャラクタの移動幅を変更することで、プレイの難易度を変化させることができる。
【0010】
(3)本発明は、ゲームの難易度を決定して、難易度に応じて左右方向へのキャラクタの移動の時間間隔を決定する。よって、プレイヤの意思によらずに左右方向へランダムに動くキャラクタの移動に関する時間間隔を変更することで、プレイの難易度を変化させることができる。
【0011】
(4)本発明は、操作手段の操作を受け付けてから所定の応答時間の経過後に、キャラクタを左右方向に移動させるので、プレイヤの操作から遅らせてキャラクタを移動させることで、プレイをより複雑にすることができる。
【0012】
(5)本発明は、操作手段のプレイヤによる連続操作の度合いに応じて、所定の応答時間を変化させて、キャラクタを左右方向に移動させるので、プレイヤの操作の度合いに応じた時間分を遅らせてキャラクタを移動させることで、プレイをより複雑にすることができる。
【0013】
(6)本発明は、操作手段として、キャラクタの左右方向の移動に対応させて左右に配置された2つの操作部材からの操作を受け付けるので、プレイヤが直感的に操作をすることができる。また、操作手段のプレイヤによる連続操作の度合いに応じて、左右方向の移動幅を大きく変更して移動させるので、プレイヤの操作の度合いが大きい場合には、移動幅を大きく変化させることで、プレイをより面白くすることができる。
【0014】
(7)本発明は、第1移動手段及び第2移動手段により移動するキャラクタを、表示画面の所定の位置に配置して、キャラクタの移動に対応付けて背景画像を変化させる。よって、キャラクタを中心とした画像で、プレイが進行する態様のゲームを提供することができる。
【0015】
(8)本発明は、進行するキャラクタが、背景画像に含むオブジェクトに接触することで、キャラクタの進行度合いを変化させるので、プレイを面白く演出することができる。また、オブジェクトの種類を複数種類にして、オブジェクトの種類に応じて、キャラクタの進行度合いに変化を与えることで、面白いプレイを提供できる。
【0016】
(9)本発明は、人物を模したキャラクタが、オブジェクトに接触することで、オブジェクトに対して話しかけるように演出し、話しかけている間は進行を停止するので、左右に揺れながら歩くキャラクタが、オブジェクトにぶつかって話しかけている間分のプレイ時間をロスするゲームを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明は、キャラクタの操作を困難にしてプレイの面白さを向上するゲームのゲームプログラム及びゲーム機を提供するという課題を、ゲームプログラムが、コンピュータを、仮想領域を記憶する仮想領域記憶手段と、仮想領域記憶手段に記憶された仮想領域を進行方向に移動するキャラクタを表示する表示手段と、キャラクタを、所定のタイミングごとに進行方向とは直交する方向である左右方向にランダムに移動させる第1移動手段と、プレイヤの操作を受け付ける操作手段と、操作手段の操作に対応して、第1移動手段により左右方向に移動しているキャラクタを、さらに左右方向に移動させる第2移動手段と、して機能させることによって実現した。
【0018】
(実施形態)
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲は、これに限られるものではない。
図1は、本実施形態に係るゲーム機1の全体構成を示す図である。ゲーム機1は、例えば、ゲームセンタ等に設置される大型の業務用ゲーム機であり、複数のミニゲームを複数のプレイヤPで行うことができるビデオゲーム機である。ゲーム機1は、ミニゲームの1つであって、プレイヤPの操作によって、酒気を帯びて足元がふらついた千鳥足のサラリーマン風のキャラクタ33(図3参照)を、所定の制限時間の間にゴールである家61(図10参照)まで移動させて帰宅させることで、ゲームクリアになる「午前様ゲーム」を行うビデオゲーム機である。
【0019】
ゲーム機1は、筐体2と、表示部3と、音声出力部4と、操作部5と、台座7と、コイン投入口8とを備える。
筐体2は、ゲーム機1のケースである。
表示部3は、ディスプレイ等に代表され、プレイ内容を表示する画面である。表示部3は、プレイヤPが見ながらプレイができるように、プレイヤPの視認可能な位置に配置されている。表示部3には、プレイ開始前は、例えば、ゲーム機1のゲーム内容等を示すデモンストレーション画面が表示され、プレイ中は、プレイに応じた内容の画像が表示される。
音声出力部4は、スピーカ等に代表され、効果音等を出力する装置である。音声出力部4は、表示部3の下方に左右に計2つ配置されている。音声出力部4は、プレイ中にプレイに応じた効果音や音楽を出力し、臨場感溢れるプレイを演出する。
【0020】
操作部5(操作手段)は、音声出力部4の下方かつプレイヤPが操作しやすいように、プレイヤPの腰の位置付近の高さの台座7の上に配置されている。操作部5は、プレイヤPの左右の手による操作入力を受け付ける。操作部5は、3人のプレイヤP(Pa,Pb,Pc)の各々が表示部3に対向して直立して、表示部3を見ながら操作できるように、プレイヤPの左右方向X1からX2に向かって順番に、3つの操作部5(5a,5b,5c)が、均等な間隔で配置されている。プレイヤPaは、操作部5aを、プレイヤPbは、操作部5bを、プレイヤPcは、操作部5cを、それぞれ独立して操作する。なお、操作部5a,5b,5cは、同様の構成を有する。操作部5は、色の異なる4つのボタンが、プレイヤPから見て左右方向Xと奥手前方向Yとに配置されている。
【0021】
コイン投入口8は、台座7の奥方向Y2に設けられている。コイン投入口8は、プレイヤPにより所定のコインが投入される。
所定のコインを投入して、プレイヤPが複数のミニゲームから1つのミニゲームを操作部5を用いて選択することで、ゲーム機1は、選択されたミニゲームのプレイを開始する。なお、ゲーム機1は、例えば、コイン投入口8に代わってプリペイドカード等によって、プレイ料金の支払いを実現できるものを用いてもよい。
【0022】
次に、ゲーム機1の機能ブロックについて説明する。
図2は、本実施形態に係るゲーム機1の機能ブロックを示す図である。
ゲーム機1は、図1で説明した表示部3、音声出力部4、操作部5、コイン投入口8の他、制御部10及び記憶部20を備えており、その各々がバスライン9を介して接続されている。
バスライン9は、ゲーム機1内でアドレス信号やデータを伝送するラインである。
【0023】
制御部10は、表示手段11、難易度決定手段12、第1移動手段13、第2移動手段14、第3移動手段15、背景移動手段16を備える。
制御部10は、情報の演算、及び処理を行う情報演算処理装置(CPU)であり、当該ゲーム機1の全体を制御するものである。制御部10は、後述する記憶部20に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、ゲーム機1のハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。
【0024】
表示手段11は、表示領域であるフィールドF(図3参照)の表示部3への表示に関する処理を行う制御部である。
難易度決定手段12は、プレイ開始時に、ゲームの難易度を決定する制御部である。
第1移動手段13は、フィールドFを移動するキャラクタ33の進行方向である上方向H1(図3参照)とは直交する方向である左右方向X(図3参照)に、所定のタイミングごとにランダムに、キャラクタ33を移動させる制御部である。
第2移動手段14は、操作部5の操作により、キャラクタ33を左右方向Xに移動させる制御部である。
第3移動手段15は、キャラクタ33がオブジェクト(後述する)に接触したことで、キャラクタ33の進行度合いを変化させる制御部である。
背景移動手段16は、キャラクタ33の移動に対応させて、キャラクタ33の背景画像を変化させる制御部である。
これらの各制御手段の処理の詳細は、後述する。
【0025】
記憶部20は、制御部10で実行される「午前様ゲーム」のゲームプログラム21、その他のプログラム28及びパラメータ等を記憶する一時記憶領域29を備える。
ゲームプログラム21は、操作部5の操作に対応する処理を格納した操作対応テーブル22を含む。ゲームプログラム21は、キャラクタ33が移動するマップ情報を格納するマップ情報テーブル23(仮想領域記憶手段)を含む。また、ゲームプログラム21は、プレイの難易度を格納する難易度テーブル24を含む。さらに、ゲームプログラム21は、操作部5の操作の度合いによりキャラクタ33の移動に関する反応度合いを格納する連打反応テーブル25を含む。
【0026】
その他のプログラム28は、ゲームプログラム21を除く、その他の複数のミニゲームのゲームプログラムや、複数のミニゲームを選択する画面を表示等するためのプログラム、デモンストレーション画面を表示等するプログラムを含む。
一時記憶領域29は、ゲームプログラム21やその他のプログラム28等の各種のプログラムの実行時に、テーブル等を展開するためのローカルメモリ、及びキャッシュメモリを含んでよい。
【0027】
記憶部20を実現するものとして、電気的、磁気的、光学的、電磁的に実現するものを含んでよい。より具体的には、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、リードオンリー・メモリ(ROM)等を含む半導体記憶装置、磁気ディスク等が含まれる。
なお、本発明でいうコンピュータとは、記憶装置、制御部等を備えた情報処理装置をいい、ゲーム機1は、記憶部20、制御部10等を備えた情報処理装置であり、本発明のコンピュータの概念に含まれる。
【0028】
次に、表示部3に表示されるプレイ画面30に沿って、1人のプレイヤPがプレイをする場合の「午前様ゲーム」のプレイ内容について説明しながら、制御部10の処理について説明する。
図3は、本実施形態に係るプレイ画面30の例を示す図である。
図4は、本実施形態に係るフィールドFの例を示す図である。
図5は、本実施形態に係るマップ情報テーブル23を示す図である。
【0029】
(プレイ画面30の構成)
図3に示すように、プレイ画面30は、上方向H1に配置された得点表示部31と、得点表示部31の下方に配置されたフィールド表示部32とから構成される。なお、複数人(例えば、3人)でプレイをする場合には、表示部3の左右方向Xに、このプレイ画面30を3つ並べて表示する。そして、プレイヤP(Pa、Pb,Pc)は、プレイヤP(Pa、Pb,Pc)に対応する所定のプレイ画面30を見ながらプレイをする。
【0030】
得点表示部31は、プレイヤPの得点をノルマ達成度として表示する。ノルマ達成度は、「達成数/プレイ回数」の形態で表示されている。図3の例では、プレイ回数は「2」である。よって、プレイヤPは、後述するプレイ時間内にキャラクタ33を帰宅させるプレイを「2」回行い、そのうち1回以上キャラクタ33を帰宅させることで、「1/2以上」という本ゲームのノルマを達成することができる。
フィールド表示部32には、フィールドFの一部を表示する。
【0031】
フィールドFは、実際にゲームが行われる仮想領域である。フィールドFは、とあるスタート地点からゴールである家61(図10参照)までの道のりを、サラリーマン風のキャラクタ33の斜め上方の後ろからの視点で構成したものである。
フィールドFの一部を表示するフィールド表示部32には、キャラクタ33の他、プレイ時間表示部34と、ボタン表示部35R及び35Lと、道のりメータ36とが配置されている。
【0032】
キャラクタ33は、酒気を帯びたサラリーマン風の男性の画像により構成され、その画像は、頭にはネクタイを巻き、その右手には土産を持っている。そして、キャラクタ33は、フィールドFの所定の位置に配置して表示され、フィールドFを上方向H1に進行しながら、左右方向Xに揺れて移動して、酒気を帯びて千鳥足である状態を演出する。実際には、キャラクタ33は、フィールドFの所定の位置に配置したままである。つまり、ゲーム機1は、キャラクタ33の背景画像をキャラクタ33の移動に合わせて移動させることで、キャラクタ33の移動を表す。
プレイ時間表示部34は、プレイ時間を表示する。プレイ時間表示部34に表示されたプレイ時間は、プレイ開始と同時にカウントダウンされる。そして、プレイ時間が0になるまでに、プレイヤPは、キャラクタ33を家61まで移動して帰宅させる。キャラクタ33が無事に家61に到着するか、又はプレイ時間が0になると、制御部10は、そのプレイを終了する。制御部10は、本ゲームのプレイ回数である2回のプレイ終了時において、1回でもゴールに到達できれば、ノルマを達成する。制御部10は、ノルマ達成時には、プレイクリア処理を行い、ノルマ未達成時には、ゲームオーバーの処理を行う。
【0033】
ボタン表示部35L,35Rは、フィールド表示部32の下方向H2のキャラクタ33の左方向X1と右方向X2とに各々1つずつ配置されている。フィールド表示部32は、左方向X1にボタン表示部35Lを、右方向X2にボタン表示部35Rを表示する。ボタン表示部35L及び35Rは、操作部5のボタン5L及び5R(図7参照)に対応する。制御部10は、ボタン表示部35L,35Rを、操作部5の対応するボタン5L,5Rの操作により、その色を明るい色に変化させて、ボタン5L,5Rが押下されたことがプレイヤPに分かるように表示する。
道のりメータ36は、スタートからゴールまでの道のりのうちキャラクタ33の位置を、メータの色の変化により示すものである。
【0034】
(フィールドFの説明)
図4に示すように、フィールドFには、破線で示されたエリア40、電柱41、バナナの皮42、警官43、空き缶44、ススム標識45、左方向X1のブロック壁46L及び右方向X2のブロック壁46Rが配置されている。
図4中、破線で示されたエリア40は、図3のフィールド表示部32に表示されるフィールドFの一部である。
電柱41、バナナの皮42、警官43、空き缶44、ススム標識45、左右方向Xのブロック壁46L,46Rは、いずれも、キャラクタ33に接触することで、キャラクタ33の進行の度合いを変化させるオブジェクトである。
フィールドFは、様々なオブジェクトを、次に説明するマップ情報テーブル23に基づいて配置する。
【0035】
(マップ情報テーブル23)
次に、フィールドFを構成するマップ情報を記憶したマップ情報テーブル23について説明する。
図5に示すマップ情報テーブル23は、ゲームプログラム21に対応付けて記憶される。マップ情報テーブル23は、パターンaであるマップパターン23−1から、パターンnであるマップパターン23−nまで、複数のパターンのマップ情報を格納している。
【0036】
各マップパターン23−1〜23−nで表されるマップ情報は、各々スタート地点からゴール地点までの、オブジェクトの配置状況を示す。マップ情報は、左右方向Xを8分割にし、進行方向Hを50分割にしたブロックにより表され、オブジェクトを各ブロックに配置する。各マップパターン23−1〜23−nは、オブジェクトの配置が各々異なっており、オブジェクトの配置状況により、プレイの難易度を変化させることができる。
オブジェクトである電柱41は、進行方向Hに直交する左右方向Xの両端のブロックに、進行方向Hに一定の間隔で配置されている。また、バナナの皮42、警官43、空き缶44、ススム標識45は、ランダムな場所のブロックに配置されている。なお、バナナの皮42、警官43、空き缶44、ススム標識45の配置は、バナナの皮42、警官43、空き缶44、ススム標識45の左右方向Xの位置を予め決めておいて、進行方向Hの位置をランダムに決定して配置してもよい。ブロック壁46L,46Rは、マップ情報の左右方向Xの両端に連なって配置される。このスタートからゴールまでの道のりは、キャラクタ33がオブジェクトに衝突することなく進んだ場合に、約25秒間でゴールできる距離である。
制御部10は、マップ情報テーブル23のマップ情報から、仮想領域であるフィールドFを生成する。
【0037】
(難易度の決定)
次に、プレイの難易度の決定方法について説明する。
図6は、本実施形態に係る難易度テーブル24と、難易度テーブル24に基づくキャラクタ33の移動範囲とを示す図である。
図6(a)に示す難易度テーブル24は、ゲームプログラム21に対応付けて記憶される。難易度テーブル24は、難易度を「低」、「中」、「高」とする3つの難易度を格納している。難易度テーブル24は、各々の難易度に対して、キャラクタ33の左右方向Xの移動幅と、その移動幅を移動する時間間隔とを格納する。例えば、難易度が「低」の場合には、移動幅は左右方向Xに1.5mであり、その時間間隔は5秒である。すなわち、難易度が「低」の場合には、キャラクタ33は、時間間隔である5秒間に、左右方向Xに1.5mである移動幅で移動する。
【0038】
図6(b)は、図6(a)に示す難易度テーブル24での、キャラクタ33の移動範囲を分かりやすいようにグラフで示したものである。図6(b)のグラフは、キャラクタ33が0地点にいる場合に、それぞれの難易度での移動範囲を示している。例えば、難易度が「低」の場合には、横軸で示される左右方向の移動が「−1.5m〜+1.5m」の範囲であり、その範囲に移動する時間として縦軸で示される時間「5秒」の範囲である(#1)。同様に、難易度が「中」である場合には、図6(b)に示す(#2)の範囲を、難易度が「高」である場合には、図6(b)に示す(#3)の範囲を、それぞれキャラクタ33が移動可能であることを示す。
この難易度テーブル24を用いて、制御部10は、プレイ開始時に、難易度を決定する。そして、決定した難易度に基づいて、第1移動手段13は、キャラクタ33を移動させる。
【0039】
このように、ゲーム機1は、難易度応じて左右方向Xへのキャラクタ33の移動幅やキャラクタ33の移動に関する時間間隔を決定するので、プレイヤPの意思によらずに左右方向Xへランダムに動くキャラクタの移動幅やその時間間隔を変更することで、プレイの難易度を変化させることができる。
【0040】
(操作部5の操作)
次に、操作部5の操作と、キャラクタ33との関係について説明する。
図7は、本実施形態に係る操作部5の操作とキャラクタ33との関係を示す図である。
図7(a)は、操作部5を表し、直径50mm程度の凸型の4つのボタン5L,5R,5U,5Dを有する。操作部5には、プレイヤPの操作する位置から左右方向X(図1参照)にボタン5L,5Rが、奥手前方向Yにボタン5U,5Dが設けられている。
【0041】
ボタン5Lは、ボタン表示部35Lに、ボタン5Rは、ボタン表示部35Rに、それぞれ対応する。なお、ボタン5U,5Dは、このゲームでは使用しない。フィールド表示部32のボタン表示部35L,35Rの配置(図3参照)と、操作部5の2つのボタン5L,5Rの配置とは、対応している。プレイヤPが、操作部5のいずれかのボタンを選択して押下することで、制御部10は、押下されたボタンに対応する方向にキャラクタ33を傾けて移動する制御を行うことができる。
以上のボタン5L,5R,5U,5Dと、処理内容との対応付けは、図7(b)に示す操作対応テーブル22に記憶されている。
【0042】
また、ボタン5L,5Rは、所定の時間単位でのボタン5L,5Rの押下回数により、キャラクタ33を移動させるまでの応答時間及びキャラクタ33の移動幅を変化させる。これは、図7(c)に示す連打反応テーブル25により決定される。
図7(c)に示す連打反応テーブル25は、単位秒あたりのボタン5L,5Rの連打(連続押下の操作)の回数に対応して、キャラクタ33の移動までの応答時間及び移動幅を記憶する。例えば、連打の回数が5未満である場合には、キャラクタ33の移動までの応答時間が1.5秒であり、移動幅が0.5mである。つまり、連打の回数が5未満である場合には、プレイヤPがボタン5L,5Rのいずれかを連打してから、キャラクタ33が移動するまでの時間が、応答時間が示す1.5秒であり、その際のキャラクタ33の左右方向Xへの移動幅が0.5mであることを示す。左右方向Xの決定は、ボタン5L,5Rの押下された側に対応する。
【0043】
連打反応テーブル25に示すように、プレイヤPによるボタン5L,5Rの連打の回数が多いほど、より早く応答してキャラクタ33が移動し、その移動幅も大きい。
このように、ゲーム機1は、ボタン5L,5Rの操作を受け付けてから所定の応答時間の経過後に、キャラクタ33を左右方向に移動させるので、プレイヤPの操作するタイミングと、キャラクタ33を移動するタイミングとをずらすことで、プレイをより複雑にすることができる。
また、ゲーム機1は、ボタン5L,5Rの連続操作の度合いに応じて、所定の応答時間やキャラクタ33の左右方向Xの移動幅を変化させるので、プレイを複雑にして面白くすることができる。
【0044】
また、上述の通り、プレイヤPがボタン5L,5Rのいずれかを押下すると、制御部10は、フィールド表示部32のボタン表示部35L,35Rの色を明るい色に変化させて、ボタン5L,5Rが押下されたことがプレイヤPに分かるように表示する。これは、プレイヤPがボタン5L,5Rのいずれかを押下してからキャラクタ33が移動するまでの反応時間があることから、プレイヤPに報知して、ゲーム機1が操作を受け付けたことをプレイヤPに確認させることができるものである。
【0045】
(キャラクタ33の表示態様)
図8及び図9は、本実施形態に係るキャラクタ33の表示態様を示す図である。
図8(a)は、キャラクタ33が、左方向X1に移動した場合のフィールド表示部32の一部の表示態様を示す。表示手段11は、キャラクタ33を、所定の位置に配置して表示する。そして、キャラクタ33が左方向X1に移動した場合には、背景移動手段16は、キャラクタ33の背景画像を右方向X2に移動させる。背景画像の移動幅は、キャラクタ33が左方向X1に移動するのと同じ幅である。背景移動手段16による背景画像の移動で、表示手段11は、キャラクタ33を、所定の位置に配置したまま表示する。そして、制御部10は、キャラクタ33が所定の位置に配置されたまま左右方向Xに移動しないにもかかわらず、左方向X1に移動したかのように表すことができる。
【0046】
図8(b)は、キャラクタ33が電柱41にぶつかった(接触した)場合のフィールド表示部32の一部の表示態様を示す。制御部10は、キャラクタ33が移動中に電柱41に接触した場合、ぶつかったことを示す演出をする。そして、制御部10は、キャラクタ33がおじぎをして謝る演出をする。制御部10は、「すみません、すみません。」と謝る吹き出し51を表示させる。そして、制御部10は、吹き出し51を3秒間表示することで、キャラクタ33を移動できなくする。よって、ゲーム機1は、電柱41に接触することで、キャラクタ33の進行を停止するペナルティを、プレイヤPに与えることができる。
【0047】
図8(c)は、キャラクタ33がバナナの皮42を踏んづけた(接触した)場合のフィールド表示部32の一部の表示態様を示す。制御部10は、キャラクタ33が移動中にバナナの皮42に接触した場合、キャラクタ33がしりもちをついて転ぶ演出をする。制御部10は、「うひゃ〜!」とビックリしてあげた声の内容の叫び表示52を表示させる。そして、制御部10は、叫び表示52を2秒間表示することで、キャラクタ33を移動できなくする。よって、ゲーム機1は、バナナの皮42に接触することで、キャラクタ33の進行を停止するペナルティを、プレイヤPに与えることができる。
【0048】
図9(d)は、キャラクタ33が警官43と所定の距離に近づいた場合のフィールド表示部32の一部の表示態様を示す。制御部10は、キャラクタ33と警官43との距離が、所定の距離以下になった場合に、警官43を、キャラクタ33の位置に近づくように移動する。そして、制御部10は、警官43に、キャラクタ33に対して職務質問を行う演出をする。制御部10は、警官43が「大丈夫かね?」とキャラクタ33に対して質問する吹き出し53を表示させる。また、制御部10は、キャラクタ33が「大丈夫です。大丈夫です。」と警官43に対して返答する吹き出し54を表示させる。制御部10は、吹き出し53及び吹き出し54を5秒間表示することで、キャラクタ33を移動できなくする。よって、ゲーム機1は、警官43に接触することで、5秒間という比較的長時間キャラクタ33の進行を停止する大きいペナルティを、プレイヤPに与えることができる。なお、制御部10は、その後、警官43を下方向H2に通りすぎるように移動させる。
【0049】
図9(e)は、キャラクタ33がススム標識45を踏んだ(接触した)場合のフィールド表示部32の一部の表示態様を示す。制御部10は、キャラクタ33が移動中に「ススム」と書かれたススム標識45を踏んだ場合、キャラクタ33がススム標識45を踏んでいる間のキャラクタ33の進行方向への移動速度を、通常1.5倍の速度になるように制御する。そして、制御部10は、キャラクタ33の足元に、加速をしたことを表す演出をする。よって、ゲーム機1は、ススム標識45に接触することで、キャラクタ33の進行を速めるというプレイヤPに有利に働く特典を、プレイヤPに与えることができる。
【0050】
図9(f)は、キャラクタ33が左方向X1の端にあるブロック壁46Lにぶつかった(接触した)場合のフィールド表示部32の一部の表示態様を示す。ブロック壁46Lは、キャラクタ33が左方向X1に移動した場合に、これ以上左方向X1に移動できない場所に設けられている。同様に、右方向X2の端には、ブロック壁46Rが設けられている(図4参照)。制御部10は、キャラクタ33が左方向X1に移動した場合、キャラクタ33がブロック壁46Lに接触している間のキャラクタ33の進行方向への移動速度を、通常の0.8倍の速度になるように制御する。そして、制御部10は、キャラクタ33が「いててっ!」と、ブロック壁46Lにぶつかって痛いことを表す内容の叫び表示56を表示させる。よって、ゲーム機1は、ブロック壁46L,46Rに接触することで、キャラクタ33の移動速度を遅くするというペナルティを、プレイヤPに与えることができる。
【0051】
このように、ゲーム機1は、各種オブジェクトを、キャラクタ33の進行方向の任意の位置に配置することで、面白いプレイを提供することができる。なお、上述のペナルティの解除後は、制御部10は、1〜2秒間程度キャラクタ33を半透明にして表示する。また、制御部10は、キャラクタ33が半透明な状態で他のオブジェクトに接触しても、上述したような処理を行わないように制御する。
【0052】
(キャラクタ33の家61への到着)
図10は、本実施形態に係るキャラクタ33が家61に到着する態様を示す図である。
図10(a)は、キャラクタ33がゴールである家61が見える位置に移動した場合のプレイ画面30を示す。フィールド表示部32の道のりメータ36は、ゴールが近いことを示している。また、フィールド表示部32の上方向H1には、家61が左右方向Xにわたって配置されている。なお、図10(a)に示すように、プレイ時間表示部34の残り時間が10秒を切った場合に、制御部10は、プレイ時間表示部34の表示の文字色を目立つように変化させて表示したり、カウントダウンの音声を音声出力部4から出力させたりしてよい。
【0053】
図10(b)は、キャラクタ33が家61に向かって進んでいる場合のプレイ画面30を示す。フィールド表示部32に家61が表示されると、制御部10は、背景画像を移動させずに、キャラクタ33をフィールド表示部32の所定の位置から移動させて表示する。また、制御部10は、キャラクタ33の移動の軌跡を表す矢印60を表示する。
図10(c)は、制限時間内にキャラクタ33が家61に到着した場合のプレイ画面30を示す。制御部10は、成功したことを示す「帰宅成功」の文字を、フィールド表示部32の結果表示部62に表示する。また、制御部10は、達成数に1を加えて、合格点を得点表示部31に表示する。
【0054】
次に、上述したゲーム機1のゲーム処理について説明する。
図11は、本実施形態に係るゲーム処理のフローチャートである。
図12は、本実施形態に係るオブジェクト処理のフローチャートである。
まず、図11のステップS1では、制御部10は、開始処理を行う。具体的には、制御部10は、一時記憶領域29をクリアして、制限時間(プレイ時間)の設定を行う。
【0055】
ステップS2では、制御部10(難易度決定手段12)は、難易度決定処理を行う。具体的には、制御部10は、プレイの難易度として、キャラクタ33の左右方向Xの移動幅及びその移動幅を移動する時間間隔を、難易度テーブル24(図6参照)を用いて決定する。なお、プレイの難易度は、プレイ開始時にプレイヤPに選択させるようにしてもよいし、制御部10が、ランダムに決定してもよい。また、プレイの難易度は、1回目のプレイでは難易度を「低」にしておき、そのプレイの結果によって、2回目のプレイの難易度を決定してもよい。
また、制御部10は、マップ情報テーブル23(図5参照)からマップ情報を1つランダムに選択して決定する。制御部10は、マップ情報テーブル23から選択するマップ情報を、決定した難易度に基づき決定してもよい。その後、制御部10は、処理をステップS3に移す。
【0056】
ステップS3では、制御部10(表示手段11)は、選択されたマップ情報により生成されたフィールドFを含む、プレイ画面30を表示する(図3参照)。以降の処理において、表示手段11は、プレイ画面30を表示するが、記載を適宜省略する。
そして、制御部10(第1移動手段13)は、難易度決定手段12によるプレイの難易度に基づき、キャラクタ33の左右方向Xの移動を決定して、キャラクタ33を移動させる。その際、制御部10(第1移動手段13)は、左右方向Xの方向及び移動幅を、プレイの難易度の範囲内でランダムに決定する。よって、ゲーム機1は、プレイヤPが繰り返しプレイしても、キャラクタ33の動きを複雑にでき、プレイヤPがいつでも新鮮味をもってプレイできるゲームを提供できる。
【0057】
ステップS4では、制御部10は、操作部5からの操作を受け付けたか否かを判断する。操作部5からの操作を受け付けた場合(ステップS4:YES)には、制御部10は、処理をステップS5に移す。他方、操作部5からの操作を受け付けていない場合(ステップS4:NO)には、制御部10は、処理をステップS7に移す。
ステップS5では、制御部10は、操作情報を決定する。具体的には、制御部10は、操作部5から受け付けた操作に対して、操作対応テーブル22に基づき処理内容を抽出することで、操作情報を決定する(図7(b)参照)。
ステップS6では、制御部10は、操作部5の操作によるキャラクタ33の制御を決定する。具体的には、制御部10は、操作部5から受け付けた操作に対して、連打反応テーブル25に基づき、操作部5が操作を受け付けてからキャラクタ33が移動する応答時間と、キャラクタ33が左右方向Xに移動する移動幅とを決定する(図7(c)参照)。
【0058】
ステップS7では、制御部10(第1移動手段13、第2移動手段14)は、キャラクタ33の移動を決定する。操作部5の操作を受け付けなかった場合(ステップS4:NO)には、第1移動手段13がキャラクタ33の移動を決定し、操作部5の操作を受け付けた場合(ステップS4:YES)には、第1移動手段13及び第2移動手段14がキャラクタ33の移動を決定する。
ステップS8では、制御部10(背景移動手段16)は、フィールド表示部32の所定位置にキャラクタ33を配置するように、背景画像を移動する(図8(a)参照)。この背景画像の移動は、第1移動手段13及び第2移動手段14が決定したキャラクタ33の移動方向とは逆方向であり、キャラクタ33の移動幅と同じ移動幅である。
【0059】
ステップS9では、制御部10は、キャラクタ33がオブジェクトに接触したか否かを判断する。キャラクタ33がオブジェクトに接触した場合(ステップS9:YES)には、制御部10は、処理をステップS10に移す。他方、キャラクタ33がオブジェクトに接触していない場合(ステップS9:NO)には、制御部10は、処理をステップS11に移す。
ステップS10では、制御部10は、オブジェクト処理を行う。その後、制御部10は、処理をステップS11に移す。
【0060】
ここで、オブジェクト処理について図12を用いて説明する。
ステップS21では、制御部10は、キャラクタ33が接触したオブジェクトが電柱41であるか否かを判断する。オブジェクトが電柱41である場合(ステップS21:YES)には、制御部10は、処理をステップS22に移す。他方、オブジェクトが電柱41ではない場合(ステップS21:NO)には、制御部10は、処理をステップS23に移す。
ステップS22では、制御部10は、電柱処理を行う。具体的には、制御部10は、キャラクタ33を、電柱41に対して謝っているかのように演出する。また、第3移動手段15は、キャラクタ33の進行を3秒間停止させる(図8(b)参照)。その後、制御部10は、本処理を終了する。
【0061】
ステップS23では、制御部10は、キャラクタ33が接触したオブジェクトがバナナの皮42であるか否かを判断する。オブジェクトがバナナの皮42である場合(ステップS23:YES)には、制御部10は、処理をステップS24に移す。他方、オブジェクトがバナナの皮42ではない場合(ステップS23:NO)には、制御部10は、処理をステップS25に移す。
ステップS24では、制御部10は、バナナの皮処理を行う。具体的には、制御部10は、キャラクタ33を、バナナの皮42を踏んだことですべって転ぶように演出する。また、第3移動手段15は、キャラクタ33の進行を2秒間停止させる(図8(c)参照)。その後、制御部10は、本処理を終了する。
【0062】
ステップS25では、制御部10は、キャラクタ33が接触したオブジェクトが警官43であるか否かを判断する。オブジェクトが警官43である場合(ステップS25:YES)には、制御部10は、処理をステップS26に移す。他方、オブジェクトが警官43ではない場合(ステップS25:NO)には、制御部10は、処理をステップS27に移す。
ステップS26では、制御部10は、警官処理を行う。具体的には、制御部10は、キャラクタ33に警官43を近づかせて、警官43をキャラクタ33に接触させて、キャラクタ33を警官43から職務質問をされているかのように演出する。また、第3移動手段15は、キャラクタ33の進行を5秒間停止させる(図9(d)参照)。その後、制御部10は、本処理を終了する。
【0063】
ステップS27では、制御部10は、キャラクタ33が接触したオブジェクトがススム標識45であるか否かを判断する。オブジェクトがススム標識45である場合(ステップS27:YES)には、制御部10は、処理をステップS28に移す。他方、オブジェクトがススム標識45ではない場合(ステップS27:NO)には、制御部10は、処理をステップS29に移す。
ステップS28では、制御部10は、ススム処理を行う。具体的には、制御部10は、キャラクタ33を、ススム標識45を踏んだことでキャラクタ33の足元にスピードが加速したような演出をする。また、第3移動手段15は、キャラクタ33の進行速度を、通常の1.5倍にする(図9(e)参照)。その後、制御部10は、本処理を終了する。
【0064】
ステップS29では、制御部10は、キャラクタ33が接触したオブジェクトがブロック壁46L,46Rのいずれかであるか否かを判断する。オブジェクトがブロック壁46L,46Rのいずれかである場合(ステップS29:YES)には、制御部10は、処理をステップS30に移す。他方、オブジェクトがブロック壁46L,46Rのいずれでもない場合(ステップS29:NO)には、制御部10は、処理をステップS31に移す。
ステップS30では、制御部10は、ブロック壁処理を行う。具体的には、制御部10は、キャラクタ33を、ブロック壁46L,46Rのいずれかに当たって痛がっているように演出する。また、第3移動手段15は、キャラクタ33の進行速度を、通常の0.8倍にする(図9(f)参照)。その後、制御部10は、本処理を終了する。
【0065】
ステップS30では、制御部10は、その他処理を行う。その他処理の対象としては、キャラクタ33が空き缶44(図4参照)に接触したり、ネコに接触したりする場合等が考えられる。具体的には、第3移動手段15は、キャラクタ33が、空き缶44やネコ等の何かのオブジェクトに接触したことで、キャラクタ33の進行速度を変更したり、キャラクタの進行を一時的に停止させたりする。第3移動手段15は、キャラクタ33に対する進行度合いの変化を、種類に応じてランダムに決定してよい。その後、制御部10は、本処理を終了する。
【0066】
図11に戻って、ステップS11では、制御部10は、キャラクタ33が家61に辿り着いたか否かを判断する。キャラクタ33が家61に辿り着いた場合(ステップS11:YES)には、制御部10は、処理をステップS12に移す。他方、キャラクタ33が家61に辿り着いていない場合(ステップS11:NO)には、制御部10は、処理をステップS13に移す。
ステップS12では、制御部10は、成功表示を行う。具体的には、表示手段11は、フィールド表示部32の中央部分の結果表示部62に「帰宅成功」を表示する。なお、制御部10は、「帰宅成功」の表示と共に、成功を祝う明るい音声を音声出力部4に出力してもよい。また、制御部10は、達成数に1を加算して、得点表示部31に表示する(図10参照)。その後、制御部10は、処理をステップS15に移す。
【0067】
ステップS13では、制御部10は、プレイ時間が0になったか、つまり、制限時間を経過したか否かを判断する。制限時間を経過した場合(ステップS13:YES)には、制御部10は、処理をステップS14に移す。他方、制限時間を経過していない場合(ステップS13:NO)には、制御部10は、処理をステップS4に移す。
ステップS14では、制御部10は、失敗表示を行う。具体的には、表示手段11は、フィールド表示部32の中央部分の結果表示部62に「帰宅失敗」の表示をする。なお、制御部10は、「帰宅失敗」の表示と共に、家61で待つキャラクタ33の奥さんの怒号を音声出力部4に出力してもよい。その後、制御部10は、処理をステップS15に移す。
【0068】
ステップS15では、制御部10は、プレイヤPがプレイを2回行ったか否か、すなわち、2つのマップ情報でのプレイを行ったか否かを判断する。2回のプレイを行った場合(ステップS15:YES)には、制御部10は、処理をステップS16に移す。他方、2回のプレイを行っていない場合(ステップS15:NO)には、制御部10は、処理をステップS1に移して、2回目のプレイを実行する。
ステップS16では、制御部10は、終了処理を行う。終了処理として、制御部10は、ゲームクリアかゲームオーバーかのプレイ結果を表示部3に表示する。その後、制御部10は、本処理を終了する。
【0069】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、上述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0070】
(変形形態)
(1)本実施形態において、業務用のビデオゲーム機を例に示して説明したが、これに限定されない。例えば、家庭用のゲーム機でもよいし、パーソナルコンピュータにより実現してもよい。そして、キャラクタの移動方向の選択は、移動方向に対応したボタンではなく、移動方向をタッチペンで選択するといった、表示されたディスプレイが選択を感知するようになったものであってもよい。
【0071】
(2)本実施形態において、プレイ回数を2回にしていたが、これに限定されない。例えば、1回目のプレイで成功した場合のみ2回プレイを許容してもよい。また、プレイ回数を3回以上にしてもよい。
【0072】
(3)本実施形態において、キャラクタの進行度合いを変化させる複数のオブジェクトは、視認可能なものであったが、これに限定されない。例えば、ランダムな時間にキャラクタの奥さんからのメールを着信したり電話が鳴ったりすることで、一時的に千鳥足ではなくなるようにしてもよい。つまり、制御部は、音声による演出の後、一時的に、第1移動手段の制御を行わないようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本実施形態に係るゲーム機の全体構成を示す図である。
【図2】本実施形態に係るゲーム機の機能ブロックを示す図である。
【図3】本実施形態に係るプレイ画面の例を示す図である。
【図4】本実施形態に係るフィールドの例を示す図である。
【図5】本実施形態に係るマップ情報テーブルを示す図である。
【図6】本実施形態に係る難易度テーブルと、難易度テーブルに基づくキャラクタの移動範囲とを示す図である。
【図7】本実施形態に係る操作部の操作とキャラクタとの関係を示す図である。
【図8】本実施形態に係るキャラクタの表示態様を示す図である。
【図9】本実施形態に係るキャラクタの表示態様を示す図である。
【図10】本実施形態に係るキャラクタが家に到着する態様を示す図である。
【図11】本実施形態に係るゲーム処理のフローチャートである。
【図12】本実施形態に係るオブジェクト処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0074】
1 ゲーム機
3 表示部
5,5a,5b,5c 操作部
10 制御部
11 表示手段
12 難易度決定手段
13 第1移動手段
14 第2移動手段
15 第3移動手段
16 背景移動手段
20 記憶部
21 ゲームプログラム
22 操作対応テーブル
23 マップ情報テーブル
24 難易度テーブル
25 連打反応テーブル
30 プレイ画面
31 得点表示部
32 フィールド表示部
33 キャラクタ
35L,35R ボタン表示部
41 電柱
42 バナナの皮
43 警官
45 ススム標識
46L,46R ブロック壁
F フィールド
H 進行方向
P,Pa,Pb,Pc プレイヤ
X 左右方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
仮想領域を記憶する仮想領域記憶手段と、
前記仮想領域記憶手段に記憶された前記仮想領域を進行方向に移動するキャラクタを表示する表示手段と、
前記キャラクタを、所定のタイミングごとに前記進行方向とは直交する方向である左右方向にランダムに移動させる第1移動手段と、
プレイヤの操作を受け付ける操作手段と、
前記操作手段の操作に対応して、前記第1移動手段により前記左右方向に移動している前記キャラクタを、さらに前記左右方向に移動させる第2移動手段と、
して機能させること、
を特徴とするゲームプログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のゲームプログラムにおいて、
前記コンピュータを、ゲームの難易度を決定する難易度決定手段として機能させ、
前記第1移動手段を、前記難易度決定手段により決定された前記ゲームの難易度に応じて前記左右方向の移動幅を決定して、前記移動幅の範囲内で前記キャラクタを前記左右方向にランダムに移動させるように機能させること、
を特徴とするゲームプログラム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のゲームプログラムにおいて、
前記コンピュータを、ゲームの難易度を決定する難易度決定手段として機能させ、
前記第1移動手段を、前記難易度決定手段により決定された前記ゲームの難易度に応じて前記所定のタイミングの時間間隔を決定して、前記キャラクタを前記左右方向にランダムに移動させるように機能させること、
を特徴とするゲームプログラム。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のゲームプログラムにおいて、
前記第2移動手段を、前記操作手段の操作を受け付けてから所定の応答時間の経過後に、前記キャラクタを前記左右方向に移動させるように機能させること、
を特徴とするゲームプログラム。
【請求項5】
請求項4に記載のゲームプログラムにおいて、
前記第2移動手段を、前記プレイヤによる前記操作手段への連続操作の度合いに応じて前記所定の応答時間を変化して、前記キャラクタを前記左右方向に移動させるように機能させること、
を特徴とするゲームプログラム。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のゲームプログラムにおいて、
前記操作手段を、前記キャラクタの左右方向の移動に対応させて左右に配置された2つの操作部材からの操作を受け付けるように機能させ、
前記第2移動手段を、前記プレイヤによる前記操作部材への連続操作の度合いに応じて、前記キャラクタの左右方向の移動幅を大きく変更して移動させるように機能させること、
を特徴とするゲームプログラム。
【請求項7】
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のゲームプログラムにおいて、
前記コンピュータを、前記キャラクタを表示画面の所定の位置に配置し、前記第1移動手段及び前記第2移動手段による前記キャラクタの前記仮想領域の移動に対応させて背景画像を変化させる背景移動手段として機能させること、
を特徴とするゲームプログラム。
【請求項8】
請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載のゲームプログラムにおいて、
前記表示手段を、オブジェクトが配置された前記仮想領域を背景画像として表示するように機能させ、
前記コンピュータを、前記キャラクタが前記オブジェクトに接触したことに応じて、前記キャラクタの進行度合いを変化させる第3移動手段として機能させること、
を特徴とするゲームプログラム。
【請求項9】
請求項8に記載のゲームプログラムにおいて、
前記表示手段を、複数の種類の前記オブジェクトが配置された前記仮想領域を背景画像として表示するように機能させ、
前記第3移動手段を、前記キャラクタが前記オブジェクトに接触したことに応じて、前記オブジェクトの種類に対応して前記キャラクタの進行度合いを変化させるように機能させること、
を特徴とするゲームプログラム。
【請求項10】
請求項8又は請求項9に記載のゲームプログラムにおいて、
前記表示手段を、前記キャラクタを人物を模して表示するように機能させ、
前記第3移動手段を、前記キャラクタが前記オブジェクトに接触したことに応じて、前記キャラクタが前記オブジェクトに対して話しかけるように演出し、前記キャラクタの進行を話しかけている時間停止させるように機能させること、
を特徴とするゲームプログラム。
【請求項11】
請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載のゲームプログラムを記憶する記憶手段と、
前記操作手段と、
前記操作手段の操作に応じて、前記記憶手段に記憶された前記ゲームプログラムを実行する制御手段と、
を備えたゲーム機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−119519(P2010−119519A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−294852(P2008−294852)
【出願日】平成20年11月18日(2008.11.18)
【出願人】(502289983)株式会社タイトー (3)
【Fターム(参考)】