説明

ゲームプログラム及びゲーム機

【課題】キャラクタに表示部内のゲーム要素を新しい態様で収容させるゲームのゲームプログラム及びゲーム機を提供する。
【解決手段】ゲームプログラムは、ゲーム機1を、おみこしCB,CR,CGと、おみこしCB,CR,CGを移動する移動領域3gとを表示するモニタ3と、おみこしCB,CR,CGに対応し、プレイヤP1,P2,P3の操作を受け付ける操作部10,20,30と、移動領域3gの外側から、ボールBB,BR,BGを移動領域3gに供給するボール供給制御部52と、操作部10,20,30の操作に応じて、操作部10,20,30に対応したおみこしCB,CR,CGを移動領域3g内で移動させ、ボール供給制御部52が供給したボールBB,BR,BGをおみこしCB,CR,CGに収容させるおみこし移動制御部51と、収容したボールBB,BR,BGの収容数を管理するボール収容数管理部53と、して機能させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレイ画面に表示されたゲーム要素を収容するゲームのゲームプログラム及びゲーム機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、表示部内で、落下してくるブロックを表示体で受け止める種類のゲームを行うゲーム機があった(例えば特許文献1)。
しかし、従来のこの種類のゲームは、落下してくるブロックを受け止めるために、表示体を左右に操作するだけのものであり、また、ブロックを受け止める態様が単純であった。
【特許文献1】特公平6−55230号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、キャラクタに表示部内のゲーム要素を新しい態様で収容させるゲームプログラム及びゲーム機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、以下のような解決手段により、課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。また、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
【0005】
請求項1の発明は、コンピュータ(1)を、複数のキャラクタ(CB,CR,CG)と、表示領域(3a)の中央の領域であり前記複数のキャラクタが移動する領域である1つの移動領域(3g)とを表示する表示手段(3)と、少なくとも1つの前記キャラクタに対応し、プレイヤ(P1,P2,P3)の操作を受け付ける操作手段(10,20,30)と、前記移動領域の外側から、複数のゲーム要素(BA,BB,BR,BG)を前記移動領域に供給するゲーム要素供給手段(52)と、前記操作手段の操作に応じて、前記操作手段に対応した前記キャラクタを前記移動領域内で上下左右に移動させ、前記ゲーム要素供給手段が供給した前記ゲーム要素を前記キャラクタに収容させるキャラクタ移動手段(51)と、前記キャラクタが収容した前記ゲーム要素の収容数を管理する収容数管理手段(53)と、して機能させることを特徴とするゲームプログラムである。
請求項2の発明は、請求項1に記載のゲームプログラムにおいて、前記操作手段(10,20,30)を、前記複数のキャラクタ(CB,CR,CG)に対応した複数の操作手段として機能させ、前記ゲーム要素供給手段(52)を、前記複数のキャラクタに対応した複数のゲーム要素(BB,BR,BG)を供給させるように機能させ、前記キャラクタ移動手段(51)を、前記各操作手段の操作に応じて、前記各操作手段に対応した前記各キャラクタを前記移動領域(3g)内で移動させ、前記ゲーム要素供給手段が供給し前記各キャラクタに対応した前記各ゲーム要素を前記各キャラクタに収容させるように機能させ、前記収容数管理手段(53)を、前記各キャラクタが収容した前記各ゲーム要素の各収容数を管理させるように機能させること、を特徴とするゲームプログラムである。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載のゲームプログラムにおいて、前記コンピュータを、前記キャラクタ(CB,CR,CG)同士が衝突した場合に、衝突時の移動速度が遅い前記キャラクタを判定する判定手段(54)として機能させ、前記収容数管理手段(53)を、衝突した前記各キャラクタが収容した前記各ゲーム要素(BB,BR,BG)の各収容数を減算処理し、前記減算処理で、前記判定手段に前記移動速度が遅いと判定された前記キャラクタが収容した前記ゲーム要素の減算数を、衝突した他の前記キャラクタが収容した前記各ゲーム要素の減算数よりも多くするように機能させること、を特徴とするゲームプログラムである。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のゲームプログラムにおいて、前記表示手段(3)を、前記各キャラクタ(CB,CR,CG)の移動方向側に、移動方向に対応した表示をするように機能させること、を特徴とするゲームプログラムである。
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のゲームプログラムにおいて、前記ゲーム要素供給手段(52)を、収容した前記ゲーム要素(BB,BR,BG)の収容数を減算さる情報を有する減算ゲーム要素(BA)を供給させるように機能させ、前記収容数管理手段(53)を、前記減算ゲーム要素を収容した場合に、前記キャラクタ(CB,CR,CG)が収容した前記ゲーム要素の収容数を減算させるように機能させること、を特徴とするゲームプログラムである。
【0006】
請求項6の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のゲームプログラムを記憶する記憶手段(40)と、前記記憶手段の前記ゲームプログラムを実行する制御手段(50)と、を備えるゲーム機である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本発明は、複数のキャラクタの移動領域の外側からゲーム要素を供給し、操作手段の操作に応じてキャラクタを移動させてゲーム要素をキャラクタに収容させるので、キャラクタを移動させてゲーム要素を収容し、各キャラクタが収容したゲーム要素の収容数を競う新しい態様のゲームを提供することができる。また、キャラクタを移動領域内で上下左右に動かすので、キャラクタ操作を複雑にして面白さを向上することができる。
【0008】
(2)本発明は、各操作手段の操作に応じて、各キャラクタを移動領域内で移動させ、各キャラクタに各キャラクタに対応したゲーム要素を収容させるので、複数のプレイヤが1つの移動領域を共用して同時にプレイして、ゲーム要素の収容数を競う新しい態様のゲームを提供することができる。
(3)本発明は、各キャラクタが衝突した場合に、移動速度が遅いキャラクタが収容したゲーム要素の減算数を、衝突した他のキャラクタが収容した各ゲーム要素の減算数よりも多くするので、各プレイヤは、自分のキャラクタを他のプレイヤのキャラクタに衝突するように操作して、他のプレイヤのキャラクタのゲーム要素を減らすことができる。
【0009】
(4)本発明は、各キャラクタの移動方向側に、移動方向に対応した表示をするので、移動方向をわかりやすく報知することができる。
(5)本発明は、減算ゲーム要素を収容した場合に、キャラクタが収容したゲーム要素の収容数を減算させるので、プレイヤが自分のキャラクタのゲーム要素と間違えて減算ゲーム要素を収容した場合に、ペナルティを与えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明は、キャラクタに表示部内のゲーム要素を新しい態様で収容させるゲームのゲームプログラム及びゲーム機を提供するという課題を、ゲームプログラムが、ゲーム機を、おみこしと、おみこしが移動する移動領域とを表示するモニタと、おみこしに対応し、プレイヤの操作を受け付ける操作部と、移動領域の外側から、ボールを移動領域に供給するボール供給制御部と、操作部の操作に応じて、操作部に対応したおみこしを移動領域内で移動させ、ボール供給制御部が供給したボールをおみこしに収容させるおみこし移動制御部と、収容したボールの収容数を管理するボール収容数管理部と、して機能させることによって実現した。
【0011】
(実施形態)
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態のゲーム機1の斜視図である。
図2は、本実施形態のモニタ3のプレイ画面3aを示す図である。
図1に示すように、ゲーム機1は、左右方向Xの幅1m程度、奥行方向Yの長さ1m程度、鉛直方向Zの高さ2m程度の装置であり、主にゲームセンタ等の娯楽施設等に設置される。
【0012】
図2に示すように、ゲーム機1でのプレイは、プレイヤP1,P2,P3が、おみこしCB,CR,CGのキャラクタを操作してボールBB,BR,BG(ゲーム要素)を収容し、ボール収容数のノルマを達成できたか否かを競うものである。ボール収容数のノルマは、50個に設定されている。
モニタ3のプレイ画面3a(表示領域)には、運動場を手前側から見下した画像が表示され、3つのおみこしCB,CR,CGと、複数の観客3bと、複数のボールBB,BR,BGと、爆弾BA(減算ゲーム要素)と、残プレイ時間表示部3cと、スコア表示部3d,3e,3fとが表示され、また10箇所のボール供給領域3h(図中破線で示す)を有している。
おみこしCB,CR,CGは、プレイ画面3aの中央の領域である楕円内部の移動領域3g内で移動する。この楕円は、運動場のトラックを模して表示されている。これによって、ゲーム機1は、各4人の人物が3つのおみこしをかついで、トラック内でおみこし合戦をしているように演出する。おみこしCB,CR,CGは、各プレイヤP1,P2,P3によって操作される。各おみこしCB,CR,CGの色彩は、おみこしCBが青色であり図中「B」の文字を付して示す。同様に、おみこしCRが赤色であり図中「R」の文字を付して示し、また、おみこしCGが緑色であり中「G」の文字を付して示す。
【0013】
観客3bは、移動領域3gを囲むように配置されている。これによって、ゲーム機1は、トラック上に配置された観客3bが、トラック内のおみこし合戦を観戦しているように演出する。
10箇所のボール供給領域3hは、ボールBB,BR,BGと、爆弾BAとを移動領域3g内に供給する領域である。10箇所のボール供給領域3hは、移動領域3gよりも外側の同一楕円上に等角度隔てて配置されており、プレイ画面3aには表示されない(図2には、破線で示す)。また、ボール供給領域3hは、観客3bに重ねて配置されているので、ボールBB,BR,BG等を供給した場合に、観客3bが移動領域3g内にボールを投げ込んで、移動領域3g内を飛翔するように表示されながら移動した後、移動領域3g内で静止して配置されるように演出される。
各ボールBB,BR,BGの色彩は、ボールBBが、青色であり図中「B」の文字を付して示す。同様に、ボールBRが、赤色であり図中「R」の文字を付して示し、また、ボールBGが、緑色であり図中「G」の文字を付して示す。
【0014】
残プレイ時間表示部3cは、残りのプレイ時間を表示する表示領域である。残プレイ時間表示部3cは、移動領域3g内の上側H2に配置されている。
スコア表示部3d,3e,3fは、プレイヤP1,P2,P3の各スコアを表示する表示領域である。スコア表示部3d,3e,3fは、プレイ画面3a内の上側に、左側X1から右側X2に向けてこの順に配置されている。スコア表示部3d,3e,3fには、ノルマ(=50個)に対する達成度が、「ボール収容数/50」の分数で表示される。
【0015】
図1に示すように、ゲーム機1は、ケース2と、モニタ3(表示手段)と、コイン投入口4と、操作部10,20,30と、スピーカ5とを備えている。
ケース2は、ゲーム機1の筐体である。ケース2には、コイン投入口4と、操作部10,20,30とが配置された操作パネル2aが設けられている。操作パネル2aは、プレイヤP1,P2,P3が操作しやすいように、ケース2の手前側Y1の表面に設けられている。
モニタ3は、プレイ画面3aを表示する、例えば液晶表示装置等の表示装置であり、ケース2に配置されている。モニタ3は、そのプレイ画面3aが、手前側Y1に位置するプレイヤP1,P2,P3に対向するように配置される。
【0016】
コイン投入口4は、コインを投入するための投入口である。コイン投入口4の内部には、投入されたコインを検出する光学センサ(図示せず)等が設けられており、この光学センサ等がコインを検出すると、制御部50(後述する)に検出信号を出力し、制御部50がプレイ料金の受け付けの処理を行う。
スピーカ5は、操作パネル2a上に配置されており、プレイ中に効果音等を出力する。
【0017】
操作部10,20,30は、3人のプレイヤP1,P2,P3が独立して操作できる操作部である。操作部10,20,30は、左側X1から右側X2に向けて、この順番で配置されている。操作部10,20,30は、おみこしCB,CR,CGに対応し、操作部10がおみこしCBを移動し、操作部20がおみこしCRを移動し、操作部30がおみこしCGを移動するようになっている。
【0018】
操作部10は、手前側Y1、奥側Y2、左側X1、右側X2にそれぞれ配置された下ボタン11、上ボタン12,左ボタン13、右ボタン14から構成され、左側X1に位置するプレイヤP1の操作を受け付けると、制御部50(後述する)にそれぞれ信号を入力する。
操作部20,30は、操作部10と同様な構成である。操作部20は、各ボタン21〜24から構成され、中央に位置するプレイヤP2によって操作されるようになっている。操作部30は、各ボタン31〜34から構成され、右側X2に位置するプレイヤP3によって操作されるようになっている。
【0019】
図3は、本実施形態のゲーム機1のブロック図である。
ゲーム機1は、前述したハードウェアの他に、記憶部40と、制御部50とを備えている。なお、本発明では、コンピュータとは、記憶装置、制御部等を備えた情報処理装置をいい、ゲーム機1は、記憶部40、制御部50を備えた情報処理装置であり、本発明のコンピュータの概念に含まれる。
【0020】
記憶部40は、ゲーム機1の動作に必要な情報や、プログラム等を記憶するためのハードディスク、半導体メモリ素子等の記憶装置である。記憶部40は、ゲームプログラム記憶部41と、おみこし速度記憶部42と、ボール収容数記憶部43とを有している。
ゲームプログラム記憶部41は、このゲームのゲームプログラムを記憶する記憶領域である。ゲームプログラムは、制御部50がプレイを実行するためのプログラムであり、例えばプレイ画面に関する情報等が含まれている。
おみこし速度記憶部42は、おみこしCB,CR,CGの移動速度に関する情報を記憶する記憶領域である。
ボール収容数記憶部43は、おみこしCB,CR,CGがそれぞれ収容したボールBB,BR,BGの収容数(ボール収容数)に関する情報を記憶する記憶領域である。
【0021】
制御部50は、ゲーム機1を統括的に制御するための制御部であり、例えば、CPU(中央処理装置)等から構成される。制御部50は、記憶部40に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、前述したハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。
制御部50は、おみこし移動制御部51(キャラクタ移動手段)と、ボール供給制御部52(ゲーム要素供給手段)と、ボール収容数管理部53(収容数管理手段)と、おみこし衝突判定部54(判定手段)と、プレイ進行制御部55と、必要に応じてこれら各制御部の間で情報を伝達するバス(図示せず)とを備えている。
【0022】
おみこし移動制御部51は、おみこしCB,CR,CGの移動領域3g内での移動と、ボールBB,BR,BGの収容等とに関する処理をする制御部である。なお、本実施形態で、ボールBB,BR,BGの収容とは、移動領域3g内に表示されているボールBB,BR,BG等を消滅させ、おみこしCB,CR,CGに収容されたようにみせることをいう。
【0023】
ボール供給制御部52は、各おみこしCB,CR,CGに対応した各ボールBB,BR,BGと、爆弾BAとを移動領域3gに供給する制御部である。
ボール収容数管理部53は、おみこし移動制御部51によって収容されたボールBB,BR,BGの収容数を、おみこしC毎に管理する制御部である。
おみこし衝突判定部54は、おみこしCB,CR,CG同士が衝突した場合の処理をする制御である。
プレイ進行制御部55は、このおみこしゲームのプレイ進行を統括的に制御する制御部である。プレイ進行制御部55は、ゲームプログラムに含まれるプレイ画面をモニタ3に表示したり、効果音をスピーカ5に出力したりする。
なお、各制御部の詳細な処理は、後述する。
【0024】
次に、ゲーム機1の動作について説明する。
図4は、本実施形態のゲーム機1の動作を示すフローチャートである。
図5、図6は、本実施形態のプレイ画面3aの一部を示す図である。
最初に、ステップS(以下単に「S」という)1において、コイン投入口4にコインが投入されると、プレイ進行制御部55がこのゲームの処理を開始する。
【0025】
S2において、ボール供給制御部52は、ボールBB,BR,BG及び爆弾BAの供給処理を開始する。
プレイ開始時には、移動領域3gには、ボールBB,BR,BG等が配置されていない状態であり、ボール供給制御部52は、プレイ開始にともなって、各おみこしCB,CR,CGに対応した各ボールBB,BR,BGと、爆弾BAとを、ボール供給領域3hから移動領域3gに供給する。ボール供給制御部52は、ボールBB,BR,BG及び爆弾BAのいずれを供給するか、10個のボール供給領域3hのいずれから供給するか、供給するボールBB,BR,BG等の射出角度等を、不規則(ランダム)に順次決定し、プレイが単調にならないようにしている。
【0026】
図4に戻り、S3において、おみこし移動制御部51は、操作部10,20,30が操作されたか否かを判定する。おみこし移動制御部51は、操作部10,20,30が操作されたと判定した場合には(S3:YES)、S4に進み、一方、操作部10,20,30が操作されていないと判定した場合には(S3:NO)、S7に進む。
S4において、おみこし移動制御部51は、おみこしCB,CR,CGの移動に関する処理を行う。
【0027】
例えば、図5(a)に示すように、おみこし移動制御部51は、操作部10からの出力に応じて、画面左右方向X及び上下方向HにおみこしCBを移動させる。
おみこし移動制御部51は、おみこしCBの左右方向Xの移動速度を、「−3,−2,−1,0,+1,+2,+3」の7段階で変更する。おみこし移動制御部51は、おみこしCBの左右方向Xの移動速度を、「−1,−2,−3,」の順に左側X1に速くし、「0」の場合には左右方向Xの移動を停止し、「+1,+2,+3」の順に右側X2に速くする。
おみこし移動制御部51は、プレイ開始時には、おみこしCBの左右方向Xの移動速度を「0」に設定して、おみこしCBの左右方向の移動を停止した状態にする。そして、おみこし移動制御部51は、プレイ開始後に、操作部10が操作される毎に、おみこしCBの左右方向Xの移動を制御する。
【0028】
また、おみこし移動制御部51は、操作部10が操作されてから、1秒間程度かけて、設定速度まで徐徐におみこしCBの速度を変化させる。例えば、おみこしCBが右側X2に「+1」で移動しているときに、左ボタン13が1回押されると、おみこし移動制御部51は、おみこしCBの速度を「+1」から「0」まで、1秒間程度かけて徐々に変化させ停止させる。これによって、ゲーム機1は、おみこしCBに慣性が働いているように演出することができる。
【0029】
同様に、おみこし移動制御部51は、おみこしCBの画面の上下方向Hの移動速度を、「−3,−2,−1,0,+1,+2,+3」の7段階で変更し、「−1,−2,−3,」の順に下側H1に速くし、「0」の場合には停止し、「+1,+2,+3」の順に上側H2に速くする。そして、おみこし移動制御部51は、操作部10の下ボタン11、上ボタン12が押される毎に、おみこしCBの移動速度を「1」段階ずつ1秒間程度かけて変化させる。
おみこし移動制御部51は、左右方向X及び上下方向HへのおみこしCBの移動を、独立して同時に処理する。つまり、おみこし移動制御部51は、おみこしCBを左右方向Xに移動しながら上下方向Hにも移動させて、移動領域3g内で、斜めに移動しているように表示することができる。
おみこし移動制御部51は、おみこしCB,CR,CGの移動速度をプレイ開始からプレイ終了まで、おみこし速度記憶部42に記憶する。
【0030】
また、おみこし移動制御部51は、おみこしCBの移動方向側に「ワッショイ!」という文字を表示する。例えば、図5(a−1)は、おみこしCBが右側X2に移動しているときに、おみこしCBの右側X2に文字を表示している場面である。また、図5(a−2)は、おみこしCBが下側H1に移動しているときに、おみこしCBの下側H1に文字を表示している場面である。
これによって、おみこしCBの移動方向を、わかりやすく報知することができる。
【0031】
図4に戻り、S5において、おみこし移動制御部51は、各おみこしCB,CR,CGが対応した各ボールBB,BR,BG上を通過したか否かを判定する。おみこし移動制御部51は、各おみこしCB,CR,CGが対応した各ボールBB,BR,BG上を通過したと判定した場合には(S5:YES)、S6に進み、一方、各おみこしCB,CR,CGが対応した各ボールBB,BR,BG上を通過していないと判定した場合には(S5:NO)、S7に進む。
【0032】
S6において、おみこし移動制御部51は、各おみこしCB,CR,CGが通過したそのボールBB,BR,BGを収容する。
例えば、図5(b)は、おみこしCBがボールBB上を通過し、そのボールBBを収容する場面である。
なお、おみこし移動制御部51は、各おみこしCB,CR,CGが対応した色彩とは異なる色彩のボールBB,BR,BG上を通過しても、そのボールBB,BR,BGを収容しない。
【0033】
ボール収容数管理部53は、おみこし移動制御部51によって収容されたボールBB,BR,BGのボール収容数を、ボール収容数記憶部43の情報を更新することによって、おみこしCB,CR,CG毎に管理する。また、ボール収容数管理部53は、おみこしCB,CR,CGのボール収容数に変化があった場合には、そのおみこしCB,CR,CGの画像にボール収容数を重ねて1秒程度表示する。例えば、図5(b−2)は、おみこしCBが、10個目のボールBBを収容した場面で、ボール収容数「10」を表示する場面である。
【0034】
図4に戻り、S7において、おみこし移動制御部51は、おみこしCB,CR,CGが爆弾BA上を通過したか否かを判定する。おみこし移動制御部51は、おみこしCB,CR,CGが爆弾BA上を通過したと判定した場合には(S7:YES)、S8に進み、一方、おみこしCB,CR,CGが爆弾BA上を通過していないと判定した場合には(S7:NO)、S9に進む。なお、爆弾BAは、ボールBB,BR,BGとは異なった情報を有し、ボール収容数を4個減算させるという情報を有している。
【0035】
S8において、プレイ進行制御部55は、そのおみこしCB,CR,CGが爆発し、対応したボールBB,BR,BGがそのおみこしCB,CR,CGから飛び出るように画面表示する。例えば、図6(a)は、おみこしCBが爆弾BA上を通過した後(図6(a−1))、おみこしCBが爆発してボールBBが飛び出す場面(図6(a−2))である。
そして、ボール収容数管理部53は、ボール収容数記憶部43に記憶され、爆弾BAを収容したおみこしCB,CR,CGのボールBB,BR,BGの収容数を、4個減算する。また、おみこし移動制御部51は、2秒間程度、操作部10,20,30の操作を無効にし、おみこしCBの移動を操作できないようにする。
これによって、ゲーム機1は、プレイヤP1,P2,P3が自分のおみこしCB,CR,CGに対応したボールBB,BR,BGと間違えて、爆弾BAを収容した場合にペナルティを与えることができる。
【0036】
図4に戻り、S9において、おみこし衝突判定部54は、おみこしCB,CR,CG同士が衝突したか否かを判定する。おみこし衝突判定部54は、おみこしCB,CR,CG同士が衝突したと判定した場合には(S9:YES)、S10に進み、一方、おみこしCB,CR,CG同士が衝突していないと判定した場合には(S9:NO)、S12に進む。
S10において、おみこし衝突判定部54は、おみこし速度記憶部42のおみこしCB,CR,CGの移動速度に基づいて、衝突時の移動速度を確認し、さらに衝突時の衝突したおみこしCB,CR,CGのうち移動速度が遅い方を判定する。
【0037】
S11において、ボール収容数管理部53は、衝突したおみこしCB,CR,CGが収容したボールBB,BR,BGの各収容数を減算処理する。ボール収容数管理部53は、この減算処理において、移動速度が遅いと判定されたおみこしのボール収容数の減算数を、衝突した他のおみこしのボール収容数の減算数よりも多くする。本実施形態では、ボール収容数管理部53は、移動速度が遅いおみこしの減算数を「−3」とし、もう一方のおみこしの減算数を「−1」とする。
【0038】
例えば、図6(b)は、10個のボールBB,BRをそれぞれ収容しているおみこしCB,CRが衝突した場面である。この場面では、おみこしCRの方がおみこしCBの移動速度よりも遅い。このため、ボール収容数管理部53は、移動速度が遅いおみこしCRのボール収容数を7(=10−3)個とし、もう一方のおみこしCBのボール収容数を9(=10−1)個とする。
【0039】
このように、ゲーム機1は、おみこしCB,CR,CG同士が衝突した場合に、移動速度が遅いおみこしのボール減算数を、他のおみこしが収容したボール減算数よりも多くする。これによって、各プレイヤPは、他のプレイヤPのおみこしに自分のおみこしを衝突するように操作して、他のプレイヤPのおみこしのボール収容数を減らすことができる。
【0040】
S12において、プレイ進行制御部55は、所定のプレイ時間が経過したか否かを判定する。プレイ進行制御部55は、プレイ時間が終了したと判定した場合には(S12:YES)、S13に進み、一方、プレイ時間が終了していないと判定した場合には(S12:NO)、S2からの処理を繰り返す。
S13において、プレイ進行制御部55は、プレイ結果をモニタ3に表示する。本実施形態では、50個のボールBを収容することがノルマであるので、各プレイヤP1,P2,P3がノルマを達成できたか否か、3人のプレイヤP1,P2,P3の順位等を表示する。そして、プレイ進行制御部55は、S14に進んで、一連の処理を終了する。
【0041】
以上説明したように、ゲーム機1は、3つのおみこしCB,CR,CGを移動領域3g内で移動させて、移動領域3gの外側から各ボールBB,BR,BGを供給し、操作部10,20,30の操作に応じて各ボールBB,BR,BGを収容する。これによって、3人のプレイヤP1,P2,P3が1つの移動領域3gを共有して同時にプレイして、ボール収容数を競うといった新しい態様のゲームを提供することができる。
また、ゲーム機1は、おみこしCB,CR,CGを移動領域3g内で上下左右に動かして、さらに移動領域3gの外側から不規則に供給された各ボールBB,BR,BGを収容するので、操作を複雑にして面白さを向上することができる。
【0042】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、後述する変形形態のように種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、前述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0043】
(変形形態)
(1)本実施形態において、3つのおみこしは、3人のプレイヤによって操作される例を示したが、これに限定されない。例えば、3つのおみこしのうち少なくとも1つを、そのおみこしに対応した操作部が操作を受け付けるようにしてもよい。この場合、他の2個のおみこしは、制御部が制御すればよい。これによって、ゲーム機は、1人プレイが可能になる。
【0044】
(2)本実施形態において、おみこしは、移動領域に配置され静止したボールを収容する例を説明したが、これに限定されない。例えば、おみこしは、移動領域内を移動するボールを収容するようにすれば、ゲームを一層難しくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本実施形態のゲーム機の斜視図である。
【図2】本実施形態のモニタのプレイ画面を示す図である。
【図3】本実施形態のゲーム機のブロック図である。
【図4】本実施形態のゲーム機の動作を示すフローチャートである。
【図5】本実施形態のプレイ画面の一部を示す図である。
【図6】本実施形態のプレイ画面の一部を示す図である。
【符号の説明】
【0046】
1 ゲーム機
3 モニタ
3a プレイ画面
3b 観客
3g 移動領域
3h ボール供給領域
10,20,30 操作部
40 記憶部
41 ゲームプログラム記憶部
42 おみこし速度記憶部
43 ボール収容数記憶部
50 制御部
51 おみこし移動制御部
52 ボール供給制御部
53 ボール収容数管理部
54 おみこし衝突判定部
BA 爆弾
BB,BR,BG ボール
CB,CR,CG おみこし
P1,P2,P3 プレイヤ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
複数のキャラクタと、表示領域の中央の領域であり前記複数のキャラクタが移動する領域である1つの移動領域とを表示する表示手段と、
少なくとも1つの前記キャラクタに対応し、プレイヤの操作を受け付ける操作手段と、
前記移動領域の外側から、複数のゲーム要素を前記移動領域に供給するゲーム要素供給手段と、
前記操作手段の操作に応じて、前記操作手段に対応した前記キャラクタを前記移動領域内で上下左右に移動させ、前記ゲーム要素供給手段が供給した前記ゲーム要素を前記キャラクタに収容させるキャラクタ移動手段と、
前記キャラクタが収容した前記ゲーム要素の収容数を管理する収容数管理手段と、
して機能させることを特徴とするゲームプログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のゲームプログラムにおいて、
前記操作手段を、前記複数のキャラクタに対応した複数の操作手段として機能させ、
前記ゲーム要素供給手段を、前記複数のキャラクタに対応した複数のゲーム要素を供給させるように機能させ、
前記キャラクタ移動手段を、前記各操作手段の操作に応じて、前記各操作手段に対応した前記各キャラクタを前記移動領域内で移動させ、前記ゲーム要素供給手段が供給し前記各キャラクタに対応した前記各ゲーム要素を前記各キャラクタに収容させるように機能させ、
前記収容数管理手段を、前記各キャラクタが収容した前記各ゲーム要素の各収容数を管理させるように機能させること、
を特徴とするゲームプログラム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のゲームプログラムにおいて、
前記コンピュータを、前記キャラクタ同士が衝突した場合に、衝突時の移動速度が遅い前記キャラクタを判定する判定手段として機能させ、
前記収容数管理手段を、衝突した前記各キャラクタが収容した前記各ゲーム要素の各収容数を減算処理し、前記減算処理で、前記判定手段に前記移動速度が遅いと判定された前記キャラクタが収容した前記ゲーム要素の減算数を、衝突した他の前記キャラクタが収容した前記各ゲーム要素の減算数よりも多くするように機能させること、
を特徴とするゲームプログラム。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のゲームプログラムにおいて、
前記表示手段を、前記各キャラクタの移動方向側に、移動方向に対応した表示をするように機能させること、
を特徴とするゲームプログラム。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のゲームプログラムにおいて、
前記ゲーム要素供給手段を、収容した前記ゲーム要素の収容数を減算させる情報を有する減算ゲーム要素を供給させるように機能させ、
前記収容数管理手段を、前記減算ゲーム要素を収容した場合に、前記キャラクタが収容した前記ゲーム要素の収容数を減算させるように機能させること、
を特徴とするゲームプログラム。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のゲームプログラムを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段の前記ゲームプログラムを実行する制御手段と、
を備えるゲーム機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2010−119520(P2010−119520A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−294853(P2008−294853)
【出願日】平成20年11月18日(2008.11.18)
【出願人】(306019111)株式会社タイトー (475)
【Fターム(参考)】