説明

ゲーム機およびゲームプログラム

【課題】複数の構成体が積み上げられた状態に応じて得点が得られるゲームにおいて、プレイヤの操作が対戦相手の構成体にも影響を与えるように構成されたゲーム機を提供する。
【解決手段】ゲーム機GMは、複数種類のボールBがマトリックス状に配列された2つのボール山BM1、BM2を、互いに行方向に隣接するようにゲーム画面GIに表示する集合体表示部10aと、プレイヤPのボール山BM1、及び対戦相手CPのボール山BM2を設定する集合体設定部10bと、プレイヤPの操作に応じて、ボール山BM1の移動行MLをボール山BM2の方向へ移動させると共に、ボール山BM2の対戦相手移動行CMLを移動させる移動処理部10cと、移動行MLの移動後、ボール山BM1に基づいてプレイヤPのスコアを算出し、かつ、ボール山BM2の状況に基づいて対戦相手CPのスコアを算出する移動結果処理部10dと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の構成体に基づいたパズルゲームが行われるゲーム機及びゲームプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ゲーム画面上にて複数の落下物を落下させて構成体として積み上げ、その積み上げられた構成体の状態に応じて得点を与えるいわゆる落ち物パズルゲームは周知である(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−66784号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、周知の落ち物パズルゲームにおいては、他のプレイヤと対戦する場合、各プレイヤは自分に与えられた複数の構成体に対してそれぞれ操作し、ゲーム結果を競う構成は知られているが、自分の構成体に対して行ったプレイヤの操作が他のプレイヤの構成体にも影響するパズルゲームは存在しない。
【0005】
そこで、複数の構成体が積み上げられた状態に応じて得点が得られるゲームにおいて、プレイヤの操作が自分の構成体だけでなく、対戦相手の構成体にも影響を与えるように構成されたゲーム機及びゲームプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下の手段により上述した課題を解決する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0007】
本発明のゲーム機(GM)は、プレイヤ(P)の操作を受け付ける操作入力部(KY)と、ゲームを制御するゲーム制御部(10)と、前記ゲームのゲーム画面を表示する表示部(MT)と、を有するゲーム機であって、前記ゲーム制御部は、複数種類の構成体(B)が行方向及び列方向に配列された複数の列及び複数の行によって形成される2つの集合体(BM1、BM2)のうちいずれか一方を前記プレイヤの集合体とし、他の一方を対戦相手の集合体として設定する集合体設定部(10b)と、前記プレイヤの集合体及び前記対戦相手の集合体を、互いに行方向に隣接するように前記ゲーム画面に表示する集合体表示部(10a)と、前記プレイヤの操作に応じて、前記プレイヤの集合体において、所定の移動行に配列された複数の構成体を、前記対戦相手の集合体の方向へ所定の移動量だけ移動させると共に、前記対戦相手の集合体において前記移動行の移動方向に存在する対戦相手移動行に配列された複数の構成体を、前記移動行に押し出されるように前記移動方向に前記所定の移動量だけ移動させる移動処理部(10c)と、前記移動行及び前記対戦相手移動行の移動後、前記プレイヤの集合体の状況に基づいて、前記プレイヤのスコアに関する処理を行なうと共に、前記移動行に配列された構成体のうち、前記対戦相手の集合体内へ移動した構成体を含む前記対戦相手の集合体の状況に基づいて、前記対戦相手のスコアに関する処理を行う移動結果処理部(10d)と、を備えることにより、上記の課題を解決する。
【0008】
本発明のゲーム機によれば、集合体表示部により、プレイヤの集合体と対戦相手の集合体を互いに隣接するようにゲーム画面に表示する。各集合体は、複数種類の構成体が配列された複数の列及び複数の行で構成される。移動処理部により、プレイヤの操作に応じてプレイヤの集合体における移動行が移動するとともに、移動体の集合体においても対戦相相手移動行が移動する。そして、移動結果処理部によって、移動行の移動後の各集合体の状況に基づいて、プレイヤ及び対戦相手のそれぞれのスコアに関する処理が行われる。この移動によって、プレイヤの集合体の移動行に配列された構成体のうち、対戦相手の集合体内へ移動した構成体は対戦相手の集合体を構成する構成体として対戦相手のスコアに影響する。従って、プレイヤの操作をプレイヤの集合体だけでなく、対戦相手の集合体へも影響させることができ、その影響の結果を対戦相手のスコアに反映させることができる。
【0009】
また、集合体設定部による各集合体の設定は、ゲームの開始時に行われてもよいし、ゲームがターン制で実行される場合にターン(操作順序)毎に行われてもよい。例えば、1台のゲーム機を対戦する2人のプレイヤが交代で操作する場合、集合体設定部を、各ターンにて操作が許可されるプレイヤを本発明のプレイヤとし、他のプレイヤを対戦相手として設定するように構成すればよい。移動行及び移動量は、プレイヤの操作に基づいて決定される場合、移動行の移動に関するプレイヤの操作とは関係ない要因に基づいて決定される場合、又は予め一律に設定されている場合がある。また、行方向及び列方向は直行している場合と直行していない場合とを含む。集合体を構成する行方向の構成体の数及び列方向の構成体の数は同じである場合と異なる場合とを含む。
【0010】
前記移動処理部は、前記所定の移動行を前記プレイヤの位置決定操作によって決定する移動行決定部を有し、決定された前記移動行に配列された複数の構成体を、前記所定の移動量だけ移動させてもよい。これにより、プレイヤに所望の行を移動行として設定させることができる。具体的には、例えば、移動行決定部は、前記プレイヤの集合体を構成する複数の行のそれぞれを示しながら移動する位置指定指標を前記ゲーム画面に表示し、前記プレイヤによる前記位置決定操作があった時に前記位置指定指標が示す行を前記移動行として決定してもよい。
【0011】
また、前記移動処理部は、前記移動行決定部にて決定された前記少なくとも1つの移動行に関する前記所定の移動量を、前記プレイヤの移動量決定操作によって決定する移動量決定部を更に有し、前記決定された移動行を、前記決定された移動量だけ移動させてもよい。これにより、プレイヤに所望の移動行の移動量を設定させることができる。具体的には、例えば、移動量決定部は、前記各移動量決定操作が所定の間隔内で行われた回数に応じて、前記移動量を決定してもよい。
【0012】
前記対戦相手が操作する他のゲーム機とデータの送受信可能な通信部(11)を更に有し、前記集合体設定部は、前記ゲームの開始時に前記プレイヤの集合体及び前記対戦相手の集合体を決定し、前記ゲーム制御部は、前記移動行決定部にて決定された前記少なくとも1つの移動行を示す移動行情報と、前記移動量決定部にて決定された前記移動量を示す移動量情報とを含む移動情報を、前記他のゲーム機へ送信し、かつ、前記対戦相手の移動情報を前記他のゲーム機から取得する移動情報処理部(10e)を備え、前記移動処理部は、前記他のゲーム機から前記対戦相手の移動情報を取得すると、前記対戦相手の集合体において前記移動行情報が示す移動行に配列された複数の構成体を、前記プレイヤの集合体の方向へ前記移動量情報が示す移動量だけ移動させると共に、前記プレイヤの集合体において前記移動行の移動方向に存在する行に配列された複数の構成体を、前記移動量だけ移動させてもよい。
【0013】
これにより、ゲーム機間のデータの送受信が可能となり、他のゲーム機を操作するプレイヤを対戦相手とする、対戦ゲームを提供することができる。
【0014】
前記移動結果処理部は、前記移動行の移動後の前記各集合体において、所定の特定状態を形成する構成体が発生すると、前記特定状態を形成する構成体を消去し、その消去された位置を埋めるように、前記消去された各構成体の列方向に配列された構成体を移動させ、前記各集合体において前記発生した特定状態に基づいて、前記プレイヤ又は前記対戦相手に得点を与えてもよい。
【0015】
これにより、移動行の移動後の集合体において、特定状態が発生した構成体を消去していくゲームを提供することができる。得点にはプラス得点とマイナス得点が含まれ、特定状態がプラス得点となるように構成してもよいし、特定状態がマイナス得点となるように構成してもよい。
【0016】
前記プレイヤの集合体に供給する前記構成体の情報である供給構成体情報と、前記対戦相手の集合体に供給する前記構成体の情報である供給構成体情報とを記憶する記憶部(12)を備え、前記各供給構成体情報は、対応する前記集合体の各列に関して前記構成体の種類が供給される順に設定され、前記集合体表示部は、前記プレイヤの集合体において空白が発生した位置に、前記プレイヤの供給構成体情報に設定された供給順に前記構成体を供給し、かつ、前記対戦相手の集合体において空白が発生した位置に、前記対戦相手の供給構成体情報に設定された供給順に前記構成体を供給してもよい。
【0017】
これにより、構成体の消去に基づいて空白となった場所に、新しい構成体が供給されるので、各集合体の形状を一定に保つことができる。
【0018】
前記ゲーム制御部は、複数のユーザ(U1〜U4)のうち操作順序のユーザを前記プレイヤとして順次特定する操作順序特定部(10f)を更に備え、前記集合体表示部は、前記複数のユーザのそれぞれに対応する集合体(BM101〜BM104)を、互いに列方向又は行方向に隣接するように前記ゲーム画面に表示し、前記集合体設定部は、前記複数のユーザのそれぞれに対応する集合体のうち、前記操作順序のユーザに対応する集合体を前記プレイヤの集合体として設定し、前記プレイヤの集合体に隣接する集合体を前記対戦相手の集合体として設定し、前記移動処理部は、前記プレイヤの集合体と前記対戦相手の集合体とが列方向に隣接する場合は、前記列方向を、前記プレイヤの集合体及び前記対戦相手の集合体が行方向に隣接する場合の処理における行方向とみなして、前記移動行及び前記対戦相手移動行を移動させ、前記移動結果処理部は、前記プレイヤの集合体及び前記対戦相手の集合体が列方向に隣接する場合の処理における列方向及び行方向のそれぞれを、前記プレイヤの集合体及び前記対戦相手の集合体が行方向に隣接する場合の処理における行方向及び列方向のそれぞれとみなして、前記プレイヤのスコアに関する処理及び前記対戦相手のスコアに関する処理をそれぞれ行ってもよい。
【0019】
これにより、3人以上のユーザが存在する場合であっても、各ユーザに対応する集合体を列方向又は行方向に隣接させることにより、対戦ゲームを実現することができる。プレイヤの集合体と対戦相手の集合体とが列方向に隣接する場合であっても、当該列方向を行方向に隣接する場合の行方向とみなすことにより、行方向に隣接する場合と同様の処理を行えばよい。各集合体に隣接する集合体の数は最大3つまで可能であり、いずれの集合体を対戦相手の集合体として設定するかは、所定の条件に基づいて又は乱数に基づいて設定すればよい。なお、各ユーザと集合体との対応付けは所定の記憶域に記憶しておけばよい。
【0020】
前記移動処理部は、前記所定の移動行を前記プレイヤの位置決定操作によって決定する移動行決定部を有し、決定された前記移動行に配列された複数の構成体を、前記所定の移動量だけ移動させてもよい。これにより、プレイヤ(操作順序のユーザ)の操作に基づいて移動行を決定することができる。
【0021】
前記移動処理部は、前記移動行決定部にて決定された前記移動行に関する前記所定の移動量を、前記プレイヤの移動量決定操作によって決定する移動量決定部を更に有し、前記決定された移動行を、前記決定された移動量だけ移動させてもよい。これにより、プレイヤ(操作順序のユーザ)の操作に基づいて移動行を決定することができる。
【0022】
少なくとも1つ以上の他のゲーム機とデータの送受信可能な通信部(11)を更に有し、前記ゲーム制御部は、前記自機を操作するユーザが前記プレイヤとして特定された時、前記移動行決定部にて決定された前記移動行を示す移動行情報と、前記移動量決定部にて決定された前記移動量を示す移動量情報とを含む移動情報を、前記少なくとも1つ以上の他のゲーム機へ送信し、いずれか1つの前記他のゲーム機を操作するユーザが前記プレイヤとして特定された時、前記特定されたユーザの移動情報を前記他のゲーム機から取得する移動情報処理部(10e)を備えてもよい。これにより、他のゲーム機を操作する複数のユーザと対戦ゲームを実行することができる。
【0023】
前記集合体表示部は、前記複数の集合体が所定方向に連続して配列されるように表示し、前記操作順序特定部は、前記複数の集合体が配列された順に各集合体に対応するユーザを前記プレイヤとして特定し、前記集合体設定部は、前記複数の集合体のうち、前記プレイヤの集合体に対して前記所定方向に隣接する集合体を、前記対戦相手の集合体として設定してもよい。これにより、プレイヤの集合体に対して所定方向に隣接する集合体は1つなので、プレイヤが特定されると、対戦相手も自動的に特定することができる。
【0024】
本発明のゲームプログラムは、プレイヤ(P)の操作を受け付ける操作入力部(KY)と、ゲームを制御するゲーム制御部(10)と、前記ゲームのゲーム画面を表示する表示部(MT)と、を有するゲーム機(GM)の前記ゲーム制御部を動作させるゲームプログラムであって、前記ゲーム制御部を、複数種類の構成体が行方向及び列方向に配列された複数の列及び複数の行によって形成される2つの集合体のうち、いずれか一方を前記プレイヤの集合体とし、他の一方を対戦相手の集合体として設定する集合体設定部(10b)、前記プレイヤの集合体及び前記対戦相手の集合体を、互いに行方向に隣接するように前記ゲーム画面に表示させる集合体表示部(10a)、前記プレイヤの操作に応じて、前記プレイヤの集合体において、所定の移動行に配列された複数の構成体を、前記対戦相手の集合体の方向へ所定の移動量だけ移動させると共に、前記対戦相手の集合体において前記移動行の移動方向に存在する対戦相手移動行に配列された複数の構成体を、前記移動行に押し出されるように前記移動方向に前記所定の移動量だけ移動させる移動処理部(10c)、並びに、前記移動行及び前記対戦相手移動行の移動後、前記プレイヤの集合体の状況に基づいて、前記プレイヤのスコアに関する処理を行なうと共に、前記移動行に配列された構成体のうち、前記対戦相手の集合体内へ移動した構成体を含む前記対戦相手の集合体の状況に基づいて、前記対戦相手のスコアに関する処理を行う移動結果処理部(10d)、として動作させることにより、上記の課題を解決する。本発明のゲームプログラムを稼働することにより、本発明のゲーム機として機能させることができる。
【発明の効果】
【0025】
上述したように、本発明によれば、複数種類の構成体Bがマトリックス状に配列された2つの集合体を、互いに行方向に隣接するようにゲーム画面に表示する集合体表示部と、2つの集合体のうち一方をプレイヤの集合体し、他の一方を対戦相手の集合体として設定する集合体設定部と、プレイヤの操作に応じて、プレイヤの集合体の移動行を対戦相手の集合体の方向へ移動させると共に、当該移動に伴って対戦相手の集合体の対戦相手移動行を移動させる移動処理部と、移動行の移動後、プレイヤの集合体の状況に基づいてプレイヤのスコアを算出し、かつ、対戦相手の集合体の状況に基づいて対戦相手のスコアを算出する移動結果処理部とにより、複数の構成体が積み上げられた状態に応じて得点が得られるゲームにおいて、プレイヤの操作が自分の構成体だけでなく、対戦相手の構成体にも影響を与えるように構成されたゲーム機等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明のゲーム機で構成するゲームシステムの一例を第1の形態として示す図。
【図2】図1のゲーム機で行われるゲームのゲーム画面の一例を示す図。
【図3】移動行を決定するためのキック条件決定画面を示す図。
【図4】サッカーボールによって移動行が移動するキック画面を示す図。
【図5】ボール山において特定状態となったボールが点滅するようすを示す図。
【図6】ゲーム機のハードウェア構成の概略を示す図。
【図7A】ゲーム機が保持するプレイヤ情報の一例を示す図。
【図7B】ゲーム機が保持する対戦相手情報の一例を示す図。
【図8】対戦ゲーム処理にて行われる処理の流れを示すフローチャート。
【図9】キック条件決定処理にて行われる処理の流れを示すフローチャート。
【図10】キック処理にて行われる処理の流れを示すスローチャート。
【図11】操作順序が対戦相手の場合に示されるキック画面を示す図。
【図12】操作順序が対戦相手の場合に対戦相手のゲーム機にて表示される、キック条件決定画面を示す図。
【図13】操作順序が対戦相手の場合に対戦相手のゲーム機にて表示される、キック画面を示す図。
【図14】1台のゲーム機によって対戦ゲームが行われる場合のゲーム画面を示す図。
【図15】図14の場合における対戦ゲーム処理にて行われる処理の流れを示すフローチャート。
【図16】本発明のゲーム機にて構成されるゲームシステムの一例を第2の形態として示す図。
【図17】第2の形態におけるゲーム画面を示す図。
【図18】第2の形態において、2つのボール山が行方向に隣接する場合のキック画面を示す図。
【図19】図18に示す場合において、キックされた結果の2つのボール山の状況を示す図。
【図20】第2の形態において、2つのボール山が列方向に隣接する場合のキック画面を示す図。
【図21】図20に示す場合において、キックされた結果の2つのボール山の状況を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
1.第1の形態
図1は、本発明のゲーム機GM1、GM2にて構成されるゲームシステムGS1の一例を、第1の形態として示す図である。ゲーム機GM1はプレイヤPによって操作され、ゲーム機GM2は対戦相手CPによって操作される。本形態のゲーム機GM1及びゲーム機GM2は、例えば赤外線を搬送波にしてデータを直接送受信するが、所定のネットワークを介してデータの送受信が行われるように構成してもよい。なお、接続形式は無線でも有線でもよい。本形態のゲーム機GM1、GM2は、ゲーム画面を表示するモニタMT及びプレイヤP又は対戦相手CPのデータ入力を受け付ける複数のキーが設けられたキー部KYを有する携帯型電話である。以下、ゲーム機GM1とゲーム機GM2を区別する必要がない時は「ゲーム機GM」という。なお、本発明のゲーム機GMは携帯型電話でなく、携帯型又は固定型のコンピュータであってもよい。
【0028】
ゲーム機GMにて行われるゲーム(以下「本ゲーム」という。)について図2〜図5を用いて説明する。まず、本ゲームのゲーム画面GI1の基本的な構成について、ゲーム機GM1のモニタMTに表示されるゲーム画面GI1の場合を例にして説明する。ゲーム画面GI1は左半分のプレイヤ領域PAと右半分の対戦相手領域CPAとで構成される。プレイヤ領域PAには、プレイヤPに関連付けられた構成が表示され、本形態では図2に示すように、プレイヤPの集合体としてのボール山BM1と、キャラクタC1と、スコアSC1と、後述するキック力を示すレベルゲージLG1とが表示される。そして、対戦相手領域CPAには、対戦相手CPに関連付けられた構成が表示され、本形態では、対戦相手CPの集合体としてのボール山BM2と、キャラクタC2と、スコアSC2と、後述するキック力を示すレベルゲージLG2とが表示される。
【0029】
以下、ボール山BM1及びボール山BM2を区別する必要のない時は「ボール山BM」といい、キャラクタC1及びキャラクタC2を区別する必要がない時は「キャラクタC」といい、スコアSC1及びスコアSC2を区別する必要がない時は「スコアSC」といい、レベルゲージLG1及びレベルゲージLG2を区別する必要のない時は「レベルゲージLG」という。
【0030】
プレイヤPのボール山BM1及び対戦相手CPのボール山BM2のそれぞれは、互いに行方向LDに隣接するように配置され、各ボール山BMは、複数種類の構成体としての複数種類のボールBによって構成されている。ボール山BMの複数種類のボールBは、行方向LDに5個、列方向RDに6個のマトリックス状に配列され、各ボールBは形状や大きさは同じで、柄や色によって種類が識別されるように構成されている。なお、ゲーム画面GI1において、プレイヤPに関する構成と、当該構成に対応する対戦相手CPの構成とは、左右対称に表示されることが望ましい。
【0031】
本ゲームは、上述したゲーム画面GI1において、キャラクタCにサッカーボールをキックさせ、キックされたサッカーボールによってボール山BMを崩していき、スコアSC1、SC2を競う対戦ゲームである。なお、本ゲームはターン制ゲームであり、即ちプレイヤPの操作と対戦相手CPの操作は交代で行われる。プレイヤPの操作順序の時、キック条件決定画面としてのゲーム画面GI1に、図3に示すように、キャラクタC1側のボール山BM1の側面に、位置指定指標PSが表示される。位置指定指標PSは、ボール山BM1の側面に沿って1行目から6行目を示しながら列方向RDに所定速度で往復移動する。プレイヤPによりゲーム機GM1に対して所定の位置決定操作が行われると、当該操作に応じて位置指定指標PSはストップし、そのストップした位置指定指標PSが示す行が移動行MLとして決定される。移動行MLが決定される際には、キャラクタC1がキックをするためのバックスイングするようすが表示される。なお、位置指定指標PSが示す行を含む複数の移動行を移動行MLとして設定してもよいし、位置指定指標PSが示す行と所定の関係にある他の行を移動行MLとして設定してもよい。
【0032】
次に、プレイヤPによってゲーム機GM1に対して移動量としてのキック力を決定するためのキック力決定操作が行われると、キック力が決定される。キック力には5段階のレベルが用意され、本形態ではキック力決定操作が行われた回数によって決定される。レベルゲージLG1には決定されたキック力を示すレベルが表示される。キック力が決定されると、図4に示すように、サッカーボールSBがキャラクタC1によってキックされ、キックされたサッカーボールSBが移動行MLのキャラクタC1側の端にあるボールB1に当たるようすが表示される。サッカーボールSBが当たった移動行MLは、決定されたキック力に応じた移動量で、対戦相手方向(本形態では右方向)へ移動する。
【0033】
対戦相手CPのボール山BM2において移動行MLに対応する行、即ち移動行MLの移動方向にある対戦相手移動行CMLも、移動行MLによって押し出されるように移動する。結果として、移動行MLとその移動行に行方向LDに隣接する対戦相手移動行CMLを構成するボールBが、キック力に応じた移動量で対戦相手方向に移動する。図4は、移動行MLはボール山BM1の5行目に決定され、かつキック力がボール1つ分のレベルに決定された場合、移動行ML及び対戦相手移動行CMLが、ボール1つ分対戦相手方向に移動するようすを示す。これにより、プレイヤPの移動行MLの対戦相手側の端にあるボールB2は対戦相手のボール山BM2内へ移動し、以後、ボール山BM2を構成するボールBとして扱われる。また、ボール山BM2から押し出されたボールB3は消去される。
【0034】
移動行ML及び対戦相手移動行CMLの移動後、各ボール山BM1、BM2において、特定状態が発生したか否かが判断される。本形態では、同じ種類の3つのボールBが連続して、列方向RD、行方向LD又はL字形に並んだ状態を特定状態とする。図5では、ボール山BM1において特定状態SS1が発生し、ボール山BM2において、特定状態SS2及び特定状態SS3が発生したようすを示す。以下、特定状態SS1、SS2、SS3を区別する必要がない時は「特定状態SS」という。プレイヤP及び対戦相手CPのそれぞれに対して、発生した特定状態SSに応じて得点が算出され、プレイヤP及び対戦相手CPのそれぞれのスコアSC1,SC2が更新される。
【0035】
特定状態SSが発生すると特定状態SSを構成するボールBは点滅し、その後消去される。これにより、特定状態SSが発生した領域は空白領域となる。空白領域には空白領域の列方向RD上方に配列されたボールBが空白領域を埋めるように下方に移動する。そして、当該移動により、ボール山BMの上部に発生した空白領域を埋めるように、新たに供給ボールBが供給される。供給ボールBが空白領域に供給される態様は問わないが、ゲーム画面GI1の上方から供給されることが望ましい。これにより、ボール山BMは、ボールBがなくなるまで6行5列のボールBが配列された状態が維持される。なお、プレイヤP及び対戦相手CPのそれぞれに対応するボールBの数は一定であり、供給ボールBが供給される列と種類の順序は予め設定されている。
【0036】
また、本形態では、特定状態SSを構成するボールBの点滅時から空白領域を埋めるためのボールBが移動を開始するまでの間、プレイヤPによって所定の継続キック操作があると、同じ移動行MLを更にサッカーボールSBによって移動させることができる。継続キックにおける移動行MLの移動量は最初のキックの移動量と同じであってもよいし、継続キックの移動量として同じ移動量が予め設定されていていもよい。
【0037】
一方、対戦相手CPの操作順序の時は、対戦相手CPがプレイヤPとして、プレイヤPがゲーム機GM1に対して行った操作と同様の位置決定操作及びキック力決定操作を、ゲーム機GM2に対して行う。対戦相手CPによって決定された移動行ML及びキック力(移動量)を含む移動情報をゲーム機GM1が取得すると、移動情報にて示される移動行MLをボール山BM2の対戦相手移動行CMLとし、移動情報にて示されるキック力を対戦相手移動行CMLの移動量として、対戦相手移動行CMLの移動に関する処理が行われる。なお、対戦相手移動行CMLに対応するボール山BM1の対戦相手MLは、対戦相手移動行CMLに押し出されて対戦相手移動行CMLと共に左方向に移動する。
【0038】
なお、ゲーム機GM1が移動情報を取得すると、キャラクタC2にサッカーボールSBをキックさせ、キックされたサッカーボールSBが対戦相手移動行CMLのキャラクタC2側に配列されたボールBに当たることにより、対戦相手移動行CMLが移動するようすがゲーム画面GI1に表示される。ボールBの移動後の処理は、プレイヤPの操作順序における処理と同様である。
【0039】
上述したゲーム機GMにおけるゲームを実現するための構成について説明する。まず、ゲーム機GMのハードウェア構成の概略について図6を用いて説明する。ゲーム機GMは、操作入力部としてのキー部KYと表示部としてのモニタMTの他、他のゲーム機GMとデータの送受信を行うための通信部11と、本発明を実現するためのゲームプログラムや各種データが記憶された記憶部12と、上述したゲームを実行するための各種制御を行うゲーム制御部10とで構成される。ゲーム制御部10は、CPU及びその動作に必要な各種記憶域及び各種タイマにて構成されコンピュータとして機能する。記憶部12に記憶されたゲームプログラムを稼働させることにより、ゲーム制御部10は主に集合体表示部10a、集合体設定部10b、移動処理部10c、移動結果処理部10d、移動情報処理部10e及び操作順序特定部10fとして機能する。各部10a〜10fの機能については後述する。
【0040】
記憶部12に記憶されたデータについて説明する。記憶部12にはプレイヤ情報20及び対戦相手情報30とが記憶される。プレイヤ情報20はプレイヤPに関する情報であり、図7Aに示すように、プレイヤPのスコア21と、プレイヤPのボール山BM1の状況を示すボール山情報22と、ボール山BM1に供給されるボールBに関する供給ボール情報23が含まれる。スコア21はスコアSC1としてゲーム画面GI1に表示される。ボール山情報22は、現在のボール山BM1を構成する複数のボールBのそれぞれの種類と位置を示す情報である。ボール山情報22の情報とボール山BM1におけるボールBの表示はリンクしており、ゲーム制御部10によってボール山情報22における各ボールBの情報が変化すると、その変化に応じてボール山BM1のボールBの表示が変化する。
【0041】
供給ボール情報23は、ボール山BM1の1列目〜5列の各列に関して、ボールBの種類が各列に供給される順(以下「供給順」という。)に設定された情報である。例えば、ゲーム開始時には各列に関して1番目から6番目までのボールBが供給されることによって、ゲーム開始時のボール山BM1が構成される。以後、各列に対して、供給ボール情報23にて設定された供給順に、所定の種類のボールBがボール山BM1に供給される。なお、プレイヤ情報20を構成する各情報21〜23は、例えばプレイヤPの識別情報によって対応付けられていればよく、物理的に1つのレコードを形成しなくてもよい。
【0042】
対戦相手情報30は対戦相手CPに関する情報であり、図7Bに示すように、対戦相手CPのスコア31と、対戦相手CPのボール山BM2の状況を示すボール山情報32と、ボール山BM2に供給されるボールBに関する供給ボール情報33が含まれる。スコア31はスコアSC2としてゲーム画面GI1に表示される。ボール山情報32は、現在のボール山BM2を構成する複数のボールBのそれぞれの種類と位置を示す情報である。ボール山情報32の情報とボール山BM2におけるボールBの表示はリンクしており、ゲーム制御部10によってボール山情報32における各ボールBの情報が変化すると、その変化に応じてボール山BM2のボールBの表示が変化する。
【0043】
供給ボール情報33は、ボール山BM2の1列目〜5列の各列に関して、ボールBの種類が各列に供給される順(以下「供給順」という。)に設定された情報である。例えば、ゲーム開始時には各列に関して1番目から6番目までのボールBが供給されることによって、ゲーム開始時のボール山BM2が構成される。以後、各列に対して、供給ボール情報33にて設定された供給順に、所定の種類のボールBがボール山BM2に供給される。
【0044】
次に、ゲーム機GM1とゲーム機GM2においてゲームが実行されるためにゲーム機GM1で行われる処理である対戦ゲーム処理について、図8のフローチャートに従って説明する。対戦ゲーム処理はゲーム制御部10によって制御される。ゲームが開始されると、まず、ステップS100にて、プレイヤPのボール山BMをボール山BM1と設定し、対戦相手CPのボール山BMをボール山BM2として設定し、上述したように、行方向LDに隣接するボール山BM1とボール山BM2とを示すゲーム画面GI1がモニタMTに表示される。これにより、ゲーム制御部10は、集合体表示部10a及び集合体設定部10bとして機能する。なお、各ボール山BMを構成するボールBの種類はボール山情報22、32に基づいて決定される。
【0045】
次に、ステップS110にて、プレイヤPの操作順序か否かが判断される。これにより、ゲーム制御部10は操作順序特定部10fとして機能する。本形態のゲームはターン制であるため、プレイヤP又は対戦相手CPの操作順序は交互に設定される。ステップS110にて、プレイヤPの操作順序であると判断された時はステップS120へ進む。ステップS120ではキック条件決定処理が行われる。キック条件決定処理では、プレイヤPの操作に基づいて移動行ML及び移動量としてのキック力が決定される。キック条件決定処理の詳細については後述する。
【0046】
キック条件が決定されると、ステップS130に進み、キック処理が行われる。キック処理では、決定されたキック条件、即ち決定された移動行ML及びキック力に基づいて、ボール山BM1の移動行MLを移動させ、当該移動後のボール山BM1及びボール山BM2の状況に基づいて得点を求める。キック処理の詳細については後述する。キック処理後、ステップS140へ進み、ゲーム終了か否かが判断される。例えば、ゲーム開始後、所定時間が経過するとゲーム終了と判断される。あるいは、プレイヤPのボール山BM1又は対戦相手CPのボール山BM2のいずれかが所定の状態になるとゲーム終了と判断されるように構成してもよい。終了と判断された時はゲームを終了し、終了と判断されない時はステップS110へ戻る。
【0047】
一方、ステップS110にて、プレイヤPの操作順序でないと判断された時は、対戦相手CPの操作順序であり、ステップS150へ進む。ステップS150では、対戦相手CPの移動情報をゲーム機GM2から取得する。移動情報には、対戦相手CPの操作に基づいて決定された対戦相手CPの移動行ML及びキック力が設定されている。移動情報を取得すると、ステップS160へ進み、移動情報に設定された移動行ML及びキック力に基づいてキック処理が行われる。ステップS160のキック処理では、上述したステップS130のキック処理における移動行MLを対戦相手移動行CMLとして同様の処理行われる。対戦相手CPに関するキック処理の詳細については後述する。キック処理の終了後、ステップS140へ進む。
【0048】
キック条件決定処理について、図9のフローチャートに従って説明する。まず、ステップS200にて、位置指定指標PSがゲーム画面GI1に表示される。位置指定指標PSは上述したように、ボール山BM1の各行を示しながら列方向RDに移動する。続いて、ステップS210に進み、位置決定操作待ち状態となる。プレイヤPにより位置決定操作があった時は、ステップS220へ進み、位置決定操作に応じたタイミングで位置指定指標PSをストップさせ、ストップした位置指定指標PSの示す行を移動行MLとして決定する。
【0049】
続いて、ステップS230に進み、レベル決定時間の計時が開始され、続くステップS240にてレベル決定時間が経過したか否かが判断される。本形態のレベル決定時間は例えば0.5秒である。レベル決定時間が経過したと判断された場合は、ステップS280へ進む。一方、レベル決定時間内には、プレイヤPによるキック操作が有るか否かがステップS250にて判断される。例えば、キー部KYにおける所定のキック操作キーの押下があるとキー操作として判断される。キック操作がないと判断された場合は、ステップS240へ戻る。キック操作があると判断された場合は、ステップS260へ進み、キック力のレベルが1つアップする。レベルの変化に応じて、レベルゲージLG1の表示も変化させる。
【0050】
続いて、ステップS270にて、キック力がレベル5に達したか否か判断され、レベル5に達した場合はステップS280へ進み、レベル5に達していない場合はステップS230に戻る。以上のように、キック操作の回数に応じてキック力をレベル5まで設定することができる。但し、キック操作がされた後の次のキック操作はレベル決定時間内に行われることが必要である。ステップS280では、決定されたキック条件、即ち、決定された移動行ML、及び決定されたキック力を含む移動情報が生成され、生成された移動情報がゲーム機GM2へ送信される。これにより、ゲーム制御部10は移動情報処理部10eとして機能する。移動情報が送信されると、キック条件決定処理は終了する。
【0051】
キック処理にて行われる処理について図10に示すフローチャートに従って説明する。以下に説明するキック処理におけるボール山BMを構成するボールの表示は、ゲーム制御部10がボール山情報22,32の設定情報を変化させることにより、当該変化に基づいたボール山BMの表示が変化する。キック処理は、プレイヤPの操作順序においても対戦相手CPの操作順序においても行われる。まず、プレイヤPの操作順序において行われるキック処理について説明する。
【0052】
ステップS300にて、キック画面をモニタMTに表示する。キック画面では、キャラクタC1がサッカーボールSBをキックし、キックされたサッカーボールSBが移動行MLのキャラクタC1側に当たるようすが表示される。キック画面の表示後、ステップS310へ進み、移動処理が行われる。これにより、ゲーム制御部10は移動処理部10cとして機能する。移動処理では、キック力のレベルに応じて移動行MLを構成するボールBを対戦相手方向に移動させる。
【0053】
移動行MLの移動に伴って、移動行MLに押し出されるように対戦相手移動行CMLも移動させる。例えば、キック力がレベル1の場合は移動行ML及び対戦相手移動行CMLはボールB1つ分移動する。これにより、移動行MLのキャラクタC1側にはボールBの1つ分の空白領域が発生し、対戦相手移動行CMLのキャラクタC2側に位置するボールBが1つ分押し出されて消去される。
【0054】
次に、ステップS320へ進み、移動行ML及び対戦相手移動行CMLの移動後のボール山BM1、BM2において、特定状態SSが発生したか否かが判断される。特定状態SSが発生していない時はステップS370へ進む。特定状態SSが発生している時は、ステップS330へ進み、特定状態SSを構成するボールBを点滅させる。続いて、ステップS340にて、点滅させたボールBを消去すると共に、継続タイマの計時を開始する。継続タイマとは継続キックを許可する継続タイムを計時するタイマである。次に、ステップS350にて、継続キックが有るか否か判断される。キー部KYにおける所定の継続キック操作キーがプレイヤPによって押下された場合に継続キックが有ったと判断される。
【0055】
ステップS350にて、継続キックがされたと判断された場合は、ステップS355にて継続キックがされたことを示す継続情報をゲーム機GM2へ送信した後、ステップS300に戻り、継続キックに関する処理が行われる。継続キックに関するステップS310における移動行MLの移動量は、例えば直前のキックによる移動量と同じであってもよいし、継続キックの移動量として予め設定された移動量であってもよい。一方、ステップS350にて継続キックがないと判断された場合はステップS360に進み継続タイムが終了したか否かが判断される。
【0056】
ステップS360にて継続タイムが終了していないと判断された時はステップS350へ戻って継続キック待ち状態となり、継続タイムが終了したと判断された時はステップS370へ進む。ステップS370では得点処理が行われる。得点処理では、特定状態SSの発生に基づいて、プレイヤPと対戦相手CPのそれぞれの得点が算出され、スコア21、31が更新され、当該更新に伴ってゲーム画面GI1のスコアSC1、SC2の表示が更新される。得点処理においては、特定状態SSが1つも発生しなかった場合にマイナス得点を設定するように構成してもよい。
【0057】
得点処理後、ステップS380へ進み、特定状態SS及び移動行MLの移動により発生した各空白領域に対して、当該空白領域を埋めるようにボールBの落下処理が行われる。落下処理では、空白領域の列方向RDの上方に位置するボールBが空白領域を埋めるように落下する。当該落下により、ボール山BM1、BM2の上部に空白領域が発生するため、ボール山BMの上部に発生した空白領域を埋めるように新たな供給ボールBが供給される。各ボール山BM1、BM2の各列に供給されるボールBの種類の順番は、上述したように供給ボール情報23、33に基づいて決定される。空白領域の落下処理が終了するとキック処理は終了する。キック処理のステップS320〜ステップS370により、ゲーム制御部10は移動結果処理部10dとして機能し、ステップS380によりゲーム制御部10は集合体表示部10aとして機能する。
【0058】
プレイヤPのゲーム機GM1において、対戦相手CPの操作順序において実行されるキック処理について説明する。この場合のキック処理においては、ゲーム機GM2から送信される移動情報を待ち、取得した移動情報に設定されている移動行MLを対戦相手移動行CMLとして扱い、移動情報に設定されているキック力を対戦相手移動行CMLを移動させるキック力として扱う。対戦相手CPの操作順序における対戦相手移動行CMLの移動に関する表示は、プレイヤPの操作順序における移動行MLの移動に関する表示とはゲーム画面中央部に関して左右対称に表示される。
【0059】
まず、ステップS300では、キック画面として、図11に示すように、キャラクタC2がサッカーボールSBをキックして、キックされたサッカーボールSBが、対戦相手移動行CMLにキャラクタC2側から当たるようすが表示される。続いてステップS310では、対戦相手CPのキック力に応じて対戦相手移動行CMLをプレイヤ領域PAの方向(以下「プレイヤ方向」という。)に移動させ、当該移動に伴って、対戦相手移動行CMLに対応する位置にあるボール山BM1の移動行MLを、対戦相手移動行CMLに押し出されるように移動させる。以下、ステップS320〜ステップS380は上述した処理と同様である。但し、ステップ350における継続キックの有無は、継続情報をゲーム機GM2から取得した時に継続キックがあったと判断し、ステップS355の継続情報の送信は不要である。
【0060】
次に、対戦相手CPのゲーム機GM2における処理について説明する。ゲーム機GM2においては、対戦相手CPをプレイヤPとし、ゲーム機GM1を操作するプレイヤPを対戦相手CPとして、上述した対戦ゲーム処理が行われる。ゲーム機GM2のモニタMTに表示されるゲーム画面GI1’は、ゲーム機GM1のモニタMTに表示されるゲーム画面GI1と同様である。但し、ゲーム機GM2を操作する対戦相手CPをプレイヤP(以下「プレイヤP’」という。)とし、ゲーム機GM1を操作するプレイヤPを対戦相手CP(以下「対戦相手CP’」という。)として処理されるため、図12及び図13に示すように、ゲーム画面GI1’の右半分がプレイヤ領域PAとなり、プレイヤ領域PAには、プレイヤP’に関するキャラクタC2、ボール山BM2、スコアSC2、及びレベルゲージLG2が表示される。
【0061】
一方、ゲーム画面GI1’の左半分は対戦相手領域CPAとなり、対戦相手領域CPAには、対戦相手CP’に関するキャラクタC1、ボール山BM1、スコアSC1、及びレベルゲージLG1が表示される。ゲーム機GM1の対戦ゲーム処理におけるキャラクタC1、ボール山BM1、スコアSC1及びレベルゲージLG1に関する処理を、ゲーム機GM2の対戦ゲーム処理におけるキャラクタC2、ボール山BM2、スコアSC2及びレベルゲージLG2に関する処理として行えばよい。そして、ゲーム機GM1の対戦ゲーム処理におけるキャラクタC2、ボール山BM2、スコアSC2及びレベルゲージLG2に関する処理を、ゲーム機GM2の対戦ゲーム処理におけるキャラクタC1、ボール山BM1、スコアSC1及びレベルゲージLG1に関する処理として行えばよい。
【0062】
なお、ゲーム画面GI1’にて、ボール山BM2のキャラクタC2側に表示される位置指定指標PSは、図12に示すように、ゲーム機GM1にて表示される位置指定指標PSと左右対称の位置に表示される。また、プレイヤP’の操作によって移動する移動行ML及び対戦相手移動行CMLの移動方向も、図13に示すように、ゲーム機GM1における移動行MLの移動方向及び対戦相手移動行CMLの移動方向と、ゲーム画面GI1’中央部に関して左右対称となる。
【0063】
本発明は、第1の形態として、上述の形態に限らず種々の形態にて実施されてよい。例えば、1台のゲーム機GMを対戦する2人のプレイヤP1、P2で操作するように構成してもよい。モニタMTに表示されるゲーム画面GIotは、図14に示すように、各プレイヤに対応するプレイヤ領域PA1とプレイヤ領域PA2とで構成される。プレイヤ領域PA1には、上述したゲーム機GM1のモニタMTに表示されるゲーム画面GI1のプレイヤ領域PAと同様のスコアSC1、キャラクタC1、ボール山BM1、及びレベルゲージLG1が表示される。プレイヤ領域PA2には、上述したゲーム機GM2のモニタMTに表示されるゲーム画面GI1’のプレイヤ領域PAのスコアSC2、キャラクタC2、ボール山BM2、及びレベルゲージLG2のそれぞれに対応するスコアSC2、キャラクタC2、ボール山BM2、及びレベルゲージLG2が表示される。
【0064】
1台のゲームGMにて構成する場合において、「対戦ゲーム処理」にて行われる処理について、図15に示すフローチャ−トに従って説明する。ステップS100のゲーム画面表示では、上述したゲーム画面GIotがモニタMTに表示される。次のステップS110’では、プレイヤP1又はプレイヤP2のうち、操作順序のプレイヤを特定する。操作順序のプレイヤに関して、ステップS120のキック条件決定処理及びステップS130のキック処理が行われる。
【0065】
プレイヤP1に関する処理はゲーム機GM1におけるプレイヤPに関するキック条件決定処理及びキック処理と同様の処理がされ、プレイヤP2に関する処理は、ゲーム機GM2におけるプレイヤP’に関するキック条件決定処理及びキック処理と同様の処理がされればよい。但し、キック条件決定処理における移動情報の送信(ステップS280)、キック処理における継続情報送信(ステップS355)は不要である。
【0066】
2.第2の形態
第1の形態では、2人で対戦する形態の一例について説明したが、第2の形態では4人で対戦する形態について説明する。以下、主に第1の形態と異なる点について説明する。なお、第1の形態と同じ符号の構成及びステップは第1の形態における構成及びステップを準用すればよいことを示す。図16は、本発明のゲーム機GM101〜GM104で構成されるゲームシステムGS2の一例を、第2の形態として示す図である。4台のゲーム機GM101〜ゲーム機GM104のそれぞれは、4人のユーザU1〜ユーザU4のそれぞれによって操作される。ゲーム機GM101〜ゲーム機GM104のそれぞれは、モニタMT及びキー部KYを有する携帯型電話であり、ネットワークNを介して互いにデータの送受信が行われるように構成されている。以下、ゲーム機GM101〜ゲーム機GM104を区別する必要がない時は「ゲーム機GM100」といい、ユーザU1〜ユーザU4を区別する必要のない時は「ユーザU」という。
【0067】
ゲーム機GM100にて行われるゲーム(以下、「本ゲーム」という。)は、第1の形態のゲーム機GMにて実行されるゲームと同様のいわゆる落ち物ゲームである。本ゲームにて表示されるゲーム画面GI2の基本的な構成について、図17を用いて説明する。ゲーム画面GI2は、ユーザ領域UA1〜ユーザ領域UA4の4つの領域で構成される。各ユーザ領域UA1〜ユーザ領域UA4は、各ユーザU1〜ユーザU4に対応する領域であり、各ユーザ領域UA1〜ユーザ領域UA4には、対応するユーザU1〜ユーザU4に関する情報が表示される。例えば、ユーザU1のユーザ領域UA1には、ユーザU1に関する情報として、ボール山BM101、キャラクタC101、スコアSC101、及びレベルゲージLG101とが表示される。
【0068】
以下、ユーザ領域UA1〜ユーザ領域UA4を区別する必要のない時は「ユーザ領域UA」といい、ボール山BM101〜ボール山BM104を区別する必要のない時は「ボール山BM100」といい、キャラクタC101〜キャラクタC104を区別する必要がない時は「キャラクタC」といい、スコアSC101〜スコアSC104を区別する必要がない時は「スコアSC」といい、レベルゲージLG101〜レベルゲージLG104を区別する必要のない時は「レベルゲージLG」という。
【0069】
ボール山BM101〜ボール山BM104は、ゲーム画面GI2の周方向CDに連続して行方向LD又は列方向RDに隣接するように配置されている。各ボール山BM100は、複数種類の構成体としての複数種類のボールBで構成される。各ボール山BM100における複数のボールBは、行方向LDに4個、列方向RDに4個のマトリックス状に配列されている。各ボールBの形状や大きさは同じで、柄や色によって種類が識別される。なお、各ゲーム機GM101〜ゲーム機GM104に表示されるゲーム画面GI2は、全てのゲーム機GM100において同じ画面が表示されるように構成してもよいし、自機を操作するユーザUのユーザ領域UAが画面左上のユーザ領域UAに設定されるように構成してもよい。本形態は、各ゲーム機GM100にて同じゲーム画面GI2が表示される場合について説明する。
【0070】
本ゲームは、第1の形態におけるゲームと同様に、キャラクタCにサッカーボールSBをキックさせ、キックされたサッカーボールSBによってボール山BM100を崩していき、スコアSCを競う対戦ゲームである。本ゲームはターン制ゲームであり、各ユーザU1〜ユーザU4の操作順序は順次特定される。例えば、操作順序のユーザ(以下、「操作ユーザ」という。)としてユーザU1が特定された場合のゲーム画面GI2について、図18及び図19を用いて説明する。操作ユーザがユーザU1の場合、ユーザU1は第1の形態のプレイヤPに対応し、ユーザ領域UA1は第1の形態のプレイヤ領域PAに対応する。ユーザ領域UA1には、第1の形態と同様に位置指定指標PSが表示され、ユーザU1の操作に応じて、移動行ML及びキック力が決定される。
【0071】
ユーザU1のボール山BM101と周方向CDに隣接するボール山BM102及びユーザ領域UA2はそれぞれ、第1の形態の対戦相手CPのボール山BM100及び対戦相手領域CPAに対応する。以下、操作ユーザのボール山BM100に周方向CDに隣接するボール山BM100に対応するユーザUを「隣接対戦相手」といい、隣接対戦相手以外の対戦相手を「他の対戦相手」という時がある。第2の形態における操作ユーザと隣接対戦相手との関係は、第1の形態におけるプレイヤPと対戦相手CPの関係に対応する。
【0072】
操作ユーザの操作によって決定された移動行ML及びキック力に基づいて、操作ユーザU1のボール山BM101における移動行MLが行方向LDにキック力に応じた移動量で移動すると、移動する移動行MLによって押される対戦相手移動行CMLも、移動行MLによって押し出されるように移動する。図18は第1の形態におけるキック画面に対応し、ボール1つ分のキック力によって移動行ML及び対戦相手移動行CMLが、行方向LDに移動したようすを示す。対戦相手移動行CMLの移動方向側に配列されたボールB3は、ボール山BM102から飛び出してその後消去される。移動行ML及び対戦相手移動行CMLが移動した後、その移動後の操作ユーザU1のボール山BM101と隣接対戦相手U2のボール山BM102の状況に応じて、第1の形態と同様の処理が行われ、最後に操作ユーザU1及び隣接対戦相手U2のスコアが算出される。
【0073】
具体的には、移動行ML及び対戦相手移動行CMLが行方向LDに関して移動することにより、特定状態SSが発生すると、特定状態SSを構成する3つのボールBは消去される。これにより、特定状態SSが発生した領域は空白領域SA1となる。また、移動行MLのサッカーボールSBが当たった側にも空白領域SA2が発生する。発生した各空白領域SA1、SA2には、各空白領域SA1、SA2の列方向RDに配列されているボール群BB1〜BB3が空白領域SA1、SA2を埋めるように列方向RDに落下移動する。
【0074】
当該落下移動により、各ボール山BM101、BM102の上部に空白領域が発生するので、当該空白領域を埋めるように供給ボール群Bsp1〜Bsp3が供給される。各供給ボール群Bsp1〜Bsp3が対応する空白領域に供給される態様は問わないが、各ユーザ領域UA1、UA2の上部から空白領域に向かって落下することにより供給されることが望ましい。図19には、各ボール山BM101、102の上部に発生した空白領域に、供給ボール群Bsp1〜Bsp3が供給された状態を示す。これにより、4×4のマトリックス状にボールBが配列されたボール山BM100の形状を維持する。
【0075】
次に、ユーザU2が操作ユーザに特定された場合について、図20及び図21を用いて説明する。この場合の隣接対戦相手はユーザU3に特定される。この場合、操作ユーザU2のボール山BM102と隣接対戦相手U3のボール山BM103は列方向RDに隣接する。列方向RDに隣接するボール山BM100の場合の処理では、列方向RD及び行方向LDのそれぞれを、2つのボール山BM100が行方向LDに隣接する場合の処理(上述)における行方向LD及び列方向RDのそれぞれとみなして処理すればよい。即ち、列方向RDをみなし行方向LD’とし、行方向LDをみなし列方向RD’とし、左右方向を上下方向として、2つのボール山BM100が行方向LDに隣接する場合の処理と同様の処理を行えばよい。
【0076】
列方向RDに隣接する2つのボール山BM102、BM103に関する処理について、具体的に説明する。まず、位置指定指標PSが操作ユーザU2のキャラクタC102側に表示され、操作ユーザU2の操作によって移動行ML’及びキック力が決定される。移動行ML’が決定すると、移動行ML’及び移動行MLに押される対戦相手移動行CML’が、行方向LD’にキック力に応じて移動する。図20は第1の形態におけるキック画面に対応し、ボール1つ分のキック力に応じて移動行ML’及び対戦相手移動行CML’が、みなし行方向LD’に移動したようすを示す。対戦相手移動行CML’の移動により対戦相手移動行CML’の移動方向側に配置されているボールB3はボール山BM103から飛び出し、その後消去される。
【0077】
当該移動により、特定領域SSが発生した場合は、特定領域SSを構成するボールBは消去され、これにより空白領域SA1が発生する。特定領域SSに基づいて発生する空白領域SA1及び移動行MLの移動に基づいて発生する空白領域SA2を埋めるように、空白領域SA1,SA2に列方向RD’に位置するボール群BB1〜BB5が列方向RD’に移動する。これにより、各ボール山BM102、BM103の上部、即ち右側に空白領域が発生するため、当該発生した空白領域を埋めるように供給ボール群Bsp1〜Bsp5が供給される。各供給ボール群Bsp1〜Bsp5が対応する空白領域に供給される態様は問わないが、各ユーザ領域UA2、UA3の上部、即ち右側から空白領域に向かって移動することにより供給されることが望ましい。図21は、ボール山BM102、BM103の上部(右側)に発生した空白領域に供給ボール群Bsp1〜Bsp5が供給された様子を示す。これにより、4×4のマトリックス状に配列されたボールBによるボール山BMの形状を維持する。
【0078】
操作ユーザがユーザU3に特定された場合は、隣接対戦相手はユーザU4に設定され、ゲーム画面GI2には、操作ユーザがユーザU1の場合のゲーム画面GI2と左右対称の画像が表示される。また、操作ユーザがユーザU4に特定された場合は、隣接対戦相手はユーザU1に設定され、この場合のゲーム画面GI2には、操作ユーザがユーザU2の場合のゲーム画面GI2と上下対称の画像が表示される。
【0079】
次に、本形態のゲームシステムGS2を実現するために、各ゲーム機GM100にて行われる処理について説明する。ゲーム機GM100のハードウェア構成は図6に示すゲーム機GMのハードウェア構成と同様である。但し、記憶部12には、自機を操作するユーザUに関する情報としてプレイヤ情報20が記憶され、他の3人のユーザUのそれぞれに関する情報として各ユーザUに対応する対戦相手情報30が記憶されている。例えば、プレイヤ情報20及び各対戦相手情報30は各ユーザUの識別情報によって識別される。また、ボール山情報22、32には、各ボール山GM100が配置されている位置も設定される。当該位置は例えば領域に固有の領域番号として設定される。
【0080】
次に、ゲーム機GM100にて実行される対戦ゲーム処理について、図8のフローチャートに従って説明する。本形態では、例えばユーザU1が操作するゲーム機GM101にて実行される対戦ゲーム処理において、プレイヤPはユーザU1に対応し、対戦相手CPは全ての他のユーザU2〜4に対応する。ゲームが開始されると、まず、ステップS100にて、各ユーザU1〜U4に対して各ボール山BM101〜ボール山BM104を設定し、ボール山BM101〜BM104を列方向RD又は行方向LDに隣接させたゲーム画面GI2を表示する。これにより、ゲーム制御部10は、集合体表示部10a及び集合体設定部10bとして機能する。なお、各ボール山BM100を構成するボールBの種類は各ユーザUのボール山情報22、32に基づいて決定される。
【0081】
次に、ステップS110にて、プレイヤP、即ち自機を操作するユーザUの操作順序か否かが判断される。ステップS110が肯定判断された時はステップS120へ進む。ステップS120ではキック条件決定処理が行われる。キック条件決定処理では、プレイヤP、即ち自機を操作するユーザUの操作に基づいて、移動行ML及び移動量としてのキック力が決定される。キック条件決定処理の詳細については後述する。
【0082】
キック条件が決定されると、ステップS130に進み、キック処理が行われる。キック処理では、決定されたキック条件、即ち決定された移動行ML及びキック力に基づいて、操作ユーザUのボール山BM100の移動行ML(ML’)及び隣接対戦相手のボール山BM100の対戦相手移動行CML(CML’)を移動させ、移動後の各ボール山BM100の状況に基づいて得点を求める。キック処理の詳細については後述する。キック処理後、ステップS140へ進み、ゲーム終了か否かが判断される。例えば、ゲーム開始後、所定時間が経過するとゲーム終了と判断される。あるいは、いずれかのユーザUのボール山BM100が所定の状態になるとゲーム終了と判断されるように構成してもよい。終了と判断された時はゲームを終了し、終了と判断されない時はステップS110へ戻る。
【0083】
一方、ステップS110にて否定判断された時は他のゲーム機GM100を操作するユーザUの操作順序であり、ステップS150へ進む。ステップS150では、操作順序のユーザU、即ち操作ユーザの移動情報を、その操作ユーザが操作するゲーム機GM100から取得する。移動情報には、操作ユーザの操作に基づいて決定された移動行ML(ML’)及びキック力が設定されている。移動情報を取得すると、ステップS160へ進み、移動情報に設定された移動行ML(ML’)及びキック力に基づいてキック処理が行われる。ステップS160のキック処理では、上述したステップS130のキック処理と同様の処理が行われる。キック処理の詳細については後述する。キック処理の終了後、ステップS140へ進む。
【0084】
第2の形態におけるキック条件決定処理は、第1の形態と同様である。但し、隣接対戦相手のボール山GM100が列方向RDに隣接する場合は、ステップS200にて位置指定指標PSを、プレイヤP(自機を操作するユーザU)のボール山GM100の各列を示しながら行方向LD(みなし列方向RD’)に移動させる。また、ステップS280では、プレイヤPの操作に基づいて決定された移動行ML(ML’)、キック力及び当該プレイヤPを識別するための情報を含む移動情報が生成され、自機以外の他の3つのゲーム機GM100に送信される。
【0085】
第2の形態におけるキック処理について説明する。まず、ステップS300にて、キック画面を表示する。当該キック画面を表示する際には、まず、操作ユーザとその操作ユーザの隣接対戦相手を特定する。例えば、操作ユーザがユーザU1の場合は、ユーザ領域UA1と周方向CDに隣接するユーザ領域UA2に対応するユーザU2が隣接対戦相手として特定される。以下、操作ユーザを第1の形態のプレイヤP、隣接対戦相手を第1の形態の対戦相手CPとして、第1の形態におけるプレイヤPに関するキック処理と同様の処理を行えばよい。なお、操作ユーザのボール山BM100と隣接対戦相手のボール山BM100とが列方向RDに隣接する時は、上述したように、第1の形態における列方向RDをみなし列方向RD’とし、第1の形態における行方向LDをみなし行方向LD’とし、第1の形態における左右方向をみなし上下方向として処理すればよい。
【0086】
本発明は、第2の形態として、上述の形態に限らず種々の形態にて実施されてよい。例えば、各ゲーム機GM100にて、自機を操作するユーザUのユーザ領域UAがゲーム画面GI2の左上に表示されるように構成してもよい。この場合は、各ゲーム機GM100において、自機を操作するユーザUのユーザ領域UAの位置から相対的な位置関係がゲーム機GM100間にて共通するように、他の各ユーザUのユーザ領域UAの位置を設定し、各ユーザUのプレイヤ情報20及び各対戦相手情報30のボール山情報22、32に、対応するユーザ領域UAの位置を設定すればよい。他のゲーム機GM100から取得した移動情報は、当該移動情報に対応するユーザを操作ユーザとして、処理対象のボール山BM100を特定すればよい。
【0087】
また、ユーザUによって自分の領域UAの位置を適宜変更できるように構成してもよい。この場合は、各ユーザ領域UAの相対的な位置関係を保つように、ユーザUのユーザ領域UAを所望の位置に設定できるように構成すればよい。更に、ボール山BM100の列方向RD及び行方向LDのボールBの数は4つに限らない。また、列方向RDのボールBの数と行方向LDのボールBの数は異なってもよい。更に、複数の集合体BM100が連続する方向は、周方向に限らず、列方向又は行方向に隣接するように所定の方向に連続して配列されていればよい。
【符号の説明】
【0088】
B ボール(構成体)
BM、BM100 ボール山(集合体)
10 ゲーム制御部
10a 集合体表示部
10b 集合体設定部
10c 移動処理部
10d 移動結果処理部
10e 移動情報処理部
10f 操作順序特定部
ML 移動行
CML 対戦相手移動行
GM、GM100 ゲーム機
P プレイヤ
CP 対戦相手
U ユーザ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤの操作を受け付ける操作入力部と、
ゲームを制御するゲーム制御部と、
前記ゲームのゲーム画面を表示する表示部と、を有するゲーム機であって、
前記ゲーム制御部は、
複数種類の構成体が行方向及び列方向に配列された複数の列及び複数の行によって形成される2つの集合体のうち、いずれか一方を前記プレイヤの集合体とし、他の一方を対戦相手の集合体として設定する集合体設定部と、
前記プレイヤの集合体及び前記対戦相手の集合体を、互いに行方向に隣接するように前記ゲーム画面に表示する集合体表示部と、
前記プレイヤの操作に応じて、前記プレイヤの集合体において、所定の移動行に配列された複数の構成体を、前記対戦相手の集合体の方向へ所定の移動量だけ移動させると共に、前記対戦相手の集合体において前記移動行の移動方向に存在する対戦相手移動行に配列された複数の構成体を、前記移動行に押し出されるように前記移動方向に前記所定の移動量だけ移動させる移動処理部と、
前記移動行及び前記対戦相手移動行の移動後、前記プレイヤの集合体の状況に基づいて、前記プレイヤのスコアに関する処理を行なうと共に、前記移動行に配列された構成体のうち、前記対戦相手の集合体内へ移動した構成体を含む前記対戦相手の集合体の状況に基づいて、前記対戦相手のスコアに関する処理を行う移動結果処理部と、
を備えることを特徴とするゲーム機。
【請求項2】
前記移動処理部は、
前記所定の移動行を前記プレイヤの位置決定操作によって決定する移動行決定部を有し、
決定された前記移動行に配列された複数の構成体を、前記所定の移動量だけ移動させる、ことを特徴とする、ことを特徴とする請求項1に記載のゲーム機。
【請求項3】
前記移動行決定部は、前記プレイヤの集合体を構成する複数の行のそれぞれを示しながら移動する位置指定指標を前記ゲーム画面に表示し、前記プレイヤによる前記位置決定操作があった時に前記位置指定指標が示す行を前記移動行として決定する、ことを特徴とする請求項2に記載のゲーム機。
【請求項4】
前記移動処理部は、
前記移動行決定部にて決定された前記移動行に関する前記所定の移動量を、前記プレイヤの移動量決定操作によって決定する移動量決定部を更に有し、
前記決定された移動行を、前記決定された移動量だけ移動させる、ことを特徴とする請求項2又は3に記載のゲーム機。
【請求項5】
前記移動量決定部は、前記各移動量決定操作が所定の間隔内で行われた回数に応じて、前記移動量を決定する、ことを特徴とする、請求項4に記載のゲーム機。
【請求項6】
前記対戦相手が操作する他のゲーム機とデータの送受信可能な通信部を更に有し、
前記集合体設定部は、前記ゲームの開始時に前記プレイヤの集合体及び前記対戦相手の集合体を決定し、
前記ゲーム制御部は、
前記移動行決定部にて決定された前記少なくとも1つの移動行を示す移動行情報と、前記移動量決定部にて決定された前記移動量を示す移動量情報とを含む移動情報を、前記他のゲーム機へ送信し、かつ、前記対戦相手の移動情報を前記他のゲーム機から取得する移動情報処理部を備え、
前記移動処理部は、前記他のゲーム機から前記対戦相手の移動情報を取得すると、前記対戦相手の集合体において前記移動行情報が示す移動行に配列された複数の構成体を、前記プレイヤの集合体の方向へ前記移動量情報が示す移動量だけ移動させると共に、前記プレイヤの集合体において前記移動行の移動方向に存在する行に配列された複数の構成体を、前記移動量だけ移動させる、ことを特徴とする請求項4に記載のゲーム機。
【請求項7】
前記移動結果処理部は、
前記移動行の移動後の前記各集合体において、所定の特定状態を形成する構成体が発生すると、前記特定状態を形成する構成体を消去し、その消去された位置を埋めるように、前記消去された各構成体の列方向に配列された構成体を移動させ、前記各集合体において前記発生した特定状態に基づいて、前記プレイヤ又は前記対戦相手に得点を与える、ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のゲーム機。
【請求項8】
前記プレイヤの集合体に供給する前記構成体の情報である供給構成体情報と、前記対戦相手の集合体に供給する前記構成体の情報である供給構成体情報とを記憶する記憶部を備え、
前記各供給構成体情報は、対応する前記集合体の各列に関して前記構成体の種類が供給される順に設定され、
前記集合体表示部は、前記プレイヤの集合体において空白が発生した位置に、前記プレイヤの供給構成体情報に設定された供給順に前記構成体を供給し、かつ、前記対戦相手の集合体において空白が発生した位置に、前記対戦相手の供給構成体情報に設定された供給順に前記構成体を供給する、ことを特徴とする請求項7に記載のゲーム機。
【請求項9】
前記ゲーム制御部は、複数のユーザのうち操作順序のユーザを前記プレイヤとして順次特定する操作順序特定部を更に備え、
前記集合体表示部は、前記複数のユーザのそれぞれに対応する集合体を、互いに列方向又は行方向に隣接するように前記ゲーム画面に表示し、
前記集合体設定部は、前記複数のユーザのそれぞれに対応する集合体のうち、前記操作順序のユーザに対応する集合体を前記プレイヤの集合体として設定し、前記プレイヤの集合体に隣接する集合体を前記対戦相手の集合体として設定し、
前記移動処理部は、前記プレイヤの集合体と前記対戦相手の集合体とが列方向に隣接する場合は、前記列方向を、前記プレイヤの集合体及び前記対戦相手の集合体が行方向に隣接する場合の処理における行方向とみなして、前記移動行及び前記対戦相手移動行を移動させ、
前記移動結果処理部は、前記プレイヤの集合体及び前記対戦相手の集合体が列方向に隣接する場合の処理における列方向及び行方向のそれぞれを、前記プレイヤの集合体及び前記対戦相手の集合体が行方向に隣接する場合の処理における行方向及び列方向のそれぞれとみなして、前記プレイヤのスコアに関する処理及び前記対戦相手のスコアに関する処理をそれぞれ行う、ことを特徴とする請求項1に記載のゲーム機。
【請求項10】
前記移動処理部は、
前記所定の移動行を前記プレイヤの位置決定操作によって決定する移動行決定部を有し、
決定された前記移動行に配列された複数の構成体を、前記所定の移動量だけ移動させる、ことを特徴とする、ことを特徴とする請求項9に記載のゲーム機。
【請求項11】
前記移動処理部は、
前記移動行決定部にて決定された前記移動行に関する前記所定の移動量を、前記プレイヤの移動量決定操作によって決定する移動量決定部を更に有し、
前記決定された移動行を、前記決定された移動量だけ移動させる、ことを特徴とする請求項10に記載のゲーム機。
【請求項12】
少なくとも1つ以上の他のゲーム機とデータの送受信可能な通信部を更に有し
前記ゲーム制御部は、
前記自機を操作するユーザが前記プレイヤとして特定された時、前記移動行決定部にて決定された前記移動行を示す移動行情報と、前記移動量決定部にて決定された前記移動量を示す移動量情報とを含む移動情報を、前記少なくとも1つ以上の他のゲーム機へ送信し、いずれか1つの前記他のゲーム機を操作するユーザが前記プレイヤとして特定された時、前記特定されたユーザの移動情報を前記他のゲーム機から取得する移動情報処理部を備える、ことを特徴とする請求項11に記載のゲーム機。
【請求項13】
前記集合体表示部は、前記複数の集合体が所定方向に連続して配列されるように表示し、
前記操作順序特定部は、前記複数の集合体が配列された順に各集合体に対応するユーザを前記プレイヤとして特定し、
前記集合体設定部は、前記複数の集合体のうち、前記プレイヤの集合体に対して前記所定方向に隣接する集合体を、前記対戦相手の集合体として設定する、ことを特徴とする請求項12に記載のゲーム機。
【請求項14】
プレイヤの操作を受け付ける操作入力部と、
ゲームを制御するゲーム制御部と、
前記ゲームのゲーム画面を表示する表示部と、
を有するゲーム機の前記ゲーム制御部を動作させるゲームプログラムであって、
前記ゲーム制御部を、
複数種類の構成体が行方向及び列方向に配列された複数の列及び複数の行によって形成される2つの集合体のうち、いずれか一方を前記プレイヤの集合体とし、他の一方を対戦相手の集合体として設定する集合体設定部、
前記プレイヤの集合体及び前記対戦相手の集合体を、互いに行方向に隣接するように前記ゲーム画面に表示させる集合体表示部、
前記プレイヤの操作に応じて、前記プレイヤの集合体において、所定の移動行に配列された複数の構成体を、前記対戦相手の集合体の方向へ所定の移動量だけ移動させると共に、前記対戦相手の集合体において前記移動行の移動方向に存在する対戦相手移動行に配列された複数の構成体を、前記移動行に押し出されるように前記移動方向に前記所定の移動量だけ移動させる移動処理部、並びに、
前記移動行及び前記対戦相手移動行の移動後、前記プレイヤの集合体の状況に基づいて、前記プレイヤのスコアに関する処理を行なうと共に、前記移動行に配列された構成体のうち、前記対戦相手の集合体内へ移動した構成体を含む前記対戦相手の集合体の状況に基づいて、前記対戦相手のスコアに関する処理を行う移動結果処理部、として動作させるゲームプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2010−187835(P2010−187835A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−33896(P2009−33896)
【出願日】平成21年2月17日(2009.2.17)
【特許番号】特許第4480784号(P4480784)
【特許公報発行日】平成22年6月16日(2010.6.16)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】