説明

ゲーム機及びゲームプログラム

【課題】ゲーム機に新たな入力部を取り付けることなく、プレイ内容の変更を行うことで、プレイの面白さを向上させるゲーム機及びゲームプログラムを提供すること。
【解決手段】ゲーム機10は、所定の図形とプレイの内容に所定の変化を生じさせるプレイ要素とを対応付けて記憶する対応テーブル22と、プレイヤPが把持して操作する銃40の位置を検出する位置検出部44,15a〜15dと、出力に基づいて銃40の位置を連係して示される軌跡と対応テーブル22に記憶された図形とを照合する照合部32と、照合の結果に応じて図形に対応したプレイ要素を対応テーブル22から抽出する抽出部35と、抽出されたプレイ要素に基づきプレイの内容に変化を生じさせる変更部36と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレイヤが掴んだ銃型の入力部を利用するゲームに適したゲーム機及びゲームプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プレイヤが、例えば、銃型の入力部を用いる様々な射撃ゲーム機が提案されている。一般的に、射撃ゲーム機を用いた従来のガンシューティングゲームは、プレイヤが銃型の入力部(コントローラ)の引き金を引くことで、ディスプレイに表示される敵キャラクタに弾を命中させて、敵キャラクタを倒す。そして、倒した敵キャラクタの数やプレイ時間により与えられる得点を競うものが知られている(例えば、特許文献1)。
このようなゲーム機では、例えば、入力部を切り替えたり、ゲーム機本体に取り付けられたボタンを操作したりすることで、プレイ内容の変更を行うものが一般的であった。
【特許文献1】特開2003−93741号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、ゲーム機本体に取り付けられたボタンを使用するゲーム機は、プレイ内容の変更を行うために使用するボタンが増える。そのため、プレイヤの操作が煩雑になりやすく、また、操作がプレイと切り離されるため、プレイが途切れてしまう。さらに、プレイヤがボタンを押下する操作は、上手又は下手がプレイに反映されにくいものである。また、入力部を切り替えるゲーム機は、切替操作が煩雑である。また、切替操作の間、プレイが途切れてしまう。
そこで、本発明は、ゲーム機に新たな入力部を取り付けることなくプレイ内容の変更を行うことが可能な、プレイの面白さを向上させるゲーム機及びゲームプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
【0005】
請求項1の発明は、所定の図形と、プレイの内容に所定の変化を生じさせるプレイ要素とを対応付けて記憶する対応テーブル(22,122)と、プレイヤが把持して操作する入力部(40)の位置を検出する位置検出部(44,15a〜15d)と、前記位置検出部の出力に基づいて前記入力部の位置を連係して示される軌跡(58)と、前記対応テーブルに記憶された前記図形とを照合する照合部(32)と、前記照合部による照合の結果に応じて、前記図形に対応した前記プレイ要素を前記対応テーブルから抽出する抽出部(35)と、前記抽出部により抽出された前記プレイ要素に基づき、前記プレイの内容に変化を生じさせる変更部(36)と、を備えたゲーム機(10)である。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載のゲーム機(10)において、前記対応テーブル(22,122)は、複数の前記図形(221,1221)と、前記複数の図形の各々に対応した複数の前記プレイ要素(222,1222)との組み合わせを有すること、を特徴とするゲーム機である。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載のゲーム機(10)において、前記照合部(32)は、前記位置検出部(44,15a〜15d)の出力に基づいて前記入力部(40)の移動途中の位置を連係して示される軌跡(58)に基づき、前記対応テーブル(22,122)に記憶された前記図形と照合し、前記照合部による照合の結果、前記図形の形状の一部が一致したことに応じて、前記図形を前記対応テーブルから選択する選択部(33)と、前記選択部により選択された前記図形に基づき、所定時間の経過時における前記入力部の位置の範囲を示す期待位置(59)を算出する期待位置算出部(34)と、を備え、前記照合部は、前記所定時間の経過時において前記位置検出部により出力された前記入力部の位置が、前記期待位置算出部により算出された前記期待位置の範囲内であるか否かを照合すること、を特徴とするゲーム機である。
請求項4の発明は、請求項3に記載のゲーム機(10)において、プレイ画像を表示する表示部(50)に、前記期待位置算出部(34)により算出された前記期待位置(59)を表示させる表示制御部(37)を備えること、を特徴とするゲーム機である。
請求項5の発明は、請求項1から4のいずれかに記載のゲーム機(10)において、前記位置検出部(44,15a〜15d)は、プレイ画像を表示する表示部(50)に対する前記入力部(40)の位置を検出すること、を特徴とするゲーム機である。
請求項6の発明は、請求項4又は5に記載のゲーム機(10)において、前記入力部(40)は、前記表示部(50)の表示領域を指し示す銃型の形態であり、前記位置検出部(44,15a〜15d)の出力に応じて、前記入力部が指し示す前記表示領域の位置を判定する判定部を備え、前記照合部(32)は、前記判定部により判定された前記表示領域の位置を連係して前記軌跡(58)を求めること、を特徴とするゲーム機である。
請求項7の発明は、請求項6に記載のゲーム機(10)において、前記照合部(32)により求められた前記軌跡(58)を、前記表示部(50)に表示させる表示制御部(37)を備えること、を特徴とするゲーム機である。
請求項8の発明は、請求項6又は7に記載のゲーム機(10)において、前記変更部(36)は、前記判定部により判定された前記表示領域の位置に応じて、前記プレイの内容に変化を生じさせる度合いを変更すること、を特徴とするゲーム機である。
請求項9の発明は、請求項1から8のいずれかに記載のゲーム機(10)において、前記変更部(36)は、前記位置検出部(44,15a〜15d)の出力に基づいて前記入力部(40)の位置を連係して示される軌跡(58)の大きさに応じて、前記プレイの内容に変化を生じさせる度合いを変更すること、を特徴とするゲーム機である。
請求項10の発明は、請求項1から9のいずれかに記載のゲーム機(10)において、前記位置検出部(44,15a〜15d)は、前記入力部(40)が入力操作を受け付けた後、次の入力操作を受け付けるまでの間の前記入力部の位置を検出すること、を特徴とするゲーム機である。
【0007】
請求項11の発明は、コンピュータを、プレイヤが掴持して操作する入力手段の位置を検出する検出手段と、前記検出手段の出力に基づいて前記入力手段の位置を連係して示される軌跡と、所定の図形とプレイの内容に所定の変化を生じさせるプレイ要素とを対応付けた対応テーブルに記憶された前記図形とを照合する照合手段と、前記照合手段による照合の結果に応じて、前記図形に対応した前記プレイ要素を前記対応テーブルから抽出する抽出手段と、前記抽出手段により抽出された前記プレイ要素に基づき、前記プレイの内容に変化を生じさせる変更手段と、して機能させることを特徴とするゲームプログラムである。
なお、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本発明は、プレイヤが、入力部として例えばコントローラを握り持って、振り回す等のジェスチャーをすることで、入力部の位置を連係して示される軌跡を得ることができる。そして、所定の図形と、プレイの内容に所定の変化を生じさせるプレイ要素とを対応付けて記憶する対応テーブルにより、プレイヤの動作により得られた軌跡が描く図形に対応したプレイ要素を抽出することができる。よって、プレイヤが、対応テーブルに記憶された図形に合ったジェスチャーをすることで、プレイ要素をプレイに反映することができ、プレイの内容に変化を与えることができる。入力部に特別なボタン等を設けなくてもプレイ内容に変化を与えることができるので、プレイヤは、プレイを途切れさせることなくプレイと一体として楽しむことができる。結果として、ゲームに面白味を与えることができる。なお、プレイ要素とは、プレイの内容に変化を生じさせるものであり、例えば、敵と対戦するゲームにおいて、プレイヤの攻撃力をアップしたり、敵の守備力をダウンさせたりするものをいう。
【0009】
(2)本発明は、対応テーブルに、複数の図形について、その図形の各々に対応したプレイ要素を有することができる。よって、多様なプレイ要素を有することができる。そして、プレイヤの動き(ジェスチャー)に合わせて、プレイ要素を抽出でき、プレイの内容に様々な変化を与えることができる。
【0010】
(3)本発明は、プレイヤが動作中の場合であっても、入力部の移動途中の位置を連係して示される軌跡に基づき、対応テーブルに記憶された図形と照合するので、順次プレイヤのジェスチャーに合った図形を絞り込むことができる。絞り込み後に照合するので、照合時間の短縮を図ることができる。また、対応テーブルに記憶された図形の形状の一部が一致したことに応じて、対応テーブルから選択された図形に基づき、所定時間の経過時における入力部の位置の範囲を示す期待位置を算出することができる。
【0011】
(4)本発明は、算出された期待位置を、プレイ画像を表示する表示部に表示することができるので、プレイヤは、期待位置を視認することができる。よって、プレイヤは、期待位置を認識して、次の動きをすることができ、プレイの内容に変化を与えやすくすることができる。
【0012】
(5)本発明は、表示部に対する入力部の位置を検出するので、同じ動きをプレイヤが行った場合でも、プレイヤの立ち位置や入力部の傾き具合による入力部の表示部に対する角度や距離から、異なる図形を選択させることができる。よって、プレイヤのジェスチャーに対応したプレイ要素のバリエーションを増やし、より面白さの向上したゲームを提供することができる。
【0013】
(6)本発明は、銃型の入力部の指し示す表示領域の位置を判定して軌跡を求めるので、指し示す位置を照準とした銃型の入力部を使用したガンシューティングゲームにおいて使用することができる。また、求められた軌跡を表示部に表示させるので、プレイヤは、軌跡を見ながら特殊な効果を発生させるための動きをすることができる。
【0014】
(7)本発明は、銃型の入力部の指し示す表示領域の位置に応じて、プレイの内容に変化を生じさせる度合いを変更することができる。例えば、表示部内の位置や、対応テーブルに記憶された図形との許容範囲内での微妙なずれ具合等により、プレイの内容に変化を生じさせる度合いを変更することができる。よって、プレイヤにより描かれる軌跡の正確さが求められるため、プレイの面白さの向上に寄与する。
【0015】
(8)本発明は、入力部の位置を連係して示される軌跡の大きさに応じて、プレイの内容に変化を生じさせる度合いを変更するので、プレイヤの動きの大きさに応じて、異なるプレイの変化を与えることができる。例えば、大きな動きは相手にスキを与えるため、プレイ内容に変化を生じさせる度合いを高くすれば、プレイヤは、どの大きさで軌跡を描くかを選択できる。よって、分かりやすく、かつ面白いプレイを提供することができる。
【0016】
(9)本発明は、入力部が入力操作を受け付けた後、次の入力操作を受け付けるまでの間の入力部の位置を検出する。入力操作とは、例えば、入力部に有するボタンや引き金型のトリガをいう。よって、入力部の動きを捉える期間を特定することができる。よって、プレイヤがゲーム操作をしている間には、プレイの内容に変化を生じさせることなく、プレイヤは、ゲーム操作に集中することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明は、ゲーム機に新たな入力部を取り付けることなくプレイ内容の変更を行うことが可能な、プレイの面白さを向上させるゲーム機及びゲームプログラムを提供するという目的を、ゲーム機に、所定の図形とプレイの内容に所定の変化を生じさせるプレイ要素とを対応付けて記憶する対応テーブルと、プレイヤが把持して操作する入力部の位置を検出する位置検出部と、出力に基づいて入力部の位置を連係して示される軌跡と対応テーブルに記憶された図形とを照合する照合部と、照合の結果に応じて図形に対応したプレイ要素を対応テーブルから抽出する抽出部と、抽出されたプレイ要素に基づきプレイの内容に変化を生じさせる変更部と、を備えることによって実現した。
【0018】
(第1実施形態)
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
図1は、第1実施形態の一例に係るゲーム機10の外観を示す外観図である。なお、以下の説明及び図面において、ゲーム機10の左右方向をX方向、奥行方向をY方向、鉛直(上下)方向をZ方向として説明する。ゲーム機10は、ゲームセンタ等に設置される大型の装置であり、プレイヤPが、ゲーム機10に接続された銃40を操作して、仮想の敵キャラクタを倒すゲームを行うビデオゲーム機である。ゲーム機10が備えるケース12には、プレイヤPに臨む面(図中矢印XZ平面)の中央やや上部に、プレイヤPに対面するようにモニタ50が配置されている。モニタ50には、プレイの内容が表示される。モニタ50の四隅には、銃40のXZ平面における位置を検出するために赤外線を発光する赤外線LED(発光ダイオード)15(15a〜15d)が設けられている。モニタ50の左右には、スピーカ60が配置されている。スピーカ60は、プレイの進行や、プレイヤPによるプレイに合わせて音声を出力したり、BGMを出力したりする。ケース12は、プレイヤPに臨む面の中央やや下方に、銃ケース14を備える。銃ケース14は、通常プレイを行わない場合に、プレイヤPが手に握り持つ銃40を収納する場所である。さらに、ケース12は、プレイヤPに臨む面の中央下方に、コイン投入口16を備える。プレイヤPは、コイン投入口16にコインを投入することで、プレイを行うことができる。
【0019】
図2は、第1実施形態の一例に係るゲーム機10の機能を示す機能ブロック図である。ゲーム機10は、記憶部20、制御部30、銃40(入力部)、モニタ50(表示部)、及びスピーカ60を備える。記憶部20は、主に、ゲームプログラム記憶部21及び対応テーブル22を有する。ゲームプログラム記憶部21は、ゲーム機10で実行するゲームプログラムを記憶する。また、対応テーブル22については、後述の図7で説明する。
【0020】
制御部30は、記憶部20に記憶されたゲームプログラム等の各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、上述したハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。制御部30は、主に、位置算出部31、照合部32、選択部33、期待位置算出部34、抽出部35、変更部36、及び表示制御部37を備える。上述の各機能については、後述のフローチャート等で適宜説明する。
なお、本発明でいうコンピュータとは、記憶装置、制御部等を備えた情報処理装置をいい、ゲーム機10は、記憶部20、制御部30等を備えた情報処理装置であり、本発明のコンピュータの概念に含まれる。
【0021】
銃40は、プレイヤPが手に握って操作する銃型のコントローラであり、レンズ42、CCD等の撮像素子44及びトリガ46を有する。
例えば、銃40のトリガ46を操作したり、プレイヤPが銃40を振り回したりすることで、入力信号が制御部30に送信される。制御部30は、トリガ46が引かれた場合の撮像素子44の撮像データを解析することにより、銃弾等が敵キャラクタ等に命中したかを判定することができる。また、制御部30は、プレイ中において、撮像素子44の撮像データをリアルタイムで解析し、赤外線LED15a〜15dの位置情報に基づいて銃40のXZ平面における位置を算出する。つまり、制御部30は、撮像素子44及び赤外線LED15a〜15dからなる位置検出部の出力に基づいて、銃40のXZ平面における位置を算出する。
モニタ50は、プレイ内容を表示するためのLCD(液晶表示装置)等の表示装置である。
【0022】
次に、モニタ50に表示されるゲーム画像について説明する。
図3は、第1実施形態の一例に係るゲーム画像の例を示す図である。
モニタ50には、仮想の三次元空間に形成される都市(フィールド)が表示されている。モニタ50の上方には、左から右に向かって順番に、自スコア51、敵スコア52、及びタイマ53が配置されて表示される。自スコア51は、プレイヤPの得点を示す。同様に、敵スコア52は、敵全体の得点を示す。図3の例では、自スコア51が「370」に対し、敵スコア52が「210」であるため、プレイヤPが優勢であることが分かる。また、タイマ53は、残り時間を秒により表示する。
【0023】
モニタ50の右下方には、残弾数54が配置されて表示されている。また、残弾数54の左方であり、モニタ50の中央下方には、ヒットポイント部56が配置されて表示されている。残弾数54は、プレイヤPが使用可能な残弾数が、プレイ当初の手持ちの弾数と共に表示される。また、ヒットポイント部56は、ゲージによりプレイヤPの体力を表す。このヒットポイント部56は、敵に攻撃されるごとに少しずつ減少し、ヒットポイント部56のゲージが0になるか、又はタイマ53の値が0になることで、プレイが終了する。なお、タイマ53の値が0の場合には、次のステージへ進むようにしてもよい。
モニタ50の略中央には、レーダ55が配置されて表示される。レーダ55は、プレイヤPが銃40の銃口をモニタ50に向けることで、制御部30が銃40からの信号を受信し、銃口の向きに表示される。なお、よりゲームの難易度を向上させるために、レーダ55を非表示とすることも可能である。
【0024】
また、モニタ50には、敵キャラクタEとして、敵キャラクタE1及び敵キャラクタE2が表示されている。敵キャラクタEは、画面上に複数存在し、障害物等の陰に隠れながらフィールド内を移動し、プレイヤPを攻撃する。プレイヤPが、これらの敵キャラクタE1及び敵キャラクタE2を倒すことで、自スコア51の得点が伸び、ゲームに勝利できるのである。
【0025】
次に、プレイ処理について説明する。
図4は、第1実施形態の一例に係るプレイ処理のフローチャートを示す。
まず、ステップS1において、制御部30は、プレイヤPからの入力に基づき、プレイを開始する。プレイヤPからの入力とは、例えば、銃40を用いて、モニタ50に表示された「ゲーム開始」の位置を打ち抜くことをいう。
次に、ステップS2では、制御部30は、後述の図5で説明するジェスチャー処理を行う。その後、ステップS3では、制御部30は、銃40を撃つ操作を受け付けたか否かを判断する。具体的には、プレイヤPが銃40のトリガ46を引いたことにより、制御部30に送信される入力信号に基づき判断する。銃40を撃つ操作を受け付けた場合(ステップS3:Y)には、制御部30は、処理をステップS4に移す。他方、銃40を撃つ操作を受け付けていない場合(ステップS3:N)には、制御部30は、処理をステップS2に移す。
【0026】
ステップS4では、制御部30は、ガンシューティング処理を行う。具体的には、プレイヤPがトリガ46を引いたことにより、制御部30が、銃40の銃身の先端に設けられたレンズ42及び撮像素子44により、モニタ50に表示された光を検出し、モニタ50上の着弾位置を算出する。そして、制御部30は、モニタ50に着弾位置で着弾した画像を表示させ、着弾位置から所定の範囲の敵キャラクタEにダメージを与える。
その後、ステップS5では、制御部30は、ヒットポイント部56に表示されたプレイヤPのヒットポイントがゼロか否かを判断する。プレイヤPのヒットポイントがゼロの場合(ステップS5:Y)には、制御部30は、処理をステップS6に移す。他方、プレイヤPのヒットポイントがゼロでない場合(ステップS5:N)には、制御部30は、処理をステップS3に移す。
ステップS6では、制御部30は、プレイを終了した後、本処理を終了する。
【0027】
本処理により、プレイヤPが銃40のトリガ46を引いた際には、ジェスチャー処理を終了するので、プレイヤPがトリガ46を引いて敵キャラクタEを撃っている間には、プレイ内容の変更を示す特殊攻撃を発動させてプレイの内容に変化を生じさせることがない。そのため、プレイヤPは、ガンシューティングの操作に集中することができる。
【0028】
次に、ジェスチャー処理について説明する。
図5は、第1実施形態の一例に係るジェスチャー処理のフローチャートを示す。
図6は、第1実施形態の一例に係るジェスチャーによる軌跡58の例を示す図である。
図7は、第1実施形態の一例に係る対応テーブル22の例を示す図である。
まず、図5において、ステップS11では、位置検出部は銃40の位置を検出し、制御部30(位置算出部31)は、位置検出部の出力である撮像素子44の撮像データに基づいて、銃40(入力部)の動きから銃40のXZ平面における位置を算出する。
【0029】
次に、ステップS12では、制御部30(照合部32及び選択部33)は、銃40の動きの軌跡に合った図形を対応テーブル22から選択する。
ここで、図6を用いて具体例を説明する。図6(1)は、モニタ50と、モニタ50に向かって銃口を向けた銃40とが示されている。次に、プレイヤPが銃40を持つ手を動かすことにより、例えば、図6(2)に示すように、銃40のXZ平面における位置が移動する。ここで、図7の対応テーブル22から、銃40の位置を連係して示される軌跡58に合致する図形を選択する。図7に示す対応テーブル22には、様々な図形を記憶する図形221と、図形に合った動きをした場合に発動される、例えば、「モニタ50に表示された全ての敵がダメージを受ける」攻撃等のプレイ内容に変化を与える特殊攻撃222(プレイ要素)とが対応付けて記憶されている。ここで、図形221に格納された図形のうち黒い点で示す位置が、軌跡の開始点、つまりジェスチャーの始点となる場所である。また、矢印で示す位置は、特殊攻撃222を発動させるための銃40の軌跡の終点である。例えば、図6(1)から図6(2)の状態に軌跡58に従って銃40の位置が移動した場合には、図7に示す対応テーブル22のうち(A)及び(B)の図形に該当する。図7に示す対応テーブル22の(C)は、始点から右方向に動いているものであり、図6に示された動きではないため該当しない。なお、図6に示す軌跡58は、説明のために示されたもので、実際はモニタ50に表示しないが、軌跡58をモニタ50に表示するものとしてもよい。
【0030】
図5に戻って、次に、ステップS13では、制御部30(期待位置算出部34)は、対応テーブル22から選択された図形に基づき、所定時間経過時における予想される銃40のその後の銃40の位置を示す移動位置である期待位置59を算出する。ここで、図6(3)には、算出された期待位置59を示している。制御部30(表示制御部37)は、この期待位置59をモニタ50に表示することができる。
【0031】
図5に戻って、ステップS14では、位置検出部は銃40の位置を検出し、制御部30(位置算出部31)は、位置検出部の出力である撮像素子44の撮像データに基づいて、銃40(入力部)の動きから銃40のXZ平面における位置を算出する。次に、ステップS15では、制御部30(照合部32)は、銃40の移動位置が、上述のステップS13で算出した期待位置59の範囲内であるか否かを判断する。銃40の位置が期待位置59の範囲内である場合(ステップS15:Y)には、制御部30は、処理をステップS16に移す。他方、銃40の位置が期待位置59の範囲外である場合(ステップS15:N)には、制御部30は、対応テーブル22に該当するジェスチャーがないため、本処理を終了する。
【0032】
ステップS16では、制御部30は、対応テーブル22から選択された図形が1つであるか否かを判断する。選択された図形が1つである場合(ステップS16:Y)には、制御部30は、処理をステップS17に移す。他方、選択された図形が2つ以上ある場合(ステップS16:N)には、制御部30は、処理をステップS12に戻して、選択される図形が1つとなるまで、ステップS12からステップS16の処理を繰り返す。
【0033】
次に、ステップS17では、制御部30(照合部32)は、銃40の動きの軌跡58が、選択された図形の一部であるか否かを判断する。選択された図形の一部であると判断された場合(ステップS17:Y)には、制御部30は、処理をステップS18に移す。他方、選択された図形の一部ではないと判断された場合(ステップS17:N)には、制御部30は、処理をステップS19に移す。選択された図形の一部ではない場合とは、選択された図形とは異なる要素を含む場合(選択された図形と合致しない場合)と、選択された図形全部である場合(選択された図形全体と合致する場合)とをいう。ここで、図6(4)は、図7の対応テーブル22のうち(A)の図形の一部に該当するものである。
【0034】
ステップS18では、位置検出部は銃40の位置を検出し、制御部30(位置算出部31)は、位置検出部の出力である撮像素子44の撮像データに基づいて、銃40(入力部)の動きから銃40のXZ平面における位置を算出する。その後、制御部30は、処理をステップS17に移す。
他方、ステップS19では、制御部30(照合部32)は、銃40の動きの軌跡58が、選択された図形どおりか否かを判断する。選択された図形どおりであると判断された場合(ステップS19:Y)には、制御部30は、処理をステップS20に移す。他方、選択された図形のとおりではないと判断された場合(ステップS19:N)には、制御部30は、本処理を終了する。ここで、図6(5)は、図6(4)から銃40の位置が右に大きく外れたため、図7の(A)の図形の一部ではなくなった場合を示す。よって、本処理を終了する。また、図6(6)は、図7の(A)の図形どおりである場合を示す。よって、ステップS20の処理を行う。
【0035】
ステップS20では、制御部30(抽出部35及び変更部36)は、選択された図形に対応付けられた特殊攻撃を対応テーブル22から抽出し、特殊攻撃を発動する。その後、制御部30は、本処理を終了する。
【0036】
本処理により、プレイヤPが銃40を持ってジェスチャーをすることで、銃40の位置を連係して示される軌跡58を得ることができる。そして、対応テーブル22により、プレイヤPの動作により得られた軌跡58が描く図形に対応した特殊攻撃を抽出することができる。よって、プレイヤPが、対応テーブル22に記憶された図形に合ったジェスチャーをすることで、特殊攻撃を発動することができ、プレイの内容に変化を与えることができる。このプレイヤPのジェスチャーは、プレイと一体として行えるので、プレイヤPは、プレイを途切れさせることなく楽しむことができる。結果として、ゲームに面白味を与えることができる。
【0037】
(第2実施形態)
次に、本発明を適用したゲーム機の第2実施形態について説明する。
第2実施形態は、銃の位置の軌跡の大きさによってプレイ内容の変更である特殊攻撃の効果の度合いを変えるものである。
なお、以下の説明及び図面において、上述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
【0038】
図8は、第2実施形態の一例に係る対応テーブル122の例を示す。
プレイヤPが、銃40を動かすジェスチャーをしたことにより、捉えられる図形の大きさに応じて、特殊攻撃の度合いを変えるため、対応テーブル122は、図形1221及び特殊攻撃1222の各項目の他に、大きさ1223を有する。図形1221及び特殊攻撃1222は、図形1221の図形ごとに特殊攻撃を対応付けるので、例えば、図形が複雑になるほど、よりメリットの大きい特殊攻撃を発動できるようにすることができる。大きさ1223は、大1223a、中1223b及び小1223cの3つに分けられており、軌跡の大きさが、所定の範囲を超えたか否かにより判断する。例えば、(A)で示された図形と判断された場合、敵のダメージ度合いを、大きな図形と判断された場合には「10P」、小さい図形と判断された場合には「3P」とする。これは、大きい動作をプレイヤPが行う方が、敵に対する防御が甘くなるため、リスクが高い。よって、高リスクのものに、攻撃威力を高めるようにしたものである。このような条件を追加することで、より面白さの向上が期待できる。
【0039】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、上述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0040】
(変形形態)
以上、説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)上記実施形態では、銃型のコントローラによるものであった。しかし、これに限らず、手に持つタイプのものであり、所定のボタン等の操作以外のジェスチャーにより、プレイ内容を変更するものであれば、どのような入力部であってもよい。また、ガンシューティングゲーム以外のゲームであってもよい。
(2)上記実施形態では、入力部である銃のXZ平面における位置を連係して示される軌跡と、図形とを照合したが、これに限定されない。例えば、銃が指し示すモニタ(表示部)の表示領域の位置すなわちモニタ上における銃の照準の位置を判定する判定部を制御部に新たに設け、照合部は、判定された銃の照準の移動位置を連係して示される軌跡を照合対象としてもよい。なお、この場合、判定部は、撮像データから4つの赤外線LEDの位置データを解析することにより、銃の照準がどこに向けられているかを判定することができる。
(3)上記実施形態では、表示部を有する業務用ゲーム機であった。しかし、これに限らず、表示部がないゲーム機であってもよい。また、家庭に既にあるモニタに接続する家庭用ゲーム機でもよい。この場合、本ゲームのゲームソフトを記録したCD−ROM等を用いてもよいし、インターネットからゲームソフトをダウンロードしてもよい。
(4)上記第2実施形態では、軌跡の大きさにより特殊攻撃の度合いを変えるものであったが、照合対象の図形と軌跡との正確性や、表示部での軌跡の描かれる位置により、特殊攻撃の度合いを変えるものであってよい。また、これらの組み合わせによるものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】第1実施形態の一例に係るゲーム機の外観を示す図である。
【図2】第1実施形態の一例に係るゲーム機の機能を示す機能ブロックを示す図である。
【図3】第1実施形態の一例に係るゲーム画像の例を示す図である。
【図4】第1実施形態の一例に係るプレイ処理のフローチャートである。
【図5】第1実施形態の一例に係るジェスチャー処理のフローチャートである。
【図6】第1実施形態の一例に係るジェスチャーによる軌跡の例を示す図である。
【図7】第1実施形態の一例に係る対応テーブルの例を示す図である。
【図8】第2実施形態の一例に係る対応テーブルの例を示す図である。
【符号の説明】
【0042】
10 ゲーム装置
20 記憶部
22,122 対応テーブル
30 制御部
31 位置算出部
32 照合部
33 選択部
34 期待位置算出部
35 抽出部
36 変更部
37 表示制御部
40 銃
50 モニタ
60 スピーカ
E 敵キャラクタ
P プレイヤ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の図形と、プレイの内容に所定の変化を生じさせるプレイ要素とを対応付けて記憶する対応テーブルと、
プレイヤが把持して操作する入力部の位置を検出する位置検出部と、
前記位置検出部の出力に基づいて前記入力部の位置を連係して示される軌跡と、前記対応テーブルに記憶された前記図形とを照合する照合部と、
前記照合部による照合の結果に応じて、前記図形に対応した前記プレイ要素を前記対応テーブルから抽出する抽出部と、
前記抽出部により抽出された前記プレイ要素に基づき、前記プレイの内容に変化を生じさせる変更部と、
を備えたゲーム機。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム機において、
前記対応テーブルは、複数の前記図形と、前記複数の図形の各々に対応した複数の前記プレイ要素との組み合わせを有すること、
を特徴とするゲーム機。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のゲーム機において、
前記照合部は、前記位置検出部の出力に基づいて前記入力部の移動途中の位置を連係して示される軌跡に基づき、前記対応テーブルに記憶された前記図形と照合し、
前記照合部による照合の結果、前記図形の形状の一部が一致したことに応じて、前記図形を前記対応テーブルから選択する選択部と、
前記選択部により選択された前記図形に基づき、所定時間の経過時における前記入力部の位置の範囲を示す期待位置を算出する期待位置算出部と、を備え、
前記照合部は、前記所定時間の経過時において前記位置検出部により出力された前記入力部の位置が、前記期待位置算出部により算出された前記期待位置の範囲内であるか否かを照合すること、
を特徴とするゲーム機。
【請求項4】
請求項3に記載のゲーム機において、
プレイ画像を表示する表示部に、前記期待位置算出部により算出された前記期待位置を表示させる表示制御部を備えること、
を特徴とするゲーム機。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載のゲーム機において、
前記位置検出部は、プレイ画像を表示する表示部に対する前記入力部の位置を検出すること、
を特徴とするゲーム機。
【請求項6】
請求項4又は5に記載のゲーム機において、
前記入力部は、前記表示部の表示領域を指し示す銃型の形態であり、
前記位置検出部の出力に応じて、前記入力部が指し示す前記表示領域の位置を判定する判定部を備え、
前記照合部は、前記判定部により判定された前記表示領域の位置を連係して前記軌跡を求めること、
を特徴とするゲーム機。
【請求項7】
請求項6に記載のゲーム機において、
前記照合部により求められた前記軌跡を、前記表示部に表示させる表示制御部を備えること、
を特徴とするゲーム機。
【請求項8】
請求項6又は7に記載のゲーム機において、
前記変更部は、前記判定部により判定された前記表示領域の位置に応じて、前記プレイの内容に変化を生じさせる度合いを変更すること、
を特徴とするゲーム機。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載のゲーム機において、
前記変更部は、前記位置検出部の出力に基づいて前記入力部の位置を連係して示される軌跡の大きさに応じて、前記プレイの内容に変化を生じさせる度合いを変更すること、
を特徴とするゲーム機。
【請求項10】
請求項1から9のいずれかに記載のゲーム機において、
前記位置検出部は、前記入力部が入力操作を受け付けた後、次の入力操作を受け付けるまでの間の前記入力部の位置を検出すること、
を特徴とするゲーム機。
【請求項11】
コンピュータを、
プレイヤが掴持して操作する入力手段の位置を検出する検出手段と、
前記検出手段の出力に基づいて前記入力手段の位置を連係して示される軌跡と、所定の図形とプレイの内容に所定の変化を生じさせるプレイ要素とを対応付けた対応テーブルに記憶された前記図形とを照合する照合手段と、
前記照合手段による照合の結果に応じて、前記図形に対応した前記プレイ要素を前記対応テーブルから抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された前記プレイ要素に基づき、前記プレイの内容に変化を生じさせる変更手段と、
して機能させることを特徴とするゲームプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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