説明

ゲーム装置、ゲーム制御プログラム、および、コンピュータ読み取り可能な記録媒体

【課題】 リアルカード、フィギュア等のプレイアイテムを用いたゲーム装置において、プレイアイテムの配置パネル上の角度に応じてゲーム進行に対する操作が行えるようにすることで、適用できるゲーム内容を拡大することを目的とする。
【解決手段】 配置パネル上に載置されるプレイアイテムの識別コードを読み取る手段と、上記プレイアイテムの座標を検出する手段と、上記プレイアイテムの角度を検出する手段と、読み取った上記プレイアイテムの識別コードならびに検出された上記プレイアイテムの座標および角度に基づき、上記プレイアイテムにより表されるゲーム上の対象の制御を行い、上記プレイアイテムの角度に応じてゲーム上の対象のパラメータを変更する手段とを備え、上記プレイアイテムの識別コード、座標および角度に応じてゲームの進行を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゲーム装置、ゲーム制御プログラム、および、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
紙、プラスティック等のリアルカードを用いたカードゲームは、カード収集の楽しみという側面もあり、根強い人気がある。
【0003】
特許文献1にはサッカーを対象としたカードゲーム装置が開示されており、プレイヤが端末装置の選手カード配置パネルに選手カードを並べると、内部のイメージセンサが選手カードの裏面に記録されたカードデータを読み取り、各カードデータからチームを構成する選手のデータが作成されてゲーム開始となり、プレイヤは選手カードの配置(位置)を変えることにより選手のポジションやフォーメーションを指示することができるようになっている。また、カードデータの読み取りに際し、選手カードの配置の傾きによる誤検出を防止するため、選手カードの傾き角度を検出するようになっている。
【特許文献1】特開2002−301264号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように従来のカードゲーム装置は選手カードの種類と位置座標によりゲームを進行させていくものであり、選手カードの傾き角度を検出する機構を備えているものの、あくまでも選手カードの傾きによるカードデータの誤検出を防止することにとどまっており、角度情報をゲーム進行に積極的に利用するものではなかった。
【0005】
したがって、従来のカードゲーム装置は適用できるゲーム内容に限界があり、例えば戦乱バトルゲームのような鳥瞰図的な視野に立ってプレイヤが指示を行うタイプのゲームの場合、敵側との角度に応じた攻撃や守備に工夫を凝らしたいと思う場面であっても直感的な操作手段が存在しないという問題があった。
【0006】
本発明は上記の従来の問題点に鑑み提案されたものであり、その目的とするところは、カード、フィギュア(人形などの造形物)等のプレイアイテムの配置パネル上の角度に応じてゲーム進行に対する操作が行えるようにすることで、適用できるゲーム内容を拡大することのできるゲーム装置、ゲーム制御プログラム、および、コンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明にあっては、請求項1に記載されるように、配置パネル上に載置されるプレイアイテムの識別コードを読み取る手段と、上記プレイアイテムの座標を検出する手段と、上記プレイアイテムの角度を検出する手段と、読み取った上記プレイアイテムの識別コードならびに検出された上記プレイアイテムの座標および角度に基づき、上記プレイアイテムにより表されるゲーム上の対象の制御を行い、上記プレイアイテムの角度に応じてゲーム上の対象のパラメータを変更する手段とを備え、上記プレイアイテムの識別コード、座標および角度に応じてゲームの進行を制御することを特徴とするゲーム装置を要旨としている。
【0008】
また、請求項2に記載されるように、上記プレイアイテムの角度に応じてゲーム上の対象のパラメータを他のパラメータと入れ替える手段を備えるようにすることができる。
【0009】
また、請求項3に記載されるように、配置パネル上に載置されるプレイアイテムの識別コードを読み取る手段と、上記プレイアイテムの座標を検出する手段と、上記プレイアイテムの角度を検出する手段と、読み取った上記プレイアイテムの識別コードならびに検出された上記プレイアイテムの座標および角度に応づき、上記プレイアイテムにより表されるゲーム上の対象の制御を行う手段と、上記プレイアイテムの識別コード、座標および角度ならびにプレイヤのボタン操作に応じて計略の制御を行い、上記プレイアイテムの角度に応じて計略の目標を表示してプレイヤに選択させ、計略の効果範囲を判定し、計略を実行して敵側へのダメージの状況を再現する手段とを備え、上記プレイアイテムの識別コード、座標および角度に応じてゲームの進行を制御するようにすることができる。
【0010】
また、請求項4に記載されるように、上記プレイアイテムが上記配置パネル上で移動したことを検出した際に、対応する移動先に上記プレイアイテムを示す表示体を表示する手段と、上記表示体に向かって上記プレイアイテムにより表されるゲーム上の対象を徐々に角度を変えつつ移動させて表示する手段とを備えるようにすることができる。
【0011】
また、請求項5に記載されるように、コンピュータを、配置パネル上に載置されるプレイアイテムの識別コードを読み取る手段、上記プレイアイテムの座標を検出する手段、上記プレイアイテムの角度を検出する手段、読み取った上記プレイアイテムの識別コードならびに検出された上記プレイアイテムの座標および角度に基づき、上記プレイアイテムにより表されるゲーム上の対象の制御を行い、上記プレイアイテムの角度に応じてゲーム上の対象のパラメータを変更する手段、として機能させ、上記プレイアイテムの識別コード、座標および角度に応じてゲームの進行を制御することを特徴とするゲーム制御プログラムとして構成することができる。
【0012】
また、請求項9に記載されるように、上記のゲーム制御プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体として構成することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明のゲーム装置、ゲーム制御プログラム、および、コンピュータ読み取り可能な記録媒体にあっては、プレイアイテムの配置パネル上の角度に応じてゲーム進行に対する操作が行えるため、直感的な操作手段が増え、適用できるゲーム内容を拡大することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の好適な実施形態につき図面を参照して説明する。
【0015】
図1は本発明を適用したカードゲーム装置の一実施形態の全体構成を示す斜視図であり、図2は本発明を適用したカードゲーム装置の各プレイヤが操作する端末装置を示す斜視図である。なお、ここではカードゲーム装置を戦乱バトルゲームに適用した場合について説明するが、その他のタイプのゲームにも適用できるのはもちろんである。また、プレイアイテムとしてカードを用いているが、底面にコードが印刷(コードが印刷されたシールが貼り付けられている場合も含む)されたフィギュア等を用いることもできる。
【0016】
図1および図2に示されるように、カードゲーム装置1は、2台の大型パネルディスプレイ2と、大型パネルディスプレイ2の表示制御を行うメイン制御部3と、メイン制御部3と通信可能に接続された複数(ここでは8個)の端末装置4a〜4hとから構成されている。
【0017】
大型パネルディスプレイ2は、刻一刻と変化する現在の勢力図、天下統一を果たしたプレイヤの「歴代皇帝」としての紹介、皇帝ランキング等の画像が表示される。
【0018】
初めてゲームに参加するプレイヤPは、最初にゲームに必要なスタートセット(アイテム)を購入して端末装置4a〜4hが設置された各席に着席する。このスタートセットには、戦闘結果等を記録する記録媒体として使用されるICカード5と、各部隊を率いる武将等のイラストが印刷された複数枚のカード6とが含まれる。なお、カード6は、表面にそれぞれ異なる武将等のイラストが印刷され、裏面には表面に印刷された武将等を識別するためのデータパターン(識別コード)が記録されている。また、ICカード5は、少なくとも当該プレイヤPが所有するカード6の種類およびカードデータに対応する武将等の特性(武力が強く「突撃」に強い、知力が強く「計略」に強い等)および過去の戦闘結果が記憶されている。そのため、ICカード5に記憶された情報を読み取ることによりゲームに必要なデータが得られると共に、プレイヤPがゲームに参加する資格を有していることを確認することができる。
【0019】
端末装置4a〜4hは、それぞれ同一構成であるので、ここでは端末装置4aについて説明する。端末装置4aは、プレイヤPが所有するカード6を載置するためのカード配置パネル7と、戦闘の画像等が表示されるモニタ8と、ICカード5が挿入されるICカードリーダライタ9と、ゲーム終了後にカードが払い出されるカード発行部10とが設けられている。また、カード配置パネル7の左側には、名前入力やメニュー選択時にカーソルを動かすのに用いられるセレクトボタン11が設けられ、カード配置パネル7の右側には、「計略」「突撃」「一騎打ち」等を行う際に押すアクションボタン12が設けられている。
【0020】
図3は本発明を適用したカードゲーム装置の一実施形態のシステム構成を示すブロック図である。メイン制御部3は、LAN(Local Area Network)13のハブ14を介して大型パネルディスプレイ2を表示制御するための大型パネル制御部15と、各端末装置4a〜4hと、外部ネットワーク(図示せず)と接続されている。
【0021】
大型パネル制御部15は、CPU16、メモリ(RAM)17、入出力インターフェース18、サウンド回路19、グラフィック表示回路20を有する。メモリ(RAM)17には、大型パネルディスプレイ2に表示される各種画像データおよびこれらの各種画像データを選別して優先順位を決めて順次表示させる制御プログラムが格納されている。入出力インターフェース18は、ハブ14を介してメイン制御部3に接続されるとともに、大型パネルディスプレイ2を操作するためのスイッチ類21が接続されている。サウンド回路19は、大型パネルディスプレイ2に表示される各種画像に応じた音声を出力するサウンドアンプ類22に接続されている。グラフィック表示回路20は、CPU16からの制御信号により選択された画像を大型パネルディスプレイ2に表示させる。
【0022】
また、各端末装置4a〜4hは、CPU23、メモリ(RAM)24、入出力インターフェース25、サウンド回路26、グラフィック表示回路27を有する。メモリ(RAM)24には、モニタ8に表示される各種画像データおよび制御プログラムが格納されている。入出力インターフェース25は、メイン制御部3の他にICカードリーダライタ9、カード6の裏面に記憶されたカードデータを読み取るためのイメージセンサ28およびモニタ8を操作するためのスイッチ類29が接続されている。サウンド回路26は、モニタ8に表示される各種画像に応じた音声を出力するサウンドアンプ類30に接続されている。グラフィック表示回路27は、CPU23からの制御信号により選択された画像をモニタ8に表示させる。
【0023】
図4はカード配置パネル7を上方からみた平面図であり、図5はカード配置パネル7が取り付けられた筐体31の縦断面図である。図4および図5に示されるように、カード配置パネル7は、筐体31の上面開口32を塞ぐように取り付けられた透明なガラス板33と、ガラス板33の上面に積層された薄いプレイフィールド用シート34とから構成されている。
【0024】
カード6は、プレイフィールド用シート34の上面に載置される。そして、筐体31の内部には、カード配置パネル7に載置されたカード6の裏面に赤外線(不可視光)を照射する光源35と、光源35から発光された光から可視光を除去する第1フィルタ36と、カード6の裏面で反射した反射光を上方へ反射させる第1反射板37と、第1反射板37で反射した反射光(不可視光)を下方へ反射させる第2反射板38と、第2反射板38で反射した反射光に含まれる外乱光(可視光)を除去する第2フィルタ39と、第2フィルタ39を通過した反射光からカード配置パネル7上に載置されたカード6の裏面に記録されたカードデータのパターンを撮像するイメージセンサ40とが取り付けられている。なお、光源35は、赤外線あるいは紫外線のような肉眼で見えない不可視光を発光する発光ダイオード(LED)等からなる。光源35から可視光が発光されないときは第1フィルタ36を除くことができる。
【0025】
第1反射板37は、水平に設けられたカード配置パネル7に対して所定の傾斜角度αで傾斜するように筐体31の下側傾斜部41に支持されている。また、第2反射板38は、第1反射板37の取付角度に応じた傾斜角度で取り付けられている。
【0026】
筐体31は、下側傾斜部41を有するため、プレイヤPが着席したとき、プレイヤPの足が下側傾斜部41の下方に挿入させることができる。そのため、プレイヤPは、カード配置パネル7上にカード6を並べる際にカード配置パネル7の奥の位置まで手を伸ばすことが可能になり、カード配置パネル7の全面のどこでもカード6を載置させることができる。また、密閉された筐体31の内部からは、光源35から可視光をカットされた赤外線(不可視光)がカード配置パネル7に照射されているため、カード配置パネル7を上からみても筐体31の内部を覗くことはできないようになっている。
【0027】
図6はカード6に設けられたコードパターンの例を示す図である。
【0028】
図6において、カード6の裏面には、半径の異なる複数のパターンからなるコードパターン170が印刷されている。このコードパターン170は、カード位置検出円172と、カード位置検出円172の外周に形成された位置角度検出パターン領域174と、位置角度検出パターン領域174の外側に形成されたIDデータ領域176と、カード位置検出円172の内側に形成された環状白色領域178と、環状白色領域178の内側に形成されたデータ領域180と、データ領域180の内側に形成された中心点182とを有する。コードパターン170は、黒色部分170aと白色部分170bとの濃度差によって認識される。
【0029】
また、コードパターン170には、赤外線を透過するインクを使用した印刷が施されており、プレイヤが直接視認することができないようになっている。そのため、プレイヤあるいはその他の者がコードパターン170に細工してコードパターン170を改造したり、あるいはコードパターン170を似せたカードの偽造が防止される。
【0030】
また、コードパターン170には、カード位置検出円172と、位置角度検出パターン領域174と、IDデータ領域176と、環状白色領域178と、データ領域180とが、中心点182を中心とする同心円状に形成されており、カード6の短辺よりも大きい半径となるIDデータ領域176は円弧状に湾曲した形状に形成される。すなわち、IDデータ領域176では、長方形のカード面に対し、短辺部分よりも大径な半径に位置する最外周の円形パターンのうち一部が円弧状に記録されているため、カード面の全面積を有効に使用することができる。
【0031】
図7はカード6の裏面をイメージセンサ40(図5)で撮像した画像の例を示す図である。図7に示されるように、上記コードパターン170をイメージセンサ40で撮像すると、黒白部分が「1」と認識され、白黒部分が「0」として認識される。IDデータ領域176およびデータ領域180の白色部分は、ハッチングで示す部分であるが、空白ではなく、黒色部分との組み合わせで所定の情報を表示している。すなわち、上記黒色部分と白色部分との1ビットの信号として抽出するように構成されており、予め決められた情報の内容に応じて黒色部分と白色部分との配置パターンが異なり、この黒色部分と白色部分との配置パターンがコードパターンとして機能する。なお、この例では、各半ビット(一つの黒色部分または白色部分)がイメージセンサ40で撮像された画像データの撮影した画面上で6ドットになるように大きさが決められている。
【0032】
この例では、カード6のコードパターン170からコード位置(中心位置)検出をカード位置検出円172の内側と外側との輝度差で検出する。そのため、カード位置検出円172の内側と外側には白色領域が環状に形成されており、これによりカード位置検出円172に内周および外周との輝度差が明確化されている。カード位置検出円172は、円であるため、カード6の向き(位置角度)に関係なく位置を検出することが可能である。
【0033】
また、コードパターン170の位置角度(カード6の向き)の検出には、カード位置検出円172の外周より外側に放射状に突出する位置角度検出パターン領域174の突部174a〜174dの円周方向間隔を検出して判別する。そのため、各突部174a〜174dの円周方向の間隔は、等間隔とせず、各間隔が異なるようにして、その間隔を検出することで当該カード6の位置角度を判別する。
【0034】
また、各ビットの値は隣り合った2つの半ビット領域の輝度差で判定する。各領域の輝度を求める際には、ピンぼけや位置・角度検出時の誤差の影響を少なくするため、境界ぎりぎりの部分は使用せず各領域中心部の輝度を抽出する。
【0035】
図8に示されるように、IDデータ領域176およびデータ領域180のビットの開始位置S1〜S4は、各カード6によって異なっている。
【0036】
図9に示されるように、IDデータ領域176およびデータ領域180には、パターンデータ0〜15からなる16ビットの情報が得られる。また、各パターンデータ0〜15は、上記黒色部分と白色部分とからなり、イメージセンサ40(図5)で撮像された画像データの中から識別しやすくするため、黒色部分および白色部分の1つの面積が大きく設定されており、データの誤認識が防止されている。
【0037】
カード位置座標検出処理は次のように行われる。まず、カード配置パネル7(図5)にカード6が載置されると、カード6の位置座標を検出する。ここで位置座標の検出に円形のコードパターンからなるカード位置検出円172を検出することで、カード6の位置角度の影響を受けないので高速に位置座標が検出できる。
【0038】
従って、カード位置座標検出処理では、図7〜図9に示すコードパターン170からカード位置検出円172の黒色部分とその内側、外側に形成された白色領域との輝度差をパターンマッチングで測定することによりカード6の位置を検出する。
【0039】
カード位置座標検出方法は、図10(A)〜(D)に示されるように、カード位置検出円172の位置がカード6の位置であるので、イメージセンサ40(図5)で撮像された画像データの中からカード位置検出円172の位置を検出することでカード6の位置を認識する。
【0040】
図10(A)に示されるように、カード位置検出円172の内側を12の領域R1〜R12に分割して評価する。12分割した各領域R1〜R12に白点182と黒点184で示す2対のポイントを設置する。この2対のポイントに於いて白点182は正、黒点184は負としてそれぞれの輝度を加算し各領域R1〜R12の評価値とする。
【0041】
図10(B)にカード位置検出円172の内側の周縁を境として白点182と黒点184との配置パターンを示す。この白点182と黒点184との配置パターンに基づいて、カード位置検出円172の内側周縁をカード位置検出円172とその内側領域186を使用して内周輪郭データを評価する。これにより、カード6が載置された位置の大まかな座標位置を認識する。なお、カード位置検出円172を表すハッチング部分は、評価値0とする。また、上記のように分割された12領域の全ての評価値が設定した閾値Aを越え、さらにそのうち10個( 設定により変更可能) が閾値Bを越えた座標を、カード座標の候補として記憶する。このとき全領域の評価値の和をその座標の評価値Nとして記憶する。
【0042】
次いで、カード座標の候補として記憶されたカード座標に対して図53(C)に示す12分割パターン188を使用して評価する。この12分割パターン188は、カード位置検出円172の外側周縁とその外側領域を使用して評価する。図53(D)にカード位置検出円172の外側の周縁を境として白点190と黒点192との配置パターンを示す。この白点190と黒点192との配置パターンに基づいて、カード位置検出円172の外側周縁をカード位置検出円172とその外側に形成された位置角度検出パターン領域174の白色領域を使用して外周輪郭データを評価する。これにより、カード6が載置された位置の正確な座標位置を認識する。
【0043】
上記のように12分割した各領域R1〜R12に白点190と黒点192で示す4対のポイントを設置する。このポイントに於いて白点190は正、黒点192は負としてそれぞれの輝度を加算し、その加算値を各領域R1〜R12の評価値とする。ハッチング部分は0とする。そして、この各領域R1〜R12の全ての評価値が設定した閾値Cを越え、さらにそのうち9個( 設定により変更可能) が閾値Dを越えた座標を、カード座標の候補として記憶する。このとき全領域R1〜R12の評価値の和をその座標の評価値Mとして記憶する。評価値Nと評価値Mの和をその座標の評価値Σとする。
【0044】
全ての座標を評価し終わるか候補座標の数が設定数を越えたら、間引き距離として設定した値以下の距離にある複数の候補座標に対して評価値の小さい座標を削除して間引きを行う。間引き後に残った評価値の大きな座標をカード6の座標位置とする。
【0045】
次に、カード位置検出後に行うカード角度検出処理について、図11および図12(A)〜(C)を参照して説明する。図11に示されるように、カード角度検出処理では、カード位置が検出された座標に対して角度検出を行う。この角度検出方法としては、カード位置検出円172の外周から放射状に突出する位置角度検出パターン領域174(図11中、ハッチングで示す)の突部174a〜174dの円周方向間隔を検出して判別する。このように、角度検出処理を行う座標は、位置検出で絞り込まれているので、全ての座標に対して行うより処理時間は短縮される。
【0046】
カード配置パネル7(図5)に載置されたカード6の位置角度(向き)は、位置角度検出パターン領域174の外周に突出する突部174a〜174dの円周方向の各間隔L1〜L4が予め決められた間隔に設定されており、且つ各間隔L1〜L4がL1<L2<L3<L4となるように異なる間隔に配置されている。そのため、各突部174a〜174dの検出位置を走査して検出パルスの時間間隔からカード6の位置角度が分かる。
【0047】
この例では、各突部174a〜174dの検出パルスのパターンと予め記憶されたパターンとを照合してパターンマッチングで角度検出を行う。例えば、角度検出用の各突部174a〜174dの幅(周方向の寸法)を1とすると各突部174a〜174dの各間隔L1:L2:L3:L4の比率が3:4:5:8になるように配置してある。このように、間隔L1〜L4の比率を変えることにより角度検出の誤認識を防止している。
【0048】
なお、各突部174a〜174dの各間隔L1〜L4の比率を変える代わりに、各突部174a〜174dの幅(周方向の寸法)をそれぞれ異なる寸法となるように変えても良い。また、位置角度検出パターン領域174は、できるだけカード6の幅ぎりぎりまで大きくとることにより、検出誤差を小さくしている。
【0049】
図12(A)〜(C)に示されるように、各突部174a〜174dの検出方法では、位置角度検出パターン領域174の白色に対する各突部174a〜174dの黒色との濃度差(輝度差)からエッジ(側面縁部)を検出しており、この検出信号の時間軸上の間隔が上記各間隔L1〜L4となる。また、各突部174a〜174dのエッジを検出した場合、白色から黒色に切り換わるエッジの検出信号が+側に立ち上がり、黒色から白色に切り換わるエッジの検出信号が−側に立ち下がる。従って、−側の検出信号と次に検出される+側の検出信号との間隔Lが各突部174a〜174dの間隔L1〜L4の何れかと一致する。
【0050】
この例では、位置角度検出パターン領域174を角度0°〜359°まで1°刻みで輝度データY[n](角度n の時) を取り出し、Edge[n]=V[n-1]−V[n+1] でエッジの値を抽出する。なお、カード配置パネル7(図5)において、プレイヤからみて正面の上方向を基準角度0°とする。
【0051】
そして、図12(A)に示すフィルタ信号(予め登録されている)と図12(B)に示す各突部174a〜174dの周方向のエッジの検出信号とを掛け合わせた合計値を1 °ずつずらしながら求める。任意の角度でフィルタ信号をエッジ検出信号とが一致すると、合計値が最大となる。そのため、図12(C)に示す合計値が最大となったところを当該カード6の角度(向き)θとする。従って、カード配置パネル7(図5)に載置されたカード6は、基準角度(0°)に対して時計方向に角度θ回転した向きであることが判別される。
【0052】
カード6に対する照明のあたり方が均一でない場合には、白色部分の間隔が黒色部分の間隔より検出レベルが小さいことがあり、ノイズとの判別がつかかないことがある。これに対し、この例では上記のように各突部174a〜174dの周方向のエッジの検出値で評価することにより、カード6に対する照明のあたり方が均一でない場合でも、ごく狭い範囲ではほぼ照明が均一として相対的な処理をすることで、各突部174a〜174dを正確に検出できるので、位置角度の検出がより正確に行える。
【0053】
次に、IDデータ領域176およびデータ領域180を読み取るIDデコード処理について説明する。上記のようにしてカード6の位置座標と位置角度が分かれば、IDデータ領域176およびデータ領域180に形成されたビット位置は、一義的に決まるので、誤認識せずに判別処理が正確に行える。また、この例では、検出されたカード6の位置座標に対してのみデコード処理すれば良いので短時間でカード情報を読み取ることができる。
【0054】
前述した図6〜図9に示されるように、IDデータ領域176およびデータ領域180に形成されたコードパターンは、各コード(黒色部分170aおよび白色部分170b)が約6ドット×6ドットで構成された領域を半ビット(黒色部分170aまたは白色部分170b)として、半ビットの領域内は全て白色または黒色とする。隣り合ったコードパターン領域では、必ず黒色部分170aと白色部分170bとの組み合わせで1ビットを構成する。これにより、照明の光ムラ等で輝度の絶対値では、判定できない場合でも相対値の輝度差でコードパターンの各ビットを判定することが可能になる。
【0055】
図9に示されるように、カード位置検出円172の内側に配置されたデータ領域180には、4ビット分のコードパターン0〜3を配置しており、これらの配置されている位置を上記のように検出したカード位置座標と位置角度から計算し、各半ビット領域の評価値を求める。この場合の評価値とは、イメージセンサ40(図5)で撮像された画像の中のカード位置に表示されたデータ領域180内の複数のドットの総和である。このように、評価値を複数のドットの総和とすることにより、ドット欠けやノイズがあっても、その影響を小さくすることができる。なお、1ドットを正確に評価ができるのであれば、1ドット分の値を評価値としても良い。
【0056】
このとき、データ領域180の境界部分は、位置座標や角度検出時の誤差、撮影時のピンぼけ等により、正確な評価値を計算する際の妨げとなるおそれがあるので使用しない。
【0057】
同様にしてカード位置検出円172の外側に配置されたIDデータ領域176には、12ビット分のコードパターン4〜15を配置しており、コードパターン4〜15の評価値も求め、カード6に記憶されたカードデータの各ビットを求める。このとき、各ビットの白色部分と黒色部分の評価値の差が閾値Eを越えたものが設定数以上あれば適正コードとして登録し、閾値Eを越えたものが設定数以上なければ不正コードとして削除する。
【0058】
また、パリティ(誤り検出符号)ビットを設定し、パリティエラーが出たコードも不正コードとして削除する。そして、正しい値として認識されたビット配列をIDデコードテーブル(図示せず)に従ってデコードし、当該カード6のIDデータを求める。この例では、16ビットのうち最上位の2ビットがパリティビットであり、パリティを計算し、エラーならば不正コードとして削除する。
【0059】
次に、図1〜図3に示した端末装置4a〜4h内のソフトウェアの構成および動作について説明する。
【0060】
図13は本発明を適用したカードゲーム装置のハードウェアおよびソフトウェアの機能ブロック構成の例を示す図である。
【0061】
図13において、ハードウェア構成として、カード情報を検出する機構(フラットリーダ)部分の筐体51、ボタン入力を受け付ける機構部分の筐体52、モニタおよびスピーカ等の画像・音声を再生する機構部分の筐体53に、CPU、メモリ、サウンド回路、グラフィック回路、I/O(Input Output)インタフェースの回路部分を含むゲーム基盤54が接続されており、その上で動作するソフトウェアとして、カード情報の読み込みを行う基本プログラム55、ボタン操作の読み込みを行う基本プログラム56、画像・音声の生成を行う基本プログラム57と、ゲーム進行に伴う画像・音声の制御を行うゲームアプリケーション58とが設けられている。
【0062】
ゲームアプリケーション58は、カード情報(カードの座標、角度、種類)を解析するカード情報解析処理部59と、ボタンの操作内容を解析するボタン解析処理部60と、カード情報に基づいてカードにより表される部隊の制御を行う部隊制御部61と、カード情報およびボタン操作に応じて計略(火炎で敵にダメージを与える火計等の魔法)の制御を行う計略制御部66と、各種画面の制御を行う画面制御部70とを備えている。
【0063】
部隊制御部61は、カードの位置(座標・角度)に応じてカード種類別に部隊の位置を変更する位置変更処理部62と、カードの角度に応じて部隊のパラメータ(攻撃力、射程距離、防御力等)を変更するパラメータ変化処理部63と、カードの角度(縦向き、横向き等)に応じて部隊の種別(槍部隊、弓部隊等)を変更する種別変更処理部64と、プレイヤがカードをカード配置パネル上でこする操作を行ったことを位置の変化から検出し、当該カードにより表される部隊が選択されたことを判定するカード選択判定部65とを備えている。
【0064】
計略制御部66は、部隊制御部61のカード選択判定部65により選択判定されたカードに対応する部隊が計略を使える状態(士気が所定のレベルにたまった場合)になっている場合に、カードの角度に応じて計略の目標を表示してプレイヤに選択させる目標選択処理部67と、計略の効果範囲を判定する効果範囲判定処理部68と、計略を実行して敵側へのダメージの状況を再現する計略実行処理部69とを備えている。
【0065】
画面制御部70は、ゲーム開始時にゲームのタイトルおよび広告等の表示制御を行うタイトル/アドバタイズ画面制御部71と、モード選択画面、カード登録画面、兵法選択画面、対戦相手のマッチングを行う大陸表示画面、戦闘結果画面、戦闘結果に応じた位の昇格・降格画面、討伐画面等の準備画面の表示制御を行う準備画面制御部72と、対戦者紹介画面、カード配置画面等の戦闘準備画面の表示制御を行う戦闘準備画面制御部73と、戦闘画面の表示制御を行う戦闘画面制御部74と、戦闘結果に応じた経験値取得画面、カード排出画面、戦績閲覧画面等の表示制御を行う結果発表画面制御部75とを備えている。
【0066】
図14は本発明を適用したカードゲーム装置の画面遷移を示すフローチャートである。これらの処理は図13に示したゲームアプリケーション58により主として行われる。
【0067】
図14において、ゲーム開始時はタイトルおよびアドバタイズの画面を表示し(ステップS101)、次いで、準備画面として、モード選択画面(ステップS102)、カード登録画面(ステップS103)、兵法選択画面(ステップS104)、大陸表示(マッチング)画面(ステップS105)を順次に表示する。
【0068】
次いで、戦闘準備画面として、対戦者紹介画面(ステップS106)、カード配置画面(ステップS107)を表示する。図15はカード配置画面の例を示す図であり、手前(画面下部)を自分側の城、正面奥(画面上部)を敵側の城とした画像の中に、配置したカードの位置に対応して、部隊の輪郭像81とそのアイコン、名称、特性値等を含むキャプション82とが表示されるようになっている。
【0069】
図14に戻り、カード配置画面の表示に続いて、戦闘画面を表示する(ステップS108)。図16は戦闘画面の例を示す図であり、メイン画面83にはカードに対応する部隊を示すキャプション82と当該部隊の兵士の画像を含む、戦闘状況をズームインした画像が表示されるとともに、サブ画面84に戦闘エリア全域における各カード(部隊)の配置が表示されるようになっている。なお、戦闘画面の表示に際してはステージ毎に戦闘の雰囲気を伝える音声(BGM)が流れる。
【0070】
図14に戻り、戦闘の終了後、準備画面として、戦闘結果画面(ステップS109)、位の昇格もしくは降格の画面(ステップS110)を表示する。更に、3連勝であれば討伐の成功を演出した討伐画面を表示し(ステップS111、S112)、3連勝以外の勝利であれば敵城の破壊を演出した討伐画面を表示し(ステップS113、S114)、続いて連勝ボーナスへのチャレンジを促す画面(ステップS115)を表示する。ここでプレイヤが連勝ボーナスにチャレンジした場合には大陸表示(マッチング)画面に移行する(ステップS116、S105)。
【0071】
プレイヤが連勝ボーナスにチャレンジしなかった場合、3連勝の演出を行った場合、もしくは敗戦した場合には、結果発表画面として、経験値取得画面(ステップS117)、カード排出画面(ステップS118)、戦績閲覧画面(ステップS119)を順次に表示し、ゲームを継続(コンティニュー)する場合にはモード選択画面(ステップS102)に移行し、継続しない場合にはゲームオーバとする(ステップS120)。
【0072】
次に、戦闘中におけるカード角度による部隊の状態変化処理について説明する。
【0073】
図17はカード角度による部隊の状態変化処理を示すフローチャートである。これらの処理は図13に示した筐体51、ゲーム基盤54、基本プログラム55、カード情報解析処理部59、部隊制御部61により主として行われる。
【0074】
図17において、筐体側処理として、カードID、カード座標、カード角度を含むカード情報を読み取り(ステップS201)、アプリケーション側にカード情報をシリアル送信する(ステップS202)。
【0075】
アプリケーション側では、カード情報をシリアル受信し(ステップS203)、カードIDの解析(ステップS204)、カード座標の解析(ステップS205)、カード角度の解析(ステップS206)を順次に行う。
【0076】
次いで、カード角度からカードの向きを判断し(ステップS207)、カードが縦向きである場合は縦向き対応の状態変更処理を行い(ステップS208)、カードが横向きである場合は横向き対応の状態変更処理を行う(ステップS209)。例えば、縦向きか横向きかに応じ、カードの部隊の兵種(種別)の変更を行ったり、カードの部隊のその他のパラメータの変更を行う。ここで、カードの部隊の兵種ないしはパラメータの変更にあっては、各カードの表すゲーム上の対象である1つの部隊のパラメータとして、予めカードの回転角度に対応付けられた複数のパラメータがメモリ上に定義されており、このパラメータの中から、角度に応じたパラメータが選択されることで兵種ないしはパラメータの変更が行われる。そして、状態変更処理の行われた状態を画面表示する(ステップS210)。
【0077】
図18はカード角度による部隊の状態変化の例を示す図であり、(A)に示すようにカード6が横向きである場合には兵種を槍部隊とするとともに、攻撃パラメータを「15」、射程パラメータを「3」とし、(B)に示すようにカード6が縦向きである場合には兵種を弓部隊とするとともに、攻撃パラメータを「10」、射程パラメータを「10」としている。
【0078】
次に、戦闘中におけるカード角度による計略の効果判定処理について説明する。
【0079】
図19はカード角度による計略の効果判定処理を示すフローチャートである。これらの処理は図13に示した筐体51、筐体52、ゲーム基盤54、基本プログラム55、基本プログラム56、カード情報解析処理部59、ボタン解析処理部60、部隊制御部61、計略制御部66により主として行われる。
【0080】
図19において、筐体側処理として、カードID、カード座標、カード角度を含むカード情報を読み取り(ステップS301)、アプリケーション側にカード情報をシリアル送信する(ステップS302)。
【0081】
アプリケーション側では、カード情報をシリアル受信し(ステップS303)、カードIDの解析(ステップS304)、カード座標の解析(ステップS305)、カード角度の解析(ステップS306)を順次に行う。
【0082】
次いで、カード角度が攻撃の対象(敵部隊等)とあっているか判断し(ステップS307)、角度が対象とあっている場合に計略発動のボタン入力があるか判断し(ステップS308)、ボタン入力があった場合には計略の効果を発動する処理(敵側にダメージを与えている画面、音声等の演出)に入り(ステップS309)、画面表示を行う(ステップS310)。角度が対象とあっていない場合(ステップS307のNO)およびボタン入力がない場合(ステップS308のなし)には効果発動処理(ステップS309)を行わず画面表示(ステップS310)に移行する。
【0083】
図20は計略の効果範囲を示す画面の例を示す図であり、メイン画面83には計略を発動する側の部隊配置85が明示されるとともに、サブ画面84には効果範囲86が明示され、攻撃の対象87、88が効果範囲に含まれることが容易に分かるようになっている。なお、ここでは計略として火計を想定しているため、効果範囲86としては効果が直線的に及ぶ矩形となっている。図21はカードの角度を真上に向けたために効果範囲86が対象87、88、89等から外れている場合の例を示している。
【0084】
図22は計略の効果範囲を示す画面の他の例を示す図であり、計略として落雷を想定しているため、効果範囲86としては所定の地点を中心に効果が放射状に及ぶ円形となっており、効果範囲86内に対象90、91,92が含まれていることを示している。図23はカードの角度の傾きにより効果範囲86が対象90、91,92等から外れている場合の例を示している。
【0085】
次に、戦闘中におけるカード移動時の画面表示制御処理について説明する。
【0086】
図24および図25はカード移動時の画面表示制御処理を示すフローチャートである。これらの処理は図13に示した筐体51、ゲーム基盤54、基本プログラム55、カード情報解析処理部59、部隊制御部61、画面制御部70により主として行われる。
【0087】
図24において、先ず初期位置の表示処理として、カード位置(座標・角度)を検出し(ステップS401)、検出したカード位置からゲーム上の仮想3次元空間内における部隊の位置を算出し(ステップS402)、算出した位置にカード形状の表示体および部隊の画像を表示する(ステップS403)。図26(a)は初期位置の表示が行われた画面の例を示したものであり、カード配置パネル7上にカード6が配置された位置に対応して、表示画面93において表示体94および部隊95が表示されている。
【0088】
続いて、図24に戻り、カード位置を検出し、移動・回転があるか否かを判断し(ステップS404)、ない場合は同判断を繰り返す。そして、移動・回転があったと判断した場合、検出したカード位置からゲーム上の仮想3次元空間内における部隊の位置を算出し(ステップS405)、元の位置のカード形状の表示体94を消去し、算出した新たな位置に表示体94を表示する(ステップS406)。このとき、移動先のカードの配置角度に表示体94の向きを合わせて回転させて表示してもよい。図26(b)はこの状態における画面の例を示したものであり、カード配置パネル7上でカード6が図示の位置まで矢印に沿って移動された場合、表示画面93では部隊95の表示はそのままで表示体94のみが新たな位置に表示される。これによって、カードをどの位置と角度に変更したのかが、表示体94のみを先に移動表示することで、画面上ですぐわかるようになり、カードの位置や角度の微調整ができるようになる。
【0089】
続いて、図24に戻り、部隊の移動パラメータ(部隊の種類に応じた移動可能速度を示すパラメータ)をメモリから読み出し(ステップS407)、現在の位置(元の位置)と算出した新たな位置から移動する方向を算出する(ステップS408)。
【0090】
続いて、図25において、移動する方向に向かって所定角度だけ部隊を回転表示し(ステップS409)、算出した位置に向かって部隊を移動パラメータに基づく移動速度で移動表示する(ステップS410)。次いで、移動する方向に対して回転が完了したか否かを判断し(ステップS411)、完了していない場合には現在の位置と移動先の位置が所定距離になったか否かを判断し(ステップS412)、所定距離になっていない場合には部隊の回転表示(ステップS409)に戻る。また、回転が完了した場合には現在の位置と移動先の位置が所定距離になったか判断し(ステップS413)、所定距離になっていない場合には部隊の移動表示(ステップS410)に戻る。これらの処理により、部隊は移動先に向かって徐々に角度を変えながら移動していくことになる。また、移動中に敵部隊と接触した場合は、角度を変えた状態に対応する部隊95のパラメータによって戦闘が行なわれ、戦闘結果が判定される。図26(b)は部隊95が移動をし始めた状態を示しており、図27(c)は部隊95がある程度移動先に近づいた状態を示している。なお、ステップS412,S413における所定の距離は、部隊95がカードが移動した方向に向かって移動しながら回転している状態から、今度は配置されたカードの配置面に対する配置角度に合うように部隊95を移動させながら回転させるため、回転方向が一致しない場合に回転方向を切り替える地点を特定した距離である。この距離は、予め定められた距離でもよいし、移動前のカードの向きとカードが配置された向き等とがなす角度と移動距離とから算出しても、カードが移動する方向(向き)からカードが配置された向きに回転が完了するまでに要する移動距離を算出して所定の距離としてもよい。
【0091】
図25に戻り、現在の位置と移動先の位置が所定距離になった場合(ステップS412、S413のYES)、配置されたカードの回転角度に基づいて部隊の向きを所定角度だけ回転表示し(ステップS414)、算出した位置に向かって部隊を移動パラメータに基づく移動速度で移動表示する(ステップS415)。次いで、現在の位置と移動先の位置が同じになったか否か判断し(ステップS416)、同じでない場合には、回転が完了したか否かを判断し(ステップS417)、回転が完了していない場合には部隊の回転表示(ステップS414)に戻り、回転が完了している場合には部隊の移動表示(ステップS415)に戻る。
【0092】
また、現在の位置と移動先の位置が同じになった場合(ステップS416のYES)には、回転が完了したか否かを判断し(ステップS418)、回転が完了していない場合には配置されたカードの回転角度に基づいて部隊の向きを所定角度だけ回転表示し(ステップS419)、回転が完了するまでこれを繰り返し、回転が完了した場合には処理を終了する。図27(d)は部隊95が移動先である表示体94の領域に到達した状態を示しており、部隊95はそれまでの進行方向から表示体94の先頭方向に向きを変えた状態になっている。その後にカード6が更に移動された場合は、図24のステップS404から同様の処理が行われる。
【0093】
上述したように、本発明ではカードの角度に応じてゲーム進行に対する操作が行えるため、直感的な操作手段が増え、適用できるゲーム内容を拡大することができる。
【0094】
以上、本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範な趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更を加えることができることは明らかである。すなわち、具体例の詳細および添付の図面により本発明が限定されるものと解釈してはならない。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明を適用したカードゲーム装置の一実施形態の全体構成を示す斜視図である。
【図2】本発明を適用したカードゲーム装置の各プレイヤが操作する端末装置を示す斜視図である。
【図3】本発明を適用したカードゲーム装置の一実施形態のシステム構成を示すブロック図である。
【図4】カード配置パネルを上方からみた平面図である。
【図5】カード配置パネルが取り付けられた筐体の縦断面図である。
【図6】カードに設けられたコードパターンの例を示す図である。
【図7】カードの裏面をイメージセンサで撮像した画像の例を示す図である。
【図8】IDデータ領域およびデータ領域のビットの開始位置を示す図である。
【図9】パターンデータの配置を示す図である。
【図10】カード位置座標検出方法を説明するための図である。
【図11】位置角度検出パターン領域を説明するための図である。
【図12】各突部の検出方法を説明するための図である。
【図13】本発明を適用したカードゲーム装置のハードウェアおよびソフトウェアの機能ブロック構成の例を示す図である。
【図14】本発明を適用したカードゲーム装置の画面遷移を示すフローチャートである。
【図15】カード配置画面の例を示す図である。
【図16】戦闘画面の例を示す図である。
【図17】カード角度による部隊の状態変化処理を示すフローチャートである。
【図18】カード角度による部隊の状態変化の例を示す図である。
【図19】カード角度による計略の効果判定処理を示すフローチャートである。
【図20】計略の効果範囲を示す画面の例を示す図(その1)である。
【図21】計略の効果範囲を示す画面の例を示す図(その2)である。
【図22】計略の効果範囲を示す画面の例を示す図(その3)である。
【図23】計略の効果範囲を示す画面の例を示す図(その4)である。
【図24】カード移動時の画面表示制御処理を示すフローチャート(その1)である。
【図25】カード移動時の画面表示制御処理を示すフローチャート(その2)である。
【図26】カード移動時の画面の例を示す図(その1)である。
【図27】カード移動時の画面の例を示す図(その2)である。
【符号の説明】
【0096】
P プレイヤ
1 カードゲーム装置
2 大型パネルディスプレイ
3 メイン制御部
4a〜4h 端末装置
5 ICカード
6 カード
7 カード配置パネル
8 モニタ
9 ICカードリーダライタ
10 カード発行部
11 セレクトボタン
12 アクションボタン
51〜53 筐体
54 ゲーム基盤
55〜57 基本プログラム
58 ゲームアプリケーション
59 カード情報解析処理部
60 ボタン解析処理部
61 部隊制御部
62 位置変更処理部
63 パラメータ変化処理部
64 種別変更処理部
65 カード選択判定部
66 計略制御部
67 目標選択処理部
68 効果範囲判定処理部
69 計略実行処理部
70 画面制御部
71 タイトル/アドバタイズ画面制御部
72 準備画面制御部
73 戦闘準備画面制御部
74 戦闘画面制御部
75 結果発表画面制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配置パネル上に載置されるプレイアイテムの識別コードを読み取る手段と、
上記プレイアイテムの座標を検出する手段と、
上記プレイアイテムの角度を検出する手段と、
読み取った上記プレイアイテムの識別コードならびに検出された上記プレイアイテムの座標および角度に基づき、上記プレイアイテムにより表されるゲーム上の対象の制御を行い、上記プレイアイテムの角度に応じてゲーム上の対象のパラメータを変更する手段とを備え、
上記プレイアイテムの識別コード、座標および角度に応じてゲームの進行を制御することを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
上記プレイアイテムの角度に応じてゲーム上の対象のパラメータを他のパラメータと入れ替える手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
配置パネル上に載置されるプレイアイテムの識別コードを読み取る手段と、
上記プレイアイテムの座標を検出する手段と、
上記プレイアイテムの角度を検出する手段と、
読み取った上記プレイアイテムの識別コードならびに検出された上記プレイアイテムの座標および角度に応づき、上記プレイアイテムにより表されるゲーム上の対象の制御を行う手段と、
上記プレイアイテムの識別コード、座標および角度ならびにプレイヤのボタン操作に応じて計略の制御を行い、上記プレイアイテムの角度に応じて計略の目標を表示してプレイヤに選択させ、計略の効果範囲を判定し、計略を実行して敵側へのダメージの状況を再現する手段とを備え、
上記プレイアイテムの識別コード、座標および角度に応じてゲームの進行を制御することを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
上記プレイアイテムが上記配置パネル上で移動したことを検出した際に、対応する移動先に上記プレイアイテムを示す表示体を表示する手段と、
上記表示体に向かって上記プレイアイテムにより表されるゲーム上の対象を徐々に角度を変えつつ移動させて表示する手段とを備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のゲーム装置。
【請求項5】
コンピュータを、
配置パネル上に載置されるプレイアイテムの識別コードを読み取る手段、
上記プレイアイテムの座標を検出する手段、
上記プレイアイテムの角度を検出する手段、
読み取った上記プレイアイテムの識別コードならびに検出された上記プレイアイテムの座標および角度に基づき、上記プレイアイテムにより表されるゲーム上の対象の制御を行い、上記プレイアイテムの角度に応じてゲーム上の対象のパラメータを変更する手段、
として機能させ、
上記プレイアイテムの識別コード、座標および角度に応じてゲームの進行を制御することを特徴とするゲーム制御プログラム。
【請求項6】
コンピュータを、上記プレイアイテムの角度に応じてゲーム上の対象のパラメータを他のパラメータと入れ替える手段として更に機能させることを特徴とする請求項5に記載のゲーム制御プログラム。
【請求項7】
コンピュータを、
配置パネル上に載置されるプレイアイテムの識別コードを読み取る手段、
上記プレイアイテムの座標を検出する手段、
上記プレイアイテムの角度を検出する手段、
読み取った上記プレイアイテムの識別コードならびに検出された上記プレイアイテムの座標および角度に応づき、上記プレイアイテムにより表されるゲーム上の対象の制御を行う手段、
上記プレイアイテムの識別コード、座標および角度ならびにプレイヤのボタン操作に応じて計略の制御を行い、上記プレイアイテムの角度に応じて計略の目標を表示してプレイヤに選択させ、計略の効果範囲を判定し、計略を実行して敵側へのダメージの状況を再現する手段、
として機能させ、
上記プレイアイテムの識別コード、座標および角度に応じてゲームの進行を制御することを特徴とするゲーム制御プログラム。
【請求項8】
コンピュータを、
上記プレイアイテムが上記配置パネル上で移動したことを検出した際に、対応する移動先に上記プレイアイテムを示す表示体を表示する手段、
上記表示体に向かって上記プレイアイテムにより表されるゲーム上の対象を徐々に角度を変えつつ移動させて表示する手段、
として更に機能させることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか一項に記載のゲーム制御プログラム。
【請求項9】
請求項5乃至8のいずれか一項に記載のゲーム制御プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図15】
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【図16】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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