説明

ゲーム装置、ゲーム制御方法、ならびに、プログラム

【課題】順次提示されるオブジェクトが示す方向を、ユーザにとって確認しやすくするのに好適なゲーム装置等を提供する。
【解決手段】表示部201は、照準と複数の標的とを画面に表示する表示部201であって、当該複数の標的のそれぞれにはプレイヤが操作を行うべき方向が割り当てられ、当該プレイヤが当該割り当てられた方向に操作を行うべきタイミングで当該照準と当該標的とが重なるように表示する。取得部202は、複数の標的のうち直近に前記照準と重なる第1の標的と、当該第1の標的の次に前記照準と重なる第2の標的とを取得する。変化部203は、第1の標的が前記表示部201により前記画面内に表示される際に付される模様を、前記第2の標的に割り当てられた方向に変化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
順次提示される標的が示す方向を、ユーザにとって確認しやすくするのに好適なゲーム装置、ゲーム制御方法、ならびに、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
プレイヤが体を動かしてプレイするゲームが遊技場等で広く普及している。例えば、特許文献1には、ステップを踏むタイミング等をガイドし、プレイヤが音楽に合わせて踏み台を踏むことで、ダンス感覚を体感できるダンスゲーム装置が開示されている。このようなダンスゲーム装置では、プレイヤがステップを踏むべき方向を示した複数のオブジェクトが画面に表示される。そして、複数のオブジェクトは、ステップを踏むタイミングで、次々と所定の領域に到達する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3003851号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなダンスゲームでは、プレイヤは、音楽に合わせてステップを踏むために、直近にステップを踏むべきタイミングとなるオブジェクトだけでなく、次にステップを踏むべきタイミングとなるオブジェクトを確認しておく必要がある。しかしながら、特に初心者のプレイヤは、直近にステップを踏むべきタイミングとなるオブジェクトを注視するあまり、次にステップを踏むべきタイミングとなるオブジェクトを確認することができないことが多い。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するもので、順次提示されるオブジェクトが示す方向を、ユーザにとって確認しやすくするのに好適なゲーム装置、ゲーム制御方法、ならびに、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の観点に係るゲーム装置は、表示部と、取得部と、変化部と、を備え、以下のように構成する。なお、以下では、画面内を移動するオブジェクトが示す方向に従って、ステップを踏むダンスゲームを例に説明する。
【0007】
表示部は、照準と複数の標的とを画面に表示する表示部であって、当該複数の標的のそれぞれにはプレイヤが操作を行うべき方向が割り当てられ、当該プレイヤが当該割り当てられた方向に操作を行うべきタイミングで当該照準と当該標的とが重なるように表示する。
【0008】
ここで、ダンスゲームにおいて、標的とは、画面内を移動するオブジェクトである。また、照準とは、画面内の所定の領域である。プレイヤは、オブジェクトが当該所定の領域に重なった時に、オブジェクトが示す方向にステップを踏むことが求められるとする。すなわち、表示部は、ステップを踏むべきタイミングで、所定の領域に、複数のオブジェクトのうちいずれか又は複数のオブジェクトが重なるように表示する。
【0009】
取得部は、複数の標的のうち直近に照準と重なる第1の標的と、当該第1の標的の次に照準と重なる第2の標的とを取得する。
【0010】
例えば、取得部は、複数のオブジェクトのうち、直近に所定の領域に重なるオブジェクトを第1の標的として取得し、その次に所定の領域に重なるオブジェクトを第2の標的として取得する。
【0011】
変化部は、第1の標的が表示部により画面内に表示される際に付される模様を、第2の標的に割り当てられた方向に変化させる。
【0012】
例えば、直近に所定の領域に重なるオブジェクトが示す方向は、右方向であり、当該オブジェクトの次に当該所定の領域に重なるオブジェクトが示す方向は、左方向であるとする。また、複数のオブジェクトには、それぞれ、所定の模様が付されているとする。この場合、変化部は、直近に所定の領域に重なるオブジェクトに付された模様を、次に当該所定の領域に重なるオブジェクトが示す方向である左方向に移動させる。
【0013】
本発明によれば、直近に照準と重なる標的に付された模様が、次に照準と重なる標的が示す方向に移動するので、プレイヤは、直近に照準と重なる標的を見ることにより、次に照準に重なる標的が示す方向を確認することができる。
【0014】
また、変化部は、第1の標的と照準との距離が所定の距離以下の場合に、当該第1の標的の模様を変化させるようにしてもよい。
【0015】
すなわち、直近に所定の領域に重なるオブジェクトと当該所定の領域との距離が所定の距離以下になった場合、当該オブジェクトの模様を、次に当該所定の領域に重なるオブジェクトが示す方向に変化させる。
【0016】
本発明によれば、直近に照準と重なる標的が、ある程度当該照準に近づいてから、当該標的の模様を変更させることにより、次の標的に対する操作の準備に入るタイミングを考慮して模様を変更させることができる。
【0017】
本発明の第2の観点に係るゲーム制御方法は、表示部と、取得部と、変化部と、を備えるゲーム装置が実行するゲーム制御方法であって、以下のように構成する。
【0018】
表示工程において、表示部が、照準と複数の標的とを画面に表示し、当該複数の標的のそれぞれにはプレイヤが操作を行うべき方向が割り当てられ、当該表示部が、当該プレイヤが当該割り当てられた方向に操作を行うべきタイミングで当該照準と当該標的とが重なるように表示する。
【0019】
取得工程において、取得部が、複数の標的のうち直近に照準と重なる第1の標的と、当該第1の標的の次に照準と重なる第2の標的とを取得する。
【0020】
変化工程において、変化部が、第1の標的が表示部により画面内に表示される際に付される模様を、第2の標的に割り当てられた方向に変化させる。
【0021】
本発明のその他の観点に係るプログラムは、コンピュータを上記ゲーム装置として機能させ、コンピュータに上記ゲーム制御方法を実行させるように構成する。
【0022】
また、本発明のプログラムは、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリ等のコンピュータ読取可能な情報記録媒体に記録することができる。
【0023】
上記プログラムは、プログラムが実行されるコンピュータとは独立して、コンピュータ通信網を介して配布・販売することができる。また、上記情報記録媒体は、コンピュータとは独立して配布・販売することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、順次提示される標的が示す方向を、ユーザにとって確認しやすくするのに好適なゲーム装置、ゲーム制御方法、ならびに、プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施形態に係るゲーム装置が実現される典型的な情報処理装置の概要構成を示す模式図である。
【図2】情報処理装置に接続可能なマット型コントローラの概要構成を示す模式図である。
【図3】ゲーム画像の一例を示す図である。
【図4】目標オブジェクトに付される模様の変化を示す図である。
【図5】実施形態1に係るゲーム装置の概要構成を示す図である。
【図6】目標オブジェクトの模様の変化を示す図である。
【図7】目標オブジェクトの模様の変化を示す図である。
【図8】目標オブジェクトの模様の変化を示す図である。
【図9】目標オブジェクトの模様の変化を示す図である。
【図10】目標オブジェクトの模様の変化を示す図である。
【図11】実施形態1に係るゲーム装置の各部が行うゲーム制御処理を説明するためのフローチャートである。
【図12】照準と第1の標的との距離を説明するための図である。
【図13】実施形態2に係るゲーム装置の各部が行うゲーム制御処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明のゲーム装置は、順次提示される標的が示す方向を、ユーザにとって確認しやすくするために、照準と重なる標的の模様を変化させるものである。模様を変化させる手法は複数あり、各手法を採用したゲーム装置を実施形態1及び2として説明する。
【0027】
実施形態1のゲーム装置は、直近に照準と重なる標的の模様を、次に照準と重なる標的が示す方向に、変化させる手法を採用する。
実施形態2のゲーム装置は、実施形態1において、照準と標的との距離が所定の距離以下の場合に、直近に照準と重なる標的の模様を変化させる手法を採用する。
【0028】
(情報処理装置の概要構成)
まず、これらの実施形態のゲーム装置が実現される典型的な情報処理装置について説明する。なお、以下では、理解を容易にするため、ゲーム用の情報処理装置を利用して本発明が実現される実施形態を説明するが、以下に説明する実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0029】
図1は、プログラムを実行することにより、本発明の実施形態に係るゲーム装置の機能を果たす典型的な情報処理装置100の概要構成を示す模式図である。以下、本図を参照して説明する。
【0030】
情報処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、インターフェース104と、コントローラ105と、外部メモリ106と、画像処理部107と、DVD−ROM(Digital Versatile Disc ROM)ドライブ108と、NIC(Network Interface Card)109と、音声処理部110と、マット型コントローラ111と、を備える。
【0031】
CPU 101は、情報処理装置100全体の動作を制御し、各構成要素と接続され、制御信号やデータをやりとりする。また、CPU 101は、レジスタ(図示せず)という高速アクセスが可能な記憶域に対してALU(Arithmetic Logic Unit)(図示せず)を用いて加減乗除等の算術演算や、論理和、論理積、論理否定等の論理演算、ビット和、ビット積、ビット反転、ビットシフト、ビット回転等のビット演算などを行うことができる。さらに、マルチメディア処理対応のための加減乗除等の飽和演算や、三角関数等、ベクトル演算などを高速に行えるように、CPU 101自身が構成されているものや、コプロセッサを備えて実現するものがある。
【0032】
ROM 102には、電源投入直後に実行されるIPL(Initial Program Loader)が記憶され、これが実行されることにより、DVD−ROMに記憶されたプログラムをRAM 103に読み出してCPU 101による実行が開始される。また、ROM 102には、情報処理装置100全体の動作制御に必要なオペレーティングシステムのプログラムや各種のデータが記憶される。
【0033】
RAM 103は、データやプログラムを一時的に記憶するためのもので、DVD−ROMから読み出したプログラムやデータ、その他ゲームの進行やチャット通信に必要なデータが保持される。また、CPU 101は、RAM 103に変数領域を設け、当該変数に格納された値に対して直接ALUを作用させて演算を行ったり、RAM 103に格納された値を一旦レジスタに格納してからレジスタに対して演算を行い、演算結果をメモリに書き戻す、等の処理を行う。
【0034】
コントローラ105は、インターフェース104を介して接続される。コントローラ105は、プレイヤがゲーム実行の際に行う操作入力を受け付ける。
【0035】
外部メモリ106は、インターフェース104を介して着脱自在に接続される。外部メモリ106には、ゲーム等のプレイ状況(過去の成績等)を示すデータ、ゲームの進行状態を示すデータ、ネットワーク対戦の場合のチャット通信のログ(記録)のデータなどが書き換え可能に記憶される。プレイヤは、コントローラ105を介して指示入力を行うことにより、これらのデータを適宜外部メモリ106に記憶させることができる。
【0036】
画像処理部107は、DVD−ROMから読み出されたデータをCPU 101や画像処理部107が備える画像演算プロセッサ(図示せず)によって加工処理した後、これを画像処理部107が備えるフレームメモリ(図示せず)に記憶させる。フレームメモリに記憶された画像情報は、所定の同期タイミングでビデオ信号に変換され画像処理部107に接続されるモニタへ出力される。これにより、各種の画像表示が可能となる。
【0037】
DVD−ROMドライブ108に装着されるDVD−ROMには、ゲームを実現するためのプログラムとゲームに付随する画像データや音声データが記憶される。CPU 101の制御によって、DVD−ROMドライブ108は、これに装着されたDVD−ROMに対する読み出し処理を行って、必要なプログラムやデータを読み出し、これらはRAM 103等に一時的に記憶される。
【0038】
また、画像演算プロセッサは、2次元の画像の重ね合わせ演算やαブレンディング等の透過演算、各種の飽和演算を高速に実行できる。
【0039】
また、仮想空間が3次元にて構成される場合には、当該3次元空間内に配置され、各種のテクスチャ情報が付加されたポリゴン情報を、Zバッファ法によりレンダリングして、所定の視点位置から仮想空間に配置されたポリゴンを所定の視線の方向へ俯瞰したレンダリング画像を得る演算の高速実行も可能である。
【0040】
さらに、CPU 101と画像演算プロセッサが協調動作することにより、文字の形状を定義するフォント情報に従って、文字列を2次元画像としてフレームメモリへ描画したり、各ポリゴン表面へ描画したりすることが可能である。
【0041】
NIC 109は、情報処理装置100をインターネット等のコンピュータ通信網(図示せず)に接続するためのものであり、LAN(Local Area Network)を構成する際に用いられる10BASE−T/100BASE−T規格に従うものや、電話回線を用いてインターネットに接続するためのアナログモデム、ISDN(Integrated Services Digital Network)モデム、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)モデム、ケーブルテレビジョン回線を用いてインターネットに接続するためのケーブルモデム等と、これらとCPU 101との仲立ちを行うインターフェース(図示せず)により構成される。
【0042】
音声処理部110は、DVD−ROMから読み出した音声データをアナログ音声信号に変換し、これに接続されたスピーカ(図示せず)から出力させる。また、CPU 101の制御の下、ゲームの進行の中で発生させるべき効果音や楽曲データを生成し、これに対応した音声をスピーカから出力させる。
【0043】
DVD−ROMに記録された音声データがMIDI(Musical Instrument Digital Interface)データである場合には、音声処理部110は、これが有する音源データを参照して、MIDIデータをPCM(Pulse Code Modulation)データに変換する。また、ADPCM(Adaptive Differential PCM)形式やOgg Vorbis形式等の圧縮済音声データである場合には、これを展開してPCMデータに変換する。PCMデータは、そのサンプリング周波数に応じたタイミングでD/A(Digital/Analog)変換を行って、スピーカに出力することにより、音声出力が可能となる。
【0044】
マット型コントローラ111は、インターフェース104を介して接続される。本発明において、情報処理装置100に複数のマット型コントローラ111を接続することも可能である。マット型コントローラ111は、プレイヤがゲームプレイの際に行う操作入力を受け付ける。図2は、マット型コントローラ111の外観を示す説明図である。以下、本図を参照してマット型コントローラ111を説明する。
【0045】
図2は、床面に設置されたマット型コントローラ111を真上から眺めたときのマット型コントローラ111の概略図である。マット型コントローラ111の所定領域には、“左”を指示する入力をプレイヤから受け付けるボタン111L、“右”を指示する入力をプレイヤから受け付けるボタン111R、“上”を指示する入力をプレイヤから受け付けるボタン111U、“下”を指示する入力をプレイヤから受け付けるボタン111D、がそれぞれ配置されている。プレイヤは、ボタン111L、111R、111U、111Dを任意のタイミングで押圧することができる。CPU 101は、ボタン111L、111R、111U、111Dのそれぞれについて、ボタンが押圧されている状態であるか否かを判別する。
【0046】
本実施形態では、マット型コントローラ111は4個のボタン111L、111R、111U、111Dを備えているが、ボタンの数は4個に限定されず、3個以下あるいは5個以上でもよい。
【0047】
また、マット型コントローラ111に代えて、赤外線カメラ等を使用することによりプレイヤの体全体の動きを捉えることで、ゲームプレイの操作入力としてもよい。
【0048】
このほか、情報処理装置100は、ハードディスク等の大容量外部記憶装置を用いて、ROM 102、RAM 103、外部メモリ106、DVD−ROMドライブ108に装着されるDVD−ROM等と同じ機能を果たすように構成してもよい。
【0049】
以上で説明した情報処理装置100は、いわゆる「コンシューマ向けテレビゲーム装置」に相当するものであるが、仮想空間を表示するような画像処理を行うものであれば本発明を実現することができる。したがって、携帯電話、携帯ゲーム機器、カラオケ装置、一般的なビジネス用コンピュータなど、種々の計算機上で本発明を実現することが可能である。
【0050】
例えば、一般的なコンピュータは、上記情報処理装置100と同様に、CPU、RAM、ROM、DVD−ROMドライブ、及び、NICを備え、情報処理装置100よりも簡易な機能を備えた画像処理部を備え、外部記憶装置としてハードディスクを有する他、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、磁気テープ等が利用できるようになっている。また、コントローラ105ではなく、キーボードやマウスなどを入力装置として利用する。
【0051】
以下、上記情報処理装置100において実現される実施形態1及び2に係るゲーム装置の概要構成について、図1乃至13を参照して説明する。ゲーム用のプログラム及びデータが記憶されたDVD−ROMをDVD−ROMドライブ108に装着して、情報処理装置100の電源を投入することにより、当該プログラムが実行され、実施形態1及び2に係るゲーム装置が以下に示すダンスゲームを実行する。
【0052】
(ゲームの概要)
まず、各実施形態のゲーム装置が実行するダンスゲームについて説明する。
【0053】
図3のダンスゲームのゲーム画像は、複数種類の目標オブジェクトMO1〜MO4が、演奏される楽曲のリズム等に同調して、移動レーンLa(オブジェクトの種類に応じたレーン)に沿って、下方から順次現れてそれぞれ上方まで移動し、消えて行く様子を示している。目標オブジェクトMO1〜MO4は、異なる向きの矢印シンボルを表している。右向きの矢印シンボルである目標オブジェクトMO1は、プレイヤに右方向にステップを踏むように指示するものである。同様に、下向きの矢印シンボルである目標オブジェクトMO2は後方に、上向きの矢印のシンボルである目標オブジェクトMO3は前方に、左向きの矢印シンボルである目標オブジェクトMO4は左方向に、ステップを踏むことを指示するものである。これらの目標オブジェクトMO1〜MO4は、移動レーンLaの下端(起点)から出現して、移動レーンLaを上方向に移動し、移動レーンLaの上端(終点)にて消滅する。
【0054】
また、ダンスゲームのゲーム画像には、各目標オブジェクトMO1〜MO4と同じ形状の判定オブジェクトHO1〜HO4が所定の領域(判定エリアHA)に固定されて表示される。プレイヤは、目標オブジェクトMO1〜MO4が判定オブジェクトHO1〜HO4に完全に重なったタイミング(以下、「重複タイミング」という)で、目標オブジェクトMO1〜MO4が示す方向にステップを踏むことが求められる。すなわち、目標オブジェクトMO1が判定オブジェクトHO1に完全に重なったタイミングで、ボタン111Rを押圧することが求められる。同様に、目標オブジェクトMO2が判定オブジェクトHO2に完全に重なったタイミングで、ボタン111Dを押圧することが求められ、目標オブジェクトMO3が判定オブジェクトHO3に完全に重なったタイミングで、ボタン111Uを押圧することが求められ、目標オブジェクトMO4が判定オブジェクトHO4に完全に重なったタイミングで、ボタン111Lを押圧することが求められる。
【0055】
プレイヤは、重複タイミングで、目標オブジェクトMO1〜MO4が示す方向に、ステップを踏む(ボタン111L、111R、111U、111Dの押圧する)と、得点が加算され、例えば、図3の“123400”のように画面にそれぞれの得点が表示される。一方、重複タイミングで、プレイヤによる入力が無かった場合や、目標オブジェクトMO1〜MO4が示す方向にステップが踏まれなかった場合、得点は得られず、又は得点が減算される。なお、ステップを踏むタイミングと重複タイミングとの誤差が小さいほど、高得点を得られるようにしてもよい。
【0056】
また、目標オブジェクトMO1〜MO4には、模様が付されている。本実施形態では、星形の模様が付されているとする。この模様は、後述する所定の条件により、目標オブジェクトMO1〜MO4の表面上を移動する。
目標オブジェクトMO4に付された模様が移動する例を図4に示す。目標オブジェクトMO4に付された星形の模様301は、例えば、目標オブジェクトMO4の表面上を右方向に移動する(図4(a)→図4(b)→図4(c)→図4(d)→図4(e))。また、目標オブジェクトMO4に付された星形の模様301は、目標オブジェクトMO4の表面上を左方向に移動する(図4(e)→図4(d)→図4(c)→図4(b)→図4(a))。また、目標オブジェクトMO4に付された星形の模様301は、目標オブジェクトMO4の表面上を下方向に移動する(図4(f)→図4(g)→図4(c)→図4(h)→図4(j))。あるいは、目標オブジェクトMO4に付された星形の模様301は、目標オブジェクトMO4の表面上を上方向に移動する(図4(j)→図4(h)→図4(c)→図4(g)→図4(f))。
なお、模様は、星形の模様に限らず、模様の移動方向を左右上下のいずれかであるか判別できるものであればよい。例えば、水玉などの幾何学的模様や、色のグラデーションによる模様であってもよい。
【0057】
(実施形態1)
実施形態1のゲーム装置は、直近に照準と重なる標的の模様を、次に照準と重なる標的が示す方向に、変化させる。
実施形態1のゲーム装置200は、図5に示すように、表示部201と、取得部202と、変化部203と、から構成される。
【0058】
表示部201は、照準と複数の標的とを画面に表示する。そして、当該複数の標的のそれぞれにはプレイヤが操作を行うべき方向が割り当てられ、表示部201は、当該プレイヤが当該割り当てられた方向に操作を行うべきタイミングで当該照準と当該標的とが重なるように表示する。例えば、図3のゲーム画像では、照準は判定オブジェクトHO1〜HO4であり、複数の標的は目標オブジェクトMO1〜MO4である。表示部201は、プレイヤがステップを踏むべきタイミングで、判定オブジェクトHO1〜HO4に目標オブジェクトMO1〜MO4が完全に重なるように、判定オブジェクトHO1〜HO4及び目標オブジェクトMO1〜MO4を画面に表示する。
したがって、CPU 101及び画像処理部107が協働して、表示部201として機能する。
【0059】
取得部202は、複数の標的のうち直近に照準と重なる第1の標的と、当該第1の標的の次に照準と重なる第2の標的とを取得する。例えば、図6のゲーム画像が画面に表示されているとする。この場合、直近に判定オブジェクトHO1〜HO4と重なるのは目標オブジェクトMO4であり、目標オブジェクトMO4の次に判定オブジェクトHO1〜HO4と重なるのは目標オブジェクトMO3である。したがって、取得部202は、第1の標的として目標オブジェクトMO4を取得し、第2の標的として目標オブジェクトMO3を取得する。同様に、図7のゲーム画像の場合、取得部202は、第1の標的として目標オブジェクトMO4を取得し、第2の標的として目標オブジェクトMO2を取得する。また、図8のゲーム画像の場合、取得部202は、第1の標的として目標オブジェクトMO4を取得し、第2の標的として目標オブジェクトMO1を取得する。また、図9のゲーム画像の場合、取得部202は、第1の標的として目標オブジェクトMO4を取得し、第2の標的として目標オブジェクトMO4”を取得する。
したがって、CPU 101が取得部202として機能する。
【0060】
変化部203は、第1の標的が表示部201により画面内に表示される際に付される模様を、第2の標的に割り当てられた方向に変化させる。すなわち、変化部203は、第1の標的として取得された目標オブジェクトMO1〜MO4に付された模様を、第2の標的として取得された目標オブジェクトMO1〜MO4が示す方向に移動させる。
したがって、CPU 101及び画像処理部107が協働して、変化部203として機能する。
【0061】
例えば、図6では、目標オブジェクトMO3、MO4が移動レーンLaを上方向に(目標オブジェクトMO3’、MO4’の方へ)移動する。この場合、目標オブジェクトMO3(第2の標的)に割り当てられた方向は、前方(上向き)である。したがって、変化部203は、目標オブジェクトMO4が移動レーンLaを上方向に移動する(目標オブジェクトMO4’の位置に来るまでの)間に、目標オブジェクトMO4に付された星形の模様301を上方向401に移動させる。一方、変更部203は、目標オブジェクトMO3に付された星形の模様302の位置を変更しない。
図7では、目標オブジェクトMO2、MO4が移動レーンLaを上方向に(目標オブジェクトMO2’、MO4’の方へ)移動する。この場合、目標オブジェクトMO2(第2の標的)に割り当てられた方向は、後方(下向き)である。したがって、変化部203は、目標オブジェクトMO4(第1の標的)が移動レーンLaを上方向に移動する間、目標オブジェクトMO4の星形の模様301を、下方向402に移動させる。一方、変更部203は、目標オブジェクトMO2に付された星形の模様303の位置を変更しない。
図8では、目標オブジェクトMO1、MO4が移動レーンLaを上方向に(目標オブジェクトMO1’、MO4’の方へ)移動する。この場合、目標オブジェクトMO1(第2の標的)に割り当てられた方向は、右向きである。したがって、変化部203は、目標オブジェクトMO4(第1の標的)が移動レーンLaを上方向に移動する間、目標オブジェクトMO4(第1の標的)の星形の模様301を右方向403に移動させる。一方、変更部203は、目標オブジェクトMO1に付された星形の模様304の位置を変更しない。
図9では、目標オブジェクトMO4、MO4”が移動レーンLaを上方向に(目標オブジェクトMO4は目標オブジェクトMO4’へ、目標オブジェクトMO4”は目標オブジェクトMO4へ)移動する。目標オブジェクトMO4”(第2の標的)に割り当てられた方向は、左向きである。したがって、変化部203は、目標オブジェクトMO4(第1の標的)が移動レーンLaを上方向に移動する間、目標オブジェクトMO4(第1の標的)の星形の模様301を左方向404に移動させる。一方、変更部203は、目標オブジェクトMO4”に付された星形の模様305の位置を変更しない。
【0062】
そして、図10に示すように、目標オブジェクトMO4が判定オブジェクトHO4に完全に重なった後、目標オブジェクトMO1、MO3、MO4が、時間経過に伴い、移動レーンLaを上方向に移動したとする(移動後の目標オブジェクトMO1、MO3、MO4を目標オブジェクトMO1’、MO3’、MO4’とする)。この場合、取得部202は、次に、目標オブジェクトMO3を第1の標的として取得し、目標オブジェクトMO1を第2の標的として取得する。そして、変更部203は、目標オブジェクトMO3に付された星形の模様302を、目標オブジェクトMO1が示す方向(右方向305)に移動させる。
このように、変更部203は、判定オブジェクトHO1〜HO4と重なる目標オブジェクトMO1〜MO4の模様を、次に判定オブジェクトHO1〜HO4と重なる目標オブジェクトMO1〜MO4が示す方向に、順次移動させる。
【0063】
(ゲーム装置の動作)
以下、本実施形態のゲーム装置200の各部が行う動作について説明する。ゲーム装置200に電源が投入されると、CPU 101は、図11のフローチャートに示すゲーム制御処理を開始する。
【0064】
ゲーム制御処理が開始されると、CPU 101は、各種の初期化を行う(ステップS101)。例えば、CPU 101は、DVD−ROMドライブ108に装着されたDVD−ROMから、目標オブジェクトMO1〜MO4等の画像データを読み込み、RAM 103等の初期化を行う。
【0065】
次に、画像処理部107は、垂直同期割り込みが生じるまで、キューのクリアや、別のプロセスの処理などを行って待機する(ステップS102)。
【0066】
そして、垂直同期割り込みが生じると、表示部201は、プレイヤが操作を行うべきタイミングで照準と標的とが重なるように、当該照準及び標的を表示する(ステップS103)。例えば、図3のゲーム画像において、表示部201は、目標オブジェクトMO1〜MO4を、プレイヤがステップを踏むべきタイミングで、判定オブジェクトHO1〜HO4に完全に重なるように画面に表示する。
【0067】
次に、取得部202は、表示部201が表示する標的のうち、直近に照準と重なる標的を第1の標的として取得し、当該標的の次に照準と重なる標的を第2の標的として取得する(ステップS104)。例えば、図6のゲーム画像が表示されているとする。取得部202は、第1の標的として目標オブジェクトMO4を取得し、第2の標的として目標オブジェクトMO3を取得する。
【0068】
変化部203は、第1の標的の模様を第2の標的が示す方向に変化させる(ステップS105)。例えば、取得部202が、第1の標的として目標オブジェクトMO4を取得し、第2の標的として目標オブジェクトMO3を取得したとする。この場合、第2の標的である目標オブジェクトMO3に割り当てられた方向は上方向である。したがって、変更部203は、目標オブジェクトMO4に付された星形の模様301を図6に示すように上方向401に移動させる。そして、ステップS102に戻り、垂直同期割り込み後、表示部201により、模様が変化した標的が、操作を行うべきタイミングで照準と重なるように表示される。
【0069】
本実施形態によれば、直近に照準と重なる標的に付された模様が、次に照準と重なる標的が示す方向に移動するので、プレイヤは、直近に照準と重なる標的を見ることにより、次に照準に重なる標的が示す方向を確認することができる。
【0070】
(実施形態2)
実施形態2のゲーム装置は、実施形態1において、照準と標的との距離が所定の距離以下の場合に、直近に照準と重なる標的の模様を変化させる。
実施形態2のゲーム装置200は、図5に示すように、表示部201と、取得部202と、変化部203と、から構成される。本実施形態の表示部201、及び、取得部202は、実施形態1のものと同様の機能を有する。以下、異なる機能を有する変化部203について説明する。
【0071】
変化部203は、第1の標的と照準との距離が所定の距離以下の場合に、当該第1の標的の模様を、第2の標的に割り当てられた方向に変化させる。例えば、図12に示すように、目標オブジェクトMO3、MO4が時間経過と共に移動レーンLaを上方向に移動する、すなわち、目標オブジェクトMO3、MO4→目標オブジェクトMO3’、MO4’→目標オブジェクトMO3”、MO4”と移動するとする。第1の標的は目標オブジェクトMO4であり、第2の標的は目標オブジェクトMO3である。そして、当該第1の標的と照準との距離は、目標オブジェクトMO4の中心501と、判定オブジェクトHO1〜4の中心502との間の距離503とし、所定の距離を距離504とする。この場合、目標オブジェクトMO4の中心501と判定オブジェクトHO1〜HO4の中心502との距離503が距離504より大きいので、変更部203は、目標オブジェクトMO4に付された星形の模様301を移動させない。一方、目標オブジェクトMO4が目標オブジェクトMO4’の位置に達すると、目標オブジェクトMO4’の中心505と判定オブジェクトHO1〜4の中心502との距離と、距離504とが等しくなるので、変更部203は、目標オブジェクトMO4が目標オブジェクトMO4’の位置に達した時から、目標オブジェクトMO4に付された星形の模様301を、第2の標的である目標オブジェクトMO3が示す方向(上方向401)に移動させる。
したがって、CPU 101及び画像処理部107が協働して、変化部203として機能する。
【0072】
(ゲーム装置の動作)
以下、本実施形態のゲーム装置200の各部が行う動作について説明する。ゲーム装置200に電源が投入されると、CPU 101は、図13のフローチャートに示すゲーム制御処理を開始する。なお、図13のフローチャートにおいて、図11と同じステップ番号が付されているステップは、図11のフローチャートにおける処理と同様の処理を行う。
【0073】
取得部202が第1の標的及び第2の標的を取得すると(ステップS104)、変更部203は、第1の標的と照準との距離が所定の距離以下か否かを判断する(ステップS205)。変更部203が、第1の標的と照準との距離が所定の距離以下であると判断すると(ステップS205;Yes)、変更部203は、第1の標的の模様を第2の標的が示す方向に変化させる(ステップS206)。一方、変更部203が、第1の標的と照準との距離が所定の距離より大きいと判断した場合(ステップS205;No)、ステップS102に戻る。
【0074】
例えば、第1の標的が図12の目標オブジェクトMO4であり、目標オブジェクトMO4の中心501と判定オブジェクトHO1〜HO4の中心502との距離503が距離504より大きい場合、変更部203は、ステップS102に戻る。一方、図12の目標オブジェクトMO4が目標オブジェクトMO4’の位置に達した場合、変更部203は、目標オブジェクトMO4の星形の模様301を、目標オブジェクトMO3が示す方向(上方向401)へ移動させる。
【0075】
本実施形態によれば、直近に照準と重なる標的がある程度当該照準に近づいてから、当該標的の模様を変更させることにより、次の標的に対する操作の準備に入るタイミングを考慮して模様を変更させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明によれば、順次提示される標的が示す方向を、ユーザにとって確認しやすくするのに好適なゲーム装置、ゲーム制御方法、ならびに、プログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0077】
100 情報処理装置
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 インターフェース
105 コントローラ
106 外部メモリ
107 画像処理部
108 DVD−ROMドライブ
109 NIC
110 音声処理部
111 マット型コントローラ
111L、111R、111U、111D ボタン
200 ゲーム装置
201 表示部
202 取得部
203 変化部
MO1〜MO4、MO1’〜MO4’、MO3”、MO4” 目標オブジェクト
HO1〜HO4 判定オブジェクト
HA 判定エリア
301、302、303、304、305 星形の模様
401 上方向
402 下方向
403、405 右方向
404 左方向
501、502、505 中心
503、504 距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照準と複数の標的とを画面に表示する表示部であって、当該複数の標的のそれぞれにはプレイヤが操作を行うべき方向が割り当てられ、当該プレイヤが当該割り当てられた方向に操作を行うべきタイミングで当該照準と当該標的とが重なるように表示する表示部と、
前記複数の標的のうち直近に前記照準と重なる第1の標的と、当該第1の標的の次に前記照準と重なる第2の標的とを取得する取得部と、
前記第1の標的が前記表示部により前記画面内に表示される際に付される模様を、前記第2の標的に割り当てられた方向に変化させる変化部と、
を備えることを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム装置であって、
前記変化部は、前記第1の標的と前記照準との距離が所定の距離以下の場合に、当該第1の標的の模様を変化させる
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
表示部と、取得部と、変化部と、を備えるゲーム装置が実行するゲーム制御方法であって、
前記表示部が、照準と複数の標的とを画面に表示する表示部であって、当該複数の標的のそれぞれにはプレイヤが操作を行うべき方向が割り当てられ、前記表示部が、当該プレイヤが当該割り当てられた方向に操作を行うべきタイミングで当該照準と当該標的とが重なるように表示する表示工程と、
前記取得部が、前記複数の標的のうち直近に前記照準と重なる第1の標的と、当該第1の標的の次に前記照準と重なる第2の標的とを取得する取得工程と、
前記変化部が、前記第1の標的が前記表示部により前記画面内に表示される際に付される模様を、前記第2の標的に割り当てられた方向に変化させる変化工程と、
を備えることを特徴とするゲーム制御方法。
【請求項4】
コンピュータを、
照準と複数の標的とを画面に表示する表示部であって、当該複数の標的のそれぞれにはプレイヤが操作を行うべき方向が割り当てられ、当該プレイヤが当該割り当てられた方向に操作を行うべきタイミングで当該照準と当該標的とが重なるように表示する表示部、
前記複数の標的のうち直近に前記照準と重なる第1の標的と、当該第1の標的の次に前記照準と重なる第2の標的とを取得する取得部、
前記第1の標的が前記表示部により前記画面内に表示される際に付される模様を、前記第2の標的に割り当てられた方向に変化させる変化部、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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