説明

ゲーム装置、ゲーム制御方法、及びゲーム制御プログラム

【課題】娯楽性の高いゲーム制御技術を提供する。
【解決手段】ゲーム装置10において、確認音出力部43は、プレイヤーによる操作入力の種別ごとに音を割り当て、プレイヤーの操作入力を受け付けたときに、その操作入力に割り当てられた音を出力する。コマンド保持部60は、複数の操作入力の種別及びリズムのパターンと、そのパターンの操作入力を受け付けたときに発効されるコマンドとを対応づけて格納する。コマンド判定部41は、プレイヤーの操作入力の種別とタイミングを取得し、コマンド保持部60に格納されたパターンに合致するか否かを判定する。復唱部44は、プレイヤーがコマンド判定部41に格納されたパターンに合致する操作入力を行ったと判定されたとき、そのパターンに対応する音を出力する。ゲーム制御部48は、コマンド判定部41により判定されたコマンドを発効してゲームを進行させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム制御技術に関し、とくに、複数の操作入力の種別とリズムによりコマンドを認識するゲームを制御するゲーム装置、ゲーム制御方法、及びゲーム制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
シミュレーションゲームにおいて、プレイヤーがキャラクタ等を操作するとき、コマンドを入力するためのメニュー画面を表示させ、入力したいコマンドを選択するインタフェースが一般的である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
メニュー画面を表示している間は、一時的にゲームの進行を停止せざるを得ない場合が多い。メニュー画面の表示中にもゲームを進行させる場合もあるが、プレイヤーは一時的にメニュー画面を注視することになるので、コマンドを入力するたびにゲーム世界から離脱することになり、せっかくの世界観が損なわれることもある。
【0004】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、より娯楽性の高いゲーム制御技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のある態様は、ゲーム制御プログラムに関する。このゲーム制御プログラムは、プレイヤーの操作入力のタイミングの指標となる指標音又は指標表示を出力する機能と、前記プレイヤーの操作入力の種別とタイミングを取得する機能と、複数の操作入力の種別及びリズムのパターンと、そのパターンの操作入力を受け付けたときに発効されるコマンドとを対応づけて格納したコマンド保持部を参照して、取得した前記プレイヤーの操作入力の種別とタイミングが、前記コマンド保持部に格納されたパターンに合致するか否かを判定する機能と、前記プレイヤーが、前記パターンに合致する操作入力を行ったと判定されたとき、その操作入力に呼応する音又は表示を、前記指標音又は指標表示に同期させて出力する機能と、前記プレイヤーが、前記パターンに合致する操作入力を行ったと判定されたとき、そのパターンに対応するコマンドを発効する機能と、をコンピュータに実現させることを特徴とする。
【0006】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、より娯楽性の高いゲーム制御技術を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施の形態に係るゲーム装置は、所定の音又は表示が割り当てられたボタンを所定のリズムで操作することによりコマンドを入力するユーザインタフェースを提供する。例えば、リアルタイムシミュレーションゲームにおいて、キャラクタに指示を与えたり、イベントを発生させたりするためのコマンドを、メニュー画面を介して入力させるのではなく、所定のリズムに合わせたボタン操作により入力させる。プレイヤーは、背景で流れる音楽又は表示に合わせて、決められたパターンの操作をリズムよく行うことでコマンドを入力し、ゲームを進行させていく。このような技術により、音楽ゲームの要素と、シミュレーションゲームの要素とを合わせ持つ、斬新なゲームを提供することができる。
【0009】
本実施の形態では、一例として、複数のキャラクタの集団がアイテムを入手したり、怪物と闘って倒したり、仲間を救助したりして冒険を進めるシミュレーションゲームについて説明する。プレイヤーは、太鼓の音が割り当てられたボタンを操作し、太鼓のリズムでキャラクタ達に前進、戦闘、退却などの指示を与える。メニュー画面を介さずにコマンドを入力することができるので、コマンド入力のために中断することなく円滑にゲームを進行させることができる。
【0010】
図1は、実施の形態に係るゲーム装置10の構成を示す。ゲーム装置10は、コントローラ20、入力受付部30、制御部40、コマンド保持部60、スピーカ62、画面生成部66、及び表示装置68を備える。これらの構成は、ハードウエアコンポーネントでいえば、任意のコンピュータのCPU、メモリ、メモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0011】
入力受付部30は、プレイヤーが操作するコントローラ20から入力される制御信号を受け付ける。制御部40は、入力受付部30が受け付けたユーザからの指示に基づいてゲームプログラムを実行し、シミュレーションゲームを進行させる。コマンド保持部60は、コマンドとして受け付けられるボタン操作のパターンを保持する。スピーカ62は、制御部40により制御されるゲームの音声を出力する。画面生成部66は、制御部40により制御されるゲームの画面を生成し、表示装置68に表示させる。
【0012】
図2は、ゲーム装置10の外観を示す。ゲーム装置10の前面には、表示装置68及びコントローラ20が設けられている。コントローラ20は、4種のボタン22、23、24、及び25を含む。4種のボタン22〜25には、それぞれを区別するために、所定の図形が記されている。すなわち、○ボタン22には丸、×ボタン23にはバツ、□ボタン24には四角形、△ボタン25には三角形が記されている。
【0013】
本実施の形態では、各ボタンに太鼓の音が割り当てられており、音の組合せでコマンドを入力することができるようになっている。図3は、各ボタンに割り当てられた音を示す。○ボタン22には「ポン」、□ボタン24には「パタ」、△ボタン25には「チャカ」、×ボタン23には「ドン」という音が割り当てられている。このように、各ボタンに音が割り当てられているので、プレイヤーはコマンドを発効するために必要な操作の内容を覚えやすい。例えば、「×・○・×・×・」という操作を覚えるよりも、「ドン・ポン・ドン・ドン・」という音で操作を覚えた方が記憶に残りやすく、また、動作に結びつきやすい。したがって、このような技術を採用することにより、操作性のよいユーザインタフェースを提供することができる。
【0014】
図1に戻り、各構成の説明を続ける。コマンド保持部60は、コマンドとして受け付けるボタン操作の種別及びリズムのパターンと、そのパターンの操作入力を受け付けたときに発効されるコマンドとを対応付けて格納する。図4は、コマンド保持部60の内部データの例を示す。コマンド保持部60には、操作パターン欄202、フラグ欄204、及びコマンド欄206が設けられる。操作パターン欄202は、ボタン操作の種別及びリズムのパターンを格納する。フラグ欄204は、そのコマンドが利用可能であるか否かを示すフラグを格納する。コマンド欄206は、発効されるコマンドを格納する。例えば、プレイヤーが、「×・○・×・×・」というボタン操作を行ったとき、「ドン・ポン・ドン・ドン・」という音が出力され、「前進」というコマンドが発効される。
【0015】
背景音出力部42は、第1出力部の一例であり、プレイヤーがコマンドを入力する際に、ボタンを操作するタイミングを図るための指標音として、所定のリズムを刻む背景音を出力する。背景音出力部42は、所定のテンポでドラム音などの音声を出力してもよいし、所定のテンポの音楽を出力してもよい。背景音出力部42は、ゲーム中に常時背景音を出力してもよいし、プレイヤーがコマンドの入力を行っているときに背景音を出力してもよい。後者の場合、背景音出力部42は、プレイヤーが何らかのボタン操作を行ったときから、コマンド保持部60に保持された操作パターンを入力するのに要する時間が経過するまでの間、背景音を出力してもよい。前者の場合であっても、プレイヤーが何らかのボタン操作を行ったときが1拍目になるように背景音を出力するタイミングをずらしてもよい。これにより、プレイヤーが背景音に合わせてリズムよく操作を開始することができない場合であっても、コマンドの入力を補助することができる。背景音出力部42に代えて、タイミングの指標となる指標表示を出力する指標表示出力部が設けられてもよい。
【0016】
コマンド判定部41は、プレイヤーが入力したボタンの種別とタイミングを取得し、ボタンの種別及びタイミングと、コマンド保持部60に保持された操作パターンとを比較して、プレイヤーが入力したコマンドを判定する。コマンド判定部41は、コマンド保持部60に保持された操作パターンを入力するのに要する期間のボタン入力の種別及びタイミングを取得し、コマンド保持部60に保持されたパターンと比較してコマンドを判定してもよいし、プレイヤーがボタン操作を行うたびにパターンと比較してもよい。後者の場合、コマンド入力の途中であっても、プレイヤーが入力したボタン操作が、コマンド保持部60に保持されたいずれの操作パターンにも合致しなかったり、タイミングに所定以上のずれがある場合には、その時点でコマンドの入力に失敗した旨をプレイヤーに通知して、コマンドの受付を終了してもよい。コマンド判定部41は、プレイヤーが入力したボタンの種別及びリズムが、コマンド保持部60に格納された操作パターンと一致した場合、対応するコマンドをゲーム制御部48へ通知する。
【0017】
確認音出力部43は、プレイヤーが入力したボタンに割り当てられた音を出力する。例えば、確認音出力部43は、プレイヤーが○ボタン22を押したときに、○ボタン22に割り当てられた「ポン」という音を出力する。確認音出力部43は、プレイヤーがボタンを押したタイミングによらず、押したボタンに割り当てられた音を出力してもよい。確認音出力部43は、プレイヤーがボタンを押したタイミングが、コマンド保持部60に保持されたいずれの操作パターンにも合致しなかったり、タイミングに所定以上のずれがある場合には、確認音を出力しないことで、コマンドとして受け付けられない不適切な入力であることを示してもよい。確認音出力部43は、プレイヤーの操作の正確さに応じて、出力する音を変更してもよい。例えば、ずれが小さいときは明るい音色の大きな音を出力し、ずれが大きいときは調子外れの小さな音を出力してもよい。これにより、プレイヤーは操作のタイミングの正確さを聴覚的に容易に把握することができる。
【0018】
復唱部44は、第2出力部の一例であり、コマンド判定部41がコマンドを受け付けたときに、受け付けたコマンドをプレイヤーに示して確認させるために、受け付けたコマンドのパターンに含まれる操作入力の種別のそれぞれに割り当てられた音を、そのパターンのリズムで、背景音に同期させて出力する。このとき、ゲーム画面に表示されたキャラクタが、プレイヤーが入力したコマンドに呼応して、その指示を復唱する形で、キャラクタの発声としてコマンドに対応する音を出力してもよい。これにより、プレイヤーは、意図したコマンドが受け付けられているかを聴覚的に容易に把握することができる。復唱部44は、プレイヤーの操作の正確さに応じて、出力する音を変更してもよい。例えば、ずれが小さいときは明るい音色で大きな音を出力し、ずれが大きいときは暗い音色で小さな音を出力してもよい。また、後述するように、プレイヤーが連続してコマンドの入力に成功した回数に応じて、出力する音を変更してもよい。例えば、コマンドの連続入力成功回数が多くなると、復唱音を追加したり、復唱音に同期させた効果音を追加したりして、多数のキャラクタが賑やかにコマンドを復唱する音を出力してもよい。また、復唱音のリズムを変更したり、メロディを変調したりして、単にプレイヤーが入力したパターンと同じ音を復唱するだけでなく、その音を展開させて出力するようにしてもよい。これにより、ゲームの娯楽性を向上させることができる。
【0019】
復唱部44は、プレイヤーによる操作入力につづいて、背景音に合わせてコマンドを復唱する。コマンド判定部41は、復唱部44による復唱が終了すると、続けて次のコマンドの入力を受け付ける。例えば、4拍のコマンドが用意されている場合、プレイヤーが4拍のコマンドを入力すると、コマンド判定部41がコマンドを判定してゲーム制御部48へ通知する。ユーザが入力したコマンドに呼応して復唱部44が4拍のコマンドを復唱している間に、ゲーム制御部48はコマンド判定部41から通知されたコマンドを実行してゲームを進行させる。プレイヤーは、コマンドが復唱されている間に、自らが入力したコマンドを聴覚的に確認しつつ、そのコマンドによるゲームの進行を視覚的に確認することができる。そして、コマンドにより進行したゲームの状況に合わせて、次に入力するコマンドを決定し、復唱部44による復唱に続けて、背景音に合わせて次のコマンドを入力するためのパターンにしたがってボタンを操作する。このように、本実施の形態のゲームでは、プレイヤーの操作入力の取得と、パターンに含まれる操作入力に割り当てられた音又は表示の出力とを交互に繰り返すことを可能としている。このような掛け合いを連続的に進行させることで、リズミカルで音楽性のあふれるゲーム進行を実現することができる。
【0020】
復唱部44は、コマンド判定部41がコマンドを受け付けたときに、受け付けたコマンドのパターンに予め対応付けされた音やフレーズを、背景音に同期させて出力してもよい。
各ボタンに音ではなく表示やコントローラ20の振動などを割り当てる場合は、確認音出力部43及び復唱部44に代えて、各ボタンに割り当てられた表示や振動などを出力する出力部が設けられてもよい。
【0021】
評価部46は、プレイヤーの操作の正確さを評価し、プレイヤーに与えるポイントを算出する。評価部46は、ボタンが入力されたときのタイマ値をタイマから取得し、コマンド保持部60に格納された操作パターンからのタイミングのずれを算出する。評価部46は、コマンドに含まれる複数の操作のそれぞれについて、入力すべきタイミングからのずれを算出し、それらに応じてプレイヤーの操作の正確さを評価し、ポイントを算出する。例えば、タイミングのずれの合計を算出し、ずれの合計が小さいほど高いポイントを与えるようにしてもよい。評価部46は、評価結果をポイント制御部に通知する。前述したように、確認音出力部43又は復唱部44が、評価結果に応じて出力する音を変更する場合は、確認音出力部43又は復唱部44にも評価結果を通知する。
【0022】
評価部46は、上述したポイントとは別に、プレイヤーがコマンドの入力に成功した回数に応じて、プレイヤーに与えるポイントを更に算出する。例えば、コマンドの連続成功回数が多くなるほど、高いボーナスポイントを与えてもよい。これにより、リズムよくボタンを操作することが不得意なプレイヤーであっても、所定以上のずれなくボタンを操作して、連続してコマンドの入力に成功すれば、高いポイントを得ることができるようにすることができるので、ゲームの難易度を適切に調整し、ゲームの娯楽性を向上させることができる。
【0023】
ポイント制御部47は、プレイヤーに与えられたポイントを制御する。ポイント制御部47は、メモリにポイントの現在値を格納しており、評価部46から通知されたポイントを加算する。このポイントは、ゲーム制御部48において進行されるゲームを制御するためのパラメータに反映される。例えば、キャラクタの体力、マジックポイントなど、ゲームの進行において消費されるポイントとして利用されてもよいし、キャラクタの各種能力値として利用されてもよい。例えば、ポイント制御部47は、プレイヤーに与えられたポイントに応じて、キャラクタの攻撃力及び守備力を決定する。プレイヤーは、状況に応じて正しいコマンドを選択するだけでなく、コマンドを正確なリズムで入力し、又は連続してコマンドの入力を成功させることでポイントを稼ぎ、キャラクタを成長させることにより、ゲームを有利に進行させることができる。
【0024】
ゲーム制御部48は、コマンド判定部41から通知されるコマンドを実行しつつ、ゲームを進行させる。
【0025】
図5は、ゲーム画面の例を示す。図5に示した例では、プレイヤーが、キャラクタ80を前進させるためのコマンドを入力しようとして、背景音に合わせて「○・×・○・○・」という操作入力を行っている。このとき、確認音出力部43は、ボタンに割り当てられた「ポン・ドン・ポン・ポン・」という音を出力している。図5の例では、音を出力するとともに、画面に「ポン」などの文字を表示しているが、これらの文字は表示してもしなくてもよい。
【0026】
図6は、ゲーム画面の例を示す。図5に示した例のようにプレイヤーが操作入力を行ったとき、コマンド判定部41は、プレイヤーの操作入力の種別及びタイミングと、コマンド保持部60に保持された操作パターンとを比較し、入力されたコマンドが「前進」であると判定する。すると、復唱部44は、このコマンドの操作パターンに含まれるボタン入力のそれぞれに割り当てられた音を、そのパターンのリズムで、キャラクタ80が発声している形で、「ポン・ドン・ポン・ポン・」と背景音に同期させて出力する。これにより、プレイヤーは、入力したコマンドが受け付けられたことを把握することができる。
【0027】
図7は、ゲームの進行の流れを模式的に示す。図7の各段は、プレイヤーが操作入力を行う小節と、復唱部44が復唱する小節の組を示している。図7の上段において、プレイヤーが「○・×・○・○・」という操作入力を行うと、確認音出力部43が、「ポン・ドン・ポン・ポン・」という音を出力する。このとき、評価部46は、各操作入力のタイミングの正確さを評価する。ここでは、タイミングの正確さを10段階で評価し、タイミングがずれるほど小さい評価値を与えている。図7において、斜線を付した四角形は、操作入力のタイミングのずれが許容される範囲を示している。この範囲から外れたタイミングで操作入力が行われると、操作入力に失敗したと判定される。なお、プレイヤーの最初の入力を契機として背景音の出力を開始し、コマンドの入力の受付を開始する場合には、プレイヤーの最初の入力についてはタイミングのずれを考慮せず、ポイントを算出しなくてもよい。
【0028】
コマンド判定部41が入力されたコマンドが「前進」であると判定すると、復唱部44がそのコマンドに対応する音を復唱する。評価部46は、各操作入力の評価値を合計して、ポイントを「24」ポイントと算出する。また、評価部46は、コマンド連続成功回数のカウンタを「1」にインクリメントし、それに対するボーナスポイントを算出する。この例では、コマンド連続成功に対するボーナスポイントとして、「(連続成功回数−1)×10」ポイントを与えるものとする。したがって、この時点では、ボーナスポイントは「0」ポイントである。ポイント制御部47は、評価部46から通知されたポイント及びボーナスポイントを累計ポイントに加算する。ゲーム制御部48は、コマンド判定部41から通知された「前進」コマンドを実行して、キャラクタを前進させる。
【0029】
つづいて、図7の中段において、プレイヤーが再び「○・×・○・○・」という操作入力を行うと、確認音出力部43が、「ポン・ドン・ポン・ポン・」という音を出力する。全ての操作入力のタイミングのずれは許容範囲内であるので、コマンドの入力に成功したと判定され、復唱部44によりコマンドに対応する音が復唱される。評価部46は、各操作入力のタイミングの正確さに基づいてポイントを算出するとともに、コマンド連続成功回数のカウンタを「2」にインクリメントし、ボーナスポイントとして更に「10」ポイントを与える。ポイント制御部47は、累計ポイントを算出し、ゲーム制御部48は、「前進」コマンドを実行する。
【0030】
つづいて、図7の下段において、プレイヤーが更に「○・×・○・○・」という操作入力を行おうとしているが、3拍目の操作入力のタイミングのずれが許容範囲を超えているので、コマンド判定部41は、コマンドの入力に失敗したと判定する。この場合、復唱部44は復唱せず、ポイントも与えられない。評価部46は、コマンド連続成功回数のカウンタを「0」にリセットする。
【0031】
従来のシミュレーションゲームでは、娯楽性の向上を追求すると、凝ったゲーム世界を構築する方向に進みがちであり、設定が複雑になって操作が煩雑になったり、攻略が困難になったりすることが多かったが、本実施の形態では、シミュレーションゲームに音楽的な要素を加味してリズムよくゲームを進行させるという全く新しい観点で、娯楽性を向上させることができる。
【0032】
また、音楽ゲームを好むプレイヤーにとっても、従来の音楽ゲームのように、音楽に合わせて決められた操作を正確に行うことだけを追求するのではなく、状況に合わせてコマンドを選択し、そのコマンドを発効するための操作をリズムよく正確に行うことが求められるので、全く新しい楽しさを味わうことができる。従来の音楽ゲームは、いったんクリアすると、より高いポイントでクリアすること以外に楽しみがなくなってしまうことが多いが、本実施の形態では、毎回変化するシミュレーションゲームの状況に合わせてリズムよく操作を行うので、何度も遊べる飽きのこないゲームを提供することができる。
【0033】
1つの操作パターンに対して1つのコマンドを対応付けたが、例えば、操作の種別とリズムに独立して意味を持たせ、それらの組合せで1つのコマンドが発効されてもよい。例えば、ある操作種別に対して「前進」という意味を対応づけ、あるリズムに対して「速く」、「ゆっくり」などの意味を対応づけておき、同じボタン種別の組合せを入力した場合でも、リズムによって「速く前進」、「ゆっくり前進」と使い分けられるようにしてもよい。
【0034】
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、その各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】実施の形態に係るゲーム装置の構成を示す図である。
【図2】ゲーム装置の外観を示す図である。
【図3】各ボタンに割り当てられた音を示す図である。
【図4】コマンド保持部の内部データの例を示す図である。
【図5】ゲーム画面の例を示す図である。
【図6】ゲーム画面の例を示す図である。
【図7】ゲームの進行の流れを模式的に示す図である。
【符号の説明】
【0036】
10 ゲーム装置、20 コントローラ、22 ○ボタン、23 ×ボタン、24 □ボタン、25 △ボタン、30 入力受付部、40 制御部、41 コマンド判定部、42 背景音出力部、43 確認音出力部、44 復唱部、46 評価部、47 ポイント制御部、48 ゲーム制御部、60 コマンド保持部、62 スピーカ、66 画面生成部、68 表示装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤーの操作入力のタイミングの指標となる指標音又は指標表示を出力する機能と、
前記プレイヤーの操作入力の種別とタイミングを取得する機能と、
複数の操作入力の種別及びリズムのパターンと、そのパターンの操作入力を受け付けたときに発効されるコマンドとを対応づけて格納したコマンド保持部を参照して、取得した前記プレイヤーの操作入力の種別とタイミングが、前記コマンド保持部に格納されたパターンに合致するか否かを判定する機能と、
前記プレイヤーが、前記パターンに合致する操作入力を行ったと判定されたとき、その操作入力に呼応する音又は表示を、前記指標音又は指標表示に同期させて出力する機能と、
前記プレイヤーが、前記パターンに合致する操作入力を行ったと判定されたとき、そのパターンに対応するコマンドを発効する機能と、
をコンピュータに実現させることを特徴とするゲーム制御プログラム。
【請求項2】
前記呼応する音又は表示を出力する機能は、前記パターンに含まれる操作入力の種別のそれぞれに割り当てられた音又は表示を、そのパターンのリズムで、前記指標音又は指標表示に同期させて出力することを特徴とする請求項1に記載のゲーム制御プログラム。
【請求項3】
前記プレイヤーの操作入力と前記パターンとを比較し、前記プレイヤーの操作入力のタイミングの正確さに応じて、前記プレイヤーに与えるポイントを算出する機能を更にコンピュータに実現させることを特徴とする請求項1又は2に記載のゲーム制御プログラム。
【請求項4】
前記プレイヤーが、前記パターンに合致する操作入力に成功した回数に応じて、前記プレイヤーに与えるポイントを算出する機能を更にコンピュータに実現させることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のゲーム制御プログラム。
【請求項5】
前記ポイントは、前記コマンドを発効することにより進行されるゲームを制御するためのパラメータに反映されることを特徴とする請求項3又は4に記載のゲーム制御プログラム。
【請求項6】
前記プレイヤーの操作入力の取得と、前記パターンに含まれる操作入力に割り当てられた音又は表示の出力とを交互に繰り返すことが可能であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のゲーム制御プログラム。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載のゲーム制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項8】
プレイヤーの操作入力のタイミングの指標となる指標音又は指標表示を出力するステップと、
前記プレイヤーの操作入力の種別とタイミングを取得するステップと、
複数の操作入力の種別及びリズムのパターンと、そのパターンの操作入力を受け付けたときに発効されるコマンドとを対応づけて格納したコマンド保持部を参照して、取得した前記プレイヤーの操作入力の種別とタイミングが、前記コマンド保持部に格納されたパターンに合致するか否かを判定するステップと、
前記プレイヤーが、前記パターンに合致する操作入力を行ったと判定されたとき、その操作入力に呼応する音又は表示を、前記指標音又は指標表示に同期させて出力するステップと、
前記プレイヤーが、前記パターンに合致する操作入力を行ったと判定されたとき、そのパターンに対応するコマンドを発効するステップと、
を含むことを特徴とするゲーム制御方法。
【請求項9】
プレイヤーの操作入力のタイミングの指標となる指標音又は指標表示を出力する第1出力部と、
前記プレイヤーの操作入力の種別とタイミングを取得し、複数の操作入力の種別及びリズムのパターンと、そのパターンの操作入力を受け付けたときに発効されるコマンドとを対応づけて格納したコマンド保持部を参照して、取得した前記プレイヤーの操作入力の種別とタイミングが、前記コマンド保持部に格納されたパターンに合致するか否かを判定するコマンド判定部と、
前記プレイヤーが、前記パターンに合致する操作入力を行ったと判定されたとき、音又は表示を、前記指標音又は指標表示に同期させて出力する第2出力部と、
前記プレイヤーが、前記パターンに合致する操作入力を行ったと判定されたとき、そのパターンに対応するコマンドを発効するゲーム制御部と、
を備えることを特徴とするゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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