説明

ゲーム装置、ゲーム装置の制御方法及びプログラム

【課題】第1ゲームキャラクタの視界から消える動きを第2ゲームキャラクタが行った場合に、第1ゲームキャラクタが第2ゲームキャラクタを見失い、第2ゲームキャラクタに対する対応が遅れる様子を好適に演出できるようになるゲーム装置を提供すること。
【解決手段】操作対象選択部72は複数の第1ゲームキャラクタのうちから操作対象キャラクタを選択する。操作対象制御部74aは、操作対象選択部72によって選択された第1ゲームキャラクタのゲーム空間における状態を操作手段から入力される操作信号に従って変化させる。選択制限部72bは、第1ゲームキャラクタの位置及び向きに基づくゲーム空間の判定対象領域内に第2ゲームキャラクタの位置が含まれると判定部72aによって判定された場合、操作対象選択部72による該第1ゲームキャラクタの選択を制限する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゲーム装置、ゲーム装置の制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の第1ゲームキャラクタと、第2ゲームキャラクタと、が配置されたゲーム空間の様子を表示するゲーム装置が知られている。例えば、ユーザの操作対象チームに属する11体の選手キャラクタと、対戦相手チームに属する11体の選手キャラクタと、が配置されたゲーム空間の様子を表示し、操作対象チームと対戦相手チームとの間のサッカーゲームを提供するゲーム装置が知られている。
【特許文献1】特開2003−210848号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
実際のサッカーの試合では、例えば、攻撃側チームのA選手が「プルアウェイ」と呼ばれる動き(行動)、すなわち、該A選手をマークしている守備側チームのB選手の視界から消える動き(より正確には、A選手とボールとをB選手が同一の視界に捉えておけないような位置への移動)を行う場合がある。この場合、B選手はA選手を見失ってしまい、例えばA選手に対してパスが行われたようなときにはA選手に対する対応(守備)が遅れることになる。その結果、A選手はパスを受けた後の動作をB選手による妨げを受けることなく行えるようになる。上記のような動きをA選手が行い、その結果としてB選手がA選手を見失い、A選手に対する対応(守備)が遅れる様子を上記ゲーム装置でも好適に演出できるようになると、ユーザに対して新たな面白みを与えることが可能になる。
【0004】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、第1ゲームキャラクタの視界から消える動きを第2ゲームキャラクタが行った場合に、第1ゲームキャラクタが第2ゲームキャラクタを見失い、第2ゲームキャラクタに対する対応が遅れる様子を好適に演出できるようになるゲーム装置、ゲーム装置の制御方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明に係るゲーム装置は、複数の第1ゲームキャラクタと、第2ゲームキャラクタと、が配置されたゲーム空間の様子を表すゲーム画面を表示するゲーム装置において、前記複数の第1ゲームキャラクタのうちから操作対象キャラクタを選択する操作対象選択手段と、前記操作対象選択手段によって前記操作対象キャラクタとして選択された第1ゲームキャラクタの前記ゲーム空間における状態を操作手段から入力される操作信号に従って変化させる操作対象制御手段と、を含み、前記操作対象選択手段は、前記複数の第1ゲームキャラクタのうちの少なくとも1つについて、該第1ゲームキャラクタの位置及び向きに基づく前記ゲーム空間の判定対象領域内に前記第2ゲームキャラクタの位置が含まれるか否かを判定する判定手段と、前記第1ゲームキャラクタの位置及び向きに基づく前記判定対象領域内に前記第2ゲームキャラクタの位置が含まれると判定された場合、前記操作対象選択手段による該第1ゲームキャラクタの選択を制限する選択制限手段と、を含むことを特徴とする。
【0006】
また、本発明に係るゲーム装置の制御方法は、複数の第1ゲームキャラクタと、第2ゲームキャラクタと、が配置されたゲーム空間の様子を表すゲーム画面を表示するゲーム装置の制御方法において、前記複数の第1ゲームキャラクタのうちから操作対象キャラクタを選択するための操作対象選択ステップと、前記操作対象選択ステップによって前記操作対象キャラクタとして選択された第1ゲームキャラクタの前記ゲーム空間における状態を操作手段から入力される操作信号に従って変化させるための操作対象制御ステップと、を含み、前記操作対象選択ステップは、前記複数の第1ゲームキャラクタのうちの少なくとも1つについて、該第1ゲームキャラクタの位置及び向きに基づく前記ゲーム空間の判定対象領域内に前記第2ゲームキャラクタの位置が含まれるか否かを判定するための判定ステップと、前記第1ゲームキャラクタの位置及び向きに基づく前記判定対象領域内に前記第2ゲームキャラクタの位置が含まれると判定された場合、前記操作対象選択ステップによる該第1ゲームキャラクタの選択を制限するための選択制限ステップと、を含むことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係るプログラムは、複数の第1ゲームキャラクタと、第2ゲームキャラクタと、が配置されたゲーム空間の様子を表すゲーム画面を表示するゲーム装置として、例えばパーソナルコンピュータ、家庭用ゲーム機、携帯用ゲーム機、業務用ゲーム機、携帯電話機や携帯情報端末(PDA)等のコンピュータを機能させるためのプログラムであって、前記複数の第1ゲームキャラクタのうちから操作対象キャラクタを選択する操作対象選択手段、及び、前記操作対象選択手段によって前記操作対象キャラクタとして選択された第1ゲームキャラクタの前記ゲーム空間における状態を操作手段から入力される操作信号に従って変化させる操作対象制御手段、として前記コンピュータを機能させ、前記操作対象選択手段は、前記複数の第1ゲームキャラクタのうちの少なくとも1つについて、該第1ゲームキャラクタの位置及び向きに基づく前記ゲーム空間の判定対象領域内に前記第2ゲームキャラクタの位置が含まれるか否かを判定する判定手段と、前記第1ゲームキャラクタの位置及び向きに基づく前記判定対象領域内に前記第2ゲームキャラクタの位置が含まれると判定された場合、前記操作対象選択手段による該第1ゲームキャラクタの選択を制限する選択制限手段と、を含むことを特徴とするプログラムである。
【0008】
また、本発明に係る情報記憶媒体は、上記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体である。また、本発明に係るプログラム配信装置は、上記プログラムを記録した情報記憶媒体を備え、当該情報記憶媒体から上記プログラムを読み出し、配信するプログラム配信装置である。また、本発明に係るプログラム配信方法は、上記プログラムを記録した情報記憶媒体を備え、当該情報記憶媒体から上記プログラムを読み出し、配信するプログラム配信方法である。
【0009】
本発明は、複数の第1ゲームキャラクタと、第2ゲームキャラクタと、が配置されたゲーム空間の様子を表すゲーム画面を表示するゲーム装置に関するものである。なお、「ゲーム空間」には、3つの座標要素によって構成される3次元ゲーム空間や、2つの座標要素によって構成される2次元ゲーム空間が含まれる。本発明では、複数の第1ゲームキャラクタのうちから操作対象キャラクタが選択される。また、操作対象キャラクタとして選択された第1ゲームキャラクタのゲーム空間における状態が操作手段から入力される操作信号に従って変化される。特に本発明では、複数の第1ゲームキャラクタのうちの少なくとも1つについて、該第1ゲームキャラクタの位置及び向きに基づくゲーム空間の判定対象領域内に第2ゲームキャラクタの位置が含まれるか否かが判定される。また、第1ゲームキャラクタの位置及び向きに基づく判定対象領域内に第2ゲームキャラクタの位置が含まれると判定された場合、該第1ゲームキャラクタの操作対象キャラクタとしての選択が制限される。本発明によれば、第1ゲームキャラクタの視界から消える動きを第2ゲームキャラクタが行った場合に、第1ゲームキャラクタが第2ゲームキャラクタを見失い、第2ゲームキャラクタに対する対応が遅れる様子を好適に演出できるようになる。
【0010】
また、本発明の一態様では、前記選択制限手段は、前記第1ゲームキャラクタの位置及び向きに基づく前記判定対象領域内に前記第2ゲームキャラクタの位置が含まれると判定された場合、前記操作対象選択手段による該第1ゲームキャラクタの選択を所与の制限時間にわたって制限するようにしてもよい。
【0011】
また、本発明の一態様では、前記操作対象選択手段は、前記複数の第1ゲームキャラクタの各々に設定される選択順序に従って、前記複数の第1ゲームキャラクタのうちから前記操作対象キャラクタを選択し、前記選択制限手段は、前記第1ゲームキャラクタの位置及び向きに基づく前記判定対象領域内に前記第2ゲームキャラクタの位置が含まれると判定された場合、該第1ゲームキャラクタに設定される選択順序を下げるようにしてもよい。
【0012】
また、本発明の一態様では、前記操作対象選択手段は、前記操作対象キャラクタとして選択された前記第1ゲームキャラクタの位置及び向きに基づく前記判定対象領域内に前記第2ゲームキャラクタの位置が含まれると判定された場合、前記複数の第1ゲームキャラクタのうちの他の第1ゲームキャラクタを前記操作対象キャラクタとして選択する手段を含むようにしてもよい。
【0013】
また、本発明の一態様では、前記第1ゲームキャラクタの位置及び向きに基づく前記判定対象領域内に前記第2ゲームキャラクタの位置が含まれると判定された場合、該第1ゲームキャラクタを前記ゲーム画面において区別表示させる区別表示手段を含むようにしてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態の一例について図面に基づき詳細に説明する。本発明の実施形態に係るゲーム装置は、例えば家庭用ゲーム機、携帯用ゲーム機、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)又はパーソナルコンピュータ等によって実現される。ここでは、本発明の実施形態に係るゲーム装置を家庭用ゲーム機によって実現する場合について説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施形態に係るゲーム装置の全体構成を示す図である。同図に示すゲーム装置10は、家庭用ゲーム機11に情報記憶媒体たるDVD−ROM25及びメモリカード28が装着され、さらにモニタ18及びスピーカ22が接続されることによって構成される。例えば、モニタ18には家庭用テレビ受像機が用いられ、スピーカ22にはその内蔵スピーカが用いられる。
【0016】
家庭用ゲーム機11は、バス12、マイクロプロセッサ14、画像処理部16、音声処理部20、DVD−ROM再生部24、主記憶26、入出力処理部30及びコントローラ32を含んで構成される公知のコンピュータゲームシステムである。コントローラ32以外の構成要素は筐体内に収容される。
【0017】
バス12はアドレス及びデータを家庭用ゲーム機11の各部でやり取りするためのものである。マイクロプロセッサ14、画像処理部16、主記憶26及び入出力処理部30は、バス12によって相互データ通信可能に接続される。
【0018】
マイクロプロセッサ14は、図示しないROMに格納されるオペレーティングシステム、DVD−ROM25から読み出されるプログラムや、メモリカード28から読み出されるデータに基づいて、家庭用ゲーム機11の各部を制御する。主記憶26は、例えばRAMを含んで構成されるものであり、DVD−ROM25から読み出されたプログラムやメモリカード28から読み出されたデータが必要に応じて書き込まれる。主記憶26はマイクロプロセッサ14の作業用としても用いられる。
【0019】
画像処理部16はVRAMを含んで構成されており、マイクロプロセッサ14から送られる画像データに基づいてVRAM上にゲーム画面を描画する。そして、その内容をビデオ信号に変換して所定のタイミングでモニタ18に出力する。
【0020】
入出力処理部30は、マイクロプロセッサ14が音声処理部20、DVD−ROM再生部24、メモリカード28及びコントローラ32にアクセスするためのインタフェースである。入出力処理部30には、音声処理部20、DVD−ROM再生部24、メモリカード28及びコントローラ32が接続される。
【0021】
音声処理部20はサウンドバッファを含んで構成されており、DVD−ROM25から読み出され、該サウンドバッファに記憶されたゲーム音楽、ゲーム効果音、メッセージ等の各種音声データを再生してスピーカ22から出力する。
【0022】
DVD−ROM再生部24はマイクロプロセッサ14からの指示に従ってDVD−ROM25に記録されたプログラムを読み取る。なお、ここではプログラムを家庭用ゲーム機11に供給するためにDVD−ROM25を用いることとするが、CD−ROMやROMカード等、他のあらゆる情報記憶媒体を用いるようにしてもよい。また、例えばインターネット等の通信ネットワークを介して遠隔地からプログラムを家庭用ゲーム機11に供給するようにしてもよい。
【0023】
メモリカード28は、不揮発性メモリ(例えばEEPROM等)を含んで構成される。家庭用ゲーム機11は、メモリカード28を装着するための複数のメモリカードスロットを備えており、複数のメモリカード28を同時に装着可能となっている。メモリカード28は、このメモリカードスロットに対して脱着可能に構成され、例えばセーブデータなどの各種ゲームデータを記憶させるために用いられる。
【0024】
コントローラ32は、ユーザが各種ゲーム操作の入力をするための汎用操作入力手段である。入出力処理部30は一定周期毎(例えば1/60秒毎)にコントローラ32の各部の状態をスキャンし、そのスキャン結果を表す操作信号をバス12を介してマイクロプロセッサ14に渡す。マイクロプロセッサ14は、その操作信号に基づいてユーザのゲーム操作を判定する。家庭用ゲーム機11は複数のコントローラ32を接続可能に構成されており、各コントローラ32から入力される操作信号に基づいて、マイクロプロセッサ14がゲーム制御を行うようになっている。
【0025】
図2は、コントローラ32の一例を示す図である。同図(a)はコントローラ32の斜視図である。同図(b)はコントローラ32の平面図である。同図(c)はコントローラ32の背面図である。コントローラ32は、コントローラケーブル43によって家庭用ゲーム機11に接続される。コントローラ32の表面32aの左側には、上方向ボタン34U、下方向ボタン34D、左方向ボタン34L、右方向ボタン34R及び左操作スティック36が設けられている。コントローラ32の表面32aの右側には、ボタン38X,38Y,38A,38B及び右操作スティック37が設けられている。また、コントローラ32の背面側側面には、表面32a側左右にボタン40L,40Rがそれぞれ設けられており、底面側左右にボタン42L,42Rがそれぞれ設けられている。
【0026】
上方向ボタン34U、下方向ボタン34D、左方向ボタン34L及び右方向ボタン34Rは一般的にゲームキャラクタの移動方向を指示するのに用いられる。ボタン38X,38Y,38A,38B,40L,40R,42L,42Rは各種ゲーム操作に用いられる。左操作スティック36及び右操作スティック37はコントローラ32の筐体表面に直立したスティック状の操作部材であり、この直立状態から全方位に所定角度だけ傾倒自在となっている。左操作スティック36及び右操作スティック37も例えばゲームキャラクタの移動方向を指示するのに用いられる。
【0027】
上記ゲーム装置10では、例えばDVD−ROM25から読み出されるゲームプログラムが実行されることによって、ユーザの操作対象チームと、対戦相手チームと、の間で行われる対戦サッカーゲームが実現される。
【0028】
ゲーム装置10の主記憶26にはゲーム空間(仮想的な3次元空間)が構築される。図3はこのゲーム空間の一例を示す図である。同図に示すように、ゲーム空間50にはサッカー球技場を表すフィールドオブジェクト52と、ゴールを表すゴールオブジェクト54と、が配置され、サッカーの試合の舞台となるフィールドが形成される。フィールドオブジェクト52はXZ平面に平行に配置される。フィールドオブジェクト52上には、サッカー選手を表す選手オブジェクト56と、サッカーボールを表すボールオブジェクト58と、が配置される。同図では1体の選手オブジェクト56のみが表されているが、フィールドオブジェクト52上には、ユーザの操作対象チームに属する11体の選手オブジェクト56と、対戦相手チームに属する11体の選手オブジェクト56と、が配置される。
【0029】
2つのゴールオブジェクト54の一方は操作対象チームに関連づけられ、他方は対戦相手チームに関連づけられる。一方のチームに関連づけられたゴールオブジェクト54内にボールオブジェクト58が移動すると、他方のチームの得点イベントが発生する。
【0030】
操作対象チームに属する選手オブジェクト56のうちのいずれかがユーザの操作対象となる。ユーザの操作対象の選手オブジェクト56は、ユーザの操作内容(コントローラ32に対する操作内容)に応じて各種動作を行う。ユーザの操作対象はボールオブジェクト58の移動やユーザの切替操作に応じて、ユーザの操作対象チームに属する選手オブジェクト56のうちで切り替えられる。
【0031】
ユーザの操作対象の選手オブジェクト56以外の選手オブジェクト56(操作対象チームに属する選手オブジェクト56のうちのユーザの操作対象の選手オブジェクト56以外の選手オブジェクト56、及び、対戦相手チームに属する選手オブジェクト56)はコンピュータによる操作に従って動作する。各選手オブジェクト56には4つのポジション種類「フォワード(FW)」、「ミッドフィルダー(MF)」、「ディフェンダー(DF)」、「ゴールキーパー(GK)」のいずれかが対応づけられており、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56以外の選手オブジェクト56は、その選手オブジェクト56に対応づけられたポジション種類に従って動作することになる。
【0032】
選手オブジェクト56とボールオブジェクト58との間の距離が所定距離(ボール保持判定基準距離)以内になると、所定条件下、選手オブジェクト56とボールオブジェクト58とが関連づけられる。この状態では、ボールオブジェクト58が選手オブジェクト56に従動する。この様子は、選手オブジェクト56のドリブル動作として表される。操作対象の選手オブジェクト56とボールオブジェクト58とが関連づけられている状態において、ユーザはコントローラ32を操作することによって、操作対象の選手オブジェクト56にボールオブジェクト58を蹴らせることができる。すなわち、操作対象の選手オブジェクト56にパス動作やシュート動作等を行わせることができる。また、操作対象の選手オブジェクト56とボールオブジェクト58とが関連づけられていない状態において、ユーザはコントローラ32を操作することによって、操作対象の選手オブジェクト56にショルダータックル動作やスライディングタックル動作等を行わせることができる。なお以下では、選手オブジェクト56とボールオブジェクト58とが関連づけられた状態を「選手オブジェクト56がボールオブジェクト58を保持している状態」というように記載する。
【0033】
ゲーム空間50には例えばボールオブジェクト58に従動する仮想カメラが設定される。この仮想カメラから見えるゲーム空間50の様子を表すゲーム画面がモニタ18に表示される。
【0034】
図4はモニタ18に表示されるゲーム画面の一例を示している。ゲーム画面には、仮想カメラの位置(視点位置)及び向き(視線方向)に基づいて特定されるゲーム空間50内の領域の様子が表される。同図に示すゲーム画面には、ユーザの操作対象チームの選手オブジェクト56a−1,56a−2,56a−3と、対戦相手チームの選手オブジェクト56b−1,56b−2と、が表示されている。また、このゲーム画面では選手オブジェクト56a−1の頭上に操作対象選手案内マーク57が表示されている。操作対象選手案内マーク57は、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56を区別表示するためのものである。この操作対象選手案内マーク57によって、いずれの選手オブジェクト56が操作対象であるかをユーザは一見して把握できる。また、ゲーム画面には両チームの得点状況や、試合の経過時間も表示される。なお、同図に示すゲーム画面では、ユーザの操作対象チームを「Aチーム」とし、対戦相手チームを「Bチーム」としている。ユーザはモニタ18に表示されるゲーム画面を見ながらコントローラ32を操作し、操作対象の選手オブジェクト56に対する動作指示(例えば移動指示、ドリブル指示、パス指示やシュート指示等)を行う。
【0035】
ユーザが操作対象切替操作(本実施の形態ではボタン40Lの押下)を行うと、原則として所与の切替順序に従って、ユーザの操作対象が他の選手オブジェクト56に切り替えられる。本実施の形態の場合、操作対象の切替順序は、ボールオブジェクト58と、操作対象チームの各選手オブジェクト56と、の間の各距離に基づいて決定される。より具体的には、ボールオブジェクト58との間の距離が小さい選手オブジェクト56ほど優先されるようにして切替順序が決定される。例えば図4に示す場面において、ボールオブジェクト58と、選手オブジェクト56a−1,56a−2,56a−3と、の間の各距離L1,L2,L3の関係がL1<L2<L3であるとすると、操作対象切替操作に応じて、ユーザの操作対象が、操作対象チームの選手オブジェクト56のうちの、ボールオブジェクト58との間の距離が選手オブジェクト56a−1の次に小さい選手オブジェクト56a−2に切り替えられる。さらに操作対象切替操作が行われると、操作対象チームの選手オブジェクト56のうちの、ボールオブジェクト58との間の距離が選手オブジェクト56a−2の次に小さい選手オブジェクト56a−3に切り替えられる。
【0036】
また、ボールオブジェクト58の移動等によって、ボールオブジェクト58と、操作対象チームの各選手オブジェクト56と、の間の距離が変化すると、切替順序が再決定される。この場合、原則として、ユーザの操作対象が、操作対象チームの選手オブジェクト56のうちのボールオブジェクト58との間の距離が最も小さい選手オブジェクト56に切り替えられる。例えば、図4に示す場面において選手オブジェクト56b−1から選手オブジェクト56b−2へのパスが行われた場合、パスが行われた後のボールオブジェクト58と、選手オブジェクト56a−1,56a−2,56a−3と、の間の各距離L1,L2,L3の関係がL3<L2<L1であるとすると、ユーザの操作対象が選手オブジェクト56a−3に切り替えられる(図5参照)。
【0037】
以下、上記サッカーゲームにおいて、対戦相手チームのフォワードの選手オブジェクト56が操作対象チームのディフェンダーの選手オブジェクト56の視界から消える動きを行った場合に、該ディフェンダーの選手オブジェクト56が該フォワードの選手オブジェクト56を見失い、その結果として、該フォワードの選手オブジェクト56への対応(守備等)が遅れる様子を好適に演出するための技術について説明する。
【0038】
ゲーム装置10では、操作対象チームが守備側である状態(すなわち、対戦相手チームがボールオブジェクト58が保持している状態)において、操作対象チームの選手オブジェクト56(第1ゲームキャラクタ)のうちに、下記条件1−3をすべて満足する選手オブジェクト56が存在する場合、その選手オブジェクト56への操作対象の切り替えが制限される。
【0039】
[条件1]ポジション種類がディフェンダーである。
[条件2]位置が操作対象チームのゴール前領域内である。
[条件3]死角領域内に対戦相手チームのフォワードの選手オブジェクト56(第2ゲームキャラクタ)が位置している。
【0040】
図6はゴール前領域について説明するための図である。同図に示すように、操作対象チームのゴール前領域59はコート55内の領域であって、操作対象チームのゴールオブジェクト54側のゴールライン53から距離が所定距離L以内となる領域である。なお、コート55とはタッチライン51及びゴールライン53に囲まれた領域である。
【0041】
図7は死角領域(判定対象領域)について説明するための図である。同図に示すように、選手オブジェクト56の死角領域64は、その選手オブジェクト56の背面方向62(基準方向60の逆方向)と、選手オブジェクト56の位置からの方向と、の間の角度が所定の基準角度(θ)以下となる領域であって、その選手オブジェクト56からの距離(XZ平面系での距離)が所定の基準距離(R)以内となる扇状領域である。なお、選手オブジェクト56の基準方向60は、例えば選手オブジェクト56の胴体部の正面方向としてもよいし、選手オブジェクト56の頭部の正面方向(選手オブジェクト56の視線方向)としてもよい。以上のように、死角領域64は選手オブジェクト56の位置に基づく領域であり、選手オブジェクト56に従動する。
【0042】
ここで、図8及び図9を用いて操作対象の切り替え制限についてさらに詳しく説明する。図8(a)及び(b)は選手オブジェクト56及びボールオブジェクト58の配置状態(位置及び基準方向60)の一例を示している。図9はモニタ18に表示されるゲーム画面の一例を示している。
【0043】
図8(a)に示す状態では、選手オブジェクト56b−1によってボールオブジェクト58が保持されている。ここで、選手オブジェクト56a−1,56a−2,56a−3,56a−4は操作対象チームに属する選手オブジェクト56であり、選手オブジェクト56b−1,56b−2は対戦相手チームに属する選手オブジェクト56である。また、選手オブジェクト56a−2は操作対象チームのゴール前領域59内に位置しており、選手オブジェクト56a−2のポジション種類はディフェンダーである。さらに、選手オブジェクト56b−2のポジション種類はフォワードであり、選手オブジェクト56b−2は選手オブジェクト56a−2の死角領域64内に位置している。すなわち、選手オブジェクト56a−2は上記条件1−3を満足している。
【0044】
図8(b)は同図(a)に示す状態において選手オブジェクト56b−1から選手オブジェクト56b−2にパスが行われた後の状態を示している。この場合、ボールオブジェクト58と、選手オブジェクト56a−1,56a−2,56a−3,56a−4と、の間の各距離L1,L2,L3,L4の関係がL2<L3<L1<L4となり、通常は、ユーザの操作対象が選手オブジェクト56a−2に切り替えられる。しかしながら、選手オブジェクト56a−2は上記条件1−3をすべて満足するため、選手オブジェクト56a−2への操作対象の切り替えは制限される。この場合、操作対象チームの選手オブジェクト56のうちの、上記条件1−3の少なくとも1つを満足しない選手オブジェクト56であって、ボールオブジェクト58との間の距離が最も小さい選手オブジェクト56a−3にユーザの操作対象が切り替えられる。すなわち、ユーザは対戦相手チームの選手オブジェクト56b−2への対応(守備)を選手オブジェクト56a−2を操作して行うことが制限され、対戦相手チームの選手オブジェクト56b−2への対応(守備)を他の選手オブジェクト56(例えば選手オブジェクト56a−3)を操作して行わなければならなくなる。
【0045】
図9は図8(b)に示す状態においてモニタ18に表示されるゲーム画面の一例を示している。図9に示すように、この場合のゲーム画面では操作対象の選手オブジェクト56a−3の頭上に操作対象選手案内マーク57が表示されるとともに、選手オブジェクト56a−2の頭上に切替制限選手案内マーク66が表示される。この切替制限選手案内マーク66によって、ユーザは選手オブジェクト56a−2への操作対象の切り替えが制限されていることを一見して把握できるようになる。すなわち、ユーザは対戦相手チームの選手オブジェクト56b−2への対応(守備)を選手オブジェクト56a−2を操作して行うことができないことを一見して把握できるようになる。
【0046】
以上のようにして、例えば図8(a)及び(b)に示す場面において(選手オブジェクト56b−2が選手オブジェクト56a−2の視界から消える動きを行った場合において)、選手オブジェクト56a−2が選手オブジェクト56b−2を見失い、選手オブジェクト56b−2への対応(守備)が遅れる様子が好適に演出される。
【0047】
次に、ゲーム装置10で実現される機能について説明する。図10はゲーム装置10で実現される機能のうち、本発明に関連するものを主として示す機能ブロック図である。同図に示すように、ゲーム装置10は、記憶部70、操作対象選択部72、ゲーム状況情報更新部74、表示制御部76、表示部78を機能的に含んでいる。これらの機能は、DVD−ROM25から読み出されるゲームプログラムがゲーム装置10で実行されることによって実現される。
【0048】
[1.記憶部]
記憶部70は主記憶26やDVD−ROM25を主として実現される。記憶部70には例えば選手オブジェクト56やボールオブジェクト58等の各種オブジェクトの形状を示すデータ(各種オブジェクトを構成するポリゴンの各頂点の座標を示すデータ)が記憶される。また例えば、選手オブジェクト56の各種動作時の姿勢変化を示すモーションデータが記憶される。また例えば、ゲーム空間50に配置される各選手オブジェクト56の能力パラメータ(パス能力パラメータ等)が記憶される。各能力パラメータは0から100までの間の数値によって表され、数値が高いほど、その能力が高いことを示す。
【0049】
記憶部70にはゲーム状況情報記憶部70aが含まれる。ゲーム状況情報記憶部70aはゲームの状況を示すゲーム状況情報を記憶する。ゲーム状況情報には、例えばゲーム空間50に配置される各選手オブジェクト56、ボールオブジェクト58や仮想カメラの状態を示す情報が含まれる。ここで、「選手オブジェクト56の状態を示す情報」には、例えば選手オブジェクト56のゲーム空間50における位置、姿勢、移動方向、移動速度を示す情報、選手オブジェクト56のポジション種類を示す情報や、選手オブジェクト56がボールオブジェクト58を保持しているか否かを示す情報が含まれる。「ボールオブジェクト58の状態を示す情報」には、例えばボールオブジェクト58のゲーム空間50における位置、移動方向及び移動速度を示す情報が含まれる。「仮想カメラの状態を示す情報」には、例えば仮想カメラのゲーム空間50における位置(視点位置)、姿勢(視線方向)及び画角等を示す情報が含まれる。また例えば、ゲーム状況情報にはユーザの現在の操作対象の選手オブジェクト56を示す情報が含まれる。また例えば、ゲーム状況情報には両チームの得点や試合の経過時間等の試合の状況を示す情報が含まれる。
【0050】
本実施の形態の場合、ゲーム状況情報記憶部70aには、両チームの各選手オブジェクト56の状態を示す選手状態テーブルが記憶される。図11は選手状態テーブルの一部を示している。同図に示す選手状態テーブルには、「選手ID」、「ポジション種類」、「位置」、「向き」、「ボール保持フラグ」フィールドが含まれている。「選手ID」フィールドには、ゲーム空間50に配置される各選手オブジェクト56を一意に識別する選手IDが格納される。なお、選手IDの1文字目が「A」である選手オブジェクト56は操作対象チーム(Aチーム)の選手オブジェクト56であり、選手IDの1文字目が「B」である選手オブジェクト56は対戦相手チーム(Bチーム)に属する選手オブジェクト56である。「ポジション種類」フィールドには、選手オブジェクト56のポジション種類が格納される。「位置」フィールドには、選手オブジェクト56の代表点(例えば中心点)のゲーム空間50における位置座標が格納される。「向き」フィールドには、選手オブジェクト56の基準方向60(例えば正面方向又は視線方向)を示す単位ベクトルが格納される。「ボール保持フラグ」フィールドには、選手オブジェクト56がボールオブジェクト58を保持しているか否かを示す情報が格納される。選手オブジェクト56がボールオブジェクト58を保持していない場合には0となり、選手オブジェクト56がボールオブジェクト58を保持している場合には1となる。
【0051】
またゲーム状況情報記憶部70aには、ユーザの現在の操作対象の選手オブジェクト56を特定するための操作対象特定データが記憶される。図12は操作対象特定データの一例を示している。同図に示す操作対象特定データは、ユーザの現在の操作対象の選手オブジェクト56の選手ID(操作対象選手ID)を示すデータとなっている。この操作対象特定データは操作対象選択部72によって更新される。
【0052】
[2.操作対象選択部]
操作対象選択部72はマイクロプロセッサ14及び主記憶26を主として実現される。操作対象選択部72は所与の操作対象選択タイミングが到来するごとに、操作対象チームの選手オブジェクト56(複数の第1ゲームキャラクタ)のうちから、ユーザの操作対象を選択する。操作対象選択タイミングとは、例えば、ユーザによって操作対象切替操作が行われたタイミングや、ボールオブジェクト58の移動(例えばパス)等によって、操作対象の切替順序が変化したタイミング等である。
【0053】
操作対象選択部72は、操作対象チームの選手オブジェクト56のうちからユーザの操作対象を選択した場合、操作対象特定データに保持される操作対象選手IDをその選択した選手オブジェクト56の選手IDに更新する。
【0054】
操作対象選択部72には判定部72aが含まれる。判定部72aは、操作対象チームの各選手オブジェクト56について、該選手オブジェクト56が上記条件1−3をすべて満足するか否かを判定する。
【0055】
また操作対象選択部72には選択制限部72bが含まれる。選択制限部72bは、判定部72aによる判定結果に応じて、操作対象選択部72による操作対象の選択を制限する。本実施の形態の場合、選択制限部72bは、操作対象チームの選手オブジェクト56のうちに、上記条件1−3をすべて満足する選手キャラクタ56が存在する場合、操作対象選択部72によるその選手オブジェクト56の選択を制限する。
【0056】
[3.ゲーム状況情報更新部]
ゲーム状況情報更新部74はマイクロプロセッサ14を主として実現される。ゲーム状況情報更新部74はゲーム状況情報記憶部70aに記憶されるゲーム状況情報を更新する。
【0057】
ゲーム状況情報更新部74には操作対象制御部74aが含まれる。操作対象制御部74aは、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56(操作対象選択部72によって操作対象として選択された選手オブジェクト56)の状態を示す情報を、コントローラ32から入力される操作信号に基づいて更新する。
【0058】
また例えば、ゲーム状況情報更新部74は、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56がボールオブジェクト58を保持している状態でドリブル指示操作、パス指示操作やシュート指示操作等が行われた場合、コントローラ32から入力される操作信号に基づいて、ボールオブジェクト58の状態を示す情報を更新する。また例えば、ゲーム状況情報更新部74は、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56以外の選手オブジェクト56の状態の示す情報を所定のアルゴリズムに従って更新する。また例えば、ゲーム状況情報更新部74は、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56以外の選手オブジェクト56によってドリブル動作、パス動作やシュート動作等が行われた場合にも、ボールオブジェクト58の状態を示す情報を更新する。
【0059】
[4.表示制御部及び表示部]
表示制御部76はマイクロプロセッサ14及び画像処理部16を主として実現され、表示部78はモニタ18を主として実現される。表示制御部76は、「ゲーム状況情報記憶部70aに記憶されるゲーム状況情報に基づいて各選手オブジェクト56やボールオブジェクト58が配置されたゲーム空間50」を仮想カメラから見た様子を表すゲーム画面を生成し、そのゲーム画面を表示部78に表示させる。
【0060】
また、表示制御部76(区別表示手段)は、操作対象チームが守備側である場合(すなわち、対戦相手チームがボールオブジェクト58が保持している場合)において、操作対象チームの選手オブジェクト56のうちの上記条件1−3をすべて満足する選手オブジェクト56をゲーム画面において区別表示させる。例えば、表示制御部76は、選手オブジェクト56のゲーム画面上の表示位置に基づく位置に所定画像を表示させることによって、その選手オブジェクト56を区別表示させる。或いは、表示制御部76は、選手オブジェクト56の表示態様の他の選手オブジェクト56と異ならせることによって、その選手オブジェクト56を区別表示させる。より具体的には、選手オブジェクト56を点滅させたり、所定色で表示させることによって、その選手オブジェクト56を区別表示させる。本実施の形態の場合、表示制御部76は、操作対象チームが守備側である場合(すなわち、対戦相手チームがボールオブジェクト58が保持している場合)において、操作対象チームの選手オブジェクト56のうちの上記条件1−3をすべて満足する選手オブジェクト56の頭上に切替制限選手案内マーク66を表示させる(図9)。
【0061】
次に、ゲーム装置10で実行される処理について説明する。
【0062】
図13は、操作対象チームが守備側である場合(対戦相手チームの選手オブジェクト56のいずれかがボールオブジェクト56を保持している場合)にゲーム装置10で所定時間(例えば1/60秒)ごとに実行される処理のうち、本発明に関連するものを主として示すフロー図である。この処理をマイクロプロセッサ14に実行させるためのゲームプログラムが、ゲーム装置10においてDVD−ROM25から読み出され、マイクロプロセッサ14によって実行されることによって、上記各機能ブロック(図10)が実現される。
【0063】
図13に示すように、まず、ゲーム状況情報記憶部70aに記憶されるゲーム状況情報が更新される(S101)。例えば、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56の位置や向き(図11)がコントローラ32から入力される操作信号に基づいて更新される。なお、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56は、操作対象特定データ(図12)が参照されることによって特定される。また例えば、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56以外の各選手オブジェクト56の位置や向き(図11)が、その選手オブジェクト56のポジション種類に基づき所定のアルゴリズムに従って更新される。また例えば、対戦相手チームの選手オブジェクト56によってドリブル動作、パス動作やシュート動作等が行われた場合にはボールオブジェクト58の位置等が更新される。また例えば、ボールオブジェクト58を保持する選手オブジェクト56が変わった場合にはボール保持フラグ(図11)が更新される。
【0064】
次に、切替順序更新タイミングが到来したか否かが判定される(S102)。切替順序更新タイミングとは、例えば対戦相手チームの選手オブジェクト56間でパスが行われることにより、ボールオブジェクト58と、操作対象チームの各選手オブジェクト56と、の間の各距離が変化し、操作対象チームの各選手オブジェクト56の切替順序を変更する必要が生じたタイミングである。
【0065】
切替順序更新タイミングが到来したと判定された場合には切替順序テーブルが更新される(S103)。切替順序テーブルとは操作対象チームの各選手オブジェクト56の切替順序を示すテーブルである。図14は切替順序テーブルの一例を示している。このステップでは、操作対象チームの各選手オブジェクト56とボールオブジェクト58との間の各距離が算出される。そして、ボールオブジェクト58との間の距離が小さい選手オブジェクト56ほど切替順序が上がるようにして、操作対象チームの各選手オブジェクト56の切替順序が決定される。すなわち、ボールオブジェクト58との間の距離が最も小さい選手オブジェクト56の切替順序は1と決定され、ボールオブジェクト58との間の距離が最も大きい選手オブジェクト56の切替順序は11と決定される。
【0066】
S103の処理が実行されると、変数iが1に初期化される(S104)。そして、切替順序がi番目の選手オブジェクト56のポジション種類がディフェンダーであるか否かが判定される(S105)。すなわち、切替順序がi番目の選手オブジェクト56が上記条件1を満足するか否かが判定される。この判定は選手状態テーブル(図11)に基づいて行われる。
【0067】
切替順序がi番目の選手オブジェクト56のポジション種類がディフェンダーでない場合、その選手オブジェクト56が操作対象として決定され、その選手オブジェクト56の選手IDが操作対象選手ID(図12)として登録される(S111)。一方、切替順序がi番目の選手オブジェクト56のポジション種類がディフェンダーである場合、その選手オブジェクト56の位置が操作対象チームのゴール前領域59内であるか否かが判定される(S106)。すなわち、切替順序がi番目の選手オブジェクト56が上記条件2を満足するか否かが判定される。この判定も選手状態テーブル(図11)に基づいて行われる。
【0068】
切替順序がi番目の選手オブジェクト56の位置が操作対象チームのゴール前領域59内でない場合、その選手オブジェクト56が操作対象として決定され、その選手オブジェクト56の選手IDが操作対象選手ID(図12)として登録される(S111)。一方、切替順序がi番目の選手オブジェクト56の位置が操作対象チームのゴール前領域59内である場合、その選手オブジェクト56の死角領域64内に、「対戦相手チームの選手オブジェクト56であって、ポジション種類がフォワードの選手オブジェクト56」が位置しているか否かが判定される(S107)。すなわち、切替順序がi番目の選手オブジェクト56が上記条件3を満足するか否かが判定される。
【0069】
より具体的には、対戦相手チームの選手オブジェクト56のうちのポジション種類がフォワードの各選手オブジェクト56について、次のような処理が実行される。すなわち、「切替順序がi番目の選手オブジェクト56の背面方向62」と、「切替順序がi番目の選手オブジェクト56から対戦相手チームのフォワードの選手オブジェクト56への方向」と、の間の角度が所定の基準角度(θ)以下であるか否かが判定される。この判定は選手状態テーブル(図11)に基づいて行われる。また、切替順序がi番目の選手オブジェクト56と、対戦相手チームのフォワードの選手オブジェクト56と、の間の距離が所定の基準距離(R)以下であるか否かが判定される。この判定も選手状態テーブル(図11)に基づいて行われる。そして、上記角度が基準角度(θ)以下であり、かつ、上記距離が基準距離(R)以下である場合には、切替順序がi番目の選手オブジェクト56の死角領域64内に、「対戦相手チームの選手オブジェクト56であって、ポジション種類がフォワードの選手オブジェクト56」が位置していると判定される。
【0070】
切替順序がi番目の選手オブジェクト56の死角領域64内に、「対戦相手チームの選手オブジェクト56であって、ポジション種類がフォワードの選手オブジェクト56」が位置していない場合、切替順序がi番目の選手オブジェクト56が操作対象として決定され、その選手オブジェクト56の選手IDが操作対象選手ID(図12)として登録される(S111)。一方、切替順序がi番目の選手オブジェクト56の死角領域64内に、「対戦相手チームの選手オブジェクト56であって、ポジション種類がフォワードの選手オブジェクト56」が位置している場合、切替順序がi番目の選手オブジェクト56は操作対象として選択されず、変数iの値がインクリメントされる(S108)。このとき、変数iの値が11より大きい場合には1に更新される(S109及びS110)。そして、S105の処理が再び実行される。すなわち、次の切替順序の選手オブジェクト56が上記条件1−3を満足するか否かが判定される。
【0071】
S102において、切替順序更新タイミングが到来していないと判定された場合には(S102:N)、操作対象切替操作が行われたか否かが判定される(S113)。本実施の形態の場合には、コントローラ32から入力される操作信号に基づいて、ボタン40Lが押下されたか否かが判定される。操作対象切替操作が行われたと判定された場合、現在の操作対象の選手オブジェクト56の切替順序nが取得される(S114)。この切替順序nは、操作対象特定データ(図12)及び切替順序テーブル(図14)に基づいて取得される。そして、変数iがn+1に更新され(S115)、S105乃至S112の処理が実行される。
【0072】
S111の処理が実行された後、又は、S113において、操作対象切替操作が行われなかったと判定された場合(S113:N)、ゲーム画面が生成される(S112)。例えば、「ゲーム状況情報記憶部70aに記憶されるゲーム状況情報に基づいて各選手オブジェクト56やボールオブジェクト58が配置されたゲーム空間50」を仮想カメラから見た様子を表す画像がVRAM上に描画される。その後、操作対象特定データ(図12)が参照され、VRAM上に描画された画像の、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56の頭上の所定位置に操作対象選手案内マーク57が上書き描画される。また、VRAM上に描画された画像の、操作対象チームの選手オブジェクト56のうちの上記条件1−3を満足する選手オブジェクト56の頭上の所定位置に切替制限選手案内マーク66が上書き描画される。さらに、VRAM上に描画された画像上に得点画像や時間経過画像が上書き描画される。こうして、VRAM上にゲーム画面(図4,5,9等)が形成される。VRAM上に形成されたゲーム画面は所定のタイミングで表示部78に表示出力される。
【0073】
図13に示す処理によれば、操作対象チームの選手オブジェクト56のうちの上記条件1−3を満足する選手オブジェクト56に操作対象が切り替えられることが抑止される(S105乃至S107参照)。
【0074】
また、図13に示す処理によれば、ユーザの操作対象の選手オブジェクト56が上記条件1−3を満足することになった場合、ユーザの操作対象が他の選手オブジェクト56(上記条件1−3を満足しない選手オブジェクト56)に切り替えられる。例えば、ユーザの操作対象が選手オブジェクト56a−2である状態において、選手オブジェクト56b−2が選手オブジェクト56a−2の死角領域64に移動することによって、図8(a)に示す状態になった場合、切替順序更新タイミングが到来すると(例えば選手オブジェクト56b−1から選手オブジェクト56b−2にパスが行われると)、ユーザの操作対象が選手オブジェクト56a−2から選手オブジェクト56a−3に切り替えられる。
【0075】
なお、操作対象チームが守備側である場合(対戦相手チームの選手オブジェクト56のいずれかがボールオブジェクト58を保持している場合)には、例えば図15及び図16に示す処理がゲーム装置10で所定時間(例えば1/60秒)ごとに実行されるようにしてもよい。この処理をマイクロプロセッサ14に実行させるためのゲームプログラムが、ゲーム装置10においてDVD−ROM25から読み出され、マイクロプロセッサ14によって実行されることによって、上記各機能ブロック(図10)が実現されるようにしてもよい。
【0076】
図15に示すように、まず、ゲーム状況情報記憶部70aに記憶されるゲーム状況情報が更新される(S201)。この処理はS101の処理と同様に実行される。そして、切替順序更新タイミングが到来したか否かが判定される(S202)。この処理はS102の処理と同様に実行される。切替順序更新タイミングが到来したと判定された場合には、切替順序テーブルの初期化処理(S203乃至S211)が実行される。
【0077】
図17は本処理に対応する切替順序テーブルの一例を示している。同図に示すように、この切替順序テーブルは、操作対象チームの各選手オブジェクト56の切替順序と制限残時間カウンタとを示すテーブルである。なお、制限残時間カウンタは、選手オブジェクト56が操作対象として選択されることが制限される残り時間を示す情報である。本実施の形態では該残り時間を1/60秒単位で示す情報となる。
【0078】
切替順序テーブルの初期化処理では、まず変数iが1に初期化される(S203)。次に、操作対象チームの選手オブジェクト56のうちで、ボールオブジェクト58との間の距離がi番目に小さい選手オブジェクト56の選手IDが取得される(S204)。この処理は選手状態テーブル(図11)に基づいて実行される。そして、その選手オブジェクト56(操作対象チームの選手オブジェクト56のうちで、ボールオブジェクト58との間の距離がi番目に小さい選手オブジェクト56)のポジション種類がディフェンダーであるか否かが判定される(S205)。この処理はS105の処理と同様に実行される。
【0079】
選手オブジェクト56のポジション種類がディフェンダーでない場合、切替順序テーブル(図17)において、S204で取得された選手IDに対応する切替順序が変数iの値に更新され、S204で取得された選手IDに対応する制限残時間カウンタが0に更新される(S209)。一方、選手オブジェクト56のポジション種類がディフェンダーである場合、その選手オブジェクト56の位置が操作対象チームのゴール前領域59内であるか否かが判定される(S206)。この処理はS106の処理と同様に実行される。
【0080】
選手オブジェクト56の位置が操作対象チームのゴール前領域59内でない場合、切替順序テーブル(図17)において、S204で取得された選手IDに対応する切替順序が変数iの値に更新され、S204で取得された選手IDに対応する制限残時間カウンタが0に更新される(S209)。一方、選手オブジェクト56の位置が操作対象チームのゴール前領域59内である場合、その選手オブジェクト56の死角領域64内に、「対戦相手チームの選手オブジェクト56であって、ポジション種類がフォワードの選手オブジェクト56」が位置しているか否かが判定される(S207)。この処理はS107の処理と同様に実行される。
【0081】
選手オブジェクト56の死角領域64内に、「対戦相手チームの選手オブジェクト56であって、ポジション種類がフォワードの選手オブジェクト56」が位置していない場合、切替順序テーブル(図17)において、S204で取得された選手IDに対応する切替順序が変数iの値に更新され、S204で取得された選手IDに対応する制限残時間カウンタが0に更新される(S209)。一方、選手オブジェクト56の死角領域64内に、「対戦相手チームの選手オブジェクト56であって、ポジション種類がフォワードの選手オブジェクト56」が位置している場合、切替順序テーブル(図17)において、S204で取得された選手IDに対応する切替順序が変数iの値に更新され、S204で取得された選手IDに対応する制限残時間カウンタが90に更新される(S208)。
【0082】
S208又はS209の処理が実行された場合、変数iの値が11であるか否かが判定される(S210)。そして、変数iの値が11でない場合には変数iの値がインクリメントされ(S211)、S204乃至S210の処理が再実行される。一方、変数iの値が11である場合は、操作対象チームの各選手オブジェクト56の切替順序及び制限残時間カウンタが決定された場合であり、切替順序テーブルの初期化処理は終了する。
【0083】
切替順序テーブルの初期化処理が終了すると、次に、変数jの値が1に初期化される(S212)。そして、切替順序がj番目の選手オブジェクト56の制限残時間カウンタ(図17)が0以下であるか否かが判定される(S213)。
【0084】
切替順序がj番目の選手オブジェクト56の制限残時間カウンタが0以下である場合、その選手オブジェクト56(切替順序がj番目の選手オブジェクト56)が操作対象として決定され、その選手オブジェクト56の選手IDが操作対象選手ID(図12)として登録される(S217)。一方、切替順序がj番目の選手オブジェクト56の制限残時間カウンタが0以下でない場合、その選手オブジェクト56は操作対象として選択されず、変数jの値がインクリメントされる(S214)。このとき、変数jの値が11より大きい場合には1に更新される(S215及びS216)。そして、S213の処理が再び実行される。
【0085】
S202において切替順序更新タイミングが到来していないと判定された場合(S202:N)、操作対象チームの各選手オブジェクト56の制限残時間カウンタ(図17)がデクリメントされる(S219)。なお、すでに制限残時間カウンタが0になっている選手オブジェクト56については制限残時間カウンタのデクリメントが抑止される。
【0086】
その後、操作対象切替操作が行われたか否かが判定される(S220)。この処理はS113の処理と同様に実行される。操作対象切替操作が行われたと判定された場合、ユーザの現在の操作対象の選手オブジェクト56の切替順序nが取得される(S221)。この切替順序nは、操作対象特定データ(図12)及び切替順序テーブル(図17)に基づいて取得される。そして、変数jがn+1に更新され(S222)、S213乃至S218の処理が実行される。
【0087】
S217の処理が実行された後、又は、S220において、操作対象切替操作が行われなかったと判定された場合(S220:N)、ゲーム画面が生成される(S218)。この処理はS112と同様に実行される。
【0088】
図15及び図16に示す処理によれば、制限残時間カウンタ(図17)が0以下でない選手オブジェクト56については操作対象としての選択が抑止される(S213参照)。また、操作対象チームの選手オブジェクト56のうちの上記条件1−3を満足する選手オブジェクト56については、制限残時間カウンタの初期値として90が設定される(S205乃至S208参照)。制限残時間カウンタは1/60秒ごとにデクリメントされるため(S219参照)、操作対象チームの選手オブジェクト56のうちの上記条件1−3を満足する選手オブジェクト56については、切替順序更新タイミングが到来した後(切替順序テーブルが初期化された後)、所定の制限時間(本実施の形態では1.5秒(=90/60秒))が経過するまでの間、操作対象として選択されることが抑止される。
【0089】
以上説明したゲーム装置10では、例えば図8(a)に示す状態において選手オブジェクト56b−1から選手オブジェクト56b−2にパスが行われた場合において(図8(b)参照)、選手オブジェクト56a−2が上記条件1−3を満足するときには、選手オブジェクト56a−2への操作対象の切り替えが制限される。この場合、ユーザは、選手オブジェクト56b−2に対する対応(守備)を選手オブジェクト56a−2を操作することによって行うことが制限される。ゲーム装置10によれば、対戦相手チームのフォワードの選手オブジェクト56が操作対象チームのディフェンダーの選手オブジェクト56の視界から消える動きを行った場合に、該ディフェンダーの選手オブジェクト56が該フォワードの選手オブジェクト56を見失い、その結果として、該フォワードの選手オブジェクト56への対応(守備)が遅れる様子が好適に演出される。
【0090】
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではない。
【0091】
例えば、操作対象チームの選手オブジェクト56のうちの上記条件1−3を満足する選手オブジェクト56については、元々の切替順序よりも切替順序を下げるようにして、各選手オブジェクト56の切替順序を決定するようにしてもよい。例えば、ボールオブジェクト58と、選手ID「A03」,「A04」,「A05」,「A06」の選手オブジェクト56と、の間の各距離L3,L4,L5,L6の関係がL3<L4<L5<L6である場合において、選手ID「A03」の選手オブジェクト56が上記条件1−3を満足するときには、選手ID「A03」の選手オブジェクト56の切替順序が所定段階(例えば2段階)下げられるようにしてもよい。すなわち、選手ID「A03」,「A04」,「A05」,「A06」の各選手オブジェクト56の元々の切替順序がそれぞれ1,2,3,4である場合には、選手ID「A03」,「A04」,「A05」,「A06」の各選手オブジェクト56の切替順序がそれぞれ3,1,2,4となるようにしてもよい。そして、操作対象切替操作が行われた場合には、この切替順序に従って操作対象の切り替えが行われるようにすればよい。この場合、ユーザは、選手ID「A03」の選手オブジェクト56を操作対象とするために通常よりも多くの操作対象切替操作を行わなければならなくなる。このため、こうしても、対戦相手チームのフォワードの選手オブジェクト56が操作対象チームのディフェンダーの選手オブジェクト56の視界から消える動きを行った場合に、該ディフェンダーの選手オブジェクト56が該フォワードの選手オブジェクト56を見失い、その結果として、該フォワードの選手オブジェクト56への対応(守備)が遅れる様子を好適に演出することが可能である。
【0092】
また例えば、操作対象チームの選手オブジェクト56のうちの上記条件1−3を満足する選手オブジェクト56に対する操作対象切替制限は、その選手オブジェクト56(上記条件1−3を満足する選手オブジェクト56)の死角領域64内に位置する「対戦相手チームのフォワードの選手オブジェクト56」へのパスが行われた場合にのみ行われるようにしてもよい。
【0093】
言い換えれば、対戦相手チームのフォワードの選手オブジェクト56のいずれかが、ボールオブジェクト58を保持しない状態から、ボールオブジェクト58を保持する状態に変化したタイミング(例えば、対戦相手チームのフォワードの選手オブジェクト56のいずれかが他の選手オブジェクト56からのパスを受け取ったタイミング)において、操作対象チームの選手オブジェクト56のうちに下記条件1,2及び3aを満足する選手オブジェクト56が存在する場合に、その選手オブジェクト56に対する操作対象の切り替え制限が開始されるようにしてもよい。
【0094】
[条件1]ポジション種類がディフェンダーである。
[条件2]位置が操作対象チームのゴール前領域59内である。
[条件3a]死角領域64内に、対戦相手チームのフォワードの選手オブジェクト56が位置しており、かつ、そのフォワードの選手オブジェクト56がボールオブジェクト58を保持している。
【0095】
ここで、対戦相手チームのフォワードの選手オブジェクト56のいずれかが、ボールオブジェクト58を保持しない状態から、ボールオブジェクト58を保持する状態に変化したか否かの判定は、例えば、対戦相手チームのフォワードの選手オブジェクト56のいずれかについて、その選手オブジェクト56と、ボールオブジェクト58と、の間の距離がボール保持判定基準距離より大きい状態から、その距離がボール保持判定基準距離以下の状態に変化したか否かを判定(監視)することによって行われる。言い換えれば、対戦相手チームのフォワードの選手オブジェクト56のいずれかのボール保持判定基準領域内にボールオブジェクト58が移動したか否かを判定(監視)することによって行われる。なお、ボール保持判定基準領域は、選手オブジェクト56の位置からボール保持判定基準距離以下の領域である。
【0096】
このようにして、例えば図8(a)に示す場面では、選手オブジェクト56a−2への操作対象の切り替えが制限されず、図8(b)に示す場面になった段階で、選手オブジェクト56a−2への操作対象の切り替えが制限されるようにしてもよい。
【0097】
また例えば、各選手オブジェクト56について、他の選手の視界から消える動きのうまさを示すパラメータ(以下、第1能力パラメータと記載する。)と、他の選手による上記動きを察知する能力の高さを示すパラメータ(以下、第2能力パラメータと記載する。)と、を設定するようにしてもよい。
【0098】
この場合、上記条件1−3に加えて、「第2能力パラメータの値が、死角領域64内に位置している対戦相手チームのフォワードの選手オブジェクト56の第1能力パラメータの値よりも小さい」との条件4が追加されるようにしてもよい。
【0099】
また、選手オブジェクト56の死角領域64の大きさが、その選手オブジェクト56の第2能力パラメータと、対戦相手チームのフォワードの選手オブジェクト56の第1能力パラメータと、の少なくとも一方に基づいて変化するようにしてもよい。例えば、基準角度(θ)又は/及び基準距離(R)の値が選手オブジェクト56の第2能力パラメータの値に基づいて変化するようにしてもよい。より具体的には、選手オブジェクト56の第2能力パラメータの値が大きくなるにつれて基準角度(θ)又は/及び基準距離(R)の値が小さくなるようにしてもよい。また例えば、基準角度(θ)又は/及び基準距離(R)の値が、その選手オブジェクト56の第2能力パラメータの値と、対戦相手チームのフォワードの選手オブジェクト56の第1能力パラメータの値と、の差に基づいて変化するようにしてもよい。より具体的には、選手オブジェクト56の第2能力パラメータの値から、対戦相手チームのフォワードの選手オブジェクト56の第1能力パラメータの値を差し引いてなる値が大きくなるにつれて基準角度(θ)又は/及び基準距離(R)の値が小さくなるようにしてもよい。
【0100】
また同様にして、選手オブジェクト56の制限残時間カウンタ(図17)の初期値(本実施の形態では90)が、その選手オブジェクト56の第2能力パラメータと、対戦相手チームのフォワードの選手オブジェクト56の第1能力パラメータと、の少なくとも一方に基づいて変化するようにしてもよい。
【0101】
また、選手オブジェクト56の第2能力パラメータの値は、その選手オブジェクト56の位置から所定距離内の範囲に味方の選手オブジェクト56が位置しているか否かに基づいて補正されるようにしてもよい。この場合、上記条件4が満足されるか否かの判定、死角領域64の大きさの決定や制限残時間カウンタの初期値の決定は、補正後の第2能力パラメータの値に基づいて行われるようにしてもよい。
【0102】
また例えば、上記条件3を、「死角領域64内に対戦相手チームのフォワードの選手オブジェクト56が位置しており、かつ、そのフォワードの選手オブジェクト56の移動速度が所定速度以上である」との条件3bとしてもよい。また例えば、選手オブジェクト56の死角領域64は、「その選手オブジェクト56からボールオブジェクト58への方向の逆方向」と、選手オブジェクト56の位置からの方向と、のなす角が所定の基準角度(θ)以下となる領域であって、その選手オブジェクト56からの距離(XZ平面系での距離)が所定の基準距離(R)以内となる扇状領域としてもよい。
【0103】
例えば、対戦相手チームは他のユーザによって操作されるようにしてもよい。また例えば、操作対象チームや対戦相手チームは複数のユーザによって操作されるようにしてもよい。
【0104】
また例えば、ゲーム装置10で実行されるゲームはサッカーゲームに限られない。例えば、サッカーゲーム以外のスポーツゲーム(ボールやパック等の移動体を用いて行われるバスケットボールやアイスホッケー等のゲーム)であってもよい。また、スポーツゲーム以外のゲーム(アクションゲーム等)であってもよい。本発明は、第1ゲームキャラクタの視界から消える動きを第2ゲームキャラクタが行った場合に、第1ゲームキャラクタが第2ゲームキャラクタが見失い、第2ゲームキャラクタに対する対応(守備等)が遅れる様子を好適に演出する必要があるゲームを提供するゲーム装置に適用することが可能である。
【0105】
また例えば、以上の説明では、プログラムを情報記憶媒体たるDVD−ROM25から家庭用ゲーム機11に供給するようにしたが、通信ネットワークを介してプログラムを家庭等に配信するようにしてもよい。図18は、通信ネットワークを用いたプログラム配信システムの全体構成を示す図である。同図に基づいて本発明に係るプログラム配信方法を説明する。同図に示すように、このプログラム配信システム100は、ゲームデータベース102、サーバ104、通信ネットワーク106、パソコン108、家庭用ゲーム機110、PDA(携帯情報端末)112を含んでいる。このうち、ゲームデータベース102とサーバ104とによりプログラム配信装置114が構成される。通信ネットワーク106は、例えばインターネットやケーブルテレビネットワークを含んで構成されている。このシステムでは、ゲームデータベース(情報記憶媒体)102に、DVD−ROM25の記憶内容と同様のプログラムが記憶されている。そして、パソコン108、家庭用ゲーム機110又はPDA112等を用いて需要者がゲーム配信要求をすることにより、それが通信ネットワーク106を介してサーバ104に伝えられる。そして、サーバ104はゲーム配信要求に応じてゲームデータベース102からプログラムを読み出し、それをパソコン108、家庭用ゲーム機110、PDA112等、ゲーム配信要求元に送信する。ここではゲーム配信要求に応じてゲーム配信するようにしたが、サーバ104から一方的に送信するようにしてもよい。また、必ずしも一度にゲームの実現に必要な全てのプログラムを配信(一括配信)する必要はなく、ゲームの局面に応じて必要な部分を配信(分割配信)するようにしてもよい。このように通信ネットワーク106を介してゲーム配信するようにすれば、プログラムを需要者は容易に入手することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明の実施形態に係るゲーム装置の全体構成を示す図である。
【図2】コントローラの一例を示す図である。
【図3】ゲーム空間の一例を示す図である。
【図4】ゲーム画面の一例を示す図である。
【図5】ゲーム画面の一例を示す図である。
【図6】ゴール前領域について示す図である。
【図7】死角領域について示す図である。
【図8】選手オブジェクトの配置状態の一例を示す図である。
【図9】ゲーム画面の一例を示す図である。
【図10】ゲーム装置の機能ブロック図である。
【図11】選手状態テーブルの一例を示す図である。
【図12】操作対象特定データの一例を示す図である。
【図13】ゲーム装置で実行される処理を示すフロー図である。
【図14】切替順序テーブルの一例を示す図である。
【図15】ゲーム装置で実行される処理を示すフロー図である。
【図16】ゲーム装置で実行される処理を示すフロー図である。
【図17】切替順序テーブルの一例を示す図である。
【図18】本発明の他の実施形態に係るプログラム配信システムの全体構成を示す図である。
【符号の説明】
【0107】
10 ゲーム装置、11,110 家庭用ゲーム機、12 バス、14 マイクロプロセッサ、16 画像処理部、18 モニタ、20 音声処理部、22 スピーカ、24 DVD−ROM再生部、25 DVD−ROM、26 主記憶、28 メモリカード、30 入出力処理部、32 コントローラ、32a 表面、34U 上方向ボタン、34D 下方向ボタン、34L 左方向ボタン、34R 右方向ボタン、36 左操作スティック、37 右操作スティック、38A,38B,38X,38Y,40L,40R,42L,42R ボタン、43 コントローラケーブル、50 ゲーム空間、51 タッチライン、52 フィールドオブジェクト、53 ゴールライン、54 ゴールオブジェクト、55 コート、56,56a−1,56a−2,56a−3,56a−4,56b−1,56b−2 選手オブジェクト、57 操作対象選手案内マーク、58 ボールオブジェクト、59 ゴール前領域、60 基準方向、62 背面方向、64 死角領域、66 切替制限選手案内マーク、70 記憶部、70a ゲーム状況情報記憶部、72 操作対象選択部、72a 判定部、72b 選択制限部、74 ゲーム状況情報更新部、74a 操作対象制御部、76 表示制御部、78 表示部、100 プログラム配信システム、102 ゲームデータベース、104 サーバ、106 通信ネットワーク、108 パソコン、112 携帯情報端末(PDA)、114 プログラム配信装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の第1ゲームキャラクタと、第2ゲームキャラクタと、が配置されたゲーム空間の様子を表すゲーム画面を表示するゲーム装置において、
前記複数の第1ゲームキャラクタのうちから操作対象キャラクタを選択する操作対象選択手段と、
前記操作対象選択手段によって前記操作対象キャラクタとして選択された第1ゲームキャラクタの前記ゲーム空間における状態を操作手段から入力される操作信号に従って変化させる操作対象制御手段と、を含み、
前記操作対象選択手段は、
前記複数の第1ゲームキャラクタのうちの少なくとも1つについて、該第1ゲームキャラクタの位置及び向きに基づく前記ゲーム空間の判定対象領域内に前記第2ゲームキャラクタの位置が含まれるか否かを判定する判定手段と、
前記第1ゲームキャラクタの位置及び向きに基づく前記判定対象領域内に前記第2ゲームキャラクタの位置が含まれると判定された場合、前記操作対象選択手段による該第1ゲームキャラクタの選択を制限する選択制限手段と、を含む、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム装置において、
前記選択制限手段は、前記第1ゲームキャラクタの位置及び向きに基づく前記判定対象領域内に前記第2ゲームキャラクタの位置が含まれると判定された場合、前記操作対象選択手段による該第1ゲームキャラクタの選択を所与の制限時間にわたって制限することを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のゲーム装置において、
前記操作対象選択手段は、前記複数の第1ゲームキャラクタの各々に設定される選択順序に従って、前記複数の第1ゲームキャラクタのうちから前記操作対象キャラクタを選択し、
前記選択制限手段は、前記第1ゲームキャラクタの位置及び向きに基づく前記判定対象領域内に前記第2ゲームキャラクタの位置が含まれると判定された場合、該第1ゲームキャラクタに設定される選択順序を下げる、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載のゲーム装置において、
前記操作対象選択手段は、前記操作対象キャラクタとして選択された前記第1ゲームキャラクタの位置及び向きに基づく前記判定対象領域内に前記第2ゲームキャラクタの位置が含まれると判定された場合、前記複数の第1ゲームキャラクタのうちの他の第1ゲームキャラクタを前記操作対象キャラクタとして選択する手段を含むことを特徴とするゲーム装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載のゲーム装置において、
前記第1ゲームキャラクタの位置及び向きに基づく前記判定対象領域内に前記第2ゲームキャラクタの位置が含まれると判定された場合、該第1ゲームキャラクタを前記ゲーム画面において区別表示させる区別表示手段を含むことを特徴とするゲーム装置。
【請求項6】
複数の第1ゲームキャラクタと、第2ゲームキャラクタと、が配置されたゲーム空間の様子を表すゲーム画面を表示するゲーム装置の制御方法において、
前記複数の第1ゲームキャラクタのうちから操作対象キャラクタを選択するための操作対象選択ステップと、
前記操作対象選択ステップによって前記操作対象キャラクタとして選択された第1ゲームキャラクタの前記ゲーム空間における状態を操作手段から入力される操作信号に従って変化させるための操作対象制御ステップと、を含み、
前記操作対象選択ステップは、
前記複数の第1ゲームキャラクタのうちの少なくとも1つについて、該第1ゲームキャラクタの位置及び向きに基づく前記ゲーム空間の判定対象領域内に前記第2ゲームキャラクタの位置が含まれるか否かを判定するための判定ステップと、
前記第1ゲームキャラクタの位置及び向きに基づく前記判定対象領域内に前記第2ゲームキャラクタの位置が含まれると判定された場合、前記操作対象選択ステップによる該第1ゲームキャラクタの選択を制限するための選択制限ステップと、を含む、
ことを特徴とするゲーム装置の制御方法。
【請求項7】
複数の第1ゲームキャラクタと、第2ゲームキャラクタと、が配置されたゲーム空間の様子を表すゲーム画面を表示するゲーム装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
前記複数の第1ゲームキャラクタのうちから操作対象キャラクタを選択する操作対象選択手段、及び、
前記操作対象選択手段によって前記操作対象キャラクタとして選択された第1ゲームキャラクタの前記ゲーム空間における状態を操作手段から入力される操作信号に従って変化させる操作対象制御手段、
として前記コンピュータを機能させ、
前記操作対象選択手段は、
前記複数の第1ゲームキャラクタのうちの少なくとも1つについて、該第1ゲームキャラクタの位置及び向きに基づく前記ゲーム空間の判定対象領域内に前記第2ゲームキャラクタの位置が含まれるか否かを判定する判定手段と、
前記第1ゲームキャラクタの位置及び向きに基づく前記判定対象領域内に前記第2ゲームキャラクタの位置が含まれると判定された場合、前記操作対象選択手段による該第1ゲームキャラクタの選択を制限する選択制限手段と、を含む、
ことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2007−259989(P2007−259989A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−86729(P2006−86729)
【出願日】平成18年3月27日(2006.3.27)
【特許番号】特許第3954630号(P3954630)
【特許公報発行日】平成19年8月8日(2007.8.8)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】