説明

ゲーム装置、ゲーム装置の制御方法及びプログラム

【課題】ユーザによって設定された第1パラメータ及び第2パラメータに基づいてゲームキャラクタが行動するゲームにおいて、ユーザが第1パラメータ及び第2パラメータを比較的容易に設定できるようなユーザインタフェースを実現することが可能なゲーム装置を提供すること。
【解決手段】表示制御手段(88)は、ゲームキャラクタが第1パラメータ及び第2パラメータに基づいて行動する様子が表されるゲーム画面に、第1パラメータに対応する第1座標軸と、第2パラメータに対応する第2座標軸と、が設定された画像を表示する。座標値取得手段(90)は、方向指示操作又は位置指示操作に応じた、第1座標軸に対応する第1座標値と、第2座標軸に対応する第2座標値と、を取得する。パラメータ更新手段(94)は、第1座標値及び第2座標値に基づいて、第1パラメータ及び第2パラメータを更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゲーム装置、ゲーム装置の制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザによって設定された複数のパラメータに基づいてゲームキャラクタが行動するゲームを実行するゲーム装置が知られている。このようなゲームでは、ユーザが複数のパラメータの値を設定することによって、ゲームキャラクタの行動内容を制御できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−000947号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなゲーム装置では、ユーザが複数のパラメータを比較的容易に設定できるようなユーザインタフェースを実現することが強く望まれる。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、ユーザによって設定された第1パラメータ及び第2パラメータに基づいてゲームキャラクタが行動するゲームにおいて、ユーザが複数の第1パラメータ及び第2パラメータを比較的容易に設定できるようなユーザインタフェースを実現することが可能なゲーム装置、ゲーム装置の制御方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係るゲーム装置は、ゲームキャラクタの行動制御の基礎とされる第1パラメータ及び第2パラメータを記憶するパラメータ記憶手段と、前記ゲームキャラクタが前記第1パラメータ及び前記第2パラメータに基づいて行動する様子が表されるゲーム画面に、前記第1パラメータに対応する第1座標軸と、前記第2パラメータに対応する第2座標軸と、が設定された画像を表示する表示制御手段と、方向指示操作又は位置指示操作に応じた、前記第1座標軸に対応する第1座標値と、前記第2座標軸に対応する第2座標値と、を取得する座標値取得手段と、前記第1座標値及び前記第2座標値に基づいて、前記第1パラメータ及び前記第2パラメータを更新するパラメータ更新手段と、を含むことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係るゲーム装置の制御方法は、ゲームキャラクタの行動制御の基礎とされる第1パラメータ及び第2パラメータを記憶してなるパラメータ記憶手段の記憶内容を読み出すステップと、前記ゲームキャラクタが前記第1パラメータ及び前記第2パラメータに基づいて行動する様子が表されるゲーム画面に、前記第1パラメータに対応する第1座標軸と、前記第2パラメータに対応する第2座標軸と、が設定された画像を表示する表示制御ステップと、方向指示操作又は位置指示操作に応じた、前記第1座標軸に対応する第1座標値と、前記第2座標軸に対応する第2座標値と、を取得する座標値取得ステップと、前記第1座標値及び前記第2座標値に基づいて、前記第1パラメータ及び前記第2パラメータを更新するパラメータ更新ステップと、を含むことを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係るプログラムは、ゲームキャラクタの行動制御の基礎とされる第1パラメータ及び第2パラメータを記憶してなるパラメータ記憶手段の記憶内容を読み出す手段、前記ゲームキャラクタが前記第1パラメータ及び前記第2パラメータに基づいて行動する様子が表されるゲーム画面に、前記第1パラメータに対応する第1座標軸と、前記第2パラメータに対応する第2座標軸と、が設定された画像を表示する表示制御手段、方向指示操作又は位置指示操作に応じた、前記第1座標軸に対応する第1座標値と、前記第2座標軸に対応する第2座標値と、を取得する座標値取得手段、及び、前記第1座標値及び前記第2座標値に基づいて、前記第1パラメータ及び前記第2パラメータを更新するパラメータ更新手段、としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0009】
また、本発明に係る情報記憶媒体は、上記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体である。
【0010】
本発明によれば、ユーザによって設定された第1パラメータ及び第2パラメータに基づいてゲームキャラクタが行動するゲームにおいて、ユーザが第1パラメータ及び第2パラメータを比較的容易に設定できるようなユーザインタフェースを実現することが可能になる。
【0011】
また本発明の一態様では、前記座標値取得手段によって取得され得る前記第1座標値又は/及び前記第2座標値の範囲を、ゲームの現在の状況に基づいて制限する手段を含むようにしてもよい。
【0012】
また本発明の一態様では、前記座標値取得手段は、前記画像内に設定される基準位置の前記第1座標値及び前記第2座標値を方向指示操作に基づいて変更する手段を含み、前記基準位置の前記第1座標値及び前記第2座標値を取得するようにしてもよい。
【0013】
この態様では、前記表示制御手段は、前記基準位置を案内する案内画像を前記基準位置に基づく位置に表示する手段と、前記案内画像の表示態様を前記基準位置の前記第1座標値及び前記第2座標位置の少なくとも一方に基づいて変化させる手段と、を含むようにしてもよい。
【0014】
この態様では、前記案内画像は複数の要素画像を含み、前記表示制御手段は、前記複数の要素画像間の距離を、前記基準位置の前記第1座標値及び前記第2座標値の少なくとも一方に基づいて変化させる手段を含むようにしてもよい。
【0015】
また本発明の一態様では、押圧操作に応じた位置情報を出力するタッチパネルを含み、前記座標値取得手段は、前記タッチパネルから出力される前記位置情報が示す位置が前記画像内に含まれる場合、該位置情報が示す位置の前記第1座標値及び前記2座標値を取得する手段を含むようにしてもよい。
【0016】
また本発明の一態様では、前記第1座標軸に対応づける前記第1パラメータと、前記第2座標軸に対応づける前記第2パラメータと、の少なくとも一方を、選択操作に基づいて、複数のパラメータのうちから選択する座標軸設定手段を含むようにしてもよい。
【0017】
また本発明の一態様では、前記第1座標軸に対応づける前記第1パラメータと、前記第2座標軸に対応づける前記第2パラメータと、の少なくとも一方を、ゲームの現在の状況に基づいて、複数のパラメータのうちから選択する座標軸設定手段を含むようにしてもよい。
【0018】
また本発明の一態様では、ユーザが操作する操作対象チームと、対戦相手チームと、の間のスポーツの試合を模したゲームが実行され、前記操作対象チームに所属する選手キャラクタのうちの少なくとも一部の選手キャラクタの行動は、前記第1パラメータ及び前記第2パラメータに基づいて制御され、前記表示制御手段は、前記操作対象チームに所属する選手キャラクタのうちの、所定条件を満足する選手キャラクタが試合に出場中であるか否かを判定する手段を含み、その判定結果に基づいて、前記画像の表示を制限するようにしてもよい。
【0019】
また本発明の一態様では、ユーザが操作する操作対象チームと、対戦相手チームと、の間のスポーツの試合を模したゲームが実行され、前記操作対象チームに所属する選手キャラクタのうちの少なくとも一部の選手キャラクタの行動は、前記第1パラメータ及び前記第2パラメータに基づいて制御され、前記ゲーム装置は、前記操作対象チームに所属する選手キャラクタのうちの、所定条件を満足する選手キャラクタが試合に出場中であるか否かを判定する手段と、前記座標値取得手段によって取得され得る前記第1座標値又は/及び前記第2座標値の範囲を、その判定結果に基づいて制限する手段と、を含むようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態に係るゲーム装置のハードウェア構成を示す図である。
【図2】ゲーム空間の一例を示す図である。
【図3】ゲーム画面の一例を示す図である。
【図4】戦術パラメータ画像の拡大図である。
【図5】カーソル画像の表示態様の変化の一例について説明するための図である。
【図6】カーソル画像の表示態様の変化の一例について説明するための図である。
【図7】カーソル画像の移動可能領域の制限の一例について説明するための図である。
【図8】カーソル画像の移動可能領域の制限の一例について説明するための図である。
【図9】カーソル画像の移動可能領域の制限の一例について説明するための図である。
【図10】カーソル画像の移動可能領域の制限の一例について説明するための図である。
【図11】本発明の実施形態に係るゲーム装置の機能ブロック図である。
【図12】選手状態データの一例を示す図である。
【図13】選手能力パラメータデータの一例を示す図である。
【図14】戦術パラメータデータの一例を示す図である。
【図15】ゲーム装置が実行する処理の一例を示すフロー図である。
【図16】ゲーム装置が実行する処理の一例を示すフロー図である。
【図17】カーソル画像の移動可能領域データの一例を示す図である。
【図18】カーソル画像の移動可能領域データの一例を示す図である。
【図19】カーソル画像の移動可能領域データの一例を示す図である。
【図20】カーソル画像の移動可能領域データの一例を示す図である。
【図21】本発明の他の実施形態に係るゲーム装置の機能ブロック図である。
【図22】座標軸データの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態の一例について図面に基づき詳細に説明する。本発明の実施形態に係るゲーム装置は、例えば家庭用ゲーム機(据置型ゲーム機)、携帯ゲーム機、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)、又はパーソナルコンピュータ等によって実現される。ここでは、本発明の実施形態に係るゲーム装置を家庭用ゲーム機によって実現する場合について説明する。
【0022】
図1は、本発明の実施形態に係るゲーム装置のハードウェア構成を示す図である。図1に示すゲーム装置10は、家庭用ゲーム機11、モニタ32、スピーカ34、及び光ディスク36(情報記憶媒体)を含む。モニタ32及びスピーカ34は家庭用ゲーム機11に接続される。モニタ32としては例えば家庭用テレビ受像機が用いられ、スピーカ34としては例えば家庭用テレビ受像機に内蔵されたスピーカが用いられる。
【0023】
家庭用ゲーム機11は公知のコンピュータゲームシステムである。家庭用ゲーム機11は、バス12、マイクロプロセッサ14、主記憶16、画像処理部18、入出力処理部20、音声処理部22、光ディスク読み取り部24、ハードディスク26、通信インタフェース28、及びコントローラ30を含む。コントローラ30以外の構成要素は家庭用ゲーム機11の筐体内に収容される。
【0024】
マイクロプロセッサ14は、図示しないROMに格納されるオペレーティングシステムや、光ディスク36から読み出されるプログラムに基づいて、各種情報処理を実行する。主記憶16は例えばRAMを含む。主記憶16には光ディスク36から読み出されたプログラム及びデータが必要に応じて書き込まれる。主記憶16はマイクロプロセッサ14の作業用メモリとしても用いられる。バス12はアドレス及びデータを家庭用ゲーム機11の各部でやり取りするためのものである。
【0025】
画像処理部18はVRAMを含み、マイクロプロセッサ14から送られる画像データに基づいてVRAM上にゲーム画面を描画する。VRAM上に描画されたゲーム画面はビデオ信号に変換されて所定のタイミングでモニタ32に出力する。
【0026】
入出力処理部20はマイクロプロセッサ14が音声処理部22、光ディスク読み取り部24、ハードディスク26、通信インタフェース28、及びコントローラ30にアクセスするためのインタフェースである。音声処理部22はサウンドバッファを含み、光ディスク36からサウンドバッファに読み出された各種音声データをスピーカ34から出力する。通信インタフェース28はインターネット等の通信ネットワークに家庭用ゲーム機11を有線又は無線接続するためのインタフェースである。
【0027】
光ディスク読み取り部24は光ディスク36に記録されたプログラムやデータを読み取る。なお、ここではプログラムやデータを家庭用ゲーム機11に供給するために光ディスク36を用いるが、メモリカード等、他の情報記憶媒体を用いるようにしてもよい。また、例えばインターネット等の通信ネットワークを介して遠隔地からプログラムやデータを家庭用ゲーム機11に供給するようにしてもよい。ハードディスク26は一般的なハードディスク装置(補助記憶装置)である。なお、光ディスク36に記憶されることとして説明するプログラムやデータはハードディスク26に記憶されていてもよい。
【0028】
コントローラ30はゲーム操作を受け付けるための汎用操作手段である。コントローラ30は、方向指示ボタン、複数の操作スティック(操作レバー)、及び複数の操作ボタンを備える。入出力処理部20は一定周期毎(例えば1/60秒ごと)にコントローラ30の各操作部材の状態をスキャンし、そのスキャン結果を表す操作信号をバス12を介してマイクロプロセッサ14に渡す。マイクロプロセッサ14はその操作信号に基づいてユーザのゲーム操作を判定する。なお、家庭用ゲーム機11には複数のコントローラ30を有線又は無線接続することが可能である。
【0029】
ゲーム装置10では、例えば、ユーザが操作する操作対象チームと、コンピュータが操作する対戦相手チームと、の間のサッカーの試合を模したサッカーゲームが実行される。このサッカーゲームは、光ディスク36から読み出されたプログラムが実行されることによって実現される。なお、対戦相手チームは他のユーザによって操作されるようにしてもよい。
【0030】
ゲーム装置10の主記憶16にはゲーム空間が構築される。図2はゲーム空間の一例を示す。図2に示すゲーム空間40は仮想的な3次元空間になっている。図2に示すように、ゲーム空間40には、サッカーフィールドを表すオブジェクトであるフィールド42が配置される。フィールド42上には、ゴールライン44、タッチライン46、及びハーフウエーライン48等が表されている。
【0031】
また、フィールド42上には、サッカーのゴールを表すオブジェクトであるゴール50と、操作対象チームに所属し、かつ、試合に出場するサッカー選手を表すオブジェクトである選手キャラクタ52と、対戦相手チームに所属し、かつ、試合に出場するサッカー選手を表すオブジェクトである選手キャラクタ54と、サッカーボールを表すオブジェクトであるボール56と、が配置される。
【0032】
ゴール50の一方は操作対象チームに対応づけられ、他方は対戦相手チームに対応づけられる。いずれか一方のチームに対応づけられたゴール50内にボール56が移動すると、他方のチームの得点イベントが発生する。
【0033】
図2では省略されているが、フィールド42上には、操作対象チームに所属する11体の選手キャラクタ52と、対戦相手チームに所属する11体の選手キャラクタ54と、が配置される。なお、選手キャラクタ52(54)とボール56とが近づくと、所定条件の下、その選手キャラクタ52(54)とボール56とが関連づけられる。この場合、選手キャラクタ52(54)の移動動作はドリブル動作になる。以下では、選手キャラクタ52(54)にボール56が関連づけられた状態のことを「選手キャラクタ52(54)がボール56を保持している」というように記載する。
【0034】
また、ゲーム空間40には仮想カメラ58(視点)が設定される。ゲーム空間40を仮想カメラ58から見た様子を表すゲーム画面がモニタ32に表示される。例えば、ボール56が常にゲーム画面に表示されるように、仮想カメラ58はボール56の位置に基づいてゲーム空間40内を移動する。
【0035】
図3はゲーム画面の一例を示す。図3に示すゲーム画面60には、操作対象チームに所属する選手キャラクタ52a,52bと、対戦相手チームに所属する選手キャラクタ54a,54bと、が表示されている。
【0036】
また、図3に示すゲーム画面60では、三角形状のマーク画像62が選手キャラクタ52aの頭上に表示されている。本実施形態では、操作対象チームに所属する選手キャラクタ52のうちのいずれかがユーザの操作対象に設定されるようになっており、マーク画像62は、ユーザの現在の操作対象に設定されている選手キャラクタ52を案内する役割を果たしている。すなわち、図3に示す状態では選手キャラクタ52aがユーザの操作対象に設定されている。
【0037】
ユーザの操作対象に設定されている選手キャラクタ52はユーザの操作に基づいて行動する。例えば、ユーザの操作対象に設定されている選手キャラクタ52は、コントローラ30に備えられる第1操作部材(ここでは第1操作スティックとする。)を用いた方向指示操作に基づいて移動する。なお、操作対象チームに所属する選手キャラクタ52のうちの、ユーザの操作対象に設定されていない選手キャラクタ52(以下「味方選手キャラクタ」と記載する。)は行動制御アルゴリズムに従って行動する。
【0038】
さらに、図3に示すゲーム画面60には戦術パラメータ画像64が表示されている。戦術パラメータ画像64は、戦術パラメータの現在の設定内容を案内する役割を果たすとともに、戦術パラメータの設定内容の変更を受け付ける役割を果たす。
【0039】
まず、戦術パラメータについて説明する。戦術パラメータは、操作対象チームの戦術に関するパラメータであり、味方選手キャラクタの行動制御の基礎とされる。戦術パラメータとしては、例えば下記のようなパラメータがある。
(1)「プレッシング」パラメータ
(2)「ディフェンスライン」パラメータ
【0040】
「プレッシング」パラメータは、いわゆるプレスディフェンスをどの程度積極的に行うかを示すパラメータである。「プレスディフェンス」とは、ボール56を保持する選手キャラクタ54に近寄って行き、ボール56を保持する選手キャラクタ54にプレッシャーをかけるというような守備動作である。例えば、「プレッシング」パラメータは−5以上かつ+5以下の値をとる。「プレッシング」パラメータの値が高いほど、味方選手キャラクタは積極的にプレスディフェンスを行うようになる。言い換えれば、「プレッシング」パラメータの値が低いほど、味方選手キャラクタはプレスディフェンスを行うことに消極的になる。
【0041】
「ディフェンスライン」パラメータは、いわゆるディフェンスラインをどの程度上げるかを示すパラメータである。「ディフェンスライン」とは、操作対象チームに所属するディフェンダー(DF)のうちの、操作対象チームが守備すべきゴール50に最も近いディフェンダーの位置に、ゴールライン44と平行に引かれた仮想的な線のことである。また、「ディフェンスラインを上げる」とは、操作対象チームに所属するディフェンダーの選手キャラクタ52達が、操作対象チームが守備すべきゴール50から離れることを意味している。例えば、「ディフェンスライン」パラメータも−5以上かつ+5以下の値をとる。「ディフェンスライン」パラメータの値が高いほど、ディフェンスラインの上がり具合が大きくなる。すなわち、操作対象チームが守備すべきゴール50から離れた位置で、操作対象チームに所属するディフェンダーの選手キャラクタ52達が守備を行うようになる。
【0042】
次に、戦術パラメータ画像64について詳しく説明する。図4は戦術パラメータ画像64の拡大図である。図4に示すように、戦術パラメータ画像64には、第1方向(横方向)に延伸する第1座標軸66と、第2方向(縦方向)に延伸する第2座標軸68と、が表されている。第1座標軸66と第2座標軸68とは直交しており、第1座標軸66と第2座標軸68とが直交する位置が各座標軸の中立位置である。第1座標軸66は「プレッシング」パラメータに対応し、第2座標軸68は「ディフェンスライン」パラメータに対応する。
【0043】
また、戦術パラメータ画像64上にカーソル画像70が表示されている。カーソル画像70は、正三角形の各頂点に円画像72が配置されてなる画像となっている。
【0044】
カーソル画像70は、「プレッシング」パラメータ及び「ディフェンスライン」パラメータの現在の設定内容を案内する役割を果たす。すなわち、カーソル画像70の中心点(重心点)74の、第1座標軸66に対応する座標値(以下「第1座標値」と記載する。)は、「プレッシング」パラメータの現在の値に対応する座標値に設定される。同様に、カーソル画像70の中心点74の、第2座標軸68に対応する座標値(以下「第2座標値」と記載する。)は、「ディフェンスライン」パラメータの現在の値に対応する座標値に設定される。
【0045】
なお、第1座標軸66は右方向が正方向であり、第1座標値が大きくなるほど、「プレッシング」パラメータの値は高くなる。このため、カーソル画像70が戦術パラメータ画像64内の右側に位置している場合とは、「プレッシング」パラメータの値が比較的高く設定されている場合である。また、カーソル画像70が戦術パラメータ画像64内の左側に位置している場合とは、「プレッシング」パラメータの値が比較的低く設定されている場合である。
【0046】
また、第2座標軸68は上方向が正方向であり、第2座標値が大きくなるほど、「ディフェンスライン」パラメータの値は高くなる。このため、カーソル画像70が戦術パラメータ画像64内の上側に位置している場合とは、「ディフェンスライン」パラメータの値が比較的高く設定されている場合である。また、カーソル画像70が戦術パラメータ画像64内の下側に位置している場合とは、「ディフェンスライン」パラメータの値が比較的低く設定されている場合である。
【0047】
以上のように、ゲーム装置10では、戦術パラメータ画像64及びカーソル画像70がゲーム画面60に表示されるため、ユーザは、操作対象に設定されている選手キャラクタ52を操作しながら、カーソル画像70の位置を参照することによって、「プレッシング」パラメータ及び「ディフェンスライン」パラメータの現在の設定内容を把握できるようになっている。
【0048】
また、カーソル画像70は、「プレッシング」パラメータ及び「ディフェンスライン」パラメータの設定内容をユーザが変更できるようにするための役割も果たす。
【0049】
カーソル画像70は、コントローラ30に備えられる第2操作部材(ここでは第2操作スティックとする。)を用いた方向指示操作に基づいて、戦術パラメータ画像64上を移動する。カーソル画像70が移動した場合、「プレッシング」パラメータは、移動後のカーソル画像70の中心点74の第1座標値に対応する値に更新され、「ディフェンスライン」パラメータは、移動後のカーソル画像70の中心点74の第2座標値に対応する値に更新される。
【0050】
このように、ゲーム装置10では、ユーザは、操作対象に設定されている選手キャラクタ52を第1操作スティックを用いて操作しながら、第2操作スティックを用いてカーソル画像70の位置を変更することによって、「プレッシング」パラメータ及び「ディフェンスライン」パラメータの値を変更できるようになっている。
【0051】
また、ゲーム装置10では、カーソル画像70の表示態様がカーソル画像70の位置に基づいて変化するようになっている。図5及び図6はカーソル画像70の表示態様の変化の一例について説明するための図である。図5及び図6に示すように、カーソル画像70(中心点74)の第1座標値が大きくなるのに伴って、円画像72間の距離が短くなり、カーソル画像70全体の大きさが小さくなる。
【0052】
上述したように、カーソル画像70の第1座標値が大きい場合には、「プレッシング」パラメータの値も高くなり、味方選手キャラクタが積極的にプレスディフェンスを行うようになる。この点、ゲーム装置10では、カーソル画像70の第1座標値が大きい場合、円画像72同士が接近するようになる。その結果、対戦相手チームに所属する選手キャラクタ54に近づいてプレッシャーを与えるプレスディフェンスを味方選手キャラクタが積極的に行うことをユーザが一見して把握できるようになっている。
【0053】
また、カーソル画像70の第1座標値が小さい場合には、「プレッシング」パラメータの値も低くなり、味方選手キャラクタがゾーンディフェンスを行うようになる。この点、ゲーム装置10では、カーソル画像70の第1座標値が小さい場合、円画像72同士が離れるようになる。その結果、対戦相手チームに所属する選手キャラクタ54とある程度距離をとって守備を行うゾーンディフェンスを味方選手キャラクタが行うことをユーザが一見して把握できるようになっている。
【0054】
さらに、ゲーム装置10では、カーソル画像70が移動可能な領域がゲームの現在の状況(戦況)に基づいて制限されるようになっている。図7〜図9は、カーソル画像70の移動可能領域の制限の例について説明するための図である。なお、図7〜図9において、符号76は、カーソル画像70の移動可能領域を示しており、符号78(斜線領域)は、カーソル画像70の移動不可能領域を示している。図7〜図9に示すように、移動可能領域76と移動不可能領域78とは区別して表示される。
【0055】
図7は、操作対象チームの体力パラメータの値が低くなった場合の戦術パラメータ画像64の一例を示している。なお、操作対象チームの体力パラメータとは、操作対象チームに所属し、かつ、試合に出場している選手キャラクタ52の残りの体力に関するパラメータである。例えば、操作対象チームの体力パラメータの値が高いほど、操作対象チームに所属し、かつ、試合に出場している選手キャラクタ52の体力が多く残っていることを示す。なお、体力パラメータの値に基づいて、選手キャラクタ52の動作能力(例えば移動速度や反応速度)は低下する。すなわち、体力パラメータの値が低い場合には、体力パラメータの値が高い場合に比べて、選手キャラクタ52の動作能力が低下する。
【0056】
図7に示すように、操作対象チームの体力パラメータの値が低くなった場合、第1座標値及び第2座標値がともに比較的大きい領域が移動不可能領域78として設定される。このため、「プレッシング」パラメータや「ディフェンスライン」パラメータの値を比較的高く設定できなくなる。その結果、体力の消耗が大きい「プレスディフェンスを積極的に行うこと」や「ディフェンスラインの上がり具合を大きくすること」が行えなくなる。
【0057】
なお、操作対象チームの体力パラメータの値が低くなったことによって移動可能領域76が狭くなった(すなわち、移動不可能領域78が広くなった)結果として、カーソル画像70の位置が移動不可能領域78内になってしまった場合、カーソル画像70は強制的に移動可能領域76内に移動する(後述の図15のS108参照)。
【0058】
また、図7に示す状態において、例えば、選手交代を行うことによって、残りの体力が多い選手キャラクタ52が試合に出場することになった場合、移動可能領域76及び移動不可能領域78の間の境界線が第1座標軸66及び第2座標軸68の正方向に移動する。その結果、「プレッシング」パラメータや「ディフェンスライン」パラメータの値を比較的高く設定できるようになる。
【0059】
図8は、操作対象チームが積極的に攻撃を行わなければならない状況における戦術パラメータ画像64の一例を示している。「操作対象チームが積極的に攻撃を行わなければならない状況」とは、例えば、試合の残り時間が少なく、かつ、操作対象チームの得点が対戦相手チームの得点よりも少ない状況である。
【0060】
図8に示すように、操作対象チームが積極的に攻撃を行わなければならない状況では、第2座標値が比較的小さい領域が移動不可能領域78として設定される。このため、「ディフェンスライン」パラメータの値を比較的低く設定できなくなり、比較的高く設定しなければならなくなる。すなわち、ディフェンスラインの上がり具合を比較的大きくしなければならなくなる。
【0061】
なお、操作対象チームが積極的に攻撃を行わなければならない状況になったことによって移動可能領域76が狭くなった(すなわち、移動不可能領域78が広くなった)結果として、カーソル画像70の位置が移動不可能領域78内になってしまった場合、カーソル画像70は強制的に移動可能領域76内に移動する(後述の図16のS112参照)。
【0062】
また、図8に示す状態において、例えば、操作対象チームが得点を入れたことによって、操作対象チームの得点と対戦相手チームの得点とが同じになった場合、移動可能領域76及び移動不可能領域78の間の境界線は第2座標軸68の負方向に移動する。その結果、「ディフェンスライン」パラメータの値を比較的低く設定できるようになる。
【0063】
図9は、最近の一定期間(例えば2分間)における操作対象チームのボール保持時間の割合が低い場合の戦術パラメータ画像64の一例を示している。なお、操作対象チームのボール保持時間とは、操作対象チームに所属する選手キャラクタ52がボール56を保持していた累計時間である。
【0064】
図9に示すように、最近の一定期間における操作対象チームのボール保持時間の割合が低い場合、第1座標値及び第2座標値の少なくとも一方が比較的小さい領域が移動不可能領域78として設定される。このため、「プレッシング」パラメータや「ディフェンスライン」パラメータの値を比較的低く設定できなくなり、比較的高く設定しなければならなくなる。すなわち、プレスディフェンスが比較的積極的に行われるようにするとともに、ディフェンスラインの上がり具合を比較的大きくしなければならなくなる。
【0065】
なお、最近の一定期間における操作対象チームのボール保持時間の割合が低くなったことによって移動可能領域76が狭くなった(すなわち、移動不可能領域78が広くなった)結果として、カーソル画像70の位置が移動不可能領域78内になってしまった場合、カーソル画像70は強制的に移動可能領域76内に移動する(後述の図16のS115参照)。
【0066】
また、図9に示す状態において、例えば、最近の一定期間における操作対象チームのボール保持時間の割合が高くなった場合、移動可能領域76及び移動不可能領域78の間の境界線は第1座標軸66及び第2座標軸68の負方向に移動する。その結果、「プレッシング」パラメータや「ディフェンスライン」パラメータの値を比較的低く設定できるようになる。
【0067】
以上のように、ゲーム装置10では、ゲームの現在の状況(戦況)の変化に応じて、カーソル画像70の移動可能領域76及び移動不可能領域78が変化するようになっており、ゲーム装置10では、ユーザがゲームの現在の状況を考慮しつつ「プレッシング」パラメータや「ディフェンスライン」パラメータの値を設定しなければならないようなユーザインタフェースが実現されている。
【0068】
さらに、ゲーム装置10では、カーソル画像70の移動可能領域76が操作対象チーム(言い換えれば、操作対象チームに所属する選手キャラクタ52)の能力に基づいて制限されるようになっている。図10は、カーソル画像70の移動可能領域76の制限の一例について説明するための図である。
【0069】
図10は、操作対象チームの連携度が比較的低い場合における戦術パラメータ画像64の一例を示している。なお、操作対象チームの連携度とは、操作対象チームに所属し、かつ、試合に出場している選手キャラクタ52達が連携動作(連携プレー)をどの程度円滑に行うことができるか否かを示す。
【0070】
図10に示すように、操作対象チームの連携度が比較的低い場合、第2座標値が比較的大きい領域が移動不可能領域78として設定される。このため、「ディフェンスライン」パラメータの値を高く設定できなくなる。その結果、ディフェンスラインの上がり具合を比較的大きくすることができなくなる。
【0071】
なお、図10に示す状態において、例えば、選手交代が行われ、試合に出場する選手キャラクタ52が変わったことによって、操作対象チームの連携度が高くなった場合、移動可能領域76及び移動不可能領域78の間の境界線が第2座標軸68の正方向に移動する。その結果、「ディフェンスライン」パラメータの値を高く設定できるようになる。
【0072】
以上のように、ゲーム装置10では、操作対象チームの能力(連携度)に応じて、カーソル画像70の移動可能領域76及び移動不可能領域78が変化するようになっており、ゲーム装置10では、ユーザが操作対象チームの能力(連携度)を考慮しつつ「プレッシング」パラメータや「ディフェンスライン」パラメータの値を設定しなければならないようなユーザインタフェースが実現されている。
【0073】
図11は、ゲーム装置10で実現される機能を示す機能ブロック図である。図11に示すように、ゲーム装置10は、ゲームデータ記憶部80、ゲーム状況データ更新部86、表示制御部88、座標値取得部90、制限部92、及びパラメータ更新部94を機能的に含む。ゲームデータ記憶部80は例えば主記憶16及び光ディスク36によって実現され、その他の機能ブロックはマイクロプロセッサ14が光ディスク36から読み出されたプログラムを実行することによって実現される。
【0074】
ゲームデータ記憶部80はサッカーゲームを実現するために必要なデータを記憶する。ゲームデータ記憶部80はゲーム状況データ記憶部82及びパラメータ記憶部84を含んでいる。
【0075】
ゲーム状況データ記憶部82は、サッカーゲームの現在の状況を示すゲーム状況データを記憶する。例えば、下記に示すようなデータがゲーム状況データに含まれる。
(1)操作対象チーム及び対戦相手チームに所属する各選手キャラクタの現在の状態を示すデータ
(2)ボール56の現在の状態(位置、移動方向及び移動速度等)を示すデータ
(3)仮想カメラ58の現在の状態(位置及び視線方向等)を示すデータ
(4)両チームの得点を示すデータ
(5)経過時間を示すデータ
【0076】
図12は、操作対象チーム及び対戦相手チームに所属する各選手キャラクタの現在の状態を示すデータ(以下「選手状態データ」と記載する。)の一例を示している。図12に示す選手状態データは、「選手ID」、「出場フラグ」、「位置」、「姿勢」、「操作対象フラグ」、「ボール保持フラグ」、及び「体力」フィールド等を含んでいる。
【0077】
「選手ID」フィールドは、操作対象チーム及び対戦相手チームに所属する各選手キャラクタを一意に識別する情報を示す。図12において、「P101」〜「P118」は操作対象チームに所属する選手キャラクタの選手IDであり、「P201」〜「P218」は対戦相手チームに所属する選手キャラクタの選手IDである。
【0078】
「出場フラグ」フィールドには0,1,2の値のいずれかが記憶される。値「0」は選手キャラクタがまだ試合に出場していないことを示す。値「1」は選手キャラクタが試合に出場中であることを示す。値「2」は選手キャラクタが試合に出場していたが、他の選手キャラクタと交代し、現在は試合に出場していないことを示す。
【0079】
「位置」フィールドは選手キャラクタ52,54の現在の位置を示し、「姿勢」フィールドは選手キャラクタ52,54の現在の姿勢を示す。
【0080】
「操作対象フラグ」フィールドは、選手キャラクタ52がユーザの操作対象に設定されているか否かを示し、0又は1の値をとる。値「0」は、現在、選手キャラクタ52がユーザの操作対象に設定されていないことを示し、値「1」は、現在、選手キャラクタ52がユーザの操作対象に設定されていることを示す。
【0081】
「ボール保持フラグ」フィールドは、選手キャラクタ52,54がボール56を保持しているか否かを示し、0又は1の値をとる。値「0」は、現在、選手キャラクタ52,54がボール56を保持していないことを示し、値「1」は、現在、選手キャラクタ52,54がボール56を保持していることを示す。
【0082】
「体力」フィールドには体力パラメータが記憶される。体力パラメータは選手キャラクタの残りの体力を示す。例えば、体力パラメータは0〜100の数値をとり、体力パラメータの値が高いほど、選手キャラクタの残りの体力が多いことを示す。例えば、体力パラメータの初期値は100に設定される。そして、試合に出場している選手キャラクタ52,54が行動するごとに、その行動内容に基づいて、その選手キャラクタ52,54の体力パラメータの値が減少される。または、試合に出場している選手キャラクタ52,54の体力パラメータの値は、所定時間(例えば1/60秒)ごとに減少される。なお、体力パラメータの値が低くなると、選手キャラクタ52,54の動作能力(例えば移動速度や反応速度)が低下する。
【0083】
なお、体力パラメータの代わりに、選手キャラクタの疲労度を示す疲労度パラメータが記憶されるようにしてもよい。疲労度パラメータの値は、時間経過又は/及び選手キャラクタ52,54の行動に基づいて増加する。この場合、疲労度パラメータの値が高くなると、選手キャラクタ52,54の動作能力(例えば移動速度や反応速度)が低下する。
【0084】
パラメータ記憶部84は、操作対象チーム及び対戦相手チームに所属する各選手キャラクタの各種能力パラメータを記憶する。図13は選手能力パラメータデータの一例を示している。図13に示す選手能力パラメータデータには、各選手キャラクタの連携度パラメータの値が保持されている。連携度パラメータは、他の選手キャラクタとの連携動作(連携プレー)をどの程度円滑に行うことができるか否かを示す。例えば、連携度パラメータは0〜100の数値をとり、連携度パラメータの値が高いほど、他の選手キャラクタとの連携動作(連携プレー)を円滑に行うことができることを示す。
【0085】
また、パラメータ記憶部84は、操作対象チームの戦術に関する戦術パラメータを記憶する。図14は戦術パラメータデータの一例を示している。図14に示す戦術パラメータデータには、上述の「プレッシング」パラメータ及び「ディフェンスライン」パラメータの現在の値が保持されている。
【0086】
ゲーム状況データ更新部86はゲーム状況データを更新する。ゲーム状況データ更新部86の動作の詳細については後述する(図16のS117参照)。
【0087】
表示制御部88はゲーム画面60をモニタ32に表示する。上述したように、ゲーム画面60には、ゲーム空間40を仮想カメラ58から見た様子が表される。ゲーム画面60には、例えば、「プレッシング」パラメータ及び「ディフェンスライン」パラメータの値に基づいて味方選手キャラクタが行動する様子が表される。また、ゲーム画面60には戦術パラメータ画像64やカーソル画像70が表示される。
【0088】
また、表示制御部88は、カーソル画像70の表示態様をカーソル画像70(中心点74)の第1座標値及び第2座標値の少なくとも一方に基づいて変化させる。「カーソル画像70の表示態様」とは、例えば、カーソル画像70の大きさである。本実施形態の場合、表示制御部88は、円画像72間の距離をカーソル画像70(中心点74)の第1座標値に基づいて変化させる(図4〜図6参照)。
【0089】
なお、「カーソル画像70の表示態様」とはカーソル画像70の大きさに限られない。例えば、カーソル画像70が回転するようになっている場合、表示制御部88は、カーソル画像70の回転速度をカーソル画像70の第1座標値及び第2座標値の少なくとも一方に基づいて変化させるようにしてもよい。このようにして、味方選手キャラクタがプレスディフェンスをどの程度積極的に行うのかをユーザがカーソル画像70の回転速度から一見して把握できるようにしてもよい。
【0090】
座標値取得部90は、ユーザによって行われた方向指示操作又は位置指示操作に応じた、第1座標軸66に対応する第1座標値と、第2座標軸68に対応する第2座標値と、を取得する。
【0091】
例えば、座標値取得部90は、方向指示操に基づいて、戦術パラメータ画像64内に設定される基準位置の第1座標値及び第2座標値を変更する。本実施形態の場合、カーソル画像70の中心点74が「基準位置」に相当し、カーソル画像70は「基準位置」を案内する案内画像に相当している。そして、座標値取得部90は、カーソル画像70の中心点74の第1座標値及び第2座標値を取得する。
【0092】
制限部92は、座標値取得部90が取得することが可能な第1座標値又は/及び第2座標値の範囲を制限する。
【0093】
本実施形態の場合、制限部92は、カーソル画像70の移動可能領域76(移動不可能領域78)をゲームの現在の状況(ゲーム状況データ)に基づいて制御する。例えば、制限部92は、操作対象チームに所属し、かつ、試合に出場している選手キャラクタ52達の現在の状態(例えば体力パラメータ)に基づいて、カーソル画像70の移動可能領域76を制御する(図7参照)。また例えば、制限部92は、操作対象チーム及び/又は対戦相手チームの得点に基づいて、カーソル画像70の移動可能領域76を制御する(図8参照)。さらに例えば、制限部92は、操作対象チームに所属する選手キャラクタ52のボール保持状況に基づいて、カーソル画像70の移動可能領域76を制御する(図9参照)。制限部92のこれらの動作の詳細については後述する(図15のS106〜図16のS115参照)。
【0094】
また、制限部92は、操作対象チームに所属し、かつ、試合に出場している選手キャラクタ52の能力に基づいて、カーソル画像70の移動可能領域76を制御する(図10参照)。制限部92のこの動作の詳細についても後述する(図15のS103〜S105参照)。
【0095】
パラメータ更新部94は、座標値取得部90によって取得された第1座標値及び第2座標値に基づいて、「プレッシング」パラメータ及び「ディフェンスライン」パラメータを更新する。第1座標軸66に対応づけられた「プレッシング」パラメータは第1座標値に基づいて更新され、第2座標軸68に対応づけられた「ディフェンスライン」パラメータは第2座標値に基づいて更新される。
【0096】
次に、ゲーム装置10が実行する処理について説明する。図15及び図16はゲーム装置10が所定時間(例えば1/60秒)ごとに実行する処理を示すフロー図である。マイクロプロセッサ14は光ディスク36から読み出されたプログラムに従って、図15及び図16に示す処理を実行する。図15及び図16に示す処理が実行されることによって、ゲーム状況データ更新部86、表示制御部88、座標値取得部90、制限部92、及びパラメータ更新部94が実現される。
【0097】
図15に示すように、マイクロプロセッサ14(座標値取得部90)は、カーソル画像70の移動を指示する操作が行われているか否かを判定する(S101)。具体的には、第2操作スティックが傾倒されているか否かが判定される。
【0098】
カーソル画像70の移動を指示する操作が行われている場合、マイクロプロセッサ14(座標値取得部90)は、該操作内容に基づいて、カーソル画像70(中心点74)の位置(x,y)を更新する(S102)。なお、「x」は第1座標値であり、「y」は第2座標値である。ステップS102では、カーソル画像70の位置(x,y)が、第2操作スティックの傾倒方向に対応する方向に所定距離移動した位置に更新される。カーソル画像70の位置(x,y)は主記憶16に保持される。
【0099】
ステップS102の処理が実行された場合、又は、ステップS101において、カーソル画像70の移動を指示する操作が行われていないと判定された場合、マイクロプロセッサ14(制限部92)は操作対象チームの連携度パラメータの値を取得する(S103)。このステップS103では、操作対象チームに所属し、かつ、試合に出場している選手キャラクタ52達の連携度パラメータが選手能力パラメータデータ(図13参照)から読み出される。そして、それらの連携度パラメータの統計値(ここでは平均値)が操作対象チームの連携度パラメータとして取得される。
【0100】
その後、マイクロプロセッサ14(制限部92)は、ステップS103で取得された連携度パラメータの値に対応するカーソル画像70の移動可能領域76を取得する(S104)。
【0101】
ステップS104では、例えば図17に示すような移動可能領域データが読み出される。図17に示す移動可能領域データは、連携度パラメータの値に関する条件と、カーソル画像70の移動可能領域76に関する情報と、を対応づけてなるデータである。図17では、カーソル画像70の移動可能領域76に関する情報として、第1座標値の上限(Xmax)及び下限(Xmin)と、第2座標値の上限(Ymax)及び下限(Ymin)とが保持されている。
【0102】
そして、ステップS104では、図17に示す移動可能領域データに基づいて、ステップS103で取得された連携度パラメータの値に対応する第1座標値の上限(Xmax)及び下限(Xmin)と、ステップS103で取得された連携度パラメータの値に対応する第2座標値の上限(Ymax)及び下限(Ymin)と、が取得される。
【0103】
ステップS104の処理が実行された後、マイクロプロセッサ14(制限部92)は、カーソル画像70の位置(x,y)の修正処理を実行する(S105)。ステップS105では、カーソル画像70の位置(x,y)が、ステップS104で取得された移動可能領域76内であるか否かが判定される。そして、カーソル画像70の位置(x,y)が移動可能領域76内でない場合には、カーソル画像70の位置(x,y)が移動可能領域76内の位置に修正される。
【0104】
具体的には、カーソル画像70の第1座標値(x)が、ステップS104で取得された上限(Xmax)よりも大きい場合、第1座標値(x)が上限(Xmax)に更新される。また、カーソル画像70の第1座標値(x)が、ステップS104で取得された下限(Xmin)よりも小さい場合、第1座標値(x)が下限(Xmin)に更新される。
【0105】
同様に、カーソル画像70の第2座標値(y)が、ステップS104で取得された上限(Ymax)より大きい場合、第2座標値(y)が上限(Ymax)に更新される。また、カーソル画像70の第2座標値(y)が、ステップS104で取得された下限(Ymin)よりも小さい場合、第2座標値(y)が下限(Ymin)に更新される。
【0106】
ステップS105の処理が実行された後、マイクロプロセッサ14(制限部92)は、操作対象チームの体力パラメータの値を取得する(S106)。ステップS106では、操作対象チームに所属し、かつ、試合に出場している選手キャラクタ52達の体力パラメータが選手状態データ(図12参照)から読み出される。そして、それらの体力パラメータの統計値(ここでは平均値)が操作対象チームの体力パラメータとして取得される。
【0107】
その後、マイクロプロセッサ14(制限部92)は、ステップS106で取得された体力パラメータの値に対応するカーソル画像70の移動可能領域76を取得する(S107)。
【0108】
ステップS107では、例えば図18に示すような移動可能領域データが読み出される。図18に示す移動可能領域データは、体力パラメータの値に関する条件と、カーソル画像70の移動可能領域76に関する情報と、を対応づけてなるデータである。ステップS107では、図18に示す移動可能領域データに基づいて、ステップS106で取得された体力パラメータの値に対応する第1座標値の上限(Xmax)及び下限(Xmin)と、ステップS106で取得された体力パラメータの値に対応する第2座標値の上限(Ymax)及び下限(Ymin)と、が取得される。
【0109】
ステップS107の処理が実行された後、マイクロプロセッサ14(制限部92)は、カーソル画像70の位置(x,y)の修正処理を実行する(S108)。ステップS108では、カーソル画像70の位置(x,y)が、ステップS107で取得された移動可能領域76内であるか否かが判定される。そして、カーソル画像70の位置(x,y)が移動可能領域76内でない場合、カーソル画像70の位置(x,y)が移動可能領域76内の位置に修正される。この処理はステップS105と同様に実行される。
【0110】
ステップS108の処理が実行された後、マイクロプロセッサ14(制限部92)は、試合の残り時間が基準時間未満であるか否かを判定する(S109)。試合の残り時間が基準時間未満である場合、マイクロプロセッサ14(制限部92)は、操作対象チームと対戦相手チームとの得点差を取得する(S110)。
【0111】
その後、マイクロプロセッサ14(制限部92)は、ステップS110で取得された得点差に対応するカーソル画像70の移動可能領域76を取得する(S111)。
【0112】
ステップS111では、例えば図19に示すような移動可能領域データが読み出される。図19に示す移動可能領域データは、得点差に関する条件と、カーソル画像70の移動可能領域76に関する情報と、を対応づけてなるデータである。なお、図19における得点差(S)とは、操作対象チームの得点から対戦相手チームの得点を引くことによって得られる値である。ステップS111では、図19に示す移動可能領域データに基づいて、ステップS110で取得された得点差に対応する第1座標値の上限(Xmax)及び下限(Xmin)と、ステップS110で取得された得点差に対応する第2座標値の上限(Ymax)及び下限(Ymin)と、が取得される。
【0113】
ステップS111の処理が実行された後、マイクロプロセッサ14(制限部92)は、カーソル画像70の位置(x,y)の修正処理を実行する(S112)。ステップS112では、カーソル画像70の位置(x,y)が、ステップS111で取得された移動可能領域76内であるか否かが判定される。そして、カーソル画像70の位置(x,y)が移動可能領域76内でない場合、カーソル画像70の位置(x,y)が移動可能領域76内の位置に修正される。この処理はステップS105と同様に実行される。
【0114】
ステップS112の処理が実行された後、マイクロプロセッサ14(制限部92)は、最近の一定期間における操作対象チームのボール保持時間の割合を取得する(S113)。ステップS113では、一定時間(Tc)前から現在までの間における操作対象チームのボール保持時間(T)が取得され、T/Tcが算出される。
【0115】
その後、マイクロプロセッサ14(制限部92)は、ステップS113で取得された割合に対応するカーソル画像70の移動可能領域76を取得する(S114)。
【0116】
ステップS114では、例えば図20に示すような移動可能領域データが読み出される。図20に示す移動可能領域データは、割合に関する条件と、カーソル画像70の移動可能領域76に関する情報と、を対応づけてなるデータである。そして、ステップS114では、図20に示す移動可能領域データに基づいて、ステップS113で取得された割合に対応する第1座標値の上限(Xmax)及び下限(Xmin)と、ステップS113で取得された割合に対応する第2座標値の上限(Ymax)及び下限(Ymin)と、が取得される。
【0117】
ステップS114の処理が実行された後、マイクロプロセッサ14(制限部92)は、カーソル画像70の位置(x,y)の修正処理を実行する(S115)。ステップS115では、カーソル画像70の位置(x,y)が、ステップS114で取得された移動可能領域76内であるか否かが判定される。そして、カーソル画像70の位置(x,y)が移動可能領域76内でない場合、カーソル画像70の位置(x,y)が移動可能領域76内の位置に修正される。この処理はステップS105と同様に実行される。
【0118】
ステップS115の処理が実行された後、マイクロプロセッサ14(パラメータ更新部94)は、カーソル画像70の位置(x,y)に基づいて、「プレッシング」パラメータ及び「ディフェンスライン」パラメータを更新する(S116)。ステップS116では、「プレッシング」パラメータの値が、カーソル画像70の第1座標値(x)に基づく値に更新される。また、「ディフェンスライン」パラメータの値が、カーソル画像70の第2座標値(y)に基づく値に更新される。
【0119】
その後、マイクロプロセッサ14(ゲーム状況データ更新部86)はゲーム状況データを更新する(S117)。ステップS117では、例えば、ユーザの操作対象に設定されている選手キャラクタ52の状態(位置や姿勢等)がユーザの操作(例えば、第1操作スティックの操作状態)に基づいて更新される。また例えば、味方選手キャラクタの状態が、行動制御アルゴリズムと、戦術パラメータと、に基づいて更新される。すなわち、味方選手キャラクタが戦術パラメータに基づいて行動するように、味方選手キャラクタの状態が更新される。
【0120】
また、ステップS117では、対戦相手チームに所属する選手キャラクタ54の状態が行動制御アルゴリズムに基づいて更新される。また例えば、ボール56や仮想カメラ58の状態も更新される。その他、経過時間や両チームの得点状況が更新されたり、ユーザの指示に従って選手交代が実行されたりする。
【0121】
その後、マイクロプロセッサ14(表示制御部88)はゲーム画面60を更新する(S118)。ステップS118では、まず、仮想カメラ58からゲーム空間40を見た様子を表す視野画像が、ゲーム状況データに基づいてVRAM上に形成される。その後、得点や経過時間を表す画像が視野画像の所定位置に描画される。
【0122】
また、戦術パラメータ画像64が視野画像の所定位置に描画される。さらに、カーソル画像70の位置(x,y)に基づいてカーソル画像70が描画される。なお、光ディスク36には、円画像72間の距離が異なる複数種類のカーソル画像70があらかじめ記憶されている。また、それらの複数種類のカーソル画像70に対応づけて、カーソル画像70の位置(x,y)に関する条件が対応づけてられている。この光ディスク36の記憶内容に基づいて、カーソル画像70の現在の位置(x,y)に対応するカーソル画像70が光ディスク36から読み出され、該カーソル画像70が描画される。
【0123】
なお、光ディスク36には、カーソル画像70の位置(x,y)に関する条件と、カーソル画像70の表示態様(ここでは円画像72間の距離)に関する表示態様情報と、を対応づけてなるデータが記憶されるようにしてもよい。そして、このデータに基づいて、カーソル画像70の現在の位置(x,y)に対応する表示態様情報が取得され、該表示態様情報に基づいて、カーソル画像70の表示態様が設定されるようにしてもよい。
【0124】
以上のようにして、例えば図3に示すようなゲーム画面60がVRAM上に形成される。VRAM上に形成されたゲーム画面60はモニタ32に表示される。
【0125】
以上説明したゲーム装置10では、戦術パラメータ画像64がゲーム画面60に表示される。戦術パラメータ画像64によれば、ユーザは、操作対象に設定されている選手キャラクタ52を第1操作スティックを用いて操作しながら、第2操作スティックを傾倒する操作(すなわち、一の方向指示操作)によって二つの戦術パラメータ(「プレッシング」パラメータ及び「ディフェンスライン」パラメータ)を設定することが可能である。このように、ゲーム装置10によれば、ユーザがゲームをプレイしながら、二つの戦術パラメータ(「プレッシング」パラメータ及び「ディフェンスライン」パラメータ)を比較的簡易に設定できるようなユーザインタフェースを実現できるようになる。
【0126】
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではない。
【0127】
(1)例えば、戦術パラメータは「プレスディフェンス」パラメータ及び「ディフェンスライン」パラメータに限られない。戦術パラメータの他の例としては、例えば、攻撃をどの程度積極的に行うのかを示す「攻撃意識」パラメータや、守備をどの程度重視するのかを示す「守備意識」パラメータ等が挙げられる。
【0128】
(2)上述したように、ゲームの現在の状況の変化等に応じて移動可能領域76が狭くなった(すなわち、移動不可能領域78が広くなった)結果として、カーソル画像70の位置が移動不可能領域78内になってしまった場合、カーソル画像70は強制的に移動可能領域76内に移動する(図15のS105,S108、図16のS112,S115参照)。この場合、カーソル画像70の元の位置(強制的に移動される前の位置)が主記憶16に記憶されるようにしてもよい。そして、戦術パラメータ画像64には、カーソル画像70の元の位置を案内する画像が表示されるようにしてもよい。
【0129】
さらに、移動可能領域76内へのカーソル画像70の強制的移動が実行された後、ゲームの現在の状況の変化等に応じて移動可能領域76が広くなった場合、カーソル画像70を、カーソル画像70の元の位置(強制的に移動される前の位置)に基づいて移動させるようにしてもよい。例えば、カーソル画像70を、カーソル画像70の元の位置(強制的に移動される前の位置)に近づくように自動的に移動させるようにしてもよい。
【0130】
(3)また例えば、第1座標軸66又は/及び第2座標軸68に対応づける戦術パラメータの種類を設定する座標軸設定部をゲーム装置10は含むようにしてもよい。図21は、この場合のゲーム装置10の機能ブロック図を示す。図21に示す機能ブロック図は、座標軸データ記憶部96及び座標軸設定部98が存在する点で図11に示す機能ブロック図と異なっているので、以下では、主にこれら座標軸データ記憶部96及び座標軸設定部98の機能について説明する。
【0131】
座標軸データ記憶部96は、第1座標軸66及び第2座標軸68と、戦術パラメータの種類と、の対応関係を示す座標軸データを記憶する。図22は座標軸データの一例を示している。
【0132】
座標軸設定部98は、第1座標軸66に対応づける戦術パラメータの種類と、第2座標軸68に対応づける戦術パラメータの種類と、の少なくとも一方を、ユーザによって行われた選択操作に基づいて、複数の戦術パラメータのうちから選択する。例えば、座標軸設定部98は、第1座標軸66及び第2座標軸68に対応づける戦術パラメータの種類を複数の戦術パラメータのうちから選択するようにユーザに案内する画面をモニタ32に表示する。そして、座標軸設定部98は座標軸データ(図22参照)をユーザの選択内容に基づいて更新する。
【0133】
このようにすれば、戦術パラメータ画像64を介して設定することが可能な戦術パラメータをユーザが選択できるようにすることが可能になる。
【0134】
または、座標軸設定部98は、第1座標軸66に対応づける戦術パラメータの種類と、第2座標軸68に対応づける戦術パラメータの種類と、の少なくとも一方を、ゲームの現在の状況に基づいて、複数の戦術パラメータのうちから選択するようにしてもよい。
【0135】
この場合、例えば、ゲームの状況に関するゲーム状況条件が各戦術パラメータに対応づけて記憶される。そして、例えば、「攻撃意識」パラメータが第1座標軸66及び第2座標軸68のいずれにも対応づけられていない場合、座標軸設定部98は、「攻撃意識」パラメータに対応づけて記憶られるゲーム状況条件を、ゲームの現在の状況が満足するか否かを判定する。そして、ゲームの現在の状況がゲーム状況条件を満足する場合、座標軸設定部98は、「攻撃意識」パラメータを第1座標軸66及び第2座標軸68のいずれか一方に対応づける。
【0136】
このようにすれば、戦術パラメータ画像64を介して設定することが可能な戦術パラメータをゲームの現在の状況に合わせて変えることが可能になる。
【0137】
なお、座標軸設定部98は、第1座標軸66に対応づける戦術パラメータの種類と、第2座標軸68に対応づける戦術パラメータの種類と、の少なくとも一方を、仮想カメラ58の現在の状態(例えば視線方向58a)に基づいて設定するようにしてもよい。
【0138】
例えば、座標軸設定部98は、仮想カメラ58の視線方向58aと、タッチライン46の延伸方向と、の関係に基づいて、「ディフェンスライン」パラメータを第1座標軸66及び第2座標軸68のいずれか一方に対応づけるかを決定するようにしてもよい。
【0139】
具体的には、仮想カメラ58の視線方向58aがタッチライン46の延伸方向(図2に示すXw軸方向)と略直交する場合、座標軸設定部98は「ディフェンスライン」パラメータを第1座標軸66(横軸)に対応づける。仮想カメラ58の視線方向58aがタッチライン46の延伸方向と略直交する場合、タッチライン46の延伸方向は、ゲーム画面74における横方向と略一致する。また、「ディフェンスライン」パラメータに関連する方向、すなわち、ディフェンスラインの上げ/下げ方向は、タッチライン46の延伸方向と等しい。この点、上記のようにすれば、ディフェンスラインの上げ/下げ方向と、「ディフェンスライン」パラメータに対応する座標軸方向と、がともに横方向で略一致するため、ユーザによる「ディフェンスライン」パラメータの設定が容易になる。
【0140】
同様に、仮想カメラ58の視線方向58aがタッチライン46の延伸方向と略一致する場合、座標軸設定部98は「ディフェンスライン」パラメータを第2座標軸68(縦軸)に対応づける。仮想カメラ58の視線方向58aがタッチライン46の延伸方向と略一致する場合、タッチライン46の延伸方向はゲーム画面60における縦方向と略一致する。この点、上記のようにすれば、ディフェンスラインの上げ/下げ方向と、「ディフェンスライン」パラメータに対応する座標軸方向と、がともに縦方向で略一致するため、ユーザによる「ディフェンスライン」パラメータの設定が容易になる。
【0141】
(4)また例えば、表示制御部88は、操作対象チームに所属する選手キャラクタのうちの、所定条件を満足する選手キャラクタが試合に出場中であるか否かを判定するようにしてもよい。そして、表示制御部88は、その判定結果に基づいて、戦術パラメータ画像64の表示を制限するようにしてもよい。
【0142】
ここで、「所定条件を満足する選手キャラクタ」とは、例えば、所定の能力を有する選手キャラクタである。または、「所定条件を満足する選手キャラクタ」とは、例えば、所定の能力パラメータ(例えば、戦術の理解度を示すパラメータ)の値が所定の値範囲内であるような選手キャラクタである。
【0143】
具体的には、表示制御部88は、上記の所定条件を満足するいずれかの選手キャラクタが試合に出場中である場合に戦術パラメータ画像64を表示し、上記の所定条件を満足する選手キャラクタがいずれも試合に出場中でない場合に戦術パラメータ画像64を表示しない。このようにすれば、例えば、操作対象チームに所属する選手キャラクタのうちの、戦術の理解度の高い選手キャラクタが試合に出場している場合に限って、戦術パラメータ画像64が表示されるようにすることが可能になる。
【0144】
(5)また例えば、制限部92は、操作対象チームに所属する選手キャラクタのうちの、所定条件を満足する選手キャラクタが試合に出場中であるか否かを判定するようにしてもよい。そして、制限部92は、その判定結果に基づいて、カーソル画像70の移動可能領域76(移動不可能領域78)を制御するようにしてもよい。
【0145】
ここで、「所定条件を満足する選手キャラクタ」とは、例えば、所定の能力を有する選手キャラクタである。または、「所定条件を満足する選手キャラクタ」とは、例えば、所定の能力パラメータ(例えば、戦術の理解度を示すパラメータ)が所定の値範囲内である選手キャラクタである。
【0146】
例えば、上記の所定条件を満足するいずれかの選手キャラクタが試合に出場中である場合には、上記の所定条件を満足する選手キャラクタがいずれも試合に出場中でない場合に比べて、カーソル画像70の移動可能領域76を広くする。このようにすれば、例えば、戦術の理解度の高い選手キャラクタが試合に出場中である場合には、戦術の理解度の高い選手キャラクタがいずれも試合に出場中でない場合に比べて、カーソル画像70の移動可能領域76が広くなるようにすることが可能になる。
【0147】
(6)また例えば、カーソル画像70の中心点74(基準位置)は常に戦術パラメータ画像64内の所定位置(例えば中心位置)に固定されるようし、座標値取得部90は、第1座標軸66及び第2座標軸68を方向指示操作(第2操作スティックの操作)に基づいて移動させるようにしてもよい。そして、座標値取得部90は、カーソル画像70の中心点74の第1座標値及び第2座標値を取得するようにしてもよい。
【0148】
このようにしても、カーソル画像70(中心点74)の第1座標値及び第2座標値が方向指示操作に基づいて変化するようになり、ユーザが方向指示操作を行うことによって、カーソル画像70(中心点74)の第1座標値及び第2座標値が変化するようになる。その結果、ユーザが方向指示操作を行うことによって「プレッシング」パラメータ及び「ディフェンスライン」パラメータを設定できるようにすることが可能になる。
【0149】
(7)また例えば、ユーザが押圧した位置に応じた位置情報を出力するタッチパネルを備えるゲーム装置では、座標値取得部90は、該位置情報が示す位置(言い換えれば、ユーザが押圧した位置)が戦術パラメータ画像64内に含まれる場合、該位置情報が示す位置の第1座標値及び第2座標値を取得するようにしてもよい。このようにして、ユーザが押圧操作(位置指示操作)によって「プレッシング」パラメータ及び「ディフェンスライン」パラメータを設定できるようにしてもよい。
【0150】
(8)また例えば、ゲーム空間は、選手キャラクタやボールの位置等が2つの座標要素で管理されるような2次元ゲーム空間であってもよい。
【0151】
(9)また例えば、本発明は、サッカーゲーム以外のスポーツゲーム(例えばバスケットボールゲーム、アイスホッケーゲーム、又は野球ゲーム等)にも適用することができる。また、本発明は、スポーツゲーム以外のゲームにも適用することができる。
【符号の説明】
【0152】
10 ゲーム装置、11 家庭用ゲーム機、12 バス、14 マイクロプロセッサ、16 主記憶、18 画像処理部、20 入出力処理部、22 音声処理部、24 光ディスク読み取り部、26 ハードディスク、28 通信インタフェース、30 コントローラ、32 モニタ、34 スピーカ、36 光ディスク、40 ゲーム空間、42 フィールド、44 ゴールライン、46 タッチライン、48 ハーフウエーライン、50 ゴール、52,52a,52b,54,54a,54b 選手キャラクタ、56 ボール、58 仮想カメラ、58a 視線方向、60 ゲーム画面、62 マーク画像、64 戦術パラメータ画像、66 第1座標軸、68 第2座標軸、70 カーソル画像、72 円画像、74 中心点、76 移動可能領域、78 移動不可能領域、80 ゲームデータ記憶部、82 ゲーム状況データ記憶部、84 パラメータ記憶部、86 ゲーム状況データ更新部、88 表示制御部、90 座標値取得部、92 制限部、94 パラメータ更新部、96 座標軸データ記憶部、98 座標軸設定部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームキャラクタの行動制御の基礎とされる第1パラメータ及び第2パラメータを記憶するパラメータ記憶手段と、
前記ゲームキャラクタが前記第1パラメータ及び前記第2パラメータに基づいて行動する様子が表されるゲーム画面に、前記第1パラメータに対応する第1座標軸と、前記第2パラメータに対応する第2座標軸と、が設定された画像を表示する表示制御手段と、
方向指示操作又は位置指示操作に応じた、前記第1座標軸に対応する第1座標値と、前記第2座標軸に対応する第2座標値と、を取得する座標値取得手段と、
前記第1座標値及び前記第2座標値に基づいて、前記第1パラメータ及び前記第2パラメータを更新するパラメータ更新手段と、
を含むことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム装置において、
前記座標値取得手段によって取得され得る前記第1座標値又は/及び前記第2座標値の範囲を、ゲームの現在の状況に基づいて制限する手段を含むことを特徴するゲーム装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のゲーム装置において、
前記座標値取得手段は、
前記画像内に設定される基準位置の前記第1座標値及び前記第2座標値を方向指示操作に基づいて変更する手段を含み、
前記基準位置の前記第1座標値及び前記第2座標値を取得する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
請求項3に記載のゲーム装置において、
前記表示制御手段は、
前記基準位置を案内する案内画像を前記基準位置に基づく位置に表示する手段と、
前記案内画像の表示態様を前記基準位置の前記第1座標値及び前記第2座標位置の少なくとも一方に基づいて変化させる手段と、を含む、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項5】
請求項4に記載のゲーム装置において、
前記案内画像は複数の要素画像を含み、
前記表示制御手段は、前記複数の要素画像間の距離を、前記基準位置の前記第1座標値及び前記第2座標値の少なくとも一方に基づいて変化させる手段を含む、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項6】
請求項1又は2に記載のゲーム装置において、
押圧操作に応じた位置情報を出力するタッチパネルを含み、
前記座標値取得手段は、前記タッチパネルから出力される前記位置情報が示す位置が前記画像内に含まれる場合、該位置情報が示す位置の前記第1座標値及び前記2座標値を取得する手段を含む、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載のゲーム装置において、
前記第1座標軸に対応づける前記第1パラメータと、前記第2座標軸に対応づける前記第2パラメータと、の少なくとも一方を、選択操作に基づいて、複数のパラメータのうちから選択する座標軸設定手段を含むことを特徴とするゲーム装置。
【請求項8】
請求項1乃至6のいずれかに記載のゲーム装置において、
前記第1座標軸に対応づける前記第1パラメータと、前記第2座標軸に対応づける前記第2パラメータと、の少なくとも一方を、ゲームの現在の状況に基づいて、複数のパラメータのうちから選択する座標軸設定手段を含むことを特徴とするゲーム装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかに記載のゲーム装置において、
ユーザが操作する操作対象チームと、対戦相手チームと、の間のスポーツの試合を模したゲームが実行され、
前記操作対象チームに所属する選手キャラクタのうちの少なくとも一部の選手キャラクタの行動は、前記第1パラメータ及び前記第2パラメータに基づいて制御され、
前記表示制御手段は、
前記操作対象チームに所属する選手キャラクタのうちの、所定条件を満足する選手キャラクタが試合に出場中であるか否かを判定する手段を含み、その判定結果に基づいて、前記画像の表示を制限する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかに記載のゲーム装置において、
ユーザが操作する操作対象チームと、対戦相手チームと、の間のスポーツの試合を模したゲームが実行され、
前記操作対象チームに所属する選手キャラクタのうちの少なくとも一部の選手キャラクタの行動は、前記第1パラメータ及び前記第2パラメータに基づいて制御され、
前記ゲーム装置は、
前記操作対象チームに所属する選手キャラクタのうちの、所定条件を満足する選手キャラクタが試合に出場中であるか否かを判定する手段と、
前記座標値取得手段によって取得され得る前記第1座標値又は/及び前記第2座標値の範囲を、その判定結果に基づいて制限する手段と、を含む、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項11】
ゲームキャラクタの行動制御の基礎とされる第1パラメータ及び第2パラメータを記憶してなるパラメータ記憶手段の記憶内容を読み出すステップと、
前記ゲームキャラクタが前記第1パラメータ及び前記第2パラメータに基づいて行動する様子が表されるゲーム画面に、前記第1パラメータに対応する第1座標軸と、前記第2パラメータに対応する第2座標軸と、が設定された画像を表示する表示制御ステップと、
方向指示操作又は位置指示操作に応じた、前記第1座標軸に対応する第1座標値と、前記第2座標軸に対応する第2座標値と、を取得する座標値取得ステップと、
前記第1座標値及び前記第2座標値に基づいて、前記第1パラメータ及び前記第2パラメータを更新するパラメータ更新ステップと、
を含むことを特徴とするゲーム装置の制御方法。
【請求項12】
ゲームキャラクタの行動制御の基礎とされる第1パラメータ及び第2パラメータを記憶してなるパラメータ記憶手段の記憶内容を読み出す手段、
前記ゲームキャラクタが前記第1パラメータ及び前記第2パラメータに基づいて行動する様子が表されるゲーム画面に、前記第1パラメータに対応する第1座標軸と、前記第2パラメータに対応する第2座標軸と、が設定された画像を表示する表示制御手段、
方向指示操作又は位置指示操作に応じた、前記第1座標軸に対応する第1座標値と、前記第2座標軸に対応する第2座標値と、を取得する座標値取得手段、及び、
前記第1座標値及び前記第2座標値に基づいて、前記第1パラメータ及び前記第2パラメータを更新するパラメータ更新手段、
としてコンピュータを機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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