ゲーム装置、ゲーム装置の制御方法及びプログラム
【課題】一又は複数のゲームキャラクタが行動制御データに基づいて行動するゲームにおいて、過去の時点における状況に合わせて行動制御データを調整することが可能になるとともに、その調整結果をその後のゲームにおいて発揮させることが可能なゲーム装置を提供すること。
【解決手段】再実行手段(74)は過去の時点の状況からゲームを再実行する。生成手段(76)は、過去の時点で用いられていた第1の行動制御データとユーザの操作とに基づいて、第2の行動制御データを生成する。保存手段(78)は、過去の時点の状況を基準状況として記憶させ、かつ、該基準状況に対応する特別行動制御データとして第2の行動制御データを記憶させる。行動制御手段(82)は、ゲームの状況と基準状況との比較結果が所定の結果である場合、該基準状況に対応する特別行動制御データに基づく一又は複数のゲームキャラクタの行動制御を開始する。
【解決手段】再実行手段(74)は過去の時点の状況からゲームを再実行する。生成手段(76)は、過去の時点で用いられていた第1の行動制御データとユーザの操作とに基づいて、第2の行動制御データを生成する。保存手段(78)は、過去の時点の状況を基準状況として記憶させ、かつ、該基準状況に対応する特別行動制御データとして第2の行動制御データを記憶させる。行動制御手段(82)は、ゲームの状況と基準状況との比較結果が所定の結果である場合、該基準状況に対応する特別行動制御データに基づく一又は複数のゲームキャラクタの行動制御を開始する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゲーム装置、ゲーム装置の制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一又は複数のゲームキャラクタが行動制御データに基づいて行動するゲームが知られている。例えば、ユーザの操作対象に設定されている選手キャラクタがユーザの操作に基づいて行動し、味方選手キャラクタが、ユーザによってあらかじめ設定された行動制御データ(例えば、攻撃を積極的に行うか否かを示すパラメータ)に基づいて行動するサッカーゲームが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−229196号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなゲームでは、ユーザはゲームの状況に合わせて行動制御データを調整する必要がある。このため、上記のようなゲームでは、行動制御データの調整を補助する機能の実現が強く望まれている。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、一又は複数のゲームキャラクタが行動制御データに基づいて行動するゲームにおいて、行動制御データの調整を補助する機能を実現することが可能なゲーム装置、ゲーム装置の制御方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係るゲーム装置は、一又は複数のゲームキャラクタが行動制御データに基づいて行動するゲームを実行するゲーム装置において、前記ゲームの状況を過去の時点における状況に戻し、該状況から前記ゲームを再実行する再実行手段と、前記過去の時点において用いられていた行動制御データである第1の行動制御データと、ユーザの操作と、に基づいて、第2の行動制御データを生成する生成手段と、前記過去の時点における状況を基準状況として記憶手段に記憶させ、かつ、該基準状況に対応する特別行動制御データとして前記第2の行動制御データを前記記憶手段に記憶させる保存手段と、前記基準状況と前記特別行動制御データとが前記記憶手段に記憶された後に実行される前記ゲームにおいて、前記ゲームの状況と前記基準状況との比較結果を取得する比較結果取得手段と、前記比較結果が所定の結果である場合、前記基準状況に対応づけて記憶される前記特別行動制御データに基づく前記一又は複数のゲームキャラクタの行動制御を開始する行動制御手段と、を含むことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係るゲーム装置の制御方法は、一又は複数のゲームキャラクタが行動制御データに基づいて行動するゲームを実行するゲーム装置の制御方法において、前記ゲームの状況を過去の時点における状況に戻し、該状況から前記ゲームを再実行する再実行ステップと、前記過去の時点において用いられていた行動制御データである第1の行動制御データと、ユーザの操作と、に基づいて、第2の行動制御データを生成する生成ステップと、前記過去の時点における状況を基準状況として記憶手段に記憶させ、かつ、該基準状況に対応する特別行動制御データとして前記第2の行動制御データを前記記憶手段に記憶させる保存ステップと、前記基準状況と前記特別行動制御データとが前記記憶手段に記憶された後に実行される前記ゲームにおいて、前記ゲームの状況と前記基準状況との比較結果を取得する比較結果取得ステップと、前記比較結果が所定の結果である場合、前記基準状況に対応づけて記憶される前記特別行動制御データに基づく前記一又は複数のゲームキャラクタの行動制御を開始する行動制御ステップと、を含むことを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係るプログラムは、一又は複数のゲームキャラクタが行動制御データに基づいて行動するゲームを実行するゲーム装置として、家庭用ゲーム機(据置型ゲーム機)、携帯ゲーム機、業務用ゲーム機、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)、又はパーソナルコンピュータ等のコンピュータを機能させるためのプログラムであって、前記ゲームの状況を過去の時点における状況に戻し、該状況から前記ゲームを再実行する再実行手段、前記過去の時点において用いられていた行動制御データである第1の行動制御データと、ユーザの操作と、に基づいて、第2の行動制御データを生成する生成手段、前記過去の時点における状況を基準状況として記憶手段に記憶させ、かつ、該基準状況に対応する特別行動制御データとして前記第2の行動制御データを前記記憶手段に記憶させる保存手段、前記基準状況と前記特別行動制御データとが前記記憶手段に記憶された後に実行される前記ゲームにおいて、前記ゲームの状況と前記基準状況との比較結果を取得する比較結果取得手段、及び、前記ゲームの状況と前記基準状況との比較結果が所定の結果である場合、前記基準状況に対応づけて記憶される前記特別行動制御データに基づく前記一又は複数のゲームキャラクタの行動制御を開始する行動制御手段、として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0009】
また、本発明に係る情報記憶媒体は、上記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体である。
【0010】
本発明によれば、一又は複数のゲームキャラクタが行動制御データに基づいて行動するゲームにおいて、行動制御データの調整を補助する機能を実現することが可能になる。
【0011】
また、本発明の一態様では、前記生成手段は、前記第1の行動制御データを変更するよう前記ユーザに案内する画面を表示手段に表示させる手段を含み、前記画面において前記ユーザが行った操作に基づいて前記第1の行動制御データを変更することによって、前記第2の行動制御データを生成するようにしてもよい。
【0012】
また、この態様では、前記生成手段は、前記画面において前記ユーザが行った操作に基づいて前記第1の行動制御データを変更してなる行動制御データを、前記第2の行動制御データとして取得するようにしてもよい。前記再実行手段は、再実行される前記ゲームにおいて、前記一又は複数のゲームキャラクタを前記第2の行動制御データに基づいて行動させる手段を含むようにしてもよい。
【0013】
また、本発明の一態様では、前記ゲームは、複数のゲームキャラクタが行動制御データに基づいて行動するゲームであってもよい。前記生成手段は、前記画面において前記ユーザが行った操作に基づいて前記第1の行動制御データを変更してなる第3の行動制御データを取得する手段を含むようにしてもよい。前記再実行手段は、再実行される前記ゲームにおいて、前記複数のゲームキャラクタのいずれかを前記ユーザの操作対象に設定する手段と、再実行される前記ゲームにおいて、前記ユーザの操作対象に設定されたゲームキャラクタを前記ユーザの操作に基づいて行動させる手段と、再実行される前記ゲームにおいて、前記複数のゲームキャラクタのうち、前記ユーザの操作対象に設定されていないゲームキャラクタを、前記第3の行動制御データに基づいて行動させる手段と、を含むようにしてもよい。前記生成手段は、前記ユーザの操作対象に設定されたゲームキャラクタに対して前記ユーザが行った操作内容と、前記ユーザの操作対象に設定されたゲームキャラクタが前記ユーザの操作に基づいて行った行動内容と、の少なくとも一方と、前記第3の行動制御データと、に基づいて、前記第2の行動制御データを生成するようにしてもよい。
【0014】
また、本発明の一態様では、前記ゲームは、複数のゲームキャラクタが行動制御データに基づいて行動するゲームであってもよい。前記再実行手段は、再実行される前記ゲームにおいて、前記複数のゲームキャラクタのいずれかを前記ユーザの操作対象に設定する手段と、再実行される前記ゲームにおいて、前記ユーザの操作対象に設定されたゲームキャラクタを前記ユーザの操作に基づいて行動させる手段と、を含むようにしてもよい。前記生成手段は、前記ユーザの操作対象に設定されたゲームキャラクタに対して前記ユーザが行った操作内容と、前記ユーザの操作対象に設定されたゲームキャラクタが前記ユーザの操作に基づいて行った行動内容と、の少なくとも一方と、前記第1の行動制御データと、に基づいて、前記第2の行動制御データを生成するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態に係るゲーム装置のハードウェア構成を示す図である。
【図2】ゲーム空間の一例を示す図である。
【図3】試合中のゲーム画面の一例を示す図である。
【図4】戦術データの一例を示す模式図である。
【図5】時点指定画面の一例を示す図である。
【図6】戦術設定画面の一例を示す図である。
【図7】ゲーム装置で実現される機能ブロックの一例を示す機能ブロック図である。
【図8】ゲーム状況データの一例を示す模式図である。
【図9】過去状況データ記憶部の記憶内容の一例を示す模式図である。
【図10】特別行動制御データ記憶部の記憶内容の一例を示す模式図である。
【図11】ゲーム装置で実行される処理の一例を示すフロー図である。
【図12】ゲーム装置で実行される処理の一例を示すフロー図である。
【図13】ゲーム装置で実行される処理の一例を示すフロー図である。
【図14】ゲーム装置で実行される処理の一例を示すフロー図である。
【図15】選手選択画面の一例を示す図である。
【図16】戦術データの他の一例を示す模式図である。
【図17】ゲーム装置で実行される処理の一例を示すフロー図である。
【図18】ゲーム装置で実行される処理の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態の例について図面に基づき詳細に説明する。本実施形態に係るゲーム装置は、例えば家庭用ゲーム機(据置型ゲーム機)、携帯ゲーム機、パーソナルコンピュータ、携帯電話機、又は携帯情報端末(PDA)等を用いて実現される。ここでは、本実施形態に係るゲーム装置を家庭用ゲーム機を用いて実現する場合について説明する。
【0017】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係るゲーム装置10のハードウェア構成を示す図である。図1に示すように、ゲーム装置10は、家庭用ゲーム機11、表示部32、音声出力部34、及び光ディスク36(情報記憶媒体)を含む。表示部32は例えばテレビ受像機や液晶ディスプレイ等の表示装置である。音声出力部34は例えばスピーカやヘッドホン等の音声出力装置である。
【0018】
家庭用ゲーム機11はコンピュータゲームシステムであり、バス12、制御部14、主記憶16、画像処理部18、入出力処理部20、音声処理部22、光ディスク読み取り部24、ハードディスク26、通信インタフェース28、及びコントローラ30を含む。
【0019】
制御部14は一又は複数のマイクロプロセッサを含む。制御部14は、図示しないROMに格納されるオペレーティングシステムや、光ディスク36から読み出されるプログラムに基づいて、各種情報処理を実行する。主記憶16は例えばRAMを含み、光ディスク36から読み出されたプログラム及びデータが必要に応じて主記憶16に書き込まれる。主記憶16は制御部14の作業用メモリとしても用いられる。
【0020】
バス12はアドレス及びデータを家庭用ゲーム機11の各部でやり取りするために用いられる。画像処理部18はVRAMを含み、制御部14から供給される画像データに基づいてVRAM上にゲーム画面を描画する。VRAM上に描画されたゲーム画面はビデオ信号に変換され、表示部32に出力される。
【0021】
入出力処理部20は制御部14が音声処理部22、光ディスク読み取り部24、ハードディスク26、通信インタフェース28、及びコントローラ30にアクセスするためのインタフェースである。音声処理部22はサウンドバッファを含み、光ディスク36からサウンドバッファに読み出された各種音声データ(例えばゲーム音楽、ゲーム効果音、台詞等)を音声出力部34から出力する。通信インタフェース28は、家庭用ゲーム機11を通信ネットワークに有線又は無線接続するためのインタフェースである。
【0022】
光ディスク読み取り部24は光ディスク36に記録されたプログラムやデータを読み取る。なお、ここではプログラムやデータを家庭用ゲーム機11に供給するために光ディスク36を用いるが、メモリカード等、他の情報記憶媒体を用いるようにしてもよい。また、例えばインターネット等の通信ネットワークを介して遠隔地からプログラムやデータを家庭用ゲーム機11に供給するようにしてもよい。ハードディスク26は一般的なハードディスク装置(補助記憶装置)である。光ディスク36に記憶されることとして説明するプログラム及びデータはハードディスク26に記憶されていてもよい。
【0023】
コントローラ30はユーザが各種ゲーム操作を入力するための操作手段である。複数のコントローラ30を家庭用ゲーム機11に有線又は無線接続することが可能である。入出力処理部20は一定周期毎(例えば1/60秒ごと)にコントローラ30の操作状態をスキャンし、そのスキャン結果を表す操作信号をバス12を介して制御部14に渡す。制御部14はその操作信号に基づいてユーザのゲーム操作を判定する。
【0024】
ゲーム装置10では、例えば、ユーザが操作するチーム(以下「ユーザチーム」と呼ぶ。)と、対戦相手が操作するチーム(以下「対戦相手チーム」と呼ぶ。)と、の間のサッカーの試合を模したサッカーゲームが実行される。このサッカーゲームは、光ディスク36から読み出されたゲームプログラムが実行されることによって実現される。
【0025】
上記のサッカーゲームを実現するためにゲーム空間が主記憶16に構築される。図2はゲーム空間の一例を示す。図2に示すゲーム空間40は仮想的な3次元空間になっている。図2に示すように、ゲーム空間40には、サッカーフィールドを表すオブジェクトであるフィールド42が配置される。フィールド42上に例えばゴールライン44やタッチライン46が表される。
【0026】
また、フィールド42上には、サッカーのゴールを表すオブジェクトであるゴール48と、サッカー選手を表すオブジェクトである選手キャラクタ50と、サッカーボールを表すオブジェクトであるボール52と、が配置される。図2では省略されているが、ユーザチームに所属する11体の選手キャラクタ50と、対戦相手チームに所属する11体の選手キャラクタ50とがフィールド42上に配置される。なお、選手キャラクタ50及びボール52は、ゲーム空間40内において位置や姿勢等が変化する動的オブジェクトである。
【0027】
ゴール48の一方はユーザチームに対応づけられ、他方は対戦相手チームに対応づけられる。いずれか一方のチームに対応づけられたゴール48内にボール52が移動すると、他方のチームの得点イベントが発生する。
【0028】
選手キャラクタ50とボール52とが近づくと、所定条件の下、その選手キャラクタ50とボール52とが関連づけられる。この場合の選手キャラクタ50の移動動作はドリブル動作になる。以下では、選手キャラクタ50にボール52が関連づけられた状態のことを「選手キャラクタ50がボール52を保持している」というように記載する。
【0029】
また、ゲーム空間40には仮想カメラ54(視点)が設定される。試合中に表示部32にゲーム画面には、ゲーム空間40を仮想カメラ54から見た様子を表す画像が表示される。図3は試合中のゲーム画面の一例を示す。例えば、試合中のゲーム画面にボール52が常に表示されるように、仮想カメラ54はボール52の位置に基づいてゲーム空間40内を移動する。
【0030】
ユーザチームに所属する複数の選手キャラクタ50のうちのいずれかがユーザの操作対象に設定される。ユーザの操作対象は、例えばボール52の位置又はユーザの操作に基づいて、ユーザチームに所属する選手キャラクタ50のうちで切り替えられる。ユーザの操作対象に設定されている選手キャラクタ50はユーザの操作に従って行動する。一方、ユーザチームに所属する選手キャラクタ50のうちの、ユーザの操作対象に設定されていない選手キャラクタ50(以下「味方選手キャラクタ」と呼ぶ。)は、ユーザチームの戦術データに基づいて行動する。
【0031】
ここで、ユーザチームの戦術データについて説明する。上述のように、戦術データは、味方選手キャラクタの行動制御の基礎とされるデータ(行動制御データ)である。ユーザチームの戦術データは、例えば試合が開始される前等にユーザによって設定される。図4は、ユーザチームの戦術データの一例を示す模式図である。図4に示す戦術データには下記に示すデータが含まれている。
(a)フォーメーション
(b)作戦
(c)「攻撃意識」パラメータ
(d)「プレッシング」パラメータ
(e)「ディフェンスライン」パラメータ
【0032】
「フォーメーション」は、あらかじめ用意された複数のフォーメーションのうちからユーザが選択したユーザチームのフォーメーションである。なお、図4において、フォーメーション「4−3−3」は、四名のディフェンダー(DF)と、三名のミッドフィルダー(MF)と、三名のフォワード(FW)と、ゴールキーパー(GK)と、が配置されるフォーメーションである。
【0033】
また、「作戦」は、あらかじめ用意された複数の作戦のうちからユーザが選択したユーザチームの作戦である。ユーザが選択可能な作戦の例としては、「サイドアタック」、「中央突破」、又は「カウンターアタック」等がある。「サイドアタック」とは、主に、タッチライン46付近の領域を使用して攻撃を行う作戦である。「中央突破」とは、主に、中央の領域を使用して攻撃を行う作戦である。「カウンターアタック」とは、対戦相手チームに攻め込まれている場合にも、フォワードの選手キャラクタ50が対戦相手陣内に位置するようにし、対戦相手チームからボール52を奪った場合にフォワードの選手キャラクタ50にパスを出すことによって、速やかに攻撃を行う作戦である。
【0034】
また、「攻撃意識」パラメータは、攻撃をどの程度積極的に行うのかを示すパラメータである。例えば、「攻撃意識」パラメータは−5以上かつ+5以下の値をとる。「攻撃意識」パラメータの値が高い場合とは、攻撃を積極的に行うことを示す。一方、「攻撃意識」パラメータの値が低い場合とは、守備を重視することを示す。
【0035】
また、「プレッシング」パラメータは、いわゆるプレスディフェンスをどの程度積極的に行うかを示すパラメータである。「プレスディフェンス」とは、ボール52を保持する選手キャラクタ50に近寄って行き、ボール52を保持する選手キャラクタ50にプレッシャーをかけるというような守備動作である。例えば、「プレッシング」パラメータも−5以上かつ+5以下の値をとる。「プレッシング」パラメータの値が高いほど、ユーザチームに所属する選手キャラクタ50が積極的にプレスディフェンスを行うようになる。
【0036】
さらに、「ディフェンスライン」パラメータは、いわゆるディフェンスラインをどの程度上げるかを示すパラメータである。「ディフェンスライン」とは、ユーザチームに所属するディフェンダーのうちの、ユーザチームが守備すべきゴール48に最も近いディフェンダーの位置に、ゴールライン44と平行に引かれた仮想的な線のことである。また、「ディフェンスラインを上げる」とは、ユーザチームに所属するディフェンダーの選手キャラクタ50達が、ユーザチームが守備すべきゴール48から離れることを意味している。例えば、「ディフェンスライン」パラメータも−5以上かつ+5以下の値をとる。「ディフェンスライン」パラメータの値が高いほど、ディフェンスラインの上がり具合が大きくなる。
【0037】
なお、「攻撃意識」パラメータや「プレッシング」パラメータは、ユーザチームに所属する各選手キャラクタ50ごとに設定されるようにしてもよい。
【0038】
本実施形態に係るゲーム装置10は、通常モードと練習モードとの二つのゲームモードを備えている。通常モードは、ユーザが他のユーザ又はコンピュータとの対戦を楽しむためのモードである。通常モードでは、ユーザチームと、他のユーザ又はコンピュータが操作する対戦相手チームと、の間の試合が実行される。
【0039】
一方、練習モードは、ユーザがゲームの練習を行うためのモードである。練習モードでは、ユーザチームと、コンピュータが操作する対戦相手チームと、の間の試合が実行される。練習モードはリトライ機能を備える点で通常モードとは異なる。以下、リトライ機能について説明する。
【0040】
練習モードでは、試合中に、試合の状況を示すデータが所定時間(例えば1秒)ごとに記録される。そして、試合中に、ユーザは試合の状況を過去の時点における状況に戻し、その状況からゲームをプレイし直すことができるようになっている。例えば、対戦相手チームの得点イベントが発生した場合、ユーザは、試合の状況を、対戦相手チームの得点イベントが発生した時点よりも少し前の時点に戻し、その状況からゲームをプレイし直すことができるようになっている。
【0041】
試合の状況を過去の時点における状況に戻す場合、ユーザは、試合の進行を一時的に中断するための中断操作を行う。中断操作が行われた場合、試合の進行が一時的に中断されるとともに、ゲームの状況をどの時点まで戻すのかをユーザが指定するための時点指定画面が表示される。図5は時点指定画面の一例を示す。この時点指定画面において、ユーザは、試合の状況を何秒前の時点まで戻すのかを指定する。なお、以下では、この時点指定画面でユーザによって指定された時点のことを「時点X」と記載する。
【0042】
時点指定画面でユーザが時点Xの指定を完了すると、次に、ユーザチームの戦術データを変更するための戦術設定画面が表示される。図6は戦術設定画面の一例を示す。戦術設定画面において、ユーザはコントローラ30を操作することによって、戦術データを変更する。
【0043】
戦術設定画面でユーザが戦術データの変更を完了すると、時点Xにおける試合の状況が再現され、その状況からゲームが再開される。この場合、味方選手キャラクタは、変更後の戦術データに基づいて行動するようになる。
【0044】
ユーザは、以上に説明したリトライ機能を利用することによって、過去の時点における状況からのゲームプレイを繰り返し練習することができる。例えば、対戦相手チームの得点イベントが発生した場合、ユーザは、対戦相手チームの得点イベントが発生した時点よりも少し前の時点からのゲームプレイを繰り返し練習することができる。
【0045】
また、ユーザは、過去の時点における状況からゲームをプレイし直すにあたって、ユーザチームの戦術データを変更することができる。このため、ユーザは、ユーザチームの戦術データの変更によって試合の状況が好転するか否かを試すことができ、該状況に合わせて最適な戦術データを調整することができる。
【0046】
さらに、ゲーム装置10は、練習モードにおける戦術データの調整結果が、その後に実行される通常モードのゲームにおいて発揮されるように補助するための機能を備えている。
【0047】
具体的には、ゲーム装置10では、時点指定画面(図5参照)でユーザによって指定された時点(時点X)における試合の状況と、戦術設定画面(図6参照)で変更された後の戦術データと、の組合せが、基準状況と特別戦術データとの組合せとして保存される。すなわち、練習モードで練習した状況と、その状況に合わせて調整された戦術データと、の組合せが保存される。
【0048】
そして、それ以降に実行される通常モードでは、試合の状況が基準状況と一致又は類似する状況になったか否かが監視され、試合の状況が基準状況と一致又は類似する状況になった場合には、該基準状況に対応する特別戦術データに基づいて、味方選手キャラクタの行動が制御される。
【0049】
以上のように、ゲーム装置10では、練習モードにおいてユーザが過去の時点における状況に合わせて戦術データを調整できるようになっており、さらに、その調整結果がその後に実行される通常モードのゲームにおいて発揮されるようになっている。
【0050】
以下、以上に説明した機能を実現するための構成について説明する。図7は、ゲーム装置10で実現される機能ブロックの一例を示す機能ブロック図である。図7に示す機能ブロック図は、主に、以上に説明した機能に関連する機能ブロックを示している。図7に示すように、ゲーム装置10は、現在状況データ記憶部60、過去状況データ記憶部62、特別行動制御データ記憶部64、及びゲーム制御部66を含む。
【0051】
現在状況データ記憶部60及び過去状況データ記憶部62は、例えば主記憶16を主として実現され、特別行動制御データ記憶部64は、例えばハードディスク26を主として実現される。ゲーム制御部66は、通常モード及び練習モードにおけるゲーム制御を実行するための機能ブロックであり、例えば制御部14を主として実現される。
【0052】
また、図7に示すように、ゲーム制御部66は、現在状況データ更新部68、表示制御部70、過去状況データ保存部72、再実行部74、特別行動制御データ生成部76、及び特別行動制御データ保存部78を含む。さらに、現在状況データ更新部68は、比較結果取得部80及び特別行動制御部82を含む。
【0053】
現在状況データ記憶部60、現在状況データ更新部68、及び表示制御部70は、通常モード及び練習モードに共通な機能ブロックである。
【0054】
現在状況データ記憶部60は、ゲームの現在の状況を示すデータを記憶する。図8は、ゲームの状況を示すデータ(以下「ゲーム状況データ」と記載する。)の一例を示す模式図である。図8に示すゲーム状況データには下記に示すデータが含まれている。
(A)ゲーム空間40の状況データ
(B)仮想カメラ54の設定状況データ
(C)得点データ
(D)経過時間データ
(E)ユーザチームの戦術データ
【0055】
ゲーム空間40の状況データとは、ゲーム空間40に配置される動的オブジェクトの配置状況に関するデータである。本実施形態の場合、選手キャラクタ50及びボール52が動的オブジェクトに相当するため、図8に示すように、ゲーム空間40の状況データには下記に示すデータが含まれる。
(A−1)各選手キャラクタ50の配置状況データ
(A−2)ボール52の配置状況データ
【0056】
各選手キャラクタ50の配置状況データは、各選手キャラクタ50の配置状況(例えば位置、向き、姿勢や移動方向等)を示すデータである。各選手キャラクタ50の配置状況データには、その選手キャラクタ50がボール52を保持しているか否かを示すデータや、その選手キャラクタ50がユーザの操作対象に設定されているか否かを示すデータも含まれる。また、ボール52の配置状況データは、ボール52の配置状況(例えば位置や移動方向等)を示すデータである。なお、以下では、ゲーム空間40の状況データのことを「配置状況データ」と記載する。
【0057】
仮想カメラ54の設定状況データは、仮想カメラ54の設定状況(例えば位置や視線方向等)を示すデータである。得点データは両チームの得点を示すデータである。経過時間データは経過時間を示すデータである。
【0058】
現在状況データ更新部68は、現在状況データ記憶部60に記憶されるゲーム状況データを更新することによって、ゲームの現在の状況を更新する。
【0059】
例えば、現在状況データ更新部68は、ユーザの操作対象になっている選手キャラクタ50の配置状況(例えば位置や向き等)を、ユーザの操作に基づいて更新する。これによって、ユーザの操作対象になっている選手キャラクタ50がユーザの操作に基づいて行動するようになる。
【0060】
また例えば、現在状況データ更新部68は、味方選手キャラクタの配置状況(例えば位置や向き等)を、行動決定アルゴリズムと、ユーザチームの戦術データと、に基づいて更新する。なお、行動決定アルゴリズムは、味方選手キャラクタが行うべき行動を、ユーザチームの戦術データに基づいて決定するためのアルゴリズムである。これによって、味方選手キャラクタが戦術データに基づいて行動するようになる。
【0061】
また例えば、現在状況データ更新部68は、ボール52の配置状況(例えば位置や移動方向等)も更新する。現在状況データ更新部68の動作の詳細については後述する(図11のS104、図14のS207参照)。
【0062】
表示制御部70は、ゲーム空間40の全体又は一部の様子を表すゲーム画面(図3参照)を表示部32に表示する。表示制御部70の動作の詳細については後述する(図11のS105、図14のS208参照)。
【0063】
過去状況データ記憶部62、過去状況データ保存部72、及び再実行部74は練習モード(リトライ機能)に関連する機能ブロックである。また、特別行動制御データ記憶部64、特別行動制御データ生成部76、特別行動制御データ保存部78、比較結果取得部80、及び特別行動制御部82は戦術データの調整に関する機能ブロックである。
【0064】
過去状況データ記憶部62は、過去の時点におけるゲームの状況を示すデータを記憶する。本実施形態の場合、過去状況データ記憶部62は、複数の過去の時点の各々におけるゲーム状況データ(図8参照)を記憶する。図9は、過去状況データ記憶部62の記憶内容の一例を示す模式図である。図9に示す例では、所定時間(例えば30秒)前から現在までの期間における所定間隔(例えば1秒)ごとのゲーム状況データが記憶されている。
【0065】
過去状況データ保存部72は、所定間隔(例えば1秒)ごとに、その時点のゲーム状況データを過去状況データ記憶部62に記憶させる。本実施形態の場合、過去状況データ保存部72は、所定間隔(例えば1秒)ごとに、現在状況データ記憶部60に記憶されるゲーム状況データを過去状況データ記憶部62にコピーする。
【0066】
再実行部74は、過去状況データ記憶部62の記憶内容に基づいて、過去の時点におけるゲームの状況を再現し、その状況からゲームを再実行する。本実施形態の場合、再実行部74は、ゲームの状況を、ユーザによって指定された過去の時点(時点X)における状況に戻し、その状況からゲームを再実行する。再実行部74の動作の詳細については後述する(図12のS109,S110参照)。
【0067】
特別行動制御データ生成部76は、時点Xにおいて用いられていた戦術データ(行動制御データ)である第1の戦術データ(第1の行動制御データ)と、ユーザの操作と、に基づいて、第2の戦術データ(第2の行動制御データ)を生成する。後述するように、第2の戦術データは、特別戦術データ(特別行動制御データ)として特別行動制御データ記憶部64に記憶される。
【0068】
例えば、特別行動制御データ生成部76は戦術設定画面(図6参照)を表示部32に表示する。戦術設定画面は、第1の戦術データを変更するようユーザに案内する画面である。特別行動制御データ生成部76は、戦術設定画面でユーザが行った操作に基づいて第1の戦術データを変更することによって、第2の戦術データを生成する。
【0069】
本実施形態の場合、特別行動制御データ生成部76は、戦術設定画面でユーザが行った操作に基づいて第1の戦術データを変更してなる戦術データを、第2の戦術データとして取得する。特別行動制御データ生成部76の動作の詳細については後述する(図12のS111〜S114参照)。
【0070】
特別行動制御データ保存部78は、時点Xにおけるゲームの状況を基準状況として特別行動制御データ記憶部64に記憶させ、かつ、特別行動制御データ生成部76によって生成された第2の戦術データを、該基準状況に対応する特別戦術データとして特別行動制御データ記憶部64に記憶させる。
【0071】
図10は、特別行動制御データ記憶部64の記憶内容の一例を示す模式図である。図10に示すように、特別行動制御データ記憶部64では、基準状況を示す基準状況データと、特別戦術データと、が対応づけて記憶される。基準状況データとしては、例えば、時点Xにおけるゲーム状況データ(図8参照)が記憶される。
【0072】
なお、後述するように、基準状況データは、ゲームの現在の状況が基準状況と一致又は類似するか否かを判定するために比較結果取得部80によって参照される。このため、基準状況データとしては、上記の判定を行うために必要な情報のみが記憶されるようにすればよい。
【0073】
例えば、動的オブジェクトである選手キャラクタ50及びボール52の配置状況を用いて上記の判定が行われる場合には、ゲーム状況データ(図8参照)の一部である配置状況データのみが、基準状況データとして記憶されるようにすればよい。
【0074】
また例えば、動的オブジェクトである選手キャラクタ50及びボール52の位置のみを用いて上記の判定が行われる場合には、選手キャラクタ50及びボール52の位置データのみが、基準状況データとして記憶されるようにすればよい。
【0075】
比較結果取得部80は、ゲームの現在の状況と基準状況との比較結果を取得する。例えば、比較結果取得部80はゲームの現在の状況と基準状況とを比較し、その比較結果を取得する。本実施形態の場合、比較結果取得部80は、ゲームの現在の状況と基準状況との類似度を取得する。比較結果取得部80の動作の詳細については後述する(図13のS201参照)。
【0076】
特別行動制御部82は、比較結果取得部80によって取得された比較結果が所定の結果である場合、基準状況に対応する特別戦術データに基づく味方選手キャラクタの行動制御を開始する。ここで、「所定の結果」とは、ゲームの現在の状況が基準状況と一致又は類似する旨の比較結果である。
【0077】
本実施形態の場合、ゲームの現在の状況と基準状況との類似度が所定の基準類似度よりも高い場合、特別行動制御部82は、該基準状況に対応する特別戦術データに基づく味方選手キャラクタの行動制御を開始する。特別行動制御部82の動作の詳細については後述する(図13のS202〜S206参照)。
【0078】
次に、ゲーム制御部66を実現するためにゲーム装置10で実行される処理について説明する。図11〜図14はゲーム装置10で実行される処理の一例を示すフロー図である。
【0079】
まず、練習モードで実行される処理について説明する。図11及び図12は練習モードで実行される処理を示している。図11に示すように、制御部14は、コントローラ30から入力される操作信号に基づいて、ユーザによって中断操作が行われたか否かを判定する(S101)。
【0080】
中断操作が行われていないと判定された場合、制御部14(過去状況データ保存部72)は、保存タイミングが到来したか否かを判定する(S102)。「保存タイミング」とは、ゲーム状況データを過去状況データ記憶部62に保存すべきタイミングを意味している。例えば、保存タイミングは所定時間(例えば1秒)ごとに到来する。
【0081】
保存タイミングが到来したと判定された場合、制御部14(過去状況データ保存部72)は、現在状況データ記憶部60に記憶されるゲーム状況データを過去状況データ記憶部62に追加記憶させる(S103)。なお、所定個数(例えば30個)のゲーム状況データが過去状況データ記憶部62にすでに記憶されている場合には、最も古いゲーム状況データが過去状況データ記憶部62から削除された後、現在状況データ記憶部60に記憶されるゲーム状況データが過去状況データ記憶部62に記憶される。
【0082】
ステップS103の処理が実行された場合、又は、保存タイミングが到来していないとステップS102において判定された場合、制御部14(現在状況データ更新部68)は、現在状況データ記憶部60に記憶されるゲーム状況データを更新する(S104)。このステップの処理では、ゲーム空間40の状況データ(配置状況データ)、仮想カメラ54の設定状況データ、得点データや、経過時間データが更新される。
【0083】
例えば、ステップS104の処理では、ユーザの操作対象になっている選手キャラクタ50の配置状況(例えば位置や向き等)が、ユーザの操作に基づいて更新される。
【0084】
また例えば、味方選手キャラクタの配置状況(例えば位置や向き等)が、行動決定アルゴリズムと、現在状況データ記憶部60に記憶されるゲーム状況データ(図8参照)に含まれる戦術データと、に基づいて更新される。
【0085】
また例えば、ボール52の配置状況(例えば位置等)が更新される。
【0086】
一方、ステップS101において中断操作が行われたと判定された場合、図12に示すように、制御部14(再実行部74)は、試合の進行を一時的に中断し、時点指定画面(図5参照)を表示部32に表示する(S107)。その後、制御部14(再実行部74)は、時点指定画面において、所定時間(例えば30秒)前から現在までの期間のうちのいずれかの時点を時点Xとしてユーザが指定したか否かを監視する(S108)。
【0087】
時点指定画面でユーザが時点Xを指定した場合、制御部14(再実行部74及び特別行動制御データ生成部76)は、時点Xにおけるゲーム状況データを過去状況データ記憶部62から読み出す(S109)。なお、この場合、時点X以降の時点におけるゲーム状況データが過去状況データ記憶部62から削除される。
【0088】
その後、制御部14(再実行部74)は、ステップS109で読み出されたゲーム状況データによって、現在状況データ記憶部60に記憶されるゲーム状況データを上書きする(S110)。このステップの処理が実行される結果として、ゲームの現在の状況が時点Xにおける状況に戻され、時点Xにおける状況からゲームの進行が再開されることになる。
【0089】
その後、制御部14(特別行動制御データ生成部76)は、ステップS109で読み出されたゲーム状況データ(図8参照)に含まれる戦術データを取得する(S111)。この戦術データは、時点Xにおいて用いられていた戦術データであり、「第1の戦術データ」に相当する。
【0090】
その後、制御部14(特別行動制御データ生成部76)は戦術設定画面(図6参照)を表示部32に表示する(S112)。この場合、ステップS111で取得された戦術データの内容(フォーメーション、作戦、「攻撃意識」パラメータ、「プレッシング」パラメータ、「ディフェンスライン」パラメータ)が戦術設定画面に表示される。そして、制御部14(特別行動制御データ生成部76)は、ユーザが戦術データの変更を完了したか否かを監視する(S113)。
【0091】
ユーザが戦術データの変更を完了した場合、制御部14(特別行動制御データ生成部76)は、変更後の戦術データを取得する(S114)。すなわち、制御部14は、ステップS111で取得された戦術データを、戦術設定画面でユーザが行った変更内容に従って変更してなる戦術データを取得する。本実施形態の場合、このステップS114で取得される戦術データが「第2の戦術データ」に相当する。
【0092】
変更後の戦術データを取得された後、制御部14は、ステップS114で取得された戦術データによって、現在状況データ記憶部60に記憶されるゲーム状況データ(図8参照)に含まれる戦術データを上書きする(S115)。このステップの処理が実行される結果として、ステップS104では、ステップS114で取得された戦術データ(変更後の戦術データ)に基づいて、味方選手キャラクタの配置状況(例えば位置や向き等)が更新されることになる。
【0093】
また、制御部14(特別行動制御データ生成部76)は、ステップS109で読み出されたゲーム状況データと、ステップS114で取得された戦術データ(変更後の戦術データ)と、の組合せを特別行動制御データ記憶部64に記憶させる(S116)。この場合、ステップS109で読み出されたゲーム状況データは基準状況データとして記憶され、ステップS114で取得された戦術データ(変更後の戦術データ)は、特別戦術データとして記憶される。なお、同一のゲーム状況データが基準状況データとして特別行動制御データ記憶部64にすでに記憶されている場合には、その基準状況データと、該基準状況データに対応する戦術データとの組合せが上書きされる。
【0094】
ステップS104又はS116の処理が実行された後、図11に示すように、制御部14(表示制御部70)はゲーム画面を更新する(S105)。このステップの処理では、ゲーム空間40を仮想カメラ54から見た様子を表すゲーム画面が、現在状況データ記憶部60に記憶されるゲーム状況データに基づいてVRAM上に生成される。そして、VRAM上に生成されたゲーム画面が表示部32に表示される。
【0095】
その後、制御部14(ゲーム制御部66)は試合が終了したか否かを判定する(S106)。試合が終了していない場合、ステップS101の処理が再実行される。なお、中断操作の実行や試合の終了がない限り、ステップS101〜S106の処理が所定時間(例えば1/60秒)ごとに繰り返し実行される。一方、試合が終了した場合、本処理は終了する。なお、図11では省略されているが、試合が終了した場合には試合結果を示す画面が表示部32に表示される。
【0096】
次に、通常モードで実行される処理について説明する。図13及び図14は通常モードで実行される処理を示している。図13に示すように、制御部14(比較結果取得部80)は、現在状況データ記憶部60に記憶されるゲーム状況データと、特別行動制御データ記憶部64に記憶される基準状況データとに基づいて、試合の現在の状況と基準状況との間の類似度を算出する(S201)。このステップの処理では、例えば、選手キャラクタ50及びボール52の配置状況に関する類似度が算出される。この類似度は、例えば、ユーザチームに所属する選手キャラクタ50の位置及び向きと、対戦相手チームに所属する選手キャラクタ50の位置及び向きと、ボール52の位置とを、現在の状況と、基準状況と、の間で比較することによって算出される。
【0097】
なお、特別行動制御データ記憶部64に基準状況データが複数記憶されている場合には、各々の基準状況データについて、類似度が算出される。そして、ステップS202〜S206の処理は、最も類似度の高い基準状況データのみに注目して実行され、他の基準状況データは無視される。
【0098】
類似度が算出された後、制御部14(特別行動制御部82)は類似度が所定の基準類似度よりも高いか否かを判定する(S202)。類似度が基準類似度よりも高いと判定された場合、制御部14は、フラグ(flg1)の値が0であるか否かを判定する(S203)。フラグ(flg1)は、現在が、特別戦術データによって味方選手キャラクタの行動が制御されている状態(以下「特別行動制御状態」と記載する。)であるか否かを示す。フラグ(flg1)は0又は1の値をとる。値「0」は特別行動制御状態でないことを示し、値「1」は特別行動制御状態であることを示す。
【0099】
フラグ(flg1)の値が0である場合、制御部14は、現在状況データ記憶部60に記憶されるゲーム状況データ(図8参照)に含まれる戦術データを主記憶16の他の記憶領域に退避する(S204)。このステップの処理で退避された戦術データは、後述のステップS212の処理で用いられる。また、制御部14はフラグ(flg1)の値を1に更新する(S205)。
【0100】
ステップS205の処理が実行された場合、又はフラグ(flg1)の値が0でないとステップS203で判定された場合、制御部14(特別行動制御部82)は、基準状況データに対応づけて記憶される特別戦術データによって、現在状況データ記憶部60に記憶されるゲーム状況データ(図8参照)に含まれる戦術データを上書きする(S206)。このステップの処理が実行される結果として、次のステップS207の処理では、特別戦術データに基づいて、味方選手キャラクタの配置状況(例えば位置や向き等)が更新されることになる。
【0101】
ステップS206の処理が実行された場合、又は類似度が基準類似度よりも高くないとステップS202で判定された場合、図14に示すように、制御部14(現在状況データ更新部68、特別行動制御部82)は、現在状況データ記憶部60に記憶されるゲーム状況データを更新する(S207)。このステップの処理は図11のステップS104の処理と同様である。その後、制御部14(表示制御部70)はゲーム画面を更新する(S208)。このステップの処理は図11のステップS105の処理と同様である。
【0102】
その後、制御部14はフラグ(flg1)の値が1であるか否かを判定する(S209)。フラグ(flg1)の値が1である場合、すなわち、特別行動制御状態である場合、制御部14は、特別行動制御状態の終了条件が満足されるか否かを判定する(S210)。
【0103】
ステップS210の処理では、例えば、特別行動制御状態が開始されてからの経過時間、すなわち、フラグ(flg1)が1に更新されてからの経過時間が基準時間に達している場合に終了条件が満足されたと判定される。
【0104】
また例えば、アウトオブプレーの状態になった場合に終了条件が満足されたと判定される。なお、アウトオブプレーとは、例えばボール52がゴールライン44又はタッチライン46を超えた場合や、反則があった場合等である。
【0105】
特別行動制御状態の終了条件が満足されると判定された場合、制御部14はフラグ(flg1)の値を0に更新する(S211)。また、制御部14は、ステップS204で退避された戦術データによって、現在状況データ記憶部60に記憶されるゲーム状況データ(図8参照)に含まれる戦術データを上書きする(S212)。なお、ステップS204で退避された戦術データは、現在状況データ記憶部60に記憶されるゲーム状況データに含まれる戦術データが特別戦術データによって上書きされる前の戦術データである。すなわち、ステップS204で退避された戦術データは、特別行動制御状態が開始される前の戦術データである。このステップの処理が実行される結果として、戦術データの内容が、特別行動制御状態が開始される前の内容に戻ることになる。
【0106】
ステップS209〜S212の処理が実行された後、制御部14(ゲーム制御部66)は試合が終了したか否かを判定する(S213)。試合が終了していない場合、ステップS201の処理が再実行される。なお、試合が終了しない限り、ステップS201〜S213の処理が所定時間(例えば1/60秒)ごとに繰り返し実行される。一方、試合が終了した場合、本処理は終了する。なお、図14では省略されているが、試合が終了した場合には試合結果を示す画面が表示部32に表示される。
【0107】
以上説明した第1実施形態に係るゲーム装置10によれば、過去の時点における状況からのゲームプレイを繰り返し練習しながら、該状況に適した戦術データの調整を行うことが可能になる。さらに、第1実施形態に係るゲーム装置10によれば、その調整結果をその後のゲームにおいて発揮させることが可能になる。第1実施形態に係るゲーム装置10によれば、戦術データの調整を補助する機能を実現できるようになる。
【0108】
[第2実施形態]
以上に説明した第1実施形態では、練習モードにおいて、時点Xにおいて用いられていた戦術データを戦術設定画面(図6参照)で変更することによって、戦術データの調整を行うようになっていた。この点、第2実施形態は、時点Xにおける状況から再開されたゲームでいずれかの選手キャラクタ50をユーザが実際に操作することによって、戦術データの調整を行うようになっている点に特徴がある。以下、第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態に係るゲーム装置10も図1に示すハードウェア構成を有する。
【0109】
第2実施形態における練習モードの流れについて説明する。第2実施形態における練習モードでは、時点指定画面(図5参照)でユーザが時点Xの指定を完了すると、戦術設定画面(図6参照)が表示される代わりに、所望の選手キャラクタ50を選択するための選手選択画面が表示される。図15は選手選択画面の一例を示す。図15に示す選手選択画面において、ユーザはコントローラ30を操作することによって、いずれかの選手キャラクタ50を選択する。なお、選手選択画面では、ユーザチームに所属する選手キャラクタ50のうちの、時点Xで試合に出場していた選手キャラクタ50のみを選択することができる。
【0110】
選手選択画面でユーザが選手キャラクタ50の選択を完了すると、時点Xにおける状況からゲーム(試合)が再開される。この際、ユーザは、選手選択画面で選択した選手キャラクタ50を操作することになる。そして、第2実施形態では、この選手キャラクタ50に対する操作内容(又はこの選手キャラクタ50の行動内容)が記録され、その記録結果に基づいて戦術データが生成される。このため、ユーザは、時点Xにおける状況に合わせて選手キャラクタ50を操作することによって、時点Xにおける状況に合った戦術データを生成できるようになっている。
【0111】
図16は、第2実施形態で生成される戦術データの一例を示す模式図である。図16に示す戦術データには下記に示すデータが含まれている。図16に示す戦術データは、記録結果データが含まれる点で、図4に示す戦術データとは異なっている。
(a)フォーメーション
(b)作戦
(c)「攻撃意識」パラメータ
(d)「プレッシング」パラメータ
(e)「ディフェンスライン」パラメータ
(f)記録結果データ
【0112】
記録結果データには下記に示すデータが含まれる。
(f−1)選手識別データ
(f−2)操作データ、または行動データ
【0113】
選手識別データは、選手選択画面(図15参照)でユーザが選択した選手キャラクタ50を識別するデータである。すなわち、選手識別データは、時点Xにおける状況から再開されたゲームでユーザが操作した選手キャラクタ50を識別するデータである。また、操作データは、時点Xから再開されたゲームでユーザが選手キャラクタ50に対して行った操作を示すデータである。また、行動データは、時点Xから再開されたゲームで選手キャラクタ50がユーザの操作に従って行った行動を示すデータである。
【0114】
生成された戦術データは、第1実施形態と同様、時点Xにおける試合の状況とともに保存される。すなわち、時点Xにおける試合の状況と、新たに生成された戦術データと、の組合せが、基準状況と特別戦術データとの組合せとして保存される。
【0115】
そして、それ以降に実行される通常モードでは、試合の状況が基準状況と一致又は類似する状況になった場合に、該基準状況に対応する特別戦術データに基づいて、味方選手キャラクタの行動が制御される。
【0116】
ここで、第2実施形態に係るゲーム装置10で実現される機能について説明する。第2実施形態に係るゲーム装置10も図7に示す機能ブロックを有する。ただし、第2実施形態では再実行部74及び特別行動制御データ生成部76の動作に特徴があるため、これらの機能ブロックの動作について説明する。
【0117】
再実行部74は、時点Xにおける状況から再開されるゲームにおいて、ユーザチームに所属する複数の選手キャラクタ50のいずれかをユーザの操作対象に設定する。また、再実行部74は、ユーザの操作対象に設定された選手キャラクタ50をユーザの操作に基づいて行動させる。
【0118】
また、特別行動制御データ生成部76は、時点Xにおける状況から再開されるゲームにおいて、ユーザの操作対象に設定された選手キャラクタ50に対してユーザが行った操作内容を取得する。または、特別行動制御データ生成部76は、時点Xにおける状況から再開されるゲームにおいて、ユーザの操作対象に設定された選手キャラクタ50がユーザの操作に基づいて行った行動内容を取得する。そして、特別行動制御データ生成部76は、上記操作内容と上記行動内容との少なくとも一方と、時点Xにおいて用いられていた戦術データ(第1の戦術データ)と、に基づいて、新たな戦術データ(第2の戦術データ)を生成する。
【0119】
この新たな戦術データは、時点Xにおけるゲームの状況とともに特別行動制御データ記憶部64に記憶される。すなわち、時点Xにおけるゲームの状況が基準状況として特別行動制御データ記憶部64に記憶され、上記新たな戦術データが、該基準状況に対応する特別戦術データとして特別行動制御データ記憶部64に記憶される。
【0120】
次に、第2実施形態に係るゲーム装置10で実行される処理について説明する。
【0121】
まず、練習モードにおいて実行される処理について説明する。第2実施形態における練習モードでは、図12のステップS110の処理が実行された後、ステップS111〜S116の処理が実行される代わりに、図17に示すステップS301〜S305の処理が実行される。
【0122】
すなわち、図12のステップS110の処理が実行された後、制御部14は、ステップS109で読み出されたゲーム状況データを主記憶16の別の記憶領域に退避する(S301)。このステップの処理で退避されるゲーム状況データは、後述の図18のステップS404及びS405の処理で用いられる。
【0123】
その後、制御部14(再実行部74)は選手選択画面(図15参照)を表示部32に表示する(S302)。そして、制御部14(再実行部74)は、ユーザチームに所属する選手キャラクタ50のうちのいずれかをユーザが選択したか否かを監視する(S303)。
【0124】
ユーザがいずれかの選手キャラクタ50を選択した場合、時点Xにおける状況から試合が再開される。この場合、ユーザが選択した選手キャラクタ50が操作対象に設定される。なお、この場合、ユーザが選択した選手キャラクタ50に関する操作内容又は行動内容を記録する必要あるため、例えばユーザが切替操作を行わない限り、ユーザの操作対象を切り替えないようにする。
【0125】
時点Xにおける状況から試合が再開された場合、制御部14(特別行動制御データ生成部76)は、ユーザの操作対象に設定された選手キャラクタ50に関する操作内容又は行動内容の記録を開始する(S304)。また、制御部14はフラグ(flg2)の値を1に更新する(S305)。フラグ(flg2)は、操作内容又は行動内容の記録が実行されている状態であるか否かを示す。フラグ(flg2)は0又は1の値をとる。値「0」は記録が実行されていないことを示し、値「1」は記録が実行されていることを示す。
【0126】
また、第2実施形態における練習モードでは、図11のステップS101の処理が実行される前に、図18に示すステップS401〜S406の処理が実行される。
【0127】
すなわち、図11のステップS101の処理が実行される前に、制御部14はフラグ(flg2)の値が1であるか否かを判定する(S401)。フラグ(flg2)の値が1である場合、すなわち、操作内容又は行動内容の記録が実行されている場合、制御部14は、記録の終了条件が満足されたか否かを判定する(S402)。
【0128】
ステップS402の処理では、例えば、アウトオブプレーの状態になった場合に終了条件が満足されたと判定される。また例えば、試合が再開されてからの経過時間が基準時間に達した場合に終了条件が満足されたと判定される。また例えば、ユーザの操作対象が他の選手キャラクタ50の切り替えられた場合に終了条件が満足されたと判定される。また例えば、中断操作が行われた場合にも終了条件が満足されたと判定される。
【0129】
終了条件が満足されないと判定された場合、制御部14(特別行動制御データ生成部76)は操作内容又は行動内容の記録を継続する。一方、終了条件が満足されたと判定された場合、制御部14は操作内容又は行動内容の記録を終了する(S403)。そして、制御部14(特別行動制御データ生成部76)は、操作内容又は行動内容の記録結果に基づく戦術データを取得する(S404)。このステップの処理では、例えば図16に示したような戦術データが生成される。
【0130】
具体的には、ユーザが操作した選手キャラクタ50を識別する選手識別データと、操作内容又は行動内容の記録結果を示す操作データ又は行動データとが取得される。そして、これらのデータと、ステップS301で退避されたゲーム状況データ(図8参照)に含まれる戦術データと、を組み合わせることによって、図16に示した戦術データが取得される。
【0131】
なお、ステップS301で退避されたゲーム状況データは、時点Xにおけるゲーム状況データである(図12のS109参照)。このため、ステップS404の処理では、時点Xにおける戦術データの内容(フォーメーション、作戦、「攻撃意識」パラメータ、「プレッシング」パラメータ、及び「ディフェンスライン」パラメータ)と、時点Xにおける状況から再開されたゲームにおいて行われた操作内容又は行動内容の記録結果と、を組み合わせることによって、戦術データが生成されているということができる。
【0132】
ステップS404の処理が実行された後、制御部14(特別行動制御データ保存部78)は、ステップS301で退避されたゲーム状況データと、ステップS404で取得された戦術データと、の組合せを特別行動制御データ記憶部64に記憶させる(S405)。上述したように、ステップS301で退避されたゲーム状況データは、時点Xにおけるゲーム状況データであるため(図12のS109参照)、このステップの処理では、時点Xにおけるゲーム状況データが基準状況データとして記憶され、ステップS404で取得された戦術データが、特別戦術データとして記憶されていることになる。ステップS405の処理が実行された後、制御部14はフラグ(flg2)の値を0に更新する(S406)。
【0133】
次に、通常モードにおける処理について説明する。第2実施形態における通常モードでは、第1実施形態と同様に、図13及び図14の処理が実行される。
【0134】
ただし、第2実施形態では、現在状況データ記憶部60に記憶されるゲーム状況データに含まれる戦術データが特別戦術データによって上書きされた場合、図13のステップS207の処理において、記録結果データ(選手識別データ、操作データ又は行動データ)を含んでなる戦術データ(図16参照)によって味方選手キャラクタの配置状況が更新されることになる。この場合、第1実施形態と異なる処理が実行される。
【0135】
具体的には、制御部14(特別行動制御部82)は、戦術データ(図16参照)に含まれる選手識別データによって識別される味方選手キャラクタの配置状況(例えば位置や向き等)を、戦術データに含まれる操作データ又は行動データに基づいて制御する。この味方選手キャラクタは、操作データが示す操作に従って行動したり、行動データが示す行動を行ったりするようになる。
【0136】
なお、選手識別データによって識別される味方選手キャラクタ以外の味方選手キャラクタの配置状況(例えば位置や向き等)は、第1実施形態と同様、フォーメーション、作戦、「攻撃意識」パラメータ、「プレッシング」パラメータ、及び「ディフェンスライン」パラメータの設定内容に基づいて制御される。
【0137】
以上に説明した第2実施形態に係るゲーム装置10によれば、過去の時点における状況に合わせた戦術データの調整を、ユーザが実際に選手キャラクタ50を操作することによって行うことが可能になる。さらに、第2実施形態に係るゲーム装置10によれば、その調整結果をその後のゲームにおいて発揮させることが可能になる。第2実施形態に係るゲーム装置10によれば、戦術データの調整を補助する機能を実現できるようになる。
【0138】
[第3実施形態]
第3実施形態は、第1実施形態と第2実施形態とを組み合わせた形態である。すなわち、第3実施形態では、練習モードにおいて、時点Xにおいて用いられていた戦術データを戦術設定画面(図6参照)で変更することによって、戦術データの調整を行うとともに、時点Xにおける状況から再開されたゲームでいずれかの選手キャラクタ50をユーザが実際に操作することによって、戦術データの調整を行うようになっている点に特徴がある。なお、第3実施形態に係るゲーム装置10も図1に示すハードウェア構成を有する。
【0139】
第3実施形態における練習モードの流れについて説明する。第3実施形態における練習モードでは、時点指定画面(図5参照)でユーザが時点Xの指定を完了すると、戦術設定画面(図6参照)が表示される。また、戦術設定画面でユーザが戦術データの変更を完了すると、選手選択画面(図15参照)が表示される。そして、選手選択画面でユーザが選手キャラクタ50の選択を完了すると、時点Xにおける状況からゲーム(試合)が再開される。
【0140】
この際、第2実施形態と同様に、ユーザは、選手選択画面で選択した選手キャラクタ50を操作することになる。また、この選手キャラクタ50に対する操作内容(又はこの選手キャラクタ50の行動内容)が記録される。
【0141】
そして、第3実施形態では、戦術設定画面で行われた変更内容と、上記操作内容又は上記行動内容の記録結果と、の両方に基づいて、新たな戦術データが生成される。この新たな戦術データは、時点Xにおける試合の状況とともに保存される。すなわち、時点Xにおける試合の状況と、新たに生成された戦術データと、の組合せが、基準状況と特別戦術データとの組合せとして保存される。
【0142】
そして、それ以降に実行される通常モードにおいて、試合の状況が基準状況と一致又は類似する状況になった場合には、該基準状況に対応する特別戦術データに基づいて、味方選手キャラクタの行動が制御される。
【0143】
ここで、第3実施形態に係るゲーム装置10で実現される機能について説明する。第3実施形態に係るゲーム装置10も図7に示す機能ブロックを有する。ただし、第3実施形態では再実行部74及び特別行動制御データ生成部76の動作に特徴があるため、これらの機能ブロックの動作について説明する。
【0144】
特別行動制御データ生成部76は、時点Xにおいて用いられていた戦術データである第1の戦術データを、戦術設定画面(図6参照)においてユーザが行った操作に基づいて変更してなる第3の戦術データ(第3の行動制御データ)を取得する。
【0145】
再実行部74は、時点Xにおける状況から再実行されるゲームにおいて、ユーザチームに所属する複数の選手キャラクタ50のいずれかをユーザの操作対象に設定する。また、再実行部74は、ユーザの操作対象に設定された選手キャラクタ50をユーザの操作に基づいて行動させる。さらに、再実行部74は、ユーザチームに所属する複数の選手キャラクタ50のうち、ユーザの操作対象に設定されていない選手キャラクタ50を、第3の戦術データ(戦術設定画面で変更された後の戦術データ)に基づいて行動させる。
【0146】
また、特別行動制御データ生成部76は、ユーザの操作対象に設定された選手キャラクタ50に対してユーザが行った操作内容と、ユーザの操作対象に設定された選手キャラクタ50がユーザの操作に基づいて行った行動内容と、の少なくとも一方と、第3の戦術データと、に基づいて、新たな戦術データ(第2の戦術データ)を生成する。
【0147】
この新たな戦術データは、時点Xにおけるゲームの状況とともに特別行動制御データ記憶部64に記憶される。すなわち、時点Xにおけるゲームの状況が基準状況として特別行動制御データ記憶部64に記憶され、上記新たな戦術データが、該基準状況に対応する特別戦術データとして特別行動制御データ記憶部64に記憶される。
【0148】
ここで、第3実施形態に係るゲーム装置10で実行される処理について説明する。
【0149】
まず、練習モードにおいて実行される処理について説明する。第3実施形態における練習モードでは、第1実施形態における戦術設定画面(図6参照)と、第2実施形態における選手選択画面(図15参照)と、の両方が表示されるようにするために、下記のような処理が実行される。すなわち、図12に示すステップS115の処理が実行された後に、図17に示すステップS301〜S305の処理が、ステップS116の処理の代わりに実行される。
【0150】
また、第3実施形態における練習モードでも、第2実施形態と同様、図11に示すステップS101の処理が実行される前に、図18に示すステップS401〜S406の処理が実行される。ただし、ステップS404では第2実施形態と異なる処理が実行される。
【0151】
ステップS404の処理では、まず、ユーザが操作した選手キャラクタ50を識別する選手識別データが取得される。また、操作内容又は行動内容の記録結果を示す操作データ又は行動データも取得される。そして、それらのデータと、現在状況データ記憶部60に記憶されるゲーム状況データ(図8参照)に含まれる戦術データと、に基づいて、新たな戦術データが取得される。
【0152】
なお、現在状況データ記憶部60に記憶されるゲーム状況データ(図8参照)に含まれる戦術データは、戦術設定画面(図6参照)で変更された後の戦術データである(図12のS115参照)。このため、ステップS404の処理では、戦術設定画面で変更された後の戦術データの内容(フォーメーション、作戦、「攻撃意識」パラメータ、「プレッシング」パラメータ、及び「ディフェンスライン」パラメータ)と、時点Xにおける状況から再開されたゲームにおける上記の操作内容又は行動内容の記録結果と、を組み合わせることによって、戦術データが生成されることになる。
【0153】
次に、通常モードにおいて実行される処理について説明する。第3実施形態における通常モードにおいても、第1実施形態及び第2実施形態と同様、図13及び図14の処理が実行される。
【0154】
なお、現在状況データ記憶部60に記憶されるゲーム状況データに含まれる戦術データが特別戦術データによって上書きされた場合、図14のステップS207の処理において、記録結果データ(選手識別データ、操作データ又は行動データ)を含んでなる戦術データ(図16参照)によって味方選手キャラクタの配置状況が更新されることになる。
【0155】
この場合、制御部14(特別行動制御部82)は、戦術データに含まれる選手識別データによって識別される味方選手キャラクタの配置状況(例えば位置や向き等)を、該戦術データに含まれる操作データ又は行動データに基づいて制御する。その結果、この味方選手キャラクタは、操作データが示す操作に従って行動したり、行動データが示す行動を行ったりするようになる。
【0156】
なお、選手識別データによって識別される味方選手キャラクタ以外の味方選手キャラクタの配置状況(例えば位置や向き等)は、フォーメーション、作戦、「攻撃意識」パラメータ、「プレッシング」パラメータ、及び「ディフェンスライン」パラメータの設定内容に基づいて制御される。
【0157】
以上説明した第3実施形態に係るゲーム装置10によれば、過去の時点における状況からのゲームプレイを繰り返し練習しながら、該状況に適した戦術データの調整を行うことが可能になる。また、第3実施形態に係るゲーム装置10によれば、過去の時点における状況に合わせた戦術データの調整を、ユーザが実際に選手キャラクタ50を操作することによって行うことも可能になる。さらに、第3実施形態に係るゲーム装置10によれば、その調整結果をその後のゲームにおいて発揮させることが可能になる。第3実施形態に係るゲーム装置10によれば、戦術データの調整を補助する機能を実現できるようになる。
【0158】
なお、本発明は以上に説明した第1〜第3実施形態に限定されるものではない。
【0159】
(1)例えば、味方選手キャラクタの行動が特別戦術データに基づいて制御されていることを案内する画像をゲーム画面に表示するようにしてもよい。
【0160】
(2)また例えば、複数種類の行動決定アルゴリズムを用意しておき、ユーザが所望の行動決定アルゴリズムを選択できるようにしてもよい。そして、ユーザの選択結果が戦術データの一部として扱われるようにしてもよい。
【0161】
(3)また例えば、練習モードが備える機能(リトライ機能や戦術データの調整機能)を通常モードが備えるようにしてもよい。また、この場合、練習モードを省略してもよい。
【0162】
(4)また例えば、本発明はサッカーゲーム以外のスポーツゲームにも適用することができる。例えば、本発明は、ボール(移動物体)を用いて行われるバスケットボール、アメリカンフットボール、野球、又はテニスのゲームや、パック(移動物体)を用いて行われるアイスホッケーのゲームにも適用することができる。なお、この場合のゲーム空間には、複数の選手に対応する複数の動的オブジェクトと、移動物体(ボール又はパック)に対応する動的オブジェクトと、が配置されることになる。また例えば、本発明は、複数の自動車がレースを行うレースゲームにも適用することができる。なお、この場合のゲーム空間には、複数の自動車に対応する複数の動的オブジェクトが配置されることになる。
【0163】
また、本発明はスポーツゲーム以外のゲームにも適用することができる。例えば、本発明は、複数のゲームキャラクタが戦うゲームにも適用することができる。なお、この場合のゲーム空間には、複数のゲームキャラクタに対応する複数の動的オブジェクトが配置されることになる。
【0164】
さらに、本発明は通信ネットワークを介して実行されるネットワークゲームにも適用することができる。
【0165】
(5)また例えば、ゲーム空間は仮想的な2次元空間であってもよい。すなわち、ゲーム空間に配置される動的オブジェクトの位置等は2つの座標要素によって管理されるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0166】
10 ゲーム装置、11 家庭用ゲーム機、12 バス、14 制御部、16 主記憶、18 画像処理部、20 入出力処理部、22 音声処理部、24 光ディスク読み取り部、26 ハードディスク、28 通信インタフェース、30 コントローラ、32 表示部、34 音声出力部、36 光ディスク、40 ゲーム空間、42 フィールド、44 ゴールライン、46 タッチライン、48 ゴール、50 選手キャラクタ、52 ボール、54 仮想カメラ、60 現在状況データ記憶部、62 過去状況データ記憶部、64 特別行動制御データ記憶部、66 ゲーム制御部、68 現在状況データ更新部、70 表示制御部、72 過去状況データ保存部、74 再実行部、76 特別行動制御データ生成部、78 特別行動制御データ保存部、80 比較結果取得部、82 特別行動制御部。
【技術分野】
【0001】
本発明はゲーム装置、ゲーム装置の制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一又は複数のゲームキャラクタが行動制御データに基づいて行動するゲームが知られている。例えば、ユーザの操作対象に設定されている選手キャラクタがユーザの操作に基づいて行動し、味方選手キャラクタが、ユーザによってあらかじめ設定された行動制御データ(例えば、攻撃を積極的に行うか否かを示すパラメータ)に基づいて行動するサッカーゲームが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−229196号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなゲームでは、ユーザはゲームの状況に合わせて行動制御データを調整する必要がある。このため、上記のようなゲームでは、行動制御データの調整を補助する機能の実現が強く望まれている。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、一又は複数のゲームキャラクタが行動制御データに基づいて行動するゲームにおいて、行動制御データの調整を補助する機能を実現することが可能なゲーム装置、ゲーム装置の制御方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係るゲーム装置は、一又は複数のゲームキャラクタが行動制御データに基づいて行動するゲームを実行するゲーム装置において、前記ゲームの状況を過去の時点における状況に戻し、該状況から前記ゲームを再実行する再実行手段と、前記過去の時点において用いられていた行動制御データである第1の行動制御データと、ユーザの操作と、に基づいて、第2の行動制御データを生成する生成手段と、前記過去の時点における状況を基準状況として記憶手段に記憶させ、かつ、該基準状況に対応する特別行動制御データとして前記第2の行動制御データを前記記憶手段に記憶させる保存手段と、前記基準状況と前記特別行動制御データとが前記記憶手段に記憶された後に実行される前記ゲームにおいて、前記ゲームの状況と前記基準状況との比較結果を取得する比較結果取得手段と、前記比較結果が所定の結果である場合、前記基準状況に対応づけて記憶される前記特別行動制御データに基づく前記一又は複数のゲームキャラクタの行動制御を開始する行動制御手段と、を含むことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係るゲーム装置の制御方法は、一又は複数のゲームキャラクタが行動制御データに基づいて行動するゲームを実行するゲーム装置の制御方法において、前記ゲームの状況を過去の時点における状況に戻し、該状況から前記ゲームを再実行する再実行ステップと、前記過去の時点において用いられていた行動制御データである第1の行動制御データと、ユーザの操作と、に基づいて、第2の行動制御データを生成する生成ステップと、前記過去の時点における状況を基準状況として記憶手段に記憶させ、かつ、該基準状況に対応する特別行動制御データとして前記第2の行動制御データを前記記憶手段に記憶させる保存ステップと、前記基準状況と前記特別行動制御データとが前記記憶手段に記憶された後に実行される前記ゲームにおいて、前記ゲームの状況と前記基準状況との比較結果を取得する比較結果取得ステップと、前記比較結果が所定の結果である場合、前記基準状況に対応づけて記憶される前記特別行動制御データに基づく前記一又は複数のゲームキャラクタの行動制御を開始する行動制御ステップと、を含むことを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係るプログラムは、一又は複数のゲームキャラクタが行動制御データに基づいて行動するゲームを実行するゲーム装置として、家庭用ゲーム機(据置型ゲーム機)、携帯ゲーム機、業務用ゲーム機、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)、又はパーソナルコンピュータ等のコンピュータを機能させるためのプログラムであって、前記ゲームの状況を過去の時点における状況に戻し、該状況から前記ゲームを再実行する再実行手段、前記過去の時点において用いられていた行動制御データである第1の行動制御データと、ユーザの操作と、に基づいて、第2の行動制御データを生成する生成手段、前記過去の時点における状況を基準状況として記憶手段に記憶させ、かつ、該基準状況に対応する特別行動制御データとして前記第2の行動制御データを前記記憶手段に記憶させる保存手段、前記基準状況と前記特別行動制御データとが前記記憶手段に記憶された後に実行される前記ゲームにおいて、前記ゲームの状況と前記基準状況との比較結果を取得する比較結果取得手段、及び、前記ゲームの状況と前記基準状況との比較結果が所定の結果である場合、前記基準状況に対応づけて記憶される前記特別行動制御データに基づく前記一又は複数のゲームキャラクタの行動制御を開始する行動制御手段、として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0009】
また、本発明に係る情報記憶媒体は、上記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体である。
【0010】
本発明によれば、一又は複数のゲームキャラクタが行動制御データに基づいて行動するゲームにおいて、行動制御データの調整を補助する機能を実現することが可能になる。
【0011】
また、本発明の一態様では、前記生成手段は、前記第1の行動制御データを変更するよう前記ユーザに案内する画面を表示手段に表示させる手段を含み、前記画面において前記ユーザが行った操作に基づいて前記第1の行動制御データを変更することによって、前記第2の行動制御データを生成するようにしてもよい。
【0012】
また、この態様では、前記生成手段は、前記画面において前記ユーザが行った操作に基づいて前記第1の行動制御データを変更してなる行動制御データを、前記第2の行動制御データとして取得するようにしてもよい。前記再実行手段は、再実行される前記ゲームにおいて、前記一又は複数のゲームキャラクタを前記第2の行動制御データに基づいて行動させる手段を含むようにしてもよい。
【0013】
また、本発明の一態様では、前記ゲームは、複数のゲームキャラクタが行動制御データに基づいて行動するゲームであってもよい。前記生成手段は、前記画面において前記ユーザが行った操作に基づいて前記第1の行動制御データを変更してなる第3の行動制御データを取得する手段を含むようにしてもよい。前記再実行手段は、再実行される前記ゲームにおいて、前記複数のゲームキャラクタのいずれかを前記ユーザの操作対象に設定する手段と、再実行される前記ゲームにおいて、前記ユーザの操作対象に設定されたゲームキャラクタを前記ユーザの操作に基づいて行動させる手段と、再実行される前記ゲームにおいて、前記複数のゲームキャラクタのうち、前記ユーザの操作対象に設定されていないゲームキャラクタを、前記第3の行動制御データに基づいて行動させる手段と、を含むようにしてもよい。前記生成手段は、前記ユーザの操作対象に設定されたゲームキャラクタに対して前記ユーザが行った操作内容と、前記ユーザの操作対象に設定されたゲームキャラクタが前記ユーザの操作に基づいて行った行動内容と、の少なくとも一方と、前記第3の行動制御データと、に基づいて、前記第2の行動制御データを生成するようにしてもよい。
【0014】
また、本発明の一態様では、前記ゲームは、複数のゲームキャラクタが行動制御データに基づいて行動するゲームであってもよい。前記再実行手段は、再実行される前記ゲームにおいて、前記複数のゲームキャラクタのいずれかを前記ユーザの操作対象に設定する手段と、再実行される前記ゲームにおいて、前記ユーザの操作対象に設定されたゲームキャラクタを前記ユーザの操作に基づいて行動させる手段と、を含むようにしてもよい。前記生成手段は、前記ユーザの操作対象に設定されたゲームキャラクタに対して前記ユーザが行った操作内容と、前記ユーザの操作対象に設定されたゲームキャラクタが前記ユーザの操作に基づいて行った行動内容と、の少なくとも一方と、前記第1の行動制御データと、に基づいて、前記第2の行動制御データを生成するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態に係るゲーム装置のハードウェア構成を示す図である。
【図2】ゲーム空間の一例を示す図である。
【図3】試合中のゲーム画面の一例を示す図である。
【図4】戦術データの一例を示す模式図である。
【図5】時点指定画面の一例を示す図である。
【図6】戦術設定画面の一例を示す図である。
【図7】ゲーム装置で実現される機能ブロックの一例を示す機能ブロック図である。
【図8】ゲーム状況データの一例を示す模式図である。
【図9】過去状況データ記憶部の記憶内容の一例を示す模式図である。
【図10】特別行動制御データ記憶部の記憶内容の一例を示す模式図である。
【図11】ゲーム装置で実行される処理の一例を示すフロー図である。
【図12】ゲーム装置で実行される処理の一例を示すフロー図である。
【図13】ゲーム装置で実行される処理の一例を示すフロー図である。
【図14】ゲーム装置で実行される処理の一例を示すフロー図である。
【図15】選手選択画面の一例を示す図である。
【図16】戦術データの他の一例を示す模式図である。
【図17】ゲーム装置で実行される処理の一例を示すフロー図である。
【図18】ゲーム装置で実行される処理の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態の例について図面に基づき詳細に説明する。本実施形態に係るゲーム装置は、例えば家庭用ゲーム機(据置型ゲーム機)、携帯ゲーム機、パーソナルコンピュータ、携帯電話機、又は携帯情報端末(PDA)等を用いて実現される。ここでは、本実施形態に係るゲーム装置を家庭用ゲーム機を用いて実現する場合について説明する。
【0017】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係るゲーム装置10のハードウェア構成を示す図である。図1に示すように、ゲーム装置10は、家庭用ゲーム機11、表示部32、音声出力部34、及び光ディスク36(情報記憶媒体)を含む。表示部32は例えばテレビ受像機や液晶ディスプレイ等の表示装置である。音声出力部34は例えばスピーカやヘッドホン等の音声出力装置である。
【0018】
家庭用ゲーム機11はコンピュータゲームシステムであり、バス12、制御部14、主記憶16、画像処理部18、入出力処理部20、音声処理部22、光ディスク読み取り部24、ハードディスク26、通信インタフェース28、及びコントローラ30を含む。
【0019】
制御部14は一又は複数のマイクロプロセッサを含む。制御部14は、図示しないROMに格納されるオペレーティングシステムや、光ディスク36から読み出されるプログラムに基づいて、各種情報処理を実行する。主記憶16は例えばRAMを含み、光ディスク36から読み出されたプログラム及びデータが必要に応じて主記憶16に書き込まれる。主記憶16は制御部14の作業用メモリとしても用いられる。
【0020】
バス12はアドレス及びデータを家庭用ゲーム機11の各部でやり取りするために用いられる。画像処理部18はVRAMを含み、制御部14から供給される画像データに基づいてVRAM上にゲーム画面を描画する。VRAM上に描画されたゲーム画面はビデオ信号に変換され、表示部32に出力される。
【0021】
入出力処理部20は制御部14が音声処理部22、光ディスク読み取り部24、ハードディスク26、通信インタフェース28、及びコントローラ30にアクセスするためのインタフェースである。音声処理部22はサウンドバッファを含み、光ディスク36からサウンドバッファに読み出された各種音声データ(例えばゲーム音楽、ゲーム効果音、台詞等)を音声出力部34から出力する。通信インタフェース28は、家庭用ゲーム機11を通信ネットワークに有線又は無線接続するためのインタフェースである。
【0022】
光ディスク読み取り部24は光ディスク36に記録されたプログラムやデータを読み取る。なお、ここではプログラムやデータを家庭用ゲーム機11に供給するために光ディスク36を用いるが、メモリカード等、他の情報記憶媒体を用いるようにしてもよい。また、例えばインターネット等の通信ネットワークを介して遠隔地からプログラムやデータを家庭用ゲーム機11に供給するようにしてもよい。ハードディスク26は一般的なハードディスク装置(補助記憶装置)である。光ディスク36に記憶されることとして説明するプログラム及びデータはハードディスク26に記憶されていてもよい。
【0023】
コントローラ30はユーザが各種ゲーム操作を入力するための操作手段である。複数のコントローラ30を家庭用ゲーム機11に有線又は無線接続することが可能である。入出力処理部20は一定周期毎(例えば1/60秒ごと)にコントローラ30の操作状態をスキャンし、そのスキャン結果を表す操作信号をバス12を介して制御部14に渡す。制御部14はその操作信号に基づいてユーザのゲーム操作を判定する。
【0024】
ゲーム装置10では、例えば、ユーザが操作するチーム(以下「ユーザチーム」と呼ぶ。)と、対戦相手が操作するチーム(以下「対戦相手チーム」と呼ぶ。)と、の間のサッカーの試合を模したサッカーゲームが実行される。このサッカーゲームは、光ディスク36から読み出されたゲームプログラムが実行されることによって実現される。
【0025】
上記のサッカーゲームを実現するためにゲーム空間が主記憶16に構築される。図2はゲーム空間の一例を示す。図2に示すゲーム空間40は仮想的な3次元空間になっている。図2に示すように、ゲーム空間40には、サッカーフィールドを表すオブジェクトであるフィールド42が配置される。フィールド42上に例えばゴールライン44やタッチライン46が表される。
【0026】
また、フィールド42上には、サッカーのゴールを表すオブジェクトであるゴール48と、サッカー選手を表すオブジェクトである選手キャラクタ50と、サッカーボールを表すオブジェクトであるボール52と、が配置される。図2では省略されているが、ユーザチームに所属する11体の選手キャラクタ50と、対戦相手チームに所属する11体の選手キャラクタ50とがフィールド42上に配置される。なお、選手キャラクタ50及びボール52は、ゲーム空間40内において位置や姿勢等が変化する動的オブジェクトである。
【0027】
ゴール48の一方はユーザチームに対応づけられ、他方は対戦相手チームに対応づけられる。いずれか一方のチームに対応づけられたゴール48内にボール52が移動すると、他方のチームの得点イベントが発生する。
【0028】
選手キャラクタ50とボール52とが近づくと、所定条件の下、その選手キャラクタ50とボール52とが関連づけられる。この場合の選手キャラクタ50の移動動作はドリブル動作になる。以下では、選手キャラクタ50にボール52が関連づけられた状態のことを「選手キャラクタ50がボール52を保持している」というように記載する。
【0029】
また、ゲーム空間40には仮想カメラ54(視点)が設定される。試合中に表示部32にゲーム画面には、ゲーム空間40を仮想カメラ54から見た様子を表す画像が表示される。図3は試合中のゲーム画面の一例を示す。例えば、試合中のゲーム画面にボール52が常に表示されるように、仮想カメラ54はボール52の位置に基づいてゲーム空間40内を移動する。
【0030】
ユーザチームに所属する複数の選手キャラクタ50のうちのいずれかがユーザの操作対象に設定される。ユーザの操作対象は、例えばボール52の位置又はユーザの操作に基づいて、ユーザチームに所属する選手キャラクタ50のうちで切り替えられる。ユーザの操作対象に設定されている選手キャラクタ50はユーザの操作に従って行動する。一方、ユーザチームに所属する選手キャラクタ50のうちの、ユーザの操作対象に設定されていない選手キャラクタ50(以下「味方選手キャラクタ」と呼ぶ。)は、ユーザチームの戦術データに基づいて行動する。
【0031】
ここで、ユーザチームの戦術データについて説明する。上述のように、戦術データは、味方選手キャラクタの行動制御の基礎とされるデータ(行動制御データ)である。ユーザチームの戦術データは、例えば試合が開始される前等にユーザによって設定される。図4は、ユーザチームの戦術データの一例を示す模式図である。図4に示す戦術データには下記に示すデータが含まれている。
(a)フォーメーション
(b)作戦
(c)「攻撃意識」パラメータ
(d)「プレッシング」パラメータ
(e)「ディフェンスライン」パラメータ
【0032】
「フォーメーション」は、あらかじめ用意された複数のフォーメーションのうちからユーザが選択したユーザチームのフォーメーションである。なお、図4において、フォーメーション「4−3−3」は、四名のディフェンダー(DF)と、三名のミッドフィルダー(MF)と、三名のフォワード(FW)と、ゴールキーパー(GK)と、が配置されるフォーメーションである。
【0033】
また、「作戦」は、あらかじめ用意された複数の作戦のうちからユーザが選択したユーザチームの作戦である。ユーザが選択可能な作戦の例としては、「サイドアタック」、「中央突破」、又は「カウンターアタック」等がある。「サイドアタック」とは、主に、タッチライン46付近の領域を使用して攻撃を行う作戦である。「中央突破」とは、主に、中央の領域を使用して攻撃を行う作戦である。「カウンターアタック」とは、対戦相手チームに攻め込まれている場合にも、フォワードの選手キャラクタ50が対戦相手陣内に位置するようにし、対戦相手チームからボール52を奪った場合にフォワードの選手キャラクタ50にパスを出すことによって、速やかに攻撃を行う作戦である。
【0034】
また、「攻撃意識」パラメータは、攻撃をどの程度積極的に行うのかを示すパラメータである。例えば、「攻撃意識」パラメータは−5以上かつ+5以下の値をとる。「攻撃意識」パラメータの値が高い場合とは、攻撃を積極的に行うことを示す。一方、「攻撃意識」パラメータの値が低い場合とは、守備を重視することを示す。
【0035】
また、「プレッシング」パラメータは、いわゆるプレスディフェンスをどの程度積極的に行うかを示すパラメータである。「プレスディフェンス」とは、ボール52を保持する選手キャラクタ50に近寄って行き、ボール52を保持する選手キャラクタ50にプレッシャーをかけるというような守備動作である。例えば、「プレッシング」パラメータも−5以上かつ+5以下の値をとる。「プレッシング」パラメータの値が高いほど、ユーザチームに所属する選手キャラクタ50が積極的にプレスディフェンスを行うようになる。
【0036】
さらに、「ディフェンスライン」パラメータは、いわゆるディフェンスラインをどの程度上げるかを示すパラメータである。「ディフェンスライン」とは、ユーザチームに所属するディフェンダーのうちの、ユーザチームが守備すべきゴール48に最も近いディフェンダーの位置に、ゴールライン44と平行に引かれた仮想的な線のことである。また、「ディフェンスラインを上げる」とは、ユーザチームに所属するディフェンダーの選手キャラクタ50達が、ユーザチームが守備すべきゴール48から離れることを意味している。例えば、「ディフェンスライン」パラメータも−5以上かつ+5以下の値をとる。「ディフェンスライン」パラメータの値が高いほど、ディフェンスラインの上がり具合が大きくなる。
【0037】
なお、「攻撃意識」パラメータや「プレッシング」パラメータは、ユーザチームに所属する各選手キャラクタ50ごとに設定されるようにしてもよい。
【0038】
本実施形態に係るゲーム装置10は、通常モードと練習モードとの二つのゲームモードを備えている。通常モードは、ユーザが他のユーザ又はコンピュータとの対戦を楽しむためのモードである。通常モードでは、ユーザチームと、他のユーザ又はコンピュータが操作する対戦相手チームと、の間の試合が実行される。
【0039】
一方、練習モードは、ユーザがゲームの練習を行うためのモードである。練習モードでは、ユーザチームと、コンピュータが操作する対戦相手チームと、の間の試合が実行される。練習モードはリトライ機能を備える点で通常モードとは異なる。以下、リトライ機能について説明する。
【0040】
練習モードでは、試合中に、試合の状況を示すデータが所定時間(例えば1秒)ごとに記録される。そして、試合中に、ユーザは試合の状況を過去の時点における状況に戻し、その状況からゲームをプレイし直すことができるようになっている。例えば、対戦相手チームの得点イベントが発生した場合、ユーザは、試合の状況を、対戦相手チームの得点イベントが発生した時点よりも少し前の時点に戻し、その状況からゲームをプレイし直すことができるようになっている。
【0041】
試合の状況を過去の時点における状況に戻す場合、ユーザは、試合の進行を一時的に中断するための中断操作を行う。中断操作が行われた場合、試合の進行が一時的に中断されるとともに、ゲームの状況をどの時点まで戻すのかをユーザが指定するための時点指定画面が表示される。図5は時点指定画面の一例を示す。この時点指定画面において、ユーザは、試合の状況を何秒前の時点まで戻すのかを指定する。なお、以下では、この時点指定画面でユーザによって指定された時点のことを「時点X」と記載する。
【0042】
時点指定画面でユーザが時点Xの指定を完了すると、次に、ユーザチームの戦術データを変更するための戦術設定画面が表示される。図6は戦術設定画面の一例を示す。戦術設定画面において、ユーザはコントローラ30を操作することによって、戦術データを変更する。
【0043】
戦術設定画面でユーザが戦術データの変更を完了すると、時点Xにおける試合の状況が再現され、その状況からゲームが再開される。この場合、味方選手キャラクタは、変更後の戦術データに基づいて行動するようになる。
【0044】
ユーザは、以上に説明したリトライ機能を利用することによって、過去の時点における状況からのゲームプレイを繰り返し練習することができる。例えば、対戦相手チームの得点イベントが発生した場合、ユーザは、対戦相手チームの得点イベントが発生した時点よりも少し前の時点からのゲームプレイを繰り返し練習することができる。
【0045】
また、ユーザは、過去の時点における状況からゲームをプレイし直すにあたって、ユーザチームの戦術データを変更することができる。このため、ユーザは、ユーザチームの戦術データの変更によって試合の状況が好転するか否かを試すことができ、該状況に合わせて最適な戦術データを調整することができる。
【0046】
さらに、ゲーム装置10は、練習モードにおける戦術データの調整結果が、その後に実行される通常モードのゲームにおいて発揮されるように補助するための機能を備えている。
【0047】
具体的には、ゲーム装置10では、時点指定画面(図5参照)でユーザによって指定された時点(時点X)における試合の状況と、戦術設定画面(図6参照)で変更された後の戦術データと、の組合せが、基準状況と特別戦術データとの組合せとして保存される。すなわち、練習モードで練習した状況と、その状況に合わせて調整された戦術データと、の組合せが保存される。
【0048】
そして、それ以降に実行される通常モードでは、試合の状況が基準状況と一致又は類似する状況になったか否かが監視され、試合の状況が基準状況と一致又は類似する状況になった場合には、該基準状況に対応する特別戦術データに基づいて、味方選手キャラクタの行動が制御される。
【0049】
以上のように、ゲーム装置10では、練習モードにおいてユーザが過去の時点における状況に合わせて戦術データを調整できるようになっており、さらに、その調整結果がその後に実行される通常モードのゲームにおいて発揮されるようになっている。
【0050】
以下、以上に説明した機能を実現するための構成について説明する。図7は、ゲーム装置10で実現される機能ブロックの一例を示す機能ブロック図である。図7に示す機能ブロック図は、主に、以上に説明した機能に関連する機能ブロックを示している。図7に示すように、ゲーム装置10は、現在状況データ記憶部60、過去状況データ記憶部62、特別行動制御データ記憶部64、及びゲーム制御部66を含む。
【0051】
現在状況データ記憶部60及び過去状況データ記憶部62は、例えば主記憶16を主として実現され、特別行動制御データ記憶部64は、例えばハードディスク26を主として実現される。ゲーム制御部66は、通常モード及び練習モードにおけるゲーム制御を実行するための機能ブロックであり、例えば制御部14を主として実現される。
【0052】
また、図7に示すように、ゲーム制御部66は、現在状況データ更新部68、表示制御部70、過去状況データ保存部72、再実行部74、特別行動制御データ生成部76、及び特別行動制御データ保存部78を含む。さらに、現在状況データ更新部68は、比較結果取得部80及び特別行動制御部82を含む。
【0053】
現在状況データ記憶部60、現在状況データ更新部68、及び表示制御部70は、通常モード及び練習モードに共通な機能ブロックである。
【0054】
現在状況データ記憶部60は、ゲームの現在の状況を示すデータを記憶する。図8は、ゲームの状況を示すデータ(以下「ゲーム状況データ」と記載する。)の一例を示す模式図である。図8に示すゲーム状況データには下記に示すデータが含まれている。
(A)ゲーム空間40の状況データ
(B)仮想カメラ54の設定状況データ
(C)得点データ
(D)経過時間データ
(E)ユーザチームの戦術データ
【0055】
ゲーム空間40の状況データとは、ゲーム空間40に配置される動的オブジェクトの配置状況に関するデータである。本実施形態の場合、選手キャラクタ50及びボール52が動的オブジェクトに相当するため、図8に示すように、ゲーム空間40の状況データには下記に示すデータが含まれる。
(A−1)各選手キャラクタ50の配置状況データ
(A−2)ボール52の配置状況データ
【0056】
各選手キャラクタ50の配置状況データは、各選手キャラクタ50の配置状況(例えば位置、向き、姿勢や移動方向等)を示すデータである。各選手キャラクタ50の配置状況データには、その選手キャラクタ50がボール52を保持しているか否かを示すデータや、その選手キャラクタ50がユーザの操作対象に設定されているか否かを示すデータも含まれる。また、ボール52の配置状況データは、ボール52の配置状況(例えば位置や移動方向等)を示すデータである。なお、以下では、ゲーム空間40の状況データのことを「配置状況データ」と記載する。
【0057】
仮想カメラ54の設定状況データは、仮想カメラ54の設定状況(例えば位置や視線方向等)を示すデータである。得点データは両チームの得点を示すデータである。経過時間データは経過時間を示すデータである。
【0058】
現在状況データ更新部68は、現在状況データ記憶部60に記憶されるゲーム状況データを更新することによって、ゲームの現在の状況を更新する。
【0059】
例えば、現在状況データ更新部68は、ユーザの操作対象になっている選手キャラクタ50の配置状況(例えば位置や向き等)を、ユーザの操作に基づいて更新する。これによって、ユーザの操作対象になっている選手キャラクタ50がユーザの操作に基づいて行動するようになる。
【0060】
また例えば、現在状況データ更新部68は、味方選手キャラクタの配置状況(例えば位置や向き等)を、行動決定アルゴリズムと、ユーザチームの戦術データと、に基づいて更新する。なお、行動決定アルゴリズムは、味方選手キャラクタが行うべき行動を、ユーザチームの戦術データに基づいて決定するためのアルゴリズムである。これによって、味方選手キャラクタが戦術データに基づいて行動するようになる。
【0061】
また例えば、現在状況データ更新部68は、ボール52の配置状況(例えば位置や移動方向等)も更新する。現在状況データ更新部68の動作の詳細については後述する(図11のS104、図14のS207参照)。
【0062】
表示制御部70は、ゲーム空間40の全体又は一部の様子を表すゲーム画面(図3参照)を表示部32に表示する。表示制御部70の動作の詳細については後述する(図11のS105、図14のS208参照)。
【0063】
過去状況データ記憶部62、過去状況データ保存部72、及び再実行部74は練習モード(リトライ機能)に関連する機能ブロックである。また、特別行動制御データ記憶部64、特別行動制御データ生成部76、特別行動制御データ保存部78、比較結果取得部80、及び特別行動制御部82は戦術データの調整に関する機能ブロックである。
【0064】
過去状況データ記憶部62は、過去の時点におけるゲームの状況を示すデータを記憶する。本実施形態の場合、過去状況データ記憶部62は、複数の過去の時点の各々におけるゲーム状況データ(図8参照)を記憶する。図9は、過去状況データ記憶部62の記憶内容の一例を示す模式図である。図9に示す例では、所定時間(例えば30秒)前から現在までの期間における所定間隔(例えば1秒)ごとのゲーム状況データが記憶されている。
【0065】
過去状況データ保存部72は、所定間隔(例えば1秒)ごとに、その時点のゲーム状況データを過去状況データ記憶部62に記憶させる。本実施形態の場合、過去状況データ保存部72は、所定間隔(例えば1秒)ごとに、現在状況データ記憶部60に記憶されるゲーム状況データを過去状況データ記憶部62にコピーする。
【0066】
再実行部74は、過去状況データ記憶部62の記憶内容に基づいて、過去の時点におけるゲームの状況を再現し、その状況からゲームを再実行する。本実施形態の場合、再実行部74は、ゲームの状況を、ユーザによって指定された過去の時点(時点X)における状況に戻し、その状況からゲームを再実行する。再実行部74の動作の詳細については後述する(図12のS109,S110参照)。
【0067】
特別行動制御データ生成部76は、時点Xにおいて用いられていた戦術データ(行動制御データ)である第1の戦術データ(第1の行動制御データ)と、ユーザの操作と、に基づいて、第2の戦術データ(第2の行動制御データ)を生成する。後述するように、第2の戦術データは、特別戦術データ(特別行動制御データ)として特別行動制御データ記憶部64に記憶される。
【0068】
例えば、特別行動制御データ生成部76は戦術設定画面(図6参照)を表示部32に表示する。戦術設定画面は、第1の戦術データを変更するようユーザに案内する画面である。特別行動制御データ生成部76は、戦術設定画面でユーザが行った操作に基づいて第1の戦術データを変更することによって、第2の戦術データを生成する。
【0069】
本実施形態の場合、特別行動制御データ生成部76は、戦術設定画面でユーザが行った操作に基づいて第1の戦術データを変更してなる戦術データを、第2の戦術データとして取得する。特別行動制御データ生成部76の動作の詳細については後述する(図12のS111〜S114参照)。
【0070】
特別行動制御データ保存部78は、時点Xにおけるゲームの状況を基準状況として特別行動制御データ記憶部64に記憶させ、かつ、特別行動制御データ生成部76によって生成された第2の戦術データを、該基準状況に対応する特別戦術データとして特別行動制御データ記憶部64に記憶させる。
【0071】
図10は、特別行動制御データ記憶部64の記憶内容の一例を示す模式図である。図10に示すように、特別行動制御データ記憶部64では、基準状況を示す基準状況データと、特別戦術データと、が対応づけて記憶される。基準状況データとしては、例えば、時点Xにおけるゲーム状況データ(図8参照)が記憶される。
【0072】
なお、後述するように、基準状況データは、ゲームの現在の状況が基準状況と一致又は類似するか否かを判定するために比較結果取得部80によって参照される。このため、基準状況データとしては、上記の判定を行うために必要な情報のみが記憶されるようにすればよい。
【0073】
例えば、動的オブジェクトである選手キャラクタ50及びボール52の配置状況を用いて上記の判定が行われる場合には、ゲーム状況データ(図8参照)の一部である配置状況データのみが、基準状況データとして記憶されるようにすればよい。
【0074】
また例えば、動的オブジェクトである選手キャラクタ50及びボール52の位置のみを用いて上記の判定が行われる場合には、選手キャラクタ50及びボール52の位置データのみが、基準状況データとして記憶されるようにすればよい。
【0075】
比較結果取得部80は、ゲームの現在の状況と基準状況との比較結果を取得する。例えば、比較結果取得部80はゲームの現在の状況と基準状況とを比較し、その比較結果を取得する。本実施形態の場合、比較結果取得部80は、ゲームの現在の状況と基準状況との類似度を取得する。比較結果取得部80の動作の詳細については後述する(図13のS201参照)。
【0076】
特別行動制御部82は、比較結果取得部80によって取得された比較結果が所定の結果である場合、基準状況に対応する特別戦術データに基づく味方選手キャラクタの行動制御を開始する。ここで、「所定の結果」とは、ゲームの現在の状況が基準状況と一致又は類似する旨の比較結果である。
【0077】
本実施形態の場合、ゲームの現在の状況と基準状況との類似度が所定の基準類似度よりも高い場合、特別行動制御部82は、該基準状況に対応する特別戦術データに基づく味方選手キャラクタの行動制御を開始する。特別行動制御部82の動作の詳細については後述する(図13のS202〜S206参照)。
【0078】
次に、ゲーム制御部66を実現するためにゲーム装置10で実行される処理について説明する。図11〜図14はゲーム装置10で実行される処理の一例を示すフロー図である。
【0079】
まず、練習モードで実行される処理について説明する。図11及び図12は練習モードで実行される処理を示している。図11に示すように、制御部14は、コントローラ30から入力される操作信号に基づいて、ユーザによって中断操作が行われたか否かを判定する(S101)。
【0080】
中断操作が行われていないと判定された場合、制御部14(過去状況データ保存部72)は、保存タイミングが到来したか否かを判定する(S102)。「保存タイミング」とは、ゲーム状況データを過去状況データ記憶部62に保存すべきタイミングを意味している。例えば、保存タイミングは所定時間(例えば1秒)ごとに到来する。
【0081】
保存タイミングが到来したと判定された場合、制御部14(過去状況データ保存部72)は、現在状況データ記憶部60に記憶されるゲーム状況データを過去状況データ記憶部62に追加記憶させる(S103)。なお、所定個数(例えば30個)のゲーム状況データが過去状況データ記憶部62にすでに記憶されている場合には、最も古いゲーム状況データが過去状況データ記憶部62から削除された後、現在状況データ記憶部60に記憶されるゲーム状況データが過去状況データ記憶部62に記憶される。
【0082】
ステップS103の処理が実行された場合、又は、保存タイミングが到来していないとステップS102において判定された場合、制御部14(現在状況データ更新部68)は、現在状況データ記憶部60に記憶されるゲーム状況データを更新する(S104)。このステップの処理では、ゲーム空間40の状況データ(配置状況データ)、仮想カメラ54の設定状況データ、得点データや、経過時間データが更新される。
【0083】
例えば、ステップS104の処理では、ユーザの操作対象になっている選手キャラクタ50の配置状況(例えば位置や向き等)が、ユーザの操作に基づいて更新される。
【0084】
また例えば、味方選手キャラクタの配置状況(例えば位置や向き等)が、行動決定アルゴリズムと、現在状況データ記憶部60に記憶されるゲーム状況データ(図8参照)に含まれる戦術データと、に基づいて更新される。
【0085】
また例えば、ボール52の配置状況(例えば位置等)が更新される。
【0086】
一方、ステップS101において中断操作が行われたと判定された場合、図12に示すように、制御部14(再実行部74)は、試合の進行を一時的に中断し、時点指定画面(図5参照)を表示部32に表示する(S107)。その後、制御部14(再実行部74)は、時点指定画面において、所定時間(例えば30秒)前から現在までの期間のうちのいずれかの時点を時点Xとしてユーザが指定したか否かを監視する(S108)。
【0087】
時点指定画面でユーザが時点Xを指定した場合、制御部14(再実行部74及び特別行動制御データ生成部76)は、時点Xにおけるゲーム状況データを過去状況データ記憶部62から読み出す(S109)。なお、この場合、時点X以降の時点におけるゲーム状況データが過去状況データ記憶部62から削除される。
【0088】
その後、制御部14(再実行部74)は、ステップS109で読み出されたゲーム状況データによって、現在状況データ記憶部60に記憶されるゲーム状況データを上書きする(S110)。このステップの処理が実行される結果として、ゲームの現在の状況が時点Xにおける状況に戻され、時点Xにおける状況からゲームの進行が再開されることになる。
【0089】
その後、制御部14(特別行動制御データ生成部76)は、ステップS109で読み出されたゲーム状況データ(図8参照)に含まれる戦術データを取得する(S111)。この戦術データは、時点Xにおいて用いられていた戦術データであり、「第1の戦術データ」に相当する。
【0090】
その後、制御部14(特別行動制御データ生成部76)は戦術設定画面(図6参照)を表示部32に表示する(S112)。この場合、ステップS111で取得された戦術データの内容(フォーメーション、作戦、「攻撃意識」パラメータ、「プレッシング」パラメータ、「ディフェンスライン」パラメータ)が戦術設定画面に表示される。そして、制御部14(特別行動制御データ生成部76)は、ユーザが戦術データの変更を完了したか否かを監視する(S113)。
【0091】
ユーザが戦術データの変更を完了した場合、制御部14(特別行動制御データ生成部76)は、変更後の戦術データを取得する(S114)。すなわち、制御部14は、ステップS111で取得された戦術データを、戦術設定画面でユーザが行った変更内容に従って変更してなる戦術データを取得する。本実施形態の場合、このステップS114で取得される戦術データが「第2の戦術データ」に相当する。
【0092】
変更後の戦術データを取得された後、制御部14は、ステップS114で取得された戦術データによって、現在状況データ記憶部60に記憶されるゲーム状況データ(図8参照)に含まれる戦術データを上書きする(S115)。このステップの処理が実行される結果として、ステップS104では、ステップS114で取得された戦術データ(変更後の戦術データ)に基づいて、味方選手キャラクタの配置状況(例えば位置や向き等)が更新されることになる。
【0093】
また、制御部14(特別行動制御データ生成部76)は、ステップS109で読み出されたゲーム状況データと、ステップS114で取得された戦術データ(変更後の戦術データ)と、の組合せを特別行動制御データ記憶部64に記憶させる(S116)。この場合、ステップS109で読み出されたゲーム状況データは基準状況データとして記憶され、ステップS114で取得された戦術データ(変更後の戦術データ)は、特別戦術データとして記憶される。なお、同一のゲーム状況データが基準状況データとして特別行動制御データ記憶部64にすでに記憶されている場合には、その基準状況データと、該基準状況データに対応する戦術データとの組合せが上書きされる。
【0094】
ステップS104又はS116の処理が実行された後、図11に示すように、制御部14(表示制御部70)はゲーム画面を更新する(S105)。このステップの処理では、ゲーム空間40を仮想カメラ54から見た様子を表すゲーム画面が、現在状況データ記憶部60に記憶されるゲーム状況データに基づいてVRAM上に生成される。そして、VRAM上に生成されたゲーム画面が表示部32に表示される。
【0095】
その後、制御部14(ゲーム制御部66)は試合が終了したか否かを判定する(S106)。試合が終了していない場合、ステップS101の処理が再実行される。なお、中断操作の実行や試合の終了がない限り、ステップS101〜S106の処理が所定時間(例えば1/60秒)ごとに繰り返し実行される。一方、試合が終了した場合、本処理は終了する。なお、図11では省略されているが、試合が終了した場合には試合結果を示す画面が表示部32に表示される。
【0096】
次に、通常モードで実行される処理について説明する。図13及び図14は通常モードで実行される処理を示している。図13に示すように、制御部14(比較結果取得部80)は、現在状況データ記憶部60に記憶されるゲーム状況データと、特別行動制御データ記憶部64に記憶される基準状況データとに基づいて、試合の現在の状況と基準状況との間の類似度を算出する(S201)。このステップの処理では、例えば、選手キャラクタ50及びボール52の配置状況に関する類似度が算出される。この類似度は、例えば、ユーザチームに所属する選手キャラクタ50の位置及び向きと、対戦相手チームに所属する選手キャラクタ50の位置及び向きと、ボール52の位置とを、現在の状況と、基準状況と、の間で比較することによって算出される。
【0097】
なお、特別行動制御データ記憶部64に基準状況データが複数記憶されている場合には、各々の基準状況データについて、類似度が算出される。そして、ステップS202〜S206の処理は、最も類似度の高い基準状況データのみに注目して実行され、他の基準状況データは無視される。
【0098】
類似度が算出された後、制御部14(特別行動制御部82)は類似度が所定の基準類似度よりも高いか否かを判定する(S202)。類似度が基準類似度よりも高いと判定された場合、制御部14は、フラグ(flg1)の値が0であるか否かを判定する(S203)。フラグ(flg1)は、現在が、特別戦術データによって味方選手キャラクタの行動が制御されている状態(以下「特別行動制御状態」と記載する。)であるか否かを示す。フラグ(flg1)は0又は1の値をとる。値「0」は特別行動制御状態でないことを示し、値「1」は特別行動制御状態であることを示す。
【0099】
フラグ(flg1)の値が0である場合、制御部14は、現在状況データ記憶部60に記憶されるゲーム状況データ(図8参照)に含まれる戦術データを主記憶16の他の記憶領域に退避する(S204)。このステップの処理で退避された戦術データは、後述のステップS212の処理で用いられる。また、制御部14はフラグ(flg1)の値を1に更新する(S205)。
【0100】
ステップS205の処理が実行された場合、又はフラグ(flg1)の値が0でないとステップS203で判定された場合、制御部14(特別行動制御部82)は、基準状況データに対応づけて記憶される特別戦術データによって、現在状況データ記憶部60に記憶されるゲーム状況データ(図8参照)に含まれる戦術データを上書きする(S206)。このステップの処理が実行される結果として、次のステップS207の処理では、特別戦術データに基づいて、味方選手キャラクタの配置状況(例えば位置や向き等)が更新されることになる。
【0101】
ステップS206の処理が実行された場合、又は類似度が基準類似度よりも高くないとステップS202で判定された場合、図14に示すように、制御部14(現在状況データ更新部68、特別行動制御部82)は、現在状況データ記憶部60に記憶されるゲーム状況データを更新する(S207)。このステップの処理は図11のステップS104の処理と同様である。その後、制御部14(表示制御部70)はゲーム画面を更新する(S208)。このステップの処理は図11のステップS105の処理と同様である。
【0102】
その後、制御部14はフラグ(flg1)の値が1であるか否かを判定する(S209)。フラグ(flg1)の値が1である場合、すなわち、特別行動制御状態である場合、制御部14は、特別行動制御状態の終了条件が満足されるか否かを判定する(S210)。
【0103】
ステップS210の処理では、例えば、特別行動制御状態が開始されてからの経過時間、すなわち、フラグ(flg1)が1に更新されてからの経過時間が基準時間に達している場合に終了条件が満足されたと判定される。
【0104】
また例えば、アウトオブプレーの状態になった場合に終了条件が満足されたと判定される。なお、アウトオブプレーとは、例えばボール52がゴールライン44又はタッチライン46を超えた場合や、反則があった場合等である。
【0105】
特別行動制御状態の終了条件が満足されると判定された場合、制御部14はフラグ(flg1)の値を0に更新する(S211)。また、制御部14は、ステップS204で退避された戦術データによって、現在状況データ記憶部60に記憶されるゲーム状況データ(図8参照)に含まれる戦術データを上書きする(S212)。なお、ステップS204で退避された戦術データは、現在状況データ記憶部60に記憶されるゲーム状況データに含まれる戦術データが特別戦術データによって上書きされる前の戦術データである。すなわち、ステップS204で退避された戦術データは、特別行動制御状態が開始される前の戦術データである。このステップの処理が実行される結果として、戦術データの内容が、特別行動制御状態が開始される前の内容に戻ることになる。
【0106】
ステップS209〜S212の処理が実行された後、制御部14(ゲーム制御部66)は試合が終了したか否かを判定する(S213)。試合が終了していない場合、ステップS201の処理が再実行される。なお、試合が終了しない限り、ステップS201〜S213の処理が所定時間(例えば1/60秒)ごとに繰り返し実行される。一方、試合が終了した場合、本処理は終了する。なお、図14では省略されているが、試合が終了した場合には試合結果を示す画面が表示部32に表示される。
【0107】
以上説明した第1実施形態に係るゲーム装置10によれば、過去の時点における状況からのゲームプレイを繰り返し練習しながら、該状況に適した戦術データの調整を行うことが可能になる。さらに、第1実施形態に係るゲーム装置10によれば、その調整結果をその後のゲームにおいて発揮させることが可能になる。第1実施形態に係るゲーム装置10によれば、戦術データの調整を補助する機能を実現できるようになる。
【0108】
[第2実施形態]
以上に説明した第1実施形態では、練習モードにおいて、時点Xにおいて用いられていた戦術データを戦術設定画面(図6参照)で変更することによって、戦術データの調整を行うようになっていた。この点、第2実施形態は、時点Xにおける状況から再開されたゲームでいずれかの選手キャラクタ50をユーザが実際に操作することによって、戦術データの調整を行うようになっている点に特徴がある。以下、第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態に係るゲーム装置10も図1に示すハードウェア構成を有する。
【0109】
第2実施形態における練習モードの流れについて説明する。第2実施形態における練習モードでは、時点指定画面(図5参照)でユーザが時点Xの指定を完了すると、戦術設定画面(図6参照)が表示される代わりに、所望の選手キャラクタ50を選択するための選手選択画面が表示される。図15は選手選択画面の一例を示す。図15に示す選手選択画面において、ユーザはコントローラ30を操作することによって、いずれかの選手キャラクタ50を選択する。なお、選手選択画面では、ユーザチームに所属する選手キャラクタ50のうちの、時点Xで試合に出場していた選手キャラクタ50のみを選択することができる。
【0110】
選手選択画面でユーザが選手キャラクタ50の選択を完了すると、時点Xにおける状況からゲーム(試合)が再開される。この際、ユーザは、選手選択画面で選択した選手キャラクタ50を操作することになる。そして、第2実施形態では、この選手キャラクタ50に対する操作内容(又はこの選手キャラクタ50の行動内容)が記録され、その記録結果に基づいて戦術データが生成される。このため、ユーザは、時点Xにおける状況に合わせて選手キャラクタ50を操作することによって、時点Xにおける状況に合った戦術データを生成できるようになっている。
【0111】
図16は、第2実施形態で生成される戦術データの一例を示す模式図である。図16に示す戦術データには下記に示すデータが含まれている。図16に示す戦術データは、記録結果データが含まれる点で、図4に示す戦術データとは異なっている。
(a)フォーメーション
(b)作戦
(c)「攻撃意識」パラメータ
(d)「プレッシング」パラメータ
(e)「ディフェンスライン」パラメータ
(f)記録結果データ
【0112】
記録結果データには下記に示すデータが含まれる。
(f−1)選手識別データ
(f−2)操作データ、または行動データ
【0113】
選手識別データは、選手選択画面(図15参照)でユーザが選択した選手キャラクタ50を識別するデータである。すなわち、選手識別データは、時点Xにおける状況から再開されたゲームでユーザが操作した選手キャラクタ50を識別するデータである。また、操作データは、時点Xから再開されたゲームでユーザが選手キャラクタ50に対して行った操作を示すデータである。また、行動データは、時点Xから再開されたゲームで選手キャラクタ50がユーザの操作に従って行った行動を示すデータである。
【0114】
生成された戦術データは、第1実施形態と同様、時点Xにおける試合の状況とともに保存される。すなわち、時点Xにおける試合の状況と、新たに生成された戦術データと、の組合せが、基準状況と特別戦術データとの組合せとして保存される。
【0115】
そして、それ以降に実行される通常モードでは、試合の状況が基準状況と一致又は類似する状況になった場合に、該基準状況に対応する特別戦術データに基づいて、味方選手キャラクタの行動が制御される。
【0116】
ここで、第2実施形態に係るゲーム装置10で実現される機能について説明する。第2実施形態に係るゲーム装置10も図7に示す機能ブロックを有する。ただし、第2実施形態では再実行部74及び特別行動制御データ生成部76の動作に特徴があるため、これらの機能ブロックの動作について説明する。
【0117】
再実行部74は、時点Xにおける状況から再開されるゲームにおいて、ユーザチームに所属する複数の選手キャラクタ50のいずれかをユーザの操作対象に設定する。また、再実行部74は、ユーザの操作対象に設定された選手キャラクタ50をユーザの操作に基づいて行動させる。
【0118】
また、特別行動制御データ生成部76は、時点Xにおける状況から再開されるゲームにおいて、ユーザの操作対象に設定された選手キャラクタ50に対してユーザが行った操作内容を取得する。または、特別行動制御データ生成部76は、時点Xにおける状況から再開されるゲームにおいて、ユーザの操作対象に設定された選手キャラクタ50がユーザの操作に基づいて行った行動内容を取得する。そして、特別行動制御データ生成部76は、上記操作内容と上記行動内容との少なくとも一方と、時点Xにおいて用いられていた戦術データ(第1の戦術データ)と、に基づいて、新たな戦術データ(第2の戦術データ)を生成する。
【0119】
この新たな戦術データは、時点Xにおけるゲームの状況とともに特別行動制御データ記憶部64に記憶される。すなわち、時点Xにおけるゲームの状況が基準状況として特別行動制御データ記憶部64に記憶され、上記新たな戦術データが、該基準状況に対応する特別戦術データとして特別行動制御データ記憶部64に記憶される。
【0120】
次に、第2実施形態に係るゲーム装置10で実行される処理について説明する。
【0121】
まず、練習モードにおいて実行される処理について説明する。第2実施形態における練習モードでは、図12のステップS110の処理が実行された後、ステップS111〜S116の処理が実行される代わりに、図17に示すステップS301〜S305の処理が実行される。
【0122】
すなわち、図12のステップS110の処理が実行された後、制御部14は、ステップS109で読み出されたゲーム状況データを主記憶16の別の記憶領域に退避する(S301)。このステップの処理で退避されるゲーム状況データは、後述の図18のステップS404及びS405の処理で用いられる。
【0123】
その後、制御部14(再実行部74)は選手選択画面(図15参照)を表示部32に表示する(S302)。そして、制御部14(再実行部74)は、ユーザチームに所属する選手キャラクタ50のうちのいずれかをユーザが選択したか否かを監視する(S303)。
【0124】
ユーザがいずれかの選手キャラクタ50を選択した場合、時点Xにおける状況から試合が再開される。この場合、ユーザが選択した選手キャラクタ50が操作対象に設定される。なお、この場合、ユーザが選択した選手キャラクタ50に関する操作内容又は行動内容を記録する必要あるため、例えばユーザが切替操作を行わない限り、ユーザの操作対象を切り替えないようにする。
【0125】
時点Xにおける状況から試合が再開された場合、制御部14(特別行動制御データ生成部76)は、ユーザの操作対象に設定された選手キャラクタ50に関する操作内容又は行動内容の記録を開始する(S304)。また、制御部14はフラグ(flg2)の値を1に更新する(S305)。フラグ(flg2)は、操作内容又は行動内容の記録が実行されている状態であるか否かを示す。フラグ(flg2)は0又は1の値をとる。値「0」は記録が実行されていないことを示し、値「1」は記録が実行されていることを示す。
【0126】
また、第2実施形態における練習モードでは、図11のステップS101の処理が実行される前に、図18に示すステップS401〜S406の処理が実行される。
【0127】
すなわち、図11のステップS101の処理が実行される前に、制御部14はフラグ(flg2)の値が1であるか否かを判定する(S401)。フラグ(flg2)の値が1である場合、すなわち、操作内容又は行動内容の記録が実行されている場合、制御部14は、記録の終了条件が満足されたか否かを判定する(S402)。
【0128】
ステップS402の処理では、例えば、アウトオブプレーの状態になった場合に終了条件が満足されたと判定される。また例えば、試合が再開されてからの経過時間が基準時間に達した場合に終了条件が満足されたと判定される。また例えば、ユーザの操作対象が他の選手キャラクタ50の切り替えられた場合に終了条件が満足されたと判定される。また例えば、中断操作が行われた場合にも終了条件が満足されたと判定される。
【0129】
終了条件が満足されないと判定された場合、制御部14(特別行動制御データ生成部76)は操作内容又は行動内容の記録を継続する。一方、終了条件が満足されたと判定された場合、制御部14は操作内容又は行動内容の記録を終了する(S403)。そして、制御部14(特別行動制御データ生成部76)は、操作内容又は行動内容の記録結果に基づく戦術データを取得する(S404)。このステップの処理では、例えば図16に示したような戦術データが生成される。
【0130】
具体的には、ユーザが操作した選手キャラクタ50を識別する選手識別データと、操作内容又は行動内容の記録結果を示す操作データ又は行動データとが取得される。そして、これらのデータと、ステップS301で退避されたゲーム状況データ(図8参照)に含まれる戦術データと、を組み合わせることによって、図16に示した戦術データが取得される。
【0131】
なお、ステップS301で退避されたゲーム状況データは、時点Xにおけるゲーム状況データである(図12のS109参照)。このため、ステップS404の処理では、時点Xにおける戦術データの内容(フォーメーション、作戦、「攻撃意識」パラメータ、「プレッシング」パラメータ、及び「ディフェンスライン」パラメータ)と、時点Xにおける状況から再開されたゲームにおいて行われた操作内容又は行動内容の記録結果と、を組み合わせることによって、戦術データが生成されているということができる。
【0132】
ステップS404の処理が実行された後、制御部14(特別行動制御データ保存部78)は、ステップS301で退避されたゲーム状況データと、ステップS404で取得された戦術データと、の組合せを特別行動制御データ記憶部64に記憶させる(S405)。上述したように、ステップS301で退避されたゲーム状況データは、時点Xにおけるゲーム状況データであるため(図12のS109参照)、このステップの処理では、時点Xにおけるゲーム状況データが基準状況データとして記憶され、ステップS404で取得された戦術データが、特別戦術データとして記憶されていることになる。ステップS405の処理が実行された後、制御部14はフラグ(flg2)の値を0に更新する(S406)。
【0133】
次に、通常モードにおける処理について説明する。第2実施形態における通常モードでは、第1実施形態と同様に、図13及び図14の処理が実行される。
【0134】
ただし、第2実施形態では、現在状況データ記憶部60に記憶されるゲーム状況データに含まれる戦術データが特別戦術データによって上書きされた場合、図13のステップS207の処理において、記録結果データ(選手識別データ、操作データ又は行動データ)を含んでなる戦術データ(図16参照)によって味方選手キャラクタの配置状況が更新されることになる。この場合、第1実施形態と異なる処理が実行される。
【0135】
具体的には、制御部14(特別行動制御部82)は、戦術データ(図16参照)に含まれる選手識別データによって識別される味方選手キャラクタの配置状況(例えば位置や向き等)を、戦術データに含まれる操作データ又は行動データに基づいて制御する。この味方選手キャラクタは、操作データが示す操作に従って行動したり、行動データが示す行動を行ったりするようになる。
【0136】
なお、選手識別データによって識別される味方選手キャラクタ以外の味方選手キャラクタの配置状況(例えば位置や向き等)は、第1実施形態と同様、フォーメーション、作戦、「攻撃意識」パラメータ、「プレッシング」パラメータ、及び「ディフェンスライン」パラメータの設定内容に基づいて制御される。
【0137】
以上に説明した第2実施形態に係るゲーム装置10によれば、過去の時点における状況に合わせた戦術データの調整を、ユーザが実際に選手キャラクタ50を操作することによって行うことが可能になる。さらに、第2実施形態に係るゲーム装置10によれば、その調整結果をその後のゲームにおいて発揮させることが可能になる。第2実施形態に係るゲーム装置10によれば、戦術データの調整を補助する機能を実現できるようになる。
【0138】
[第3実施形態]
第3実施形態は、第1実施形態と第2実施形態とを組み合わせた形態である。すなわち、第3実施形態では、練習モードにおいて、時点Xにおいて用いられていた戦術データを戦術設定画面(図6参照)で変更することによって、戦術データの調整を行うとともに、時点Xにおける状況から再開されたゲームでいずれかの選手キャラクタ50をユーザが実際に操作することによって、戦術データの調整を行うようになっている点に特徴がある。なお、第3実施形態に係るゲーム装置10も図1に示すハードウェア構成を有する。
【0139】
第3実施形態における練習モードの流れについて説明する。第3実施形態における練習モードでは、時点指定画面(図5参照)でユーザが時点Xの指定を完了すると、戦術設定画面(図6参照)が表示される。また、戦術設定画面でユーザが戦術データの変更を完了すると、選手選択画面(図15参照)が表示される。そして、選手選択画面でユーザが選手キャラクタ50の選択を完了すると、時点Xにおける状況からゲーム(試合)が再開される。
【0140】
この際、第2実施形態と同様に、ユーザは、選手選択画面で選択した選手キャラクタ50を操作することになる。また、この選手キャラクタ50に対する操作内容(又はこの選手キャラクタ50の行動内容)が記録される。
【0141】
そして、第3実施形態では、戦術設定画面で行われた変更内容と、上記操作内容又は上記行動内容の記録結果と、の両方に基づいて、新たな戦術データが生成される。この新たな戦術データは、時点Xにおける試合の状況とともに保存される。すなわち、時点Xにおける試合の状況と、新たに生成された戦術データと、の組合せが、基準状況と特別戦術データとの組合せとして保存される。
【0142】
そして、それ以降に実行される通常モードにおいて、試合の状況が基準状況と一致又は類似する状況になった場合には、該基準状況に対応する特別戦術データに基づいて、味方選手キャラクタの行動が制御される。
【0143】
ここで、第3実施形態に係るゲーム装置10で実現される機能について説明する。第3実施形態に係るゲーム装置10も図7に示す機能ブロックを有する。ただし、第3実施形態では再実行部74及び特別行動制御データ生成部76の動作に特徴があるため、これらの機能ブロックの動作について説明する。
【0144】
特別行動制御データ生成部76は、時点Xにおいて用いられていた戦術データである第1の戦術データを、戦術設定画面(図6参照)においてユーザが行った操作に基づいて変更してなる第3の戦術データ(第3の行動制御データ)を取得する。
【0145】
再実行部74は、時点Xにおける状況から再実行されるゲームにおいて、ユーザチームに所属する複数の選手キャラクタ50のいずれかをユーザの操作対象に設定する。また、再実行部74は、ユーザの操作対象に設定された選手キャラクタ50をユーザの操作に基づいて行動させる。さらに、再実行部74は、ユーザチームに所属する複数の選手キャラクタ50のうち、ユーザの操作対象に設定されていない選手キャラクタ50を、第3の戦術データ(戦術設定画面で変更された後の戦術データ)に基づいて行動させる。
【0146】
また、特別行動制御データ生成部76は、ユーザの操作対象に設定された選手キャラクタ50に対してユーザが行った操作内容と、ユーザの操作対象に設定された選手キャラクタ50がユーザの操作に基づいて行った行動内容と、の少なくとも一方と、第3の戦術データと、に基づいて、新たな戦術データ(第2の戦術データ)を生成する。
【0147】
この新たな戦術データは、時点Xにおけるゲームの状況とともに特別行動制御データ記憶部64に記憶される。すなわち、時点Xにおけるゲームの状況が基準状況として特別行動制御データ記憶部64に記憶され、上記新たな戦術データが、該基準状況に対応する特別戦術データとして特別行動制御データ記憶部64に記憶される。
【0148】
ここで、第3実施形態に係るゲーム装置10で実行される処理について説明する。
【0149】
まず、練習モードにおいて実行される処理について説明する。第3実施形態における練習モードでは、第1実施形態における戦術設定画面(図6参照)と、第2実施形態における選手選択画面(図15参照)と、の両方が表示されるようにするために、下記のような処理が実行される。すなわち、図12に示すステップS115の処理が実行された後に、図17に示すステップS301〜S305の処理が、ステップS116の処理の代わりに実行される。
【0150】
また、第3実施形態における練習モードでも、第2実施形態と同様、図11に示すステップS101の処理が実行される前に、図18に示すステップS401〜S406の処理が実行される。ただし、ステップS404では第2実施形態と異なる処理が実行される。
【0151】
ステップS404の処理では、まず、ユーザが操作した選手キャラクタ50を識別する選手識別データが取得される。また、操作内容又は行動内容の記録結果を示す操作データ又は行動データも取得される。そして、それらのデータと、現在状況データ記憶部60に記憶されるゲーム状況データ(図8参照)に含まれる戦術データと、に基づいて、新たな戦術データが取得される。
【0152】
なお、現在状況データ記憶部60に記憶されるゲーム状況データ(図8参照)に含まれる戦術データは、戦術設定画面(図6参照)で変更された後の戦術データである(図12のS115参照)。このため、ステップS404の処理では、戦術設定画面で変更された後の戦術データの内容(フォーメーション、作戦、「攻撃意識」パラメータ、「プレッシング」パラメータ、及び「ディフェンスライン」パラメータ)と、時点Xにおける状況から再開されたゲームにおける上記の操作内容又は行動内容の記録結果と、を組み合わせることによって、戦術データが生成されることになる。
【0153】
次に、通常モードにおいて実行される処理について説明する。第3実施形態における通常モードにおいても、第1実施形態及び第2実施形態と同様、図13及び図14の処理が実行される。
【0154】
なお、現在状況データ記憶部60に記憶されるゲーム状況データに含まれる戦術データが特別戦術データによって上書きされた場合、図14のステップS207の処理において、記録結果データ(選手識別データ、操作データ又は行動データ)を含んでなる戦術データ(図16参照)によって味方選手キャラクタの配置状況が更新されることになる。
【0155】
この場合、制御部14(特別行動制御部82)は、戦術データに含まれる選手識別データによって識別される味方選手キャラクタの配置状況(例えば位置や向き等)を、該戦術データに含まれる操作データ又は行動データに基づいて制御する。その結果、この味方選手キャラクタは、操作データが示す操作に従って行動したり、行動データが示す行動を行ったりするようになる。
【0156】
なお、選手識別データによって識別される味方選手キャラクタ以外の味方選手キャラクタの配置状況(例えば位置や向き等)は、フォーメーション、作戦、「攻撃意識」パラメータ、「プレッシング」パラメータ、及び「ディフェンスライン」パラメータの設定内容に基づいて制御される。
【0157】
以上説明した第3実施形態に係るゲーム装置10によれば、過去の時点における状況からのゲームプレイを繰り返し練習しながら、該状況に適した戦術データの調整を行うことが可能になる。また、第3実施形態に係るゲーム装置10によれば、過去の時点における状況に合わせた戦術データの調整を、ユーザが実際に選手キャラクタ50を操作することによって行うことも可能になる。さらに、第3実施形態に係るゲーム装置10によれば、その調整結果をその後のゲームにおいて発揮させることが可能になる。第3実施形態に係るゲーム装置10によれば、戦術データの調整を補助する機能を実現できるようになる。
【0158】
なお、本発明は以上に説明した第1〜第3実施形態に限定されるものではない。
【0159】
(1)例えば、味方選手キャラクタの行動が特別戦術データに基づいて制御されていることを案内する画像をゲーム画面に表示するようにしてもよい。
【0160】
(2)また例えば、複数種類の行動決定アルゴリズムを用意しておき、ユーザが所望の行動決定アルゴリズムを選択できるようにしてもよい。そして、ユーザの選択結果が戦術データの一部として扱われるようにしてもよい。
【0161】
(3)また例えば、練習モードが備える機能(リトライ機能や戦術データの調整機能)を通常モードが備えるようにしてもよい。また、この場合、練習モードを省略してもよい。
【0162】
(4)また例えば、本発明はサッカーゲーム以外のスポーツゲームにも適用することができる。例えば、本発明は、ボール(移動物体)を用いて行われるバスケットボール、アメリカンフットボール、野球、又はテニスのゲームや、パック(移動物体)を用いて行われるアイスホッケーのゲームにも適用することができる。なお、この場合のゲーム空間には、複数の選手に対応する複数の動的オブジェクトと、移動物体(ボール又はパック)に対応する動的オブジェクトと、が配置されることになる。また例えば、本発明は、複数の自動車がレースを行うレースゲームにも適用することができる。なお、この場合のゲーム空間には、複数の自動車に対応する複数の動的オブジェクトが配置されることになる。
【0163】
また、本発明はスポーツゲーム以外のゲームにも適用することができる。例えば、本発明は、複数のゲームキャラクタが戦うゲームにも適用することができる。なお、この場合のゲーム空間には、複数のゲームキャラクタに対応する複数の動的オブジェクトが配置されることになる。
【0164】
さらに、本発明は通信ネットワークを介して実行されるネットワークゲームにも適用することができる。
【0165】
(5)また例えば、ゲーム空間は仮想的な2次元空間であってもよい。すなわち、ゲーム空間に配置される動的オブジェクトの位置等は2つの座標要素によって管理されるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0166】
10 ゲーム装置、11 家庭用ゲーム機、12 バス、14 制御部、16 主記憶、18 画像処理部、20 入出力処理部、22 音声処理部、24 光ディスク読み取り部、26 ハードディスク、28 通信インタフェース、30 コントローラ、32 表示部、34 音声出力部、36 光ディスク、40 ゲーム空間、42 フィールド、44 ゴールライン、46 タッチライン、48 ゴール、50 選手キャラクタ、52 ボール、54 仮想カメラ、60 現在状況データ記憶部、62 過去状況データ記憶部、64 特別行動制御データ記憶部、66 ゲーム制御部、68 現在状況データ更新部、70 表示制御部、72 過去状況データ保存部、74 再実行部、76 特別行動制御データ生成部、78 特別行動制御データ保存部、80 比較結果取得部、82 特別行動制御部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一又は複数のゲームキャラクタが行動制御データに基づいて行動するゲームを実行するゲーム装置において、
前記ゲームの状況を過去の時点における状況に戻し、該状況から前記ゲームを再実行する再実行手段と、
前記過去の時点において用いられていた行動制御データである第1の行動制御データと、ユーザの操作と、に基づいて、第2の行動制御データを生成する生成手段と、
前記過去の時点における状況を基準状況として記憶手段に記憶させ、かつ、該基準状況に対応する特別行動制御データとして前記第2の行動制御データを前記記憶手段に記憶させる保存手段と、
前記基準状況と前記特別行動制御データとが前記記憶手段に記憶された後に実行される前記ゲームにおいて、前記ゲームの状況と前記基準状況との比較結果を取得する比較結果取得手段と、
前記比較結果が所定の結果である場合、前記基準状況に対応づけて記憶される前記特別行動制御データに基づく前記一又は複数のゲームキャラクタの行動制御を開始する行動制御手段と、
を含むことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム装置において、
前記生成手段は、
前記第1の行動制御データを変更するよう前記ユーザに案内する画面を表示手段に表示させる手段を含み、
前記画面において前記ユーザが行った操作に基づいて前記第1の行動制御データを変更することによって、前記第2の行動制御データを生成する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項2に記載のゲーム装置において、
前記生成手段は、前記画面において前記ユーザが行った操作に基づいて前記第1の行動制御データを変更してなる行動制御データを、前記第2の行動制御データとして取得し、
前記再実行手段は、再実行される前記ゲームにおいて、前記一又は複数のゲームキャラクタを前記第2の行動制御データに基づいて行動させる手段を含む、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
請求項2に記載のゲーム装置において、
前記ゲームは、複数のゲームキャラクタが行動制御データに基づいて行動するゲームであり、
前記生成手段は、前記画面において前記ユーザが行った操作に基づいて前記第1の行動制御データを変更してなる第3の行動制御データを取得する手段を含み、
前記再実行手段は、
再実行される前記ゲームにおいて、前記複数のゲームキャラクタのいずれかを前記ユーザの操作対象に設定する手段と、
再実行される前記ゲームにおいて、前記ユーザの操作対象に設定されたゲームキャラクタを前記ユーザの操作に基づいて行動させる手段と、
再実行される前記ゲームにおいて、前記複数のゲームキャラクタのうち、前記ユーザの操作対象に設定されていないゲームキャラクタを、前記第3の行動制御データに基づいて行動させる手段と、を含み、
前記生成手段は、前記ユーザの操作対象に設定されたゲームキャラクタに対して前記ユーザが行った操作内容と、前記ユーザの操作対象に設定されたゲームキャラクタが前記ユーザの操作に基づいて行った行動内容と、の少なくとも一方と、前記第3の行動制御データと、に基づいて、前記第2の行動制御データを生成する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項5】
請求項1に記載のゲーム装置において、
前記ゲームは、複数のゲームキャラクタが行動制御データに基づいて行動するゲームであり、
前記再実行手段は、
再実行される前記ゲームにおいて、前記複数のゲームキャラクタのいずれかを前記ユーザの操作対象に設定する手段と、
再実行される前記ゲームにおいて、前記ユーザの操作対象に設定されたゲームキャラクタを前記ユーザの操作に基づいて行動させる手段と、を含み、
前記生成手段は、前記ユーザの操作対象に設定されたゲームキャラクタに対して前記ユーザが行った操作内容と、前記ユーザの操作対象に設定されたゲームキャラクタが前記ユーザの操作に基づいて行った行動内容と、の少なくとも一方と、前記第1の行動制御データと、に基づいて、前記第2の行動制御データを生成する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項6】
一又は複数のゲームキャラクタが行動制御データに基づいて行動するゲームを実行するゲーム装置の制御方法において、
前記ゲームの状況を過去の時点における状況に戻し、該状況から前記ゲームを再実行する再実行ステップと、
前記過去の時点において用いられていた行動制御データである第1の行動制御データと、ユーザの操作と、に基づいて、第2の行動制御データを生成する生成ステップと、
前記過去の時点における状況を基準状況として記憶手段に記憶させ、かつ、該基準状況に対応する特別行動制御データとして前記第2の行動制御データを前記記憶手段に記憶させる保存ステップと、
前記基準状況と前記特別行動制御データとが前記記憶手段に記憶された後に実行される前記ゲームにおいて、前記ゲームの状況と前記基準状況との比較結果を取得する比較結果取得ステップと、
前記比較結果が所定の結果である場合、前記基準状況に対応づけて記憶される前記特別行動制御データに基づく前記一又は複数のゲームキャラクタの行動制御を開始する行動制御ステップと、
を含むことを特徴とするゲーム装置の制御方法。
【請求項7】
一又は複数のゲームキャラクタが行動制御データに基づいて行動するゲームを実行するゲーム装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
前記ゲームの状況を過去の時点における状況に戻し、該状況から前記ゲームを再実行する再実行手段、
前記過去の時点において用いられていた行動制御データである第1の行動制御データと、ユーザの操作と、に基づいて、第2の行動制御データを生成する生成手段、
前記過去の時点における状況を基準状況として記憶手段に記憶させ、かつ、該基準状況に対応する特別行動制御データとして前記第2の行動制御データを前記記憶手段に記憶させる保存手段、
前記基準状況と前記特別行動制御データとが前記記憶手段に記憶された後に実行される前記ゲームにおいて、前記ゲームの状況と前記基準状況との比較結果を取得する比較結果取得手段、及び、
前記ゲームの状況と前記基準状況との比較結果が所定の結果である場合、前記基準状況に対応づけて記憶される前記特別行動制御データに基づく前記一又は複数のゲームキャラクタの行動制御を開始する行動制御手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項1】
一又は複数のゲームキャラクタが行動制御データに基づいて行動するゲームを実行するゲーム装置において、
前記ゲームの状況を過去の時点における状況に戻し、該状況から前記ゲームを再実行する再実行手段と、
前記過去の時点において用いられていた行動制御データである第1の行動制御データと、ユーザの操作と、に基づいて、第2の行動制御データを生成する生成手段と、
前記過去の時点における状況を基準状況として記憶手段に記憶させ、かつ、該基準状況に対応する特別行動制御データとして前記第2の行動制御データを前記記憶手段に記憶させる保存手段と、
前記基準状況と前記特別行動制御データとが前記記憶手段に記憶された後に実行される前記ゲームにおいて、前記ゲームの状況と前記基準状況との比較結果を取得する比較結果取得手段と、
前記比較結果が所定の結果である場合、前記基準状況に対応づけて記憶される前記特別行動制御データに基づく前記一又は複数のゲームキャラクタの行動制御を開始する行動制御手段と、
を含むことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム装置において、
前記生成手段は、
前記第1の行動制御データを変更するよう前記ユーザに案内する画面を表示手段に表示させる手段を含み、
前記画面において前記ユーザが行った操作に基づいて前記第1の行動制御データを変更することによって、前記第2の行動制御データを生成する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項2に記載のゲーム装置において、
前記生成手段は、前記画面において前記ユーザが行った操作に基づいて前記第1の行動制御データを変更してなる行動制御データを、前記第2の行動制御データとして取得し、
前記再実行手段は、再実行される前記ゲームにおいて、前記一又は複数のゲームキャラクタを前記第2の行動制御データに基づいて行動させる手段を含む、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
請求項2に記載のゲーム装置において、
前記ゲームは、複数のゲームキャラクタが行動制御データに基づいて行動するゲームであり、
前記生成手段は、前記画面において前記ユーザが行った操作に基づいて前記第1の行動制御データを変更してなる第3の行動制御データを取得する手段を含み、
前記再実行手段は、
再実行される前記ゲームにおいて、前記複数のゲームキャラクタのいずれかを前記ユーザの操作対象に設定する手段と、
再実行される前記ゲームにおいて、前記ユーザの操作対象に設定されたゲームキャラクタを前記ユーザの操作に基づいて行動させる手段と、
再実行される前記ゲームにおいて、前記複数のゲームキャラクタのうち、前記ユーザの操作対象に設定されていないゲームキャラクタを、前記第3の行動制御データに基づいて行動させる手段と、を含み、
前記生成手段は、前記ユーザの操作対象に設定されたゲームキャラクタに対して前記ユーザが行った操作内容と、前記ユーザの操作対象に設定されたゲームキャラクタが前記ユーザの操作に基づいて行った行動内容と、の少なくとも一方と、前記第3の行動制御データと、に基づいて、前記第2の行動制御データを生成する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項5】
請求項1に記載のゲーム装置において、
前記ゲームは、複数のゲームキャラクタが行動制御データに基づいて行動するゲームであり、
前記再実行手段は、
再実行される前記ゲームにおいて、前記複数のゲームキャラクタのいずれかを前記ユーザの操作対象に設定する手段と、
再実行される前記ゲームにおいて、前記ユーザの操作対象に設定されたゲームキャラクタを前記ユーザの操作に基づいて行動させる手段と、を含み、
前記生成手段は、前記ユーザの操作対象に設定されたゲームキャラクタに対して前記ユーザが行った操作内容と、前記ユーザの操作対象に設定されたゲームキャラクタが前記ユーザの操作に基づいて行った行動内容と、の少なくとも一方と、前記第1の行動制御データと、に基づいて、前記第2の行動制御データを生成する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項6】
一又は複数のゲームキャラクタが行動制御データに基づいて行動するゲームを実行するゲーム装置の制御方法において、
前記ゲームの状況を過去の時点における状況に戻し、該状況から前記ゲームを再実行する再実行ステップと、
前記過去の時点において用いられていた行動制御データである第1の行動制御データと、ユーザの操作と、に基づいて、第2の行動制御データを生成する生成ステップと、
前記過去の時点における状況を基準状況として記憶手段に記憶させ、かつ、該基準状況に対応する特別行動制御データとして前記第2の行動制御データを前記記憶手段に記憶させる保存ステップと、
前記基準状況と前記特別行動制御データとが前記記憶手段に記憶された後に実行される前記ゲームにおいて、前記ゲームの状況と前記基準状況との比較結果を取得する比較結果取得ステップと、
前記比較結果が所定の結果である場合、前記基準状況に対応づけて記憶される前記特別行動制御データに基づく前記一又は複数のゲームキャラクタの行動制御を開始する行動制御ステップと、
を含むことを特徴とするゲーム装置の制御方法。
【請求項7】
一又は複数のゲームキャラクタが行動制御データに基づいて行動するゲームを実行するゲーム装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
前記ゲームの状況を過去の時点における状況に戻し、該状況から前記ゲームを再実行する再実行手段、
前記過去の時点において用いられていた行動制御データである第1の行動制御データと、ユーザの操作と、に基づいて、第2の行動制御データを生成する生成手段、
前記過去の時点における状況を基準状況として記憶手段に記憶させ、かつ、該基準状況に対応する特別行動制御データとして前記第2の行動制御データを前記記憶手段に記憶させる保存手段、
前記基準状況と前記特別行動制御データとが前記記憶手段に記憶された後に実行される前記ゲームにおいて、前記ゲームの状況と前記基準状況との比較結果を取得する比較結果取得手段、及び、
前記ゲームの状況と前記基準状況との比較結果が所定の結果である場合、前記基準状況に対応づけて記憶される前記特別行動制御データに基づく前記一又は複数のゲームキャラクタの行動制御を開始する行動制御手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2010−233734(P2010−233734A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−83651(P2009−83651)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】
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