説明

ゲーム装置、サーバ、ゲーム提供方法、および、プログラム

【課題】ゲームに参加するプレイヤの興趣性を向上させることのできるゲームシステム等を提供する。
【解決手段】支配者情報記憶部208は、支配者となるプレイヤの情報を記憶する。マップ情報記憶部201は、支配者のプレイヤにより任意に変更されたダンジョンマップを記憶する。ゲーム状況管理部204は、ダンジョン内における各キャラクタの進行状況を管理する。観戦情報提供部211は、支配者となっているプレイヤの要求だけに応じて、ダンジョン内の指定箇所等の観戦情報を、そのプレイヤの端末に提供する。判定部206は、何れかのプレイヤによるダンジョン攻略の達成を判定する。そして、権限管理部207は、ダンジョン攻略の達成が判定されると、判定されたプレイヤの情報を新たな支配プレイヤの情報として支配者情報記憶部208を更新させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームに参加するプレイヤの興趣性を向上させることのできるゲーム装置、サーバ、ゲーム提供方法、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ビデオゲーム装置等にて実行されるゲーム(ソフトウェア等)が種々開発され販売されている。中でも、RPG(Role Playing Game:ロールプレイングゲーム)と総称されるゲームは、根強い人気があり、幅広い年齢層のプレイヤから支持されている。
このようなロールプレイングゲームでは、一般に、洞窟、塔、宮殿等がダンジョン(迷路等)として表現されている。このダンジョン内では、より強い敵キャラクタと遭遇したり、より重要なアイテム等を取得できるようになっている。このため、プレイヤは、自己の操作するキャラクタ(プレイヤキャラクタ)をダンジョン内に進め、キャラクタの成長(経験値や所持金の増加等)を早めたり、重要なアイテムを得ようとする。つまり、キャラクタをダンジョン内で適宜移動させ、敵キャラクタを倒したり、アイテムを取得しつつ、ダンジョンの攻略を目指すことになる。
【0003】
このようなダンジョンは、予め決められたマップ(経路や各種アイテム等の配置が固定された固定マップ)に従って生成されるタイプが一般的であるが、近年では、毎回異なるマップ(いわゆる、ランダムマップ)により生成されるタイプのゲームも知られている。
一例として、より複雑な形状の迷路を自動生成可能なビデオゲーム装置の技術も開示されている(たとえば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−96067号公報 (第6−10頁、第2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年では、オンラインゲーム(ネットワークゲーム)が普及してきており、例えば、MMO・RPG(Massively Multiplayer Online Role Playing Game)等のオンライン・ロールプレイングゲームが人気を博している。
このオンライン・ロールプレイングゲームでも、上述したダンジョンが仮想空間内に生成されており、各プレイヤがそれぞれ、パーティを組んだり、或いは、単独でそのようなダンジョンの攻略を試みることになる。
【0005】
一般に、オンライン・ロールプレイングゲームでは、同じダンジョンについて、各プレイヤキャラクタ(各パーティ)が、それぞれ個別に攻略可能となっている。例えば、あるプレイヤキャラクタがダンジョンにおけるボスキャラクタと戦って倒したとしても、その後に訪れた別のプレイヤキャラクタが、そのボスキャラクタと同様に戦うことができるようになっている。
【0006】
そして、先にダンジョンを攻略したプレイヤの中には、そのダンジョンについての詳細な情報を自己のホームページ等にて公開してしまうプレイヤも多かった。このようなプレイヤの心理としては、他のプレイヤの役に立ちたいという想いだけでなく、そのダンジョンを自分が攻略済みであることをアピールしたいという欲求が強いとされている。
具体的には、ダンジョンを先に攻略したとしても、ゲーム中において特別な恩恵が何ら得られないことや、そもそも、誰が最も先に攻略したのかが判らないことから、ダンジョンの情報を公開することで、先駆者として認識して欲しいという欲求を満足させていると考えられている。その際、本当に攻略したことを裏付けるために、ダンジョンの詳細な情報が公開されてしまう。
【0007】
このように、ダンジョンについての詳細な情報が公開されてしまうと、他のプレイヤにとって面白みが半減してしまい、そのような攻略済みのダンジョンに興味を持てないというプレイヤも多かった。
そのため、上述したようなランダムマップを採用し、異なるダンジョンを生成することにより、各プレイヤの興味を引きつけることも考えられる。
【0008】
しかしながら、その場合、プレイヤ毎等に攻略対象となるダンジョン自体がそれぞれ異なり、攻略に至るまでの苦労等が共感できないため、オンラインゲームとしての魅力を著しく低下させてしまうおそれがあった。また、先にダンジョンを攻略したプレイヤにとっても、特別な恩恵が何ら得られないことには変わりなく、しかも、詳細な情報を公開することがほとんど意味をなさないため、先駆者として認識して欲しいという欲求が満たされないままとなってしまう。
【0009】
そのため、ランダムマップを採用する以外で、各プレイヤの興味を引きつけることのできる新たな技術が望まれていた。
【0010】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、ゲームに参加するプレイヤの興趣性を向上させることのできるゲーム装置、サーバ、ゲーム提供方法、および、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の観点に係るゲーム装置は、仮想空間におけるゲーム領域にて、参加プレイヤがキャラクタを操作して当該ゲーム領域をプレイするゲーム装置であって、領域情報記憶部、状況管理部、判定部、及び、権限管理部を含んで構成される。
【0012】
まず、領域情報記憶部は、当該ゲーム領域を支配する支配プレイヤによって任意に規定される領域情報であって、当該ゲーム領域の構成、及び、攻略要件を含む領域情報を記憶する。例えば、ゲーム領域がダンジョンの場合、領域情報記憶部は、支配プレイヤによって任意に規定されたダンジョンマップを記憶する。より詳細には、支配プレイヤは、ダンジョンの構成(一例として、経路、配置されるアイテム、仕掛けられた罠、主要な敵キャラクタの出現位置等)、及び、そのダンジョンの攻略要件(課題等)を含むダンジョンマップを、自己の思うままに造り替える権限を有している。そして、領域情報記憶部は、このように、支配プレイヤによって造り替えられたダンジョンマップを記憶する。
一方、状況管理部は、当該ゲーム領域において参加プレイヤに操作されるキャラクタの進行状況を管理する。例えば、キャラクタのダンジョン内の位置、アイテム、守備力、攻撃力、及び、HP等を管理する。また、判定部は、管理される当該進行状況と、記憶される当該攻略要件との関係に基づいて、参加プレイヤによって当該ゲーム領域が攻略されたかどうかを判定する。そして、権限管理部は、当該ゲーム領域が攻略されたと判定されると、当該ゲーム領域を支配する権限を、攻略した参加プレイヤに移譲させる。つまり、攻略した参加プレイヤが新たな支配プレイヤとなり、ダンジョン等のゲーム領域を、自己の思うままに構成や攻略要件を造り替え、参加プレイヤの挑戦を受けることになる。
【0013】
すなわち、ゲーム領域を最も早く攻略した参加プレイヤには、特別な恩恵(ゲーム領域を自由に造り替える権限)が得られるため、プレイヤのやる気を引き出すことができる。また、支配プレイヤが、自己が造り替えたゲーム領域についての情報を公開することも考えられるが、あまり詳細な情報を公開してしまうと、容易に攻略されてしまうことになるため、ゲーム領域についての情報公開も自ずと抑制され、参加プレイヤの興味をそぐことが少なくなる。更に、ランダムマップ等のゲーム領域とは異なり、各参加プレイヤが同じゲーム領域の攻略を試みるため、苦労等を共感することができ、オンラインゲームとしての魅力を低下させることもない。
この結果、ゲームに参加するプレイヤの興趣性を向上させることができる。
【0014】
上記ゲーム装置は、当該ゲーム領域における参加プレイヤのプレイ状況を示す観戦情報を、支配プレイヤに対して表示可能に提供する観戦情報提供部、を更に備えてもよい。
この場合、支配プレイヤは、ダンジョン等のゲーム領域を造り替えるだけでなく、自己のゲーム領域にて参加プレイヤ奮闘する様子を観戦することができる。例えば、支配プレイヤが仕掛けた罠等に、キャラクタ(参加プレイヤ)がどのように反応するかや、注目するキャラクタがどのように進んでいくか等を、自由に楽しむことができる。
【0015】
本発明の第2の観点に係るサーバは、プレイヤの端末とネットワークを介して接続され、仮想空間におけるゲーム領域をプレイするためのゲームを提供するサーバであって、
領域情報記憶部、状況管理部、判定部、及び、権限管理部を備えている。
【0016】
まず、領域情報記憶部は、当該ゲーム領域を支配する支配プレイヤによって任意に規定される領域情報であって、当該ゲーム領域の構成、及び、攻略要件を含む領域情報を記憶する。例えば、ゲーム領域がダンジョンの場合、領域情報記憶部は、支配プレイヤによって任意に規定されたダンジョンマップを記憶する。
一方、状況管理部は、当該ゲーム領域においてプレイヤの端末からコントロールされるキャラクタの進行状況を管理する。例えば、キャラクタのダンジョン内の位置やHP等を管理する。また、判定部は、管理される当該進行状況と、記憶される当該攻略要件との関係に基づいて、参加プレイヤによって当該ゲーム領域が攻略されたかどうかを判定する。そして、権限管理部は、当該ゲーム領域が攻略されたと判定されると、当該ゲーム領域を支配する権限を、攻略した参加プレイヤに移譲させる。つまり、攻略した参加プレイヤが新たな支配プレイヤとなり、ダンジョン等のゲーム領域を、自己の思うままに構成や攻略要件を造り替え、参加プレイヤの挑戦を受けることになる。
【0017】
すなわち、ゲーム領域を最も早く攻略した参加プレイヤには、特別な恩恵が得られるため、プレイヤのやる気を引き出すことができる。また、支配プレイヤが、自己が造り替えたゲーム領域についての情報を公開することも考えられるが、あまり詳細な情報を公開してしまうと、容易に攻略されてしまうことになるため、ゲーム領域についての情報公開も自ずと抑制され、参加プレイヤの興味をそぐことが少なくなる。更に、ランダムマップ等のゲーム領域とは異なり、各参加プレイヤが同じゲーム領域の攻略を試みるため、苦労等を共感することができ、オンラインゲームとしての魅力を低下させることもない。
この結果、ゲームに参加するプレイヤの興趣性を向上させることができる。
【0018】
当該ゲーム領域における参加プレイヤのプレイ状況を示す観戦情報を、支配プレイヤの端末に提供する観戦情報提供部、を更に備えてもよい。
この場合、支配プレイヤは、ダンジョン等のゲーム領域を造り替えるだけでなく、自己のゲーム領域にて参加プレイヤ奮闘する様子を観戦することができる。例えば、支配プレイヤが仕掛けた罠等に、キャラクタがどのように反応するかや、注目するキャラクタがどのように進んでいくか等を、自由に楽しむことができる。
【0019】
本発明の第3の観点に係るゲーム提供方法は、領域情報記憶部、及び、処理部を有しており、仮想空間におけるゲーム領域にて、参加プレイヤがキャラクタを操作して当該ゲーム領域をプレイするゲーム装置におけるゲーム提供方法であって、進行状況管理ステップ、判定ステップ、及び、権限管理ステップを含んで構成される。
領域情報記憶部は当該ゲーム領域を支配する支配プレイヤによって任意に規定される領域情報であって、当該ゲーム領域の構成、及び、攻略要件を含む領域情報を記憶している。
【0020】
まず、進行状況管理ステップでは、当該ゲーム領域において参加プレイヤに操作されるキャラクタの進行状況を管理する。例えば、キャラクタのダンジョン内の位置やHP等を管理する。また、判定ステップでは、管理される当該進行状況と、記憶される当該攻略要件との関係に基づいて、参加プレイヤによって当該ゲーム領域が攻略されたかどうかを判定する。そして、権限管理ステップでは、当該ゲーム領域が攻略されたと判定されると、当該ゲーム領域を支配する権限を、攻略した参加プレイヤに移譲させる。つまり、攻略した参加プレイヤが新たな支配プレイヤとなり、ダンジョン等のゲーム領域を、自己の思うままに構成や攻略要件を造り替え、参加プレイヤの挑戦を受けることになる。
【0021】
すなわち、ゲーム領域を最も早く攻略した参加プレイヤには、特別な恩恵が得られるため、プレイヤのやる気を引き出すことができる。また、支配プレイヤが、自己が造り替えたゲーム領域についての情報を公開することも考えられるが、あまり詳細な情報を公開してしまうと、容易に攻略されてしまうことになるため、ゲーム領域についての情報公開も自ずと抑制され、参加プレイヤの興味をそぐことが少なくなる。更に、ランダムマップ等のゲーム領域とは異なり、各参加プレイヤが同じゲーム領域の攻略を試みるため、苦労等を共感することができ、オンラインゲームとしての魅力を低下させることもない。
この結果、ゲームに参加するプレイヤの興趣性を向上させることができる。
【0022】
本発明の第4の観点に係るプログラムは、コンピュータ(電子機器を含む。)を、上記のゲーム装置として機能させるように構成する。
【0023】
このプログラムは、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリ等のコンピュータ読取可能な情報記録媒体に記録することができる。
【0024】
上記プログラムは、当該プログラムが実行されるコンピュータとは独立して、コンピュータ通信網を介して配布・販売することができる。また、上記情報記録媒体は、当該コンピュータとは独立して配布・販売することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、ゲームに参加するプレイヤの興趣性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下に本発明の実施形態を説明する。
【0027】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施の形態に係るネットワークゲームシステムの概要構成を示す模式図である。以下、本図を参照して説明する。
【0028】
本ネットワークゲームシステム10では、一例として、インターネット13上にシステム全体を管理するサーバ11が配置されている。そして、本ネットワークゲームシステム10における各端末12は、インターネット13を介してサーバ11と通信可能に接続されている。
各端末12は、同一の仮想空間(ゲーム空間)を共有し、ゲームに参加する各プレイヤ(参加プレイヤ)がそれぞれ異なるキャラクタ(プレイヤキャラクタ)を操作可能となっている。また、後述するように、ダンジョンの支配者となっているプレイヤ(支配プレイヤ)の端末12からは、各参加プレイヤに操作されるキャラクタの様子等を観戦可能となっている。
以下では、発明の理解を容易にするため、端末12としてインターネットへの接続が可能なゲーム装置を一例にあげて、説明する。なお、ゲーム装置以外にも、各種のコンピュータ、PDA、携帯電話などの情報処理装置を端末12として用いることができる。
【0029】
図2は、本実施形態の端末12として機能するゲーム装置100の概要構成を示す模式図である。以下、本図を参照して説明する。
ゲーム装置100は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、インターフェース104と、コントローラ105と、外部メモリ106と、DVD(Digital Versatile Disk)−ROMドライブ107と、画像処理部108と、音声処理部109と、NIC(Network Interface Card)110と、を備える。
【0030】
なお、ゲーム用のプログラムおよびデータを記憶したDVD−ROMをDVD−ROMドライブ107に装着して、ゲーム装置100の電源を投入することにより、当該プログラムが実行され、本実施形態のゲームを行える端末12が実現される。
【0031】
CPU 101は、ゲーム装置100全体の動作を制御し、各構成要素と接続され制御信号やデータをやりとりする。
【0032】
ROM 102には、電源投入直後に実行されるIPL(Initial Program Loader)が記録され、これが実行されることにより、DVD−ROMに記録されたプログラムをRAM 103に読み出してCPU 101による実行が開始される。また、ROM 102には、ゲーム装置100全体の動作制御に必要なオペレーティングシステムのプログラムや各種のデータが記録される。
【0033】
RAM 103は、データやプログラムを一時的に記憶するためのもので、DVD−ROMから読み出したプログラムやデータ、その他ゲームの進行やチャット通信に必要なデータが保持される。
【0034】
インターフェース104を介して接続されたコントローラ105は、ユーザがゲーム実行の際に行う操作入力を受け付ける。たとえば、コントローラ105は、操作入力に従って、文字列(メッセージ)等の入力を受け付ける。
【0035】
インターフェース104を介して着脱自在に接続された外部メモリ106には、ゲームの進行状態を示すデータ、チャット通信のログ(記録)のデータなどが書き換え可能に記憶される。ユーザは、コントローラ105を介して指示入力を行うことにより、これらのデータを適宜外部メモリ106に記録することができる。
【0036】
DVD−ROMドライブ107に装着されるDVD−ROMには、ゲームを実現するためのプログラムとゲームに付随する画像データや音声データが記録される。CPU 101の制御によって、DVD−ROMドライブ107は、これに装着されたDVD−ROMに対する読み出し処理を行って、必要なプログラムやデータを読み出し、これらはRAM 103等に一時的に記憶される。
【0037】
画像処理部108は、DVD−ROMから読み出されたデータをCPU 101や画像処理部108が備える画像演算プロセッサ(図示せず)によって加工処理した後、これを画像処理部108が備えるフレームメモリ(図示せず)に記録する。フレームメモリに記録された画像情報は、所定の同期タイミングでビデオ信号に変換され画像処理部108に接続されるモニタ(図示せず)へ出力される。これにより、各種の画像表示が可能となる。
【0038】
なお、画像演算プロセッサは、2次元の画像の重ね合わせ演算やαブレンディング等の透過演算、各種の飽和演算を高速に実行できる。
また、仮想3次元空間に配置され、各種のテクスチャ情報が付加されたポリゴン情報を、Zバッファ法によりレンダリングして、所定の視点位置から仮想3次元空間に配置されたポリゴンを俯瞰したレンダリング画像を得る演算の高速実行も可能である。
【0039】
さらに、CPU 101と画像演算プロセッサが協調動作することにより、文字の形状を定義するフォント情報にしたがって、文字列を2次元画像としてフレームメモリへ描画したり、各ポリゴン表面へ描画することが可能である。フォント情報は、ROM 102に記録されているが、DVD−ROMに記録された専用のフォント情報を利用することも可能である。
【0040】
音声処理部109は、DVD−ROMから読み出した音声データをアナログ音声信号に変換し、これに接続されたスピーカ(図示せず)から出力させる。また、CPU 101の制御の下、ゲームの進行の中で発生させるべき効果音や楽曲データを生成し、これに対応した音声をスピーカから出力させる。
【0041】
NIC 110は、ゲーム装置100をインターネット等のコンピュータ通信網(図示せず)に接続するためのものであり、LAN(Local Area Network)を構成する際に用いられる10BASE−T/100BASE−T規格にしたがうものや、電話回線を用いてインターネットに接続するためのアナログモデム、ISDN(Integrated Services Digital Network)モデム、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)モデム、ケーブルテレビジョン回線を用いてインターネットに接続するためのケーブルモデム等と、これらとCPU 101との仲立ちを行うインターフェース(図示せず)により構成される。
【0042】
このほか、ゲーム装置100は、ハードディスク等の大容量外部記憶装置を用いて、ROM 102、RAM 103、外部メモリ106、DVD−ROMドライブ107に装着されるDVD−ROM等と同じ機能を果たすように構成してもよい。
また、ユーザからの文字列の編集入力を受け付けるためのキーボードや、各種の位置の指定および選択入力を受け付けるためのマウスなどを接続する形態も採用することができる。
【0043】
また、本実施形態のゲーム装置100にかえて、一般的なコンピュータ(汎用のパーソナルコンピュータ等)をゲーム装置として利用することもできる。たとえば、一般的なコンピュータは、上記ゲーム装置100と同様に、CPU、RAM、ROM、DVD−ROMドライブ、および、NICを備え、ゲーム装置100よりも簡易な機能を備えた画像処理部を備え、外部記憶装置としてハードディスクを有する他、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、磁気テープ等が利用できるようになっている。また、コントローラではなく、キーボードやマウスなどを入力装置として利用する。そして、ゲームプログラムをインストールした後に、そのプログラムを実行させると、ゲーム装置として機能する。
【0044】
(サーバの概要構成)
以下に、本発明のネットワークゲームシステムにおけるサーバについて、詳細に説明する。
図3は、本実施形態に係るサーバ11の概要構成の一例を示す模式図である。このサーバ11は、一例として、各端末12にオンライン・ロールプレイングゲームを提供するサーバ装置であり、各参加プレイヤによってそれぞれ操作される各キャラクタ(プレイヤキャラクタ)が、ダンジョン等を移動可能としている。以下、本図を参照して説明する。
【0045】
サーバ11は、例えば、CPU、RAM、ROM、DVD−ROMドライブ、ハードディスク、および、NIC等を備えた一般的なコンピュータ(汎用のパーソナルコンピュータ等)からなり、図3に示すように、マップ情報記憶部201と、プレイヤ情報記憶部202と、操作情報取得203と、ゲーム状況管理部204と、位置情報等提供部205と、判定部206と、権限管理部207と、支配者情報記憶部208と、支配者操作情報取得部209と、マップ情報変更部210と、観戦情報提供部211と、を備えている。
【0046】
マップ情報記憶部201は、ゲームにおける仮想空間(ゲーム空間)を規定する複数のマップ情報を記憶する。つまり、ゲーム空間を構成する各種フィールドを規定するそれぞれのマップ情報を記憶している。一例として、これらのフィールドにはダンジョン(洞窟、塔、宮殿等の迷路)も含まれており、このダンジョンを規定するダンジョンマップがマップ情報記憶部201に記憶されている。
【0047】
具体的にマップ情報記憶部201には、図4に示すようなダンジョンマップ等が記憶されている。このダンジョンマップは、一例として、初期設定状態のダンジョンマップであり、分かり易く視覚化して示している。なお、実際には、ダンジョン内の経路、配置されるアイテム、仕掛けられた罠、主要な敵キャラクタの出現位置、及び、攻略課題(そのダンジョンをクリアするための要件等)といった種々の情報が、数値化や記号化されて、マップ情報記憶部201に記憶されている。
【0048】
このようなダンジョンマップは、ダンジョンを最初に(1番先に)攻略した参加プレイヤが、ダンジョンの内容(構成や攻略課題等)を任意に造り替えることができるようになっている。つまり、最初に攻略した参加プレイヤに、そのダンジョンを支配する権限が移譲され、新たな支配プレイヤとなる。そして、支配プレイヤは、自分の思うままダンジョンの内容を造り替え、参加プレイヤの挑戦を受けることになる。
例えば、初期設定状態のダンジョンAが参加プレイヤXにより攻略されると、その参加プレイヤXが新たな支配プレイヤXとなり、ダンジョンAの内容を任意に造り替えることができるようになる。そして、支配プレイヤXがそのダンジョンマップを適宜変更すると、それに基づいた新しいダンジョンBがそれまでのダンジョンAに代わってゲーム空間内に登場することになる。なお、支配プレイヤXは、このダンジョンBでのゲームに直接参加できなくなるものの、各参加プレイヤの様子等を適宜観戦することができるようになる。
続いて、ダンジョンBが参加プレイヤYにより攻略されると、支配プレイヤXから権限が移譲され、参加プレイヤYが新たな支配プレイヤYとなり、同様にダンジョンCへと造り替えることができるようになる。この時点で、以前の支配プレイヤXには、権限が消滅するため、参加プレイヤXに戻り、ダンジョンCの攻略に参加できるようになる。
なお、具体的なダンジョンマップの変更についての詳細は、後述する。
そして、上記ハードディスクやRAM等がこのようなマップ情報記憶部201として機能しうる。
【0049】
図3に戻って、プレイヤ情報記憶部202は、ゲームに参加する参加プレイヤの情報を記憶する。
例えば、プレイヤ情報記憶部202は、ログインした各参加プレイヤについての識別情報(ユーザID等)、プレイヤキャラクタの識別情報(キャラクタIDやニックネーム等)、及び、端末12の識別情報(MACアドレスやIPアドレス等)を含む情報を記憶している。
なお、上記ハードディスクやRAM等がこのようなプレイヤ情報記憶部202として機能しうる。
【0050】
操作情報取得部203は、各参加プレイヤからの操作情報をそれぞれ取得する。
例えば、操作情報取得部203は、端末12から情報が送信されると、上述したプレイヤ情報記憶部202に記憶されている情報を参照しつつ、参加プレイヤからの操作情報であることを確認して取得する。そして、取得した操作情報をゲーム状況管理部204に供給する。
なお、上記NIC等がこのような操作情報取得部203として機能しうる。
【0051】
ゲーム状況管理部204は、ゲーム空間内におけるキャラクタの現在状況等をそれぞれ管理する。例えば、各参加プレイヤ(各端末12)によってそれぞれ操作される各プレイヤキャラクタの進行状況や、サーバ11にて制御される敵キャラクタ(一例として、出現している各敵キャラクタ)の現在状況等を管理する。
具体的にゲーム状況管理部204は、ダンジョン内におけるプレイヤキャラクタの進行状況を、一例として図5(a)に示すようなプレイヤキャラクタテーブルによって管理し、また、敵キャラクタのダンジョン内での状況を、一例として図5(b)に示すような敵キャラクタテーブルによって管理する。
【0052】
図5(a)に示すプレイヤキャラクタテーブルは、操作情報取得部203が取得した参加プレイヤからの操作情報に基づいて、適宜更新される。つまり、各参加プレイヤが自己のプレイヤキャラクタに向けた操作内容に基づいて、各プレイヤキャラクタの位置情報等が更新される。
また、図5(b)に示す敵キャラクタテーブルは、所定のロジックに従って、各敵キャラクタの位置情報等が適宜更新される。
なお、上記CPU、ハードディスクやRAM等がこのようなゲーム状況管理部204として機能しうる。
【0053】
図3に戻って、位置情報等提供部205は、ゲーム状況管理部204にて管理される各キャラクタの位置情報等を、各端末12(参加プレイヤの端末12)に送信する。
例えば、位置情報等提供部205は、上述した図5(a)のプレイヤキャラクタテーブルや図5(b)の敵キャラクタテーブルを逐次参照し、各キャラクタの位置情報やHP等の情報を、一定時間毎に各端末12にブロードキャストする。
また、位置情報等提供部205は、ダンジョンを攻略して権限を得た支配プレイヤによりダンジョンマップが更新されると、そのダンジョンマップ(マップ情報)を、各端末12に送信する。
なお、上記CPU、NIC等がこのような位置情報等提供部205として機能しうる。
【0054】
判定部206は、各参加プレイヤ(プレイヤキャラクタ)が、ダンジョンのクリア要件(攻略要件)を満たしているかを逐次判定する。
例えば、判定部206は、ダンジョン内における各プレイヤキャラクタの進行状況と、マップ情報記憶部201に記憶されるダンジョンマップの攻略課題とを逐次比較する。そして、何れかのプレイヤキャラクタがダンジョンについてのクリア要件を満たすと、そのプレイヤキャラクタを操作する参加プレイヤを、そのダンジョンについて最初に攻略したプレイヤであると判定する。
判定部206は、このようにしてダンジョンが攻略されたことを判定すると、攻略した参加プレイヤについての情報を権限管理部207に供給する。
なお、上記CPU等がこのような判定部206として機能しうる。
【0055】
権限管理部207は、上述した判定部206によって、ダンジョンの攻略(最初に攻略した参加プレイヤ)が判定されると、その参加プレイヤの情報を新たな支配者(支配プレイヤ)として支配者情報記憶部208に格納させる。
例えば、権限管理部207は、支配者となったプレイヤの情報をプレイヤ情報記憶部202から読み出すと、支配者情報記憶部208におけるダンジョンの支配者情報に上書きして更新させる。これにより、旧の支配プレイヤは、参加プレイヤに戻り、ダンジョンを攻略した参加プレイヤはは、新たな支配プレイヤとなる。つまり、旧の支配プレイヤから新の支配プレイヤに権限が移譲されることになる。
なお、上記CPU等がこのような権限管理部207として機能しうる。
【0056】
支配者情報記憶部208は、各ダンジョンについて、現在の支配者となっている支配プレイヤの情報(支配者情報)を記憶する。
具体的に支配者情報記憶部208は、図6に示すように、各ダンジョンに対応して、それぞれの支配者情報を記憶している。そして、参加プレイヤによって何れかのダンジョンが攻略されると、上述した権限管理部207により、対応するダンジョンの支配者情報が更新される。
なお、上記ハードディスクやRAM等がこのような支配者情報記憶部208として機能しうる。
【0057】
図3に戻って、支配者操作情報取得部209は、支配者となっている支配プレイヤからの操作情報を取得する。
例えば、支配者操作情報取得部209は、端末12から情報が送信されると、上述した支配者情報記憶部208に記憶されている情報を参照して、送信された情報が支配プレイヤからの操作情報であるかを逐次判別し、支配プレイヤからの操作情報だけを取得する。そして、操作内容がダンジョンマップの変更である場合に、取得した操作情報をマップ情報変更部210に供給し、また、操作内容が観戦要求である場合に、取得した操作情報を観戦情報提供部211に供給する。
なお、上記NIC等がこのような支配者操作情報取得部209として機能しうる。
【0058】
マップ情報変更部210は、支配プレイヤの端末12からの操作(マップ変更の操作)に基づいて、対象となるマップ情報を変更する。
例えば、マップ情報変更部210は、支配者操作情報取得部209が取得した操作情報に応じて、権限(造り替える権限)を有するダンジョンについてのダンジョンマップを変更する。
つまり、新たに支配者となった支配プレイヤは、そのダンジョン内の経路、配置されるアイテム、仕掛けられた罠、主要敵キャラクタの出現位置、及び、攻略課題等を適宜再設定することができる。例えば、自分の経験等を活用して、より効果的に罠を配置したり、気付き難い場所にアイテムを配置したり、また、攻略課題を簡単には思いつかないものに設定するなどして、他のプレイヤが簡単には攻略できないようにダンジョンマップを造り替える。
この際、変更されたダンジョンマップによっては、そのダンジョンが攻略不可能となってしまう状況も生じ得るため、マップ情報変更部210は、変更されたダンジョンマップを適宜検証する。
そして、マップ情報変更部210は、支配プレイヤの操作が終了すると(変更が完了すると)、マップ情報記憶部201にダンジョンマップの変更内容を反映する。つまり、新しいダンジョンマップをマップ情報記憶部201に記憶させる。
なお、上記CPU等がこのようなマップ情報変更部210として機能しうる。
【0059】
観戦情報提供部211は、支配プレイヤの端末12からの操作(観戦要求の操作)に基づいて、観戦用となる情報(観戦情報)をゲーム状況管理部204から読み出し、支配者の端末12に送信する。
例えば、観戦する場所(ダンジョン内の位置等)が指定された場合、観戦情報提供部211は、プレイヤキャラクタテーブルや敵キャラクタテーブルを逐次参照し、指定された場所を中心に、所定範囲内に位置するキャラクタの位置情報やアイテム、守備力、攻撃力、及び、HP等の情報を、一定時間毎に支配者の端末12に送信する。
また、観戦するプレイヤキャラクタ(注目キャラクタ)が指定された場合、観戦情報提供部211は、注目キャラクタの移動に合わせて視点等も移動できるように、そのプレイヤキャラクタの位置情報等を支配者の端末12に送信する。なお、この他にも注目キャラクタの近傍に位置する他のキャラクタの位置情報等も、一定時間毎に支配者の端末12に送信する。
また、 なお、上記CPU、NIC等がこのような観戦情報提供部211として機能しうる。
【0060】
(端末の概要構成)
図7は、本実施形態に係る端末12の概要構成の一例を示す模式図である。なお、端末12は、ダンジョンの攻略を目指す参加プレイヤ、又は、そのダンジョンの支配者となっている支配プレイヤによって操作される。以下、本図を参照して説明する。
【0061】
端末12は、図7に示すように、画像情報記憶部301と、変更マップ情報記憶部302、情報受信部303と、ゲーム画像生成部304と、操作受付部305と、キャラクタ管理部306と、情報送信部307とを備えている。
【0062】
画像情報記憶部301は、ゲーム空間内に配置されるキャラクタ、建物、及び、アイテム等の画像(オブジェクトやテクスチャ等のデータ)を記憶する。
例えば、画像情報記憶部301は、各プレイヤキャラクタの画像、各種敵キャラクタの画像、各種アイテムの画像、樹木、石、壁、階段等の画像を記憶する。
また、画像情報記憶部301は、ロールプレイングゲームにおける初期設定状態のダンジョンマップ(マップ情報)も記憶している。つまり、支配プレイヤにより変更される前の各ダンジョンのダンジョンマップを記憶している。
なお、上述したDVD−ROMドライブ107に装着されるDVD−ROM等が、このような画像情報記憶部301として機能しうる。
【0063】
変更マップ情報記憶部302は、新たに支配者となった支配プレイヤによって変更されたマップ情報を記憶する。
具体的には、上述したサーバ11(マップ情報記憶部201)にてダンジョンマップが変更されると、サーバ11(位置情報等提供部205)から各端末12に、変更されたダンジョンマップが送られるようになっている。そして、端末12では、情報受信部303にてこのダンジョンマップを受信すると、変更マップ情報記憶部302に格納される。つまり、更新に伴う最新のダンジョンマップが変更マップ情報記憶部302に記憶されるようになっている。
なお、上述したRAM 103等が、このような変更マップ情報記憶部302として機能しうる。
【0064】
情報受信部303は、サーバ11から送られる種々の情報を受信する。
例えば、情報受信部303は、上述したゲーム状況管理部204にて管理される各キャラクタ(プレイヤキャラクタ及び、敵キャラクタ等)の位置情報等を順次受信する。
また、情報受信部303は、マップ情報記憶部201にてダンジョンマップが変更された際に、位置情報等提供部205から送られるダンジョンマップを受信する。
更に、情報受信部303は、サーバ11(ゲーム状況更新部205)から送られた情報を受信し、キャラクタ管理部306に反映させる。
なお、上述したNIC 110がこのようなデータ受信部302として機能しうる。
【0065】
ゲーム画像生成部304は、ゲーム空間内に配置される建物やキャラクタを含むゲーム画像を生成する。
例えば、ゲーム画像生成部304は、画像情報記憶部301及び、変更マップ情報記憶部302を参照して、ダンジョン等のゲーム空間を生成し、キャラクタ管理部306を参照して、ゲーム空間内(ダンジョン内等)を移動するプレイヤキャラクタや敵キャラクタを配置したゲーム画像を生成する。
具体的にゲーム画像生成部304は、一例として、図8(a)に示すようなゲーム画像を生成する。このゲーム画像は、ダンジョン内の自己が操作するプレイヤキャラクタPc1の背後を視点とした場合の画像であり、他の参加プレイヤが操作するプレイヤキャラクタPc2や、敵キャラクタTcが近傍に位置している様子を示している。
【0066】
また、支配プレイヤの端末12では、ゲーム画像生成部304は、ゲーム観戦画像を生成する。
例えば、ゲーム画像生成部304は、図8(b)に示すようなゲーム観戦画像を生成する。このゲーム観戦画像は、自己(支配プレイヤ)が意図的に配置した落とし穴Tr付近の様子を表示する場合の画像であり、アイテムItに誘われてプレイヤキャラクタPcが近寄ってくる様子を示している。
なお、上述した画像処理部108がこのような画像生成部304として機能しうる。
【0067】
図7に戻って、操作受付部305は、参加プレイヤが操る自己のプレイヤキャラクタに対する動作指示等の操作情報を受け付ける。例えば、操作受付部305は、所定方向に移動する、剣を振る、魔法を発動する、拾う等の動作に対応した複数のボタン(一例として、コントローラ105に配置された方向キー,Aボタン,Bボタン,Xボタン,Yボタン等)の何れかが参加プレイヤにより押下されることによって、プレイヤキャラクタに向けた操作入力を受け付ける。
また、支配プレイヤの端末12では、操作受付部305は、ダンジョンマップの変更指示や、観戦要求等の操作情報を受け付ける。
なお、上述したコントローラ105がこのような操作受付部305として機能しうる。
【0068】
キャラクタ管理部306は、各キャラクタの現在位置や向き等を管理する。
例えば、キャラクタ管理部306は、情報受信部303がサーバ11から受信した位置情報等の情報に基づき、各キャラクタの現在位置等を最新の状態に更新する。
なお、上述したRAM 103やCPU 101がこのようなキャラクタ管理部306として機能しうる。
【0069】
情報送信部307は、操作受付部305が受け付けた操作指示をサーバ11に送信する。つまり、参加プレイヤによるプレイヤキャラクタへの操作内容等をサーバ11に送信する。
なお、上述したNIC 110がこのような情報送信部307として機能しうる。
【0070】
(サーバの動作概要)
図9は、上述した構成のサーバ11にて実行されるゲーム処理の流れを示すフローチャートである。以下、この図を参照してサーバ11等の動作について説明する。
【0071】
まず、サーバ11は、変更されたマップ情報があれば、そのマップ情報を各端末12に送信する(ステップS401)。
つまり、新たにダンジョンが攻略され、支配者となった支配プレイヤにより、ダンジョンマップが変更されると、位置情報等提供部205は、そのダンジョンマップ(マップ情報)を、各端末12に送信する。
なお、ダンジョンが攻略されていない状態であれば、変更されたマップ情報がないため、マップ情報の送信は行われない。
【0072】
サーバ11は、開始表示を行い、そのダンジョン内に各参加プレイヤキャラクタが入れるようにする(ステップS402)。例えば、ダンジョンが変更された場合、新しいダンジョンの名称や、このダンジョンへの挑戦を促すメッセージ等を表示して、各プレイヤキャラクタを受け入れる。つまり、ダンジョンが開放され、各参加プレイヤがそのダンジョンを攻略するために、ダンジョン内に各プレイヤキャラクタを進めることになる。
【0073】
サーバ11は、操作情報を取得する(ステップS403)。つまり、操作情報取得部203は、各参加プレイヤからの操作情報をそれぞれ取得する。そして、サーバ11は、ゲーム状況に反映する(ステップS404)。例えば、ゲーム状況管理部204は、各参加プレイヤの操作情報に基づいて、図5(a)のプレイヤキャラクタテーブルを更新する。また、ゲーム状況管理部204は、所定のロジックに基づいて、図5(b)の敵キャラクタテーブルを更新する。
【0074】
サーバ11は、各キャラクタについての位置情報等を各端末12に供給する(ステップS405)。例えば、位置情報等提供部205は、更新された図5(a)のプレイヤキャラクタテーブルや図5(b)の敵キャラクタテーブルを参照し、各キャラクタの位置情報や向き等を、各端末12にブロードキャストする。
【0075】
サーバ11は、支配プレイヤから観戦が要求されているか否かを判別する(ステップS406)。つまり、支配者操作情報取得部209にて、観戦要求がなされているか否かを判別する。
サーバ11は、観戦が要求されていないと判別すると(ステップS406;No)、後述するステップS408に処理を進める。なお、支配者が決まっていない初期設定状態のダンジョンの場合では、観戦が要求されていないと判別される。
【0076】
一方、観戦が要求されていると判別した場合(ステップS406;Yes)、サーバ11は、支配プレイヤの端末12に観戦情報を提供する(ステップS407)。例えば、観戦する場所(ダンジョン内の位置等)が指定された場合、観戦情報提供部211は、プレイヤキャラクタテーブルや敵キャラクタテーブルを逐次参照し、指定された場所を中心に、所定範囲内に位置するキャラクタの位置情報やHP等を、支配者の端末12に送信する。
【0077】
サーバ11は、プレイヤキャラクタが、ダンジョンのクリア要件を満たしているかの攻略判定を行う(ステップS408)。
例えば、判定部206は、ダンジョン内における各プレイヤキャラクタの進行状況と、マップ情報記憶部201に記憶されるダンジョンマップの攻略課題とを比較し、何れかのプレイヤキャラクタがダンジョンについてのクリア要件を満たすと、そのダンジョンが攻略されたと判定する。
【0078】
サーバ11は、ダンジョンが攻略されていないと判定すると(ステップS408;No)、ステップS403に処理を戻し、上述のステップS403〜S408の処理を繰り返し実行する。
一方、ダンジョンが攻略されたと判定した場合(ステップS408;Yes)、サーバ11は、終了表示を行う(ステップS409)。例えば、ダンジョン内のプレイヤキャラクタをダンジョンの外に強制的に移動させ、プレイヤキャラクタの新たな受け入れを停止させた後、ダンジョンが攻略された旨のメッセージを表示する。つまり、ダンジョンが一端閉鎖され、ダンジョン内へプレイヤキャラクタが進めないようにする。
【0079】
サーバ11は、支配者情報を更新する(ステップS410)。つまり、権限管理部207は、ダンジョンを攻略した参加プレイヤの情報を新たな支配者として支配者情報記憶部208に格納させる。
【0080】
サーバ11は、マップ情報の変更を受け付ける(ステップS411)。つまり、支配者となった支配プレイヤがそのダンジョンについてのダンジョンマップを任意に変更し、マップ情報変更部210は、変更されたダンジョンマップをマップ情報記憶部201に格納する。
【0081】
そして、サーバ11は、上述したステップS401に処理を戻し、新たなダンジョンにてゲームの制御を続ける。
【0082】
このようなゲーム処理によって、ダンジョンを最初に攻略した参加プレイヤに、特別な恩恵(ゲーム領域を自由に造り替える権限)が与えられる。つまり、そのダンジョンについての新たな支配プレイヤとなり、ダンジョンマップを自分好みに変更したり、変更後のダンジョンで各プレイヤが奮闘する様子を観戦することができる。
このように、ダンジョンを最も早く攻略した参加プレイヤが、特別な恩恵を得られることになるため、各プレイヤのやる気を引き出すことができる。
また、支配プレイヤが、自己が造り替えたダンジョンについての情報を公開することも考えられるが、あまり詳細な情報を公開してしまうと、容易に攻略されてしまうことになる。そのため、ダンジョンについての情報公開が自ずと抑制され、参加プレイヤの興味をそぐことが少なくなる。
更に、ランダムマップ等のダンジョンとは異なり、各参加プレイヤが同じダンジョンの攻略を試みるため、苦労等を共感することができ、オンラインゲームとしての魅力を低下させることもない。
この結果、ゲームに参加するプレイヤの興趣性を向上させることができる。
【0083】
(他の実施形態)
上記の実施形態では、支配プレイヤが変更したダンジョンを、そのまま採用する場合について説明したが、変更されたダンジョンが攻略不可能や、攻略が極めて困難となってしまう状況も生じ得る。
そのため、ダンジョンマップの妥当性を事前に検証したり、そのダンジョン内の他のプレイヤの状況等から間接的にダンジョンマップを検証するようにしてもよい。
【0084】
以下、ダンジョンマップを検証することを特徴とするサーバについて、図10を参照して説明する。
図10は、本発明の他の実施形態に係るサーバ11の概要構成を示す模式図である。以下、本図を参照して説明する。
【0085】
図10のサーバ11は、上述した図3のサーバ11に検証部501を加えた構成である。つまり、マップ情報記憶部201〜観戦情報提供部211については、図3のサーバ11の構成と同様となっている。
【0086】
検証部501は、支配プレイヤによりダンジョンマップが変更されると、マップ情報記憶部201に登録(更新)する前に、その妥当性について検証する。
例えば、検証部501は、マップ情報変更部210からダンジョンマップを取得すると、ダンジョン内の経路が正しく繋がっているかや、アイテムが適切に配置されているか(アイテムを取得できるようになっているか)や、敵キャラクタのHPや攻撃力等が規定値以内であるか等を検証する。
そして、検証部501は、妥当性を検証したダンジョンマップをマップ情報記憶部201に記憶させる。
【0087】
また、検証部501は、変更したダンジョンマップに基づいてゲームが開始された後に、そのダンジョン内の各参加プレイヤの状況等に基づいて、ダンジョンの難易度を検証する。
例えば、検証部501は、所定数以上のプレイヤキャラクタがそのダンジョンに挑戦して、所定時間以上(一例として、延べ時間)経過しても、特定エリア(一例として、最上階/最下階)まで到達できなかった場合に、難易度が高すぎると判定する。
【0088】
ゲーム中に、検証部501により、ダンジョンの難易度が高すぎると判定されると、マップ情報変更部210は、難易度を下げるように、ダンジョンマップを適宜変更するようにしてもよい。
例えば、マップ情報変更部210は、特定エリア(一例として、最上階/最下階)に通じる迂回路等を追加するように、ダンジョンマップを自動的に変更する。
この他にも、ゲーム状況管理部204が、特定エリアに各プレイヤキャラクタを強制的に移動させるように、各プレイヤキャラクタの位置情報等を変更するようにしてもよい。
【0089】
この場合も、支配プレイヤにより変更されたダンジョンマップを適宜検証するため、攻略不可能等の状況を生じさせることなく、ゲームに参加するプレイヤの興趣性を向上させることができる。
【0090】
上記の実施形態では、サーバに各端末が接続するネットワークゲームシステムを一例として説明したが、端末同士がビアツーピア(Peer to Peer)に接続され、一方が、サーバとして機能する場合にも適宜適応可能である。
つまり、1つの端末12がサーバ11としても機能し、他の端末12ゲームを提供することになる。この際、サーバとなる端末12と他の端末12とが1対1だけの接続でなく、1対n(nは、2以上の整数)の接続であってもよい。
【0091】
以上説明したように、本発明によれば、ゲームに参加するプレイヤの興趣性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本実施形態のネットワークゲームシステムの概要構成を示す模式図である。
【図2】本実施形態のゲーム装置の概要構成を示す模式図である。
【図3】サーバの概要構成の一例を示す模式図である。
【図4】ダンジョンマップの一例を示す模式図である
【図5】(a)がプレイヤキャラクタテーブルの一例を示す模式図であり、(b)が敵キャラクタテーブルの一例を示す模式図である。
【図6】支配者情報の一例を示す模式図である。
【図7】端末の概要構成の一例を示す模式図である。
【図8】(a)が生成されるゲーム画像の一例を示す模式図であり、(b)が生成されるゲーム観戦画像の一例を示す模式図である。
【図9】本実施形態のゲーム処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】他の実施形態のサーバの概要構成の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
【0093】
10 ネットワークゲームシステム
11 サーバ
12 端末
13 インターネット
100 ゲーム装置
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 インターフェース
105 コントローラ
106 外部メモリ
107 DVD−ROMドライブ
108 画像処理部
109 音声処理部
110 NIC
201 マップ情報記憶部
202 プレイヤ情報記憶部
203 操作情報取得部
204 ゲーム状況管理部
205 位置情報等提供部
206 判定部
207 権限管理部
208 支配者情報記憶部
209 支配者操作情報取得部
210 マップ情報変更部
211 観戦情報提供部
301 画像情報記憶部
302 変更マップ情報記憶部
303 情報受信部
304 ゲーム画像生成部
305 操作受付部
306 キャラクタ管理部
307 情報送信部
501 検証部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想空間におけるゲーム領域にて、参加プレイヤがキャラクタを操作して当該ゲーム領域をプレイするゲーム装置であって、
当該ゲーム領域を支配する支配プレイヤによって任意に規定される領域情報であって、当該ゲーム領域の構成、及び、攻略要件を含む領域情報を記憶する領域情報記憶部と、
当該ゲーム領域において参加プレイヤに操作されるキャラクタの進行状況を管理する状況管理部と、
管理される当該進行状況と、記憶される当該攻略要件との関係に基づいて、参加プレイヤによって当該ゲーム領域が攻略されたかどうかを判定する判定部と、
当該ゲーム領域が攻略されたと判定されると、当該ゲーム領域を支配する権限を、攻略した参加プレイヤに移譲させる権限管理部と、を備える、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム装置であって、
当該ゲーム領域における参加プレイヤのプレイ状況を示す観戦情報を、支配プレイヤに対して表示可能に提供する観戦情報提供部、を更に備える、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
プレイヤの端末とネットワークを介して接続され、仮想空間におけるゲーム領域をプレイするためのゲームを提供するサーバであって、
当該ゲーム領域を支配する支配プレイヤによって任意に規定される領域情報であって、当該ゲーム領域の構成、及び、攻略要件を含む領域情報を記憶する領域情報記憶部と、
当該ゲーム領域においてプレイヤの端末からコントロールされるキャラクタの進行状況を管理する状況管理部と、
管理される当該進行状況と、記憶される当該攻略要件との関係に基づいて、参加プレイヤによって当該ゲーム領域が攻略されたかどうかを判定する判定部と、
当該ゲーム領域が攻略されたと判定されると、当該ゲーム領域を支配する権限を、攻略した参加プレイヤに移譲させる権限管理部と、を備える、
ことを特徴とするサーバ。
【請求項4】
請求項3に記載のサーバであって、
当該ゲーム領域における参加プレイヤのプレイ状況を示す観戦情報を、支配プレイヤの端末に提供する観戦情報提供部、を更に備える、
ことを特徴とするサーバ。
【請求項5】
領域情報記憶部、及び、処理部を有しており、仮想空間におけるゲーム領域にて、参加プレイヤがキャラクタを操作して当該ゲーム領域をプレイするゲーム装置におけるゲーム提供方法であって、
前記領域情報記憶部は、当該ゲーム領域を支配する支配プレイヤによって任意に規定される領域情報であって、当該ゲーム領域の構成、及び、攻略要件を含む領域情報を記憶しており、
前記処理部が行う、当該ゲーム領域において参加プレイヤに操作されるキャラクタの進行状況を管理する進行状況管理ステップと、
前記処理部が行う、管理される当該進行状況と、記憶される当該攻略要件との関係に基づいて、参加プレイヤによって当該ゲーム領域が攻略されたかどうかを判定する判定ステップと、
前記処理部が行う、当該ゲーム領域が攻略されたと判定されると、当該ゲーム領域を支配する権限を、攻略した参加プレイヤに移譲させる権限管理ステップと、を備える、
ことを特徴とするゲーム提供方法。
【請求項6】
仮想空間におけるゲーム領域にて、参加プレイヤがキャラクタを操作して当該ゲーム領域をプレイするコンピュータを、
当該ゲーム領域を支配する支配プレイヤによって任意に規定される領域情報であって、当該ゲーム領域の構成、及び、攻略要件を含む領域情報を記憶する領域情報記憶部、
当該ゲーム領域において参加プレイヤに操作されるキャラクタの進行状況を管理する状況管理部、
管理される当該進行状況と、記憶される当該攻略要件との関係に基づいて、参加プレイヤによって当該ゲーム領域が攻略されたかどうかを判定する判定部、
当該ゲーム領域が攻略されたと判定されると、当該ゲーム領域を支配する権限を、攻略した参加プレイヤに移譲させる権限管理部、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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