説明

ゲーム装置及びゲーム制御プログラム

【課題】試合画面の中での選手キャラクタの交代が可能な設定とすることで、交代の操作自体を簡略化する。
【解決手段】キャラクタ108に対して指示手段107を接触させることにより、交代の対象となるキャラクタ108を認識する交代キャラクタ認識手段と、認識されたキャラクタ108を交代キャラクタ確定領域(モニタ3aの端部)にまで移動させることで、交代キャラクタとして確定させる交代キャラクタ確定手段と、交代キャラクタの確定に基づき、画像表示部にキャラクタの候補リスト101を表示する候補キャラクタリスト表示手段とを備え、候補リスト中の候補に対して指示手段107を接触させることにより、投入するキャラクタを確定後、当該キャラクタを投入キャラクタに代えて画像表示部に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接触入力式の画像表示部に指示手段を接触させることにより、仮想空間内における対戦ゲームの進行を制御する技術に関するもので、特に、対戦ゲームに登場しているキャラクタを別のキャラクタに交代させる操作に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の野球ゲームにおいて、ゲームに登場している選手キャラクタを交代できる仕様のものが知られている。特許文献1のものは、プレーヤが選手キャラクタを交代させたいとき、例えば次の打者に対して代打を出したいと考えたときには、まず、試合中の画面において「タイム」ボタンを押す。すると、試合中の画面から、交代の対象となる複数選手のみを大きくクローズアップした俯瞰画面に遷移する(図7、図8を参照)。そして、この俯瞰画面の中の選手の中から、交代させたいと考える選手キャラクタ(今の場合は打者)をプレーヤが選択、決定する。その後、再び、試合画面に戻ることで、代打に代わった状態から試合を再開できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−28217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示の選手交代の方法では、交代の候補選手を表示するために、まず、試合中の画面から別の画面に切り替えた上で、選手を選択、決定し、その後、再び元の画面に戻るという画面遷移のステップが必要である。従って、交代のための操作に手間を要する上、試合中の画面が一旦、全く別の切り替わることから、ゲームの流れが大きく中断される印象を与えてしまう、といった課題がある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、複雑な画面遷移を経由することなく、試合画面の中での選手キャラクタの交代が可能な設定とすることで、交代の操作自体を簡略化するとともに、ゲームの流れが大きく中断されることのない接触入力式のゲーム装置およびゲーム制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明によるゲーム装置は、接触入力式の画像表示部に指示手段を接触させることにより、仮想空間内での対戦ゲームを進行させるゲーム装置であって、前記対戦ゲームに登場する一のキャラクタに対して前記指示手段を接触させることにより、交代の対象となるキャラクタを認識する交代キャラクタ認識手段と、前記認識されたキャラクタに前記接触手段を接触させた状態のまま、交代キャラクタ確定領域にまで移動させることで、前記キャラクタを交代キャラクタとして確定させる交代キャラクタ確定手段と、前記交代キャラクタ確定手段による交代キャラクタの確定に基づき、前記画像表示部に、前記交代キャラクタに代えて投入するキャラクタの候補リストを表示する候補キャラクタリスト表示手段と、前記候補リスト中の一の候補に対して前記指示手段を接触させることにより、前記交代キャラクタに代えて投入するキャラクタを確定する投入キャラクタ確定手段と、前記投入キャラクタ選択手段によって選択された前記投入キャラクタを、前記交代キャラクタに代えて前記画像表示部に表示するキャラクタ交代表示手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0007】
また、本発明によるゲームプログラムは、接触入力式の画像表示部に指示手段を接触させることにより、仮想空間内での対戦ゲームをコンピュータに実行させるゲーム制御プログラムであって、前記対戦ゲームに登場する一のキャラクタに対して前記指示手段を接触させることにより、交代の対象となるキャラクタを認識する交代キャラクタ認識手段と、前記認識されたキャラクタに前記接触手段を接触させた状態から、前記キャラクタを画像表示部に表示されるゲーム画面の外枠部に向かって、所定以上の速度で移動させることで、前記キャラクタを交代キャラクタとして確定させる交代キャラクタ確定手段と、前記交代キャラクタ確定手段による交代キャラクタの確定に基づき、前記画像表示部に、前記交代キャラクタに代えて投入するキャラクタの候補リストを表示する候補キャラクタリスト表示手段と、前記候補リスト中の一の候補に対して前記指示手段を接触させることにより、前記交代キャラクタに代えて投入するキャラクタを確定する投入キャラクタ確定手段と、前記投入キャラクタ選択手段によって選択された前記投入キャラクタを、前記交代キャラクタに代えて前記画像表示部に表示するキャラクタ交代表示手段としてコンピュータを機能させるゲーム制御プログラムである。
【0008】
この構成によれば、プレーヤが対戦ゲームの中に登場しているキャラクタを別のキャラクタに交代させたいと考えたときに、画面内のキャラクタに直接、指(指示手段)で接触し、その接触状態のまま、そのキャラクタを別の場所(交代キャラクタ確定領域)に移動させることで、そのキャラクタが交代対象であるということを確定できる(この時点ではまだ交代は完了しない)。ここで、別の場所(交代キャラクタ確定領域)とは例えば、ゲーム画面の端部に設定しても良いし、スコアボード上でも良いし、ゲーム画面上の所定の箇所に枠を設け、そこに設定しても良く、要するに、そのキャラクタの現在のゲーム画面上の位置から明らかに離れた箇所であれば、いずれの場所でも良い。ただ、どこまで移動させれば交代対象となるかがプレーヤにとって明確となるよう、ラインで囲まれたり、着色によって他の箇所から識別可能とされる、あるいは画面の外など、その箇所を視覚的あるいは触覚的に簡単に認識できる場所が望ましい。このように、キャラクタを別の場所に移動させる操作を行うことで、そのキャラクタが交代対象であると認識されるので、プレーヤはあたかも不要な物を捨てるような体感的な感覚を持って、交代の選手キャラクタを確定できる。なお、移動させた選手キャラクタが交代させる選手キャラクタと確定された事実は、そのキャラクタが所定箇所まで移動されたことを持って判断できるが、よりプレーヤにとってわかり易いように、さらにその移動されたキャラクタの色、大きさ、形態を変えたり、キャラクタやその周囲を光らせる等のエフェクトを加えるようにしてもよい。
【0009】
そして、上記のように、交代すべき選手キャラクタが確定されると、同じ画面上に、交代キャラクタに代えて投入するキャラクタの候補リストが表示される。例えば打者を交代させる場合には代打の選手キャラクタのリストが、また投手を交代させる場合には控えの投手キャラクタのリストが表示される。ここで、プレーヤが、上記の候補リスト中の一の候補に対して指を接触させると、投入する選手キャラクタが選択されて選手交代が完了する。
【0010】
以上のように、本構成においては、プレーヤは選手キャラクタの交代に際して、ゲーム画面を遷移させることなく、同じ画面上で選手交代を完了できるので、操作性に優れている上、ゲームの流れを阻害することもない。さらに、交代させたい選手キャラクタに指で直接、接触するので直感的な指定ができる上、その選手キャラクタをあたかも捨てるかのように所定位置まで移動させることで選手キャラクタの交代が行えるので、体感的な面白さも同時に実現できる。
【0011】
(2)前記交代キャラクタ確定領域は、前記画像表示部に表示されるゲーム画面の外枠部であることが好ましい。
【0012】
この構成によれば、プレーヤは交代させたい選手キャラクタに指で接触すれば、ある特定の場所を目指して移動させるのではなく、とにかく画面外(モニター部より外)にまで選手キャラクタを移動させればよいので、操作が非常に簡略化される。例えば、ゲーム装置がスマートフォンである場合、プレーヤの感覚としては、選手キャラクタに指で接触させれば、後はスマートフォンの外まで指を走らせれば良いことになり、極めて操作性が優れている。
【0013】
(3)前記キャラクタ交代表示手段は、前記交代キャラクタ認識手段によって交代の対象となるキャラクタが認識され且つ移動させられたときに、移動前の位置に、当該キャラクタの残像を表示させ、且つ、前記投入キャラクタ確定手段によって投入キャラクタが確定されたときに、前記残像を消去して、その位置に前記投入キャラクタを表示することが好ましい。
【0014】
この構成によれば、キャラクタの移動後の場所に、そのキャラクタの残像を残すので、プレーヤにとって、どの選手キャラクタを交代キャラクタとして選択しているかを明確に認識できるとともに、投入キャラクタが確定した場合には、その残像と入れ違いに新たなキャラクタが表示されるので、どの選手キャラクタが交代したのかを、交代操作を通じて明確に認識できる。
【0015】
(4)交代キャラクタ認識手段は、キャラクタが対戦の勝敗に関わる動作を行っている間は、前記キャラクタを交代キャラクタとして認識することを禁止する。
【0016】
この構成によれば、例えば、対戦において選手キャラクタやチームが負けそうになったり、不利な状況になったときに、その状況を回避するために、急遽、選手キャラクタを交代するといったアンフェアな行為を事前に防止できる。また、選手キャラクタを交代させようと指を接触しても、そのキャラクタの移動自体が不可能であるので、プレーヤに対して間接的に選手交代可能な時期を教えることができる。
【0017】
(5)前記対戦ゲームは、複数のキャラクタから構成される2チームが攻撃側と守備側を交互に交替して行うゲームであって、前記交代キャラクタ認識手段は、攻撃時には攻撃側のチームのキャラクタのみを認識可能に設定し、守備時には守備側のチームのキャラクタのみを認識可能に設定することが好ましい。
【0018】
この構成によれば、攻撃側(守備側)が不用意に、あるいは操作を誤って守備側(攻撃側)のキャラクタに接触してしまっても、そのキャラクタが交代キャラクタとして認識されることはなく移動することもないので、ゲームの進行を適切に管理することができる。
【0019】
(6)前記キャラクタの外周に非表示の接触認識領域を設けるとともに、前記指示手段の前記接触認識領域に対する接触に基づき、前記指示手段が前記キャラクタに接触したと認識する接触認識手段をさらに設けることが好ましい。
【0020】
この構成によれば、選手キャラクタを交代させるときに、選手キャラクタそのものに接触しなくても、キャラクタを囲む領域のどこかに接触すれば選手キャラクタ自体に接触したものとみなすので、選手キャラクタが指で隠れてしまう事態が避けられる。特に、走者等、画面上で比較的小さく表示されている選手キャラクタを交代させる場合、指で押さえたキャラクタを移動させるときに、指の下を選手キャラクタが追随しているのか否かがわかりにくくなる恐れがあるが、本構成によれば、そのような事態を回避できる。
【0021】
(7)前記接触認識領域は円形状であり、その直径は前記キャラクタの全長の約1.1倍〜1.5倍の大きさであることが好ましい。
【0022】
上記接触認識領域は大き過ぎると、他の選手キャラクタの接触認識領域と被ってしまう可能性があり、出願人のシミュレーションの結果、接触認識領域は円形状であり、その直径は前記キャラクタの全長の約1.1倍〜1.5倍の大きさであることが好ましいことが判明した。
【0023】
(8)本発明による他のゲーム装置は、接触入力式の画像表示部に指示手段を接触させることにより、仮想空間内での対戦ゲームを進行させるゲーム装置であって、前記対戦ゲームに登場する一のキャラクタに対して前記指示手段を接触させることにより、交代の対象となるキャラクタを認識する交代キャラクタ認識手段と、前記認識されたキャラクタに前記接触手段を接触させた状態から、前記キャラクタを画像表示部に表示されるゲーム画面の外枠部に向かって、所定以上の速度で移動させることで、前記キャラクタを交代キャラクタとして確定させる交代キャラクタ確定手段と、前記交代キャラクタ確定手段による交代キャラクタの確定に基づき、前記画像表示部に、前記交代キャラクタに代えて投入するキャラクタの候補リストを表示する候補キャラクタリスト表示手段と、前記候補リスト中の一の候補に対して前記指示手段を接触させることにより、前記交代キャラクタに代えて投入するキャラクタを確定する投入キャラクタ確定手段と、前記投入キャラクタ選択手段によって選択された前記投入キャラクタを、前記交代キャラクタに代えて前記画像表示部に表示するキャラクタ交代表示手段と、を備えたことを特徴とするものである。
【0024】
本構成は、基本的に構成(1)と類似しているが、交代キャラクタを確定させる操作が異なっている。すなわち、構成(1)では、プレーヤが対象のキャラクタに指を接触させ、その状態のまま所定の場所(交代キャラクタ確定領域)にまで移動させることで交代キャラクタの確定を行うが、本構成では、対象となるキャラクタを交代キャラクタ確定領域に移動させるのではなく、ゲーム画面の外枠部に向かって、所定以上の速度で移動させることで確定する。つまり、プレーヤが対象の選手キャラクタを弾き飛ばすようなイメージの操作を行った場合に、その選手キャラクタが交代キャラクタとして確定される。また、本構成においては、選手キャラクタの移動方向、移動場所、移動距離は関係なく、選手キャラクタへの接触後、所定以上の速度で移動させられたことが検出された時点で交代キャラクタとして確定される。本構成によれば、交代キャラクタの確定を構成(1)に比して、より簡単に、且つ直感的に行える。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、ゲームに登場しているキャラクタの交代操作を容易、且つ直感的に行える接触入力式のゲーム装置およびゲーム制御プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態による携帯ゲーム機を示す図である。
【図2】前記携帯ゲーム機のハードウェア構成を示す図である。
【図3】(a)及び(b)は本発明の一実施形態によるゲーム画面の流れを示す図である。
【図4】(a)及び(b)は図3に続くゲーム画面の流れを示す図である。
【図5】(a)及び(b)は図4に続くゲーム画面の流れを示す図である。
【図6】(a)及び(b)は図5に続くゲーム画面の流れを示す図である。
【図7】本発明の一実施形態によるゲームの主要な構成を示す機能ブロック図である。
【図8】本発明の一実施形態において想定される課題の解決方法の説明図である。
【図9】本発明の一実施形態によるゲームのフローチャートである。
【図10】図9に続くフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
〔ゲーム装置の構成〕
図1は、本発明に係るゲームプログラムを適用しうるコンピュータの一例としての携帯ゲーム機1の外観図である。また、図2は、携帯ゲーム機1の一例としての制御ブロック図である。
【0028】
携帯ゲーム機1は、図1に示すように、主に、本体2と、液晶モニタ部3と、基本操作部4と、マイク5と、スピーカ6とを備えている。モニタ部3は、本体2に設けられており、液晶モニタ3aを有している。ここでは、たとえば、液晶モニタ3aが、静電接触入力式のモニタすなわちタッチパネル式のモニタになっている。この液晶モニタ3aでは、タッチパネルの表面全体に電界が形成されている。そして、この状態のタッチパネルの表面に、指示手段たとえば指や導電性を有するペン等を、接触させると、液晶表面の表面電荷が変化する。そして、この表面電荷の変化が捕捉され、タッチパネル上の指やペン等の位置が検出される。ここでは、投影型のタッチパネルが用いられており、このタッチパネルでは多点同時検出が可能である。
【0029】
基本操作部4は、ホームボタン4a、ボリュームポタン4b、およびスリープボタン4cを有している。ホームボタン4aは、本体2のタッチパネルの下部に設けられている。このホームボタン4aが押されると、ホーム画面が表示されたり、携帯ゲーム機1がスリープ状態から復帰したりする。ボリュームポタン4bは、本体2の側面上部に設けられている。このボリュームポタン4bの上部が押されると、音量が増加し、このボリュームポタン4bの下部が押されると、音量が減少する。スリープボタン4cは、本体2の上面に設けられている。このスリープボタン4cが押されると、携帯ゲーム機1がスリープ状態に移行する。
【0030】
マイク5は、音出力用のマイク5aと、音入力用のマイク5bとを有している。音出力用のマイク5aは、本体2のタッチパネルの上部に設けられている。ゲームを実行する時や、電話通信する時や、音楽を聞く時等には、この音出力用のマイク5aから音が出力される。音入力用のマイク5bは、本体2に内蔵されており、本体2の下面に出力口が設けられている。電話通信する時や録音を行う時等には、この音入力用のマイク5bから音声が入力される。
【0031】
スピーカ6は、本体2に内蔵されており、本体2の下面に出力口が設けられている。ゲームを実行する時や、音楽を聞く時や、録音を聞く時等には、このスピーカ6から音が出力される。なお、ゲーム機1には、イヤホンジャック等も設けられているが、これらについては説明を省略する。
【0032】
また、携帯ゲーム機1は、図2に示すように、主に、制御部すなわち制御装置10と、通信部16と、記憶装置17とを、内部に有している。制御装置10は、マイクロプロセッサを利用したCPU(Central Processing Unit)11と、主記憶装置としてのROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、画像処理回路14と、サウンド処理回路15と、を有している。これらは、バス16を介してそれぞれが接続されている。
【0033】
CPU11は、ゲームプログラムからの命令を解釈し、各種のデータ処理や制御を行う。ROM12は、ゲーム機1の基本的な制御(たとえば起動制御)に必要なプログラム等を格納する。RAM13は、CPU11に対する作業領域を確保する。画像処理回路14は、CPU11からの描画指示に応じてモニタ部3を制御して、液晶モニタ3aに所定の画像を表示する。また、画像処理回路14にはタッチ入力検出回路14aが含まれている。タッチパネルに指示手段たとえば指等を接触させたときに、接触信号がタッチ入力検出回路14aからCPU11へと供給され、接触位置がCPU11に認識される。また、液晶パネルに表示された対象物の位置において、タッチパネルに指示手段を接触させると、対象物の選択信号がタッチ入力検出回路14aからCPU11へと供給され、対象物がCPUに認識される。
【0034】
サウンド処理回路15は、CPU11からの発音指示に応じたアナログ音声信号を生成して、音出力用のマイク5aおよび/又はスピーカ6に出力する。また、音入力用のマイク5bから音が入力されたときに、アナログ音声信号をデジタル音声信号に変換する。
【0035】
通信部16は、ゲーム実行時にデータ通信するための通信機能や、携帯電話として通信するための通信機能等を有している。データ通信用の通信機能には、ローカルワイヤレスネットーワーク機能や、ワイヤレスLANによるインターネット接続機能等が、含まれている。
【0036】
通信部16は、通信制御回路20と通信インターフェイス21とを有している。通信制御回路20および通信インターフェイス21は、バス16を介してCPU11に接続されている。通信制御回路20および通信インターフェイス21は、CPU11からの命令に応じて、ゲーム機1をローカルワイヤレスネットーワーク又はワイヤレスLANによるインターネットに接続するための接続信号を制御し発信する。また、電話による通話時には、通信制御回路20および通信インターフェイス21は、CPU11からの命令に応じて、ゲーム機1を電話回線に接続するための接続信号を制御し発信する。
【0037】
記憶装置17は、本体2に内蔵されており、バス16に接続される。たとえば、記憶装置17には、記憶媒体としてのハードディスクやフラッシュメモリドライブ等が用いられる。なお、バス16と各要素との間には必要に応じてインターフェイス回路が介在しているが、ここではそれらの図示は省略した。
【0038】
以上のような構成のゲーム機1では、記憶装置17に格納されたゲームプログラムがロードされ、ロードされたゲームプログラムがCPU11で実行されることにより、プレーヤは様々なジャンルのゲームをモニタ部3上で遊戯することができる。また、通信制御回路20を介して、ワイヤレスネットワークにゲーム機1を接続したり、他のゲーム機と通信ケーブル等を介して接続したりすることで、他のゲーム機との間でデータのやり取りや対戦型のゲームを行うことができる。
【0039】
本ゲームシステムにおいて実行されるゲームは、たとえば野球ゲームである。野球ゲームを実行するためのゲームプログラムは図示しない記憶装置に格納されており、野球ゲームが実行されるときには、このゲームプログラムがRAM13にロードされ実行される。このようにして実行される野球ゲームでは、タッチパネル式の液晶モニタ3a(以下、モニタ3aと呼ぶ)に、指示手段たとえば指を接触させることにより、各種の命令が指示される。
【0040】
〔本発明を適用した野球ゲームのキャラクタ交代操作の説明〕
図3(a)及び(b)は、例えばスマートフォンのモニタに表示されるゲーム画面の例であり、本発明を野球ゲームにおける選手キャラクタの交代の操作に適用した場合の一実施形態による表示状態を説明するための図、図4乃至図6の各(a)及び(b)はそれぞれ、図3に続く表示状態を説明するための図、図7は本発明で主要な役割を果たす機能を説明するための機能ブロック図であり、図2における制御装置10の一部に対応する。以下、図3乃至図7を参照して説明する。ここでは、プレーヤが守備側であり、試合中の投手を交代する場合をとりあげて説明する。
【0041】
図3(a)は投手キャラクタ100が打者キャラクタ101に対して、投球モーションを開始する前の状態を示している。102および103は、それぞれ投手キャラクタおよび打者キャラクタの名前を表示する欄である。ここでは、投手の名前はC1、打者の名前はC2としている。103の左端の数字は打者キャラクタC2の背番号を示している。また、同図には、走者がいる場合に表示される走者ウインドウ104が表示されている。この場合は、一塁に走者105がいることを示している。この図では表示されていないが、2塁走者、3塁走者がいる場合には、それぞれ、さらに別の走者ウインドウが画面上部の中央、左端に個々に表示される。また、スコアボード106が表示され、試合の得点状況、カウント等が示されている。
【0042】
この状態において、プレーヤが試合状況等から判断して、この投手キャラクタ100を交代させたいと思った場合、まず、図3(b)に示すように、同じ画面上において、投手キャラクタ100に対して指107で直接、所定時間以上(例えば2秒以上)、接触する。すると、指が接触されたことをプレーヤに報知するために、投手キャラクタ100の全体の色が一色(例えば青色)で均一化して表示される。プレーヤへの報知が可能な表現であれば、これに限らず、例えば投手キャラクタの周囲を光らせるといったエフェクトを施すようにしてもよい。但し、プレーヤが指107で接触する時点で、例えば投手が投球モーションに入っていたり、打者が打撃中、走者が走塁中といった対戦状況である場合には、交代は禁止され、上記報知は行われない。なお、当然ながら、プレーヤは守備側であるので攻撃側の打者等に接触しても交代の操作はできない。
【0043】
ところで、投手キャラクタ100への指の接触の際、接触の検知領域に遊びを設けるのが望ましい。理由は、本実施形態が対象としているのはスマートフォン等の接触式のゲームであるので、キャラクタを指定するときに直接、キャラクタの上を押さえると、そのキャラクタが見えない、あるいは見えづらくなってしまうためである。特に、後記するように、指で接触したキャラクタをそのまま移動させる操作を行うような場合には、そのキャラクタが確実に移動しているのかどうかがわかりづらく、操作に不安感が伴ってしまうことになる。そこで、図8に示すように、接触の対象のキャラクタの接触検知領域を当該キャラクタより大きめに設定することが望ましい。具体的には、図8に示すように、キャラクタ300の外周に接する円301を設定し、さらにこの円301より若干、大きな同心円302(接触検知領域)を設定し、この円302内に指が接触すれば、仮にキャラクタ自体に指が接触していなくても、そのキャラクタが接触されたと判断する。なお、説明上、図8では円を描いているが、実際には図示されない。同心円302の大きさは、キャラクタの全長をTとした場合、直径が1.1T〜1.5T程度であるのが望ましい。これ以上、大きくすると、他のキャラクタの接触検知領域と重畳する可能性があるためである。
【0044】
この構成によれば、選手キャラクタを交代させるときに、選手キャラクタ自体に接触しなくても、キャラクタを囲む領域のどこかに接触すれば選手キャラクタに接触したものとみなすので、選手キャラクタが指で隠れてしまう事態が避けられる。特に、走者等、画面上で比較的小さく表示されている選手キャラクタを交代させる場合、指で押さえたキャラクタを移動させるときに、指の下を選手キャラクタが追随しているのか否かがわかりにくくなる恐れがあるが、本構成によれば、そのような事態を回避できる。
【0045】
そして、上記報知が行われると(投手キャラクタ100への所定時間以上の接触が認識されると)、ゲームの試合進行が一旦停止される。なお、この段階では、投手キャラクタ100は交代の対象選手として選択された段階であり、まだ確定はされておらず、交代も実行されない。次に、図4(a)に示すように、投手キャラクタ100にプレーヤが指107を接触させた状態のままで動かすと、投手キャラクタ100は指107と同時に移動する。投手キャラクタ100の移動前の位置には、投手キャラクタ100の残像108が表示される。ここでは、残像108は投手キャラクタ100の外枠のみを残した形で表示しているが、移動させつつある投手キャラクタ100との相違が明確であればよく、色彩を淡くした状態で表示してもよい。そして、指107をモニタ3aに接触した状態のままで、投手キャラクタ100をモニタ3aの端部3aL(交代キャラクタ確定領域)まで移動させると、この時点で投手キャラクタ100が交代の対象であることが確定される。ここで、端部3aLは図面のように右端には限定されず、モニタ3aの四方のいずれの端部でもよい。なお、投手キャラクタ100が端部3aLに移動したことが明確になるように、投手キャラクタ100の横方向の幅1/2以上が画面から消えた時点で、端部3aLに到達したものと判断する。この後、図面では示していないが、投手キャラクタ100は画面から消去され、図4(b)の表示が行われる。なお、もし、投手キャラクタ100がモニタ3aの端部3aLに到達する前にプレーヤの指107が離された場合は、交代のための操作は無かったものとし、残像108が消去されると同時に、投手キャラクタ100は移動前の位置に戻る。
【0046】
上記方法によれば、プレーヤは交代させたい選手キャラクタに指で接触すれば、ある特定の場所を目指して移動させるのではなく、とにかく画面外(モニター部より外)にまで選手キャラクタを移動させればよいので、操作が非常に簡略化される。例えば、ゲーム装置がスマートフォンである場合、プレーヤの感覚としては、選手キャラクタに指で接触させれば、後はスマートフォンの外まで指を走らせれば良いことになり、極めて操作性が優れている。なお、操作性は若干劣るものの、交代キャラクタ確定領域は、ゲーム画面内のスコアボード上でも良いし、画面上の所定の箇所に枠を設け、そこに設定しても良い。要するに、交代させたい選手キャラクタの現在のゲーム画面上の位置から明らかに離れた箇所であれば、いずれの場所でも良い。ただ、その場合は、どこまで移動させれば交代対象となるかがプレーヤにとって明確となるよう、ラインで囲んだり、着色によって他の箇所から容易に識別可能とされるようにするのが望ましい。
【0047】
このように、交代させたい選手キャラクタを別の場所に移動させることで、その選手キャラクタを交代対象として確定できるので、プレーヤはあたかも不要な物を捨てるような体感的な感覚を持って操作を行える。なお、選手キャラクタが交代対象として確定された事実がプレーヤにとってわかり易いように、選手キャラクタが交代キャラクタ確定領域に到達した時点でキャラクタの色、大きさ、形態を変えたり、キャラクタやその周囲を光らせる等のエフェクトを加えるようにしてもよい。
【0048】
また、移動させる前の選手キャラクタの場所に残像108を表示させるので、プレーヤにとって、どの選手キャラクタを交代キャラクタとして選択しているかを明確に認識できるとともに、後記するように交代キャラクタに代わる新たな投入キャラクタが確定した場合には、その残像108と入れ違いに新たなキャラクタが表示されるので、選手の入れ替わりを視覚的に容易に認識できる。
【0049】
以上の流れを図7の機能ブロック図を参照して説明すると、まず、本実施形態の構成においては、ゲームの試合状況が試合状況監視手段200によって監視されている。試合状況監視手段200は、プレーヤが攻撃側であるか、守備側であるかを認識する攻守認識手段201と、現在の試合の状況が対戦中であるか、非対戦中であるかを認識する対戦・非対戦認識手段202とを含む。ここで、対戦中とは、敵か味方かを問わず、試合に登場している選手キャラクタが試合の勝敗に関わる動作を行っていることを示すものである。野球ゲームの場合であれば、例えば、投手キャラクタが投球動作に入っている、打者が打撃動作を行っている、走者が走塁状態にある、野手が捕球動作を行っている等である。後述するが、これらの攻守認識手段201と対戦・非対戦認識手段202の認識状況によって、選手キャラクタの交代の可否が判断される。
【0050】
即ち、攻守認識手段201による試合状況の認識によって、攻撃側(守備側)のプレーヤが不用意に、あるいは操作を誤って敵側である守備側(攻撃側)の選手キャラクタに接触してしまった場合でも、その選手キャラクタが交代キャラクタとして認識されることはなく移動することもないので、ゲームの進行を適切に管理することができる。また、対戦・非対戦認識手段202による試合状況の認識によって、対戦中には選手キャラクタの交代に関わる操作は行えない。これによって、例えば、対戦においてチームが負けそうになったり、不利な状況になったときに、その状況を回避するために、急遽、選手キャラクタを交代するといったアンフェアな行為を事前に防止できる。また、選手キャラクタを交代させようと指を接触しても、その選手キャラクタの移動自体が不可能であるので、プレーヤに対して間接的に選手交代可能な時期を教えることができる。
【0051】
また、全ての選手キャラクタの位置がキャラクタ位置認識手段203によって認識されている。キャラクタ位置認識手段203は接触認識手段204を含んでいる。接触認識手段204は、図8を参照して前述した通り、キャラクタへの接触に遊びを設けたもので、キャラクタ自体に接触しなくても、その周囲近傍であればキャラクタに接触したものとみなす処理を行うものである。上記の機能を備えた状態において、プレーヤがモニタ3aに指で接触すると、まず、タッチ入力検出回路14aで認識された指107の接触位置の座標がキャラクタの位置座標と合致しているものがあるか否か、また、合致しているとすれば、どのキャラクタであるかが認識される。この判断、認識は、交代キャラクタ認識手段205がキャラクタ位置認識手段203のデータを参照して行う。
【0052】
上記例の場合、プレーヤの指107が投手キャラクタ100に接触したことが交代キャラクタ認識手段205によって認識されると、この認識情報に基づき、キャラクタ交代表示手段206が、投手キャラクタ100の全体の色を一色で均一化して表示する。なお、プレーヤによる誤操作や、キャラクタへの意図しない接触が発生することを想定し、交代キャラクタ認識手段205は、所定時間以上(例えば2秒以上)の継続的な接触があった場合にのみ、当該キャラクタが交代の対象であると認識する。そして、この認識が行われると、試合進行停止手段207に、現在の試合進行を一旦停止するよう指示する。次に、プレーヤの指の移動に伴って投手キャラクタ100も移動するが、この移動に伴う投手キャラクタの位置は、タッチ入力検出回路14aによる情報に基づき、交代キャラクタ位置認識手段208によって認識されている。
【0053】
プレーヤの指107がモニタ3aに画面に接触した状態のままで、投手キャラクタ100がモニタ3aの端部3aLにまで移動されると、この時点で、交代キャラクタ確定手段209によって投手キャラクタ100の交代が確定される。一方、投手キャラクタ100が端部3aLにまで移動される途中でプレーヤの指107が離された場合は、まず、タッチ入力検出回路14aによって、その事実が検出される。そして、交代キャラクタ位置認識手段208によって、投手キャラクタ100が交代キャラクタ確定領域であるモニタ3aの端部3aLに到達していないことが検出されるので、交代キャラクタ確定手段209において、この一連の交代の操作を無効であると判断する。そして、キャラクタ交代表示手段206は、残像108を消去すると同時に、投手キャラクタ100を元の位置に戻す。
【0054】
ところで、上記で説明した構成では、プレーヤが対象の投手キャラクタ100に指を接触させ、その状態のまま所定の場所、即ちモニタ3aの端部3aLにまで移動させることで交代キャラクタであることが確定されるものであるが、別のバリエーションとして、以下の構成をとっても良い。即ち、投手キャラクタ100を所定以上の速度で移動させることで確定するものである。つまり、プレーヤが対象の選手キャラクタに接触した後に、方向は問わず弾き飛ばすようなイメージの操作を行った場合に、その選手キャラクタが交代キャラクタとして確定される。この構成においては、選手キャラクタの移動場所や移動方向、移動距離は関係なく、選手キャラクタへの接触後、所定以上の速度で移動させられたことが検出された時点で交代キャラクタとして確定される。この構成によれば、交代キャラクタの確定をより簡単に、且つ直感的に行える。所定以上の速度の設定は、例えば50(cm/s)以上とすることができる。
【0055】
図4(a)に戻り、投手キャラクタ100がプレーヤの指107によってモニタ3aの端部3aLにまで移動されると、図4(b)に示すように、投手キャラクタ100は消去され、且つ投手交代用の控え選手リスト(候補キャラクタリスト)109が表示される。110は選択した選手を確定するための決定ボタン、111は選手交代の操作を途中で終了するための終了ボタンである。控え選手リスト109には、P1〜P6の6人の控え投手の名前と、その右側に各々の選手の投球の最高速度が表示されている。次に、図5(a)に示すように、プレーヤが指107で例えばP3の選手名に接触すると、図5(b)に示すように、モニタ3aの右下部にその選手P3の投球能力に関する詳細情報を示す能力表示欄112が表示される。能力表示欄112には例えば、その投手が有している球種や、コントロール能力、スタミナ、防御率等が表示されている。プレーヤは、この詳細情報を確認した上で、別の候補を見たければ、控え選手リスト109の他の選手名に接触することで、能力表示欄112に新たに表示される他の選手の詳細情報を確認できる。選択したい控え選手が決まれば、図6(a)に示すように、プレーヤが指107で決定ボタン110に接触することで投入する投手が確定し、図6(b)に示すように、モニタ3a上において、残像108に代わり、新たな投手キャラクタ113が表示される。同図において、投手キャラクタは、交代前の右投げ投手から左投げ投手に変わっている。また、同図の名前欄102の名前が交代前のC1からC3に変わっている。なお、投手が交代したことがプレーヤにとって明確になるように、所定時間、投手の名前が光ったり、点滅するようなエフェクトを表示させるのが望ましい。
【0056】
以上の流れを図7の機能ブロック図を参照して説明すると、投手キャラクタ100がモニタ3aの端部3aLにまで移動させられると、交代キャラクタ確定手段209によって、この投手キャラクタ100が交代の対象として確定され、続いて、候補キャラクタリスト表示手段210が、交代の対象の選手キャラクタのデータを候補キャラクタ記憶手段211から呼び出して、図4(b)に示すように、控え選手リスト(候補キャラクタリスト)109をモニタ3aに表示する。その後、プレーヤがこの控え選手リスト109の中からある選手キャラクタの名前に接触すると、候補キャラクタリスト表示手段210はさらに候補キャラクタ記憶手段211から該当する選手キャラクタのデータを呼び出してモニタ3aに表示する。その後、プレーヤが決定ボタン110に接触すると、投入キャラクタ確定手段212はその選手キャラクタを交代後の選手キャラクタに確定する。交代後の選手キャラクタが確定すると、キャラクタ交代表示手段は、モニタ3aに表示されている残像108を消去して、新たな選手キャラクタを表示し、また、名前欄102の名前を交代前のC1から新たな選手キャラクタの名前であるC3に変えて表示する。
【0057】
以上のように、本実施形態においては、プレーヤは選手キャラクタの交代に際して、ゲーム画面を遷移させることなく、同じ画面上で選手交代を完了できるので、操作性に優れている上、ゲームの流れが阻害されることもない。さらに、交代させたい選手キャラクタに指で直接、接触するので直感的な指定ができる上、その選手をあたかも捨てるかのように指で所定位置(例えば画面外)まで移動させることで選手キャラクタの交代を簡単に行えるので、体感的な面白さも同時に実現できる。
【0058】
なお、上記実施形態では、投手キャラクタ100を交代させる場合を例にとりあげて説明したが、他のキャラクタでも同様に交代の操作を行うことができる。例えば、プレーヤが攻撃側の場合、打者キャラクタに対して代打を出したり、塁に走者がいる場合、代走を出すことができる。代走の場合は、例えば、図3に示した走者ウインドウ104の中の走者105に指で接触して、モニタ3aの端部にまで移動させれば、同様に代走候補のリストを表示させることができる。
【0059】
図9及び図10は、本発明の一実施形態によるゲーム装置における野球ゲームの選手キャラクタの交代処理を示したフローチャートである。以下、交代処理のステップについて説明するが、適宜、図3乃至図6のゲーム画面、図7の機能ブロック図を参照する。なお、ステップS1からステップS14までは図9を参照して説明し、ステップS15以降は図10を参照して説明する。
まず、試合状況監視手段200は、野球ゲームの現在の試合の状況、すなわち、プレーヤが攻撃側であるか、守備側であるか、また、対戦中であるか否かといった状況を認識する(ステップS1)。また、キャラクタ位置認識手段203は試合に登場している全ての選手キャラクタの位置を認識する(ステップS2)。次に、タッチ入力検出回路14aによってプレーヤの指がモニタ3a上の選手キャラクタに接触したか否かが判断される(ステップS3)。指の接触がなければ(ステップS3でYES)ステップS1に戻り、指の接触があれば次の判断に進む。即ち、試合状況監視手段200を構成する攻守認識手段201の情報に基づき、指が接触した選手キャラクタがプレーヤ側の選手であるか否かが判断される(ステップS4)。プレーヤ側の選手キャラクタでなければ(ステップS4でNO)ステップS1に戻り、プレーヤ側の選手キャラクタであれば、次の判断に移る。
【0060】
即ち、試合状況監視手段200を構成する対戦・非対戦認識手段202の情報に基づき、対戦中(投球モーション中か、打撃中か、走塁中等)か否かの判断が行われる(ステップS5)。対戦中であれば(ステップS5でYES)ステップS1に戻り、対戦中でなければ、さらに次の判断に移る。即ち、交代キャラクタ認識手段205内の機能によってプレーヤの指の接触が所定時間(例えば2秒)以上、継続しているか否かが判断される(ステップS6)。所定時間以上、継続してなければ(ステップS6でNO)ステップS1に戻り、継続していれば、交代キャラクタ認識手段205によって、プレーヤが接触した選手キャラクタが交代キャラクタ(交代させるキャラクタ)であると認識される(ステップS7)。つまり、プレーヤが指で接触した選手キャラクタ100は、下記の3つの条件を満足した場合に、交代キャラクタであると認識される。
1.指で接触した選手キャラクタが、プレーヤ側の選手キャラクタであること
2.指で接触したタイミングが対戦中でないこと
3.指の継続的な接触時間が所定時間以上であること
【0061】
プレーヤが接触した選手キャラクタ100が交代キャラクタであると認識されると(以下、交代キャラクタ1と記す)、そのことをプレーヤに報知するために、キャラクタ交代表示手段206によって交代キャラクタ100の色変更等の表示変更が行われ(ステップS8)、試合進行停止手段207によって、一旦試合が停止される(ステップS9)。その後、交代キャラクタ位置認識手段208によって、プレーヤの指の移動に伴う交代キャラクタ100の移動が開始されたか否かの判断が行われる(ステップS10)。移動が行われると(ステップS10でYES)、交代キャラクタ100の元の位置に残像108を表示し(ステップS11)、移動が行われない場合は(ステップS10でNO)、プレーヤの指がモニタ3aから離れたか否かの判断を行う(ステップS12)。移動前にプレーヤの指が離れた場合は(ステップS12でYES)、交代キャラクタ100の色変更等の表示を元に戻し(ステップS13)、ステップ1に戻る。指が離れていない場合は(ステップS12でNO)、移動が開始されるまで待機する(ステップS10へ戻る)。交代キャラクタ100の移動(プレーヤの指の移動)が開始された後に、指が離れた場合には(ステップS14でYES)、ステップS13に移る。
【0062】
以下、ステップS15からは図10を参照して説明する。指がモニタ3aから離れずに移動している場合には(ステップS14でNO)、交代キャラクタ100が交代キャラクタ確定領域であるモニタ3aの端部の3aLにまで到達したか否かの判断が行われる(ステップS15)。端部の3aLにまで到達していない場合は(ステップS15でNO)、ステップS14に戻り、到達した場合は(ステップS15でYES)、交代キャラクタ100は消去され(ステップS16)、さらに、モニタ3a上に控え選手リスト(候補キャラクタリスト)109が表示される(ステップS17)。ここで、プレーヤの指が終了ボタン111に接触した場合には(ステップS18でYES)、ステップS1に移り、押されていない場合には(ステップS18でNO)、プレーヤの指が、控え選手リスト109のいずれかのキャラクタ名に接触したか否かが判断される(ステップS19)。接触がなければ(ステップS19でNO)、ステップS17に戻り、接触があれば(ステップS19でYES)、モニタ3a上に接触したキャラクタに関する詳細情報(能力等)が能力表示欄112に表示される(ステップS20)。
【0063】
ここで、プレーヤの指が終了ボタン111に接触した場合には(ステップS21でYES)、ステップS1に移り、接触していない場合には(ステップS21でNO)、プレーヤの指が、決定ボタン110に接触したか否かが判断される(ステップS22)。決定ボタン110に接触していない場合は(ステップS22でNO)、ステップS20に移り、決定ボタン110に接触した場合は(ステップS22でYES)、表示されている残像108を消去し(ステップS23)、その場所に新たな投入キャラクタ113が表示される(ステップS24)。
【0064】
なお、本実施形態においては、野球ゲームを例にとり説明したが、対戦ゲームであって選手交代が行われるゲームであれば、他にも適用可能である。例えば、サッカー、バレーボール、バスケットボール等のゲームに適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、接触入力式の画像表示部に指示手段を接触させることにより命令が指示されるゲームにおいて、利用可能である。
【符号の説明】
【0066】
100 投手キャラクタ(交代キャラクタ)
107 指(指示手段)
108 残像
109 控え選手リスト(候補キャラクタリスト)
110 決定ボタン
111 終了ボタン
113 投手キャラクタ(投入キャラクタ)
302 接触認識領域
3a モニタ(画像表示部)
3aL モニタ端部(交代キャラクタ確定領域)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
接触入力式の画像表示部に指示手段を接触させることにより、仮想空間内での対戦ゲームを進行させるゲーム装置であって、
前記対戦ゲームに登場する一のキャラクタに対して前記指示手段を接触させることにより、交代の対象となるキャラクタを認識する交代キャラクタ認識手段と、
前記認識されたキャラクタに前記接触手段を接触させた状態のまま、交代キャラクタ確定領域にまで移動させることで、前記キャラクタを交代キャラクタとして確定させる交代キャラクタ確定手段と、
前記交代キャラクタ確定手段による交代キャラクタの確定に基づき、前記画像表示部に、前記交代キャラクタに代えて投入するキャラクタの候補リストを表示する候補キャラクタリスト表示手段と、
前記候補リスト中の一の候補に対して前記指示手段を接触させることにより、前記交代キャラクタに代えて投入するキャラクタを確定する投入キャラクタ確定手段と、
前記投入キャラクタ選択手段によって選択された前記投入キャラクタを、前記交代キャラクタに代えて前記画像表示部に表示するキャラクタ交代表示手段と、
を備えたことを特徴とするゲーム装置。

【請求項2】
前記交代キャラクタ確定領域は、前記画像表示部に表示されるゲーム画面の外枠部であることを特徴とする請求項1に記載のゲーム装置。

【請求項3】
前記キャラクタ交代表示手段は、前記交代キャラクタ認識手段によって交代の対象となるキャラクタが認識され且つ移動させられたときに、移動前の位置に、当該キャラクタの残像を表示させ、且つ、前記投入キャラクタ確定手段によって投入キャラクタが確定されたときに、前記残像を消去して、その位置に前記投入キャラクタを表示することを特徴とする請求項1または2に記載のゲーム装置。

【請求項4】
前記交代キャラクタ認識手段は、キャラクタが対戦の勝敗に関わる動作を行っている間は、前記キャラクタを交代キャラクタとして認識することを禁止することを特徴とする請求項1乃至3に記載のゲーム装置。

【請求項5】
前記対戦ゲームは、複数のキャラクタから構成される2チームが攻撃側と守備側を交互に交替して行うゲームであって、前記交代キャラクタ認識手段は、攻撃時には攻撃側のチームのキャラクタのみを認識可能に設定し、守備時には守備側のチームのキャラクタのみを認識可能に設定することを特徴とする請求項1乃至4に記載のゲーム装置。

【請求項6】
前記キャラクタの外周に非表示の接触認識領域を設けるとともに、前記指示手段の前記接触認識領域に対する接触に基づき、前記指示手段が前記キャラクタに接触したと認識する接触認識手段をさらに設けたことを特徴とする請求項1乃至5に記載のゲーム装置。

【請求項7】
前記接触認識領域は円形状であり、その直径は前記キャラクタの全長の約1.1倍〜1.5倍の大きさであることを特徴とする請求項6に記載のゲーム装置。

【請求項8】
接触入力式の画像表示部に指示手段を接触させることにより、仮想空間内での対戦ゲームを進行させるゲーム装置であって、
前記対戦ゲームに登場する一のキャラクタに対して前記指示手段を接触させることにより、交代の対象となるキャラクタを認識する交代キャラクタ認識手段と、
前記認識されたキャラクタに前記接触手段を接触させた状態から、前記キャラクタを画像表示部に表示されるゲーム画面の外枠部に向かって、所定以上の速度で移動させることで、前記キャラクタを交代キャラクタとして確定させる交代キャラクタ確定手段と、
前記交代キャラクタ確定手段による交代キャラクタの確定に基づき、前記画像表示部に、前記交代キャラクタに代えて投入するキャラクタの候補リストを表示する候補キャラクタリスト表示手段と、
前記候補リスト中の一の候補に対して前記指示手段を接触させることにより、前記交代キャラクタに代えて投入するキャラクタを確定する投入キャラクタ確定手段と、
前記投入キャラクタ選択手段によって選択された前記投入キャラクタを、前記交代キャラクタに代えて前記画像表示部に表示するキャラクタ交代表示手段と、
を備えたことを特徴とするゲーム装置。
【請求項9】
接触入力式の画像表示部に指示手段を接触させることにより、仮想空間内での対戦ゲームをコンピュータに実行させるゲーム制御プログラムであって、
前記対戦ゲームに登場する一のキャラクタに対して前記指示手段を接触させることにより、交代の対象となるキャラクタを認識する交代キャラクタ認識手段と、
前記認識されたキャラクタに前記接触手段を接触させた状態から、前記キャラクタを画像表示部に表示されるゲーム画面の外枠部に向かって、所定以上の速度で移動させることで、前記キャラクタを交代キャラクタとして確定させる交代キャラクタ確定手段と、
前記交代キャラクタ確定手段による交代キャラクタの確定に基づき、前記画像表示部に、前記交代キャラクタに代えて投入するキャラクタの候補リストを表示する候補キャラクタリスト表示手段と、
前記候補リスト中の一の候補に対して前記指示手段を接触させることにより、前記交代キャラクタに代えて投入するキャラクタを確定する投入キャラクタ確定手段と、
前記投入キャラクタ選択手段によって選択された前記投入キャラクタを、前記交代キャラクタに代えて前記画像表示部に表示するキャラクタ交代表示手段としてコンピュータを機能させるゲーム制御プログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−120782(P2012−120782A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−275824(P2010−275824)
【出願日】平成22年12月10日(2010.12.10)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】