説明

ゲーム装置及び制御装置

【課題】 現実イベントが行われるときにもプレーヤの興味や関心を惹き付けることができ、稼働率を確保することが可能であり、さらに、遊技場側の収益を安定させることができるゲーム装置を提供すること。
【解決手段】 実際に行われる現実イベントの映像又は仮想で行われる仮想イベントの映像を表示し、イベントの結果がプレーヤによる結果予想と合致した場合に、上記結果予想に対する遊技媒体のベット数と上記イベントの結果に定められたオッズとに基づいて遊技媒体の払出数を決定し、プレーヤにその数の遊技媒体を付与するゲーム装置であって、
通算還元率が設定還元率を基準とした所定範囲内に含まれなくなった場合には、通算還元率が設定還元率に近づくように、仮想イベントのオッズを示す仮想オッズデータを生成する仮想オッズ生成手段を備えたことを特徴とするゲーム装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、競馬レース、カーレース、バイクレース、自転車レース、陸上競技レース等のレースイベントや、サッカーゲーム、野球ゲーム、バスケットボールゲーム等のスポーツイベント、政治的イベント、芸能関係のイベント等、各種のイベントをプレーヤによる結果予想の対象とし、イベントの結果及びプレーヤによる結果予想に応じてプレーヤにメダル等の利益を付与するゲームを行うゲーム装置と、該ゲーム装置を制御する制御装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のゲーム装置としては、例えば、大型スクリーンと、タッチパネル付き小型ディスプレイを有する複数台の端末装置(所謂サテライト)とを備え、大型スクリーンには、競馬レースの映像が表示される一方、小型ディスプレイには、競馬レースのオッズや出走表等の各種の情報が表示される競馬ゲーム装置が存在する(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の競馬ゲーム装置においては、プレーヤは、まず、端末装置が有する小型ディスプレイに表示される各種の情報を見ながら、競馬レースの結果を予想し、メダルのベットやタッチパネルによる指示入力等を行って投票する。その後、競馬レースが開始されると、プレーヤは、大型スクリーンでダイナミックな競馬レースを楽しむことができる。そして、競馬レースの結果とプレーヤによる結果予想とが合致した場合には、メダルのベット数とオッズとに応じた枚数のメダルが払い出される。特許文献1に記載の競馬ゲーム装置によれば、プレーヤは、あたかも競馬場で競馬レースを楽しんでいるかのような感覚を得ることができる。
【0003】
近年、このような競馬ゲーム装置においては、例えば、端末装置側の椅子にリクライニング機能が付加されたり、バイブロエフェクト(体感音響装置)が搭載されたり、小型ディスプレイの位置が任意に変更可能となったりするというように、高級化が進んでいる(例えば、非特許文献1参照)。非特許文献1に記載の競馬ゲーム装置によれば、リラックスすることができる環境で臨場感のある競馬レースを楽しむことができる。
【0004】
【特許文献1】特開2004−41714号公報
【非特許文献1】“STARHORSE”、[online]、2003年、株式会社セガ、[平成17年6月23日検索]、インターネット<URL:http://www.segastarhorse.com>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1及び非特許文献1に記載の競馬ゲーム装置では、結果予想の対象となる競馬レースが仮想で行われるレース(以下、仮想レースともいう)であるため、実際に行われるレース(以下、現実レースともいう)と比べると、プレーヤの興味や関心を惹き付けることが困難であるという問題がある。その一方で、ゲーム装置において、単に現実レースを結果予想の対象とした場合、現実レースでは、通常、レース間隔が数十分程度確保されているため、プレーヤが退屈するという問題や、ゲーム装置の稼働率が低下してしまうという問題も生じることになる。
【0006】
このような問題を解決するために、本発明者らは、現実レースが開催されているときには、そのレースの映像を外部から受信し、その映像を用いて、現実レースを結果予想の対象としたゲームを行い、その一方で、現実レースが開催されていないときには、仮想レースの映像を生成し、その映像を用いて、仮想レースを結果予想の対象としたゲームを行うゲーム装置を創出した。
【0007】
しかしながら、このようなゲーム装置においては、メダルの投入数に対する払出数を規定するオッズまで、現実レースのものを用いると、遊技場側で設定したメダルの還元率(メダルの投入数に対する払出数の割合)が現実レースのオッズによって影響を受けてしまい、遊技場側で設定したオッズを維持することができないという問題がある。
【0008】
すなわち、仮想レースのレース結果やオッズ等は仮想のものであってゲーム装置側で調整し得るものであるため、例えば、或るレース結果に対して多数のメダルが投入された場合には、そのオッズを低下させるというように、ゲーム装置におけるメダルの投入数に基づいてオッズを決定することが可能であり、遊技場側で設定した還元率を維持することが可能である。しかしながら、現実レースのレース結果やオッズ等は現実のものであってゲーム装置側で調整し得るものではないため、例えば、或るレース結果に対して多数のメダルが投入された場合であっても、そのオッズを低下させることができない。従って、遊技場側で設定した還元率を遥かに上回るようなメダルの払い出しを行わなければならない事態が生じることもあり、設定した還元率を維持することができないという問題があるのである。メダルの還元率は、遊技場の収益に直接的に影響を及ぼすものであるから、設定した還元率を維持することができなくなると、遊技場に著しい不利益が生じるおそれがある。
【0009】
その一方で、現実レースのオッズとして、現実のものを用いずに、ゲーム装置側で決定されたものを用いると、例えば、実際に開催されている現実レースのオッズでは、万馬券であるのに、ゲーム装置における現実レースのオッズでは、万馬券ではないという事態が生じることがあり、プレーヤの興味や関心が損なわれるおそれがある。すなわち、現実レースを結果予想の対象としたゲームを行っていても、実際に開催されている現実レースのオッズを用いなければ、プレーヤは、それを現実のものと認識することが困難であり、結局、興味や関心を惹き付けることができないのである。
【0010】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、現実イベントが行われるときにもプレーヤの興味や関心を惹き付けることができ、稼働率を確保することが可能であり、さらに、遊技場側の収益を安定させることができるゲーム装置と、該ゲーム装置を制御する制御装置とを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以上のような目的を達成するために、本発明は、以下のようなものを提供する。
(1) プレーヤによる結果予想の対象となるイベントの映像として、実際に行われる現実イベントの映像又は仮想で行われる仮想イベントの映像を表示し、上記イベントの結果がプレーヤによる結果予想と合致した場合に、上記結果予想に対する遊技媒体のベット数と上記イベントの結果に定められたオッズとに基づいて遊技媒体の払出数を決定し、プレーヤにその数の遊技媒体を付与するゲーム装置であって、
上記現実イベントのオッズを示す現実オッズデータを、外部から通信回線を介して受信する現実オッズ受信手段と、
上記仮想イベント1回あたりの遊技媒体の還元率が、該還元率の目標値として設定された設定還元率を基準とした所定範囲内に含まれるように、上記仮想イベントのオッズを示す仮想オッズデータを生成する仮想オッズ生成手段と
を備え、
上記仮想オッズ生成手段は、遊技媒体の累積ベット数に対する累積払出数の割合である通算還元率が、上記設定還元率を基準とした所定範囲内に含まれなくなった場合には、通算還元率が上記設定還元率に近づくように、仮想オッズデータを生成することを特徴とするゲーム装置。
【0012】
(1)の発明によれば、実際にイベントが行われているとき又は行われたときには、その現実イベントの映像が結果予想の対象として表示され、現実イベントが行われていないとき又は現実イベントの映像の表示が終了したときには、仮想で行われる仮想イベントの映像が結果予想の対象として表示される。また、現実イベントのオッズを示す現実オッズデータを、外部から通信回線を介して受信するため、現実レースのオッズとして、現実のものを用いることができる。従って、現実イベントと仮想イベントとを結果予想の対象として表示することが可能であり、現実イベントが行われるときにもプレーヤの興味や関心を惹き付けることができ、稼働率を確保することができる。
【0013】
また、仮想イベントのオッズは、該仮想イベント1回あたりの遊技媒体の還元率が、該還元率の目標値として設定された設定還元率を基準とした所定範囲内に含まれるように設定されるのであるが、通算還元率が、設定還元率を基準とした所定範囲内に含まれなくなった場合には、通算還元率が上記設定還元率に近づくように、仮想オッズデータが生成される。例えば、設定還元率が95%であり、設定還元率を基準とした所定範囲が90〜97%である場合に、通算還元率が120%となると、通算還元率が設定還元率に近づくように、仮想イベント1回あたりの還元率が80%に設定されるのである。
従って、現実イベントを行った結果、通算還元率が設定還元率から大きく離れてしまった場合であっても、通算還元率を、設定還元率を基準とした所定範囲内に収束させることができ、現実イベントのオッズを用いることによって通算還元率に変動が生じることを防止することができる。その結果、遊技店側の収益を安定させることができる。
【0014】
本発明において、「現実イベント」とは、現実世界において実際に行われるイベントをいう。上記現実イベントとしては、特に限定されるものではなく、例えば、競馬レース、競輪レース、競艇レース、カーレース、バイクレース、自転車レース、陸上競技レース等のレースイベントや、サッカーゲーム、野球ゲーム、バスケットボールゲーム等のスポーツイベントや、政治的イベント、芸能関係のイベント等を挙げることができる。
一方、「仮想イベント」とは、抽選プログラム等による抽選によって結果が決定されるイベントをいう。また、仮想イベントとしては、現実イベントと同種のイベントが行われる。すわなち、現実イベントが競馬レースである場合には、仮想イベントとして競馬レースが行われる。なお、仮想イベントに登場するキャラクタは、現実イベントに登場するキャラクタを模したものであってもよく、現実イベントには登場しない仮想のキャラクタであってもよい。
【0015】
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
(2) 上記(1)のゲーム装置であって、
上記イベントの映像を表示可能な表示手段と、
上記表示手段に表示するイベントの映像を、仮想イベントの映像とするか又は現実イベントの映像とするかの切替処理を行う映像表示切替手段と、
上記映像表示切替手段による切替処理の結果に基づいて、上記表示手段に、現実イベントの映像又は仮想イベントの映像を表示する制御を行う表示制御手段と
を備え、
上記表示制御手段は、上記表示手段に仮想イベントの映像を表示しているときに、現実イベントに関するデータを通信回線を介して受信した場合、該現実イベントの開催を予告するための予告画像を上記表示手段に表示し、
上記映像表示切替手段は、上記表示制御手段によって上記表示手段に予告画像が表示された後に、上記表示手段に表示される映像を、現実イベントの映像に切替える切替処理を行うことを特徴とする。
【0016】
(2)の発明によれば、仮想イベントよりもプレーヤの興味や関心を惹き付け易い現実イベントが開始される前には、現実イベントの開催を予告する予告画像が表示手段に表示されるため、例えば、ゲームを止めようと考えているプレーヤに、現実イベントが行われるまで、ゲームを行うように促すことが可能であり、集客力の向上と稼働率の確保とを図ることができる。
【0017】
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
(3) プレーヤによる結果予想の対象となるイベントの映像として、実際に行われる現実イベントの映像又は仮想で行われる仮想イベントの映像を表示し、上記イベントの結果がプレーヤによる結果予想と合致した場合に、上記結果予想に対する遊技媒体のベット数と上記イベントの結果に定められたオッズとに基づいて遊技媒体の払出数を決定し、プレーヤにその数の遊技媒体を付与する複数のゲーム装置を制御する制御装置であって、
上記仮想イベント1回あたりの遊技媒体の還元率を、該還元率の目標値として設定された設定還元率を基準とした所定範囲内に含まれる値に設定する還元率設定手段と、
上記還元率設定手段により決定された仮想イベント1回あたりの還元率に基づいて上記ゲーム装置において仮想イベントのオッズを決定させるためのオッズ設定信号を、各ゲーム装置に送信する送信手段と
を備え、
上記還元率設定手段は、遊技媒体の累積ベット数に対する累積払出数の割合である通算還元率が、上記設定還元率を基準とした所定範囲内に含まれなくなった場合には、通算還元率が上記設定還元率に近づくように、仮想イベント1回あたりの遊技媒体の還元率を設定することを特徴とする制御装置。
【0018】
(3)の発明によれば、通算還元率が、設定還元率を基準とした所定範囲内に含まれなくなった場合には、通算還元率が上記設定還元率に近づくように、仮想イベント1回あたりの遊技媒体の還元率を決定し、その還元率に基づいて仮想イベントのオッズを決定させるためのオッズ設定信号を各ゲーム装置に送信するため、現実イベントを行った結果、通算還元率が設定還元率から大きく離れてしまった場合であっても、通算還元率を、設定還元率を基準とした所定範囲内に収束させることができ、現実イベントのオッズを用いることによって通算還元率に変動が生じることを防止することができる。その結果、遊技店側の収益を安定させることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、現実イベントが行われるときにもプレーヤの興味や関心を惹き付けることができ、稼働率を確保することが可能であり、さらに、遊技場側の収益を安定させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の実施例について図面に基づいて説明する。
なお、以下においては、本発明のゲーム装置の好適な実施例として、結果予想の対象となるイベントが、複数の馬が競走する競馬レースである業務用ゲーム装置について説明する。勿論、本発明において、結果予想の対象となるイベントは、この例に限定されるものではなく、例えば、競輪レース、競艇レース、カーレース、バイクレース、自転車レース、陸上競技レース等のレースイベントや、サッカーゲーム、野球ゲーム、バスケットボールゲーム等のスポーツイベント、政治的イベント、芸能関係のイベント等、各種のイベントを挙げることができる。
【0021】
図1は、ゲーム装置100を模式的に示す全体外観図である。
横長の平面視矩形状の基台142の上面中央部分には、走路板120が設けられている。走路板120の上面には、ガードレールとして機能する枠部124及び125が設けられることにより、環状の競争路121が形成されている。
【0022】
競争路121には、馬を模した模型体16が4体配置されている。模型体16は、競馬レースに登場するキャラクタに対応しているものである。また、走路板120の下側には、図示しないが、走路板120から所定間隔を空けて、走行ルート130(図4参照)が配置されていて、走行ルート130上には、後述する走行装置10が4台配置されている。走行装置10は、走路板120を介して直上に配置された模型体16を磁力によって牽引しながら走行ルート130上を走行するものである。従って、模型体16は、走行ルート130上を走行する走行装置10に牽引されて走路板120上を走行する。なお、本実施形態では、模型体16が、磁力によって牽引される場合について説明するが、本発明においては、模型体16の走行方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、模型体16がワイヤ等によって牽引されることとしてもよく、模型体16自体が走行する機構を有していてもよい。
【0023】
走路板120の周囲には、プレーヤがゲームを行うためのサテライト144が計12台設置されている。すなわち、走路板120の長手側には、夫々サテライト144が5台ずつ設けられ、走路板120の短手側の一方には、サテライト144が2台設けられている。また、走路板120の短手側の他方には、大型スクリーン149が設けられている。本実施形態において、大型スクリーン149は、イベントとしての競馬レースの映像を表示可能な表示手段として機能するものである。
【0024】
各サテライト144には、レース情報やレース結果等が表示されるディスプレイ145と、プレーヤの操作により各種の指示が入力される操作パネル146と、メダルが投入されるメダル投入口147と、メダルが払い出されるメダル払出口148とが設けられている。プレーヤは、メダル投入口147にメダルを投入するとともに、ディスプレイ145に表示されるレース情報を基に入賞馬を予想し、操作パネル146を操作して予想した馬に投票する。レースの結果が予想した入賞馬と合致したときには、プレーヤは、メダル払出口148から、レースの結果や投入したメダル枚数に応じた枚数のメダルの払出を受けることができる。本実施形態では、ディスプレイ145と操作パネル146とが別個に設けられているが、例えば、操作パネル146はディスプレイ145の前面に設けられるタッチパネルであってもよい。本実施形態においては、ディスプレイ145が表示手段として機能するものであってもよく、大型スクリーン149とディスプレイ145との両方が表示手段として機能するものであってもよい。
【0025】
なお、図中には示していないが、ゲーム装置100には、スピーカや照明装置等も設けられており、上記スピーカから、例えば、馬の足音やレースを実況する音声やBGM等を出力することができ、上記照明装置により、競争路を明るく照らし出すことができる。
【0026】
図2は、図1に示したゲーム装置を備えたゲームシステムを模式的に示すネットワーク構成図である。
遊技場(所謂ゲームセンタやカジノ等)105には、図1に示したゲーム装置100が2台設置されている。各ゲーム装置100は、通信回線104を介してルータ101と接続されていて、ルータ101は通信ネットワーク102と接続されている。一方、通信ネットワーク102には、現実イベントとしての競馬レースに関するデータを各ゲーム装置100に配信するためのサーバ103が設置されている。
【0027】
サーバ103は、競馬場で現実レースが開催される前には、所定のタイミング(例えばレース開催30分前)で、現実レースの開催を通知する旨のデータ(以下、現実レース開催通知データともいう)を各ゲーム装置100に送信する。現実レース開催通知データには、例えば、レース名、開催日時、出走馬の名前や戦績等、現実レースに関する各種のデータが含まれる。サーバ103は、実際に現実レースの投票が締め切られるまでの間、所定のタイミング(例えば、1分毎)で、現実レースのオッズを各ゲーム装置100に送信する。サーバ103は、現実レースが開始されてから終了するまで、現実レースの映像を表す現実映像データを各ゲーム装置100に送信する。現実映像データにおける現実レースの映像としては、例えば、競馬場のメインスタンド側から撮影された映像や、一定速度で馬群に追従して馬群を俯瞰する映像を挙げることができる。また、サーバ103が各ゲーム装置100に送信する映像としては、必ずしも1種類である必要はなく、例えば、競馬場のメインスタンド側から撮影された映像と、一定速度で馬群に追従して馬群を俯瞰する映像とを同時にサーバ103が各ゲーム装置100に送信することとしてもよい。
現実レースが終了したときには、現実レースの結果を示す現実結果データをゲーム装置100に送信する。現実結果データには、現実レースにおける着順や各馬のタイム等が含まれる。
【0028】
ゲーム装置100が通信回線104を介してサーバ103から、実際に競馬場で行われる現実レースの映像を表す現実映像データを受信した場合、大型スクリーン149には、上記現実映像データに基づく現実イベントの映像が表示される。その一方で、上記現実映像データを受信していないか又は上記現実映像データに基づく現実レースの映像の表示が終了した場合には、仮想で行われる(実際には競馬場で行われていない)仮想レースの映像が表示される。
【0029】
また、各ゲーム装置100は、配線106を介して、制御装置200と接続されている。
制御装置200は、各ゲーム装置100を制御するものであり、特に、本実施形態においは、ゲーム装置100で行われるゲームにおけるメダルの還元率を制御するものである。
制御装置200は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、通信用インターフェイス回路204とを備えている。
【0030】
各ゲーム装置100において、プレーヤによる投票データの入力が行われるごとに、該投票データに含まれるメダルのベット数が、ゲーム装置100からデータとして制御装置200に送信される。CPU201は、メダルのベット数を通信用インターフェイス回路204を介して受信した場合、メダルのベット数を累積ベット数としてRAM203に記憶する。既にRAM203に累積ベット数を記憶している場合には、新たに受信したベット数を累積ベット数に加算して更新記憶する。各ゲーム装置100において、レース結果に応じたメダルの払い出しが行われるときには、当該レースに対する総払出数が、ゲーム装置100からデータとして制御装置200に送信される。CPU201は、メダルの総払出数を累積払出数としてRAM203に記憶する。既にRAM203に累積払出数を記憶している場合には、新たに受信した総払出数を累積払出数に加算して更新記憶する。
【0031】
全てのゲーム装置100から当該レースに対する総払出数を受信したとき、CPU201は、RAM203に記憶されている累積ベット数及び累積払出数に基づいて通算還元率を算出する。そして、上記通算還元率が、予めROM202に記憶されている設定還元率を基準とした所定範囲内に含まれている場合、CPU111は、仮想レース1回あたりのメダルの還元率(以下、レース還元率ともいう)を、設定還元率と同じ値に設定し、そのレース還元率に基づいてゲーム装置100において仮想レースのオッズを設定させるためのオッズ設定信号を、各ゲーム装置100に送信する。一方、上記通算還元率が、上記設定還元率を基準とした所定範囲内に含まれない場合には、CPU111は、通算還元率が設定還元率に近づくようにレース還元率を設定し、そのレース還元率に基づいてゲーム装置100において仮想レースのオッズを設定させるためのオッズ設定信号を、各ゲーム装置100に送信する。
【0032】
本実施形態では、各ゲーム装置100と制御装置200とが接続されている場合について説明するが、本発明は、この例に限定されず、例えば、制御装置200と同様の機能を、複数のゲーム装置100のいずれか1が備えることとしてもよい。また、制御装置200と同様の機能をサーバ103が備えることとしてもよい。本実施形態では、制御装置200が、遊技場105内に設置されたゲーム装置100を制御する場合について説明するが、本発明は、この例に限定されず、例えば、制御装置200が、複数の遊技場105内に設置されたゲーム装置100を制御することとしてもよい。
また、設定還元率及び該設定還元率を基準とした所定範囲については、特に限定されるものではなく、適宜設定することが可能である。
【0033】
次に、ゲーム装置100と走行装置10との制御系等について説明することとする。
図3は、ゲーム装置100と走行装置10との制御系の概略ブロック図である。
ゲーム装置100には、CPU111、ROM112、RAM113及び通信用インターフェイス回路114を備えた制御部110と、赤外線により走行装置10の制御信号を発信する赤外線発光装置118と、走行装置10の位置検出を行う位置検出ユニット119と、12台のサテライト144と、大型スクリーン149とが設けられている。
【0034】
ROM112には、大型スクリーン149に表示する各種の画像データや、BGMや効果音や音声となる音データや、ゲームを進行させるプログラム等が記憶されている。
画像データとしては、仮想レースを表す仮想映像データを構成する各種の画像データ、デモ画像を表示するための画像データ、現実レースの開催を予告する予告画像データ等が記憶されている。プログラムには、仮想レースの進行過程を示す進行過程データを生成するためのプログラムが含まれる。本実施形態において、進行過程データは、仮想レースにおける各馬の位置と時間との関係を所定の変数又は関数で示すものである。
RAM113は、例えば、現実映像データ、進行過程データ、投票データのように、ゲーム進行に係る変数やフラグ、映像データ等を一時的に記憶する。また、現実レース開催通知データをサーバ103から受信したときには、上記現実レース開催通知データがRAM113に記憶される。
【0035】
制御部110は、仮想レースを結果予想の対象としたゲームを行う場合、仮想レースの進行過程を示す進行過程データを生成した後、赤外線発光装置118から走行装置10の制御信号を送信するとともに、位置検出ユニット119から位置検出信号を受信して走行装置10の位置ズレを補正する制御を行い、進行過程データに基づいて仮想レースを展開させる。このとき、制御部110は、仮想レースを表す仮想映像データを生成し、該仮想映像データに基づいて、大型スクリーン149に仮想レースの映像を表示する。
また、CPU111は、制御装置200から送信されるオッズ設定信号に含まれるレース還元率に基づいて、仮想レースのオッズを示す仮想オッズデータを生成する。仮想レースの結果に対するメダルの払い出しは、上記仮想オッズデータに基づいて行われる。
CPU111は、仮想オッズ生成手段として機能するものである。
一方、制御部110は、現実レースを結果予想の対象としたゲームを行う場合、現実レースの映像を示す現実映像データをサーバ103から通信回線104を介して通信用インターフェイス回路114により順次受信し、現実映像データに基づいて、現実レースにおける各馬の位置を認識する。また、制御部110は、サテライト144や大型スクリーン149等を主導的に制御することにより、ゲームを進行させる。
また、CPU111は、サーバ103から通信回線104を介して通信用インターフェイス回路114により、現実レースのオッズを示す現実オッズデータを受信する。現実レースの結果に対するメダルの払い出しは、上記現実オッズデータに基づいて行われる。
【0036】
一方、各走行装置10は、制御部13、受光器30、走行用モータ23、発振コイル35及び操舵用モータ24を備えている。制御部13は、受光器30を介して、赤外線発光装置118からの制御信号を受信すると、上記制御信号に基づいて、走行用モータ23、操舵用モータ24及び発振コイル35に対する駆動信号を送信する。
走行用モータ23及び操舵用モータ24は、上記駆動信号に基づいて駆動し、走行装置10を走行させる。また、発振コイル35は、制御部13からの駆動信号を受信したことを受けて、特定の周波数の発振を行う。
【0037】
ゲーム装置100に設けられた位置検出ユニット119は、走行ルート130を構成する位置検出板132を介して、発振コイル35の発振を検出することにより、走行装置10の位置を検出し、位置検出信号を制御部110に送信する。
【0038】
図4は、走路板120の下方に配置された走行ルート130を模式的に示す平面図である。
環状の周回路が形成された走行ルート130上には、上記周回路の外周及び内周にそれぞれ鏡151、152が鉛直方向に垂設されており、鏡151と鏡152とは互いに鏡面が対向している。
外周の鏡151には、10個の赤外線発光器150が所定間隔を空けて取り付けられており、これらの赤外線発光器150は、赤外線発光装置118と接続されている。赤外線発光装置118は、これらの赤外線発光器150を介して、赤外線による制御信号を所定の角度を有するように発信する。
【0039】
各赤外線発光器150から発せられる制御信号は、鏡151、152によって反射し、走行ルート130上を覆いつくすことになるため、走行装置10は、図4に示すように、走行ルート130上のどの位置にいても、走行装置10に設けられた受光器30を介して、上記制御信号を受信することができる。また、鏡151、152によって反射した制御信号は、あらゆる方向から走行装置10に至ることになるため、他の走行装置が障害となって、上記制御信号を受信することができないという問題が発生することもない。さらに、走行ルート130上の空間は、鏡151、152と、走路板120とによって密閉されるため、上記制御信号が外部に漏出することもなく、外部からの光の影響を受けることもない。この制御信号は、時分割されたシリアル制御信号であり、各走行装置に対応するフレームが連続的にシリアルに発信される信号である。
【0040】
図5は、上記制御信号の1フレームを示す波形図である。
ここでは、上記制御信号の1フレームは16ビットからなることとし、ゲーム装置100に、4台の走行装置10が用いられる場合について説明することとする。また、4台の走行装置10を、それぞれ走行装置10α、走行装置β、走行装置γ、走行装置δともいうこととする。
【0041】
上記制御信号の1フレームは、例えば、数十ms程度で、各ビットの信号がハイレベル(以下、Hともいう)にあるかローレベルL(以下、Lともいう)にあるかによって、該制御信号に含まれる情報の識別が行われる。
図5に示すフレームの最初の3ビットはスタートビットAであり、「LLH」でフレームのスタートを示す。
【0042】
スタートビットAの次の2ビットは、走行装置10の進行方向を定める方向制御ビットBである。方向制御ビットBが「LL」であれば現在の進行方向を継続し、「LH」であれば左方向へ旋回し、「HL」であれば右方向へ旋回し、「HH」であれば直進する。
【0043】
方向制御ビットBの次の2ビットは、走行装置10の進行速度を定める速度制御ビットCである。速度制御ビットCが「LL」であれば走行を停止し、「LH」であれば加速しながら走行し、「LH」であれば減速しながら走行し、「HH」であれば最高速度で走行する。
【0044】
速度制御ビットCの次の1ビットは、走行装置10に設けられた発振コイル35を発振させるか否かを定める発振コイル制御ビットDである。発振コイル制御ビットDが、「L」であれば発振コイルを一定期間にわたって発振させ、「H」であれば発振コイルを発振させない。
【0045】
発振コイル制御ビットDの次の3ビットは、このフレームの信号が、走行装置10α〜10δのうち、どの走行装置を対象にした制御信号であるかを定める走行装置選択ビットEである。
「LLL」は走行装置10α〜10δの全ての走行装置を対象とし、「LLH」は走行装置10αを対象とし、「LHL」は走行装置10βを対象とし、「LHH」は走行装置10γを対象とし、「HLL」は走行装置10δを対象とする。
例えば、走行装置10αが、方向制御ビットBが「HH」であり、速度制御ビットCが「HH」であり、走行装置選択ビットEが「LLH」である制御信号を受信した場合、走行装置10αは最高速度で直進するが、上記制御信号を受信した走行装置10β〜10δは、上記制御信号の対象が異なるため、該制御信号に含まれる命令を無視するのである。
このように、走行装置選択ビットEを用いることにより、複数の走行装置を個別に制御することが可能になる。
なお、この走行装置選択ビットEは、そのビット数を増やすことにより、より多くの走行装置を制御することが可能になる。
【0046】
走行装置選択ビットEの次の4ビットは、エラーチェックビットFであり、例えば、パリティビットやチェックサム用のビット等が含まれる。走行装置10に設けられた制御部13は、このエラーチェックビットFを用いて、受信した制御信号にエラーがないか否かを判断する。
最後の1ビットはエンドビットGであり、Hでフレームの終わりを示す。
従って、図5に示す制御信号が赤外線発光器150から発せられた場合、該制御信号を受信する走行装置10α〜10δのうち、走行装置10δが直進しながら減速することになる。
【0047】
次に、上述したような制御信号を受信して走行する走行装置の制御部について図面を用いて説明する。
図6は、走行装置10の制御部13を示すブロック図である。
集電ユニット34は、走行板120(図1参照)の下面に形成された電力供給用回路(図示せず)から電力の供給を受けるものであり、集電ユニット34を介して供給された電力は、制御部13に設けられた電源回路274によって適当な電圧に変換された後、CPU271や走行モータ23や操舵用モータ24等に供給される。
【0048】
受光器30は、赤外線発光器150から発せられた制御信号を受信すると、該制御信号を電気信号に変換してCPU271に送信する。
電気信号に変換された制御信号を受信したCPU271は、該制御信号に含まれる走行装置選択ビットEにより、該制御信号の対象が当該走行装置となっていると判断した場合、速度制御ビットCに基づく命令信号を走行用モータ制御回路251に、方向制御ビットBに基づく命令信号を操舵用モータ制御回路252に、発振コイル制御ビットDに基づく命令信号を発振回路260に送信する。
そして、受信した命令信号に基づいて、走行用モータ制御回路251は走行用モータ23を駆動制御し、操舵用モータ制御回路252は操舵用モータ24を駆動制御し、発振回路260は発振コイル35を駆動制御する。
また、センタリング検出回路253は、センタリング検出フォトインタラプタ254を駆動制御する。このセンタリング検出フォトインタラプタ254は、上述した方向制御ビットBが「HH」(直進)である制御信号を受信したとき、操舵用モータ24とともに駆動される。センタリング検出フォトインタラプタ254は、走行装置10の車輪(図示せず)の向きを検出するものであり、走行装置10の進行方向が直進方向に向かったことを検出することができる。
【0049】
次に、ゲーム装置100が走行装置10の位置を検出する方法について説明する。
図7は、位置検出ユニット119と位置検出板132とのブロック図である。
走行ルート130を構成する位置検出板132は、その内部に電線160が張り巡らされたものであり、具体的には、Y軸方向に指向した複数の電線がX軸方向にわたって略等間隔に羅列されるとともに、X軸方向に指向した複数の電線がY軸方向にわたって略等間隔に羅列されている。また、Y軸方向に指向した複数の電線と、X軸方向に指向した複数の電線とは絶縁されている。図中、151、152は、走行ルート130上に設置された鏡を示している。
【0050】
Y軸方向に指向した複数の電線の端部はX軸位置検出回路161に接続されるとともに、X軸方向に指向した複数の電線はY軸位置検出回路162に接続されている。
位置検出板132上を走行する走行装置10の発振コイル35が発振すると、位置検出板132に設けられた電線160のうちの発振コイル35に近い電線には、誘導起電力が発生して電流が流れることになる。
X軸位置検出回路161とY軸位置検出回路162とは、この電流を検知して、検出信号を生成し、位置検出回路163に送信する。
上記検出信号を受信した位置検出回路163は、上記検出信号に基づいて、走行装置10の位置を決定し、位置検出信号をCPU111に送信する。
【0051】
次に、X軸位置検出回路161によるX軸方向の走行装置10の位置を検出する方法について、図8を用いて説明する。
図8は、図7に示す位置検出ユニット119に設けられたX軸位置検出回路を模式的に示す説明図である。なお、Y軸方向に指向した電線を、左から順にX、X、X、X、・・・ということにする。
【0052】
各電線X、X、X、X、・・・の端部は、それぞれスイッチ164を介して、一本の電線Xにまとめられ、比較回路165に接続されており、各スイッチ164は、スイッチング駆動回路166により駆動制御される。なお、スイッチ164、比較回路165及びスイッチング駆動回路166が、上述したX軸位置検出回路161に該当するものである。
スイッチング駆動回路は、CPU111からの制御信号を受けて、スイッチ164を、電線Xに係るスイッチから順にオン・オフ駆動させる。その結果、比較回路165には、各電線X、X、X、X、・・・に流れる電流が、電線Xの電流から順に流れることになる。
【0053】
例えば、図8に示すように、走行装置10の発振コイル35が、電線X上にあり、この発振コイル35が発振した場合、電線Xに誘導起電力が発生して電流が流れ、電線Xに係るスイッチがオンとなっている間、比較回路165にも電流が流れることになる。勿論、電線Xと隣り合う電線X、Xにも電流が流れるが、電線Xに流れる電流は、電線X、Xに流れる電流より大きいため、走行装置10は電線X上にあることが検出され、検出信号が位置検出回路163(図示せず)に送信されることになる。
また、Y軸位置検出回路162においても、上述した方法と同様の方法で、走行装置10のY軸方向に位置が検出され、検出信号が位置検出回路163に送信されることになる。
これらの検出信号を受信した位置検出回路163は、上記検出信号に基づいて、走行装置10の位置を決定し、位置検出信号をCPU111に送信するのである。
【0054】
図9は、ゲーム装置100に設けられた制御部110において実行される走行装置制御処理を行うためのサブルーチンを示すフローチャートである。
このサブルーチンは、予め実行されているゲーム装置100のゲームを制御するプログラムから、例えば、レースを開始させるタイミング等、走行装置10の走行を開始させるタイミングで、呼び出されて実行されるものである。
【0055】
まず、CPU111は、走行装置10α〜10δに対して、操舵命令を送信する(ステップS10)。すなわち、CPU111は、赤外線発光装置118を介して、図4に示すように、赤外線発光器150から制御信号を発信する。
【0056】
この制御信号は、図5に示すように、16ビットを1フレームとする信号であって、方向制御ビットBが「HH」、速度制御ビットCが「LH」、走行装置選択ビットEが「HLL」の制御信号である。
従って、この制御信号を受信した走行装置10は、直進するように進行方向が定められることになる。
【0057】
次に、CPU111は、走行装置10αに対して、作動命令とコイル発振命令とを含む制御信号を送信する(ステップS11)。
この制御命令を受信した走行装置10αは、上記作動命令に従って速度と進行方向とを定めて走行し、さらに、上記コイル発振命令に従って発振コイル35を発振させる。
発振コイル35の発振は、次のコイル発振命令が発信されるまで、すなわち、ステップS14の処理が実行されるまで継続され、この間に走行装置10αの位置が検出されることになる。なお、走行装置10の位置を検出するために実行される位置検出処理ルーチンについては、後で詳述することにする。
そして、検出された走行装置10αの位置と、選定されたレース展開における走行装置10αの位置とのズレが算出され、この位置ズレを補正するように、後述するステップS15において、走行装置10αに対して制御信号が送信されることになる。
【0058】
次に、CPU111は、走行装置10βに対して、作動命令を含む制御信号を送信し(ステップS12)、さらに、走行装置10γに対して、作動命令を含む制御信号を送信する(ステップS13)。これらの制御信号を受信した走行装置10β、10γは、上記作動命令に従って速度と進行方向とを定めて走行する。
【0059】
次に、CPU111は、走行装置10δに対して、作動命令とコイル発振命令とを含む制御信号を送信する(ステップS14)。
この制御命令を受信した走行装置10αは、上記作動命令に従って速度と進行方向とを定めて走行し、さらに、上記コイル発振命令に従って発振コイル35を発振させる。その結果、走行装置10δの位置が検出されることになる。
【0060】
次に、走行装置10αに対して作動命令を含む制御信号が送信され(ステップS15)、走行装置10βに対して作動命令を含む制御信号が送信され(ステップS16)、さらに、走行装置10γに対して作動命令とコイル発振命令とを含む制御信号が送信される(ステップS17)。
その後、同様にして、各走行装置10α〜10δに対して、作動命令を含む制御信号が送信され(ステップS18〜S22)、各走行装置10α〜10δは、それぞれの作動命令に従って走行することになる。
また、ステップS20において走行装置10βに送信される制御信号には、作動命令のほかに、コイル発振命令が含まれている。
【0061】
このように、ステップS11、S14、S17及びS20では、各走行装置10α〜10δに対して、コイル発振命令を含む制御信号が発信される。その後、上述した方法により、走行装置の位置が検出され、検出された走行装置の位置と、レース展開における走行装置の位置とに差異がある場合には、その差異を補正するように、制御信号が送信されることになる。
【0062】
次に、CPU111は、全ての走行装置(走行装置10α〜10δ)の走行を停止させるタイミングであるか否かを判断する(ステップS23)。全ての走行装置の走行を停止させるタイミングとしては、レースが終了したタイミングや、レースを開始させる位置に全ての走行装置が到達したタイミング等を挙げることができる。
【0063】
全ての走行装置の走行を停止させるタイミングではないと判断した場合、処理をステップS11に戻し、繰り返しステップS11〜S22の処理を実行する。その結果、走行装置10α〜10δが走行を継続することになり、各走行装置10α〜10δに牽引される模型体16が、競争路121上を走行することになる。
一方、全ての走行装置の走行を停止させるタイミングであると判断した場合、走行装置10α〜10δの走行を停止させる制御信号を送信し、本サブルーチンを終了する。
【0064】
図10は、ゲーム装置100に設けられた制御部110において実行される位置検出処理を行うためのサブルーチンを示すフローチャートである。
このサブルーチンは、予め実行されているゲーム装置100のゲームを制御するプログラムから、例えば、レースを開始させるタイミング等、走行装置10の走行を開始させるタイミングで、呼び出されて実行されるものである。
【0065】
まず、CPU111は、X座標検出処理を行い(ステップS30)、X座標を検出したか否かについて判断する(ステップS31)。
なお、このX座標検出処理では、図8を用いて説明した方法により、走行装置10のX軸方向の位置が検出される。
例えば、ステップS30では、電線Xに係るスイッチをオンとし、その後オフとして、電線Xに電流が流れたときには、比較回路165にも電流が流れるようにする。そして、ステップS31では、比較回路165に所定の強さの電流が流れたか否かを判断することにより、電線X上に走行装置10が存在するか否かを判断するのである。
【0066】
X座標が検出されなかったときには、処理をステップS30に戻し、繰り返しX座標検出処理を実行する。すなわち、上述したように、ステップS30において電線X上に走行装置10が存在するか否かを判断し、電線X上に走行装置10が存在しないと判断した場合、次に、ステップS30において電線Xに走行装置10が存在するか否かを判断するのである。
【0067】
一方、X座標を検出したと判断したときには、Y座標検出処理を行い(ステップS32)、Y座標を検出したか否かにつてい判断する(ステップS33)。
このY座標検出処理では、図8を用いて説明した方法と同様の方法により、走行装置10のY軸方向の位置が検出される。
Y座標が検出されなかったときには、処理をステップS32に戻し、繰り返しY座標検出処理を実行する。
【0068】
次に、検出したX座標とY座標とに基づいて、走行装置10の位置を決定する(ステップS34)。そして、このステップ34において決定された走行装置10の位置と、レース展開における走行装置10の位置とに基づいて、走行装置10に対して制御信号が発信されることになる。
次に、全ての走行装置の走行が終了したか否かを判断する(ステップS35)。この処理は、上述したステップS24の処理に対応する処理であり、全ての走行装置の走行が終了したときには、本サブルーチンを終了する。
一方、全ての走行装置の走行が停止していないと判断した場合、処理をステップS30に戻し、ステップS30〜S34の処理を繰り返し実行する。
【0069】
図11は、ゲーム装置100に設けられたサテライト144の制御回路を示すブロック図である。
ゲーム装置100の制御部110に設けられたCPU111からの制御信号は、サテライト144の制御部240のCPU241に入力される。制御部240は、CPU241とROM242とRAM243とを含んで構成されており、サテライト144に設けられた各機器に対して命令信号等を送信し、サテライト144を主導的に制御する。ROM242には、ディスプレイ145に表示させるための各種の画像データや、各機器を動作させるためのプログラム等が記憶されており、RAM243には、投入されたメダルの枚数や、ゲームの履歴等が記憶される。
【0070】
CPU241には、メダルセンサ244と操作パネル146とが接続されており、メダルセンサ244は、メダル投入口147に投入されたメダルを検出するものであり、検出されたメダルの枚数は、RAM243に記憶される。
また、操作パネル146は、プレーヤの操作により各種の指示が入力されるものであり、CPU241は、入力された各種の指示に従い、ゲームを進行させる。
【0071】
さらに、CPU241には、ホッパー駆動回路246と、払出完了信号回路248が接続されている。
ホッパー駆動回路246は、ホッパー245を制御し、メダル払出口148からメダルを払い出させるための回路である。
払出完了信号回路248は、ホッパー245により払い出されるメダルをメダル検出部247において計数し、計数したメダル枚数が所定の値に達したことを受けて、メダル払出口148からのメダルの払い出しを停止させるための回路である。
また、制御部240(CPU241)には、ディスプレイ145が接続されており、このディスプレイ145には、レース情報やレース結果等が表示されることになる。
【0072】
図12は、ゲーム装置100に設けられた制御部110において実行されるゲーム進行処理を行うためのサブルーチンを示すフローチャートである。
このサブルーチンは、予め実行されているゲーム装置100のゲームを制御するプログラムから、所定のタイミングで呼び出されて実行されるものである。
【0073】
まず、次回のレースを、仮想レースとするか、現実レースとするかの切替を行う(ステップS100)。この処理において、CPU111は、前回ステップS100の処理を実行してから今回ステップS100の処理を実行するまでに、サーバ103から、現実レース開催通知データを受信していた場合には、次回のレースとして、現実レースを選択する。一方、現実レース開催通知データを受信していなかった場合には、次回のレースとして、仮想レースを選択する。このステップS100における処理の結果に基づいて、その後、仮想レースの映像又は現実レースの映像が表示されることになる。
ステップS100の処理を実行するとき、CPU111を備えた制御部110は、大型ディスプレイ149(表示手段)に表示する映像を、仮想レース(仮想イベント)の映像とするか、又は、現実イベントの映像とするかの切替処理を行う映像表示切替手段として機能する。
【0074】
次に、CPU111は、ステップS100における切替の結果に基づいて、次回のレースが仮想レースであるか否かを判断する(ステップS101)。
次回のレースが仮想レースであると判断した場合、CPU111は、仮想レース投票受付処理を行う(ステップS102)。仮想レース投票受付処理は、主に、仮想レースの進行過程を示すデータの生成と、仮想レースのオッズを示す仮想オッズデータの生成と、結果予想及びメダルのベット入力の受付とを行う処理であり、レース開始直前(投票締切)まで行われる。この処理については、後で図14を用いて詳述することにする。
【0075】
次に、CPU111は、仮想レース進行処理を行う(ステップS103)。仮想レース進行処理は、仮想レースの映像をディスプレイ145及び大型スクリーン149に表示したり、仮想レースに応じて模型体16を走行させたりして、仮想レースを進行させる処理であり、レース終了まで行われる。この処理については、後で図15を用いて詳述することにする。
ステップS103の処理を実行するとき、CPU111を備えた制御部110は、ステップS100における切替処理の結果に応じて、仮想レース(仮想イベント)の映像を大型スクリーン149(表示手段)に表示する制御を行う表示制御手段として機能する。
【0076】
次に、CPU111は、仮想レース配当計算処理を行う(ステップS104)。仮想レース配当計算処理は、レース結果に対するメダルのベット数と、該レース結果のオッズとに基づいて、メダルの払出数を決定する処理である。
次に、CPU111は、その結果に基づいて、着順・配当画面表示処理を行う(ステップS105)。ステップS105において表示される着順・配当画面は、仮想レースの結果を示す画面であり、サテライト144に設けられたディスプレイ145や、大型スクリーン149に表示される画面である。プレーヤは、この画面を見ることにより、レース予想が的中したか否かや、どの程度の枚数のメダルが払い出されるかを知ることができる。
【0077】
一方、ステップS101において、次回のレースが現実レースであると判断した場合、CPU111は、現実レース投票受付処理を行う(ステップS106)。現実レース投票受付処理は、主に、結果予想及びメダルのベット入力の受付を行う処理であり、レース開始直前(投票締切)まで行われる。この処理については、後で図16を用いて詳述することにする。
【0078】
次に、CPU111は、現実レース進行処理を行う(ステップS107)。現実レース進行処理は、サーバ103から現実レースの映像を表す現実映像データを受信し、現実映像データに基づいて、現実レースの映像をディスプレイ145及び大型スクリーン149に表示したり、現実レースに応じて模型体16を走行させたりして、現実レースを進行させる処理であり、レース終了まで行われる。この処理については、後で図17を用いて詳述することにする。ステップS107の処理を実行するとき、CPU111を備えた制御部110は、ステップS100における切替処理の結果に応じて、現実レース(現実イベント)の映像を大型スクリーン149(表示手段)に表示する制御を行う表示制御手段として機能する。
【0079】
次に、CPU111は、現実レース配当計算処理を行う(ステップS108)。現実レース配当計算処理は、レース結果に対するメダルのベット数と、該レース結果のオッズとに基づいて、メダルの払出数を決定する処理である。次に、CPU111は、その結果に基づいて、着順・配当画面表示処理を行う(ステップS109)。ステップS109において表示される着順・配当画面は、現実レースの結果を示す画面であり、サテライト144に設けられたディスプレイ145や、大型スクリーン149に表示される画面である。プレーヤは、この画面を見ることにより、レース予想が的中したか否かや、どの程度の枚数のメダルが払い出されるかを知ることができる。
【0080】
ステップS105又はS109の処理を実行した後、CPU111は、メダルの払い出しがあるか否か、すなわち、ステップS104又はS108において決定されたメダルの払出数が1以上であるか否かを判断する(ステップS110)。
メダルの払い出しがあると判断した場合、制御部110は、メダルの払い出しを行う(ステップS111)。すなわち、メダルの払い出しがある(レース予想が的中した)サテライト144の制御部240に対して、ホッパー245や、メダル検出部247等を駆動させる旨の制御信号を送信し、所定枚数のメダルが払い出されるように制御する。
ステップS110においてメダルの払い出しを行わないと判断した場合、又は、ステップS111の処理を実行した場合、CPU111は、制御装置200に対して、今回のレースにおけるメダルの総払出数を送信する(ステップS112)。その後、本サブルーチンを終了する。
【0081】
図13は、制御装置200において実行される処理を示すフローチャートである。
まず、CPU201は、ゲーム装置100から総払出数を受信したか否かを判断する(ステップS300)。この処理は、図12に示したフローチャートのステップS112に対応する処理である。ゲーム装置100から総払出数を受信したと判断した場合、CPU201は、RAM203に記憶された累積払出数に総払出数を加算し、累積払出数を更新記憶する(ステップS301)。
【0082】
ステップS300において、ゲーム装置100から総払出数を受信したと判断した場合、又は、ステップS301の処理を実行した場合、CPU201は、全てのゲーム装置100から総払出数を受信したか否かを判断する(ステップS302)。
全てのゲーム装置100から総払出数を受信していないと判断した場合、ステップS300に処理を戻す。一方、全てのゲーム装置100から総払出数を受信したと判断した場合、CPU201は、累積ベット数及び累積払出数に基づいて、通算還元率を算出する(ステップS303)。なお、累積ベット数は、RAM203にデータとして記憶されているものであり、後述する図14に示したフローチャートのステップS126においてゲーム装置100から制御装置200にベット数が送信されるごとにCPU201によってRAM203に更新記憶されるものである。また、通算還元率は、累積ベット数に対する累積払出数の割合(%)である。
【0083】
次に、CPU201は、通算還元率が、ROM202に予め記憶された設定還元率を基準とした所定範囲内に含まれるか否かを判断する。例えば、設定還元率が95%であり、設定還元率を基準とした所定範囲が90〜97%である場合、CPU201は、ステップS303において算出した通算還元率が90〜97%に含まれるか否かを判断する(ステップS304)。なお、本実施形態では、設定還元率が、予めROM202に記憶されている場合について説明するが、本発明は、この例に限定されず、例えば、遊技場の管理者等によって入力されてRAM203に記憶されるものであってもよい。
【0084】
ステップS304において、通算還元率が、ROM202に予め記憶された設定還元率を基準とした所定範囲内に含まれると判断した場合、CPU201は、設定還元率と同じ値にレース還元率を設定する(ステップS305)。例えば、設定還元率が95%であり、設定還元率を基準とした所定範囲が90〜97%である場合に、ステップS303において算出した通算還元率が95%であれば、CPU201は、レース還元率を、通算還元率と同じ値である95%に設定する。
このとき、CPU201は、レース還元率(仮想イベント1回あたりの遊技媒体の還元率)を、還元率の目標値として設定された設定還元率を基準とした所定範囲内に含まれる値に設定する還元率設定手段として機能する。
【0085】
一方、ステップS304において、通算還元率が、ROM202に予め記憶された設定還元率を基準とした所定範囲内に含まれないと判断した場合、CPU201は、通算還元率が設定還元率に近づくようにレース還元率を設定する(ステップS306)。例えば、設定還元率が95%であり、設定還元率を基準とした所定範囲が90〜97%である場合に、ステップS303において算出した通算還元率が、設定還元率より高い120%であれば、CPU201は、レース還元率を、設定還元率より低い80%に設定するのである。
なお、ステップS305及びS306の処理については、後で詳述することにする。
このとき、CPU201は、還元率設定手段として機能し、通算還元率が、設定還元率を基準として所定範囲内に含まれなくなった場合に、通算還元率が設定還元率に近づくように、レース還元率を設定しているのである。
【0086】
ステップS305又はS306の処理を実行したとき、CPU201は、レース還元率に基づいてゲーム装置100において仮想レースのオッズを設定させるためのオッズ設定信号を、各ゲーム装置100に送信する(ステップS307)。
このとき、CPU201は、レース還元率に基づいてゲーム装置100において仮想レースのオッズを決定させるためのオッズ設定信号を、各ゲーム装置100に送信する送信手段として機能する。その後、本サブルーチンを終了する。
【0087】
図14は、図12に示したサブルーチンのステップS101において呼び出されて実行される仮想レース投票受付処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、CPU111は、進行過程データを生成する(ステップS120)。
ステップS120においては、CPU111は、ROM112に予めデータとして記憶されている複数種類の馬のなかから、仮想レースに出走する馬を選択する。なお、ROM102に記憶されている馬のデータには、馬の名称や、各種の能力値等が含まれている。
続いて、CPU111は、ROM112に予めデータとして記憶されている複数種類のレース条件(例えば、コース、天候等)のなかから、仮想レースのレース条件を選択する。
次に、CPU111は、選択した馬やレース条件等を用いて、仮想レースの進行過程を示す進行過程データを生成する。進行過程データは、仮想レースにおける各馬の走行経路や速度を関数によって示すデータであってもよく、仮想レースにおける各馬の位置と時間との関係を示すデータであってもよい。
【0088】
続いて、CPU111は、進行過程データに基づいて、仮想レースのレース結果を示す仮想結果データを生成する(ステップS121)。仮想結果データは、着順や各馬のタイム等を示すものである。ステップS120において生成された進行過程データと、ステップS121において生成された仮想結果データとは、RAM113に記憶される。
【0089】
次に、CPU111は、制御装置200から受信したオッズ設定信号により通知されたレース還元率に基づいて、仮想レースのオッズを示す仮想オッズデータを生成する(ステップS122)。
仮想レースのオッズは、該仮想レースにおいて生じ得る複数種類のレース結果の夫々に対して決定されるものであり、例えば、下記(1)式により決定される。
オッズ=(仮想レースに対する総ベット数×レース還元率)/当該レース結果に対するベット数・・・(1)
【0090】
投票受付開始時点では、メダルのベットが行われていないので、投票受付開始当初のオッズについては、例えば、以下のようにして決定することができる。
すなわち、前回のレースにおけるベット数から払出数を差し引いた数のメダルの一部を、出走馬の能力値やレース条件等に基づいて、各レース結果に振り分け、その状態で上記(1)式によりオッズを決定することとしてもよい。
このとき、CPU111は、仮想レースのオッズを示す仮想オッズデータを生成する仮想オッズ生成手段として機能する。
【0091】
次に、CPU111は、ROM112からデモ画像用の画像データを読み出し、その画像データに基づいて、大型スクリーン149にデモ画像を表示する(ステップS123)。
デモ画像としては、特に限定されるものではなく、例えば、仮想レースの映像、過去の現実レースの映像、それらのダイジェストの映像、ゲーム方法やルールを紹介する映像を挙げることができる。
【0092】
その後、CPU111は、仮想オッズや出走表を表示する(ステップS124)。すなわち、CPU111は、各サテライト144の制御部240に対して、仮想オッズや出走表の表示命令を送信する。制御部240のCPU241は、ROM242から各種の画像データを抽出し、その画像データに基づいて、ディスプレイ145に仮想オッズや出走表を表示する。このとき、プレーヤは、サテライト144の操作パネル146を操作することにより、結果予想や、該結果予想に対するメダルのベット数等を入力することができる。
【0093】
次に、CPU111は、プレーヤによる結果予想と該結果予想に対するメダルのベット数とに関する投票データが、サテライト144から入力されたか否かを判断する(ステップS125)。投票データがサテライト144から入力されたと判断した場合、CPU111は、投票データに含まれるメダルのベット数を制御装置200に送信する(ステップS126)。制御装置200のCPU201は、通信用インターフェイス回路204によりメダルのベット数を受信すると、RAM203に記憶された累積ベット数にそのベット数を加算して更新記憶する。
【0094】
続いて、CPU111は、上記投票データとレース還元率とに基づいて、仮想レースのオッズを更新し、仮想オッズデータを生成する(ステップS127)。なお、本発明においては、ゲーム装置100ごとに独自に仮想レースのオッズを設定することにしてもよく、複数のゲーム装置100に共通した仮想レースのオッズを設定することとしてもよい。
複数のゲーム装置100に共通した仮想レースのオッズを設定する場合、例えば、一のゲーム装置100に投票データが入力された場合にその投票データを他のゲーム装置100に送信するというようにして、入力された投票データを複数のゲーム装置100間で共有し、その状態で各ゲーム装置100が個別に仮想レースのオッズを設定すればよい。
【0095】
ステップS125において、投票データが入力されていないと判断した場合、又は、ステップS127の処理を実行した場合、CPU111は、現実レース開催通知データをサーバ103から受信したか否かを判断する(ステップS128)。
現実レース開催通知データを受信したと判断した場合、CPU111は、上記現実レース開催通知データに基づいて、現実レースの開催を予告する予告画像を大型スクリーン149に表示する(ステップS129)。予告画像としては、例えば「15時40分から、○○競馬場開催の××記念をライブ中継で行います。」というようにレース名と開催時間とを示す画像や、「次々回のレースは、○○競馬場で行われる××記念(ライブ中継)です。」というようにレース名とそのレースが何レース後に行われるかとを示す画像等を挙げることができる。また、予告画像には、当該現実レースの出走表が含まれていてもよい。さらに、テレビ放送されている映像等を、予告画像として又は予告画像とともに表示することとしてもよい。予告画像の表示方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、投票締切又はレース開始直前まで継続して表示することとしてもよく、デモ画像とともに表示することとしてもよく、断続的にデモ画像と交互に切替ながら表示することとしてもよい。
また、サテライト144の制御部240に予告画像の表示命令を送信し、ディスプレイ145に予告画像を表示することとしてもよい。
【0096】
次に、CPU111は、投票を締め切るか否かを判断する(ステップS130)。
投票を締め切るタイミングは、特に限定されるものではなく、例えば、投票受付開始から所定時間が経過したタイミングであってもよく、当該仮想レースに対して最初にメダルがベットされてから所定時間が経過したタイミングであってもよい。
投票を締め切らないと判断した場合、ステップS123に処理を戻し、ステップS123〜S129の処理を繰り返し実行する。その一方で、投票を締め切ると判断した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0097】
図15は、図12に示したサブルーチンのステップS103において呼び出されて実行される仮想レース進行処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、CPU111は、RAM113に記憶された進行過程データに基づいて、ROM112から各種の画像データを抽出し、仮想映像データを生成する(ステップS140)。
【0098】
次に、CPU111は、仮想映像データに基づいて、大型スクリーン149に仮想レースの映像を表示する(ステップS141)。このとき、各サテライト144に上記仮想映像データを配信し、各サテライト144のディスプレイ145に、仮想レースの映像を表示することとしてもよい。
このとき、CPU111は、ステップS100における切替処理の結果に応じて、ステップS140において生成された仮想映像データに基づく仮想レース(仮想イベント)の映像を大型スクリーン149に表示する制御を行う表示制御手段として機能する。
【0099】
次に、CPU111は、RAM113に記憶された進行過程データに基づいて、各模型体16の走行パターンを決定し、その走行パターンに基づいて走行装置10の走行を制御する制御信号を送信する(ステップS142)。ステップS142では、図9を用いて説明したように、各走行装置10に対して、順に制御信号を送信する。その結果、走行する走行装置10に模型体16が牽引され、大型スクリーン149に表示される仮想レースの映像にあわせて走路板120上で模型体16が走行するのである。
【0100】
次に、走行装置10の位置を検出する(ステップS143)。ステップS143では、上述したように、各走行装置10に設けられた発振コイル35の発振を検出することにより、走行装置10の位置を検出する。
【0101】
次に、走行装置10の位置が、進行過程データに基づく進行過程と合致しているか否かを判断する(ステップS144)。すなわち、上述したステップS120において生成された進行過程データに基づく進行過程における走行装置10の位置と、ステップS143において検出した走行装置10の位置が合致するか否かを判断するのである。
【0102】
ステップS144において、走行装置10の位置が、進行過程データに基づく進行過程と合致しないと判断した場合、進行過程と走行装置10の位置との差異を算出し(ステップS145)、算出した結果に基づいて、各走行装置10の走行位置を補正する制御信号を送信する(ステップS146)。
【0103】
ステップS144において、走行装置10の位置が、進行過程データに基づく進行過程と合致したと判断した場合、又は、ステップS146の処理を実行した場合、レースが終了したか否かを判断する(ステップS147)。レースが終了していないと判断した場合、ステップS140に処理を戻す。一方、レースが終了したと判断した場合、全ての走行装置10をスタート位置まで走行させる処理等を行い、その後、本サブルーチンを終了する。
【0104】
図16は、図12に示したサブルーチンのステップS106において呼び出されて実行される現実レース投票受付処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、CPU111は、現実レースのオッズを示す現実オッズデータをサーバ103から受信したか否かを判断する(ステップS160)。現実オッズデータを受信していないと判断した場合、ステップS160に処理を戻す。一方、現実オッズデータを受信したと判断した場合、CPU111は、RAM113に現実オッズデータを記憶する(ステップS161)。
【0105】
次に、CPU111は、ROM112からデモ画像用の画像データを読み出し、その画像データに基づいて、大型スクリーン149にデモ画像を表示する(ステップS162)。その後、CPU111は、サーバ103から受信した現実レース開催通知データに基づいて、各サテライト144の制御部240に対して、現実レースのオッズや出走表の表示命令を送信する(ステップS163)。制御部240のCPU241は、ROM242から各種の画像データを抽出し、その画像データに基づいて、ディスプレイ145に出走表を表示する。このとき、プレーヤは、サテライト144の操作パネル146を操作することにより、結果予想や、該結果予想に対するメダルのベット数等を入力することができる。
【0106】
次に、CPU111は、新たな現実レースのオッズを示す現実オッズデータをサーバ103から受信したか否かを判断する(ステップS164)。新たな現実オッズデータを受信したと判断した場合には、CPU111は、RAM113に既に記憶されている現実オッズデータに、新たな現実オッズデータを上書き記憶する(ステップS165)。
上述したステップS160又はS164の処理を実行するとき、CPU111は、現実レースのオッズを示す現実オッズデータを、サーバ103から通信回線104を介して受信する現実オッズ受信手段として機能する。
【0107】
ステップS164において、現実オッズデータを受信していないと判断した場合、又は、ステップS165の処理を実行した場合、CPU111は、プレーヤによる結果予想と該結果予想に対するメダルのベット数とに関する投票データが、サテライト144から入力されたか否かを判断する(ステップS166)。投票データがサテライト144から入力されたと判断した場合、CPU111は、投票データに含まれるメダルのベット数を制御装置200に送信する(ステップS167)。制御装置200のCPU201は、通信用インターフェイス回路204によりメダルのベット数を受信すると、RAM203に記憶された累積ベット数にそのベット数を加算して更新記憶する。
次に、CPU111は、投票データをサテライト144の識別番号とともに、RAM113に記憶する(ステップS168)。
【0108】
ステップS166において、投票データがサテライト144から入力されていないと判断した場合、又は、ステップS168の処理を実行した場合、CPU111は、投票を締め切るか否かを判断する(ステップS169)。
投票を締め切るタイミングは、特に限定されるものではなく、現実レースが開催されるタイミングに応じて適宜設定することが可能である。
【0109】
図17は、図12に示したサブルーチンのステップS107において呼び出されて実行される現実レース進行処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、CPU111は、現実レースの映像を表す現実映像データをサーバ103から受信したか否かを判断する(ステップS180)。なお、現実映像データは、現実レースが開催されているときにサーバ103から送信されるデータである。また、現実映像データにおける現実レースの映像としては、例えば、競馬場のメインスタンド側から見た映像、馬群に追従して馬群を俯瞰する映像を挙げることができる。
【0110】
現実映像データを受信していると判断した場合、CPU111は、現実映像データをRAM113にバッファリングし(ステップS181)、現実映像データに基づいて各馬の位置を認識する(ステップS182)。
現実映像データに基づいて各馬の位置を認識する方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の画像処理技術を用いることができる。例えば、現実レースの映像として、馬群に追従して馬群を俯瞰する映像がサーバ103から送信される場合、CPU111は、まず、その映像に含まれる各馬の騎手や勝負服を表す画像をマーキングし、その後、順次サーバ103から送信される映像におけるマーキングした画像の位置を認識することにより、各馬の位置を認識することができる。
なお、各馬の位置は、必ずしも厳密なものであったり正確なものであったりする必要はなく、例えば、各馬の順位のみを示すものであってもよい。従って、競馬場のメインスタンド側から見た映像がサーバ103から送信される場合、CPU111は、その映像に含まれる各馬の騎手や勝負服を表す画像をマーキングし、その後、順次サーバ103から送信される映像におけるマーキングした画像の位置から、各馬の順位として、各馬の順位を認識することとしてもよいのである。ステップS182において認識された各馬の位置を示すデータは、順次RAM113に更新記憶される。
【0111】
続いて、CPU111は、現実映像データに基づいて、大型スクリーン149に現実レースの映像を表示する(ステップS183)。このとき、各サテライト144に上記現実映像データを配信し、各サテライト144のディスプレイ145に、現実レースの映像を表示することとしてもよい。
このとき、CPU111は、ステップS100における切替処理の結果に応じて、サーバ103から受信した現実映像データに基づく現実レース(現実イベント)の映像を、大型スクリーン149に表示する制御を行う表示制御手段として機能する。
【0112】
次に、CPU111は、ステップS182における各馬の認識位置に基づいて、各模型体16の走行パターンを決定し、その走行パターンに基づいて走行装置10の走行を制御する制御信号を送信する(ステップS184)。上記走行パターンは、その時点における走行装置10の位置から各馬の認識位置へ走行装置10を走行させる走行装置10の経路及び速度である。なお、ステップS182において各馬の位置として各馬の順位を認識した場合には、その順位に合致するように各馬の位置を決定し、その位置へ走行装置10を走行させる制御信号を送信する。ステップS184では、図9を用いて説明したように、各走行装置10に対して、順に制御信号を送信する。その結果、走行する走行装置10に模型体16が牽引され、大型スクリーン149に表示される仮想レースの映像にあわせて走路板120上で模型体16が走行するのである。
【0113】
次に、走行装置10の位置を検出する(ステップS185)。ステップS185では、上述したように、各走行装置10に設けられた発振コイル35の発振を検出することにより、走行装置10の位置を検出する。
【0114】
次に、走行装置10の位置が、ステップS182における認識位置と合致しているか否かを判断する(ステップS186)。
ステップS186において、走行装置10の位置が、ステップS182における認識位置と合致しないと判断した場合、認識位置と走行装置10の位置との差異を算出し(ステップS187)、算出した結果に基づいて、各走行装置10の走行位置を補正する制御信号を送信する(ステップS188)。
ステップS186において、走行装置10の位置が、ステップS182における認識位置と合致したと判断した場合、又は、ステップS188の処理を実行した場合、レースが終了したか否かを判断する(ステップS189)。レースが終了していないと判断した場合、ステップS180に処理を戻す。一方、レースが終了したと判断した場合、全ての走行装置10をスタート位置まで走行させる処理等を行い、その後、本サブルーチンを終了する。
【0115】
次に、ゲーム装置100におけるオッズの設定について、図18〜図20を用いて説明する。ここでは、第1レースとしての仮想レースA、第2レースとしての現実レースA、第3レースとしての仮想レースBが、順に行われる場合について説明する。
以下においては、予め設定された設定還元率が95%であり、設定還元率を基準として所定範囲が90〜97%である場合について説明する。
【0116】
図18は、第1レースとしての仮想レースAのオッズを示す図である。
なお、図18〜図20では、上側左半分には、レースのオッズを示し、上側右半分には、レースに対するベット数を示している。また、下側左半分には、還元率、ベット数及び払出数の関係を示し、下側右半分には、着順とその着順及びオッズに基づく配当とを示している。本実施形態では、レースの結果予想の方法として、単勝(レースの1着を予想する)、馬連(レースの2着までに入る2頭の馬を予想する)及び馬単(レースの1着と2着とを予想する)を行うことが可能であるが、本発明において、レースの結果予想の方法としては特に限定されるものではない。
【0117】
第1レースとしての仮想レースAでは、レース還元率が、設定還元率と同じ値である95%に設定されている。また、このレースに対する総ベット数は7462枚である。
仮想レースAのオッズは、レース還元率とベット数とに基づいて設定されている。
この仮想レースAが行われると、総払出枚数は、総ベット数×レース還元率=7462枚×95%=7089枚となり、還元率は、設定通りに95%となる。
第1レース終了時点での累積ベット数は7462枚、累積払出数は7089枚であり、通算還元率は95%である。
【0118】
図19は、第2レースとしての現実レースAのオッズを示す図である。
現実レースAは、実際に行われるレースであり、その還元率は75%に設定されている。
また、このレースに対する総ベット数は12718枚である。
現実レースAのオッズは、実際に行われる競馬レースにおける還元率及び賭金に基づいて設定されていて、設定還元率(95%)及びメダルのベット数とは無関係に設定されている。この現実レースAが行われ、1着6番、2着1番となった場合、総払出数は、14162枚となり、還元率は、設定還元率を大きく上回って111.4%となる。
第2レース終了時点での累積ベット数は20180枚、累積払出数は21251枚であり、通算還元率は105.3%である。
【0119】
図20は、第3レースとしての仮想レースBのオッズを示す図である。
第2レース終了時点で、通算還元率(105.3%)が、設定還元率を基準とした所定範囲(90〜97%)に含まれなくなっているので、第3レースとしての仮想レースBでは、通算還元率(105.3%)が当該レース終了時点で設定還元率と合致するように、レース還元率が、設定還元率を下回る48.5%に設定されている。また、このレースに対する総ベット数は4480枚である。
仮想レースBのオッズは、レース還元率とベット数とに基づいて設定されている。この仮想レースが行われると、総払出数は、総ベット数×レース還元率=4480枚×48.5%=2173枚となり、還元率は、設定通りに48.5%となる。
第3レース終了時点の累積ベット数は24660枚、累積払出数は23423枚であり、通算還元率は95%である。
【0120】
このように、ゲーム装置100によれば、通算還元率が、設定還元率(95%)を基準とした所定範囲内(90〜97%)に含まれるときには、図18に示した仮想レースAのように、仮想レースのレース還元率を設定還元率と同じ値に設定する。
また、現実レースが行われるときには、図19に示した現実レースAのように、実際に行われる現実レースと同じオッズを用いる。
そして、図19に示したように、通算還元率(105.3%)が、設定還元率を基準とした所定範囲(90〜97%)に含まれなくなった場合には、図20に示した仮想レースBのように、通算還元率が設定還元率と合致するように、仮想オッズデータを生成する。
その結果、図20に示したように、設定還元率から大きく離れてしまった通算還元率を、設定還元率を基準とした所定範囲内に収束させることができ、現実レースのオッズを用いることによって通算還元率に変動が生じることを防止することができる。従って、遊技店側の収益を安定させることができる。
【0121】
本実施形態では、通算還元率が、設定還元率を基準とした所定範囲に含まれなくなった場合、次の仮想レースで、通算還元率が設定還元率と合致するようにレース還元率を設定する場合について説明したが、本発明は、通算還元率が設定還元率に近づくようにレース還元率を設定すればよく、必ずしも、通算還元率が設定還元率と合致するようにレース還元率を設定する必要はない。例えば、複数回の仮想レースにわたって、徐々に通算還元率が設定還元率に近づくようにレース還元率を設定することとしてもよい。
【0122】
本実施形態では、実際に行われる現実レースと略同時に、ゲーム装置100において現実レースの映像の表示が行われ、実際に行われる現実レースと同期して、ゲーム装置100において現実レースが進行する場合について説明したが、本発明は、この例に限定されるものではない。例えば、実際に行われる現実レースと略同時に、ゲーム装置100において現実レースの映像の表示を行い、その後、実際に行われる現実レースよりも遅く、ゲーム装置100において現実レースを進行させることとしてもよい。
【0123】
本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、各手段等の具体的構成は、適宜設計変更可能である。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0124】
【図1】本発明のゲーム装置を模式的に示す全体外観図である。
【図2】図1に示したゲーム装置を備えたゲームシステムを模式的に示すネットワーク構成図である。
【図3】図1に示したゲーム装置と走行装置との制御系の概略ブロック図である。
【図4】走路板の下方に配置された走行ルートを模式的に示す平面図である。
【図5】ゲーム装置から走行装置へ送信される制御信号の1フレームを示す波形図である。
【図6】図1に示したゲーム装置が備える走行装置の制御部を示すブロック図である。
【図7】図1に示したゲーム装置に設けられた位置検出ユニットと位置検出板とのブロック図である。
【図8】図7に示す位置検出ユニットに設けられたX軸位置検出回路を模式的に示す説明図である。
【図9】図1に示したゲーム装置に設けられた制御部において実行される走行装置制御処理を行うためのサブルーチンを示すフローチャートである。
【図10】図1に示したゲーム装置に設けられた制御部において実行される位置検出処理を行うためのサブルーチンを示すフローチャートである。
【図11】図1に示したゲーム装置に設けられたサテライトの制御回路を示すブロック図である。
【図12】ゲーム進行処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図13】制御装置において行われる処理を示すフローチャートである。
【図14】仮想レース投票受付処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図15】仮想レース進行処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図16】現実レース投票受付処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図17】現実レース進行処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図18】仮想レースのオッズの一例を示す図である。
【図19】現実レースのオッズの一例を示す図である。
【図20】仮想レースのオッズの他の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0125】
10 走行装置
100 ゲーム装置
101 ルータ
102 通信ネットワーク
103 サーバ
110 制御部
111 CPU
112 ROM
113 RAM
114 通信用インターフェイス回路
118 赤外線発光装置
119 位置検出ユニット
120 走路板
121 競争路
124、125 枠部
130 走行ルート
142 基台
144 サテライト
149 大型スクリーン
200 制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレーヤによる結果予想の対象となるイベントの映像として、実際に行われる現実イベントの映像又は仮想で行われる仮想イベントの映像を表示し、前記イベントの結果がプレーヤによる結果予想と合致した場合に、前記結果予想に対する遊技媒体のベット数と前記イベントの結果に定められたオッズとに基づいて遊技媒体の払出数を決定し、プレーヤにその数の遊技媒体を付与するゲーム装置であって、
前記現実イベントのオッズを示す現実オッズデータを、外部から通信回線を介して受信する現実オッズ受信手段と、
前記仮想イベント1回あたりの遊技媒体の還元率が、該還元率の目標値として設定された設定還元率を基準とした所定範囲内に含まれるように、前記仮想イベントのオッズを示す仮想オッズデータを生成する仮想オッズ生成手段と
を備え、
前記仮想オッズ生成手段は、遊技媒体の累積ベット数に対する累積払出数の割合である通算還元率が、前記設定還元率を基準とした所定範囲内に含まれなくなった場合には、通算還元率が前記設定還元率に近づくように、仮想オッズデータを生成することを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記イベントの映像を表示可能な表示手段と、
前記表示手段に表示するイベントの映像を、仮想イベントの映像とするか又は現実イベントの映像とするかの切替処理を行う映像表示切替手段と、
前記映像表示切替手段による切替処理の結果に基づいて、前記表示手段に、現実イベントの映像又は仮想イベントの映像を表示する制御を行う表示制御手段と
を備え、
前記表示制御手段は、前記表示手段に仮想イベントの映像を表示しているときに、現実イベントに関するデータを通信回線を介して受信した場合、該現実イベントの開催を予告するための予告画像を前記表示手段に表示し、
前記映像表示切替手段は、前記表示制御手段によって前記表示手段に予告画像が表示された後に、前記表示手段に表示される映像を、現実イベントの映像に切替える切替処理を行うことを特徴とする請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
プレーヤによる結果予想の対象となるイベントの映像として、実際に行われる現実イベントの映像又は仮想で行われる仮想イベントの映像を表示し、前記イベントの結果がプレーヤによる結果予想と合致した場合に、前記結果予想に対する遊技媒体のベット数と前記イベントの結果に定められたオッズとに基づいて遊技媒体の払出数を決定し、プレーヤにその数の遊技媒体を付与する複数のゲーム装置を制御する制御装置であって、
前記仮想イベント1回あたりの遊技媒体の還元率を、該還元率の目標値として設定された設定還元率を基準とした所定範囲内に含まれる値に設定する還元率設定手段と、
前記還元率設定手段により決定された仮想イベント1回あたりの還元率に基づいて前記ゲーム装置において仮想イベントのオッズを決定させるためのオッズ設定信号を、各ゲーム装置に送信する送信手段と
を備え、
前記還元率設定手段は、遊技媒体の累積ベット数に対する累積払出数の割合である通算還元率が、前記設定還元率を基準とした所定範囲内に含まれなくなった場合には、通算還元率が前記設定還元率に近づくように、仮想イベント1回あたりの遊技媒体の還元率を設定することを特徴とする制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2007−44129(P2007−44129A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−229441(P2005−229441)
【出願日】平成17年8月8日(2005.8.8)
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)
【Fターム(参考)】