説明

ゲーム装置用銃型コントローラ

【課題】小さな力により仮想現実感を大いに高めることができるゲーム装置用銃型コントローラを提供すること。
【解決手段】プレーヤに支持されることにより射撃方向が任意の方向に向けられるゲーム装置用銃型コントローラ20である。この銃型コントローラ20は、銃身部26と、銃身部26に設けられ、プレーヤに把持される第1のグリップ部28と、第1のグリップ部28に対して振動可能に設けられ、当該第1のグリップ部28とともにプレーヤに把持される振動部32と、第1のグリップ部28を把持する手で操作されるトリガ部30と、トリガ部30が操作されたことに基づいて、振動部32を振動させる動力部34と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置用銃型コントローラに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ディスプレイに表示された標的の画像を仮想的に射撃するゲーム装置に用いられる銃型コントローラが知られている。そしてこのようなゲーム装置用銃型コントローラの中には、実物の銃を射撃する際に発生する衝撃を擬似的に発生させることにより、射撃の際の仮想現実感を高めるようにしたものがある。このようなゲーム装置用銃型コントローラとして、例えばプレーヤが持ったときにプレーヤの肩に接触する部分である銃床部を振動させることにより、銃を射撃する際に発生する衝撃を擬似的に発生させるものがある。
【特許文献1】実公昭54−21920号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし従来のゲーム装置用銃型コントローラでは、その一部を振動させていることがプレーヤにわかってしまう態様で衝撃を発生させていたため、擬似的な衝撃であることが明らかとなってしまうという問題があった。一方、ゲーム装置用銃型コントローラの全体を振動させるようにすると、大きな力を発生させないとプレーヤに衝撃が伝わらないため大きな力を発生させる動力部が必要となるばかりか、コントローラの耐久性が低下するという問題が発生する。
【0004】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、小さな力により仮想現実感を大いに高めることができるゲーム装置用銃型コントローラを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)本発明は、
プレーヤに支持されることにより射撃方向が任意の方向に向けられるゲーム装置用銃型コントローラであって、
銃身部と、
前記銃身部に設けられ、プレーヤに把持される第1のグリップ部と、
前記第1のグリップ部に対して振動可能に設けられ、当該第1のグリップ部とともにプレーヤに把持される振動部と、
前記第1のグリップ部を把持する手で操作されるトリガ部と、
前記トリガ部が操作されたことに基づいて、前記振動部を振動させる動力部と、
を備えることを特徴とするゲーム装置用銃型コントローラに関係する。
【0006】
本発明では、第1のグリップ部を把持する手に振動部が接触するので、振動部が振動することによる衝撃を直接的にプレーヤの手に与えることができる。従って本発明によれば、動力部が発生させる力が小さなものであっても、プレーヤに効果的に衝撃を与えることによって仮想現実感を大いに高めることができる。
【0007】
(2)また本発明は、
プレーヤに支持されることにより射撃方向が任意の方向に向けられるゲーム装置用銃型コントローラであって、
銃身部と、
前記銃身部に設けられ、プレーヤの一方の手で把持される第1のグリップ部と、
前記銃身部に設けられ、プレーヤの他方の手で把持される第2のグリップ部と、
前記第1のグリップ部を把持する手で操作されるトリガ部と、
前記トリガ部が操作されたことに基づいて、前記第2のグリップ部を振動させる動力部と、
を備えることを特徴とするゲーム装置用銃型コントローラに関係する。
【0008】
本発明では、第1のグリップ部がプレーヤの一方の手で把持され、第2のグリップ部がプレーヤの他方の手で把持されるので、第2のグリップ部の振動が、第2のグリップ部以外の他の部分に対して相対化される。これにより本発明では、第2のグリップ部を振動させることによって、全体が振動しているかのようにプレーヤに感じさせることができる。従って本発明によれば、動力部が発生させる力が小さなものであっても、プレーヤに効果的に衝撃を与えることによって仮想現実感を大いに高めることができる。
【0009】
(3)また本発明は、
前記第1のグリップ部に対して振動可能に設けられ、当該第1のグリップ部とともにプレーヤに把持される振動部を更に備え、
前記動力部は、
前記トリガ部が操作されたことに基づいて、前記振動部を振動させるようにしてもよい。
【0010】
このようにすれば、振動部の振動によって第1のグリップ部を把持する手に衝撃を直接的に与えるとともに、第2のグリップ部の振動によって全体が振動しているかのようにプレーヤに感じさせることにより、動力部が発生させる力が小さなものであっても、プレーヤに更に効果的に衝撃を与えることによって仮想現実感を大いに高めることができる。
【0011】
(4)また本発明は、
前記振動部と前記第2のグリップ部とを連結する連結部を更に備えるようにしてもよい。
【0012】
このようにすれば、1つの動力源によって振動部と第2のグリップ部とを振動させることができる。
【0013】
(5)また本発明は、
前記第1のグリップ部は、
前記銃身部の下部に設けられ、
前記振動部は、
前記第1のグリップ部の上部後方に設けられているようにしてもよい。
【0014】
このようにすれば、実物の銃を射撃する際の衝撃の発生源となる銃身に近い部分において、振動部が振動することによる衝撃を直接的にプレーヤの手に与えることができる。従って本発明によれば、振動部の大きさを小さくしてもプレーヤに効果的に衝撃を与えることができるとともに、振動部の大きさを小さくすることにより動力部の振動部に対する力の伝達効率を上げることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0016】
1.全体構成
図1は、本実施形態のゲーム装置10の外観を示す斜視図である。図1に示すようにゲーム装置10の筐体12の正面上部には、画像を表示する表示部14が設けられており、この表示部14は、敵キャラクタなど標的となる画像を表示する。そして表示部14の左上と右上には、表示部14に対して所定の位置関係を有する発光部16がそれぞれ設けられており、この2つの発光部16は、ゲーム装置10の前方に向けて赤外光を出力する。
【0017】
また表示部14の下方からはケーブル18が延出しており、ケーブル18の先端には、実物の銃の形状を模した銃型コントローラ20が接続されている。従って図1に示すように、プレーヤは銃型コントローラ20を手で持って支える(支持の一例)ことにより、射撃方向を任意の方向に向けることができる。すなわち銃型コントローラ20は、ゲーム装置10に取り付けられることによりゲーム装置10に支持されるのではなく、ケーブル18を介してゲーム装置10に接続されてはいるが、プレーヤに支持されることによりプレーヤに銃型コントローラ20の重量が作用するようになっている。
【0018】
そして銃型コントローラ20の先端の銃口に相当する部分には、発光部16からの赤外光を受光して画像を撮像する撮像部22が設けられている。そして銃型コントローラ20の内部には、この撮像部22が撮像した画像(画素ごとの情報)が入力される回路(図示せず)が設けられており、この回路は撮像部22における赤外光の受光位置に基づいて、表示部14の表示領域24における銃型コントローラ20の指示位置を演算する。
【0019】
図2は、銃型コントローラ20を表示領域24に向けたときに撮像部22が撮像した画像の一例を示す図である。撮像部22は、矩形の面上に175×126の計22050個の受光素子(撮像素子)がマトリクス状に配列されており、1つの受光素子を1つの画素とする画像を撮像する。そして撮像部22は、画像を1/60秒ごとに銃型コントローラ20の位置、向きに応じて更新し、更新した画像を回路に出力する。
【0020】
すると回路は、入力された画像に基づいて、発光部16からの赤外光を撮像した領域である2つの受光領域A1、A2の画像における位置情報を用いて、表示領域24に対する銃型コントローラ20の指示位置の情報を演算する。詳細には回路は、図2に示すように、画像の中心点である原点Oを銃型コントローラ20が指示する点とし、原点Oと受光領域A1、A2との位置関係から、表示領域24における銃型コントローラ20の指示位置を演算する。
【0021】
図2の例では、画像の中央よりもやや上方において、2つの受光領域A1、A2を結ぶ直線lが画像の基準線L(撮像部22のX軸)に対して時計回りにω°回転した状態で、受光領域A1、A2が形成されている。従って図2の例では、原点Oは表示領域24の右下部の座標に対応させることができ、表示領域24における銃型コントローラ20の指示位置の座標を求めることができる。こうしてゲーム装置10は、図1に示すようにプレーヤが銃型コントローラ20を把持しながら手を動かしたりプレーヤが移動したりすることにより、銃型コントローラ20の位置、向きが変化しても、表示領域24上における銃型コントローラ20の指示位置を演算することができる。
【0022】
2.銃型コントローラの構成
2−1.第1の例の銃型コントローラ
次に第1の例の銃型コントローラ20の構成について説明する。本実施形態の銃型コントローラ20は、銃型コントローラ20の一部を他の部分に対して振動させることにより、実物の銃を射撃する際に発生する衝撃を擬似的に発生させ、仮想現実感を高めるようにしている。
【0023】
図3(A)は、第1の例の銃型コントローラ20の側面図である。なお以下の説明では、銃型コントローラ20の銃口がある部分に相当する先端部分が向く方向を前方とする。図3(A)に示すように第1の例の銃型コントローラ20は、ハンドガンタイプの銃の形状を模した形状を有しており、銃身部26と、銃身部26の下部に対して固定的に設けられ、プレーヤに把持される第1のグリップ部28とを有している。また銃身部26の下部であって第1のグリップ部28よりも前方には、第1のグリップ部28を把持する手の人差し指で操作されるトリガ部30が設けられている。そして銃型コントローラ20は、プレーヤが一方の手で第1のグリップ部28を把持してトリガ部30を操作するか、図1に示すように第1のグリップ部28を把持する手に他方の手を添えながら第1のグリップ部28を把持する手の人差し指でトリガ部30を操作するようにして使用される。
【0024】
そして図3(A)に示すように、第1のグリップ部28の上部後方には、第1のグリップ部28に対して前後方向に振動可能な振動部32が設けられている。この振動部32は、第1のグリップ部28とともにプレーヤに把持されることにより、第1のグリップ部28を把持する手に接触する。そして振動部32は、銃身部26の内部に設けられたロータリーソレノイド34(動力部の一例)に連結部36を介して連結されており、ロータリーソレノイド34により連結部36が前後方向に振動されることにより前後方向に振動される。
【0025】
連結部36は、その左右側面にローラ38を有しており、このローラ38が銃身部26の内部に前後方向に設けられた図示しないレールの上を転がることにより、銃型コントローラ20の内部で前後方向に滑らかにスライド可能となっている。そして銃型コントローラ20の内部には、連結部36の前方向へのスライドを規制する前方規制部40と、連結部36の後ろ方向へのスライドを規制する後方規制部42とが設けられており、連結部36の前後方向のスライド範囲に制限を設けている。
【0026】
本実施形態では、連結部36の前後方向のスライド範囲が2ミリとなるように前方規制部40と後方規制部42とが設けられているため、振動部32は2ミリの範囲で前後方向に振動することができる。ここで振動部32は、図3(A)に示すように連結部36が前方規制部40に接触しているときは、プレーヤの手に接触する振動部32の表面が第1のグリップ部28の表面と連続する面を形成するように設けられており、図3(B)に示すように連結部36が後方規制部42に接触しているときは、プレーヤの手に接触する振動部32の表面が第1のグリップ部28の表面から後方に2ミリ突出するように設けられている。
【0027】
ロータリーソレノイド34は、図3(B)に示すようにトリガ部30が引かれることにより作動するスイッチによって通電されると、その回転軸44を90°の範囲で正転、反転を繰り返すように回転させる。するとロータリーソレノイド34の回転軸44の回転力は、ロータリーソレノイド34と連結部36の接続部分の機構(図示せず)によって前後方向に連結部36を押す力に変換される。これによりロータリーソレノイド34は、連結部36が前後方向に往復してスライドするように連結部36を振動させる。
【0028】
このようにして振動部32が振動すると、図3(B)に示すように振動部32は、第1のグリップ部28を把持するプレーヤの手の親指付け根に相当する母子球に対して、後方に向かう衝撃を直接的に与える。すなわち振動部32は、銃型コントローラ20に接触しているプレーヤの部位である一方の手の手のひら(掌)のうち、実物の銃の射撃による衝撃の発生源となる銃身部26の後部に近く、実物の銃の射撃による衝撃のように後方に向けて発生する衝撃を受けることができる母子球に対して、衝撃を与える。従って第1の例の銃型コントローラ20によれば、ロータリーソレノイド34が発生させる力が小さなものであっても、上述のように振動部32を振動させることによりプレーヤに効果的に衝撃を与えることによって、仮想現実感を大いに高めることができる。
【0029】
なおロータリーソレノイド34は、トリガ部30が1回引かれる毎に1回(1往復)の振動を発生させるように動作するようにしてもよいし、トリガ部30が引かれている間は連続的に振動を発生させるように動作するようにしてもよい。前者の場合には、ハンドガンやセミオート銃の射撃による衝撃を表現することができ、後者の場合には、フルオート銃の射撃による衝撃を表現することができる。
【0030】
2−2.第2の例の銃型コントローラ
図4(A)は、第2の例の銃型コントローラ50の側面図である。図4(A)に示すように第2の例の銃型コントローラ50は、サブマシンガンタイプの銃の形状を模した形状を有しており、銃身部52と、銃身部52の下部に対して固定的に設けられ、プレーヤに把持される第1のグリップ部54とを有している。また銃身部52の下部であって第1のグリップ部54よりも前方には、第1のグリップ部54を把持する手の人差し指で操作されるトリガ部56が設けられている。そして銃身部52の下部であってトリガ部56よりも前方には、第1のグリップ部54を把持する手ではない方の手で把持される第2のグリップ部58が設けられている。そして銃型コントローラ50は、図4(B)に示すように、プレーヤが一方の手で第1のグリップ部54を把持してトリガ部56を操作し、他方の手で第2のグリップ部58を把持して銃身部52を支えるようにして使用される。
【0031】
この第2のグリップ部58は、銃身部52に対して前後方向に振動可能に設けられており、銃身部52の内部に設けられたロータリーソレノイド60(動力部の一例)に連結部62を介して連結されている。これにより第2のグリップ部58は、ロータリーソレノイド60により連結部62が前後方向に振動されることにより前後方向に振動される。
【0032】
ここで連結部62とロータリーソレノイド60の動作や作用などは、上述した第1の例の銃型コントローラ20と同様であるので重複する説明を省略するが、第2の例の銃型コントローラ50では、連結部62の前後方向のスライド範囲が2ミリとなるように前方規制部64と後方規制部66とが設けられていることにより、第2のグリップ部58が銃身部52に対して2ミリの範囲で前後方向に振動することができる。
【0033】
このようにして第2のグリップ部58が振動すると、図4(B)に示すように第2のグリップ部58は、第2のグリップ部58を把持するプレーヤの手に対して、後方に向かう衝撃を直接的に与える。すなわち第2のグリップ部58は、銃型コントローラ50に接触しているプレーヤの部位である左右の手のうち、一方の手に対して衝撃を与える。しかし第2の例の銃型コントローラ50では、図4(B)に示すように、第1のグリップ部54がプレーヤの一方の手で把持され、第2のグリップ部58がプレーヤの他方の手で把持されるので、第2のグリップ部58の振動が、第2のグリップ部58以外の他の部分に対して相対化される。
【0034】
すなわち第2の例の銃型コントローラ50も第1の例の銃型コントローラ20と同様に、プレーヤに支持されることによりプレーヤに銃型コントローラ50の重量が作用するようになっているので、プレーヤにとっては、第2のグリップ部58を固定すれば第1のグリップ部54を含むその他の部分が振動しているように感じられ、第1のグリップ部54を固定すれば第2のグリップ部58が振動しているように感じられる。しかしプレーヤが、一方の手で第1のグリップ部54を把持し、他方の手で第2のグリップ部58を把持することにより銃型コントローラ50を支持すると、いずれが振動しているのか解りにくくなる。
【0035】
これにより第2の例の銃型コントローラ50では、第2のグリップ部58を振動させることによって、全体が振動しているかのようにプレーヤに感じさせることができる。従って第2の例の銃型コントローラ50によれば、ロータリーソレノイド60が発生させる力が小さなものであっても、上述のように第2のグリップ部58を振動させることによりプレーヤに効果的に衝撃を与えることによって、仮想現実感を大いに高めることができる。
【0036】
2−3.第3の例の銃型コントローラ
図5(A)は、第3の例の銃型コントローラ70の側面図である。図5(A)に示すように第3の例の銃型コントローラ70は、第2の例の銃型コントローラ50と同様に、サブマシンガンタイプの銃の形状を模した形状を有しており、銃身部72と、第1のグリップ部74と、トリガ部76と、銃身部72に対して前後方向に振動可能な第2のグリップ部78とを有している。そして第3の例の銃型コントローラ70は第1の例の銃型コントローラ20と同様に、第1のグリップ部74の上部後方に、第1のグリップ部74に対して前後方向に振動可能な振動部80が設けられている。
【0037】
そして振動部80と第2のグリップ部78とは、銃身部72の内部に設けられたロータリーソレノイド82(動力部の一例)に連結部84を介して連結されており、ロータリーソレノイド82により連結部84が前後方向に振動されることにより前後方向に振動される。すなわち第3の例の銃型コントローラ70では、振動部80と第2のグリップ部78とは、1つのロータリーソレノイド82により同期して振動される。
【0038】
ここで連結部84とロータリーソレノイド82の動作や作用などは、上述した第1の例の銃型コントローラ20と同様であるので重複する説明を省略するが、第3の例の銃型コントローラ70では、連結部84の前後方向のスライド範囲が2ミリとなるように前方規制部86と後方規制部88とが設けられていることにより、振動部80が第1のグリップ部74に対して、第2のグリップ部78が銃身部72に対して、それぞれ2ミリの範囲で前後方向に振動することができる。
【0039】
このようにして振動部80が振動すると、図5(B)に示すように振動部80は、第1のグリップ部74を把持するプレーヤの手の手のひらの親指付け根に相当する母子球に対して、後方に向かう衝撃を直接的に与える。更にこれに同期して第2のグリップ部78が振動すると、図5(B)に示すように第2のグリップ部78は、第2のグリップ部78を把持するプレーヤの手に対して、後方に向かう衝撃を直接的に与える。これにより一方の手で第1のグリップ部74を把持し、他方の手で第2のグリップ部78を把持したプレーヤは、実物の銃の射撃による衝撃の発生源となる銃身部72の後部に近く、実物の銃の射撃による衝撃のように後方に向けて発生する衝撃を受けることができる第1のグリップ部74を把持する手の母子球において直接的な衝撃を受けるとともに、第1のグリップ部74を把持する手と第2のグリップ部78を把持する手において相対的な衝撃を受ける。
【0040】
すなわち第3の例の銃型コントローラ70は、第3の例の銃型コントローラ70に接触しているプレーヤの部位である一方の手の一部(母子球)に対して衝撃を与えつつ、両手に対して相対的な衝撃を同期させて与える。従って第3の例の銃型コントローラ70によれば、ロータリーソレノイド82が発生させる力が小さなものであっても、上述のように振動部80と第2のグリップ部78とを振動させることによりプレーヤに効果的に衝撃を与えることによって、仮想現実感を大いに高めることができる。
【0041】
3.機能ブロック
図6は、本実施形態のゲーム装置10の機能を示すブロック図である。なお、図6の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0042】
銃型コントローラ20、50、70は、検出部90と、動力部92と、撮像部22と、位置演算部94とを含む。
【0043】
検出部90は、トリガ部30、56、76が引かれたことを検出するものであり、その機能は通電状態と非通電状態とを切り替えるスイッチなどにより実現することができる。
【0044】
動力部92は、トリガ部30、56、76が引かれたことに基づいて動力を発生させるものであり、その機能はロータリーソレノイドなどの各種のソレノイドやモータなどにより実現することができる。
【0045】
撮像部22は、図1で示した発光部16が出力した赤外光を受光することにより画像を撮像するものであり、その機能はCMOSセンサやCCDセンサなどの各種の撮像センサにより実現することができる。
【0046】
位置演算部94は、撮像部22が撮像した画像に基づいて、表示領域24における銃型コントローラ20の指示位置を演算するものであり、その機能は各種プロセッサ又は通信用の集積回路(ASIC)などのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
【0047】
発光部16は、表示領域24における銃型コントローラ20、50、70の指示位置を演算するために、表示領域24に対して所定の位置関係を有するように配置されるものであり、その機能は、赤外光を出力する赤外光LEDなどにより実現することができる。
【0048】
表示部14は、表示領域24において画像を表示出力するものであり、その機能は、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどにより実現できる。具体的には表示部14は、銃型コントローラ20、50、70による射撃の対象となる敵キャラクタなどの標的画像を表示する。
【0049】
音出力部96は、音を出力するものであり、その機能は、スピーカ、ヘッドフォンなどにより実現できる。
【0050】
情報記憶媒体98(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、或いはメモリ(ROM)などにより実現できる。
【0051】
この情報記憶媒体98には、処理部110において種々の処理を行うためのプログラムやデータが記憶されている。即ち、この情報記憶媒体98には、本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)が記憶されている。
【0052】
記憶部100は、処理部110や通信部108などのワーク領域となるもので、その機能はRAMやVRAMなどにより実現できる。そして、本実施形態の記憶部100は、処理部110のワーク領域として使用される主記憶部102と、表示部14に表示させる画像が描画される描画バッファ104と、オブジェクトのモデルデータが読み込まれるオブジェクトデータ記憶部106と、を含む。
【0053】
通信部108は、外部(例えばサーバや他の携帯端末)との間で通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用の集積回路(ASIC)などのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
【0054】
なお、本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(データ)は、ホスト装置(サーバ)が有する情報記憶媒体98からネットワーク及び通信部108を介して情報記憶媒体98(記憶部100)に配信してもよい。このようなホスト装置(サーバ)の情報記憶媒体98の使用も本発明の範囲内に含めることができる。
【0055】
処理部110(プロセッサ)は、検出部90や位置演算部94からのデータやプログラムなどに基づいて、ゲーム処理、画像生成処理、音生成処理などの処理を行う。この処理部110は、主記憶部102をワーク領域として各種処理を行い、その機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、各種集積回路(IC、ASIC)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。
【0056】
特に、本実施形態の処理部110は、ゲーム処理部112、表示制御部114、描画部120、音生成部130を含む。なお、これらの一部を省略する構成としてもよい。
【0057】
ゲーム処理部112は、ゲーム開始条件が満たされた場合にゲームを開始する処理、ゲームを進行させる処理、ゲーム結果を演算する処理、或いはゲーム終了条件が満たされた場合にゲームを終了する処理などを行う。特に本実施形態では、トリガ部30、56、76が引かれたときに銃型コントローラ20、50、70が指示している表示領域24における位置が、敵キャラクタなどの標的画像を表示させている位置と一致するか否かを判定する。そして一致していると判定した場合には、標的画像に銃弾が当たったことを示す演出画像を表示させる。
【0058】
表示制御部114は、表示部14に表示される画像(オブジェクト画像)の表示制御を行う。具体的には、表示すべきオブジェクト(標的、建物、樹木、柱、壁、マップ)を発生させたり、オブジェクトの表示や表示位置を指示したり、オブジェクトを消滅させたりするなどの表示制御を行う。即ち発生したオブジェクトをオブジェクトリストに登録したり、オブジェクトリストを描画部120等に転送したり、消滅したオブジェクトをオブジェクトリストから削除したりするなどの表示制御を行う。
【0059】
特に本実施形態のゲームシステムでは、ゲーム空間を3次元のオブジェクト空間によって設定するようになっており、表示制御部114は、オブジェクト空間設定処理、仮想カメラ制御処理なども行う。
【0060】
描画部120は、処理部110で行われる種々の処理(ゲーム処理)に基づいて画像を描画する処理を行い、描画した画像を表示部14に出力するものであり、その機能は、描画プロセッサ(GPU)などのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。ここで描画部120が描画する画像は、いわゆる2次元画像であってもよいし、3次元画像であってもよい。具体的には描画部120は、表示制御部114により転送されたオブジェクトリストに応じたオブジェクトをオブジェクトデータ記憶部106などから読み出し、ピクセル単位で画像情報を記憶できる描画バッファ(フレームバッファあるいは中間バッファなどのバッファ。VRAM。)にオブジェクトを描画する。
【0061】
音生成部130は、処理部110で行われる種々の処理の結果に基づいて音処理を行い、BGM、効果音、又は音声などのゲーム音を生成し、音出力部96に出力する。
【0062】
なお、本実施形態の画像生成システムは、1人のプレーヤのみがプレイできるシングルプレーヤモード専用のシステムにしてもよいし、複数のプレーヤがプレイできるマルチプレーヤモードも備えるシステムにしてもよい。また複数のプレーヤがプレイする場合に、これらの複数のプレーヤに提供するゲーム画像やゲーム音を、1つの端末を用いて生成してもよいし、ネットワーク(伝送ライン、通信回線)などで接続された複数の端末(ゲーム機、携帯電話)を用いて分散処理により生成してもよい。
【0063】
4.変形例
上記実施形態で説明した手法は、一例を示したに過ぎず、上記実施形態の手法と同様の効果を奏する均等な手法を採用した場合においても本発明の範囲に含めることができる。また本発明は、上記実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。そして上記実施形態の手法や、変形例として後述する各種の手法は、本発明を実現する手法として適宜組み合わせて採用することができる。
【0064】
例えば上述した実施形態では、ゲーム装置10と銃型コントローラ20、50、70とがケーブル18により接続されている例を挙げて説明したが、ゲーム装置10と銃型コントローラ20、50、70との間で無線通信により情報を送受信することにより、ケーブル18を省略するようにしてもよい。
【0065】
また上述した実施形態では、発光部16が表示部14の上方に配置された例を挙げて説明したが、発光部16の配置位置は、表示部14の下方や側方など任意の位置とすることができる。すなわち発光部16は、銃型コントローラ20、50、70が表示部14の表示領域24を指示した場合に銃型コントローラ20、50、70の撮像部22が発光部16からの光を受光できる範囲に配置されていればよい。
【0066】
また上述した実施形態では、表示部14の周辺に発光部16が設けられ、銃型コントローラ20、50、70の先端に撮像部22が設けられた例を挙げて説明したが、表示部14の周辺に撮像部22が設けられ、銃型コントローラ20、50、70の先端に発光部16が設けられるようにしてもよい。この場合には、表示領域24における銃型コントローラ20、50、70の指示位置を演算する位置演算部94は、銃型コントローラ20、50、70の内部ではなく、ゲーム装置10の筐体12の内部に設けるようにすることができる。そしてこの場合には、銃型コントローラ20、50、70を振動させることにより撮像部22や位置演算部94などの精密機器が破損することを避けることができる。
【0067】
また上述した実施形態では、振動部80と第2のグリップ部78とを振動させる場合に、両者を連結部84により連結して1つのロータリーソレノイド82により両者を振動させる例を挙げて説明したが、振動部80と第2のグリップ部78とに対して別の動力部92をそれぞれ設けるようにしてもよい。
【0068】
そして本発明は、例えば業務用ゲームシステム、家庭用ゲームシステム、多数のプレーヤが参加する大型アトラクションシステム、シミュレータ等の種々の形態のゲーム装置に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本実施形態のゲーム装置の外観を示す斜視図。
【図2】本実施形態のゲーム装置の位置演算手法を説明するための図。
【図3】本実施形態の銃型コントローラの側面図。
【図4】本実施形態の銃型コントローラの側面図。
【図5】本実施形態の銃型コントローラの側面図。
【図6】本実施形態のゲーム装置の機能ブロック図。
【符号の説明】
【0070】
10 ゲーム装置、12 筐体、14 表示部、16 発光部、18 ケーブル、
20 第1の例の銃型コントローラ、22 撮像部、24 表示領域、26 銃身部、
28 第1のグリップ部、30 トリガ部、32 振動部、34 ロータリーソレノイド、36 連結部、38 ローラ、40 前方規制部、42 後方規制部、44 回転軸、50 第2の例の銃型コントローラ、52 銃身部、54 第1のグリップ部、56 トリガ部、58 第2のグリップ部、60 ロータリーソレノイド、62 連結部、64 前方規制部、66 後方規制部、70 第3の例の銃型コントローラ、72 銃身部、74 第1のグリップ部、76 トリガ部、78 第2のグリップ部、80 振動部、82 ロータリーソレノイド、84 連結部、86 前方規制部、88 後方規制部、90 検出部、92 動力部、94 位置演算部、96 音出力部、98 情報記憶媒体、100 記憶部、108 通信部、110 処理部、112 ゲーム処理部、114 表示制御部、120 描画部、130 音生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレーヤに支持されることにより射撃方向が任意の方向に向けられるゲーム装置用銃型コントローラであって、
銃身部と、
前記銃身部に設けられ、プレーヤに把持される第1のグリップ部と、
前記第1のグリップ部に対して振動可能に設けられ、当該第1のグリップ部とともにプレーヤに把持される振動部と、
前記第1のグリップ部を把持する手で操作されるトリガ部と、
前記トリガ部が操作されたことに基づいて、前記振動部を振動させる動力部と、
を備えることを特徴とするゲーム装置用銃型コントローラ。
【請求項2】
プレーヤに支持されることにより射撃方向が任意の方向に向けられるゲーム装置用銃型コントローラであって、
銃身部と、
前記銃身部に設けられ、プレーヤの一方の手で把持される第1のグリップ部と、
前記銃身部に設けられ、プレーヤの他方の手で把持される第2のグリップ部と、
前記第1のグリップ部を把持する手で操作されるトリガ部と、
前記トリガ部が操作されたことに基づいて、前記第2のグリップ部を振動させる動力部と、
を備えることを特徴とするゲーム装置用銃型コントローラ。
【請求項3】
請求項2において、
前記第1のグリップ部に対して振動可能に設けられ、当該第1のグリップ部とともにプレーヤに把持される振動部を更に備え、
前記動力部は、
前記トリガ部が操作されたことに基づいて、前記振動部を振動させることを特徴とするゲーム装置用銃型コントローラ。
【請求項4】
請求項3において、
前記振動部と前記第2のグリップ部とを連結する連結部を更に備えることを特徴とするゲーム装置用銃型コントローラ。
【請求項5】
請求項1、3、4のいずれかにおいて、
前記第1のグリップ部は、
前記銃身部の下部に設けられ、
前記振動部は、
前記第1のグリップ部の上部後方に設けられていることを特徴とするゲーム装置用銃型コントローラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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