ゲーム装置
【課題】本物のサイコロを使用してコンピュータが内部的に勝ち負けを操作しているといった印象をプレイヤに対して与えることなく、実際には業務用として要求される勝ち負けを制御することを可能にする。
【解決手段】出目の確率が調整された複数のサイコロを個別に格納するサイコロ格納庫と、サイコロ格納庫に格納されたサイコロの何れかを選択する振り出しサイコロ選択部50bと、選択されたサイコロを投下する投下制御部50cと、投下制御部50cにより投下されたサイコロの画像を撮影するカメラ23と、カメラ23により撮影された画像もとにサイコロの出目を検出するサイコロ出目検出部50dと、投下制御部50cにより投下されたサイコロをサイコロ格納庫に回収するサイコロ回収制御部50fを有する。
【解決手段】出目の確率が調整された複数のサイコロを個別に格納するサイコロ格納庫と、サイコロ格納庫に格納されたサイコロの何れかを選択する振り出しサイコロ選択部50bと、選択されたサイコロを投下する投下制御部50cと、投下制御部50cにより投下されたサイコロの画像を撮影するカメラ23と、カメラ23により撮影された画像もとにサイコロの出目を検出するサイコロ出目検出部50dと、投下制御部50cにより投下されたサイコロをサイコロ格納庫に回収するサイコロ回収制御部50fを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイコロを使用したゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アミューズメント施設のメダルコーナや外国のカジノ施設などには、メダルを扱ったギャンブル的な遊びを提供するゲーム装置が設置されている。この種、ゲーム装置には、ディーラーと呼ばれる人間の進行役を排除して、コンピュータによって代替させているものがある。例えば、ルーレットやカードゲーム、またサイコロゲームなどを提供するゲーム装置がある。
【0003】
サイコロを利用したゲーム装置(電子装置)は、例えば特許文献1に記載されている。特許文献1に記載された電子装置は、市販のサイコロの出目を判定でき、更には同時に複数のサイコロを使用した場合でも出目の判定を行うことができる。電子装置は、サイコロがボックス内で転がされると、その下面に記された点を撮像部により撮像し、画像情報に基づく撮像面の所定領域内における点の特徴、点の数、及び点の配置状態を判定条件にして出目を確定する。
【特許文献1】特開2005−165881号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のサイコロを使用したゲーム装置においては、コンピュータによる制御を介在させると、プレイヤに対してコンピュータが内部的に勝ち負けを操作をしているという不信感を与えてしまうため、ゲームの面白さを低減させていた。これに対して、特許文献1に記載された電子装置のように実際のサイコロを使用すればプレイヤに対して不信感を与えることはないが、基本的にサイコロの出目の確率が一定となってしまい業務用のゲーム装置として利用することができなくなってしまう。すなわち、業務用のゲーム装置では、利益を出すために出目を調整してゲームの勝ち負けを制御する必要があるが、実物のサイコロを使用すると勝ち負けを制御することが困難となってしまう。
【0005】
本発明は前述した事情に考慮してなされたもので、その目的は、本物のサイコロを使用してコンピュータが内部的に勝ち負けを操作しているといった印象をプレイヤに対して与えることなく、実際には業務用として要求される勝ち負けを制御することが可能なサイコロを使用したゲーム装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、出目の確率が調整された複数のサイコロを個別に格納するサイコロ格納庫と、前記サイコロ格納庫に格納されたサイコロの何れかを選択する振り出しサイコロ選択手段と、前記振り出しサイコロ選択手段により選択されたサイコロを投下する投下制御手段と、前記投下制御手段により投下されたサイコロの画像を撮影する撮影手段と、前記撮影手段により撮影された画像もとにサイコロの出目を検出するサイコロ出目検出手段と、前記前記投下制御手段により投下されたサイコロを前記サイコロ格納庫に回収する回収手段とを具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、本物のサイコロを使用してコンピュータが内部的に勝ち負けを操作しているといった印象をプレイヤに対して与えることなく、実際には業務用として要求される勝ち負けを制御することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態におけるゲーム装置10の外観構成を示す図である。図1(a)はゲーム装置10の上面図、図1(b)は側面図
を示している。本実施形態におけるゲーム装置10は、サイコロを使用したメダルゲーム装置であり、サイコロの出目をベット(予想)して、当たった場合にベットしたメダル枚数に応じた所定枚数のメダルの払い出しをする装置である。本実施形態るゲーム装置10は、例えばゲームセンタなどの遊技施設に設置される業務用として構成される。
【0009】
図1(a)(b)に示すように、ゲーム装置10は、ほぼ縦長の直方形をしており、上部筐体をサイコロが落下されるゲームフィールドとして使用し、下部筐体を制御機能の収容のために使用している。上部筐体の1つの側面部には、落下されたサイコロを上部に設けられた天井ユニット20内のサイコロ格納庫27(詳細については後述する)に回収するための回収ユニット12が設けられている。下部筐体の回収ユニット12が設けられていない3つの側面部には、それぞれ操作パネル14(14a,14b,14c)が設けられている。操作パネル14は、ゲーム装置10を利用するプレイヤが操作するためのもので、例えばタッチパネルディスプレイ15、メダル投入口16、ボタン17等が設けられている。また、操作パネル14の下方部には、メダルの払い出しのためのメダル払い出し口26が設けられている。
【0010】
また、図1(b)に示すように、上部筐体の最上部には、天井ユニット20が設けられている。天井ユニット20には、複数のサイコロを格納するためのサイコロ格納庫27が収容されており、このサイコロ格納庫27に格納されたサイコロがサイコロ投下口24から下方に落下される。サイコロ投下口24から投下されたサイコロは、上部筐体内のゲームフィールドの底部に設置されたサイコロテーブル25の上に載置される。上部筐体の側面部は、透明のアクリル板21によって覆われており、落下するサイコロにプレイヤが触れられないようにすると共に、サイコロがサイコロテーブル25外に飛び出さないようにしている。サイコロ投下口24の近傍には、落下されたサイコロの画像を撮影するためのカメラ23が装着されている。カメラ23は、サイコロテーブル25の全面を撮影範囲として画像の撮影を行う。サイコロテーブル25は、サイコロ投下口24から投下されたサイコロが載置されると共に、投下されたサイコロを回収するためのものである。
【0011】
図2は、ゲーム装置10の筐体内に収納されている回収ユニット12の概略構成を示す側面図である。
サイコロテーブル25の下方部には、ベルトコンベア30が設置されている。ベルトコンベア30には、サイコロテーブル25に載置されていたサイコロが落下される。ベルトコンベア30は、サイコロテーブル25からのサイコロを、サイコロカーゴ31に搬送する方向に駆動される。
【0012】
サイコロカーゴ31は、ベルトコンベア30によって搬送されたサイコロを回収する。サイコロカーゴ31は、カーゴ搬送機構32によって上下方向に搬送させることができる。カーゴ搬送機構32は、ゲーム装置10の上部筐体の最上下部に2つのローラ32a,32bが取り付けられ、2つのローラ32a,32bの間にベルト32cが巻回されている。サイコロカーゴ31は、ベルト32cに装着されており、ローラ32a,32bの回転によってベルト32cが上下方向に移動するに伴って搬送される。サイコロカーゴ31は、サイコロテーブル25に載置されたサイコロを回収する際には最下部に位置し、サイコロの回収が終了した後にサイコロ格納庫27の位置まで上昇される。サイコロカーゴ31は、サイコロ格納庫27の位置まで上昇されると傾斜されて、中に回収されていたサイコロをサイコロ格納庫27に移し替える。その後、サイコロカーゴ31は、サイコロテーブル25に載置されたサイコロを回収するために最下部に移動される。
【0013】
図3は、図2におけるサイコロテーブル25の詳細な構成を示す図である。
図3(a)に示すように、サイコロテーブル25は、サイコロ投下口24から投下されたサイコロが中央部の平面に集まるように周囲を傾斜させて高くしている。これにより、サイコロ投下口24から大量のサイコロが投下された場合であっても、全てのサイコロを中央部に集めて、カメラ23による撮影範囲に収めることができる。
【0014】
図3(b)に示すように、サイコロテーブル25の平面部は、ほぼ正方形であり、複数の開閉軸35が平行に配設されている。各開閉軸35には、細長い板状の開閉板36が取り付けられている。開閉軸35は、通常時には開閉板36を水平状態とする位置に固定されている。これにより、サイコロ投下口24から投下されたサイコロを載置させることができる。サイコロテーブル25に載置されたサイコロを回収する場合、開閉軸35は、図3(c)に示すように90°回転されて、開閉板36を垂直状態にする。これにより、サイコロテーブル25に載置されたサイコロを、下方に設置されたベルトコンベア30に落下させることができる。
【0015】
図4は、サイコロ格納庫27の詳細な構成を示す図である。図4(a)は、サイコロ格納庫27の平面図、図4(b)は、サイコロ格納庫27の側面図である。
【0016】
図4(a)に示すように、サイコロ格納庫27には、回転可能なターンテーブル40上に複数の個別格納庫41〜46,47a,47bが設けられている。図4(a)に示す例は、例えば8つの個別格納庫41〜46,47a,47b、すなわち1用格納庫41、2用格納庫42、3用格納庫43、4用格納庫44、5用格納庫45、6用格納庫46、N1格納庫47a、N2格納庫47bが設けられている。各個別格納庫には、サイコロが格納される。1用格納庫41、2用格納庫42、3用格納庫43、4用格納庫44、5用格納庫45、及び6用格納庫46は、それぞれ出目の確率が調整されたサイコロを個別に格納するための個別格納庫である。例えば、1用格納庫41には、「1」の出目が出やすいように構成されたサイコロを格納するために使用される。出目の確率を調整する構成としては、例えばサイコロの内部に中心位置を外して重りを埋め込み、重心位置を出目の確率を高くしようとする特定の目の面と反対側の面側に移動させるようにする。同様にして、2用格納庫42、3用格納庫43、4用格納庫44、5用格納庫45、及び6用格納庫46は、それぞれ「2」「3」「4」「5」「6」の出目が出やすいように構成されたサイコロを格納するために使用される。
【0017】
個別格納庫には、複数のサイコロを格納することができる。例えば大量のサイコロを格納することができるものとする。具体的には、1000個のサイコロを格納可能として、サイコロ投下口24から一気に投下させることができるようにする。個別格納庫に格納される複数のサイコロは、全て出目が調整されたサイコロとするのではなく、出目が調整されていないサイコロ(各出目の確率が1/6)を混在させておくものとする。例えば、1用格納庫41には、1000個のサイコロのうち200個を「1」の目が出やすいサイコロとする。これにより、1000個のサイコロがサイコロ投下口24から投下された場合に、例えば、大部分のサイコロが同じ出目となるといった出目の偏りが出ないようにして、プレイヤに対して出目の調整が行われている印象を与えないようにする。
【0018】
N1格納庫47aとN2格納庫47bは、出目の確率が調整されていないサイコロのみを格納するために使用される。通常は、N1格納庫47aまたはN2格納庫47bに格納されたサイコロを用いてゲームを実行し、例えばペイアウト率の調整のために出目を操作する必要がある場合に、個別格納庫41〜46の何れかに格納されたサイコロがゲームに使用されるものとする。N1格納庫47aとN2格納庫47bにおいても、個別格納庫41〜46に格納されるサイコロと同数のサイコロが格納される。
【0019】
図4(b)に示すように、個別格納庫が位置する何れか一箇所において、格納庫内のサイコロを投下させるための解放機構48が設けられている。解放機構48は、開閉板49を開閉するための機構であり、開状態にすることで、上部に位置する個別格納庫に格納されたサイコロを投下させる。以下、解放機構48によってサイコロが投下される位置を投下位置として説明する。投下位置は、サイコロを投下する位置であると共に、サイコロカーゴ31によって回収されたサイコロの移し替えが行われる位置である。例えば、1用格納庫41がターンテーブル40によって投下位置にまで回転され、この1用格納庫41に格納されたサイコロが解放機構48によって投下される。投下されたサイコロは、サイコロテーブル25から回収ユニット12によってサイコロカーゴ31に回収され、図4(b)に示すように、投下位置にある個別格納庫に戻される。すなわち、個別格納庫に格納されるサイコロは、投下された後、元の個別格納庫に回収されるようになっている。
【0020】
図5は、本実施形態におけるサイコロを使用したゲーム装置10の機能構成を示すブロック図である。
図5に示すように、ゲーム装置10には、制御部50、記憶部52、表示部53、音出力部54、操作部55、及びメダル検知部56が設けられている。
【0021】
制御部50は、CPUやメモリ(RAM、ROM)を含んで構成されるもので、ゲームプログラム52aを実行することにより各種の機能を実現してゲーム装置10全体を制御する。制御部50において実現される機能としては、ゲーム制御部50a、振り出しサイコロ選択部50b、投下制御部50c、サイコロ出目検出部50d、演算部50e、サイコロ回収制御部50fがある。
【0022】
ゲーム制御部50aは、実物のサイコロを用いたゲームを制御する。ゲーム制御部50aには、サイコロゲームを実行するために設定部50a1、判定部50a2、及び支払い部50a3が設けられる。設定部50a1は、投下制御部50cの制御によりサイコロ格納庫27から投下されるサイコロの出目の予想を入力して設定する。判定部50a2は、サイコロテーブル25上に載置された画像からサイコロ出目検出部50dにより検出された出目をもとに、設定部50a1により設定された予想を判定する。支払い部50a3は、判定部50a2により予想が当たったことが判定された場合に、予想の設定に対する支払いを行う。本実施形態のゲーム装置10では、支払い部50a3は、ベットに応じた枚数のメダルを、メダル払い出し機構部65によって払い出させる。
【0023】
本実施形態のゲーム装置10では、例えばサイコロ格納庫27から投下される複数のサイコロのうち、出目の多い順番(例えば1〜3番)を当てることを基本としてベットを行うものとする。例えば、1位だけを当てるベットの方法、1位と2位を同時に当てるベットの方法など、数種類のベットの方法が用意されており、また各々の方法に対して払い戻し倍率が設定されている。予測を入力する場合(ベット)する場合には、所定枚数のメダルの投入を必要とする。支払い部50a3は、予想が当たったと判定された場合、ベット時に投入されたメダル枚数と払い出し倍率に応じた枚数のメダルが払い出されるように制御する。
【0024】
振り出しサイコロ選択部50bは、サイコロ格納庫27に格納されたサイコロの何れかを投下対象として選択する。振り出しサイコロ選択部50bは、例えば演算部50eにより演算されたペイアウト率とベットの状況に基づいて、出目の調整(操作)が不要な場合にはN1格納庫47aまたはN2格納庫47bを選択し、出目の調整が必要な場合には、個別格納庫41〜46の何れかを選択し、それぞれに格納されたサイコロを次の投下対象とする。
【0025】
投下制御部50cは、振り出しサイコロ選択部50bにより選択されたサイコロを投下するための制御を行う。投下制御部50cは、ターンテーブル駆動部60によりサイコロ格納庫27のターンテーブル40を回転させて、投下対象とするサイコロが格納された個別格納庫を投下位置に移動させる。そして、開放機構駆動部61によって解放機構48を駆動して、個別格納庫内のサイコロを投下させる。
【0026】
サイコロ出目検出部50dは、投下制御部50cの制御により投下されたサイコロの出目を検出する。サイコロ出目検出部50dは、サイコロテーブル25に投下されたサイコロの画像をカメラ23によって撮影させ、このカメラ23により撮影された画像もとにサイコロの出目を検出する。サイコロ出目検出部50dは、複数のサイコロの出目をそれぞれ検出して各出目のサイコロ個数を計数する。
【0027】
演算部50eは、サイコロ出目検出部50dにより検出された出目に応じて所定の演算を実行する。演算部50eは、例えばサイコロ出目検出部50dにより検出された出目に基づいて、ペイアウト率や各出目が現れる確率などを演算する。演算部50eは、ペイアウト率については、ペイアウト率データ52dとして記憶部52に記憶しておく。
【0028】
サイコロ回収制御部50fは、投下制御部50cの制御により投下されたサイコロをサイコロ格納庫27に回収するための制御を行なう。
【0029】
記憶部52は、ハードディスク装置などにより実現されるもので、各種のプログラムやデータが記憶される。記憶部52に記憶されるプログラムには、基本制御プログラム(OS)の他に、ゲーム処理を実行するためのゲームプログラム52aが含まれる。記憶部52に記憶されるデータには、設定部50a1により設定されるベットの状況を示すベットデータ52b、ベット可能時間中にプレイヤに対して提供するためのベットの参考にすることができる参考情報52c(これまでどの目が何個出ているか、ベットの状況などの情報)、演算部50eによって算出された現在のペイアウト率を示すペイアウト率データ52dが含まれる。
【0030】
表示部53は、制御部50の制御のもとで、タッチパネルディスプレイ15における表示を制御する。
【0031】
音出力部54は、制御部50の制御のもとで、図示せぬスピーカからの音声出力を制御する。
【0032】
操作部55は、タッチパネルディスプレイ15や操作パネル14に設けられたボタン17などに対するプレイヤの操作による入力を制御する。
【0033】
メダル検知部56は、サイコロ投下口24から投下されたサイコロの出目に対してベットする際に必要とするメダルがメダル投入口16に投入されたことを検知する。
【0034】
また、本実施形態におけるゲーム装置10には、制御部50の制御のもとで、各機構部を動作させるターンテーブル駆動部60、開放機構駆動部61、ベルトコンベア駆動部62、カーゴ搬送機構駆動部63、テーブル開閉軸駆動部64、及びメダル払い出し機構部65が設けられている。
【0035】
ターンテーブル駆動部60は、振り出し対象として選択されたサイコロが格納された個別格納庫を投下位置に移動させるために、サイコロ格納庫27に設けられたターンテーブル40を回転駆動する。
【0036】
開放機構駆動部61は、サイコロ格納庫27に格納されたサイコロを落下させるための解放機構48を駆動する。
【0037】
ベルトコンベア駆動部62は、サイコロテーブル25から落下されたサイコロをサイコロカーゴ31に回収するためにベルトコンベア30を駆動する。
【0038】
カーゴ搬送機構駆動部63は、カーゴ搬送機構32におけるローラ32a,32bを回転駆動して、サイコロカーゴ31を上下方向に移動させる。
【0039】
テーブル開閉軸駆動部64は、サイコロテーブル25に載置されたサイコロをベルトコンベア30に落下させるために、サイコロテーブル25の底部に設けられた複数の開閉軸35を回転駆動して、開閉軸35に取り付けられた開閉板36を解放させる。
【0040】
メダル払い出し機構部65は、メダルをメダル払い出し口26に払い出すメダル払い出し機構(図示せず)を駆動する。
【0041】
次に、本実施形態におけるゲーム装置10の動作について説明する。
図6は、ゲーム装置10により実行されるサイコロゲーム処理を説明するためのフローチャートである。
操作パネル14に設けられたメダル投入口16にメダルを投入することにより、投入したメダル枚数が所持コインとしてタッチパネルディスプレイ15に表示される。プレイヤは、この所持メダルを使用してゲームを行なう。
【0042】
まず、ゲーム制御部50aは、ベット入力を開始して、サイコロを投下するまでの予め決められた一定時間、例えば1分間にプレイヤからのベットを受け付ける(ステップA1)。この際、ゲーム制御部50aは、記憶部52に記憶された参考情報52cを、表示部53によってタッチパネルディスプレイ15の情報表示エリアに表示させる(ステップA2)。参考情報としては、これまでにどの目が出ているか、現在のベットの状況などを表示する。
【0043】
プレイヤは、参考情報を参照しながらベットのための操作を行なう。ゲーム制御部50aは、タッチパネルディスプレイ15においてベットの方法を示したベット表を表示させる。例えば、出目の1位だけを当てるベットの方法、1位と2位を同時に当てるベットの方法、1位〜3位を同時に当てる方法、1位と2位あるいは1位〜3位の組み合わせを当てる方法など数種類のベットの方法が用意されているものとする。プレイヤは、タッチパネルディスプレイ15に対するタッチ操作により何れかを選択し、さらにベットするメダル枚数を選択する。メダル枚数を選択するためのボタンとしては、例えば1枚、5枚、10枚が用意されており、複数のボタンの組み合わせにより任意のメダル枚数を指定することができる。設定部50a1は、プレイヤによる操作により指定されたベットの内容をベットデータ52bとして記憶部52に記憶させておく。
【0044】
ベット時間が終了すると(ステップA3、Yes)、振り出しサイコロ選択部50bは、3つの操作パネル14a,14b,14cにおけるベットを集計し(ステップA4)、ベット集計結果に応じた振り出しサイコロ選択処理を実行する(ステップA5)。
【0045】
図7には、振り出しサイコロ選択処理のフローチャートを示している。
振り出しサイコロ選択部50bは、現在のペイアウト率(ペイアウト率データ52d)を読出し、予め設定されている第1設定値より高くなっているかを判別する。第1設定値は、業務用として可能なペイアウト率の上限を示している。現在のペイアウト率が第1設定値より高い場合には(ステップB2、Yes)、振り出しサイコロ選択部50bは、ベット集計に応じて払い出しが少なくなる出目のサイコロを選択する(ステップB3)。最も払い出しが少なくなる出目としては、全てのベットが外れとなる出目があれば、この出目のサイコロを選択する。なお、払い出し後にペイアウト率を下げる払い出しであれば、最も払い出しが少なくなる出目のサイコロを選択しなくても良い。
【0046】
一方、現在のペイアウト率が第1設定値より高くない場合には(ステップB2、No)、振り出しサイコロ選択部50bは、現在のペイアウト率(ペイアウト率データ52d)が、予め設定されている第2設定値より低くなっているかを判別する(第1設定値>第2設定値)。第2設定値は、払い出しメダル枚数が少ないためにプレイヤに不信感をもたれないようにするためのペイアウト率の下限を示している。現在のペイアウト率が第2設定値より低い場合には(ステップB4、Yes)、振り出しサイコロ選択部50bは、ベット集計に応じて払い出しが多くなる出目のサイコロを選択する(ステップB5)。なお、払い出し後にペイアウト率をあげる払い出しであれば、最も払い出しが多くなる出目のサイコロを選択しなくても良い。
【0047】
また、振り出しサイコロ選択部50bは、現在のペイアウト率が第2設定値以上、第2設定値未満である場合には、適正なペイアウト率であると判別して標準のサイコロを選択する(ステップB6)。
【0048】
投下制御部50cは、振り出しサイコロ選択部50bにより振り出しの対象とするサイコロが選択されると、選択されたサイコロの個別格納庫がシュート位置にくるように、ターンテーブル駆動部60によりターンテーブル40を回転させる。(ステップA6)。なお、標準のサイコロが選択された場合には、N1格納庫47aまたはN2格納庫47bの何れかがシュート位置に移動される。
【0049】
選択されたサイコロの個別格納庫がシュート位置に到達すると、投下制御部50cは、開放機構駆動部61によって解放機構48を駆動して開閉板49を開放する(ステップA7)。すなわち、個別格納庫に格納された1000個のサイコロを、サイコロ投下口24を通じて一気に投下させる。サイコロ投下口24から落下したサイコロは、サイコロテーブル25に載置される。
【0050】
投下制御部50cの制御によりサイコロが投下されると、サイコロ出目検出部50dは、サイコロテーブル25に載置された各サイコロの出目を検出するためのサイコロ出目検出処理を実行する(ステップA8)。
【0051】
図8には、サイコロ出目検出処理のフローチャートを示している。
サイコロ出目検出部50dは、サイコロテーブル25上のサイコロの画像をカメラ23によって撮影させる(ステップC1)。サイコロ出目検出部50dは、カメラ23により撮影された画像中から1個ごとのサイコロの画像を切り出す(ステップC2)。
【0052】
サイコロ出目検出部50dは、切り出された各サイコロの画像について出目(1〜6の何れか)を判定し、出目毎に数を集計する。サイコロ出目検出部50dは、その出目毎の集計状況(カウント数)をプレイヤに通知するために、表示部53によって各操作パネル14のタッチパネルディスプレイ15において表示させる。
【0053】
サイコロ出目検出部50dは、画像中から切り出された全てのサイコロの画像について出目の判定と集計を行なう。全てのサイコロの画像についての処理が終了すると(ステップC6、Yes)、サイコロ出目検出部50dは、サイコロ出目検出処理を終了する。
【0054】
ゲーム制御部50aは、サイコロ出目検出部50dにより検出されたサイコロ出目検出結果をタッチパネルディスプレイ15において表示させる。そして、この検出結果をもとに、判定部50a2によりベットを判定し、支払い部50a3により予想が当たったベットに対するメダルの払い出しを実行させる(ステップA10)。また、判定結果などを参考情報52cとして記憶させて、次回以降にプレイヤに提示できるようにする。
【0055】
また、演算部50eは、払い出しの結果をもとにして現在までのペイアウト率を算出して、ペイアウト率データ52dとして記憶部52に記憶させておく(ステップA11)。
【0056】
一方、サイコロ回収制御部50fは、サイコロ格納庫27から投下されたサイコロを回収するためのサイコロ回収処理を実行する(ステップA12)。
【0057】
図9には、サイコロ回収処理のフローチャートを示している。
まず、サイコロ回収制御部50fは、テーブル開閉軸駆動部64によってサイコロテーブル25の底面に設けられた複数の開閉軸35を回転させ、開閉板36を開放することで、サイコロテーブル25に載置されていたサイコロをベルトコンベア30の上に落下させる(ステップD1)。
【0058】
サイコロ回収制御部50f、ベルトコンベア駆動部62によりベルトコンベア30を駆動して、ベルトコンベア30に落下したサイコロをサイコロカーゴ31に回収する(ステップD2)。
【0059】
サイコロカーゴ31にサイコロを回収可能な時間、ベルトコンベア30を駆動させた後、サイコロ回収制御部50fは、カーゴ搬送機構駆動部63によってカーゴ搬送機構32を駆動して、サイコロカーゴ31を上昇させてサイコロ格納庫27の個別格納庫にサイコロを戻す。シュート位置には、サイコロを投下した空になっている個別格納庫が位置しているので、そのまま元の個別格納庫にサイコロを戻すことができる。
【0060】
このようにして、本実施形態におけるゲーム装置10では、サイコロ格納庫27に設けられた複数の個別格納庫41〜46に出目の確率が調整された複数のサイコロを個別に格納しておき、ペイアウト率を調整することができるように、何れかのサイコロを選択して投下させることができる。本実施形態では、本物のサイコロを使用しているために、コンピュータが内部的に勝ち負けを操作しているといった印象をプレイヤに対して与えることなく、実際には業務用として要求される勝ち負け(ペイアウト率)を制御することが可能となる。特に、サイコロ格納庫27の個別格納庫に、特定の出目の確率が調整されたサイコロを混在させた複数の大量のサイコロ(例えば1000個)を格納しておくことで、プレイヤに対して何の操作もされていない印象をより一層与えることができる。
【0061】
なお、前述した説明では、ゲーム装置10は、サイコロを使用したメダルゲーム装置であり、サイコロの出目をベット(予想)して、当たった場合にベットしたメダル枚数に応じた所定枚数のメダルの払い出しをする装置として説明しているが、同様の構成によって他のゲーム装置を実現することも可能である。
【0062】
例えば、単純にサイコロを振るサイコロ振り装置として実現することができる。ここでは、説明を簡単にするために各出目が長期的には同じ確率で現れるように出目の調整をできるようにする。なお、特定の出目のみ確率が高く(あるいは低く)するように調整することも可能である。
【0063】
図10には、サイコロ振り装置として実現した場合の動作を示すフローチャートを示している。
【0064】
まず、振り出しサイコロ選択部50bは、それまでのサイコロ出目確率を示すサイコロ出目確率データを読み出し(ステップE1)、出目確率が最も低い出目に対応するサイコロを振り出しの対象として選択する(ステップE2)。
【0065】
投下制御部50cは、振り出しサイコロ選択部50bにより振り出しの対象とするサイコロが選択されると、選択されたサイコロの個別格納庫がシュート位置にくるように、ターンテーブル駆動部60によりターンテーブル40を回転させる。(ステップE3)。
【0066】
選択されたサイコロの個別格納庫がシュート位置に到達すると、投下制御部50cは、開放機構駆動部61によって解放機構48を駆動して開閉板49を開放し、個別格納庫に格納されたサイコロを、サイコロ投下口24を通じて投下させる(ステップE4)。サイコロ投下口24から落下したサイコロは、サイコロテーブル25に載置される。
【0067】
投下制御部50cの制御によりサイコロが投下されると、サイコロ出目検出部50dは、サイコロテーブル25に載置された各サイコロの出目を検出するためのサイコロ出目検出処理を実行する(ステップE5)。
【0068】
ゲーム制御部50aは、サイコロ出目検出処理により検出された出目検出結果をタッチパネルディスプレイ15において表示させる(ステップE6)。
【0069】
演算部50eは、出目検出結果をもとにして現在までのサイコロ出目確率を算出して、サイコロ出目確率データとして記憶部52に記憶させておく(ステップE7)。
【0070】
一方、サイコロ回収制御部50fは、サイコロテーブル25に載置されたサイコロを、サイコロ格納庫27の元の個別格納庫に回収する。
【0071】
このようにして、サイコロの出目の確率を演算し、このサイコロ出目確率に応じて振り出しの対象とするサイコロを選択して投下するゲーム装置を実現することができる。なお、前述したサイコロ振り装置伊賀の装置の実現も可能である。
【0072】
なお、サイコロ格納庫27に格納されるサイコロは、カメラ23によって撮影された画像から出目を検出するための処理を容易にするために、各面の辺に黒ライン(枠)などを付すようにしても良い。制御部50は、カメラ23によって撮影された画像中から、各サイコロの面を黒ライン(枠)をもとにして切り出し、この枠内の点を検出することで出目を判定する。これにより、サイコロ格納庫27(個別格納庫)に大量のサイコロを格納して、一気にサイコロテーブル25上に投下することで、複数のサイコロが重なり合ったり傾斜したりしていた場合であったとしても正確に出目を検出することが可能となる。
【0073】
また、前述した説明では、サイコロ格納庫27に設けられた個別格納庫41〜46には、それぞれ特定の出目の確率が高いサイコロを格納するものとしているが、複数種類の特定の出目の確率が高いサイコロを、予め決めた割合数で混在させるようにしても良い。これにより、予め決めた順番で出目の数の順位を調整(確率を高く)することができる。
【0074】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本実施形態におけるゲーム装置10の外観構成を示す図。
【図2】ゲーム装置10の筐体内に収納されている回収ユニット12の概略構成を示す側面図。
【図3】図2におけるサイコロテーブル25の詳細な構成を示す図。
【図4】サイコロ格納庫27の詳細な構成を示す図。
【図5】本実施形態におけるサイコロを使用したゲーム装置10の機能構成を示すブロック図。
【図6】ゲーム装置10により実行されるサイコロゲーム処理を説明するためのフローチャート。
【図7】振り出しサイコロ選択処理のフローチャート。
【図8】サイコロ出目検出処理のフローチャート。
【図9】サイコロ回収処理のフローチャート。
【図10】サイコロ振り装置として実現した場合の動作を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0076】
10…ゲーム装置、12…回収ユニット、14(14a,14b,14c)…操作パネル、15…タッチパネルディスプレイ、16…メダル投入口、17…ボタン、20…天井ユニット、21…アクリル板、23…カメラ、24…サイコロ投下口、25…サイコロテーブル、26…メダル払い出し口、27…サイコロ格納庫、30…ベルトコンベア、31…サイコロカーゴ、32…カーゴ搬送機構、32a,32b…ローラ、32c…ベルト、35…開閉軸、36…開閉板、40…ターンテーブル、41…1用格納庫、42…2用格納庫、43…3用格納庫、44…4用格納庫、45…5用格納庫、46…6用格納庫、47a…N1格納庫、47b…N2格納庫、48…解放機構、49…開閉板、50…制御部、50a…ゲーム制御部、50a1…設定部、50a2…判定部、50a3…支払い部、50b…振り出しサイコロ選択部、50c…投下制御部、50d…サイコロ出目検出部、50e…演算部、50f…サイコロ回収制御部、52…記憶部、52a…ゲームプログラム、52b…ベットデータ、52c…参考情報、52d…ペイアウト率データ、53…表示部、54…音出力部、55…操作部、56…メダル検知部、60…ターンテーブル駆動部、61…開放機構駆動部、62…ベルトコンベア駆動部、63…カーゴ搬送機構駆動部、64…テーブル開閉軸駆動部、65…メダル払い出し機構部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイコロを使用したゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アミューズメント施設のメダルコーナや外国のカジノ施設などには、メダルを扱ったギャンブル的な遊びを提供するゲーム装置が設置されている。この種、ゲーム装置には、ディーラーと呼ばれる人間の進行役を排除して、コンピュータによって代替させているものがある。例えば、ルーレットやカードゲーム、またサイコロゲームなどを提供するゲーム装置がある。
【0003】
サイコロを利用したゲーム装置(電子装置)は、例えば特許文献1に記載されている。特許文献1に記載された電子装置は、市販のサイコロの出目を判定でき、更には同時に複数のサイコロを使用した場合でも出目の判定を行うことができる。電子装置は、サイコロがボックス内で転がされると、その下面に記された点を撮像部により撮像し、画像情報に基づく撮像面の所定領域内における点の特徴、点の数、及び点の配置状態を判定条件にして出目を確定する。
【特許文献1】特開2005−165881号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のサイコロを使用したゲーム装置においては、コンピュータによる制御を介在させると、プレイヤに対してコンピュータが内部的に勝ち負けを操作をしているという不信感を与えてしまうため、ゲームの面白さを低減させていた。これに対して、特許文献1に記載された電子装置のように実際のサイコロを使用すればプレイヤに対して不信感を与えることはないが、基本的にサイコロの出目の確率が一定となってしまい業務用のゲーム装置として利用することができなくなってしまう。すなわち、業務用のゲーム装置では、利益を出すために出目を調整してゲームの勝ち負けを制御する必要があるが、実物のサイコロを使用すると勝ち負けを制御することが困難となってしまう。
【0005】
本発明は前述した事情に考慮してなされたもので、その目的は、本物のサイコロを使用してコンピュータが内部的に勝ち負けを操作しているといった印象をプレイヤに対して与えることなく、実際には業務用として要求される勝ち負けを制御することが可能なサイコロを使用したゲーム装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、出目の確率が調整された複数のサイコロを個別に格納するサイコロ格納庫と、前記サイコロ格納庫に格納されたサイコロの何れかを選択する振り出しサイコロ選択手段と、前記振り出しサイコロ選択手段により選択されたサイコロを投下する投下制御手段と、前記投下制御手段により投下されたサイコロの画像を撮影する撮影手段と、前記撮影手段により撮影された画像もとにサイコロの出目を検出するサイコロ出目検出手段と、前記前記投下制御手段により投下されたサイコロを前記サイコロ格納庫に回収する回収手段とを具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、本物のサイコロを使用してコンピュータが内部的に勝ち負けを操作しているといった印象をプレイヤに対して与えることなく、実際には業務用として要求される勝ち負けを制御することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態におけるゲーム装置10の外観構成を示す図である。図1(a)はゲーム装置10の上面図、図1(b)は側面図
を示している。本実施形態におけるゲーム装置10は、サイコロを使用したメダルゲーム装置であり、サイコロの出目をベット(予想)して、当たった場合にベットしたメダル枚数に応じた所定枚数のメダルの払い出しをする装置である。本実施形態るゲーム装置10は、例えばゲームセンタなどの遊技施設に設置される業務用として構成される。
【0009】
図1(a)(b)に示すように、ゲーム装置10は、ほぼ縦長の直方形をしており、上部筐体をサイコロが落下されるゲームフィールドとして使用し、下部筐体を制御機能の収容のために使用している。上部筐体の1つの側面部には、落下されたサイコロを上部に設けられた天井ユニット20内のサイコロ格納庫27(詳細については後述する)に回収するための回収ユニット12が設けられている。下部筐体の回収ユニット12が設けられていない3つの側面部には、それぞれ操作パネル14(14a,14b,14c)が設けられている。操作パネル14は、ゲーム装置10を利用するプレイヤが操作するためのもので、例えばタッチパネルディスプレイ15、メダル投入口16、ボタン17等が設けられている。また、操作パネル14の下方部には、メダルの払い出しのためのメダル払い出し口26が設けられている。
【0010】
また、図1(b)に示すように、上部筐体の最上部には、天井ユニット20が設けられている。天井ユニット20には、複数のサイコロを格納するためのサイコロ格納庫27が収容されており、このサイコロ格納庫27に格納されたサイコロがサイコロ投下口24から下方に落下される。サイコロ投下口24から投下されたサイコロは、上部筐体内のゲームフィールドの底部に設置されたサイコロテーブル25の上に載置される。上部筐体の側面部は、透明のアクリル板21によって覆われており、落下するサイコロにプレイヤが触れられないようにすると共に、サイコロがサイコロテーブル25外に飛び出さないようにしている。サイコロ投下口24の近傍には、落下されたサイコロの画像を撮影するためのカメラ23が装着されている。カメラ23は、サイコロテーブル25の全面を撮影範囲として画像の撮影を行う。サイコロテーブル25は、サイコロ投下口24から投下されたサイコロが載置されると共に、投下されたサイコロを回収するためのものである。
【0011】
図2は、ゲーム装置10の筐体内に収納されている回収ユニット12の概略構成を示す側面図である。
サイコロテーブル25の下方部には、ベルトコンベア30が設置されている。ベルトコンベア30には、サイコロテーブル25に載置されていたサイコロが落下される。ベルトコンベア30は、サイコロテーブル25からのサイコロを、サイコロカーゴ31に搬送する方向に駆動される。
【0012】
サイコロカーゴ31は、ベルトコンベア30によって搬送されたサイコロを回収する。サイコロカーゴ31は、カーゴ搬送機構32によって上下方向に搬送させることができる。カーゴ搬送機構32は、ゲーム装置10の上部筐体の最上下部に2つのローラ32a,32bが取り付けられ、2つのローラ32a,32bの間にベルト32cが巻回されている。サイコロカーゴ31は、ベルト32cに装着されており、ローラ32a,32bの回転によってベルト32cが上下方向に移動するに伴って搬送される。サイコロカーゴ31は、サイコロテーブル25に載置されたサイコロを回収する際には最下部に位置し、サイコロの回収が終了した後にサイコロ格納庫27の位置まで上昇される。サイコロカーゴ31は、サイコロ格納庫27の位置まで上昇されると傾斜されて、中に回収されていたサイコロをサイコロ格納庫27に移し替える。その後、サイコロカーゴ31は、サイコロテーブル25に載置されたサイコロを回収するために最下部に移動される。
【0013】
図3は、図2におけるサイコロテーブル25の詳細な構成を示す図である。
図3(a)に示すように、サイコロテーブル25は、サイコロ投下口24から投下されたサイコロが中央部の平面に集まるように周囲を傾斜させて高くしている。これにより、サイコロ投下口24から大量のサイコロが投下された場合であっても、全てのサイコロを中央部に集めて、カメラ23による撮影範囲に収めることができる。
【0014】
図3(b)に示すように、サイコロテーブル25の平面部は、ほぼ正方形であり、複数の開閉軸35が平行に配設されている。各開閉軸35には、細長い板状の開閉板36が取り付けられている。開閉軸35は、通常時には開閉板36を水平状態とする位置に固定されている。これにより、サイコロ投下口24から投下されたサイコロを載置させることができる。サイコロテーブル25に載置されたサイコロを回収する場合、開閉軸35は、図3(c)に示すように90°回転されて、開閉板36を垂直状態にする。これにより、サイコロテーブル25に載置されたサイコロを、下方に設置されたベルトコンベア30に落下させることができる。
【0015】
図4は、サイコロ格納庫27の詳細な構成を示す図である。図4(a)は、サイコロ格納庫27の平面図、図4(b)は、サイコロ格納庫27の側面図である。
【0016】
図4(a)に示すように、サイコロ格納庫27には、回転可能なターンテーブル40上に複数の個別格納庫41〜46,47a,47bが設けられている。図4(a)に示す例は、例えば8つの個別格納庫41〜46,47a,47b、すなわち1用格納庫41、2用格納庫42、3用格納庫43、4用格納庫44、5用格納庫45、6用格納庫46、N1格納庫47a、N2格納庫47bが設けられている。各個別格納庫には、サイコロが格納される。1用格納庫41、2用格納庫42、3用格納庫43、4用格納庫44、5用格納庫45、及び6用格納庫46は、それぞれ出目の確率が調整されたサイコロを個別に格納するための個別格納庫である。例えば、1用格納庫41には、「1」の出目が出やすいように構成されたサイコロを格納するために使用される。出目の確率を調整する構成としては、例えばサイコロの内部に中心位置を外して重りを埋め込み、重心位置を出目の確率を高くしようとする特定の目の面と反対側の面側に移動させるようにする。同様にして、2用格納庫42、3用格納庫43、4用格納庫44、5用格納庫45、及び6用格納庫46は、それぞれ「2」「3」「4」「5」「6」の出目が出やすいように構成されたサイコロを格納するために使用される。
【0017】
個別格納庫には、複数のサイコロを格納することができる。例えば大量のサイコロを格納することができるものとする。具体的には、1000個のサイコロを格納可能として、サイコロ投下口24から一気に投下させることができるようにする。個別格納庫に格納される複数のサイコロは、全て出目が調整されたサイコロとするのではなく、出目が調整されていないサイコロ(各出目の確率が1/6)を混在させておくものとする。例えば、1用格納庫41には、1000個のサイコロのうち200個を「1」の目が出やすいサイコロとする。これにより、1000個のサイコロがサイコロ投下口24から投下された場合に、例えば、大部分のサイコロが同じ出目となるといった出目の偏りが出ないようにして、プレイヤに対して出目の調整が行われている印象を与えないようにする。
【0018】
N1格納庫47aとN2格納庫47bは、出目の確率が調整されていないサイコロのみを格納するために使用される。通常は、N1格納庫47aまたはN2格納庫47bに格納されたサイコロを用いてゲームを実行し、例えばペイアウト率の調整のために出目を操作する必要がある場合に、個別格納庫41〜46の何れかに格納されたサイコロがゲームに使用されるものとする。N1格納庫47aとN2格納庫47bにおいても、個別格納庫41〜46に格納されるサイコロと同数のサイコロが格納される。
【0019】
図4(b)に示すように、個別格納庫が位置する何れか一箇所において、格納庫内のサイコロを投下させるための解放機構48が設けられている。解放機構48は、開閉板49を開閉するための機構であり、開状態にすることで、上部に位置する個別格納庫に格納されたサイコロを投下させる。以下、解放機構48によってサイコロが投下される位置を投下位置として説明する。投下位置は、サイコロを投下する位置であると共に、サイコロカーゴ31によって回収されたサイコロの移し替えが行われる位置である。例えば、1用格納庫41がターンテーブル40によって投下位置にまで回転され、この1用格納庫41に格納されたサイコロが解放機構48によって投下される。投下されたサイコロは、サイコロテーブル25から回収ユニット12によってサイコロカーゴ31に回収され、図4(b)に示すように、投下位置にある個別格納庫に戻される。すなわち、個別格納庫に格納されるサイコロは、投下された後、元の個別格納庫に回収されるようになっている。
【0020】
図5は、本実施形態におけるサイコロを使用したゲーム装置10の機能構成を示すブロック図である。
図5に示すように、ゲーム装置10には、制御部50、記憶部52、表示部53、音出力部54、操作部55、及びメダル検知部56が設けられている。
【0021】
制御部50は、CPUやメモリ(RAM、ROM)を含んで構成されるもので、ゲームプログラム52aを実行することにより各種の機能を実現してゲーム装置10全体を制御する。制御部50において実現される機能としては、ゲーム制御部50a、振り出しサイコロ選択部50b、投下制御部50c、サイコロ出目検出部50d、演算部50e、サイコロ回収制御部50fがある。
【0022】
ゲーム制御部50aは、実物のサイコロを用いたゲームを制御する。ゲーム制御部50aには、サイコロゲームを実行するために設定部50a1、判定部50a2、及び支払い部50a3が設けられる。設定部50a1は、投下制御部50cの制御によりサイコロ格納庫27から投下されるサイコロの出目の予想を入力して設定する。判定部50a2は、サイコロテーブル25上に載置された画像からサイコロ出目検出部50dにより検出された出目をもとに、設定部50a1により設定された予想を判定する。支払い部50a3は、判定部50a2により予想が当たったことが判定された場合に、予想の設定に対する支払いを行う。本実施形態のゲーム装置10では、支払い部50a3は、ベットに応じた枚数のメダルを、メダル払い出し機構部65によって払い出させる。
【0023】
本実施形態のゲーム装置10では、例えばサイコロ格納庫27から投下される複数のサイコロのうち、出目の多い順番(例えば1〜3番)を当てることを基本としてベットを行うものとする。例えば、1位だけを当てるベットの方法、1位と2位を同時に当てるベットの方法など、数種類のベットの方法が用意されており、また各々の方法に対して払い戻し倍率が設定されている。予測を入力する場合(ベット)する場合には、所定枚数のメダルの投入を必要とする。支払い部50a3は、予想が当たったと判定された場合、ベット時に投入されたメダル枚数と払い出し倍率に応じた枚数のメダルが払い出されるように制御する。
【0024】
振り出しサイコロ選択部50bは、サイコロ格納庫27に格納されたサイコロの何れかを投下対象として選択する。振り出しサイコロ選択部50bは、例えば演算部50eにより演算されたペイアウト率とベットの状況に基づいて、出目の調整(操作)が不要な場合にはN1格納庫47aまたはN2格納庫47bを選択し、出目の調整が必要な場合には、個別格納庫41〜46の何れかを選択し、それぞれに格納されたサイコロを次の投下対象とする。
【0025】
投下制御部50cは、振り出しサイコロ選択部50bにより選択されたサイコロを投下するための制御を行う。投下制御部50cは、ターンテーブル駆動部60によりサイコロ格納庫27のターンテーブル40を回転させて、投下対象とするサイコロが格納された個別格納庫を投下位置に移動させる。そして、開放機構駆動部61によって解放機構48を駆動して、個別格納庫内のサイコロを投下させる。
【0026】
サイコロ出目検出部50dは、投下制御部50cの制御により投下されたサイコロの出目を検出する。サイコロ出目検出部50dは、サイコロテーブル25に投下されたサイコロの画像をカメラ23によって撮影させ、このカメラ23により撮影された画像もとにサイコロの出目を検出する。サイコロ出目検出部50dは、複数のサイコロの出目をそれぞれ検出して各出目のサイコロ個数を計数する。
【0027】
演算部50eは、サイコロ出目検出部50dにより検出された出目に応じて所定の演算を実行する。演算部50eは、例えばサイコロ出目検出部50dにより検出された出目に基づいて、ペイアウト率や各出目が現れる確率などを演算する。演算部50eは、ペイアウト率については、ペイアウト率データ52dとして記憶部52に記憶しておく。
【0028】
サイコロ回収制御部50fは、投下制御部50cの制御により投下されたサイコロをサイコロ格納庫27に回収するための制御を行なう。
【0029】
記憶部52は、ハードディスク装置などにより実現されるもので、各種のプログラムやデータが記憶される。記憶部52に記憶されるプログラムには、基本制御プログラム(OS)の他に、ゲーム処理を実行するためのゲームプログラム52aが含まれる。記憶部52に記憶されるデータには、設定部50a1により設定されるベットの状況を示すベットデータ52b、ベット可能時間中にプレイヤに対して提供するためのベットの参考にすることができる参考情報52c(これまでどの目が何個出ているか、ベットの状況などの情報)、演算部50eによって算出された現在のペイアウト率を示すペイアウト率データ52dが含まれる。
【0030】
表示部53は、制御部50の制御のもとで、タッチパネルディスプレイ15における表示を制御する。
【0031】
音出力部54は、制御部50の制御のもとで、図示せぬスピーカからの音声出力を制御する。
【0032】
操作部55は、タッチパネルディスプレイ15や操作パネル14に設けられたボタン17などに対するプレイヤの操作による入力を制御する。
【0033】
メダル検知部56は、サイコロ投下口24から投下されたサイコロの出目に対してベットする際に必要とするメダルがメダル投入口16に投入されたことを検知する。
【0034】
また、本実施形態におけるゲーム装置10には、制御部50の制御のもとで、各機構部を動作させるターンテーブル駆動部60、開放機構駆動部61、ベルトコンベア駆動部62、カーゴ搬送機構駆動部63、テーブル開閉軸駆動部64、及びメダル払い出し機構部65が設けられている。
【0035】
ターンテーブル駆動部60は、振り出し対象として選択されたサイコロが格納された個別格納庫を投下位置に移動させるために、サイコロ格納庫27に設けられたターンテーブル40を回転駆動する。
【0036】
開放機構駆動部61は、サイコロ格納庫27に格納されたサイコロを落下させるための解放機構48を駆動する。
【0037】
ベルトコンベア駆動部62は、サイコロテーブル25から落下されたサイコロをサイコロカーゴ31に回収するためにベルトコンベア30を駆動する。
【0038】
カーゴ搬送機構駆動部63は、カーゴ搬送機構32におけるローラ32a,32bを回転駆動して、サイコロカーゴ31を上下方向に移動させる。
【0039】
テーブル開閉軸駆動部64は、サイコロテーブル25に載置されたサイコロをベルトコンベア30に落下させるために、サイコロテーブル25の底部に設けられた複数の開閉軸35を回転駆動して、開閉軸35に取り付けられた開閉板36を解放させる。
【0040】
メダル払い出し機構部65は、メダルをメダル払い出し口26に払い出すメダル払い出し機構(図示せず)を駆動する。
【0041】
次に、本実施形態におけるゲーム装置10の動作について説明する。
図6は、ゲーム装置10により実行されるサイコロゲーム処理を説明するためのフローチャートである。
操作パネル14に設けられたメダル投入口16にメダルを投入することにより、投入したメダル枚数が所持コインとしてタッチパネルディスプレイ15に表示される。プレイヤは、この所持メダルを使用してゲームを行なう。
【0042】
まず、ゲーム制御部50aは、ベット入力を開始して、サイコロを投下するまでの予め決められた一定時間、例えば1分間にプレイヤからのベットを受け付ける(ステップA1)。この際、ゲーム制御部50aは、記憶部52に記憶された参考情報52cを、表示部53によってタッチパネルディスプレイ15の情報表示エリアに表示させる(ステップA2)。参考情報としては、これまでにどの目が出ているか、現在のベットの状況などを表示する。
【0043】
プレイヤは、参考情報を参照しながらベットのための操作を行なう。ゲーム制御部50aは、タッチパネルディスプレイ15においてベットの方法を示したベット表を表示させる。例えば、出目の1位だけを当てるベットの方法、1位と2位を同時に当てるベットの方法、1位〜3位を同時に当てる方法、1位と2位あるいは1位〜3位の組み合わせを当てる方法など数種類のベットの方法が用意されているものとする。プレイヤは、タッチパネルディスプレイ15に対するタッチ操作により何れかを選択し、さらにベットするメダル枚数を選択する。メダル枚数を選択するためのボタンとしては、例えば1枚、5枚、10枚が用意されており、複数のボタンの組み合わせにより任意のメダル枚数を指定することができる。設定部50a1は、プレイヤによる操作により指定されたベットの内容をベットデータ52bとして記憶部52に記憶させておく。
【0044】
ベット時間が終了すると(ステップA3、Yes)、振り出しサイコロ選択部50bは、3つの操作パネル14a,14b,14cにおけるベットを集計し(ステップA4)、ベット集計結果に応じた振り出しサイコロ選択処理を実行する(ステップA5)。
【0045】
図7には、振り出しサイコロ選択処理のフローチャートを示している。
振り出しサイコロ選択部50bは、現在のペイアウト率(ペイアウト率データ52d)を読出し、予め設定されている第1設定値より高くなっているかを判別する。第1設定値は、業務用として可能なペイアウト率の上限を示している。現在のペイアウト率が第1設定値より高い場合には(ステップB2、Yes)、振り出しサイコロ選択部50bは、ベット集計に応じて払い出しが少なくなる出目のサイコロを選択する(ステップB3)。最も払い出しが少なくなる出目としては、全てのベットが外れとなる出目があれば、この出目のサイコロを選択する。なお、払い出し後にペイアウト率を下げる払い出しであれば、最も払い出しが少なくなる出目のサイコロを選択しなくても良い。
【0046】
一方、現在のペイアウト率が第1設定値より高くない場合には(ステップB2、No)、振り出しサイコロ選択部50bは、現在のペイアウト率(ペイアウト率データ52d)が、予め設定されている第2設定値より低くなっているかを判別する(第1設定値>第2設定値)。第2設定値は、払い出しメダル枚数が少ないためにプレイヤに不信感をもたれないようにするためのペイアウト率の下限を示している。現在のペイアウト率が第2設定値より低い場合には(ステップB4、Yes)、振り出しサイコロ選択部50bは、ベット集計に応じて払い出しが多くなる出目のサイコロを選択する(ステップB5)。なお、払い出し後にペイアウト率をあげる払い出しであれば、最も払い出しが多くなる出目のサイコロを選択しなくても良い。
【0047】
また、振り出しサイコロ選択部50bは、現在のペイアウト率が第2設定値以上、第2設定値未満である場合には、適正なペイアウト率であると判別して標準のサイコロを選択する(ステップB6)。
【0048】
投下制御部50cは、振り出しサイコロ選択部50bにより振り出しの対象とするサイコロが選択されると、選択されたサイコロの個別格納庫がシュート位置にくるように、ターンテーブル駆動部60によりターンテーブル40を回転させる。(ステップA6)。なお、標準のサイコロが選択された場合には、N1格納庫47aまたはN2格納庫47bの何れかがシュート位置に移動される。
【0049】
選択されたサイコロの個別格納庫がシュート位置に到達すると、投下制御部50cは、開放機構駆動部61によって解放機構48を駆動して開閉板49を開放する(ステップA7)。すなわち、個別格納庫に格納された1000個のサイコロを、サイコロ投下口24を通じて一気に投下させる。サイコロ投下口24から落下したサイコロは、サイコロテーブル25に載置される。
【0050】
投下制御部50cの制御によりサイコロが投下されると、サイコロ出目検出部50dは、サイコロテーブル25に載置された各サイコロの出目を検出するためのサイコロ出目検出処理を実行する(ステップA8)。
【0051】
図8には、サイコロ出目検出処理のフローチャートを示している。
サイコロ出目検出部50dは、サイコロテーブル25上のサイコロの画像をカメラ23によって撮影させる(ステップC1)。サイコロ出目検出部50dは、カメラ23により撮影された画像中から1個ごとのサイコロの画像を切り出す(ステップC2)。
【0052】
サイコロ出目検出部50dは、切り出された各サイコロの画像について出目(1〜6の何れか)を判定し、出目毎に数を集計する。サイコロ出目検出部50dは、その出目毎の集計状況(カウント数)をプレイヤに通知するために、表示部53によって各操作パネル14のタッチパネルディスプレイ15において表示させる。
【0053】
サイコロ出目検出部50dは、画像中から切り出された全てのサイコロの画像について出目の判定と集計を行なう。全てのサイコロの画像についての処理が終了すると(ステップC6、Yes)、サイコロ出目検出部50dは、サイコロ出目検出処理を終了する。
【0054】
ゲーム制御部50aは、サイコロ出目検出部50dにより検出されたサイコロ出目検出結果をタッチパネルディスプレイ15において表示させる。そして、この検出結果をもとに、判定部50a2によりベットを判定し、支払い部50a3により予想が当たったベットに対するメダルの払い出しを実行させる(ステップA10)。また、判定結果などを参考情報52cとして記憶させて、次回以降にプレイヤに提示できるようにする。
【0055】
また、演算部50eは、払い出しの結果をもとにして現在までのペイアウト率を算出して、ペイアウト率データ52dとして記憶部52に記憶させておく(ステップA11)。
【0056】
一方、サイコロ回収制御部50fは、サイコロ格納庫27から投下されたサイコロを回収するためのサイコロ回収処理を実行する(ステップA12)。
【0057】
図9には、サイコロ回収処理のフローチャートを示している。
まず、サイコロ回収制御部50fは、テーブル開閉軸駆動部64によってサイコロテーブル25の底面に設けられた複数の開閉軸35を回転させ、開閉板36を開放することで、サイコロテーブル25に載置されていたサイコロをベルトコンベア30の上に落下させる(ステップD1)。
【0058】
サイコロ回収制御部50f、ベルトコンベア駆動部62によりベルトコンベア30を駆動して、ベルトコンベア30に落下したサイコロをサイコロカーゴ31に回収する(ステップD2)。
【0059】
サイコロカーゴ31にサイコロを回収可能な時間、ベルトコンベア30を駆動させた後、サイコロ回収制御部50fは、カーゴ搬送機構駆動部63によってカーゴ搬送機構32を駆動して、サイコロカーゴ31を上昇させてサイコロ格納庫27の個別格納庫にサイコロを戻す。シュート位置には、サイコロを投下した空になっている個別格納庫が位置しているので、そのまま元の個別格納庫にサイコロを戻すことができる。
【0060】
このようにして、本実施形態におけるゲーム装置10では、サイコロ格納庫27に設けられた複数の個別格納庫41〜46に出目の確率が調整された複数のサイコロを個別に格納しておき、ペイアウト率を調整することができるように、何れかのサイコロを選択して投下させることができる。本実施形態では、本物のサイコロを使用しているために、コンピュータが内部的に勝ち負けを操作しているといった印象をプレイヤに対して与えることなく、実際には業務用として要求される勝ち負け(ペイアウト率)を制御することが可能となる。特に、サイコロ格納庫27の個別格納庫に、特定の出目の確率が調整されたサイコロを混在させた複数の大量のサイコロ(例えば1000個)を格納しておくことで、プレイヤに対して何の操作もされていない印象をより一層与えることができる。
【0061】
なお、前述した説明では、ゲーム装置10は、サイコロを使用したメダルゲーム装置であり、サイコロの出目をベット(予想)して、当たった場合にベットしたメダル枚数に応じた所定枚数のメダルの払い出しをする装置として説明しているが、同様の構成によって他のゲーム装置を実現することも可能である。
【0062】
例えば、単純にサイコロを振るサイコロ振り装置として実現することができる。ここでは、説明を簡単にするために各出目が長期的には同じ確率で現れるように出目の調整をできるようにする。なお、特定の出目のみ確率が高く(あるいは低く)するように調整することも可能である。
【0063】
図10には、サイコロ振り装置として実現した場合の動作を示すフローチャートを示している。
【0064】
まず、振り出しサイコロ選択部50bは、それまでのサイコロ出目確率を示すサイコロ出目確率データを読み出し(ステップE1)、出目確率が最も低い出目に対応するサイコロを振り出しの対象として選択する(ステップE2)。
【0065】
投下制御部50cは、振り出しサイコロ選択部50bにより振り出しの対象とするサイコロが選択されると、選択されたサイコロの個別格納庫がシュート位置にくるように、ターンテーブル駆動部60によりターンテーブル40を回転させる。(ステップE3)。
【0066】
選択されたサイコロの個別格納庫がシュート位置に到達すると、投下制御部50cは、開放機構駆動部61によって解放機構48を駆動して開閉板49を開放し、個別格納庫に格納されたサイコロを、サイコロ投下口24を通じて投下させる(ステップE4)。サイコロ投下口24から落下したサイコロは、サイコロテーブル25に載置される。
【0067】
投下制御部50cの制御によりサイコロが投下されると、サイコロ出目検出部50dは、サイコロテーブル25に載置された各サイコロの出目を検出するためのサイコロ出目検出処理を実行する(ステップE5)。
【0068】
ゲーム制御部50aは、サイコロ出目検出処理により検出された出目検出結果をタッチパネルディスプレイ15において表示させる(ステップE6)。
【0069】
演算部50eは、出目検出結果をもとにして現在までのサイコロ出目確率を算出して、サイコロ出目確率データとして記憶部52に記憶させておく(ステップE7)。
【0070】
一方、サイコロ回収制御部50fは、サイコロテーブル25に載置されたサイコロを、サイコロ格納庫27の元の個別格納庫に回収する。
【0071】
このようにして、サイコロの出目の確率を演算し、このサイコロ出目確率に応じて振り出しの対象とするサイコロを選択して投下するゲーム装置を実現することができる。なお、前述したサイコロ振り装置伊賀の装置の実現も可能である。
【0072】
なお、サイコロ格納庫27に格納されるサイコロは、カメラ23によって撮影された画像から出目を検出するための処理を容易にするために、各面の辺に黒ライン(枠)などを付すようにしても良い。制御部50は、カメラ23によって撮影された画像中から、各サイコロの面を黒ライン(枠)をもとにして切り出し、この枠内の点を検出することで出目を判定する。これにより、サイコロ格納庫27(個別格納庫)に大量のサイコロを格納して、一気にサイコロテーブル25上に投下することで、複数のサイコロが重なり合ったり傾斜したりしていた場合であったとしても正確に出目を検出することが可能となる。
【0073】
また、前述した説明では、サイコロ格納庫27に設けられた個別格納庫41〜46には、それぞれ特定の出目の確率が高いサイコロを格納するものとしているが、複数種類の特定の出目の確率が高いサイコロを、予め決めた割合数で混在させるようにしても良い。これにより、予め決めた順番で出目の数の順位を調整(確率を高く)することができる。
【0074】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本実施形態におけるゲーム装置10の外観構成を示す図。
【図2】ゲーム装置10の筐体内に収納されている回収ユニット12の概略構成を示す側面図。
【図3】図2におけるサイコロテーブル25の詳細な構成を示す図。
【図4】サイコロ格納庫27の詳細な構成を示す図。
【図5】本実施形態におけるサイコロを使用したゲーム装置10の機能構成を示すブロック図。
【図6】ゲーム装置10により実行されるサイコロゲーム処理を説明するためのフローチャート。
【図7】振り出しサイコロ選択処理のフローチャート。
【図8】サイコロ出目検出処理のフローチャート。
【図9】サイコロ回収処理のフローチャート。
【図10】サイコロ振り装置として実現した場合の動作を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0076】
10…ゲーム装置、12…回収ユニット、14(14a,14b,14c)…操作パネル、15…タッチパネルディスプレイ、16…メダル投入口、17…ボタン、20…天井ユニット、21…アクリル板、23…カメラ、24…サイコロ投下口、25…サイコロテーブル、26…メダル払い出し口、27…サイコロ格納庫、30…ベルトコンベア、31…サイコロカーゴ、32…カーゴ搬送機構、32a,32b…ローラ、32c…ベルト、35…開閉軸、36…開閉板、40…ターンテーブル、41…1用格納庫、42…2用格納庫、43…3用格納庫、44…4用格納庫、45…5用格納庫、46…6用格納庫、47a…N1格納庫、47b…N2格納庫、48…解放機構、49…開閉板、50…制御部、50a…ゲーム制御部、50a1…設定部、50a2…判定部、50a3…支払い部、50b…振り出しサイコロ選択部、50c…投下制御部、50d…サイコロ出目検出部、50e…演算部、50f…サイコロ回収制御部、52…記憶部、52a…ゲームプログラム、52b…ベットデータ、52c…参考情報、52d…ペイアウト率データ、53…表示部、54…音出力部、55…操作部、56…メダル検知部、60…ターンテーブル駆動部、61…開放機構駆動部、62…ベルトコンベア駆動部、63…カーゴ搬送機構駆動部、64…テーブル開閉軸駆動部、65…メダル払い出し機構部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
出目の確率が調整された複数のサイコロを個別に格納するサイコロ格納庫と、
前記サイコロ格納庫に格納されたサイコロの何れかを選択する振り出しサイコロ選択手段と、
前記振り出しサイコロ選択手段により選択されたサイコロを投下する投下制御手段と、
前記投下制御手段により投下されたサイコロの画像を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段により撮影された画像もとにサイコロの出目を検出するサイコロ出目検出手段と、
前記前記投下制御手段により投下されたサイコロを前記サイコロ格納庫に回収する回収手段と
を具備したことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記出目検出手段により検出された出目に応じて所定の演算を実行する演算手段とをさらに具備し、
前記サイコロ選択手段は、前記演算手段による演算結果に応じてサイコロを選択することを特徴とする請求項1記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記サイコロ格納庫には、出目の確率が調整されたサイコロを個別に格納するための複数の個別格納庫が設けられ、
前記複数の個別格納庫には、それぞれ複数のサイコロを格納することを特徴とする請求項2記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記個別格納庫には、出目の確率が調整されたサイコロと出目の確率が調整されていないサイコロを混在させて格納することを特徴とする請求項3記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記複数の個別格納庫には、出目の確率が調整されていないサイコロのみが格納された個別格納庫を含むことを特徴とする請求項4記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記投下制御手段により投下されるサイコロの出目の予想を入力して設定する設定手段と、
前記サイコロ出目検出手段により検出された出目をもとに、前記設定手段により設定された予想を判定する判定手段と、
前記判定手段により予想が当たったことが判定された場合に、前記予想の設定に対する支払いを行う支払い手段と
をさらに具備したことを特徴とする請求項2記載のゲーム装置。
【請求項7】
前記演算手段は、前記支払い手段による支払いに基づいてペイアウト率を演算し、
前記サイコロ選択手段は、前記演算手段によって演算されたペイアウト率に応じてサイコロを選択することを特徴とする請求項6記載のゲーム装置。
【請求項8】
前記演算手段は、前記サイコロ出目検出手段によって検出される出目に基づいて、前記サイコロの各出目が出る確率を演算し、
前記サイコロ選択手段は、前記演算手段によって演算された確率に応じてサイコロを選択することを特徴とする請求項2記載のゲーム装置。
【請求項9】
出目の確率が調整された複数のサイコロを個別に格納する複数の個別格納庫が設けられたサイコロ格納庫と、
前記サイコロ格納庫の何れかの個別格納庫を選択して同個別格納庫に収納されたサイコロをテーブル上に投下する投下機構と、
前記投下機構によって投下されたサイコロの画像を撮影するカメラと、
前記カメラによって撮影されたサイコロの画像をもとにサイコロの出目を検出するサイコロ出目検出手段と、
前記投下機構により投下された前記テーブル上にあるサイコロを収納箱に回収する収納箱回収手段と、
前記収納箱を前記個別格納庫の位置まで上昇させて、前記収納箱内のサイコロを前記個別格納庫に回収する回収手段と
を具備したことを特徴とするゲーム装置。
【請求項1】
出目の確率が調整された複数のサイコロを個別に格納するサイコロ格納庫と、
前記サイコロ格納庫に格納されたサイコロの何れかを選択する振り出しサイコロ選択手段と、
前記振り出しサイコロ選択手段により選択されたサイコロを投下する投下制御手段と、
前記投下制御手段により投下されたサイコロの画像を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段により撮影された画像もとにサイコロの出目を検出するサイコロ出目検出手段と、
前記前記投下制御手段により投下されたサイコロを前記サイコロ格納庫に回収する回収手段と
を具備したことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記出目検出手段により検出された出目に応じて所定の演算を実行する演算手段とをさらに具備し、
前記サイコロ選択手段は、前記演算手段による演算結果に応じてサイコロを選択することを特徴とする請求項1記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記サイコロ格納庫には、出目の確率が調整されたサイコロを個別に格納するための複数の個別格納庫が設けられ、
前記複数の個別格納庫には、それぞれ複数のサイコロを格納することを特徴とする請求項2記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記個別格納庫には、出目の確率が調整されたサイコロと出目の確率が調整されていないサイコロを混在させて格納することを特徴とする請求項3記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記複数の個別格納庫には、出目の確率が調整されていないサイコロのみが格納された個別格納庫を含むことを特徴とする請求項4記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記投下制御手段により投下されるサイコロの出目の予想を入力して設定する設定手段と、
前記サイコロ出目検出手段により検出された出目をもとに、前記設定手段により設定された予想を判定する判定手段と、
前記判定手段により予想が当たったことが判定された場合に、前記予想の設定に対する支払いを行う支払い手段と
をさらに具備したことを特徴とする請求項2記載のゲーム装置。
【請求項7】
前記演算手段は、前記支払い手段による支払いに基づいてペイアウト率を演算し、
前記サイコロ選択手段は、前記演算手段によって演算されたペイアウト率に応じてサイコロを選択することを特徴とする請求項6記載のゲーム装置。
【請求項8】
前記演算手段は、前記サイコロ出目検出手段によって検出される出目に基づいて、前記サイコロの各出目が出る確率を演算し、
前記サイコロ選択手段は、前記演算手段によって演算された確率に応じてサイコロを選択することを特徴とする請求項2記載のゲーム装置。
【請求項9】
出目の確率が調整された複数のサイコロを個別に格納する複数の個別格納庫が設けられたサイコロ格納庫と、
前記サイコロ格納庫の何れかの個別格納庫を選択して同個別格納庫に収納されたサイコロをテーブル上に投下する投下機構と、
前記投下機構によって投下されたサイコロの画像を撮影するカメラと、
前記カメラによって撮影されたサイコロの画像をもとにサイコロの出目を検出するサイコロ出目検出手段と、
前記投下機構により投下された前記テーブル上にあるサイコロを収納箱に回収する収納箱回収手段と、
前記収納箱を前記個別格納庫の位置まで上昇させて、前記収納箱内のサイコロを前記個別格納庫に回収する回収手段と
を具備したことを特徴とするゲーム装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2009−279348(P2009−279348A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−137138(P2008−137138)
【出願日】平成20年5月26日(2008.5.26)
【出願人】(306019111)株式会社タイトー (475)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月26日(2008.5.26)
【出願人】(306019111)株式会社タイトー (475)
【Fターム(参考)】
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