説明

コアおよびクラッドの屈折率整合を提供する屈折率整合エラストマー固体層を有する光ファイバスイッチ、ならびにその方法

光ファイバスイッチ(230)は、それぞれが第1および第2の端面(203、204)を有する第1および第2の角度付き光ファイバ(231、232)を有する。第1および第2の角度付き光ファイバ(231、232)の各々は、コア屈折率(n1)を有するコア(235、236)、および前記コアを取り囲み、前記コア屈折率とは異なるクラッド屈折率(n2)を有するクラッド(237、238)を有する。光ファイバスイッチ(230)は、さらに、第1の屈折率整合エラストマー固体層(240)であって、前記第1の端面(203)に結合された隣接面、および該隣接面とは反対の、繰り返し可能に、光学的に前記第2の端面(204)に結合される先端面を有する第1の屈折率整合エラストマー固体層を有する。第1の屈折率整合エラストマー固体層(240)は、前記コアおよびクラッドの屈折率に整合する屈折率プロファイルを有する。光ファイバスイッチ(230)は、さらに、少なくとも一つのアクチュエータ(255)を有し、第1および第2の角度付き光ファイバ(231、232)は、結合位置と非結合位置の間で相対的に動かされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、光導波管および光ファイバの分野に関し、特に光ファイバコネクタ、導波管装置および関連する方法に関する。
に関する。
【背景技術】
【0002】
光ファイバは、長距離および短距離の双方におけるデータ信号の通信用の遠隔通信に広く使用されている。金属配線のような他の通信媒体に比べて、光ファイバは、信号がより少ないロスで送信され、電磁波の干渉の影響を受けにくいという利点を有する。また、光ファイバは、極めて高いバンド幅(すなわちデータ速度)を有する。また、光ファイバは、照明用に使用されても良く、束状に包まれ、光ファイバカメラ等における画像の搬送に使用されても良い。また、光ファイバは、例えば、センサおよびレーザのような他の用途に使用しても良い。
【0003】
しかしながら、光ファイバの一つの問題は、配線導体に比べて、光ファイバ同士を相互に結合することが比較的難しく、接続点の不連続性によって光反射が生じ、信号品質の顕著な劣化が生じることである。光ファイバを接続する一つの対応方法は、機械的な溶融スプライサ(splicer)を使用することである。これにより、2つのファイバが端部で相互に揃えられ、溶着される。これにより、ファイバ間には極めて低ロスの接続が得られるものの、溶融結合方法は、通常、極めて高価であり、このため、多くの用途では、実用的ではない。溶融スプライサは、恒久的な接続を形成し、一時的なスプライサまたは他の接続、例えば一時的なもしくは動的な接続には、あまり適さない。
【0004】
いくつかの光界面に使用される別の対策は、液体またはゲルのような屈折率整合材料を設置することである。そのような材料は、通常、光媒体の屈折率を整合するように構成されるが、この場合、屈折率整合材料のマイグレーション、および意図しない領域へのコンタミネーションによる問題が生じる。また、そのような材料には、埃が付着しやすく、通常の場合、一旦コンタミネーションが生じると清浄化することは難しい。
【0005】
Gilliandらの米国特許第5778127号には、光トランシーバ機器が示されており、この機器は、レンズに整列されたダイオードパッケージを含むハウジングを有し、さらにその間に導入された光フィラー組成物を有する。光フィラー組成物は、シリコーンエラストマーを有し、これは、屈折率整合素子、位置決め固定手段、または光減衰器として使用される。光ファイバコネクタまたは終端化の他の例は、以下の文献に示されている:Kingらの米国特許第5619610号、Olinらの米国特許第5515465号、Aloisioらの米国特許第6501900号、Filasらの米国特許第6097873号、およびCorkeらの米国特許第5058983。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第5778127号明細書
【特許文献2】米国特許第5619610号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、前述の背景に鑑み、本発明の目的は、改善された光相互接続を提供する光ファイバスイッチおよび関連する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的および他の目的、特徴、および利点は、それぞれ、第1および第2の端面を有する第1および第2の角度付き光ファイバを有する光ファイバスイッチによって提供される。前記第1および第2の角度付き光ファイバの各々は、コア屈折率を有するコア、および前記コアを取り囲み、前記コア屈折率とは異なるクラッド屈折率を有するクラッドを有する。当該光ファイバスイッチは、さらに、第1の屈折率整合エラストマー固体層であって、前記第1の端面に結合された隣接面、および該隣接面とは反対の、繰り返し可能に、光学的に前記第2の端面に結合される先端面を有する。前記第1の屈折率整合エラストマー固体層は、前記コアおよび前記クラッドの屈折率に整合する屈折率プロファイルを有する。当該光ファイバスイッチは、さらに、前記第1および第2の角度付き光ファイバを、結合位置と非結合位置の間で、相対的に移動させる少なくとも一つのアクチュエータを有する。従って、当該光ファイバスイッチは、比較的耐性があり、所望の光学的に結合された特性を提供する。
【0009】
特に、前記隣接端面は、前記第1の端面に化学的に結合され、前記先端面は、ロータックであり、前記第2の端面に、繰り返し可能に、直接機械的に結合されても良い。また、前記第1の屈折率整合エラストマー固体層の前記ロータック先端面は、前記第2の端面と、相互に押し付けられた際に、空気ポケットのない湿式界面を形成する表面特性を有しても良い。また、当該光ファイバスイッチは、さらに、第2の屈折率整合エラストマー固体層を有し、該第2の屈折率整合エラストマー固体層は、前記第2の端面に化学的に結合された隣接端面と、該隣接端面とは反対の、前記第1の屈折率整合エラストマー固体層の前記ロータック先端面に、繰り返し可能に、光学的および機械的に結合されたロータック先端面とを有しても良い。
【0010】
例えば、前記第1の角度付き光ファイバは、相互に接合された第1組の横断方向の光ファイバ端部を有し、前記第2の角度付き光ファイバは、相互に接合された第2組の横断方向の光ファイバ端部を有しても良い。また、前記第1の屈折率整合エラストマー固体層は、例えばアクリレート高分子を有しても良い。
【0011】
ある実施例では、前記第1の端面は、前記第1の光ファイバの軸に対して垂直な方向からの傾斜角を有し、前記第1の屈折率整合エラストマー固体層は、均一な厚さを有し、前記傾斜角と整合しても良い。
【0012】
例えば、前記第1および第2の角度付き光ファイバの各々は、マルチモードの光ファイバを有しても良く、少なくとも一つのアクチュエータは、少なくとも一つの圧電アクチュエータを有しても良い。
【0013】
また、前記第1の屈折率整合エラストマー固体層は、所望の作動波長において前記コアと整合する第1の屈折率を有する中央領域と、前記コアを取り囲み、所望の作動波長でクラッドと整合する第2の屈折率を有する領域と、を有する。また、前記第1の屈折率整合エラストマー固体層は、所望の作動波長で前記コアと整合する第1の傾斜屈折率を有する中央領域と、前記コアを取り囲み、所望の作動波長でクラッドと整合する第2の屈折率を有する領域と、を有する。
【0014】
光ファイバスイッチを製造する関連する方法は、それぞれ、第1および第2の端面を有する第1および第2の角度付き光ファイバを形成するステップを有する。前記第1および第2の角度付き光ファイバの各々は、コア屈折率を有するコアと、前記コアを取り囲み、前記コア屈折率とは異なるクラッド屈折率を有するクラッドとを有する。当該方法は、さらに、第1の屈折率整合エラストマー固体層を形成するステップを有し、前記第1の屈折率整合エラストマー固体層は、前記第1の端面に結合された隣接面、および該隣接面とは反対の、繰り返し可能に、光学的に前記第2の端面に結合された先端面を有する。前記第1の屈折率整合エラストマー固体層は、前記コアおよび前記クラッドの屈折率と整合する屈折率プロファイルを有する。当該方法は、さらに、少なくとも一つのアクチュエータを配置するステップであって、前記アクチュエータは、前記第1および第2の角度付き光ファイバを、結合位置と非結合位置の間で、相対的に移動させるステップと、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1A】繰り返し可能な光ファイバ相互接続の概略的な断面図である。
【図1B】繰り返し可能な光ファイバ相互接続の概略的な断面図である。
【図2A】第1および第2の屈折率整合エラストマー固体層を有する図1Aおよび1Bの繰り返し可能な光ファイバ相互接続の代替実施例の概略的な断面図である。
【図2B】第1および第2の屈折率整合エラストマー固体層を有する図1Aおよび1Bの繰り返し可能な光ファイバ相互接続の代替実施例の概略的な断面図である。
【図3】図1Aおよび図1Bの相互接続の代替実施例に使用される、対応する屈折率整合エラストマー固体層を有さない角度付き端部を有する光ファイバの断面図である。である。
【図4】図1Aおよび図1Bの相互接続の代替実施例に使用される、対応する屈折率整合エラストマー固体層を有する角度付き端部を有する光ファイバの断面図である。
【図5A】光ファイバ用のフェルールマウントを有する図1Aおよび1Bの繰り返し可能な光ファイバ相互接続の代替実施例の概略的な断面図である。
【図5B】光ファイバ用のフェルールマウントを有する図1Aおよび1Bの繰り返し可能な光ファイバ相互接続の代替実施例の概略的な断面図である。
【図6】図1Aおよび1Bの相互接続を製造するための方法を示したフロー図である。
【図7A】本発明によるコアおよびクラッドの屈折率との整合を提供する屈折率整合エラストマー固体層を含む繰り返し可能な光ファイバ相互接続の概略的な断面図である(非結合位置が示されている)。
【図7B】本発明によるコアおよびクラッドの屈折率との整合を提供する屈折率整合エラストマー固体層を含む繰り返し可能な光ファイバ相互接続の概略的な断面図である(結合位置が示されている)。
【図8】図7Aおよび7Bの屈折率整合エラストマー固体層の端部の図である。
【図9】傾斜屈折率を有する図8の屈折率整合エラストマー固体層の代替実施例の端面の図である。
【図10】図7Aおよび7Bの相互接続を製造する方法のフロー図である。
【図11】図7Aおよび7Bの相互接続を製造する方法のフロー図である。
【図12】図7Aおよび7Bの相互接続の代替実施例において使用される、対応する屈折率整合エラストマー固体層および角度付き端部を有する、光ファイバの概略的な断面図である。
【図13】図7Aおよび7Bの相互接続の代替実施例に使用される、光ファイバおよび対応するフェルールマウントの概略的な断面図である。
【図14】図7Aおよび7Bの相互接続の代替実施例の概略的な断面図である。
【図15A】本発明による屈折率整合エラストマー固体層を有する、光ファイバスイッチの概略的な断面図である(結合位置が示されている)。
【図15B】本発明による屈折率整合エラストマー固体層を有する、光ファイバスイッチの概略的な断面図である(非結合位置が示されている)。
【図16】図15Aおよび15Bの光ファイバスイッチを製造する方法を示したフロー図である。
【図17】コアおよびクラッドの屈折率との整合を提供する屈折率整合エラストマー固体層を有する、図15Aおよび15Bに光ファイバスイッチの代替実施例の製造する方法を示したフロー図である。
【図18】本発明による光ファイバスイッチおよび相互接続に使用される、屈折率整合エラストマー固体層の開始組成の計算に使用される表である。
【図19】一例としてのアクリレートモノマーの一連の化学式である。
【図20】一例としての光開始剤の化学式である。
【図21】一例としての光開始剤の化学式である。
【図22】本発明による光ファイバスイッチおよび相互接続に使用される屈折率整合エラストマー固体コアおよびクラッド材料の、測定された屈折率の分布のグラフである。
【図23】図15Aおよび15Bの光ファイバスイッチに使用される角度付き光ファイバを形成する部材の概略図である。
【図24】本発明による光ファイバスイッチおよび相互接続に使用される、一例としての屈折率整合エラストマー固体材料式の予想ファイバ対ファイバロスを測定したグラフである。
【図25】本発明による光ファイバ装置および屈折率整合エラストマー固体層を製造する追加の方法を示したフロー図である。
【図26】本発明による光ファイバ装置および屈折率整合エラストマー固体層を製造する追加の方法を示したフロー図である。
【図27】本発明による光ファイバ装置および屈折率整合エラストマー固体層を製造する追加の方法を示したフロー図である。
【図28】本発明による光ファイバ装置および屈折率整合エラストマー固体層を製造する追加の方法を示したフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1Aおよび1Bは、本発明による、繰り返し可能な光ファイバ相互接続の概略的な断面図である(それぞれ、結合/非結合位置が示されている)。この相互接続は、屈折率整合エラストマ−固体層を有し、コア屈折率と整合する屈折率を提供する。
【0017】
図2Aおよび2Bは、第1および第2の屈折率整合エラストマー固体層を有する図1Aおよび1Bの繰り返し可能な光ファイバ相互接続の代替実施例の概略的な断面図である。
【0018】
図3および4は、それぞれ、対応する屈折率整合エラストマー固体層を有するおよび有さない、角度付き端部を有する光ファイバの概略的な断面図である。これは、図1Aおよび1Bの相互接続の代替実施例に使用される。
【0019】
図5Aおよび5Bは、図1Aおよび1Bの繰り返し可能な光ファイバ相互接続の代替実施例の概略的な断面図である。これは、光ファイバ用のフェルールマウントを有する。
【0020】
図6は、図1Aおよび1Bの相互接続を製造するための方法を示したフロー図である。
【0021】
図7Aおよび7Bは、本発明による屈折率整合エラストマー固体層を含む繰り返し可能な光ファイバ相互接続の概略的な断面図である(それぞれ、結合/非結合位置が示されている)。屈折率整合エラストマー固体層は、コアおよびクラッドの屈折率整合を提供する。
【0022】
図8は、図7Aおよび7Bの屈折率整合エラストマー固体層の端部の図である。
【0023】
図9は、傾斜屈折率を有する図8の屈折率整合エラストマー固体層の代替実施例の端面の図である。
【0024】
図10は、図7Aおよび7Bの相互接続を製造する方法のフロー図である。
【0025】
図11は、図8の屈折率整合エラストマー固体層を製造する方法のフロー図である。
【0026】
図12は、図7Aおよび7Bの相互接続の代替実施例において使用される、対応する屈折率整合エラストマー固体層および角度付き端部を有する、光ファイバの概略的な断面図である。
【0027】
図13は、図7Aおよび7Bの相互接続の代替実施例に使用される、光ファイバおよび対応するフェルールマウントの概略的な断面図である。
【0028】
図14は、図7Aおよび7Bの相互接続の代替実施例の概略的な断面図である。第1および第2の光ファイバは、異なるコアサイズを有し、屈折率整合エラストマー固体層は、傾斜コア部を有し、これによりGRINレンズ相互接続構造が提供される。
【0029】
図15Aおよび15Bは、本発明による屈折率整合エラストマー固体層を有する、光ファイバスイッチの概略的な断面図である(それぞれ、結合/非結合位置が示されている)。
【0030】
図16は、図15Aおよび15Bの光ファイバスイッチを製造する方法を示したフロー図である。
【0031】
図17は、屈折率整合エラストマー固体層を有する、図15Aおよび15Bの光ファイバスイッチの代替実施例を製造する方法を示したフロー図である。屈折率整合エラストマー固体層により、コアおよびクラッドの屈折率整合が提供される。
【0032】
図18は、一連の表であり、これは、本発明による光ファイバスイッチおよび相互接続に使用される、屈折率整合エラストマー固体層の開始組成の計算に使用される。
【0033】
図19は、一例としてのアクリレートモノマーの一連の化学式であり、これは、本発明による光ファイバスイッチおよび相互接続に使用される、屈折率整合エラストマー固体層の形成に使用される。
【0034】
図20および21は、一例としての光開始剤の化学式であり、これは、本発明による光ファイバスイッチおよび相互接続に使用される、屈折率整合エラストマー固体材料系を含む。
【0035】
図22は、本発明による光ファイバスイッチおよび相互接続に使用される屈折率整合エラストマー固体コアおよびクラッド材料の、測定された屈折率の分散のグラフである。
【0036】
図23は、図15Aおよび15Bの光ファイバスイッチに使用される角度付き光ファイバを形成する部材の概略図である。
【0037】
図24は、本発明による光ファイバスイッチおよび相互接続に使用される、一例としての屈折率整合エラストマー固体材料系の予想ファイバ対ファイバロスを測定したグラフである。
【0038】
図25乃至28は、本発明による光ファイバ装置および屈折率整合エラストマー固体層を製造する追加の方法を示したフロー図である。
【0039】
以下、添付図面を参照して、本発明について詳しく説明する。図には、本発明の好適実施例が示されている。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で実施されても良く、示された実施例に限定するものと解してはならない。また、これらの実施例は、開示の内容を良く理解するために提供され、当業者に対して、本発明の範囲を十分に網羅する。全体を通して、同様の参照符号は、同様の素子を表し、同様の素子を別の実施例で示す場合、主要な表示法が使用される。
【0040】
まず、図1Aおよび1Bを参照すると、繰り返し可能な光ファイバ相互接続30は、第1および第2の光ファイバ31、32を有し、これらは、それぞれ、第1および第2の塩面33、34を有する。第1および第2の光ファイバ31、32の各々は、それぞれ、コア屈折率n1を有するコア35、36(例えばドープされたシリカガラスコア)を有し、それぞれのクラッド37、38(例えばプラスチック)は、コアを取り囲み、コア屈折率よりも小さなクラッド屈折率n2を有する。繰り返し可能な光ファイバ相互接続30は、さらに、第1の屈折率整合エラストマー固体層40を有し、これは、第1の端面33に化学的に結合された隣接面41を有し、これは、示された実施例においてドットで表されている。化学的結合は、屈折率整合材料の適切な選定、および/または端面33に対する、例えばシラン化合物のような各種表面処理によって得られ、これは、当業者には明らかである。また、第1の屈折率整合エラストマー固体層40は、隣接面41とは反対のロータック先端面42を有し、これは、図に示すように、第2の光ファイバ32の第2の端面34に、繰り返し可能に、光学的に結合される点で有意である。ロータック先端面は、屈折率整合材料(後硬化特性が考慮される)の適切な選定、および/または表面コーティングの追加によって得られても良く、これらも当業者には明らかである。ここで、「ロータック」表面とは、接合された第1および第2の光ファイバを、屈折率整合材料の表面の恒久的な劣化を伴わずに、また単位面積当たりに過度の力を必要とせずに、非接合にできることを意味する。例えば、第2の接合部材の材料が溶融シリカの場合、その力は、10g/mm2未満であっても良く、1g/mm2未満であることが好ましい。
【0041】
また、第1の屈折率整合エラストマー固体層40は、少なくとも、コア35、36の屈折率n1に整合する屈折率n1を有することが有意である。すなわち、第1の屈折率整合エラストマー固体層40の屈折率は、相互に結合されるコア35、36の屈折率と実質的に等しくなるように選定される。この第1の屈折率整合エラストマー固体層40は、屈折率整合液体またはゲルの光機能を提供するが、そのような材料の前述の問題は生じない(例えばコンタミネーションに対する低い感受性など)。また、第1の屈折率整合エラストマー固体層40を、第1の端面41に化学的に結合することにより、第2の整合端面34との間で一時的な接合が繰り返しなされても、層は、所定の位置に恒久的に残留する。
【0042】
エラストマー固体特性の屈折率整合および第1の端面33との化学的結合の結果、層40により、抑制された送信ロスおよび背面反射が提供されるといいう利点が得られる。また、これは、所定位置に常時残留し、屈折率整合ゲルおよび液体のように、マイグレーションしない。さらに、当業者には容易に理解できるように、層40は、埃やコンタミネーションに対してより耐性があり、清浄化することができ、光学的に平滑な表面が維持され、所望の形状に成形したり形状化したりすることが可能になり、屈折率の値および弾性特性(例えばヤング率、可撓性など)を広い範囲で調節することができる。例えば、第1の屈折率整合エラストマー固体層40は、アクリレート高分子を有しても良い。アクリレートは、例えばリソグラフィー法を用いてパターン化されるため、これにより、比較的高い精度で形成され、配置された、正確な層構造を形成することが可能になる。層40に使用されるエラストマー系の一例は、以下に詳しく示されている。
【0043】
ある実施例では、ロータック先端面42は、第2の端面に、繰り返し可能に機械的に直接結合されても良い。例えば、相互に押し付けられた際、第1の屈折率整合エラストマー固体層のロータック先端面は、第2の端面との間で、空気ポケットのない湿式界面を定める表面特性を有し、これにより、当業者には明らかなように、第2の光ファイバ32の第2の整合端面34と部分的に結合する機械的な吸引力が提供される。
【0044】
示された実施例では、光ファイバ31、32は、マルチモードのファイバである。すなわち、光ファイバ31、32は、多くの伝播経路または横断モードを支持しても良く、これは、単一モードまたは伝播経路を支持する、単一モードのファイバとは対照的である。マルチモードファイバは、通常、大きなコア直径を有し、短い距離での通信リンク、および高パワー伝送が必要な用途、例えば局部的なネットワークもしくはビル間のような用途に使用される。
【0045】
光ファイバの追加または再配置は、マルチモードファイバが使用される局地的な領域には適しているため、繰り返し可能な光学的(および必要な場合、機械的)結合マルチモードファイバは、極めて有意である。しかしながら、示された屈折率整合エラストマー固体層は、比較的長い通信リンクに通常使用される、単一モードの光ファイバに使用されても良いことは、当業者には明らかである。
【0046】
また図2を参照すると、繰り返し可能な光ファイバ相互接続30’の代替実施例は、第2の屈折率整合エラストマー固体層43’を有する。第2の層43’は、第1の層40’と同様であり、これは、第2の光ファイバ32’の第2の端面34’と化学的に結合された隣接端面44’、および該隣接端面の反対の、第1の屈折率整合エラストマー固体層40’のロータック先端面42’に、繰り返し可能に、光学的機械的に結合されたロータック先端面45’を有する。
【0047】
図3に示すように、ある実施例では、第1の端面34”は、第1の光ファイバ31”の軸46”に対して垂直な方向からの傾斜角を有する。そのような実施例では、第1の屈折率整合エラストマー固体層40”は、均一な厚さを有し、図4に示すように、傾斜角と整合しても良い。この場合、相互接続は、垂直光ファイバ端面が使用される用途、さらには角度付き光ファイバ端面に、繰り返し可能な光結合が要求される用途、例えば以下に示す光スイッチに使用される点で有意である。
【0048】
層40”は、光ファイバ31”の延長部を形成するように調整され、ファイバの端面の角度に適合される。層40”の結果、2つの光ファイバ30”、32”の間で、高いレベルの光送信が維持されるという利点が得られる。この層がない場合、両者の間に、光はほとんどまたは全く伝送されない。また、層40”のエラストマー的性質により、接合面の僅かの不連続性も均一に充填することができ、当業者には明らかなように、界面での反射および散乱による光のロスが抑制されるという利点が得られる。
【0049】
図5Aおよび5Bには、繰り返し可能な光ファイバ相互接続30’’’のさらに別の実施例が示されている。示された例では、第2の光ファイバ用の第2のフェルールマウント51’’’に沿って、第1の光ファイバ用の第1のフェルールマウント50’’’が提供される。当業者には明らかなように、光ファイバーの終端では、2つのファイバを相互に接続することを支援するため、しばしば、精密なフェルールが必要となる。第1および第2のファイバ31’’’、32’’’は、図5Bにおいて、相互に光結合された状態で示されている。
【0050】
以下、図6を参照して、第1および第2の光ファイバ31、32の間で、繰り返し可能な光ファイバ相互接続を製造する方法について、説明する。ブロック60で開始される当該方法は、ブロック61において、第1の屈折率整合エラストマー固体層40を形成するステップを有し、この固体層40は、第1の光ファイバ31の第1の端面33に化学的に結合される隣接面41、および隣接面と反対のロータック先端面42を有する。前述のように、ロータック先端面42は、繰り返し可能に、第2の光ファイバ32の第2の端面34と光学的に結合され、これにより示された方法が完了する(ブロック62)。
【0051】
図7A、7B、および8を参照すると、繰り返し可能な光ファイバ接続130の別の実施例は、屈折率整合エラストマー固体層140を有し、この固体層は、コア135およびクラッド137の屈折率に整合する屈折率プロファイルを有する。より具体的には、層140は、コア135の屈折率と整合する屈折率n1の第1の部分148と、クラッド149の屈折率と整合する屈折率n2を有する第2の部分149とを有する。当業者には明らかなように、層140は、光ファイバ131に化学的に結合される。層140は、光ガイド構造、すなわち光導波管を提供する。すなわち、層140は、光ファイバ131の拡張部を形成するように調整され、伝播光モードの保護が可能となる。また、層140のエラストマー性質により、接合面131、132の僅かの不連続性も、均一に充填され、これにより、界面での反射および散乱による光ロスが回避される。従って、誘導構造と整合されるモードでは、抑制されたロスおよび背面反射が提供されるという利点が得られる。
【0052】
前述のように、ウレタンおよびチオレンを有するアクリレートおよびコポリマは、層140の形成に有意な材料である。これらは、所望の光整合性を提供し、リソグラフィー法または成形法のような技術を用いて、比較的高精度にパターン化することができる。また、これらの材料を使用して、第1の部分148用の異なる屈折率プロファイルを形成できる点で有意である。特に、図9には、層140’の代替実施例が示されており、当業者には明らかなように、図8の第1の部分148とは対照的に、第1の部分148’は、傾斜屈折率を有する。これは、当業者には明らかなように、所望の作動波長でコア135’と整合する、半径方向に均一な屈折率を有する。傾斜部分148’は、以下に示すように、GRINレンズ用途において、特に有益である。
【0053】
図10を参照して、第1および第2の光ファイバ131、132の間で繰り返し可能な光ファイバ相互接続を製造する別の方法について説明する。ブロック60’から始まるこの方法は、ブロック61’において、第1の屈折率整合エラストマー固体層140を形成するステップを有し、この固体層は、第1の光ファイバ131の第1の端面133に化学的に結合された隣接面141と、該隣接面とは反対のロータック先端面142とを有する。前述のように、ロータック先端面142は、第2の光ファイバ132の第2の端面134に繰り返し可能に、光学的に結合され、これにより示された方法が完了する(ブロック62’)。
【0054】
以下、図11を参照して、第1および第2の部分148、149を有する層140を形成する一例について、説明する。層140の第1の部分148の形成ステップは、まず、ステップ110において、コア材料のパターンを露出するステップを有し、これは、例えばシリコン基板のような基板109上に、コア形成剤をスピン塗布の後、ガラスマスクを介した隣接露出により実施されることが有意である。ある実施例では、コア形成は、基板109ではなく、光ファイバ131の端部に、直接行われても良い。接触露光が行われ、液体モノマーが、マスクと基板109の間の領域に充填される。次に、ステップ111において、第1の部分140は、パターン化され現像され、その後、ステップ112において、クラッド形成剤の導入が行われる。クラッドは、図に示すようなカバー板113を用いて、コアの側面にのみ形成されるようにしても良く、クラッドモノマーを用いた浸透力によって、基板とガラスカバー板113の間の空間が充填される。
【0055】
傾斜屈折率が必要な場合、ステップ114において、ある加熱温度(例えば40℃乃至60℃、ただし、他の実施例では、他の温度も使用できる)で組立体を浸漬することにより、コアまたは第1の部分148は、部分的に、コアが形成されるのに十分なレベルまで硬化され、液体クラッド系が、コアのモノマーと置換される。傾斜の度合いは、時間、温度、およびパターン化コアの硬化の割合に依存し、これは当業者には明らかである。通常の傾斜屈折率ガイドでは、各系中のモノマーは、2または3以上のモノマーを含むことが好ましく、当業者には明らかなように、これは、比較的幅広い範囲の屈折率を有し、異なる硬化速度により、異なる屈折率のモノマーが、容易にコア領域に、および/またはコア領域から拡散される。
【0056】
熱浸漬を使用せずに傾斜屈折率を得る場合、射出クラッド系は、単に、十分な時間、室温に保持され、これによりクラッド部分149がコア部分148の周囲に広がる。ステップ115において、第2のUV露光が実施されても良い。その後、ステップ116では、層140は、パッケージ処理またはハンドリングの間、基板に結合された状態で残留し、またはステップ117において、基板116から除去され、光ファイバ131に結合される自由自立層が提供される。一実施例では、層140は、ガラスカバー板113に取り付けられたまま、基板190から剥離される。ある実施例では、62.5ミクロンの直径のマスクサイズが使用され、この直径は、コアの寸法を実質的に再現する。当業者には明らかなように、露光不足または露光オーバーによって、あるいは必要な場合、現像不足によって、直径のズレが生じることが有意である。
【0057】
前述の各種アプローチを用いて製造される追加の構成は、図12乃至14に示されている。傾斜端面を有する光ファイバ131’、および均一厚さで、傾斜端面の傾斜角に整合する対応する屈折率整合エラストマー固体層140’は、図12に示されている。図13に示すように、図5Aおよび5Bに示した実施例と同様の別の一実施例が示されており、これは、フェルールマウント150’、ならびに第1(コア整合)および第2(クラッド整合)の部分148”、149”を有する屈折率整合エラストマー固体層140”を有する。図14の実施例では、屈折率整合エラストマー固体層140’は、傾斜屈折率を有する第1の(コア)部分148’’’を有し、この層は、第1および第2の光ファイバ131’’’、132’’’の間に配置され、これにより、当業者には明らかなように、フェルール150’’’に取り付けられた一体化GRINレンズが提供される。
【0058】
図15Aおよび15Bを参照すると、屈折率整合エラストマー固体層240を有する光ファイバスイッチ230の一例は、第1および第2の角度付き光ファイバ201、202を有し、これらは、マルチモードまたは単一モードのファイバであっても良い。特に、スイッチ230は、図15Aでは、結合または閉止位置(スイッチ状態1)で示されており、図15Bでは、非結合または開状態(スイッチ状態2)で示されている。結合位置では、光は、経路A−A’(すなわち2つのコア235、237の間)に沿って伝送され、非結合位置では、経路A−B(すなわち第1の光ファイバ231内)に沿って、および/または経路B’−A’(すなわち第2の光ファイバ232内)に沿って伝送される。
【0059】
第1および第2の角度付き光ファイバ201、202の各々は、それぞれ、第1および第2の端面203、204を有する。前述の実施例のように、屈折率整合エラストマー固体層240は、第1の端面203に結合された隣接面と、該隣接面とは反対の、第2の端面204と繰り返し可能に、光学的に結合される先端面とを有する。ここでも、図1Aおよび1Bに示したように、屈折率整合エラストマー固体層240は、コアの屈折率と整合する屈折率を有する。また、光ファイバスイッチ200は、1または2以上のアクチュエータ255(例えば圧電アクチュエータ)を有しても良く、当業者には明らかなように、このアクチュエータは、第1および第2の角度付き光ファイバ231、232を、結合位置および非結合位置の間で、相対的に移動させる。
【0060】
光ファイバスイッチ230を製造する方法は、図16に示されている。ブロック160で始まり、第1および第2の角度付き光ファイバ231、232が形成され、各々は、それぞれの第1および第2の端面を有する(ブロック161)。前述のように、第1および第2の角度付き光ファイバ231、232の各々は、屈折率n1を有するコア235、237と、コアを取り囲み、コア屈折率とは異なるクラッド屈折率n2を有するクラッド236、238とを有する。また、この方法は、ブロック162において、屈折率整合エラストマー固体層140を形成するステップを有し、この固体層は、第1および第2の端面203に結合された隣接面と、該隣接面とは反対の、繰り返し可能に、第2の端面204と光学的に結合される先端面とを有する。ここでも、屈折率整合エラストマー固体層204は、少なくともコア235の屈折率n1と整合する屈折率を有する。また、この方法は、ブロック163において、1または2以上のアクチュエータ255を配置するステップを有し、このアクチュエータは、結合位置(図15A)と非結合位置(図15B)の間で、第1および第2の角度付き光ファイバ231、232を相対的に移動させ、これにより示された方法が完了する(ブロック164)。
【0061】
ある実施例では、光スイッチは、屈折率整合エラストマー固体層を有し、この固体層は、前述の図7Aおよび7Bに示したように、コアおよびクラッドの両方と整合する。そのような光スイッチを製造する方法は、図17に示されており、ブロック162’において、屈折率整合エラストマー固体層は、コアおよびクラッドの屈折率と整合する屈折率を有するように形成される。ある光ファイバスイッチの実施例では、第2の屈折率整合エラストマー固体層は、図2Aおよび2Bを参照して説明したように、第2の光ファイバ232の第2の面204に化学的に結合されことは、当業者には明らかであることに留意する必要がある。
【0062】
一般に、マルチモードスイッチの所望の特性には、挿入ロスの厳しい要求を得ること、低いリターンロス、および迅速な切り替え時間が含まれる。しかしながら、通常、マルチモードスイッチにおいて、そのような特性を実現することは難しい。通常、マルチモードスイッチは、ファイバの動きまたは光学素子(例えばミラー)の動きを利用する機械的なタイプである。迅速な切り替え時間を得るためには、移動量を減らすため、微小電気機械システム(MEMS)スケ−ルの部材が必要となる。必要な動きの範囲を抑制するような設計が望ましい。また、結合スイッチ状態におけるスイッチの正確な配置、導波管の面の角度合わせ、および/またはガイド間の界面での慎重な屈折率整合が、通常必要となる。未誘導の光路の減少も、十分に検討する必要がある。
【0063】
これらの特性は、スイッチ200により得ることができる。このスイッチは、全内部反射(FTIR)の原理で作動する。スイッチ200では、第1および第2の端面203、204の間に、少しの動きしか要求されない。通常、スイッチ200の作動に必要な移動は、約3波長(例えば4ミクロン)以下である。スイッチは、45゜以上の角度(α)インターフェースで構成され、状態1(結合位置)での背面反射が十分に抑制される。前述のように、スイッチ200は、2つのスッチ状態のいずれか、すなわち(1)AからA’(すなわち結合)、および(2)AからBおよび/またはB’からA’(非結合)を達成する。当業者には明らかなように、スイッチ200は、2×2のハーフクロスバースイッチとして構成され、または2つの1×2スイッチで組み立てられても良い。
【0064】
以下、図18乃至24を参照して、光スイッチの一実施例について説明する。以下の例では、屈折率整合エラストマー固体層は、エラストマー屈折率整合媒体(EIMM)と称する。EIMMが光ガイドとして構成される場合、これは、フィルムの面に対して、45゜以上の角度に配向されたコアを有し、ファイバーのコアと整合するように寸法化される(例えば50または62.5μm)。図15Aおよび15Bに示すように、コアは、ファイバーと整列され、EIMMが取り付けられる。
【0065】
EIMMのコア領域148が屈折率傾斜している実施例では、光は、ファイバ自身を介して伝播するように、EIMMを介して伝播する。これにより、ロスが抑制され、必要に応じて、所与の設計の機械的態様を満たすように、EIMMを異なる厚さにすることが可能となる。状態2(すなわち非結合)では、EIMMと空気の間の界面で、光の十分な部分が反射される。当業者には明らかなように、図15Aおよび15Bに示されている基本設計は、変更が可能である。いくつかの想定される変更には、例えば、経路BおよびB’に光を集光し、または導入するため、静的ミラーまたはレンズを使用することが含まれる。また、他のタイプのアクチュエータを使用しても良い。
【0066】
各種EIMM高分子系が、前述の繰り返し可能な光ファイバ相互接続および光ファイバスイッチに使用されても良い。通常、EIMM高分子は、アクリレートおよび/またはメタクリレートのUV硬化処理を介して形成される。高分子の製作は、液体アクリレートおよび/またはメタクリレート(ここでは、(メタ)アクリレートと略する)モノマーの形成から始まり、これには少量の光開始剤および耐酸化剤が含まれる。製造により、モノマーの屈折率589.3nm(ナトリウムD線)が提供される。光ファイバ用途では、1310nmおよび/または850nmでの高分子の屈折率に、特に関心が集まる。異なるモノマー系で構成された高分子は、異なる屈折率および異なる分散状態を有し、これは当業者には明らかである。
【0067】
初期予測に使用するため、開始系におけるモノマーの相対量の関数としての屈折率が決定される。この予測式は、開始点として使用され、次に、少量の追加された特定のモノマーを用いて、実際の測定に基づいて、所望の高分子のターゲットとなる屈折率式が再調整される。図18には、一例の表を示す。この表を用いて、液体モノマー系の開始組成が計算される。光開始剤および耐酸化剤は、全体積に対して僅かの割合しかないため、計算の際には無視される。
【0068】
表18.1には、液体モノマーの特性を記載する入力値、および各モノマーの体積百分率を示し、これらは、使用のターゲットとされる。表18.3の最初の2行の実験パラメータは、重合化(δ)の結果として得られる予測される変化の指標を与えるとともに、分散(ξ)の結果として、589nmから1310nmまたは850nmまでの、屈折率の予想シフトを与える。δは、液体モノマーと硬化高分子の間の589.3nmでの屈折率の比によって予測される。分散因子ξは、ターゲット波長(850nmまたは1310nm)と589.3nmでの高分子の屈折率の比である。これらのパラメータは、密接に関連するアクリレート高分子の測定から得られる。計算値は、表18.3の最後の3行において、強調されている。示された例では、コーニングInfiniCor SX 50μmファイバのNAは、0.200であり、各モノマーの体積百分率は、この値に到達するように調整される。予想屈折率の計算は、以下の式(1)によって行われ、ここで、Vfiは、i番目の成分の体積比を表し、δは、重合化因子であり、ξは、1310nmまたは850nmでの分散因子である:
【数1】

一例としてのスイッチは、2つの傾斜屈折率ファイバタイプの周囲に構成される:ニューヨーク、コーニング社のInfiniCor SX(50μm)およびコーニングInfiniCor CL-1000(62.5μm)である。850nmで作動するシステムでは、InfiniCor SXが使用され、約1310nmで作動するシステムには、InfiniCor CL-1000が使用される傾向にある。ただし、何れの波長領域において、いずれのファイバタイプを使用しても良い。EIMMは、屈折率整合が得られるように設計されるため、関心波長での各ファイバの屈折率を特徴化することは重要であり、このまとめとして、以下の表には、InfiniCorファイバの測定された特定のパラメータが示されている。
【0069】
【表1】

前述のように、エラストマー屈折率整合媒体は、(メタ)アクリレート高分子であっても良く、これは、アクリレートおよびメタクリレートモノマーから、UV硬化処理により合成される。当業者には明らかなように、モノマーは、所望の高分子特性を網羅する、各種尺度に基づいて選定され、例えば屈折率、硬度、ヤング率、靭性、および透明度などに基づいて選定される。健康リスクまたは毒性の少ないモノマーが好ましい。また、通常、低硬度〜中程度の硬度を有する高分子が好ましく、この場合、スイッチが閉止または結合される(A-A’)位置にある際、光接触表面の湿式化が容易に実現できる。ヤング率は、ファイバの全コア領域(および必要な場合クラッド領域)を網羅する湿式スポットを得る上で必要な力を決定する。
【0070】
アクリレートモノマーの一選定例は、図19に示されている。各モノマーは、特殊な特性に寄与する。フッ素化合物、F8DA、およびTFPMは、系の屈折率の低下に使用され、ファイバコアおよびクラッドの屈折率が整合される。芳香族化合物、EBDA-10は、フェニル基の存在により、コアに対する屈折率の上昇に寄与する。エポキシ基のその長いペンダント鎖のため、これは、可撓性、靭性、および硬度の低下を提供する。脂肪族ジアクリレート、PNGDAは、中間屈折率および所望の機械的可撓性を有し、F8DAまたはEBDA-10との組み合わせにより、クラッドおよび/またはコアの屈折率を上下に調整することができる。TFPM、IBA、およびIOAのような単官能基のモノマーは、クロスリンク密度を調整し、硬度および靭性に影響を及ぼす。また、これらのモノマーは、高分子のガラス転移温度(Tg)の上下の調整に使用されても良く、IBAのホモポリマーは、比較的高いTg(90℃)を有し、IOAのホモポリマーは、比較的低いTg(-54℃)を有する。通常、これらのまたは他の適当なモノマーの組み合わせに使用により、混和性が得られ、重合化の際の相分離が生じにくくなる。以下の表には、いくつかのモノマーの例の物理的特性のリストを示す。
【0071】
【表2】

前述のモノマーは、単官能基および2官能基のモノマーを含み、すなわち、これらは、1または2以上の(メタ)アクリレート基を有する。これらの基は、フリーラジカルの重合化機構に従い、エラストマー特性を有する重度にクロスリンクされた固体が得られる。UV光による重合化を開始させるため、系には、UV感応光開始剤が導入される。また、時間とともに黄色化する傾向を抑制するため、耐酸化剤が添加される。これらの成分の各々は、系において、少量で存在し、例えば2%以下のレベルで存在する。前述のように、系の好ましい態様は、構成成分が混和性であり、重合が生じても残留することである。相分離は、ヘイズの形成につながり、光散乱ロスにつながる。系の一例は、以下の表に示されている:
【表3】

例えば、スイスのCiba of Basel社のIrganox 1010は、適当な耐酸化剤として使用される。また、図20および21には、2つの適当な液体光開始剤が示されている。示された両方の光開始剤は、水銀ランプ(I線)からUV光に応答する、所望の応答性を有する。D4265は、最も強い応答性を示すが、これは、ある青色光に対しても同様に感度を示す(H線)。そのため、当業者には明らかなように、フィルタ化された(黄色光)照明の領域での保管および使用が必要となる。
【0072】
前述のモノマーおよび光開始剤で構成されるいくつかの材料系は、屈折率および分散特性に特徴がある。コアおよびクラッドのサンプルは、シリコン基板上にコーティングされ、出力約35mW/cm2の高圧水銀光源から、1500mJの線量のUV光に暴露される。次に、硬化サンプルは、窒素流環境下125℃で、1時間熱処理される。熱処理は、残留未硬化モノマーおよび光開始剤などのような、低分子量種を昇華除去するため実施される。薄膜で(通常10乃至50μmの厚さ)のプリズム結合測定法により、屈折率を測定した。図18から指定されたEIMM-200の系の結果を、図7に示す。これらの結果は、EIMM-200コアおよびクラッドの系のものであり、前述のInfiniCor SXファイバの値(および図18のグラフの黒四角形のプロット)と一致している。
【0073】
前述のように、EIMMの機械的特性を、所与のスイッチに必要な特性に整合するよう設計することが望ましい。例えば、測定は、示差走査熱量計(DSC)を用いて、材料系に対して行われ、ガラス転移温度(Tg)が求められ、動的機械的分析(DMA)を用いて、ストレージヤング率が求められる。これらの値は、屈折率とともに、以下の表に示されている。データは、機械的および熱的特性は、モノマー系の異なるレシピの選定により、大きな範囲で変化し得ることを示している。
【0074】
【表4】

【0075】
【表5】

EIMM構造または層は、各種形態を取っても良く、その一つは、ファイバと同様の屈折率を有する材料の層である。ここでも、EIMMは、図15Aおよび15Bに示したような用途において、液体屈折率整合材料を超える利点がある。フセット化(角度付き)ファイバ端部から得られる全内部反射は、空気インターフェースが必要となるからである。液体は、スイッチのサイクルにおいて、きれいに除去されることが必要である。ファイバ端ファセットの一つが残る場合、固体EIMMでは、1または2以上の面で、この要求が達成され、スイッチ状態2(非結合状態)において、平坦な反射表面が光学的に形成される。EIMMは、自由自立式フィルムとして調製されても良く、実質的に整列され、ファイバー端面に適用され、あるいは図11を参照して示したように、ファイバ端または研磨されたフェルールの上に、直接製作される。前者の場合、これは、ガラスまたはシリコンの上で成長し、硬化後に剥離される。後者の場合、ファイバ端部に密着性促進剤が適用され、当業者には明らかなように、EIMMは、その後、強固に取り付けられたまま残留する。
【0076】
ファイバの端部に導波管を製作するため、50μmのコアファイバが51゜で配列され、支持光線用のファイバ端部に、全内部反射が得られる。導波管は、ファイバと同軸であっても良い。一例として、この形状を形成するための部品300が図23に示されている。光ファイバ331は、シリコンV溝ブロック301に取り付けられ、例えば51゜の角度で研磨される。ファイバ331は、EIMM層340の製作ステップの間、ブロック301に留まる。配線スペーサ302を用いて、EIMM層340の厚さ(t)が構成されても良く、図24に示すように、マスクを用いて、ファイバ331のコア335と整合する楕円コア部348を定めても良い。一旦、マスク303がファイバ331のコア335に対して適切に整列されると、垂直に平行化された光源からのUV露光として示されるように、部品300が51゜の角度で配向される。当業者には明らかなように、結合プリズム304がマスク303に取り付けられ、UVビームが51゜の角度で、マスクおよび液体EIMMモノマーを介して伝播する。マスク303およびプリズム304は、いずれも石英(シリカ)で構成され、EIMMと同様のまたは等しい屈折率を有する。EIMMの硬化により屈折率が増大すると、UVビームの経路の実線および破線の間に示すような、UVビームの一部の屈折が存在する。
【0077】
コアの露光の後、この構造は、例えば、メタノールとイソプロピルアルコールの混合溶媒を用いて、現像される。図11を参照して示したように、クラッド構造を有する第2のマスク(図23には示されていない)を用いて、ファイバ331のクラッド337が続くように、クラッド部分349が定められる。また、これは、ファイバ331の端部にEIMM層340を製造し、これは、ファイバ自身と同じ形状を有し、51゜の角度で終端し、端面が空気中にあるとき、光を横方向に反射し、接合ファイバがEIMM層340と接触しているとき、光を同軸に伝送する。
【0078】
光ファイバスイッチおよび相互接続用途におけるEIMM層340に使用される一例としての厚さは、例えば約25μmから75μmの範囲であるが、他の厚さを使用しても良い。そのような厚さでは、スイッチの閉止の際に、層340に1μmの変形の結果、それぞれ、約4%から1.3%の間の歪みが生じる。層340の有効な硬さは、厚さに関連し、そのような薄い薄膜では、基板の硬度が高分子の有効硬度に影響を及ぼすことに留意する必要がある。
【0079】
EIMM層340は、2つの一時的な接合光ファイバの界面での、不規則性と共形であることが有意であり、この場合、反射または散乱ロスが抑制される。この機能を確認するため、45゜の角度で配置されたファイバ組の試験を行った。試験では、EIMM高分子は、ファイバ端部を覆う1mm×1mmパッドの寸法のファイバ研磨ブロックの表面に成長させた。第2のファイバは、その研磨ブロック内に保持したが、EIMMで覆わなかった。その後、第2のファイバは、第1のファイバと光接続した。この接続は、活性配列を介して行われ、光時間ドメイン反射測定器(OTDR)を用いて測定したところ、最小の伝送ロスおよび最大の反射ロスが測定された。試験には、62.5μmのCorning InfiniCor CL 1000ファイバを使用した。試験の間、EIMM層には、ガイド構造を設けず、当業者には明らかなように、EIMM材料の連続コーティングで、傾斜屈折率ファイバのピーク屈折率を整合させた。
【0080】
EIMMの各種厚さに対して得られたデータを以下の表に示す。
【0081】
【表6】

これから明らかなように、好ましいリターンロスが得られた(例えば70dB以上)。この考えに限定されるものではないが、最も薄いサンプルの場合、ブロックは、十分に平行ではなくても、十分なアプローチによるRLの最適化が可能であると言える。ガイド構造を提供しなくても、伝送ロスは、実質的に理論値と同様に低く抑えられていることに留意する必要がある。所与のNAの傾斜屈折率ファイバの場合、半径をa、隙間の伝播のため予想されるファイバ対ファイバロスをsとし、充填材料の屈折率をn0とすると、予想隙間ロスは、以下の式で表される:
【数2】

前述の関係からのデータは、比較のため図24に示されている。EIMMに導波管構造が存在しない場合であっても、約15μm未満の分離では、0.1dB未満の伝送ロスが生じることが認識される。従って、当業者には明らかなように、EIMM層340は、背面反射を抑制し伝送を高める、有効な屈折率整合媒体である。
【0082】
次に、図25および26を参照して、前述の相互接続130のような光装置を製造する方法について説明する。ただし、以下に示す技術は、光ファイバスイッチ230、光導波管等のような、他の光ファイバ装置に適用されても良いことに留意する必要がある。ブロック400から始まり、ブロック401では、硬化性屈折率整合エラストマー固体層140用の第1の前駆体が、光ファイバ131のような光ガイド装置の端面133に設置される。他の光ガイド装置は、導波管を有しても良く、これは、例えば、平坦光回路、レーザのような光チップ、変調器、または他の光部材の一部であっても良い。ブロック407’では、第1の前駆体の設置の前に、1または2以上の表面処理操作(例えば化学的および/または機械的研磨処理)が実施されても良いことに留意する必要がある。また、必要な場合、アルコキシシランまたはクロロシランのような密着性促進剤が、最初にファイバ131の端面133に設置されても良い。
【0083】
前述のように、第1の前駆体は、1または2以上の一部がフッ素化されたアクリレートモノマーを有し、これは、シリカの屈折率整合に有益である。また、所望の形状を維持する所望のエラストマー構造を得るため、少なくとも一部の多官能基のモノマーが含まれても良い。また、例えば、2つのファイバを接合する間、表面の不規則性、および隙間を満たす上で好ましい比較的低いヤング率を得るため、前駆体の一部は、比較的可撓性の側鎖、および/または官能アクリレート基の間の連鎖を有するモノマーであっても良い(例えば、一般に、ホモポリマーが25℃未満、より好ましくは0℃未満の比較的低いガラス転移温度を有することにより、反映される)。また、前駆体中のモノマーは、前述の所望の寄与が得られるよう、混和性であることが好ましく、1または2以上のモノマーは、室温で液体であっても良い。通常、前駆体に含まれる光開始剤は、比較的大きな活性を有し、モノマーの液体中に、少なくとも1%、より好ましくは、約2%まで溶解されても良い。また、そのようなモノマーおよび光開始剤の適当な例は、前述の図19乃至21を参照して説明した。
【0084】
さらに、この方法は、ブロック402において、第1の前駆体を選択的に硬化し、端面133に、コア135の屈折率に整合する屈折率n1を有する屈折率整合エラストマー固体層140のコア部148を形成するステップを有する。前述のように、これは、例えばUV光のような電磁(EM)放射線を用いて行われる(ブロック402’)。また、この方法は、ブロック403において、第1の前駆体の未硬化の部分を除去するステップを有し、ブロック404において、屈折率整合エラストマー固体層のコア部148を取り囲む光ファイバ131の端面133に、硬化性の屈折率整合エラストマー固体層140用の第2の前駆体を設置するステップを有する。第2の前駆体は、前述のような成分を含んでも良いが、クラッド137の異なる屈折率n2用に調整される。傾斜屈折率が形成される場合、当業者には明らかなように、異なる重合速度(またはクロスリンク速度)、および/または異なる屈折率を有する一組の異なるモノマーが使用される(ブロック404’)。前述のように、ブロック408’において、加熱温度での浸漬工程を用いて、傾斜屈折率を提供しても良い。
【0085】
さらに、この方法は、ブロック405において、第2の前駆体を硬化して、端面133に、クラッドの屈折率に整合する屈折率n2を有する屈折率整合エラストマー固体層140のクラッド部149を形成するステップを有し、これにより図25に示した方法が完了する。ここでも、光開始剤の活性化のため、例えばUV光のような適当な波長を有するEM放射線を介して、硬化処理が行われる。
【0086】
異なる光ファイバまたは導波管の相互接続において、エラストマー固体層140が使用される例では、それぞれのコアおよびクラッドの屈折率は、接続されるファイバおよび/または導波管の間で異なっても良い。コアおよびクラッドの屈折率は、相互接続される光ファイバまたは導波管の間にあることが有意である。例えば、エラストマー固体層のコアの屈折率として中間値を選定した場合、相互接続される導波管のコアの平均屈折率により、相互接続での光パワーのロスが抑制される。同様に、エラストマー固体層のコアと、クラッドの屈折率の中間値を選定した場合、相互接続でのロスがさらに抑制される。コアおよびクラッドの屈折率が、2つの異なるファイバまたは導波管の値の間で、段階的に徐々に変化するようなエラストマー固体層のマルチレイヤを形成することにより、当業者には明らかなように、ロスがよりいっそう抑制される。
【0087】
以下、図27を参照して、光ファイバ131の端面133に設置される屈折率整合エラストマー固体層140を製造する方法について説明する。この方法は、図25および26を参照して示した前述のものと同様であるが、この実施例では、第1の前駆体は、図11を参照して示したように、基板109に設置される(ブロック401”)。ブロック410”において、第2の前駆体を硬化処理した後、屈折率整合エラストマー固体層140は、基板109から除去される。例えば、光ファイバ上のその後の配置は、前述の通りである。
【0088】
以下、図28を参照して、相互接続30のような光ファイバ装置を製造する同様の方法について説明する。ブロック420から始まり、この方法は、ブロック421において、光ファイバ31の端面33に、硬化性の屈折率整合エラストマー固体層40用の、少なくとも一つの前駆体を設置するステップを有する。ブロック422において、少なくとも一つの前駆体は、その後硬化され、端面33に、少なくともコア35の屈折率と整合する屈折率n1を有する屈折率整合エラストマー固体層40が形成され、この方法が完了する(ブロック423)。ある実施例では、硬化性の屈折率整合エラストマー固体層40は、前述のように、クラッド37の屈折率n2と整合しても良い。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバスイッチであって、
それぞれ、第1および第2の端面を有する第1および第2の角度付き光ファイバであって、前記第1および第2の角度付き光ファイバの各々は、
コア屈折率を有するコア、および
前記コアを取り囲み、前記コア屈折率とは異なるクラッド屈折率を有するクラッド
を有する第1および第2の角度付き光ファイバと、
第1の屈折率整合エラストマー固体層であって、前記第1の端面に結合された隣接面、および該隣接面とは反対の、繰り返し可能に、光学的に前記第2の端面に結合される先端面を有する第1の屈折率整合エラストマー固体層と、
を有し、
前記第1の屈折率整合エラストマー固体層は、前記コアおよび前記クラッドの屈折率に整合する屈折率プロファイルを有し、
当該光ファイバスイッチは、
前記第1および第2の角度付き光ファイバを、結合位置と非結合位置の間で、相対的に移動させる少なくとも一つのアクチュエータを有することを特徴とする光ファイバスイッチ。
【請求項2】
前記隣接端面は、前記第1の端面に化学的に結合され、
前記先端面は、ロータックであり、前記第2の端面に、繰り返し可能に、直接機械的に結合されることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバスイッチ。
【請求項3】
前記第1の屈折率整合エラストマー固体層の前記ロータック先端面は、前記第2の端面と、相互に押し付けられた際に、空気ポケットのない湿式界面を形成する表面特性を有することを特徴とする請求項2に記載の光ファイバスイッチ。
【請求項4】
さらに、第2の屈折率整合エラストマー固体層を有し、該第2の屈折率整合エラストマー固体層は、前記第2の端面に化学的に結合された隣接端面と、該隣接端面とは反対の、前記第1の屈折率整合エラストマー固体層の前記ロータック先端面に、繰り返し可能に、光学的および機械的に結合されたロータック先端面とを有することを特徴とする請求項2に記載の光ファイバスイッチ。
【請求項5】
前記第1の角度付き光ファイバは、相互に接合された第1組の横断方向の光ファイバ端部を有し、
前記第2の角度付き光ファイバは、相互に接合された第2組の横断方向の光ファイバ端部を有することを特徴とする請求項1に記載の光ファイバスイッチ。
【請求項6】
光ファイバスッチを製造する方法であって、
それぞれ、第1および第2の端面を有する第1および第2の角度付き光ファイバを形成するステップであって、前記第1および第2の角度付き光ファイバの各々は、コア屈折率を有するコアと、前記コアを取り囲み、前記コア屈折率とは異なるクラッド屈折率を有するクラッドとを有するステップと、
第1の屈折率整合エラストマー固体層を形成するステップであって、前記第1の屈折率整合エラストマー固体層は、前記第1の端面に結合された隣接面、および該隣接面とは反対の、繰り返し可能に、光学的に前記第2の端面に結合された先端面を有し、前記第1の屈折率整合エラストマー固体層は、前記コアおよび前記クラッドの屈折率と整合する屈折率プロファイルを有するステップと、
少なくとも一つのアクチュエータを配置するステップであって、前記アクチュエータは、前記第1および第2の角度付き光ファイバを、結合位置と非結合位置の間で、相対的に移動させるステップと、
を有することを特徴とする方法。
【請求項7】
前記隣接端面は、前記第1の端面に化学的に結合され、
前記先端面は、ロータックであり、前記第2の端面に、繰り返し可能に、直接機械的に結合されることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の屈折率整合エラストマー固体層の前記ロータック先端面は、前記第2の端面と、相互に押し付けられた際に、空気ポケットのない湿式界面を形成する表面特性を有することを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
さらに、
第2の屈折率整合エラストマー固体層を形成するステップを有し、
前記第2の屈折率整合エラストマー固体層は、前記第2の端面に化学的に結合された隣接端面と、該隣接端面とは反対の、前記第1の屈折率整合エラストマー固体層の前記ロータック先端面に、繰り返し可能に、光学的および機械的に結合されたロータック先端面と、を有することを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の角度付き光ファイバを形成するステップは、相互に結合された第1組の横断方向の光ファイバ端部を形成するステップを有し、
前記第2の角度付き光ファイバを形成するステップは、相互に結合された第2組の横断方向の光ファイバ端部を形成するステップを有することを特徴とする請求項6に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公表番号】特表2013−508790(P2013−508790A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−537148(P2012−537148)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【国際出願番号】PCT/US2010/054854
【国際公開番号】WO2011/053862
【国際公開日】平成23年5月5日(2011.5.5)
【出願人】(594071675)ハリス コーポレイション (287)
【氏名又は名称原語表記】Harris Corporation
【Fターム(参考)】