説明

コイル部品及びケース並びにコイル部品の製造方法

【課題】ケース内部に仕切り部を設けた構成において、インダクタンス素子の接着の際に従来よりも接着剤を流動させやすく均一化を図りやすいコイル部品及びケース並びにコイル部品の製造方法を提供する。
【解決手段】天井部14内面に形成された仕切り部16A〜16Dによってケース10内部は第1室21及び第2室22に区画され、第1室21と第2室22との境界の一部において天井部14内面が露出しており、この部分が第1室21と第2室22との連通路26となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LAN等に用いられる信号用パルストランスとして好適なコイル部品及びそれに用いられるケース並びにコイル部品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
底部(基板対向側)が開放されたケースにトロイダルトランスを収容した表面実装型電子部品パッケージが従来から知られている(下記特許文献1〜6)。ケース内部には側壁間をわたす均一高さの仕切り(特許文献1のFig.10の符号36)が形成されている。
【特許文献1】米国特許第6,297,721号公報
【特許文献2】米国特許第5,656,985号公報
【特許文献3】米国特許第6,297,720号公報
【特許文献4】米国特許第6,320,489号公報
【特許文献5】米国特許第6,344,785号公報
【特許文献6】米国特許第6,662,431号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ケースに収容されたトロイダルトランスは一般に樹脂等によってケースに接着されるが、従来のような仕切りをケースに形成すると、仕切りの両側にトロイダルトランスを収容して接着する場合に接着剤の流動が仕切りによって妨げられて均一化が図りにくい。そうすると接着剤の偏りやバラツキを防止するためにより多くの接着剤が必要となり好ましくない。
【0004】
本発明はこうした状況を認識してなされたものであり、その目的は、ケース内部に仕切り部を設けた構成において、インダクタンス素子の接着の際に従来よりも接着剤を流動させやすく均一化を図りやすいコイル部品及びケース並びにコイル部品の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様は、コイル部品である。このコイル部品は、
側壁部と、前記側壁部の上方を覆う天井部とを有し、前記天井部内面に形成された仕切り部によって内部が第1室及び第2室に区画されたケースと、
前記第1室及び前記第2室にそれぞれ収容され、前記天井部内面に接着剤で固定されたインダクタンス素子とを備え、
前記第1室と前記第2室との境界の一部において前記天井部内面が露出し又は前記仕切り部の高さが低くなっていて前記第1室と前記第2室との連通路を成している。
【0006】
第1の態様のコイル部品において、前記仕切り部は、向かい合う前記側壁部の各々から前記天井部に跨って形成されているとよい。
【0007】
第1の態様のコイル部品において、前記仕切り部は、前記ケース長手方向の異なる位置に2つに分けて形成されているとよい。
【0008】
第1の態様のコイル部品において、前記連通路が前記第1室と前記第2室との境界の略中央に形成されているとよい。
【0009】
第1の態様のコイル部品において、前記仕切り部の角部が面取りされているとよい。
【0010】
第1の態様のコイル部品において、
前記仕切り部は前記ケース短手方向と略平行であり、
前記インダクタンス素子は、それぞれ環状コアに巻線を施してなるパルストランス及びコモンモードチョークコイルの組であり、
前記パルストランス及び前記コモンモードチョークコイルは、前記環状コアが前記ケース短手方向と略平行になるように前記ケース長手方向に並べて縦置きされ、前記コモンモードチョークコイルが前記パルストランスよりも前記仕切り部側に位置しているとよい。
【0011】
第1の態様のコイル部品において、前記連通路の幅aは、前記第1室と前記第2室との境界の長さbに対して b/5≦a≦2b/3 の範囲内であるとよい。
【0012】
第1の態様のコイル部品において、前記仕切り部は、前記天井部からの高さhが前記側壁部の高さgに対して g/3≦h≦2g/3 の範囲内であるとよい。
【0013】
本発明の第2の態様は、コイル部品ケースである。このケースは、
側壁部と、前記側壁部の上方を覆う天井部とを有し、前記天井部内面に形成された仕切り部によって内部が第1室及び第2室に区画されたコイル部品ケースであり、
前記第1室と前記第2室との境界の一部において前記天井部が露出し又は前記仕切り部の高さが低くなっていて前記第1室と前記第2室との連通路を成している。
【0014】
本発明の第3の態様は、コイル部品の製造方法である。この方法は、
側壁部と、前記側壁部の上方を覆う天井部とを有し、前記天井部内面に形成された仕切り部によって内部が第1室及び第2室に区画され、前記第1室と前記第2室との境界の一部において前記天井部が露出し又は前記仕切り部の高さが低くなっていて前記第1室と前記第2室との連通路を成しているケースを用い、
前記第1室及び前記第2室の各々にインダクタンス素子を収容する工程と、
収容した前記インダクタンス素子を接着剤で前記天井部内面に固定する工程とを含む。
【0015】
なお、以上の構成要素の任意の組合せもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、天井部内面に形成された仕切り部によってケース内部が第1室及び第2室に区画され、前記第1室と前記第2室との境界の一部において前記天井部内面が露出し又は前記仕切り部の高さが低くなっていて前記第1室と前記第2室との連通路を成しているため、ケース内部に仕切り部を設けた構成において、インダクタンス素子の接着の際に従来よりも接着剤を流動させやすく均一化を図りやすい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態を詳述する。なお、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材等には同一の符号を付し、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は発明を限定するものではなく例示であり、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0018】
図1は、本発明の実施の形態に係るコイル部品100の底面図である。図2は、図1に示されるコイル部品100の回路図である。図3は、図1に示されるケース10の概略斜視図(上側が底面)である。図4は、図1に示されるインダクタンス素子(送信側パルストランス52T等)の環状コアの形状説明図((A)は断面図、(B)は斜視図)である。図5は、図1のV-V'断面図である。
【0019】
コイル部品100は、ケース10内にインダクタンス素子としてそれぞれ環状コア(図4参照、材質は例えばフェライト)にポリウレタン被覆銅線等の巻線を施してなる送信側パルストランス52Tと、送信側コモンモードチョークコイル54Tと、受信側パルストランス52Rと、受信側コモンモードチョークコイル54Rとを収容したものである。各インダクタンス素子は、図2に示される回路を成すように結線される。
【0020】
図1及び図3に示されるように、ケース10は、方形枠を成す側壁部12A〜12Dと、側壁部12A〜12Dの上方を覆う天井部14とを有し、所定本数(図では16本)のピン端子20が設けられている。側壁部12A,12Cはケース10長手方向と平行で互いに向かい合い、側壁部12B,12Dはケース10短手方向と平行で互いに向かい合っている。なお、ケース10は例えば液晶ポリマーを材料とし、ピン端子20は例えばリン青銅にSnメッキを施したものである。
【0021】
天井部14内面に形成された仕切り部16A〜16D(例えば板状)によってケース10内部は第1室21及び第2室22に区画されている。好ましくは、仕切り部16A,16Bはケース10長手方向の異なる位置に側壁部12Aから天井部14に跨ってケース10短手方向と略平行に形成され、仕切り部16C,16Dはケース10長手方向の異なる位置に側壁部12Cから天井部14に跨ってケース10短手方向と略平行に形成される。ここで、仕切り部16A,16Cはケース10長手方向位置が同じであり、仕切り部16B,16Dもケース10長手方向位置が同じである。なお、図3に示されるように、仕切り部16A〜16Dの角部は丸みを帯びるように面取りされている。なお、側壁部12A〜12D、天井部14及び仕切り部16A〜16Dは、例えば樹脂成形で一体に形成されている。
【0022】
第1室21と第2室22との境界の一部において天井部14内面が露出しており、この部分が第1室21と第2室22との連通路26となっている。連通路26は好ましくは図1及び図3に示されるように第1室21と第2室22との境界の中央(ケース10短手方向中央)に位置する。
【0023】
図1に示されるように、送信側パルストランス52T及び送信側コモンモードチョークコイル54Tは、環状コアがケース10短手方向と略平行になるように第1室21にケース10長手方向に並べて収容(縦置き)され、天井部14内面に接着剤としての注型樹脂(図1では省略)で固定される。送信側コモンモードチョークコイル54Tは送信側パルストランス52Tよりも仕切り部16A〜16D側に位置する。受信側パルストランス52R及び受信側コモンモードチョークコイル54Rは、環状コアがケース10短手方向と略平行になるように第2室22にケース10長手方向に並べて収容され、天井部14内面に接着剤としての注型樹脂(図1では省略)で固定される。受信側コモンモードチョークコイル54Rは受信側パルストランス52Rよりも仕切り部16A〜16D側に位置する。なお、接着剤としての注型樹脂は例えば、ソフトエポキシ等のエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂など、流動性があり硬化後に接着性を有する材料が使用できる。これによる接着固定の様子は図5に例示され、送信側パルストランス52T、送信側コモンモードチョークコイル54T、受信側パルストランス52R及び受信側コモンモードチョークコイル54Rは、注型樹脂60にて天井部14及び側壁12A,12Cに固定される。
【0024】
本実施の形態のコイル部品100を製造するには下記の工程を踏む。なお、一連の作業は通常、ケース10の天井部14が下になるように保持して行う。
【0025】
1.収容工程… 図1に示されるように、ケース10の第1室21にインダクタンス素子としての送信側パルストランス52T及び送信側コモンモードチョークコイル54Tを収容し、ケース10の第2室22にインダクタンス素子としての受信側パルストランス52R及び受信側コモンモードチョークコイル54Rを収容する。
2.はんだ付け工程… 図1に示されるように、各インダクタンス素子の巻線端末を所定の端子ピン20に絡げてはんだ付けを行い、図2に示される回路を作成する。なお、はんだ付けには例えばSn系Pbフリー半田を用いる。
3.接着工程… 第1室21及び第2室22に収容された各インダクタンス素子を注型樹脂60(図5参照)にて天井部14内面に接着固定する。
こうして製造されたコイル部品100は、ケース10の天井部14が上になるようにして基板(不図示)に実装される。
【0026】
本実施の形態によれば、下記の効果を奏することができる。
【0027】
(1) 天井部14内面に形成された仕切り部16A〜16Dによってケース10内部は第1室21及び第2室22に区画され、第1室21と第2室22との境界の一部において天井部14内面が露出しており、この部分が第1室21と第2室22との連通路26となっているため、従来のような側壁間をわたす均一高さの仕切り(特許文献1のFig.10の符号36)が形成されている場合と比較して、注型樹脂によるインダクタンス素子の接着固定の際に注型樹脂を流動させやすく均一化を図りやすい。したがって、注型樹脂の使用量削減に有利でコスト低下になる。ここで、連通路26が第1室21と第2室22との境界の中央(ケース10短手方向中央)に位置する場合は、同境界の端に連通路が位置する場合と比較して注型樹脂をより流動させやすく均一化しやすい。
【0028】
(2) 仕切り部16A〜16Dによってケース10内部にインダクタンス素子の配置領域が2つ区画されるため、仕切り部が存在しない場合と比較してインダクタンス素子の位置決めが容易となる。
【0029】
(3) 仕切り部16A,16Bが側壁部12Aから天井部14に跨って形成され、仕切り部16C,16Dが側壁部12Cから天井部14に跨って形成されるため、ケース10の機械的強度が高められる。
【0030】
(4) 仕切り部16A,16Bがケース10長手方向の異なる位置に形成され、仕切り部16C,16Dもケース10長手方向の異なる位置に形成されるため、少なくとも仕切り部16A,16B間の距離(=仕切り部16C,16D間の距離)だけ第1室21及び第2室22のインダクタンス素子間の距離を確保でき、干渉を防止することができる。このような構成は、後述の図6に示す第1室21及び第2室22間の距離cを側壁12A,12Cの厚さの2倍以上確保する必要がある場合には特に有効といえる。
【0031】
(5) コモンモードチョークコイルよりも干渉が問題となりやすいパルストランスを第1室21及び第2室22のそれぞれにおいてコモンモードチョークコイルよりも仕切り部16A〜16Dから離した配置としているので、送信側パルストランス52T及び受信側パルストランス52R間の距離が大きく確保されて干渉が防止される。
【0032】
(6) 側壁部12A,12Cのそれぞれにおいて仕切り部がケース10長手方向の異なる位置に2つに分けて形成されているため、第1室21及び第2室22のインダクタンス素子間の距離を同じだけ確保しようとする場合に、分厚い仕切り部が1つだけ形成されている場合と比較して仕切り部に使う材料(つまりケース10に使う材料)を少なくすることができコスト安である。また、注型樹脂とケースとの熱膨張率差などを弾性力でカバーすることも可能となる。
【0033】
(7) 第1室21と第2室22との境界の一部が連通路26となっているので、仕切り部が同一高さで両側壁部間に連続している場合と比較して、インダクタンス素子をケースに収容する際(あるいは何らかの理由でケースから取り出す際)の作業性が良い。ここで、仕切り部16A〜16Dの角部(連通路26に臨む部分)は丸みを帯びるように面取りされているため、面取りがされない場合と比較してインダクタンス素子を傷つけにくくなり、作業性もいっそう改善される。
【実施例】
【0034】
以下、コイル部品100のケース10の詳細な形状を実施例により説明する。図6は、実施例に係るコイル部品100の形状説明図であり、(A)は底面図、(B)は同底面図のB-B'断面図である。
【0035】
本実施例において、仕切り部16A〜16Dは、天井部14からの高さhが側壁部12A〜12Dの高さgに対して、g/3≦h≦2g/3の範囲内であるものとする。g/3≦hとするのは、ケース10(特に側壁12A,12C)の機械的強度の補強効果を高く維持するためであり、また仕切り部16A〜16Dとインダクタンス素子との接触面積を所定量以上確保して仕切りとしての機能を十分に発揮させるためである。ここで、仕切りとしての機能が不十分であるとインダクタンス素子の位置決めの確実性が低下し、これを防ぐためにはより多くの注型樹脂が必要となる。一方、h≦2g/3とするのは、インダクタンス素子を第1室21及び第2室22に収容(挿入)する際の作業性を考慮したものである。
【0036】
連通路26の幅aは、第1室21と第2室22との境界の長さb(すなわち側壁12A,12Cの内面間距離)に対して、b/5≦a≦2b/3の範囲内であるものとする。b/5≦aとするのは、注型樹脂の流動性を確保するためである。一方、a≦2b/3とするのは、ケース10(特に天井部14)の機械的強度の補強効果を高く維持するためであり、また仕切り部16A〜16Dとインダクタンス素子との接触面積を所定量以上確保して仕切りとしての機能を十分に発揮させるためである。上述のとおり、仕切りとしての機能が不十分であるとインダクタンス素子の位置決めの確実性が低下し、これを防ぐためにはより多くの注型樹脂が必要となる。
【0037】
第1室21及び第2室22間の距離cすなわち仕切り部16A,16B間の距離c(仕切り部16C,16D間の距離と略同一で、仕切り部の厚さも含む)は、第1室21及び第2室22のインダクタンス素子間で磁界が互いに干渉しない程度(又は干渉の影響が無視できる程度)の距離以上とし、かつ、第1室及び第2室22のケース10長手方向距離fがコモンモードチョークコイル54T,54Rのコア厚dとパルストランス52T,52Rのコア厚eに対して、f≦(d+e)×2となるようにする。なお、第1室及び第2室22のケース10長手方向距離は同じであってもよいし同じでなくてもよい。また、各インダクタンス素子のコア厚も同じであってもよいし同じでなくてもよい。
【0038】
以上、実施の形態を例に本発明を説明したが、実施の形態の各構成要素や各工程には請求項に記載の範囲で種々の変形が可能であることは当業者に理解されるところである。以下、変形例について触れる。
【0039】
実施の形態では仕切り部16A,16Cを別体(不連続)とし、仕切り部16B,16Dも別体(不連続)とし、第1室21と第2室22との境界の一部において天井部14内面が露出して連通路26となっている場合を説明した。変形例においては仕切り部16A,16Cを一体(連続)とし、仕切り部16B,16Dも一体(連続)とし、一体とされたそれぞれの仕切り部の一部(好ましくはケース短手方向中央部)の高さを低くして注型樹脂を流動させるための連通路としてもよい。この場合、連通路部分における仕切り部の天井部からの高さは、連通路部分以外における高さの最大値の例えば1/3程度もしくはそれ以下が注型樹脂流動の観点から好ましい。
【0040】
実施の形態では仕切り部16A,16Bを別体(不連続)としてケース10長手方向の異なる位置に形成し、仕切り部16C,16Dも別体(不連続)としてケース10長手方向の異なる位置に形成したが、変形例では肉厚の大きな仕切り部としてそれらを一体(連続)としてもよい。例えば第1室21及び第2室22間の距離cが側壁部12A,12Cの厚さの2倍未満でよい場合には、本変形例のような構成は例えば仕切り部の強度を確保する点で有効といえる。
【0041】
実施の形態では仕切り部16A〜16Dの角部は丸みを帯びているものとしたが、変形例ではこれに替えて、各仕切り部の角部は直線的に面取りしたものであってもよい。
【0042】
実施の形態ではインダクタンス素子がパルストランスとコモンモードチョークコイルの組であって縦置きされる場合を説明したが、変形例ではこれに替えて、インダクタンス素子は1つのトランスやチョークコイルであってもよく、横置きされていてもよい。
【0043】
実施の形態では向かい合う側壁部の各々から天井部に跨るように仕切り部が形成されたが、変形例では向かい合う側壁部の片方のみから天井部に跨るように仕切り部が形成されてもよい。
【0044】
実施の形態では仕切り部が側壁部と天井部とに跨って形成されたが、変形例ではこれに替えて、仕切り部は天井部に形成されて側壁部に跨っていなくてもよい。この場合であっても、ケースの機械的強度の確保以外の点では実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施の形態に係るコイル部品の底面図である。
【図2】図1に示されるコイル部品の回路図である。
【図3】図1に示されるケースの概略斜視図(上側が底面)である。
【図4】図1に示されるインダクタンス素子(送信側パルストランス等)の環状コアの形状説明図である。
【図5】図1のV-V'断面図である。
【図6】実施例に係るコイル部品の形状説明図であり、(A)は底面図、(B)は同底面図のB-B'断面図である。
【符号の説明】
【0046】
10 ケース
12A〜12D 側壁部
14 天井部
16A〜16D 仕切り部
21 第1室
22 第2室
26 連通路
52T 送信側パルストランス
52R 受信側パルストランス
54T 送信側コモンモードチョークコイル
54R 受信側コモンモードチョークコイル
100 コイル部品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
側壁部と、前記側壁部の上方を覆う天井部とを有し、前記天井部内面に形成された仕切り部によって内部が第1室及び第2室に区画されたケースと、
前記第1室及び前記第2室にそれぞれ収容され、前記天井部内面に接着剤で固定されたインダクタンス素子とを備え、
前記第1室と前記第2室との境界の一部において前記天井部内面が露出し又は前記仕切り部の高さが低くなっていて前記第1室と前記第2室との連通路を成している、コイル部品。
【請求項2】
請求項1に記載のコイル部品において、前記仕切り部は、向かい合う前記側壁部の各々から前記天井部に跨って形成されている、コイル部品。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のコイル部品において、前記仕切り部は、前記ケース長手方向の異なる位置に2つに分けて形成されている、コイル部品。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載のコイル部品において、前記連通路が前記第1室と前記第2室との境界の略中央に形成されている、コイル部品。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載のコイル部品において、前記仕切り部の角部が面取りされている、コイル部品。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載のコイル部品において、
前記仕切り部は前記ケース短手方向と略平行であり、
前記インダクタンス素子は、それぞれ環状コアに巻線を施してなるパルストランス及びコモンモードチョークコイルの組であり、
前記パルストランス及び前記コモンモードチョークコイルは、前記環状コアが前記ケース短手方向と略平行になるように前記ケース長手方向に並べて縦置きされ、前記コモンモードチョークコイルが前記パルストランスよりも前記仕切り部側に位置している、コイル部品。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載のコイル部品において、前記連通路の幅aは、前記第1室と前記第2室との境界の長さbに対して b/5≦a≦2b/3 の範囲内である、コイル部品。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載のコイル部品において、前記仕切り部は、前記天井部からの高さhが前記側壁部の高さgに対して g/3≦h≦2g/3 の範囲内である、コイル部品。
【請求項9】
側壁部と、前記側壁部の上方を覆う天井部とを有し、前記天井部内面に形成された仕切り部によって内部が第1室及び第2室に区画されたコイル部品ケースであり、
前記第1室と前記第2室との境界の一部において前記天井部が露出し又は前記仕切り部の高さが低くなっていて前記第1室と前記第2室との連通路を成している、コイル部品ケース。
【請求項10】
側壁部と、前記側壁部の上方を覆う天井部とを有し、前記天井部内面に形成された仕切り部によって内部が第1室及び第2室に区画され、前記第1室と前記第2室との境界の一部において前記天井部が露出し又は前記仕切り部の高さが低くなっていて前記第1室と前記第2室との連通路を成しているケースを用い、
前記第1室及び前記第2室の各々にインダクタンス素子を収容する工程と、
収容した前記インダクタンス素子を接着剤で前記天井部内面に固定する工程とを含む、コイル部品の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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