説明

コイン搬送装置およびコイン払出装置

【課題】
進行角度を変更しながらコインを搬送できるコイン搬送装置を提供する。
【解決手段】
コインの周面を案内する左右の案内面と前記コインの表裏面をそれぞれ案内する表裏の案内面とを有するコイン案内通路と、前記コイン案内通路内に突出し、かつ、前記表裏の案内面にほぼ垂直な第1回転軸線の回りを第1回転方向に回転運動することにより、送り出された前記コインを押動する第1コイン押動手段と、前記コイン案内通路内に突出し、かつ、前記表裏の案内面にほぼ垂直な第2回転軸線の回りを前記第1回転方向と相反する第2回転方向に回転運動することにより、前記第1コイン押動手段の押動により移動された前記コインを押動する第2コイン押動手段と、を備え、前記第1および第2の回転軸線が、前記左右の案内面のいずれか一方の側から見て、所定の角度で交わるよう配置されるコイン搬送装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一枚ずつ送り出されたコインを所定位置まで搬送して放出するコイン搬送装置、および、バラ積みされたコインを一枚ずつ分離した後に所定位置まで搬送して放出するコイン払出装置に関する。詳しくは、少なくとも外径の異なる複数種類のコインを処理する際に好適に使用されるコイン搬送装置およびコイン払出装置に関する。
【0002】
なお、本明細書で使用する「コイン」は、通貨であるコイン、ゲーム機のメダルやトークン等の代用貨幣、および、それらと類似のものを包含する。
【背景技術】
【0003】
コインには外径(すなわち、直径)または厚みの異なる複数種類のものがあり、コイン処理装置においては、それら複数種類(すなわち、複数金種)のコインを取り扱うことのできる、いわゆるサイズフリー対応の各種装置が従来より提案されている。例えば、バラ積み状態にあるコインを一枚ずつ分離して送り出すコイン送出装置に関しては、特許文献1および特許文献2に開示されたコインホッパ装置がある。
【0004】
特許文献1および特許文献2に開示された装置では、上向きに傾斜した回転ディスクの上面に当該回転ディスクの中央に突出する円形の支持棚を配置すると共に、その支持棚側から放射状にコイン係止体を配置し、当該支持棚に支えられながらコイン係止体によって押動されるコインを所定位置に配置したコイン受取手段によって回転ディスクの周方向へ案内して送り出すようにしている。なお、特許文献3には、特許文献2のコインホッパ装置を改良したものが開示されている。
【0005】
他方、両替機、自動販売機やゲーム機等ではコイン送出装置から送り出されたコインを所定位置に搬送する場合があり、例えば、特許文献4にはエスカレータと称されるコイン案内通路を有するコイン送出装置が開示されている。また、特許文献5には螺旋体(スクリュウとも呼ばれる)を利用したコイン揚送装置が開示されており、当該コイン揚送装置は複数金種にも対応している。
【0006】
しかしながら、特許文献4に開示された装置では、エスカレータ内のコインは整列した状態で下方のコインが上方のコインを押動することにより搬送されるので、外径の異なる金種には対応できない。すなわち、エスカレータに形成されるコイン通路の内寸法は搬送される金種に適合していなければならず、適合するコイン外径の範囲は小さい。例えば、コイン通路の内寸法に対して外径の小さいコインを搬送しようとしても、エスカレータ内にコインがきちんと整列できずにジグザグ状になってしまい、搬送時の摩擦抵抗が増加するので安定したコインの搬送および放出は困難である。また、外径(直径)が同一であっても厚みの異なるコインが混在する場合、コイン通路の厚みは最大厚みのコインに対応して設定されるため、薄いコインの場合には厚み方向の移動範囲が大きく、下側コインの上端によって上側コインの下端部を押し上げることができず、当該上端と下端とが重なってしまい、コイン通路において移動ができない状態となって、いわゆるコイン詰まりを生じる。
【0007】
さらに、特許文献4の装置では、ホッパおよびエスカレータ内にコインが存在しないとコインを搬送することができないため、ホッパおよびエスカレータ内にコインが残留してしまい、残留したコインを除くにはエスカレータを構成するカバー板を取りはずして中にあるコインを取り出したりしなければならないという問題もある。この問題を解決するための技術は従来より提案されており、例えば、特許文献6に開示された硬貨送出装置では、コイン通路の側壁に開閉ゲートを設け、開状態にあるゲートを介してホッパおよびエスカレータ内に残留したコインを回収口へ排出するようにしている。
【0008】
特許文献6の改良された装置では、エスカレータ内に残留したコインは回収口へ排出されるため、ホッパに投入されたコインの全てを所定位置に搬送することができないという問題がある。換言すれば、所定枚数のコインを所定位置に搬送するためには、残留するコイン数(すなわち、排出されるコイン数)を考慮してコインを余分にホッパに投入する必要がある。さらに、残留コインを回収するための回収装置も必要となり、回収口を設けるために装置が大型化するという問題がある。
【0009】
特許文献5に開示された装置では、外径または厚みの異なる金種に対応し易くなっているものの、コインの外径が大きい程コインの外周面が螺旋体の螺旋面外周から離脱し易く、大径コインの場合には螺旋体と案内通路との間にコインが挟まり、いわゆる噛み込みが生じてしまう。したがって、現実的にはコイン外径に合わせて螺旋体を交換する必要があり、対応可能な外径範囲が不十分であるという問題がある。さらに、螺旋体がコインを摺動するので磨耗し易く、耐久性が劣るという問題もある。
【0010】
したがって、対応可能なコインの外径または厚み範囲が広く、様々な金種のコインを搬送できるサイズフリー対応の新たなコイン搬送装置が望まれている。この新たなコイン搬送装置が実現されれば、例えば、特許文献2のコイン送出装置と組み合わせることにより、サイズフリー対応のコイン払出装置の実現も可能となる。
【0011】
上記の新たなコイン搬送装置を用いて鉛直上向きへ搬送する場合、特許文献2のコインホッパ装置では上向きに傾斜した回転ディスクからコインが送り出されるため、コインの進行角度を斜め上向きから鉛直上向きへ変更する必要がある。しかも、サイズフリー対応のためには、外径または厚みの異なる複数種類のコインを対象に進行角度を変更できることが求められる。しかしながら、こうした機能を実現するための構成はこれまで存在しなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】欧州特許出願公開第0957456号明細書(図1〜図7、2頁〜4頁)
【特許文献2】特開2008−97322号公報(図4、段落番号0006、段落番号0026〜0028)
【特許文献3】特開2009−70008号公報(図4、段落番号0051〜0058)
【特許文献4】特開平5−94575号公報(図1、図2、段落番号0011)
【特許文献5】特許第3003410号公報(図2〜図4、段落番号0007、0021)
【特許文献6】特許第3206699号公報(図1、段落0022〜0024)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、上述した従来技術の問題を考慮してなされたものであり、その目的とするところは、送り出されたコインをその進行角度を変更しながら搬送することのできるコイン搬送装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、送り出された外径または厚みの異なる複数種類のコインであっても、その進行角度を変更しながら搬送することのできるコイン搬送装置を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、搬送可能なコインの外径または厚みの範囲が広いコイン搬送装置を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、送り出されたコインを残留させることなく全数放出できるコイン搬送装置を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、残留コインの回収を不要にしたコイン搬送装置を提供することにある。
【0014】
本発明のさらに他の目的は、外径または厚みの異なる複数種類のコインを対象に貯留されたコインを一枚ずつ分離した後に所定位置まで搬送して払い出すことのできるコイン払出装置を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、払出可能なコインの外径または厚みの範囲が広いコイン払出装置を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、コイン送出装置に投入されたコインを残留させることなく全数放出できるコイン払出装置を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、残留コインの回収を不要にしたコイン払出装置を提供することにある。
ここに明記しない本発明の他の目的は、以下の説明および添付図面から明らかである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この目的を達成するため、本発明は以下のように構成される。
【0016】
(1)第1の発明におけるコイン搬送装置は、1つずつ送り出されたコインを入口で受けて出口へ搬送するコイン搬送装置であって、前記コインの周面を案内する左右の案内面と、前記コインの表裏面をそれぞれ案内する表裏の案内面とを有し、前記入口から前記出口に向けて延在するコイン案内通路と、前記コイン案内通路内に突出し、かつ、前記表裏の案内面に略垂直な第1回転軸線の回りを第1回転方向に回転運動することにより、送り出された前記コインを押動する第1コイン押動手段と、前記コイン案内通路内に突出し、かつ、前記表裏の案内面に略垂直な第2回転軸線の回りを前記第1回転方向と相反する第2回転方向に回転運動することにより、前記第1コイン押動手段の押動により移動された前記コインを押動する第2コイン押動手段と、を備え、前記第1および第2回転軸線が、前記左右の案内面のいずれか一方の側から見て、所定の角度で交わるよう配置されるコイン搬送装置である。
【0017】
第1の発明におけるコイン搬送装置では、前記入口から前記出口に向けて延在する前記コイン案内通路と、前記表裏の案内面に略垂直な前記第1回転軸線の回りを前記第1回転方向に回転運動する前記第1コイン押動手段と、前記表裏の案内面に略垂直な前記第2回転軸線の回りを前記第1回転方向と相反する前記第2回転方向に回転運動する前記第2コイン押動手段とを備える。前記コイン案内通路は、前記コインの周面を案内する前記左右の案内面と、前記コインの表裏面をそれぞれ案内する前記表裏の案内面とを有する。前記第1および第2コイン押動手段は、前記コイン案内通路内に突出し、互いに相反する方向に回転運動することにより前記コインの周面を押動する。そのため、前記第1および第2コイン押動手段の回転運動を同期させ、かつ、適宜の位相差を持たせれば、前記入口で受けた前記コインが前記第1コイン押動手段に押動されて前記コイン案内通路に沿って移動した後、前記第2コイン押動手段に押動されて前記コイン案内通路に沿って移動される。しかも、前記第1および第2回転軸線が前記左右の案内面のいずれか一方の側から見て所定の角度で交わるよう配置されるから、この角度をコイン搬送装置における進行角度の変更量に合わせて設定することにより、前記コインをその進行方向を変更しながら搬送することができる。
【0018】
そして、前記左右の案内面により周面が案内され、かつ、前記表裏の案内面により表裏面を案内された前記コインを回転運動する前記コイン押動手段により押動して前記コインを移動させた場合、搬送可能なコインの外径(直径)または厚みの範囲が広くなる。すなわち、前記コイン案内通路内に突出した前記コイン押動手段は前記左右の案内面の間に配置されるので、前記左右の案内面と前記コイン押動手段との間の間隔よりも大きく、かつ、前記左右の案内面の間隔よりも小さい範囲の外径(直径)を有するコインであれば、前記左右の案内面のいずれか一方と前記コイン押動手段とにより支えられながら移動されて搬送が可能となる。したがって、搬送可能なコインの外径範囲が広くなる。他方、前記コイン押動手段のそれぞれにより前記コインが一つずつ押動されて搬送されるので、前記コイン案内通路内において隣接する前記コイン同士が重なり合うことがない。そのため、前記表裏の案内面の間隔を広く設定しても、コイン詰まりが生じることがない。したがって、搬送可能なコインの厚み範囲が広くなる。よって、外径または厚みの異なる複数種類のコインであっても、その進行角度を変更しながら搬送することができる。
【0019】
さらに、前記第1および第2コイン押動手段の回転運動により前記コインが搬送されるので、下方のコインで上方のコインを押動して搬送する従来技術の装置のようなコインの残留が生じない。よって、残留コインの回収が不要となる。また、送り出された前記コインを残留させることなく、その全数を前記出口から放出できる。
【0020】
(2)第2の発明におけるコイン搬送装置は、1つずつ送り出されたコインを入口で受けて出口へ搬送するコイン搬送装置であって、前記コインの周面を案内する左右の案内面と、前記コインの表裏面をそれぞれ案内する表裏の案内面とを有し、前記入口から前記出口に向けて延在するコイン案内通路と、前記コイン案内通路内に突出し、かつ、前記表裏の案内面に略垂直な第1〜第n(ただし、nは正整数)回転軸線のうちの対応するものの回りを回転運動することにより、前記コインを押動する第1〜第nコイン押動手段と、を備え、前記第1〜第n回転軸線が前記入口から前記出口に向かって所定の順に配置され、前記第1〜第nコイン押動手段において、隣接して対となる前記回転軸線のそれぞれに対応する前記コイン押動手段の一方が第1回転方向に回転運動すると共に他方が前記第1回転方向と相反する第2回転方向に回転運動し、前記第1〜第n回転軸線のうちの少なくとも隣接する一対の前記回転軸線が、前記左右の案内面のいずれか一方の側から見て、所定の角度で交わるよう配置されるコイン搬送装置である。
【0021】
第2の発明におけるコイン搬送装置では、前記入口から前記出口に向けて延在する前記コイン案内通路と、前記表裏の案内面に略垂直な前記第1〜第n回転軸線の回りを回転運動する前記第1〜第nコイン押動手段と、を備える。前記コイン案内通路は、前記コインの周面を案内する前記左右の案内面と、前記コインの表裏面をそれぞれ案内する前記表裏の案内面とを有する。前記第1〜第n回転軸線は前記入口から前記出口に向かって所定の順に配置され、前記第1〜第nコイン押動手段において、隣接して対となる前記回転軸線のそれぞれに対応する前記コイン押動手段の一方が第1回転方向に回転運動すると共に他方が前記第1回転方向と相反する第2回転方向に回転運動することにより前記コインの周面を押動する。そのため、前記第1〜第nコイン押動手段の回転運動を同期させ、かつ、適宜の位相差を持たせれば、前記入口で受けた前記コインが前記第1〜第nコイン押動手段に順次押動されて前記案内通路に沿って移動される。しかも、前記第1〜第n回転軸線のうちの少なくとも隣接する一対の前記回転軸線が前記左右の案内面のいずれか一方の側から見て所定の角度で交わるよう配置されるから、この角度をコイン搬送装置における進行角度の変更量に合わせて設定することにより、前記コインをその進行方向を変更しながら搬送することができる。
【0022】
そして、前記左右の案内面により周面が案内され、かつ、前記表裏の案内面により表裏面を案内された前記コインを回転運動する前記コイン押動手段により押動して前記コインを移動させた場合、搬送可能なコインの外径(直径)または厚みの範囲が広くなる。すなわち、前記コイン案内通路内に突出した前記コイン押動手段は前記左右の案内面の間に配置されるので、前記左右の案内面と前記コイン押動手段との間の間隔よりも大きく、かつ、前記左右の案内面の間隔よりも小さい範囲の外径(直径)を有するコインであれば、前記左右の案内面のいずれか一方と前記コイン押動手段とにより支えられながら移動されて搬送が可能となる。したがって、搬送可能なコインの外径範囲が広くなる。他方、前記コイン押動手段のそれぞれにより前記コインが一つずつ押動されて搬送されるので、前記コイン案内通路内において隣接する前記コイン同士が重なり合うことがない。そのため、前記表裏の案内面の間隔を広く設定しても、コイン詰まりが生じることがない。したがって、搬送可能なコインの厚み範囲が広くなる。よって、外径または厚みの異なる複数種類のコインであっても、その進行角度を変更しながら搬送することができる。
【0023】
さらに、前記第1〜第nコイン押動手段の回転運動により前記コインが搬送されるので、下方のコインで上方のコインを押動して搬送する従来技術の装置のようなコインの残留が生じない。よって、残留コインの回収が不要となり、処理効率を高めることができる。また、送り出された前記コインを残留させることなく、その全数を前記出口から放出できる。さらに、前記第1〜第nコイン押動手段を前記コインの通常搬送時とは逆の回転方向に回転運動させることにより、前記コイン案内通路内の前記コインを前記出口から前記入口へ向かう逆方向に搬送することも可能である。
【0024】
(3)第3の発明におけるコイン搬送装置は、1つずつ送り出されたコインを入口で受けて出口へ搬送するコイン搬送装置であって、前記コインの周面を案内する左右の案内面と、前記コインの表裏面をそれぞれ案内する表裏の案内面とを有し、前記入口から前記出口に向けて延在するコイン案内通路と、前記コイン案内通路内に突出し、かつ、前記表裏の案内面に略垂直な第1〜第n(ただし、nは正整数)回転軸線のうちの対応するものの回りを回転運動することにより、前記コインを押動する第1〜第nコイン押動手段と、を備え、前記第1〜第n回転軸線が前記入口から前記出口に向かって所定の順に配置され、前記第1〜第nコイン押動手段において、隣接して対となる前記回転軸線のそれぞれに対応する前記コイン押動手段の一方が第1回転方向に回転運動すると共に他方が前記第1回転方向と相反する第2回転方向に回転運動し、前記第1および第2回転軸線が、前記左右の案内面のいずれか一方の側から見て、所定の角度で交わるよう配置されるコイン搬送装置である。
【0025】
第3の発明におけるコイン搬送装置では、前記入口から前記出口に向けて延在する前記コイン案内通路と、前記表裏の案内面に略垂直な前記第1〜第n回転軸線の回りを回転運動する前記第1〜第nコイン押動手段と、を備える。前記コイン案内通路は、前記コインの周面を案内する前記左右の案内面と、前記コインの表裏面をそれぞれ案内する前記表裏の案内面とを有する。前記第1〜第n回転軸線は前記入口から前記出口に向かって所定の順に配置され、前記第1〜第nコイン押動手段において、隣接して対となる前記回転軸線のそれぞれに対応する前記コイン押動手段の一方が第1回転方向に回転運動すると共に他方が前記第1回転方向と相反する第2回転方向に回転運動することにより前記コインの周面を押動する。そのため、前記第1〜第nコイン押動手段の回転運動を同期させ、かつ、適宜の位相差を持たせれば、前記入口で受けた前記コインが前記第1〜第nコイン押動手段に順次押動されて前記案内通路に沿って移動される。しかも、前記第1および第2回転軸線が前記左右の案内面のいずれか一方の側から見て所定の角度で交わるよう配置されるから、この角度をコイン搬送装置における進行角度の変更量に合わせて設定することにより、前記コインをその進行方向を変更しながら搬送することができる。
【0026】
そして、前記左右の案内面により周面が案内され、かつ、前記表裏の案内面により表裏面を案内された前記コインを回転運動する前記コイン押動手段により押動して前記コインを移動させた場合、搬送可能なコインの外径(直径)または厚みの範囲が広くなる。すなわち、前記コイン案内通路内に突出した前記コイン押動手段は前記左右の案内面の間に配置されるので、前記左右の案内面と前記コイン押動手段との間の間隔よりも大きく、かつ、前記左右の案内面の間隔よりも小さい範囲の外径(直径)を有するコインであれば、前記左右の案内面のいずれか一方と前記コイン押動手段とにより支えられながら移動されて搬送が可能となる。したがって、搬送可能なコインの外径範囲が広くなる。他方、前記コイン押動手段のそれぞれにより前記コインが一つずつ押動されて搬送されるので、前記コイン案内通路内において隣接する前記コイン同士が重なり合うことがない。そのため、前記表裏の案内面の間隔を広く設定しても、コイン詰まりが生じることがない。したがって、搬送可能なコインの厚み範囲が広くなる。よって、外径または厚みの異なる複数種類のコインであっても、その進行角度を変更しながら搬送することができる。
【0027】
さらに、前記第1〜第nコイン押動手段の回転運動により前記コインが搬送されるので、下方のコインで上方のコインを押動して搬送する従来技術の装置のようなコインの残留が生じない。よって、残留コインの回収が不要となり、処理効率を高めることができる。また、送り出された前記コインを残留させることなく、その全数を前記出口から放出できる。さらに、前記第1〜第nコイン押動手段を前記コインの通常搬送時とは逆の回転方向に回転運動させることにより、前記コイン案内通路内の前記コインを前記出口から前記入口へ向かう逆方向に搬送することも可能である。
【0028】
なお、本発明において、「表裏の案内面」は実質的に面として機能するものを含み、例えば、線状体を並列に配置して面として機能させるものであってもよい。また、「回転軸線」は回転の中心となる直線を意味し、「回転軸線が交わる」は回転軸線がその延長線上において交わることを含んでいる。
【0029】
(4)第3の発明におけるコイン搬送装置の好ましい例では、前記第2〜第n回転軸線が、前記コイン案内通路において、前記コイン案内通路に沿って互いに平行に位置する第1および第2の軸配列線上に交互に所定の間隔で配置されると共に、前記コイン案内通路の延在方向に沿ってジグザグ状に配置される。この場合、前記第2〜第nコイン押動手段が第1および第2の軸配列線上に2列に配置されるので、前記コインの搬送速度を高めることができる。すなわち、回転運動する前記コイン押動手段の移動速度は搬送方向に沿った速度成分と搬送方向に直角な速度成分とから成り、これらの速度成分は前記コイン押動手段の回転角度に応じて変化する。そして、搬送方向に沿った速度成分が大きい程、前記コインの搬送速度が速くなる。前記第2〜第nコイン押動手段を2列に配置した場合、前記コイン押動体の回転角度の範囲のうち、搬送方向に沿った速度成分が相対的に大きい回転角度の範囲を容易に利用することが可能となり、前記コインの搬送速度を高めることができるのである。
【0030】
(5)第3の発明におけるコイン搬送装置の他の好ましい例では、前記裏の案内面が、前記第1回転軸線と直交する第1案内面部分と、前記第2回転軸線と直交する第2案内面部分とを有し、前記第1および第2案内面部分が第1曲面部分を介して接続される。この場合、前記コインが前記第1曲面部分に沿って案内されるので、前記コインの進行角度の変更がより円滑に行われる利点がある。
【0031】
(6)第3の発明におけるコイン搬送装置のさらに他の好ましい例では、上記(5)のコイン搬送装置において、前記表の案内面が、前記第1曲面部分と対向する第2曲面部分を有している。この場合、前記コインが前記第1および第2曲面部分に沿って案内されるので、前記コインの進行角度の変更がより一層円滑に行われる利点がある。
【0032】
(7)第3の発明におけるコイン搬送装置のさらに他の好ましい例では、上記(5)のコイン搬送装置において、前記第1および第2コイン押動手段の回転運動の軌跡が所定の間隔を置いて形成されるよう前記第1および第2コイン押動手段が配置される。この場合、前記所定の間隔に対応して前記第1局面部分を形成できるので、前記第1局面部分に必要な領域を確保できる利点がある。
【0033】
(8)第3の発明におけるコイン搬送装置のさらに他の好ましい例では、前記第1〜第nコイン押動手段が前記第1〜第n回転軸線のそれぞれに対して配置された少なくとも2以上のコイン押動体により構成される。この場合、2以上の前記コイン押動体のそれぞれが前記コインを押動するので、1回転運動あたりに移動できる前記コインの数を増やすことができる利点がある。換言すれば、前記コインの搬送効率を高めることができるという利点がある。
【0034】
(9)第3の発明におけるコイン搬送装置のさらに他の好ましい例では、前記左右の案内面が前記第1〜第n回転軸線のそれぞれを中心とする円弧を接続した曲線に沿って形成される。この場合、回転運動する前記第1〜第nコイン押動手段の円形軌跡と前記左右案内面の平面形状とが同軸となるので、前記第1〜第nコイン押動手段が前記コインを円滑に押動できる利点がある。換言すれば、前記コイン押動手段を回転運動させる際の負荷を軽減できるという利点がある。
【0035】
(10)第3の発明におけるコイン搬送装置のさらに他の好ましい例では、前記第1〜第n回転軸線のそれぞれに対応する第1〜第n回転盤が前記コイン案内通路の前記裏の案内面側に配置され、前記第1〜第nコイン押動手段が対応する前記第1〜第n回転盤の周辺部に設けられている。この場合、前記1〜第nコイン押動手段の回転運動を簡単な構造で容易に実現できる利点がある。
【0036】
(11)第3の発明におけるコイン搬送装置のさらに他の好ましい例では、上記(10)のコイン搬送装置において、前記第1および第2回転盤のそれぞれと一体で回転する第1および第2歯車が前記第1および第2回転盤の裏面側にそれぞれ配置され、前記第1および第2歯車が噛み合っている。この場合、前記第1および第2回転盤が互いに相反する方向に同期して回転する。換言すれば、前記第1および第2コイン押動手段の回転方向が自動的に相反し、しかも、前記第1および第2コイン押動手段が同期して回転運動する。したがって、簡単な構造でありながら、前記第1および第2コイン押動手段の回転方向が相反し、かつ、回転運動に適宜の位相差を持つという機能を容易に実現できる利点がある。
【0037】
(12)第3の発明におけるコイン搬送装置のさらに他の好ましい例では、上記(11)のコイン搬送装置において、前記第1および第2歯車のそれぞれが前記所定の角度に対応する円錐角を有するかさ歯車部分を含んでいる。この場合、前記第1および第2歯車を噛み合わせるという簡単な構成でありながら、前記第1および第2回転軸線のなす所定の角度を形成した状態で、前記第1および第2コイン押動手段を回転運動できる利点がある。
【0038】
(13)第3の発明におけるコイン搬送装置のさらに他の好ましい例では、上記(11)のコイン搬送装置において、前記第1歯車が平歯車部分を含んでおり、前記平歯車部分を介して駆動手段から前記第1歯車に駆動力が伝達される。この場合、当該コイン搬送装置をコイン送出装置と共に使用する際には比較的簡単な構成でコイン送出装置の駆動手段を利用でき、当該コイン搬送装置に専用の駆動手段を省略できる利点がある。さらに、コイン送出装置およびコイン搬送装置が一つの駆動手段により駆動されるため、コイン送出装置およびコイン搬送装置を容易に同期駆動できる利点もある。
【0039】
(14)第3の発明におけるコイン搬送装置のさらに他の好ましい例では、上記(11)のコイン搬送装置において、前記第1歯車には駆動手段から駆動力が伝達され、前記駆動手段と前記第1歯車との間の駆動力伝達経路にトルクリミッタが配置される。この場合、当該コイン搬送装置において前記コインの噛み込みが発生しても、前記駆動手段から前記第1歯車に伝達される駆動力が前記トルクリミッタにより遮断される。そのため、前記第1〜第nコイン押動手段などの関連する部品に過大な負荷をかけないので、部品の破損が防止されると共に、耐久性が向上する利点がある。さらに、過大な負荷がかからなくなるので必要とされる部品強度も小さくて済み、部品を小型化でき、ひいては装置全体も小型化できる利点がある。
【0040】
(15)第3の発明におけるコイン搬送装置のさらに他の好ましい例では、上記(10)のコイン搬送装置において、前記第2〜第n回転盤のそれぞれと一体で回転する第3歯車が前記第2〜第n回転盤の裏面側にそれぞれ配置され、前記第3歯車の隣接するもの同士が噛み合っている。この場合、前記第2〜第n回転盤が互いに相反する方向に同期して回転する。換言すれば、前記第2〜第nコイン押動手段の隣接する前記回転軸線に対応するもの同士は互いに自動的に相反し、しかも、これらコイン押動手段の全てが同期して回転運動する。したがって、簡単な構造でありながら、回転方向が相反し、かつ、回転運動に適宜の位相差を持つという機能を容易に実現できる利点がある。
【0041】
(16)第3の発明におけるコイン搬送装置のさらに他の好ましい例では、前記第1〜第nコイン押動手段の回転運動の有無を検知する回転監視センサが設けられ、前記回転監視センサが前記第1〜第nコイン押動手段の回転運動の停止を検知した場合、当該回転運動の停止を示す信号を出力する。この場合、当該コイン搬送装置において前記コインの噛み込みが発生し、前記第1〜第nコイン押動手段の回転運動が停止する状態となった際に、前記回転運動の停止を示す信号に基づいて前記コインの送り出しを停止できる利点がある。換言すれば、当該コイン搬送装置に対する不要な負荷の発生が回避され、耐久性を向上できる利点がある。
【0042】
(17)第3の発明におけるコイン搬送装置のさらに他の好ましい例では、前記コイン案内通路をその延在方向に分割してなるコイン案内通路部分と、前記コイン案内通路部分の入口または出口に対応して設けられた突き合せ可能な端面と、をそれぞれ有すると共に、前記第1〜第n回転軸線が分割して配置された複数のコイン搬送ユニットを含み、前記端面を突き合わせて前記複数のコイン搬送ユニットが接続されることにより構成される。この場合、接続される前記コイン搬送ユニットの数を適宜設定することにより、当該コイン搬送装置における搬送距離を容易に変更できる利点がある。
【0043】
(18)第3の発明におけるコイン搬送装置のさらに他の好ましい例では、上記(17)のコイン搬送装置において、前記第n回転軸線が配置されると共に前記コイン案内通路の左側に前記出口が設けられた第1の出口用コイン搬送ユニットと、前記第n回転軸線が配置されると共に前記コイン案内通路の右側に前記出口が設けられた第2の出口用コイン搬送ユニットと、が準備されている。この場合、前記第1および第2の出口用コイン搬送ユニットのいずれか一方を選択的に使用することにより、他のコイン搬送ユニットの構成を変更することなく、左右いずれの払い出しにも容易に対応できる利点がある。
【0044】
(19)第3の発明におけるコイン搬送装置のさらに他の好ましい例では、前記コイン案内通路内の前記コインを前記出口へ向けて弾き出すコイン放出手段と、前記コイン放出手段により弾き出される前記コインを検出するコイン払出検出センサと、を有している。この場合、前記コイン放出手段により前記コインが前記出口から放出され、前記コイン払出検出センサにより前記出口から放出される(すなわち、前記出口から払い出される)前記コインの個数がカウントされる。しかも、前記コイン放出手段の前記コインを弾く力を一定にすることにより前記コインが所定の速度で弾き出されるので、前記コイン払出検出センサが確実に前記コインを検出し易くなる。換言すれば、前記出口から放出される前記コインの個数を安定してカウントできる利点がある。
【0045】
(20)第4の発明におけるコイン払出装置は、バラ積み状態のコインを1枚ずつ分離して送り出すコイン送出装置と、前記コイン送出装置から送り出された前記コインを入口で受けて出口へ搬送するコイン搬送装置と、を有し、前記コインを所定の場所に払い出すコイン払出装置であって、前記コイン送出装置が、バラ積み状態でコインを保留する保留ボウルと、所定角度で上向きに傾斜し、かつ、その上面中央に円形支持棚が形成されると共に、等間隔であって、かつ、前記支持棚側から周方向へ放射状に伸びる複数のコイン係止体を有し、前記保留ボウルに保留された前記コインを前記複数のコイン係止体間の保持面に面接触させて1枚ずつ受け入れ、かつ、前記支持棚および前記保持面に支持させつつ前記複数のコイン係止体によって押動する回転ディスクと、前記支持棚近傍から前記回転ディスクの周方向に伸び、前記回転ディスクにより押動された前記コインを受け入れて前記回転ディスクの周方向に一枚ずつ送り出すコイン受取手段と、前記回転ディスクを回転駆動する駆動手段と、を含み、前記コイン搬送装置が、上記(3)〜(19)のいずれかのコイン搬送装置からなるコイン払出装置である。
【0046】
第4の発明におけるコイン払出装置では、前記コイン送出装置が、バラ積み状態で前記コインを保留する前記保留ボウルと、所定角度で上向きに傾斜し、かつ、その上面中央に前記円形支持棚が形成されると共に、等間隔であって、かつ、前記支持棚側から周方向へ放射状に伸びる前記複数のコイン係止体を有する前記回転ディスクと、前記支持棚近傍から前記回転ディスクの周方向に伸びる前記コイン受取手段と、前記回転ディスクを回転駆動する前記駆動手段と、を有する。前記駆動手段により回転された前記回転ディスクは、前記複数のコイン係止体間の前記保持面に前記コインを面接触させて1枚ずつ受け入れる。前記複数のコイン係止体は前記支持棚側から周方向へ放射状に伸びるため、前記複数のコイン係止体の間には外径の異なる複数種類の前記コインが受け入れられる。そして、前記コイン受取手段が、前記支持棚と前記保持面に支持されつつ前記複数のコイン係止体によって押動されるコインを受け取り、前記回転ディスクの周方向の外部に送り出す。そのため、前記コイン送出装置は、外径の異なる複数種類の前記コインが前記保留ボウルに投入されても確実に送り出すことができる。
【0047】
また、前記コイン搬送装置が、上記(3)〜(19)のコイン搬送装置からなる。そのため、上記(3)に述べたように、外径または厚みの異なる複数種類のコインであっても、その進行角度を変更しながらコイン案内通路に導入して搬送することが可能である。さらに、下方のコインで上方のコインを押動して搬送する従来技術の装置のようなコインの残留が生じない。よって、残留コインの回収が不要となり、処理効率を高めることができる。また、送り出された前記コインを残留させることなく、その全数を前記出口から放出できる。
【0048】
したがって、第4の発明におけるコイン払出装置では、外径または厚みの異なる複数種類のコインを対象に、バラ積み状態のコインを1枚ずつ分離して所定の場所に払い出すことが可能である。また、払出可能なコインの外径範囲が広くなる。さらに、残留コインの回収が不要となり、処理効率を高めることができる。また、前記コイン送出装置の前記保留ボウルに投入された前記コインを残留させることなく、その全数を前記コイン搬送装置の前記出口から放出できる。
【0049】
さらに、前記コイン搬送装置が上記(4)〜(19)のコイン搬送装置からなる場合には、上記(4)〜(19)で述べたと同じ効果が得られる。
【発明の効果】
【0050】
第1〜第3の発明におけるコイン搬送装置では、(a)コインをその進行角度を変更しながら搬送できる、(b)外径または厚みの異なる複数種類のコインであっても、その進行角度を変更しながら搬送できる、(c)搬送可能なコインの外径または厚みの範囲が広い、(d)送り出されたコインを残留させることなく全数放出できる、(e)残留コインの回収を不要とし、処理効率を高めることができる、といった効果が得られる。
【0051】
また、第4の発明におけるコイン払出装置では、(a)外径または厚みの異なる複数種類のコインを対象に貯留されたコインを一枚ずつ分離した後に所定位置まで搬送して放出できる、(b)払出可能なコインの外径または厚みの範囲が広い、(c)コイン送出装置に投入されたコインを残留させることなく全数放出できる、(d)残留コインの回収を不要とし、処理効率を高めることができる、といった効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の実施例1のコイン払出装置を示す斜視図である。
【図2】図1のコイン払出装置の正面図である。
【図3】図1のコイン払出装置の側面図である。
【図4】図1のコイン払出装置を構成するコイン送出装置とコイン搬送装置の第1コイン搬送ユニットとを示す正面図である。
【図5】図4のV−V線に沿った断面図である。
【図6】図4のコイン送出装置および第1コイン搬送ユニットの要部分解斜視図である。
【図7】図1のコイン送出装置を構成するコイン搬送装置を示す、正面側から見た要部分解斜視図である。
【図8】図1のコイン送出装置を構成するコイン搬送装置を示す、背面側から見た要部分解斜視図である。
【図9】図1のコイン送出装置を構成するコイン搬送装置のトッププレートを示す、裏面側から見た平面図である。
【図10】図1のコイン送出装置を構成するコイン搬送装置のベース部を示す正面図である。
【図11】図2のXIーXI線に沿った断面図である。
【図12】図1のコイン払出装置を構成するコイン搬送装置の第2コイン搬送ユニットを示す正面図である。
【図13】図12の第2コイン搬送ユニットの斜視図である。
【図14】図1のコイン払出装置を構成するコイン搬送装置の第3コイン搬送ユニットを示す正面図である。
【図15】図14の第3コイン搬送ユニットの右上側から見た斜視図である。
【図16】図14の第3コイン搬送ユニットの左下側から見た斜視図である。
【図17】図1のコイン払出装置の駆動力伝達機構を示す正面図である。
【図18】図17の駆動力伝達機構の斜視図である。
【図19】図17の駆動力伝達機構の側面図である。
【図20】図1のコイン払出装置の動作を説明するためのトッププレートを取り除いた状態の正面図である。
【図21】図1のコイン払出装置の動作を説明するためのトッププレートを取り除いた状態の正面図で、図20の続きである。
【図22】図1のコイン払出装置の動作を説明するためのトッププレートを取り除いた状態の正面図で、図21の続きである。
【図23】図1のコイン払出装置の動作を説明するためのトッププレートを取り除いた状態の正面図で、図22の続きである。
【図24】図1のコイン払出装置の動作を説明するためのトッププレートを取り除いた状態の正面図で、図23の続きである。
【図25】図1のコイン払出装置の動作を説明するためのトッププレートを取り除いた状態の正面図で、図24の続きである。
【図26】図1のコイン払出装置の動作を説明するためのトッププレートを取り除いた状態の正面図で、図25の続きである。
【図27】図1のコイン払出装置の動作を説明するためのトッププレートを取り除いた状態の正面図で、図26の続きである。
【図28】図1のコイン払出装置の動作を説明するためのトッププレートを取り除いた状態の正面図で、図27の続きである。
【図29】図1のコイン払出装置の動作を説明するためのトッププレートを取り除いた状態の正面図で、図28の続きである。
【図30】図1のコイン払出装置の動作を説明するためのトッププレートを取り除いた状態の正面図で、図29の続きである。
【図31】本発明の実施例2のコイン払出装置を構成するコイン搬送装置の第3コイン搬送ユニットを示す正面図である。
【図32】図31の第3コイン搬送ユニットの右上側から見た斜視図である。
【図33】図31の第3コイン搬送ユニットの左下側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0054】
図1、図2および図3は、本発明の実施例1のコイン払出装置1を示す。このコイン払出装置1は、バラ積みされたコインを所定の払出位置に一枚ずつ払いだす機能を有し、大まかにはコイン送出装置10とコイン搬送装置20とを含んで構成される。コイン払出装置1は、外径(すなわち、直径)または厚みの異なる複数種類(すなわち、金種)のコインを払出可能であり、いわゆるサイズフリー対応のコイン払出装置として機能する。
【0055】
(コイン送出装置)
まず、図1〜6を参照しながら、コイン送出装置10について説明する。コイン送出装置10は、バラ積み状態のコインを1枚ずつ分離して送り出す機能を有するもので、多数のコインを保留する保留ボウル102、その保留ボウル102を上向きに傾斜して支持し固定する取付ベース104、コインを一つずつ区分けする回転ディスク106、回転ディスク106を駆動する駆動手段108、回転ディスク106からコインを受け取る受取手段112、およびコイン落下手段118を有している。
【0056】
(保留ボウル)
保留ボウル102は、多数のコインをバラ積み状態に保留し、回転ディスク106に向けて送り込む機能を有する。保留ボウル102は、取付ベース104より前方(図3において右側)に突出し、回転ディスク106に近づくに従って深さが増し、換言すれば、底壁122が回転ディスク106に向かって下向きに傾斜しているヘッド部102Aと、コインを投入するためのコイン投入口102Bと、取付ベース104に密接すると共に回転ディスク106の少なくとも下側の外周を囲う外装部102Cを有している。
【0057】
底壁122の傾斜は、コインが自重によって回転ディスク106側に滑落できる角度である。ヘッド部102Aは、回転ディスク106側が開放された、かいば桶形であり、その開放端部は取付ベース104に密着して固定されている。回転ディスク106の下部の前方には、図5に示すように、狭幅の縦溝124を形成し、落下したコインが立ち易いようにしてある。縦溝124は外装部102Cに続いて形成された回転ディスク106に対し略平行な垂線に対し回転ディスク106側に傾斜する縦壁126と回転ディスク106および外装部102Cによって形成され、その幅、換言すれば、回転ディスク106の上面と保留ボウル102の縦壁126との間隔は、最小コインの直径よりも小さく、かつ、最大厚みコインの厚みの5倍から10倍に設定され、回転ディスク106の回転方向下流側ほどその間隔が広まるように設定されている。コインを立たせ、更に回転ディスク106側に傾け、コインを最後の一枚まで後述のコイン係止体128に係止させて、払い出すことができるようにするためである。
【0058】
外装部102Cは、円筒リング形であって、回転ディスク106の外周に近接配置される。よって、直径の異なるコインは、保留ボウル102内にバラ積み状態に保留され、傾斜する底壁122上を自重によって滑り落ち、回転ディスク106に送り込まれる。さらに、回転ディスク106によって連れ回りされるコインは、外装部102Cにより回転ディスク106上に留まるよう案内される。
【0059】
(取付ベース)
取付ベース104は、回転ディスク106を回転自在に支持し、保留ボウル102が固定される等の機能を有する。取付ベース104は、2つの水平な載置台部104Aと、載置台部104Aに対し傾斜する第1取付部104Bと、第1取付部104Bの上端から鉛直上方に延びる第2取付部104Cと、載置台部104Aに対して略直角に立設された支持側壁104L、104Rとを含んでいる。載置台部104Aは、矩形の平板状であり、支持側壁104L、104Rと一体に形成されている。第1取付部104Bは、平板状であり、載置台部104Aに対し約60度の上向き角で傾斜し、その上向き上面104U側には、回転ディスク106が配置され、裏面側には駆動手段108が取付けられる。第1取付部104Bの傾斜角は、50度〜70度の範囲が好ましい。50度よりも小さい場合、コインC保留量が少なくなり、70度よりも大きい場合、コインが後述のコイン係止体128から落下し易くなるからである。第2取付部104Cは第1取付部104Bと一体で形成され、コイン搬送装置20を支持する。
【0060】
(回転ディスク)
回転ディスク106は、バラ積みされた外径が異なるコインを一つずつ区分けし、受取手段112に搬送する機能を有する。回転ディスク106は円板であって、中央に円形の中央突起132、中央突起132の周囲にリング形の保持面134が形成され、保持面134に放射状にコイン係止体128が形成され、裏面は上向き上面104Uに近接配置されている。回転ディスク106は、上向きに傾斜し、図4において反時計方向に回転される。中央突起132の上面に突起133を形成し、これによってコインを攪拌することが好ましい。
【0061】
中央突起132の外周は支持棚136であり、支持棚136は保持面134に対し略直角をなし、保持面134からの突出量は使用が想定される最薄のコインの厚みよりも低く設定されている。支持棚136は、コイン係止体128間の保持面134に一枚のみのコインが保持されるようにする機能を有する。2枚のコインが支持棚136に支持されないためである。
【0062】
保持面134は、支持棚136に周面が支持されるコインの一面と面接触してコインを保持する機能を有する。保持面134は、中央突起132の外周に形成されたリング形の扁平面であり、水平面に対し約60度傾斜している。
【0063】
コイン係止体128はコインの周面に接し、コインを押動する機能を有する。コイン係止体128は、回転ディスク106回転軸線に対し放射状に等間隔で固定状態に形成されたリブ状の凸条である。本実施例において、コイン係止体128は正面視台形かつ断面台形であり、回転方向前端の押動縁138によってコインを押動する。押動縁138は保持面134に対し垂直上方に伸び、その保持面134からの高さは、コインを押動できる高さであればよい。しかし、押動縁138の高さが低い場合、コインを押動する際の単位長さ当たりの接触圧力が高まるので、可及的に高いことが好ましい。他方、押動縁138の高さが所定量以上に高い場合、後述の受取手段112のための乗上スロープ142の長さが長くなり、最小径コインが押動縁138に押されているときに乗上スロープ142に押し上げられ、最小径コインがコイン受取手段112から落下し易くなる。よって、最小径コインが押動縁138に押されているときに、乗上スロープ142に押し上げられない範囲で可及的に押動縁138を高く形成することが好ましい。実験によれば、直径20ミリ以上のコインを対象にする場合、押動縁138の高さは、約2ミリが好ましい。
【0064】
コイン係止体128の回転方向下流側縁144は、図4に示すように、コイン受取手段112を構成するコイン受取体145の受取縁146の全長が同時に保持面134に近接するよう押動縁138に対し傾斜して形成することが好ましい。コイン受取体145が保持面134に近接した時、保持面134とコイン受取体145との間にコインが挟まれないためである。コイン係止体128の頂部147と下流側縁144は段付斜面149に形成されている。隣り合うコイン係止体128の間の保持面134にコインの一面が面接触して保持される。よって、保持面134上の押動縁138と下流側縁144との間隔は、支持棚136側が狭く、回転ディスク106の周縁に近づくにしたがって順次拡大する形状であり、保持面134は中央突起132に対し倒立台形を呈する。支持棚136に使用が想定される最小径コインの一つが支持されている場合、他の最小径コインは支持棚136に支持されないよう設定されている。換言すれば、支持棚136に近接した位置において最小径コインの2個が保持面134に面接触しないように設定されている。2枚のコインが連続払出されることを防止するためである。
【0065】
乗上スロープ142は、コイン受取体145の受取縁146の支持棚136側の端部をこれに沿わせて保持面134から押し上げる機能を有する。図4に示すように乗上スロープ142は、支持棚136と押動縁138とがなすコーナーに形成され、保持面134からコイン係止体128の頂部147まで傾斜するスロープであり、最小径のコインが支持棚136および押動縁138に接している場合、それらがなす三角形空間内に形成することが好ましい。乗上スロープ142が大きすぎる場合、コインが受取縁146に案内されている状態においてコインの一部が乗上スロープ142上に載ってしまい、コインが受取縁146から落下しやすくなるからである。
【0066】
(駆動手段)
駆動手段108は、回転ディスク106を所定の速度で回転駆動する機能を有する。本実施例において駆動手段108は、電気モータ152および減速機154を含んでいる。減速機154が第1取付部104Bの裏面に固定され、その入力歯車には減速機154に固定された電気モータ152の出力歯車(図示せず)が噛み合っている。減速機154の出力軸(図示せず)は、第1取付部104Bを貫通し、回転ディスク106の中心部の嵌合孔(図示せず)に密に挿入され、固定されている。
【0067】
なお、駆動手段108は過負荷防止機能を有している。すなわち、コイン詰まり等の異常により駆動手段108が過負荷状態となった場合、図示しない制御装置によって電気モータ152に逆極性の電流が流れ、回転ディスク106が逆回転される。これにより、異常が解消されて駆動手段108の負荷状態が正常になると、制御装置により回転ディスク106が再び正回転される。
【0068】
(コイン受取手段)
コイン受取手段112は、回転ディスク106によって一つずつ区分けして送られてくるコインを回転ディスク106の周方向へ移動させ、かつ、コイン係止体128に対する逃げ運動を行う機能を有する。本実施例においてコイン受取手段112は、五角形の板体であり、押動縁138に面する端縁が直線状の受取縁146が形成され、他端部を遊動支持手段174によって遊動可能に支持され、かつ、中間部に押動縁138を付勢手段(図示せず)によって回転ディスク106側に付勢されているコイン受取体145である。
【0069】
受取縁146は、支持棚136の近傍から回転ディスク106の周方向に一直線に伸び、押動縁138と対向関係にある場合(それらの間にコインが位置する場合)、それら縁の延長線は鋭角をなすよう形成されている。換言すれば、図4に示すように受取縁146は、回転ディスク106の中心に対し上方にオフセットし、保持面134の周方向の幅の全長に面している。
【0070】
遊動支持手段174は、コイン受取手段112を所定の範囲において上下左右の如何なる方向にも姿勢を変更できるように支持する機能を有する。詳しくは、コイン受取手段112の受取縁146が保持面134に近接した位置および乗上スロープ142に接触しつつコイン係止体128を乗り越えることが出来る動きが可能である。遊動支持手段174は、上述した特許文献2(特開2008−97322)と同じ構成であり、ここでは具体的な構成についての説明を省略する。
【0071】
(コイン落下手段)
コイン落下手段118は、重なっているコインが受取手段112に到達しないよう、保持面134に接して保持されているコインの上に載っているコインを落下させる機能を有する。コイン落下手段118は、回転ディスク106の軸線よりも上方であって、かつ、回転ディスク106の周縁に相対して配置されている。換言すれば、コイン落下手段118は、回転ディスク106に対しおおよそ2時の位置であって、図4に示すように、回転ディスク106の保持面134に近接し、かつ、平行な平面内において進退可能に構成されている。コイン落下手段118は、上述した特許文献2(特開2008−97322)と同じ構成であり、ここではその詳細な説明を省略する。
【0072】
(コイン搬送装置)
次に、図1〜19を参照しながら、コイン搬送装置20について説明する。コイン搬送装置20は、図1〜9に示すように、入口202から出口204に向かって延在するコイン案内通路210を有するコイン案内部200と、一対のコイン押動体504A〜504L、506A〜506Lがそれぞれ設けられた第1〜第12回転盤502A〜502Lを有するコイン押動機構500と、出口204の近傍に配置されたコイン放出手段230およびコイン払出検出センサ240とを含んでいる。また、コイン搬送装置20は、コイン案内通路210をその延在方向において3分割する第1〜第3コイン搬送ユニット21〜23により構成されている。換言すれば、コイン搬送装置20は、第1および第3コイン搬送ユニット21、23を第2コイン搬送ユニット22を介して接続することにより、コイン案内通路210が形成されるよう構成されている。コイン案内通路210の入口202は第1コイン搬送ユニット21の下部に設けられ、出口204は第3コイン搬送ユニット23の上部左側に設けられている。
【0073】
(コイン案内部)
コイン案内部200は、ベース体300と、ベース体300の表面302上に設けられたトッププレート400および入口ガイド部材450とを含んで構成される。ベース体300の表面302側には、図6、図7および図10に示すように、第1〜第12回転軸線332A〜332Lの回りを回転可能に支持された第1〜第12回転盤502A〜502Lが配置されている。第1〜第12回転軸線332A〜332Lは、ベース体300の表面302に対して略直角である。
【0074】
ベース体300の表面302は、図10に示すように、第1案内面部分222と第2案内面部分224とを有している。第1案内面部分222は、第1取付部104Bの上向き上面104Uと平行であり、換言すれば、回転ディスク106の保持面134と同様に水平面に対し約60度の傾斜角を有する。第2案内面部分224は、水平面に対し略直角であり、第1案内面部分222に対して約150度の角度で交わる。換言すれば、第1および第2案内面部分222、224は、互いに約30度の角度で交わる法線をそれぞれ有している。第1および第2案内面部分222、224の間には、第1曲面部分226が形成されている。換言すれば、第1および第2案内面部分222、224は、第1曲面部分226を介して滑らかに接続されている。
【0075】
第1および第2回転軸線332A、332Bは第1の軸配列線312上に所定間隔d1を置いて配置され、かつ、図5に示すように、ベース体300の側方から見て(すなわち、後述する左右の案内面212、214のいずれか一方の側から見て)所定の角度αで交わるよう配置される。換言すれば、コイン案内通路210の延在方向に略直角で、かつ、ベース体300の表面302に略平行である方向から見て所定の角度αで交わるよう配置される。そして、第1回転軸線332Aは第1案内面部分222に略直角であり、第2回転軸線332Bは第2案内面部分224に略直角であるため、角度αは約30度である。
【0076】
第2〜第12回転軸線332B〜332Lは、相互に略平行である。第2、第4、第6、第8、第10および第12回転軸線332B、332D、332F、332H、332J、332Lは第1の軸配列線312上に所定間隔d2を置いて一列に配置され、第3、第5、第7、第9および第11回転軸線332C、332E、332G、332I、332Kは第2の軸配列線314上に所定間隔d2を置いて一列に配置されている。換言すれば、第2〜第12回転軸線332B〜332Lのうち、偶数番目が第1の軸配列線312上に一列に配置され、奇数番目が第2の軸配列線314上に一列に配置される。第1および第2の軸配列線312、314は互いに平行であって、所定間隔wを置いて配置されている。第3、第5、第7、第9および第11回転軸線332C、332E、332G、332I、332Kは、第2、第4、第6、第8、第10および第12回転軸線332B、332D、332F、332H、332Jに対して、所定の距離sだけオフセットしている。換言すれば、第2〜第12回転軸線332B〜332Lは、コイン案内通路210の延在方向に沿ってジグザク状(すなわち、千鳥状)に配置される。
【0077】
トッププレート400の裏面404側には、図8および図9に示すように、入口202から出口204に向けて延在するコイン案内溝406が形成されている。コイン案内溝406は底面410と第1および第2の側面412、414とを有しており、裏面404がベース体300の表面302に重ねられた状態でベース体300に固定されている。コイン案内溝406の幅wgは最大径コインの直径より僅かに大きくなるように設定され、深さdg(図11参照)は最大厚コインの厚さより僅かに大きくなるように設定されている。換言すれば、直径および厚さの異なる複数金種のコインが、底面410と第1および第2の側面412、414とによって案内されながら、コイン案内溝406の内部を通過可能となるように、コイン案内溝406の幅wgおよび深さdgが設定されている。換言すれば、所定の範囲において外径(直径)または厚みのみが異なるコインを搬送できるように設定されている。
【0078】
コイン案内溝406の第1の側面412は、第3、第5、第7、第9および第11回転軸線332C、332E、332G、332I、332Kを中心とする複数の円弧が接続されてなる曲線418に沿って形成されている。コイン案内溝406の第2の側面414は、第2、第4、第6、第8、第10および第12回転軸線332B、332D、332F、332H、332J、332Lを中心とする複数の円弧が接続されてなる曲線416に沿って形成されている。
【0079】
トッププレート400の表面402および裏面404は、ベース体300の表面302に対して略平行であり、ベース体300の表面302の形状に対応して湾曲している。そして、コイン案内溝406の底面410は、ベース体300の第1曲面部分226に対向する第2曲面部分228を有している。
【0080】
トッププレート400の裏面404には、後述するコイン押動体504A〜504L、506A〜506Lが回転運動する際に、トッププレート400への接触を防止する円環状の溝422が第1〜第12回転軸線332A〜332Lのそれぞれに対応して形成されている。また、図9および図11に示すように、トッププレート400の裏面404において、第3〜第12回転軸線332C〜332Lに対応する位置に位置合わせ用突起432が形成されると共に、トッププレート400の周辺部の所定位置に位置合わせ用突起434が形成されている。位置合わせ用突起432は後述の第3〜第12の支軸334C〜334Lに形成された位置合わせ用穴342に挿入され、位置合わせ用突起434はベース体300の表面302において周辺部の所定位置に形成された位置合わせ用穴344に挿入される。これにより、トッププレート400はベース体300に対して位置合わせされた状態で固定可能である。
【0081】
ベース体300の表面302と、トッププレート400のコイン案内溝406の底面410と、第1および第2の側面412、414とにより、コイン案内通路210が構成される。換言すれば、ベース体300の表面302がコイン案内通路210の裏の案内面218として機能し、トッププレート400のコイン案内溝406の底面410がコイン案内通路210の表の案内面216として機能し、トッププレート400のコイン案内溝406の第1および第2の側面412、414がコイン案内通路210の左右の案内面212、214として機能する。そして、コイン案内通路210において、入口202から導入されたコインの周面は、コイン案内通路210の左右の案内面212、214(すなわち、コイン案内溝406の第1および第2の側面412、414)により案内される。また、コインの表面および裏面は、コイン案内通路210の表裏の案内面216、218(すなわち、コイン案内溝406の底面410およびベース体300の表面302)により案内される。
【0082】
入口ガイド部材450は、トッププレート400と共にコイン案内通路210の入口202を形成するものである。図4および図6に示すように、入口ガイド部材450は、ほぼ五角形の取付部452と、取付部452から第1回転軸線332Aに向かって延びる突部456と、突部456に設けられた支軸に回動自在に支持された円板体454とを有している。円板体454は、後述する第1回転盤502Aの中央部分に形成された凹部502Aaを覆うように、突部456の裏面側に配置される。図4に示すように、突部456は、その下向き側面458をコイン送出装置10のコイン送出口190に向けた状態で配置されている。突部456の下向き側面458は、コイン送出口190から送り出されるコインの周面を案内し、コイン案内通路210の入口202にコインを円滑に導入する機能を有している。
【0083】
(コイン押動機構)
図6〜図8および図10に示すように、コイン押動機構500は、第1〜第12回転軸線332A〜332Lの回りを回転する第1〜第12回転盤502A〜502Lを有している。第1〜第12回転盤502A〜502Lは、ベース体300に配置された第1〜第12の支軸334A〜334Lに回転自在に支持されている。第1〜第12の支軸334A〜334Lは、第1〜第12回転軸線332A〜332Lを中心軸線とする略円柱の外形状を有すると共に、略同一の直径を有している。第1回転盤502Aは、平面視略円形の外形状を有しており、中央に円形状の凹部502Aa(図6参照)が形成されている。換言すれば、第1回転盤502Aは、第1回転軸線332Aに平行な方向に突出する円環状の周辺部を有している。第2〜第12回転盤502B〜502Lは、平面視略円形の外形状を有している。
【0084】
第1回転盤502Aの表面には、第1回転盤502Aの外周に沿って屈曲して延びる略長円形(または、小判形)の平面形状を有し、かつ、第1回転軸線332Aに平行な方向に突出する柱状の外形状を有する一対のコイン押動体504A、506Aが設けられている。コイン押動体504A、506Aは略長円形(または、小判形)の長軸方向に向かってコインを押動する機能を有するため、このような平面形状とすることによりコイン押動体504A、506Aの機械的強度および磨耗に対する耐久性を高めることができる。コイン押動体504A、506Aは第1回転盤502Aの周辺部において第1回転軸線332Aを挟んで対向して配置されており、換言すれば、コイン押動体504A、506Aは第1回転盤502Aにおいて第1回転軸線332Aに対称に配置されている。コイン押動体504A、506Aは、第1回転盤502Aの回転に伴って第1回転軸線332Aの回りを回転運動する第1コイン押動手段として機能する。
【0085】
第1回転盤502Aと同様に、第2〜第12回転盤502B〜502Lの表面には、コイン押動体504A、506Aと同様の平面形状を有し、かつ、第2〜第12回転軸線332B〜332Lに平行な方向に突出する柱状の外形状を有する一対のコイン押動体504B〜504L、506B〜506Lがそれぞれ設けられている。コイン押動体504B〜504L、506B〜506Lは回転盤502B〜502Lの周辺部において回転軸線332B〜332Lを挟んで対向して配置されており、換言すれば、コイン押動体504B〜504L、506B〜506Lは回転盤502B〜502Lにおいて回転軸線332B〜332Lに対称に配置されている。コイン押動体504B〜504L、506B〜506Lは、回転盤502B〜502Lの回転に伴って回転軸線332B〜332Lの回りを回転運動する第2〜第nコイン押動手段として機能する。
【0086】
第1および第2コイン押動手段として機能するコイン押動体504A、504B、506A、506Bの高さ(換言すれば、回転盤表面からの突出長)は、第3〜第nコイン押動手段として機能するコイン押動体504C〜504L、506C〜506Lの高さに対して大きく設定されている。コインの進行角度を変更しながらコインを搬送するには、コインが傾斜した状態であっても確実にコインを押動する必要があるからである。コイン押動体504C〜504L、506C〜506Lの高さは同一である。
【0087】
コイン押動体504A〜504L、506A〜506Lは、第1〜第12回転盤502A〜502Lと一体で形成してもよいし、別体で作製したものを適宜の方法により第1〜第12回転盤502A〜502Lに固定して形成することもできる。本実施例では、作製コストを低減する観点から一体で形成されている。コイン押動体504A〜504L、506A〜506Lは、円柱体であってもよいし、支持軸に円筒形のカラーを被せた回転自在なローラタイプとしてもよい。ローラタイプとした場合には、コイン押動体504A〜504L、506A〜506Lの磨耗が抑制されて耐久性を高められる利点がある。
【0088】
上述したように、第2〜第12回転軸線332B〜332Lは、第1および第2の軸配列線312、314上に交互にジグザグ状に配置される。第1の軸配列線312上に配置された第2、第4、第6、第8、第10および第12回転軸線332B、332D、332F、332H、332J、332Lに対応するコイン押動体504B、504D、504F、504H、504J、504Lおよび506B、506D、506F、506H、506J、506Lは、第1の押動体グループを構成する。第2の軸配列線314上に配置された第3、第5、第7、第9および第11回転軸線332C、332E、332G、332I、332Kに対応するコイン押動体504C、504E、504G、504I、504Kおよび506C、506E、506G、506I、506Kは、第2の押動体グループを構成する。第2、第4、第6、第8、第10および第12回転盤502B、502D、502F、502H、502J、502Lは第1回転盤グループを構成し、第3、第5、第7、第9および第11回転盤502C、502E、502G、502I、502Kは第2回転盤グループを構成する。
【0089】
第2〜第12回転盤502B〜502Lの裏面には、回転盤502B〜502Lを回転駆動するための従動歯車として機能する歯車522B〜522Lがそれぞれ同軸で設けられている。第2〜第12回転盤502B〜502Lおよび歯車522B〜522Lには、図11に示す軸挿入孔510がそれぞれ形成されている。これらの軸挿入孔510には、対応する支軸334B〜334Lがそれぞれ挿入されている。歯車522B〜522Lは、第2〜第12回転盤502B〜502Lと一体で形成してもよいし、別体で作製したものを適宜の方法により回転盤502B〜502Lに固定して形成することもできる。第2〜第12回転盤502B〜502Lと歯車522B〜522Lとがそれぞれ一体で回転できればよい。本実施例では、作製コストの低減と同軸精度を高めるという観点から一体で形成されている。
【0090】
歯車522B〜522Lは、互いに隣接するもの同士が噛み合っている。すなわち、歯車522Cは歯車522B、522Dと噛み合っている。同様に、歯車522Eは歯車522D、522Fと噛み合い、歯車522Gは歯車522F、522Hと噛み合っている。歯車522Iは歯車522H、522Jと噛み合い、歯車522Kは歯車522J、522Lと噛み合っている。そのため、図10に示すように、第1回転盤グループに属する第2、第4、第6、第8、第10および第12回転盤502B、502D、502F、502H、502J、502Lは反時計方向に回転し、第2回転盤グループに属する第3、第5、第7、第9および第11回転盤502C、502E、502G、502I、502Kは時計方向に回転する。すなわち、第1回転盤グループに属する第2、第4、第6、第8、第10および第12回転盤502B、502D、502F、502H、502J、502Lと、第2回転盤グループに属する第3、第5、第7、第9および第11回転盤502C、502E、502G、502I、502Kとが、互いに相反する方向に回転する。そのため、第1の押動体グループに属するコイン押動体504B、504D、504F、504H、504J、504Lおよび506B、506D、506F、506H、506J、506Lと、第2の押動体グループに属するコイン押動体504C、504E、504G、504I、504Kおよび506C、506E、506G、506I、506Kとが、互いに相反する方向に回転運動する。
【0091】
第2〜第12回転盤502B〜502Lのうちの隣接する一対のものにおいて、コイン押動体504B〜504Lと506B〜506Lとが所定の回転位相差を保つように配置される。例えば、隣接する第2および第3回転盤502B、502Cにおいて、コイン押動体504Bと504Cおよびコイン押動体506Bと506Cとが所定の回転位相差を保つように配置される。具体的には、図10に示すように、第2および第3回転軸線332B、332Cを含む平面Pを定義すると、回転運動するコイン押動体504Bが平面Pに到達した際に、回転運動するコイン押動体504Cが平面Pに対して歯車ピッチの1/2だけ手前の位置に到達するように、コイン押動体504Bと504Cとが配置される。同様に、回転運動するコイン押動体506Bが平面Pに到達した際に、回転運動するコイン押動体506Cが平面Pに対して歯車ピッチの1/2だけ手前の位置に到達するように、コイン押動体506Bと506Cとが配置される。第3回転盤502Cと第4回転盤502D、第4回転盤502Dと第5回転盤502E、第5回転盤502Eと第6回転盤502F、第6回転盤502Fと第7回転盤502G、第7回転盤502Gと第8回転盤502H、第8回転盤502Hと第9回転盤502I、第9回転盤502Iと第10回転盤502J、第10回転盤502Jと第11回転盤502K、第11回転盤502Kと第12回転盤502Lのそれぞれにおいても同様である。
【0092】
このように、コイン押動体504B〜504L、506B〜506Lは、第2〜第12回転軸線332B〜332Lのうちの対応するものの回りを所定の回転位相差を保ちながら同期して回転運動する。しかも、コイン押動体504B〜504L、506B〜506Lのうち、回転軸線が隣接するもの同士は互いに相反する方向に回転運動する。
【0093】
第1回転盤502Aの裏面には、平歯車部分622とかさ歯車部分626とを有する歯車612が同軸で設けられている。第2回転盤502B歯車522Bの裏面には、平歯車部分624とかさ歯車部分628とを有する歯車614が同軸で設けられている。これら2つ歯車612、614は同一形状であり、かさ歯車部分626、628は約30度の円錐角をそれぞれ有している。換言すれば、かさ歯車部分626、628は第1回転軸線332Aと第2回転軸線332Bとがなす角度αに相当する円錐角をそれぞれ有している。
【0094】
歯車612のかさ歯車部分626と歯車614のかさ歯車部分628とは互いに噛み合っている。そのため、第1および第2回転盤502A、502Bは、互いに相反する方向に回転する。すなわち、図10に示すように、第1回転盤502Aは時計方向に回転し、第2回転盤502Bは反時計方向に回転する。したがって、コイン押動体504A、506Aとコイン押動体504B、506Bとは、互いに相反する方向に回転運動する。第1および第2回転盤502A、502Bにおいても、コイン押動体504A、504Bとコイン押動体506A、506Bとが所定の回転位相差を保つように配置される。このように、コイン押動体504A、504Bおよびコイン押動体506A、506Bは、第1および第2回転軸線332A、332Bの回りを互いに相反する方向に所定の回転位相差を保ちながら同期して回転運動する。
【0095】
上記の通り、かさ歯車部分626、628は、第1回転軸線332Aと第2回転軸線332Bとがなす角度αに相当する円錐角を有している。そのため、第1および第2歯車612、614を噛み合わせるという簡単な構成でありながら、第1および第2回転軸線332A、332Bのなす角度αを形成した状態で、第1および第2回転盤502A、502Bを回転駆動することができる。
【0096】
平歯車部分622およびかさ歯車部分626は、一体で形成してもよいし、別体で作製したものを適宜の方法により互いに固定して形成することもできる。本実施例では、作製コストの低減と同軸精度を高めるという観点から一体で形成されている。平歯車部分624およびかさ歯車部分628についても同様である。また、歯車612は回転盤502Aと一体で形成することができ、歯車614は歯車522Bと一体で形成することができる。一体で形成した場合には作製コストの低減と同軸精度を高める上で有利であり、本実施例では一体で形成されているが、別体で作製したものを適宜の方法により互いに固定して形成することも勿論可能である。第1および第2回転盤502A、502Bと歯車612、614とがそれぞれ一体で回転できればどのように構成してもよい。
【0097】
(駆動力伝達機構)
図17〜19に示すように、駆動力伝達機構600は、コイン送出装置10の回転ディスク106の裏面側に配置された歯車602と、歯車602と噛み合う歯車604と、歯車604と同軸で設けられると共にトルクリミッタ611が装着された歯車110と、歯車110と噛み合う歯車606と、歯車606と同軸歯車608とを含んでいる。歯車602は回転ディスク106に固定されており、歯車608は歯車612の平歯車部分622と噛み合っている。
【0098】
コイン送出装置10の駆動手段108により回転ディスク106が回転すると、歯車602が回転ディスク106と一体で回転し、その回転駆動力は、歯車604、610、606および608を介して、歯車612に伝達される。回転駆動力を伝達された歯車612は回転し、その回転駆動力は歯車614を介して歯車522B〜522Lへと伝達される。これにより、歯車612、614および歯車522B〜522Lの全てが回転し、第1〜第12回転盤502A〜502Lの全てが回転する。
【0099】
駆動力伝達機構600は、コイン送出装置10の回転ディスク106とコイン搬送装置20の第1回転盤502Aとが所定の回転速度差を有するよう構成される。すなわち、回転ディスク106が45度回転する毎に第1回転盤502Aが180度回転するように回転ディスク106および第1回転盤502Aの回転速度が設定される。このように回転速度を設定することにより、回転ディスク106が有する8つの押動縁138のそれぞれがコイン受取手段112と協働してコインを送り出したときに、コイン押動体504A、506Aがその送り出されたコインのそれぞれを押動するのに最適な位置へと移動する。換言すれば、回転ディスク106が有する8つの押動縁138のそれぞれにより送り出されたコインの全ては、コイン押動体504A、506Aのいずれか一方によって確実に押動することが可能となる。
【0100】
なお、駆動手段108の過負荷防止機能が作動して回転ディスク106が逆回転された場合、第1〜第12回転盤502A〜502Lもまた逆回転される。第1〜第12回転盤502A〜502Lが逆回転された場合、コイン案内通路210内のコインはコイン押動体504A〜504L、506A〜506Lにより逆方向に押動される。そして、押動されたコインは出口204から入口202に向けて搬送され、一部のコインはコイン送出口190を介して回転ディスク106上に戻される。この場合にも、上記した回転ディスク106と第1回転盤502Aとの間の最適な位置関係が保たれるので、コイン案内通路210内のコインが円滑に回転ディスク106上に移動される。
【0101】
トルクリミッタ111の入力軸である中心軸611aには歯車604の回転軸604aが接続されて固定され、トルクリミッタ611の出力軸である外周面611bには歯車610の嵌合穴(図示せず)が嵌入されて固定される。これにより、歯車604に所定値以上の過大なトルクが作用したときに、そのトルクが遮断されて歯車604が空転する。換言すれば、コイン搬送装置20内においてコインの噛み込みが生じるなどして、第1〜第n回転盤502A〜502Lに所定値以上の過大な回転抵抗が加わった場合には、トルクリミッタ111の入力軸と出力軸との間で回転力を逃がし、第1〜第n回転盤502A〜502Lを強引に回転させないようにするものである。これにより、関連する部品に過大な負荷をかけないので、部品の破損が防止されると共に、耐久性が向上するという利点がある。さらに、過大な負荷がかからなくなるので必要とされる部品強度も小さくて済み、部品を小型化でき、ひいては装置全体も小型化できる利点もある。
【0102】
図19に示すように、歯車606の回転軸606aには、第1〜第n回転盤502A〜502Lの回転状態を監視する回転監視センサ650が設けられている。回転監視センサ650は、回転軸606aの下端に固定されたエンコーダ円板652と、透過型の光電センサ654とを有している。エンコーダ円板652には、その周縁に沿って等間隔で配置された複数の通孔(図示せず)が形成されている。光電センサ654は、エンコーダ円板652の通孔に向けて光を照射する投光器(図示せず)と、投光器からの光を受光して電気信号を生成する受光器(図示せず)とから構成される。回転監視センサ650は、第1〜第n回転盤502A〜502Lが回転すると、その回転角に同期したパルス信号を出力する。換言すれば、回転監視センサ650がコイン押動体504A〜504L、506A〜506Lの回転運動の状態を監視するセンサとして機能する。このパルス信号の状態をモニタすることにより、トルクリミッタ611の作動状態を検知することができる。すなわち、トルクリミッタ611が非作動状態の場合には所定周期のパルス信号が回転監視センサ650から出力され、トルクリミッタ611が作動状態である場合には所定周期以上の周期のパルス信号が回転監視センサ650出力されるので、このパルス信号の周期を計測することによりトルクリミッタ611の非作動/作動の状態を検知できる。トルクリミッタ611が作動した場合には、電気モータ152を停止して回転ディクス106の回転を停止する。これにより、コイン送出装置10からのコインの送り出しが中止され、コインの噛み込みが生じているコイン搬送装置20へコインを供給し続けることが防止されるので、関連する部品に不要な負荷がかかるのを防止でき、耐久性が向上する。
【0103】
トルクリミッタ111としては、例えば、特開2001−263364号公報に開示されたスチールボールと凹溝とを有するトルクリミッタなどの公知のものが使用可能であり、特に、回転軸線を挟んで対向する一対の凹溝を有するものが好ましい。その場合、トルクリミッタ111の非作動状態(すなわち、スチールボールが凹溝内に係止された状態)が180度の回転角で生起されるので、コイン送出装置10の回転ディスク106とコイン搬送装置20の第1回転盤502Aとの回転位相差が維持される。
【0104】
(コイン搬送ユニット)
第1コイン搬送ユニット21は、図4〜図6に示すように、第1ベース部分300Aと、第1ベース部分300A上に設けられた第1トッププレート部分400Aとを含んでいる。第1ベース部分300Aには、図10に示すように、第1〜第4回転軸線332A〜332Dおよび第1〜第4回転盤502A〜502Dが配置される。換言すれば、第1〜第4回転軸線332A〜332Dおよび第1〜第4回転盤502A〜502Dは、第1コイン搬送ユニット21に配置される。第1ベース部分300Aは、保留ボウル102と一体で形成されたカバ体180、第1部材306Aおよび第2部材308Aを有している。
【0105】
カバ体180は第1取付部104Bの上向き上面104Uと平行に形成された傾斜面181を有し、カバ体180の左上部には開口188が形成されている。開口188の周囲には周壁184を有する凹部182が形成され、凹部182の一部はさらに後退して部分環状面186が形成されている。凹部182の底面183は、取付ベース104の第1取付部104Bの上向き上面104Uと平行であり、換言すれば、回転ディスク106の保持面134と同様に水平面に対し約60度の傾斜角を有する。凹部182の深さ(換言すれば、周壁184の高さ)は、最厚のコインの厚さよりも大きく設定されている。開口188内には回転盤502Aが配置され、凹部182の右上部には上述の入口ガイド部材450が配置される。
【0106】
第1ベース部分300Aの第1部材306Aは、左右それぞれの分割部分306Aa、306Abからなり、これらの分割部分306Aa、306Abを合わせた状態で、図7に示す貫通孔315の一部315Aが形成される。第1ベース部分300Aの第2部材308Aは、平板状の第1プレート部308Aaと、第1プレート部308Aaの両側端から垂直に延びる一対の第2プレート部308Abとを有する。第1プレート部308Aaには、第3および第4の支軸334C、334Dが設けられている。第3回転盤502Cおよび歯車522Cの軸挿入孔510には第3支軸334Cが挿入され、第4回転盤502Dおよび歯車522Dの軸挿入孔510には、第4支軸334Dが挿入されている。第1プレート部308Aaの下部には開口308Acが形成されている。第2プレート部308Abを第2取付部104Cに固定することにより、第2部材308Aが第2取付部104Cに取り付けられている。第2取付部104Cには、開口308Acを通って第1プレート部308Aaから突出する第2支軸334が設けられている。第2回転盤502B、歯車522Bおよび歯車614の軸挿入孔510には、第2支軸334が挿入されている。第2取付部104Cの上端には、図5に示すように、L字形状に折れ曲がった部分104Caが形成されており、第2部材308Aが第2取付部104Cに取り付けられた状態では、第2部材308Aの第1プレート部308Aaと取付ベース104の第2取付部104Cとの間に、空間308Adが形成されるようになっている。この空間内308Adには、歯車614の一部が収納される。第1ベース部分300Aの第1部材306Aは、その下部が部分環状面186上に配置された状態で、第2部材308A上に固定される。
【0107】
取付ベース104の第1取付部104Bの左上部には、第1支軸334Aが設けられている。第1支軸334Aは、カバ体180(すなわち、保留ボウル102)を取付ベース104に取り付けた状態で、カバ体180の開口188に対して同軸となるように配置されている。第1回転盤502Aおよび歯車612の軸挿入孔(図示せず)には、第1支軸334Aが挿入されている。これにより、カバ体180の開口188内に第1回転盤502Aが配置される。さらに、取付ベース104の第1取付部104B上には、歯車604および歯車608が配置される。
【0108】
第1トッププレート部分400Aは、第1〜第4回転軸線332A〜332Dに対応する第1コイン案内通路部分210Aを形成するための第1コイン案内溝部分406Aを有している。上述の第2曲面部分228は、第1トッププレート部分400Aに形成されている。第1トッププレート部分400Aには、コイン押動体504A〜504D、506A〜506Dが第1〜第4回転軸線332A〜332Dの回りを回転運動する際に接触を防止する溝422が形成されている。
【0109】
図4に示すように、第1コイン搬送ユニット21は、その上端に第2コイン搬送ユニット22を接続するための接続部251を有している。接続部251において、第1トッププレート部分400Aおよび第1ベース部分300Aの第2部材308Aには切り欠き縁252a、252bが形成されている。切り欠き縁252a、252bは、溝422のうちのコイン押動体504D、506Dの接触防止用部分に沿って円弧状に形成される共に、その円弧状部分から上方向および右方向に延びている。切り欠き縁252aと252bとの間には、歯車522Dを露出する開口253と第1コイン案内通路部分210Aの出口211Aaとが形成されている。第1ベース部分300Aの第1部材306Aの右上端には、切り欠き縁252a、252bから上方に突出すると共にネジ挿入孔259が形成された接続用突部258が設けられている。第1コイン搬送ユニット21の左上端において、第1トッププレート部分400Aおよび第1ベース部分300Aの第2部材308Aの間には、後述する第2コイン搬送ユニット22の接続用突部268を挿入可能な溝部255が形成されている。第1トッププレート部分400Aの左上部にはネジ挿入孔256が形成され、第1ベース部分300Aの第2部材308Aの左上部にはネジ孔257が形成されている。
【0110】
第2コイン搬送ユニット22は、図12および図13に示すように、第2ベース部分300Bと、第2ベース部分300B上に設けられた第2トッププレート部分400Bとを含んでいる。第2ベース部分300Bには、図10に示すように、第5〜第10回転軸線332E〜332Jおよび第5〜第10回転盤502E〜502Jが配置される。換言すれば、第5〜第10回転軸線332E〜332Jおよび第5〜第10回転盤502E〜502Jは、第2コイン搬送ユニット22に配置される。第2ベース部分300Bは、第1部材306Bおよび第2部材308Bを有している。
【0111】
第2ベース部分300Bの第1部材306Bには、図7に示す貫通孔315の一部(図示せず)が形成される。第2部材308Bには、第5〜第10の支軸334E〜34Jが設けられている。第5回転盤502Eおよび歯車522Eの軸挿入孔510には、第5支軸334Eが挿入されている。同様に、第6〜第10回転盤502F〜502Jおよび歯車522F〜522Jの軸挿入孔510には、第6〜第10の支軸334F〜334Jが挿入されている。
【0112】
第2トッププレート部分400Bは、第5〜第10回転軸線332E〜332Jに対応する第2コイン案内通路部分210Bを形成するための第2コイン案内溝部分406Bを有している。第2トッププレート部分400Bには、コイン押動体504E〜504J、506E〜506Jが第5〜第10回転軸線332E〜332Jの回りを回転運動する際に接触を防止する溝422が形成されている。
【0113】
第2コイン搬送ユニット22は、その上端および下端に第1および第3コイン搬送ユニット21、23を接続するための接続部261A、261Bを有している。接続部261A、261Bは、対象軸線CPに対して回転対称であると共に同一の構成を有している。そのため、接続部261Aについてのみ説明することとし、接続部261Bについての説明は省略する。
【0114】
接続部261Aにおいて、第2トッププレート部分400Bおよび第2ベース部分300Bの第2部材308Bには切り欠き縁262a、262bが形成されている。切り欠き縁262a、262bは、溝422のうちのコイン押動体504J、506Jの接触防止用部分に沿って円弧状に形成される共に、その円弧状部分から上方向および右方向に延びている。切り欠き縁262aと262bとの間には、歯車522Jを露出する開口263と第2コイン案内通路部分210Bの出口211Baが形成されている。なお、接続部261Bにおいては、第2コイン案内通路部分210Bの入口211Bbが形成されている。第2ベース部分300Bの第1部材306Bの右上端には、切り欠き縁262a、262bから上方に突出すると共にネジ挿入孔269が形成された接続用突部268が設けられている。第2コイン搬送ユニット22の左上端において、第2ベース部分300Bの第1部材306Bには、その表面から第2トッププレート部分400B側に突出すると共に略L字形に延びる保持片264が形成されている。この保持片262と第2部材308Bとの間には、後述する第3コイン搬送ユニット23の接続用突部278を挿入可能な溝部265が形成されている。第2ベース部分300Bにおいて、第1部材306Bの保持片264にはネジ挿入孔266が形成され、第2部材308Bの左上部にはネジ孔267が形成されている。
【0115】
第3コイン搬送ユニット23は、図14および図16に示すように、第3ベース部分300Cと、第3ベース部分300B上に設けられた第3トッププレート部分400Cと、コイン放出手段230と、コイン払出検出センサ240とを含んでいる。第3ベース部分300Cには、図10に示すように、第11および第12回転軸線332K、332Lと第11および第12回転盤502K、502Lとが配置される。換言すれば、第11および第12回転軸線332K、332Lと第11および第12回転盤502K、502Lは、第3コイン搬送ユニット23に配置される。第3ベース部分300Cは、第1部材306Cおよび第2部材308Cを有している。
【0116】
第3ベース部分300Cの第1部材306Cには、図7に示す貫通孔315の一部(図示せず)が形成される。第2部材308Cには、第11および第12の支軸334K、334Jが設けられている。第11回転盤502Kおよび歯車522Kの軸挿入孔510には、第11支軸334Kが挿入されている。第12回転盤502Lおよび歯車522Lの軸挿入孔510には、第12支軸334Lが挿入されている。
【0117】
第3トッププレート部分400Cは、第11および第12回転軸線332K、332Lに対応する第3コイン案内通路部分210Cを形成するための第3コイン案内溝部分406Cを有している。第3トッププレート部分400Cには、コイン押動体504K、504L、506K、506Lが第11および第12回転軸線332K、332Lの回りを回転運動する際に接触を防止する溝422が形成されている。
【0118】
第3コイン案内通路部分210Cは、第12回転軸線332Lを中心にして左側に湾曲し、左側に配置された出口204に向かってほぼ真横に延在する。第3コイン案内通路部分210Cにおける第12回転軸線332Lより左側の領域は、出口204側へ進むにしたがって幅wgが広くなっている。換言すれば、第3コイン案内通路部分210Cは、出口204に向かって斜め下方に傾斜するコイン案内面220aを有する出口通路領域220を含んでいる。これにより、コインが出口204から斜め下方に向かって放出され易くなる。
【0119】
第3コイン搬送ユニット23は、その下端に第2コイン搬送ユニット22を接続するための接続部271を有している。接続部271Aにおいて、第3トッププレート部分400Cおよび第3ベース部分300Cの第2部材308Cには切り欠き縁272a、272bが形成されている。切り欠き縁272a、272bは、溝422のうちのコイン押動体504K、506Kの接触防止用部分に沿って円弧状に形成される共に、その円弧状部分から下方向および左方向に延びている。切り欠き縁272aと272bとの間には、歯車522Kを露出する開口273と第3コイン案内通路部分210Cの入口211Cbが形成されている。第3ベース部分300Cの第1部材306Cの左下端には、切り欠き縁272a、272bから下方に突出すると共にネジ挿入孔279が形成された接続用突部278が設けられている。第3コイン搬送ユニット23の右下端において、第3トッププレート部分400Cおよび第3ベース部分300Cの第2部材308Cの間には、第2コイン搬送ユニット22の接続用突部268を挿入可能な溝部275が形成されている。第3トッププレート部分400Cの右下部にはネジ挿入孔276が形成され、第3ベース部分300Bの第2部材308Bの右下部にはネジ孔277が形成されている。
【0120】
コイン放出手段230は、部品を装着するためのフレーム231と、コインの周面に弾性的に接触する弾きローラ232(図7参照)と、弾きローラ232を回動自在に支持すると共に支軸(図示せず)を中心に回動する回動レバ233と、弾きローラ232が第3コイン案内通路部分210Cの出口通路領域220に臨むように回動レバ233を出口通路領域220側に付勢する弦巻スプリング234と、弾きローラ232が出口通路領域220に臨んだ静止位置で回動レバ233を受け止めて保持するためのストッパ235とから構成されている。フレーム231にはその表面と直角をなすよう折り曲げられた下向きE字形の止め金具237が設けられ、回動レバ233の上部には係止ピン238が設けられている。弦巻スプリング234の一端は止め金具237の溝に掛け止めされ、他端は係止ピン238に掛け止めされている。弾きローラ232は、第3トッププレート部分400Cに形成された弧状の弾きローラ用長孔236を介して第3コイン案内通路部分210Cの出口通路領域220に露出している。コイン放出手段230は、第3トッププレート部分400Cを貫通するネジ(図示せず)によりフレーム231を第3ベース部分300Cに固定することにより、第3コイン搬送ユニット23に取り付けられる。
【0121】
コイン払出検出センサ240は、出口204の直前に第3コイン案内通路部分210Cの出口通路領域220を跨ぐように配置される。コイン払出検出センサ240は、チャネル型形状の樹脂製の外装ケース242を有し、2つの柱状部244の一方に投光器を内蔵すると共に他方に受光器を内蔵して対向配置された光電センサである。出口通路領域220においてコインが2つの柱状部244間を通過する際に光路を遮断し、それに基づいて出力される検出信号によりコインが1つずつ検出される。
【0122】
第1コイン搬送ユニット21と第2コイン搬送ユニット22とを接続する場合、接続部251の開口253から露出する歯車522Dと接続部261の開口263から露出する歯車522Eとを噛み合わせながら、接続部261の突部268を接続部251の溝部255内に挿入すると共に、接続部251の突部258を接続部261の溝部265に挿入する。歯車552Dと552Eとを噛み合わせる際には、第4回転盤502Dと第5回転盤502Eとの間に上記した所定の位相差が生じるように歯車552D、552Eの歯の位置を調整する。この状態で第2コイン搬送ユニット22を第1コイン搬送ユニット21に対して押し付けると、接続部251の切り欠き縁252a、252bが接続部261の切り欠き縁262a、262bに当接して挿入が停止される。換言すれば、切り欠き縁252a、252bおよび262a、262bが突き合わせ面として機能して位置決めがなされる。さらに、接続部251のネジ挿入孔256および接続部261のネジ挿入孔269に挿入したネジ(図示せず)を接続部251のネジ孔257に螺合する。同様に、接続部261のネジ挿入孔266および接続部251のネジ挿入孔259に挿入したネジ(図示せず)を接続部261のネジ孔267に螺合する。これにより、第2コイン搬送ユニット22が第1コイン搬送ユニット21に固定される。
【0123】
第2コイン搬送ユニット22と第3コイン搬送ユニット23とを接続する場合、接続部252の開口263から露出する歯車522Jと接続部271の開口273から露出する歯車522Kとを噛み合わせながら、接続部271の突部278を接続部261の溝部265内に挿入すると共に、接続部261の突部268を接続部271の溝部275に挿入する。歯車552Jと552Kとを噛み合わせる際には、第10回転盤502Jと第11回転盤502Kとの間に上記した所定の位相差が生じるように歯車552J、552Kの歯の位置を調整する。この状態で第3コイン搬送ユニット23を第2コイン搬送ユニット22に対して押し付けると、接続部261の切り欠き縁262a、262bが接続部271の切り欠き縁272a、272bに当接して挿入が停止される。換言すれば、切り欠き縁262a、262bおよび272a、272bが突き合わせ面として機能して位置決めがなされる。さらに、接続部261のネジ挿入孔266および接続部271のネジ挿入孔279に挿入したネジ(図示せず)を接続部261のネジ孔267に螺合する。同様に、接続部271のネジ挿入孔276および接続部261のネジ挿入孔269に挿入したネジ(図示せず)を接続部271のネジ孔277に螺合する。これにより、第2コイン搬送ユニット22が第1コイン搬送ユニット21に固定される。
【0124】
こうして、第1および第3コイン搬送ユニット21、23はコイン搬送ユニット22を介して接続され、図1〜図3、図7〜図10の状態が実現される。すなわち、第1〜第3ベース部分300A〜300Cによりベース部分300が構成され、第1〜第3トッププレート部分400A〜400Cによりトッププレート400が構成される。第1〜第3コイン案内通路部分210A〜210Cが連通されてコイン案内通路210が構成される。また、図7に示すように、ベース体300において、第1〜第3ベース部分300A〜300Cの第1部材306A〜306Cが第1部材306を構成し、第1〜第3ベース部分300A〜300Cの第2部材308A〜308Cが第2部材308を構成する。
【0125】
すなわち、ベース体300は第2部材308の上に第1部材306を積み重ねた構造体からなり、第1部材306には貫通孔315が形成されている。貫通孔315は、同一の内寸法を有する11個の円形孔が一部を重複させた状態でジグザグ状に接続された平面形状を有し、かつ、図11に示すように、ベース体300の表面側に配置された内寸法の小さい第1開口315aと裏面側に配置された内寸法の大きい第2開口315bとを有している。貫通孔315の裏面側は第2部材308により閉鎖され、ベース体300には凹部316が形成される。
【0126】
ベース体300の表面302側において、第1開口315a内には第2〜第12回転盤502B〜502Lが収納され、第2開口315b内には歯車522B〜522Lが収納される。換言すれば、凹部316内に第2〜第12回転盤502B〜502Lと歯車522B〜522Lとが収納される。凹部316の底面318には、第3〜第12の支軸334C〜334Lが設けられている。第3〜第12の支軸334C〜334Lは、図8および図11に示すように、ベース体300の裏面304側から第1部材206を介してネジ穴340に挿入された固定ネジ310により、ベース体300に固定されている。
【0127】
第1〜第12回転盤502A〜502Lのそれぞれの表面は、ベース体300の表面302とほぼ面一になるよう配置される。そのため、第1〜第12回転盤502A〜502Lのそれぞれの表面に設けられたコイン押動体504A〜504L、506A〜506Lは、ベース体300の表面302の上方に突出する。換言すれば、コイン押動体504A〜504L、506A〜506Lは、コイン案内通路210内にそれぞれ突出する。
【0128】
コイン案内通路210内に突出したコイン押動体504A〜504L、506A〜506Lは、第1〜第12回転盤502A〜502Lの回転に伴って回転運動し、コイン案内通路210内のコインを押動する。押動されたコインは、左右の案内面212、214により周面が案内され、かつ、表裏の案内面216、218により表裏面を案内されながらコイン案内通路210内を移動される。この場合、搬送可能なコインの外径(直径)または厚みの範囲が広くなる。すなわち、コイン案内通路210内に突出したコイン押動体504A〜504L、506A〜506Lは左右の案内面212、214の間に配置されるので、左右の案内面212、214とコイン押動体504A〜504L、506A〜506Lとの間の間隔よりも大きく(換言すれば、左右の案内面212、214とコイン押動体504A〜504L、506A〜506Lの回転運動の軌跡との間に生じる間隔よりも大きく)、かつ、左右の案内面212、214の間隔よりも小さい範囲の外径(直径)を有するコインであれば、左右の案内面212、214のいずれか一方とコイン押動体504A〜504L、506A〜506Lとにより支えられながら移動されて搬送が可能となる。したがって、搬送可能なコインの外径範囲が広くなる。他方、コイン押動体504A〜504L、506A〜506Lのそれぞれによりコインが一つずつ押動されて搬送されるので、コイン案内通路210内において隣接するコイン同士が重なり合うことがない。そのため、表裏の案内面212、214の間隔を広く設定しても、コイン詰まりが生じることがない。したがって、搬送可能なコインの厚み範囲が広くなる。
【0129】
(コイン払出装置の動作)
次に、図20〜図30を参照しながら、コイン払出装置1の動作について説明する。実際の動作では保留ボウル102に山積みされる程度に多数のコインが保留されるが、ここでは説明を簡略化するため、保留ボウル102に4つのコインC1〜C4が保留されているものとする。
【0130】
図20は、コイン送出装置10の回転ディスク106によりコインC1〜C4が搬送される状態を示すものであり、回転ディスク106が有する8つの保持面134のうちの4つの保持面134上にコインC1〜C4(C4は図示されず)がそれぞれ保持されている。コインC1〜C4のそれぞれは反時計方向に回転する回転ディスク106のコイン係止体128に押動されることにより移動され、コインC1がコイン受取手段112の受取縁146に接近する。
【0131】
さらに回転ディスク106が回転すると、図21に示すように、コインC1がコイン受取手段112の受取縁146に接触した状態でコイン係止体128に押動され、回転ディスク106の周方向に移動される。そして、コインC1が回転ディスク106の外部に押し出された状態で、コインC1はコイン係止体128の先端と周壁184で支えられた受け渡し位置に静止される。この受け渡し位置にあるコインC1の周面に時計方向に回転運動するコイン押動体504Aが接触すると、コイン押動体504AによりコインC1が押動される。
【0132】
第1回転盤502Aの回転に伴って、図22に示すように、コインC1はコイン押動体504Aに押動され、コインC1の周面が周壁184に押し付けられる。そして、コインC1は周壁184およびコイン案内通路210の左の案内面212に周面を案内されて上方に移動され、入口202を通ってコイン案内通路210内に導入される。また、回転ディスク106のコイン係止体128に押動された次のコインC2は、コイン受取手段112の受取縁146に接触する。
【0133】
第1回転盤502Aがさらに回転すると、コイン押動体504AによるコインC1の押動が続けられ、図23に示すように、コインC1はその周面がコイン案内通路210の右の案内面214に押し付けられながら上方に移動される。このとき、第2回転盤502Bの反時計方向の回転によりコイン押動体504BがコインC1に接近する。また、コインC1の場合と同様に、コイン係止体128およびコイン受取手段112の受取縁146により回転ディスク106の外部に押し出されたコインC2は、コイン押動体506Aにより押動されて、周壁184に周面を案内されて上方に移動される。回転ディスク106のコイン係止体128に押動された次のコインC3は、コイン受取手段112の受取縁146に接近する。
【0134】
さらに、図24に示すように、コイン押動体504BがコインC1に接触してコインC1を押動し、コインC1はコイン案内通路210の右の案内面214に案内されながら上方に移動される。コイン押動体506Aにより押動されたコインC2は、入口202を通ってコイン案内通路210内に導入される。コインC3はコイン受取手段112の受取縁146に接触した状態でコイン係止体128に押動され、回転ディスク106の周方向に移動される。
【0135】
図22から図24に至るコインC1の移動において、コインC1は裏の案内面218の第1案内面部分222から第2案内面部分224へと移動され、コインC1の進行角度が水平面に対して約60度から約90度に変化する。このとき、第1および第2案内面部分222、224の間に形成された第1曲面部分226とそれと対向して配置された第2曲面部分228とによりコインC1が案内されることにより進行角度が徐々に変化するので、コインC1はコイン案内通路210内を円滑に移動される。
【0136】
次に、図25に示すように、コイン押動体504Bに押動されたコインC1は、コイン案内通路210の左の案内面212に案内されながら上方に移動される。第3回転盤502Cの時計方向の回転に伴って回転運動するコイン押動体504Cは、コインC1に接近する。コイン押動体506Aに押動されたコインC2は、コインC1の場合と同様に、第1および第2曲面部分226、228により案内されることにより徐々に進行角度を変化させながら上方へ移動される。回転ディスク106の外部に押し出されたコインC3は、コイン押動体504Aに押動される。回転ディスク106のコイン係止体128に押動された次のコインC4は、コイン受取手段112の受取縁146に接近する。
【0137】
次に、図26に示すように、コインC1はコイン押動体504Cの押動によって上方へ移動され、コインC2はコイン押動体506Bの押動によって上方へ移動され、コインC3はコイン押動体504Aの押動によって上方に移動される。コインC3はコイン受取手段112の受取縁146に接触した状態でコイン係止体128に押動され、回転ディスク106の周方向に移動される。
【0138】
さらに、図27に示すように、コインC1はコイン押動体504Eの押動によって上方へ移動され、コインC2はコイン押動体506Cの押動によって上方へ移動される。コインC3はコイン押動体504Bの押動によって上方に移動され、コインC4はコイン押動体506Aの押動によって上方に移動される。
【0139】
上記のコイン押動機構500の動作が繰り返されることにより、図28に示す状態が生起される。この状態から第12回転盤502Lが反時計方向にさらに回転すると、図29に示すように、コイン押動体504Lに押動されたコインC1はコイン案内通路210の右の案内面214に案内されてコイン放出手段230の位置に達する。コインC1がコイン押動体504Lによりさらに押動されると、弾きローラ232に接触したコインC1が弦巻スプリング234の付勢力に抗してコイン放出手段230の回動レバ233を押し上げながら、出口204に向けて移動する。そして、コインC1の最大径部分が弾きローラ232を通過した時点で、弦巻スプリング234の弾性により回動レバ233が下方に復帰し、その際の回動力によりコインC1が出口204に向かって弾き飛ばされる。コインC1は、図30に示すように、弾き飛ばされた直後にコイン払出検出センサ240で検出された後、出口204から放出される。その後、コインC2〜C4についても同様の動作が繰り返されることにより、コインC2〜C4が出口204から放出される。
【実施例2】
【0140】
図31〜図33は、本発明の実施例2のコイン払出装置におけるコイン搬送装置を構成する第3コイン搬送ユニット23Aを示す。実施例1のコイン払出装置1では、コイン搬送装置20の左側に向けてコインが払い出されるようにするため、コイン案内通路210の左側に出口204が設けられている。これに対し、図31〜図33に示す第3コイン搬送ユニット23Aは、コイン搬送装置20の右側に向けてコインが払い出されるようにするために、コイン案内通路210の右側に出口204が設けられている点において、図14〜図16の第3コイン搬送ユニット23と相違する。それ以外は第3コイン搬送ユニット23と同じである。よって、図31〜図33において、第3コイン搬送ユニット23と同一または対応する構成要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0141】
第3コイン搬送ユニット23Aにおいて、図31〜図33に示すように、第3コイン案内通路部分210CAは、第12回転軸線332Lより上方に出口通路領域220Aが形成される。この出口通路領域220Aは、右側に湾曲し、右側に配置された出口204に向かってほぼ真横に延在する。出口通路領域220Aにおいても、図14に示す出口通路領域220と同様に、出口204に向かって斜め下方に傾斜するコイン案内面220aが形成されている。
【0142】
コイン放出手段230Aは、出口204の右側配置に適合するように形状や配置が変更されている。すなわち、弾きローラ232A、回動レバ233A、弦巻スプリング234A、ストッパ235A、止め金具237Aおよび係止ピン238Aは、図14の弾きローラ232、回動レバ233、弦巻スプリング234、ストッパ235、止め金具237および係止ピン238を、図31の対称軸線に対してほぼ左右逆向きとなるように配置したものに相当する。第3トッププレート部分400Cに形成された弧状の弾きローラ用長孔236Aについても同様である。
【0143】
第3コイン搬送ユニット23Aは、実施例1の第3コイン搬送ユニット23と同じ接続部271を有している。そのため、図12および図13の第2コイン搬送ユニット22に接続することができる。換言すれば、実施例1の第3コイン搬送ユニット23に換えて第3コイン搬送ユニット23Aを使用することができる。したがって、第3コイン搬送ユニット23と第3コイン搬送ユニット23Aとを適宜に選択して使用すれば、出口204を左右どちらにも配置することが可能となる。
【0144】
(変形例)
なお、本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、第1および第2コイン搬送ユニット21、23を2以上の第3コイン搬送ユニット22を介して接続してもよい。この場合、コインの搬送距離を調整することができる。また、第1コイン搬送ユニット21には回転軸線332A〜332Dおよび回転盤502A〜502Dがそれぞれ配置され、第2コイン搬送ユニット22には回転軸線332E〜332Jおよび回転盤502E〜502Jがそれぞれ配置され、第3コイン搬送ユニット23には回転軸線332K、332Lおよび回転盤502K、502Lがそれぞれ配置されているが、第1〜第3コイン搬送ユニット21〜23に配置される回転軸線および回転盤の数は適宜に変更が可能である。これにより、コイン搬送ユニットの長さを変更できるので、長さの異なるコイン搬送ユニットの組み合わせにより、段階的に任意の長さのコイン搬送装置20が得られる。
【0145】
さらに、回転盤502A〜502Lには、一対のコイン押動体504A〜504L、506A〜506Lを設けているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、回転盤502A〜502Lのそれぞれに1個のコイン押動体を設けることもできる。しかし、回転盤502A〜502Lのそれぞれに2以上のコイン押動体を設けることが、搬送効率を高める上で好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0146】
本発明は、硬貨やメダル等のコインを処理するコイン処理装置に好適に利用でき、例えば、両替機、自動販売機、券売機、ゲーム機などへの適用が好適である。
【符号の説明】
【0147】
1 コイン払出装置
10 コイン送出装置
20 コイン搬送装置
21 第1コイン搬送ユニット
22 第2コイン搬送ユニット
23、23A 第3コイン搬送ユニット
102 保留ボウル
102A ヘッド部
102B コイン投入口
102C 外装部
104 取付ベース
104A 載置台部
104B 第1取付部
104C 第2取付部
104L、104R 支持側壁
104U 上向き上面
106 回転ディスク
108 駆動手段
110 歯車
111 トルクリミッタ
112 受取手段
118 コイン落下手段
122 底壁
124 縦溝
126 縦壁
128 コイン係止体
132 中央突起
133 突起
134 保持面
136 支持棚
138 押動縁
142 乗上スロープ
144 下流側縁
145 コイン受取体
146 受取縁
147 頂部
149 段付斜面
152 電気モータ
154 減速機
174 遊動支持手段
180 カバ体
181 傾斜面
182 凹部
183 底面
184 周壁
186 部分環状面
188 開口
190 コイン送出口
200 コイン案内部
202 入口
204 出口
206 第1部材
210 コイン案内通路
210A 第1コイン案内通路部分
210B 第2コイン案内通路部分
210C 第3コイン案内通路部分
210CA 第3コイン案内通路部分
211Aa、211Ba 出口
211Bb、211Cb 入口
212 左の案内面
214 右の案内面
216 表の案内面
218 裏の案内面
220、220A 出口通路領域
220a コイン案内面
222 第1案内面部分
224 第2案内面部分
226 第1曲面部分
228 第2曲面部分
230、230A コイン放出手段
231、231A フレーム
232、232A 弾きローラ
233、233A 回動レバ
234、234A 弦巻スプリング
235、235A ストッパ
236、236A 弾きローラ用長孔
237、237A 止め金具
238、238A 係止ピン
240 コイン払出検出センサ
242 外装ケース
244 柱状部
251 接続部
252a、252b 切り欠き縁
253 開口
255 溝部
256、259 ネジ挿入孔
257 ネジ孔
258 突部
261A、261B 接続部
262a、262b 切り欠き縁
263 開口
264 保持片
265,269 溝部
266 ネジ挿入孔
267 ネジ孔
268 突部
271 接続部
272a、272b 切り欠き縁
273 開口
275 溝部
276、279 ネジ挿入孔
277 ネジ孔
278 突部
300 ベース体
300A 第1ベース部分
300B 第2ベース部分
300C 第3ベース部分
302 表面
304 裏面
306 第1部材
306A 第1部材
306Aa、306Ab 分割部分
306B 第1部材
306C 第1部材
308 第2部材
308A 第2部材
308Aa 第1プレート部
308Ab 第2プレート部
308Ac 開口
308Ad 空間
308B 第2部材
308C 第2部材
310 固定ネジ
312 第1の軸配列線
314 第2の軸配列線
315 貫通孔
315a 第1開口
315b 第2開口
316 凹部
332A〜332L 第1〜第12回転軸線
334A〜334L 第1〜第12の支軸
340 ネジ穴
342、344 位置合わせ用穴
400 トッププレート
400A 第1トッププレート部分
400B 第2トッププレート部分
400C 第3トッププレート部分
402 表面
404 裏面
406 コイン案内溝
406A 第1コイン案内溝部分
406B 第2コイン案内溝部分
406C 第3コイン案内溝部分
410 底面
412 第1の側面
414 第2の側面
416 曲線
418 曲線
422 溝
432、434 位置合わせ用突起
450 入口ガイド部材
452 取付部
454 円板体
456 突部
458 下向き側面
500 コイン押動機構
502A〜502K 第1〜第12回転盤
502Aa 凹部
504A〜504L、506A〜506L コイン押動体(コイン押動手段)
510 軸挿入孔
522A〜522L 歯車(第3歯車)
600 駆動力伝達機構
602、604、606、608、610 歯車
611 トルクリミッタ
611a 中心軸
611b 外周面
612 歯車(第1歯車)
614 歯車(第2歯車)
622、624 平歯車部分
626、628 かさ歯車部分
650 回転監視センサ
652 エンコーダ円板
654 光電センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つずつ送り出されたコインを入口(202)で受けて出口(204)へ搬送するコイン搬送装置であって、
前記コインの周面を案内する左右の案内面(212、214)と、前記コインの表裏面をそれぞれ案内する表裏の案内面(216、218)とを有し、前記入口(202)から前記出口(204)に向けて延在するコイン案内通路(210)と、
前記コイン案内通路(210)内に突出し、かつ、前記表裏の案内面(216、218)に略垂直な第1回転軸線(332A)の回りを第1回転方向に回転運動することにより、送り出された前記コインを押動する第1コイン押動手段(504A、506A)と、
前記コイン案内通路(210)内に突出し、かつ、前記表裏の案内面(216、218)に略垂直な第2回転軸線(332B)の回りを前記第1回転方向と相反する第2回転方向に回転運動することにより、前記第1コイン押動手段(504A、506A)の押動により移動された前記コインを押動する第2コイン押動手段(504B、506B)と、を備え、
前記第1および第2回転軸線(332A、332B)が、前記左右の案内面(212、214)のいずれか一方の側から見て、所定の角度(α)で交わるよう配置されるコイン搬送装置。
【請求項2】
1つずつ送り出されたコインを入口(202)で受けて出口(204)へ搬送するコイン搬送装置であって、
前記コインの周面を案内する左右の案内面(212、214)と、前記コインの表裏面をそれぞれ案内する表裏の案内面(216、218)とを有し、前記入口(202)から前記出口(204)に向けて延在するコイン案内通路(210)と、
前記コイン案内通路(210)内に突出し、かつ、前記表裏の案内面(216、218)に略垂直な第1〜第n(ただし、nは正整数)回転軸線(332A〜332L)のうちの対応するものの回りを回転運動することにより、前記コインを押動する第1〜第nコイン押動手段(504A〜504L、506A〜506L)と、を備え、
前記第1〜第n回転軸線(332A〜332L)が前記入口(502)から前記出口(504)に向かって所定の順に配置され、
前記第1〜第nコイン押動手段(504A〜504L、506A〜506L)において、隣接して対となる前記回転軸線のそれぞれに対応する前記コイン押動手段の一方が第1回転方向に回転運動すると共に他方が前記第1回転方向と相反する第2回転方向に回転運動し、
前記第1〜第n回転軸線(332A〜332L)のうちの少なくとも隣接する一対の前記回転軸線が、前記左右の案内面(212、214)のいずれか一方の側から見て、所定の角度(α)で交わるよう配置されるコイン搬送装置。
【請求項3】
1つずつ送り出されたコインを入口(202)で受けて出口(204)へ搬送するコイン搬送装置であって、
前記コインの周面を案内する左右の案内面(212、214)と、前記コインの表裏面をそれぞれ案内する表裏の案内面(216、218)とを有し、前記入口(202)から前記出口(204)に向けて延在するコイン案内通路(210)と、
前記コイン案内通路(210)内に突出し、かつ、前記表裏の案内面(216、218)に略垂直な第1〜第n(ただし、nは正整数)回転軸線(332A〜332L)のうちの対応するものの回りを回転運動することにより、前記コインを押動する第1〜第nコイン押動手段(504A〜504L、506A〜506L)と、を備え、
前記第1〜第n回転軸線が(332A〜332L)前記入口(202)から前記出口(204)に向かって所定の順に配置され、
前記第1〜第nコイン押動手段(504A〜504L、506A〜506L)において、隣接して対となる前記回転軸線のそれぞれに対応する前記コイン押動手段の一方が第1回転方向に回転運動すると共に他方が前記第1回転方向と相反する第2回転方向に回転運動し、
前記第1および第2回転軸線(332A、332B)が、前記左右の案内面(212、214)のいずれか一方の側から見て、所定の角度(α)で交わるよう配置されるコイン搬送装置。
【請求項4】
前記第2〜第n回転軸線(332B〜332L)が、前記コイン案内通路(210)において、前記コイン案内通路(210)に沿って互いに平行に位置する第1および第2の軸配列線(312、314)上に交互に所定の間隔(d2)で配置されると共に、前記コイン案内通路(210)の延在方向に沿ってジグザグ状に配置される請求項3に記載のコイン搬送装置。
【請求項5】
前記裏の案内面(218)が、前記第1回転軸線(332A)と直交する第1案内面部分(222)と、前記第2回転軸線(332B)と直交する第2案内面部分(224)とを有し、前記第1および第2案内面部分(222、224)が第1曲面部分(226)を介して接続される請求項3に記載のコイン搬送装置。
【請求項6】
前記表の案内面(216)が、前記第1曲面部分(226)と対向する第2曲面部分(228)を有している請求項5に記載のコイン搬送装置。
【請求項7】
前記第1および第2コイン押動手段(504A、506A、504B、506B)の回転運動の軌跡が所定の間隔を置いて形成されるよう前記第1および第2コイン押動手段(504A、506A、504B、506B)が配置される請求項5に記載のコイン搬送装置。
【請求項8】
前記第1〜第nコイン押動手段(504A〜504L、506A〜506L)が前記第1〜第n回転軸線(332A〜332L)のそれぞれに対して配置された少なくとも2以上のコイン押動体により構成される請求項3に記載のコイン搬送装置。
【請求項9】
前記左右の案内面(212、214)が前記第1〜第n回転軸線(332A〜332L)のそれぞれを中心とする円弧を接続した曲線(416、418)に沿って形成される請求項3に記載のコイン搬送装置。
【請求項10】
前記第1〜第n回転軸線(332A〜332L)のそれぞれに対応する第1〜第n回転盤(502A〜502L)が前記コイン案内通路(210)の前記裏の案内面(218)側に配置され、前記第1〜第nコイン押動手段(504A〜504L、506A〜506L)が対応する前記第1〜第n回転盤(502A〜502L)の周辺部に設けられている請求項3に記載のコイン搬送装置。
【請求項11】
前記第1および第2回転盤(502A、502B)のそれぞれと一体で回転する第1および第2歯車(612、614)が前記第1および第2回転盤(502A、502B)の裏面側にそれぞれ配置され、前記第1および第2歯車(612、614)が噛み合っている請求項10に記載のコイン搬送装置。
【請求項12】
前記第1および第2歯車(612、614)のそれぞれが前記所定の角度(α)に対応する円錐角を有するかさ歯車部分(626、628)を含んでいる請求項11に記載のコイン搬送装置。
【請求項13】
前記第1歯車(612)が平歯車部分(622)を含んでおり、前記平歯車部分(622)を介して駆動手段(108)から前記第1歯車(612)に駆動力が伝達される請求項11に記載のコイン搬送装置。
【請求項14】
前記第1歯車(612)には駆動手段(108)から駆動力が伝達され、前記駆動手段(108)と前記第1歯車(612)との間の駆動力伝達経路にトルクリミッタ(611)が配置される請求項11に記載のコイン搬送装置。
【請求項15】
前記第2〜第n回転盤(502B〜502L)のそれぞれと一体で回転する第3歯車(522B〜522L)が前記第2〜第n回転盤(502B〜502L)の裏面側にそれぞれ配置され、前記第3歯車(522B〜522L)の隣接するもの同士が噛み合っている請求項10に記載のコイン搬送装置。
【請求項16】
前記第1〜第nコイン押動手段(504A〜504L、506A〜506L)の回転運動の有無を検知する回転監視センサ(650)が設けられ、前記回転監視センサ(650)が前記第1〜第nコイン押動手段(504A〜504L、506A〜506L)の回転運動の停止を検知した場合、当該回転運動の停止を示す信号を出力する請求項3に記載のコイン搬送装置。
【請求項17】
前記コイン案内通路(210)をその延在方向に分割してなるコイン案内通路部分(210A〜210C)と、前記コイン案内通路部分(210A〜210C)の入口または出口に対応して設けられた突き合せ可能な端面(252a、252b、262a、262b、272a、272b)と、をそれぞれ有すると共に、前記第1〜第n回転軸線(322A〜332L)が分割して配置された複数のコイン搬送ユニット(21〜23)を含み、前記端面(252a、252b、262a、262b、272a、272b)を突き合わせて前記複数のコイン搬送ユニット(21〜23)が接続されることにより構成される請求項3に記載のコイン搬送装置。
【請求項18】
前記第n回転軸線(332L)が配置されると共に前記コイン案内通路(210)の左側に前記出口(204)が設けられた第1の出口用コイン搬送ユニット(23)と、前記第n回転軸線(332L)が配置されると共に前記コイン案内通路(210)の右側に前記出口(204)が設けられた第2の出口用コイン搬送ユニット(23A)と、が準備されている請求項17に記載のコイン搬送装置。
【請求項19】
前記コイン案内通路(210)内の前記コインを前記出口(204)へ向けて弾き出すコイン放出手段(230)と、前記コイン放出手段(230)により弾き出される前記コインを検出するコイン払出検出センサ(240)と、を有している請求項3に記載のコイン搬送装置。
【請求項20】
バラ積み状態のコインを1枚ずつ分離して送り出すコイン送出装置(10)と、前記コイン送出装置(10)から送り出された前記コインを入口(202)で受けて出口(204)へ搬送するコイン搬送装置(20)と、を有し、前記コインを所定の場所に払い出すコイン払出装置であって、
前記コイン送出装置(10)が、バラ積み状態でコインを保留する保留ボウル(102)と、所定角度で上向きに傾斜し、かつ、その上面中央に円形支持棚(136)が形成されると共に、等間隔であって、かつ、前記支持棚(136)側から周方向へ放射状に伸びる複数のコイン係止体(128)を有し、前記保留ボウル(102)に保留された前記コインを前記複数のコイン係止体(128)間の保持面(134)に面接触させて1枚ずつ受け入れ、かつ、前記支持棚(136)および前記保持面(134)に支持させつつ前記複数のコイン係止体(128)によって押動する回転ディスク(106)と、前記支持棚(136)近傍から前記回転ディスク(106)の周方向に伸び、前記回転ディスク(106)により押動された前記コインを受け入れて前記回転ディスク(106)の周方向に一枚ずつ送り出すコイン受取手段(112)と、前記回転ディスク(106)を回転駆動する駆動手段(108)と、を含み、
前記コイン搬送装置(20)が、請求項3〜19のいずれか1項に記載のコイン搬送装置からなるコイン払出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公開番号】特開2012−221281(P2012−221281A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−87128(P2011−87128)
【出願日】平成23年4月11日(2011.4.11)
【出願人】(000116987)旭精工株式会社 (210)
【Fターム(参考)】