説明

コカイン依存症治療用薬剤

【課題】 フルマゼニルを使用してコカイン依存症の症状を抑えるまたは完全になくすコカイン依存症治療用薬剤を提供することにある。
【解決手段】
本発明は、コカイン依存症治療用薬剤としてフルマゼニルを使用することに関するものである。このフルマゼニルを、コカイン依存症を治療するための治療有効量が投与されるまで短い間隔で少量ずつ逐次投与することが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フルマゼニルを含有する製薬組成物をコカイン依存症の治療に使用することに関するものである。
【背景技術】
【0002】
コカインとは、覚醒を促し(疲労感を抑え)、集中力を高め、食欲を減退させ、肉体の抵抗力を高め、場合によっては幸福感または陶酔感を生み出すこともある強い刺激作用のある薬物のひとつである。
【0003】
コカインは、経口摂取や粉末状での鼻腔吸引、あるいは注射(通常は静脈に直接入れる)により体内に取り込まれる。コカインに重炭酸ナトリウムを加えて加熱するとクラックと呼ばれる塩基に変化するが、これが吸煙されることもある。
【0004】
コカインは血圧や心拍を上昇させ、場合によっては致命的な心臓発作を引き起こすこともある。他の作用としては、胃腸病、腸管損傷、極度の神経症、何かが皮膚内を動き回っているような感覚、てんかん発作、幻覚、睡眠障害、パラノイア的譫妄、暴力行為があげられる。
【0005】
コカインによる作用の持続時間は30分程度と短いことから、コカイン使用者はこの薬物を繰り返し使うようになるのが普通である。コカインによって引き起こされる極端な神経症をいくらか抑えるために、多くの常用者がヘロインやアルコールなどの神経抑制剤を使用している。
【0006】
コカインの使用をやめているコカイン常用者に見られる症候群のひとつがコカイン離脱症候群である。この症候群に特有の反応には、薬物の作用とは逆の反応である極端な疲労や鬱状態があり、薬物の使用を中止する際に自殺の傾向が認められることも多い。
【0007】
通常、コカイン依存症を治療するにはまず心理社会的な治療が行われる。しかしながら、前記心理社会的な治療では効果のない重篤なコカイン依存症のある患者または個人では薬を使って治療を行う場合もある。現時点ではコカイン離脱症候群に対して本当の意味で効果のある治療法は確立されていない。
【0008】
コカイン依存症の症状を抑え、コカイン離脱症候群と闘うためのさまざまな薬学的治療法が、非特許文献1に概説されている。
【0009】
この刊行物には、コカイン依存症に効果のある薬学的治療法を見つける目的で約20種類ほどの医薬品を研究したが、依然として本当の意味で効果のある治療法は得られていないと述べられている。デシプラミンおよびアマンタジンを用いると最も有望な結果が得られているようにみえるが、コカイン常用者の個体群と薬物投与経路の違いによるものではないかと思われる理由から、得られる正の期待値を確認できなかった研究もいくつかある。試験対象となった他の製薬は、カルバマゼピン、ペルゴリド、カルビドパ/L−ドパ、フルオキセチン、フルペンキシトール(flupenxitol)[フルペンチキソール(flupenthixol)]、ブプロピオン、マプロリチン、フェネルジン、ブプレノルフィン、メタドンであった。
【0010】
同様に、上記にて参照した刊行物にはアマンタジンなどのドーパミン作用薬を用いて治療するとコカイン離脱症候群の症状が軽減されると述べられているが、後に行われた2つの研究ではこれらの結果を確認することができなかった。ブロモクリプチンを使った初めての研究でコカイン離脱症候群の治療時に若干の成果が得られたが、これも後で確認できていない。実際、非特許文献2では、外来患者においてブロモクリプチンと偽薬との間で有意な減少は認められなかった。
【0011】
どの概説をみてもコカイン依存症を治療するにあたってフルマゼニルの使用を検討することは言及されていない。
【0012】
ベンゾジアゼピン受容体による中枢神経系への作用を選択的に遮断するベンゾジアゼピン拮抗薬のひとつに、フルマゼニル[エチル8−フルオロ−5,6−ジヒドロ−5−メチル−6−オキソ−4H−イミダゾール[1,5−a][1,4]ベンゾジアゼピン−3−カルボキシレート]がある。この有効成分はベンゾジアゼピンのもつ中枢鎮静作用を中和することが明らかになっている。したがって、入院患者にベンゾジアゼピンで導入して維持した全身麻酔を覚ましたり、入院または外来診療で短時間の診断または治療を受ける患者にベンゾジアゼピンで引き起こした鎮静作用を止めたりする目的で、麻酔時にごく普通に用いられている。
【0013】
【非特許文献1】米国精神医学会の物質摂取障害に関するワークグループ(Work Group On Substance Use Disorders of the American Psychiatric Association):「物質摂取障害のある患者の治療用の実務ガイドライン:アルコール、コカインおよびオピオイド(Practice Guideline for the Treatment of Patients With Substance Use Disorders: Alcohol, Cocaine and Opioids)」、Am.J.Psychiatry 152:11、1995年11月、増補版、第36〜39ページ。
【0014】
【非特許文献2】モスコビッツほか(Moscoviz et. al):J.Gen.Intern.Med.1993、8:1〜4。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
よって、本発明の一目的は、フルマゼニルを使用してコカイン依存症の症状を抑えるまたは完全になくすことにある。
【0016】
本発明の別の目的は、フルマゼニルを使用してコカイン依存症治療用の薬剤を生成することにある。
【0017】
本発明のさらに別の目的は、コカイン依存症を治療するための薬剤であって、治療有効量のフルマゼニルを前記治療が必要な患者に投与することを含むように製剤されたコカイン依存症治療用薬剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、コカイン依存症の治療方法を開発する問題に対処するものである。
【0019】
本発明によって得られる解決策は、コカイン依存症の治療時にフルマゼニルを使用することに立脚している。
【0020】
本発明によれば、コカイン依存症を治療するための薬剤組成物であって、フルマゼニルと薬剤上認められる担体とを含むことを特徴とするコカイン依存症治療用薬剤組成物が得られる。
【0021】
また、本発明によれば、前記コカイン依存症を治療するために調合される薬剤であって、前記薬剤は、0.1〜0.3mgのフルマゼニルを一回の投与量とし、1から15分の時間間隔で夫々逐次投与されるように調剤されていることを特徴とするコカイン依存症治療用薬剤が得られる。
【0022】
また、本発明によれば、前記コカイン依存症治療用薬剤において、前記薬剤は、フルマゼニルの全投与量が一日に1.5から2.5mgとなるように調剤されていることを特徴とするコカイン依存症治療用薬剤が得られる。
【0023】
また、本発明によれば、前記コカイン依存症治療用薬剤において、前記薬剤は、フルマゼニルの一回の投与量が0.2mgとなるように調剤されていることを特徴とするコカイン依存症治療用薬剤が得られる。
【0024】
また、本発明によれば、前記コカイン依存症治療用薬剤において、前記薬剤は、3分間隔で逐次投与できるように調剤されていることを特徴とするコカイン依存症治療用薬剤が得られる。
【0025】
また、本発明によれば、前記コカイン依存症治療用薬剤において、前記薬剤は、フルマゼニルの一日の全投与量が2mgとなるように調剤されていることを特徴とするコカイン依存症治療用薬剤が得られる。
【0026】
また、本発明によれば、前記コカイン依存症治療用薬剤において、前記薬剤は、経口的もしくは非経口的に投与可能なように調剤されていることを特徴とするコカイン依存症治療用薬剤が得られる。
【0027】
また、本発明によれば、前記コカイン依存症治療用薬剤において、前記薬剤は、静脈注射によって投与可能なように調剤されていることを特徴とするコカイン依存症治療用薬剤が得られる。
【0028】
また、本発明によれば、コカイン依存症を治療するために調合される薬剤であって、前記薬剤は、一日のフルマゼニルの全投与量が約2mgまでとなるように、一回のフルマゼニルの投与量を0.2mgとし、3分間隔で逐次投与されるように調剤されていることを特徴とするコカイン依存症治療用薬剤が得られる。
【0029】
また、本発明によれば、コカイン依存症の治療のための薬剤組成物において、一回の投与量が約0.2mgのフルマゼニルと、薬剤上認められた担体とを含むことを特徴とするコカイン依存症治療用薬剤組成物が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本発明は、コカイン依存症治療用薬剤としてフルマゼニルを使用することに関するものである。本願明細書にて使用する意味において、「コカイン依存症」という用語は、コカインの乱用、コカイン離脱症候群、逆戻りを含む。
【0031】
一実施の形態では、コカイン依存症を治療できるだけの治療有効量が投与されるまで、フルマゼニルを短い時間間隔で少量ずつ逐次投与する。
【0032】
具体的には、本発明は、コカイン依存症を治療する治療有効量(通常は1.5から2.5mg/日)のフルマゼニルが投与されるまで、1から15分間の時間間隔で0.1から0.3mg量のフルマゼニルを逐次投与するための薬剤の製造目的でフルマゼニルを使用することに関するものである。
【0033】
治療的に有効な1日用量のフルマゼニルを単回投与することもできるが、驚くべきことに、コカイン依存症を治療するフルマゼニルの治療有効量に達するまで少量ずつ逐次的に適用して比較的短い時間の間隔をあけてコカイン依存症の患者にフルマゼニルを安全に投与できることが明らかになった。この驚くべき発見は、フルマゼニルを少ない用量で連続投与して極めて短い期間でコカイン依存症を治療できるため、患者に副次的作用が発生する危険性を減らすと同時にコカイン依存症の症状の治療にフルマゼニルを一層有効活用できることを意味する。
【0034】
実施例1は、2mg/日のフルマゼニルを投与量0.2mgずつに分けて3分ごとに患者に投与すると、治療対象となった患者のうち高い比率でコカイン依存症の症状がなくなることを示すものである。
【0035】
したがって、具体的な実施の形態において、本発明は、コカイン依存症を治療するために、コカイン依存症を治療する2mg/日の治療有効量のフルマゼニルが投与されるまで、フルマゼニル0.2mgを3分間隔で逐次的に投与するための薬剤の製造目的でフルマゼニルを使用することに関するものである。
【0036】
フルマゼニルについては、たとえば経口投与または非経口投与などの適当な投与経路で投与することができる。この場合、フルマゼニルは使用する投与形態に合った適切な賦形剤を用いて処方されることになる。一実施の形態では、フルマゼニルをIV投与する。
【0037】
また、本発明は、コカイン依存症の治療方法であって、治療有効量のフルマゼニル(通常はフルマゼニル1.5から2.5mg/日)を前記治療が必要な患者に投与することを含む、コカイン依存症の治療方法にも関するものである。
【0038】
一実施形態では、本発明によって得られるコカイン依存症の治療方法は、0.1から0.3mg量のフルマゼニルに分割して逐次投与向けとした治療有効量のフルマゼニル(通常はフルマゼニル1.5から2.5mg/日)を、コカイン依存症を治療するフルマゼニルの前記治療有効量に達するまで1から15分間の時間間隔で前記治療が必要な患者に投与することを含む。
【0039】
具体的な実施形態では、本発明は、コカイン依存症を治療するための方法であって、0.2mg量のフルマゼニルに分割して逐次投与向けとした2mg/日のフルマゼニルをフルマゼニルの前記2mg/日の量に達するまで3分間ごとに前記治療が必要な患者に投与することを含む、コカイン依存症を治療するための方法を提供するものである。
【0040】
本発明によって得られるコカイン依存症の治療方法は、治療開始時に、急性または非代償性の疾患がない患者あるいはフルマゼニルの使用が禁忌となる薬物を服用していない患者であれば誰にでも適用可能である。総じて、本発明によって得られるコカイン依存症の治療方法は徹底した健康診断と精神鑑定から始まるものである。通常、フルマゼニル投与の前後に、コカイン離脱症状、心拍数、血圧を評価する。患者に不安感の発症が認められる場合、フルマゼニルの投与前に適切な治療薬(クロメチアゾールなど)を投与することが可能である。同様に、患者が著しい不快反応を呈する場合は、フルマゼニルの1回目の投与を、集中治療条件下でプロポフォールなどを併用して鎮静状態で行なう。患者の反応を観察した上で適切な量をボーラス投与するなどの方法で、経口的にまたは静脈注射によってフルマゼニルを投与してもよい。入院治療終了後も、治療プログラムの一環として患者は薬物による治療を続けなければならず、任意に担当セラピストによる診療を続けて経過観察をする必要がある。
【0041】
以下の実施例は本発明を実証するものであり、その範囲を限定するとみなされるべきものではない。
【0042】
(実施例1)
フルマゼニルを低用量で逐次投与しての患者の治療
1.1 実験プロトコール
コカイン中毒患者3名(男性2名および女性1名)がコカインの使用をやめるための治療プログラムに自発的に参加した。前記患者には適切な情報が与えられ、これに伴ってインフォームドコンセントの形で患者の了解をとった。離脱症状を一層よく評価できるように、患者には治療実施予定日の午前中にコカインを使わないよう気を付けさせた。
【0043】
コカインの使用に関して治療対象となった患者の特徴を表1にまとめておく。
【0044】
【表1】

【0045】
治療を開始する前に患者は徹底した健康診断と精神鑑定を受けた。午前中を通して行った患者のモニタリングでは、全成分(赤血球、白血球、血小板)の完全な計数を行う徹底的な血液分析、生化学プロファイル[クレアチニン、ブドウ糖、尿素、コレステロール(HDLおよびLDL)、トリグリセリド、アルカリホスファターゼ、LDH(乳酸デヒドロナーゼ)、総蛋白]、肝機能検査[GOT、GPT、GGT、ビリルビン]、心電図をとり、必要に応じて妊娠検査とレントゲン検査を行った。急性または非代償性の疾患がある場合を試験除外基準として適用した。入院前問診を行った患者全員を除外せずに試験を実施した。
【0046】
フルマゼニルの投与前後に、臨床基準と心拍数および血圧とを用いて離脱症候を評価した。
【0047】
入院中に従った治療プロトコールを表2に示す。
【0048】
【表2】

【0049】
フルマゼニルを投与して1〜2分後にはその効果を検出することができるため、0.2mgの用量で3分ごとに(合計2mg/日まで)フルマゼニルを投与した。離脱や他の製薬との相互作用あるいは精神機能障害に関連する悪い副作用を最小限にするために、1回用量につき上記の量で固定とした。1時間未満の時間で2mgのフルマゼニルを投与したところ、占有率がGABA B受容体の55%を上回った。
【0050】
著しい不安感を示した患者にはフルマゼニル投与の30分前にクロメチアゾール192mgを別に投与した。フルマゼニルの初回投与を開始する前にフルマゼニル0.1mgをボーラス投与することからなる試験を実施し、被験者の反応を評価した。著しい不快反応を持つ患者では、フルマゼニルの1回目の投与を、集中治療条件下でプロポフォールを併用して鎮静状態で行なった。
【0051】
病院からの退院の前に、以下の薬を処方した。
ビタミンB複合体:1−1−0(朝食−昼食−夕食)で1ヶ月。
ピラセタム3g:1−0−0で1週間。ピラセタム800mg:1−1−0で1ヶ月。
フルオキセチン20mg:1−0−0で2ヶ月。
クロメチアゾール192mg:1−0−1で1週間、2週目は0−0−0に減量。
【0052】
1.2 結果
治療した3名の患者のうち2例では初回試験が陽性(positive)であり、1回目のフルマゼニル投与を集中治療室にてプロポフォールを併用して鎮静状態で行なった。
【0053】
1回目のフルマゼニル投与後の結果
3名の患者のいずれにおいても肉体的症状または心理学的症状をひとつも見つけることができない点が患者の離脱症候から明らかになった。
【0054】
最初に正常であった患者の心拍数値[1分あたりの脈拍(b.p.m.)67±5回]は、鎮静状態を使う必要のあった2名の患者でフルマゼニルを1回目と2回目にボーラス投与した後に15±5b.p.m.上昇したこと以外はフルマゼニルの投与時をとおして安定したままであった。
【0055】
患者の収縮期血圧値には患者の側に被害をもたらす有意な変化は全く起こらなかった。初期値110±10mmHgで、フルマゼニルを投与する最初から最後まで上記の3例でこれらの値が10±5mmHg減少した。
【0056】
開始時に75±5mmHgであった患者の拡張期血圧値は、若干顕著に下降(15±5mmHg)しながら上記の値と同じ動きを見せた。
【0057】
2回目のフルマゼニル投与後の結果
1回目の投与のときと同様に、上記の患者のいずれにおいても肉体的症状をひとつも見つけることができない点が患者の離脱症候から明らかになったが、3名が薬物に関連した「考え」と「記憶」の強さが目立って低くなったと述べていた。
【0058】
患者の心拍数値(65±5b.p.m.)にはどの時点でもピークの上昇が認められず、フルマゼニルの投与時をとおして安定したままであった。
【0059】
患者の収縮期血圧値には有意な変化は全く起こらず値は初回投与時と事実上同一であった。すなわち、フルマゼニル投与時を通して初期値115±5mmHgであり、3例でこれらの値が10±5mmHg減少した。
【0060】
開始時に75±5mmHgであった患者の拡張期血圧値は、ここでも若干顕著に下降(15±5mmHg)しながら上記の値と同じ動きを見せた。
【0061】
入院中に食欲や睡眠などの精神生理学的機能が極めて短期間で回復し、初日の夜から次第に回復しはじめて退院時には事実上正常であった。
【0062】
入院2日目、午後にクリニックの外で数時間を過ごすことを患者に許可した。
【0063】
おそらく、最も顕著な結果は、不安感およびコカインを使いたいという欲求の欠如に関する大部分の患者からの自発的な報告である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コカイン依存症を治療するための薬剤組成物であって、フルマゼニルと薬剤上認められる担体とを含むことを特徴とするコカイン依存症治療用薬剤組成物。
【請求項2】
コカイン依存症を治療するために調合される薬剤であって、前記薬剤は、0.1〜0.3mgのフルマゼニルを一回の投与量とし、1から15分の時間間隔で夫々逐次投与されるように調剤されていることを特徴とするコカイン依存症治療用薬剤。
【請求項3】
請求項2に記載のコカイン依存症治療用薬剤において、前記薬剤は、フルマゼニルの全投与量が一日に1.5から2.5mgとなるように調剤されていることを特徴とするコカイン依存症治療用薬剤。
【請求項4】
請求項2に記載のコカイン依存症治療用薬剤において、前記薬剤は、フルマゼニルの一回の投与量が0.2mgとなるように調剤されていることを特徴とするコカイン依存症治療用薬剤。
【請求項5】
請求項2に記載のコカイン依存症治療用薬剤において、前記薬剤は、3分間隔で逐次投与できるように調剤されていることを特徴とするコカイン依存症治療用薬剤。
【請求項6】
請求項2に記載のコカイン依存症治療用薬剤において、前記薬剤は、フルマゼニルの一日の全投与量が2mgとなるように調剤されていることを特徴とするコカイン依存症治療用薬剤。
【請求項7】
請求項2に記載のコカイン依存症治療用薬剤において、前記薬剤は、経口的もしくは非経口的に投与可能なように調剤されていることを特徴とするコカイン依存症治療用薬剤。
【請求項8】
請求項2に記載のコカイン依存症治療用薬剤において、前記薬剤は、静脈注射によって投与可能なように調剤されていることを特徴とするコカイン依存症治療用薬剤。
【請求項9】
コカイン依存症を治療するために調合される薬剤であって、前記薬剤は、一日のフルマゼニルの全投与量が約2mgまでとなるように、一回のフルマゼニルの投与量を0.2mgとし、3分間隔で逐次投与されるように調剤されていることを特徴とするコカイン依存症治療用薬剤。
【請求項10】
コカイン依存症の治療のための薬剤組成物において、一回の投与量が約0.2mgのフルマゼニルと、薬剤上認められた担体とを含むことを特徴とするコカイン依存症治療用薬剤組成物。

【公開番号】特開2008−201799(P2008−201799A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−117980(P2008−117980)
【出願日】平成20年4月30日(2008.4.30)
【分割の表示】特願2002−564005(P2002−564005)の分割
【原出願日】平成14年2月8日(2002.2.8)
【出願人】(503295666)ハイチアム,インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】